説明

内部寄生虫駆除剤

本発明はエモデプシド及びプラジクアンテル又はエプシプランテル及び更に1,2−イソプロピリデングリセロールを含んでなる、外用することができる組成物、それらの調製並びに内部寄生虫を調節するためのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エモデプシド(emodepside)及びプラジクアンテル(praziquantel)又はエプシプランテル(epsiprantel)並びに1,2−イソプロピリデングリセロールを含んでなる外用のための組成物、それらの調製並びに内部寄生虫を抑制するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
寄生虫駆除活性化合物のプラジクアンテル(特許文献1)及び構造的に関連した活性化合物エプシプランテル(特許文献2)は通常経口投与され、例えば、特許文献3、4、5及び6を参照されたい(特許文献1〜6参照)。内部寄生虫駆除剤の局所適用の場合には、活性化合物は問題の内部寄生虫に到達するために皮膚を通って血流中に通過しなければならない。プラジクアンテル及びエプシプランテルは経皮的適用に特に適するわけではないので、予期される困難のために、局所的経皮適用形態はこれらの活性化合物に対して一般的ではない。プラジクアンテルを使用する寄生虫疾患の経皮的処置用組成物は特許文献7に記載されている(特許文献7参照)。しかしこの組成物の適用は、有効な経皮的適用が概括的に、例えばイヌの症例におけるりより、著しく達成が容易なネコに限定される。
【0003】
特許文献8(Phoenix Scientific,Inc.)は、その調合物がピロリドン溶媒、更なる溶媒及び寄生虫駆除活性化合物を含んでなることができる注射用又はポア−オン適用のための寄生虫駆除調合物を開示している(特許文献8参照)。活性化合物の広範なリストはなかでもプラジクアンテルにつき記載している。
【0004】
特許文献9はモキシデクチン、プラジクアンテル、ベンジルアルコール、エタノール、コロイド状シリカ、界面活性剤及び油を含んでなるゲル形態の内部寄生虫駆除組成物を開示している(特許文献9参照)。
【0005】
特許文献10(Bomac Laboratories)は皮膚適用のための駆虫組成物を調製するための複雑な方法を開示している(特許文献10参照)。該組成物は担体、乳化剤、油及び希釈剤を含んでなる。適当な活性化合物は特にベンズイミダゾールであるが、とりわけ大環状ラクトン及びプラジクアンテルも言及されている。
【0006】
特許文献11はプラジクアンテルと組み合わせたアベルメクチン・オキシム誘導体、とりわけセラメクチンを含んでなる獣医学的医薬組成物につき記載している(特許文献11参照)。提唱される投与経路は局所適用を包含し、対応する調合物はジ(C2−4−グリコール)モノ(C1−4−アルキル)エーテル及び適当な場合は皮膚に優しい溶媒を含んでなる。
【0007】
環状デプシペプチドPF1022及び内部寄生虫に対するその作用は特許文献12から知られる(特許文献12参照)。
【0008】
更なる環状デプシペプチド及びそれらの内部寄生虫駆除作用はドイツ特許出願の特許文献13、14、15の首題である(特許文献13〜15参照)。
【0009】
寄生虫駆除活性環状デプシペプチドのエモデプシドは特許文献16から知られる(特許文献16参照)。
【0010】
プラジクアンテル又はエプシプランテル及び環状デプシペプチドを含んでなる内部寄生虫駆除組成物は特許文献17に記載されている(特許文献17参照)。
【0011】
特許文献18は環状デプシペプチド及び更に適当な場合はプラジクアンテル又はエプシプランテルと組み合わせたアベルメクチン、イベルメクチン、ミルベマイシンを含んでなる内部寄生虫駆除組成物を提供する(特許文献18参照)。
【0012】
例えばエモデプシドのようなデプシペプチドを含んでなる皮膚適用用の組成物が、とりわけ特許文献19及び我々の出願特許文献20に記載されている(特許文献19、20参照)。
【0013】
しかし、先行技術の組成物の活性レベル及び/又は作用期間はとりわけ特定の宿主の場合には、特定の生物に対して、そして/又は低い適用濃度においてすべての使用分野において完全に満足とは言えない。
【0014】
例えば、活性のレベル(例えば、活性化合物の血漿濃度)、作用期間、作用スペクトル、適用範囲、毒性、活性化合物の組み合わせ、調合補助剤との組み合わせに関する現代の医薬品により充たされなければならない広範な条件のために、そして耐性の可能な発生のために、新規医薬品の開発は完全であると見なすことは絶対にできず、少なくとも幾つかのアスペクトにおいては知られた組成物より利点を有する新規組成物の連続した絶大な需要が存在する。
【0015】
ペットの所有者ができるだけ簡単な方法で内部寄生虫駆除活性化合物を適用することができるために、外部適用可能な組成物を提供することが更に望ましく、ここで本出願の範疇内の外用は概括的に、動物の皮膚又は毛に対する適用を意味する。
【0016】
文献から知られるように、>1000uを超える分子量を有する分子は、局所適用される時に皮膚を透過することが極めて困難である。比較的大きい分子量を有するペプチド又はタンパク質の透過は特に低い(非特許文献1、2、3参照)。しかし、内部寄生虫駆除活性化合物の場合には、活性化合物が例えば、胃腸管内で内部寄生虫に対して作用することを意図されるために、透過性は必須条件である。
【0017】
幾つかの先行技術の刊行物がプラジクアンテル及び/又は環状デプシペプチドの局所適用を提唱しているが、これらの活性化合物はこの目的には特に適さず、そしてその結果、既知の調合物は、特に、例えば、鞭虫のトリクリス・ブルピル(Trichuris vulpis)及び/又は条虫のテニア・カニス(Taenia canis)のようないわゆる用量−促進虫(dose−driving worm)の症例においては、極めて満足とは言えないことが当業者に知られている。
【特許文献1】米国特許第4 001 411号明細書
【特許文献2】米国特許第4 661 489号明細書
【特許文献3】ドイツ特許第199 41 024号明細書
【特許文献4】国際公開第98/03157号パンフレット
【特許文献5】米国特許第2002/0081292号明細書
【特許文献6】国際公開第97/25976号パンフレット
【特許文献7】欧州特許第267 404号明細書
【特許文献8】国際公開第01/60380号パンフレット
【特許文献9】欧州特許第308 163号明細書
【特許文献10】国際公開第95/23590号パンフレット
【特許文献11】国際公開第02/094288号パンフレット
【特許文献12】欧州特許第382 173号明細書
【特許文献13】欧州特許第626 376号明細書
【特許文献14】欧州特許第626 375号明細書
【特許文献15】欧州特許第644 883号明細書
【特許文献16】国際公開第93/19053号パンフレット
【特許文献17】欧州特許第662 326号明細書
【特許文献18】国際公開第96/38165号パンフレット
【特許文献19】国際公開第01/62268号パンフレット
【特許文献20】国際公開第05/055973号パンフレット
【非特許文献1】Cevc et al.,Advanced Drug Delivery Reviews 18(1996)349−378
【非特許文献2】Bauer et al.,Pharmazeitische Technologie,1993,p.364,Thieme Verlag
【非特許文献3】Gurny et al.Dermal and Transdermal Drug Delivery,1993,p.131,Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft
【発明の開示】
【0018】
今回、外用されると、広範なスペクトルの内部寄生虫に対して非常に有効な作用を示し、そして同時に良好な安定性を有する殺内部寄生虫組成物が見出された。
【0019】
本発明は、
活性化合物として
−エモデプシド及び
−プラジクアンテル又はエプシプランテル
並びに溶媒として1,2−イソプロピリデングリセロール
を含んでなり、
組成物の水含有量が多くても1重量%である、
組成物を提供する。
【0020】
本発明は、更に、活性化合物を溶媒及び適当な場合は更なる補助剤と混合する、そのような組成物の調製方法を提供する。
【0021】
INNエモデプシドは一般的名称(systematic name):シクロ[(R)−ラクトイル−N−メチル−1−ロイシル−(R)−3−(p−モルホリノフェニル)ラクトイル−N−メチル−1−ロイシル−(R)−ラクトイル−N−メチル−1−ロイシル−(R)−3−(p−モルホリノフェニル)ラクトイル−N−メチル−1−ロイシル]をもつ化合物を意味する。エモデプシドは国際公開第93/19053号に記載され、次の式を有する。
【0022】
【化1】

【0023】
プラジクアンテル及びエプシプランテルは、古くから、内部寄生虫に対して有効な化合物として知られてきた(例えば、エプシプランテルについては米国特許第4 661 489号明細書を、そしてプラジクアンテルについては米国特許第4 001 411号明細書を参照されたい)。
【0024】
プラジクアンテル−含有製品は、例えば、Droncit(R)の名称で市販されている。本発明の範疇内においては、プラジクアンテルの使用が好ましい。
【0025】
本発明に従うと、純粋な立体異性体及び立体異性体の混合物の双方を使用することができる。化学的に可能であれば、更に、製薬学的に許容できる塩を使用することができる。更に、組成物中に活性化合物のプロドラッグを使用することができ、ここで実際の活性化合物はプロドラッグの適用後にプロドラッグから放出される。
【0026】
好ましい恒温動物毒性を有する本発明に従う組成物は、ヒト及び家畜及び畜産業において、生産家畜、種畜、動物園動物、実験室動物、試験に使用される動物及びペットにおいて遭遇される病原性内部寄生虫を抑制するのに適する。それらは耐性及び通常の感受性種に対し、そしてすべての又はある発達段階の害虫に対して有効である。病原性内部寄生虫を抑制することにより、活性化合物を使用することにより、より経済的で、より簡単な動物飼育が可能であるように、疾患、死亡率及び減少する出来高(例えば、肉、乳、羊毛、皮、卵、蜂蜜、等の生産における)を減少させることが意図される。病原性内部寄生虫は多節条虫類、吸虫類、線虫類及び鉤頭虫類を包含し、
プラジクアンテル又はエプシプランテルは特に以下:
擬葉目(Pseudophyllidea)、例えば、ジフィロボスリウム亜属(裂頭条虫)(Diphyllobothrium spp.)、スピロメトラ亜属(Spirometra spp.)、シストセファルス亜属(住血吸虫属)(Schistocephalus spp.)、リグラ亜属(Ligula spp.)、ボスリジウム亜属(Bothridium spp.)、ジフロゴノポルス亜属(大複殖門条虫)(Diphlogonoporus spp.)から、
円葉類目(Cyclophillidea)、例えば、メソセストイデス亜属(Mesocestoides spp.)、アノホプロセファラ亜属(葉状条虫)(Anoplocephala spp.)、パラノプロセファラ亜属(Paranoplocephala spp.)、モニエジア亜属(拡張条虫)(Moniezia spp.)、チサノソムサ亜属(Thysanosomsa spp.)、チサニエジア亜属(Thysaniezia spp.)、アビテリナ亜属(Avitellina spp.)、スチレシア亜属(Stilesia spp.)、シットテニア亜属(Cittotaenia spp.)、アンディラ亜属(Andyra spp.)、ベリチエラ亜属(Bertiella spp.)、テニア亜属(Taenia spp.)、エキノコックス亜属(Echinococcus spp.)、ヒダチゲラ亜属(Hydatigera spp.)、ダバイネ亜属(Davainea spp.)、ライリエチナ亜属(Raillietina spp.)、ヒメノレプシス亜属(膜様条虫)(Hymenolepsis spp.)、エキノレピス亜属(Echinolepis spp.)、エキノコチレ亜属(Echinocotyle spp.)、ジオルキス亜属(Diorchis spp.)、ジピリジウム亜属(瓜実条虫)(Dipylidium spp.)、ジョイエキシエラ亜属(Joyeuxiella spp.)、ジプロピリジウム亜属(Diplopylidium spp.)から、
単生類(Monogenea)の亜綱、例えば、ギロダクチルス亜属(三代虫)(Gyrodactylus spp.)、ダクチロギルス亜属(Dactylogyrus spp.)、ポリストーマ亜属(Polystoma spp.)、から、
二世亜綱(Digenea)、例えば、ジプロストムム亜属(Diplostomum spp.)、ポストジプロストムム亜属(Posthodiplostomum spp.)、シストソマ亜属(住血吸虫属)(Schistosoma spp.)、トリコビルハルジア亜属(Trichobilharzia spp.)、オルニソビルハルジア亜属(Ornithobilharzia spp.)、アウストロビルハルジア亜属(Austrobilharizia spp.)、ギガントビルハルジア亜属(Gigantobilharzia spp.)、ロイコクロリジウム亜属(Leucochloridium spp.)、ブラキライマ亜属(Brachylaima spp.)、エキノストマ亜属(棘口吸虫属)(Echinostoma spp.)、エキノパリフィウム亜属(Echinoparyphium spp.)、エキノカスムス亜属(Echinochasmus spp.)、ヒポデレウム亜属(Hypoderaeum spp.)、ファシオラ亜属(肝蛭)(Fasciola spp.)、ファシオリデス亜属(Fasciolides spp.)、ファシオロプシス亜属(肥大吸虫)(Fasciolopsis spp.)、シクロコエルム亜属(Cyclocoelum spp.)、チフロコエルム亜属(Typhlocoelum spp.)、パランフィストムム亜属(双口吸虫属)(Paramphistomum spp.)、カリコホロン亜属(Calicophoron spp.)、コチロホロン亜属(Cotylophoron spp.)、ギガントコチレ亜属(Gigantocotyle spp.)、フィスケデリウス亜属(Fischoederius spp.)、ガストロシラクス亜属(Gastrothylacus spp.)、ノトコチルス亜属(Notocotylus spp.)、カタトロピス亜属(Catatropis spp.)、プラギオルキス亜属(Plagiorchis spp.)、プロストゴニムス亜属(Prosthogonimus spp.)、ジクロケリウム亜属(槍形吸虫属)(Dicrocoelium spp.)、ユーリトレマ亜属(膵蛭)(Eurytrema spp.)、トログロトレマ亜属(Troglotrema spp.)、パラゴニムス亜属(肺吸虫属)(Paragonimus spp.)、コリリクルム亜属(吸虫属)(Collyriclum spp.)、ナノフィエタス亜属(Nanophyetus spp.)、オピストルキス亜属(Opisthorchis spp.)、クロノルキス亜属(肝ジストマ)(Clonorchis spp.)、メトルキス亜属(Metorchis spp.)、ヘテロフィエス亜属(異形吸虫属)(Heterophyes spp.)、メタゴニムス亜属(Metagonimus spp.)の亜綱から、
の内部寄生虫を抑制する。
【0027】
エモデプシドは特に以下:
エノプリダ目(Enoplida)、例えば、トリクリス亜属(鞭虫)(Trichuris spp.)、カピラリア亜属(毛細線虫)(Capillaria spp.)、トリコモソイデス亜属(Trichomosoides spp.)、トリキネラ亜属(旋毛虫属)(Trichinella spp.)、から、
桿線虫目(Rhabditia)、例えば、ミクロネマ亜属(Micronema spp.)、ストロンギロイデス亜属(Strongyloides spp.)、から、
円虫目(Strongylida)、例えば、ストロニルス亜属(円虫)(Stronylus spp.)、トリオドントホルス亜属(Triodontophorus spp.)、エソファゴドンタス亜属(Oesophagodontus spp.)、トリコネマ亜属(Trichonema spp.)、ギアロセファルス亜属(Gyalocephalus spp.)、シリンドロファリンクス亜属(Cylindropharynx spp.)、ポテリオストムム亜属(Poteriostomum spp.)、シクロコセルクス亜属(Cyclococercus spp.)、シリコステファヌス亜属(Cylicostephanus spp.)、エソファゴストムム亜属(腸結節虫属)(Oesophagostomum spp.)、シャベルチア亜属(Chabertia spp.)、ステファヌルス亜属(豚腎虫)(Stephanurus spp.)、アンシロストマ亜属(ズビニ鉤虫)(Ancylostoma spp.)、ウンシナリア亜属(Uncinaria spp.)、ブノストムム亜属(Bunostomum spp.)、から、
グロボセファルス亜属(Globocephalus spp.)、シンガムス亜属(交合線虫)(Syngamus spp.)、シアストーマ亜属(Cyathostoma spp.)、メタストロンギルス亜属(肺虫)(Metastrongylus spp.)、ジクチオカウルス亜属(Dictyocaulus spp.)、ミュエレリウス亜属(Muellerius spp.)、プロトストロンギルス亜属(Protostrongylus spp.)、ネオストロンギルス亜属(Neostrongylus spp.)、シストカウルス亜属(Cystocaulus spp.)、ニューモストロンギルス亜属(Pneumostrongylus spp.)、スピコカウルス亜属(Spicocaulus spp.)、エラホストロンギルス亜属(Elaphostrongylus spp.)、パレラホストロンギルス亜属(Parelaphostrongylus spp.)、クレノソマ亜属(Crenosoma spp.)、パラクレノソマ亜属(Parelaphostrongylus spp.)、アンギオストロンギルス亜属(住血線虫)(Angiostrongylus spp.)、エルロストギルス亜属(Aelurosutrongylus spp.)、フィラロイデス亜属(Filaroides spp.)、パラフィラロイデス亜属(Parafilaroides spp.)、トリコストロンギルス亜属(毛様線虫)(Trichostrongylus spp.)、ヘモンクス亜属(捻転胃虫)(Haemonchus spp.)、オステルタジア亜属(Ostertagia spp.)、マルシャラジア亜属(Marshallagia spp.)、クーペリア亜属(Cooperia spp.)、ネマトジルス亜属(線虫)(Nematodirus spp.)、ヒオストロンギルス亜属(Hyostrongylus spp.)、オベリスコイデス亜属(Obeliscoides spp.)、アミドストムム亜属(Amidostomum spp.)、オルラヌス亜属(Ollulanus spp.)、
オキシウリダ目(Oxyurida)、例えば、オキシウリス亜属(ウマギョウチュウ)(Oxyuris spp.)、エンテロビウス亜属(ギョウチュウ)(Enterobius spp.)、パッサルルス亜属(Passalurus spp.)、シファシア亜属(Syphacia spp.)、アスピキュルリス亜属(Aspiculuris spp.)、ヘテラキス亜属(Heterakis spp.)、から、
回虫目(Ascaridia)、例えば、アスカリス亜属(カイチュウ)(Ascaris spp.)、トキソアスカリス亜属(Toxascaris spp.)、トキソカラ亜属(イヌ回虫)(Toxocara spp.)、パラスカリス亜属(ウマ回虫)(Parascaris spp.)、アニサキス亜属(Anisakis spp.)、アスカリジア亜属(回虫)(Ascaridia spp.)、から、
スピルリダ目(旋尾線虫類)(Spirurida)、例えば、グナトストマ亜属(顎口虫)(Gnathostoma spp.)、フィサロプテラ亜属(Physaloptera spp.)、テラジア亜属(Thelazia spp.)、ゴンギロネマ亜属(Gongylonema spp.)、ハブロネマ亜属(Habronema spp.)、パラブロネマ亜属(Parabronema spp.)、ドラスキア亜属(Draschia)spp.、ドラクンクルス亜属(メディナ虫)(Dracunculus spp.)、から、
フィラリイダ目(Filariida)、例えば、ステファノフィラリア亜属(Stephanofilaria spp.)、パラフィラリア亜属(Parafilaria spp.)、セタリア亜属(Setaria spp.)、ロア亜属(Loa spp.)、ジロフィラリア亜属(イヌ糸状虫)(Dirofilaria spp.)、リトモソイデス亜属(Litomosoides spp.)、ブルギア亜属(Brugia spp.)、ウケレリア亜属(糸状虫)(Wuchereria spp.)、オンコセルカ亜属(Onchocerca spp.)、から、
ギガントリンキダ目(Gigentorhynchida)、例えば、フィリコリス亜属(Filicollis spp.)、モニリホルミス亜属(Moniliforumis spp.)、マクラカントリンクス亜属(Macracanthorhynchus spp.)、プロステノルキス亜属(Prosthenorchis spp.)、から
の内部寄生虫を抑制する。
【0028】
活性化合物の適当な組み合わせ物を使用すると、前記リストに挙げた内部寄生虫の全スペクトルを網羅することができる。特に好ましいものはトキソカラ・カチ(イヌ回虫)(Toxocara cati)、トキソアスカリス・レオニナ(Toxascaris leonina)、アンシロトロマ・ツベフォルメ(ズビニ鉤虫)(Ancylostoma tubaeforme)、ジピリジウム・カニヌム(瓜実条虫)(Dipylidium caninum)、テニア・テニエホルミス(有鉤条虫)(Taenia taeniaeformis)及びエキノコックス・マルチロクラリス(Echinococcus multilocuraris):に対する本発明に従う組成物を使用することである。
【0029】
家畜及び種畜は例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダ、水牛、ロバ、ウサギ、ダマジカ、トナカイのような哺乳動物、例えばミンク、チンチラ又はラクーンのような毛皮をもつ動物、例えばニワトリ、ガチョウ、シチメンチョウ、アヒル、ダチョウのような鳥類を包含する。
【0030】
実験室及び試験動物はマウス、ラット、モルモット、ゴールデンハムスター、イヌ及びネコを包含する。
【0031】
ペットはイヌ及びネコを包含する。
【0032】
投与は予防的及び治療的の双方であることができる。
【0033】
ネコに対する投与が非常に特に好ましい。
【0034】
本発明に従う組成物は好ましくは、流体、例えば、懸濁物、エマルション又はとりわけ液剤である。本発明に従うと、使用される溶媒は1,2−イソプロピリデングリセロールであり、それは唯一の溶媒として、又は他の溶媒との混合物として使用することができる。このような溶媒混合物は好ましくは、少なくとも60容量%の1,2−イソプロピリデングリセロールを含んでなる。唯一の溶媒として1,2−イソプロピリデングリセロールを使用することが特に好ましい。
【0035】
驚くべきことには、−好ましくは、少なくとも60容量%の濃度の− 溶媒1,2−イソプロピリデングリセロールを含んでなる本発明に従うこのような組成物が、外用されると、先行技術において通常推奨されるような浸透促進剤の助けを求める必要なしに、線虫類及び多節条虫類に対して特に有効であることが見いだされた。
【0036】
上記の溶媒混合物に適する更なる溶媒は、適当な溶解性をもつ製薬学的に許容できる有機溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)である。
【0037】
1,2−イソプロピリデングリセロールの加水分解の危険性を最少にし、そして調合物の安定性を著しく高めるために、本発明に従う組成物の含水量をできるだけ低く維持することが推奨され、通常含水量は1重量%を超えてはならず、好ましくは、0.5重量%を超えてはならない。
【0038】
1,2−イソプロピリデングリセロールの1つの加水分解生成物はアセトンであり、医薬品中のその濃度は国際指針に従うと、できるだけ低く維持しなければならない。更に、アセトンは身体中への活性化合物の取り込みに影響を与えるかも知れない。例えば貯蔵期間中の1,2−イソプロピリデングリセロールの加水分解によるこれらの特性の変化は医薬品として許容できない。
【0039】
本発明に従う組成物の溶媒含量は通常、最終組成物の総重量に基づき60〜96重量%、好ましくは70〜96重量%、特に好ましくは80〜90重量%である。
【0040】
本発明に従う組成物に獣医学的医薬に通常の更なる補助剤を添加することは有益であるかも知れない。
【0041】
好ましい補助剤は例えば、酸化安定剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニイソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びアスコルビン酸である。これらは最終組成物の総重量に基づき、例えば0.1〜1重量%、好ましくは0.3〜0.7重量%の濃度で使用することができる。
【0042】
更なる好ましい補助剤は例えば有機酸、とりわけ乳酸のような安定剤である。これらは通常最終組成物の総重量に基づき1〜5重量%、好ましくは1〜3重量%の量で使用される。
【0043】
適当な場合には、本発明に従う組成物は更に相乗剤又は更なる活性化合物を含んでなることができる。
【0044】
即時使用可能な調製物は通常0.1〜25重量%、好ましくは0.1〜20重量%の濃度の活性化合物を含んでなり、ここでエモデプシドには、0.5〜5重量%、とりわけ1〜3重量%の濃度が好ましく、プラジクアンテル又はエプシプランテルには1〜15重量%、とりわけ5〜10重量%の濃度が好ましい。
【0045】
組成物は適当な容器中で適量の成分を混合することにより調製され、成分は好ましくは、透明な溶液が形成されるまで混合される。
【0046】
一般に、体重1kg当たり、1回の投与につき、問題の活性化合物を約1〜約100mgが投与されるように、本発明に従う組成物を計量することが有益であることが見いだされた。エモデプシドの場合には、体重1kg当たり1〜20mg、とりわけ1〜10mgの活性化合物そしてプラジクアンテル又はエプシプランテルの場合には、体重1kg当たり5〜50mg、とりわけ5〜20mgの活性化合物が好ましい。
【実施例1】
【0047】
100gの溶液は
7.94gのプラジクアンテル、
1.98gのエモデプシド、
87.58gの1,2−イソプロピリデングリセロール、
2.00gの乳酸、
0.50gのブチル化ヒドロキシアニイソール
を含んでなる。
【0048】
臨床研究において、実施例1に従う組成物は、トキソカラ・カチ(犬回虫)(Toxocara cati)、トキサスカリス・レオニナ(Toxascaris leonina)、アンシロストマ・ツベホルメ(ズビニ鉤虫)(Ancylostoma tubaeforme)、ジピリジウム・カニヌム(瓜実条虫)(Dipylidium caninum)、テニア・テニエホルミス(有鉤条虫)(Taenia taeniaehorumis)及びエキノコックス・マルチオクラリス(Echinococcus multiocularis)による感染症に対してネコにおいて著しく有効であることが見いだされた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化合物として、
−エモデプシド及び
−プラジクアンテル又はエプシプランテル
並びに溶媒として1,2−イソプロピリデングリセロール
を含んでなり、
組成物の水含有量が多くても1重量%である
組成物。
【請求項2】
活性化合物として、エモデプシド及びプラジクアンテルを含んでなることを特徴とする請求項1に従う組成物。
【請求項3】
使用される溶媒が少なくとも60容量%の1,2−イソプロピリデングリセロールを含んでなることを特徴とする、前記請求項のいずれかに従う組成物。
【請求項4】
唯一の溶媒として1,2−イソプロピリデングリセロールを含んでなることを特徴とする、前記請求項のいずれかに従う組成物。
【請求項5】
活性化合物を溶媒及び適当な場合は更なる補助剤と混合することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに従う組成物の調製方法。
【請求項6】
多くても1重量%の水含有量を有し且つ内部寄生虫を抑制するための外用に適した、溶媒として1,2−イソプロピリデングリセロールを含んでなる組成物を調製するためのエモデプシド及びプラジクアンテル又はエプシプランテルの使用。
【請求項7】
内部寄生虫を抑制するための請求項1〜4のいずれかに従う組成物の使用。

【公表番号】特表2008−532959(P2008−532959A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500080(P2008−500080)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001759
【国際公開番号】WO2006/094664
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】