内部骨固定のためのシステムおよび方法
骨を修復するための内部骨固定デバイス、および該デバイスを使用するための方法を本明細書に開示する。本明細書によると、骨折した骨を修復するためのデバイス(700)であって、近位端、遠位端および縦軸を備える細長いシャフト(701)を有する送達カテーテル(710)は、補強材料を通過させる内部空隙(713)と、ライトパイプ(652)を受容する内部管腔(711)とを有し、内部管腔(711)の遠位端(723)は、光学レンズ(754)内で終端する送達カテーテル(710)と、送達カテーテル(710)の遠位端に係合する形状適合部材(703)であって、補強材料が形状適合部材(703)まで送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する形状適合部材(703)と、ライトパイプ(652)および補強材料を受容するために、送達カテーテル(710)の近位端に係合するアダプタとを備えるデバイス(700)が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、脆弱な骨または骨折した骨を修復する際に使用される医療用デバイスに関し、より具体的には、脆弱な骨または骨折した骨を修復するための内部骨固定デバイス、およびこれらのデバイスを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨折修復は、折れた骨の端部を再接合および再整列させるプロセスである。骨折修復は、折れた骨の正常な位置および機能を復元する必要がある場合に必要とされる。骨折治癒の段階を通して、骨は、正しい位置に強固に固定され、重量に耐えられるだけ十分強くなるまで支持されなければならない。骨折が適切に修復されない場合には、骨不整列が起こり、その結果、身体のその領域の骨または関節の物理的機能障害が生じる可能性がある。
【0003】
前世紀まで、医師は、身体の外側から骨を支持するためのギブスおよび副木に頼っていた(外部固定)。しかしながら、無菌手術の発展により感染のリスクが減少したため、医師は、骨に対して直接作業を行うことができるようになり、体内に材料を移植できるようになった。現在、折れた骨を修復、強化、および支持するための内的手法がいくつか存在する。それらは、骨を直接支持するためのワイヤ、プレート、ロッド、ピン、クギ、およびネジ等の内部固定デバイスを使用すること、ならびに骨セメント混合物または骨欠損部充填材を骨折した骨に付加することを含む。
【0004】
骨を修復するため、および、例えば、骨を接合するために、骨折した骨に骨セメントを付加することは、当該技術分野で周知である。従来の骨セメント注入デバイスは、骨折した骨の内部で遭遇する網状骨の量および密度の状態に対して、骨セメントの注入量または注入速度をリアルタイムで調節または制御することが困難である。また従来の骨セメントは、骨折した骨の部位以外の領域に骨セメントが漏洩することを含む合併症を引き起こす恐れがあり、その結果、軟組織損傷、ならびに神経根の疼痛および圧迫を生じる可能性がある。
【0005】
よって、使用が容易であり、骨および支持組織への損傷が最小限に抑えられる低侵襲性技術を用いて、骨折した骨を修復、強化、および支持するための内部骨固定デバイスの必要性が当該技術分野に存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
脆弱な骨または骨折した骨を修復するための内部骨固定デバイス、および該デバイスを使用するための方法を本明細書に開示する。本明細書に示される一態様によると、骨折した骨を修復するためのデバイスであって、近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、送達カテーテルは、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、ライトパイプを受容するための内部管腔と、を有し、内部管腔の遠位端は、光学レンズ内で終端し、送達カテーテルと、送達カテーテルの遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、少なくとも1つの補強材料が形状適合部材に送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、ライトパイプおよび少なくとも1つの補強材料を受容するために、送達カテーテルの近位端に解放可能に係合する、アダプタと、を含む、デバイスが提供される。
【0007】
本発明に例示される一態様によると、骨折した骨を修復するためのデバイスであって、近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する、送達カテーテルと、送達カテーテルの遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、光ファイバを受容するための内部管腔を有し、少なくとも1つの補強材料が形状適合部材まで送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、光ファイバおよび少なくとも1つの補強材料を受容するために、送達カテーテルの近位端に解放可能に係合する、アダプタと、を備える、デバイスが提供される。
【0008】
本発明に例示される一態様によると、骨折した骨を修復するための方法であって、骨折した骨の内腔へのアクセスを得ることと、骨折した骨の修復において使用するためのデバイスを提供することであって、デバイスは、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する送達カテーテルを備え、送達カテーテルが、光ファイバを通過させるための内部管腔を有する形状適合部材に解放可能に係合することと、形状適合部材を、骨折した骨の少なくとも2つの骨片に跨るように位置付けることと、形状適合部材の内部管腔内に光ファイバを挿入することと、形状適合部材内に補強材料を注入するために、送達カテーテルの内部空隙を通して少なくとも1つの補強材料を導入することであって、形状適合部材は、収縮状態から膨張状態に移行することと、少なくとも1つの補強材料が硬化されるように、光ファイバに接続された光源を作動させて、形状適合部材の内部管腔内に光エネルギーを伝達することと、硬化された形状適合部材を送達カテーテルから解放することと、を含む、方法が提供される。
【0009】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照することによってより詳細に説明され、いくつかの図面を通して、同様の構造は同様の番号によって参照される。図示する図面は、必ずしも縮尺通りではなく、そのかわりに概して本開示の実施形態の原理を例示することに重点がおかれている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスの実施形態の斜視図である。
【図2A−2B】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するための図1のデバイスの斜視図である。図2Aは、収縮状態にあるデバイスのバルーン部を示す。図2Bは、膨張状態にあるデバイスのバルーン部を示す。
【図3A−3C】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスの、主な構成要素のうちのいくつかの実施形態の拡大図である。図3Aは、デバイスの遠位端の斜視図である。図3Bは、デバイスの線A−Aに沿った側面断面図である。図3Cは、線B−Bに沿ったデバイスの側面断面図である。
【図4】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスとともに使用されるライトパイプの実施形態の斜視図である。
【図5A−5B】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスの実施形態の断面図である。図5Aは、図4のライトパイプを有するデバイスの側面断面図である。図5Bは、該デバイスの断面図である。
【図6】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスとともに使用されるライトパイプの実施形態の斜視図である。
【図7】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するための、図6のライトパイプを有するデバイスの実施形態の側面断面図である。
【図8】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためにデバイスとともに使用される光ファイバの例示的な実施形態の斜視図である。
【図9A−9E】本開示の実施形態の光ファイバの一部に対する改良の例示的な実施形態の拡大斜視図である。
【図10A−10E】骨折した骨を修復するために、本開示の実施形態のデバイスを利用するための方法の段階を示す図である。
【図11A−11C】手の指における骨折した中手骨の例示的な実施形態を示す図である。
【図12A−12C】内部骨固定のために使用される本開示の実施形態のデバイスを示す図である。図12Aは、患者の手の中手骨骨折にデバイスを配置したところを示す。図12Bは、骨折を修復するための補強材料によってバルーン部が膨張した、デバイスのバルーン部の側面図である。図12Cは、デバイスからバルーン部が除去された後の、骨折部位におけるバルーン部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
脆弱な骨または骨折した骨を修復するための医療用デバイスおよび方法を本明細書に開示する。本明細書に開示されるデバイスは、内部骨固定デバイスとして機能し、解放可能な形状適合部材内で終端する細長いシャフトを有する送達カテーテルを含む。骨折した骨を修復するための手技の間、形状適合部材は、収縮状態で骨折した骨の内腔内に配置される。一旦所定の位置に配置されると、形状適合部材は、少なくとも1つの補強材料を付加することによって、収縮状態から膨張状態に拡張される。少なくとも1つの補強材料は、続いて、デバイスのライトパイプ導管内に配置されるライトパイプから伝えられ、かつ分散する光を用いて、形状適合部材内で硬化される。ライトパイプに係合する光源が、補強材料を硬化させるために必要な光を提供する。一実施形態において、ライトパイプは、補強材料を硬化させるために、送達カテーテルの解放可能な形状適合部材と細長いシャフトとの間の領域である分離接合部で、デバイス内に位置付けられる。一実施形態において、補強材料を硬化させるために、ライトパイプが形状適合部材の内部管腔内に入るように、ライトパイプがデバイス内に位置付けられる。硬化された形状適合部材は、次いで、送達カテーテルから解放され、形状適合部材内の少なくとも1つの補強材料を包囲するようにシールされてもよい。硬化された形状適合部材は、骨折した骨の内腔内に残り、骨折した骨に支持および適切な配向を提供し、その結果、骨折した骨の修復、治癒、および強化をもたらす。
【0012】
補強材料は、これらに限定されないが、骨補強混合物(骨セメント混合物、骨欠損部充填材、エポキシ樹脂、粘着剤、および同様の接着剤等)、整形外科用ワイヤ、ステンレススチールロッド、金属ピン、および他の同様のデバイスを含む。補強材料は、骨または骨組織を強化、置換、もしくは補強するための天然または合成の材料であってもよい。骨補強混合物は、粘着剤、接着剤、セメント、硬組織置換ポリマー、PLA、PGA、およびPLA−PGAコポリマー等の生分解性ポリマー、天然珊瑚、ヒドロキシアパタイト、β‐トリカルシウムリン酸塩、ならびに当該技術分野で、骨を強化、置換、または補強することで知られる種々の他の生体材料を含む。不活性材料として、骨補強混合物が周辺組織に組み込まれてもよいか、または徐々に元の組織によって置換されてもよい。当業者は、当該技術分野において既知である多数の骨強化用混合物が、本開示の実施形態の主旨および範囲内であることを理解するであろう。
【0013】
本明細書に開示されるデバイスは、これらに限定されないが、骨粗鬆症、軟骨無形成症、骨癌、進行性骨化性線維異形成症、線維性骨異形成症、レッグ・カルヴェ・ペルテス病、骨髄腫、骨形成不全症、骨髄炎、骨減少症、骨粗鬆症、パジェット病、脊柱側弯症、および他の同様の疾患を含む骨疾患のうちのいずれかに起因して脆弱化した骨または骨折した骨の修復に使用されてもよい。本明細書に開示されるデバイスは、例えば、転倒による損傷のために脆弱化または骨折した骨の修復に使用されてもよい。
【0014】
図面のうちのいくつかは、手の中手骨として骨折した骨を示すが、当業者は、開示されるデバイスおよび方法は、これらに限定されないが、大腿骨、脛骨、腓骨、上腕骨、尺骨、橈骨、中足骨、趾骨、指骨、肋骨、脊柱、椎骨、鎖骨、および他の骨を含む他の骨を修復するために使用されてもよく、なおも開示される実施形態の範囲および主旨の範囲内であることを理解するであろう。
【0015】
脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスの実施形態の主な構成要素が、図2Aおよび図2Bと合わせて図1に一般的に示される。デバイス100は、近位端102、遠位端104、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフト101を有する送達カテーテル110を含む。一実施形態において、送達カテーテル110は、約3mmの直径を有する。送達カテーテル110の遠位端104は、解放可能な形状適合部材103(本明細書においてバルーン部とも称される)内で終端する。バルーン部103は、少なくとも1つの補強材料がバルーン部103まで送達されると、収縮状態(図2A)から膨張状態(図2B)に移行することができる。一実施形態において、バルーン部103は、約2.5mmの収縮直径を有する。一実施形態において、バルーン部103は、約4mm〜約9mmの範囲の膨張直径を有する。補強材料は、補強材料を通過させることが可能な内部空隙を介してバルーン部103に送達されてもよい。一実施形態において、UV活性型粘着剤等の補強材料が、バルーン部103を収縮および膨張させるために使用される。一実施形態において、バルーン部103は、円形、平坦、円筒形、楕円形、長方形、または別の形状であってもよい。バルーン部103は、これらに限定されないが、ウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロンエラストマー、および他の同様のポリマーを含む、柔軟で弾性のある、形状適合性で強い材料で形成されてもよい。一実施形態において、バルーン部103は、PETナイロンアラメット(aramet)または他の非消耗材料で構成される。PETは、合成繊維に使用されるポリエステル系の熱可塑性ポリマー樹脂である。その工程および熱履歴に依存して、PETは、非晶質材料および半結晶性材料の両方として存在することができる。半結晶性PETは、良好な強度、延性、剛性、および硬度を有する。非晶質PETは、より良好な延性を有するが、剛性および硬度が低い。PETは、その厚さによって半剛体から剛体であり得、非常に軽量である。PETは、強く、耐衝撃性があり、本来、無色透明で、鉱油、溶剤、および酸に対して良好な耐性を有する。
【0016】
一実施形態において、バルーン部103は、骨の中の空洞の内壁に均一に接触するように設計される。一実施形態において、バルーン部103は、特定の形状を持つ骨の内腔に適合するように、特定の形状を有してもよい。例えば、図1の実施形態に示されるように、バルーン部103の所定の形状は、細長い円筒形であってもよい。バルーン部103は、近位端123、遠位端121、およびそれらの間に、外表面122を有する縦軸を有する。一実施形態において、バルーン部103の外表面122は、実質的に均一および平滑であり、骨の中の空洞の壁と実質的に嵌合する。一実施形態において、バルーン部103の外表面122は完全には平滑ではなく、長さに沿っていくつかの小さい突起または凹凸を有してもよい。いくつかの実施形態において、バルーン部103の外表面122から突出する大きな隆起部は存在しない。バルーン部103は、骨の空洞内に留まり、骨のいかなる穴または割れ目を通しても突出しないように設計されてもよい。一実施形態において、バルーン部103の外表面122は、内腔の壁と面一であってもよく、バルーン部103が膨張すると、外表面122は、表面領域の少なくとも一部に沿って空洞の壁に接触してもよい。一実施形態において、バルーン部103が膨張すると、バルーン103の外表面122の大部分または全部は空洞の壁とは接触せず、骨の中のいかなる穴または割れ目を通っても延在しない。
【0017】
バルーン部103の外表面122は、薬剤、骨粘着剤、タンパク質、成長因子、または他のコーティング等の物質で被覆されてもよい。例えば、低侵襲性外科手技の後に、患者が感染症を発症し、該患者が抗生物質による治療を受けることが必要になるかもしれない。考えられる感染症を防止するためおよびそれに対処するために、バルーン部103の外表面122に抗生物質が付加されてもよい。例えば、骨形態形成タンパク質または他の成長因子等のタンパク質が、軟骨および骨の形成を誘導することが分かっている。新しい骨の形成を誘導するのを補助するために、バルーン部103の外表面122に成長因子が付加されてもよい。バルーン部103内の補強材料の熱放出が不足することにより、コーティングの有効性および安定性が維持される。
【0018】
一実施形態において、バルーン部103が骨空洞の形状に適合するのを補助するために、バルーン部103の外表面122は、リブ、隆起、突起、または他の形状を有してもよい。バルーンは、骨の内腔空洞内における通過を達成して、狭窄部を拡張、操作、および除去するように構成されてもよい。このようにして、バルーン部103は、周辺組織と接触することなく、管腔体内を容易に摺動することができる。またバルーン部103は、骨内に配置され、小さな隆起またはリブ等の種々の形状のざらざらした面を使用して、滑らずに骨折した骨を把持するように設計されてもよい。
【0019】
一実施形態において、水溶性粘着剤が、バルーン部103の外表面122に塗布されてもよい。バルーン部103が拡張し、湿潤骨に係合すると、バルーン部103の外表面122上の水溶性粘着剤が粘り気を持つかまたは粘着性となり、骨に対するバルーン部103の一致結合(conformal bond)を高める把持部材としての役割を果たす。一旦バルーン部103が膨張すると、バルーン部103の外表面122が骨を把持し、機械的結合および化学的結合を形成する。これらの結合により、骨が滑る可能性を回避する。水溶性粘着剤は、任意の光によって硬化してもよい(例えば、UVは必要ではない)。
【0020】
一実施形態において、バルーン部103は、骨折した骨の骨片の全ての部分を把持することが可能な1つ以上の隆起を備える、ざらざらした面を有する。一実施形態において、隆起はバルーン部103に対して周方向であり、骨折した骨と接触する膨張したバルーン部103に、より強い把持力を付与するように設計される。また隆起は、バルーン部103が完全に膨張したときに、骨折した骨上で隆起が折り曲がるように圧縮性でもある。一実施形態において、バルーン部103の外表面122をサンドブラストで表面処理することにより、バルーン部103の外表面122と骨内側との間の接触および接着性を向上させる。表面処理は、骨と接触する表面積の量を著しく増加させ、結果的により強い把持力をもたらす。
【0021】
デバイス100のバルーン部103は、通常、いかなる弁も有さない。弁を有さないことの1つの利点は、骨折整復および配置を補助する際に必要なだけバルーン部103を膨張または収縮できることである。弁を有さないバルーン部103の別の利点は、デバイス100の有効性および安全性である。身体への補強材料の連通経路が存在しないため、全ての材料はバルーン部103内に収容され、漏洩の可能性は全くない。一実施形態において、送達カテーテル110が除去される前に硬化および固定されるバルーン部103の間に永久シールが形成される。実施形態の全てがこのように限定されることを意図しないため、バルーン部103が弁を有してもよい。
【0022】
送達カテーテル110のバルーン部103は、約5mm〜約9mmの範囲の直径を有する。送達カテーテル110のバルーン部103は、約20mm〜約80mmの範囲の長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約5mmの直径および約30mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約5mmの直径および約40mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約6mmの直径および約30mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約6mmの直径および約40mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約6mmの直径および約50mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約7mmの直径および約30mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約7mmの直径および約40mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約7mmの直径および約50mmの長さを有する。
【0023】
一実施形態において、補強部材105が、送達カテーテル110の細長いシャフト101を包囲し、細長いシャフト101に剛性を提供する。プッシャまたはスタビライザ116を、バルーン部103の近位に装着することができる。スリップスリーブ107は、補強部材105を包囲することができる。一実施形態において、スリップスリーブ107は、バルーン部103の近位端123からプッシャ116まで補強部材105を包囲する。1つ以上の放射線不透過性マーカーまたはバンド130が、バルーン部103および/またはスリップスリーブ107に沿って種々の位置に配置されてもよい。蛍光透視を行う間にデバイス100を位置合わせさせるために、放射線不透過性インクビード133が、バルーン部103の遠位端121に配置されてもよい。1つ以上の放射線不透過性バンド130は、硫酸バリウム、タンタル、または放射線不透過性を増加させることが既知の他の材料等の放射線不透過性材料を使用して、医療従事者が蛍光透視技術を用いてデバイス100を視認することを可能にする。また1つ以上の放射線不透過性バンド130は、配置および膨張する間にバルーン部103およびデバイス100の正確な位置付けを決定するために、バルーン部103が膨張する間に可視性を提供する。1つ以上の放射線不透過性バンド130は、バルーン部103内に封入された空気によって形成される場合がある任意の空隙の可視化を許容する。1つ以上の放射線不透過性バンド130は、可視化を許容することで、不適切な膨張によってバルーン部103が骨に係合しないまたは適合しない状態を排除し、バルーン/骨の均一な界面を維持する。
【0024】
一実施形態において、Tuohy−Borstアダプタ等のアダプタ115が、送達カテーテル110の近位端102に係合する。光源(図示せず)から光を伝達するためのコネクタ150を有するライトパイプ152を、アダプタ115のサイドアームのうちの1つに導入することができ、送達カテーテル110の内腔内を通過する。一実施形態において、ライトパイプ152は光ファイバである。光ファイバは、ガラス、ケイ素、シリカガラス、石英、サファイア、プラスチック、材料の組み合わせ、または任意の他の材料等の任意の材料で作ることができ、任意の直径を有することがある。一実施形態において、光ファイバはシリカガラスから作られ、約88度という広角の光分散を有する。実施形態において、光ファイバはプラスチック材料から作られる。図2Bに示すように、補強材料を収容する接着システムが、アダプタ115の別のサイドアームに導入されてもよい。代替として、ルアー継手が送達カテーテル110の近位端102に係合してもよく、送達カテーテル110およびライトパイプ152が一緒にロックされるように、ルアー取付具がライトパイプ152上に存在する。
【0025】
接着システムの例として、これらに限定されないが、骨補強材料を収容するコーキングガン型システム、シリンジシステム、バッグシステムが挙げられ、骨補強材料の送達は、チューブクランプまたは任意の他のリストリクタ弁を用いて制御される。図2Bに示す実施形態において、接着システムはシリンジ160である。一実施形態において、シリンジ160は、補強材料の流れを調整する制御機構を有する。シリンジ160の制御機構は、補強材料が送達カテーテル110に流入することを可能にし、その流れは所望に応じて停止されてもよい。シリンジ160は、補強材料の指向性流れを制御するために直接的な接触を行い、シリンジ160の方向における変化に応じて、送達カテーテル110内で補強材料の流れの方向が瞬時に変化する。
【0026】
一実施形態において、シリンジ160は不透明であり、シリンジ160内に光を透過させない。不透明なシリンジ160を有することによって、シリンジ160内に収容された補強材料が光に曝露されず、シリンジ160内で硬化しないことを確実にする。補強材料は、動粘性係数の単位であるセンチポアズ(cP)で測定される液体稠度であり、シリンジ160から送達カテーテル110およびバルーン部103内に補強材料を注入される場合がある。補強材料は液体稠度を有し、粘性があるため、補強材料は低圧での送達を用いて送達されてもよく、高圧での送達は必要とされないが、用いられてもよい。
【0027】
一実施形態において、補強材料は、光硬化型接着剤または紫外線(UV)接着剤である。光硬化材料の例としては、米国コネチカット州ロッキーヒル所在のLoctite of Henkel Corporationより市販されるもの、および米国コネチカット州トリントン所在のDYMAX Corporationより市販されるものが挙げられる。UV硬化の利点は、要求に応じた硬化プロセスであること、および、接着剤が溶剤を含まなくてもよく、長波UV光または可視光に曝露されると数秒で硬化する環境に優しい樹脂を含んでもよいことである。異なるUV接着剤は、異なる領域のUV光および可視光に感応する光開始剤を用いる。UV光は非常に強力であるため、化学結合を破壊することが可能であり、分子を著しく反応性にするかまたはイオン化し、一般に、分子相互の挙動を変化させる。可視光、例えば、可視青色光は、UV光は遮断するが可視光は透過させる基板(例えば、プラスチック)の間で材料を硬化することができる。可視光は、より深い深さまで接着剤に浸透する。可視光は接着剤を通過して浸透するため、電磁スペクトルのより大きな部分が有用なエネルギーとして利用可能となり、接着剤の硬化が増加する。薬剤(例えば、抗生物質)、タンパク質(例えば、成長因子)、または他の天然もしくは合成の添加剤を含むがこれらに限定されない添加剤が、UV接着剤送達システムとともに使用されてもよい。
【0028】
電磁スペクトルは、全ての可能な電磁放射線の領域である。ある物体の電磁スペクトルは、その物体が放射、反射、または透過する電磁放射線の周波数領域である。電磁スペクトルは、現代の無線に使用される周波数のすぐ下(長波長端で)からγ放射線(短波長端で)まで広がり、数千キロメートルから原子のサイズより小さい波長までを包含する。一実施形態において、UV接着剤は、UV光が接着剤に当たるまで硬化しない、単一成分の無溶剤接着剤であり、それが起こると、接着剤は数秒で硬化し、剪断強度を有する完全な結合を形成する。一実施形態において、UV接着剤は、可視光が接着剤に当たるまで硬化しない、単一成分の無溶剤接着剤であり、それが起こると、接着剤は数秒で硬化し、剪断強度を有する完全な結合を形成する。一実施形態において、補強材料は、硬化時に約2〜約3パーセントの収縮を示す。
【0029】
UV光波長は、約1nm〜約380nmの範囲であり、次のカテゴリーに細分することができる。すなわち、近UV(380〜200nm波長、NUVと略される)、遠UVまたは真空UV(200〜10nm、FUVまたはVUVと略される)、および極UV(1〜31nm、EUVまたはXUVと略される)である。同様に、可視光は、約380〜約780nmの波長スペクトルを有する。全ての実施形態がその点に関して限定されることを意図しないため、当業者は、いくつかのUV接着剤は、UV光、可視光、X線、γ線、マイクロ波、ラジオ波、長波、または約1nm未満、約1nm〜約380nm、約380nm〜約780nm、もしくは780nm超の波長を有する任意の光によって活性化されるかもしれないことを理解するであろう。
【0030】
UV光を使用して、補強材料は、熱放出がないかまたは最小限であること、および熱放出の時間が長くないかもしれないことを確実にする。より具体的には、化学組成または材料の混合はない。補強材料を硬化するためにUV光を使用することは、折れた骨を適所に保持すること、バルーン部を充填すること、およびCアーム撮像システム下で視認することの補助となる。補強材料は、骨を正しい配向に保持するのに十分であるように硬化する。より具体的には、骨を膨張、固定、調節、および配向し、その結果として、骨を癒合する能力は、補強材料を硬化する前に利用可能である。UV光を導入することにより、光開始剤が励起し、UV接着剤が硬化する。一旦UV光が導入されると、バルーン部内の接着剤が硬化し、中の接着剤が適所で固定される。接着剤は、UV光が導入されるまでは硬化しないため、UV光が導入されるまでは、骨の配置が乱されたり、または急に動かされたりすることはなく、接着剤の粘性によってバルーン部が膨張または縮小されてもよい。接着剤は、該接着剤の粘性の低さによって、バルーン部内に注入されてもよく、または除去されもよい。一実施形態において、補強材料の粘性は、約1000cP以下の粘性である。一実施形態において、補強材料は、約650cP〜約450cPの範囲の粘性を有する。全ての実施形態がその点において限定されることを意図しないため、いくつかの実施形態は、1000cPと全く等しいかまたはそれを上回る粘性を有する補強材料を含むことができる。一実施形態において、粘性を著しく増加させることなく、造影剤が補強材料に添加されてもよい。造影剤は、これらに限定されないが、硫酸バリウム、タンタル、または当該技術分野において既知である他の造影剤を含む。
【0031】
当該技術分野において既知であるいくつかのエポキシ樹脂は、骨補強材料としての使用に好適であり、粘性、硬化時間、および完全に硬化したときの硬度(デュロメータまたはショア)が異なる。材料のデュロメータは、永久圧痕に対する材料の抵抗率として定義される材料の硬度を示す。所与の骨折に必要とされる、結果として生じる支持の量に依存して、特定のデュロメータのUV接着剤が選択されてもよい。代替として、異なるデュロメータを有する複数のUV接着剤が骨折を修復するために選択されてもよく、それは本開示の実施形態の範囲および主旨の範囲内である。材料のデュロメータは、より高い剛性またはより可鍛性の結果を達成するように変更されてもよい。エポキシ樹脂の機械特性は、これらに限定されないが、引張強度および引張係数、引張強度試験、最大係数、ポアソン比、ビッカース等の硬度測定値、および降伏強度および靭性を測定するシャルピー衝撃を含む、高強度および耐衝撃性材料に典型的な方法/測定法を用いて指示してもよい。
【0032】
一実施形態において、補強材料は、化学活性化または熱活性化によって硬化される。化学的活性は、これらに限定されないが、水または他の液体を含む。実施形態において、補強材料は、溶剤に溶解されたポリマーを有する乾燥接着剤であり、溶剤が蒸発すると接着剤が硬化する。一実施形態において、補強材料は、ホット接着剤または熱可塑性接着剤であり、接着剤が冷却すると接着剤が硬化する。
【0033】
補強材料は、本明細書に記載される実施形態に限定されず、骨を補強する任意の材料であってもよい。いくつかの材料は、UV光もしくは可視光、熱、および/または化学薬品もしくは物質の添加もしくは除去等の任意の手段を介した硬化を必要とする場合があるか、またはその硬化によって強化される場合があり、材料を硬化する何らかの内外プロセスを利用する場合があり、あるいは硬化を必要としない場合がある。
【0034】
一実施形態において、カーボンナノチューブ(CNT)が、材料の強度を高めるために補強材料に添加される。カーボンナノチューブは、円筒状の炭素分子の形態を取る炭素の同素体であり、新規の強度特性を有する。カーボンナノチューブは、並外れた強度を示す。ナノチューブは、バッキーボールも含むフラーレン構造族のメンバーである。バッキーボールは球状の形態であるが、ナノチューブは、少なくとも1つの端部が典型的にはバッキーボール構造の半球で覆われた円筒形である。ナノチューブは、グラファイトと同様に、完全にsp2結合で構成される。ダイヤモンドに見いだされるsp3結合よりも強力なこの結合構造は、分子に独自の強度を提供する。ナノチューブは、ファンデルワース力によってともに保持される「ロープ」の中に、自ら自然に整列する。単壁ナノチューブまたは多壁ナノチューブが、補強材料を強化するために使用されてもよい。
【0035】
一実施形態において、バルーン部103の近位端123と細長いシャフト101との間の接合点に分離領域が位置する。分離領域はまた、照明バンドを含むことができる。作動されると、照明バンドは、光に該照明バンド内のバルーン部103に位置する補強材料を硬化させる。照明バンドは、送達カテーテル110の周囲に延在し、応力集中器(stress concentrator)を有する。応力集中器は、切り欠き、溝、チャネル、または照明バンドに応力を集中させる同様の構造であってもよい。照明バンドの応力集中器は、特定のねじり荷重下で送達カテーテル110の細長いシャフト101からバルーン部103の分離を方向付けるために、切り欠きを設ける、分割線を入れる、窪みを付ける、事前に脆弱化する、または事前に応力をかけてもよい。分離領域は、送達カテーテル110の細長いシャフト101および/またはバルーン部103から、確実に補強材料が漏洩しないようにする。分離領域は、バルーン部103をシールし、既知または所定の部位(例えば、分離領域)で離脱を行うことによって、送達カテーテル110の細長いシャフト101を取り外す。分離領域は種々の長さであってもよく、最長約1インチである。送達カテーテル110に(ねじれ)トルクが印加されると、細長いシャフト101がバルーン部103から分離する。ねじれは、残りの補強材料を離脱させて、バルーン/シャフトの界面を支障なく分離させるのに十分な剪断を生じる。照明バンドは光源に接続されてもよく、別個のスイッチによって作動されてもよい。照明バンドを作動させるために別個のスイッチを有することは、補強材料を硬化するためのライトパイプから、不注意によって光が送達されるのを防止するのに役立ち得る。照明バンドを作動させることで、バルーン部103を封止し、送達カテーテル110の端部を封止して、補強材料の「ハードシール」が照明バンドに存在することを確実にし、バルーン部103または送達カテーテル110から決して補強材料を漏洩させない。
【0036】
図3A、図3B、および図3Cは、本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイス300の、主な構成要素のうちのいくつかの実施形態の拡大図である。1つ以上の放射線不透過性マーカーまたはバンド330が、デバイス300の送達カテーテル310のスリップスリーブ307に沿って種々の位置に配置される。当業者は、放射線不透過性マーカー330はまた、デバイス300のバルーン部303に沿って種々の位置にも配置されてもよいことを理解するであろう。一実施形態において、1つ以上の放射線不透過性バンド330は、デバイス300のスリップスリーブ307の長さに沿って約10mmの間隔で配置される。一実施形態において、修復手技中の蛍光透視法によるデバイス300の可視化および位置合わせを容易にするために、バルーン部303の遠位端321に放射線不透過性インクビード333が配置される。放射線不透過性マーカー330および放射線不透過性インクビード333は、硫酸バリウム、タンタル、または放射線不透過性を増加させることが既知の他の材料等の放射線不透過性材料を使用して形成される。放射線不透過性マーカー330は、配置および膨張する間にバルーン部303および送達カテーテル310の正確な位置を決定するために、バルーン部303が膨張する間の可視性を提供する。放射線不透過性マーカー330は、バルーン部303内に封入され得る空気によって形成される空隙の可視化を許容する。放射線不透過性マーカー330は、可視化を許容することで、不適切な膨張によってバルーン部303が骨に係合しないまたは適合しない状態を排除する。一旦、バルーン部303および送達カテーテル310の正しい位置が決定されると、送達カテーテル310の近位端が、補強材料を収容する送達システムに取り付けられてもよい。
【0037】
図3Aの線A‐Aに沿った断面図を図3Bに示す。図3Bに示されるように、送達カテーテル310の細長いシャフト301は、外表面322を有するバルーン部303内で終端する。送達カテーテル310の細長いシャフト301内には、ライトパイプ(図示せず)を受容するためのライトパイプ導管311がある。補強材料を通過させるための空隙313が、送達カテーテル310の内表面324とライトパイプ導管311の外表面317との間に形成される。補強材料を含む送達システムは、送達カテーテル310の近位端に係合されたTuohy−Borstアダプタのサイドアームに取り付けられてもよい。補強材料は、送達カテーテル310の空隙313を通過して、バルーン部303に進入することができる。補強材料を注入することにより、バルーン部303を所望の状態まで膨張させる。一実施形態において、補強材料は、送達カテーテル310内の空隙313を通して注入され、骨を治癒配向に位置付けるようにバルーン部303を膨張させる。治癒配向を確立するために、骨が位置合わせされた配向に移動して支持されるまで、バルーン部303が膨張する。骨の配向は、プロセスの視覚化を一切行わずに、またはX線もしくは蛍光透視法を用いて、行われてもよい。一実施形態において、Cアーム撮像システムが、フルオロスコープの一部として使用される。Cアーム撮像システムは、視認しながら組織の周囲で回転するようにフルオロスコープを移動または操作することができる場合がある。バルーン部303の膨張を監視または検査するために、磁気共鳴撮像(MRI)、超音波撮像、X線透視法、フーリエ変換赤外分光法、紫外分光法または可視光分光等の他の技術が使用されてもよい。バルーン部303は、非強磁性材料から構成されてもよく、したがってMRIと互換性がある。
【0038】
図3AのB−B線に沿った断面図を図3Cに示す。図3Cに示されるように、外側スリップスリーブ307が補強部材305を包囲する。補強部材305は、送達カテーテル310の細長いシャフトを包囲し、剛性を提供する。ライトパイプ導管311は、ライトパイプが通過する空間を提供する。空隙313が、ライトパイプ導管311の外表面317と送達カテーテル310の内表面324との間に形成される。この空隙313が、補強材料のための経路を提供する。ライトパイプ導管311の外表面317は、ライトパイプと補強材料との分離を可能にする。
【0039】
図4は、本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスとともに使用されるライトパイプ452の実施形態を示す。ライトパイプ452は、コネクタ450を介して光源(図示せず)に接続される。ライトパイプ452から放射される光は、デバイスの送達カテーテルのバルーン部内に注入された補強材料を硬化させるために使用される。図4に示す実施形態において、ライトパイプ452は光学レンズ454において終端する。ライトパイプ452から放射されるエネルギーは、光学レンズ454を通して投射され、デバイスの送達カテーテルのバルーン部内に誘導される。光学レンズ454は、凸レンズ、凹レンズ、または平面レンズであってもよい。光学レンズ454は、ライトパイプ452から伝送されるエネルギーを収束または発散することができる。一実施形態において、光学レンズ454は、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、または環状オレフィンコポリマー(COC)および非晶質ポリオレフィン(Zeonex)等の当該技術分野において既知である他の同様の材料などのプラスチック材料から作られる。一実施形態において、光学レンズ454は、水晶等のガラス材料から作られる。
【0040】
ライトパイプ452は、デバイスの送達カテーテルの近位端に係合するアダプタのサイドアーム内に導入される。ライトパイプ452は、ライトパイプ導管の中を通って、デバイスの送達カテーテルの細長いシャフトを貫通する。一実施形態において、ライトパイプ452は、デバイスの分離領域内に位置付けられるようにライトパイプ導管内に位置付けられる。分離領域は、バルーン部の遠位端と細長いシャフトとの間の接合部に位置する。コネクタ450を介してライトパイプ452に接続される光源を作動させると、ライトパイプ452に光を伝達して補強材料を硬化させ、その結果、バルーン部を拡張した形状で固定する。硬化とは、カテーテルの空隙を通過して送達されることのできる形態(例えば、流動可能な形態)から、生体内での最終的な使用のための永久的な(例えば、硬化した)形態に、ある組成を移行することを可能にする、任意の化学的、物理的、および/または機械的な変換を指してもよい。例えば、「硬化可能な」とは、(触媒によって、あるいは好適なエネルギー源の適用によって)生体内で硬化される可能性を有する未硬化の組成、および硬化する過程にある組成(例えば、複数の組成物成分を同時に混合することによって送達時に形成される組成)を指してもよい。
【0041】
図5Aおよび図5Bは、デバイスの細長いシャフト501のライトパイプ導管511を貫通する、図4のライトパイプ452を有する骨折した骨を修復するためのデバイスの主な構成要素のうちのいくつかの実施形態の側面断面図である。ライトパイプ452は、デバイスのバルーン部503に向けて光を伝達し、デバイスのバルーン部503内に注入された補強材料を硬化させるために使用される。ライトパイプ452から放射されるエネルギーは、光学レンズ454を通して投射され、バルーン部503内に誘導される。光学レンズ454は、凸レンズ、凹レンズ、または平面レンズであってもよい。光学レンズ454は、ライトパイプ452から伝送されるエネルギーを収束または発散することができる。
【0042】
図6は、本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスとともに使用されるライトパイプ652の実施形態を示す。ライトパイプ652は、コネクタ650を介して光源(図示せず)に接続され、図4に示すライトパイプ452とは異なり、ライトパイプ652は光学レンズ内で終端しない。ライトパイプ652は、コネクタ650を介して光源(図示せず)に接続される。ライトパイプ652から放射される光は、デバイスの送達カテーテルのバルーン部内に注入された補強材料を硬化させるために使用される。ライトパイプ652から放射されるエネルギーは、本開示の実施形態のデバイスの送達カテーテルのバルーン部内に誘導される。
【0043】
ライトパイプ652は、デバイスの送達カテーテルの近位端に係合するアダプタのサイドアーム内に導入される。ライトパイプ652は、ライトパイプ導管の中を通って、デバイスの送達カテーテルの細長いシャフトを貫通する。一実施形態において、ライトパイプ652は、デバイスの分離領域内に位置付けられるようにライトパイプ導管内に位置付けられる。分離領域は、バルーン部の近位端と細長いシャフトとの間の接合部に位置する。コネクタ650を介してライトパイプ652に接続される光源を作動させると、ライトパイプ652に光を伝達して補強材料を硬化させ、その結果、バルーン部を拡張した形状で固定する。硬化とは、カテーテルの空隙を通過して送達させることのできる形態(例えば、流動可能な形態)から、生体内での最終的な使用のための永久的(例えば、硬化した)形態に、ある組成を移行することを可能にする、任意の化学的、物理的、および/または機械的な変換を指してもよい。例えば、「硬化可能な」とは、(触媒によって、あるいは好適なエネルギー源の適用によって)生体内で硬化される可能性を有する未硬化の組成、および硬化する過程にある組成(例えば、複数の組成物成分を同時に混合することによって送達時に形成される組成)を指してもよい。
【0044】
一実施形態において、骨折した骨を修復するためのデバイスは、近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、ライトパイプを受容するための内部管腔と、を有し、内部管腔の遠位端は、光学レンズにおいて終端する、送達カテーテルと、送達カテーテルの遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、少なくとも1つの補強材料が形状適合部材に送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、ライトパイプおよび少なくとも1つの補強材料を受容するために、送達カテーテルの近位端に解放可能に係合する、アダプタとを含む。図7は、骨折した骨を修復するためのデバイス700の、主な構成要素のうちのいくつかの実施形態の側面断面図である。デバイス700は、ライトパイプ導管711を備える細長いシャフト701を有する送達カテーテル710を含む。ライトパイプ導管711は、図6のライトパイプ652を受容する。図7に示すように、デバイス700は、シース750内に位置付けられる。ライトパイプ652は、デバイス700の形状適合部材703に向けて光エネルギーを伝達し、内部空隙713を介してデバイス700の形状適合部材703内に注入された補強材料を硬化させるために使用される。ライトパイプ652から放射されるエネルギーは、ライトパイプ導管711の遠位端723に係合する光学レンズ754を通して投射され、形状適合部材703内に導入される。光学レンズ754は、ライトパイプ652から形状適合部材703に光エネルギーを伝送する。図7は、明確化のためにライトパイプ652から離れた光学レンズ754を示す。しかしながら、通常、使用中は、ライトパイプ652は光学レンズ754に当接する。光学レンズ754は、凸レンズ、凹レンズ、または平面レンズであってもよい。光学レンズ754は、ライトパイプ652から伝送される光エネルギーを収束または発散することができる。伝送された光エネルギーは、形状適合部材703内の補強材料を硬化させる。
【0045】
いくつかの実施形態において、ライトパイプ(例えば、光ファイバ)が形状適合部材に接近して保持されるか、またはそれと接触する/当接する場合、光強度は、形状適合部材(例えば、バルーン部)の遠位端に到達するのに十分であってもよい。補強材料を硬化させるかまたはモノマーを重合化するために必要なエネルギーを認識し、ライトパイプから形状適合部材の最遠位の側面までの距離を算出することによって、その距離の間にどの位のエネルギーが消散し、その結果、補強材料により近付くように、ライトパイプが形状適合部材と当接してもよいのか、または形状適合部材内に配置される必要があるのかどうかを逆二乗の法則を用いて計算してもよい。ライトパイプを形状適合部材内に配置することにより、ライトパイプから補強材料までの距離が短縮するだけでなく、全体的に必要とされる光強度も低下する場合がある。
【0046】
一実施形態において、骨折した骨を修復するために使用されるデバイスは、近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する、送達カテーテルと、送達カテーテルの遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、光ファイバを受容するための内部管腔を有し、少なくとも1つの補強材料が形状適合部材まで送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、光ファイバおよび少なくとも1つの補強材料を受容するために、送達カテーテルの近位端に解放可能に係合するアダプタと、を含む。
【0047】
図8は、本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスとともに使用される光ファイバ852である、ライトパイプの実施形態の斜視図である。いくつかの実施形態において、米国カリフォルニア州フットヒルランチ所在のLumenyte International Corporationより入手可能であるLUMENYTE STA−FLEX SELエンドライト光ファイバに類似する光ファイバを利用することができる。これらの光ファイバは、各々が、光を伝送する大きなソリッドコア、Teflon(登録商標)クラッド、および黒色の結合可能な(bondable)外側ジャケットから構成されてもよい。光ファイバ852は、点光源として使用するために、光源から出力端部854に光を伝送できる場合がある。光ファイバ852は、広い80度の受光角および80度のビーム広がり角を有する場合があり、より斜角から光を視認することが可能である。光を伝送するコアは、ソリッドであってもよく、光が減少するパッキングフラクション損失(packing fraction loss)がなくてもよく、容易にスプライスすることができてもよい。外側ジャケットは、結合可能であってもよい。さらなる柔軟性および色の選択肢のために、特別注文のジャケットが利用可能であるかもしれない。
【0048】
光ファイバ852は、各々、1フィート当たり約1.5%未満の伝送損失(減衰)、ファイバ852の直径の約6倍の曲げ半径(最小)、約90℃(194°F)までの温度安定性、約350〜800nmの分光透過率、約80°の受光角、約1.48以上の屈折率コア、約1.34以下のクラッド、および約0.63の開口数を有することができる。光ファイバ852の長さは、連続的に約100フィートとすることができる。スプライシングは、Lumenyte Splice Kit等のスプライスキットを用いて、注意深く指示に従うことによって現場で達成することができる。工場でのスプライスが選択肢であってもよい。直線的で傷の無い90°のファイバ切断には、Lumenyte社のOptic Cutter等の光学的カッターが推奨される場合がある。これらのファイバは、ファイバ852を光源に挿入する前に、(フッ素ポリマー製クラッドではなく)外側ジャケットの約4インチ(10cm)を除去することによって組み込まれる場合がある。最大輝度を達成するのを補助するために、ファイバ852の端部850は、発光体(光源)のガラスに触れないが、その付近にあってもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバ852は、米国ニューヨーク州ニューヨーク所在のMitsubishi International Corporationより入手可能である、Mitsubishi Rayon Co.,Ltd.社製の、ESKA(商標)高性能プラスチック光ファイバSK−10およびSK−60ならびに/またはESKA(商標)プラスチック光ファイバおよびケーブルワイヤによって示される特性および/または特徴のうちのいくつかまたは全部を有する。光ファイバの上記特徴および特性は例示的なものであって、本発明の全ての実施形態がこれらの点に限定されることを意図するものではないことを理解されたい。
【0049】
光ファイバは、光学的および機械的利点のために同心層の構造を用いる。ファイバの最も基本的な機能は、光線は発散する自然な傾向があるにもかかわらず、また、場合によっては強力な曲げ条件下においてさえも、光を誘導すること、すなわち、より長い伝播距離にわたって光を収束させた状態を維持することである。単純なステップインデックス形ファイバの場合には、クラッドに包囲されたファイバコアと呼ばれるファイバの軸の周囲に屈折率の高い領域を作製することによって、この指針が達成される。通常、クラッドは、少なくともポリマーコーティングによって保護される。内部全反射によって、光ファイバの「コア」内に光が維持される。クラッドは、光が目的地までファイバの長さを移動するように維持する。いくつかの場合において、単一ガイドに沿って電磁波を伝導し、ガイドの終端面のみではなく、ガイドの遠位端の所与の長さに沿って光を抽出することが望ましい。本開示のいくつかの実施形態において、光の方向、伝播、量、強度、入射角、均一性、および/または分布を変更するために、光ファイバの長さの少なくとも一部が、例えば、クラッドを除去することによって、改造される。
【0050】
図9A〜9Eは、本開示の実施形態の光ファイバの長さに対する改良の例示的な実施形態の拡大斜視図である。図9A〜9Eに示される実施形態において、光の方向、伝播、量、強度、入射角、均一性、分散、および/または分布を変更するために、光ファイバが改良される。一実施形態において、光ファイバは、光ファイバの長さの少なくとも一部に沿って光エネルギーが分散するように改良される。一実施形態において、光ファイバの長さに沿った光エネルギーの分散は、光ファイバの表面を改良することによって達成される。一実施形態において、光ファイバからの光エネルギーの分散は半径方向に起こる。図9Aに示す実施形態に示されるように、光ファイバ900の各円形階段部(902、904、および906)の各終端面903に沿って光を分散させるように、本開示の光ファイバ900に円形階段部(902、904、および906)が形成されるかまたは設けられてもよい。いくつかの実施形態において、本開示の光ファイバのクラッドのいくらか、全部、または一部を除去することが望ましいかもしれない。図9Bの実施形態に示すように、光ファイバ910は、長さに沿って先細りにされ、いくらかのクラッドが除去されている。光ファイバ910を先細りにすることにより、光ファイバ910から光の放射分散をもたらすことができる。図9Cに示す実施形態に示されるように、ファイバ920の切り欠き921から角度を持って外側に内部反射を方向付けるために、光ファイバ920に切り欠き921を設けることができる。いくつかの実施形態において、切り欠きは、ファイバに対して約45度の角度で形成されてもよい。いくつかの実施形態において、本発明の実施形態の全てがこのように限定されることを意図しないため、切り欠きは、約30度の角度、約62.5度の角度、または約45度未満もしくは45度超の任意の角度で形成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、ファイバの長さに沿ってどこに切り欠きが位置するかによって、切り欠きの角度が変化してもよい。例えば、バルーンの端部に位置する切り欠きの角度がバルーンの中央に位置する切り欠きよりも浅い角度になるように、光ファイバに切り欠きを設けてもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバ束を構成する個々の光ファイバの端部は、ファイバの長さに沿って種々の位置に、光源から光を放射できるように、互い違いであってもよい。上記実施形態のうちのいくつかにおいて、光をバルーン内で横方向または半径方向に移動させることにより、光は、粘着剤に到達するためにより短い距離を移動するだけでよい。図9Dに示した実施形態に示されるように、光ファイバ930の長さに沿ってらせん設計を形成することにより、光ファイバ930のクラッドの長さが改良されている。図9Eに示した実施形態に示されるように、クラッド942の一部が光ファイバ940から除去されている。
【0051】
いくつかの実施形態において、光学素子は、光の出力を調節するために、光ファイバの切り欠きまたは開口部と並んで配向されてもよい。そのような光学素子は、レンズ、プリズム、フィルタ、スプリッタ、ディフューザ、および/またはホログラフィックフィルムを含んでもよい。光源、およびより具体的には、光ファイバは、本発明の全ての実施形態がこれらの点において限定されることを意図しないため、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,289,150号に列挙される特性および特徴のいくつかまたは全部を有してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、光ファイバは、クラッドに包囲された光ファイバコアと、1つ以上の発光体とを含んでもよい。発光体は、光ファイバコアの側部に沿って、所定の離間した関係において直線的に位置付けられた、均一のサイズおよび形状のものであってもよい。光ファイバコアは、トラックおよび/またはホルダおよび/または発光体を中心とする反射内部表面で構成されるチャネルを備えるリフレクタに受容されてもよい。ホルダおよび/またはリフレクタは、複数の発光体に隣接または接触して位置付けられてもよい。光源は、TIR効果をもたらすように、光ファイバ導管の一方の端部に従来様式で接続されてもよい。光源と反対側の光ファイバ導管の端部は、光ファイバ導管内に残るあらゆる光を光源に向けて反射し返すための反射面を含んでもよい。光導管の長さをより長くするために、導管は第2の光源を含んでもよい。
【0053】
発光体は、例えば、製造中または製造後にコア内に形成される気泡、プリズム、レンズ、または反射性材料等、光を反射するかまたは屈折させる、製造中または製造後に光ファイバコア内に構築される任意の不均一性を含むことができる。また、材料のくさびを除去するためにコアにおける2つの切り込みによって設けられる切り欠き、またはコアに設けられる単独の切り込みは、発光体としての機能を果たすことができる。切り欠きまたは切り込み等の発光体は、コアを均一に切断し、平滑でざらざらしていない表面を残すことができる場合がある機械的カッターを用いて設けられてもよい。この目的のために好適なカッターは、材料が裂けるまたは燃焼することなくコアを切断することができる。カッターは、ディスクの中心に位置する軸を中心として自由に回転可能な、滑らかな、歯のないブレードを有する円形ディスク状のナイフを有してもよい。90度の切り欠きを設けるために、コアの縦軸に対してブレードが45度の角度であってもよく、三日月形または三角形の形状を有する材料がコアから除去される。
【0054】
切り欠きは、コア内の光のTIR効果を最大化することによって、発光体としての機能を果たすことができる。このことは、コアが、コアを横切ってコアの反対側から射出するように光を方向付ける場合がある切り欠き内の周囲空気とは異なる屈折率を有することに起因するかもしれない。周囲空気を他の気体または化合物と交換することによって、異なる照明効果を達成してもよい。切り込みの不完全性は、いくらかの光を切り欠き内に方向付けるかもしれない。この光は、コアを通って反射し返してもよい。
【0055】
切り欠きよりも切り込みが好ましい幾つかの実施形態において、切り込みは、クラッドおよびコア内に1/8インチの均一な深さで、水平位置、すなわち光ファイバの縦軸から、45度の角度で設けられてもよい。これにより、光ファイバの縦軸に垂直に光を射出させると考えられる場合があり、光ファイバコアは、光を射出させるために約81度の受光角を有してもよい。切り込みの側部表面は、光が確実に均一に屈折するように、粗面ではなく平滑であってもよい。切り込みは、通常の使用において切り込みの側部間での接触を防止するために十分な間隙を有するくさびを形成することができる。そのような接触は、光の反射特性および/または屈折特性を低下させるかもしれない。いくつかの実施形態において、光をコアの外に強制的に出すためにTIRに依存するという点から、切り込みは切り欠きよりも効率が低い場合がある。光ファイバを所望の配列に固定することができるホルダもまた、ホルダおよび/またはリフレクタとしての役割を果たす場合がある。いくつかの実施形態において、光ファイバの断面が円形であってもよく、「U字」の底部に開放空間が形成される直線的な「U字型」チャネル等の形状適合性ではないホルダ内に配置されてもよい場合は、この構成を維持するために「U字」の底部に近接する光ファイバに切り込みが設けられてもよい。形状適合性ホルダが使用されてもよいいくつかの実施形態において、光抽出効率を減少することができるように、切り込みを閉鎖して構成を変更する場合がある。形状適合性ホルダを使用するいくつかの実施形態において、発光体は、ホルダと切り欠き表面との間に開放空間を維持するのに十分な切り欠きによって設けられてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、切り欠きを設けることは、切り欠きによって形成される表面が内部全反射を生じるのに十分平滑であり得るように、光ファイバに切り欠きを設けるために十分な切断ブレードを有する高速ドリルモータを使用することを含んでもよい。ホルダに対する発光体の配列が、光学系から放射される光出力の指向性を決定する場合がある。切り込みの形状は、光学系の出力ビームパターンに影響を与える場合がある。例えば、切り込みの幅が広いほど、出力ビームパターンが広くなる。
【0057】
ほとんどの直線状光ファイバと同様に、光源付近のファイバの長さから光が抽出されるため、その次の長さではより少ない光が利用可能である場合があり、この事象を製造工程における考慮に入れてもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバ導管からの均一な照明を達成するために、発光体が生じる頻度は、導管の長さおよび光源からの発光体の距離に関連して非直線的に増加する場合がある。換言すると、光源からの距離が長くなるにつれて、発光体はより近くに密集するかもしれない。これは、発光体によりもたらされる損失および光自体の自然の減衰に起因する光の減衰を補償する場合がある。間隔は、徐々に近接するか、または集合が徐々に近接する集合の間隔であってもよいが、各集合内の個々の発光体間の距離は同じままであってもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバがその長さに沿って均一に光を伝送するように、発光体は徐々に深くなってもよい。発光体が徐々により深くなるように作られる場合、光のパターンが変更されるかもしれない。切り込みが深いほど、光のパターンがより幅広くなるかもしれない。発光体が徐々により接近される場合、光のパターンは同じ状態に留まる場合があり、光出力が増加する場合がある。いくつかの実施形態において、発光体の間隔における変化に一部起因して、また発光体のサイズおよび角度の均一性に一部起因して、導管の長さに沿ってほぼ均一な光出力を達成する場合がある。そのような均一性を提供するために、機械的カッターを良好に適合させてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態は、切り込み間隔の頻度における連続的な変動を含むことができるが、間隔を調節する間の遅延を最小限に抑えるために、異なった区間距離で間隔頻度を変化させるためにカッターが適合可能な場合がある。
【0059】
発光体は、クラッドを付加する前に光ファイバコアのみの中に作られてもよく、かつ/または、発光体は、クラッドで包囲されてからクラッドおよびコア内に作られてもよい。いくつかの実施形態において、コアの周囲に密接に収縮するようにクラッドを加熱する場合、クラッドは、切り欠きを入れるか、または切り込みを閉鎖するかのいずれかによって、発光体の可能な光偏向特性を低減させることにより、コアにおける発光体の均一性に影響を与える場合がある。
【0060】
発光体は、光が楕円形の光ファイバコアのより大直径を横切って出て、それぞれの発光体の各々から反対側の領域を通って出るように光を方向付けるように位置付けられてもよい。これは、光源からの光を、光学コアを通って方向付けるために、切り欠きおよびまたは切り込みに角度を付けることによって達成する場合がある。切り込みが所望の焦点効果に対する光の寄与を減じる種々の方向に光を反射/偏向させるのではなく、光を方向付けるように、光学系の一方の側に位置する切り欠きを設けることによって、発光体は光の脱出をより良好に制御することができる。
【0061】
ディフューザ、偏光子、拡大レンズ、プリズム、ホログラム、または発光体の方向、数、または質を変更することが可能な任意の他の素子等の1つ以上の光学素子もまた、個別でまたは組み合わせて、コア‐クラッド、切り欠き、ならびにトラックまたはホルダおよび/もしくはリフレクタに付加され、それらと位置合わせされることができる。光学要素は、別個の構成要素として形成されるか、あるいは、コア、クラッドおよび/またはジャケット材料と一体化して、または別個におよび一体化して形成される構成要素との任意の組み合わせで形成されてもよい。種々の形状のコアおよびクラッドと一体化して形成される光学要素はレンズを形成してもよく、それによって、完成品からの光の指向性に影響を与える。異なる光ファイバの形状は、異なる出力ビームパターンを形成することができる。いくつかの実施形態において、円形の光ファイバは、より幅広い光のビーム広がりを形成する場合がある。いくつかの実施形態において、くさび形状の光学系は、平行な光のビームの広がりを生成することができる。このビームの広がりは、レンズ効果と考えられるものに起因するかもしれない。いくつかの実施形態において、切り込みの深さは、光がコアから射出する光ファイバコアの曲率によって形成されるレンズの焦点に少なくとも交差する場合がある。
【0062】
光ファイバコアは任意の形状を有してもよく、コアの形状は、光の拡散に影響を与えるかもしれない。いくつかの実施形態において、光ファイバコアは、断面から見たときに円筒形状であってもよく、発光体の広い領域上に光を拡散するレンズを形成してもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバコアは、断面から見たときに長円または楕円の形状を有してもよく、発光体のより狭い領域において光の光強度を増加させるレンズを形成してもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバコアは、断面から見たときにくさび形状を有してもよく、レンズを形成してもよい。本発明の全ての実施形態がこの点において限定されることを意図しないため、光学素子としての役割も果たす所望の光学的特徴のために、他の形状が使用されてもよいことを理解されたい。
【0063】
代替の光学素子も、ホルダおよび/またはリフレクタと位置合わせされた別個の光学素子、ならびに光学素子から光学系の反対側にある切り欠きによって形成される円弧を含むことによって、種々の照明効果を達成する補助としてもよい。レンズ光学系、切り欠き、ならびにホルダおよび/またはリフレクタは、光学系から射出してレンズ内に進入するように光を方向付けるように位置合わせされてもよい。光学素子はまた、ジャケット材料内に一体化して形成されてもよい。所望の照明効果を達成するためにジャケットの厚さが調節されてもよい。代替として、他の所望の照明効果を生成するように、円筒形状のディフューザが含まれ、位置合わせされてもよい。いくつかの実施形態において、第1のディフューザは光ファイバを通過する光の光強度を減少させてもよく、第2のディフューザはそれを通過する光の光強度を増加させてもよい。上記のような2つのディフューザは、光が光ファイバから離れて伝送され発散されるにつれ、光の光強度を変更してもよい。
【0064】
この種類の用途に特化した光学照明をできるだけ有効に利用するために、発光体、ホルダおよび/またはリフレクタ、ならびに光学素子の配列を制御することが推奨されてもよい。いくつかの実施形態において、これらの素子の配列は、光ファイバコアの直径周辺に集中させてもよい(例えば、ホルダおよび/またはリフレクタの中心からの直径およびそれに対して垂直に)。光ファイバ導管の長さ全体に沿ってこの配列の制御を維持することが望ましい場合がある。
【0065】
一実施形態において、骨折修復プロセスは、従来の外科的切開によって骨を露出させることなく、脆弱な骨または骨折した骨を補強する。本開示の実施形態は、骨へのアクセスを得るために小さな切開を行うことによって、低侵襲手法を用いる。低侵襲性とは、例えば、組織損傷部位に観血的にアクセスする必要なく、または最小限の切開によって、関連する筋肉の最小限の破損を伴って達成することができる、顕微鏡、内視鏡、または関節鏡による外科的手段等の外科的手段を指す。低侵襲手技は、光ファイバまたは顕微鏡による可視化等の可視化を用いて達成されることが多く、対応する観血的な外科的手法に伴う回復期間よりも実質的に短い術後回復期間を提供する。低侵襲手技の利点は、最小限の血液損失のために外傷が少ないこと、手術および麻酔時間の短縮、入院期間の短縮、およびより容易かつ迅速な回復、を含む。一実施形態において、脆弱な骨または骨折した骨の髄内腔内に骨固定具が配置されてもよい。骨構造を復元および保存することにより、本開示の実施形態のうちのいくつかは、将来的にさらなる治療選択肢を許容する。
【0066】
図10A〜10Eは、図1と合わせて、患者の身体における骨折した骨を修復するための方法ステップの実施形態を示す。低侵襲性の切開(図示せず)は、骨折した骨1002を露出させるために患者の身体の皮膚を介して行われる。切開は、骨の表面を露出させるために、骨折した骨1002の近位端または遠位端で行われてもよい。一旦、骨1002が露出されると、骨1002の視野内にあり得る筋肉および組織をいくらか開創する必要があるかもしれない。図10Aに示すように、ドリルまたは当該技術分野において既知である他の方法によって、骨にアクセス孔1010が形成される。一実施形態において、アクセス孔1010は、約3mm〜約10mmの直径を有する。一実施形態において、アクセス孔1010は、約3mmの直径を有する。
【0067】
アクセス孔1010は、骨の外側の硬い緻密外層1020を貫通して、比較的多孔質である内部または網状組織1025まで延在する。骨髄を含む骨の場合、延髄物質は、デバイス100を挿入する前に髄腔から除去されるべきである。骨髄は、主として腰骨、胸骨、頭蓋骨、肋骨、脊椎、および肩甲骨等の平骨、ならびに大腿骨および上腕骨のような長骨の近位端にある網状物質に見られる。一旦、髄腔に到達すると、空隙を形成するために、空気、血液、体液、脂肪、および骨の破片を含む延髄物質が除去されるべきである。空隙は、中空空間として定義され、第1の位置は、骨の貫入点に関して空隙の最遠位縁を定義し、第2の位置は、骨の貫入点に関して空隙の最近位縁を定義する。骨は、髄腔の延髄物質を皮質骨まで除去するために十分にくり抜かれてもよい。当該技術分野において既知であり、本開示の実施形態の主旨および範囲内である、延髄物質を除去するための多くの方法が存在する。その方法は、米国特許第4,294,251号、表題「Method of Suction Lavage」、米国特許第5,554,111号、標題「Bone Cleaning and Drying system」、米国特許第5,707,374号、標題「Apparatus for Preparing the Medullary Cavity」、米国特許第6,478,751号、標題「Bone Marrow Aspiration Needle」、および米国特許第6,358,252号、標題「Apparatus for Extracting Bone Marrow」に記載されるものを含む。
【0068】
ガイドワイヤ(図示せず)が、アクセス孔1010を介して骨1002に導入され、骨折1005の位置を横切るように、骨1002の骨片1004と1006との間に配置されてもよい。ガイドワイヤは、骨1002の内腔内に送達されてもよく、ガイドワイヤが骨片の複数個所に跨るように骨折1005の位置を横切る。図10Bに示すように、ガイドワイヤを収容するように構築および構成される、骨折した骨を修復するためのデバイス100のバルーン部103は、ガイドワイヤ上を骨折部位1005まで送達させられ、骨1002の骨片1004および1006に跨る。一旦、バルーン部103が適所に配置されると、ガイドワイヤは除去されてもよい。バルーン部103の位置は、骨1002の外側または内側から検出可能である、少なくとも1つの放射線不透過性マーカー130を用いて決定されてもよい。例えば、図10に描かれた実施形態に示すように、X線または他の検出手段を用いると身体の外側から可視である放射線不透過性マーカー130は、デバイス100を配列し、かつ位置付けるのを補助するために、送達カテーテル110のバルーン部103およびスリップスリーブ107の両方に沿って位置する。一旦、バルーン部103が、骨折した骨1002内の正しい位置に配置されると、デバイス100が、補強材料を収容する送達システムに取り付けられる。次いで、補強材料が、送達カテーテル110の空隙を通って注入され、デバイス100のバルーン部103に進入する。図10Cに示すように、バルーン部103内に補強材料を付加することにより、バルーン部103を膨張させる。バルーン部103が膨張すると、骨折1005が減少する。一実施形態において、補強材料はUV硬化型粘着剤であり、接着剤を硬化させるためにUV光源を必要とする。一実施形態において、補強材料は、接着剤を硬化させるために可視光源を必要とする。一実施形態において、バルーン部103内に中心空間が残ってもよく、該空間は、骨折した骨1002に追加の強度および支持を提供するために充填されてもよい。光学ロッドまたは同様のデバイスが中心空間内に位置付けられ、スイッチを入れられるかまたは照明されてもよい。光学ロッドまたは同様のデバイスは、ファイバ、シリカ、水晶、サファイア、または同様の材料で作ることができる。次いで、UV光がバルーン部103内のUV硬化型粘着剤を硬化させる。光学ロッドの端部は、切断され、剛性を増加させるためにバルーン部103内に残ってもよい。
【0069】
一旦、骨片1004および1006の配向が所望の位置にあることが確認されると、UVまたは可視光を放射する光源を用いた照明等により、図10Dに示すようにUV硬化型粘着剤がバルーン部103内で硬化されてもよい。UV硬化型粘着剤が硬化した後、ライトパイプがデバイス100から除去されてもよい。バルーン部103が一旦硬化すると、当該技術分野において既知の方法によって送達カテーテル110から除去されてもよい。一実施形態において、バルーン部103を細長いシャフト101から分離するために、送達カテーテル110が切断されてもよい。デバイスは、送達カテーテル110上を摺動して、直角剪刀を、送達カテーテル110を通って降下させて切断を行う。切断の位置は、蛍光透視またはX線を用いて決定されてもよい。一実施形態において、切断位置は、細長いシャフト101がバルーン部103と出会う接合部である。
【0070】
一実施形態において、デバイス100は、手または手首の骨折を治療するために使用される。手首は、手の使用を可能にする多くの関節および骨の集合体である。手首は、把持するための強度を提供する一方で、可動でなくてはならない。手首は、あらゆる小さい骨が隣り合う骨と関節を形成しているため、複雑である。手首は、手根骨と呼ばれる少なくとも8つの別個の小さい骨で構成され、それらは、橈骨および尺骨と呼ばれる前腕の2つの骨を手および指の骨に接続する。手首は多くの様式で損傷を受ける場合がある。損傷の中には、その損傷が起こったときには単純な手首の捻挫に過ぎないように見えるが、何年も経過してから問題を発症する可能性のあるものがある。手の骨折は、手の小さな骨のうちの1つが折れたときに起こる場合がある。手は、約38個の骨から構成され、これらの骨のうちのいずれか1つが骨折する場合がある。掌および手の中央部は、中手骨から構成される。中手骨は、筋肉付着部を有し、手首と個々の指をつないでいる。これらの骨は、物体による圧壊、または最も一般的には、壁による急激な手の停止等の直接的な外傷によって頻繁に損傷する。関節は、関節の衝撃を和らげる関節軟骨で覆われている。当業者は、開示されるデバイスおよび方法は、撓骨、尺骨、鎖骨、中手骨、指節骨、中足骨、指骨、脛骨、腓骨、上腕骨、脊柱、肋骨、椎骨、および他の骨等の骨折を治療するために使用することができ、それらはなおも本開示の実施形態の範囲および主旨の範囲内であることを理解するであろう。
【0071】
本開示の実施形態は、鎖骨骨折を治療するため、結果的に鎖骨の整復に使用されてもよい。鎖骨すなわち襟骨は、肩帯(胸帯)の一部を構成する長骨として分類される。折れた鎖骨を固定するための現在の方法は限られている。鎖骨は皮膚表面のすぐ下に位置するため、プレートおよびネジを含む外部固定の可能性が限定される。また、鎖骨の下には肺および鎖骨下動脈が存在するため、ネジを使用することは魅力的な選択肢ではない。鎖骨骨折の従来の治療は、鎖骨を適所に配置することにより折れた骨を位置合わせし、腕および肩に三角巾、かつ鎮痛剤を提供し、毎週または数週ごとにX線で進捗を監視しながら骨自体を治癒させることである。固定は行わず、仮骨形成および骨成長により骨折した骨片が合わさって、骨片が再接合する。治癒の間、密な癒合がないために、骨折の癒合部にかなりの動きが見られ、仮骨形成はしばしば骨折部位に不連続性を生じる。鎖骨の形状における不連続性は、鎖骨骨折が原因であることが多い。
【0072】
本開示の実施形態および方法は、低侵襲性様式で鎖骨骨折を治療し、鎖骨整復、すなわち襟骨整復に使用されてもよい。鎖骨を修復するために開示されるデバイスを使用することの利点は、該修復が修復後の鎖骨不整列を最小限に抑えることある。鎖骨を修復するために開示されるデバイスを使用することの利点は、治癒プロセスの間の患者の疼痛を解消することである。
【0073】
図11A、図11B、および図11Cは、図12A、図12B、および図12Cと合わせて、患者の手1100の指1110における骨折した中手骨1102を修復する際に使用される本開示の実施形態のデバイス100を示す。図示されるように、骨折した中手骨1102は、骨折点1105で2つの骨片1104および1106に分裂されている。図12Aに示すように、デバイス100のバルーン部が骨折部位1105に送達され、骨1102の骨片1104および1106に跨っている。バルーン部の位置は、骨1102の外側または内側から検出可能である少なくとも1つの放射線不透過性マーカーを用いて決定されてもよい。一旦、バルーン部が骨折した骨1102内の正しい位置に配置されると、デバイス100が補強材料を収容する送達システムに取り付けられる。次いで、補強材料が送達カテーテルの空隙を通して注入され、デバイス100のバルーン部に進入する。こうしてバルーン部内に補強材料を付加することにより、図12Bに示すようにバルーン部を膨張させる。バルーン部が膨張すると、骨折1105が整復される。一実施形態において、補強材料はUV硬化型粘着剤であり、該接着剤を硬化させるためにはUV光源を必要とする。次いで、UV光がバルーン部内のUV硬化型粘着剤を硬化させる。一実施形態において、補強材料は、接着剤を硬化させるために可視光源を必要とする。
【0074】
一旦、骨片1004および1006の配向が所望の位置にあることが確認されると、UVを放射する光源を用いた照明等により、UV硬化型粘着剤がバルーン部内で硬化されてもよい。UV硬化型粘着剤が硬化した後、ライトパイプがデバイス100から除去されてもよい。図12Cに示すように、バルーン部が一旦硬化すると、当該技術分野において既知の方法を用いて送達カテーテルから解放されてもよい。一実施形態において、バルーン部を細長いシャフトから分離するために、送達カテーテルが切断される。
【0075】
骨折した骨を修復するための方法は、骨折した骨の内腔へのアクセスを得ることと、骨折した骨の修復において使用するためのデバイスを提供することであって、デバイスは、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する送達カテーテルを備え、送達カテーテルが、光ファイバを通過させるための内部管腔を有する形状適合部材に解放可能に係合する、ことと、形状適合部材を、骨折した骨の少なくとも2つの骨片に跨るように位置付けることと、形状適合部材の内部管腔内に光ファイバを挿入することと、形状適合部材内に補強材料を注入するために、送達カテーテルの内部空隙を通して少なくとも1つの補強材料を導入することであって、形状適合部材は、収縮状態から膨張状態に移行する、ことと、少なくとも1つの補強材料が硬化されるように、光ファイバに接続された光源を作動させて、形状適合部材の内部管腔内に光エネルギーを伝達することと、硬化された形状適合部材を送達カテーテルから解放することと、を含む。
【0076】
本明細書に引用された全ての特許、特許出願、および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これまで開示したおよび他の特徴および機能のうちのいくつかは、またはそれらの代替物は、他の多くの異なるシステムもしくは用途と望ましく組み合されてもよいことを理解されたい。これらも添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される、現在予期できないまたは想定できない種々の代替例、修正例、変形例、または改良例が、後に当業者によって行われてもよい。
【0077】
上記に特定した図面が本開示の実施形態を規定する一方で、考察において記載したように、他の実施形態も企図される。本開示は、限定的なものではなく、代表的なものとして、例示的な実施形態を提示する。当業者は、本開示の実施形態の原理の範囲および主旨の範囲内である、他の多数の変更および実施形態を想到することができる。
【符号の説明】
【0078】
100 デバイス
101 シャフト
102 近位端
103 形状適合部材
104 遠位端
115 アダプタ
152 光ファイバ
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、脆弱な骨または骨折した骨を修復する際に使用される医療用デバイスに関し、より具体的には、脆弱な骨または骨折した骨を修復するための内部骨固定デバイス、およびこれらのデバイスを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨折修復は、折れた骨の端部を再接合および再整列させるプロセスである。骨折修復は、折れた骨の正常な位置および機能を復元する必要がある場合に必要とされる。骨折治癒の段階を通して、骨は、正しい位置に強固に固定され、重量に耐えられるだけ十分強くなるまで支持されなければならない。骨折が適切に修復されない場合には、骨不整列が起こり、その結果、身体のその領域の骨または関節の物理的機能障害が生じる可能性がある。
【0003】
前世紀まで、医師は、身体の外側から骨を支持するためのギブスおよび副木に頼っていた(外部固定)。しかしながら、無菌手術の発展により感染のリスクが減少したため、医師は、骨に対して直接作業を行うことができるようになり、体内に材料を移植できるようになった。現在、折れた骨を修復、強化、および支持するための内的手法がいくつか存在する。それらは、骨を直接支持するためのワイヤ、プレート、ロッド、ピン、クギ、およびネジ等の内部固定デバイスを使用すること、ならびに骨セメント混合物または骨欠損部充填材を骨折した骨に付加することを含む。
【0004】
骨を修復するため、および、例えば、骨を接合するために、骨折した骨に骨セメントを付加することは、当該技術分野で周知である。従来の骨セメント注入デバイスは、骨折した骨の内部で遭遇する網状骨の量および密度の状態に対して、骨セメントの注入量または注入速度をリアルタイムで調節または制御することが困難である。また従来の骨セメントは、骨折した骨の部位以外の領域に骨セメントが漏洩することを含む合併症を引き起こす恐れがあり、その結果、軟組織損傷、ならびに神経根の疼痛および圧迫を生じる可能性がある。
【0005】
よって、使用が容易であり、骨および支持組織への損傷が最小限に抑えられる低侵襲性技術を用いて、骨折した骨を修復、強化、および支持するための内部骨固定デバイスの必要性が当該技術分野に存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
脆弱な骨または骨折した骨を修復するための内部骨固定デバイス、および該デバイスを使用するための方法を本明細書に開示する。本明細書に示される一態様によると、骨折した骨を修復するためのデバイスであって、近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、送達カテーテルは、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、ライトパイプを受容するための内部管腔と、を有し、内部管腔の遠位端は、光学レンズ内で終端し、送達カテーテルと、送達カテーテルの遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、少なくとも1つの補強材料が形状適合部材に送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、ライトパイプおよび少なくとも1つの補強材料を受容するために、送達カテーテルの近位端に解放可能に係合する、アダプタと、を含む、デバイスが提供される。
【0007】
本発明に例示される一態様によると、骨折した骨を修復するためのデバイスであって、近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する、送達カテーテルと、送達カテーテルの遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、光ファイバを受容するための内部管腔を有し、少なくとも1つの補強材料が形状適合部材まで送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、光ファイバおよび少なくとも1つの補強材料を受容するために、送達カテーテルの近位端に解放可能に係合する、アダプタと、を備える、デバイスが提供される。
【0008】
本発明に例示される一態様によると、骨折した骨を修復するための方法であって、骨折した骨の内腔へのアクセスを得ることと、骨折した骨の修復において使用するためのデバイスを提供することであって、デバイスは、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する送達カテーテルを備え、送達カテーテルが、光ファイバを通過させるための内部管腔を有する形状適合部材に解放可能に係合することと、形状適合部材を、骨折した骨の少なくとも2つの骨片に跨るように位置付けることと、形状適合部材の内部管腔内に光ファイバを挿入することと、形状適合部材内に補強材料を注入するために、送達カテーテルの内部空隙を通して少なくとも1つの補強材料を導入することであって、形状適合部材は、収縮状態から膨張状態に移行することと、少なくとも1つの補強材料が硬化されるように、光ファイバに接続された光源を作動させて、形状適合部材の内部管腔内に光エネルギーを伝達することと、硬化された形状適合部材を送達カテーテルから解放することと、を含む、方法が提供される。
【0009】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照することによってより詳細に説明され、いくつかの図面を通して、同様の構造は同様の番号によって参照される。図示する図面は、必ずしも縮尺通りではなく、そのかわりに概して本開示の実施形態の原理を例示することに重点がおかれている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスの実施形態の斜視図である。
【図2A−2B】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するための図1のデバイスの斜視図である。図2Aは、収縮状態にあるデバイスのバルーン部を示す。図2Bは、膨張状態にあるデバイスのバルーン部を示す。
【図3A−3C】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスの、主な構成要素のうちのいくつかの実施形態の拡大図である。図3Aは、デバイスの遠位端の斜視図である。図3Bは、デバイスの線A−Aに沿った側面断面図である。図3Cは、線B−Bに沿ったデバイスの側面断面図である。
【図4】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスとともに使用されるライトパイプの実施形態の斜視図である。
【図5A−5B】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスの実施形態の断面図である。図5Aは、図4のライトパイプを有するデバイスの側面断面図である。図5Bは、該デバイスの断面図である。
【図6】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスとともに使用されるライトパイプの実施形態の斜視図である。
【図7】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するための、図6のライトパイプを有するデバイスの実施形態の側面断面図である。
【図8】本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためにデバイスとともに使用される光ファイバの例示的な実施形態の斜視図である。
【図9A−9E】本開示の実施形態の光ファイバの一部に対する改良の例示的な実施形態の拡大斜視図である。
【図10A−10E】骨折した骨を修復するために、本開示の実施形態のデバイスを利用するための方法の段階を示す図である。
【図11A−11C】手の指における骨折した中手骨の例示的な実施形態を示す図である。
【図12A−12C】内部骨固定のために使用される本開示の実施形態のデバイスを示す図である。図12Aは、患者の手の中手骨骨折にデバイスを配置したところを示す。図12Bは、骨折を修復するための補強材料によってバルーン部が膨張した、デバイスのバルーン部の側面図である。図12Cは、デバイスからバルーン部が除去された後の、骨折部位におけるバルーン部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
脆弱な骨または骨折した骨を修復するための医療用デバイスおよび方法を本明細書に開示する。本明細書に開示されるデバイスは、内部骨固定デバイスとして機能し、解放可能な形状適合部材内で終端する細長いシャフトを有する送達カテーテルを含む。骨折した骨を修復するための手技の間、形状適合部材は、収縮状態で骨折した骨の内腔内に配置される。一旦所定の位置に配置されると、形状適合部材は、少なくとも1つの補強材料を付加することによって、収縮状態から膨張状態に拡張される。少なくとも1つの補強材料は、続いて、デバイスのライトパイプ導管内に配置されるライトパイプから伝えられ、かつ分散する光を用いて、形状適合部材内で硬化される。ライトパイプに係合する光源が、補強材料を硬化させるために必要な光を提供する。一実施形態において、ライトパイプは、補強材料を硬化させるために、送達カテーテルの解放可能な形状適合部材と細長いシャフトとの間の領域である分離接合部で、デバイス内に位置付けられる。一実施形態において、補強材料を硬化させるために、ライトパイプが形状適合部材の内部管腔内に入るように、ライトパイプがデバイス内に位置付けられる。硬化された形状適合部材は、次いで、送達カテーテルから解放され、形状適合部材内の少なくとも1つの補強材料を包囲するようにシールされてもよい。硬化された形状適合部材は、骨折した骨の内腔内に残り、骨折した骨に支持および適切な配向を提供し、その結果、骨折した骨の修復、治癒、および強化をもたらす。
【0012】
補強材料は、これらに限定されないが、骨補強混合物(骨セメント混合物、骨欠損部充填材、エポキシ樹脂、粘着剤、および同様の接着剤等)、整形外科用ワイヤ、ステンレススチールロッド、金属ピン、および他の同様のデバイスを含む。補強材料は、骨または骨組織を強化、置換、もしくは補強するための天然または合成の材料であってもよい。骨補強混合物は、粘着剤、接着剤、セメント、硬組織置換ポリマー、PLA、PGA、およびPLA−PGAコポリマー等の生分解性ポリマー、天然珊瑚、ヒドロキシアパタイト、β‐トリカルシウムリン酸塩、ならびに当該技術分野で、骨を強化、置換、または補強することで知られる種々の他の生体材料を含む。不活性材料として、骨補強混合物が周辺組織に組み込まれてもよいか、または徐々に元の組織によって置換されてもよい。当業者は、当該技術分野において既知である多数の骨強化用混合物が、本開示の実施形態の主旨および範囲内であることを理解するであろう。
【0013】
本明細書に開示されるデバイスは、これらに限定されないが、骨粗鬆症、軟骨無形成症、骨癌、進行性骨化性線維異形成症、線維性骨異形成症、レッグ・カルヴェ・ペルテス病、骨髄腫、骨形成不全症、骨髄炎、骨減少症、骨粗鬆症、パジェット病、脊柱側弯症、および他の同様の疾患を含む骨疾患のうちのいずれかに起因して脆弱化した骨または骨折した骨の修復に使用されてもよい。本明細書に開示されるデバイスは、例えば、転倒による損傷のために脆弱化または骨折した骨の修復に使用されてもよい。
【0014】
図面のうちのいくつかは、手の中手骨として骨折した骨を示すが、当業者は、開示されるデバイスおよび方法は、これらに限定されないが、大腿骨、脛骨、腓骨、上腕骨、尺骨、橈骨、中足骨、趾骨、指骨、肋骨、脊柱、椎骨、鎖骨、および他の骨を含む他の骨を修復するために使用されてもよく、なおも開示される実施形態の範囲および主旨の範囲内であることを理解するであろう。
【0015】
脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスの実施形態の主な構成要素が、図2Aおよび図2Bと合わせて図1に一般的に示される。デバイス100は、近位端102、遠位端104、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフト101を有する送達カテーテル110を含む。一実施形態において、送達カテーテル110は、約3mmの直径を有する。送達カテーテル110の遠位端104は、解放可能な形状適合部材103(本明細書においてバルーン部とも称される)内で終端する。バルーン部103は、少なくとも1つの補強材料がバルーン部103まで送達されると、収縮状態(図2A)から膨張状態(図2B)に移行することができる。一実施形態において、バルーン部103は、約2.5mmの収縮直径を有する。一実施形態において、バルーン部103は、約4mm〜約9mmの範囲の膨張直径を有する。補強材料は、補強材料を通過させることが可能な内部空隙を介してバルーン部103に送達されてもよい。一実施形態において、UV活性型粘着剤等の補強材料が、バルーン部103を収縮および膨張させるために使用される。一実施形態において、バルーン部103は、円形、平坦、円筒形、楕円形、長方形、または別の形状であってもよい。バルーン部103は、これらに限定されないが、ウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロンエラストマー、および他の同様のポリマーを含む、柔軟で弾性のある、形状適合性で強い材料で形成されてもよい。一実施形態において、バルーン部103は、PETナイロンアラメット(aramet)または他の非消耗材料で構成される。PETは、合成繊維に使用されるポリエステル系の熱可塑性ポリマー樹脂である。その工程および熱履歴に依存して、PETは、非晶質材料および半結晶性材料の両方として存在することができる。半結晶性PETは、良好な強度、延性、剛性、および硬度を有する。非晶質PETは、より良好な延性を有するが、剛性および硬度が低い。PETは、その厚さによって半剛体から剛体であり得、非常に軽量である。PETは、強く、耐衝撃性があり、本来、無色透明で、鉱油、溶剤、および酸に対して良好な耐性を有する。
【0016】
一実施形態において、バルーン部103は、骨の中の空洞の内壁に均一に接触するように設計される。一実施形態において、バルーン部103は、特定の形状を持つ骨の内腔に適合するように、特定の形状を有してもよい。例えば、図1の実施形態に示されるように、バルーン部103の所定の形状は、細長い円筒形であってもよい。バルーン部103は、近位端123、遠位端121、およびそれらの間に、外表面122を有する縦軸を有する。一実施形態において、バルーン部103の外表面122は、実質的に均一および平滑であり、骨の中の空洞の壁と実質的に嵌合する。一実施形態において、バルーン部103の外表面122は完全には平滑ではなく、長さに沿っていくつかの小さい突起または凹凸を有してもよい。いくつかの実施形態において、バルーン部103の外表面122から突出する大きな隆起部は存在しない。バルーン部103は、骨の空洞内に留まり、骨のいかなる穴または割れ目を通しても突出しないように設計されてもよい。一実施形態において、バルーン部103の外表面122は、内腔の壁と面一であってもよく、バルーン部103が膨張すると、外表面122は、表面領域の少なくとも一部に沿って空洞の壁に接触してもよい。一実施形態において、バルーン部103が膨張すると、バルーン103の外表面122の大部分または全部は空洞の壁とは接触せず、骨の中のいかなる穴または割れ目を通っても延在しない。
【0017】
バルーン部103の外表面122は、薬剤、骨粘着剤、タンパク質、成長因子、または他のコーティング等の物質で被覆されてもよい。例えば、低侵襲性外科手技の後に、患者が感染症を発症し、該患者が抗生物質による治療を受けることが必要になるかもしれない。考えられる感染症を防止するためおよびそれに対処するために、バルーン部103の外表面122に抗生物質が付加されてもよい。例えば、骨形態形成タンパク質または他の成長因子等のタンパク質が、軟骨および骨の形成を誘導することが分かっている。新しい骨の形成を誘導するのを補助するために、バルーン部103の外表面122に成長因子が付加されてもよい。バルーン部103内の補強材料の熱放出が不足することにより、コーティングの有効性および安定性が維持される。
【0018】
一実施形態において、バルーン部103が骨空洞の形状に適合するのを補助するために、バルーン部103の外表面122は、リブ、隆起、突起、または他の形状を有してもよい。バルーンは、骨の内腔空洞内における通過を達成して、狭窄部を拡張、操作、および除去するように構成されてもよい。このようにして、バルーン部103は、周辺組織と接触することなく、管腔体内を容易に摺動することができる。またバルーン部103は、骨内に配置され、小さな隆起またはリブ等の種々の形状のざらざらした面を使用して、滑らずに骨折した骨を把持するように設計されてもよい。
【0019】
一実施形態において、水溶性粘着剤が、バルーン部103の外表面122に塗布されてもよい。バルーン部103が拡張し、湿潤骨に係合すると、バルーン部103の外表面122上の水溶性粘着剤が粘り気を持つかまたは粘着性となり、骨に対するバルーン部103の一致結合(conformal bond)を高める把持部材としての役割を果たす。一旦バルーン部103が膨張すると、バルーン部103の外表面122が骨を把持し、機械的結合および化学的結合を形成する。これらの結合により、骨が滑る可能性を回避する。水溶性粘着剤は、任意の光によって硬化してもよい(例えば、UVは必要ではない)。
【0020】
一実施形態において、バルーン部103は、骨折した骨の骨片の全ての部分を把持することが可能な1つ以上の隆起を備える、ざらざらした面を有する。一実施形態において、隆起はバルーン部103に対して周方向であり、骨折した骨と接触する膨張したバルーン部103に、より強い把持力を付与するように設計される。また隆起は、バルーン部103が完全に膨張したときに、骨折した骨上で隆起が折り曲がるように圧縮性でもある。一実施形態において、バルーン部103の外表面122をサンドブラストで表面処理することにより、バルーン部103の外表面122と骨内側との間の接触および接着性を向上させる。表面処理は、骨と接触する表面積の量を著しく増加させ、結果的により強い把持力をもたらす。
【0021】
デバイス100のバルーン部103は、通常、いかなる弁も有さない。弁を有さないことの1つの利点は、骨折整復および配置を補助する際に必要なだけバルーン部103を膨張または収縮できることである。弁を有さないバルーン部103の別の利点は、デバイス100の有効性および安全性である。身体への補強材料の連通経路が存在しないため、全ての材料はバルーン部103内に収容され、漏洩の可能性は全くない。一実施形態において、送達カテーテル110が除去される前に硬化および固定されるバルーン部103の間に永久シールが形成される。実施形態の全てがこのように限定されることを意図しないため、バルーン部103が弁を有してもよい。
【0022】
送達カテーテル110のバルーン部103は、約5mm〜約9mmの範囲の直径を有する。送達カテーテル110のバルーン部103は、約20mm〜約80mmの範囲の長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約5mmの直径および約30mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約5mmの直径および約40mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約6mmの直径および約30mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約6mmの直径および約40mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約6mmの直径および約50mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約7mmの直径および約30mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約7mmの直径および約40mmの長さを有する。一実施形態において、バルーン部103は、約7mmの直径および約50mmの長さを有する。
【0023】
一実施形態において、補強部材105が、送達カテーテル110の細長いシャフト101を包囲し、細長いシャフト101に剛性を提供する。プッシャまたはスタビライザ116を、バルーン部103の近位に装着することができる。スリップスリーブ107は、補強部材105を包囲することができる。一実施形態において、スリップスリーブ107は、バルーン部103の近位端123からプッシャ116まで補強部材105を包囲する。1つ以上の放射線不透過性マーカーまたはバンド130が、バルーン部103および/またはスリップスリーブ107に沿って種々の位置に配置されてもよい。蛍光透視を行う間にデバイス100を位置合わせさせるために、放射線不透過性インクビード133が、バルーン部103の遠位端121に配置されてもよい。1つ以上の放射線不透過性バンド130は、硫酸バリウム、タンタル、または放射線不透過性を増加させることが既知の他の材料等の放射線不透過性材料を使用して、医療従事者が蛍光透視技術を用いてデバイス100を視認することを可能にする。また1つ以上の放射線不透過性バンド130は、配置および膨張する間にバルーン部103およびデバイス100の正確な位置付けを決定するために、バルーン部103が膨張する間に可視性を提供する。1つ以上の放射線不透過性バンド130は、バルーン部103内に封入された空気によって形成される場合がある任意の空隙の可視化を許容する。1つ以上の放射線不透過性バンド130は、可視化を許容することで、不適切な膨張によってバルーン部103が骨に係合しないまたは適合しない状態を排除し、バルーン/骨の均一な界面を維持する。
【0024】
一実施形態において、Tuohy−Borstアダプタ等のアダプタ115が、送達カテーテル110の近位端102に係合する。光源(図示せず)から光を伝達するためのコネクタ150を有するライトパイプ152を、アダプタ115のサイドアームのうちの1つに導入することができ、送達カテーテル110の内腔内を通過する。一実施形態において、ライトパイプ152は光ファイバである。光ファイバは、ガラス、ケイ素、シリカガラス、石英、サファイア、プラスチック、材料の組み合わせ、または任意の他の材料等の任意の材料で作ることができ、任意の直径を有することがある。一実施形態において、光ファイバはシリカガラスから作られ、約88度という広角の光分散を有する。実施形態において、光ファイバはプラスチック材料から作られる。図2Bに示すように、補強材料を収容する接着システムが、アダプタ115の別のサイドアームに導入されてもよい。代替として、ルアー継手が送達カテーテル110の近位端102に係合してもよく、送達カテーテル110およびライトパイプ152が一緒にロックされるように、ルアー取付具がライトパイプ152上に存在する。
【0025】
接着システムの例として、これらに限定されないが、骨補強材料を収容するコーキングガン型システム、シリンジシステム、バッグシステムが挙げられ、骨補強材料の送達は、チューブクランプまたは任意の他のリストリクタ弁を用いて制御される。図2Bに示す実施形態において、接着システムはシリンジ160である。一実施形態において、シリンジ160は、補強材料の流れを調整する制御機構を有する。シリンジ160の制御機構は、補強材料が送達カテーテル110に流入することを可能にし、その流れは所望に応じて停止されてもよい。シリンジ160は、補強材料の指向性流れを制御するために直接的な接触を行い、シリンジ160の方向における変化に応じて、送達カテーテル110内で補強材料の流れの方向が瞬時に変化する。
【0026】
一実施形態において、シリンジ160は不透明であり、シリンジ160内に光を透過させない。不透明なシリンジ160を有することによって、シリンジ160内に収容された補強材料が光に曝露されず、シリンジ160内で硬化しないことを確実にする。補強材料は、動粘性係数の単位であるセンチポアズ(cP)で測定される液体稠度であり、シリンジ160から送達カテーテル110およびバルーン部103内に補強材料を注入される場合がある。補強材料は液体稠度を有し、粘性があるため、補強材料は低圧での送達を用いて送達されてもよく、高圧での送達は必要とされないが、用いられてもよい。
【0027】
一実施形態において、補強材料は、光硬化型接着剤または紫外線(UV)接着剤である。光硬化材料の例としては、米国コネチカット州ロッキーヒル所在のLoctite of Henkel Corporationより市販されるもの、および米国コネチカット州トリントン所在のDYMAX Corporationより市販されるものが挙げられる。UV硬化の利点は、要求に応じた硬化プロセスであること、および、接着剤が溶剤を含まなくてもよく、長波UV光または可視光に曝露されると数秒で硬化する環境に優しい樹脂を含んでもよいことである。異なるUV接着剤は、異なる領域のUV光および可視光に感応する光開始剤を用いる。UV光は非常に強力であるため、化学結合を破壊することが可能であり、分子を著しく反応性にするかまたはイオン化し、一般に、分子相互の挙動を変化させる。可視光、例えば、可視青色光は、UV光は遮断するが可視光は透過させる基板(例えば、プラスチック)の間で材料を硬化することができる。可視光は、より深い深さまで接着剤に浸透する。可視光は接着剤を通過して浸透するため、電磁スペクトルのより大きな部分が有用なエネルギーとして利用可能となり、接着剤の硬化が増加する。薬剤(例えば、抗生物質)、タンパク質(例えば、成長因子)、または他の天然もしくは合成の添加剤を含むがこれらに限定されない添加剤が、UV接着剤送達システムとともに使用されてもよい。
【0028】
電磁スペクトルは、全ての可能な電磁放射線の領域である。ある物体の電磁スペクトルは、その物体が放射、反射、または透過する電磁放射線の周波数領域である。電磁スペクトルは、現代の無線に使用される周波数のすぐ下(長波長端で)からγ放射線(短波長端で)まで広がり、数千キロメートルから原子のサイズより小さい波長までを包含する。一実施形態において、UV接着剤は、UV光が接着剤に当たるまで硬化しない、単一成分の無溶剤接着剤であり、それが起こると、接着剤は数秒で硬化し、剪断強度を有する完全な結合を形成する。一実施形態において、UV接着剤は、可視光が接着剤に当たるまで硬化しない、単一成分の無溶剤接着剤であり、それが起こると、接着剤は数秒で硬化し、剪断強度を有する完全な結合を形成する。一実施形態において、補強材料は、硬化時に約2〜約3パーセントの収縮を示す。
【0029】
UV光波長は、約1nm〜約380nmの範囲であり、次のカテゴリーに細分することができる。すなわち、近UV(380〜200nm波長、NUVと略される)、遠UVまたは真空UV(200〜10nm、FUVまたはVUVと略される)、および極UV(1〜31nm、EUVまたはXUVと略される)である。同様に、可視光は、約380〜約780nmの波長スペクトルを有する。全ての実施形態がその点に関して限定されることを意図しないため、当業者は、いくつかのUV接着剤は、UV光、可視光、X線、γ線、マイクロ波、ラジオ波、長波、または約1nm未満、約1nm〜約380nm、約380nm〜約780nm、もしくは780nm超の波長を有する任意の光によって活性化されるかもしれないことを理解するであろう。
【0030】
UV光を使用して、補強材料は、熱放出がないかまたは最小限であること、および熱放出の時間が長くないかもしれないことを確実にする。より具体的には、化学組成または材料の混合はない。補強材料を硬化するためにUV光を使用することは、折れた骨を適所に保持すること、バルーン部を充填すること、およびCアーム撮像システム下で視認することの補助となる。補強材料は、骨を正しい配向に保持するのに十分であるように硬化する。より具体的には、骨を膨張、固定、調節、および配向し、その結果として、骨を癒合する能力は、補強材料を硬化する前に利用可能である。UV光を導入することにより、光開始剤が励起し、UV接着剤が硬化する。一旦UV光が導入されると、バルーン部内の接着剤が硬化し、中の接着剤が適所で固定される。接着剤は、UV光が導入されるまでは硬化しないため、UV光が導入されるまでは、骨の配置が乱されたり、または急に動かされたりすることはなく、接着剤の粘性によってバルーン部が膨張または縮小されてもよい。接着剤は、該接着剤の粘性の低さによって、バルーン部内に注入されてもよく、または除去されもよい。一実施形態において、補強材料の粘性は、約1000cP以下の粘性である。一実施形態において、補強材料は、約650cP〜約450cPの範囲の粘性を有する。全ての実施形態がその点において限定されることを意図しないため、いくつかの実施形態は、1000cPと全く等しいかまたはそれを上回る粘性を有する補強材料を含むことができる。一実施形態において、粘性を著しく増加させることなく、造影剤が補強材料に添加されてもよい。造影剤は、これらに限定されないが、硫酸バリウム、タンタル、または当該技術分野において既知である他の造影剤を含む。
【0031】
当該技術分野において既知であるいくつかのエポキシ樹脂は、骨補強材料としての使用に好適であり、粘性、硬化時間、および完全に硬化したときの硬度(デュロメータまたはショア)が異なる。材料のデュロメータは、永久圧痕に対する材料の抵抗率として定義される材料の硬度を示す。所与の骨折に必要とされる、結果として生じる支持の量に依存して、特定のデュロメータのUV接着剤が選択されてもよい。代替として、異なるデュロメータを有する複数のUV接着剤が骨折を修復するために選択されてもよく、それは本開示の実施形態の範囲および主旨の範囲内である。材料のデュロメータは、より高い剛性またはより可鍛性の結果を達成するように変更されてもよい。エポキシ樹脂の機械特性は、これらに限定されないが、引張強度および引張係数、引張強度試験、最大係数、ポアソン比、ビッカース等の硬度測定値、および降伏強度および靭性を測定するシャルピー衝撃を含む、高強度および耐衝撃性材料に典型的な方法/測定法を用いて指示してもよい。
【0032】
一実施形態において、補強材料は、化学活性化または熱活性化によって硬化される。化学的活性は、これらに限定されないが、水または他の液体を含む。実施形態において、補強材料は、溶剤に溶解されたポリマーを有する乾燥接着剤であり、溶剤が蒸発すると接着剤が硬化する。一実施形態において、補強材料は、ホット接着剤または熱可塑性接着剤であり、接着剤が冷却すると接着剤が硬化する。
【0033】
補強材料は、本明細書に記載される実施形態に限定されず、骨を補強する任意の材料であってもよい。いくつかの材料は、UV光もしくは可視光、熱、および/または化学薬品もしくは物質の添加もしくは除去等の任意の手段を介した硬化を必要とする場合があるか、またはその硬化によって強化される場合があり、材料を硬化する何らかの内外プロセスを利用する場合があり、あるいは硬化を必要としない場合がある。
【0034】
一実施形態において、カーボンナノチューブ(CNT)が、材料の強度を高めるために補強材料に添加される。カーボンナノチューブは、円筒状の炭素分子の形態を取る炭素の同素体であり、新規の強度特性を有する。カーボンナノチューブは、並外れた強度を示す。ナノチューブは、バッキーボールも含むフラーレン構造族のメンバーである。バッキーボールは球状の形態であるが、ナノチューブは、少なくとも1つの端部が典型的にはバッキーボール構造の半球で覆われた円筒形である。ナノチューブは、グラファイトと同様に、完全にsp2結合で構成される。ダイヤモンドに見いだされるsp3結合よりも強力なこの結合構造は、分子に独自の強度を提供する。ナノチューブは、ファンデルワース力によってともに保持される「ロープ」の中に、自ら自然に整列する。単壁ナノチューブまたは多壁ナノチューブが、補強材料を強化するために使用されてもよい。
【0035】
一実施形態において、バルーン部103の近位端123と細長いシャフト101との間の接合点に分離領域が位置する。分離領域はまた、照明バンドを含むことができる。作動されると、照明バンドは、光に該照明バンド内のバルーン部103に位置する補強材料を硬化させる。照明バンドは、送達カテーテル110の周囲に延在し、応力集中器(stress concentrator)を有する。応力集中器は、切り欠き、溝、チャネル、または照明バンドに応力を集中させる同様の構造であってもよい。照明バンドの応力集中器は、特定のねじり荷重下で送達カテーテル110の細長いシャフト101からバルーン部103の分離を方向付けるために、切り欠きを設ける、分割線を入れる、窪みを付ける、事前に脆弱化する、または事前に応力をかけてもよい。分離領域は、送達カテーテル110の細長いシャフト101および/またはバルーン部103から、確実に補強材料が漏洩しないようにする。分離領域は、バルーン部103をシールし、既知または所定の部位(例えば、分離領域)で離脱を行うことによって、送達カテーテル110の細長いシャフト101を取り外す。分離領域は種々の長さであってもよく、最長約1インチである。送達カテーテル110に(ねじれ)トルクが印加されると、細長いシャフト101がバルーン部103から分離する。ねじれは、残りの補強材料を離脱させて、バルーン/シャフトの界面を支障なく分離させるのに十分な剪断を生じる。照明バンドは光源に接続されてもよく、別個のスイッチによって作動されてもよい。照明バンドを作動させるために別個のスイッチを有することは、補強材料を硬化するためのライトパイプから、不注意によって光が送達されるのを防止するのに役立ち得る。照明バンドを作動させることで、バルーン部103を封止し、送達カテーテル110の端部を封止して、補強材料の「ハードシール」が照明バンドに存在することを確実にし、バルーン部103または送達カテーテル110から決して補強材料を漏洩させない。
【0036】
図3A、図3B、および図3Cは、本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイス300の、主な構成要素のうちのいくつかの実施形態の拡大図である。1つ以上の放射線不透過性マーカーまたはバンド330が、デバイス300の送達カテーテル310のスリップスリーブ307に沿って種々の位置に配置される。当業者は、放射線不透過性マーカー330はまた、デバイス300のバルーン部303に沿って種々の位置にも配置されてもよいことを理解するであろう。一実施形態において、1つ以上の放射線不透過性バンド330は、デバイス300のスリップスリーブ307の長さに沿って約10mmの間隔で配置される。一実施形態において、修復手技中の蛍光透視法によるデバイス300の可視化および位置合わせを容易にするために、バルーン部303の遠位端321に放射線不透過性インクビード333が配置される。放射線不透過性マーカー330および放射線不透過性インクビード333は、硫酸バリウム、タンタル、または放射線不透過性を増加させることが既知の他の材料等の放射線不透過性材料を使用して形成される。放射線不透過性マーカー330は、配置および膨張する間にバルーン部303および送達カテーテル310の正確な位置を決定するために、バルーン部303が膨張する間の可視性を提供する。放射線不透過性マーカー330は、バルーン部303内に封入され得る空気によって形成される空隙の可視化を許容する。放射線不透過性マーカー330は、可視化を許容することで、不適切な膨張によってバルーン部303が骨に係合しないまたは適合しない状態を排除する。一旦、バルーン部303および送達カテーテル310の正しい位置が決定されると、送達カテーテル310の近位端が、補強材料を収容する送達システムに取り付けられてもよい。
【0037】
図3Aの線A‐Aに沿った断面図を図3Bに示す。図3Bに示されるように、送達カテーテル310の細長いシャフト301は、外表面322を有するバルーン部303内で終端する。送達カテーテル310の細長いシャフト301内には、ライトパイプ(図示せず)を受容するためのライトパイプ導管311がある。補強材料を通過させるための空隙313が、送達カテーテル310の内表面324とライトパイプ導管311の外表面317との間に形成される。補強材料を含む送達システムは、送達カテーテル310の近位端に係合されたTuohy−Borstアダプタのサイドアームに取り付けられてもよい。補強材料は、送達カテーテル310の空隙313を通過して、バルーン部303に進入することができる。補強材料を注入することにより、バルーン部303を所望の状態まで膨張させる。一実施形態において、補強材料は、送達カテーテル310内の空隙313を通して注入され、骨を治癒配向に位置付けるようにバルーン部303を膨張させる。治癒配向を確立するために、骨が位置合わせされた配向に移動して支持されるまで、バルーン部303が膨張する。骨の配向は、プロセスの視覚化を一切行わずに、またはX線もしくは蛍光透視法を用いて、行われてもよい。一実施形態において、Cアーム撮像システムが、フルオロスコープの一部として使用される。Cアーム撮像システムは、視認しながら組織の周囲で回転するようにフルオロスコープを移動または操作することができる場合がある。バルーン部303の膨張を監視または検査するために、磁気共鳴撮像(MRI)、超音波撮像、X線透視法、フーリエ変換赤外分光法、紫外分光法または可視光分光等の他の技術が使用されてもよい。バルーン部303は、非強磁性材料から構成されてもよく、したがってMRIと互換性がある。
【0038】
図3AのB−B線に沿った断面図を図3Cに示す。図3Cに示されるように、外側スリップスリーブ307が補強部材305を包囲する。補強部材305は、送達カテーテル310の細長いシャフトを包囲し、剛性を提供する。ライトパイプ導管311は、ライトパイプが通過する空間を提供する。空隙313が、ライトパイプ導管311の外表面317と送達カテーテル310の内表面324との間に形成される。この空隙313が、補強材料のための経路を提供する。ライトパイプ導管311の外表面317は、ライトパイプと補強材料との分離を可能にする。
【0039】
図4は、本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスとともに使用されるライトパイプ452の実施形態を示す。ライトパイプ452は、コネクタ450を介して光源(図示せず)に接続される。ライトパイプ452から放射される光は、デバイスの送達カテーテルのバルーン部内に注入された補強材料を硬化させるために使用される。図4に示す実施形態において、ライトパイプ452は光学レンズ454において終端する。ライトパイプ452から放射されるエネルギーは、光学レンズ454を通して投射され、デバイスの送達カテーテルのバルーン部内に誘導される。光学レンズ454は、凸レンズ、凹レンズ、または平面レンズであってもよい。光学レンズ454は、ライトパイプ452から伝送されるエネルギーを収束または発散することができる。一実施形態において、光学レンズ454は、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、または環状オレフィンコポリマー(COC)および非晶質ポリオレフィン(Zeonex)等の当該技術分野において既知である他の同様の材料などのプラスチック材料から作られる。一実施形態において、光学レンズ454は、水晶等のガラス材料から作られる。
【0040】
ライトパイプ452は、デバイスの送達カテーテルの近位端に係合するアダプタのサイドアーム内に導入される。ライトパイプ452は、ライトパイプ導管の中を通って、デバイスの送達カテーテルの細長いシャフトを貫通する。一実施形態において、ライトパイプ452は、デバイスの分離領域内に位置付けられるようにライトパイプ導管内に位置付けられる。分離領域は、バルーン部の遠位端と細長いシャフトとの間の接合部に位置する。コネクタ450を介してライトパイプ452に接続される光源を作動させると、ライトパイプ452に光を伝達して補強材料を硬化させ、その結果、バルーン部を拡張した形状で固定する。硬化とは、カテーテルの空隙を通過して送達されることのできる形態(例えば、流動可能な形態)から、生体内での最終的な使用のための永久的な(例えば、硬化した)形態に、ある組成を移行することを可能にする、任意の化学的、物理的、および/または機械的な変換を指してもよい。例えば、「硬化可能な」とは、(触媒によって、あるいは好適なエネルギー源の適用によって)生体内で硬化される可能性を有する未硬化の組成、および硬化する過程にある組成(例えば、複数の組成物成分を同時に混合することによって送達時に形成される組成)を指してもよい。
【0041】
図5Aおよび図5Bは、デバイスの細長いシャフト501のライトパイプ導管511を貫通する、図4のライトパイプ452を有する骨折した骨を修復するためのデバイスの主な構成要素のうちのいくつかの実施形態の側面断面図である。ライトパイプ452は、デバイスのバルーン部503に向けて光を伝達し、デバイスのバルーン部503内に注入された補強材料を硬化させるために使用される。ライトパイプ452から放射されるエネルギーは、光学レンズ454を通して投射され、バルーン部503内に誘導される。光学レンズ454は、凸レンズ、凹レンズ、または平面レンズであってもよい。光学レンズ454は、ライトパイプ452から伝送されるエネルギーを収束または発散することができる。
【0042】
図6は、本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスとともに使用されるライトパイプ652の実施形態を示す。ライトパイプ652は、コネクタ650を介して光源(図示せず)に接続され、図4に示すライトパイプ452とは異なり、ライトパイプ652は光学レンズ内で終端しない。ライトパイプ652は、コネクタ650を介して光源(図示せず)に接続される。ライトパイプ652から放射される光は、デバイスの送達カテーテルのバルーン部内に注入された補強材料を硬化させるために使用される。ライトパイプ652から放射されるエネルギーは、本開示の実施形態のデバイスの送達カテーテルのバルーン部内に誘導される。
【0043】
ライトパイプ652は、デバイスの送達カテーテルの近位端に係合するアダプタのサイドアーム内に導入される。ライトパイプ652は、ライトパイプ導管の中を通って、デバイスの送達カテーテルの細長いシャフトを貫通する。一実施形態において、ライトパイプ652は、デバイスの分離領域内に位置付けられるようにライトパイプ導管内に位置付けられる。分離領域は、バルーン部の近位端と細長いシャフトとの間の接合部に位置する。コネクタ650を介してライトパイプ652に接続される光源を作動させると、ライトパイプ652に光を伝達して補強材料を硬化させ、その結果、バルーン部を拡張した形状で固定する。硬化とは、カテーテルの空隙を通過して送達させることのできる形態(例えば、流動可能な形態)から、生体内での最終的な使用のための永久的(例えば、硬化した)形態に、ある組成を移行することを可能にする、任意の化学的、物理的、および/または機械的な変換を指してもよい。例えば、「硬化可能な」とは、(触媒によって、あるいは好適なエネルギー源の適用によって)生体内で硬化される可能性を有する未硬化の組成、および硬化する過程にある組成(例えば、複数の組成物成分を同時に混合することによって送達時に形成される組成)を指してもよい。
【0044】
一実施形態において、骨折した骨を修復するためのデバイスは、近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、ライトパイプを受容するための内部管腔と、を有し、内部管腔の遠位端は、光学レンズにおいて終端する、送達カテーテルと、送達カテーテルの遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、少なくとも1つの補強材料が形状適合部材に送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、ライトパイプおよび少なくとも1つの補強材料を受容するために、送達カテーテルの近位端に解放可能に係合する、アダプタとを含む。図7は、骨折した骨を修復するためのデバイス700の、主な構成要素のうちのいくつかの実施形態の側面断面図である。デバイス700は、ライトパイプ導管711を備える細長いシャフト701を有する送達カテーテル710を含む。ライトパイプ導管711は、図6のライトパイプ652を受容する。図7に示すように、デバイス700は、シース750内に位置付けられる。ライトパイプ652は、デバイス700の形状適合部材703に向けて光エネルギーを伝達し、内部空隙713を介してデバイス700の形状適合部材703内に注入された補強材料を硬化させるために使用される。ライトパイプ652から放射されるエネルギーは、ライトパイプ導管711の遠位端723に係合する光学レンズ754を通して投射され、形状適合部材703内に導入される。光学レンズ754は、ライトパイプ652から形状適合部材703に光エネルギーを伝送する。図7は、明確化のためにライトパイプ652から離れた光学レンズ754を示す。しかしながら、通常、使用中は、ライトパイプ652は光学レンズ754に当接する。光学レンズ754は、凸レンズ、凹レンズ、または平面レンズであってもよい。光学レンズ754は、ライトパイプ652から伝送される光エネルギーを収束または発散することができる。伝送された光エネルギーは、形状適合部材703内の補強材料を硬化させる。
【0045】
いくつかの実施形態において、ライトパイプ(例えば、光ファイバ)が形状適合部材に接近して保持されるか、またはそれと接触する/当接する場合、光強度は、形状適合部材(例えば、バルーン部)の遠位端に到達するのに十分であってもよい。補強材料を硬化させるかまたはモノマーを重合化するために必要なエネルギーを認識し、ライトパイプから形状適合部材の最遠位の側面までの距離を算出することによって、その距離の間にどの位のエネルギーが消散し、その結果、補強材料により近付くように、ライトパイプが形状適合部材と当接してもよいのか、または形状適合部材内に配置される必要があるのかどうかを逆二乗の法則を用いて計算してもよい。ライトパイプを形状適合部材内に配置することにより、ライトパイプから補強材料までの距離が短縮するだけでなく、全体的に必要とされる光強度も低下する場合がある。
【0046】
一実施形態において、骨折した骨を修復するために使用されるデバイスは、近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する、送達カテーテルと、送達カテーテルの遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、光ファイバを受容するための内部管腔を有し、少なくとも1つの補強材料が形状適合部材まで送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、光ファイバおよび少なくとも1つの補強材料を受容するために、送達カテーテルの近位端に解放可能に係合するアダプタと、を含む。
【0047】
図8は、本開示の実施形態の脆弱な骨または骨折した骨を修復するためのデバイスとともに使用される光ファイバ852である、ライトパイプの実施形態の斜視図である。いくつかの実施形態において、米国カリフォルニア州フットヒルランチ所在のLumenyte International Corporationより入手可能であるLUMENYTE STA−FLEX SELエンドライト光ファイバに類似する光ファイバを利用することができる。これらの光ファイバは、各々が、光を伝送する大きなソリッドコア、Teflon(登録商標)クラッド、および黒色の結合可能な(bondable)外側ジャケットから構成されてもよい。光ファイバ852は、点光源として使用するために、光源から出力端部854に光を伝送できる場合がある。光ファイバ852は、広い80度の受光角および80度のビーム広がり角を有する場合があり、より斜角から光を視認することが可能である。光を伝送するコアは、ソリッドであってもよく、光が減少するパッキングフラクション損失(packing fraction loss)がなくてもよく、容易にスプライスすることができてもよい。外側ジャケットは、結合可能であってもよい。さらなる柔軟性および色の選択肢のために、特別注文のジャケットが利用可能であるかもしれない。
【0048】
光ファイバ852は、各々、1フィート当たり約1.5%未満の伝送損失(減衰)、ファイバ852の直径の約6倍の曲げ半径(最小)、約90℃(194°F)までの温度安定性、約350〜800nmの分光透過率、約80°の受光角、約1.48以上の屈折率コア、約1.34以下のクラッド、および約0.63の開口数を有することができる。光ファイバ852の長さは、連続的に約100フィートとすることができる。スプライシングは、Lumenyte Splice Kit等のスプライスキットを用いて、注意深く指示に従うことによって現場で達成することができる。工場でのスプライスが選択肢であってもよい。直線的で傷の無い90°のファイバ切断には、Lumenyte社のOptic Cutter等の光学的カッターが推奨される場合がある。これらのファイバは、ファイバ852を光源に挿入する前に、(フッ素ポリマー製クラッドではなく)外側ジャケットの約4インチ(10cm)を除去することによって組み込まれる場合がある。最大輝度を達成するのを補助するために、ファイバ852の端部850は、発光体(光源)のガラスに触れないが、その付近にあってもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバ852は、米国ニューヨーク州ニューヨーク所在のMitsubishi International Corporationより入手可能である、Mitsubishi Rayon Co.,Ltd.社製の、ESKA(商標)高性能プラスチック光ファイバSK−10およびSK−60ならびに/またはESKA(商標)プラスチック光ファイバおよびケーブルワイヤによって示される特性および/または特徴のうちのいくつかまたは全部を有する。光ファイバの上記特徴および特性は例示的なものであって、本発明の全ての実施形態がこれらの点に限定されることを意図するものではないことを理解されたい。
【0049】
光ファイバは、光学的および機械的利点のために同心層の構造を用いる。ファイバの最も基本的な機能は、光線は発散する自然な傾向があるにもかかわらず、また、場合によっては強力な曲げ条件下においてさえも、光を誘導すること、すなわち、より長い伝播距離にわたって光を収束させた状態を維持することである。単純なステップインデックス形ファイバの場合には、クラッドに包囲されたファイバコアと呼ばれるファイバの軸の周囲に屈折率の高い領域を作製することによって、この指針が達成される。通常、クラッドは、少なくともポリマーコーティングによって保護される。内部全反射によって、光ファイバの「コア」内に光が維持される。クラッドは、光が目的地までファイバの長さを移動するように維持する。いくつかの場合において、単一ガイドに沿って電磁波を伝導し、ガイドの終端面のみではなく、ガイドの遠位端の所与の長さに沿って光を抽出することが望ましい。本開示のいくつかの実施形態において、光の方向、伝播、量、強度、入射角、均一性、および/または分布を変更するために、光ファイバの長さの少なくとも一部が、例えば、クラッドを除去することによって、改造される。
【0050】
図9A〜9Eは、本開示の実施形態の光ファイバの長さに対する改良の例示的な実施形態の拡大斜視図である。図9A〜9Eに示される実施形態において、光の方向、伝播、量、強度、入射角、均一性、分散、および/または分布を変更するために、光ファイバが改良される。一実施形態において、光ファイバは、光ファイバの長さの少なくとも一部に沿って光エネルギーが分散するように改良される。一実施形態において、光ファイバの長さに沿った光エネルギーの分散は、光ファイバの表面を改良することによって達成される。一実施形態において、光ファイバからの光エネルギーの分散は半径方向に起こる。図9Aに示す実施形態に示されるように、光ファイバ900の各円形階段部(902、904、および906)の各終端面903に沿って光を分散させるように、本開示の光ファイバ900に円形階段部(902、904、および906)が形成されるかまたは設けられてもよい。いくつかの実施形態において、本開示の光ファイバのクラッドのいくらか、全部、または一部を除去することが望ましいかもしれない。図9Bの実施形態に示すように、光ファイバ910は、長さに沿って先細りにされ、いくらかのクラッドが除去されている。光ファイバ910を先細りにすることにより、光ファイバ910から光の放射分散をもたらすことができる。図9Cに示す実施形態に示されるように、ファイバ920の切り欠き921から角度を持って外側に内部反射を方向付けるために、光ファイバ920に切り欠き921を設けることができる。いくつかの実施形態において、切り欠きは、ファイバに対して約45度の角度で形成されてもよい。いくつかの実施形態において、本発明の実施形態の全てがこのように限定されることを意図しないため、切り欠きは、約30度の角度、約62.5度の角度、または約45度未満もしくは45度超の任意の角度で形成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、ファイバの長さに沿ってどこに切り欠きが位置するかによって、切り欠きの角度が変化してもよい。例えば、バルーンの端部に位置する切り欠きの角度がバルーンの中央に位置する切り欠きよりも浅い角度になるように、光ファイバに切り欠きを設けてもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバ束を構成する個々の光ファイバの端部は、ファイバの長さに沿って種々の位置に、光源から光を放射できるように、互い違いであってもよい。上記実施形態のうちのいくつかにおいて、光をバルーン内で横方向または半径方向に移動させることにより、光は、粘着剤に到達するためにより短い距離を移動するだけでよい。図9Dに示した実施形態に示されるように、光ファイバ930の長さに沿ってらせん設計を形成することにより、光ファイバ930のクラッドの長さが改良されている。図9Eに示した実施形態に示されるように、クラッド942の一部が光ファイバ940から除去されている。
【0051】
いくつかの実施形態において、光学素子は、光の出力を調節するために、光ファイバの切り欠きまたは開口部と並んで配向されてもよい。そのような光学素子は、レンズ、プリズム、フィルタ、スプリッタ、ディフューザ、および/またはホログラフィックフィルムを含んでもよい。光源、およびより具体的には、光ファイバは、本発明の全ての実施形態がこれらの点において限定されることを意図しないため、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,289,150号に列挙される特性および特徴のいくつかまたは全部を有してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、光ファイバは、クラッドに包囲された光ファイバコアと、1つ以上の発光体とを含んでもよい。発光体は、光ファイバコアの側部に沿って、所定の離間した関係において直線的に位置付けられた、均一のサイズおよび形状のものであってもよい。光ファイバコアは、トラックおよび/またはホルダおよび/または発光体を中心とする反射内部表面で構成されるチャネルを備えるリフレクタに受容されてもよい。ホルダおよび/またはリフレクタは、複数の発光体に隣接または接触して位置付けられてもよい。光源は、TIR効果をもたらすように、光ファイバ導管の一方の端部に従来様式で接続されてもよい。光源と反対側の光ファイバ導管の端部は、光ファイバ導管内に残るあらゆる光を光源に向けて反射し返すための反射面を含んでもよい。光導管の長さをより長くするために、導管は第2の光源を含んでもよい。
【0053】
発光体は、例えば、製造中または製造後にコア内に形成される気泡、プリズム、レンズ、または反射性材料等、光を反射するかまたは屈折させる、製造中または製造後に光ファイバコア内に構築される任意の不均一性を含むことができる。また、材料のくさびを除去するためにコアにおける2つの切り込みによって設けられる切り欠き、またはコアに設けられる単独の切り込みは、発光体としての機能を果たすことができる。切り欠きまたは切り込み等の発光体は、コアを均一に切断し、平滑でざらざらしていない表面を残すことができる場合がある機械的カッターを用いて設けられてもよい。この目的のために好適なカッターは、材料が裂けるまたは燃焼することなくコアを切断することができる。カッターは、ディスクの中心に位置する軸を中心として自由に回転可能な、滑らかな、歯のないブレードを有する円形ディスク状のナイフを有してもよい。90度の切り欠きを設けるために、コアの縦軸に対してブレードが45度の角度であってもよく、三日月形または三角形の形状を有する材料がコアから除去される。
【0054】
切り欠きは、コア内の光のTIR効果を最大化することによって、発光体としての機能を果たすことができる。このことは、コアが、コアを横切ってコアの反対側から射出するように光を方向付ける場合がある切り欠き内の周囲空気とは異なる屈折率を有することに起因するかもしれない。周囲空気を他の気体または化合物と交換することによって、異なる照明効果を達成してもよい。切り込みの不完全性は、いくらかの光を切り欠き内に方向付けるかもしれない。この光は、コアを通って反射し返してもよい。
【0055】
切り欠きよりも切り込みが好ましい幾つかの実施形態において、切り込みは、クラッドおよびコア内に1/8インチの均一な深さで、水平位置、すなわち光ファイバの縦軸から、45度の角度で設けられてもよい。これにより、光ファイバの縦軸に垂直に光を射出させると考えられる場合があり、光ファイバコアは、光を射出させるために約81度の受光角を有してもよい。切り込みの側部表面は、光が確実に均一に屈折するように、粗面ではなく平滑であってもよい。切り込みは、通常の使用において切り込みの側部間での接触を防止するために十分な間隙を有するくさびを形成することができる。そのような接触は、光の反射特性および/または屈折特性を低下させるかもしれない。いくつかの実施形態において、光をコアの外に強制的に出すためにTIRに依存するという点から、切り込みは切り欠きよりも効率が低い場合がある。光ファイバを所望の配列に固定することができるホルダもまた、ホルダおよび/またはリフレクタとしての役割を果たす場合がある。いくつかの実施形態において、光ファイバの断面が円形であってもよく、「U字」の底部に開放空間が形成される直線的な「U字型」チャネル等の形状適合性ではないホルダ内に配置されてもよい場合は、この構成を維持するために「U字」の底部に近接する光ファイバに切り込みが設けられてもよい。形状適合性ホルダが使用されてもよいいくつかの実施形態において、光抽出効率を減少することができるように、切り込みを閉鎖して構成を変更する場合がある。形状適合性ホルダを使用するいくつかの実施形態において、発光体は、ホルダと切り欠き表面との間に開放空間を維持するのに十分な切り欠きによって設けられてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、切り欠きを設けることは、切り欠きによって形成される表面が内部全反射を生じるのに十分平滑であり得るように、光ファイバに切り欠きを設けるために十分な切断ブレードを有する高速ドリルモータを使用することを含んでもよい。ホルダに対する発光体の配列が、光学系から放射される光出力の指向性を決定する場合がある。切り込みの形状は、光学系の出力ビームパターンに影響を与える場合がある。例えば、切り込みの幅が広いほど、出力ビームパターンが広くなる。
【0057】
ほとんどの直線状光ファイバと同様に、光源付近のファイバの長さから光が抽出されるため、その次の長さではより少ない光が利用可能である場合があり、この事象を製造工程における考慮に入れてもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバ導管からの均一な照明を達成するために、発光体が生じる頻度は、導管の長さおよび光源からの発光体の距離に関連して非直線的に増加する場合がある。換言すると、光源からの距離が長くなるにつれて、発光体はより近くに密集するかもしれない。これは、発光体によりもたらされる損失および光自体の自然の減衰に起因する光の減衰を補償する場合がある。間隔は、徐々に近接するか、または集合が徐々に近接する集合の間隔であってもよいが、各集合内の個々の発光体間の距離は同じままであってもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバがその長さに沿って均一に光を伝送するように、発光体は徐々に深くなってもよい。発光体が徐々により深くなるように作られる場合、光のパターンが変更されるかもしれない。切り込みが深いほど、光のパターンがより幅広くなるかもしれない。発光体が徐々により接近される場合、光のパターンは同じ状態に留まる場合があり、光出力が増加する場合がある。いくつかの実施形態において、発光体の間隔における変化に一部起因して、また発光体のサイズおよび角度の均一性に一部起因して、導管の長さに沿ってほぼ均一な光出力を達成する場合がある。そのような均一性を提供するために、機械的カッターを良好に適合させてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態は、切り込み間隔の頻度における連続的な変動を含むことができるが、間隔を調節する間の遅延を最小限に抑えるために、異なった区間距離で間隔頻度を変化させるためにカッターが適合可能な場合がある。
【0059】
発光体は、クラッドを付加する前に光ファイバコアのみの中に作られてもよく、かつ/または、発光体は、クラッドで包囲されてからクラッドおよびコア内に作られてもよい。いくつかの実施形態において、コアの周囲に密接に収縮するようにクラッドを加熱する場合、クラッドは、切り欠きを入れるか、または切り込みを閉鎖するかのいずれかによって、発光体の可能な光偏向特性を低減させることにより、コアにおける発光体の均一性に影響を与える場合がある。
【0060】
発光体は、光が楕円形の光ファイバコアのより大直径を横切って出て、それぞれの発光体の各々から反対側の領域を通って出るように光を方向付けるように位置付けられてもよい。これは、光源からの光を、光学コアを通って方向付けるために、切り欠きおよびまたは切り込みに角度を付けることによって達成する場合がある。切り込みが所望の焦点効果に対する光の寄与を減じる種々の方向に光を反射/偏向させるのではなく、光を方向付けるように、光学系の一方の側に位置する切り欠きを設けることによって、発光体は光の脱出をより良好に制御することができる。
【0061】
ディフューザ、偏光子、拡大レンズ、プリズム、ホログラム、または発光体の方向、数、または質を変更することが可能な任意の他の素子等の1つ以上の光学素子もまた、個別でまたは組み合わせて、コア‐クラッド、切り欠き、ならびにトラックまたはホルダおよび/もしくはリフレクタに付加され、それらと位置合わせされることができる。光学要素は、別個の構成要素として形成されるか、あるいは、コア、クラッドおよび/またはジャケット材料と一体化して、または別個におよび一体化して形成される構成要素との任意の組み合わせで形成されてもよい。種々の形状のコアおよびクラッドと一体化して形成される光学要素はレンズを形成してもよく、それによって、完成品からの光の指向性に影響を与える。異なる光ファイバの形状は、異なる出力ビームパターンを形成することができる。いくつかの実施形態において、円形の光ファイバは、より幅広い光のビーム広がりを形成する場合がある。いくつかの実施形態において、くさび形状の光学系は、平行な光のビームの広がりを生成することができる。このビームの広がりは、レンズ効果と考えられるものに起因するかもしれない。いくつかの実施形態において、切り込みの深さは、光がコアから射出する光ファイバコアの曲率によって形成されるレンズの焦点に少なくとも交差する場合がある。
【0062】
光ファイバコアは任意の形状を有してもよく、コアの形状は、光の拡散に影響を与えるかもしれない。いくつかの実施形態において、光ファイバコアは、断面から見たときに円筒形状であってもよく、発光体の広い領域上に光を拡散するレンズを形成してもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバコアは、断面から見たときに長円または楕円の形状を有してもよく、発光体のより狭い領域において光の光強度を増加させるレンズを形成してもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバコアは、断面から見たときにくさび形状を有してもよく、レンズを形成してもよい。本発明の全ての実施形態がこの点において限定されることを意図しないため、光学素子としての役割も果たす所望の光学的特徴のために、他の形状が使用されてもよいことを理解されたい。
【0063】
代替の光学素子も、ホルダおよび/またはリフレクタと位置合わせされた別個の光学素子、ならびに光学素子から光学系の反対側にある切り欠きによって形成される円弧を含むことによって、種々の照明効果を達成する補助としてもよい。レンズ光学系、切り欠き、ならびにホルダおよび/またはリフレクタは、光学系から射出してレンズ内に進入するように光を方向付けるように位置合わせされてもよい。光学素子はまた、ジャケット材料内に一体化して形成されてもよい。所望の照明効果を達成するためにジャケットの厚さが調節されてもよい。代替として、他の所望の照明効果を生成するように、円筒形状のディフューザが含まれ、位置合わせされてもよい。いくつかの実施形態において、第1のディフューザは光ファイバを通過する光の光強度を減少させてもよく、第2のディフューザはそれを通過する光の光強度を増加させてもよい。上記のような2つのディフューザは、光が光ファイバから離れて伝送され発散されるにつれ、光の光強度を変更してもよい。
【0064】
この種類の用途に特化した光学照明をできるだけ有効に利用するために、発光体、ホルダおよび/またはリフレクタ、ならびに光学素子の配列を制御することが推奨されてもよい。いくつかの実施形態において、これらの素子の配列は、光ファイバコアの直径周辺に集中させてもよい(例えば、ホルダおよび/またはリフレクタの中心からの直径およびそれに対して垂直に)。光ファイバ導管の長さ全体に沿ってこの配列の制御を維持することが望ましい場合がある。
【0065】
一実施形態において、骨折修復プロセスは、従来の外科的切開によって骨を露出させることなく、脆弱な骨または骨折した骨を補強する。本開示の実施形態は、骨へのアクセスを得るために小さな切開を行うことによって、低侵襲手法を用いる。低侵襲性とは、例えば、組織損傷部位に観血的にアクセスする必要なく、または最小限の切開によって、関連する筋肉の最小限の破損を伴って達成することができる、顕微鏡、内視鏡、または関節鏡による外科的手段等の外科的手段を指す。低侵襲手技は、光ファイバまたは顕微鏡による可視化等の可視化を用いて達成されることが多く、対応する観血的な外科的手法に伴う回復期間よりも実質的に短い術後回復期間を提供する。低侵襲手技の利点は、最小限の血液損失のために外傷が少ないこと、手術および麻酔時間の短縮、入院期間の短縮、およびより容易かつ迅速な回復、を含む。一実施形態において、脆弱な骨または骨折した骨の髄内腔内に骨固定具が配置されてもよい。骨構造を復元および保存することにより、本開示の実施形態のうちのいくつかは、将来的にさらなる治療選択肢を許容する。
【0066】
図10A〜10Eは、図1と合わせて、患者の身体における骨折した骨を修復するための方法ステップの実施形態を示す。低侵襲性の切開(図示せず)は、骨折した骨1002を露出させるために患者の身体の皮膚を介して行われる。切開は、骨の表面を露出させるために、骨折した骨1002の近位端または遠位端で行われてもよい。一旦、骨1002が露出されると、骨1002の視野内にあり得る筋肉および組織をいくらか開創する必要があるかもしれない。図10Aに示すように、ドリルまたは当該技術分野において既知である他の方法によって、骨にアクセス孔1010が形成される。一実施形態において、アクセス孔1010は、約3mm〜約10mmの直径を有する。一実施形態において、アクセス孔1010は、約3mmの直径を有する。
【0067】
アクセス孔1010は、骨の外側の硬い緻密外層1020を貫通して、比較的多孔質である内部または網状組織1025まで延在する。骨髄を含む骨の場合、延髄物質は、デバイス100を挿入する前に髄腔から除去されるべきである。骨髄は、主として腰骨、胸骨、頭蓋骨、肋骨、脊椎、および肩甲骨等の平骨、ならびに大腿骨および上腕骨のような長骨の近位端にある網状物質に見られる。一旦、髄腔に到達すると、空隙を形成するために、空気、血液、体液、脂肪、および骨の破片を含む延髄物質が除去されるべきである。空隙は、中空空間として定義され、第1の位置は、骨の貫入点に関して空隙の最遠位縁を定義し、第2の位置は、骨の貫入点に関して空隙の最近位縁を定義する。骨は、髄腔の延髄物質を皮質骨まで除去するために十分にくり抜かれてもよい。当該技術分野において既知であり、本開示の実施形態の主旨および範囲内である、延髄物質を除去するための多くの方法が存在する。その方法は、米国特許第4,294,251号、表題「Method of Suction Lavage」、米国特許第5,554,111号、標題「Bone Cleaning and Drying system」、米国特許第5,707,374号、標題「Apparatus for Preparing the Medullary Cavity」、米国特許第6,478,751号、標題「Bone Marrow Aspiration Needle」、および米国特許第6,358,252号、標題「Apparatus for Extracting Bone Marrow」に記載されるものを含む。
【0068】
ガイドワイヤ(図示せず)が、アクセス孔1010を介して骨1002に導入され、骨折1005の位置を横切るように、骨1002の骨片1004と1006との間に配置されてもよい。ガイドワイヤは、骨1002の内腔内に送達されてもよく、ガイドワイヤが骨片の複数個所に跨るように骨折1005の位置を横切る。図10Bに示すように、ガイドワイヤを収容するように構築および構成される、骨折した骨を修復するためのデバイス100のバルーン部103は、ガイドワイヤ上を骨折部位1005まで送達させられ、骨1002の骨片1004および1006に跨る。一旦、バルーン部103が適所に配置されると、ガイドワイヤは除去されてもよい。バルーン部103の位置は、骨1002の外側または内側から検出可能である、少なくとも1つの放射線不透過性マーカー130を用いて決定されてもよい。例えば、図10に描かれた実施形態に示すように、X線または他の検出手段を用いると身体の外側から可視である放射線不透過性マーカー130は、デバイス100を配列し、かつ位置付けるのを補助するために、送達カテーテル110のバルーン部103およびスリップスリーブ107の両方に沿って位置する。一旦、バルーン部103が、骨折した骨1002内の正しい位置に配置されると、デバイス100が、補強材料を収容する送達システムに取り付けられる。次いで、補強材料が、送達カテーテル110の空隙を通って注入され、デバイス100のバルーン部103に進入する。図10Cに示すように、バルーン部103内に補強材料を付加することにより、バルーン部103を膨張させる。バルーン部103が膨張すると、骨折1005が減少する。一実施形態において、補強材料はUV硬化型粘着剤であり、接着剤を硬化させるためにUV光源を必要とする。一実施形態において、補強材料は、接着剤を硬化させるために可視光源を必要とする。一実施形態において、バルーン部103内に中心空間が残ってもよく、該空間は、骨折した骨1002に追加の強度および支持を提供するために充填されてもよい。光学ロッドまたは同様のデバイスが中心空間内に位置付けられ、スイッチを入れられるかまたは照明されてもよい。光学ロッドまたは同様のデバイスは、ファイバ、シリカ、水晶、サファイア、または同様の材料で作ることができる。次いで、UV光がバルーン部103内のUV硬化型粘着剤を硬化させる。光学ロッドの端部は、切断され、剛性を増加させるためにバルーン部103内に残ってもよい。
【0069】
一旦、骨片1004および1006の配向が所望の位置にあることが確認されると、UVまたは可視光を放射する光源を用いた照明等により、図10Dに示すようにUV硬化型粘着剤がバルーン部103内で硬化されてもよい。UV硬化型粘着剤が硬化した後、ライトパイプがデバイス100から除去されてもよい。バルーン部103が一旦硬化すると、当該技術分野において既知の方法によって送達カテーテル110から除去されてもよい。一実施形態において、バルーン部103を細長いシャフト101から分離するために、送達カテーテル110が切断されてもよい。デバイスは、送達カテーテル110上を摺動して、直角剪刀を、送達カテーテル110を通って降下させて切断を行う。切断の位置は、蛍光透視またはX線を用いて決定されてもよい。一実施形態において、切断位置は、細長いシャフト101がバルーン部103と出会う接合部である。
【0070】
一実施形態において、デバイス100は、手または手首の骨折を治療するために使用される。手首は、手の使用を可能にする多くの関節および骨の集合体である。手首は、把持するための強度を提供する一方で、可動でなくてはならない。手首は、あらゆる小さい骨が隣り合う骨と関節を形成しているため、複雑である。手首は、手根骨と呼ばれる少なくとも8つの別個の小さい骨で構成され、それらは、橈骨および尺骨と呼ばれる前腕の2つの骨を手および指の骨に接続する。手首は多くの様式で損傷を受ける場合がある。損傷の中には、その損傷が起こったときには単純な手首の捻挫に過ぎないように見えるが、何年も経過してから問題を発症する可能性のあるものがある。手の骨折は、手の小さな骨のうちの1つが折れたときに起こる場合がある。手は、約38個の骨から構成され、これらの骨のうちのいずれか1つが骨折する場合がある。掌および手の中央部は、中手骨から構成される。中手骨は、筋肉付着部を有し、手首と個々の指をつないでいる。これらの骨は、物体による圧壊、または最も一般的には、壁による急激な手の停止等の直接的な外傷によって頻繁に損傷する。関節は、関節の衝撃を和らげる関節軟骨で覆われている。当業者は、開示されるデバイスおよび方法は、撓骨、尺骨、鎖骨、中手骨、指節骨、中足骨、指骨、脛骨、腓骨、上腕骨、脊柱、肋骨、椎骨、および他の骨等の骨折を治療するために使用することができ、それらはなおも本開示の実施形態の範囲および主旨の範囲内であることを理解するであろう。
【0071】
本開示の実施形態は、鎖骨骨折を治療するため、結果的に鎖骨の整復に使用されてもよい。鎖骨すなわち襟骨は、肩帯(胸帯)の一部を構成する長骨として分類される。折れた鎖骨を固定するための現在の方法は限られている。鎖骨は皮膚表面のすぐ下に位置するため、プレートおよびネジを含む外部固定の可能性が限定される。また、鎖骨の下には肺および鎖骨下動脈が存在するため、ネジを使用することは魅力的な選択肢ではない。鎖骨骨折の従来の治療は、鎖骨を適所に配置することにより折れた骨を位置合わせし、腕および肩に三角巾、かつ鎮痛剤を提供し、毎週または数週ごとにX線で進捗を監視しながら骨自体を治癒させることである。固定は行わず、仮骨形成および骨成長により骨折した骨片が合わさって、骨片が再接合する。治癒の間、密な癒合がないために、骨折の癒合部にかなりの動きが見られ、仮骨形成はしばしば骨折部位に不連続性を生じる。鎖骨の形状における不連続性は、鎖骨骨折が原因であることが多い。
【0072】
本開示の実施形態および方法は、低侵襲性様式で鎖骨骨折を治療し、鎖骨整復、すなわち襟骨整復に使用されてもよい。鎖骨を修復するために開示されるデバイスを使用することの利点は、該修復が修復後の鎖骨不整列を最小限に抑えることある。鎖骨を修復するために開示されるデバイスを使用することの利点は、治癒プロセスの間の患者の疼痛を解消することである。
【0073】
図11A、図11B、および図11Cは、図12A、図12B、および図12Cと合わせて、患者の手1100の指1110における骨折した中手骨1102を修復する際に使用される本開示の実施形態のデバイス100を示す。図示されるように、骨折した中手骨1102は、骨折点1105で2つの骨片1104および1106に分裂されている。図12Aに示すように、デバイス100のバルーン部が骨折部位1105に送達され、骨1102の骨片1104および1106に跨っている。バルーン部の位置は、骨1102の外側または内側から検出可能である少なくとも1つの放射線不透過性マーカーを用いて決定されてもよい。一旦、バルーン部が骨折した骨1102内の正しい位置に配置されると、デバイス100が補強材料を収容する送達システムに取り付けられる。次いで、補強材料が送達カテーテルの空隙を通して注入され、デバイス100のバルーン部に進入する。こうしてバルーン部内に補強材料を付加することにより、図12Bに示すようにバルーン部を膨張させる。バルーン部が膨張すると、骨折1105が整復される。一実施形態において、補強材料はUV硬化型粘着剤であり、該接着剤を硬化させるためにはUV光源を必要とする。次いで、UV光がバルーン部内のUV硬化型粘着剤を硬化させる。一実施形態において、補強材料は、接着剤を硬化させるために可視光源を必要とする。
【0074】
一旦、骨片1004および1006の配向が所望の位置にあることが確認されると、UVを放射する光源を用いた照明等により、UV硬化型粘着剤がバルーン部内で硬化されてもよい。UV硬化型粘着剤が硬化した後、ライトパイプがデバイス100から除去されてもよい。図12Cに示すように、バルーン部が一旦硬化すると、当該技術分野において既知の方法を用いて送達カテーテルから解放されてもよい。一実施形態において、バルーン部を細長いシャフトから分離するために、送達カテーテルが切断される。
【0075】
骨折した骨を修復するための方法は、骨折した骨の内腔へのアクセスを得ることと、骨折した骨の修復において使用するためのデバイスを提供することであって、デバイスは、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する送達カテーテルを備え、送達カテーテルが、光ファイバを通過させるための内部管腔を有する形状適合部材に解放可能に係合する、ことと、形状適合部材を、骨折した骨の少なくとも2つの骨片に跨るように位置付けることと、形状適合部材の内部管腔内に光ファイバを挿入することと、形状適合部材内に補強材料を注入するために、送達カテーテルの内部空隙を通して少なくとも1つの補強材料を導入することであって、形状適合部材は、収縮状態から膨張状態に移行する、ことと、少なくとも1つの補強材料が硬化されるように、光ファイバに接続された光源を作動させて、形状適合部材の内部管腔内に光エネルギーを伝達することと、硬化された形状適合部材を送達カテーテルから解放することと、を含む。
【0076】
本明細書に引用された全ての特許、特許出願、および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これまで開示したおよび他の特徴および機能のうちのいくつかは、またはそれらの代替物は、他の多くの異なるシステムもしくは用途と望ましく組み合されてもよいことを理解されたい。これらも添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される、現在予期できないまたは想定できない種々の代替例、修正例、変形例、または改良例が、後に当業者によって行われてもよい。
【0077】
上記に特定した図面が本開示の実施形態を規定する一方で、考察において記載したように、他の実施形態も企図される。本開示は、限定的なものではなく、代表的なものとして、例示的な実施形態を提示する。当業者は、本開示の実施形態の原理の範囲および主旨の範囲内である、他の多数の変更および実施形態を想到することができる。
【符号の説明】
【0078】
100 デバイス
101 シャフト
102 近位端
103 形状適合部材
104 遠位端
115 アダプタ
152 光ファイバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨折した骨を修復するためのデバイスであって、
近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、送達カテーテルは、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、ライトパイプを受容するための内部管腔と、を有し、前記内部管腔の遠位端は、光学レンズ内で終端する、送達カテーテルと、
前記送達カテーテルの前記遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、前記少なくとも1つの補強材料が前記形状適合部材まで通過すると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、
前記ライトパイプおよび前記少なくとも1つの補強材料を受容するために、前記送達カテーテルの前記近位端に解放可能に係合する、アダプタと、を備える、デバイス。
【請求項2】
前記形状適合部材は、ポリマー材料から構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ライトパイプは、光源から前記形状適合部材に光エネルギーを伝送する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ライトパイプは、光ファイバである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記光学レンズは、前記ライトパイプから前記形状適合部材に光エネルギーを伝送する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記伝送された光エネルギーは、前記形状適合部材内で前記補強材料を硬化させる、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
骨折した骨を修復するためのデバイスであって、
近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する、送達カテーテルと、
前記送達カテーテルの前記遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、前記光ファイバを受容するための内部管腔を有し、前記少なくとも1つの補強材料が前記形状適合部材まで送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、
前記光ファイバおよび前記少なくとも1つの補強材料を受容するために、前記送達カテーテルの前記近位端に解放可能に係合するアダプタと、を備える、デバイス。
【請求項8】
前記送達カテーテルの前記細長いシャフトを包囲する補強部材と、
前記補強部材を包囲するスリップスリーブと、
前記送達カテーテル上の少なくとも1つの放射線不透過性材料と、をさらに備える、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの補強材料は、UV硬化型粘着剤である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記光ファイバに光エネルギーを提供するための光源をさらに備え、前記光ファイバは、前記光ファイバの終端面で前記光エネルギーを分散させる、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記光ファイバに光エネルギーを提供するための光源をさらに備え、前記光ファイバは、前記光ファイバの長さの少なくとも一部に沿って前記光エネルギーを分散させる、請求項7に記載のデバイス。
【請求項12】
光エネルギーは、前記光ファイバの表面を改良することによって、前記光ファイバの前記長さに沿って分散される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記光ファイバの前記表面を改良することは、前記光ファイバのクラッド層の少なくとも一部を除去することを含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記光エネルギーの分散は、半径方向である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
骨折した骨を修復するための方法であって、
前記骨折した骨の内腔へのアクセスを得ることと、
前記骨折した骨の修復において使用するためのデバイスを提供することであって、前記デバイスは、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する送達カテーテルを備え、前記送達カテーテルは、前記光ファイバを通過させるための内部管腔を有する形状適合部材を解放可能に係合する、デバイスを提供することと、
前記形状適合部材を、前記骨折した骨の少なくとも2つの骨片に跨るように位置付けることと、
前記形状適合部材の前記内部管腔内に前記光ファイバを挿入することと、
前記形状適合部材内に前記補強材料を注入するために、前記送達カテーテルの前記内部空隙を通して前記少なくとも1つの補強材料を導入することであって、前記形状適合部材は、収縮状態から膨張状態に移行する、補強材料を導入することと、
前記少なくとも1つの補強材料が硬化されるように、前記光ファイバに接続された光源を作動させて、前記形状適合部材の前記内部管腔内に光エネルギーを伝達することと、
前記硬化された形状適合部材を前記送達カテーテルから解放することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記硬化された形状適合部材は、前記骨折した骨の前記内腔内に残り、前記骨折した骨を支持し、前記骨折した骨の治癒を促進する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
光源は、前記光ファイバに光エネルギーを提供し、前記光ファイバは、前記光ファイバの終端面で前記光エネルギーを分散させる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
光源は、前記光ファイバに光エネルギーを提供し、前記光ファイバは、前記光ファイバの長さの少なくとも一部に沿って前記光エネルギーを分散させる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記光エネルギーは、前記光ファイバの表面を改良することによって、前記光ファイバの前記長さに沿って分散される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記光エネルギーの分散は、半径方向である、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
骨折した骨を修復するためのデバイスであって、
近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、送達カテーテルは、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、ライトパイプを受容するための内部管腔と、を有し、前記内部管腔の遠位端は、光学レンズ内で終端する、送達カテーテルと、
前記送達カテーテルの前記遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、前記少なくとも1つの補強材料が前記形状適合部材まで通過すると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、
前記ライトパイプおよび前記少なくとも1つの補強材料を受容するために、前記送達カテーテルの前記近位端に解放可能に係合する、アダプタと、を備える、デバイス。
【請求項2】
前記形状適合部材は、ポリマー材料から構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ライトパイプは、光源から前記形状適合部材に光エネルギーを伝送する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ライトパイプは、光ファイバである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記光学レンズは、前記ライトパイプから前記形状適合部材に光エネルギーを伝送する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記伝送された光エネルギーは、前記形状適合部材内で前記補強材料を硬化させる、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
骨折した骨を修復するためのデバイスであって、
近位端、遠位端、およびそれらの間に縦軸を備える細長いシャフトを有する送達カテーテルであって、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する、送達カテーテルと、
前記送達カテーテルの前記遠位端に解放可能に係合する形状適合部材であって、前記光ファイバを受容するための内部管腔を有し、前記少なくとも1つの補強材料が前記形状適合部材まで送達されると、収縮状態から膨張状態に移行する、形状適合部材と、
前記光ファイバおよび前記少なくとも1つの補強材料を受容するために、前記送達カテーテルの前記近位端に解放可能に係合するアダプタと、を備える、デバイス。
【請求項8】
前記送達カテーテルの前記細長いシャフトを包囲する補強部材と、
前記補強部材を包囲するスリップスリーブと、
前記送達カテーテル上の少なくとも1つの放射線不透過性材料と、をさらに備える、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの補強材料は、UV硬化型粘着剤である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記光ファイバに光エネルギーを提供するための光源をさらに備え、前記光ファイバは、前記光ファイバの終端面で前記光エネルギーを分散させる、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記光ファイバに光エネルギーを提供するための光源をさらに備え、前記光ファイバは、前記光ファイバの長さの少なくとも一部に沿って前記光エネルギーを分散させる、請求項7に記載のデバイス。
【請求項12】
光エネルギーは、前記光ファイバの表面を改良することによって、前記光ファイバの前記長さに沿って分散される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記光ファイバの前記表面を改良することは、前記光ファイバのクラッド層の少なくとも一部を除去することを含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記光エネルギーの分散は、半径方向である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
骨折した骨を修復するための方法であって、
前記骨折した骨の内腔へのアクセスを得ることと、
前記骨折した骨の修復において使用するためのデバイスを提供することであって、前記デバイスは、少なくとも1つの補強材料を通過させるための内部空隙と、光ファイバを受容するための内部管腔と、を有する送達カテーテルを備え、前記送達カテーテルは、前記光ファイバを通過させるための内部管腔を有する形状適合部材を解放可能に係合する、デバイスを提供することと、
前記形状適合部材を、前記骨折した骨の少なくとも2つの骨片に跨るように位置付けることと、
前記形状適合部材の前記内部管腔内に前記光ファイバを挿入することと、
前記形状適合部材内に前記補強材料を注入するために、前記送達カテーテルの前記内部空隙を通して前記少なくとも1つの補強材料を導入することであって、前記形状適合部材は、収縮状態から膨張状態に移行する、補強材料を導入することと、
前記少なくとも1つの補強材料が硬化されるように、前記光ファイバに接続された光源を作動させて、前記形状適合部材の前記内部管腔内に光エネルギーを伝達することと、
前記硬化された形状適合部材を前記送達カテーテルから解放することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記硬化された形状適合部材は、前記骨折した骨の前記内腔内に残り、前記骨折した骨を支持し、前記骨折した骨の治癒を促進する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
光源は、前記光ファイバに光エネルギーを提供し、前記光ファイバは、前記光ファイバの終端面で前記光エネルギーを分散させる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
光源は、前記光ファイバに光エネルギーを提供し、前記光ファイバは、前記光ファイバの長さの少なくとも一部に沿って前記光エネルギーを分散させる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記光エネルギーは、前記光ファイバの表面を改良することによって、前記光ファイバの前記長さに沿って分散される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記光エネルギーの分散は、半径方向である、請求項19に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11A−11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11A−11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【公表番号】特表2012−507342(P2012−507342A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534473(P2011−534473)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/081924
【国際公開番号】WO2010/050965
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(508318694)イルミンオス・メディカル・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】IlluminOss Medical, Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/081924
【国際公開番号】WO2010/050965
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(508318694)イルミンオス・メディカル・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】IlluminOss Medical, Inc.
【Fターム(参考)】
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