説明

内視鏡用高周波処置具

【課題】内視鏡用高周波処置具の操作性を向上させる。
【解決手段】アウターシース11の遠位端に設けられた固定部材35に、一対の電極31a,31bを回転可能に軸支した支持部材32がその軸線周りに回転可能に取り付けられている。導電性の駆動ワイヤー13は絶縁性のインナーシース12に挿通され、さらにアウターシース11に挿通され、駆動ワイヤー13の遠位端は一対の線部材17a,17bを介して電極31a,31bに接続されている。電極31aは線部材17aを介して駆動ワイヤー13に電気的に接続され、電極31bは支持部材32に設けられた戻り電極、Cリング34、固定部材35を介して、アウターシース11とインナーシース12との間に挿通された電線に電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡を利用して高周波電流により止血等の処置を行う内視鏡用高周波処置具に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡用高周波処置具としての例えばバイポーラ止血鉗子は、内視鏡の処置具案内管に通されるシースの先端に配置された一対の高周波電極(カップ)の開閉を、シースの後端に設けられた操作部により操作し、該高周波電極で血管等の生体組織を把持した状態で高周波電流を流すことにより、該把持部近傍の組織を焼灼凝固させ、止血を行うために用いられる装置である。電極は目的とする生体組織に対する位置決めのため、シースの軸線周りに回転できる必要があり、また電極に対する高周波電流の供給のため、往復で2本の配線が必要である。
【0003】
このようなバイポーラ止血鉗子としては、例えば、特許文献1に記載のように、一対の高周波電極の一方を固定電極とし、他方を回転可能に軸支して可動電極として、該可動電極を操作部のスライダーとワイヤーにより接続して、該スライダーをスライド操作することにより、片側の電極のみを開閉させるようにしたものが知られている。しかし、このような片開きのものでは、電極をシースの軸線周りに回転させた際に両電極間の中心位置にズレが生じるため、電極の目標位置への位置決めが難しく操作性に問題がある。
【0004】
一対の電極の両方を開閉させる両開きとした技術として、例えば、特許文献2では、一対の電極のそれぞれを回転可能に軸支し、各電極と操作部のスライダーとの間を一対のワイヤーでそれぞれ接続し、該スライダーをスライド操作することにより、一対の電極の双方を回転させて開閉させるようにしている。電極に対する高周波電流の供給は当該一対のワイヤーを介してなされ、各ワイヤーはシース内に挿通されたマルチルーメンチューブに形成された一対のガイド孔にそれぞれ挿通され、電極のシースの軸線周りの回転は該マルチルーメンチューブをシース内で回転させることにより行われる。しかし、マルチルーメンチューブは加工が難しく、コスト高となる問題がある。
【0005】
高価なマルチルーメンチューブを用いない技術としては、特許文献3および4に記載のように、電極に高周波電流を供給するための一対の電線(ワイヤー)の一方を回転伝達性の高いトルクワイヤーとして、該トルクワイヤーをシース内で回転させることにより、電極をシースの軸線周りに回転させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−119083号公報
【特許文献2】特開2007−215896号公報
【特許文献3】特開2009−142513号公報
【特許文献4】特開2010−68981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3および4に記載のものでは、比較的に大径のトルクワイヤーに比較的に小径の非トルクワイヤーを巻き付け、あるいは並設した構成であるので、一方のワイヤー(トルクワイヤー)による回転力の伝達を他方のワイヤー(非トルクワイヤー)が阻害し、電極のシース軸線周りの回転操作の応答性(操作部における回転操作に対する電極回転の追従性)が不十分であるともに、シースの湾曲の状態によってこの応答性が変化するため、操作性が悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、操作性を向上することができる内視鏡用高周波処置具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る内視鏡用高周波処置具は、アウターシースと、前記アウターシースの近位端に設けられた操作部と、前記アウターシースの遠位端に取り付けられた略円筒状の導電性の固定部材と、基端部および遠位端側に向かって突出する互いに対向する一対のアーム部を有し、該基端部が前記固定部材に該固定部材の軸線周りに回転可能に取り付けられた電極支持部材と、互いに電気的に絶縁された状態で、前記電極支持部材の前記アーム部にそれぞれ回転可能に軸支された第1電極および第2電極と、前記アウターシースに挿通された絶縁性のインナーシースと、前記操作部による回転操作力およびスライド操作力を伝達する前記インナーシースに挿通された導電性の駆動ワイヤーと、前記駆動ワイヤーの遠位端に取り付けられた、ツナギ金属部材とツナギ絶縁部材とから構成されるツナギ部材と、その一端が前記ツナギ金属部材に他端が前記第1電極に取り付けられ、前記駆動ワイヤーと前記第1電極とを導通させる導電性の第1線部材と、その一端が前記ツナギ絶縁部材に他端が前記第2電極に取り付けられた第2線部材と、前記電極支持部材の前記固定部材に対する回転および前記第2電極の前記電極支持部材に対する回転にかかわらず、前記固定部材および前記第2電極のそれぞれに当接してこれらを電気的に導通させる、前記電極支持部材に取り付けられた戻り電極と、前記アウターシースと前記インナーシースとの間に挿通され、その遠位端が前記固定部材に導通された電線とを備えて構成される。
【0010】
本発明の内視鏡用高周波処置具において、前記電極支持部材の前記基端部は略円筒状の首部を有し、該首部は外側から凹陥する環状溝を有し、前記環状溝にCリング部材を回転可能に遊嵌し、前記Cリング部材が遊嵌された前記首部を前記固定部材に内挿して、該Cリング部材を該固定部材に取り付けるようにできる。
【0011】
本発明の内視鏡用高周波処置具において、前記戻り電極は前記Cリング部材に当接する略円環状のリング部を有し、前記Cリング部材および前記リング部の一方に形成された突部が他方に点接触することにより、互いに導通されるようにできる。
【0012】
本発明の内視鏡用高周波処置具において、前記電極支持部材は前記アーム部のそれぞれの外側に嵌合溝を有し、前記戻り電極は前記リング部に立設され、前記嵌合溝にそれぞれ嵌合する一対の側板部を有するようにできる。
【0013】
本発明の内視鏡用高周波処置具において、前記戻り電極の前記側板部の一方は、前記第2電極の回転軸周りに回転可能に介装された導電性を有する略円環状のワッシャー部材を介して、該第2電極に導通されるようにできる。
【0014】
本発明の内視鏡用高周波処置具において、前記操作部は、前記アウターシースの近位端側が挿入される略筒状の空間を有する先端キャップと、前記先端キャップの前記略筒状の空間内に取り付けられた略筒状の導電性のスリーブパイプと、前記アウターシースの近位端部内に挿入されて該アウターシースが取り付けられるとともに前記電線の近位端が電気的に接続された細径の先端筒部、および前記インナーシースが挿通される通孔を有し、前記スリーブパイプの内部に回転可能に内挿された導電性のSKパイプと、前記スリーブパイプの遠位端側に内挿されてその遠位端が該スリーブパイプに固定され、その近位端が前記SKパイプの前記先端筒部の近位端側の段差面に圧接するように設けられた導電性のコイルバネとを備えるものを用いることができる。
【0015】
本発明の内視鏡用高周波処置具において、前記電極支持部材は前記アーム部の一方の内側に前記基端部から前記第2電極の軸受部に至る通孔を有し、前記戻り電極は前記Cリング部材に当接する略円環状のリング部、および前記リング部に立設され、前記通孔を貫通して前記第2電極の軸受部にて露出して前記第2電極に電気的に接続されるピン部を有することができる。
【0016】
本発明の内視鏡用高周波処置具において、前記ツナギ金属部材は略筒状に形成されているとともに、前記駆動ワイヤーの遠位端に溶接固定され、前記ツナギ絶縁部材は前記ツナギ金属部材に遠位端側から内挿され、前記ツナギ絶縁部材は前記第1線部材の他端近傍が配置される凹陥部を有し、前記第1線部材は、該第1線部材の他端を前記凹陥部の底面に当接させた状態で、前記ツナギ金属部材に溶接固定されて、該ツナギ金属部材を介して前記駆動ワイヤーに電気的に導通されることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の内視鏡用高周波処置具では、操作部による電極回転のための回転操作力および電極開閉のためのスライド操作力は駆動ワイヤーおよびツナギ部材を介して伝達され、さらに第1線部材を介して第1電極に、第2線部材を介して第2電極に伝達される。また、高周波回路は駆動ワイヤー、第1線部材、第1電極、第2電極、戻り電極、固定部材および電線によって形成される。電線と駆動ワイヤーとの間にはインナーシースが介在しており、駆動ワイヤーは電線から干渉を受けることなく、インナーシース内で回転でき、駆動ワイヤーによる回転力の伝達が電線によって阻害されることはない。従って、電極の回転操作の応答性(操作部における回転操作に対する電極回転の追従性)を向上することができるとともに、シースの湾曲の状態による応答性の変化も少なくなり、高い操作性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の操作部の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の操作部の構成を示す切断斜視図である。
【図5】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の操作部の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示しており、カップを閉じた状態を示す平面図である。
【図7】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示しており、カップを閉じた状態を示す側面図である。
【図8】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示しており、カップを閉じた状態を示す側面図である。
【図9】図7のB−B線に沿った断面図である。
【図10】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示す切断斜視図である。
【図12】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示しており、カップを開いた状態を示す側面図である。
【図13】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示しており、カップを開いた状態を示す平面図である。
【図14】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具のシース軸線周りの回転機構を示す分解斜視図である。
【図15】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具のシース軸線周りの回転機構を示す分解斜視図である。
【図16】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具のシース軸線周りの回転機構を示す分解斜視図である。
【図17】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具のシース軸線周りの回転機構を示す斜視図である。
【図18】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具のシース軸線周りの回転機構を示す断面図である。
【図19】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具のシース軸線周りの回転機構を示す側面図である。
【図20】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の第2電極の近傍を示す断面図である。
【図21】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の駆動ワイヤーの遠位端近傍の構成を示す分解斜視図である。
【図22】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の駆動ワイヤーの遠位端近傍の構成を示す斜視図である。
【図23】本発明の実施形態の内視鏡用高周波処置具の駆動ワイヤーの遠位端近傍の構成を示す断面図である。
【図24】本発明の第2の実施形態の内視鏡用高周波処置具の操作部の構成を示す切断斜視図である。
【図25】本発明の第2の実施形態の内視鏡用高周波処置具の操作部の構成を示す断面図である。
【図26】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示す斜視図である。
【図27】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示す切断斜視図である。
【図28】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示す斜視図である。
【図29】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具のシース軸線周りの回転機構を示す分解斜視図である。
【図30】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具のシース軸線周りの回転機構を示す斜視図である。
【図31】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具のシース軸線周りの回転機構を示す側面図である。
【図32】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具のシース軸線周りの回転機構を示す断面図である。
【図33】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の樹脂ワクの構成を示す斜視図である。
【図34】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の樹脂ワクの構成を示す斜視図である。
【図35】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の遠位端近傍の構成を示す断面図である。
【図36】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の駆動ワイヤーの遠位端近傍の構成を示す斜視図である。
【図37】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の駆動ワイヤーの遠位端近傍の構成を示す断面図である。
【図38】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の電極の構成を示す斜視図である。
【図39】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の電極の構成を示す斜視図である。
【図40】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の絶縁スペーサーの構成を示す斜視図である。
【図41】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の鉗子部の構成を示す側面図である。
【図42】本発明の第3の実施形態の内視鏡用高周波処置具の鉗子部の構成を示す断面図である。
【図43】本発明の第4の実施形態の内視鏡用高周波処置具の電極の構成を示す斜視図である。
【図44】本発明の第4の実施形態の内視鏡用高周波処置具の電極の構成を示す側面図である。
【図45】本発明の第4の実施形態の内視鏡用高周波処置具の鉗子部の構成を示す側面である。
【図46】図45のA−A’線に沿った断面図である。
【図47】図45のB−B’線又はD−D’線に沿った断面図である。
【図48】図45のC−C’線に沿った断面図である。
【図49】図45のE−E’線に沿った断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る内視鏡用高周波処置具としてのバイポーラ止血鉗子について、図面を参照して具体的に説明する。但し、本発明はバイポーラ止血鉗子には限定されず、開閉可能な一対の高周波電極を備えるバイポーラナイフ等にも適用可能である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のバイポーラ止血鉗子は、シース部1、操作部2および鉗子部3を概略備えて構成されている。シース部1の近位端に操作部2が設けられ、シース部1の遠位端に鉗子部3が設けられている。
【0021】
操作部2はベース21および該ベース21にスライド可能に取り付けられたスライダー22を備え、鉗子部3は互いに開閉可能に設けられた一対の高周波電極(第1電極31a,第2電極31b)からなるカップ31を備えている。操作部2において、スライダー22をベース21に対して先端部側(図1において下側)にスライドさせることによりカップ31を開くことができ、逆にスライダー22をベース21に対して基端部側(図1において上側)にスライドさせることによりカップ31を閉じることができるようになっている。また、操作部2には、一対の電線(ケーブル)24a,24bおよびその先端に設けられたプラグ24を備えており、これらの電線24a,24bがプラグ24を介して、図外の高周波電源装置と電気的に接続され、高周波電流の供給を受けるようになっている。後に詳述するように、電線24aは電極31aに電気的に接続され、電線24bは電極31bに電気的に接続される。
【0022】
シース部1は、図2に示されているように、チューブ状のアウターシース11、同じくチューブ状のインナーシース12、駆動ワイヤー13および電線14を備えている。アウターシース11は可撓性を有する中空チューブからなり、本実施形態では絶縁性の樹脂から形成されたチューブを用いている。インナーシース12は可撓性を有する中空チューブからなり、本実施形態では絶縁性の樹脂から形成されたチューブを用いている。アウターシース11およびインナーシース12を形成する樹脂材料としては、電気絶縁材料であれば特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂等を用いることができる。
【0023】
駆動ワイヤー13はインナーシース12内に挿通され、インナーシース12はアウターシース11に挿通されている。駆動ワイヤー13はインナーシース12内でその軸線周りの回転および摺動(軸線方向に沿う方向のスライド移動)が可能となっている。
【0024】
駆動ワイヤー13は可撓性および導電性を有するワイヤー(トルクワイヤー)からなり、駆動ワイヤー13としては、ステンレス等の金属からなる単一の線材を用いることができる。但し、駆動ワイヤー13としては、ワイヤーロープやワイヤーチューブを用いてもよい。ここで、ワイヤーロープは、ステンレス等の金属線からなる複数本のワイヤーを螺旋状に撚ってなる撚り線からなるロープである。また、ワイヤーチューブは、ステンレス等の金属線からなる複数本のワイヤーを中空となるように螺旋状に撚ってなる中空撚り線からなるチューブである。駆動ワイヤー13はカップ31を開閉するためのスライド力およびカップ31をその姿勢調整のためのシース軸線周りに回転させる回転力を伝達するための動力伝達部材である。なお、その詳細は後述するが、駆動ワイヤー13の近位端は操作部2の電線24aに電気的に接続されており、遠位端はカップ31を構成する一方の電極31aに電気的に接続されている。
【0025】
アウターシース11とインナーシース12との間には、導電性を有するステンレス等の金属からなる電線14が挿通されている。なお、詳細は後述するが、この電線14の近位端は操作部2の電線24bに電気的に接続されており、遠位端はカップ31を構成する他方の電極31bに電気的に接続されている。
【0026】
操作部2は、図3〜図5に示されているように、ベース21、スライダー22、先端キャップ23を概略備えて構成されている。ベース21は指輪部21aおよびガイド溝を有するガイド部21bを有している。スライダー22はベース21のガイド部21bに沿って前後に摺動(スライド)可能に取り付けられている。ベース21の先端(遠位端)には先端キャップ23が取り付けられている。ベース21、スライダー22および先端キャップ23は、主として絶縁性の樹脂から形成されている。
【0027】
先端キャップ23はその先端部側の内側に略筒状の空間を備えており、先端キャップ23の先端に形成された貫通部を介して、アウターシース11、インナーシース12、駆動ワイヤー13および電線14を備えるシース部1の近位端が挿入されている。先端キャップ23内の略筒状の空間内には、ステンレス等の導電性を有する金属から形成された略筒状のスリーブパイプ25が取り付けられており、スリーブパイプ25内にはSKパイプ26が回転可能に内挿されている。SKパイプ26は、ステンレス等の導電性を有する金属から形成されており、遠位端側に薄肉で細径の先端筒部26aを有している。
【0028】
アウターシース11はその近位端の内側にSKパイプ26の先端筒部26aが挿入された状態でSKパイプ26に取り付けられている。インナーシース12はその近位端近傍がSKパイプ26の長手方向に渡って形成された通孔内にその近位端に至るように挿入されている。駆動ワイヤー13はSKパイプ26の通孔を貫通して更に延びており、その近位端はスライダー22に設けられたスリーブ27にネジ28により固定されている。アウターシース11とインナーシース12との間の部分に挿通されている電線14の近位端は、SKパイプ26の先端筒部26aの先端にレーザ溶接やロウ付等により電気的に導通接続されている。
【0029】
図示は省略しているが、駆動ワイヤー13の近位端はスライダー22のスリーブ27とのネジ28による固定部において、電線24aに電気的に接続されている。また、スリーブパイプ25は電線24bに電気的に接続されており、従って、電線14は、SKパイプ26,スリーブパイプ25を介して、電線24bに電気的に接続されている。
【0030】
このような構成により、操作部2においてスライダー22をベース21に対して前後(図1において上下)にスライドさせることにより、シース部1内で駆動ワイヤー13をその軸線方向にスライドさせることができるとともに、シース部1(アウターシース11)に対して、操作部2を回転させることにより、シース部1内で駆動ワイヤー13をその軸線周りに回転させることができる。
【0031】
鉗子部3は、図6〜図13に示されているように、一対の高周波電極である第1電極31aおよび第2電極31bからなるカップ31、樹脂ワク(電極支持部材)32、戻り電極33、Cリング(Cリング部材)34、固定金具(固定部材)35等を備えて構成されている。
【0032】
樹脂ワク32は、図14〜図19にも示されているように、略円筒状の首部32cを有する基端部に互いに対向する一対のアーム部32a、32bを立設して構成されている。樹脂ワク32の首部32cには外側から凹陥する環状溝32dが形成されている。一対のアーム部32a,32bの先端部近傍にはそれぞれ貫通穴32e,32fが形成されている。一対のアーム部32a,32bのそれぞれの外側には嵌合溝32gが形成されている。
【0033】
戻り電極33は、ステンレス等の導電性を有する金属から形成されており、図14〜図19にも示されているように、略円環状のスリップリング部(リング部)33cおよびこれに立設された互いに対向する一対の側板部33a,33bを有している。側板部33a,33bの先端部近傍には、それぞれ貫通穴33e,33fが形成されている。
【0034】
戻り電極33は、その一対の側板部33a,33bが樹脂ワク32の一対のアーム部32a,32bに形成された嵌合溝32gに沿って嵌合されるように、スリップリング部33cの穴に樹脂ワク32の首部32cを挿入して、樹脂ワク32に一体的に取り付けられる。戻り電極33のスリップリング部33cには、図14および図19に示されているように、一対の側板部33a,33bと反対側(図19において下側、Cリング34側)に僅かに突出する一対の突部33d(図19では一つのみ表示)が形成されている。これらの突部33dは180度対極位置に形成されている。但し、突部33dの数は、1つでも、等角度間隔で3つ以上を配設してもよい。また、スリップリング部33cにこのような突部33dを設ける代わりに、Cリング34の対応する端面に1つ以上の突部を設けて、点接触させるようにしてもよい。
【0035】
Cリング34は、ステンレス等の導電性を有する金属から形成されており、図14〜図19にも示されているように、略短冊状の金属平板を略C字形状に湾曲させてなる部材である。Cリング34は、樹脂ワク32の首部32cに形成された環状溝32dに僅かな隙間(クリアランス)をもって遊嵌され、Cリング34は樹脂ワク32の環状溝32dに取り付けられた状態で、樹脂ワク32に対して自在に回転できるようになっている。
【0036】
固定金具35は、図14〜図19にも示されているように、ステンレス等の導電性を有する金属から形成された略円筒状の部材であり、細径部35aおよび太径部35bを有している。固定金具35の細径部35aの内側には、インナーシース12の遠位端が挿入されて接着固定されている(図9参照)。固定金具35の細径部35aは、アウターシース11の遠位端から内側に挿入されて、アウターシース11に接着固定されている(図9参照)。また、固定金具35の細径部35aの端部には、アウターシース11とインナーシース12との間の部分に配線された電線14の遠位端が電気的に接続されている。
【0037】
図14に示されているように、樹脂ワク32、戻り電極33、Cリング34および固定金具35が分解されている状態から、図15に示されているように、樹脂ワク32に戻り電極33を取り付け、次いで、図16に示されているように、樹脂ワク32の首部32cに形成された環状溝32dにCリング34を嵌め込む。その後、図17に示されているように、戻り電極33およびCリング34が取り付けられた樹脂ワク32を、その首部32cを固定金具35の太径部35bの内側に挿入して、固定金具35の太径部35bの端面と戻り電極33のスリップリング33cの突部33dとを当接させ、この状態で、固定金具35にCリング34を溶接することにより、戻り電極33およびCリング34が取り付けられた樹脂ワク32を固定金具35に取り付ける。
【0038】
これにより、樹脂ワク32および戻り電極33は、固定金具35に対してその軸線周りに回転でき、その回転位置にかかわらず、固定金具35と戻り電極33とは電気的に導通された状態を保つことができるようになっている。Cリング34と戻り電極33とは、スリップリング部33cの突部33dを介した点接触であるので、摩擦抵抗が小さく、確実な導通を保ちつつ、樹脂ワク32および戻り電極33の回転が円滑になされるようになっている。
【0039】
カップ31を構成する第1電極31aおよび第2電極31bは、図6〜図13に示されているように、互いに略X字状に配置されて互いの交差部分において、樹脂ワク32の一対のアーム部32a,32b間に回転可能に軸支されている。これらの第1電極31aおよび第2電極31bは、絶縁性を有する樹脂からなる絶縁スペーサー36により互いに絶縁されている。すなわち、第1電極31aおよび第2電極31bは、その中間部分に貫通穴が形成されており、絶縁スペーサー36の両側に突出する一対の円筒状の軸部36a(図11参照)を、それぞれに対応する貫通穴に挿入することにより、それぞれ回転可能に支持されている。そして、絶縁スペーサー36の軸部36aに略円柱状のキングピン37を挿通し、キングピン37の両端部を戻り電極33の側板部33a,33bの貫通穴33e,33fで支持させている。
【0040】
アーム部32bの貫通穴32fには、図20に示されているように、ステンレス等の導電性の金属からなる金属ワッシャー(ワッシャー部材)39が挿入され、キングピン37はこの金属ワッシャー39の中心の通孔を通って戻り電極33の側板部33bの貫通穴33fに支持されている。この金属ワッシャー39は、戻り電極33の側板部33bと第2電極31bとで挟まれており、すなわち、その一方の面が戻り電極33の側板部33bの内面に、他方の面が第2電極31bの側面に当接(接触)しており、これにより、第2電極31bはその回転にかかわらず、ワッシャー39を介して戻り電極33に電気的に導通された状態を保つようになっている。なお、アーム部32aの貫通穴32eには、このような導電性を有するワッシャーは設けられておらず、従って、第1電極31aは戻り電極33(側板部33a)に対して電気的に絶縁された状態を保っている。
【0041】
駆動ワイヤー13の遠位端とカップ31を構成する第1電極31aおよび第2電極31bとの間の動力伝達機構は、図9、図11、図21〜図23に示されているように、ツナギ金属部材19、ツナギ絶縁部材15、ツナギワッシャー16、一対の真直線17a,17b、およびパイプ18を備えて構成されている。
【0042】
ツナギ金属部材19は導電性を有する金属から形成された略円柱状の部材であり、その近位端側に駆動ワイヤー13の遠位端を挿入するための穴19aを有しており、この穴19aに駆動ワイヤー13の遠位端が挿入されて、レーザ溶接またはロウ付等により電気的に導通された状態で接続固定されている。また、ツナギ金属部材19はその遠位端側に真直線17aを取り付けるための凹部19bを有している。
【0043】
ツナギ絶縁部材15は絶縁性を有する樹脂から形成された略円柱状の部材であり、その近位端側に比較的に大径の単一の穴15cを、その遠位端側から穴15cに至る比較的に小径の一対の穴15a,15bを有している。ツナギ絶縁部材15の穴15cはツナギ金属部材15およびツナギワッシャー16を挿入固定するための穴であり、一対の穴15a、15bは真直線17a,17bをそれぞれ挿入固定するための穴である。真直線17bが挿入される穴15bの近位端側(穴15c側)の一部はやや太めに形成された中径部15dとなっている。この中径部15dにはパイプ18が挿入される。
【0044】
ツナギワッシャー16は絶縁性を有する樹脂から形成された略円板状の部材であり、真直線17aを通すための凹部16aが形成されている。
【0045】
真直線17a,17bは、それぞれステンレス等の導電性の金属からなる単一の線材から形成されている。真直線17bの近位端側には、ツナギ絶縁部材15の穴15bに挿通した状態でパイプ18が固定されて、このパイプ18が固定された部分がツナギ絶縁部材15の中径部15d内に配置される。真直線17aの近位端側は、ツナギ絶縁部材15の穴15a、ツナギワッシャー16の凹部16aを通過して、ツナギ金属部材19の凹部19bに位置させて、ツナギ金属部材19にレーザ溶接またはロウ付等によって電気的に導通された状態で接続固定される。ツナギワッシャー16およびツナギ金属部材19は、ツナギ絶縁部材15の穴15c内に挿入されて、接着剤19cによりツナギ絶縁部材15に接着固定される。これにより、真直線17aはツナギ金属部材19を介して駆動ワイヤー13に電気的に導通される。これに対して、真直線17bは絶縁部材であるツナギワッシャー16が介装されているため、ツナギ金属部材19とは絶縁された状態とされる。
【0046】
図9および図11に示されているように、真直線17aの遠位端は、第1電極31aの近位端近傍に形成された穴に取り付けられており、真直線17bの遠位端は、第2電極31bの近位端近傍に形成された穴に取り付けられている。
【0047】
スライダー22をベース21に対して遠位端側にスライドさせると、これに伴い駆動ワイヤー13が遠位端側にスライドされ、ツナギ金属部材19、ツナギ絶縁部材15を介して、真直線17aおよび真直線17bにスライド力が伝達され、真直線17aを介して第1電極31aが第2電極31bから離間する方向に回転されるとともに、真直線17bを介して第2電極31bが第1電極31aから離間する方向に回転されて、カップ31を開いた状態とすることができる。これと反対に、スライダー22をベース21に対して近位端側にスライドさせると、これに伴い駆動ワイヤー13が近位端側にスライドされ、ツナギ金属部材19、ツナギ絶縁部材15を介して、真直線17aおよび真直線17bにスライド力が伝達され、真直線17aを介して第1電極31aが第2電極31bに近接する方向に回転されるとともに、真直線17bを介して第2電極31bが第1電極31aに近接する方向に回転されて、カップ31を閉じた状態とすることができる。
【0048】
ベース21およびスライダー22を含む操作部2をシース部1(アウターシース11)に対して、その軸線周りに回転させると、これに伴い駆動ワイヤー13が回転され、ツナギ金属部材19、ツナギ絶縁部材15、真直線17aおよび真直線17bを介して、第1電極31aおよび第2電極31bに均等に回転力(トルク)が伝達され、樹脂ワク32が固定金具35に対して回転し、カップ31を所望の姿勢(回転位置)に調整することができる。
【0049】
このように、操作部による電極回転のための回転操作力および電極開閉のためのスライド操作力は駆動ワイヤー、および、少なくともツナギ金属部材とツナギ絶縁部材とから構成されるツナギ部材を介して伝達され、さらに第1線部材を介して第1電極に、第2線部材を介して第2電極に伝達される。
【0050】
上述した実施形態によると、カップ31を構成する一方の高周波電極である第1電極31aは、真直線17a、ツナギ金属部材19、駆動ワイヤー13、および電線24aを介して、図外の高周波電源装置の一方の極に電気的に接続され、他方の高周波電極である第2電極31bは金属ワッシャー39、戻り電極33、Cリング34、固定金具35、電線14、スリーブパイプ25、SKパイプ26、電線24bを介して、図外の高周波電源装置の他方の極に電気的に接続される。カップ31の開閉やその軸線周りの回転のための動力の伝達は、駆動ワイヤー13によって行われ、電線14と駆動ワイヤー13とはインナーシース12によって分離されているため、電線14が駆動ワイヤー13のスライドまたは回転動作に干渉することがない。従って、カップ31の回転操作の応答性(操作部における回転操作に対する電極回転の追従性)やスライド操作の応答性を向上することができるとともに、シースの湾曲の状態による応答性の変化も少なくなり、高い操作性を実現することができる。電線14と駆動ワイヤー13とはインナーシース12によって分離されているため、電気的に干渉することもない。
【0051】
また、樹脂ワク32の基端部の首部32cの環状溝32dに、Cリング34を回転可能に遊嵌し、このCリング34が遊嵌された首部32cを固定金具35の太径部35bに内挿して、該Cリング34を該固定金具35に取り付けるようにしたので、樹脂ワク32を固定金具35に安定して回転可能に支持することができる。
【0052】
さらに、戻り電極33はCリング34に当接する略円環状のスリップリング部33cを有し、スリップリング部33cは突部33dを設け、この突部33dがCリング34の端面に点接触することにより、互いに導通されるようにしたので、摩擦抵抗を軽減することができ、電気的に良好な接続状態を保持しつつ、カップ31の回転を円滑に行うことができる。
【0053】
また、樹脂ワク32は一対のアーム部32a,32bのそれぞれの外側に嵌合溝32gを有し、戻り電極33はスリップリング部33cに立設され、嵌合溝32gにそれぞれ嵌合する一対の側板部33a,33bを有しているため、これらを合体させると、樹脂ワク32が戻り電極33によって補強され、樹脂ワク32の剛性を向上することができる。これにより、駆動ワイヤー13からのスライド力および回転力を高効率的に伝達することができる。
【0054】
加えて、戻り電極33の側板部33bは、第2電極31bの回転軸(キングピン37)周りに回転可能に介装された導電性を有する金属ワッシャー39を介して、該第2電極31bに導通されるようにしたので、カップ31の開閉に伴う第2電極31bのキングピン37周りの回転の支障となることなく、電気的な導通状態を安定して保つことができる。
【0055】
次に、上述した実施形態(以下、第1の実施形態という)の一部を改良した第2の実施形態について、図24及び図25を参照して説明する。なお、上述した第1の実施形態と同一の構成部分については、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0056】
上述した実施形態では、先端キャップ23内に挿入されているスリーブパイプ25内にSKパイプ26を回転可能に内挿する構造を採用しており、この構造により、スリーブパイプ25とSKパイプ26との導通を確保することが可能である。しかしながら、これらの二つの部材(スリーブパイプ25、SKパイプ26)間には、回転に支障がない程度のクリアランス(間隙)が存在し、製造上の誤差等によっては、接触不良が生じる可能性を完全に否定することはできない。そこで、第2の実施形態では、スリーブパイプ25内にコイルバネ41を追加的に設けることにより、これら部材間の導通の確実性をより向上させるようにしている。
【0057】
すなわち、スリーブパイプ25の遠位端25a側に、コイルバネ41を内挿している。コイルバネ41はステンレス等の導電性を有する材料から形成されている。コイルバネ41の遠位端41aは、スリーブパイプ25の遠位端25aにレーザ溶接等により溶接固定されている。従って、コイルバネ14は少なくともこの固定部分においてスリーブパイプ25に電気的に導通されている。コイルバネ41の近位端41bは、適宜な荷重となるように圧縮された状態で、SKパイプ26の先端筒部26aの近位端側の段差面(段差部)26bに自らの付勢力によって圧接している。コイルバネ41の近位端41bは、当該段差面26bとの接触(導通)を十分に確保するため、座巻きになっている。なお、コイルバネ41の遠位端41aも座巻きとしてもよい。この構成により、電線14に先端筒部26aの先端26cにて導通接続されたSKパイプ26は、スリーブパイプ25に対する回転の支障となることなく、少なくともコイルバネ41を介してスリーブパイプ25と導通状態を常に保つことができる。
【0058】
コイルバネ41の長さ、径、素線径、巻き数、ピッチ、バネ定数、圧縮長さ等は、スリーブパイプ25内でSKパイプ26の回転を阻害せず、且つSKパイプ26と常に導通接触するように適宜に選定される。コイルバネ41の諸元は、具体的には、組み込まれた状態(所定量圧縮された状態)で荷重0.05〜1N程度となるように選定されている。荷重0.05N未満では導通が不安定になる場合があり、荷重1Nを越えると円滑な回転を阻害する恐れがあるからである。
【0059】
次に、上述した第1の実施形態の一部を改良した第3の実施形態について、図26〜図42を参照して説明する。なお、上述した第1の実施形態と同一の構成部分については、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0060】
この第3の実施形態は、上述した第1の実施形態の鉗子部3の構成を改良したものである。この第3の実施形態の鉗子部は、図26〜図28に示されているように、一対の高周波電極である第1電極131aおよび第2電極131bからなるカップ131、樹脂ワク(電極支持部材)132、戻り電極133、Cリング(Cリング部材)134、固定金具(固定部材)135等を備えて構成されている。
【0061】
樹脂ワク132は、図29〜図34にも示されているように、略円筒状の首部132cを有する基端部に互いに対向する一対のアーム部132a、132bを立設して構成されている。樹脂ワク132の首部132cには外側から凹陥する環状溝132dが形成されている。一対のアーム部132a,132bの先端部近傍にはそれぞれ貫通穴132e,132fが形成されている。
【0062】
戻り電極133は、ステンレス等の導電性を有する金属から形成されており、図29に最も良く示されているように、略円環状のスリップリング部(リング部)133cおよびこれに立設された単一のピン部(ワク導線)133bを有している。
【0063】
戻り電極133は、そのピン部133bが樹脂ワク132のアーム部132bに形成された通孔132gに沿って内挿されるように、スリップリング部133cの穴に樹脂ワク132の首部132cを挿入して、樹脂ワク132に一体的に取り付けられる。
【0064】
Cリング134は、ステンレス等の導電性を有する金属から形成されており、図29〜図32にも示されているように、樹脂ワク132の首部132cに形成された環状溝132dに僅かな隙間(クリアランス)をもって遊嵌され、Cリング134は樹脂ワク132の環状溝132dに取り付けられた状態で、樹脂ワク132に対して自在に回転できるようになっている。
【0065】
固定金具135は、図27、図29〜図32にも示されているように、ステンレス等の導電性を有する金属から形成された略円筒状の部材である。固定金具135の内側には、インナーシース12の遠位端が挿入されて接着固定されている(図27、図32参照)。固定金具135は、アウターシース11の遠位端から内側に挿入されて、アウターシース11に接着固定されている(図27、図32参照)。また、固定金具135の端部には、アウターシース11とインナーシース12との間の部分に配線された電線14の遠位端が電気的に接続されている(図32参照)。
【0066】
図29に示されているように、樹脂ワク132、戻り電極133、Cリング134および固定金具135が分解されている状態から、図30〜図32に示されているように、樹脂ワク132のアーム部132bの通孔132gに戻り電極133のピン部133bを挿入して、樹脂ワク132に戻り電極133を取り付け、次いで、樹脂ワク132の首部132cに形成された環状溝132dにCリング134を嵌め込む。その後、戻り電極133およびCリング134が取り付けられた樹脂ワク132を、その首部132cを固定金具135の内側に挿入して、この状態で、固定金具135にCリング134を溶接することにより、戻り電極133およびCリング134が取り付けられた樹脂ワク132を固定金具135に取り付ける。
【0067】
これにより、樹脂ワク132および戻り電極133は、固定金具135に対してその軸線周りに回転でき、その回転位置にかかわらず、固定金具135と戻り電極133とは電気的に導通された状態を保つことができるようになっている。
【0068】
カップ131を構成する第1電極131aおよび第2電極131bは、図26〜図28に示されているように、互いに略X字状に配置されて互いの交差部分において、樹脂ワク132の一対のアーム部132a,132b間に回転可能に軸支されている。これらの第1電極131aおよび第2電極131bは、絶縁性を有する樹脂からなる絶縁スペーサー136により互いに絶縁されている。
【0069】
第1電極131aおよび第2電極131bは、図38および図39に示されているように、その中間部分に貫通穴131cが形成されており、先端側の把持部には第1電極131a、第2電極131bの回転軸に沿う方向(以下、横方向という場合がある)に延在する複数(例えば、3本)の山歯131dが該横方向に略直交する方向(以下、縦方向という場合がある)に並列して形成されているとともに、先端凸歯131eが形成されている。先端凸歯131eの中央部分には該縦方向に沿って単一の先端縦溝131fが形成されている。
【0070】
第1電極131aおよび第2電極131bには、その中間部分に貫通穴131cが形成されており、後端側には、第1線部材117aまたは第2線部材117bを取り付けるための貫通穴131gが形成されている。また、第1電極131aの一方の面(絶縁スペーサー136に当接する側の面)には、突起部131hが形成されている(図39参照)。なお、第2電極131bにも、第1電極131aと同様の突起部131hを形成してもよい。
【0071】
絶縁スペーサー136は、中央部に貫通穴136bを有する略円筒状の軸部136aをその一方の面側に有しているとともに(図35、図40参照)、他方の面側に略円筒状の金属ワッシャー(ワッシャー部材)139が嵌合される円環状に陥没する凹部136dを有している(図35参照)。
【0072】
絶縁スペーサー136の一方の面には、図40に示されているように、第1電極131aの突起部131hに略対応する位置に、略円弧形状を有するガイド溝136cが形成されている。ガイド溝136cは、第1電極131aの突起部131hが遊嵌されることにより、第1電極131aの回転角度範囲を規定、ひいてはカップ131の開き角度を規定するためのものである(図41,図42参照)。なお、第2電極131bにも第1電極131aの突起部131hと同様の突起部を形成した場合には、絶縁スペーサー136の他方の面に、これに対応して当該ガイド溝136cと同様のガイド溝を設ける。
【0073】
図35に示されているように、第1電極131aはその貫通穴131cに絶縁スペーサー136の軸部136bを挿入することにより、絶縁スペーサー136に回転可能に軸支される。第2電極131bは、その貫通穴131cに金属ワッシャー139を挿入し、金属ワッシャー139を絶縁スペーサー136の凹部136dに嵌合することにより、絶縁スペーサー136に回転可能に軸支される。絶縁スペーサー136の貫通穴136bおよび金属ワッシャー139の中央の貫通穴には、略円柱状のキングピン137が挿通され、キングピン137の一端がアーム部132aの貫通穴132eに、金属ワッシャー139の絶縁スペーサー136と反対側の先端部がアーム部132bの貫通穴132fに嵌合固定することにより、絶縁スペーサー136に回転可能に軸支された第1電極131aおよび第2電極131bが一対のアーム部132a、132b間に支持される。
【0074】
図35に示されているように、樹脂ワク132のアーム部132bに形成された通孔132g内を挿通された戻り電極133のピン部133bの先端部は、アーム部132bの貫通穴132f内に突出して露出しており、アーム部132bの貫通穴132fに嵌合された金属ワッシャー139の先端部とピン部133bの先端近傍の露出した部分とは、レーザ溶接等により電気的に導通された状態で接続固定される。これにより、第2電極131bはその回転にかかわらず、ワッシャー139を介して戻り電極133に電気的に導通された状態を保つようになっている。
【0075】
駆動ワイヤー13の遠位端とカップ131を構成する第1電極131aおよび第2電極131bとの間の動力伝達機構は、図27、図36および図37に示されているように、ツナギ金属部材119、ツナギ絶縁部材115、一対の真直線117a,117b、およびパイプ118を備えて構成されている。
【0076】
ツナギ金属部材119は導電性を有する金属から形成された略円筒状の部材であり、その近位端側に駆動ワイヤー13の遠位端を挿入するための穴119aを有しており、この穴119aに駆動ワイヤー13の遠位端が挿入されて、レーザ溶接等により電気的に導通された状態で接続固定されている。
【0077】
ツナギ絶縁部材115は絶縁性を有する樹脂から形成された略円柱状の部材であり、その近位端側に比較的に大径の穴115dを、その遠位端側から穴115dに至る比較的に小径の穴115bを有している。また、ツナギ絶縁部材115は、底面115cを有する凹陥部115aを有している。ツナギ絶縁部材115の凹陥部115aは真直線117aを配置固定するための部分であり、ツナギ絶縁部材115の穴115bは真直線117bを挿入固定するための穴である。
【0078】
真直線117a,117bは、それぞれステンレス等の導電性の金属からなる単一の線材から形成されている。真直線117bの近位端側には、ツナギ絶縁部材115の穴115bに挿通した状態でパイプ118がレーザ溶接等によって接続固定されて、このパイプ118が固定された部分がツナギ絶縁部材115の穴115d内に配置される。ツナギ絶縁部材115はツナギ金属部材119内に遠位端側から挿入され、接着剤によりツナギ金属部材119に接着固定される。真直線117aの近位端側は、ツナギ絶縁部材115の凹陥部115aに沿って配置され、真直線117aの近位端面を凹陥部115aの底面115cに当接させた状態で、ツナギ金属部材119にレーザ溶接等によって電気的に導通された状態で接続固定される。これにより、真直線117aはツナギ金属部材119を介して駆動ワイヤー13に電気的に導通される。これに対して、真直線117bはツナギ絶縁部材115が介装されているため、ツナギ金属部材119とは絶縁された状態とされる。
【0079】
図27に示されているように、真直線117aの遠位端は、第1電極131aの近位端近傍に形成された穴131g(図38参照)に取り付けられており、真直線117bの遠位端は、第2電極131bの近位端近傍に形成された穴131g(図38参照)に取り付けられている。なお、真直線117bは第2電極131bに導通接続される部分を除いて、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂で絶縁被覆されている。
【0080】
スライダー22をベース21に対して遠位端側にスライドさせると、これに伴い駆動ワイヤー13が遠位端側にスライドされ、ツナギ金属部材119、ツナギ絶縁部材115を介して、真直線117aおよび真直線117bにスライド力が伝達され、真直線117aを介して第1電極131aが第2電極131bから離間する方向に回転されるとともに、真直線117bを介して第2電極131bが第1電極131aから離間する方向に回転されて、カップ131を開いた状態とすることができる。このとき、図42に示されているように、第1電極131aに形成された突起131hと絶縁スペーサー136に形成されたガイド溝136cとにより、カップ131の開き角度が規定されるので、全開時に常に同じ開き角度にすることができる。
【0081】
一方、スライダー22をベース21に対して近位端側にスライドさせると、これに伴い駆動ワイヤー113が近位端側にスライドされ、ツナギ金属部材119、ツナギ絶縁部材115を介して、真直線117aおよび真直線117bにスライド力が伝達され、真直線117aを介して第1電極131aが第2電極131bに近接する方向に回転されるとともに、真直線117bを介して第2電極131bが第1電極131aに近接する方向に回転されて、カップ131を閉じた状態とすることができる。
【0082】
ベース21およびスライダー22を含む操作部2をシース部1(アウターシース11)に対して、その軸線周りに回転させると、これに伴い駆動ワイヤー13が回転され、ツナギ金属部材119、ツナギ絶縁部材115、真直線117aおよび真直線117bを介して、第1電極131aおよび第2電極131bに均等に回転力(トルク)が伝達され、樹脂ワク132が固定金具135に対して回転し、カップ131を所望の姿勢(回転位置)に調整することができる。
【0083】
このように、操作部による電極回転のための回転操作力および電極開閉のためのスライド操作力は駆動ワイヤー、および、少なくともツナギ金属部材とツナギ絶縁部材とから構成されるツナギ部材を介して伝達され、さらに第1線部材を介して第1電極に、第2線部材を介して第2電極に伝達される。
【0084】
上述した第3の実施形態によると、カップ131を構成する一方の高周波電極である第1電極131aは、真直線117a、ツナギ金属部材119、駆動ワイヤー13、および電線24aを介して、図外の高周波電源装置の一方の極に電気的に接続され、他方の高周波電極である第2電極131bは金属ワッシャー139、戻り電極133、Cリング134、固定金具135、電線14、スリーブパイプ25、SKパイプ26、電線24bを介して、図外の高周波電源装置の他方の極に電気的に接続される。カップ31の開閉やその軸線周りの回転のための動力の伝達は、駆動ワイヤー13によって行われ、電線14と駆動ワイヤー13とはインナーシース12によって分離されているため、電線14が駆動ワイヤー13のスライドまたは回転動作に干渉することがない。従って、カップ31の回転操作の応答性(操作部における回転操作に対する電極回転の追従性)やスライド操作の応答性を向上することができるとともに、シースの湾曲の状態による応答性の変化も少なくなり、高い操作性を実現することができる。
【0085】
また、上述した第1の実施形態では、戻り電極33の側板部33a,33bが外部に露出しているとともに、固定金具35の一部も外部に露出しているため、側板部33a,33b、固定金具35が体内組織に触れてしまう恐れがあったが、この第3の実施形態では、ピン部133bがアーム部132bの内部(通孔132g)を通って外部に露出していないとともに、固定金具135の全体がアウターシース11内に完全に埋没する構成であるため、ピン部133b、固定金具135が体内組織に触れてしまうことが完全に防止される。
【0086】
さらに、図37を参照して説明したように、ツナギ絶縁部材115はツナギ金属部材119に接着固定されるとともに、真直線117aの基端部側の端面をツナギ絶縁部材115の凹陥部115aの底面115cに当接させた状態で、真直線117aをツナギ金属部材119に溶接固定しているので、ツナギ絶縁部材115のツナギ金属部材119に対する固定が確実であり、長期に渡って安定した性能を実現することができる。加えて、上述した第1の実施形態と比較して部品点数を削減することができ、コスト低減を図ることができる。
【0087】
また、図38に最も良く示されているように、電極131a,131bの把持部に、横方向に延在する複数の山歯131dを設けているので、体内組織を把持した状態での縦方向への滑り抜けが抑制できることに加えて、先端凸歯131eに先端縦溝131fを設けたので、体内組織を把持した状態での横方向への滑り抜けも抑制することができ、安定した把持を実現することができる。
【0088】
加えて、戻り電極133のピン部133bは、金属ワッシャー139を介して、第2電極131bに導通されるようにしたので、カップ131の開閉に伴う第2電極131bの回転の支障となることなく、電気的な導通状態を安定して保つことができる。
【0089】
次に、上述した第3の実施形態の一部を改良した第4の実施形態について、図43〜図49を参照して説明する。なお、上述した第3の実施形態と同一の構成部分については、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0090】
上述した第3の実施形態では、第1電極131aおよび第2電極131bとしては、図38および図39を参照して説明したように、先端側の把持部には横方向に延在する複数(例えば、3本)の山歯131dが並列して形成されているとともに、先端凸部131eが形成され、先端凸部131eの中央部分に縦方向に沿って先端縦溝131fが形成されたものを用いた。これに対して、この第4の実施形態では、第1電極231a、第2電極231bの先端側の把持部に、複数(例えば、4個)の凸歯(凸部)231cを規則的に千鳥状に(互い違いに)配設している。
【0091】
第1電極231aと第2電極231bで生体組織300を把持した状態が、図45〜図47に模式的に示されている。第1電極231aの凸歯231cは第2電極231bの凸歯231cの間の部分に位置しており、同様に第2電極231bの凸歯231cは第1電極231aの凸歯231cの間の部分に位置しており、各凸歯231c間に適宜な隙間が形成されるため、第1電極231aおよび第2電極231bで生体組織300を把持した際に、生体組織300が各凸歯231cのエッジに適宜に引っかかり、生体組織300の横方向および縦方向の滑り抜けをより確実に防止することができ、把持性を向上することができる。また、各凸歯231cは規則的に千鳥状に配設することにより、第1電極231aと第2電極231bとを同一の構成とすることができ、第1電極231aと第2電極231bとで異なる構成とする場合と比較して、製造コストを低減することができる。
【0092】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0093】
1…シース部、
11…アウターシース、
12…インナーシース、
13…駆動ワイヤー、
14…電線、
15…ツナギ絶縁部材、
16…ツナギワッシャー、
17a,17b…真直線、
18…パイプ、
19…ツナギ金属部材、
2…操作部、
21…ベース、
22…スライダー、
23…先端キャップ、
24…プラグ、
24a,24b…電線、
25…スリーブパイプ、
26…SKパイプ、
3…鉗子部、
31,131…カップ、
31a,31b,131a,131b,231a,231b…電極、
32,132…樹脂ワク、
32a,32b,132a,132b…アーム部、
32c,132c…首部、
32d,132d…環状溝、
32e,32f…貫通穴、
132g…通孔
33,133…戻り電極、
33a,33b…側板部、
133b…ピン部
33c,133c…スリップリング部、
33d…突起部、
33e,33f…貫通穴、
34,134…Cリング、
35,135…固定金具、
36,136…絶縁スペーサー、
37,137…キングピン、
39,139…金属ワッシャー。
【0094】
41…コイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウターシースと、
前記アウターシースの近位端に設けられた操作部と、
前記アウターシースの遠位端に取り付けられた略円筒状の導電性の固定部材と、
基端部および遠位端側に向かって突出する互いに対向する一対のアーム部を有し、該基端部が前記固定部材に該固定部材の軸線周りに回転可能に取り付けられた電極支持部材と、
互いに電気的に絶縁された状態で、前記電極支持部材の前記アーム部にそれぞれ回転可能に軸支された第1電極および第2電極と、
前記アウターシースに挿通された絶縁性のインナーシースと、
前記操作部による回転操作力およびスライド操作力を伝達する前記インナーシースに挿通された導電性の駆動ワイヤーと、
前記駆動ワイヤーの遠位端に取り付けられた、ツナギ金属部材とツナギ絶縁部材とから構成されるツナギ部材と、
その一端が前記ツナギ金属部材に他端が前記第1電極に取り付けられ、前記駆動ワイヤーと前記第1電極とを導通させる導電性の第1線部材と、
その一端が前記ツナギ絶縁部材に他端が前記第2電極に取り付けられた第2線部材と、
前記電極支持部材の前記固定部材に対する回転および前記第2電極の前記電極支持部材に対する回転にかかわらず、前記固定部材および前記第2電極のそれぞれに当接してこれらを電気的に導通させる、前記電極支持部材に取り付けられた戻り電極と、
前記アウターシースと前記インナーシースとの間に挿通され、その遠位端が前記固定部材に導通された電線と
を備えることを特徴とする内視鏡用高周波処置具。
【請求項2】
前記電極支持部材の前記基端部は略円筒状の首部を有し、該首部は外側から凹陥する環状溝を有し、
前記環状溝にCリング部材を回転可能に遊嵌し、
前記Cリング部材が遊嵌された前記首部を前記固定部材に内挿して、該Cリング部材を該固定部材に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用高周波処置具。
【請求項3】
前記戻り電極は前記Cリング部材に当接する略円環状のリング部を有し、
前記Cリング部材および前記リング部の一方に形成された突部が他方に点接触することにより、互いに導通されることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用高周波処置具。
【請求項4】
前記電極支持部材は前記アーム部のそれぞれの外側に嵌合溝を有し、
前記戻り電極は前記リング部に立設され、前記嵌合溝にそれぞれ嵌合する一対の側板部を有することを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用高周波処置具。
【請求項5】
前記戻り電極の前記側板部の一方は、前記第2電極の回転軸周りに回転可能に介装された導電性を有する略円環状のワッシャー部材を介して、該第2電極に導通されることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用高周波処置具。
【請求項6】
前記操作部は、
前記アウターシースの近位端側が挿入される略筒状の空間を有する先端キャップと、
前記先端キャップの前記略筒状の空間内に取り付けられた略筒状の導電性のスリーブパイプと、
前記アウターシースの近位端部内に挿入されて該アウターシースが取り付けられるとともに前記電線の近位端が電気的に接続された細径の先端筒部、及び前記インナーシースが挿通される通孔を有し、前記スリーブパイプの内部に回転可能に内挿された導電性のSKパイプと、
前記スリーブパイプの遠位端側に内挿されてその遠位端が該スリーブパイプに固定され、その近位端が前記SKパイプの前記先端筒部の近位端側の段差面に圧接するように設けられた導電性のコイルバネと
を備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用高周波処置具。
【請求項7】
前記電極支持部材は前記アーム部の一方の内側に前記基端部から前記第2電極の軸受部に至る通孔を有し、
前記戻り電極は前記Cリング部材に当接する略円環状のリング部、および前記リング部に立設され、前記通孔を貫通して前記第2電極の軸受部にて露出して前記第2電極に電気的に接続されるピン部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用高周波処置具。
【請求項8】
前記ツナギ金属部材は略筒状に形成されているとともに、前記駆動ワイヤーの遠位端に溶接固定され、
前記ツナギ絶縁部材は前記ツナギ部材金属に遠位端側から内挿され、
前記ツナギ絶縁部材は前記第1線部材の他端近傍が配置される凹陥部を有し、
前記第1線部材は、該第1線部材の他端を前記凹陥部の底面に当接させた状態で、前記ツナギ金属部材に溶接固定されて、該ツナギ金属部材を介して前記駆動ワイヤーに電気的に導通されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用高周波処置具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【公開番号】特開2013−99503(P2013−99503A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−74025(P2012−74025)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【出願人】(597089576)有限会社リバー精工 (65)
【Fターム(参考)】