内部圧力可変式チューブ容器

【課題】空気に触れると固まる性質の内容液を絞り出したあと、キャップを閉めるまでの間に漏れ出た内容液が取り出し口の周辺に付着して固まり、キャップの開閉を困難にするのを防止するチューブ容器を提供する。
【解決手段】内容液が漏れ出るのはチューブの腹部分４を押さえることにより内部圧力が高いままになっているからで、凹んだ腹部分を戻して圧力を下げればよい。そこでチューブの丸みに応じて膨らんだ弾力性のある半円鋼板を上下２枚、逆に合わせて蝶番で結合させて出来る円形のバネ３を、チューブの腹部分とバネの上下の膨らみ部分、及びチューブの背部分５とバネの左右両端部分がそれぞれ一致する位置に、チューブ内に装着する。これによりチューブの腹部分を押さえて内容液を出した後、背部分を押さえると円形の性質から凹んだ膨らみが戻り、結果内部圧力が低くなり余分な液が漏れ出て抽出口が固まることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はチューブ容器の腹部分を押して必要量を抽出したあと、キャップを閉めるまでの間に漏れ出た内容液が取り出し口の周辺に付着して固まり、キャップの開閉を困難にするのを防止するチューブ容器を提供するものである。
【背景技術】
【０００２】
空気に触れると固まる性質のある液体を入れるチューブ容器において、腹部分を押して内部の圧力を高めることにより内容液を搾り出すのだが、必要量を出した後も内部圧力が高いままになっているから、キャップを閉めるわずかな間にも内容液が漏れ出すのである。これを防止するためには内部圧力を低く調節できるようにすれば良い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
内部圧力を低くするためには、押さえたことにより凹んだ腹部分４を元に戻すように広げてやれば良い。しかし広げすぎるとチューブ内に空気が侵入して内容物が劣化してしまう。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
そこで余分な空気が入らず且つ漏れ出ない程度にチューブ内部圧をコントロールすることが必要である。そのためにチューブの腹部分４を押すと内部圧が高まり、チューブの背部分５を押さえると凹んだ腹部分が戻り、結果内部圧力が低くなるような仕組みがあればよいが、通常チューブは鉄でできていていったん凹んだ腹部分は容易に元に戻らない。そこでチューブ内に円形バネを入れることで解決しようとするものである。
【発明を実施するための最良の実施の形態】
【０００５】
請求項１について図１、図２に従って説明すると、チューブの腹部分４の丸みに応じて膨らんだ弾力性のある半円鋼板１を上下２枚、逆に合わせて蝶番２で結合させた円形のバネ３は、上下の膨らみ部分を押さえると、弾力性で両端部分が左右に広がり、両端部分を押さえると、円の性質として膨らみ部分が上下に広がる機能を有する。すなわち上下の膨らみ部分を押さえた後、両端部分を左右から押してやれば、膨らみ部分は元に戻ろうとする。このような円形バネを、チューブの腹部分を押さえたときはバネの膨らみ部分が押さえられ、チューブの背部分を押さえたときはバネの両端部分が押さえられる位置に、チューブ内に装着する。これによりチューブ腹部分を押さえて必要な内容液を出した後、直ちにチューブ背部分を押さえることにより凹んだ腹部分を戻し、内部圧をコントロールすることできる。これにより余分な液が漏れ出て抽出口が固まることはない。
【０００６】
請求項２について図３に従って説明すると、チューブの腹部分の丸みに応じて膨らんだ弾力性のある半円鋼板の一方の端に突起６をつけ、他方の端に突起を差し込む穴７を開ける。このような２枚の鋼板を上下逆に差し込む形で結合させた円形バネを、チューブの腹部分を押さえたときは円形バネの上下が押さえられ、チューブの背部分を押さえたときは左右が抑えられる位置に、チューブ内に装着する。これにより請求項１の蝶番を使うより簡単に円形バネを作ることができ請求項１と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【０００７】
本発明のチューブを使うことにより、今までキャップが開かなくなり途中で捨てていたものが最後まで使い切ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】円形バネの斜視図
【図２】本円形バネをチューブ内に装着した透視図
【図３】突起結合による円形バネの斜視図
【符号の説明】
【０００９】
１半円鋼板
２蝶番
３円形バネ
４チューブの腹部分
５チューブの背部分
６突起
７穴

【特許請求の範囲】
【請求項１】
チューブの腹部分４の丸みに応じて膨らんだ弾力性のある半円鋼板１を上下２枚、逆に合わせて蝶番２で結合させて出来る円形のバネ３を、チューブの腹部分を押さえたときはバネの上下の膨らみ部分が押さえられ、チューブの背部分を押さえたときはバネの左右両端部分が押さえられる位置に、チューブ内に装着する。このように構成されたチューブ容器。
【請求項２】
チューブの腹部分の丸みに応じて膨らんだ弾力性のある半円鋼板１の一方の端に突起６をつけ、他方の端に突起を差し込む穴７をあける。このような２枚の鋼板を上下逆に出差し込む形で結合させた円形バネを、チューブの腹部分を押さえたときは上下の膨らみ部分が押さえられ、チューブの背部分を押さえたときは左右両端部分が抑えられる位置に、チューブ内に装着する。このように構成されたチューブ容器。

【図１】