説明

内部供給式アプリケータ

【課題】快適に、高速で、精密に、均一に、且つきれいに流体を局所的に分配できるようにする内部供給式アプリケータを提供すること。
【解決手段】流体を塗布するための内部供給式アプリケータ1であって、分配装置にアプリケータ1を好適に係止固定するための閉止部片2と、流体接続様式で閉止部片2に接続された内部中空リップ区域3とを有し、リップ区域3が、自由出口10を取り囲む縁部の少なくとも1つに、リップ区域3に射出成形されたそれぞれが≦0.8mmの直径を有する複数の刷毛9からなる刷毛部4を有し、供給流体がリップ区域を通して刷毛部に送られる内部供給式アプリケータ1が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部分に記載した、流体を分配するための内部供給式アプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
内部供給式アプリケータは、例えば歯科学の分野で、患者の歯に流動性物質を分配するために使用される。この流動性物質は、例えば歯を白くするブリーチング物質、歯の専門的なフッ素化のための物質、又は歯若しくは歯部位の正確な歯型を形成することができる歯型材料であってよい。ここで、いわゆる1成分システムが存在し、そのようなシステムでは、分配すべき流体が1成分のみを含み、或いは2成分若しくは多成分システムが存在し、そのようなシステムでは、分配すべき流体が、塗布の直前に互いに接触されて混合される2種以上の物質を含むものである。1種又は複数種の成分は、典型的には、分配装置の1つ又は複数の供給チャンバ内に提供され、次いで塗布のために分配される。そのような分配装置の例は、針(ニードル)又は二重針である。
【0003】
1成分のみの場合、分配装置は、典型的にはノズル、リップ、又は針を有し、そこを通して流体が分配される。2成分以上の場合、分配装置は、典型的には管状に設計された静止型混合器を有し、その入口が供給チャンバに接続され、それにより異なる成分が供給チャンバから静止型混合器に到達することができ、静止型混合器を通って流れる際に均質な物質に混合され、次いで塗布のために混合器の出口から出る。
【0004】
これに関して、混合器又はノズルの出口は、前述した用途の特定の正確な塗布を可能にするには精密でないことが多い。このため、より正確な塗布を可能にするために、例えば、混合器の出口に配置された幅広スロットノズル及び/又はいわゆる口腔内チップ(IOT、すなわちintra oral tip)としてのノズル若しくは針などのアプリケータが知られている。
【0005】
前述したことが文字通り当てはまる適用の別の例は、非常に正確に適用しなければならない1成分又は多成分接着剤である。
【0006】
混合器又はノズルの出口に配置されるアプリケータが、多くの用途に関して実用を試行及び試験されているが、依然として改良が必要である。例えば、歯のブリーチング又は歯のフッ素化の際、塗布すべき流体を薄層として所定の表面上に非常に均質に且つ希薄に分配することが望ましい。この点で、できるだけ薄い選択的な塗布も極めて重要となることが多い。しかし、これは、幅広スリットノズルなど既知のアプリケータでは、ある程度しか実現することができない。基本的に、均質で希薄な分配を可能にするには、その後でさらなる作業ステップが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、この従来技術を基に、本発明の目的は、例えば歯科学分野、又は接合の分野において、快適に、高速で、精密に、均一に、且つきれいに流体を局所的に分配できるようにする、流体を分配するためのアプリケータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を満たす本発明の主題は、独立請求項の特徴部分によって特徴付けられる。
【0009】
したがって本発明によれば、流体を分配するための内部供給式アプリケータであって、分配装置にアプリケータを好適に係止固定するための閉止部片と、流体接続様式で閉止部片に接続された内部中空リップ区域とを有し、リップ区域が、自由出口を取り囲む縁部の少なくとも1つに、リップ区域に射出成形されたそれぞれが最大0.8mmの直径を有する複数の刷毛からなる刷毛部を有し、刷毛部には、供給流体がリップ区域を通して送られるようになっている内部供給式アプリケータが提供される。
【0010】
本発明は、特に非化粧品流体に適する。この点で、用語「非化粧品流体」は、皮膚又は髪の化粧品の用途ではない流体を意味する。本出願の意味合いでの非化粧品流体は、特に、歯型材料、ブリーチング物質、歯のフッ素化のための物質、又は歯や歯茎の様々な治療用の物質など歯科用の流体、並びに、特に工業用若しくは医療用(組織接着剤)又は多目的の接着剤である。
【0011】
本発明に従って提供される刷毛部の刷毛は、この点で、直径が最大でわずか0.8mmであるので非常に細い。好ましくは、この直径はさらに小さく、最大0.5mm、理想的な場合にはさらに最大0.35mmである。
【0012】
刷毛直径に言及する限り、刷毛は、(公差によるずれは別として)実質的に円形の断面であると考えられる。プロセス工学の観点から、実質的に円形の刷毛の使用は最も単純であり、したがって好ましい。しかし、本発明によれば、例えば楕円形及び/又は長円形の刷毛、さらには他の形状の刷毛も使用することができる。例えばX形状の断面を有するものである。ここで、説明する刷毛直径は平均直径と理解され、すなわち、対応する刷毛形状、例えばX形の刷毛形状の断面積に対応する面積を有する円の直径と理解される。
【0013】
通常、本発明によるアプリケータは使い捨てアプリケータであり、塗布後に、それらが接続された分配装置の部品、すなわち例えばリップ又は混合器と共に廃棄される。
【0014】
細い刷毛は、好ましくは射出成形され、理想的にはリップ区域と共に1ステップで噴霧される。
【0015】
好ましくは、刷毛部は、出口を完全に取り囲む。これにより、取扱いの不手際により、流体が刷毛を伝って流れるときに垂れ落ちる可能性を防止する。
【0016】
1つの好ましい実施例の範囲では、刷毛部を形成する少なくとも大多数の刷毛、好ましくはすべての刷毛が、リップ区域の中心線に実質的に平行に延びる刷毛中心線を有することが企図される。そのような刷毛は、理想的な塗布挙動を可能にし、リップ区域の製造をできるだけ容易にする。
【0017】
また、刷毛が、好ましくはリップ区域の出口の出口断面内又は出口断面の前に突出しない、又は少なくとも実質的に突出しないことを企図する好ましい実施例に関しても同じことが当てはまる。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの縁部、しかし好ましくはすべての縁部が、それぞれの縁部に沿って互いに隣接して直立する1列のみの刷毛をそれぞれ有する。刷毛を1列に限定することでアプリケータを非常に細くでき、これは、例えばアプリケータを用いて歯や義歯に対して作業すべきときに塗布の観点からの利点を有する。
【0019】
しかし、境界部の少なくとも1つ、しかし好ましくはすべての境界部が、互いにそれぞれの縁部に沿ってそれぞれ直立する1列のみの刷毛で占有されるアプリケータだけではなく、それぞれの縁部に沿って互いに平行に直立する最大3列のそのような刷毛で占有されるアプリケータも本発明の範囲内にある。しかし、そのような実施例は、基本的にあまり良い実施例ではないので、少なくとも多重の列が局所的に提供されるだけでないときには好ましくない。
【0020】
1つの好ましい実施例の範囲では、大多数の刷毛、好ましくはすべての刷毛が、最大5.5mm、好ましくは最大4.5mm、特に好ましくは最大3.5mm、理想的には最大2.8mmの刷毛長さを有することが企図される。意外にも、そのような短い刷毛は、分配に関する効果について、より長い刷毛よりも悪くはないことが判明した。しかし、より短い刷毛は、特にこれらが射出成形された刷毛であるときには、より耐性がある。より長い刷毛は、分配時に過剰負荷を受けやすいので、少なくともある程度の疲労が存在するとき、永久的に湾曲されて全方向に広がる。これは、アプリケータの見栄えを悪くするだけでなく、分配挙動も悪化させる。さらに、より短い刷毛は、射出成形中に製造がより簡単である。なぜなら、刷毛長さが増加すると共に、刷毛の形成時に数本の刷毛が折れ、これにより品質的に悪い外観となる危険が高まるからである。
【0021】
別の好ましい実施例の範囲では、刷毛根元部での刷毛直径が、刷毛根元部の領域内で刷毛を担持する壁の壁厚よりも小さいことが企図される。理想的には、刷毛直径は、刷毛を支持する壁の壁厚よりも少なくとも30%小さい。そのような設計は、特に射出成形された刷毛に関して、刷毛を支持する壁での刷毛の確実な取付けを可能にする。この点で、そのような設計によって良好な成形性も保証される。
【0022】
他方でまた、刷毛を支持する壁の壁厚が、ほぼ刷毛根元部での刷毛直径の範囲内にあるときに有利である。非常に大きく見積もると、これは、壁厚が刷毛根元部での刷毛直径の最大3倍である場合である。好ましくは、壁厚はより小さく、刷毛根元部での刷毛直径のわずか最大2倍、理想的にはさらに最大1.5倍である。
【0023】
別の好ましい実施例の範囲では、刷毛が、それぞれの境界部に沿って1列でのみそれぞれ配列され、しかし隣接する刷毛間で特定のずれが与えられ、それにより例えば第1の刷毛に隣接する第2の刷毛はそれぞれ、壁の広がりに対して横方向で、第1の刷毛に対して刷毛直径の少なくとも1/3だけずらされることが企図される。
【0024】
精密な分配について、刷毛の領域が好ましくは18本よりも多くの刷毛、特に26本よりも多くの刷毛を含むときに、いくつかの流体に関して有利である。それにより、所要の分配精度は、そのような最小数の刷毛を有するアプリケータに関するすべての適用分野で保証される。確信が持てない場合には、好ましくはより細い刷毛が提供され、逆に、より多数の刷毛とすることが適当である。
【0025】
しかし、製造の観点から、本発明によるアプリケータの刷毛の数を任意に大きくすることは無意味である。このため、好ましい実施例に関する刷毛の領域は、90本未満の刷毛を含み、好ましくは60本未満の刷毛を含む。多くの場合、45本又は44本未満の刷毛を提供することが賢明である。
【0026】
1つの好ましい実施例の範囲では、リップ区域の直径及び/又は幅が、閉止部片からその自由出口に向かって少なくとも1つの平面内で増加することが企図される。
【0027】
ここで、拡大したリップ区域が、必要であれば、リップ区域の最も狭い点を通して押し出された大量の化粧品を受け取り、したがって押し出された化粧品を「断続的に貯蔵」するような位置にあるので、流体の比較的良好な計量が保証される。さらに、これにより製造の観点からの利点も得られる。この意味合いで、別の好ましい実施例は、リップ区域をその自由出口に向けて増加させるリップ区域の中心軸に対する角度が、特定の大きさを有するが、最大25°、好ましくは最大15°であることを企図する。そのようなリップ区域の適度な増加は好ましいことが判明している。
【0028】
別の好ましい実施例の範囲では、流れを通すことができる幅Bが流れを通すことができる高さよりも大幅に大きい偏平通路としてリップ区域が設計されることが企図される。本発明の意味合いで「大幅に大きい」とは、比が少なくとも2.5:1、好ましくは少なくとも3:1、理想的には少なくとも4:1であるときである。
【0029】
好ましくは、これは、高さHが、基部からリップ区域の出口まで向かう方向で少なくともわずかに増加し、典型的には少なくとも2%増加するようなものである。
【0030】
特に好ましい実施例の範囲では、壁の内面から測定したリップ区域は、流れを通すことができる第1の方向の幅MBであって、≧2.5mmであり且つ≦25mm及び/又は一般には≦20mm、さらに好ましくは≧3mmであり且つ≦10mmである幅MBを有することが企図される。壁の外面では、リップは壁厚の2倍のサイズを有し、すなわち少なくとも1.4mm〜最大2.5mm大きいサイズを有する。
【0031】
また、特に好ましいのは、出口が、流れを通すことができる第1の方向に垂直な第2の方向の高さHであって、壁の内面から測定して≧0.4mmであり且つ≦2.5mm、好ましくは≧0.4mmであり且つ≦1.5mm、さらに好ましくは≦1.1mmである高さHを有する実施例である。壁の外面のサイズに関しては上述したことがここでも当てはまる。
【0032】
そのようなアプリケータ設計は非常に細長く、このため、正確な分配に非常に良く適している。
【0033】
別の好ましい実施例の範囲では、リップ区域が(その流体搬送方向に実質的に対応するその長手軸線に関して)、一般的な場合には供給容器の中心軸に対応する閉止部片の中心軸に対して15°〜90°、好ましくは15°〜55°又は50°の角度で分岐することが企図される。そのような設計は、アプリケータの特に実用的な取扱いを可能にする。特に、針又はカートリッジで行われるアプリケータの塗布では、分配できるように針又はカートリッジを非常に強く傾ける、さらには刷毛部の領域内に流体が永久的に流れる程まで傾ける必要はない。
【0034】
1つの可能な実施例では、リップ区域は、基部から出口まで≧70mm、好ましくは≧90mmの長さを有し(刷毛部なしで計算)、この長さは好ましくは限定され、同時に≦160mm、又は理想的には≦140mmである。上述した幅及び高さの値を考慮したそのような長い、好ましくは細長いリップ区域設計は、いくつかの場合には塗布を容易にする。これは、分配装置を顔の近くまで寄せる必要がなく、顔から特定の距離に保つことができるからである。また、これは、塗布をより快適に感じられるものにすることができる。
【0035】
好ましくは、閉止部片は、リップの屈曲部又は分配装置の混合器と固定するための係止区域を有する。本発明の範囲内で論じたような細いアプリケータは、アプリケータに成形されたねじキャップを備えずに固定されるので、典型的には分配装置に非常に容易に取り付けることができる。
【0036】
1つの好ましい実施例の範囲では、閉止部片は円周面を有し、この円周面は、実質的に半径方向に、取付け状態で分配装置の相補表面に対して弾性的に予張力を受けるように意図される。したがって、そのような円周面は、分配装置の出口(例えばリップ、針、混合器)へのアプリケータの挿入時に、円周面が分配装置に対して弾性的に張力をかけられ、それによりシールが形成されるように設計される。
【0037】
好ましくは、アプリケータ及び/又はその閉止部片は、その長手軸線に垂直な当接面を有する。この当接面は、取付け状態で分配装置の相補表面に対して位置するように意図される。しかしまた、必ずしも必要ではないが、好ましくは、この点で特に軸線方向で弾性予張力及び/又はプレストレスがかけられる。
【0038】
理想的には、アプリケータは半透明に設計される。これは、アプリケータが、流体が通過しているかどうか外から認識できる程度に透明であることを意味する。このとき、使用者は、流体がリップ区域を通ってその出口までゆっくりと移動する様子を観察することができる。これは、特に本発明の範囲で考慮するような細いアプリケータに関して、使用者が始めに「問題ない」と考えて流体を分配しすぎ、最終的に、その後しばらくしてから増量した流体が出口から出るのを防止する。
【0039】
1つの特に好ましい実施例の範囲では、リップ区域の出口に流体を案内するために、アプリケータの内部通路が、相互に係合する2つの押込部材(pusher)によって形成され、好ましくは一方の押込部材が、他方の押込部材の開口に局所的に導入されることが企図される。そのような設計は、アプリケータに対応する形跡を残すが、製造の観点から大きな利点を有する。これは、完全な構成要素を射出成形によって製造することができるからである。この点で、大きな押込部材が、分配装置への接続のために意図されたアプリケータの側から挿入される。次いで、より小さな押込部材が、リップ区域の出口側からこれに挿入され、最初に述べた押込部材に当たり、最終的に、最初に述べた押込部材の相補開口に相互接続する。
【0040】
本発明によるアプリケータのさらなる利点、設計可能性、有利な手段、及び動作モードは、いくつかの図面を用いて以下に説明する実施例、及び従属請求項から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によるアプリケータの一実施例の側面図である。
【図1a】図1に示したのと同じ第1の実施例であるが、1:1の縮尺で示した図である。
【図2】図1に示したアプリケータの前面図である。
【図3】図1及び図2に示されるアプリケータの斜視図であるが、図1及び図2のものとは異なる縮尺で示した図である。
【図4】図1による本発明によるアプリケータの断面図である。
【図5】図4に示されるアプリケータのリップ区域を通るさらなる断面図である。図4と図5は、異なる縮尺で示されるが、どちらも図1〜図3よりも大きい縮尺での図である。
【図6】塗布時に生じている力の影響下で変形される、前の図面の1つによるアプリケータを示す図である。
【図7】出口が凹形湾曲によって特徴付けられる第2の実施例の1つの斜視図である。
【図8】出口が凹形湾曲によって特徴付けられる第2の実施例の1つの斜視図である。
【図9】出口が凹形湾曲によって特徴付けられる第2の実施例の1つの斜視図である。
【図10】出口が凹形湾曲によって特徴付けられる第2の実施例の1つの斜視図である。
【図11】リップ区域が少なくとも出口で区室化された第3の実施例の1つの斜視図である。
【図12】リップ区域が少なくとも出口で区室化された第3の実施例の1つの斜視図である。
【図13】リップ区域が少なくとも出口で区室化された第3の実施例の1つの斜視図である。
【図14】リップ区域が少なくとも出口で区室化された第3の実施例の1つの斜視図である。
【図15】出口が凸形湾曲及び/又は凸形状によって特徴付けられる第4の実施例の1つの斜視図である。
【図16】出口が凸形湾曲及び/又は凸形状によって特徴付けられる第4の実施例の1つの斜視図である。
【図17】出口が凸形湾曲及び/又は凸形状によって特徴付けられる第4の実施例の1つの斜視図である。
【図18】出口が凸形湾曲及び/又は凸形状によって特徴付けられる第4の実施例の1つの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
始めに、実施例で示す刷毛は好ましくは1つの材料から形成され、すなわち刷毛部と共に、及び/又はアプリケータ全体と共に射出成形で一部片から形成されることに留意すべきである。これに関して、したがって刷毛成形通路が効果的に排気され、溶融物が高圧で刷毛成形通路に注入され、その高圧は、各刷毛において刷毛の長手軸線方向に有意な分子の方位が設定されるようなものである。この点で、そのようにして射出成形された刷毛は、フィラメント及び/又は延伸フィラメントと非常に似た挙動をする。正確には、これは、本発明によって求められるように細く、それでいて耐性のある刷毛を製造できるようにする。
【0043】
適用可能な場合、いわゆる2−Kプロセスで刷毛を製造することもでき、このプロセスでは、例えば、穿孔された刷毛支持体(アプリケータ全体との一体型構成要素でよい)がまず製造され、次いでその穿孔を通して刷毛が第2のステップで噴霧される。前段で上述した観点がここでも考慮される。
【0044】
図1は、大きく拡大した第1の実施例によるアプリケータ1を示し、図1aには、この第1の実施例を成すアプリケータ1が1:1の縮尺で示されている。アプリケータは、歯科用アプリケータとして使用するように定められているので、特に細く設計されている。
【0045】
以下では、歯科学分野での実用に特に重要なアプリケータ、すなわち歯科用アプリケータに言及する。歯科用アプリケータとしての使用は、患者の歯又は歯部位に流体物質を正確に、局所的に、且つ薄層で分配することを可能にする。歯科用アプリケータは、分配装置の出口に配置され、分配装置は、例えば針(ニードル)、二重針、又は少なくとも1つのカートリッジを含む。1成分システムの場合、分配装置の出口は、典型的にはリップ、ノズル、又は針によって形成され、2成分又は多成分システムの場合、分配装置の出口は、典型的には静止型混合器であり、これは、2種以上の成分が均質な混合物質としてその端部から出る混合管を含む。
【0046】
歯科学分野での適用の他に、実用に重要なさらなる適用分野は、1つ又は複数の多成分接着剤を所定の表面に塗布しなければならない(工業用の)接合である。
【0047】
図1を参照して閉止部片2を容易に認識することができ、分配装置の対応する出口、又は分配装置用の対応する接続結合部材に形状合致して接続することができる管区域5及び突起部6を含む。明瞭に認識することができるように、リップ区域3が閉止部片2に続いている。リップ区域は、その遠位端、すなわち閉止部片2から離れた端部に刷毛部4を支持する。刷毛部は、複数本の実質的に等しい長さの刷毛だけから構成されることが好ましい。
【0048】
閉止部片は円周面8を有し、円周面8は、弾性予張力をかけて分配装置の出口に導入されるように、且つ少なくともさらに突起部6を封止するように意図される。突起部も封止を行う。この目的で、突起部は、突起部封止面6aを有する。さらに、分配装置の出口の面に対して配置される閉止部片2の端面に、装着面7が提供される。
【0049】
閉止部片の長手軸線L1及びリップ区域の長手軸線L2も容易に認識することができる。同時に、長手軸線はどちらも、リップ区域3及び閉止部片2内のそれぞれの通路の長手軸線でもある。見て分かるように、これらの長手軸線は、リップ区域3が閉止部片2につながる点の領域で合流する。
【0050】
図3は、出口幅MB、すなわち出口を画定する2辺の最長の壁の長さによって、第1の実施例による本発明によるアプリケータの寸法を強調する。見て分かるように、本発明によるアプリケータは、それらの意図された用途に関して、例えば歯科用アプリケータとして非常にコンパクトに設計される。この実施例では、2.5mm≦MB≦12mmが成り立つ。好ましくはまた2.5mm≦MB≦8mmが成り立つ。
【0051】
見て分かるように、リップ区域3は、閉止部片2から斜めに角度aで突き出している。この特定の場合には、アプリケータは、約12.5mmの突出長さAKを有する。一般に、本発明によるアプリケータは、突出長さAKを5mm〜20mm、実質的に好ましくは9mm〜16mmにすべきと言うことができる。
【0052】
同時に、アプリケータは、約15.5mmの構成高さBHを有し、一般に、本発明によるアプリケータは、構成高さを8mm〜18mm、好ましくは10mm〜16mmにすべきと考えることができる。
【0053】
図4は、いわゆるリップ長さTLの尺度を示す。分配装置に配設され、口腔領域内で使用されるアプリケータに関して、使用者が分配装置の供給チャンバを口腔に寄せる又は口腔内に直接入れる必要がないときに有利である。そのような行為は不快に感じられることがある。この理由から、リップ長さTL≧8mmが成り立つべきである。好ましくはまたTL≧10mmが成り立ち、理想的にはTL≧12mmが成り立つ。
【0054】
図2は、図面に示されるアプリケータを前面から示す。最初に、アプリケータの出口10が、刷毛及び/又は刷毛部4の領域によって完全に取り囲まれていることが分かる。刷毛領域が、出口10を取り囲むリップ区域の端面に「配置」された1列の刷毛9から構成されることがこの図から既に分かる。
【0055】
さらなる詳細が図3に見られる。特に、この実例では刷毛9が実際に端面を一周して1列に配置されていることが分かる。刷毛が出口10を取り囲む。しかし、刷毛は、厳密に1列で突き出していなくてもよく、互いにずらされていてもよい。これに関し、ずれは、それぞれ(刷毛の根元領域で)刷毛直径の約半分である。これにより、刷毛部は、等しい刷毛直径に関して、全体としてより安定になる傾向があり、例えばねじれを受けにくくなり、その塗布特性がいくぶん硬いものになる。一般に、ずれは、好ましくは刷毛直径の1/4から刷毛直径の約4/4までの範囲内、及び/又は好ましくは刷毛直径の3/4までの範囲内にすべきと考えることができる。上記のものよりもさらに大きい刷毛離間距離は、個々の刷毛の間に非常に大きな自由空間を形成することがあり、この理由から塗布の結果に影響を及ぼす。その一方で、上記のものよりもさらに小さい刷毛離間距離は、流体の影響下で、隣接する刷毛どうしが互いにくっつきやすくなるという影響があり、この理由から塗布の結果に影響を及ぼす。このことは、ただ1列の刷毛部ではなく複数列の刷毛部が提供されるときにも当てはまる。
【0056】
同時に、根元領域での刷毛直径は、リップ区域のちょうど遠位端での壁厚よりも小さいことが分かる。個々の場合に、これは、図3に示されるものとは異なり、出口10を画定するリップ区域3の端面の周りに2列又は3列の刷毛を配置することもできることを意味する。しかし、これは、それによりリップ区域3の境界部が厚くなりすぎる可能性があるので、好ましくはない。
【0057】
図4を参照するとさらなる詳細が分かる。図4は、図1に示されるアプリケータの断面を示す。
【0058】
閉止部片2は、管区域5、突起部6、及び円周面8を設けられ、好ましくは、分配装置の出口との封止相互接続のために半径方向でプレストレスを受け、さらにその端面当接面7を明瞭に見ることができ、端面当接面7は、所期の使用に従って、分配装置の出口の対応する端面と接触するように意図されている。当然、アプリケータは、結合ユニットに装着され、結合ユニットが次いで分配デバイスの出口に結合されるように設計することもできる。
【0059】
やはり明瞭に認識できるように、閉止部片2は、円周方向を取り囲む約1.5mm〜3mmのリブの形態で、長手方向で補剛リング13を有する。この領域は、アプリケータ1の最も固い領域を表し、好ましくは、少なくともその製造過程でアプリケータの取扱いに用いられ、すなわち、分配装置の出口にアプリケータを押し当てる、好ましくは係止する、及び/又は解放するために用いられる。同時に、この補剛リングは、分配装置の出口の端面に対してアプリケータを非常によく支持し、例えば曲げモーメントがリップ区域3を介して閉止部片2に伝達されると、閉止部片2は、分配装置の出口に偏向させるようその曲げモーメントを補正する。特定の場合には、閉止部片の長さVLは約8mmであり、一般に、閉止部片の長さは5mm〜15mm、好ましくは6mm〜11mmの間にすべきと考えることができる。
【0060】
分配装置の出口に挿入するために意図された管区域5の外径RDは、特定の場合には2.25mmである。歯科用アプリケータに関して、一般に、この外径は9mm以下、好ましくは7.5mm以下にすべきと考えることができる。他の用途では、外径が1.8mm〜5mmの間、又は好ましくはさらに1.8mm〜最大3mmの間にあるとき好ましいことがある。特定の場合には、円として表される閉止部片2を貫通する通過区域11の内径IDは、最大1.6mmであり、好ましくは1.3mm〜4mmの間であり、特に1.3mm〜2.6mmである。歯科用アプリケータに関して、最大8mm、好ましくは最大7mmの内径が好ましい。
【0061】
また、図4に関して、個々の刷毛9の長手軸線が、リップ区域の長手軸線L2に実質的に平行に延びることを明瞭に認識することができる。さらに、刷毛は、実際に、出口10の領域内又は出口10の前空間内に突出しないように新規の状態において出口10を取り囲んでいることが分かる。
【0062】
刷毛は、本発明の実例ではすべて等しい長さである。これは、ただ1列の刷毛配列の場合に好ましい。なぜなら、そうしないと、より長い刷毛が、隣接する刷毛によってほとんど支持されず、このため、異なる長さの刷毛が提供されるときには早期にねじれが生じる危険が比較的高いからである。
【0063】
また、根元領域で刷毛直径BDを明瞭に認識することもできる。いくつかの場合には、これは≦0.8mmであるが、好ましくはそれよりも大幅に小さく、すなわち≦0.5mm、又は好ましくはさらに≦0.35mm、及び/又は理想的には≦0.25mmである。特定の場合には、刷毛長さBLとして長さ2.6mmが理想的であることが判明しており、一般に、刷毛長さBLは1.9mm〜4.5mmの間にすべきと言うことができる。
【0064】
図4と図5の比較により、リップ区域3が、幅Bと高さHを有する偏平通路として設計されることを比較的明瞭に見ることができる。この偏平通路の幅Bは、偏平通路の基部からその出口に向けて大幅に広がっていき、好ましくは幅Bは2倍よりも広くなり、これは一般に当てはまる。理想的な場合には、幅Bを3倍にすることさえできる。見づらいが、図4を参照して認識できるように、偏平通路の高さHも、リップ区域3の基部からその出口に向けて増加する。これを表すのは角度γであり、これは、図4の断面に垂直な断面で示されるリップ区域の内部通路12を形成する壁が、100%平行ではなく、約0.5°の角度γだけリップ区域の基部から広がっていることを意味する。ごく一般には、この角度γは、0.3°〜3.5°の間、好ましくは最大2.5°にすべきと言うことができる。
【0065】
リップ区域の壁厚WSは、好ましくは約0.4mmであり、一般に0.3mm〜約0.6mmの間の壁厚が理想的であると考えることができる。
【0066】
図5を参照して認識できるように、この断面に垂直に向けられ、この場合には偏平通路を画定する壁も、互いに平行ではなく、基部から角度βで発散する。この角度βは、この場合には約13°である。一般に、角度βは、7.5°〜30°の間、好ましくは≦20°、理想的には≦17.5°にすべきと考えることができる。
【0067】
図5を参照して明瞭に認識できるように、リップ区域3を通過する通路区域12は、その基部の領域に区域14を有し、その区域14内では、通路区域12の内断面が部分的に同じままである。
【0068】
また、図5は、2倍にされた刷毛離間距離DBAを示す。この実施例では、これは約0.6mmであり、一般に、2倍にされた刷毛離間距離DBAは0.4mm〜0.8mmの間にすべきと考えることができる。
【0069】
この実施例に示されるアプリケータは、LDPE(低密度ポリエチレン)からなる。LDPEは、この文脈で好ましい材料であり、これは、特にそのようなアプリケータを一方向アプリケータとして製造すべきときには、そのようなアプリケータに関する理想的な特性を有する。当然、PA(ポリアミド)やPP(ポリプロピレン)など他のタイプのプラスチックもアプリケータの製造に適している。
【0070】
この実施例で好適に使用されて図示されるアプリケータは、半透明である。これは、好ましくは、流体がアプリケータを通って流れているかどうか、及びアプリケータを通る流量がどれほどかを外から認識することができる程度にアプリケータが透明であることを意味する。
【0071】
そのリップ区域は、図6に例示されるタイプ及び様式で動く、すなわち少なくともAL≧1mmの量、好ましくはさらに量AL≧2mm、理想的にはさらに≧3mmの量だけ動くことができる程度に弾性及び/又は可撓性である。そのような弾性は、特に歯科学分野での使用時のアプリケータの快適な塗布挙動をもたらす。
【0072】
リップ区域の出口が、塗布時に生じている力の影響下で少なくとも1.5mm、好ましくは少なくとも2mm、理想的には少なくとも3mmの量だけ弾性的に湾曲することができるように、リップ区域3は少なくとも1つの平面内で可撓性であることが好ましい。
【0073】
図7〜図10は、代替様式、すなわち第2の実施例で設計されたリップ区域の端部を示す図である。そのような端部は、リップ区域3の一体型構成要素でよく、又はリップの対応する結合区域に配設される別個の装着品として始めに設計することもできる。
【0074】
この端部が属するリップ区域、さらに関連するアプリケータの残りの部分も、図面には示さないが、前述したリップ区域及びそのアプリケータと全く同様に設計される。したがって、以下で明示的に言及する相違点を除き、前述したことがこの実施例に関しても限定なく有効である。
【0075】
この例で示されるリップ区域の出口領域は、凹形、好ましくは鎌状の湾曲部15、すなわち出口の中央領域で凹んでいる湾曲部を有する。言い方を若干変えると、出口の開口にわたって(仮想)凹面が広がっている。
【0076】
刷毛部も、実施例の図面に鎌状で示されるこの凹形湾曲部を有し、好ましくは、複数本の実質的に等しい長さの刷毛だけから構成される。リップ区域は、その出口端部(遠位)側で、幅が人の目とほぼ同じであり、その鎌状の湾曲部が人の瞼及び/又は睫毛のラインに良く合っている。これにより、このリップ区域は、特に、内部供給式のマスカラアプリケータ、又は瞼に別の物質を塗るためのアプリケータを形成するのに特に向いている。
【0077】
特にそのようなアプリケータに関しては、当然、アプリケータが瞼の睫毛全体にわたって塗布することができるように十分に広いことが実際に重要であるが、それ以外の場合には非常に細い。このために、リップ区域の出口領域は、ちょうど出口開口の領域内に偏平通路を形成し、この場合にはその内側の幅Bが内側の高さHの少なくとも8倍となるように設計される。
【0078】
図8は、出口幅MB、すなわち出口を画定する2辺の最長の壁によって、第2の実施例の本発明によるアプリケータの寸法を強調する。見て分かるように、本発明によるこのアプリケータも、アプリケータとしての所期の使用により、この場合にはかなり細く設計される。本発明によれば、この実施例に関して、出口幅MBは好ましくは≦25mmである。
【0079】
この点で、第2の実施例のパターンによる実施例に関して、ギャップ高さHが出口幅MBよりも大幅に小さいことを特筆すべきである。好ましくは、出口幅MBが高さHの少なくとも8倍であり、好ましくはさらに少なくとも10倍であることが適当である。そのような関係は、一方では、実際に1回の作業ステップで流体を広い幅にわたって塗布できるようになるので有利であり、他方でまた、実際に必要な流体量のみが出るようにリップ区域の流通抵抗を高めるので有利である。
【0080】
理想的には、そのようなアプリケータは、全周に1列のみの刷毛を設けられる。そうでないと、かさばりすぎ、また良好な毛先の効果が得られないからである。好ましくは、図面を参照して分かるように、これらの刷毛は縁部に沿って突き出し、縁部からそれぞれ1列で延在する。
【0081】
図11〜図14は、代替設計のリップ区域の端部、すなわち第3の実施例の図を示す。そのような端部は、リップ区域の一体型構成要素でよく、又はリップの対応する結合区域に配設される装着品として設計することもできる。
【0082】
この端部が属するリップ区域、さらに関連するアプリケータの残りの部分も、図面には示さないが、それらは、図2〜図6を参照して説明したリップ区域及びアプリケータと全く同様に設計される。以下で明示的に言及する相違点を除き、そのリップ区域に関して記載した説明が、この実施例に関しても限定なく有効である。また、当然、良好な並びのために、図11〜図14に示されるリップ区域も、図7〜図10を参照して上述したのと同様に凹形湾曲を有することができることに留意すべきである。
【0083】
この場合に示されるリップ区域の少なくとも出口領域は、好ましくは「狭い側面どうしが並び合って」位置する複数の区室16及び/又は「供給ライン」に分割される。
【0084】
均一な流れを通すので、一般にそのような「区室化(chambering)」は、分配の均質性を高め、リップ区域の狭い流れ断面を安定化させる。後者は、特にリップ区域が第1の実施例に関して上述したように弾性的に設計されるときに重要である。
【0085】
一般に、単に生じ得る詰まりを防止するため、及び衛生面での理由から、分割される区室16が多すぎることは賢明でない。このため、区室16の数は、最大で6つの平行な区室、好ましくは最大で4つの平行な区室に限定すべきである。
【0086】
図12は、出口幅MB、すなわち出口を画定する2辺の最長の壁を用いて、本発明によるアプリケータのこの第3の実施例の寸法を強調する。見て分かるように、本発明によるアプリケータはまた、アプリケータとしてのそれらの所期の用途に関して、この場合にはかなりコンパクトに小さく形成される。本発明によれば、この実施例に関して、出口幅MBは好ましくは≦25mmであることが適当である。
【0087】
この点で、第2の実施例のパターンによる実施例において、ギャップ高さHが出口幅MBよりも大幅に小さいことをさらに特筆すべきである。好ましくは、出口幅MBが高さHの8倍であり、好ましくはさらに少なくとも10倍であることが適当である。そのような関係は、一方では、1回の作業ステップで流体を広い幅にわたって塗布できるようになるので有利であり、他方でまた、必要な流体量のみが出るようにリップ区域の流通抵抗を高めるので有利である。
【0088】
図15〜図18は、代替設計のリップ区域の端部、すなわち第4の実施例を示す。そのような端部は、リップ区域の一体型構成要素でよく、又はリップの対応する結合区域に配設される装着品として設計することができる。
【0089】
この端部が属するリップ区域、さらに関連するアプリケータの残りの部分も、図面には示さないが、それらは、図2〜図6を参照して説明したリップ区域及びアプリケータと全く同様に設計される。このため、以下で明示的に示す相違点を除き、そのリップ区域に関して記載した説明が、この実施例に関しても限定なく有効である。
【0090】
この場合に示されるリップ区域の出口領域は、広い意味合いで凸形及び/又は丸いデザイン17を有し、すなわち出口の中央領域で外方向に突出するデザインを有する。言い方を若干変えると、出口の開口にわたって、(教示した)広い意味合いで丸い面が広がっている。
【0091】
これは、刷毛部の刷毛が様々な方向に、少なくともまとまって、好ましくは扇状に突出するという効果を有する。このようにすると、刷毛部の一部と塗布対象部位の接触だけをもたらすことがより容易にできる。これは、例えば口紅やリップグロス、又は正確に所期の表面のみを覆うべき接着剤の選択的な分配を容易にすることができる。
【0092】
好ましくは、図11〜図14に従って第3の実施例を参照して説明したように、この実施例に関しても区室化が提供される。したがって、それらの図に関して記載した説明がこの場合にも当てはまる。
【0093】
また、第2及び第3の実施例に関して出口幅MB、及び出口幅MBと高さHの関係に関して記載した説明が、この場合にも有効である。
【符号の説明】
【0094】
1 内部供給式アプリケータ
2 閉止部片
3 リップ区域
4 刷毛部
5 管区域
6 突起部
7 装着面
8 円周面
9 刷毛
10 自由出口
11 通過区域
12 内部通路
13 補剛リング
L2 中心線
B 幅
BD 刷毛直径
BH 構成高さ
BL 刷毛長さ
DBA 刷毛離間距離
H 高さ
L1 閉止部片の長手軸線
L2 リップ区域の長手軸線
MB 出口幅
TL リップ長さ
WS リップ区域の壁厚


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を塗布するための内部供給式アプリケータ(1)であって、分配装置に該アプリケータ(1)を好適に係止固定するための閉止部片(2)と、流体接続様式で前記閉止部片(2)に接続された内部中空リップ区域(3)とを有し、前記リップ区域(3)が、自由出口(10)を画定する縁部の少なくとも1つに、該リップ区域(3)に射出成形された複数の刷毛(9)からなる刷毛部(4)を有し、前記各刷毛が最大で0.8mmの直径を有し、前記刷毛部には供給流体が前記リップ区域を通して送られる内部供給式アプリケータ(1)において、皮膚又は髪への化粧品の用途に関しては特許権を請求しない、内部供給式アプリケータ(1)。
【請求項2】
前記刷毛部(4)が前記出口(10)を完全に取り囲むことを特徴とする請求項1に記載のアプリケータ(1)。
【請求項3】
前記刷毛部(4)を形成する少なくとも大多数の前記刷毛(9)、好ましくはすべての前記刷毛が、前記リップ区域(3)の中心線(L2)に実質的に平行に延びる刷毛中心線を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のアプリケータ(1)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記縁部、しかし好ましくはすべての前記縁部が、該縁部に沿ってそれぞれ互いに隣接して直立する1列のみの前記刷毛(9)をそれぞれ有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項5】
前記刷毛(9)が、好ましくは前記リップ区域(3)の前記出口(10)の出口断面内又は出口断面の前に突出しない、又は少なくとも実質的に突出しないことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項6】
前記刷毛(9)が、全長(BL)にわたって概して円形の断面を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項7】
前記刷毛(9)の側面が円錐形であり、好ましくは、それぞれの刷毛の長手軸線に関して0.3°〜2.5°の円錐角度を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項8】
少なくとも大多数の前記刷毛(9)、好ましくはすべての前記刷毛が、最大4.5mm、好ましくは最大3.4mm、理想的には最大2.9mmの刷毛長さ(BL)を有することを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項9】
刷毛根元部での刷毛直径(BD)が、前記刷毛根元部の領域内で、前記刷毛を支持する前記壁の壁厚(WS)よりも小さいことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項10】
前記リップ区域(3)の直径及び/又は幅が、前記閉止部片からその自由出口に向かって少なくとも1つの平面内で増加することを特徴とする請求項1から9までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項11】
前記出口(10)が、流れを通すことができる第1の方向の幅(B)であって、前記壁の内側から測定して≧3mmであり、且つ≦16mm、好ましくは≦8mm、理想的には≦6mmである幅(B)を有することを特徴とする請求項1から10までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項12】
前記リップ区域(3)が(その流体搬送方向に実質的に対応するその長手軸線に関して)、前記閉止部片(2)の中心軸に対して15°〜90°、好ましくは15°〜50°の角度(a)で分岐していることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項13】
前記リップ区域(3)の前記出口が、使用時に生じている力の影響下で少なくとも1.5mm、好ましくは少なくとも2mm、理想的には少なくとも3mmの量だけ弾性的に湾曲することができるように、前記リップ区域(3)が少なくとも1つの平面内で可撓性であることを特徴とする請求項1から12までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項14】
前記アプリケータ(1)が、好ましくは柔軟性、靱性、及び可撓性を有する材料の、理想的にはLDPEからなる前記刷毛(9)を含むことを特徴とする請求項1から13までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項15】
容器ネック部への封止挿入、又はピストル結合のために提供される前記閉止部片(2)の管区域(5)が、≦9mm、好ましくは≦7.5mmの外径(RD)を有することを特徴とする請求項1から14までのいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。


【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−110721(P2012−110721A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257338(P2011−257338)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(508105773)スルザー ミックスパック アクチェンゲゼルシャフト (14)
【Fターム(参考)】