説明

内部冷却構造を有する回路基板を利用した電気アセンブリ

【課題】回路基板の技術およびこのような回路基板を利用する電気アセンブリの技術を向上させ、強化された冷却能力を備えた回路基板を含む新たな電気アセンブリを提供すること。
【解決手段】交互に積層された第1の複数の絶縁層および導電層と、絶縁層の1つに接合された冷却構造と、回路基板上に実装された少なくとも1つの電気構成要素と、を含む回路基板を備え、回路基板は、導電性および熱伝導性スルーホールを含み、選択された熱導電性スルーホールは、電気構成要素に熱的に結合されて、冷却構造13に熱的に結合されること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板およびチップキャリアなどの回路基板に関し、さらに詳細には、その一部として内部冷却手段を含む回路基板に関する。本発明はさらに、このような回路基板を利用するように設計された電気アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップ、モジュール、抵抗器などの電子構成要素(デバイス)と共に動作するように適合させられた回路基板に関する1つの大きな問題は、このような構成要素によって生成される熱の効果的な放散である。今日の回路基板の設計の多くでは、このような構成要素は、回路基板の1つまたは複数の外面に実装され、たとえば、めっきスルーホール(PTH)を用いて選択された内部回路に電気的に結合される。一部のより最近の製品において、構成要素、たとえば、抵抗器、コンデンサおよび半導体であっても、回路基板自体の内部に組み込まれる。
【0003】
今日の技術では、さらに大容量で動作する構成要素の多くを使用することが求められているため、発生する熱量が増大する傾向にある。これに対応するため、放熱用ヒートシンクおよび類似の構造の使用が、用いられている。これらは一般に、直接的または間接的のいずれかで、熱生成構成要素または同構成要素用の支持部材に熱的に接続される適切な熱伝導材料(たとえば、アルミニウムまたは銅)からなる突出要素(たとえば、フィン)からなる。これらの突出部は、製品の周囲に露出される比較的大きな表面積を提供し、その表面積にわたって、冷却空気が熱除去を強化するために向けられてもよい。
【0004】
このようなヒートシンクの実施例は、以下に列挙される特許文献4、特許文献1、あるいは特許文献13に記載されている。
【0005】
特許文献1は、特に、冷却され、熱ブリッジ要素によって共に熱的に結合される構成要素を取り巻くように配置されるフィンを備えたヒートシンクの組み合わせからなり、これらの複数のファンを備えたヒートシンクが、気流を受けて電子デバイスによって生成される熱を放散する装置を開示している。
【0006】
ヒートパイプの利用はまた、適切な作動温度で電子構成要素を維持するために周知である。ヒートパイプは通常、その端部で閉鎖され、熱保持流体で部分的に充填される一定の長さのパイプを備え、このパイプは、熱源付近に位置するか、または熱源に接触する少なくとも1つの蒸発領域と、たとえば、当該製品を循環する空気にさらされる少なくとも1つの凝結領域と、を備える。以下に列挙される特許文献2は、このようなヒートパイプの一実施形態について記載している。
【0007】
特許文献2に記載されるようなヒートパイプシステムの1つの欠点は、蒸発領域が単独の構成要素または構成要素が組み立てられる補助基板と接触状態にあるが、複数の熱生成構成要素が組み立てられるプリント回路基板全体を効果的に冷却しないことである。
【0008】
回路の構成要素のために比較的高度の放熱を提供する1つの技術は、隔離金属回路基板技術を備えたプリント回路基板と呼ばれ、このような技術は、単にIMSと当業界では一般的に呼ばれる。隔離金属回路基板を備えた通常のプリント回路基板は、一般にアルミニウム合金からなる少なくとも1つの金属支持回路基板を備え、その上に一般に銅である導電回路トラックが、最適な可能な熱導体である電気隔離材料の層によって接着される。この構成では、構成要素によって生成される熱の一部は、ヒートシンクのように作用する金属回路基板を介して散逸される。しかし、自動車における制御箱および配電箱のような一部の動力用途において、隔離される金属回路基板技術によって形成される放熱は、回路の劣化または機能不全が熱疲労のために生じないようにすることを保証するほど十分ではない場合がある。
【0009】
他の対処法が、プリント回路基板などの回路基板の上または内部で利用される熱生成構成要素から熱伝達を提供するために利用されている。以下の特許は、上述の方式を含め、種々の方式について記載しており、熱がプリント回路基板に関連して用いられる電子構成要素から引き出される。リストは、すべての可能な構造の網羅するリストを意味しているわけではなく、列挙された文献のいずれも、本発明に対する先行技術であると認められているわけでもない。
【0010】
特許文献3において、内蔵の熱交換器を備えたプリント回路カードについて記載されている。このカードは、単層回路または多層回路と、共に組み込まれ、熱保持流体の循環のためのチャネルからなるシステムを有するヒートドレインを含む。このチャネルは、プレート上に形成され、クロージャプレートによって包囲される。
【0011】
特許文献4において、ヒートシンクは、補助回路基板の背面上に実装され、補助回路基板は、主回路基板上に実装される。一実施形態において、ヒートシンクは、平坦であり、平行な補助回路基板と主回路基板との間に延在する。フィン付き放熱部材は、平坦な部分の一方の側面である。チャネルにおける実装ピンは、ヒートシンクを主回路基板に実装する。第2の実施形態は、未整形であり、主回路基板に対して垂直に補助回路基板を実装するために、縁に立っている。第2の実施形態のチャネルにおける実装ピンは同様に、ヒートシンクを主回路基板に実装する。
【0012】
特許文献5において、回路基板および基板の表面上で支持される半導体デバイスを動作させるために、基板を介した伝導媒体を運搬する方法について記載している。媒体運搬キャビティは、回路基板内に形成され、一部が面に対して平行に延び、したがって、基板の厚さより大きい長さを有するようになっている。伝導媒体は、空気、冷却剤流体または光ファイバを含むことができ、外部源から半導体デバイスに圧力/真空、音、熱または光などのエネルギを運搬することができる。
【0013】
特許文献6において、密に詰め込まれた半導体デバイスの冷却について記載しており、マイクロチャネルが強制対流によって熱を抽出し、流体冷却剤が熱源に対して可能な限り近い位置で用いられる。マイクロチャネルは、ヒートシンクの表面積を最大にし、熱伝達を提供し、それによって、接合部温度の増大または信頼性の低下を生じることなく、より高い半導体デバイスの出力密度を可能にすると伝えられている。一実施形態において、複数のマイクロチャネルは、回路基板のグランド平面上に実装され、液体冷却剤がグランド平面を介してマイクロチャネルに供給され、グランド平面を介してマイクロチャネルから供給されるシリコンまたは炭化ケイ素のチップまたはダイの回路基板部分に直接的に形成される。マイクロチャネルは、複数の略矩形の断面からなる閉鎖端部を有する複数のスロットまたは溝を備える。製作方法としては、蒸着技法およびエッチング技法、リフトオフ処理技法、マイクロマシニング技法およびレーザ切削技法が挙げられる。
【0014】
特許文献7において、プリント回路基板上の熱伝導構造の製造方法について記載しており、その表面にエンボス加工パターンを有する熱伝導層を形成するステップと、次に熱伝導層の上に接着剤層を形成するステップと、を含む。続いて、表面金属層が、熱伝導層および接着剤層に接着され、熱拡散体のエンボス加工部分に対応する表面金属層の一部が、熱伝導層と直接接触状態にあるか、または熱伝導層と略直接接触状態にある。さらに、追加の外部ヒートシンクは、放熱の効率を増大するための熱伝導構造に接着されることができる。
【0015】
特許文献8において、熱伝導回路基板と、蓋と、熱伝導カバー層と、その中を冷却剤を通過させるための冷却剤用溝と、を含む放熱器について記載している。溝は、基板の表面上に形成される。蓋は、冷却剤を密閉するために冷却剤用溝に位置決めされ、カバー層は、回路基板の表面および蓋を覆う。蓋は、表面と同一平面であるように、蓋用溝に収容されてもよい。回路基板、蓋およびカバー層はすべて、ダイモンドから構成され、その間に他の材料は実質的に存在することなく共に接合される。したがって、高い熱伝導率が達成される。放熱器は、電子構成要素または光学透過窓用の放熱回路基板であってもよい。
【0016】
前述した特許文献1において、アダプタ回路基板、または主要基板ソケットデバイスから上向きに延在している熱伝達カラム上に実装される固体電子デバイスを囲む熱的に結合される放熱装置について記載されている。装置は、アダプタ回路基板または熱伝達カラムの前側および後側で離隔された平行な関係に位置決めされる少なくとも2つのヒートシンクを含む。ブリッジ部材は、2つのヒートシンクを熱的に結合する。複数のファンは、ヒートシンクの外面に沿って実装される。一実施形態において、ブリッジ部材は、追加のヒートシンクであるが、金属板であってもよい。
【0017】
特許文献9において、リフローソルダリングなどのはんだ付け工程によって、回路基板などの回路基板上に実装される電子構成要素について記載している。回路基板は、その中を通る熱バイアホールを有し、回路基板の上面から下面への放熱経路を提供し、電子構成要素からの熱を散逸する。はんだ付け工程中に溶融はんだがバイアホールを貫通しないようにするために、バイアホールは、はんだ付け工程前に封止される。バイアホールは、封止材料が開いている熱バイアホールの中に印刷するために、少なくとも2回の印刷通過を含むスクリーン印刷工程を実行することによって、回路基板の下面から封止される。
【0018】
特許文献10において、その表面上に形成されるエンボス加工パターンを有する熱拡散体層と、熱拡散体の上に形成される接着剤層と、熱拡散体層と接着剤層に接着される表面金属層と、を備えるプリント回路基板熱伝導構造について記載している。表面金属層の一部は、熱拡散体と直接接触状態にあるか、または熱拡散体と略直接接触状態にある。さらに、追加の外部ヒートシンクは、熱伝導構造に接着され、放熱の効率を増大することができる。
【0019】
特許文献11において、ヒートシンクベースおよびその上に接合される多層回路基板を有する回路基板について記載しており、多層回路基板は、出力半導体素子および制御半導体素子の両方を相互に接続し、そこから熱を効率的に散逸することができる能力を有する。すぐれた熱特性を有する熱伝導性かつ電気的絶縁性の接合材料は、多層回路基板をベースに接合する。1つまたは複数の厚い導電性フォイルパターンが、回路基板の上面およびヒートシンクベースの中間に形成され、厚いフォイルパターンは、高出力半導体素子を相互に接続するように適合される。また、回路基板の上面とヒートシンクベースとの間の中間に、1つまたは複数の相互接続パターンが含まれる。回路基板は伝えられるところによれば、1つの小さなモジュールにコンパクトな密度の制御素子および出力素子を提供し、回路基板に接続される出力半導体によって生成される熱を散逸することができるような良好な熱特性を呈する。
【0020】
特許文献12において、従来のプリント回路基板上に埋め込まれ、一方の端部では熱が生成される基板の領域または構成要素に熱的に接続され、他方の端部では、基板の縁上で基板を取り囲む金属ケーシングなどの複数の外部散逸器に熱的に接続される熱伝導材料の複数のトラックの使用について記載している。これらの熱伝導トラックは、多層基板上で導電性トラックに類似の態様で形成されることができ、その場合には、これらは、銅からなる。これらはまた、基板の縁から複数の孔を穿孔し、その穴を溶接材料などの溶解された金属材料で充填することによって形成される。この特許もまた、従来のヒートパイプを用いうることを示唆している。
【0021】
特許文献13において、1つまたは複数のデバイスから熱を引き出すためのヒートシンク装置およびこのようなヒートシンクを1つまたは複数のデバイスに接着する方法について記載している。ヒートシンクは、実装面を含み、熱をヒートシンクに引き出し、フィンによって散逸する。ヒートシンクの重量は、電子デバイスが装着されるプリント回路基板によって担われるため、ヒートシンクは、最小の挿入力で冷却されることになっているデバイスの隣に実装されることができる。回転可能なカムは、使用者によって回され、枢動アームに係合する。枢動アームは、デバイスに対する多数のばねクリップを回転し、それによって所定の場所にデバイスを保持する。一旦、完全に閉鎖した位置になると、カムは、枢動アームおよびばねクリップが開放位置に戻るように回転しないようにするために、所定の場所に掛止される。ばねクリップは、ヒートシンクを固着し、実装面と冷却されることになっているデバイスとの接触を維持する。個別に関節を成すばねクリップにより、種々の寸法およびヒートシンクに沿った種々の位置の複数のデバイスに関してヒートシンクを実装することが可能である。
【0022】
前述した特許文献2において、マイクロプロセッサと、マイクロプロセッサへの入力を提供するための結合される入力と、マイクロプロセッサに結合される大容量記憶装置と、マイクロプロセッサに結合され、マイクロプロセッサによるコンピュータプログラムの実行を容易にするための記憶装置を提供するメモリと、を含むコンピュータについて記載している。離隔された凝縮器領域と、凝縮器領域の間に配置される蒸発器領域と、を含むヒートパイプが設けられている。蒸発器領域は、マイクロプロセッサに隣接して位置決めされる。第1の放熱デバイスは、凝縮器領域の第1の領域に隣接してヒートパイプに接着される。第2の放熱デバイスは、凝縮器領域の第2の領域に隣接してヒートパイプに接着される。第2の放熱デバイスは、第1の放熱デバイスとは異なるタイプからなる。
【0023】
特許文献14において、半導体デバイスから熱を伝達するための一体型絶縁熱拡散体について記載している。半導体デバイスは、熱伝導性の電気的に絶縁する回路基板に実装され、一体型絶縁熱拡散体を形成する。熱拡散体は次に、プリント回路基板などのパッケージまたはより低コストの回路基板に実装される。一体型絶縁熱拡散体はまた、一体型伝送線路、抵抗器、コンデンサまたは他のバルク構成要素を支持してもよい。熱拡散体の性能は、プリント回路基板上に熱バイアを用いることによって強化される。
【0024】
特許文献15において、回路基板に隣接して配置され、たとえば、プレナムを画定するように回路基板から離隔されるカバーまたは他の部材を含む回路基板アセンブリについて記載している。自己整列ヒートシンク(または他の放熱素子)は、カバーにばね実装(または他の方法で弾性的に実装)され、それによって回路構成要素の1つまたは複数と熱接触状態で配置される。流れ偏向要素が、設けられ、たとえば、基板の全体的なインピーダンスが、実質的に共通の筐体に他の回路基板の1つまたは複数のインピーダンスに適合するようになっている。回路基板のカバーは、熱および/または電磁放射制御のほか、衝撃および振動も提供するように適合されることができる。コネクタ構成は、基板が筐体用の冷却空気源の第1(上)の側にあるスロットに配置されるか、この冷却空気源の第2(下)の側にあるスロットに配置されるかに関係なく、回路基板と筐体との間の電気的結合、機械的結合および/または他の動作的結合を提供する。回路基板は、1つまたは2つの部分を有することができ、各部分は、冷却気流が収容される気流入口縁と、気流が存在する気流出口縁と、を有する。このような回路基板の実装用の筐体は、中心空気入口を有しうる。また、筐体は、挿入される回路基板の第1の縁に隣接して配置される第1の気流アパーチャと、回路基板の第2の縁に隣接して配置される第2のアパーチャと、を有する回路基板挿入スロットを有してもよい。これらのアパーチャは、スロットに挿入される回路基板に対する気流へのインピーダンスが、実質的に筐体中の1つまたは複数のインピーダンスに適合するようなサイズであってもよい。このようなスロットは、真空または浸漬ろう付けされるか、または所望の構造的剛性および気流/障害シーリングのケージを生じる別の処理によって製作されるカードケージの一部を形成することができる。回路基板および筐体は、回路基板が筐体スロット内に挿入されるときに、形成する空気および/または電磁障害(EMI)シールを含むことができる。
【0025】
特許文献16において、一体冷却を備えた絶縁された金属回路基板を有するプリント回路基板について記載している。システムは、金属回路基板と、金属回路基板に接着される少なくとも1つの電気的絶縁性層(insulating layer)と、電気的絶縁性層に接着される電子出力構成要素を相互接続することができる複数の導電トラックと、を含む。金属回路基板は、熱保持流体用の複数の管路を備える複数の熱輸送チャネルを組み込み、管路は、金属回路基板の外側まで延在し、外側媒体に対する熱伝達領域まで達する。
【0026】
特許文献17において、ヒートパイプを有する多層回路基板およびこのような多層回路基板を形成するための方法について記載している。この方法は、第1および第2の予備回路アセンブリにチャネルを形成することと、第1の予備回路アセンブリを第2の予備回路アセンブリに取り付けて、チャネルがヒートパイプを協働して形成することと、を含む。
【0027】
特許文献18において、マイクロチャネルまたはマイクロトレンチを利用する能動電子デバイスの冷却のために用いられる装置および同装置を作製するための技術について記載している。マイクロチャネルは、回路基板の中に延び、たとえば、ダイヤモンドからなるストップ層が、マイクロチャネルと接触状態で(固定される場合もある)用いられる。流体は、マイクロチャネルを通過して、パッケージを出入りする。
【0028】
本願明細書において定義されるとき、本発明は、回路基板に関連して用いられる電子構成要素からの熱の除去を提供するための新規かつ独特の手段を示している。この目的のために用いられる熱導体は、回路基板の一体部分として形成されてもよく、1つまたは複数の構成要素に熱的に結合されてもよい。めっきが回路基板を作製する工程の一部として用いられる場合には、共通の導体として用いられてもよい。PCB業界において公知の多くの工程を利用するため、本願明細書において定義されるとき、工程および結果として生じる製品は、比較的低コストからなる。2つの対向する側を有する回路基板において、本発明を用いることが可能である場合もあり、各側はその上に実装される1つまたは複数の構成要素を有する。
【0029】
このような方法および回路基板は、当業界において著しい進歩を構成していると考えられる。
【特許文献1】米国特許第6,181,556号公報
【特許文献2】米国特許第6,226,178号公報
【特許文献3】米国特許第4,706,164号公報
【特許文献4】米国特許第5,875,097号公報
【特許文献5】米国特許第5,929,518号公報
【特許文献6】米国特許第5,998,240号公報
【特許文献7】米国特許第6,032,355号公報
【特許文献8】米国特許第6,129,145号公報
【特許文献9】米国特許第6,190,941号公報
【特許文献10】米国特許第6,201,300号公報
【特許文献11】米国特許第6,201,701号公報
【特許文献12】米国特許第6,212,071号公報
【特許文献13】米国特許第6,219,246号公報
【特許文献14】米国特許第6,414,847号公報
【特許文献15】米国特許第6,879,486号公報
【特許文献16】米国特許第7,119,284号公報
【特許文献17】米国特許第7,176,382号公報
【特許文献18】米国特許第7,227,257号号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
したがって、本発明の主な目的は、回路基板の技術およびこのような回路基板を利用する電気アセンブリの技術を向上させることである。
【0031】
本発明のさらなる目的は、強化された冷却能力を備えた本願明細書に定義されたような回路基板を含む新たな電気アセンブリを提供することである。
【0032】
なお、本発明は、このような回路基板およびアセンブリを作製する新たな方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の一態様によれば、積層配置において交互に配置された第1の複数の絶縁回路層および導電回路層と、絶縁層の1つに接合された冷却構造と、回路基板上に実装された少なくとも1つの電気構成要素と、を含む回路基板を備える電気アセンブリが提供される。回路基板は、その中に位置する複数の導電性スルーホールおよび熱伝導性スルーホールを含み、熱伝導性スルーホールの選択されたスルーホールは、電気構成要素に熱的に結合され、第1の複数の絶縁回路層および導電回路層を通って延在し、冷却構造に熱的に結合され、熱伝導性スルーホールのこれらの選択されたスルーホールのそれぞれは、電気構成要素から冷却構造までの熱経路を提供するように適合され、冷却構造は、アセンブリの動作中にその中を冷却流体を通過させるように適合される。
【0034】
すなわち、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「交互に積層された第1の複数の絶縁層および導電層と、これら第1の複数の絶縁層および導電層の少なくとも1つに接合された冷却構造13とを含む回路基板と、この回路基板上に実装された少なくとも1つの電気構成要素と、
を含み、
前記回路基板は、その中に位置する複数の導電性スルーホールおよび熱伝導性スルーホールを含み、
前記熱伝導性スルーホールの選択されたスルーホールは、前記少なくとも1つの電気構成要素に熱的に結合され、前記第1の複数の絶縁層および導電層を通って延在して、前記冷却構造13に熱的に結合され、
前記熱伝導性スルーホールの前記選択されたスルーホールのそれぞれは、前記少なくとも1つの電気構成要素から前記冷却構造13までの熱経路を提供するように適合され、
前記冷却構造13は、前記電気アセンブリの動作中にその中を冷却流体を通過させるように適合される電気アセンブリ」
である。
【0035】
このような電気アセンブリに適用される回路基板は、後述の一態様によれば、絶縁層を設けることと、この絶縁層に冷却構造を形成することと、冷却構造の上に第1の複数の絶縁層および導電層を接合し、第1の複数の絶縁層および導電層が、積層配置において交互に配置されるようになっていることと、第1の複数の絶縁層および導電層の選択された回路層の中に複数の導電性スルーホールを形成することと、第1の複数の絶縁層および導電層の中に複数の熱伝導性スルーホールを形成することと、を含み、複数の熱伝導性スルーホールは、冷却構造に熱的に結合され、電気構成要素が、回路基板上に実装されるときに、少なくとも1つの電気構成要素から冷却構造までの熱経路を提供するように適合され、冷却構造は、回路基板上の電気構成要素の動作中にその中を冷却流体を通過させることによって製造される。
【0036】
具体的には、このような電気アセンブリにう適用される回路基板は、
「回路基板の製造方法であって、
絶縁層を設けることと、
前記絶縁層上に冷却構造13を形成することと、
前記冷却構造13の上に第1の複数の絶縁層および導電層を接合し、前記第1の複数の絶縁層および導電層は、積層配置において交互に配置されることと、
前記第1の複数の絶縁層および導電層の選択された層の内部に複数の導電性スルーホールを形成することと、
前記第1の複数の絶縁層および導電層の内部に複数の熱伝導性スルーホールを形成することであって、前記少なくとも1つの電気構成要素が、前記回路基板上に実装される場合には、前記複数の熱伝導性スルーホールは、前記冷却構造13に熱的に結合され、少なくとも1つの電気構成要素から前記冷却構造13までの熱経路を提供するように適合され、前記回路基板の前記少なくとも1つの電気構成要素の動作中に、その中を冷却流体を通過させるように適合されることと、
を含む方法」
によって製造される。
【0037】
この製造方法では、前記回路基板上に前記少なくとも1つの電気構成要素を実装して、電気アセンブリを形成することをさらに含むことがあり、前記絶縁層上への前記冷却構造13の前記形成は、前記絶縁層上にその中に複数のチャネル21を含むベース部材15を位置決めし、次に前記ベース部材15上にカバー17層を位置決めして前記チャネル21を覆うこともある。
【0038】
さらに、この製造方法は、前記ベース部材15を前記絶縁層に接合することと、前記カバー17層を前記ベース部材15に接合することとをさらに含むことがあり、前記ベース部材15および前記カバー17層の前記接合は、積層を用いて達成されることもある。また、この製造方法では、前記第1の複数の絶縁層および導電層の前記接合は、積層を用いて達成され、前記ベース部材15および前記カバー17層の前記接合は、前記第1の複数の絶縁層および導電層の前記接合と同時に達成されることがある。
【0039】
また、前記熱伝導性スルーホールの前記形成は、レーザアブレーションを用いて達成されることがあるし、前記熱伝導性スルーホールの前記形成は、機械的穿孔を用いて達成されることがあり、また、前記導電性スルーホールの前記形成は、レーザアブレーションを用いて達成されたり、機械的穿孔を用いて達成されるが、これらの複数の熱伝導性スルーホールの中に熱ペーストを堆積することをさらに含むこともある。
【0040】
さらに、交互に積層する場合に、第2の複数の絶縁層および導電層を、前記冷却構造13における前記第1の複数の絶縁層および導電層とは対向する側に接合することを含むことがある。
【発明の効果】
【0041】
以上、説明した通り、本発明においては、
「交互に積層された第1の複数の絶縁層および導電層と、これら第1の複数の絶縁層および導電層の少なくとも1つに接合された冷却構造13とを含む回路基板と、この回路基板上に実装された少なくとも1つの電気構成要素と、
を含み、
前記回路基板は、その中に位置する複数の導電性スルーホールおよび熱伝導性スルーホールを含み、
前記熱伝導性スルーホールの選択されたスルーホールは、前記少なくとも1つの電気構成要素に熱的に結合され、前記第1の複数の絶縁層および導電層を通って延在して、前記冷却構造13に熱的に結合され、
前記熱伝導性スルーホールの前記選択されたスルーホールのそれぞれは、前記少なくとも1つの電気構成要素から前記冷却構造13までの熱経路を提供するように適合され、
前記冷却構造13は、前記電気アセンブリの動作中にその中を冷却流体を通過させるように適合される電気アセンブリ」
に、その構成上の主たる特徴があり、これにより、回路基板の技術およびこのような回路基板を利用する電気アセンブリの技術を向上させることができるのである。
【0042】
また、本発明によれば、強化された冷却能力を備えた本願明細書に定義されたような回路基板を含む新たな電気アセンブリを提供することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明をその他の目的および別の目的、利点および性能と共によりよく理解するために、上述の図面と合わせて以下の開示および添付請求項を参照されたい。これらの図面において、ある部材に付された符号は、同一部材を示すために、すべての図面を通じて共通して用いられる。
【0044】
本願明細書において用いられる「回路基板」なる語によって、その一部として少なくとも1つの冷却構造に加えて、少なくとも2つ(好ましくはそれ以上)の絶縁層および少なくとも2つ(好ましくはそれ以上)の金属導電層を有する回路基板を含むものを指す。
【0045】
絶縁層の実施例としては、ファイバガラス補強エポキシ樹脂(当業界では「FR4」絶縁材料と呼ばれることがある)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリアミド、シアネート樹脂、光画像化可能材料および他の類似の材料などの絶縁材料から作製される構造を含む。
【0046】
この種の回路基板用の絶縁材料は、光画像化可能材料からなる場合には、光画像化または光パターン形成され、現像されて、必要であれば、本願明細書に定義されるような所望の開口部を含む所望の回路パターンを露にする。絶縁材料は、カーテンコーティングまたはスクリーン塗布されてもよく、またはドライフィルムとして塗布されてもよい。光画像化可能材料の最終的な硬化は、所望の電気回路が形成される絶縁性の強化されたベースを提供する。本発明の教示はまた、(ポリイミドなどの絶縁材料を用いる)「フレックス」回路として周知であるものおよびセラミックまたは他の非ポリマー型の絶縁層を用いるものに適用可能であると考えられ、後者の一例は、その上に実装される1つまたは複数の半導体チップを有するように適合された多層セラミック(MLC)モジュールと呼ばれる。
【0047】
一方、導電層は、それぞれ金属層(たとえば、電力、信号および/またはグランド)であり、銅などの適切な金属材料から構成されるが、さらなる金属(たとえば、ニッケル、アルミニウムなど)またはその合金を含むかまたは備えてもよい。
【0048】
本明細書において、「電気アセンブリ」なる語によって、それに電気的に結合され、アセンブリの一部を形成する少なくとも1つの電気構成要素と組み合わせた本願明細書で定義されるような少なくとも1つの回路基板を含むものを指す。周知のアセンブリの例としては、電気構成要素として半導体チップを含むチップキャリアが挙げられ、チップは通常、回路基板上に位置決めされ、回路基板の外面上に配線(たとえば、パッド)に結合されるか、1つまたは複数のスルーホールを用いて内部導体に結合される。
【0049】
このようなアセンブリの内で最も知られたものは、従来のプリント回路基板(PCB)であり、このプリント回路基板は、その上に実装されて内部回路に結合されるチップキャリア、半導体チップなどの複数の外部構成要素を通常有する。
【0050】
本願明細書において用いられる「電気構成要素」なる語によって、回路基板の外部伝導面上に位置決めされ、構成要素から回路基板に信号を供給するために回路基板に電気的に結合されるように適合される半導体チップなどの構成要素を指す。このような信号は、回路基板の上に実装されるものも含む他の構成要素のほか、回路基板が位置決めされるより大きな電気システムの構成要素などの他の構成要素に供給されてもよい。
【0051】
本願明細書において用いられる「導電性スルーホール」なる語によって、通常、回路基板の一面からその中に所定の距離までの開口部である「ブラインドバイア」、回路基板の内部に位置するバイアまたは開口部であり、他の層に対するその接合(たとえば、積層)前に、1つまたは複数の内部層の中に通常形成され、最終的な構造を形成する「内部バイア」、回路基板の全体厚さにわたって通常、延在する「めっきスルーホール」(PTHとしても知られる)と業界において一般に呼ばれるものを含むものを指す。これらの種々のスルーホールのすべては、回路基板を通る電気経路を形成し、その内壁に1つまたは複数の導電層、たとえば、めっきされた銅を含むことが多い。このようなスルーホールはまた、一定量の導電ペーストを含んでもよく、またはさらに、ペーストは、内壁上のめっきされた金属に加えてもよい。回路基板におけるこれらのスルーホールである開口部は、通常、機械的穿孔またはレーザアブレーションを用いて形成され、次に、めっきおよび/または導電ペーストが加えられる。
【0052】
本願明細書において用いられる「スクリーン印刷」なる語によって、今日慣例的に用いられるようなスクリーン印刷工程およびステンシル印刷工程の両方を含むものを指す。これらは、所望の材料、この場合には熱ペーストが、たとえば、スクイージを用いて堆積されるスクリーンまたはステンシルの使用を伴う。
【0053】
本願明細書において用いられる「熱伝導性スルーホール」なる語によって、上述の「ブラインドバイア」「内部バイア」およびPTHのように回路基板内部の位置において類似であってもよいが、回路基板の1つの部分から別の部分(この場合には、1つの収容位置が、本発明の熱伝導部材である)に熱を伝導する目的のために設計される回路基板内の開口部を含むものを指す。これらは、同じ位置において用いられる熱導体が、本願明細書において形成されるように回路基板の需要に応じて、効果的に電気を伝導することができない可能性があるため、導電性であってもよく、または導電性でなくてもよい。このようなスルーホール(開口部)は、そのタイプに基づいて、他の層に対するその接合(たとえば、積層)前に、1つまたは複数の内部層の中に形成され、最終的な構造を形成してもよい。
【0054】
スルーホールが回路基板の中を完全に延在する場合には、これらが形成された後で、回路基板の層のすべての接合を終えてもよい。これらの種々のスルーホール(開口部)のすべては、回路基板を通過する熱経路を形成し、類似の導電性スルーホールは、その内壁に1つまたは複数の導電層、たとえば、めっきされた銅を含んでもよい。このような開口部は、導電層の代わりになる一定量の熱ペーストを含んでもよく、めっきされた内壁および熱ペーストの両方を含んでもよい。回路基板におけるこれらの開口部は、機械的穿孔またはレーザアブレーションを用いて形成され、次に、たとえば、ニードル分配機器または好ましくはスクリーン印刷または類似の動作を用いて、熱ペーストがその中に堆積されてもよい。
【0055】
図1において、本発明の一実施形態による冷却構造13が示されている。この冷却構造13は、回路基板内部に組み込まれるように設計され、特に回路基板上に実装され、回路基板に電気的に結合される電気構成要素の冷却を行うための手段を形成する。このような冷却構造13を採用した回路基板は、本願明細書においてさらに詳細に記載されるように、その一部として絶縁層および伝導層を含む。
【0056】
この冷却構造13は、層19の形態でベース部材15およびカバー17を含む。ベース部材15は、図1に示されているように、その上面の内部で一方の側から他方の側に延在している複数のチャネル21を含む。これらの長手方向のチャネル21は、断面においてまたは側面の一方から(図1に示されているように)見たとき、矩形の構造からなってもよく、または部分的に丸みを帯びた構造(図2参照)からなってもよく、または台形の構造(図3参照)からなってもよい。他の構造もまた、可能である。
【0057】
一実施形態において、ベース部材15は、数ミル(1ミルは、1インチの1/1000である)の全体厚さ(図2における寸法「T」)を有し、対応するチャネル21は、30ミルの深さ(図2における寸法「CD」)に形成されている。
【0058】
このようなチャネル21は、それぞれ、約100ミルの全体幅(図2における寸法「CW」)を有してもよい。
【0059】
カバー17は、この実施形態において、約10ミル〜約30ミルの厚さを有してもよい。図3に示されているように、カバー17は、下にあるベース部材15と整列して位置決めされるように適合され、カバー17は、長手方向のチャネル21のそれぞれ用のカバーを提供し、したがって、各チャネルの21上「壁」(または上部)を画定するようになっている。
【0060】
冷却構造13は、金属材料、たとえば、銅またはアルミニウムまたはいずれかの金属の合金からなっていてもよく、または特別な導体である窒化アルミニウムからなってもよい。他の適切な熱伝導性材料もまた、可能である。
【0061】
図1において分かるように、冷却構造13は、ベース部材15およびカバー17の両方を含み、形状において実質的に矩形であり、回路基板の作製中にそれに接合される絶縁層および伝導層の対応する形状に適応している。したがって、この冷却構造13は、今日需要がある多くの大型回路設計を含む多くの異なるサイズの回路基板の内部に組み込まれてもよいほか、これも高い需要がある小型化された回路基板用であってもよい。
【0062】
この冷却構造13は、一実施形態において、たとえば、(正面図においてチャネル21に面している図1における構造13の左下から見たときに)1リニアインチ当たり(per linear inch)5本程度のチャネル21を含んでもよく、またはより大型の回路基板ではさらに少数のチャネル21であってもよく、はるかに小さな回路基板では1リニアインチ当たり10本程度のチャネル21を含んでもよい。本発明は当然のことながら、これらの数に限定されているわけではない。
【0063】
さらに、チャネル21は、本願明細書において、ベース部材15の幅にわたって連続パターンにおいて互いに直接的に隣接するように位置決めされるものとして示されている。また、チャネル21は、選択されたものの間に間隙を形成することが望ましいと考えられるとき、またはベース部材15上の選択された領域にチャネルのグループ化を限定することも望ましいと考えられるときには必要ではなく、ベース部材15の残りの部分は、チャネルを設ける必要はない。
【0064】
チャネル21の形成位置は、回路基板上の電気構成要素の向きおよび同電気構成要素から冷却構造13までの熱経路を提供するための最も効果的な手段に左右される。これについては、本願明細書において以下にさらに詳細に説明する。
【0065】
図4において、ベース部材15およびカバー17を含む本発明の回路基板を形成しうる種々の要素の分解組立図が示されている。もっとも簡素な形態において、第1の絶縁層23(上記の材料の1つであることが好ましい)が下部に位置決めされ、ベース部材15およびカバー17が次にこの部材の上に配置される。少なくとももう1つの絶縁層25が、カバー17の上に配置され、次に導電層27(これも上記の金属の1つであることが好ましい)が続く。このアセンブリにおける絶縁層23あるいは25は、約5ミルの厚さを有してもよく、導電層27は、約1.4ミルの厚さを有してもよい。これらの絶縁層や導電層に関する慣例的な厚さは周知であり、さらなる説明は必要ではない。
【0066】
次に、この積層構成は、従来のPCB積層装置を用いて共に接合される。一例において、約500ポンド/平方インチ(PSI)〜約700PSIの圧力および約180℃〜約200℃の温度で、約60分〜約120分の時間期間が、用いられて、図4に示される要素のすべてを接合してもよい。この最も簡素な形態において、導電層27は次に、PCB製作において周知である従来の回路形成処理を用いて「回路形成」されてもよく、最も一般的に周知の処理の1つは、フォトリソグラフィック処理を伴う。さらなる定義が必要であるとは考えられない。この上部回路は次に、その上に実装され、形成された回路基板に結合される1つまたは複数の電気構成要素を有するように適合され、たとえば、互いのほか、最終的な回路基板にも結合されうるような他の構成要素に相互接続される。
【0067】
本発明の最も好ましい実施形態において、第1の複数の少なくとも3つの絶縁層およびおそらく同数の導電層(たとえば、絶縁層のそれぞれの上に1つの導電層)が、冷却構造13の上に利用され、このような構成において、冷却構造13の下側に第2の複数の絶縁層および導電層を追加することもまた可能である(おそらく望ましい)。このような構成において、これらの層のすべては、図4に示される層などのように配置されてもよく、積層が次に生じる。図4に示される層の数は、本発明を限定するわけではなく、本発明の冷却構造13の上および下を含めて、さらに多くの数を利用してもよい。
【0068】
図5において、本発明の一実施形態による電気アセンブリ31が示されている。アセンブリ31は、本発明の一実施形態による回路基板と、その上に実装される少なくとも1つの電気構成要素と、を含む。実際に、2つの構成要素33および35が、図5に示されており、いずれもその一部として1つ(構成要素35に関して示されている)または複数の半導体チップを含んでもよい。
【0069】
この実施例において、構成要素33は、図示されているように、その下に層状の積層構成に配置された3つの有機メモリ回路基板を有する上部チップ37から構成される「有機メモリ積層」であってもよい。これらの3つの支持有機回路基板は通常、各回路基板上に印刷される有機トランジスタ(図示せず)を含む。回路基板間の接続は、標準的な穿孔およびめっき処理または従来の「フリップ‐チップ」型処理によって達成されてもよい。この支持有機メモリ積層に対する代替物は、メモリシリコンダイの積層を用いたものであり、今度は、「シリコン貫通バイア」(TSV)接続として周知であるものを用いて共に接続されてもよい。このようなTSV接続は、シリコンメモリダイに孔を穿孔し、これらの孔を金属充填接着剤などのある種の電気相互接続を用いて接続することによって達成される。あるいは、または接続「バイア」は、適切な金属、たとえば、タングステンで充填され、所望の電気接続を提供する。
【0070】
図6においてはるかに大きい倍率の部分図は、これらの個別の要素および回路基板の対応する上層をよりよく示しており、注意もそれに向けられる。
【0071】
構成要素33は、導電性スルーホール41を用いて支持回路基板39内部で導電層の選択された層に電気的に結合され、これらは、図5および図6の両方に示されている長さの短い方の孔である。各スルーホール41は、導電層の層の一部であるパッドまたは信号線(図6においてスルーホール41用の場合には43)に電気的に結合されてもよく、パッドまたは信号線は今度は、回路基板39のこの上部部分における複数のこのような層からなる3つの絶縁層45の1つの上にある。
【0072】
このようなスルーホール41は、2つ以上の導体に結合されてもよく、図示されているように1つの導体だけに結合されていなくてもよい。スルーホール41(および他の類似のスルーホール)は、チップ37のパッドまたは類似の接続場所42(図示されていないはんだボールなどのコネクタを場合によっては含み、コネクタは今度は、接続場所42に接続される)に電気的に結合され、めっきされた金属(たとえば、銅)の側壁47を有する従来の構成からなってもよい。
【0073】
スルーホール41は、下にある回路基板39の内部に形成されてもよく、続いて、上記で定義された積層工程を伴う。また、それぞれの第1の複数の絶縁層のそれぞれの内部にこのようなスルーホール41を形成し、次に図4に示されているように層に積層することも可能である。さらに、側壁47上のめっきに加えてまたはめっきの代わりに可能である導電性スルーホール41の内部に伝導ペースト(図示せず)を用いることも可能である。このようなペーストは、スルーホールが積層前に形成されるこのような層の積層構成において、種々の導体を結合するために、好ましい手段の1つである。
【0074】
回路基板39は、中間冷却構造13の対向する側(ここでは、上および下)に複数の絶縁層および導電層の両方を含むように図5に示されている。下部の、複数の絶縁層および導電層を組み合わせた層のそれぞれは、符号49によって表され、上部絶縁層45の選択された層が含まれうる層と略同数がその上に導電層を場合によっては含むことを理解されよう。回路基板に関する動作要件に応じて、これらの導電層の選択された層は、回路パッド、信号線を含んでもよく、または(特にグランド層として機能する場合には)固体構成からなってもよい。したがって、本発明は、図面に示されたような単独のパッドに限定されるわけではない。
【0075】
本願明細書における教示によれば、電気構成要素33および35はまた、少なくとも1つの(可能であれば複数の)熱伝導性スルーホール51によって、本発明の冷却構造13および特にカバー17に熱的に結合される。
【0076】
この熱伝導性スルーホール51は、スルーホール41と類似の構成からなってもよく、したがって、これらもまた導電性を有する。あるいは、スルーホール51は、その一部として金属めっきまたは他の伝導材料を有することなく、その中に熱伝導性ペースト52(図6に部分的に示される)を含むだけであってもよく、したがって、これらのスルーホール51は、熱伝導性だけであり、導電性ではない。
【0077】
図5の実施形態において、6つの熱伝導性スルーホール51は、構成要素33用に示されており、5つは、構成要素35用に示されている。一実施形態において、スルーホール51は、約8ミル〜約20ミルの直径を有してもよく、スルーホール41は、約6ミル〜約12ミルの直径を有してもよい。スルーホール41がこの寸法からなり、めっきされる場合には、このようなめっきは、わずか約1ミル〜約2ミルの厚さを有してもよい。これらの寸法は、例示のためであり、本発明を限定するわけではないことは理解されよう。
【0078】
従って、導電性スルーホール51は、構成要素33および35、特に、本発明の冷却構造13に対してその一部を形成するチップによって生成される熱のための熱経路を提供し、構造13を通過する冷却流体(たとえば、空気または水)は、効果的に冷却を行う。
【0079】
図6において、冷却流体の一例(空気)が、チャネル21を通過させるために、冷却構造に入るものとして示されている。このような空気は、ファン(図示せず)または他の適切な源から提供されてもよい。水または他の冷却流体が提供される場合には、このようなものは、ポンプ(図示せず)によって提供され、適切なパイプ(図示せず)または他の液体結合を介して提供されてもよく、今度は、たとえば、適切なセメントまたはコネクタを用いて冷却構造13の端部に接続される。
【0080】
図7は、冷却構造13に対する構成要素35、一例において、その上にヒートシンク53を有するチップ37’の熱的および電気的の両方の結合を示している。このような結合は、図6における結合と類似であり、さらなる説明が必要であるとは考えられない。
【0081】
導電性(従って熱伝導性でもある)スルーホール51はまた、たとえば、パッドまたは接続場所42の選択された電気グランドを提供するために、本発明の冷却構造13への回路経路を提供してもよい。したがって、構造13はまた、金属または他の導電性材料である場合には、電気アセンブリ31用のグランド層として機能してもよい。
【0082】
注目すべきことに、水などの液体の存在が、このような能力に悪影響を及ぼすことはない。構造13がこのようなグランドを提供することになっている場合には、それに接続される追加の電気接続を提供することも可能である。このような接続の例としては、導電性スルーホール55(図5には2つ示される)が挙げられ、導電性スルーホール55は、構造13に対してその一部を形成する選択された導体(たとえば、パッドまたは線)を電気的に接続するために、種々の導電層のすべてまたは一部のみを通って延在してもよい。
【0083】
図8の電気アセンブリ31’は、構造および動作において、図5におけるアセンブリ31に類似であり、電気構成要素33および35の熱的結合および電気的結合に対して含まれる。図示されているように、アセンブリ31’は、回路付き基板39’の一部として、類似の数の絶縁層および導電層を含む。しかし、回路基板39’はまた、回路基板39’の全体厚さを通じて延在する少なくとも1つの(必要に応じてより多くの)導電性スルーホール61を含み、したがって、アセンブリ31’の内部に回路用のさらに別のオプションを提供する。
【0084】
スルーホール61は、上(第1)の複数の(冷却構造13の上の)導電層の選択された導電層上のパッドまたは線の選択されたパッドまたは線を下(第2)の複数の(冷却構造13の下の)導電層の選択された導電層上のパッドまたは線の選択されたパッドまたは線に電気的に接続するように機能し、したがって、本発明の冷却構造を介した電気接続を保証してもよい。このような相互接続はまた、このような追加構成要素が、アセンブリ31’の一部として用いられる場合には、電気構成要素の選択された電気構成要素を、回路基板39’の対向する側の選択された構成要素(図示せず)に結合してもよい。(したがって、本願明細書に教示されたアセンブリの回路基板は、上の複数の構成要素33および35からその下の対向する側の上にこのような追加電気構成要素もまた含むような能力を有するものと理解されよう。)
【0085】
スルーホール61は、図10に示されるように、絶縁材料71の層によって冷却構造13から電気的に隔離されてもよく、または、図9に示されるように、構造13に電気的に結合されてもよい。図示されたような材料71によってスルーホールを達成するための可能な対処法は、層状のアセンブリ(すでに理解されているように、その中に冷却構造13を含む)を通過する孔を穿孔し、この孔を絶縁材料71で充填し、材料を硬化し、硬化された絶縁材料を通過する第2のより小さな直径の孔を穿孔し、次に、所望の金属によって第2の孔をめっきすることである。
【0086】
スルーホール61は、めっきされた内部側壁(図示されている)を含んでもよく、さらに導電性ペースト(当然のことながら図6に示される伝導性ペースト52など)を含んでもよく、または(めっきされた層はない)このような伝導性ペーストのみを導電方法として用いてもよい。このスルーホール61および他のスルーホールが、利用される場合には、機械的穿孔または適切な(たとえば、二酸化炭素)レーザを用いることになって、スルーホール41および51に類似に形成されてもよい。複数の層が接合(たとえば、積層)される回路基板39’の形成後に形成されてもよい。
【0087】
図9に対して特に注意を払うと、スルーホール61などの導電性スルーホールは、図8に示されているように、回路基板の中を延在する場合には、チャネル21の1つまたは複数のチャネル以外に、この孔がベース部材15(およびわかりやすくするために、図9に示されていない当然のことながらカバー17)の一部を通って延在することが好ましい。
【0088】
図9において、スルーホール61は、チャネル21に隣接するベース部材15の直立部分72の1つを通過することが分かる。これは、チャネル21のすべてを通って冷却流体の完全な通過を可能にし、また、冷却構造13の位置で複雑な電気経路を形成するために必要とされる金属の連続性も保証することである。
【0089】
チャネルの1つを通過すべきであるスルーホール61は、本発明の教示を用いても可能であり、チャネル21の少なくとも部分を充填するためにスルーホール61内部の追加金属を提供する必要があり、その上に導電層(たとえば、めっきされた金属層)が次に形成されてもよい。あるいは、伝導スリーブまたは類似の構造は、穿孔内部に挿入されることが可能であり、その後、上記の孔が、図示されているようにその内部側壁上にめっき層を含む。このようなスルーホール配置(チャネル21内部)は、当然のことながら、この具体的なチャネルを通る冷却流体の通過を制限するが、効果的な冷却は、適切な数の残りの冷却チャネルを用いて依然として可能であることは理解されよう。
【0090】
従って、図5または図8には、回路基板がアセンブリの電気構成要素の選択された電気構成要素に熱的に結合され、それ用の冷却を行うための冷却構造を含み、その中で用いるための電気アセンブリおよび回路基板が図示されている。アセンブリは、このような熱結合を提供するための熱伝導性スルーホールのほか、回路基板の選択された導電層、所望であれば、たとえば、冷却構造が電気グランドとして機能することになっている場合には、このような層を冷却構造に相互接続するための導電性スルーホールの両方を含む。
【0091】
回路基板およびアセンブリは、構造内のチャネルを通じた空気または水などの冷却流体の通過を可能にするように設計され、これらのチャネルは今度は、その一部を形成し、これもまた冷却構造の一部を形成するベース部材に接合するカバーによって画定される。ベース部材は、その中に所望の数の冷却チャネルを含む。
【0092】
重要なことは、冷却構造は、最終的な回路基板の一部を最終的に形成する選択された数の絶縁層および導電層を接合するための全体的な工程の一部として形成されるように設計される。したがって、回路基板を形成するために本願明細書において画定されたような方法は、周知のPCB作製において用いられる多くの従来の工程を利用し、それによって、最終製品に関して相対的に低いコストを保証する。
【0093】
現在、本発明の好ましい実施形態であると考えられるものについて図示して、説明してきたが、種々の変更および改変が添付請求項によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、本発明において行われうることは当業者には明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一態様による冷却構造の斜視図である。
【図2】本発明の冷却構造において使用可能な別のチャネル構造の部分端面図であり、この図は、図1より大きい倍率で示されている。
【図3】本発明の冷却構造において使用可能な別のチャネル構造の部分端面図であり、この図は、図1より大きい倍率で示されている。
【図4】図1〜図3の図面に比べてはるかに縮小された倍率の断面における側部立面図であり、本発明の一実施形態による回路基板を作製するために用いられうる種々の層に関する積層構成を示しており、回路基板は、その一部として図1の冷却構造を含んでいる。
【図5】本発明の一実施形態による電気アセンブリを示す断面における側部立面図であり、アセンブリは、これも本発明の一実施形態による回路基板をその一部として含んでいる。
【図6】図5に比べてはるかに拡大した倍率の断面における側部立面図であり、図5の構造のさらに詳細な部分を示している。
【図7】図5に比べてはるかに拡大した倍率の断面における側部立面図であり、図5の構造のさらに詳細な部分を示している。
【図8】本発明の別の実施形態による電気アセンブリを示す断面における側部立面図であり、アセンブリは、これも本発明の一実施形態による回路基板をその一部として含んでいる。
【図9】図8に比べてはるかに拡大した倍率の部分斜視図であり、図8の構造の部分をさらに詳細に示している。
【図10】図8に示されたスルーホール構造の別の実施形態の断面の部分図である。
【符号の説明】
【0095】
13 冷却構造
15 ベース部材
17 カバー
19 層
21 チャネル
23・25 第1の絶縁層
27 導電層
33・35 構成要素
37・37’ チップ
41・51・55 導電性スルーホール
42 接続場所
43 信号線
45 絶縁層
47 側壁
49 絶縁層と導電層との組合せ層
52 熱伝導性ペースト
53 ヒートシンク
61 スルーホール
71 絶縁材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互に積層された第1の複数の絶縁層および導電層と、これら第1の複数の絶縁層および導電層の少なくとも1つに接合された冷却構造とを含む回路基板と、
この回路基板上に実装された少なくとも1つの電気構成要素と、
を含み、
前記回路基板は、その中に位置する複数の導電性スルーホールおよび熱伝導性スルーホールを含み、
前記熱伝導性スルーホールの選択されたスルーホールは、前記少なくとも1つの電気構成要素に熱的に結合され、前記第1の複数の絶縁層および導電層を通って延在して、前記冷却構造に熱的に結合され、
前記熱伝導性スルーホールの前記選択されたスルーホールのそれぞれは、前記少なくとも1つの電気構成要素から前記冷却構造までの熱経路を提供するように適合され、
前記冷却構造は、前記電気アセンブリの動作中にその中を冷却流体を通過させるように適合される電気アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の絶縁層の数は、少なくとも3つである、請求項1に記載の電気アセンブリ。
【請求項3】
前記回路基板は、交互に積層された第2の複数の絶縁層および導電層をさらに含み、前記第2の複数の絶縁層および導電層は、前記第1の複数の絶縁層および導電層から前記冷却構造の対向する側に位置する、請求項1または請求項2に記載の電気アセンブリ。
【請求項4】
前記冷却構造は、その中に複数のチャネルを含むベース部材と、前記チャネルにわたって前記ベース部材に固定されるカバー層とを備える、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気アセンブリ。
【請求項5】
前記冷却構造は、金属から構成される、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電気アセンブリ。
【請求項6】
前記金属は、銅または銅合金である、請求項5に記載の電気アセンブリ。
【請求項7】
前記金属は、アルミニウムである、請求項5に記載の電気アセンブリ。
【請求項8】
前記冷却構造は、窒化アルミニウムから構成される、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電気アセンブリ。
【請求項9】
前記ベース部材における前記チャネルは、矩形、丸および台形からなる群から選択される断面構成を有する、請求項4〜請求項8のいずれかに記載の電気アセンブリ。
【請求項10】
前記導電性スルーホールの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの電気構成要素を前記冷却構造に電気的に結合し、前記少なくとも1つの電気構成要素用の電気グランドを提供する、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の電気アセンブリ。
【請求項11】
前記冷却構造は、前記電気アセンブリの前記動作中に冷却流体として、中を通過する空気を有するように適合される、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電気アセンブリ。
【請求項12】
前記冷却構造は、前記電気アセンブリの前記動作中に冷却流体として、中を通過する水を有するように適合される、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電気アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−105394(P2009−105394A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262323(P2008−262323)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(503459464)エンディコット インターコネクト テクノロジーズ インク (23)
【Fターム(参考)】