説明

内部構造体を備えた農業用温室

【課題】比較的簡易な構成からなる農業温室において、その強度を十分確保するとともに、耐用年数を長くでき、また、温室内部に設けられる各種設備を十分に支持することのできる農業用温室を提供することを目的とする。また、比較的支柱間隔の短い連棟式の農業用温室の場合であっても、温室内部において棟間移動ができる農業用温室を提供することを目的とする。
【解決手段】略アーチ状に形成された管材11,12を奥行方向に所定間隔で複数個配置すると共に、前記各管材11,12を桁材13,14,15で直交方向に連結して骨格を形成し、その上部からフィルム材Fを被覆して形成される農業用温室10に、前記農業用温室10内部に設けられる各種設備を支持すべく両妻面20,20側内部に前記骨格と連結するとともに前記骨格内側に近接又は内接する枠状の内部構造体30,30を配設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用温室内部に設けられる各種設備を支持することのできる内部構造体を備えた農業用温室に関するものであり、より詳しくは、例えばパイプ式農業用温室の内部の両妻面側に主として角鋼管から形成する枠体を設置し、前記パイプ式農業用温室を構成するパイプ体と連結して温室内部に設けられる各種設備を支持できるようにして、簡易な構成であっても機能性を高めることができるようにすると共に前記パイプ式農業用温室自体の強度を高めた農業用温室に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パイプ式農業用温室は、例えば20mm乃至25mm程度の鋼管パイプをアーチ状に曲成して両端部を支柱用の鋼管パイプに連結し、このアーチ状部材を奥行方向に500mm乃至600mm程度の間隔で複数個配置して、直管パイプで前記各アーチ状部材を直交方向に繋いで骨格を形成し、その上部からフィルム材を被覆して構成されており、このような構成の農業用温室としては、実開平1−77347号(特許文献1)に記載のものが公知である。
【0003】
前記パイプ式農業用温室は、前記のように簡易に構成されているので、大型温室に対して安価にでき、構成部品も汎用部品であるため、入手が容易であり、また、建設も簡単で特殊な技術や特別な建設機器も不要であるという長所がある。
【0004】
一方、農業用温室の内部には、換気設備(フィルム材を巻き上げるための巻き上げ軸及びこれを駆動するためのモーター等の設備)、遮光設備(遮光カーテンやこれを支持するために張設されたワイヤ等の設備)、灌水設備(散水用のホースおよびこれを支持するために張設されたワイヤ等の設備)、誘引設備(作物を誘引するための懸架線およびこれを支持するために張設されたワイヤ等の設備)、電照設備等の各種設備が設けられる場合がある。
【0005】
しかしながら、前記パイプ式農業用温室は、比較的簡易な構成からなるため、温室内部に設けられる前記各種設備を十分に支持するだけの強度が不足して、前記各種設備を設置できない場合がある。また、前記パイプ式農業用温室は、比較的簡易な構成からなるため、強度が不十分で台風や積雪等の災害に弱く、また、連棟式のパイプ式農業用温室の場合、奥行方向の支柱間隔が狭いため、温室内部において隣接する棟への棟間移動(特にトラクタ等の農業器機の棟間移動)ができず、一度室外に出てから別棟に入らなければならず、作業効率が良くない等の短所を有している。
【0006】
前記パイプ式農業用温室の強度を高めるものとしては、例えば、特開平7−331907号(特許文献2)に記載の農業用温室の補強構造が提案されている。前記の農業用温室の補強構造は、農業用温室の天井フレームの略中央部に補強取付け部を設けて、前記補強取付け部に一端を係止して天井フレームを下方へ牽引する補強線を架設して、前記補強取付け部に上端を当接させつつ補強支柱を立設して構成されている。そして、かかる構成によって、風圧で天井フレームが上下方向にあおり動作を受けても、これを抑制して天井フレームを略定位置に保持でき、フレームのボルト固定部や溶接部等に変形、破断が発生することなく、ハウスの倒壊を防止し、耐用年数を増大するようにしている。
【0007】
【特許文献1】実開平1−77347号公報
【0008】
【特許文献2】特開平7−331907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記特開平7−331907号公報に記載された補強構造は、天井フレームを角鋼管によって形成されている農業用温室には好適であるが、パイプ式農業用温室の補強には適用し難く、前記温室内部に設けられる各種設備を十分に支持する構造ではなく、また、補強取付け部から架設される補強線によって、温室内部の奥行方向への移動が阻害される場合がある。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、比較的簡易な構成からなるパイプ式農業温室において、温室内部に設けられる各種設備を十分に支持することのできるようその強度を十分確保して各種設備の設置を可能とし温室の機能を高めると共に、風雪災害に対しても強い農業用温室を提供することを目的とする。
【0011】
さらに本発明の他の目的は、比較的支柱間隔の短い農業用温室の場合であっても、連棟式の農業用温室内部において棟間移動(特にトラクタ等の農業器機の棟間移動)ができる農業用温室を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の農業用温室は、略アーチ状に形成された管材を奥行方向に所定間隔で複数個配置すると共に、前記各管材を桁材で直交方向に連結して骨格を形成し、その上部からフィルム材を被覆して形成される農業用温室であって、農業用温室内部に設けられる各種設備を支持すべく両妻面側内部に前記骨格と連結するとともに前記骨格内側に近接又は内接する枠状の内部構造体を備えてなることを特徴とする。
【0013】
請求項1に記載の農業用温室にあっては、両妻面側内部に前記農業用温室と連結する枠状の内部構造体を設けたので、前記内部構造体に前記各種設備を直接支持させたり又は前記内部構造体間にブレース等を張設して該ブレースに前記各種設備を支持させるようにすることにができ、前記各種設備を支持するのに十分な強度が確保できることとなると共に通常のパイプ式農業用温室よりも素直方向における強度が増し、風雪災害に対しても強いものとなる。また、前記内部構造体は、前記パイプ式農業用温室を構成する骨格に近接又は内接するように配設しているので、温室内部の空間を広く用いることができる。
【0014】
請求項2に記載の農業用温室は、請求項1に記載の農業用温室において、前記農業用温室は、奥行方向と直交する横方向に複数の棟を接続する連棟式の農業用温室であって、前記複数の棟間に配置し奥行方向に延設する前記内部構造体の桁材と、前記農業用温室の屋根材とが連結してなることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の農業用温室にあっては、連棟式の農業用温室において、前記内部構造体との連結がより強固になる。
【0016】
請求項3に記載の農業用温室は、請求項2に記載の農業用温室において、前記内部構造体の桁材を支持する連棟間支柱は、前記複数の棟間の移動ができる所定間隔に配設されることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の農業用温室にあっては、比較的支柱間隔の短い農業用温室の場合であっても、連棟式の農業用温室内部において棟間移動(特にトラクタ等の農業器機の棟間移動)ができることとなる。
【0018】
請求項4に記載の農業用温室は、請求項1に記載の農業用温室において、前記農業用温室は、単棟式の農業用温室であって、前記農業用温室の側面において、前記内部構造体の桁材と接続部材を介して、前記農業用温室と前記内部構造体とが連結してなることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の農業用温室にあっては、単棟式の農業用温室において、前記内部構造体との連結を簡易に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の農業用温室によれば、略アーチ状に形成された管材を奥行方向に所定間隔で複数個配置すると共に、前記各管材を桁材で直交方向に連結して骨格を形成し、その上部からフィルム材を被覆して形成される農業用温室であって、農業用温室内部に設けられる各種設備を支持すべく両妻面側内部に前記骨格と連結するとともに前記骨格内側に近接又は内接する枠状の内部構造体を備えているので、通常のパイプ式農業用温室よりも強度(特に垂直方向の強度)が増すので、簡易な構成で農業用温室内部に設けられる各種設備を支持することができ、風雪災害にも強いものとなる。また、前記内部構造体を両妻面側に設けたので、両妻面側の支柱間間隔を広くとることができ、連棟式の農業用温室の場合であっても、温室内部において棟間移動(特にトラクタ等の農業機械の棟間移動)ができることとなる。また、前記内部構造体は、前記パイプ式農業用温室を構成する骨格に近接又は内接するように配設しているので、温室内部の空間を広く用いることができる。
【0021】
請求項2に記載の農業用温室によれば、前記農業用温室は、奥行方向と直交する横方向に複数の棟を接続する連棟式の農業用温室であって、前記複数の棟間に配置し奥行方向に延設する前記内部構造体の桁材と、前記農業用温室の屋根材とを連結しているので、連棟式の農業用温室において、前記内部構造体との連結がより強固になる。
【0022】
請求項3に記載の農業用温室によれば、前記内部構造体の桁材を支持する連棟間支柱は、前記複数の棟間の移動ができる所定間隔に配設されているので、比較的支柱間隔の短い連棟式の農業用温室の場合であっても、温室内部において棟間移動ができることとなる。
【0023】
請求項4に記載の農業用温室によれば、前記農業用温室は、単棟式の農業用温室であって、前記農業用温室の側面において、前記内部構造体の桁材と接続部材を介して、前記農業用温室と前記内部構造体とが連結しているので、単棟式の農業用温室において、前記内部構造体との連結を簡易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
【0026】
図1乃至図10は、本発明の第1の実施の形態を示すものであり、図1は本発明にかかる内部構造体を備えた農業用温室の要部斜視図であり、図2は要部正面図であり、図3は要部側面図であり、図4は要部拡大概略斜視図である。
【0027】
図1乃至図4において、10はパイプ式農業用温室であり、4棟を横方向X(図1の矢印X方向)に連棟して構成されている。図中12は支柱であり、該支柱12に連続する略円弧状に形成した二分割された屋根材11を、アーチの頂部において、略へ字状の中空パイプ状の接続部材16aにより連結して、前記屋根材11と支柱12とで全体として略馬蹄形状にアーチ状部材を形成している。
【0028】
そして、前記屋根材11と前記支柱12とで略馬蹄形状に形成したアーチ状部材を、奥行方向Y(図1の矢印Y方向)において各棟毎に夫々複数個を立設して、アーチ頂部において奥行方向Yに延びる棟材16を接続金具(図示せず)により連結すると共に、これらアーチ状部材と直交するように奥行方向Yに向けて長尺の鋼管からなる桁材13,14,15を、アーチ状部材の所定箇所で接続金具(図示せず)によって連結している。そして、前記棟間の谷部には樋17を載置固定している。
【0029】
一方、前記パイプ式農業用温室10の適宜の棟の妻面20には、出入口21を設けると共に、前記屋根材11から接続金具22aを介して間柱22が連結されている。そして、前記妻面20における連棟間の支柱12,12は、後述する図6に詳細に示すように、締結金具Kによって締結されおり、このように構成された前記パイプ式農業用温室10の骨格の上から、フィルム材Fを被覆して、前記パイプ式農業用温室10を形成している。
【0030】
そして、前記パイプ式農業用温室10の両妻面20,20側内部には、内部構造体30,30が、前記パイプ式農業用温室10に連結した状態で前記骨格に近接するように配置しているのである。
【0031】
図5は内部構造体の概略斜視図であり、図6は連棟間部におけるパイプ式農業用温室の屋根材と内部構造体の連棟間桁材との連結状態を示す要部拡大斜視図であり、図7はパイプ式農業用温室の棟材と内部構造体との連結状態を示す要部拡大図であり、図8はパイプ式農業用温室の桁材と内部構造体との連結状態を示す要部拡大図である。
【0032】
図5に示すように、前記内部構造体30は角形鋼管材を連結して構成されており、奥行方向Yに各2本の側面支柱31,31及び連棟間支柱32,32とを配して、該前記連棟間支柱32,32の上端には連棟間桁材34を架設している。また対向する前記側面支柱31,31と前記連棟間支柱32,32には、夫々屋根材35,35を頂部において突き合い状態となるように架設しており、さらに前記屋根材35,35の頂部には、奥行方向Yに向けて棟材36を、夫々架設しているのである。
【0033】
なお、前記屋根材35,35および前記棟材36等で構成される屋根面には、ブレースで構成された筋交い37,37が張設されており、また、前記側面支柱31,31および前記桁材33で構成される側面にもブレースで構成された筋交い38,38が張設されている。
【0034】
そして、図6に詳細に示すように、前記連棟間支柱32の両側面には、前記屋根材11の連棟側下端部を連結するための連結用筒部34aが、前記屋根材11の傾斜に併せて上方に向けて傾斜して取り付けられており、該連結用筒部34aに屋根材11の連棟側端部を挿入して固定連結するのである。
【0035】
また、図2に示すように、前記内部構造体30の屋根材35は、妻面20側において、前記パイプ式農業用温室10の骨格を形成する間柱22と、接続金具J1によって連結固定されている。
【0036】
さらに、図7に示すように、前記内部構造体30の屋根材35は、前記パイプ式農業用温室10の骨格を形成する棟材16と、接続金具Jを介して連結すると共に、図8に示すように、前記内部構造体30の側面支柱31にL形金具Lを溶接等の固定手段で固定し、前記パイプ式農業用温室10の骨格を形成する桁材13を、前記L形金具L上に載置してボルトBおよびナットNで貫通固定しているのである。
【0037】
前記側面支柱31は、前記農業用温室10の骨格を形成する支柱12に近接するように配置して前記内部構造体30と連結しているが、前記支柱12に内接するように配置して前記内部構造体30と連結してもよい。この場合には、前記内部構造体30に別途桁材(図示せず)を設けても良い。また、前記内部構造体30の棟材36についても、前記実施態様では、前記パイプ式農業用温室10の骨格を形成する前記棟材16と近接するように配置して接続金具Jによって連結しているが、前記棟材36を前記棟材16に内接するように配設して前記棟材16に直接連結固定しても良い。
【0038】
そして、前記連棟間支柱32,32の支柱間間隔をトラクタ等の農業用器機が移動できるように、例えば250cm以上の間隔とすると、隣接する棟間においてトラクタ等の農業用器機の移動を容易に行うことができる。
【0039】
以上のように構成された前記パイプ式農業用温室10においては、その妻面20側内部に前記パイプ式農業用温室10と連結する前記内部構造体30を設けたので、例えば、前記屋根材35、前記棟材36および前記連棟間桁材34の前記内部構造体30を構成する骨格に、換気設備(フィルム材を巻き上げるための巻き上げ軸及びこれを駆動するためのモーター等の設備)、遮光設備(遮光カーテンやこれを支持するために張設されたワイヤ等の設備)、灌水設備(散水用のホースおよびこれを支持するために張設されたワイヤ等の設備)、誘引設備(作物を誘引するための懸架線およびこれを支持するために張設されたワイヤ等の設備)、電照設備等の各種設備を直接又は支持部材(図示せず)を介して間接的に支持することができ、従来のパイプ式農業用温室では、強度が不足して設置することが困難であった設備についても、設置することができることとなる。また、前記内部構造体30は、前記パイプ式農業用温室10を構成する骨格に近接又は内接するように配設しているので、温室10内部の空間を広く用いることができる。
【0040】
図9は第1の実施の形態の他の例を示す正面視斜視図であり、図10は図9の要部平面図である。
【0041】
図9および図10中、39は前記連棟間支柱32,32および前記側面支柱31,31間に架設された補強梁であり、該補強梁39,39間には横方向Xに陸梁39aを架設すると共に、前記陸梁39aと前記補強梁39間に方づえ39bを架設している。本実施形態では、前記各種設備を、さらに前記陸梁39a等に直接又は支持部材(図示せず)を介して間接的に支持することができ、例えば、両妻面に配置した前記陸梁39a,39a間に、ワイヤWを架設して、該ワイヤWに、作物を誘引するための懸架線を垂下させたり、また、散水用のホース等を巻回させたり、遮光カーテンを張設することができる。このように、本発明に係る前記内部構造体30は、配設する各種設備の仕様に合わせて、適宜、補強部材を追加しても良い。
【0042】
(第2の実施の態様)
【0043】
図11乃至図13は、本発明の第2の実施の形態を示すものであり、図11は本発明にかかる第2の実施の態様のパイプ式農業用温室の概略斜視図であり、図12は要部斜視図であり、図13は内部構造体の概略斜視図である。なお、第2の実施の態様において、第1の実施の態様と共通する部分は、同符号を付して説明を省略する。
【0044】
図11及び図12において、40は単棟式のパイプ式農業用温室であり、該単棟式のパイプ式農業用温室40の両妻面20,20側内部にも、図13に示す内部構造体50,50を連結設置することができる。該内部構造体50は、第1の実施の形態の前記内部構造体30と同様に角形鋼管材を連結して構成されており、奥行方向に各2本の側面支柱31,31及び連棟間支柱32,32とを配して、前記側面支柱31,31の上端には、前記第1の実施の形態にはない桁材33を架設して桁方向の強度を高めると共に、前記連棟間支柱32,32の上端には連棟間桁材34を架設し、対向する前記側面支柱31,31間に夫々屋根材35,35を頂部において突き合い状態となるように架設しており、さらに前記屋根材35,35の頂部には、奥行方向Xに向けて棟材36を架設している。
【0045】
前記内部構造体50は、桁材33と前記パイプ式農業用温室40を構成する支柱12と接続部材(図示せず)を介して固定連結されていると共に、前記内部構造体50の側面支柱31にL形金具Lを溶接等の固定手段で固定し、前記パイプ式農業用温室20の骨格を形成する桁材13を、前記L形金具L上に載置してボルトBおよびナットNで貫通固定しているのである。
【0046】
また、前記パイプ式農業用温室40の棟材16と近接する前記内部構造体50の棟材36間とに接続部材(図示なし)を介して連結するようにしても良い。
【0047】
なお、第1の実施態様および第2の実施態様において、前記パイプ式農業用温室10,40の奥行方向Yが長くなる場合には、前記内部構造体30,50を、両妻面20,20のみならず、奥行方向Yの中間部等の適宜箇所に配置してもよい。
【0048】
以上のように構成された前記パイプ式農業用温室40においては、その妻面20側内部に前記パイプ式農業用温室10と連結する前記内部構造体50を設けたので、前記第1の実施態様と同様に、前記桁材33、前記屋根材35および前記棟材36に、換気設備(フィルム材を巻き上げるための巻き上げ軸及びこれを駆動するためのモーター等の設備)、遮光設備(遮光カーテンやこれを支持するために張設されたワイヤ等の設備)、灌水設備(散水用のホースおよびこれを支持するために張設されたワイヤ等の設備)、誘引設備(作物を誘引するための懸架線およびこれを支持するために張設されたワイヤ等の設備)、電照設備等の各種設備を直接又は支持部材(図示せず)を介して間接的に支持することができ、従来のパイプ式農業用温室では、強度が不足して設置することが困難であった設備についても、設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明にかかる第1の実施の態様のパイプ式農業用温室の要部斜視図である。
【図2】同要部正面図である。
【図3】同要部側面図である。
【図4】同要部拡大概略斜視図である。
【図5】同内部構造体の概略斜視図である。
【図6】同連棟間部におけるパイプ式農業用温室の屋根材と内部構造体の連棟間桁材との連結状態を示す要部拡大斜視図である。
【図7】パイプ式農業用温室の棟材と内部構造体との連結状態を示す要部拡大図である。
【図8】パイプ式農業用温室の桁材と内部構造体との連結状態を示す要部拡大図である。
【図9】第1の実施の形態の他の例を示す正面視斜視図である。
【図10】図7の要部平面図である。
【図11】本発明にかかる第2の実施の態様のパイプ式農業用温室の概略斜視図である。
【図12】同要部斜視図である。
【図13】同内部構造体の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
10,40 パイプ式農業用温室
11 屋根材
12 支柱
13 桁材
14 桁材
15 桁材
16 棟材
16a 接続部材
17 樋

X 横方向
Y 奥行方向

20 妻面
21 出入口
22 間柱

K 締結金具
F フィルム材

30,50 内部構造体
31 側面支柱
32 連棟間支柱
32a 連結用筒部
33 桁材
34 連棟間桁材
35 屋根材
36 棟材
37 筋交い
38 筋交い
39 補強梁
39a 陸梁
39b 方づえ

J 接続金具
J1 接続金具
L L形金具
B ボルト
N ナット
W ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略アーチ状に形成された管材を奥行方向に所定間隔で複数個配置すると共に、前記各管材を桁材で連結して骨格を形成し、その上部からフィルム材を被覆して形成される農業用温室であって、
農業用温室内部に設けられる各種設備を支持すべく両妻面側内部に前記骨格と連結するとともに前記骨格内側に近接又は内接する枠状の内部構造体を備えてなることを特徴とする農業用温室。
【請求項2】
前記農業用温室は、奥行方向と直交する横方向に複数の棟を接続する連棟式の農業用温室であって、
前記複数の棟間に配置し奥行方向に延設する前記内部構造体の桁材と、前記農業用温室の屋根材とを連結してなることを特徴とする請求項1に記載の農業用温室。
【請求項3】
前記内部構造体の桁材を支持する連棟間支柱は、前記複数の棟間の移動ができる所定間隔に配設されることを特徴とする請求項2に記載の農業用温室。
【請求項4】
前記農業用温室は、単棟式の農業用温室であって、
前記農業用温室の側面において、前記内部構造体の桁材と接続部材を介して、前記農業用温室と前記内部構造体とが連結してなることを特徴とする請求項1に記載の農業用温室。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−75160(P2010−75160A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−250112(P2008−250112)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 〔博覧会名〕 アグロ・イノベーション2008〔主催者名〕 社団法人日本能率協会〔開催日〕 平成20年7月16日から18日
【出願人】(305024008)サンキンB&G株式会社 (13)
【Fターム(参考)】