円筒型タンクの構築方法
【課題】外槽の底部における保冷材の敷設及びアニュラープレートの組み立てがクリティカルパスとならずに、工期の短縮化を図ることのできる円筒型タンクの構築方法の提供。
【解決手段】金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法であって、基礎版1上で該PC壁2を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる間に、基礎版1よりも上方であって、内槽と外槽との内外槽間において、ジャッキ用架台16をPC壁2に設けてジャッキアップ装置19を支持させる工程と、基礎版1上で内槽屋根14と外槽屋根とを一体的に組立て、内槽屋根14に内槽側板9を最上段のものから最下段のものへと順々に取り付けながら、該取り付けられた内槽側板9をジャッキアップ装置19によって順々に上昇させる工程と、を有するという手法を採用する。
【解決手段】金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法であって、基礎版1上で該PC壁2を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる間に、基礎版1よりも上方であって、内槽と外槽との内外槽間において、ジャッキ用架台16をPC壁2に設けてジャッキアップ装置19を支持させる工程と、基礎版1上で内槽屋根14と外槽屋根とを一体的に組立て、内槽屋根14に内槽側板9を最上段のものから最下段のものへと順々に取り付けながら、該取り付けられた内槽側板9をジャッキアップ装置19によって順々に上昇させる工程と、を有するという手法を採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒型タンクの構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内槽と外槽とを有する二重殻構造の円筒型タンクは、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)等の低温液体の貯蔵に用いられている。特許文献1には、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクが開示されている。
【0003】
特許文献1には、円筒型タンクの工期の短縮化を図るため、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを同時に施工する手法が開示されている。具体的には、外槽の底部にジャッキ架台を立設させ、ジャッキアップ装置を所定高さに支持させる(特許文献1の図4(b)参照)。そして、外槽の側壁工事を行うときに、外槽の底部上で内槽屋根と外槽屋根とを組み立て、次いで、上記ジャッキアップ装置により内槽屋根と外槽屋根とを上昇させながら内槽屋根に内槽側板を最上段のものから最下段のものへと、その順で取り付けることで、金属製の内槽とコンクリート製の外槽との同時施工を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−62924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来技術においては、内槽屋根に内槽側板を最下段のものまで取り付けた後、ジャッキ架台の接地部の一部を撤去し、パーライトコンクリートブロック及びアニュラープレートを組み立てている(特許文献1の図10参照)。
このように、上記従来技術では、ジャッキ架台を外槽の底部に立設させているために、外槽の底部に保冷材を敷設する保冷作業が、クリティカルパスとなっており、円筒型タンクの工期の短縮化を十分に図ることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、外槽の底部における保冷材の敷設及びアニュラープレートの組み立てがクリティカルパスとならずに、工期の短縮化を図ることのできる円筒型タンクの構築方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法であって、上記外槽の底部上で該外槽の側壁を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる間に、上記底部よりも上方であって、上記内槽と上記外槽との内外槽間において、架台を上記外槽の側壁に設けてジャッキアップ装置を支持させる工程と、上記底部上で内槽屋根と外槽屋根とを一体的に組立て、上記内槽屋根に内槽側板を最上段のものから最下段のものへと順々に取り付けながら、該取り付けられた内槽側板を上記ジャッキアップ装置によって順々に上昇させる工程と、を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、外槽の側壁をある程度の高さまで組み上げた後、当該側壁に架台を設け、ジャッキアップ装置を支持させる。そして、外槽屋根及び内槽屋根と共に取り付けられた内槽側板を順次ジャッキアップし、下部にできた空間に次の内槽側板を取り付けていく。ジャッキアップ装置を支持する架台は、内外槽間において外槽の底部から離間して設けられるので、外槽の底部における保冷作業との干渉をなくすことができる。このため、本発明では、内槽と外槽とを同時に施工しつつ、また、外槽の底部の保冷作業との干渉を回避することができる。
【0008】
また、本発明においては、上記取り付けられた内槽側板と、上記内外槽間において上記取り付けられた内槽側板の外周に沿って環状に延在する環状部材と、を着脱自在に連結する工程と、上記ジャッキアップ装置を複数設け、該複数のジャッキアップ装置によって、上記連結された上記環状部材を介して上記取り付けられた内槽側板を上昇させる工程と、を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、複数のジャッキアップ装置に環状部材を接続し、その環状部材と取り付けられた内槽側板とを着脱自在に連結することにより、ジャッキアップ後に、速やかに連結を解除し、次の内槽側板のジャッキアップを行うことができる。
【0009】
また、本発明においては、上記取り付けられた内槽側板と上記環状部材とを着脱自在に連結する連結部の数は、上記ジャッキアップ装置の設置数よりも多いという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、ジャッキアップ装置の設置数よりも連結部の数を多くすることにより、取り付けられた内槽側板にかかる集中荷重を低減することができる。また、これにより、ジャッキアップ装置の設置数を低減でき、当該設置作業を短くすることができる。
【0010】
また、本発明においては、上記環状部材に搬送装置を設け、該搬送装置によって上記環状部材に沿って上記内槽側板を搬送する工程を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、環状部材が内外槽間において環状に延在していることから、この環状部材に沿って内槽側板を搬送することで、効率の良い内槽側板の搬送及び取り付けが可能となる。
【0011】
また、本発明においては、上記外槽の側壁に設けられた開口部を介して上記内槽側板を上記搬送装置に受け渡す第2の搬送装置を設け、該第2の搬送装置によって上記内槽側板を上記環状部材に沿う方向に搬送する工程を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、環状部材に沿う方向に内槽側板を搬送して受け渡すことで、内槽側板のスムーズな受け渡し作業の実現が可能となる。
【0012】
また、本発明においては、上記外槽の側壁の組み上げに先行して、上記外槽の底部上で、該外槽の側壁が組み上げられるべき領域の内側に沿って外槽側板を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる工程と、上記外槽側板の外側に足場を設け、該足場を介して上記外槽の側壁を組み上げる工程と、を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、外槽の側壁の組み上げに先行して、その内側に沿って外槽側板を組み上げ、その外槽側板の外側に、外槽の側壁を組み上げる足場を設けることで、外槽側板の内側で行われるジャッキアップ作業との干渉を回避することができる。
【0013】
また、本発明においては、上記外槽は、プレストレスコンクリート製であるという手法を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法であって、上記外槽の底部上で該外槽の側壁を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる間に、上記底部よりも上方であって、上記内槽と上記外槽との内外槽間において、架台を上記外槽の側壁に設けてジャッキアップ装置を支持させる工程と、上記底部上で内槽屋根と外槽屋根とを一体的に組立て、上記内槽屋根に内槽側板を最上段のものから最下段のものへと順々に取り付けながら、該取り付けられた内槽側板を上記ジャッキアップ装置によって順々に上昇させる工程と、を有するという手法を採用することによって、内槽と外槽とを同時に施工しつつ、また、外槽の底部の保冷作業との干渉を回避することができる。
したがって、本発明では、外槽の底部における保冷材の敷設及びアニュラープレートの組み立てがクリティカルパスとならないため、工期の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における構築方法の第1工程を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における構築方法の第2工程を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における構築方法の第3工程を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における構築方法の第4工程を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における構築方法の第5工程を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における構築方法の第6工程を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における構築方法の第7工程を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における構築方法の第8工程を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における構築方法の第9工程を示す図である。
【図10】本発明の実施形態におけるジャッキ用架台及びジャッキアップ装置を示す図である。
【図11】本発明の実施形態における連結部を示す図である。
【図12】本発明の実施形態におけるジャッキアップリングと内槽側板との連結状態を説明するための平断面図である。
【図13】本発明の実施形態におけるジャッキアップ作業を示す図である。
【図14】本発明の実施形態におけるジャッキアップ作業を示す図である。
【図15】本発明の実施形態における構築方法の第10工程を示す図である。
【図16】本発明の実施形態における構築方法の第11工程を示す図である。
【図17】本発明の実施形態における構築方法の第12工程を示す図である。
【図18】本発明の実施形態における構築方法の第13工程を示す図である。
【図19】本発明の実施形態における構築方法を示す全体のフロー図である。
【図20】本発明の別実施形態における構築方法の第2工程を示す図である。
【図21】本発明の別実施形態におけるジャッキアップ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の円筒型タンクの構築方法について図面を参照して説明する。以下の説明では、円筒型タンクとして、LNGを貯蔵する地上式のPC(プレストレスコンクリート)二重殻貯槽を例示する。
【0017】
先ず、図1に示すように、略円板状の基礎版(外槽の底部)1の工事を行う。基礎版1の外周縁部には、後述するPC壁(外槽の側壁)2を組み上げる基礎部3を凸設する。また、基礎部3の内側に沿って内槽アンカーストラップ4を設置する。
【0018】
次に、図2(a)に示すように、基礎版1上に側ライナー(外槽側板)5を組み立てる。なお、側ライナー5は、コンクリート型枠を兼ねている。側ライナー5は、通常板厚が6mm程度の鋼材であるが、本実施形態では板厚を20mm程度にして、強度を向上させている。
【0019】
側ライナー5は、基礎部3の内側に沿って組み立てる。図2(b)に示すように、基礎部3の基端部に、略L字状の埋め込みプレート6を設置し、その上に、側ライナー5を据え付ける。また、図2(a)に示すように、基礎版1上に底部ライナー7を敷設する。図2(b)に示すように、底部ライナー7の縁部は、埋め込みプレート6上に重ねて敷設する。
【0020】
次に、図3に示すように、側ライナー5をさらに組み上げる。また、側ライナー5の基端部の内側に沿って内槽側板組立用の仮架台8を設置する。
そして、図4に示すように、側ライナー5を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる。なお、ここでは、側ライナー5を例えば4段目まで組み上げる。
【0021】
次に、図5に示すように、先行して4段目まで組み上げた側ライナー5に沿って、基礎部3上に最下段(1段目)のPC壁2を打設する。また、仮架台8上に、内槽側板9を立設させ、隣り合う内槽側板9同士を溶接し、環状に組み立てる。なお、内槽側板9は、最上段(本実施形態では9段目)に対応するものである。内槽側板9は、優れた靱性と強度を備えるNi鋼材から形成されている。
【0022】
次に、図6に示すように、基礎版1の中央部に屋根架台10を組み立てる。また、内槽側板9の上端部にナックルプレート11を組み付ける。また、基礎版1上に、高所作業車12を乗り入れる。また、仮架台8の下に、パーライトコンクリートブロックや構造用軽量コンクリートブロック等のアニュラー部13の構成部材を仮置きする。
【0023】
次に、図7に示すように、屋根架台10上に内槽屋根ブロックを搭載し、内槽屋根14を組み立てる。また、内槽屋根14の外周縁部に、ナックルプレート11を介して内槽側板9を取り付ける。また、この際、PC壁2を、側ライナー5に沿って最下段のものから最上段のものへと順々に(ここでは途中の5段目まで)打設して組み上げる。
【0024】
次に、基礎版1よりも上方であって、内外槽間(PC壁2と内槽側板9との間)15において、PC壁2にジャッキ用架台(架台)16を設置する。ジャッキ用架台16は、所定高さのPC壁2から、内側に向かう水平方向に凸設される。ジャッキ用架台16は、例えばPC壁2の打設時に埋め込んだJ型アンカー等を介して、強固に組み付けられる。
【0025】
次に、図8に示すように、内槽屋根14上で外槽屋根17を組み上げる。また、ここでは、ジャッキ用架台16を用いて、外槽屋根17の外周縁部を支持させる。なお、内槽屋根14と外槽屋根17とを不図示の連結材で連結し、一体的に組み立てる。
【0026】
また、側ライナー5を組み上げる。そして、側ライナー5の外側に片足足場(足場)18を設けて、PC壁2の打設を継続する。PC壁2は、上述したように厚みを調節し強度を高めているので、従来のような両足足場ではなく片足足場18とすることができる。このようにすることで、側ライナー5の内側で行われる、後述するジャッキアップ作業との干渉を回避することができる。
【0027】
次に、図9に示すように、ジャッキ用架台16にジャッキアップ装置19を設置する。ジャッキアップ装置19は、ジャッキアップロッド20を有する。
次に、図10に示すように、ジャッキアップロッド20の下端部に、ジャッキアップリング(環状部材)21を接続する。ジャッキアップリング21は、H型鋼を複数接続することで、内外槽間15において、取り付けられた内槽側板9の外周に沿って環状に延在させる。
【0028】
ジャッキアップリング21と内槽側板9とは、着脱自在に連結可能な構成となっている。より詳しくは、図11に示すように、ジャッキアップリング21のウエブに吊りピース22を溶接して一体的に設け、また、内槽側板9の外周部に吊りピース23を溶接して一体的に設け、吊りピース22及び吊りピース23をピン24を用いて着脱自在に連結させ、連結部25を形成する。なお、内槽側板9の吊りピース23は、ジャッキアップ後に切除せずに永久ピースとして残すことが作業効率の観点から好ましい。
【0029】
図12は、ジャッキアップリング21と内槽側板9との連結状態を説明するための平断面図である。ジャッキアップ装置19は複数設けられており、間隔をあけて配置された複数のジャッキアップロッド20でジャッキアップリング21を支持する。また、連結部25は、ジャッキアップロッド20の間隔よりも小さい間隔で複数設ける。
【0030】
内槽側板9とジャッキアップリング21とを着脱自在に連結する連結部25の数は、ジャッキアップ装置19の設置数(ジャッキアップロッド20の数)よりも多くする。これにより、ジャッキアップの際に内槽側板9にかかる集中荷重を低減することができる。また、これにより、ジャッキアップ装置19の設置数を低減でき、当該設置作業を短くすることができる。
【0031】
図10に戻り、ジャッキアップリング21に搬送装置26を設ける。搬送装置26は、ジャッキアップリング21の下部に取り付けられたレール27と、レール27に沿って移動自在なトロリー28とを有する。レール27は、I型鋼を複数接続することで、内外槽間15において、取り付けられた内槽側板9の外周に沿って環状に延在させる。そして、このレール27にトロリー28を設け、内槽側板9を内外槽間15の周方向に搬送可能とさせる。
【0032】
また、PC壁2に設けた工事口(開口部)29を介して内槽側板9を搬送装置26に受け渡す第2の搬送装置30を設ける。第2の搬送装置30は、工事口29からPC壁2の外側に延在するレール31と、レール31に沿って移動自在なトロリー32とを有する。レール31は、I型鋼を複数接続することで、図12に示すように、ジャッキアップリング21に沿う方向に延在させる。そして、このレール31にトロリー32を設け、内槽側板9をジャッキアップリング21に沿う方向に搬送可能とさせる。
【0033】
次に、図13に示すように、ジャッキアップ装置19によって内槽屋根14及び外槽屋根17と共に内槽側板9を上昇させる。そして、内槽側板9の下部にできた空間に次の内槽側板9(8段目)を搬入する。次に取り付けるべき内槽側板9は、第2の搬送装置30によってジャッキアップリング21に沿う方向に搬送され、ジャッキアップリング21の下部に設けられた搬送装置26に受け渡される。
【0034】
第2の搬送装置30は、図12に示すように、ジャッキアップリング21に沿う方向に内槽側板9を搬送するため、内槽側板9の向きを調整することなくスムーズに搬送装置26へ受け渡しを行うことができる。そして、搬送装置26によって、受け取った内槽側板9を、ジャッキアップリング21の下部に接続されたレール31が延在する内外槽間15に沿って周方向に搬送し、所定位置で仮架台8上に降ろし、ジャッキアップされた内槽側板9の下部に環状に配置していく。そして、環状に配置された内槽側板9同士を溶接し、また、環状に配置された内槽側板9とジャッキアップされた内槽側板9とを溶接して取り付ける。
【0035】
次に、図14に示すように、ジャッキアップされた内槽側板9とジャッキアップリング21との連結を解除し、ジャッキアップロッド20を下げて、新たに取り付けた内槽側板9とジャッキアップリング21とを連結する。その後、ジャッキアップ装置19によって取り付けた内槽側板9を上昇させ、また新たに取り付けるべき内槽側板9を搬入する。この工程を繰り返し、内槽側板9を最上段のものから最下段のものまで順々に取り付ける。
【0036】
この工程中、図15に示すように、基礎版1上で、アニュラー部13の保冷工事、中央部の保冷工事を行う。中央部の保冷工事は、基礎版1に敷設した底部ライナー7上に、保冷材33、より詳しくは、底部冷熱抵抗緩和材、あわガラス、軽量気泡コンクリート等を順に積層することにより行う。また、アニュラー部13の保冷工事は、仮架台8の下で、パーライトコンクリートブロックや構造用軽量コンクリートブロックを組み立て、その上にアニュラープレートを取り付けることにより行う。
【0037】
また、この工程中、片足足場18を設けつつ、PC壁2を最上段まで組み上げる。また、この工程中、消火階段34をPC壁2の外部に設ける。また、この工程中、外槽屋根17に、屋根階段35、パーライトマンホール36や内外槽屋根マンホール37等を設ける。
【0038】
次に、図16に示すように、内槽側板9の最下段までの取り付けが終了したら、仮架台8を撤去し、内槽側板9の最下段の下端部を、アニュラー部13上に降ろし、基礎版1に設置された内槽アンカーストラップ4に取り付ける。また、ジャッキアップされた外槽屋根17を、最上段まで組み上げられたPC壁2の上端部に、不図示のナックルプレートを介して取り付ける。そして、ジャッキ用架台16及びジャッキアップ装置19等を撤去する。
【0039】
次に、図17(a)に示すように、内槽底板38を敷設する。これにより、底部の保冷工事が終了する。なお、図17(b)において、符号1は基礎版1を、符号7は底部ライナーを、符号38は内槽底板38を、符号39は底部冷熱抵抗緩和材を、符号40はあわガラスを、符号41は軽量気泡コンクリートを、符号41A及び41Bはパーライトコンクリートブロックを、符号42は構造用軽量コンクリートブロックを、符号43はアニュラープレートを示す。
【0040】
その後、PC壁2の緊張工事を行う。そして、不図示の内槽工事口の閉鎖、不図示のポンプバレルの設置を経た後、水張りをして耐圧・気密試験を実施する。
最後に、図18に示すように、内外槽間15に保冷材44(例えばパーライト)を充填して内外槽間保冷工事を行い、その後、塗装工事、配管保冷工事を経て円筒型タンク100が構築される。
【0041】
図19は、本発明の実施形態における構築方法を示す全体のフロー図である。なお、図19において、ハッチを付した工程(基礎、PC壁、側PUF)は、土木事業者による工程である。
本手法によれば、図19に示すように、基礎を工事した後、ライナー(側ライナー5))をPC壁よりも先行して工事し、PC壁構築中に、屋根、内槽、底板を工事することで、工期を大幅に短縮することができる。
【0042】
したがって、上述の本実施形態によれば、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンク100の構築方法であって、基礎版1上で該PC壁2を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる間に、基礎版1よりも上方であって、内槽と外槽との内外槽間15において、ジャッキ用架台16をPC壁2に設けてジャッキアップ装置19を支持させる工程と、基礎版1上で内槽屋根14と外槽屋根17とを一体的に組立て、内槽屋根14に内槽側板9を最上段のものから最下段のものへと順々に取り付けながら、該取り付けられた内槽側板9をジャッキアップ装置19によって順々に上昇させる工程と、を有するという手法を採用することによって、ジャッキアップ装置19を支持するジャッキ用架台16が内外槽間15において基礎版1から離間して設けられるので、基礎版1における保冷作業との干渉をなくすことができ、内槽と外槽とを同時に施工しつつ、また、基礎版1の保冷作業との干渉を回避することができる。
したがって、本実施形態では、基礎版1に保冷材を敷設する保冷作業がクリティカルパスとならないため、工期の短縮化を図ることができる。
【0043】
また、本実施形態においては、上記取り付けられた内槽側板9と、内外槽間15において上記取り付けられた内槽側板9の外周に沿って環状に延在するジャッキアップリング21と、を着脱自在に連結する工程と、ジャッキアップ装置19を複数設け、該複数のジャッキアップ装置19によって、上記連結されたジャッキアップリング21を介して上記取り付けられた内槽側板9を上昇させる工程と、を有するという手法を採用することによって、複数のジャッキアップ装置19にジャッキアップリング21を接続し、そのジャッキアップリング21と取り付けられた内槽側板9とを着脱自在に連結することにより、ジャッキアップ後に、速やかに連結を解除し、次の内槽側板9のジャッキアップを行うことができる。
【0044】
また、本実施形態においては、上記取り付けられた内槽側板9とジャッキアップリング21とを着脱自在に連結する連結部25の数は、ジャッキアップ装置19の設置数よりも多いという手法を採用することによって、ジャッキアップ装置19の設置数よりも連結部25の数を多くすることにより、取り付けられた内槽側板9にかかる集中荷重を低減することができる。また、これにより、ジャッキアップ装置19の設置数を低減でき、当該設置作業を短くすることができる。
【0045】
また、本実施形態においては、ジャッキアップリング21に搬送装置26を設け、該搬送装置26によってジャッキアップリング21に沿って内槽側板9を搬送する工程を有するという手法を採用することによって、ジャッキアップリング21が内外槽間15において環状に延在していることから、このジャッキアップリング21に沿って内槽側板9を搬送することで、効率の良い内槽側板9の搬送及び取り付けが可能となる。
【0046】
また、本実施形態においては、PC壁2に設けられた工事口29を介して内槽側板9を搬送装置26に受け渡す第2の搬送装置30を設け、該第2の搬送装置30によって内槽側板9をジャッキアップリング21の接線方向に搬送する工程を有するという手法を採用することによって、ジャッキアップリング21の接線方向に内槽側板9を搬送して受け渡すことで、内槽側板9のスムーズな受け渡し作業の実現が可能となる。
【0047】
また、本実施形態においては、PC壁2の組み上げに先行して、基礎版1上で、該PC壁2が組み上げられるべき領域の内側に沿って側ライナー5を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる工程と、側ライナー5の外側に片足足場18を設け、該片足足場18を介してPC壁2を組み上げる工程と、を有するという手法を採用することによって、PC壁2の組み上げに先行して、その内側に沿って側ライナー5を組み上げ、その側ライナー5の外側に、PC壁2を組み上げる片足足場18を設けることで、側ライナー5の内側で行われるジャッキアップ作業との干渉を回避することができる。
【0048】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した手段及び各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0049】
例えば、上述の実施形態では、側ライナー5の板厚を20mm程度にして、強度を向上させていると説明したが、本発明はこの手段に限定されることなく、例えば、代わりに足場を兼用したスティフナーを設置しても良い。
【0050】
また、例えば、上述の実施形態では、図2に示す工程で、基礎部3の基端部に、略L字状の埋め込みプレート6を設置すると説明したが、本発明はこの手段に限定されることなく、例えば、図20に示すように、埋め込みプレート6を平板状としても良い。
【0051】
また、例えば、上述の実施形態では、図5に示す工程で、仮架台8上に、内槽側板9を立設させると説明したが、本発明はこの手段に限定されることなく、例えば、内槽側板9に先行してナックルプレート11を組み立てても良い。さらに、先行して組み立てたナックルプレート11をジャッキアップ装置19で持ち上げる手段を採用しても良い。
【0052】
また、例えば、上述の実施形態では、図11〜図14に示ように、ジャッキアップ装置19はジャッキアップリング21を用いて内槽側板9を持ち上げると説明したが、本発明はこの手段に限定されることなく、例えば、図21に示すように、ロッド連結器50を用いて内槽側板9を持ち上げる手段を採用しても良い。
ロッド連結器50は、ジャッキアップロッド20の下端部にそれぞれ取り付けられている。また、ロッド連結器50は、内槽側板9あるいはナックルプレート11と直接連結可能なカンヌキ51を有している。具体的には、図21に示すように、カンヌキ51は、内槽側板9に溶接されている係止片51に係止自在な構成となっている。
この構成によれば、ジャッキアップリング21の組み立てや解体の手間、内外槽間15における構造物との干渉を小さくすることができる。
【符号の説明】
【0053】
1…基礎版(外槽の底部)、2…PC壁(外槽の側壁)、5…側ライナー(外槽側板)、9…内槽側板、14…内槽屋根、15…内外槽間、16…ジャッキ用架台(架台)、17…外槽屋根、18…片足足場(足場)、19…ジャッキアップ装置、21…ジャッキアップリング(環状部材)、25…連結部、26…搬送装置、29…工事口(開口部)、30…第2の搬送装置、100…円筒型タンク
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒型タンクの構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内槽と外槽とを有する二重殻構造の円筒型タンクは、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)等の低温液体の貯蔵に用いられている。特許文献1には、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクが開示されている。
【0003】
特許文献1には、円筒型タンクの工期の短縮化を図るため、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを同時に施工する手法が開示されている。具体的には、外槽の底部にジャッキ架台を立設させ、ジャッキアップ装置を所定高さに支持させる(特許文献1の図4(b)参照)。そして、外槽の側壁工事を行うときに、外槽の底部上で内槽屋根と外槽屋根とを組み立て、次いで、上記ジャッキアップ装置により内槽屋根と外槽屋根とを上昇させながら内槽屋根に内槽側板を最上段のものから最下段のものへと、その順で取り付けることで、金属製の内槽とコンクリート製の外槽との同時施工を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−62924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来技術においては、内槽屋根に内槽側板を最下段のものまで取り付けた後、ジャッキ架台の接地部の一部を撤去し、パーライトコンクリートブロック及びアニュラープレートを組み立てている(特許文献1の図10参照)。
このように、上記従来技術では、ジャッキ架台を外槽の底部に立設させているために、外槽の底部に保冷材を敷設する保冷作業が、クリティカルパスとなっており、円筒型タンクの工期の短縮化を十分に図ることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、外槽の底部における保冷材の敷設及びアニュラープレートの組み立てがクリティカルパスとならずに、工期の短縮化を図ることのできる円筒型タンクの構築方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法であって、上記外槽の底部上で該外槽の側壁を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる間に、上記底部よりも上方であって、上記内槽と上記外槽との内外槽間において、架台を上記外槽の側壁に設けてジャッキアップ装置を支持させる工程と、上記底部上で内槽屋根と外槽屋根とを一体的に組立て、上記内槽屋根に内槽側板を最上段のものから最下段のものへと順々に取り付けながら、該取り付けられた内槽側板を上記ジャッキアップ装置によって順々に上昇させる工程と、を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、外槽の側壁をある程度の高さまで組み上げた後、当該側壁に架台を設け、ジャッキアップ装置を支持させる。そして、外槽屋根及び内槽屋根と共に取り付けられた内槽側板を順次ジャッキアップし、下部にできた空間に次の内槽側板を取り付けていく。ジャッキアップ装置を支持する架台は、内外槽間において外槽の底部から離間して設けられるので、外槽の底部における保冷作業との干渉をなくすことができる。このため、本発明では、内槽と外槽とを同時に施工しつつ、また、外槽の底部の保冷作業との干渉を回避することができる。
【0008】
また、本発明においては、上記取り付けられた内槽側板と、上記内外槽間において上記取り付けられた内槽側板の外周に沿って環状に延在する環状部材と、を着脱自在に連結する工程と、上記ジャッキアップ装置を複数設け、該複数のジャッキアップ装置によって、上記連結された上記環状部材を介して上記取り付けられた内槽側板を上昇させる工程と、を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、複数のジャッキアップ装置に環状部材を接続し、その環状部材と取り付けられた内槽側板とを着脱自在に連結することにより、ジャッキアップ後に、速やかに連結を解除し、次の内槽側板のジャッキアップを行うことができる。
【0009】
また、本発明においては、上記取り付けられた内槽側板と上記環状部材とを着脱自在に連結する連結部の数は、上記ジャッキアップ装置の設置数よりも多いという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、ジャッキアップ装置の設置数よりも連結部の数を多くすることにより、取り付けられた内槽側板にかかる集中荷重を低減することができる。また、これにより、ジャッキアップ装置の設置数を低減でき、当該設置作業を短くすることができる。
【0010】
また、本発明においては、上記環状部材に搬送装置を設け、該搬送装置によって上記環状部材に沿って上記内槽側板を搬送する工程を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、環状部材が内外槽間において環状に延在していることから、この環状部材に沿って内槽側板を搬送することで、効率の良い内槽側板の搬送及び取り付けが可能となる。
【0011】
また、本発明においては、上記外槽の側壁に設けられた開口部を介して上記内槽側板を上記搬送装置に受け渡す第2の搬送装置を設け、該第2の搬送装置によって上記内槽側板を上記環状部材に沿う方向に搬送する工程を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、環状部材に沿う方向に内槽側板を搬送して受け渡すことで、内槽側板のスムーズな受け渡し作業の実現が可能となる。
【0012】
また、本発明においては、上記外槽の側壁の組み上げに先行して、上記外槽の底部上で、該外槽の側壁が組み上げられるべき領域の内側に沿って外槽側板を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる工程と、上記外槽側板の外側に足場を設け、該足場を介して上記外槽の側壁を組み上げる工程と、を有するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、外槽の側壁の組み上げに先行して、その内側に沿って外槽側板を組み上げ、その外槽側板の外側に、外槽の側壁を組み上げる足場を設けることで、外槽側板の内側で行われるジャッキアップ作業との干渉を回避することができる。
【0013】
また、本発明においては、上記外槽は、プレストレスコンクリート製であるという手法を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法であって、上記外槽の底部上で該外槽の側壁を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる間に、上記底部よりも上方であって、上記内槽と上記外槽との内外槽間において、架台を上記外槽の側壁に設けてジャッキアップ装置を支持させる工程と、上記底部上で内槽屋根と外槽屋根とを一体的に組立て、上記内槽屋根に内槽側板を最上段のものから最下段のものへと順々に取り付けながら、該取り付けられた内槽側板を上記ジャッキアップ装置によって順々に上昇させる工程と、を有するという手法を採用することによって、内槽と外槽とを同時に施工しつつ、また、外槽の底部の保冷作業との干渉を回避することができる。
したがって、本発明では、外槽の底部における保冷材の敷設及びアニュラープレートの組み立てがクリティカルパスとならないため、工期の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における構築方法の第1工程を示す図である。
【図2】本発明の実施形態における構築方法の第2工程を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における構築方法の第3工程を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における構築方法の第4工程を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における構築方法の第5工程を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における構築方法の第6工程を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における構築方法の第7工程を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における構築方法の第8工程を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における構築方法の第9工程を示す図である。
【図10】本発明の実施形態におけるジャッキ用架台及びジャッキアップ装置を示す図である。
【図11】本発明の実施形態における連結部を示す図である。
【図12】本発明の実施形態におけるジャッキアップリングと内槽側板との連結状態を説明するための平断面図である。
【図13】本発明の実施形態におけるジャッキアップ作業を示す図である。
【図14】本発明の実施形態におけるジャッキアップ作業を示す図である。
【図15】本発明の実施形態における構築方法の第10工程を示す図である。
【図16】本発明の実施形態における構築方法の第11工程を示す図である。
【図17】本発明の実施形態における構築方法の第12工程を示す図である。
【図18】本発明の実施形態における構築方法の第13工程を示す図である。
【図19】本発明の実施形態における構築方法を示す全体のフロー図である。
【図20】本発明の別実施形態における構築方法の第2工程を示す図である。
【図21】本発明の別実施形態におけるジャッキアップ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の円筒型タンクの構築方法について図面を参照して説明する。以下の説明では、円筒型タンクとして、LNGを貯蔵する地上式のPC(プレストレスコンクリート)二重殻貯槽を例示する。
【0017】
先ず、図1に示すように、略円板状の基礎版(外槽の底部)1の工事を行う。基礎版1の外周縁部には、後述するPC壁(外槽の側壁)2を組み上げる基礎部3を凸設する。また、基礎部3の内側に沿って内槽アンカーストラップ4を設置する。
【0018】
次に、図2(a)に示すように、基礎版1上に側ライナー(外槽側板)5を組み立てる。なお、側ライナー5は、コンクリート型枠を兼ねている。側ライナー5は、通常板厚が6mm程度の鋼材であるが、本実施形態では板厚を20mm程度にして、強度を向上させている。
【0019】
側ライナー5は、基礎部3の内側に沿って組み立てる。図2(b)に示すように、基礎部3の基端部に、略L字状の埋め込みプレート6を設置し、その上に、側ライナー5を据え付ける。また、図2(a)に示すように、基礎版1上に底部ライナー7を敷設する。図2(b)に示すように、底部ライナー7の縁部は、埋め込みプレート6上に重ねて敷設する。
【0020】
次に、図3に示すように、側ライナー5をさらに組み上げる。また、側ライナー5の基端部の内側に沿って内槽側板組立用の仮架台8を設置する。
そして、図4に示すように、側ライナー5を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる。なお、ここでは、側ライナー5を例えば4段目まで組み上げる。
【0021】
次に、図5に示すように、先行して4段目まで組み上げた側ライナー5に沿って、基礎部3上に最下段(1段目)のPC壁2を打設する。また、仮架台8上に、内槽側板9を立設させ、隣り合う内槽側板9同士を溶接し、環状に組み立てる。なお、内槽側板9は、最上段(本実施形態では9段目)に対応するものである。内槽側板9は、優れた靱性と強度を備えるNi鋼材から形成されている。
【0022】
次に、図6に示すように、基礎版1の中央部に屋根架台10を組み立てる。また、内槽側板9の上端部にナックルプレート11を組み付ける。また、基礎版1上に、高所作業車12を乗り入れる。また、仮架台8の下に、パーライトコンクリートブロックや構造用軽量コンクリートブロック等のアニュラー部13の構成部材を仮置きする。
【0023】
次に、図7に示すように、屋根架台10上に内槽屋根ブロックを搭載し、内槽屋根14を組み立てる。また、内槽屋根14の外周縁部に、ナックルプレート11を介して内槽側板9を取り付ける。また、この際、PC壁2を、側ライナー5に沿って最下段のものから最上段のものへと順々に(ここでは途中の5段目まで)打設して組み上げる。
【0024】
次に、基礎版1よりも上方であって、内外槽間(PC壁2と内槽側板9との間)15において、PC壁2にジャッキ用架台(架台)16を設置する。ジャッキ用架台16は、所定高さのPC壁2から、内側に向かう水平方向に凸設される。ジャッキ用架台16は、例えばPC壁2の打設時に埋め込んだJ型アンカー等を介して、強固に組み付けられる。
【0025】
次に、図8に示すように、内槽屋根14上で外槽屋根17を組み上げる。また、ここでは、ジャッキ用架台16を用いて、外槽屋根17の外周縁部を支持させる。なお、内槽屋根14と外槽屋根17とを不図示の連結材で連結し、一体的に組み立てる。
【0026】
また、側ライナー5を組み上げる。そして、側ライナー5の外側に片足足場(足場)18を設けて、PC壁2の打設を継続する。PC壁2は、上述したように厚みを調節し強度を高めているので、従来のような両足足場ではなく片足足場18とすることができる。このようにすることで、側ライナー5の内側で行われる、後述するジャッキアップ作業との干渉を回避することができる。
【0027】
次に、図9に示すように、ジャッキ用架台16にジャッキアップ装置19を設置する。ジャッキアップ装置19は、ジャッキアップロッド20を有する。
次に、図10に示すように、ジャッキアップロッド20の下端部に、ジャッキアップリング(環状部材)21を接続する。ジャッキアップリング21は、H型鋼を複数接続することで、内外槽間15において、取り付けられた内槽側板9の外周に沿って環状に延在させる。
【0028】
ジャッキアップリング21と内槽側板9とは、着脱自在に連結可能な構成となっている。より詳しくは、図11に示すように、ジャッキアップリング21のウエブに吊りピース22を溶接して一体的に設け、また、内槽側板9の外周部に吊りピース23を溶接して一体的に設け、吊りピース22及び吊りピース23をピン24を用いて着脱自在に連結させ、連結部25を形成する。なお、内槽側板9の吊りピース23は、ジャッキアップ後に切除せずに永久ピースとして残すことが作業効率の観点から好ましい。
【0029】
図12は、ジャッキアップリング21と内槽側板9との連結状態を説明するための平断面図である。ジャッキアップ装置19は複数設けられており、間隔をあけて配置された複数のジャッキアップロッド20でジャッキアップリング21を支持する。また、連結部25は、ジャッキアップロッド20の間隔よりも小さい間隔で複数設ける。
【0030】
内槽側板9とジャッキアップリング21とを着脱自在に連結する連結部25の数は、ジャッキアップ装置19の設置数(ジャッキアップロッド20の数)よりも多くする。これにより、ジャッキアップの際に内槽側板9にかかる集中荷重を低減することができる。また、これにより、ジャッキアップ装置19の設置数を低減でき、当該設置作業を短くすることができる。
【0031】
図10に戻り、ジャッキアップリング21に搬送装置26を設ける。搬送装置26は、ジャッキアップリング21の下部に取り付けられたレール27と、レール27に沿って移動自在なトロリー28とを有する。レール27は、I型鋼を複数接続することで、内外槽間15において、取り付けられた内槽側板9の外周に沿って環状に延在させる。そして、このレール27にトロリー28を設け、内槽側板9を内外槽間15の周方向に搬送可能とさせる。
【0032】
また、PC壁2に設けた工事口(開口部)29を介して内槽側板9を搬送装置26に受け渡す第2の搬送装置30を設ける。第2の搬送装置30は、工事口29からPC壁2の外側に延在するレール31と、レール31に沿って移動自在なトロリー32とを有する。レール31は、I型鋼を複数接続することで、図12に示すように、ジャッキアップリング21に沿う方向に延在させる。そして、このレール31にトロリー32を設け、内槽側板9をジャッキアップリング21に沿う方向に搬送可能とさせる。
【0033】
次に、図13に示すように、ジャッキアップ装置19によって内槽屋根14及び外槽屋根17と共に内槽側板9を上昇させる。そして、内槽側板9の下部にできた空間に次の内槽側板9(8段目)を搬入する。次に取り付けるべき内槽側板9は、第2の搬送装置30によってジャッキアップリング21に沿う方向に搬送され、ジャッキアップリング21の下部に設けられた搬送装置26に受け渡される。
【0034】
第2の搬送装置30は、図12に示すように、ジャッキアップリング21に沿う方向に内槽側板9を搬送するため、内槽側板9の向きを調整することなくスムーズに搬送装置26へ受け渡しを行うことができる。そして、搬送装置26によって、受け取った内槽側板9を、ジャッキアップリング21の下部に接続されたレール31が延在する内外槽間15に沿って周方向に搬送し、所定位置で仮架台8上に降ろし、ジャッキアップされた内槽側板9の下部に環状に配置していく。そして、環状に配置された内槽側板9同士を溶接し、また、環状に配置された内槽側板9とジャッキアップされた内槽側板9とを溶接して取り付ける。
【0035】
次に、図14に示すように、ジャッキアップされた内槽側板9とジャッキアップリング21との連結を解除し、ジャッキアップロッド20を下げて、新たに取り付けた内槽側板9とジャッキアップリング21とを連結する。その後、ジャッキアップ装置19によって取り付けた内槽側板9を上昇させ、また新たに取り付けるべき内槽側板9を搬入する。この工程を繰り返し、内槽側板9を最上段のものから最下段のものまで順々に取り付ける。
【0036】
この工程中、図15に示すように、基礎版1上で、アニュラー部13の保冷工事、中央部の保冷工事を行う。中央部の保冷工事は、基礎版1に敷設した底部ライナー7上に、保冷材33、より詳しくは、底部冷熱抵抗緩和材、あわガラス、軽量気泡コンクリート等を順に積層することにより行う。また、アニュラー部13の保冷工事は、仮架台8の下で、パーライトコンクリートブロックや構造用軽量コンクリートブロックを組み立て、その上にアニュラープレートを取り付けることにより行う。
【0037】
また、この工程中、片足足場18を設けつつ、PC壁2を最上段まで組み上げる。また、この工程中、消火階段34をPC壁2の外部に設ける。また、この工程中、外槽屋根17に、屋根階段35、パーライトマンホール36や内外槽屋根マンホール37等を設ける。
【0038】
次に、図16に示すように、内槽側板9の最下段までの取り付けが終了したら、仮架台8を撤去し、内槽側板9の最下段の下端部を、アニュラー部13上に降ろし、基礎版1に設置された内槽アンカーストラップ4に取り付ける。また、ジャッキアップされた外槽屋根17を、最上段まで組み上げられたPC壁2の上端部に、不図示のナックルプレートを介して取り付ける。そして、ジャッキ用架台16及びジャッキアップ装置19等を撤去する。
【0039】
次に、図17(a)に示すように、内槽底板38を敷設する。これにより、底部の保冷工事が終了する。なお、図17(b)において、符号1は基礎版1を、符号7は底部ライナーを、符号38は内槽底板38を、符号39は底部冷熱抵抗緩和材を、符号40はあわガラスを、符号41は軽量気泡コンクリートを、符号41A及び41Bはパーライトコンクリートブロックを、符号42は構造用軽量コンクリートブロックを、符号43はアニュラープレートを示す。
【0040】
その後、PC壁2の緊張工事を行う。そして、不図示の内槽工事口の閉鎖、不図示のポンプバレルの設置を経た後、水張りをして耐圧・気密試験を実施する。
最後に、図18に示すように、内外槽間15に保冷材44(例えばパーライト)を充填して内外槽間保冷工事を行い、その後、塗装工事、配管保冷工事を経て円筒型タンク100が構築される。
【0041】
図19は、本発明の実施形態における構築方法を示す全体のフロー図である。なお、図19において、ハッチを付した工程(基礎、PC壁、側PUF)は、土木事業者による工程である。
本手法によれば、図19に示すように、基礎を工事した後、ライナー(側ライナー5))をPC壁よりも先行して工事し、PC壁構築中に、屋根、内槽、底板を工事することで、工期を大幅に短縮することができる。
【0042】
したがって、上述の本実施形態によれば、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンク100の構築方法であって、基礎版1上で該PC壁2を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる間に、基礎版1よりも上方であって、内槽と外槽との内外槽間15において、ジャッキ用架台16をPC壁2に設けてジャッキアップ装置19を支持させる工程と、基礎版1上で内槽屋根14と外槽屋根17とを一体的に組立て、内槽屋根14に内槽側板9を最上段のものから最下段のものへと順々に取り付けながら、該取り付けられた内槽側板9をジャッキアップ装置19によって順々に上昇させる工程と、を有するという手法を採用することによって、ジャッキアップ装置19を支持するジャッキ用架台16が内外槽間15において基礎版1から離間して設けられるので、基礎版1における保冷作業との干渉をなくすことができ、内槽と外槽とを同時に施工しつつ、また、基礎版1の保冷作業との干渉を回避することができる。
したがって、本実施形態では、基礎版1に保冷材を敷設する保冷作業がクリティカルパスとならないため、工期の短縮化を図ることができる。
【0043】
また、本実施形態においては、上記取り付けられた内槽側板9と、内外槽間15において上記取り付けられた内槽側板9の外周に沿って環状に延在するジャッキアップリング21と、を着脱自在に連結する工程と、ジャッキアップ装置19を複数設け、該複数のジャッキアップ装置19によって、上記連結されたジャッキアップリング21を介して上記取り付けられた内槽側板9を上昇させる工程と、を有するという手法を採用することによって、複数のジャッキアップ装置19にジャッキアップリング21を接続し、そのジャッキアップリング21と取り付けられた内槽側板9とを着脱自在に連結することにより、ジャッキアップ後に、速やかに連結を解除し、次の内槽側板9のジャッキアップを行うことができる。
【0044】
また、本実施形態においては、上記取り付けられた内槽側板9とジャッキアップリング21とを着脱自在に連結する連結部25の数は、ジャッキアップ装置19の設置数よりも多いという手法を採用することによって、ジャッキアップ装置19の設置数よりも連結部25の数を多くすることにより、取り付けられた内槽側板9にかかる集中荷重を低減することができる。また、これにより、ジャッキアップ装置19の設置数を低減でき、当該設置作業を短くすることができる。
【0045】
また、本実施形態においては、ジャッキアップリング21に搬送装置26を設け、該搬送装置26によってジャッキアップリング21に沿って内槽側板9を搬送する工程を有するという手法を採用することによって、ジャッキアップリング21が内外槽間15において環状に延在していることから、このジャッキアップリング21に沿って内槽側板9を搬送することで、効率の良い内槽側板9の搬送及び取り付けが可能となる。
【0046】
また、本実施形態においては、PC壁2に設けられた工事口29を介して内槽側板9を搬送装置26に受け渡す第2の搬送装置30を設け、該第2の搬送装置30によって内槽側板9をジャッキアップリング21の接線方向に搬送する工程を有するという手法を採用することによって、ジャッキアップリング21の接線方向に内槽側板9を搬送して受け渡すことで、内槽側板9のスムーズな受け渡し作業の実現が可能となる。
【0047】
また、本実施形態においては、PC壁2の組み上げに先行して、基礎版1上で、該PC壁2が組み上げられるべき領域の内側に沿って側ライナー5を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる工程と、側ライナー5の外側に片足足場18を設け、該片足足場18を介してPC壁2を組み上げる工程と、を有するという手法を採用することによって、PC壁2の組み上げに先行して、その内側に沿って側ライナー5を組み上げ、その側ライナー5の外側に、PC壁2を組み上げる片足足場18を設けることで、側ライナー5の内側で行われるジャッキアップ作業との干渉を回避することができる。
【0048】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した手段及び各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0049】
例えば、上述の実施形態では、側ライナー5の板厚を20mm程度にして、強度を向上させていると説明したが、本発明はこの手段に限定されることなく、例えば、代わりに足場を兼用したスティフナーを設置しても良い。
【0050】
また、例えば、上述の実施形態では、図2に示す工程で、基礎部3の基端部に、略L字状の埋め込みプレート6を設置すると説明したが、本発明はこの手段に限定されることなく、例えば、図20に示すように、埋め込みプレート6を平板状としても良い。
【0051】
また、例えば、上述の実施形態では、図5に示す工程で、仮架台8上に、内槽側板9を立設させると説明したが、本発明はこの手段に限定されることなく、例えば、内槽側板9に先行してナックルプレート11を組み立てても良い。さらに、先行して組み立てたナックルプレート11をジャッキアップ装置19で持ち上げる手段を採用しても良い。
【0052】
また、例えば、上述の実施形態では、図11〜図14に示ように、ジャッキアップ装置19はジャッキアップリング21を用いて内槽側板9を持ち上げると説明したが、本発明はこの手段に限定されることなく、例えば、図21に示すように、ロッド連結器50を用いて内槽側板9を持ち上げる手段を採用しても良い。
ロッド連結器50は、ジャッキアップロッド20の下端部にそれぞれ取り付けられている。また、ロッド連結器50は、内槽側板9あるいはナックルプレート11と直接連結可能なカンヌキ51を有している。具体的には、図21に示すように、カンヌキ51は、内槽側板9に溶接されている係止片51に係止自在な構成となっている。
この構成によれば、ジャッキアップリング21の組み立てや解体の手間、内外槽間15における構造物との干渉を小さくすることができる。
【符号の説明】
【0053】
1…基礎版(外槽の底部)、2…PC壁(外槽の側壁)、5…側ライナー(外槽側板)、9…内槽側板、14…内槽屋根、15…内外槽間、16…ジャッキ用架台(架台)、17…外槽屋根、18…片足足場(足場)、19…ジャッキアップ装置、21…ジャッキアップリング(環状部材)、25…連結部、26…搬送装置、29…工事口(開口部)、30…第2の搬送装置、100…円筒型タンク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法であって、
前記外槽の底部上で該外槽の側壁を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる間に、前記底部よりも上方であって、前記内槽と前記外槽との内外槽間において、架台を前記外槽の側壁に設けてジャッキアップ装置を支持させる工程と、
前記底部上で内槽屋根と外槽屋根とを一体的に組立て、前記内槽屋根に内槽側板を最上段のものから最下段のものへと順々に取り付けながら、該取り付けられた内槽側板を前記ジャッキアップ装置によって順々に上昇させる工程と、を有することを特徴とする円筒型タンクの構築方法。
【請求項2】
前記取り付けられた内槽側板と、前記内外槽間において前記取り付けられた内槽側板の外周に沿って環状に延在する環状部材と、を着脱自在に連結する工程と、
前記ジャッキアップ装置を複数設け、該複数のジャッキアップ装置によって、前記連結された前記環状部材を介して前記取り付けられた内槽側板を上昇させる工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項3】
前記取り付けられた内槽側板と前記環状部材とを着脱自在に連結する連結部の数は、前記ジャッキアップ装置の設置数よりも多いことを特徴とする請求項2に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項4】
前記環状部材に搬送装置を設け、該搬送装置によって前記環状部材に沿って前記内槽側板を搬送する工程を有することを特徴とする請求項2または3に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項5】
前記外槽の側壁に設けられた開口部を介して前記内槽側板を前記搬送装置に受け渡す第2の搬送装置を設け、該第2の搬送装置によって前記内槽側板を前記環状部材に沿う方向に搬送する工程を有することを特徴とする請求項4に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項6】
前記外槽の側壁の組み上げに先行して、前記外槽の底部上で、該外槽の側壁が組み上げられるべき領域の内側に沿って外槽側板を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる工程と、
前記外槽側板の外側に足場を設け、該足場を介して前記外槽の側壁を組み上げる工程と、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項7】
前記外槽は、プレストレスコンクリート製であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項1】
金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを有する円筒型タンクの構築方法であって、
前記外槽の底部上で該外槽の側壁を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる間に、前記底部よりも上方であって、前記内槽と前記外槽との内外槽間において、架台を前記外槽の側壁に設けてジャッキアップ装置を支持させる工程と、
前記底部上で内槽屋根と外槽屋根とを一体的に組立て、前記内槽屋根に内槽側板を最上段のものから最下段のものへと順々に取り付けながら、該取り付けられた内槽側板を前記ジャッキアップ装置によって順々に上昇させる工程と、を有することを特徴とする円筒型タンクの構築方法。
【請求項2】
前記取り付けられた内槽側板と、前記内外槽間において前記取り付けられた内槽側板の外周に沿って環状に延在する環状部材と、を着脱自在に連結する工程と、
前記ジャッキアップ装置を複数設け、該複数のジャッキアップ装置によって、前記連結された前記環状部材を介して前記取り付けられた内槽側板を上昇させる工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項3】
前記取り付けられた内槽側板と前記環状部材とを着脱自在に連結する連結部の数は、前記ジャッキアップ装置の設置数よりも多いことを特徴とする請求項2に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項4】
前記環状部材に搬送装置を設け、該搬送装置によって前記環状部材に沿って前記内槽側板を搬送する工程を有することを特徴とする請求項2または3に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項5】
前記外槽の側壁に設けられた開口部を介して前記内槽側板を前記搬送装置に受け渡す第2の搬送装置を設け、該第2の搬送装置によって前記内槽側板を前記環状部材に沿う方向に搬送する工程を有することを特徴とする請求項4に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項6】
前記外槽の側壁の組み上げに先行して、前記外槽の底部上で、該外槽の側壁が組み上げられるべき領域の内側に沿って外槽側板を最下段のものから最上段のものへと順々に組み上げる工程と、
前記外槽側板の外側に足場を設け、該足場を介して前記外槽の側壁を組み上げる工程と、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の円筒型タンクの構築方法。
【請求項7】
前記外槽は、プレストレスコンクリート製であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の円筒型タンクの構築方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−149416(P2012−149416A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7783(P2011−7783)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(592009281)IHIプラント建設株式会社 (39)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(592009281)IHIプラント建設株式会社 (39)
【Fターム(参考)】
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