説明

円形断面容器の搬送方法および装置

【課題】異径缶兼用で、缶の剛性によって缶を保持する力の調整が容易な円形断面容器の搬送方法および装置を提供する。
【解決手段】ロータリー式フィラで液体が充填された缶1を次工程へ搬送するコンベヤに排出するように作用する固定加速アーム21と、固定の軸を支点として、閉時は固定加速アーム21側へ缶1を挟んで保持するように作動し、開時は固定加速アーム21側から開かれて缶1の保持を開放するように作動する揺動可能な可動アーム31とで搬送装置を構成し、固定加速アーム21の缶1との係合面を取り扱う缶1の最小径に相当する曲面211にして、取り扱う缶1の直径が大きい場合は該曲面の2点で接するようにし、可動アーム31の缶1と係合する側が湾曲状311で、取り扱う缶1の直径が大きい時も小さい時も係合する箇所が可動アーム31の先端部312近辺になるようにして、径が異なった缶1に対しても保持が自由に対応できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶等の円形断面容器(以下、缶と称す。)に液体を充填する充填バルブが円周等分に配置されたロータリー式缶フィラ等の各充填バルブに対応して設けられた缶の搬送装置において、液体が充填された缶を次工程の缶シーマへ搬送するコンベヤに排出するための固定加速アームと固定の軸を支点として揺動する可動アームとで構成して、取り扱う缶の直径が異なっても缶を保持して搬送できる円形断面容器の搬送方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料等の液体を缶に充填するロータリー式缶フィラでは、充填された缶の次工程の缶シーマへ搬送するコンベヤへの受け渡しにおいて、一般に、所定ピッチの充填バルブを伴った同フィラ内での回転運動から、同フィラでのピッチよりも大きいピッチのフィンガーチェンによるコンベヤの直線運動に加速する方法が取られている。この加速のために、充填バルブに対応して加速アームが取り付けられており、前記回転運動から直線運動へ充填された缶を円滑に受け渡すために前記加速アームの形状についての提案がなされている。(特許文献1)
【0003】
また、容器に液体等を充填するフィラ(缶フィラ等)で、容器保持具として、容器の外径が異なった2種類の容器に適用可能な兼用型の容器保持具が提案されている。(特許文献2および3)
さらに、容器口をシールしない高速ロータリー式充填機において、遠心力で容器が滑り落ちないように配慮した容器把持装置が提案されている。(特許文献4)
【特許文献1】特許第3521816号公報(図1、図13)
【特許文献2】実公昭63−40415号公報(第2図、第3図)
【特許文献3】特開平7−237745号公報(図3、図4、図5)
【特許文献4】特開平10−101193号公報(図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1によれば、円軌道搬送装置から直線軌道搬送装置に変速して円形断面容器を円滑に受け渡すためとして、曲率が連続して変化し且つ円形断面容器にかかる加速度を連続で変化させる形状の曲面に形成された容器係合面を有する容器支持部材(加速アーム)を提案している。
しかしながら、該容器支持部材はその目的から缶の大きさ、フィラ半径、生産能力、充填バルブ数等によって適切な形状を選択することになっており、缶の大きさ等が変われば容器支持部材を変更しなければならず、生産管理上手間がかかるという問題がある。また、前記容器支持部材は円軌道搬送装置から直線軌道搬送装置に変速して円形断面容器を円滑に受け渡すための機能を持っているが、容器を保持する機能は持っておらず、容器保持のためには、充填バルブ等において、別途缶口を押えるセンタリングベル等の保持装置が必要となり、装置が複雑になるという問題がある。
【0005】
また、前記特許文献2によれば、大きさが異なる容器(a1)(特許文献2の図中の記号を括弧書きで表示する。以下本段落において同じ。)と容器(a2)に対応する略半円形の凹陥部(13d)、(13e)を持った容器保持具(13)の取り付け位置を切り換えることにより、異なる種類の搬送容器に対応するとしている。
しかしながら、このような容器保持具(13)では、各容器(a1)、(a2)に対応した2つの凹陥部(13d)、(13e)が容器移動軌跡の円周方向に並ぶような形になることから、円周方向のスペースが必要であり、大きな容器に対しては対応が困難であるばかりか、フィラボウルの径が大きくなるという不具合がある。また、全部の容器保持具の径を同時に自動で変更することは困難であり、3種類以上の径の容器への対応はスペースおよび位置決めの点で困難であるという問題がある。
【0006】
また、前記特許文献3によれば、前記特許文献2の問題に対応するために、爪(20)(特許文献3の図中の記号を括弧書きで表示する。以下本段落において同じ。)および爪(21)を持ったリング状の保持板(14)および(15)をスライドさせて凹陥部(13)を形成する容器保持具(22)により大径容器対応、小径容器対応をさせるとしている。
しかしながら、このような容器保持具(22)による搬送方法では、大径容器対応または小径容器対応に設定された凹陥部(13)により缶(11)は保持されるが、缶の直径が大径と小径との中間の径に対しては対応できないという問題がある。また、爪(20)および爪(21)による凹陥部(13)では缶(11)をしっかりと把持できない。缶(11)を無理にしっかりと把持しようとすると、固定形状の凹陥部(13)では缶(11)に傷が付き、また、変形する虞があるという問題がある。
【0007】
さらに、前記特許文献4によれば、容器把持装置(3)(特許文献4の図中の記号を括弧書きで表示する。以下本段落において同じ。)は、固定アーム(12)と、固定アーム(12)上に設けられた支点ピン(13)により揺動自在に支持された揺動アーム(4)と、揺動アーム(4)を閉じる方向へ付勢するスプリング(18)と、揺動アーム(4)の閉じ角を規制するストッパ(19)と、閉じる方向へ付勢されている揺動アーム(4)を開く開放手段としてのカムフォロア(15)と固定カム(16)とから構成して、容器(1)を把持するとしている。
しかしながら、このような容器把持装置(3)では、固定アーム(12)は横断面が略U字型の形状となっており、略U字型の切り欠き部に容器(1)がはまり込むようになっていることと、ストッパ(19)により揺動アーム(4)の閉じ角が固定されていることから、取り扱う容器(1)の直径が1種類に固定されており、容器(1)の直径が異なる場合には、容器把持装置(3)を取替えなければならないという問題がある。また、スプリング(18)の取り付け長さが固定されているため、揺動アーム(4)が閉じられる力が固定されており、剛性等の種類によって容器(1)を把持する力を変えることができないという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、加速アームの機能と缶保持の機能を併せ持って、缶の保持が缶の径が変わっても対応できるという手間がかからない異径缶兼用で、しかも、缶の剛性によって缶を保持する力の調整が容易な円形断面容器の搬送方法および装置を提供しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段の円形断面容器の搬送方法および装置は、同容器に液体を充填する充填バルブが円周等分に配置されたロータリー式フィラの各充填バルブに対応して設けられた同容器の搬送装置において、該フィラで液体が充填された同容器を次工程へ搬送するコンベヤに排出するように作用する固定加速アームと、固定の軸を支点として、閉時はばね等の付勢手段によって前記固定加速アーム側へ前記容器を挟んで保持するように作動し、開時はカム等によって前記固定加速アーム側から開かれて同容器の保持を開放するように作動する揺動可能な可動アームで構成して、前記固定加速アームの同容器との係合面を取り扱う同容器の最小径に相当する曲面にして、取り扱う同容器の直径が大きい場合は該曲面の2点で接するようにし、前記可動アームの同容器と係合する側が湾曲状で、取り扱う同容器の直径が大きい時も小さい時も係合する箇所が該可動アームの先端部近辺になるようにして、径が異なった容器に対しても保持が自由に対応できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
(2)第2の手段の円形断面容器の搬送方法および装置は、前記第1の手段の円形断面容器の搬送方法および装置において、前記ばね等の付勢手段の取り付け長さを可変とするような構成にしたことを特徴とする。
(3)第3の手段の円形断面容器の搬送方法は、前記第1および第2の手段の円形断面容器の搬送方法において、前記充填バルブには同容器の開口を押さえるセンタリングベルを不要として、前記充填バルブの中心と前記容器の中心が同心でなくても前記容器に液体を充填できるように前記容器を保持して搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1および3に係わる本発明は、缶に液体を充填する充填バルブが円周等分に配置されたロータリー式缶フィラの各充填バルブに対応して設けられた缶の搬送装置において、該缶フィラで液体が充填された缶を次工程の缶シーマへ搬送するコンベヤに排出するように作用する固定加速アームと、固定の軸を支点として、閉時はばね等の付勢手段によって前記固定加速アーム側へ前記缶を挟んで保持するように作動し、開時はカム等によって前記固定加速アーム側から開かれて缶の保持を開放するように作動する揺動可能な可動アームで構成して、前記固定加速アームの缶との係合面を取り扱う缶の最小径に相当する曲面にして、取り扱う缶の直径が大きい場合は該曲面の2点で接するようにし、前記可動アームの缶と係合する側が湾曲状で、取り扱う缶の直径が大きい時も小さい時も係合する箇所が該可動アームの先端部近辺になるように構成したことにより、加速アームの機能と缶保持の機能を併せ持ち、缶径が異なった缶に対しても保持が自由に対応できるという効果を有する。
【0012】
請求項2および4に係わる本発明は、前記円形断面容器の搬送方法および装置において、前記ばね等の付勢手段の取り付け長さを可変とするような構成にしたことにより、前記固定加速アームと前記可動アームで缶を保持する力を可変にすることができ、缶の剛性に対応して缶を保持することができるという効果を有する。
請求項5に係わる本発明は、前記円形断面容器の搬送方法において、前記充填バルブには缶の缶口を押さえるセンタリングベルを不要として、前記充填バルブの中心と前記缶の中心が同心でなくても前記缶に液体を充填できるように前記缶を保持して搬送することにより、缶口に接するものがないため缶口が汚されないという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係わるロータリー式缶フィラの全体の構成を簡略化して示す平面図である。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係わる円形断面容器の搬送装置の平面図で、図の右方向がロータリー式缶フィラの中心方向となっている。
図3は、図2のA−A断面図で、一部断面図としてある。
図4は、本発明に係わる円形断面容器の搬送装置が、スターホイールから缶フィラへの缶の受け渡し時において、(a)缶を保持する直前の状態、(b)保持した直後の状態を示す図で、要所のみを記してある。
図5は、本発明に係わる円形断面容器の搬送装置が、缶フィラで充填された缶のコンベヤへの排出時において、(a)缶の保持を開放する直前の状態、(b)缶の保持を完全に開放し、排出している状態を示す図で、要所のみを記してある。
【0015】
図において、供給コンベヤ2で搬送されてきた空の缶(容器)1は、タイミングスクリュー3により所定の間隔に空けられて、スターホイール4を介して位置56でロータリー式缶フィラ(以下缶フィラという)5の充填バルブ6に対応した缶台24上に送り込まれるとともに図2、図3に示す搬送装置(異径缶兼用搬送装置)20により保持される。缶フィラ5が矢印51の方向へ回転している間に充填バルブ6により液体を充填された缶1は、位置58で固定加速アーム21により缶台24からコンベヤ8へ排出されていく。コンベヤ8に排出された缶1はコンベヤ8のフィンガーチェン81により所定ピッチに保たれて、缶シーマ9に取り込まれ、缶蓋を巻き締めされた後、排出コンベヤ10へ排出されて、次工程へ搬送されていく。
ここで、フィンガーチェン81のピッチ間隔は、缶シーマ9のピッチ間隔との関係上、缶フィラ5の充填バルブ6のピッチ間隔よりも大きく設定されている。
【0016】
搬送装置20は、缶フィラ5の回転円板7に組み付けられた支持部材25に軸22およびスペーサ23、23を介して取り付けられた2枚の固定加速アーム21と、支持部材25の孔26に回転摺動自在の軸32の上部に固定された可動アーム31とによって主に構成されている。
軸32の下部にはレバー33が固定され、レバー33にはピン39が取り付けられている。一方、支持部材25にはピン41が取り付けられていて、引張ばね40がピン39とピン41に懸架されており、缶1は固定加速アーム21と引張ばね40により固定加速アーム21側に閉じるように作動する可動アーム31によって挟まれて保持されるようになっている。レバー33の他端に固定された軸35に回転可能に軸支されたローラ34が設けられており、ローラ34が缶フィラ5の図示しない固定フレームに取り付けられたカム36の軌道361に係合すると、可動アーム31が固定加速アーム21の反対側に開くように作動して、保持されていた缶1が開放されるようになっている。
なお、固定加速アーム21の曲線部211は取り扱う缶1の直径が最小の場合の曲率半径となっており、これより直径が大きい場合には、缶1は図2のように2点で係合されるようになっている。
【0017】
一方、可動アーム31は湾曲部311を持った形状となっており、缶1のように、直径が大きい場合でも、小径缶101のような場合でも、図示のように、先端部312の近辺で、缶1,101と係合されるようになっている。
また、レバー33の上面にはストッパピン37が取り付けられており、支持部材25の下面に固定されたストッパ受け38にスットパピン37が当接することによりレバー33の揺動が規定以上に閉の状態にならないように規制されている。
ここで、カム36の軌道は、位置55(図1)では、可動アーム31が固定加速アーム21側へ閉じるように作動し始め、位置56にくると、可動アーム31が固定加速アーム21との間で缶1を挟んで保持ように設定されており、また、位置57では、可動アーム31が固定加速アーム21側から開かれる方へ作動し始め、位置58にくると、缶1が可動アーム31の挟みから開放されるように設定されている。
なお、図2および図3において二点鎖線で示した小径缶101は、固定加速アーム21と二点鎖線で示した可動アーム31との間に挟まれて保持される状態を示している。
【0018】
次に、本実施の形態に係わる円形断面容器の搬送装置20の作用を説明する。
図4(a)は、位置55において、スターホイール4で搬送されてきた缶1が搬送装置20で保持される前の状態を示し、図4(b)は、位置56において、スターホイール4で搬送されてきた缶1が搬送装置20により保持された直後の状態を示すが、缶フィラ5がスターホイール4との同期回転により位置55から位置56へ回転する間に、スターホイール4で搬送されてきた缶1と搬送装置20とが係合するように作動する。即ち、可動アーム31が、引張ばね40の作用により開から閉の方向へ揺動して、位置56において缶1を挟んで保持する。なお、二点鎖線52および42は、それぞれ缶フィラ5における缶台24の搬送軌道およびスターホイール4における缶1の搬送軌道を示している。
缶フィラ5の位置56から位置57までの回転の間に、缶1は搬送装置20によって保持された状態で充填バルブ6によって液体が充填される。この場合、缶1の中心と充填バルブ6の中心とは必ずしも同心ではないが、搬送装置20によって缶1が保持されているので、充填バルブ6には缶1の缶口11を押さえる図示しないセンタリングベル等が不要となる。このため、缶口11に接するものがないことにより缶口11が汚されることはない。
【0019】
図5(a)は、位置57において、充填バルブ6によって液体が充填された缶1を搬送装置20による保持状態から開放状態に移行する直前の状態を示し、図5(b)は、位置58において、充填バルブ6によって液体が充填された缶1を搬送装置20の固定加速アーム21によってコンベヤ8に排出している状態を示すが、缶フィラ5が位置57から位置58へ回転する間に、搬送装置20の可動アーム31が引張ばね40の作用に抗してローラ34とカム36の作用により閉から開の方向へ揺動して、缶1を保持状態から開放状態にするように作用し、位置58において固定加速アーム21の容器係合面により缶1をコンベヤ8の搬送方向へ加速排出する。なお、二点鎖線52および82は、それぞれ缶フィラ5における缶台24の搬送軌道およびコンベヤ8における缶1の搬送軌道を示しており、二点鎖線82が二点鎖線52よりオフセットされた状態を示している。
なお、フィンガーチェン81のピッチ間隔が缶フィラ5の充填バルブ6のピッチ間隔よりも大きく設定されているため、缶シーマ9において缶フィラ5とのピッチの相関関係を調整する回転位相調整装置、例えば、図示しないインモーションタイマ(特開2006−36266号公報の段落[0006]に開示されている。)による調整を行う。
図2から図5においては、実線で示す大径缶1を保持および開放する状態を説明したが、図2および図3において二点鎖線で示す小径缶101の場合も同様の作用となる。また、大径缶1から小径缶101の中間の径の場合も同様に作用し、本発明の実施の形態の搬送装置によれば、大径缶1から小径缶101までどのような径の缶にも対応して缶1を保持して搬送することができるとともに、固定加速アーム21によりコンベヤ8へ加速して排出することができる。
【0020】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図6および図7によって説明する。
図6は、第2の実施の形態の円形断面容器の搬送装置の平面図で、図2に相当するものである。
図7は、図6のB−B断面図で、一部断面図としてあり、図3に相当するものである。
【0021】
図において、第2の実施の形態の搬送装置(異径缶兼用搬送装置)200の構造が図2および図3と同じ構造のものは同じ記号が記してあり、重複する説明は省略する。ピン41を取り付けたスライド48は、支持部材25に図示しない締結部品により締結されたスライド受け43の段差部の溝を摺動するようになっている。スライド48には、ねじ穴等の係合部47が設けられていて、スライド受け43に明けられたねじ孔46を貫通しているボルト44と係合して、ボルト44を廻すことによりスライド48が前後進するようになっている。なお、45はボルト44の位置決め用のナットであり、スライド受け43の端面に密着して位置決めするようになっている。
【0022】
第2の実施の形態の作用を説明すると、ねじ44によってスライド48を前進または後進させることによりピン41が前進または後進して、ピン41とピン39に懸架してある引張ばね40の取り付け長さが変化することにより引張ばね40の引張り力が変化し、固定加速アーム21と可動アーム31により保持される缶1の挟まれる力が変化する。これにより、缶1を挟む力は、缶1の剛性、缶1への傷つき防止等を考慮して適宜選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係わるロータリー式缶フィラの全体の構成を簡略化して示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる円形断面容器の搬送装置の平面図で、図の右方向がロータリー式缶フィラの中心方向となっている。
【図3】図2のA−A断面図で、一部断面図としてある。
【図4】本発明に係わる円形断面容器の搬送装置が、スターホイールから缶フィラへの缶の受け渡し時において、(a)缶を保持する直前の状態、(b)保持した直後の状態を示す図で、要所のみを記してある。
【図5】本発明に係わる円形断面容器の搬送装置が、缶フィラで充填された缶のコンベヤへの排出時において、(a)缶の保持を開放する直前の状態、(b)缶の保持を完全に開放し、排出している状態を示す図で、要所のみを記してある。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係わる円形断面容器の搬送装置の平面図で、図2に相当するものである。
【図7】図6のB−B断面図で、一部断面図としてあり、図3に相当するものである。
【符号の説明】
【0024】
1…缶(容器)、
5…ロータリー式缶フィラ、
6…充填バルブ、
8…コンベヤ、
20,200…(異径缶兼用)搬送装置、
21…固定加速アーム、
25…支持部材、
31…可動アーム、
33…レバー、
34…ローラ、
36…カム、
37…ストッパピン、
38…ストッパ受け、
39…ピン、
40…引張ばね、
41…ピン、
48…スライド、
43…スライド受け、
44…ボルト、
81…フィンガーチェン、
101…(小径)缶

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形断面容器に液体を充填する充填バルブが円周等分に配置されたロータリー式フィラの各充填バルブに対応して設けられた円形断面容器の搬送装置において、該フィラで液体が充填された同容器を次工程へ搬送するコンベヤに排出するように作用する固定加速アームと、固定の軸を支点として、閉時はばね等の付勢手段によって前記固定加速アーム側へ前記容器を挟んで保持するように作動し、開時はカム等によって前記固定加速アーム側から開かれて同容器の保持を開放するように作動する揺動可能な可動アームで構成して、前記固定加速アームの同容器との係合面を取り扱う同容器の最小径に相当する曲面にして、取り扱う同容器の直径が大きい場合は該曲面の2点で接するようにし、前記可動アームの同容器と係合する側が湾曲状で、取り扱う同容器の直径が大きい時も小さい時も係合する箇所が該可動アームの先端部近辺になるようにして、径が異なった容器に対しても保持が自由に対応できるようにしたことを特徴とする円形断面容器の搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載するに円形断面容器の搬送装置おいて、前記ばね等の付勢手段の取り付け長さを可変とするような構成にしたことを特徴とする円形断面容器の搬送装置。
【請求項3】
円形断面容器に液体を充填する充填バルブが円周等分に配置されたロータリー式フィラの各充填バルブに対応して円形断面容器を搬送する搬送方法において、該フィラで液体が充填された同容器を次工程へ搬送するコンベヤに排出するように作用する固定加速アームと、固定の軸を支点として、閉時はばね等の付勢手段によって前記固定加速アーム側へ前記容器を挟んで保持するように作動し、開時はカム等によって前記固定加速アーム側から開かれて同容器の保持を開放するように作動する揺動可能な可動アームで構成して、前記固定加速アームの同容器との係合面を取り扱う同容器の最小径に相当する曲面にして、取り扱う同容器の直径が大きい場合は該曲面の2点で接するようにし、前記可動アームの同容器と係合する側が湾曲状で、取り扱う同容器の直径が大きい時も小さい時も係合する箇所が該可動アームの先端部近辺になるようにして、充填時は前記固定加速アームと前記可動アームにより前記容器を挟んで保持して前記容器に液体を充填し、充填後は前記可動アームをカム等の作用で開いて前記容器の保持を開放し、前記容器を前記固定加速アームにより前記コンベヤに加速して排出するように同容器を搬送する方法として、径が異なった容器に対しても保持が自由に対応できるようにしたことを特徴とする円形断面容器の搬送方法。
【請求項4】
請求項3に記載する円形断面容器の搬送方法において、前記ばね等の付勢手段の取り付け長さを可変とし、前記容器を挟む力を可変とすることにより同容器の剛性に対応した保持をすることができるようにしたことを特徴とする円形断面容器の搬送方法。
【請求項5】
請求項3および4に記載する円形断面容器の搬送方法において、前記充填バルブには前記容器の開口を押さえるセンタリングベルを不要として、前記充填バルブの中心と前記容器の中心が同心でなくても前記容器に液体を充填できるように前記容器を保持して搬送することを特徴とする円形断面容器の搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−76915(P2010−76915A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248709(P2008−248709)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(505193313)三菱重工食品包装機械株式会社 (146)
【Fターム(参考)】