説明

内視鏡用挿入補助具

【課題】シース挿入部の流体管路に接続されたチューブの押圧とその解除によりチューブを閉状態と開状態とで切り替える手元操作部を備えた内視鏡挿入補助具において、チューブに潰れ癖が付く不具合を防止するとともに、非使用時における手元操作部の破損を防止することができ、また、滅菌を好適に行うことができる内視鏡用挿入補助具を提供する。
【解決手段】挿入補助具のハンドル部30には、シース挿入部14の送気管路と送水管路に接続されたチューブを押圧により開閉する操作機構を備える。即ち、チューブを押圧する押圧位置に付勢されたストッパ90、92と、チューブを押圧しない非押圧位置にストッパ90、92を移動させるレバー32を備える。レバー32には、左右方向に貫通する貫通孔112、114が形成されており、これにロックピン110を挿入すると、レバー32が所定の回動位置でロックされ、ストッパ90、92が非押圧位置に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡用挿入補助具に係り、特に内視鏡の挿入部に設けられた観察窓や照明窓の洗浄を行う洗浄機構を備えた内視鏡用挿入補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、内視鏡を利用した医療診断が広く行われている。このような内視鏡は、挿入部の先端部が汚れ易い環境で使用されるため、挿入部の先端部に設けられている観察窓、照明窓を常に清浄に保ち、良好な視野を確保する必要がある。
【0003】
特許文献1〜3には、硬性内視鏡等に用いられる洗浄機構を備えた内視鏡用挿入補助具(単に挿入補助具という)が開示されている。これによれば、挿入補助具は、内視鏡本体部に装着されるシース本体部と、内視鏡挿入部が挿入されるシース挿入部とを備えている。シース挿入部は、その内径が硬性内視鏡の挿入部の外径よりも大きく構成されている。これにより、シース挿入部に内視鏡挿入部を挿入した装着状態において、シース挿入部と内視鏡挿入部との間に流体供給用通路が形成される。流体供給用通路は、シース挿入部の先端部に設けられたノズルに連通されている。したがって、流体供給用通路に洗浄液やガス等の流体を供給すると、流体がノズルから内視鏡の観察窓、照明窓に噴射されるので、観察窓、照明窓が清浄に保たれる。
【0004】
また、観察窓への流体の噴射のオン/オフを切り替える操作機構として、特許文献3には、挿入補助具の流体供給用通路に流体を供給するチューブを押圧(圧潰)することによってチューブの管路を閉塞した閉状態とし、チューブの押圧を解除することによってチューブの管路を開放した開状態に切り替えるものが提案されている。これによれば、施術者が操作機構の操作部材を操作しない非操作状態のときにチューブが閉状態に設定され、観察窓への流体の噴射が停止した状態で保持される。一方、施術者が操作機構の操作部材に所定の操作を加えると、チューブが開状態に切り替えられ、観察窓への流体の噴射が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−275185号公報
【特許文献2】特開平9−135804号公報
【特許文献3】特許第3833763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、観察窓、照明窓への流体の噴射は、施術者が意図したとき以外はオフとなっており、特許文献3のようにチューブの押圧によりチューブを閉状態にし、観察窓、照明窓への流体の噴射をオフにする操作機構の場合には、チューブを押圧した状態が定常的な状態となる。そのため、施術前においてチューブを押圧した状態が長時間に渡って継続する可能性がある。その場合にチューブに潰れ癖が付いてしまい、施術時においてチューブの押圧を解除してもチューブの管路が完全には開放されないおそれがある。このとき、観察窓、照明窓に噴射される流体の勢いが弱く、洗浄が適切に行われないおそれがある。また、操作部材等の可動部が可動状態にあると、施術使用前の運搬時等において衝撃や外力が加わる等によって容易に破損してしまうおそれもある。
【0007】
更に、エチレンオキサイドガス等でガス滅菌を行う際に、チューブが押圧された状態であると、チューブ内の管路やチューブが接続された管路にガスが十分に回らず滅菌されにくいという問題や菌が溜まりやすくなる可能性もある。ガス滅菌以外のオートクレーブ滅菌、ステラッド滅菌、γ線滅菌等の他の方法で滅菌を行う場合についても同様の問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、シース挿入部の流体管路に接続されたチューブの押圧とその解除によりチューブを閉状態と開状態とで切り替える手元操作部を備えた内視鏡挿入補助具において、チューブの押圧状態が長時間継続することによりチューブに潰れ癖が付くという不具合を防止するとともに、非使用時における手元操作部の破損を未然に防止することができる内視鏡用挿入補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、手元操作部と、前記手元操作部に基端部が接続されるとともに内視鏡の挿入部を挿通するルーメンを備えた筒状のシース挿入部とからなり、前記シース挿入部は、先端部に設けられたノズルに連通する流体管路を備えた内視鏡用挿入補助具において、前記手元操作部は、前記流体管路に接続されたチューブを通過させる位置に沿って配置された固定部を備えた本体と、前記固定部に対して前記チューブを挟んで対向配置され、前記チューブを押圧する押圧位置と前記チューブを押圧しない非押圧位置との間で変位する押圧部材と、前記本体に対して変位可能に支持された駆動部材であって、前記押圧部材を押圧位置に変位させる押圧駆動位置と、前記押圧部材を非押圧位置に変位させる非押圧駆動位置との間で変位する駆動部材と、前記本体に対して所定のロック位置と非ロック位置との間で変位可能なロック部材であって、前記ロック位置のときに前記押圧部材又は前記駆動部材と係合することにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持し、かつ、前記非ロック位置のときに前記押圧部材及び前記駆動部材と係合しないことにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持しないロック部材と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、ロック部材により押圧部材を非押圧位置に保持してチューブを非押圧状態に保持(ロック)することができるため、押圧部材によるチューブの押圧状態が長時間継続することによりチューブに潰れ癖が付くという問題をロック部材によるロックにより防止することができる。
【0011】
また、チューブを非押圧状態にロックしておくことによって、チューブに潰れ癖が付くことなく手元操作部にチューブを組み込んだ状態で長期間保管しておくことも可能であり、施術に使用する際の準備の手間や時間を軽減することもできる。
【0012】
また、ロック部材によるロックにより駆動部材や押圧部材の動きが制限されるため、容易に破損しないようになる。
【0013】
更に、ロック部材によりチューブを非押圧状態にロックした状態で、ガス滅菌を行うことにより、チューブ内の管路やチューブが接続された管路にガスが十分に通るようになり適切に滅菌が行われるようになる。他の方法により滅菌を行う場合においても好適である。
【0014】
本発明では、前記ロック部材は、前記ロック位置のときに前記内視鏡の装着を阻止する位置に配置されることが好ましい。本形態によれば、ロック部材によりチューブを非押圧状態にロックしている場合に、内視鏡用挿入補助具に内視鏡を装着することができないため、ロックの解除を忘れて施術での使用を開始してしまう不具合を未然に防止することができる。即ち、ロックを解除せずに施術での使用を開始し、チューブへの流体の送り込み等を開始してしまうと、それと同時に挿入補助具のノズルから流体が噴射してしまい、不測の事態を招くおそれがある。本形態では、ロックを解除することなく内視鏡を装着することができないため、そのような事態が防止される。
【0015】
本形態では、前記ロック部材は、前記非ロック位置のときに、前記内視鏡の装着を阻止しない位置となることが好ましい。本形態によれば、ロック部材によるロックの解除と同時に自動的に内視鏡の装着が可能となる。それとは逆に、内視鏡を装着すれば、自動的にロック部材によるロックが解除されるような態様も可能となる。
【0016】
本形態では、前記押圧部材を前記非押圧位置から前記押圧位置に変位させる方向に付勢する付勢部材を備え、前記駆動部材は、操作力が加えられることにより前記付勢部材の付勢力に抗して前記押圧部材を前記押圧位置から前記非押圧位置に変位させることが好ましい。本形態は、押圧部材が付勢部材により押圧位置となるように付勢され、駆動部材により付勢部材の付勢力に抗して押圧部材を非押圧位置に変位させる構成を示す。
【0017】
本発明では、前記押圧部材は前記付勢部材に一体形成されていることが好ましい。本形態によれば構成を簡素化することができる。
【0018】
本発明では、前記ロック部材は、前記駆動部材に形成された挿通孔に挿抜可能に挿入されることによって前記駆動部材と係合するロック部材であって、前記挿通孔に挿入されたときの位置を前記ロック位置とし、前記挿通孔から抜出されたときの位置を前記非ロック位置とし、前記ロック位置のときに前記本体に当接して前記駆動部材を前記非押圧駆動位置に保持することにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持するロック部材であることが好ましい。
【0019】
本形態は、ロック部材の一形態を示し、駆動部材の挿通孔に挿抜するロック部材を挿抜するだけで、ロックとその解除を行うことができ、構成も簡易である。
【0020】
本発明では、前記ロック部材は、前記ロック位置のときに、前記シース挿入部に前記内視鏡の挿入部を挿入する際に前記内視鏡のライトガイド用コネクタが通過する領域と重なる位置に配置されることが好ましい。
【0021】
本形態では、ロック位置に配置されたロック部材が内視鏡の装着を阻止する位置に配置されるため、ロックを解除せずに施術での使用を開始することが防止される。
【0022】
本発明では、前記ロック部材は、前記本体に対して揺動可能に支持されたロック部材であって、前記ロック位置のときに前記押圧部材と係合することにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持し、かつ、前記非ロック位置のときに前記押圧部材と係合しないことにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持しないロック部材であることが好ましい。
【0023】
本形態は、ロック部材の一形態を示し、ロック部材が駆動部材ではなく押圧部材と係合する形態を示す。ロック部材を揺動させるだけでロックとロックの解除を行うことができる。したがって、内視鏡を装着することによってロック部材によるロックを自動的に解除する形態とすることが容易に可能である。
【0024】
本発明では、前記ロック部材は、前記ロック位置のときに前記押圧部材に係合する係合部と、該係合部を揺動可能に支持する支持部と、前記ロック位置のときに前記内視鏡の装着を阻止する位置に配置される阻止部とを備えたことが好ましい。
【0025】
本形態は、ロック部材の構成を具体的に示したものであり、押圧部材と係合する係合部と内視鏡の装着を阻止する阻止部が配置される位置を具体的に示したものである。
【0026】
本発明では、前記ロック部材は、前記本体に対して揺動可能に支持されたロック部材であって、前記ロック位置のときに前記駆動部材と係合することにより、前記駆動部材を前記非押圧駆動位置に保持して前記押圧部材を前記非押圧位置に保持し、かつ、前記非ロック位置のときに前記駆動部材と係合しないことにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持しないロック部材であることが好ましい。
【0027】
本形態は、ロック部材の一形態を示し、ロック部材が押圧部材ではなく駆動部材と係合する形態を示す。ロック部材を揺動させるだけでロックとロックの解除を行うことができる。したがって、内視鏡を装着することによってロック部材によるロックを自動的に解除する形態とすることが容易に可能である。
【0028】
本発明では、前記ロック部材は、前記ロック位置のときに前記押圧部材に係合する係合部と、該係合部を揺動可能に支持する支持部と、前記ロック位置のときに前記内視鏡の装着を阻止する位置に配置される阻止部とを備えたことが好ましい。
【0029】
本形態は、ロック部材の構成を具体的に示したものであり、押圧部材と係合する係合部と内視鏡の装着を阻止する阻止部が配置される位置を具体的に示したものである。
【0030】
本発明では、前記ロック部材は、前記本体に対してスライド可能に支持されたロック部材であって、前記ロック位置のときに前記押圧部材と係合することにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持し、かつ、前記非ロック位置のときに前記押圧部材と係合しないことにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持しないロック部材であることが好ましい。
【0031】
本形態は、ロック部材の一形態を示し、ロック部材が押圧部材と係合する形態を示す。ロック部材をスライドさせるだけで、ロックとロックの解除を行うことができる。したがって、内視鏡を装着することによってロック部材によるロックを自動的に解除する形態とすることが容易に可能である。
【0032】
本発明では、前記本体は、前記押圧部材が変位する方向に対して直交する方向に前記内視鏡のライトガイド用コネクタが収容される収容部を備え、前記ロック部材は、前記収容部に配置されることが好ましい。
【0033】
本形態は、スライド可能なロック部材を配備する好適な位置を具体的に示す。
【0034】
本発明では、前記ロック部材は、前記内視鏡の外形状を模造したダミー部を備えたロック部材であって、前記ダミー部が前記内視鏡用挿入補助具に装着されたときの位置を前記ロック位置とし、前記ダミー部が前記内視鏡用挿入補助具から取り外されたときの位置を前記非ロック位置とし、前記ロック位置のときに前記押圧部材と係合することにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持し、かつ、前記非ロック位置のときに前記押圧部材と係合しないことにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持しないロック部材であることが好ましい。
【0035】
本形態は、ロック部材の一形態を示し、ロック部材が押圧部材と係合する形態を示す。本形態によれば、本物の内視鏡と同様にロック部材のダミー部(ダミー内視鏡)を内視鏡用挿入補助具に装着しておけば、チューブを非押圧状態にロックすることができ、また、ロック状態での内視鏡の装着も防止される。
【0036】
本発明では、前記本体は、前記押圧部材が変位する方向に対して直交する方向に前記内視鏡のライトガイド用コネクタが収容される収容部を備え、前記ロック位置のときに前記押圧部材に係合する前記ロック部材における係合部は、前記収容部に配置されることが好ましい。
【0037】
本形態は、押圧部材と係合するロック部材の係合部がロック状態で配置される位置を具体的に示す。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、チューブの押圧状態が長時間継続することによりチューブに潰れ癖が付くという不具合を防止することができる。また、非使用時における手元操作部の破損を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施の形態の挿入補助具に硬性内視鏡が装着された全体斜視図
【図2】図1の形態を下方から見た斜視図
【図3】挿入補助具を構成するシース挿入部の組み立て斜視図
【図4】直視内視鏡用の管体を示した断面図
【図5】斜視内視鏡用の管体を示した断面図
【図6】コレットチャックの構成を示した組み立て斜視図
【図7】送気送水用レバーの順方向操作による送気送水の切り替えを説明した断面図
【図8】送気送水用レバーの逆方向操作による送気送水の切り替えを説明した断面図
【図9】送気送水用レバーの回動操作による送気送水の切り替えを説明した断面図
【図10】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第1の実施の形態のロック機構の構成を示した斜視図
【図11】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第1の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図12】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第1の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図13】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第2の実施の形態のロック機構の構成を示した斜視図
【図14】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第2の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図15】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第2の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図16】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第3の実施の形態のロック機構の構成を示した斜視図
【図17】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第3の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図18】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第3の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図19】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第4の実施の形態のロック機構の構成を示した斜視図
【図20】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第4の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図21】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第4の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図22】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第5の実施の形態のロック機構の構成を示した斜視図
【図23】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第5の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図24】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第5の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図25】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第6の実施の形態のロック機構の構成を示した斜視図
【図26】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第6の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【図27】挿入補助具のハンドル部の操作機構及び第6の実施の形態のロック機構の構成を示した断面図
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付図面に従って本発明に係る内視鏡用挿入補助具の好ましい実施の形態について詳説する。
【0041】
図1は、硬性内視鏡12に装着された第1の実施の形態の内視鏡用挿入補助具(以下、挿入補助具という)10を示す全体斜視図であり、図2は、図1の形態を下方から見た斜視図である。また、図3には、挿入補助具10を構成するシース挿入部14の組み立て斜視図が示されている。
【0042】
図3の如く硬性内視鏡12は、本体部24と硬性管からなる内視鏡挿入部26とから構成される。本体部24には、コネクタ28が突設されている。コネクタ28は、硬性内視鏡12の使用時において、挿入補助具10を構成するハンドル部(手元操作部)30の本体31のU字状切欠部34から図3上で上方に突出配置される。この状態で、ライトガイドケーブル36の一端部がコネクタ28に接続され、ライトガイドケーブル36の他端部が外設の光源装置38に接続される。
【0043】
コネクタ28には、光ファイバからなるライトガイド(不図示)の一端が固定されている。このライトガイドは内視鏡挿入部26内に挿通配置され、ライトガイドの他端が、内視鏡挿入部26の先端面27に設けられた照明窓40に対向するように延設されている。したがって、光源装置38からの照明光は、ライトガイドケーブル36、及び前記ライトガイドを介して照明窓40に導かれ、照明窓40から体腔内の観察部位に照射される。
【0044】
また、内視鏡挿入部26の先端面27には、観察窓42が設けられている。観察窓42から入射した観察部位の光学像は、内視鏡挿入部26内に挿通配置されたイメージガイド(不図示)の結像面に対物レンズ(不図示)によって結像される。そして、前記光学像は、前記イメージガイドを介して本体部24に導かれ、本体部24の基端部に連結された接眼部44の接眼レンズ46(図1、図2参照)を介して施術者に観察される。なお、本実施の形態では、観察部位の光学像を、イメージガイドを介して接眼部44から観察する硬性内視鏡12を例示したが、固体撮像素子の受光面に光学像を結像させて、光学像を電子画像データとして出力する電子内視鏡であってもよい。また、図1に示すように硬性内視鏡12の接眼部44にアダプタ47を介してカメラヘッド48を装着することで、接眼部44において観察される光学像をカメラヘッド48で電子画像データに変換してカメラヘッド48からのケーブルを接続したプロセッサ装置等の機器に伝送することもできる。
【0045】
内視鏡挿入部26がシース挿入部14に規定の位置まで挿入されると、内視鏡挿入部26の照明窓40、及び観察窓42がシース挿入部14の先端開口部(図3では符号22)から露出する。
【0046】
シース挿入部14に挿入された内視鏡挿入部26は図2の如く、シース挿入部14の導入管50に設けられているコレットチャック52の締結動作によって導入管50に固定される。これにより、挿入補助具10と硬性内視鏡12とが相互に固定され、施術の安定化が図られている。
【0047】
コレットチャック52は図6の如く、コレット部54とナット部56とから構成される。コレット部54は、導入管50の基端部に形成された3本の割溝58と、導入管50の基端部の表面に刻設された雄ねじ60とを備えている。ナット部56の内周面には、雄ねじ60に螺合するテーパ状の雌ねじ62が刻設されている。したがって、ナット部56の雌ねじ62をコレット部54の雄ねじ60に螺合させ、ナット部56を締結方向に回転させると、コレット部54がテーパ状の雌ねじ62に押圧されて縮径し、硬性内視鏡12の内視鏡挿入部26に押圧される。これによって、挿入補助具10と硬性内視鏡12とがコレットチャック52によって相互に固定される。なお、挿入補助具10と硬性内視鏡12とを固定する手段は、コレットチャック52以外の手段によるものであってもよい。
【0048】
一方、挿入補助具10は図3の如く、硬性内視鏡12の内視鏡挿入部26が挿入される外套管としてのシース挿入部14と、シース挿入部14の基端部に設けられ、施術者が把持して操作するハンドル部30とから構成される。シース挿入部14の基端部は、ハンドル部30の本体31に備えられた支持部64に貫通配置されて、図6に示した導入管50に一体的に連結されている。
【0049】
図3の如く、シース挿入部14には、内視鏡挿入部26が挿入されるルーメン16がシース挿入部14の長手軸A方向に沿って形成されている。また、ルーメン16の直径は、内視鏡挿入部26の外径よりも僅かに大きく、シース挿入部14に対する内視鏡挿入部26のガタがほとんど生じない程度で、かつ、内視鏡挿入部26をシース挿入部14に円滑に挿入することができる大きさとなっている。なお、シース挿入部14は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン、シリコンゴム、ポリ塩化ビニル等の樹脂製であることが好ましい。
【0050】
また、シース挿入部14には、流体管路である送気管路18と、流体管路である送水管路20とが長手軸A方向に形成されている。これらの送気管路18と送水管路20とは、シース挿入部14の先端部近傍で合流され、その合流管路(不図示)がシース挿入部14の先端部に備えられたノズル68に連通されている。このノズル68は、ルーメン16の先端開口部22の中心部に向けて開口されている。ノズル68からは、送気管路18から供給されてきた空気(COガス)、及び送気管路18と送水管路20とから供給されてきた空気(COガス)と洗浄水(水)との混合流体が噴射される。よって、シース挿入部14に挿入された内視鏡挿入部26の照明窓40、及び観察窓42には、COガスと混合流体とが切り替えられて噴射される。
【0051】
また、シース挿入部14を装着する硬性内視鏡12が直視硬性内視鏡の場合には、シース挿入部14として図4の如く先端部が長手軸Aと直交する平面上に先端開口部22を有するものが用いられる。シース挿入部14を装着する硬性内視鏡12が斜視硬性内視鏡の場合には、シース挿入部14として図5の如く長手軸Aと斜交する平面上に先端開口部22を有するものが用いられる。図4、図5において符号25は、模式的に示した硬性内視鏡12の観察窓である。
【0052】
送気管路18は、図6に示すポート70を介して外部に開口され、送水管路20は、図6に示すポート72を介して外部に開口される。
【0053】
ポート70には、図2に示すようにガス供給チューブ74の一端が接続される。このガス供給チューブ74は、ハンドル部30の本体31に備えられている溝76から、図3に示す本体31の開口部78を介して外部に延設されて、その他端が図2のCO供給装置80に接続される。これにより、CO供給装置80からのCOガスがガス供給チューブ74、ポート70、及び送気管路18を介してノズル68に供給される。
【0054】
また、ポート72には、図2に示すように液供給チューブ82の一端が接続される。この液供給チューブ82は、本体31に備えられている溝84から、図3に示す本体31の開口部86を介して外部に延設されて、その他端が図2の送水装置88に接続される。これにより、送水装置88からの水が液供給チューブ82、ポート72、及び送水管路20を介してノズル68に供給される。
【0055】
挿入補助具10のハンドル部30は、送気送水用レバー32を回動操作(押下操作)することにより、シース挿入部14先端のノズル68からのCOガスの噴射と混合流体(COガスと水)の噴射のオン/オフを切り替える操作機構を備えている。
【0056】
図1〜図3に示すように、送気送水用レバー32は、前側の中央部に、本体31のU字状切欠部34に挿入配置された硬性内視鏡12のコネクタ28が挿通配置される開口部32Aを備える共に、その開口部32Aの左右両側に配置される一対の脚部32B、32Cとを備えている。各脚部32B、32Cの先端部には、同軸上となる位置に左右方向の内側に向けて軸が突設されており、それらの軸が本体31の左右方向に貫通形成された軸孔に嵌入されて軸支されている。これにより、送気送水用レバー32が、本体31の軸孔の位置を回転軸として回動可能に支持されている。
【0057】
また、送気送水用レバー32は、後側の端部において施術者が押圧力を加える押圧部32Dと、上記脚部32B、32Cと押圧部32Dとを連結する傾斜部32Eとを備えている。押圧部32Dは、一対の脚部32B、32Cが沿う平面に対して、シース挿入部14の長手軸Aから遠くなる上側位置を通過する略平行な平面に沿って配置され、傾斜部32Eは、それらの平面に対して交差する平面に沿って配置されている。その傾斜部32Eには、上記開口部32Aと連通する開口部32Fが形成されている。
【0058】
開口部32Fは、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着する際、又は、挿入補助具10を硬性内視鏡12から取り外す際に、硬性内視鏡12のコネクタ28が送気送水用レバー32の後側から本体31のU字状切欠部34へと進入し、又は、U字状切欠部34から送気送水用レバー32の後側へと退出する通路を形成している。
【0059】
操作機構は、このような送気送水用レバー32の回動操作により、ガス供給チューブ74と液供給チューブ82の各々に対して、チューブを押圧(圧潰)してチューブの管路を閉塞した閉状態と、チューブの押圧(圧潰)を解除してチューブの管路を開放した開状態とで切り替えるように構成されている。
【0060】
図7、図8は、ハンドル部30の操作機構の構成要素を後側から示す概略断面図であり、図9は、横側から示す概略断面図である。図7(A)〜(C)、及び図8(A)〜(C)に示すように、ハンドル部30の本体31における溝76、84内において、本体31(溝76、84内の上側の壁面部76B、84B)に対して棒状のストッパ90、92の各々がガス供給チューブ74、液供給チューブ82を挟んで対向配置されている。そして、ストッパ90が本体31(壁面部76B)に対して上下に昇降移動することによってガス供給チューブ74の押圧(圧潰)とその解除が行われ、ガス供給チューブ74の管路が閉塞、又は開放され、ストッパ92が本体31(壁面部84B)に対して上下に昇降移動することによって液供給チューブ82の押圧とその解除が行われ、液供給チューブ82の管路が閉塞、又は開放されるようになっている。
【0061】
ストッパ90は、捩じりコイルばね94から延設された一端部を直角に折り曲げることによって構成される。また、ストッパ92も同様に捩じりコイルばね96から延設された一端部を直角に折り曲げることによって構成されている。
【0062】
捩じりコイルばね94、96は、本体31の左右方向を軸とする図示しない軸孔に嵌入されており、捻りコイルばね94、96の他端部は、軸孔の軸周りの回転が規制された状態で本体31に係合されている。また、本体31の軸孔に嵌入された捻りコイルばね94、96の内側には、送気送水用レバー32の各脚部32B、32Cに内向きに突設された軸98が嵌入されて、送気送水用レバー32が本体31に回動可能に支持されている。送気送水用レバー32の非操作時においては、図7(A)、図8(C)、図9(A)の如く、ストッパ90、92は、捩じりコイルばね94、96からの付勢力によって、ストッパ90がガス供給チューブ74を押圧して閉塞し、ストッパ92が液供給チューブ82を押圧して閉塞した状態にある。即ち、ガス供給チューブ74と液供給チューブ82の両方の管路が閉塞された閉状態となっている。
【0063】
この状態から図9(B)の如く、軸98を中心に送気送水用レバー32を時計周り方向に回動させると、送気送水用レバー32の裏面に突設されている押下部材100が、図7(A)〜図7(B)の如く、捩じりコイルばね94の付勢力に抗してストッパ90を押し下げていく。これにより、ガス供給チューブ74の管路が図7(B)の如く開放されて開状態となる。なお、図7(B)の状態において、液供給チューブ82はストッパ92に押圧されて管路が閉塞した閉状態にある。よって、図3に示したシース挿入部14先端のノズル68からはCOガスのみ噴射される。
【0064】
そして更に、送気送水用レバー32を、軸98を中心に時計周り方向に回動させていくと、送気送水用レバー32の裏面に突設された押下部材102が、図7(B)〜図7(C)の如く、捩じりコイルばね96の付勢力に抗してストッパ92を押し下げていく。これにより、液供給チューブ82の管路が図7(C)の如く開放されて開状態となる。よって、ガス供給チューブ74に続いて液供給チューブ82も開状態となるので、シース挿入部14先端のノズル68からはCOガスと洗浄水との混合流体が噴射される。なお、押下部材102は、図7(A)の如く、ガス供給チューブ74が閉状態から開状態となるまでの送気送水用レバー32の操作位置の範囲では、捩りコイルばね96に接触しない状態であり、図7(B)の如く、少なくともガス供給チューブ74の管路が完全に開放された開状態のときに捩りコイルばね96に接触するようになっている。
【0065】
したがって、送気送水用レバー32を2段階で回動操作(押下操作)することにより、前記COガスと前記混合流体とを切り替えてノズル68に供給し、ノズル68から噴射させることができる。この切り替えは、長さの異なる押下部材100、102の作用によって達成できる。
【0066】
施術時における実際の操作は、まず、送気送水用レバー32を図7(A)の位置から図7(B)の位置まで回動して、ノズル68からCOガスを照明窓40及び観察窓42に噴射し、照明窓40及び観察窓42に付着した血液、体液等を吹き飛ばす。
【0067】
次に、送気送水用レバー32を図7(B)の位置から図7(C)の位置まで回動して、ノズル68から前記混合流体を照明窓40及び観察窓42に噴射し、照明窓40及び観察窓42を洗浄する。
【0068】
次いで、送気送水用レバー32を図8(A)の位置(図7(C)の位置と同じ)から図8(B)の位置まで反対方向に回動して、ノズル68からCOガスを照明窓40及び観察窓42に噴射し、照明窓40及び観察窓42を乾燥する。この後、送気送水用レバー32を図8(B)の位置から図8(C)(図7(A)の位置と同じ)に戻し、COガスの供給を停止する。以上が送気送水用レバー32の操作手順である。
【0069】
なお、送気送水用レバー32を図7(A)と図7(B)の位置との間に回動させて、ガス供給チューブ74を若干量開放すると、ノズル68から微量なCOガスが照明窓40及び観察窓42に噴射される。これにより、照明窓40及び観察窓42の前面に、COガスによるガスカーテンが形成されるので、照明窓40及び観察窓42の汚れを低減できる。
【0070】
次に、ノズル68からのCOガス、混合気体の噴射のオン/オフを切り替えるためにハンドル部30に組み込まれた操作機構に対するロック機構について説明する。
【0071】
上述のハンドル部30に組み込まれた操作機構では、送気送水用レバー32の非操作時においてガス供給チューブ74及び液供給チューブ82が押圧(圧潰)された押圧状態にあり、その状態で長時間が経過すると、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82に潰れ癖が付いてしまい、施術時において送気送水用レバー32の回動操作により押圧を解除しても各々の管路が完全に開放されないおそれがある。そこで、送気送水用レバー32の非操作時においてもガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の押圧を解除した非押圧状態(開状態)に保持するロックするロック機構を設けると好適である。
【0072】
図10〜図12は、ハンドル部30に第1の実施の形態のロック機構を設けた態様を示した図であり、図10は、図2の斜視図に示したハンドル部30を拡大して示した拡大図、図11は、ハンドル部30の操作機構及びロック機構の構成要素を模式的に後側から示した概略断面図、図12は、横側から示した断面図である。
【0073】
図10〜図13に示すように、本実施の形態のロック機構は、送気送水用レバー32の脚部32B、32Cの各々に貫通形成された貫通孔112、114と、それらの貫通孔112、114に挿脱可能に挿入されるロックピン110とから構成されている。
【0074】
貫通孔112、114は、左右方向を軸方向として貫通形成された孔であり、脚部32B、32Cにおいて2つの貫通孔112、114の軸が一致する対向位置に形成されている。
【0075】
送気送水用レバー32が非操作状態のときには、図11(B)のように、それらの貫通孔112の軸は、本体31よりも上方又は本体31に遮られる位置に配置された状態となっている。一方、送気送水用レバー32を一定量以上押し下げ、図10、図11(A)のように、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方の管路が完全に開放された開状態(完全な開状態)となる回動位置において、2つの貫通孔112、114の軸上に本体31が配置されない状態となる。
【0076】
即ち、2つの貫通孔112、114は、送気送水用レバー32がガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方を閉状態にする非操作状態のときの回動位置(以下、基準位置という)からガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方を完全な開状態にする回動位置までの間の回動範囲に設定されている状態において、それらの貫通孔112、114の軸上に本体31が存在するような位置に形成されると共に、送気送水用レバー32がガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方を完全な開状態にする回動位置に設定されている状態において、それらの貫通孔112、114の軸上に本体31やその他の部材が何も存在しないような位置に形成されている。
【0077】
ロックピン110は、金属等の硬質の材料により長手状(本実施の形態では例えば円柱状)に形成されたピン本体110Aと、ピン本体110Aの一方の端部側において環状に湾曲形成された基端部110Bとから構成されている。
【0078】
ピン本体110Aは、その長手軸に対して直交する断面において外径(最大幅)が上記貫通孔112、114に挿入可能な大きさに形成されている。また、長手軸方向の長さが、送気送水用レバー32の2本の脚部32B、32Cの左右方向に関して外側となる側壁面33A、33B(図11参照)の間隔よりも長くなるように形成されている。
【0079】
以上のロック機構の作用について説明すると、非ロック状態及び非操作状態では、図11(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方がストッパ90、92により押圧された押圧状態となっており、それらの管路が完全に閉塞された閉状態となっている。これに対して、送気送水用レバー32を基準位置から一定量以上押し下げることによって、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方を完全な開状態(非押圧状態)にする回動位置まで操作すると、図10のように2つの貫通孔112、114の軸上に本体31やその他の部材が何も存在しない状態となる。このとき、ロックピン110の基端部110Bと反対側のピン本体110Aの先端側を、貫通孔112、114のうちの任意の貫通孔(例えば図10の如く貫通孔114とする)に対して外側の側壁面33Bから挿入し、貫通孔112、114の軸方向にピン本体110Aを差し込んで行くと、他の部材に阻害されることなく、ピン本体110Aの先端側が他方の貫通孔112を挿通する。そして、ロックピン110の基端部110Bが、少なくとも貫通孔114の側壁面33Bに当接する位置までピン本体110Aを差し込んだときには、ピン本体110Aが図10、図11(A)のように2つの貫通孔112、114を挿通した状態に設定される。
【0080】
このようにしてピン本体110Aを2つの貫通孔112、114に挿通させた状態に設定した後、送気送水用レバー32の押下操作を解除すると、捻りコイルばね94、96の作用により、送気送水用レバー32に対して基準位置に戻す付勢力が働くが、図11(A)、図12に示すようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82がストッパ90、92により押圧されない完全な開状態となる送気送水用レバー32の回動位置の範囲内において、ピン本体110Aが本体31の下側(溝76、84の下側縁部)に当接する。これによって、送気送水用レバー32の回動が規制され、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が完全な開状態となる非押圧状態でロックされる。
【0081】
一方、ロック状態において、ロックピン110のピン本体110Aを両方の貫通孔112、114から抜き取れば、ロックが解除され、図11(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が閉状態となる基準位置に送気送水用レバー32が回動して停止し、非ロック状態となる。
【0082】
以上のロック機構によれば、ハンドル部30に組み込まれた操作機構をロック機構によりロック状態とすることにより、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82が非押圧状態で保持されるため、この状態が長時間継続したとしてもガス供給チューブ74及び液供給チューブ82に潰れ癖が付くという不具合が防止される。従って、挿入補助具10を使用可能な状態に準備してから長時間が経過するような場合には、ロック機構によりロック状態としておくと好適である。
【0083】
また、ロック機構を設けたことにより、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82を組み込んだ状態にハンドル部30の操作機構を組み上げてから長期間保管しておくことも可能となる。そのため、例えば製品出荷段階でガス供給チューブ74及び液供給チューブ82を組み込んだ状態に操作機構を組み上げてロック機構によりロック状態としておけば、施術に使用する際の準備の手間や時間を軽減することができる。
【0084】
また、挿入補助具10をガス滅菌装置等によりエチレンオキサイドガス等でガス滅菌を行う際に、操作機構をロック機構によりロック状態とし、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82を非押圧状態で保持しておくことによって、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の管路、これらが接続されたシース挿入部14の送気管路18及び送水管路20に滅菌用のガスが十分に回るようになりガス滅菌が適切に行われるようになる。ガス滅菌以外のオートクレーブ滅菌、ステラッド滅菌、γ線滅菌等の他の方法で滅菌を行う場合においても好適である。また、菌が溜まりにくくなるという利点もある。
【0085】
更に、上記のロック機構によれば、操作機構がロック機構によりロックされたロック状態のときには、挿入補助具10の使用を開始することが防止されている。即ち、図11(A)のようにロック状態のときにガス供給チューブ74や液供給チューブ82にCO供給装置80、送水装置88から流体を送り込むと、それと同時にノズル68から流体が噴射されてしまい、不測の事態が生じる可能性がある。そのため、ロック状態では硬性内視鏡12に挿入補助具10を装着できないようになっている。
【0086】
このロック状態での挿入補助具10の使用を防止する機能について説明すると、図10、図11(A)、図12のように、ロックピン110のピン本体110Aを貫通孔112、114に挿通してロック状態に設定している場合においては、ハンドル部30の本体31のU字状切欠部34の下側にピン本体110Aが配置された状態となる。従って、ロック状態で挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着しようとすると、ロックピン110のピン本体110Aによって、硬性内視鏡12のコネクタ28をU字状切欠部34に挿入することが阻止される。これによって、作業者は、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着する際に操作機構がロック状態であることを知ることができ、ロック状態での挿入補助具10の使用が未然に防止される。
【0087】
なお、貫通孔112、114を挿通したロックピン110が配置される位置は、挿入補助具10に硬性内視鏡12を装着することを阻止する位置(硬性内視鏡12の装着を阻止する位置)であればどこに配置されるようにしてもよく、例えば、挿入補助具10に装着された硬性内視鏡12のいずれかの部位が配置される領域(内視鏡配置領域)、または、挿入補助具10に硬性内視鏡12を装着する際に、硬性内視鏡12のいずれかの部分が必ず通過する領域、即ち、内視鏡配置領域に対して後方側に近傍となる後方側近傍領域と少なくとも一部において重なる位置であれば、確実にロック状態での硬性内視鏡12の装着を阻止することができる。
【0088】
次に第2の実施の形態のロック機構について説明する。図13〜図15は、ハンドル部30に第2の実施の形態のロック機構を設けた態様を示した図であり、図13は、図2の斜視図に示したハンドル部30を拡大して示した拡大図、図14は、ハンドル部30の操作機構及びロック機構の構成要素を模式的に後側から示した概略断面図、図15は、横側から示した断面図である。
【0089】
図13〜図15に示すように、本実施の形態のロック機構は、基台部120とレバー部122とを備えている。
【0090】
基台部120は、例えば、シース挿入部14又はハンドル部30の本体31(支持部64等)から延設又は連結された板状体であり、少なくとも挿入補助具10に装着された硬性内視鏡12が配置される領域を避けた位置に配置されている。
【0091】
また、基台部120の左右両側側面には、レバー部122を揺動可能に軸支する軸穴(不図示)が形成されている。
【0092】
レバー部122は、左右2本の脚部128、130と、それらの脚部128、130の間に左右方向に架設されて脚部128と脚部130を連結する挿入防止部132とを備え、それらの脚部128、130と、挿入防止部132とが一体形成されて構成されている。
【0093】
脚部128、130の各々の下端側には、同軸上となる位置に軸ピン128A、130Aが突設されており、それらの軸ピン128A、130Aが各々、基台部120の軸穴に嵌入されている。これによって、レバー部122が軸ピン128A、130Aを支点として図15のように揺動可能に基台部120に支持されている。
【0094】
脚部128、130の各々の上端部には、後側に向けて係合部128B、130Bが突出形成されている。後述のように本実施の形態のロック機構により操作機構をロックする際には、図14(A)、図15のように、これらの係合部128B、130Bがストッパ90、92を係止するようになっている。
【0095】
挿入防止部132は、脚部128と脚部130との間に左右方向に架設されており、図14(A)のようにロック状態でのレバー部122の揺動位置と、図14(B)のように非ロック状態でのレバー部122の揺動位置のいずれにおいても、ルーメン16の基端側開口と前後方向に重ならない、基端側開口よりも上側の位置に配置されている。
【0096】
以上のロック機構の作用について説明すると、非ロック状態及び非操作状態では、図14(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方がストッパ90、92により押圧状態となっており、それらの管路が完全に閉塞された閉状態となっている。
【0097】
これに対して、送気送水用レバー32を基準位置(非操作状態での回転位置)から一定量以上押し下げて、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方を完全な開状態(非押圧状態)にする回動位置まで操作し、レバー部122を上下方向に起立させた状態にすると、図13のようにレバー部122の係合部128B、130Bの各々が、ストッパ90、92を係止することができる位置となる。そして、送気送水用レバー32の押下操作を解除すると、捻りコイルばね94、94の作用により、送気送水用レバー32に対して基準位置に戻す付勢力が働くが、図14(A)、図15のように係合部128B、130Bにストッパ90、92が引っ掛かり、ストッパ90、92が係合部128B、130Bに係止される。これにより、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82がストッパ90、92により押圧されず、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が完全な開状態となる非押圧状態でロックされる。
【0098】
一方、ロック状態において、図15のようにレバー部122の上部を前側に押し倒すようにしてレバー部122を実線の位置から破線の位置に揺動させると、ストッパ90、92が係合部128B、130Bから外れてロックが解除される。これにより、図15(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が閉状態となる基準位置に送気送水用レバー32が回動して停止し、非ロック状態となる。
【0099】
また、この第2の実施の形態のロック機構においても、ロック状態での挿入補助具10の使用を防止する機能が設けられていると共に、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着する際に自動でロック状態から非ロック状態に切り替えられるようになっている。
【0100】
即ち、ロック状態においては、図13、図14(A)のように、レバー部122の挿入防止部132が、硬性内視鏡12のコネクタ28が挿入配置されるハンドル部30の本体31のU字状切欠部34の下側において、後側寄りに配置されている。従って、ロック状態で挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着しようとすると、硬性内視鏡12のコネクタ28がレバー部122の挿入防止部132に当接し、硬性内視鏡12のコネクタ28をU字状切欠部34に挿入することが阻止される。これによって、作業者は、操作機構がロック状態であることを知ることができる。
【0101】
また、硬性内視鏡12のコネクタ28が挿入防止部132に当接した後、そのままコネクタ28をU字状切欠部34の先端側に向けて押し込むと、図15の破線のようにレバー部122が前側に押し倒されてロックが解除され、図14(B)のように非ロック状態となる。このとき、挿入防止部132も前側に移動して上記の内視鏡配置領域(挿入補助具10に装着された硬性内視鏡12が配置される領域)から退避するため、コネクタ28をU字状切欠部34の所定の位置まで挿入して挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着することができる。
【0102】
このように、本実施の形態のロック機構によれば、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着する際に、自動でロックが解除されるため、ロックを解除するための特別な作業が不要となる。その他の本実施の形態のロック機構の効果については、第1の実施の形態のロック機構と同様の効果を有するため説明を省略する。
【0103】
なお、挿入防止部132は、ロック状態のときに、硬性内視鏡12の装着を阻止する位置(例えば、上記内視鏡配置領域と上記後方側近傍領域の少なくとも一方と重なる位置)に配置され、非ロック状態のときに硬性内視鏡12の装着を阻止しない位置に配置されるようにすれば良く、例えば、ロック状態のときに、シース挿入部14のルーメン16の基端側開口に対して前後方向に少なくとも一部が重なる位置に配置され、非ロック状態のときに基端側開口よりも下側の位置に退避するような位置に配置されるようにしてもよい。
【0104】
次に、第3の実施の形態のロック機構について説明する。図16〜図18は、ハンドル部30に第3の実施の形態のロック機構を設けた態様を示した図であり、図16は、図2の斜視図に示したハンドル部30を拡大して示した拡大図、図17は、ハンドル部30の操作機構及びロック機構の構成要素を模式的に後側から示した概略断面図、図18は、横側から示した断面図である。
【0105】
図16〜図18に示すように、本実施の形態のロック機構は、ハンドル部30の本体31の揺動可能に支持されたレバー部材140を備えている。
【0106】
レバー部材140は左右2本の脚部142、144と、それらの脚部142、144の下側端部に左右方向に架設されて脚部142と脚部144とを連結する挿入防止部146を備え、それらの脚部142、144と、挿入防止部146とが一体形成されて構成されている。
【0107】
脚部142、144の各々の上端側には、同軸上となる位置に軸ピン142A、144A(図17参照)が突設されており、それらの軸ピン142A、144Aが各々、本体31の溝76、84内の壁面に形成された軸穴(図示せず)に嵌入されている。これによって、レバー部材140が軸ピン142A、144Aを支点として揺動可能に本体31に支持されている。
【0108】
脚部142、144の各々の左右方向に関して外側となる面には、外側に向けて突出する突起部152、154が形成されている。後述のように本実施の形態のロック機構により操作機構をロックする際には、図17(A)、図18のように、これらの突起部152、154が、送気送水用レバー32の各脚部32B、32Cの上面と本体31の下側(溝76、84の下側縁部)との間に挟み込まれるようになっている。これによって、送気送水用レバー32の回動が規制され、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が完全な開状態となる非押圧状態でロックされるようになっている。
【0109】
挿入防止部146は、脚部142と脚部144との間に左右方向に架設されており、図17(A)のようにロック状態でのレバー部材140の揺動位置においては、ルーメン16の基端側開口と前後方向に重なる位置に配置され、図17(B)のように非ロック状態でのレバー部材140の揺動位置においては、ルーメン16の基端側開口と前後方向に重ならない、基端側開口より上側の位置に退避するようになっている。
【0110】
また、送気送水用レバー32の各脚部32B、32Cの各々には、左右方向に関して内側となる側壁面33C、33Dに上端から下端まで連通する突起部通過溝160、162が形成されている(図16、図18参照)。これらの突起部通過溝160、162は、非ロック状態でのレバー部材140の揺動位置において、レバー部材140の突起部152、154が送気送水用レバー32の脚部32B、32Cと干渉しないスペースを形成している。
【0111】
即ち、図16、図17(A)、図18(実線)のようにレバー部材140の突起部152、154を送気送水用レバー32の脚部32B、32Cの上面と本体31の下側(溝76、84の下側縁部)との間で挟み込んだロック状態から、レバー部材140の下側(挿入防止部146側)を前側に押すようにしてレバー部材140を図18の破線で示すように前側に揺動させると、突起部152、154も前側に移動する。このとき、図18のように突起部152、154が、送気送水用レバー32の脚部32B、32Cの突起部通過溝160、162を通過することによって図17(B)のように送気送水用レバー32が基準位置に復帰することができ、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方を閉状態にする非ロック状態に設定することができるようになっている。
【0112】
以上のロック機構の作用について説明すると、非ロック状態及び非操作状態では、図17(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方がストッパ90、92により押圧状態となっており、それらの管路が完全に閉塞された閉状態となっている。また、レバー部材140の突起部152、154が、送気送水用レバー32よりも下側となる位置に配置されている。
【0113】
これに対して、レバー部材140を前側に揺動させて突起部152、154が送気送水用レバー32の脚部32B、32Cの突起部通過溝160、162を通過する位置に設定し、送気送水用レバー32を基準位置(非操作状態のときの位置)から押し下げるとする。このとき、レバー部材140の突起部152、154が、送気送水用レバー32の突起部通過溝160、162を完全に通過して、送気送水用レバー32の上面よりも上側となる位置まで、送気送水用レバー32を押し下げる。そして、レバー部材140を後側に揺動させて、送気送水用レバー32の押下操作を解除すると、捻りコイルばね94、94の作用により、送気送水用レバー32に対して基準位置に戻す付勢力が働くが、図17(A)、図18のように突起部152、154が送気送水用レバー32の脚部32B、32Cの上面に当接し、送気送水用レバー32の回動が規制される。これによって、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82がストッパ90、92により押圧されず、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が完全な開状態となる非押圧状態でロックされる。
【0114】
一方、ロック状態において、図18のようにレバー部材140の下部を前方に押すようにしてレバー部122を実線の位置から破線の位置に揺動させると、突起部152、154が、送気送水用レバー32の突起部通過溝160、162の位置に移動し、送気送水用レバー32の回動の規制が解除される。そして、突起部152、154が突起部通過溝160、162を通過することによって、図17(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が閉状態となる基準位置に送気送水用レバー32が回動して停止し、非ロック状態となる。
【0115】
また、この第3の実施の形態のロック機構においても、第2の実施の形態と同様に、ロック状態での挿入補助具10の使用を防止する機能が設けられていると共に、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着する際に自動でロック状態から非ロック状態に切り替えられるようになっている。
【0116】
即ち、ロック状態においては、図16、図17(A)のように、レバー部材140の挿入防止部146が、シース挿入部14のルーメン16の基端側開口と前後方向に重なる位置に配置されている。従って、ロック状態で挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着しようとすると、硬性内視鏡12の内視鏡挿入部26がレバー部材140の挿入防止部146に当接し、シース挿入部14のルーメン16に内視鏡挿入部26を挿入することが阻止される。これによって、作業者は、操作機構がロック状態であることを知ることができる。
【0117】
また、内視鏡挿入部26が挿入防止部146に当接した後、そのまま内視鏡挿入部26をルーメン16の基端側開口に向けて押し込むと、図18の破線のようにレバー部材140が前側に押されて、ロックが解除され、図17(B)のように非ロック状態となる。このとき、挿入防止部146も前側に移動して上記の内視鏡配置領域から退避するため、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着することができる。
【0118】
このように、本実施の形態のロック機構によれば、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着する際に、自動でロックが解除されるため、ロックを解除するための特別な作業が不要となる。その他の本実施の形態のロック機構の効果については、第1の実施の形態のロック機構と同様の効果を有するため説明を省略する。
【0119】
なお、挿入防止部146は、ロック状態のときに、硬性内視鏡12の装着を阻止する位置(例えば、上記内視鏡配置領域と上記後方側近傍領域の少なくとも一方と重なる位置)に配置され、非ロック状態のときに硬性内視鏡12の装着を阻止しない位置に配置されるようにすれば良く、例えば、第2の実施の形態における挿入防止部132と同様に、ロック状態のときと非ロック状態のいずれにおいても、シース挿入部14のルーメン16の基端側開口に対して前後方向に重ならない、基端側開口よりも上側の位置に配置されるようにしてもよい。
【0120】
次に、第4の実施の形態のロック機構について説明する。図19〜図21は、ハンドル部30に第4の実施の形態のロック機構を設けた態様を示した図であり、図19は、図2の斜視図に示したハンドル部30を拡大して示した拡大図、図20は、ハンドル部30の操作機構及びロック機構の構成要素を模式的に後側から示した概略断面図、図21は、横側から示した断面図である。
【0121】
図19〜図21に示すように、本実施の形態のロック機構は、ハンドル部30の本体31の揺動可能に支持されたレバー部材170を備えている。
【0122】
レバー部材170は左右2本の脚部172、174と、それらの脚部172、174の下側端部に左右方向に架設されて脚部172と脚部174とを連結する挿入防止部176を備え、それらの脚部172、174と、挿入防止部176とが一体形成されて構成されている。
【0123】
脚部172、174の各々の上端側には、同軸上となる位置に軸ピン172A、174Aが突設されており(図20参照)、それらの軸ピン172A、174Aが各々、本体31の溝76、84内に壁面に形成された軸穴(図示せず)に嵌入されている。これによって、図21の実線と破線で示すようにレバー部材170が軸ピン172A、174Aを支点として揺動可能に本体31に支持されている。なお、レバー部材170は、脚部172、174が略上下方向となる状態(後述の延出部182、184が略水平となる状態)よりも後側への揺動が図示しないストッパにより規制されている。
【0124】
脚部172、174の各々の上端部には、後側に向けて延出する延出部182、184が形成されている。後述のように本実施の形態のロック機構により操作機構をロックする際には、図20(A)、図21のように、これらの延出部182、184がストッパ90、92を係止するようになっている。
【0125】
挿入防止部176は、脚部172と脚部174との間に左右方向に架設されており、図20(A)のようにロック状態でのレバー部材170の揺動位置と、図20(B)のように非ロック状態でのレバー部材170の揺動位置のいずれにおいても、ルーメン16の基端側開口と前後方向に重ならない、基端側開口よりも上側の位置に配置されている。
【0126】
以上のロック機構の作用について説明すると、非ロック状態及び非操作状態では、図20(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方がストッパ90、92により押圧状態となっており、それらの管路が完全に閉塞された閉状態となっている。これに対して、送気送水用レバー32を基準位置から一定量以上押し下げて、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方を完全な開状態(非押圧状態)にする回動位置まで操作すると共に、レバー部材170の後側に揺動させてストッパにより規制される揺動位置まで揺動すると、図19のようにレバー部122の延出部182、184の各々が、ストッパ90、92を係止することができる位置となる。そして、送気送水用レバー32の押下操作を解除すると、捻りコイルばね94、94の作用により、送気送水用レバー32に対して基準位置に戻す付勢力が働くが、図20(A)、図21のように延出部182、184にストッパ90、92が引っ掛かり、ストッパ90、92が延出部182、184に係止される。これにより、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82がストッパ90、92により押圧されず、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が完全な開状態となる非押圧状態でロックされる。
【0127】
一方、ロック状態において、図21のようにレバー部材170の下部を前側に押すようにしてレバー部材170を実線の位置から破線の位置に揺動させると、ストッパ90、92が延出部182、184から外れてロックが解除される。これにより、図20(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が閉状態となる基準位置に送気送水用レバー32が回動して停止し、非ロック状態となる。
【0128】
また、この第4の実施の形態のロック機構においても、ロック状態での挿入補助具10の使用を防止する機能が設けられていると共に、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着する際に自動でロック状態から非ロック状態に切り替えられるようになっている。
【0129】
即ち、ロック状態においては、図19、図20(A)のように、レバー部材170の挿入防止部176が、硬性内視鏡12のコネクタ28が挿入配置されるU字状切欠部34の下側において、後側寄りに配置されている。従って、ロック状態で挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着しようとすると、硬性内視鏡12のコネクタ28がレバー部材170の挿入防止部176に当接し、硬性内視鏡12のコネクタ28をU字状切欠部34に挿入することが阻止される。これによって、作業者は、操作機構がロック状態であることを知ることができる。
【0130】
また、硬性内視鏡12のコネクタ28が挿入防止部176に当接した後、そのままコネクタ28をU字状切欠部34の先端側に向けて押し込むと、図21の破線のようにレバー部材170が前側に押されてロックが解除され、図20(B)のように非ロック状態となる。このとき、挿入防止部176も前側に移動して上記の内視鏡配置領域から退避するため、コネクタ28をU字状切欠部34の所定の位置まで挿入して挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着することができる。
【0131】
このように、本実施の形態のロック機構によれば、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着する際に、自動でロックが解除されるため、ロックを解除するための特別な作業が不要となる。その他の本実施の形態のロック機構の効果については、第1の実施の形態のロック機構と同様の効果を有するため説明を省略する。
【0132】
なお、挿入防止部176は、ロック状態のときに、硬性内視鏡12の装着を阻止する位置(例えば、上記内視鏡配置領域と上記後方側近傍領域の少なくとも一方と重なる位置)に配置され、非ロック状態のときに硬性内視鏡12の装着を阻止しない位置に配置されるようにすれば良く、例えば、ロック状態のときに、シース挿入部14のルーメン16の基端側開口に対して前後方向に少なくとも一部が重なる位置に配置され、非ロック状態のときに基端側開口よりも上側の位置に退避するような位置に配置されるようにしてもよい。
【0133】
次に、第5の実施の形態のロック機構について説明する。図22〜図24は、ハンドル部30に第5の実施の形態のロック機構を設けた態様を示した図であり、図22は、図2の斜視図に示したハンドル部30を拡大して示した拡大図、図23は、ハンドル部30の操作機構及びロック機構の構成要素を模式的に後側から示した概略断面図、図24は、横側から示した断面図である。
【0134】
図22〜図24に示すように、本実施の形態のロック機構は、ハンドル部30の本体31のU字状切欠部34において前後方向にスライド可能に支持されたスライド部材200を備えている。
【0135】
スライド部材200は、例えば合成樹脂で形成された板状体であり、その左右の両縁部が、U字状切欠部34の左右の上端部に形成されたガイド溝202、204に嵌入されて前後方向にスライド可能に支持されている。
【0136】
U字状切欠部34の上端部には、本体31の溝76、84の内側の壁面から内側に突出したフランジ部206、208が形成されると共に、それらの下側に内側に突出した突条部210、212が形成されており、フランジ部206、208と突条部210、212の間の凹部によって上記ガイド溝202、204が形成されている。後述のように本実施の形態のロック機構により操作機構をロックする際には、図23(A)、図24のように、スライド部材200の下面がストッパ90、92と当接する位置に配置されて、ストッパ90、92を係止するようになっている。なお、本実施の形態と次の第6の実施の形態においては、ストッパ90、92の先端部が、溝76、84に形成された切欠部76A、84Aを介して、U字状切欠部34の範囲内に突出している。本実施の形態においてはそのストッパ90、92のU字状切欠部34の範囲内に突出した突出部分がスライド部材200に係止される。本実施の形態と第6の実施の形態以外ではこのような突出部分はなくても良い。
【0137】
以上のロック機構の作用について説明すると、非ロック状態及び非操作状態では、図23(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方がストッパ90、92により押圧状態となっており、それらの管路が完全に閉塞された閉状態となっている。これに対して、送気送水用レバー32を基準位置から一定量以上押し下げて、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方を完全な開状態(非押圧状態)にする回動位置まで操作し、スライド部材200を後側にスライドさせると、図22のようにスライド部材200の左右の両縁部がストッパ90、92を係止することができる位置となる。そして、送気送水用レバー32の押下操作を解除すると、捻りコイルばね94、94の作用により、送気送水用レバー32に対して基準位置に戻す付勢力が働くが、図23(A)、図24のようにスライド部材200にストッパ90、92が引っ掛かり、ストッパ90、92がスライド部材200に係止される。これにより、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82がストッパ90、92により押圧されず、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が完全な開状態となる非押圧状態でロックされる。
【0138】
一方、ロック状態において、図24のようにスライド部材200の下部を前側に押すようにしてスライド部材200を実線の位置から破線の位置にスライドさせると、ストッパ90、92がスライド部材200から外れてロックが解除され、図23(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が閉状態となる基準位置に送気送水用レバー32が回動して停止し、非ロック状態となる。
【0139】
また、この第5の実施の形態のロック機構においても、ロック状態での挿入補助具10の使用を防止する機能が設けられていると共に、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着する際に自動でロック状態から非ロック状態に切り替えられるようになっている。
【0140】
即ち、ロック状態においては、図22、図23(A)、図24のように、スライド部材200が、U字状切欠部34の後側寄りに配置されている。従って、ロック状態で挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着しようとすると、硬性内視鏡12のコネクタ28がスライド部材200に当接し、硬性内視鏡12のコネクタ28をU字状切欠部34に挿入することが阻止される。これによって、作業者は、操作機構がロック状態であることを知ることができる。
【0141】
また、硬性内視鏡12のコネクタ28がスライド部材200に当接した後、そのままコネクタ28をU字状切欠部34の先端側に向けて押し込むと、図24の破線のようにスライド部材200が前側に押されてスライドし、図23(B)のようにロックが解除されて非ロック状態となる。このとき、スライド部材200が前側に移動したため、コネクタ28をU字状切欠部34の所定の位置まで挿入して挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着することができる。
【0142】
このように、本実施の形態のロック機構によれば、挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着する際に、自動でロックが解除されるため、ロックを解除するための特別な作業が不要となる。その他の本実施の形態のロック機構の効果については、第1の実施の形態のロック機構と同様の効果を有するため説明を省略する。
【0143】
なお、スライド部材200は、ロック状態のときに、硬性内視鏡12の装着を阻止する位置(例えば、上記内視鏡配置領域と上記後方側近傍領域の少なくとも一方と重なる位置)に配置され、非ロック状態のときに硬性内視鏡12の装着を阻止しない位置に配置されるようにすれば良く、例えば、U字状切欠部34の上端部ではなく、シース挿入部14のルーメン16の基端側開口と前後方向に重ならない位置であって、基端側開口よりも上側の位置に配置することが可能である。
【0144】
次に、第6の実施の形態のロック機構について説明する。図25〜図27は、ハンドル部30に第6の実施の形態のロック機構を設けた態様を示した図であり、図25は、図2の斜視図に示したハンドル部30を拡大して示した拡大図、図26は、ハンドル部30の操作機構及びロック機構の構成要素を模式的に後側から示した概略断面図、図27は、横側から示した断面図である。
【0145】
図25〜図27に示すように、本実施の形態のロック機構は、硬性内視鏡12を模造して例えば合成樹脂により形成されたダミー内視鏡230と、ダミー内視鏡に設けられた係合部材232とから構成されている。
【0146】
ダミー内視鏡230は、上記硬性内視鏡12と同様に内視鏡挿入部26と同様の外形状を有する挿入部230A(図27参照)を有し、シース挿入部14のルーメン16に挿入できるようになっている。また、その挿入部230Aの基端側に硬性内視鏡12の本体部24の先端側部分(コネクタ28が突設される部分)に相当する基端部230Bが設けられている。
【0147】
係合部材232は、板状に形成されており、ダミー内視鏡230の基端部230Bに連結部230Cを介して支持されている。この係合部材232は、ダミー内視鏡230に挿入補助具10を装着した際に、挿入補助具10のU字状切欠部34の上端部に配置されるようになっている。なお、同図のハンドル部30の本体31には、第5の実施の形態と同様に、U字状切欠部34の左右両側の上端部にフランジ部206、208が形成されており、係合部材232の左右両縁部がそのフランジ部206、208に当接するようになっている。後述のように本実施の形態のロック機構により操作機構をロックする際には、図26(A)、図27のように、係合部材232の下面が溝76、84に形成された切欠部76A、84Aを介してU字状切欠部34の範囲内に突出しているストッパ90、92の突出部分と当接する位置に配置されて、ストッパ90、92を係止するようになっている。
【0148】
以上のロック機構の作用について説明すると、非ロック状態及び非操作状態では、図23(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方がストッパ90、92により押圧状態となっており、それらの管路が完全に閉塞された閉状態となっている。
【0149】
これに対して、送気送水用レバー32を基準位置から一定量以上押し下げて、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方を完全な開状態(非押圧状態)にする回動位置まで操作し、ダミー内視鏡230の挿入部をシース挿入部14のルーメン16に挿入してダミー内視鏡230に挿入補助具10を装着したとする。すると、ダミー内視鏡230の係合部材232がU字状切欠部34に配置され、図25のように係合部材232の左右の両縁部がストッパ90、92を係止することができる位置に配置される。そして、送気送水用レバー32の押下操作を解除すると、捻りコイルばね94、94の作用により、送気送水用レバー32に対して基準位置に戻す付勢力が働くが、図26(A)、図27のように係合部材232にストッパ90、92が引っ掛かり、ストッパ90、92が係合部材232に係止される。これにより、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82がストッパ90、92により押圧されず、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が完全な開状態となる非押圧状態でロックされる。
【0150】
一方、ロック状態において、ダミー内視鏡230を挿入補助具10から取り外せば、ロックが解除され、図26(B)のようにガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の両方が閉状態となる基準位置に送気送水用レバー32が回動して停止し、非ロック状態となる。
【0151】
この第6の実施の形態のロック機構によれば、ロック状態での挿入補助具10の使用が防止される。即ち、ロック状態においては、ダミー内視鏡230に挿入補助具10が装着されているため、ロック状態で挿入補助具10を硬性内視鏡12に装着することが阻止される。これによって、作業者は、操作機構がロック状態であることを知ることができる。その他の本実施の形態のロック機構の効果については、第1の実施の形態のロック機構と同様の効果を有するため説明を省略する。
【0152】
以上、上記実施の形態では、ガス供給チューブ74及び液供給チューブ82の2本のチューブを、押圧(圧潰)によって開閉状態を切り替える操作機構を備えた挿入補助具に適用されるロック機構について説明したが、本発明は、1本のチューブ、又は、3本以上のチューブの開閉状態を切り替える操作機構を備えた挿入補助具に対しても適用できる。また、本発明が適用可能な挿入補助具における管路やチューブの用途もCOのようなガスや洗浄水のような液体を供給するためのものに限らず、任意の用途のものに本発明を適用できる。例えば、ガス供給チューブ74にCO供給装置80ではなく、吸引装置を接続し、照明窓40、観察窓42の汚れや液滴を吸引する場合もあり、そのような挿入補助具においても本発明を適用できる。
【0153】
以上、実施の形態に係る内視鏡用挿入補助具10について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0154】
10…内視鏡用挿入補助具、12…硬性内視鏡、14…シース挿入部、24…本体部、26…内視鏡挿入部、28…コネクタ、30…ハンドル部、31…本体、32…送気送水用レバー、34…切欠部、36…ライトガイドケーブル、38…光源装置、40…照明窓、42…観察窓、44…接眼部、46…接眼レンズ、50…導入管、52…コレットチャック、54…コレット部、56…ナット部、58…割溝、60…雄ねじ、62…雌ねじ、64…支持部、66…熱収縮チューブ、68…ノズル、70、72…ポート、74…ガス供給チューブ、76…溝、78…開口部、80…CO供給装置、82…液供給チューブ、84…溝、86…開口部、88…送水装置、90、92…ストッパ、94、96…捩じりコイルばね、98…軸、100、102…押下部材、110…ロックピン、112、114…貫通孔、120…基台部、122…レバー部、128B、130B…係合部、140…レバー部材、146…挿入防止部、152、154…突起部、170…レバー部材、176…挿入節部、182、184…延出部、200…スライド部材、202、204…ガイド溝、230…ダミー内視鏡、232…係合部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手元操作部と、前記手元操作部に基端部が接続されるとともに内視鏡の挿入部を挿通するルーメンを備えた筒状のシース挿入部とからなり、前記シース挿入部は、先端部に設けられたノズルに連通する流体管路を備えた内視鏡用挿入補助具において、
前記手元操作部は、
前記流体管路に接続されたチューブを通過させる位置に沿って配置された固定部を備えた本体と、
前記固定部に対して前記チューブを挟んで対向配置され、前記チューブを押圧する押圧位置と前記チューブを押圧しない非押圧位置との間で変位する押圧部材と、
前記本体に対して変位可能に支持された駆動部材であって、前記押圧部材を押圧位置に変位させる押圧駆動位置と、前記押圧部材を非押圧位置に変位させる非押圧駆動位置との間で変位する駆動部材と、
前記本体に対して所定のロック位置と非ロック位置との間で変位可能なロック部材であって、前記ロック位置のときに前記押圧部材又は前記駆動部材と係合することにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持し、かつ、前記非ロック位置のときに前記押圧部材及び前記駆動部材と係合しないことにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持しないロック部材と、
を備えたことを特徴とする内視鏡用挿入補助具。
【請求項2】
前記ロック部材は、前記ロック位置のときに前記内視鏡の装着を阻止する位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項3】
前記ロック部材は、前記非ロック位置のときに、前記内視鏡の装着を阻止しない位置となることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項4】
前記押圧部材を前記非押圧位置から前記押圧位置に変位させる方向に付勢する付勢部材を備え、前記駆動部材は、操作力が加えられることにより前記付勢部材の付勢力に抗して前記押圧部材を前記押圧位置から前記非押圧位置に変位させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項5】
前記押圧部材は前記付勢部材に一体形成されていることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項6】
前記ロック部材は、前記駆動部材に形成された挿通孔に挿抜可能に挿入されることによって前記駆動部材と係合するロック部材であって、前記挿通孔に挿入されたときの位置を前記ロック位置とし、前記挿通孔から抜出されたときの位置を前記非ロック位置とし、前記ロック位置のときに前記本体に当接して前記駆動部材を前記非押圧駆動位置に保持することにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持するロック部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項7】
前記ロック部材は、前記ロック位置のときに、前記シース挿入部に前記内視鏡の挿入部を挿入する際に前記内視鏡のライトガイド用コネクタが通過する領域と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項8】
前記ロック部材は、前記本体に対して揺動可能に支持されたロック部材であって、前記ロック位置のときに前記押圧部材と係合することにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持し、かつ、前記非ロック位置のときに前記押圧部材と係合しないことにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持しないロック部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項9】
前記ロック部材は、前記ロック位置のときに前記押圧部材に係合する係合部と、該係合部を揺動可能に支持する支持部と、前記ロック位置のときに前記内視鏡の装着を阻止する位置に配置される阻止部とを備えたことを特徴とする請求項8に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項10】
前記ロック部材は、前記本体に対して揺動可能に支持されたロック部材であって、前記ロック位置のときに前記駆動部材と係合することにより、前記駆動部材を前記非押圧駆動位置に保持して前記押圧部材を前記非押圧位置に保持し、かつ、前記非ロック位置のときに前記駆動部材と係合しないことにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持しないロック部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項11】
前記ロック部材は、前記ロック位置のときに前記押圧部材に係合する係合部と、該係合部を揺動可能に支持する支持部と、前記ロック位置のときに前記内視鏡の装着を阻止する位置に配置される阻止部とを備えたことを特徴とする請求項9に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項12】
前記ロック部材は、前記本体に対してスライド可能に支持されたロック部材であって、前記ロック位置のときに前記押圧部材と係合することにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持し、かつ、前記非ロック位置のときに前記押圧部材と係合しないことにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持しないロック部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項13】
前記本体は、前記押圧部材が変位する方向に対して直交する方向に前記内視鏡のライトガイド用コネクタが収容される収容部を備え、前記ロック部材は、前記収容部に配置されることを特徴とする請求項12に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項14】
前記ロック部材は、前記内視鏡の外形状を模造したダミー部を備えたロック部材であって、前記ダミー部が前記内視鏡用挿入補助具に装着されたときの位置を前記ロック位置とし、前記ダミー部が前記内視鏡用挿入補助具から取り外されたときの位置を前記非ロック位置とし、前記ロック位置のときに前記押圧部材と係合することにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持し、かつ、前記非ロック位置のときに前記押圧部材と係合しないことにより、前記押圧部材を前記非押圧位置に保持しないロック部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項15】
前記本体は、前記押圧部材が変位する方向に対して直交する方向に前記内視鏡のライトガイド用コネクタが収容される収容部を備え、
前記ロック位置のときに前記押圧部材に係合する前記ロック部材における係合部は、前記収容部に配置されることを特徴とする請求項14に記載の内視鏡用挿入補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−43064(P2013−43064A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185120(P2011−185120)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】