説明

内部の袋を備える容器

【課題】容易に使い捨てできる容器を提供すること。
【解決手段】
本発明は、分配用開口を有する本体を規定する中空の外殻と、外殻(2)の内側の袋(4)とを有する容器(1)に関し、袋の開口端は、分配用開口を通って延び、外殻の外側に対して固定される。袋(4)は、容器(1)の所期の内容物を含むために適する材料から作製される。従って、外殻(2)は、容器単体の所期の内容物を含むために適していないであろう材料から形成されることができる。外殻(2)は、木材又は製紙用パルプなど生分解性の材料から形成されることができる。袋(4)は、分離した処分を可能にするために容器の主本体から分離されることができる。容器(1)は、容器の内容物が通って分配されるべき流れ口を形成することによって、及び容器を密封するニップを作り出すために流れ口を折り畳むことによって密封されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ及びパッケージを形成する方法に関する。この発明は、具体的には、容易に使い捨てできるパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
発生した廃棄物の量を削減し、可能な場合、廃棄物材料を再使用又はリサイクルする一般的な環境に関する要望がある。具体的な懸念点は、パッケージングを作り出すために用いられる材料の量であり、パッケージング用材料のリサイクルに関する問題である。
【0003】
様々の相異なったタイプのパッケージングが相異なったタイプの製品に対して知られている。相異なったタイプのパッケージングは、それらに関連する相異なった環境問題を有する。これらの問題は、例えば材料が未加工のものであるか又はリサイクルされたものであるかどうかという、パッケージングに用いられる原材料に関する問題を含み、及び、例えばそれらが安全に処分又はリサイクルされるか否かという、パッケージング用材料の処分又はリサイクルに関連する問題を含む。
【0004】
従来から、ワイン、ビール及び牛乳など多くの飲料はガラス瓶で供給されている。これら瓶を作製するために用いられるガラスは、それ自体リサイクルされることができる。しかしながら、瓶を作製するために必要とされるエネルギーは大きい。また、結果として生じるパッケージングの重量は大きく、これにより製品を輸送するために必要とされるエネルギーの量を増加させている。ガラスはリサイクルされることができるが、これは、例えば、利用者が他の家庭廃棄物からガラス瓶を分離することによって、収集のために瓶が他の廃棄物から分離されることを必要とする。従って、多くの場合、ガラス瓶が他の廃棄物と共に処分される。この場合、ガラス瓶は、埋立地で処分されるであろう。これは、いくつかの他の形の廃棄物と異なり、ガラスが生分解性でないので、問題である。
【0005】
最近、牛乳及び炭酸飲料など液体のために、PETなどプラスチックから作製される瓶を使用することが通例になってきている。この場合、容器がリサイクルされた材料から形成される場合にありうるような瓶の中に含まれる液体の汚染がないことを確実にするために、瓶が未加工の材料、即ちリサイクルされていない材料から形成されることが瓶では通例である。他の廃棄物から分離される場合、材料自体はリサイクルされることができるが、これは、ガラス瓶と同様に世帯主など廃棄物生成者が他の廃棄物材料から容器を分離させる必要がるために、頻繁には行われない。やはり、容器が埋立地などで処分される場合、瓶は生分解性ではない。また、瓶は、それらの中空の剛体の構造により、材料自体の容積より大きな容積を占め、従って、埋立地において必要以上の空間の量を占める。
【0006】
また、ラミネートされた段ボール容器、例えば、Tetra−Packs(登録商標)で液体を包装することが提案されている。この場合、容器の本体が形成される段ボールは、リサイクルされた材料である場合がある。段ボールは防水被覆でラミネートされる。これは、容器が液体を保持できること、及び、段ボールの液体による汚染を防止することができる液体と段ボールの間の障壁として作用することの両方を確実にする。特に、これは、段ボールがリサイクルされた材料から形成される場合に必要とされる。このパッケージによる問題は、それらがリサイクルすることが難しいこと、及び、防水被膜がそれらを完全に分解することを妨げることである。段ボールから防水被膜を分離することが可能な場合、段ボールは生分解性であることができる。しかしながら、この分離は難しい。この問題は、プラスチック製分配ノズル又はキャップが内容物を分配するためにパッケージの一部として形成されているとき、悪化させられる。これは、容器がリサイクルされる前に分離され又はこの部品が分解されることが可能であることが必要とされる、別の構成部品である。
【0007】
いくつかの国々では、牛乳などの液体は袋の中に包装される。しかしながら、これら袋は、殆ど構造的安定性を有さず、従って、輸送及び棚の上の積重ねが難しい。
【0008】
ワイン箱の中にワインをパッケージすることが知られている。典型的には、これらはラミネートされた段ボールから形成された箱本体を備え、このラミネートされた段ボールはパッケージのための構造を形成する。分離したフォイル袋が箱の中に設けられ、ワインは袋の内側に含まれる。分配用栓が、袋の上に設けられ、使用時には、箱の開口部を通って突出するように配置される。この容器の効率的な処分のためには、相異なった材料から作製された部品、即ち、箱から袋、袋から分配用栓、箱を形成する段ボールからラミネート層を分離することが必要である。このパッケージングの一体構成部品の分離は大変困難である。従って、このパッケージは、効率的に処分され又はリサイクルされることができない。
【0009】
米国特許第5996427号は、液体サンプル、例えば、排水、川又は水流からの水、あるいは商業又は製造業の企業からの液体排水のサンプルを貯蔵するための装置に関する。ガラス又はプラスチック材料から形成される周知のサンプル装置による問題は、これらがサンプル間の汚染を回避するために再使用できる前に完全に洗浄されねばならないことであることが開示されている。この問題を克服するために、液体サンプル貯蔵装置がライナと共にプラスチック材料から形成されるライナホルダを備えることが、開示されている。ライナホルダは、例えば縦方向のヒンジに沿って開けることができるようにされて、ライナホルダの内部へのアクセスを実現し、ライナをライナホルダの内側に配置して後でライナホルダから取り外せるようにしている。ライナは、ライナホルダの入口首部を通って延び、ライナを適所に置くために、ライナホルダの入口首部の外側の周りに設けられた止め輪によって適所に保持される。ライナホルダは、ライナが液体を充填するにつれて空気の移動を可能にするために、その上部、下部及び側部の上に通風孔を備える。
【0010】
また、米国特許第3255932号は、外部容器の内側に含まれ外部容器によって支持される使い捨ての可撓性の袋と相まって、再利用可能な比較的剛体の外部容器を備える容器について開示している。この文書における開示事項によると、袋は、外部容器の上部において開口部を通ることができる一体の流れ口と共に形成される。流れ口は、流れ口が閉められ、外部容器の内側で袋を支持することを可能にするために、外部容器の上部に係合可能である。流れ口の端部が袋を開き内容物が分配されることを可能にするために取り外される前に、牛乳又は他の液体を含む袋が、袋の流れ口が外部容器の蓋の中で開口部を通って延びる状態で、外部容器の中に配置されることができることが説明される。キャップは、これを密封するために流れ口の上に配置されることができる。
【0011】
いくつかの卵を保持するための卵用箱は、木材パルプなど生分解性の材料から形成されており、この材料は、メッシュの金型の上に液体パルプ材料を吸引することによって真空成形される。このタイプのパッケージは、単一の生分解性の材料から形成されることができる。これは、梱包の構成部品を分離する必要がないので、製品の処分に関連した多くの問題を回避する。しかしながら、木材パルプから形成された成形容器を乾燥させるために必要とされるエネルギーの量が多く、従って、容器の製造は環境的な懸念を有さないものではない。さらに、これらパッケージは、液体製品がパッケージを形成する材料をパルプに戻すので、液体製品を含むことができない。また、パッケージがリサイクルされた材料又は食品規格でない材料から形成される場合、それはこのパッケージングと直接接触する消費製品に適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5996427号明細書
【特許文献2】米国特許第3255932号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
容易に使い捨てできる容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一般的な態様によると、容器の本体を規定し分配用開口を有する中空の外殻と、外殻の内側に設けられる袋又はライナとを備え、袋の開口端が、外殻の分配用開口を通って延び、外殻の外側に対して固定される容器が提供される。袋又はライナは、容器の所期の内容物を含むために適切な材料から作製され、例えば、容器が液体を含むように意図される場合、耐湿性又は防水材料から形成される。
【0015】
本体の内側に袋又はライナを形成することによって、袋の口が本体の分配用開口の外に延び、外殻の外側に対して固定される状態で、容器の内容物は、分配用開口の内側を含む中空の外殻のどの部品とも接触することなしに容器の分配用開口を通って導入され分配されることができる。
【0016】
本発明の具体的な態様によると、中空の外殻は生分解性の材料から形成される。
【0017】
液体が外殻の分解を引き起こすので、特に容器が液体を含む場合、生分解性の材料が、容器の外殻を形成するために適切な材料ではないことが通常考えられるであろう。しかしながら、容器の外殻の内側に袋又はライナを形成することは、外殻が内容物と接触しないということを意味する。これは、中空の外殻が製品を含むのに用いられるために適していると通常考えられない材料から作製されることができることを意味する。たとえ容器によって含まれるべき製品が液体であっても、中空の外殻は、袋が容器の内容物を中空の外殻から隔離するので、液体を吸収し、あるいはそうでない場合、液体との接触によって損害を与えられ又は破壊されることがある材料から作製されることができる。さらに、内容物が中空の外殻と接触しないので、たとえ容器が食品又は飲料を含むべきであっても、中空の外殻は、製品が袋によって中空の外殻から分離されるので、食品規格から通常考えられない材料から作製されることができる。これは、例えば、外殻がリサイクルされた材料を用いて形成されることができることを意味する。
【0018】
外殻は、外殻を形成するために折り畳まれる1つ又は複数の平面のシートの材料から形成されることができる。しかしながら、外殻は、成形、例えば、真空成形技術を用いて成形によって形成されることが好ましい。これは、外殻が平面のシートの材料を折り曲げることによって形成される場合より、中空の外殻の全体の形状において極めて大きい可撓性があるという利点を有する。具体的には、容器が1つ又は複数の平面のシートの材料を折り曲げることによって形成される場合、容器の全体の形状は平面の面を有する概ね立方体の形状である。しかしながら、真空成形技術を用いて、外殻は平面の面及び湾曲した面と共に形成されることができる。これにより、容器が審美的及び機能的目的のために望ましいように成形されることが可能になる。例えば、特に魅力的である、あるいは認定目的のために容器の中に含まれるべき製品に関係付けるようになされる、あるいは隆起、陥凹又は型押しのパターン又はイメージを備えることができる全体の形状を有する容器を提供することが可能である。容器が利用者により容易に保持され操作されることができるように、例えば、内容物を分配するとき、容器を保持するための部分を形成するために容器を成形することがまた可能である。例えば、容器の内容物を分配するとき利用者によって保持されることができる取手部を形成することが可能である。
【0019】
具体的には、中空の外殻が木材及び/又は製紙用パルプから形成されることが好ましい。これは、生分解性の材料の一例であり、やはりリサイクルされた材料から形成されることができる材料でもある。例えば、製紙用パルプは廃棄新聞紙から形成されることができる。この場合、材料は、リサイクル及び生分解性の両方である。
【0020】
外殻が木材又は製紙用パルプから形成される場合、卵用箱の形成のために用いられる技術と同様の真空成形技術が用いられることができる。
【0021】
この場合、外殻は、製紙用パルプが木材パルプより少ない湿気含量を有し、従って、乾燥させるために木材パルプより少ないエネルギーを必要とするため、製紙用パルプから形成されることが特に好ましい。
【0022】
外殻が木材及び/又は製紙用パルプなど可燃材料から形成される場合、外殻は燃焼され、これにより潜在的に電気又は他の利用可能な形のエネルギーを生成することができる。
【0023】
本発明の第2の具体的な態様によると、容器の分配用開口は、袋又はライナが通って延びる首部又は流れ口として形成される。この場合、容器は、それ自体の上に流れ口を折り畳み又は曲げ、この折り畳まれた又は曲げられた構造で流れ口を保持することによって密封される。流れ口を折り畳み又は曲げる結果として、ニップが、折畳み部又は曲げ部の地点で流れ口の中に形成され、これは、容器の内容物の偶発的な分配又は内容物を汚染することがある容器の中への出現を防止するシールを作り出す。
【0024】
流れ口の折り畳まれた端部は、容器の本体の中に設けられた開口部の中にこれを挿入することによって、バンド、クリップ又は他の機械的締付け具によって、あるいは容器の流れ口又は本体に設けられた接着部又はテープによって適所に保持されることができる。クリップが用いられる場合、これは、容器の本体及び流れ口に留められ又は締め付けられるために分離した要素として設けられることができ、あるいは折り畳まれた流れ口が本体の上に形成されたクリップ部の中又は後に留められるように外殻の本体に取り付けられることができる。
【0025】
外殻の任意のヒンジ部及び/又は流れ口のより厚い部分に対して流れ口の折畳み部を適切に方向付けることによって、流れ口は、クリップ又はテープなど任意の保持機構から取り外されたとき、その開かれ延びた位置に回復するようにある程度の弾性を備えることができる。具体的には、流れ口部は、必須の折畳みを助長するために必須の弾性をもたらす増加され又は減少された厚さを有する流れ口に沿って縦方向に延びる部分を備えることができる。
【0026】
流れ口の折畳みを補正する助けとなり、密封のために鋭い折畳み部を確実にするためには、折り目が所望の折畳み位置で流れ口の上に設けられることができる。
【0027】
流れ口は、外殻と一体に形成されることができるが、外殻の残りの部分に結合される分離した構成部品として形成されることが有利である。
【0028】
本発明の代替の態様では、他の機構が容器を密封するために設けられることができる。これらシールには、容器の分配用開口の中で取り外し可能及び交換可能であるプラグ又はストッパ、容器の外殻の内側又は容器の外側のいずれかで袋の端部を密封するジッパータイプのシール、容器の分配用開口部を密封し、内容物が分配されるべきとき、開口部から剥取り可能な又はその他の方法で取り外し可能であるフォイル又は他の層、「Tetra Pack」(登録商標)タイプの容器で用いられるシールと同様のシール、及び、例えば、袋の端部を捩り又は潰すことによって実現される袋の端部の延長長さ部でのシールが含まれることができる。
【0029】
本発明の全ての態様では、中空の外殻の内側に設けられた袋又はライナの部分が外殻の内部容積より大きな最大内部容積を有することが好ましい。このように、中空の外殻は、容器が充填されるとき、容器の分配用開口の周りに吊り下げられた外殻の内側の袋又はライナの一部によって支持される内容物の重量よりむしろ荷重を担持する。
【0030】
分配用開口の少なくとも周りで外殻に袋又はライナを取り付けることによって袋又はライナが外殻の外側に対して固定されることが好ましい。これは、袋又はライナが容器の内容物が通って分配される分配用開口の少なくとも周りで中空の外殻に緊密に結合された状態のままにすることを確実にする助けとなる。これはまた、容器が充填されるとき、袋又はライナが中空の外殻の中に所望の状態よりもさらに引かれないことを確実にする助けとなり、そうでない場合、外殻の外側に袋又はライナを望ましくなく延伸させ、又は外殻の外側に残された袋又はライナの付加的な部分をもたらし、これにより、容器の外側に貧弱な外観を与える余分な材料をもたらす。袋又はライナは、接着剤によって、テープによって、又は袋又はライナが加熱されて、分配用開口部の周りで外殻の外側に接触する状態に収縮される収縮包装によって取り付けられることができる。袋又はライナが、他の方法、例えば、分配用開口部の周りの代わりに、又は分配用開口部の周りに加えて外殻の外側の他の位置に袋を取り付けることによって外殻の外側に対して固定されることが理解されよう。代替的には、袋は、外殻の外側の周りにゆるく設けられ、外殻に対してその移動を防止するためにそれ自体に密封されることができる。
【0031】
袋又はライナが、その区域の大きな部分にわたって外殻の内側にこれを取り付けるよりむしろ外殻の内側にゆるく設けられることが有利である。これは、広い区域にわたって外殻の内側に袋を取り付けることが難しい場合があるので、有益である。さらに、外殻の内側に袋又はライナをゆるく設けることによって、袋又はライナは外殻からより容易に取り外されることができる。特に、これはリサイクルの目的のために好ましい。
【0032】
分配用開口が首部又は流れ口によって規定される場合、これが、袋が中空の外殻の外側表面に連結される部分の周りの弱くされた部分を含むことが好ましく、これにより、弱くされた部分に遠位の首部の部分及び取り付けられた袋が、容器からの袋の取外しのために容器の残り部分から分離されることを可能にする。首部又は流れ口の中に弱くされた部分を設けることによって、首部の端部は、パッケージの内容物が分配されているとき、中空の外殻の残りの部分から分離されることができる。外殻の残りの部分から首部又は流れ口の分離された部分を引くことによって、袋又はライナは外殻の外に引かれることができる。これは、首部又は流れ口の取り外された端部以外の実質的に全ての外殻を1つの構成部品として残し、袋又はライナ及び首部の小さな取り外された部分を、他方の構成部品とする。これら2つの構成部品は、分離して処分され、又はリサイクルされる。一実施例では、首部の弱くされた部分は、首部又は流れ口領域の中で外殻を通って目打ちを有する。容器の内容物は内部の袋の中に含まれるので、外殻の中の目打ちは、内容物が周囲に露出され、又は汚染されることを不可能にする。
【0033】
袋又はライナが外殻に取り付けられる代替の実施形態では、袋又はライナと中空の外殻の間の連結部は、破断可能であることができ、又は袋が、外殻の外側表面から分離され、外殻の内部から取り外されるように、選択的に袋及び外殻を分離するために他の手段を有することができる。やはり、取り外された袋及び残りの外殻は、分離して処分され、又はリサイクルされることができる。
【0034】
中空の外殻が生分解性の材料から形成される場合、外殻は、埋立地で、堆肥積みなどの上に処分されることができ、分解する。袋が可撓性なので、これが埋立地で処分される場合でさえ、袋は通例のガラス又はプラスチック製瓶より極めて小さい容積を占める。さらに、袋自体は生分解性の材料から形成されることができ、従って、これはまた、中空の外殻と同様の方法で分解することができる。
【0035】
中空の外殻が外側表面の上に耐湿性被膜を備えることが好ましい。具体的には、容器が、容器の構造物が湿気によって破壊されることがある、湿った又は湿気のある環境に残された場合、これは有益である。例えば、容器が低温で維持される必要がある製品を保持するように意図される場合、容器が暖かい環境の中で移動される場合に容器の外側の上に形成される凝結の恐れがある。この場合、凝結は、容器を、具体的には、外側表面が耐湿性でない場合にその構造的剛性に損害を与える場合がある。中空の外殻の外側表面は、耐湿性被膜で覆われる場合、分離した処分及び/又はリサイクルのために中空の外殻から容易に取り外し可能であることが好ましい。一実施例では、容器の外側の上の耐湿性被膜は、容器の内側にゆるく設けられた袋の延長部として形成されることができる。別の実施例では、外殻は、必須の耐湿性特性を与えるために、例えば、焼付けを用いて処理されることができる。
【0036】
外殻は、使用後外殻の分解を助長する助けとなる促進剤を有することができる。代替的には、さらに、容器の所期の含量を分解する助けとなる添加剤が含まれることができ、例えば、容器が油を担持すべき場合、時間と共に油を分解する助けとなる添加剤は、袋及び/又は外殻の中に含まれることができ、これにより容器のリサイクル可能な特性を増加させる。
【0037】
外殻が、中空の外殻を形成するために次いで折り畳まれる開いた外殻として形成されることが好ましい。特に、これは外殻が成形される場合、有益である。このようにして、外殻が中空の構成部品として成形される場合より外殻を成形することが容易である。外殻が折り畳まれる場合、ヒンジが、例えば、完成した容器の底にわたって、容器の1つの縦方向辺に沿って、又は容器の1つの側面に沿って、外殻の任意の適切な側面又は一部に沿って設けられることができる。外殻が折り畳まれる場合、外殻は、中空の外殻を組み立てるために、外殻の別の部分の上に延び、外殻の別の部分に取り付けられるようになされた1つ又は複数の延長部又はタブを有することができる。例えば、外殻の一方の部分の上に設けられた、外殻の他方の部分のスロットの中に受け入れられるように配列されたタブ、締まり嵌めを実現する構成部品など他の機構が、外殻の取付け又は連結を助けるために設けられることができる。外殻の部品間の機械的連結部の代替として又は機械的連結部に加えて、外殻は、外殻の外側表面の上に横たわる収縮包装フィルムによって、接着剤によって、あるいはラベル又はテープによって、共に保持されることができる。代替的には、外殻は、上述の配置と同様の配置を用いて共に結合されるいくつかの部分で形成されることができる。
【0038】
外殻は、外殻の1つ又は複数の部品を結合するために、共に結合された1つ又は複数のフランジで形成されることができる。好ましい実施例では、1個のこのようなフランジが容器を保持するために取手部を規定するために開口部を有することができる。この場合、特に、取手部が強固な取手を形成するために複数の材料厚さを有するように、延長片がフランジを折り畳むために設けられることが好ましい。フランジは適切な接着剤で共に保持されることができる。
【0039】
容器が首部又は流れ口部を有する場合、これが外殻の残りの部分に分離した構成部品として形成され、形成の後、外殻の残りの部分に結合されることが好ましい。このようにして、首部又は流れ口部は、どのような接合部なしに単一部分として形成されることができる。
【0040】
上述のように、袋が外殻の内側にゆるく設けられ、実質的には袋は外殻の内側に取り付けられないことが好ましい。しかしながら、袋のいくつかの部品は外殻の内側に取り付けられることができ、例えば、袋の底又は側部の一部は外殻に取り付けられることができ、例えば、袋が外殻の内側に適切に配置されることを確実にするために外殻の2個の部品の間で締め付けられる。この場合、外殻から袋の取外しを可能にするために外殻に結合された任意の部分に隣接して弱くされた又は破断可能な部分を有することが好ましい。具体的には、容器が容器の内容物を分配するために逆さまにされるとき、重力の影響下で容器の内側で摺動するよりむしろ袋の底が容器の底で保持されるように袋が外殻の底に取り付けられることが好ましい。これは、容器の内容物の分配の効率を非常に助ける。
【0041】
袋又はライナが、外殻から分離して形成され、外殻が、例えば、外殻の部品を折り畳むことによって又は外殻を形成する構成部品を結合することによって最終的に組み立てられる前、あるいは、例えば、分配用開口部など開口部を通って外殻の中に袋又はライナを挿入することによって外殻が完成された後のいずれかで外殻の中に設けられることが好ましいが、袋又はライナが外殻の製造及び/又は組立の一部として形成されることができることが理解されよう。例えば、外殻が形成され、適切な材料からなる層が外殻の内側の上に横たわることができる。外殻が、例えば、折り畳むことによって組み立てられるとき、結果として生じる2つの層の材料は、一体となり、密封された袋を形成するために縁部の周りで結合されることができる。例えば、2つの層の材料は、例えば、外殻のフランジの間又は外側で結合される溶着によって結合されることができる。
【0042】
一例では、袋又はライナは、ポリエチレンなどプラスチック材料から形成されることができる。食品規格であるものとして保証される適切な材料には、Starpol RF Technologies Limitedから市販されているStarpol 2000、Starpol Blown Film及びポリマー2189/106フィルムが含まれる。
【0043】
容器は、具体的には、棚の上に保管されるとき、利用可能な空間の中に保管できる容器の数を最大化するために、それらが埋め尽くされることができることを確実にするのに適切な形状で形成されることができる。容器は、容器の追加的な強度をもたらし、やはり容器が安定して立つことができることを確実にする助けとなることができる脚を規定する部分を有することができる。
【0044】
分配用開口は、いくつかの方法で密封されることができ、好ましくは再密封可能である。しかしながら、再密封は全てのアプリケーションに対して必要ではないことが理解されよう。シールが、容器が開かれたかどうかを容易に決定することができるようにいたずら防止シールを含むことが有利である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】容器の断面図である。
【図2】組立の前の外殻の上面図である。
【図3】組立の後の外殻の上面図である。
【図4】組立の前の別の外殻の図である。
【図5】容器の別の実施例の断面図である。
【図6】閉じたときの容器の首部を示す図である。
【図7】首部閉鎖の別の実施例を示す図である。
【図8】図7の閉鎖を含む容器の好ましい実施例を示す図である。
【図9】本発明による容器の別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
ここで添付の図面を参照して例により本発明を説明する。
【0047】
特徴のいくつか又は全てが本発明の相異なった態様で用いられることができることが理解されよう。
【0048】
図1は、本発明の第1の実施例による容器1の断面図を示す。
【0049】
容器1は、図2及び3を参照してより詳細に説明するように、真空成形方法によって木材又は製紙用パルプから作製されることができる中空の外殻2を有する。本発明の他の態様では、リサイクル及び/又は生分解性であってもなくてもよい、他の材料が用いられることができる。容器1は分配用開口部を規定する首部10を備え、この分配用開口部を通って容器は充填されることができ、この分配用開口部を通って内容物は分配されることができる。首部10は首部10を取り囲む目打ち部6を有する。後述するように、目打ち部6により、首部10の上部が中空の外殻2の残りの部分から分離され取り外されることが可能になる。
【0050】
図2及び3は外殻2の形成を示す。中空の外殻2は製紙用パルプから形成されることが好ましい。製紙用パルプ材料は、これが成形品であることができるように希釈される。金型が、典型的にはワイヤメッシュの形で設けられ、製紙用パルプは吸引力又は真空を加えることによって、金型の表面の上に吸引される。構成部品を成形した後、構成部品は、湿気を蒸発させ、外殻を凝固させるために加熱される。木材パルプよりむしろ製紙用パルプから外殻を形成することによって、パルプのより少ない希釈が必要となり、従って、より少ないエネルギーが湿気を蒸発させるために必要とされる。図2に示すように、中空の外殻は、完成品の2個の半部18、19が並んで形成された開いた状態で成形され、完成容器の縦方向の側面に沿って延びるヒンジ部20によって連結される。ヒンジ部が、例えば、外殻の底に沿って又は外殻の側面に沿って横方向に他の場所に形成されることができることが理解されよう。
【0051】
成形構成部品の少なくとも1個の半部18は、外殻1の2個の半部を連結するのに用いられることができる延長タブ22を有する。これは図3で最も良く示され、この図の中では、外殻の2個の半部はヒンジ部20の周りで折り畳まれ、2個の構成部品の自由端部は部分的に重なりあい、適切な接着剤で結合される。必要に応じて、構成部品は、接着剤以外の手段によって取り付けられることが理解されよう。例えば、2個の部品を共に固定するために接合部の上に延びるラベルが設けられることができ、また、全体の容器がそれを共に保持するために収縮包装されることができる。この場合、延長タブは必要ではないであろう。代替的には、外殻は、どのような追加の手段もなしに、例えば締まり嵌め、タブ及び溝又は他の締付け機構をもたらすことによって、連結する延長部と共に形成されることができる。後述する好ましい実施例において、外殻は、外殻が閉められたとき互いに接着されることができる1つ又は複数のフランジを有する。内容物が外殻の内側に設けられた袋の内側に保持されるので、容器が流体を保持するべきときでさえ、接合部が流体密封である必要はないことが理解されよう。実際には、外殻の内側の空気が、袋が充填されるにつれて外殻を通って移動させられることができ、内容物が袋から分配されるにつれて容積を充填するために空気が外殻を通って通過することができるように、外殻が流体密封でないことが有利である。空気が、内容物が袋から分配されるにつれて、外殻の内側の容積の中を通過することが可能になると、内容物の円滑な分配を確実にする助けとなる。外殻を通る空気の流れは、外殻の多孔性を利用するか、又は、外殻の中に通風孔を有することによって、実現することができる。後者の場合、これは袋をパンクさせる恐れのない位置に設けられる。
【0052】
代替の実施例では、中空の外殻はいくつかの分離した部品として形成されることができ、これら部品は完成した中空の外殻を形成するために配置され相互に結合される。具体的には、首部は外殻の残りの部分に結合される分離した部品として形成されることができる。これを以下により詳細に説明する。
【0053】
木材又は製紙用パルプから外殻2を形成することによって、外殻は、これが生分解性であるので、容易に処分されることができ、従って、自然に分解する。しかしながら、他の材料が用いられることができ、他の形成技術が用いられることができることが理解されよう。例えば、上述した折畳み及び固定の追加のステップを必要とすることなしに、単一の中空の構成部品である構成部品を成形することが可能である。生分解性の材料から形成されることは、これは明らかに好ましいことではあるが、必要ではない。
【0054】
図1に示すように、可撓性の袋4が容器1の中空の外殻2の内側に設けられる。可撓性の袋4はポリエチレンなどの適切なプラスチック材料から形成されることができる。容器が食品又は飲物を含むべき場合、袋4が食品規格からなる材料から作製されるべきであることが理解されよう。食品規格からなるものとして保証された適切な材料には、Starpol RF Technologies Limitedから市販されているStarpol 2000、Starpol Blown Film及びポリマー2189/106フィルムが含まれる。
【0055】
袋4の開口端は、中空の外殻2の分配用開口部を通って延び、首部10の外側の上に延びる。袋4の端部は、首部10に、例えば、接着剤8によって又はテープによって連結される。袋4と首部10の間の連結部は、目打ち部6を引裂くことによって取り外される首部10の部分の上に設けられる。袋4の主本体は、中空の外殻2の内側にゆるく設けられ、具体的には、中空の外殻2の本体に取り付けられない。所望ならば、袋4は、目打ち部6が引裂かれたとき取り外されるべき首部10の部分の中で中空の外殻の内側に取り付けられることができる。
【0056】
代替の実施例では、袋は外殻の形成の一部として形成されることができる。この場合、外殻は、説明したように形成されることができ、二重の層のフィルムが、これらが共に折り畳まれる前に外殻の2個の部品の間に置かれる。中空の外殻が形成される前、間又は後に、シールが、袋を規定するために周囲の周りにこれを密封する2層のフィルムの間に形成されることができる。この密封は、外殻の部分を結合するためのプロセスの一部として、又は外殻が適所に折り畳まれた後、フィルムを加熱溶接することによって実現されることができる。
【0057】
使用中、容器は、分配用開口を通って液体又は他の製品を導入することによって包装されるべき液体又は他の製品で充填される。次いで、内容物は分配用開口を通って分配されるまで容器の中に貯蔵される。全ての内容物が分配され、パッケージの処分が望まれるとき、首部10の端部は、目打ち部6を引裂くことによって取り外される。容器1から取り外される首部10の端部が接着剤8によって袋4の端部に取り付けられ、袋4の残りの部分が容器1の中空の外殻2の内側に取り付けられないので、全体の袋4は、容器の首部10を通って引かれ、端部部分と共に取り外されることができる。袋4を取り外すことによって、中空の外殻2は袋4から分離して処分されることができる。
【0058】
いくつかの場合では、袋の取外しを可能にするために首部に目打ちされた又は弱くされた部分をもたらすことが必要でない場合がある。例えば、袋は、袋を破断させることによって又は剥がすことが可能な接着剤などの適切な接着剤の使用を介してこれが外殻から分離されることを可能にする方法で外殻の外側表面に連結されることができる。この場合、袋は外殻の外側表面から分離されることができ、袋の残りの部分は外殻の内側から引かれることができる。
【0059】
さらに、本発明のいくつかの態様又は実施例では、外殻から袋を取り外すことが不必要であると考えられる場合があり、この場合、袋が容器の外殻の主本体から分離されることを可能にする手段を設けることが必要ではない。
【0060】
好ましい実施例では、中空の外殻が生分解性の材料から形成される場合、外殻は、堆肥積みの上で処分されることができる。袋4は、生分解性の材料から形成されなくてよく、リサイクルされても、その材料に対して少なくとも最も適切な方法で少なくとも処分されてもよい。袋4自体が分解する材料から形成されることができ、この場合、これもまた、堆肥積みの上で処分されることができることが理解されよう。この場合、容器1から袋4を取り外すことの利点は、2個の構成部品が最も適切な方法で処分されることができることである。本発明の別の利点は、外殻2が食品規格でない材料から形成されることができることであり、この材料は、袋4が外殻から内容物を分離するので、耐湿性である必要がない。
【0061】
袋は、中空の外殻の内部に連結される必要がなく、外殻から取り外されることができることを確実にするために外殻の中に概ねゆるく設けられるべきであるが、袋の部品が外殻の内部に連結されることが可能である。具体的には、袋のいくつかの縁部又は底は外殻の縁部又は底に連結されることができる。これは、容器の内容物が分配されるとき、袋が、内容物の突然の再分配をもたらし、こぼれに至る外殻の内側での移動をしないことを確実にする助けとなる。容器に袋の部品を取り付ける1つの方法は、外殻の部品間で袋の部品をサンドイッチし、又は適切な接着剤で外殻の内部に袋の部品を接着することであろう。袋は、それが、使用の後、外殻から袋の取外しを助けるために外殻に取り付けられる地点の周りに目打ち又は他の弱くされた部分を有することができる。
【0062】
図4は、本発明の容器を形成するのに用いるための中空の外殻の代替の実施例を示す。この場合、図4(A)は、開状態にある外殻が実線で示され、組み立てられた状態の外殻が点線で示された側面図を示す。図4(B)は、組み立てられたときの外殻の上面図を示す。この場合、外殻の2個の部分が完成容器の両側面に沿ってよりむしろ隅部から隅部で連結されるべきであることが理解されよう。
【0063】
図4に示す実施例では、フランジは、外殻のそれぞれの部分を連結するために設けられない。代わりに、この実施例では、収縮包装の耐湿性の被覆が、容器の外側表面の上、例えば、図5に示すように形成され、これは外殻の部分を共に保持するように作用する。インターロックタブ、接着用フランジ又は外殻の部品を共に取り付けるその他の方法、接着剤ラベル及び外殻の外側の包装の使用が、本発明の任意の態様又は実施例による外殻の組立のために適切な手段であり、任意の適切な取り付け手段が用いられることができることが理解されよう。
【0064】
図5では、中空の外殻の内側に設けられた袋が、容器の外側表面の上に耐湿性被膜を形成するために中空の外殻の外側表面の上に延びるように配置されることが理解されよう。この場合、袋の延長部は、外殻外側表面に対して袋を固定するためにそれ自体に取り付けられることができる。このように、袋の外殻の外側表面へのどのような恒久的及び物理的取付けも必要でない。これは、袋が外殻から取り外させられるとき、助けることができる。具体的には、袋は、袋が裂けられ、次いで外殻から分離されることを可能にするために引裂き用ストリップを備えることができる。しかしながら、袋が少なくとも分配用開口部の周りで外殻に取り付けられることが好ましい。図5で示す実施例では、外殻の首部は外側に張り出す。袋の端部が中空の外殻の首部及び残りの部分の外側部分の上を通され、収縮包装されるとき、袋は、フランジが付いた分配用開口部のより狭い首部の周りで収縮し、それによって分配用開口部の周りで袋を固定する。
【0065】
図6は本発明の好ましい実施形態の容器のためのシールの実施例を示す。従来の閉鎖、例えば、ねじ込みキャップが用いられることができることが理解されよう。しかしながら、例えば、ねじ込みキャップが首部に取り付けられることを可能にするために、容器の適切な首部を備える際にこれと関連する困難さ及び制限がある場合があり、やはりこれは使用の後の容器の処分に関する問題を提起する場合がある。これは、相異なった材料が効率的なリサイクル又は処分のために分離される必要があるので、具体的な問題である。従って、首部が、ねじ込みキャップを受け入れることを可能にする部分を有する場合、これが使用の後で残りの部分の分解可能な材料から分離される必要がある場合がある。
【0066】
代替的には、栓が容器の首部の開口端を塞ぐために設けられることができる。この栓は、容器の所期の内容物と接触するために適切な材料から形成され、又は、この材料によって覆われるべきである。例えば、容器が飲料を含むように意図される場合、栓は、食品規格からなり、液体に耐性のある材料で形成され又は覆われるべきである。
【0067】
図6(A)に示す実施例では、外殻の首部は、容器の分配用開口を密封するために折り畳まれるように配置される。具体的には、首部又は流れ口の端部34は、折畳み部36で首部の2つの側面を挟むために鋭く折り畳まれる。必須のシールを作り出すために首部の折畳み及び鋭いニップの作成を容易にする助けになるために、折り目が、流れ口を横切って、理想的には流れ口の全体の幅を横切って備えられることができ、この流れ口の全体の幅に沿って流れ口は折り畳まれる。首部を折り畳むことによって、容器の内容物は、容器を密封するための追加の手段を必要とすることなく容器の内側に保持されることができる。この場合、接着テープ32がその折り畳まれた状態で首部を保持するために用いられることが好ましい。図6(A)で分かるように、テープ32は、首部の端部34に取り付けられ、その他方の端部に接着部30を有する。この接着部30は、接着テープ32が首部の下部に接着されることを可能にする。接着テープは、いたずら防止シールとして作用するために容器の首部の周りに少なくとも部分的に延びるように配置されることができる。これは、容器が開かれたことを示すためにテープが取り外され又は破断させられたとき明らかである。一実施例では、テープは、図6(B)で示すように折り畳まれた首部の周りに延びる。
【0068】
図7は、分配用開口を有する外殻の首部又は流れ口を折り畳むことによって形成されるシールの代替の実施例を示す。この実施例では、首部10は、容器の外殻2への延長部として形成される。外殻2及び首部は、成形プロセスでパルプから形成される。首部10は下部72と、分配用開口部を有する上部又は端部74とを有する。容器が閉められるべきとき、上部74は下部78に対して概ね折畳み線79に沿って折り畳まれ、シールを作り出すために2つの部品の間にニップ71を形成する。端部74は、容器の閉鎖を維持するために容器の本体2の上に設けられたクリップ70の後に受け入れられる。
【0069】
図7(A)に示すように、尾根部78が首部の長さに沿って形成されることができる。小さな開口部76が、首部が折り畳まれるべき尾根部78に沿った地点に設けられる。首部10は、容器及び首部の縦方向の側面に沿って延びるヒンジの上で折り畳まれる。これは、首部に強度をもたらし、いくらかの弾力性を与え、これにより、首部を図7(A)に示すように容器の内容物を分配するためのその通常位置に試みて回復される。開口部76は、所望の地点で首部の折畳みを可能にする助けとなる。
【0070】
図7(B)に示すように、首部10の端部74が折り畳まれるにつれ、分配用開口部は閉まる傾向にあり、首部10の残りの部分は変形される。図7(C)に示すように、端部74は、容器の本体の上に設けられたクリップ70の後に受け入れられることができる。この位置では、首部は、容器が密封されることを確実にするニップ71を形成する折畳み線に沿って曲げられる。首部の弾力性は、端部74をクリップ70に押圧させ、クリップ70によって保持させられる。このようにして、首部10は適所に保持される。容器を開けるためには、首部10の端部74はクリップ70の後から引かれる。首部10の弾力性は、これを容器の内容物の分配を可能にするために図7(A)に示す位置に回復させる。
【0071】
図7を参照して説明した実施形態では、中空の外殻の首部を中空の外殻と共に形成されるものとして説明する。しかしながら、首部は、分離した構成部品として形成され、中空の外殻の本体に結合されることができる。
【0072】
首部が中空の外殻の本体と共に一体に形成されるとき、外殻の首部は、首部の少なくとも1つの側面に沿って縦方向に延びる接合部、折畳み部又はシームを概して有する。これは、特に首部が容器を密封するために折り畳まれるべき首部の弱点又は欠陥の潜在的な地点である。容器の残りの部分から分離して首部を形成することによって、これは、首部の側面に沿って縦方向に延びるどのような接合部もなく単一の部分として形成されることができる。具体的には、首部は概ね管状又は裁頭円錐形の構成部品として形成されることができる。所望ならば、首部は、所望の方法で首部が折り畳み、又は曲がることを確実にする助けとなるために、例えば、首部の外側側壁に沿って縦方向に延びる増加され又は減少された厚さで形成されることができる。
【0073】
首部は、首部の中空の外殻の残りの部分への連結のための首部の瓶の上又は周りにフランジ又は延長部材と共に形成されることができる。この場合、フランジ又は延長部材は、外殻の主本体に接着剤によって又は機械的連結部によって連結されることができる。
【0074】
首部が外殻の残りの部分に分離された部分として形成される場合、これは、袋が外殻の中に挿入される前に外殻に取り付けられることができる。代替的には、首部は、袋が外殻の主本体の中に導入される前に袋の上に設けられることができ、首部は、袋の外殻の中への導入の間に外殻に配置され結合される。さらに、首部は、袋が外殻の残りの部分の中に導入された後に、外殻に結合されることができる。
【0075】
図8は図7の閉鎖配置を有する容器の側面図を示す。この実施例では、容器が、容器の構造的安定性を増し、やはり追加の安定性をもたらすことができる脚部84を有することが理解されよう。容器はまた、フランジ80を収容できる陥凹部と共に成形される。これらは、接着剤又はテープによって共に保持されることができ、この部分の強度を増加させるためにフランジを形成する材料の層の数を増加させるようにフランジを折り畳む追加又は延長片を有することができる。開口部82は取手を形成するためにフランジ80の中に設けられる。
【0076】
図9に示す実施例では、流れ口100は、真空成形技術を用いた製紙用パルプからの概ね裁頭円錐形の成形要素として形成される。流れ口100は、その開口部の周りで外殻90の外側表面に流れ口100のフランジ102を取り付ける接着剤によって容器の外殻90に取り付けられる。流れ口100は、袋が挿入される前に外殻90の残りの部分に取り付けられることができ、袋の開口端部が、これが取り付けられた後に流れ口100を通って引かれるように袋が外殻90の残りの部分の中に挿入された後に取り付けられることができ、又は、袋は、流れ口100が外殻90の残りの部分に取り付けられる前に流れ口100の中に設けられることができる。袋の主本体は、流れ口100の外殻90の残りの部分への取付けの一部として外殻90の残りの部分の中に挿入される。外殻90は、また、真空成形技術を用いて成形される製紙用パルプから形成され、この外殻90は外殻の2個の半部を結合するヒンジ92を有する開いた構造で形成される。フランジ94は、ヒンジ92によって結合されない外殻のそれぞれの半部の3つの側面の周りに設けられる。外殻の2個の半部は、フランジ94を面係合させるためにヒンジ92の周りで折り畳まれ、これらは外殻を形成するために互いに接着される。結合されたフランジ94は取手として作用する開口部96と、流れ部100が、流れ口100の中にニップを形成することによって容器を閉めるために折り畳まれるとき、流れ口100の端部を受け入れることができる容器の上部近くの陥凹98とを有する。流れ口100は、容器を密封するために鋭い折り目を作り出すように流れ口100の折畳みを容易にするためにその幅にわたって横方向の折り目104を有する。袋が外殻90の内側に設けられる。袋の底は外殻90の底に取り付けられ、袋の開口端は、外殻の主本体の開口部を通って、及び流れ口100の開口端を通って延び、袋は接着剤又はテープによって流れ口100の外側に取り付けられる。容器の内容物が分配されるべきとき、容器は、内容物が袋の開いた首部を通って流れ口100の中に通るように上に起こされ又は転倒される。袋の底が外殻90の底の中で保持されるとき、内容物は、袋が内容物のいくらかを捕捉した状態で外殻90の内側で折り畳まれ又は丸められる恐れなく分配されることができる。内容物が分配されたとき、袋の流れ口100の外側表面への取付けは、流れ口100の外側表面から袋を分離するために裂かれ又は他の方法で分けられることができる。次いで、袋は、容器から引かれ、外殻から分離して処分されることができ、外殻から袋を引くことにより袋の底と外殻の底の間の連結部を分離する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器であって、前記容器の本体を規定し分配用開口を有する中空の外殻と、前記外殻の内側に設けられる袋又はライナとを備え、前記袋の開口端が、前記外殻の前記分配用開口を通って延び、前記外殻の外側に対して固定され、前記中空の外殻がリサイクルされた材料及び/又は生分解性の材料から形成される容器。
【請求項2】
前記中空の外殻が木材パルプ又は製紙用パルプから形成される、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記中空の外殻が前記木材パルプ又は製紙用パルプを真空成形することによって形成される、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記分配用開口が流れ口又は首部を有し、前記流れ口又は首部が、前記容器を密封するために鋭い折畳み部又はニップを作り出すために折り畳まれるようになされる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
容器であって、前記容器の本体を規定し分配用開口を規定する流れ口又は首部を有する中空の外殻と、前記外殻の内側に設けられる袋又はライナとを備え、前記袋又はライナの開口端が、前記外殻の前記流れ口又は首部を通って延び、前記外殻の外側に対して固定され、前記流れ口又は首部が、前記容器を密封するために鋭い折畳み部又はニップを作り出すために折り畳まれるようになされる容器。
【請求項6】
前記流れ口又は首部が、前記容器の前記本体の中に設けられた開口部の中にこれを挿入することによって、バンド又はクリップによって、あるいは前記容器の前記首部又は本体に設けられた接着部又はテープによって、適所に保持されるようになされる、請求項4又は5に記載の容器。
【請求項7】
前記外殻の本体に取り付けられたクリップを有し、それによって前記折り畳まれた流れ口又は首部が前記折り畳まれ密封された位置でこれを保持するために前記クリップの中又は後で留められるようにする、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記流れ口又は首部は、任意の保持機構から取り外される際に、その開かれ延びた位置に回復されるように弾性である、請求項4から7のいずれか1項に記載の容器。
【請求項9】
前記中空の外殻の内側に設けられた前記袋又はライナの部分が、前記外殻の内部容積より大きな最大内部容積を有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の容器。
【請求項10】
前記袋又はライナが、前記分配用開口の少なくとも周りで前記外殻に前記袋又はライナを取り付けることによって前記外殻の前記外側に対して固定される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の容器。
【請求項11】
前記袋又はライナが、接着剤によって、テープによって、又は収縮包装によって取り付けられる、請求項10に記載の容器。
【請求項12】
前記袋又はライナが前記外殻の前記内側にゆるく設けられる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の容器。
【請求項13】
前記袋又はライナが個別の位置で前記中空の外殻の内側に連結される、請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記袋又はライナが、前記袋又はライナが前記外殻の前記内部に連結される位置の周りに破断可能な部分を有する、請求項13に記載の容器。
【請求項15】
前記分配用開口が、前記袋又はライナが前記中空の外殻の外側表面に結合される部分の周りで弱くされた部分を有する流れ口又は首部によって規定され、これにより、前記弱くされた部分の遠位にある前記流れ口又は首部の部分及び前記取り付けられた袋又はライナが、前記容器からの前記袋又はライナの取外しのために前記容器の残りの部分から分離されることが可能になる、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の容器。
【請求項16】
前記袋又はライナと前記中空の外殻の前記外側表面との間の結合部が、前記袋又はライナが、前記外殻の前記外側表面から分離され、前記外殻の前記内部から取り外されることができるように破断可能である、請求項1から14のいずれか1項に記載の容器。
【請求項17】
前記袋又はライナが生分解性の材料から形成される、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の容器。
【請求項18】
前記中空の外殻が、前記外側表面の上に耐湿性の被覆を備え、焼付けを有する、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の容器。
【請求項19】
前記外殻が、使用後に前記外殻の分解を促進する助けとなる促進剤を有する、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の容器。
【請求項20】
前記外殻が前記中空の外殻を形成するために次いで折り畳まれる開いた外殻として形成される、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の容器。
【請求項21】
前記外殻が前記中空の外殻を形成するために共に結合された複数の分離した部品から形成される、請求項1から19のいずれか1項に記載の容器。
【請求項22】
前記容器が前記外殻の前記残りの部分から分離して形成される流れ口又は首部を有する、請求項21に記載の容器。
【請求項23】
前記外殻が、前記中空の外殻を組み立てるために、前記外殻の別の部分の上に延び、前記外殻の別の部分に取り付けられるようになされる少なくとも1つの延長部、タブ又は同様の構成体を有する、請求項20又は21に記載の容器。
【請求項24】
前記外殻が、前記外殻の1つ又は複数の部品を結合するために共に結合される1つ又は複数のフランジを有する、請求項20から23のいずれか1項に記載の容器。
【請求項25】
前記フランジが前記容器を保持するための取手部を規定するために開口部を有する、請求項24に記載の容器。
【請求項26】
前記取手部が強固な取手を実現するために複数の材料厚さを有するように前記フランジに折り畳まれるようになされた延長片を備える、請求項25に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−10568(P2013−10568A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−212415(P2012−212415)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【分割の表示】特願2008−543890(P2008−543890)の分割
【原出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(508169177)グリーンボトル リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】GREENBOTTLE LIMITED
【住所又は居所原語表記】Thames House, Portsmouth Road, Esher, Surrey KT10 9AD (GB)
【Fターム(参考)】