内部空洞型食パンの製法、この製法で作られる内部空洞型食パン及びこの製法に使用する内部空洞型食パン製造器
【課題】パン空洞形成体を利用して食パンの内部に各種の具やソース等を挿入する均一で奥行きのある空洞をパンの直径に影響されることなく、しかも手間を掛けずに容易に形成することのできる内部空洞型食パンの製法、この製法で作られる内部空洞型食パン及びこの製法に使用する内部空洞型食パン製造器を提供する。
【解決手段】パン空洞形成体6の外表面にパン生地2を取り付け、パン空洞形成体6に取り付けられたパン生地2を焼き上げ、焼き上げ後にパン空洞形成体6の外表面のパンの一部を切ってパン空洞形成体6の外表面からパンを取り外すことにより、内部に空洞1aを形成した内部空洞型パン1を製造する。
【解決手段】パン空洞形成体6の外表面にパン生地2を取り付け、パン空洞形成体6に取り付けられたパン生地2を焼き上げ、焼き上げ後にパン空洞形成体6の外表面のパンの一部を切ってパン空洞形成体6の外表面からパンを取り外すことにより、内部に空洞1aを形成した内部空洞型パン1を製造する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食パンに関するものであり、特に、パンの内部に空洞を作る事によって、後で色々と加工した複数の具や生野菜やソース等をその空洞に挿入し、その空洞の開口部をパンで作った栓で塞いで、具やソース等がこぼれないように、持ち運びを容易にできるようにした内部空洞型食パンの製法、この製法で作られる内部空洞型食パン及びこの製法に使用する内部空洞型食パン製造器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、横長なパンを長さ方向に切って、割れ目に具を入れたり挟んだりしていたが、食べる時こぼしたり、手を汚したり、途中の食べ残しの一時保管等が、困難な事や、熱に弱い具又熱で味が変わる具等、品数多く量的にもたくさん挿入する事ができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のあんパンやカレーパンのように、熱に強い具は、最初よりパン生地に包んで焼けるが、逆に熱に弱い具やソース、また味に変化が起きやすい具や、ソース等はそれができない。さらに、従来のパンのように、長さ方向に切って、その割れ目に具やソースを入れて、食べていたが、食べる時、口の横よりこぼれたり、手も汚れやすく、又、ピクニック等の持参時にはその挟むパンの具や、ソースなどがこぼれるという不都合さがあった。
【0004】
この打開案として、食パンの内部をくり抜いて空洞を形成することが考えられるが、食パンの外径が小さいときには奥行きが十分にある空洞を作るのは難しく、又職人の技量に大きく左右され、更に同一の職人でも食パン毎に空洞の内径や奥行きが異なり均一な空洞を作り続けることは困難である。
しかも、焼き上がった後の食パンの内部をくり抜いて空洞を形成する場合、食パンの内部のパン屑が多量に発生し、パン屑の処分が面倒であり、又パン屑の発生量だけ余分にパン生地が必要となり、その分原料コストがアップするという問題がある。
さらに、食パンの内部をくり抜く作業は手間と時間も掛かって面倒であり、その分作業コストがアップするという問題もある。
【0005】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、パン空洞形成体を利用して食パンの内部に各種の具やソース等を挿入する均一で奥行きのある空洞をパンの直径に影響されることなく、しかも手間を掛けずに容易に形成することのできる内部空洞型食パンの製法、この製法で作られる内部空洞型食パン及びこの製法に使用する内部空洞型食パン製造器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、パン空洞形成体の外表面にパン生地を取り付け、パン空洞形成体に取り付けられたパン生地を焼き上げ、焼き上げ後にパン空洞形成体の外表面のパンの一部を切ってパン空洞形成体の外表面からパンを取り外すことにより、内部に空洞を形成した内部空洞型パンを製造する手段よりなるものである。
【0007】
また、請求項2の発明は、剥離剤が塗布されたパン空洞形成体の外表面にこれを覆うようにパン生地を取り付け、パン生地で覆われたパン空洞形成体を連結部材を介して空中に浮いた位置で支持盤に支持させ、空中に浮いた位置で支持盤に支持されるパン空洞形成体の外表面に取り付けられたパン生地を焼き上げ、焼き上げ後にパン空洞形成体の端部側の外表面のパンをその側周回りに切ってパン空洞形成体の外表面からパンを取り外すことにより、内部に空洞を形成した内部空洞型パンを製造する手段よりなるものである。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の製法で作られ、パン空洞形成体の外形に対応する形状の空洞が内部に形成された内部空洞型パンよりなるものである。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項3において、一端に空洞の開口部を有するパン本体と、パンで作られ該空洞の開口部を塞ぐパン栓とからなる手段よりなるものである。
【0010】
また、請求項5の発明は、パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、該パン空洞形成体を支持する支持盤と、該パン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、パン空洞形成体の端部に連結部材の一端側を連結し、連結部材の他端側をパン生地が取り付けられたパン空洞形成体が空中に浮いた位置で支持盤に支持されるように当該支持盤に連結した手段よりなるものである。
【0011】
また、請求項6の発明は、パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、転倒防止用の台座及び該台座の端部に上向きに取り付けられる連結受板から構成される支持盤と、パン空洞形成体の端部に一端側が連結される連結棒及び該連結棒の他端側が連結される係止板から構成されパン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、支持盤の連結受板の側面にパン空洞形成体が空中に浮いた位置に連結部材の係止板が係止される係止溝を形成し、パン生地が取り付けられたパン空洞形成体を空中に浮いた位置に連結部材を介して支持盤に支持させる手段よりなるものである。
【0012】
また、請求項7の発明は、パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、転倒防止用の台座及び該台座の端部に上向きに取り付けられる連結受板から構成される支持盤と、パン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、パン空洞形成体の端部に連結部材の一端側が挿入される挿入穴を形成し、連結受板の側面にパン空洞形成体が空中に浮いた位置に連結部材の他端側を固設し、パン生地が取り付けられたパン空洞形成体を空中に浮いた位置に連結部材を介して支持盤に支持させる手段よりなるものである。
【発明の効果】
【0013】
以上の記載より明らかなように、この発明によれば、パン空洞形成体を利用して食パンの内部に空洞を形成するので、食パンの外径が小さくても奥行きが十分にある空洞を作ることができ、しかも職人の技量に左右されることなく、内径や奥行きが均一な空洞を有する食パンを作ることができる。
しかも、焼き上がった後の食パンの内部をくり抜いて空洞を形成するものと異なり、食パンの内部のパン屑が発生することもなく、従ってパン屑の処分の必要もなく、又パン屑の発生量だけ余分にパン生地が必要となることもなく、原料コストがアップすることもない。さらに、食パンの内部をくり抜く作業を不要にでき、これにかかる手間と時間を省略でき、これに起因する作業コストがアップすることもない。
【0014】
また、パン生地が取り付けられたパン空洞形成体を空中に浮いた位置に支持することにより、パン生地の一部が底面に着くことがなく、パン全体を丸みをおびた位置で焼き上げることが可能となり、焼き上がったパンの表面の一部に底面の跡などがつくのを防ぐことができ、パンの外形を好みの形状に仕上げることもできる。
【0015】
この発明により、持ち歩きの時等、具やソースがこぼれず、又食べる時手が汚れず、そして食べる時は、口の横よりこぼれにくく、熱に弱い具や、熱で味が変わりやすい具や、ソース等は、本発明のパンでは、出来上がったパンが冷めた後に、具やソースを挿入するため、熱に関しては殆ど間題ない。また、パンの片側が、塞がった竹輪の様に、空洞になっているため、色々な複数の具や、ソースを多く挿入する事が出来る。しかも挿入した後は、残りの切れ端のパンで栓としたり、或いは別途栓となるための大きさでパンを作って栓として使用するため、挿入した内部の具が漏れたりすることがなく、このため、持ち歩き移動などに支障をきすことがなく、その取り扱いが便利である等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に記載の発明を実施するための最良の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0017】
内部空洞型食パン1は、内部に例えば、揚げ物、焼き物、煮物、炒め物、蒸し物、肉類、魚類、果実類、生野菜類などの各種の食材の具やソース類をトッピングして挿入できる空洞1aが形成された食パンである。内部空洞型食パン1は、窯でパン生地を焼きあげる最中に同時に内部に空洞1aが形成されるものであり、焼き上がった後に食パンの内部をくり抜いて空洞を形成するものとは異なる。
【0018】
内部空洞型食パン製造器5は、内部に空洞1aが形成された食パンである内部空洞型食パン1を製造する場合に使用される器具であって、パン生地2がその外表面を覆うように例えば巻き付けられるパン空洞形成体6、パン空洞形成体6を空中に浮いた位置で支持する支持盤7、パン空洞形成体6を空中に浮いた位置で支持盤7に連結させる連結部材8などから構成されている。
【0019】
パン空洞形成体6は、パン生地2がその外表面に例えば巻き付けられて取り付けられて窯の中で焼かれ、その後パンの内部から取り外すことで、内部空洞型食パン1の内部に各種の食材の具やソースなどをトッピングして挿入できる空洞1aを形成するもので、直径に比べて長さの長い横長な外形を有し、その長さ方向の両端側は丸みをおびた形状に形成されている。また、その断面は例えば円形断面になっているが、図19〜図25に示すように例えば角形断面でもよい。
【0020】
パン空洞形成体6の材質には木製が使用されている。木製の場合、金属製と異なり窯の中で内部空洞型食パン1を焼き上げている最中に加熱してパン内部を焦がしてしまうおそれがないからである。また、パン空洞形成体6の材質がプラスチック製の場合には、内部空洞型食パン1を焼き上げている最中に、その熱で溶けるおそれがあるからである。
【0021】
パン空洞形成体6の外表面の一部には目印突起片61が突設されている。目印突起片61は、パン空洞形成体6に巻かれて焼き上がった内部空洞型食パン1を切断する場合に、内部の空洞1aが形成された範囲内でパンを確実に切断して、切り口に内部の空洞1aが現れるようにするための目印で、連結部材8の連結棒81が連結される側の端部近くのパン空洞形成体6の外表面の側周回りの同じ位置の例えば2ヶ所に形成されている。
【0022】
後記の連結部材8の連結棒81の一端側が連結されるパン空洞形成体6の端部には、連結棒81の一端側が挿入される挿入穴62が形成されている。連結棒81の一端側をこの挿入穴62に挿入することで、パン空洞形成体6は連結部材8の連結棒81の一端側に連結されることになる。
【0023】
支持盤7は、内部空洞型食パン1を窯の中で焼き上げる場合に、パン生地2が巻かれたパン空洞形成体6を連結部材8を介して空中に浮いた位置に支持するものである。連結部材8と支持盤7を使用することにより、内部空洞型食パン1を空中に浮いた位置で焼くことができ、パン全体を丸みをおびた位置で焼き上げることが可能となる。
【0024】
即ち、従来はパン生地2を窯の中の平坦な台の上に置いて焼く必要があるため、食パンの底面部分が一部平坦になって、全体を均一な丸みをおびた形に焼き上げることが困難であったのに対し、本発明では、パン空洞形成体6、支持盤7及び連結部材8の使用により、断面が円形の内部空洞型食パン1を焼き上げることが可能となる。
【0025】
支持盤7は、転倒防止用の台座71と台座71の端部に垂直に上向きに取り付けられた連結受板72から構成されている。支持盤7は側面からみて、底辺側の台座71が横長なL字型の形状になっている。支持盤7は窯の中に設置されて使用されるために、支持盤7を構成する台座71及び連結受板72には熱に強い金属製の材質が用いられる。
【0026】
台座71は、連結受板72に連結部材8を介してパン生地2が例えば巻き付けられて取り付けられたパン空洞形成体6を連結したときに、窯の中の台の上に載せられてパン生地2が巻かれたパン空洞形成体6が転倒しないように支持盤7を支持するもので、パン空洞形成体6の取り付け方向と同じ方向に横長な長方形状の金属製の板材から構成されている。窯の中の台の上に直接載る台座71の裏面側は平坦面に形成されている。
【0027】
連結受板72はその側面に、後記の連結部材8の係止板82が係止されたり、或いは係止板82を使用しない場合には連結部材8の連結棒81の端部が固定される。係止板82が係止されたり、或いは連結棒81のみからなる連結部材8の端部が固定される連結受板72の側面72aは、台座71が延びる方向に向いて臨んでいる。
【0028】
このため、連結部材8を介して支持盤7の連結受板72に連結されるパン空洞形成体6は、台座71の上方に台座71の延びる方向と同じ方向に取り付けることになり、側面からみるとコ字状となり、パン生地2が例えば巻いて取り付けられたパン空洞形成体6を空中に浮いた位置で支持する支持盤7は転倒しにくい状態になる。
【0029】
連結受板72の側面72aに連結部材8の係止板82が係止される構造の場合には、連結受板72の側面72aには係止板82を係止するための係止溝72bが側面72aに形成されている。図面では係止溝72bは、例えば連結受板72の側面72aの上端から下向きに形成されていて、上端から係止板82を下向きに挿入して係止する構造になっているが、左側又は右側の側端から中央向きに形成されていてもよい。
【0030】
例えば下向きに形成された係止溝72bの内部の溝幅は、挿入して係止される係止板82の板幅より少し幅広に形成されている。また、連結受板72の側面72aの表面側には連結棒81が突出するための開口溝72cが上端から下向きに形成されている。開口溝72cの溝幅は係止溝72bの溝幅及び係止板82の板幅より狭く且つ連結棒81の直径よりも大きい。
【0031】
連結部材8はパン生地2が巻かれたパン空洞形成体6を空中に浮いた位置に支持盤7に連結するものである。連結部材8は、パン空洞形成体6に連結された連結棒81と支持盤7側に係止される係止板82とから構成される場合と、図7に示すように連結棒81のみで構成される場合がある。連結部材8は窯の中に設置されて使用されるために、連結部材8を構成する連結棒81や係止板82には熱に強い金属製の材質が用いられる。
【0032】
連結部材8の連結棒81は、通常その一端側がパン空洞形成体6の一方の端部に形成された前記の挿入穴62に挿入して着脱自在に連結されているが、この場合において、連結部材8の連結棒81の他端側が連結受板72の側面72aに固設されてなく着脱自在に係止される構造になっているときには、連結棒81の一端側はパン空洞形成体6の挿入穴62に挿入固定されて連結されている場合もある。
【0033】
連結部材8が係止板82を有する場合は、連結棒81の他端側は係止板82に着脱自在に連結されている。連結棒81には例えば金属製の丸棒が使用され、図面では、連結棒81の他端側の側周面には係止板82に着脱自在に連結されるための螺旋状のネジ山81aが形成されている。
【0034】
これに対して、図7に示すように連結部材8が連結棒81のみから構成される場合には、連結棒81の他端側は連結受板72の側面72aに溶接などにより固設されている。連結受板72の側面72aへの連結棒81の固設位置の高さは、連結棒81を介して連結されるパン空洞形成体6の外表面に巻き付けられるパン生地2が焼き上げによって膨張してもその下方に配置された台座71に接触しないだけの隙間を有する高さである。
【0035】
連結棒81の他端側が着脱自在に連結される係止板82は、パン生地2が巻かれたパン空洞形成体6が連結棒81を介して連結された状態で支持盤7の連結受板72の係止溝72bに係止されるもので、例えば四角形の金属製板から構成され、その中央部分には連結棒81のネジ山81aが螺入されるネジ穴82aが形成されている。
【0036】
連結棒81の他端側のネジ山81aが係止板82のネジ穴82aに螺入されることで、連結棒81の他端側は係止板82に連結される。なお、図面では連結部材8の連結棒81と係止板82はネジ山81aとネジ穴82aによって着脱自在であるが、図4に示すようにネジ山81aとネジ穴82aを省略して連結棒81の他端側を係止板82に溶接などにより直接固設した一体型の構造にしてもよい。
【0037】
次に、上記の内部空洞型食パン製造器を用いた内部空洞型食パンの製法について以下説明する。
内部空洞型食パン製造器5を構成するパン空洞形成体6の外表面の全域にこれを覆うようにしてパン生地2を例えば巻き付けながら取り付ける。パン生地2をパン空洞形成体6の外表面に巻き付ける場合には、パン空洞形成体6に突設された目印突起片61が隠れないように巻き付けながら取り付ける。
【0038】
また、このパン生地2をパン空洞形成体6の外表面に取り付ける前に、パン空洞形成体6の外表面の全域に剥離剤としての例えば食用油を予め塗布しておく。剥離剤を塗布しておくことにより、パン空洞形成体6の外表面から焼き上がった内部空洞型食パン1を取り外す場合に、スムーズに取り外すことができる。
【0039】
このようにして、パン空洞形成体6の外表面に例えば巻き付けながらパン生地2を取り付けた後、連結部材8の連結棒81の他端側に係止板82が取り付けられたタイプの内部空洞型食パン製造器5を使用する場合には、外表面にパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6の端部の挿入穴62に、係止板82が他端側に取り付けられた連結棒81の一端側を差し込んで連結する。パン空洞形成体6に連結した連結部材8の係止板82を、支持盤7の連結受板72の側面72aに近づけ、側面72aに形成された係止溝72bにその上方から差し込んで連結する。
【0040】
また、連結部材8の連結棒81の他端側が支持盤7の連結受板72の側面72aに固設されたタイプの内部空洞型食パン製造器5を使用する場合には、外表面にパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6の端部の挿入穴62を、支持盤7の連結受板72の側面72aに他端側が固設された連結部材8の連結棒81の一端側に近づけ、その連結棒81の一端側にパン空洞形成体6の挿入穴62を嵌め込んで連結する。
【0041】
このような簡単な作業により、外表面にパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6は、支持盤7の連結受板72に連結部材8を介して連結されるが、この場合、パン空洞形成体6は台座71に上向きに取り付けられた連結受板72に対して略直角な例えば水平状態に取り付けられることになる。
【0042】
つまり、外表面にパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6は、台座71の上方に隙間をあけて台座71に略平行な例えば水平状態に取り付けられる。これにより、外表面にパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6を支持盤7に連結部材8を介して空中に浮いた位置で支持されることになる。
【0043】
支持盤7に連結部材8を介して空中に浮いた位置に支持されたパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6を窯の中に入れてパンを焼く。支持盤7及び連結部材8は熱に強い金属製の材料を使用しているため、パンを焼く場合に支障はない。
【0044】
一定時間経過してパンが焼き上がると、焼き上がったパンを窯から取り出す。このとき、支持盤7も含めて同時に窯から取り出したり、或いは連結部材8が連結された状態で出したり、支持盤7及び連結部材8から外した状態で取り出す。取り出されたパンはその内部にパン空洞形成体6を有しているので、これを取り外す必要がある。
【0045】
パン空洞形成体6の端部側のパンの表面から一部突出する目印突起片61を基準にして、パン空洞形成体6の側周面回り(図8〜図11のE−F線参照)に内部空洞型食パン1を切り、パン空洞形成体6の長さ方向に内部空洞型食パン1を引っ張ると、パン空洞形成体6の外表面と内部空洞型食パン1の空洞1aの内周面との間には予め塗布していた剥離剤の働きにより、内部空洞型食パン1の空洞1aの内周面はパン空洞形成体6の外表面にくっつくことがなく、パン空洞形成体6の外表面から内部空洞型食パン1を簡単に取り外すことができる。
【0046】
パン空洞形成体6を内部に有する焼き上がった内部空洞型食パン1はパン空洞形成体6の端部側で切断されるため、パン空洞形成体6の外表面から取り外された内部空洞型食パン1つまり内部のパン空洞形成体6が相対的に抜き出されてパンの内部にパン空洞形成体6の外形に対応する空洞1aが形成された内部空洞型食パン1は、長さの長いパン本体11側と長さの短いパン切れ端12側に2分割される。
【0047】
長さの長いパン本体11側の内部には奥行きが十分にある空洞1aが形成されており、又その切断位置(E−F線参照)の切断面には内部の空洞1aに通じる開口部11aが形成され、これと反対側の空洞奥側は塞がれている。このため、パン本体11側の内部の空洞1aに各種の食材の具やソースなどを開口部11aから入れたとき、その奥側から具やソースなどの一部が漏れ出ることはない。
【0048】
長さの短いパン切れ端12側はパン本体11側の切断面に形成された開口部11aを塞ぐパン栓13として利用される。パン切れ端12側はそのままではパン栓13にならないため、例えばパン切れ端12側の切断面の穴12aの周縁側12bを中央部に寄せ集めて、空洞1aの開口部11aに挿入されて塞がる程度の大きさの中央突蓋部12cに形成する。
【0049】
或いは、パン本体11側の切断面に形成された開口部11aの直径と同程度の直径の例えば円柱形の封入体12dをパンで作り、封入体12dのパンの一方の端部をパン切れ端12側の中央に形成されている穴12aに押し込んで、パン切れ端12と封入体12dのパンからパン栓13を作る。
【0050】
このようにしてパン切れ端12側を利用してパン栓13を作り、パン本体11側の内部の空洞1aに各種の食材の具やソースを入れた後、このパン切れ端12側を利用したパン栓13でパン本体11側の開口部11aに栓をすることにより、内部の空洞1aに入れた食材の具やソースなどが持ち運び中に開口部11aから漏れ出すことを防ぐことが可能となる。
【0051】
なお、この発明は上記発明を実施するための最良の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明を実施するための最良の形態を示すパン空洞形成体の側面図である。
【図2】この発明を実施するための最良の形態を示す連結部材を付けたパン空洞形成体にパン生地を巻き付けた側面図である。
【図3】図2の先端側の部分拡大分解側面図である。
【図4】図2の先端側の他例の部分拡大側面図である。
【図5】この発明を実施するための最良の形態を示す連結部材を付けたパン空洞形成体にパン生地を巻き付けたものを支持盤に固定した側面図である。
【図6】この発明を実施するための最良の形態を示す連結部材を付けたパン空洞形成体にパン生地を巻き付けたものを支持盤に係止した斜視図である。
【図7】この発明を実施するための最良の形態を示すパン生地を巻き付けたパン空洞形成体の連結部材の連結棒を支持盤に固定した斜視図である。
【図8】この発明を実施するための最良の形態を示す支持盤に係止されパン空洞形成体に巻き付けて焼き終わった後のパンの切断位置E−Fを示した斜視図である。
【図9】この発明を実施するための最良の形態を示す連結部材を付けたパン空洞形成体に巻き付けて焼き終わった後のパンの切断位置E−Fを示した側面図である。
【図10】この発明を実施するための最良の形態を示すパン空洞形成体に巻き付けて焼き終わった後のパンの切断位置E−Fを示した側面図である。
【図11】この発明を実施するための最良の形態を示すパン空洞形成体を抜き取った後のパンの切断位置E−Fを示した側面図である。
【図12】(A)(B)はこの発明を実施するための最良の形態を示す切断位置E−Fで切断後のパンの端面図である。
【図13】この発明を実施するための最良の形態を示す切断位置E−Fで切断後のパンの斜視図である。
【図14】この発明を実施するための最良の形態を示す切断後のパン栓側となるパンの側面図である。
【図15】この発明を実施するための最良の形態を示す切断後のパン栓側となるパンとパン本体側となるパンの斜視図である。
【図16】この発明を実施するための最良の形態を示す切断後パン栓側となるパンをパン本体側となるパンに封入体をした側面図である。
【図17】この発明を実施するための最良の形態を示すもので、(A)は別途栓の封入体になるパンの側断面図、(B)は別途栓の封入体になるパンの断面図、(C)は別途栓の封入体になるパンの側断面図である。
【図18】図17の別途栓の封入体になるパンを使ってパン栓側となるパンをパン本体側となるパンに栓をした側面図である。
【図19】この発明を実施するための他の最良の形態を示すもので、(A)はパン空洞形成体を抜き取った後の外形が四角で前後上下がほぼ同じパンの切断位置E−Fを示した側面図、(B)は同図(A)の切断位置で切断後のパンの端面図である。
【図20】この発明を実施するための他の最良の形態を示すもので、(A)(B)は図19の切断位置E−Fで切断後のパンの端面図である。
【図21】この発明を実施するための他の最良の形態を示す切断後のパン栓側となる外形が四角で前後上下がほぼ同じパンの側面図である。
【図22】この発明を実施するための他の最良の形態を示す切断後のパン栓側となる外形が四角で前後上下がほぼ同じパンとパン本体側となる同パンの斜視図である。
【図23】この発明を実施するための他の最良の形態を示す切断後のパン栓側となる外形が四角で前後上下がほぼ同じパンをパン本体側となる同パンに栓をした側面図である。
【図24】この発明を実施するための他の最良の形態を示すもので、(A)は別途栓の封入体になるパンの側断面図、(B)は別途栓の封入体になるパンの断面図、(C)は別途栓の封入体になるパンの側断面図である。
【図25】図24の別途栓の封入体になるパンを使ってパン栓側となる外形が四角で前後上下がほぼ同じパンをパン本体側となる同パンに栓をした側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 内部空洞型食パン
1a 空洞
11 パン本体
11a 開口部
12 パン切れ端
12a 穴
12b 周縁側
12c 中央突蓋部
12d 封入体
13 パン栓
2 パン生地
5 内部空洞型食パン製造器
6 パン空洞形成体
61 目印突起片
62 挿入穴
7 支持盤
71 台座
72 連結受板
72a 側面
72b 係止溝
72c 開口溝
8 連結部材
81 連結棒
81a ネジ山
82 係止板
82a ネジ穴
【技術分野】
【0001】
この発明は、食パンに関するものであり、特に、パンの内部に空洞を作る事によって、後で色々と加工した複数の具や生野菜やソース等をその空洞に挿入し、その空洞の開口部をパンで作った栓で塞いで、具やソース等がこぼれないように、持ち運びを容易にできるようにした内部空洞型食パンの製法、この製法で作られる内部空洞型食パン及びこの製法に使用する内部空洞型食パン製造器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、横長なパンを長さ方向に切って、割れ目に具を入れたり挟んだりしていたが、食べる時こぼしたり、手を汚したり、途中の食べ残しの一時保管等が、困難な事や、熱に弱い具又熱で味が変わる具等、品数多く量的にもたくさん挿入する事ができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のあんパンやカレーパンのように、熱に強い具は、最初よりパン生地に包んで焼けるが、逆に熱に弱い具やソース、また味に変化が起きやすい具や、ソース等はそれができない。さらに、従来のパンのように、長さ方向に切って、その割れ目に具やソースを入れて、食べていたが、食べる時、口の横よりこぼれたり、手も汚れやすく、又、ピクニック等の持参時にはその挟むパンの具や、ソースなどがこぼれるという不都合さがあった。
【0004】
この打開案として、食パンの内部をくり抜いて空洞を形成することが考えられるが、食パンの外径が小さいときには奥行きが十分にある空洞を作るのは難しく、又職人の技量に大きく左右され、更に同一の職人でも食パン毎に空洞の内径や奥行きが異なり均一な空洞を作り続けることは困難である。
しかも、焼き上がった後の食パンの内部をくり抜いて空洞を形成する場合、食パンの内部のパン屑が多量に発生し、パン屑の処分が面倒であり、又パン屑の発生量だけ余分にパン生地が必要となり、その分原料コストがアップするという問題がある。
さらに、食パンの内部をくり抜く作業は手間と時間も掛かって面倒であり、その分作業コストがアップするという問題もある。
【0005】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、パン空洞形成体を利用して食パンの内部に各種の具やソース等を挿入する均一で奥行きのある空洞をパンの直径に影響されることなく、しかも手間を掛けずに容易に形成することのできる内部空洞型食パンの製法、この製法で作られる内部空洞型食パン及びこの製法に使用する内部空洞型食パン製造器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、パン空洞形成体の外表面にパン生地を取り付け、パン空洞形成体に取り付けられたパン生地を焼き上げ、焼き上げ後にパン空洞形成体の外表面のパンの一部を切ってパン空洞形成体の外表面からパンを取り外すことにより、内部に空洞を形成した内部空洞型パンを製造する手段よりなるものである。
【0007】
また、請求項2の発明は、剥離剤が塗布されたパン空洞形成体の外表面にこれを覆うようにパン生地を取り付け、パン生地で覆われたパン空洞形成体を連結部材を介して空中に浮いた位置で支持盤に支持させ、空中に浮いた位置で支持盤に支持されるパン空洞形成体の外表面に取り付けられたパン生地を焼き上げ、焼き上げ後にパン空洞形成体の端部側の外表面のパンをその側周回りに切ってパン空洞形成体の外表面からパンを取り外すことにより、内部に空洞を形成した内部空洞型パンを製造する手段よりなるものである。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の製法で作られ、パン空洞形成体の外形に対応する形状の空洞が内部に形成された内部空洞型パンよりなるものである。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項3において、一端に空洞の開口部を有するパン本体と、パンで作られ該空洞の開口部を塞ぐパン栓とからなる手段よりなるものである。
【0010】
また、請求項5の発明は、パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、該パン空洞形成体を支持する支持盤と、該パン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、パン空洞形成体の端部に連結部材の一端側を連結し、連結部材の他端側をパン生地が取り付けられたパン空洞形成体が空中に浮いた位置で支持盤に支持されるように当該支持盤に連結した手段よりなるものである。
【0011】
また、請求項6の発明は、パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、転倒防止用の台座及び該台座の端部に上向きに取り付けられる連結受板から構成される支持盤と、パン空洞形成体の端部に一端側が連結される連結棒及び該連結棒の他端側が連結される係止板から構成されパン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、支持盤の連結受板の側面にパン空洞形成体が空中に浮いた位置に連結部材の係止板が係止される係止溝を形成し、パン生地が取り付けられたパン空洞形成体を空中に浮いた位置に連結部材を介して支持盤に支持させる手段よりなるものである。
【0012】
また、請求項7の発明は、パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、転倒防止用の台座及び該台座の端部に上向きに取り付けられる連結受板から構成される支持盤と、パン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、パン空洞形成体の端部に連結部材の一端側が挿入される挿入穴を形成し、連結受板の側面にパン空洞形成体が空中に浮いた位置に連結部材の他端側を固設し、パン生地が取り付けられたパン空洞形成体を空中に浮いた位置に連結部材を介して支持盤に支持させる手段よりなるものである。
【発明の効果】
【0013】
以上の記載より明らかなように、この発明によれば、パン空洞形成体を利用して食パンの内部に空洞を形成するので、食パンの外径が小さくても奥行きが十分にある空洞を作ることができ、しかも職人の技量に左右されることなく、内径や奥行きが均一な空洞を有する食パンを作ることができる。
しかも、焼き上がった後の食パンの内部をくり抜いて空洞を形成するものと異なり、食パンの内部のパン屑が発生することもなく、従ってパン屑の処分の必要もなく、又パン屑の発生量だけ余分にパン生地が必要となることもなく、原料コストがアップすることもない。さらに、食パンの内部をくり抜く作業を不要にでき、これにかかる手間と時間を省略でき、これに起因する作業コストがアップすることもない。
【0014】
また、パン生地が取り付けられたパン空洞形成体を空中に浮いた位置に支持することにより、パン生地の一部が底面に着くことがなく、パン全体を丸みをおびた位置で焼き上げることが可能となり、焼き上がったパンの表面の一部に底面の跡などがつくのを防ぐことができ、パンの外形を好みの形状に仕上げることもできる。
【0015】
この発明により、持ち歩きの時等、具やソースがこぼれず、又食べる時手が汚れず、そして食べる時は、口の横よりこぼれにくく、熱に弱い具や、熱で味が変わりやすい具や、ソース等は、本発明のパンでは、出来上がったパンが冷めた後に、具やソースを挿入するため、熱に関しては殆ど間題ない。また、パンの片側が、塞がった竹輪の様に、空洞になっているため、色々な複数の具や、ソースを多く挿入する事が出来る。しかも挿入した後は、残りの切れ端のパンで栓としたり、或いは別途栓となるための大きさでパンを作って栓として使用するため、挿入した内部の具が漏れたりすることがなく、このため、持ち歩き移動などに支障をきすことがなく、その取り扱いが便利である等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に記載の発明を実施するための最良の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0017】
内部空洞型食パン1は、内部に例えば、揚げ物、焼き物、煮物、炒め物、蒸し物、肉類、魚類、果実類、生野菜類などの各種の食材の具やソース類をトッピングして挿入できる空洞1aが形成された食パンである。内部空洞型食パン1は、窯でパン生地を焼きあげる最中に同時に内部に空洞1aが形成されるものであり、焼き上がった後に食パンの内部をくり抜いて空洞を形成するものとは異なる。
【0018】
内部空洞型食パン製造器5は、内部に空洞1aが形成された食パンである内部空洞型食パン1を製造する場合に使用される器具であって、パン生地2がその外表面を覆うように例えば巻き付けられるパン空洞形成体6、パン空洞形成体6を空中に浮いた位置で支持する支持盤7、パン空洞形成体6を空中に浮いた位置で支持盤7に連結させる連結部材8などから構成されている。
【0019】
パン空洞形成体6は、パン生地2がその外表面に例えば巻き付けられて取り付けられて窯の中で焼かれ、その後パンの内部から取り外すことで、内部空洞型食パン1の内部に各種の食材の具やソースなどをトッピングして挿入できる空洞1aを形成するもので、直径に比べて長さの長い横長な外形を有し、その長さ方向の両端側は丸みをおびた形状に形成されている。また、その断面は例えば円形断面になっているが、図19〜図25に示すように例えば角形断面でもよい。
【0020】
パン空洞形成体6の材質には木製が使用されている。木製の場合、金属製と異なり窯の中で内部空洞型食パン1を焼き上げている最中に加熱してパン内部を焦がしてしまうおそれがないからである。また、パン空洞形成体6の材質がプラスチック製の場合には、内部空洞型食パン1を焼き上げている最中に、その熱で溶けるおそれがあるからである。
【0021】
パン空洞形成体6の外表面の一部には目印突起片61が突設されている。目印突起片61は、パン空洞形成体6に巻かれて焼き上がった内部空洞型食パン1を切断する場合に、内部の空洞1aが形成された範囲内でパンを確実に切断して、切り口に内部の空洞1aが現れるようにするための目印で、連結部材8の連結棒81が連結される側の端部近くのパン空洞形成体6の外表面の側周回りの同じ位置の例えば2ヶ所に形成されている。
【0022】
後記の連結部材8の連結棒81の一端側が連結されるパン空洞形成体6の端部には、連結棒81の一端側が挿入される挿入穴62が形成されている。連結棒81の一端側をこの挿入穴62に挿入することで、パン空洞形成体6は連結部材8の連結棒81の一端側に連結されることになる。
【0023】
支持盤7は、内部空洞型食パン1を窯の中で焼き上げる場合に、パン生地2が巻かれたパン空洞形成体6を連結部材8を介して空中に浮いた位置に支持するものである。連結部材8と支持盤7を使用することにより、内部空洞型食パン1を空中に浮いた位置で焼くことができ、パン全体を丸みをおびた位置で焼き上げることが可能となる。
【0024】
即ち、従来はパン生地2を窯の中の平坦な台の上に置いて焼く必要があるため、食パンの底面部分が一部平坦になって、全体を均一な丸みをおびた形に焼き上げることが困難であったのに対し、本発明では、パン空洞形成体6、支持盤7及び連結部材8の使用により、断面が円形の内部空洞型食パン1を焼き上げることが可能となる。
【0025】
支持盤7は、転倒防止用の台座71と台座71の端部に垂直に上向きに取り付けられた連結受板72から構成されている。支持盤7は側面からみて、底辺側の台座71が横長なL字型の形状になっている。支持盤7は窯の中に設置されて使用されるために、支持盤7を構成する台座71及び連結受板72には熱に強い金属製の材質が用いられる。
【0026】
台座71は、連結受板72に連結部材8を介してパン生地2が例えば巻き付けられて取り付けられたパン空洞形成体6を連結したときに、窯の中の台の上に載せられてパン生地2が巻かれたパン空洞形成体6が転倒しないように支持盤7を支持するもので、パン空洞形成体6の取り付け方向と同じ方向に横長な長方形状の金属製の板材から構成されている。窯の中の台の上に直接載る台座71の裏面側は平坦面に形成されている。
【0027】
連結受板72はその側面に、後記の連結部材8の係止板82が係止されたり、或いは係止板82を使用しない場合には連結部材8の連結棒81の端部が固定される。係止板82が係止されたり、或いは連結棒81のみからなる連結部材8の端部が固定される連結受板72の側面72aは、台座71が延びる方向に向いて臨んでいる。
【0028】
このため、連結部材8を介して支持盤7の連結受板72に連結されるパン空洞形成体6は、台座71の上方に台座71の延びる方向と同じ方向に取り付けることになり、側面からみるとコ字状となり、パン生地2が例えば巻いて取り付けられたパン空洞形成体6を空中に浮いた位置で支持する支持盤7は転倒しにくい状態になる。
【0029】
連結受板72の側面72aに連結部材8の係止板82が係止される構造の場合には、連結受板72の側面72aには係止板82を係止するための係止溝72bが側面72aに形成されている。図面では係止溝72bは、例えば連結受板72の側面72aの上端から下向きに形成されていて、上端から係止板82を下向きに挿入して係止する構造になっているが、左側又は右側の側端から中央向きに形成されていてもよい。
【0030】
例えば下向きに形成された係止溝72bの内部の溝幅は、挿入して係止される係止板82の板幅より少し幅広に形成されている。また、連結受板72の側面72aの表面側には連結棒81が突出するための開口溝72cが上端から下向きに形成されている。開口溝72cの溝幅は係止溝72bの溝幅及び係止板82の板幅より狭く且つ連結棒81の直径よりも大きい。
【0031】
連結部材8はパン生地2が巻かれたパン空洞形成体6を空中に浮いた位置に支持盤7に連結するものである。連結部材8は、パン空洞形成体6に連結された連結棒81と支持盤7側に係止される係止板82とから構成される場合と、図7に示すように連結棒81のみで構成される場合がある。連結部材8は窯の中に設置されて使用されるために、連結部材8を構成する連結棒81や係止板82には熱に強い金属製の材質が用いられる。
【0032】
連結部材8の連結棒81は、通常その一端側がパン空洞形成体6の一方の端部に形成された前記の挿入穴62に挿入して着脱自在に連結されているが、この場合において、連結部材8の連結棒81の他端側が連結受板72の側面72aに固設されてなく着脱自在に係止される構造になっているときには、連結棒81の一端側はパン空洞形成体6の挿入穴62に挿入固定されて連結されている場合もある。
【0033】
連結部材8が係止板82を有する場合は、連結棒81の他端側は係止板82に着脱自在に連結されている。連結棒81には例えば金属製の丸棒が使用され、図面では、連結棒81の他端側の側周面には係止板82に着脱自在に連結されるための螺旋状のネジ山81aが形成されている。
【0034】
これに対して、図7に示すように連結部材8が連結棒81のみから構成される場合には、連結棒81の他端側は連結受板72の側面72aに溶接などにより固設されている。連結受板72の側面72aへの連結棒81の固設位置の高さは、連結棒81を介して連結されるパン空洞形成体6の外表面に巻き付けられるパン生地2が焼き上げによって膨張してもその下方に配置された台座71に接触しないだけの隙間を有する高さである。
【0035】
連結棒81の他端側が着脱自在に連結される係止板82は、パン生地2が巻かれたパン空洞形成体6が連結棒81を介して連結された状態で支持盤7の連結受板72の係止溝72bに係止されるもので、例えば四角形の金属製板から構成され、その中央部分には連結棒81のネジ山81aが螺入されるネジ穴82aが形成されている。
【0036】
連結棒81の他端側のネジ山81aが係止板82のネジ穴82aに螺入されることで、連結棒81の他端側は係止板82に連結される。なお、図面では連結部材8の連結棒81と係止板82はネジ山81aとネジ穴82aによって着脱自在であるが、図4に示すようにネジ山81aとネジ穴82aを省略して連結棒81の他端側を係止板82に溶接などにより直接固設した一体型の構造にしてもよい。
【0037】
次に、上記の内部空洞型食パン製造器を用いた内部空洞型食パンの製法について以下説明する。
内部空洞型食パン製造器5を構成するパン空洞形成体6の外表面の全域にこれを覆うようにしてパン生地2を例えば巻き付けながら取り付ける。パン生地2をパン空洞形成体6の外表面に巻き付ける場合には、パン空洞形成体6に突設された目印突起片61が隠れないように巻き付けながら取り付ける。
【0038】
また、このパン生地2をパン空洞形成体6の外表面に取り付ける前に、パン空洞形成体6の外表面の全域に剥離剤としての例えば食用油を予め塗布しておく。剥離剤を塗布しておくことにより、パン空洞形成体6の外表面から焼き上がった内部空洞型食パン1を取り外す場合に、スムーズに取り外すことができる。
【0039】
このようにして、パン空洞形成体6の外表面に例えば巻き付けながらパン生地2を取り付けた後、連結部材8の連結棒81の他端側に係止板82が取り付けられたタイプの内部空洞型食パン製造器5を使用する場合には、外表面にパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6の端部の挿入穴62に、係止板82が他端側に取り付けられた連結棒81の一端側を差し込んで連結する。パン空洞形成体6に連結した連結部材8の係止板82を、支持盤7の連結受板72の側面72aに近づけ、側面72aに形成された係止溝72bにその上方から差し込んで連結する。
【0040】
また、連結部材8の連結棒81の他端側が支持盤7の連結受板72の側面72aに固設されたタイプの内部空洞型食パン製造器5を使用する場合には、外表面にパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6の端部の挿入穴62を、支持盤7の連結受板72の側面72aに他端側が固設された連結部材8の連結棒81の一端側に近づけ、その連結棒81の一端側にパン空洞形成体6の挿入穴62を嵌め込んで連結する。
【0041】
このような簡単な作業により、外表面にパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6は、支持盤7の連結受板72に連結部材8を介して連結されるが、この場合、パン空洞形成体6は台座71に上向きに取り付けられた連結受板72に対して略直角な例えば水平状態に取り付けられることになる。
【0042】
つまり、外表面にパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6は、台座71の上方に隙間をあけて台座71に略平行な例えば水平状態に取り付けられる。これにより、外表面にパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6を支持盤7に連結部材8を介して空中に浮いた位置で支持されることになる。
【0043】
支持盤7に連結部材8を介して空中に浮いた位置に支持されたパン生地2が取り付けられたパン空洞形成体6を窯の中に入れてパンを焼く。支持盤7及び連結部材8は熱に強い金属製の材料を使用しているため、パンを焼く場合に支障はない。
【0044】
一定時間経過してパンが焼き上がると、焼き上がったパンを窯から取り出す。このとき、支持盤7も含めて同時に窯から取り出したり、或いは連結部材8が連結された状態で出したり、支持盤7及び連結部材8から外した状態で取り出す。取り出されたパンはその内部にパン空洞形成体6を有しているので、これを取り外す必要がある。
【0045】
パン空洞形成体6の端部側のパンの表面から一部突出する目印突起片61を基準にして、パン空洞形成体6の側周面回り(図8〜図11のE−F線参照)に内部空洞型食パン1を切り、パン空洞形成体6の長さ方向に内部空洞型食パン1を引っ張ると、パン空洞形成体6の外表面と内部空洞型食パン1の空洞1aの内周面との間には予め塗布していた剥離剤の働きにより、内部空洞型食パン1の空洞1aの内周面はパン空洞形成体6の外表面にくっつくことがなく、パン空洞形成体6の外表面から内部空洞型食パン1を簡単に取り外すことができる。
【0046】
パン空洞形成体6を内部に有する焼き上がった内部空洞型食パン1はパン空洞形成体6の端部側で切断されるため、パン空洞形成体6の外表面から取り外された内部空洞型食パン1つまり内部のパン空洞形成体6が相対的に抜き出されてパンの内部にパン空洞形成体6の外形に対応する空洞1aが形成された内部空洞型食パン1は、長さの長いパン本体11側と長さの短いパン切れ端12側に2分割される。
【0047】
長さの長いパン本体11側の内部には奥行きが十分にある空洞1aが形成されており、又その切断位置(E−F線参照)の切断面には内部の空洞1aに通じる開口部11aが形成され、これと反対側の空洞奥側は塞がれている。このため、パン本体11側の内部の空洞1aに各種の食材の具やソースなどを開口部11aから入れたとき、その奥側から具やソースなどの一部が漏れ出ることはない。
【0048】
長さの短いパン切れ端12側はパン本体11側の切断面に形成された開口部11aを塞ぐパン栓13として利用される。パン切れ端12側はそのままではパン栓13にならないため、例えばパン切れ端12側の切断面の穴12aの周縁側12bを中央部に寄せ集めて、空洞1aの開口部11aに挿入されて塞がる程度の大きさの中央突蓋部12cに形成する。
【0049】
或いは、パン本体11側の切断面に形成された開口部11aの直径と同程度の直径の例えば円柱形の封入体12dをパンで作り、封入体12dのパンの一方の端部をパン切れ端12側の中央に形成されている穴12aに押し込んで、パン切れ端12と封入体12dのパンからパン栓13を作る。
【0050】
このようにしてパン切れ端12側を利用してパン栓13を作り、パン本体11側の内部の空洞1aに各種の食材の具やソースを入れた後、このパン切れ端12側を利用したパン栓13でパン本体11側の開口部11aに栓をすることにより、内部の空洞1aに入れた食材の具やソースなどが持ち運び中に開口部11aから漏れ出すことを防ぐことが可能となる。
【0051】
なお、この発明は上記発明を実施するための最良の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明を実施するための最良の形態を示すパン空洞形成体の側面図である。
【図2】この発明を実施するための最良の形態を示す連結部材を付けたパン空洞形成体にパン生地を巻き付けた側面図である。
【図3】図2の先端側の部分拡大分解側面図である。
【図4】図2の先端側の他例の部分拡大側面図である。
【図5】この発明を実施するための最良の形態を示す連結部材を付けたパン空洞形成体にパン生地を巻き付けたものを支持盤に固定した側面図である。
【図6】この発明を実施するための最良の形態を示す連結部材を付けたパン空洞形成体にパン生地を巻き付けたものを支持盤に係止した斜視図である。
【図7】この発明を実施するための最良の形態を示すパン生地を巻き付けたパン空洞形成体の連結部材の連結棒を支持盤に固定した斜視図である。
【図8】この発明を実施するための最良の形態を示す支持盤に係止されパン空洞形成体に巻き付けて焼き終わった後のパンの切断位置E−Fを示した斜視図である。
【図9】この発明を実施するための最良の形態を示す連結部材を付けたパン空洞形成体に巻き付けて焼き終わった後のパンの切断位置E−Fを示した側面図である。
【図10】この発明を実施するための最良の形態を示すパン空洞形成体に巻き付けて焼き終わった後のパンの切断位置E−Fを示した側面図である。
【図11】この発明を実施するための最良の形態を示すパン空洞形成体を抜き取った後のパンの切断位置E−Fを示した側面図である。
【図12】(A)(B)はこの発明を実施するための最良の形態を示す切断位置E−Fで切断後のパンの端面図である。
【図13】この発明を実施するための最良の形態を示す切断位置E−Fで切断後のパンの斜視図である。
【図14】この発明を実施するための最良の形態を示す切断後のパン栓側となるパンの側面図である。
【図15】この発明を実施するための最良の形態を示す切断後のパン栓側となるパンとパン本体側となるパンの斜視図である。
【図16】この発明を実施するための最良の形態を示す切断後パン栓側となるパンをパン本体側となるパンに封入体をした側面図である。
【図17】この発明を実施するための最良の形態を示すもので、(A)は別途栓の封入体になるパンの側断面図、(B)は別途栓の封入体になるパンの断面図、(C)は別途栓の封入体になるパンの側断面図である。
【図18】図17の別途栓の封入体になるパンを使ってパン栓側となるパンをパン本体側となるパンに栓をした側面図である。
【図19】この発明を実施するための他の最良の形態を示すもので、(A)はパン空洞形成体を抜き取った後の外形が四角で前後上下がほぼ同じパンの切断位置E−Fを示した側面図、(B)は同図(A)の切断位置で切断後のパンの端面図である。
【図20】この発明を実施するための他の最良の形態を示すもので、(A)(B)は図19の切断位置E−Fで切断後のパンの端面図である。
【図21】この発明を実施するための他の最良の形態を示す切断後のパン栓側となる外形が四角で前後上下がほぼ同じパンの側面図である。
【図22】この発明を実施するための他の最良の形態を示す切断後のパン栓側となる外形が四角で前後上下がほぼ同じパンとパン本体側となる同パンの斜視図である。
【図23】この発明を実施するための他の最良の形態を示す切断後のパン栓側となる外形が四角で前後上下がほぼ同じパンをパン本体側となる同パンに栓をした側面図である。
【図24】この発明を実施するための他の最良の形態を示すもので、(A)は別途栓の封入体になるパンの側断面図、(B)は別途栓の封入体になるパンの断面図、(C)は別途栓の封入体になるパンの側断面図である。
【図25】図24の別途栓の封入体になるパンを使ってパン栓側となる外形が四角で前後上下がほぼ同じパンをパン本体側となる同パンに栓をした側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 内部空洞型食パン
1a 空洞
11 パン本体
11a 開口部
12 パン切れ端
12a 穴
12b 周縁側
12c 中央突蓋部
12d 封入体
13 パン栓
2 パン生地
5 内部空洞型食パン製造器
6 パン空洞形成体
61 目印突起片
62 挿入穴
7 支持盤
71 台座
72 連結受板
72a 側面
72b 係止溝
72c 開口溝
8 連結部材
81 連結棒
81a ネジ山
82 係止板
82a ネジ穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン空洞形成体の外表面にパン生地を取り付け、パン空洞形成体に取り付けられたパン生地を焼き上げ、焼き上げ後にパン空洞形成体の外表面のパンの一部を切ってパン空洞形成体の外表面からパンを取り外すことにより、内部に空洞を形成した内部空洞型パンを製造することを特徴とする内部空洞型食パンの製法。
【請求項2】
剥離剤が塗布されたパン空洞形成体の外表面にこれを覆うようにパン生地を取り付け、パン生地で覆われたパン空洞形成体を連結部材を介して空中に浮いた位置で支持盤に支持させ、空中に浮いた位置で支持盤に支持されるパン空洞形成体の外表面に取り付けられたパン生地を焼き上げ、焼き上げ後にパン空洞形成体の端部側の外表面のパンをその側周回りに切ってパン空洞形成体の外表面からパンを取り外すことにより、内部に空洞を形成した内部空洞型パンを製造することを特徴とする内部空洞型食パンの製法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の製法で作られ、パン空洞形成体の外形に対応する形状の空洞が内部に形成された内部空洞型パンであることを特徴とする内部空洞型食パン。
【請求項4】
一端に空洞の開口部を有するパン本体と、パンで作られ該空洞の開口部を塞ぐパン栓とからなる請求項3記載の内部空洞型食パン。
【請求項5】
パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、該パン空洞形成体を支持する支持盤と、該パン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、パン空洞形成体の端部に連結部材の一端側を連結し、連結部材の他端側をパン生地が取り付けられたパン空洞形成体が空中に浮いた位置で支持盤に支持されるように当該支持盤に連結したことを特徴とする内部空洞型食パン製造器。
【請求項6】
パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、転倒防止用の台座及び該台座の端部に上向きに取り付けられる連結受板から構成される支持盤と、パン空洞形成体の端部に一端側が連結される連結棒及び該連結棒の他端側が連結される係止板から構成されパン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、支持盤の連結受板の側面にパン空洞形成体が空中に浮いた位置に連結部材の係止板が係止される係止溝を形成し、パン生地が取り付けられたパン空洞形成体を空中に浮いた位置に連結部材を介して支持盤に支持させることを特徴とする内部空洞型食パン製造器。
【請求項7】
パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、転倒防止用の台座及び該台座の端部に上向きに取り付けられる連結受板から構成される支持盤と、パン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、パン空洞形成体の端部に連結部材の一端側が挿入される挿入穴を形成し、連結受板の側面にパン空洞形成体が空中に浮いた位置に連結部材の他端側を固設し、パン生地が取り付けられたパン空洞形成体を空中に浮いた位置に連結部材を介して支持盤に支持させることを特徴とする内部空洞型食パン製造器。
【請求項1】
パン空洞形成体の外表面にパン生地を取り付け、パン空洞形成体に取り付けられたパン生地を焼き上げ、焼き上げ後にパン空洞形成体の外表面のパンの一部を切ってパン空洞形成体の外表面からパンを取り外すことにより、内部に空洞を形成した内部空洞型パンを製造することを特徴とする内部空洞型食パンの製法。
【請求項2】
剥離剤が塗布されたパン空洞形成体の外表面にこれを覆うようにパン生地を取り付け、パン生地で覆われたパン空洞形成体を連結部材を介して空中に浮いた位置で支持盤に支持させ、空中に浮いた位置で支持盤に支持されるパン空洞形成体の外表面に取り付けられたパン生地を焼き上げ、焼き上げ後にパン空洞形成体の端部側の外表面のパンをその側周回りに切ってパン空洞形成体の外表面からパンを取り外すことにより、内部に空洞を形成した内部空洞型パンを製造することを特徴とする内部空洞型食パンの製法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の製法で作られ、パン空洞形成体の外形に対応する形状の空洞が内部に形成された内部空洞型パンであることを特徴とする内部空洞型食パン。
【請求項4】
一端に空洞の開口部を有するパン本体と、パンで作られ該空洞の開口部を塞ぐパン栓とからなる請求項3記載の内部空洞型食パン。
【請求項5】
パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、該パン空洞形成体を支持する支持盤と、該パン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、パン空洞形成体の端部に連結部材の一端側を連結し、連結部材の他端側をパン生地が取り付けられたパン空洞形成体が空中に浮いた位置で支持盤に支持されるように当該支持盤に連結したことを特徴とする内部空洞型食パン製造器。
【請求項6】
パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、転倒防止用の台座及び該台座の端部に上向きに取り付けられる連結受板から構成される支持盤と、パン空洞形成体の端部に一端側が連結される連結棒及び該連結棒の他端側が連結される係止板から構成されパン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、支持盤の連結受板の側面にパン空洞形成体が空中に浮いた位置に連結部材の係止板が係止される係止溝を形成し、パン生地が取り付けられたパン空洞形成体を空中に浮いた位置に連結部材を介して支持盤に支持させることを特徴とする内部空洞型食パン製造器。
【請求項7】
パンの内部に空洞を形成するときに使用するものであって、パン生地が外表面に取り付けられるパン空洞形成体と、転倒防止用の台座及び該台座の端部に上向きに取り付けられる連結受板から構成される支持盤と、パン空洞形成体を支持盤に連結する連結部材とを備え、パン空洞形成体の端部に連結部材の一端側が挿入される挿入穴を形成し、連結受板の側面にパン空洞形成体が空中に浮いた位置に連結部材の他端側を固設し、パン生地が取り付けられたパン空洞形成体を空中に浮いた位置に連結部材を介して支持盤に支持させることを特徴とする内部空洞型食パン製造器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
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【図9】
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【図16】
【図17】
【図18】
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【図20】
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【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2007−319158(P2007−319158A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1175(P2007−1175)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(501328278)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(501328278)
【Fターム(参考)】
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