説明

内部電極用導電性ペースト組成物、それを用いた積層セラミック電子部品及びその製造方法

【課題】本発明は、内部電極用導電性ペースト組成物、それを用いた積層セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明による内部電極用導電性ペースト組成物は、導電性金属粉末100重量部と、セラミック粉末40〜100重量部と、分子量150,000以下であるバインダー樹脂4〜20重量部とを含む。本発明による内部電極用導電性ペースト組成物は、分散性に優れると共に、誘電体シートとの接着力が高く、印刷性も優秀な効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散性、印刷性及び誘電体シートとの接着力に優れた内部電極用導電性ペースト組成物、それを用いた積層セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックキャパシタ(MLCC)の内部電極を形成する工程にはスクリーン印刷方式が一般的に用いられているが、最近では、生産性の向上のためにグラビア印刷方式が利用されつつある。
【0003】
グラビア印刷は、凹版印刷の一種で、写真技術を応用して製版した凹版を用いて印刷する方式のことで、画線の凹んだ部分にインクを詰め、それ以外の部分のインクはドクター(doctor)で除去して印刷する方法である。
【0004】
しかし、上記グラビア印刷工法を用いて積層セラミックキャパシタの内部電極層を形成する場合、ペーストの物性によってシートに飛散現象が発生する恐れがある。
【0005】
また、グラビアペーストの製造時に使用されるエチルセルロース(ethyl cellulose)樹脂は、印刷性に優れている反面、ガラス転移温度(Tg)が130℃以上と高温であるため、それ以下の温度では接着力が低くなる。
【0006】
そのため、超高容量積層セラミックキャパシタのように高積層が求められる製品において、誘電体シートと内部電極層の間で剥離(delamination)が発生するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、分散性、印刷性及び誘電体シートとの接着力に優れた内部電極用導電性ペースト組成物、それを用いた積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態では、導電性金属粉末100重量部と、セラミック粉末40〜100重量部と、分子量150,000以下のバインダー樹脂4〜20重量部とを含む内部電極用導電性ペースト組成物を提供する。
【0009】
上記内部電極用導電性ペースト組成物の粘度は2.0Pa・s以下であることができる。
【0010】
上記導電性金属粉末は、銀(Ag)、鉛(Pb)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)からなる群より選択される1種以上であることができる。
【0011】
上記バインダー樹脂は、ポリビニルブチラール(Polyvinyl Butyral)であることができる。
【0012】
上記導電性金属粉末は、50〜300nmの粒径を有することができる。
【0013】
上記内部電極用導電性ペースト組成物は、ロジンエステル樹脂をさらに含むことができる。
【0014】
上記ロジンエステル樹脂は、導電性金属粉末100重量部に対して4〜20重量部の含量を有することができる。
【0015】
本発明の他の実施形態では、誘電体層が積層されたセラミック素体と、上記誘電体層に形成され、導電性金属粉末100重量部、セラミック粉末40〜100重量部、及び分子量150,000以下のバインダー樹脂4〜20重量部を含む内部電極用導電性ペースト組成物で形成された内部電極層と、上記セラミック素体の外側に形成され、内部電極と電気的に接続された外部電極とを含む積層セラミック電子部品を提供する。
【0016】
一方、本発明のさらに他の実施形態では、導電性金属粉末100重量部と、セラミック粉末40〜100重量部と、分子量150,000以下のバインダー樹脂4〜20重量部とを含む内部電極用導電性ペースト組成物を準備するステップと、複数のグリーンシートに上記導電性ペースト組成物で内部電極層を形成するステップと、上記内部電極層が形成されたグリーンシートを積層して積層体を形成するステップと、上記積層体を用いてグリーンチップを製造するステップと、上記グリーンチップを焼成してセラミック素体を製造するステップとを含む積層セラミック電子部品の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明による内部電極用導電性ペースト組成物は、分散性及び印刷性に優れており、印刷過程における飛散の発生を防止できる効果がある。
【0018】
また、積層、圧着、切断工程においても誘電体シートとの接着力と共に膜自体の強度特性に優れており、剥離(delamination)が発生しない効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図である。
【図2】図1のA−A'に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを製造する製造工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付された図面を参照し、本発明の好ましい一実施形態について説明する。
【0021】
しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は当該技術分野において平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状及びサイズ等は明確な説明のために誇張されることがあり、図面上の同一の符号で表示される要素は同一の要素である。
【0022】
本発明の一実施形態による内部電極用導電性ペースト組成物は、導電性金属粉末100重量部と、セラミック粉末40〜100重量部と、分子量150,000以下のバインダー樹脂4〜20重量部とを含む。
【0023】
以下、本発明の一実施形態による内部電極用導電性ペースト組成物の各構成成分についてより具体的に説明する。
【0024】
上記導電性金属粉末は特に制限されず、例えば、銀(Ag)、鉛(Pb)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)等があり、これらを単独または2種以上混合して用いてもよい。
【0025】
また、上記導電性金属粉末は本発明の実施形態によって様々な粒径を有し、例えば、50〜300nmの粒径を有してもよい。
【0026】
上記バインダー樹脂は、分散後の分子量が150,000以下であり、導電性金属粉末100重量部に対して4〜20重量部を含んでもよい。
【0027】
特に、上記バインダー樹脂はポリビニルブチラール樹脂であってもよい。
【0028】
本発明の一実施形態によると、ペースト組成物に添加されるバインダー樹脂、特に、ポリビニルブチラール樹脂の分散後の分子量を150,000以下に調節することで、ペーストの優れた相安定性が得られる。
【0029】
ペーストが製造された以後、印刷過程に進行するまでには最大数ヶ月の時間を要する場合があるため、分散後におけるペーストの相安定が重要となる。
【0030】
そこで、上記分散後におけるペーストの相安定を確保するために本発明の一実施形態では、低粘度の具現のためにポリビニルブチラール樹脂の分散後の最終分子量を制御することを特徴としている。
【0031】
上記ポリビニルブチラール樹脂は、ペーストの製造過程で使用される3ロールミル、ビーズミル及び高圧分散機などで分散過程が行われることで分子量が減少するため、分散後の最終分子量によってペースト粘度が決定されるようになる。
【0032】
したがって、本発明の一実施形態によると、上記ポリビニルブチラール樹脂の分散後の分子量を150,000以下、特に50,000〜150,000に調節することで、印刷に適したペースト粘度である2.0Pa・s以下を具現できるようになる。
【0033】
上記の印刷に適したペースト粘度としては、特に0.5〜2.0Pa・sの範囲が好ましい。
【0034】
本発明の一実施形態による内部電極用導電性ペースト組成物は、その印刷方式において特に制限されないが、例えば、グラビア印刷方式に適している。
【0035】
また、上記のようにポリビニルブチラール樹脂の平均分子量を150,000以下に調節すると、飛散現象を制御することができ、印刷時にペーストが誘電体シートに飛散する現象を防止できる効果がある。
【0036】
また、ポリビニルブチラール樹脂の平均分子量を制御して製造したペーストは、印刷後の積層ステップにおいて誘電体シートとの接着力に優れており、電極のずれを防止することで、アライメント(alignment)に優れた電極が得られる。
【0037】
したがって、本発明の一実施形態によるペースト組成物を用いて内部電極層を形成する場合、高積層の場合でも内部電極と誘電体シートの間、及び内部電極層の内部に隙間ができたり、ひび割れが生じるなどの剥離不良が発生しない効果が得られる。
【0038】
ペーストの分散後、ポリビニルブチラール樹脂の平均分子量は、ペーストを高速で遠心分離した後、浮遊する樹脂をゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography)により比較することができる。
【0039】
また、一定量以上のバインダー樹脂を添加することがペーストの相安定性に有利であるため、本発明の一実施形態による内部電極用導電性ペースト組成物は導電性金属粉末100重量部に対してバインダー樹脂4〜20重量部を含んでもよい。
【0040】
上記バインダー樹脂の含量が4重量部未満であると、ペーストに添加される導電性金属粉末とセラミック粉末の全体の比表面積に比べて樹脂の含量が足りず、優れた分散性及び印刷性を具現できない。
【0041】
一方、上記バインダー樹脂の含量が20重量部を超過すると、仮焼及び焼成工程中に残留炭素が残る可能性が高くなり、積層セラミック電子部品の特性を低下させる恐れがある。
【0042】
また、ペースト内の導電性金属粉末の含量が相対的に減少するため、焼成後の電極連結性及びカバレッジ(coverage)を減少させる恐れもある。
【0043】
印刷性及び分散性を確保するためには、導電性金属粉末100重量部に対して、添加されるバインダー樹脂が4重量部以上でなければならない。
【0044】
よって、本発明の一実施形態における上記バインダー樹脂は、導電性金属粉末100重量部に対して4〜20重量部の含量を有することが好ましい。
【0045】
しかし、高分子量のバインダー樹脂、特に、ポリビニルブチラール樹脂(分子量250,000〜400,000)の添加量が多量であると、印刷に適した2.0Pa・s以下の粘度を具現できず、添加量が少量であると、分散性及び印刷性に問題が生じる。
【0046】
これに対し、本発明の一実施形態では、上記の含量である場合でもバインダー樹脂の分子量が150,000以下に調節されるため、印刷に適した2.0Pa・s以下の粘度を具現できる。
【0047】
上記内部電極用導電性ペースト組成物はロジンエステル樹脂をさらに含んでもよい。
【0048】
上記ロジンエステル樹脂をさらに含むことで、内部電極用導電性ペースト組成物の粘度安定性及び誘電体シートとの密着力または接着力を向上させることができる。
【0049】
また、上記ロジンエステル樹脂は、導電性金属粉末100重量部に対して4〜20重量部の含量を有してもよい。
【0050】
上記ロジンエステル樹脂が4重量部未満であると、添加による粘度安定性及び誘電体シートとの接着力の向上効果が低下し、20重量部を超過すると、ペースト内の導電性金属粉末の含量が相対的に減少するようになるという問題がある。
【0051】
一方、本発明の一実施形態による内部電極用導電性ペースト組成物は、導電性金属粉末100重量部に対してセラミック粉末40〜100重量部を含む。
【0052】
上記セラミック粉末は導電性金属粉末の焼結収縮を制御するために添加されるものであり、一般的に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)等がある。
【0053】
それ以外、内部電極用導電性ペースト組成物に含まれる溶剤等は、ペーストの製造に用いられるものであれば特に制限されない。
【0054】
即ち、内部電極用導電性ペースト組成物の溶剤としては、例えば、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等を用いてもよい。
【0055】
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略的な斜視図であり、図2は図1のA−A'に沿って切断した断面図である。
【0056】
図1及び図2を参照すると、本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品、特に積層セラミックキャパシタ100は誘電体層111が積層されたセラミック素体110と、上記誘電体層111に形成され、導電性金属粉末100重量部、セラミック粉末40〜100重量部、及び分子量150,000以下のバインダー樹脂4〜20重量部を含む内部電極用導電性ペースト組成物で形成された内部電極層130a、130bと、上記セラミック素体110の外側に形成され、内部電極と電気的に接続された外部電極120a、120bとを含む。
【0057】
上記セラミック素体110は複数のセラミック誘電体層111を積層してから焼結させたものであり、隣接する誘電体層同士は一体化されている。
【0058】
上記セラミック誘電体層111は高誘電率を有するセラミック材料からなってもよいが、これに制限されず、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO)系材料等を用いてもよい。
【0059】
上記内部電極層130a、130bは上記複数の誘電体層の積層過程において上記一誘電体層の間に形成されたものであり、焼結により一誘電体層を介して上記セラミック素体の内部に形成される。
【0060】
上記内部電極層130a、130bの一端は、互いに交互に上記セラミック素体の両側面に露出される。
【0061】
上記セラミック素体の側面に露出される上記内部電極層130a、130bの一端は、それぞれ外部電極120a、120bと電気的に接続される。
【0062】
上記内部電極130a、130bは、本発明の一実施形態による内部電極ペースト組成物により形成される。
【0063】
上記本発明の一実施形態による内部電極ペースト組成物の具体的な成分及び含量は上述の通りである。
【0064】
本発明の一実施形態による内部電極ペースト組成物は分散性と印刷性に優れており、これを用いて内部電極層を形成する場合、誘電体シートとの接着力が優秀なため剥離不良が発生しない効果が得られる。
【0065】
図3は本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを製造する製造工程図である。
【0066】
図3を参照すると、本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品、特に積層セラミックキャパシタの製造方法は導電性金属粉末100重量部、セラミック粉末40〜100重量部、及び分子量150,000以下のバインダー樹脂4〜20重量部を含む内部電極用導電性ペースト組成物を準備するステップと、複数のグリーンシートに上記導電性ペースト組成物で内部電極層を形成するステップと、上記内部電極層が形成されたグリーンシートを積層して積層体を形成するステップと、上記積層体を用いてグリーンチップを製造するステップと、上記グリーンチップを焼成してセラミック素体を製造するステップとを含む。
【0067】
先ず、導電性金属粉末100重量部と、セラミック粉末40〜100重量部と、分子量150,000以下のバインダー樹脂4〜20重量部とを含む内部電極用導電性ペースト組成物を準備することができる。
【0068】
その後、上記導電性ペーストを用いて積層セラミック電子部品を製造するが、ここでは、積層セラミックキャパシタ100の製造工程を例として説明する。
【0069】
先ず、複数のグリーンシートを準備することができる(a)。
【0070】
上記セラミックグリーンシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造した後、上記スラリーをドクターブレード法にて数μmの厚さを有するシート(sheet)状に作製することができる。
【0071】
また、グリーンシート上には上記内部電極用導電性ペーストを用いて内部電極層130a、130bを形成することができる(b)。
【0072】
上記内部電極用導電性ペーストは本発明の一実施形態による導電性ペーストであり、上記第1及び第2内部電極パターンはグラビア印刷法で形成できる。
【0073】
このように内部電極層130a、130bが形成されると、グリーンシートをキャリアフィルムから分離させた後、複数のグリーンシートをそれぞれ重ね合わせて積層することで積層体を形成することができる(c)。
【0074】
続いて、グリーンシート積層体を高温・高圧で圧着させ(d)、圧着されたシート積層体を切断工程により所定の大きさに切断(e)することで、グリーンチップ(green chip)を製造することができる(f)。
【0075】
その後、仮焼、焼成、研磨してセラミック素体110を製造し、外部電極120a、120b及びめっき工程により積層セラミック電子部品、特に積層セラミックキャパシタ100を完成することができる。
【0076】
したがって、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、上記導電性ペースト組成物を用いて内部電極層130a、130bを形成するため、内部電極層と誘電体層の間の剥離不良が減少し、積層セラミックキャパシタ100の信頼性が向上する効果が得られる。
【0077】
以下、実施例及び比較例を参照して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
【0078】
[実施例1〜実施例10]
本発明の一実施形態による実施例1〜10は、ニッケル粉末の粒径がそれぞれ100nm、200nm、300nmであり、ニッケル粉末100重量部に対してポリビニルブチラール樹脂の含量を4〜8重量部混合し、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BaTiO)を混合して内部電極用導電性ペースト組成物を作製した。
【0079】
具体的な含量は以下の表1の通りである。
【0080】
上記導電性ペースト組成物を用いて本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品、特に積層セラミックキャパシタを実施例別に製造した。
【0081】
特に、上記実施例1〜10におけるポリビニルブチラール樹脂の分子量は、本発明の一実施形態によって150,000以下に調節して作製した。
【0082】
[比較例1〜比較例5]
比較例1〜5は、実施例1〜10に比べポリビニルブチラール樹脂の分子量を150,000超過とした以外は、上述の実施例と同様にした。
【0083】
上記実施例1〜10と比較例1〜5によるペーストを用いて積層セラミックキャパシタを作製し、ポリビニルブチラール樹脂の含量と平均分子量による粘度、飛散発生の有無、接着力、印刷性、積層性及び剥離発生の有無を測定して以下の表1に記載した。
【0084】
【表1】

【0085】
上記の表1の結果から分かるように、本発明の実施例1〜10では、ペースト粘度が印刷に適した2.0Pa・s以下となり、ペースト塗布時の飛散や切断後の剥離が全く発生しない優れた効果が得られる。
【0086】
さらに、本発明の実施例1〜10の場合は印刷性及び積層性に優れており、誘電体シートとの接着力にも優れていることが分かる。
【0087】
これに対し、比較例1〜5では、塗布時に飛散が発生したり、高粘度なため印刷性が不良となる結果が得られた。
【0088】
上記表1から、本発明の一実施形態による内部電極用導電性ペースト組成物を用いて内部電極層を形成する場合、優れた分散性、印刷性及び積層性を有すると共に、誘電体シートとの接着力が優秀なため切断後に剥離不良が発生しない効果が得られることが分かる。
【0089】
本発明は上述した実施形態及び添付された図面により限定されるものではなく、添付された請求範囲により限定される。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内において多様な形態の置換、変形及び変更が可能であることは当技術分野の通常の知識を有する者には自明であり、これも添付された請求範囲に記載された技術的思想に属する。
【符号の説明】
【0090】
100 積層セラミックキャパシタ
110 セラミック素体
111 誘電体層
120a、120b 外部電極
130a、130b 内部電極層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性金属粉末100重量部と、
セラミック粉末40〜100重量部と、
分子量150,000以下のバインダー樹脂4〜20重量部と
を含む内部電極用導電性ペースト組成物。
【請求項2】
前記内部電極用導電性ペースト組成物の粘度は2.0Pa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の内部電極用導電性ペースト組成物。
【請求項3】
前記導電性金属粉末は、銀(Ag)、鉛(Pb)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の内部電極用導電性ペースト組成物。
【請求項4】
前記バインダー樹脂は、ポリビニルブチラールであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の内部電極用導電性ペースト組成物。
【請求項5】
前記導電性金属粉末は50〜300nmの粒径を有することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の内部電極用導電性ペースト組成物。
【請求項6】
前記内部電極用導電性ペースト組成物は、ロジンエステル樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の内部電極用導電性ペースト組成物。
【請求項7】
前記ロジンエステル樹脂は、導電性金属粉末100重量部に対して4〜20重量部の含量を有することを特徴とする請求項6に記載の内部電極用導電性ペースト組成物。
【請求項8】
誘電体層が積層されたセラミック素体と、
前記誘電体層に形成され、導電性金属粉末100重量部、セラミック粉末40〜100重量部、及び分子量150,000以下のバインダー樹脂4〜20重量部を含む内部電極用導電性ペースト組成物で形成された内部電極層と、
前記セラミック素体の外側に形成され、内部電極と電気的に接続された外部電極と
を含む積層セラミック電子部品。
【請求項9】
導電性金属粉末100重量部、セラミック粉末40〜100重量部、及び分子量150,000以下のバインダー樹脂4〜20重量部を含む内部電極用導電性ペースト組成物を準備するステップと、
複数のグリーンシートに前記導電性ペースト組成物で内部電極層を形成するステップと、
前記内部電極層が形成されたグリーンシートを積層して積層体を形成するステップと、
前記積層体を用いてグリーンチップを製造するステップと、
前記グリーンチップを焼成してセラミック素体を製造するステップと
を含む積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項10】
前記内部電極用導電性ペースト組成物の粘度は2.0Pa・s以下であることを特徴とする請求項9に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項11】
前記導電性金属粉末は、銀(Ag)、鉛(Pb)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項9または10に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項12】
前記バインダー樹脂は、ポリビニルブチラールであることを特徴とする請求項9から11の何れか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項13】
前記導電性金属粉末は50〜300nmの粒径を有することを特徴とする請求項9から12の何れか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項14】
前記内部電極用導電性ペースト組成物は、ロジンエステル樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項9から13の何れか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項15】
前記ロジンエステル樹脂は、導電性金属粉末100重量部に対して4〜20重量部の含量を有することを特徴とする請求項14に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−129181(P2012−129181A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38821(P2011−38821)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】