説明

円筒形リチウム二次電池

【課題】電極組立体のショートを防止することのできる円筒形リチウム二次電池を提供する。
【解決手段】第1の電極板310と、第2の電極板320と、第1の電極板と第2の電極板との間に介在されたセパレーター340とを備える巻取型電極組立体300と、巻取型電極組立体300の巻心部に挿入され、ショート防止部720を備える巻心部材700と、電極組立体300を収容する空間を備えるケース400と、ケース400の上部と結合され、これを封止するキャップ組立体500とを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒形リチウム二次電池に関し、より詳細には、ショート防止部を備える巻心部材を具備して、電極組立体のショートを防止することのできる円筒形リチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
最近には、携帯電話、ノート型コンピュータ、カムコーダなどのコンパクト化され、軽量化された電気、電子装置が活発に開発及び生産されている。このような携帯用電気、電子装置は、別途の電源が備えられていない場所でも作動できるように電池パックを内蔵している。内蔵された電池パックは、携帯用電気、電子装置を一定期間の間に駆動するために一定のレベルの電圧を出力することができるように、内部に少なくとも一つの電池を具備している。
【0003】
前記電池パックは、経済的な側面を考慮して、最近には、充放電が可能な二次電池を採用している。二次電池には、代表的なものとして、ニッケル−カドミウム(Ni−Cd)電池と、ニッケル−水素(Ni−MH)電池と、リチウム(Li)電池及びリチウムイオン(Li−ion)電池などのリチウム二次電池となどがある。
【0004】
特に、リチウム二次電池は、作動電圧が3.6Vであって、携帯用電子装備の電源として多く使われているニッケル−カドミウム電池や、ニッケル−水素電池よりも3倍も高くて、単位重量当たりのエネルギー密度が高いという側面から、急速に伸張している趨勢である。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主として、陽極活物質としてリチウム系酸化物を、陰極活物質としては炭素材を使っている。一般的には、電解液の種類によって、液体電解質の電池と、高分子電解質の電池とに分類され、液体電解質を使う電池をリチウムイオン電池と言い、高分子電解質を使う電池をリチウムポリマー電池と言う。また、前記リチウム二次電池は、様々な形状に製造されているが、代表的な形状としては、円筒形と、角形と、パウチ型とが挙げられる。
【0006】
通常、前記円筒形リチウム二次電池は、陽極活物質がコーティングされた陽極電極板と、陰極活物質がコーティングされた陰極電極板と、前記陽極電極板と陰極電極板との間に位置され、ショートを防止し、リチウムイオン(Li−ion)の移動のみを可能にするセパレータとがほぼ円筒形に巻き取られた電極組立体と、前記電極組立体を収容する円筒形ケースと、前記円筒形ケースの内側に注入され、リチウムイオンの移動を可能にする電解液となどからなっている。
【0007】
このような円筒形リチウム二次電池は、下記のように製造される。
【0008】
まず、前記陽極活物質がコーティングされて陽極タップが繋がれた陽極電極板と、陰極活物質がコーティングされて陰極タップが繋がれた陰極電極板と、セパレータとを積層した後、これをほぼ円筒形に巻き取って電極組立体を製造する。
【0009】
しかる後、前記ほぼ円筒形の電極組立体を前記円筒形ケースに収容して、前記電極組立体が離脱しないようにした後、前記円筒形ケースに電解液を注入した後、封止して円筒形リチウム二次電池を完成する。
【0010】
上述したような円筒形リチウム二次電池は、一般的に前記電極組立体の中心部に空間が生じる。このような空間は、前記電極組立体の解け及び変形を発生することができるという問題点がある。
【0011】
一方、上述したような問題点を解決するために、前記電極組立体の中心部の空間に所定の巻心部材を挿入する方法が導入された。
【0012】
図1は、従来の巻心部材を説明するための斜視図である。
【0013】
図1を参照すれば、従来の巻心部材100は、一般的に一種のプレート(Plate)を巻いて形成された管状からなり、その軸方向に沿って切り込み溝110が形成されている。
【0014】
前記巻心部材100は、巻取型電極組立体の解けることを防止する。また、前記巻心部材100は、前記電極組立体に外圧が作用して変形されることを防止する。すなわち、外圧の作用に対すして電極組立体を支持し、その形状を保持する役目を果たす。
【0015】
しかし、前記巻心部材100は、外圧の作用によって流動が発生するとか、その変形が発生する場合、前記電極組立体、特にセパレータに損傷を与えるという問題点がある。これは、前記巻心部材100の軸方向の切り込まれた部分の上端部及び下端部が尖っているような形状となっており、前記電極組立体、特にセパレータを突くことになり、損傷を与えることになる。
【0016】
前記のように、前記セパレータが損傷を受ける場合、前記陽極電極板と陰極電極板との間にショート(Short)が発生して、前記円筒形リチウム二次電池の破壊または爆発を誘発できるという深刻な問題点がある。
【0017】
一方、上述したような問題点を解決するために、特許文献1では、前記切り込み溝110の両端が前記巻心部材100の内部方向に折り曲げられた形状からなる巻心部材100を開示している。
【0018】
しかし、このような巻心部材100は、前記電極組立体が外部から圧力を受ける場合、前記切り込み溝110の両端が折り曲げられた部分だけ外圧の作用に対する電極組立体の支持役目を行えないという問題点がある。
【特許文献1】特開2003−092148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、前記の従来技術の問題点を解決するためのもので、本発明は、ショート防止部を備える巻心部材を具備して、電極組立体のショートを防止することのできる円筒形リチウム二次電池を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記の目的を達成するための本発明の円筒形リチウム二次電池は、第1の電極板と、第2の電極板と、前記第1の電極板と第2の電極板との間に介在されたセパレータとを備える巻取型電極組立体と、前記電極組立体の中心空間部に挿入され、ショート防止部を備える巻心部材と、前記電極組立体を収容する空間を備え、上部が開口されたケースと、前記ケースの上部と結合され、これを封止するキャップ組立体とを含んでなる。
【0021】
前記巻心部材は、長手方向に沿って切り込み溝が形成されている管状からなることができる。この時、前記ショート防止部は、前記切り込み溝の両側端の上端部及び下端部の少なくとも下端部の一部が前記巻心部材の内部方向に向かうようになされるか、あるいは、前記ショート防止部は、前記切り込み溝の両側端の上端部及び下端部の少なくとも下端部がテーパード形状からなるか、あるいは、前記ショート防止部は、前記切り込み溝の両側端の上端部及び下端部の少なくとも下端部が丸みを帯びた形状からなることができる。
【0022】
前記ショート防止部がテーパー形状からなる場合、前記ショート防止部のテーパー角は、90゜未満であることが望ましく、より望ましくは、前記ショート防止部のテーパー角は、30゜から60゜であることが望ましい。
【0023】
前記電極組立体と前記ケースの下面との間には、下部絶縁板が位置され、前記電極組立体と前記キャップ組立体との間には、上部絶縁板が位置されることができる。
【0024】
前記第1の電極板及び第2の電極板のいずれかは、電極タップを介して前記ケースの下部の下面に電気的に繋がれ、前記巻心部材は、前記下面に電気的に繋がれる電極タップの上に位置することができる。
【0025】
前記巻心部材の高さは、前記電極組立体の高さの90%から110%であることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、本発明の円筒形リチウム二次電池は、ショート防止部を備える巻心部材を具備しているので、電極組立体のショートを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【0028】
図面の同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。
【0029】
図2aは、本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池を説明するための斜視図であり、図2bは、図2aのA−A線による断面図である。
【0030】
図2a及び図2bに示されたように、本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池200は、充・放電時に電圧差を発生させる電極組立体300と、前記電極組立体300を収納する円筒形ケース400と、前記円筒形ケース400上部に組み立てられ、前記電極組立体300が離脱しないようにするキャップ組立体500と、前記円筒形ケース400に注入され、前記電極組立体300間にリチウムイオンの移動ができるようにする電解液600と、前記電極組立体の中央部空間に位置する巻心部材700とを備える構造からなっている。
【0031】
前記電極組立体300は、陽極活物質及び陰極活物質のいずれか一つ、例えば、陽極活物質がコーティングされた第1の電極板310と、前記陽極活物質及び陰極活物質の他の一つ、例えば、陰極活物質がコーティングされた第2の電極板320と、前記第1の電極板310と第2の電極板320との間に位置して前記第1の電極板310と第2の電極板320との短絡(ショート)を防止し、リチウムイオンの移動のみを可能にするセパレータ330とからなる。また、前記第1の電極板210、第2の電極板320及びセパレータ330は、ほぼ円型に巻き取られて、前記円筒形ケース400に収納される。また、前記第1の電極板310には、一般的にアルミニウム(Al)材質からなり、上部に一定の長さ突出された第1の電極タップ315が接合されている。
【0032】
前記第2の電極板320には、一般的にニッケル(Ni)材質からなり、下部に一定の長さ突出された第2の電極タップ325が接合されているが、本発明において前記の材質を限定することではない。なお、前記電極組立体300の上部および下部には、それぞれ直接的なキャップ組立体500または円筒形ケース400との接触を避けるために、上・下部の絶縁板341、345が更に取り付けられている。
【0033】
前記円筒形ケース400は、前記円筒形の電極組立体300が結合され得るように所定の空間を有し、一定の直径を持つ円筒面410が形成されており、前記円筒面410の下部には、その円筒面410の下部空間を塞いだ下面420が形成されており、前記円筒面410の上部は、前記電極組立体300を挿入するために開口なれている。一方、前記円筒形ケース400の下面420の中央に前記電極組立体300の第1の電極タップ315及び第2の電極タップ325のいずれか一つ、例えば、第2の電極タップ325が接合されることにより、前記円筒形ケース400自体は、第2の電極板320と等しい電極、例えば陰極端子の役目を担うことになる。また、前記円筒形ケース400は、一般的にアルミニウム(Al)、鉄(Fe)またはこれらの合金で形成される。なお、前記円筒形ケース400は、上部から前記キャップ組立体500を圧迫するように、片方に撓んだ圧接(クリピング(crimping)部430が形成され、下部から上部方向に前記キャップ組立体500を圧迫するように、内側に凹んだビーディング(Beading)部440が更に形成されている。
【0034】
前記キャップ組立体500は、前記第1の電極タップ315が溶接された同時に、過充電または異常発熱時に形態が反転される導電性の安全ベント510と、前記導電性の安全ベント510上部に電気的及び機械的に繋がれ、前記安全ベント510の反転時に回路が切れる印刷回路基板(PCB、PrintedCircuitboard、520)と、前記印刷回路基板520上部に電気的及び機械的に繋がれ、所定の温度以上で回路が切れる陽性温度素子530と、前記陽性温度素子530上部に電気的及び機械的に繋がれ、実際の電流を外部に印加する導電性電極キャップ540と、前記安全ベント510、印刷回路基板520、陽性温度素子530及び電極キャップ540の側部の周りを取り囲む形態をして、前記円筒形ケース400から前記並べたものを絶縁させる絶縁ガスケット550とからなる。この時、前記電極キャップ540は、前記電極組立体300の第1の電極タップ315及び第2の電極タップ325のいずれか一つ、例えば、第1の電極タップ315が接合され、第1の電極板310と等しい電極、例えば陽極端子の役目を担う。
【0035】
前記電解液600は、充・放電時に電池内部の陽極及び陰極で電気化学的反応により生成されるリチウムイオン(LiIon)の移動媒体の役目をし、これは、リチウム塩と高純度の有機溶媒類との混合物である非水系有機電解液であることができる。なお、前記電解液600は、高分子電解質を用いたポリマーであることもでき、ここで、前記電解液物質の種類を限定することではない。
【0036】
前記巻心部材700は、前記巻取型電極組立体300の中心空間に挿入され、前記巻取型電極組立体300が緩まって解けることを防止し、外圧による前記巻取型電極組立体300の変形を防止する役目を担う。また、前記巻心部材700は、前記巻取型電極組立体300の中心空間に挿入され、前記電極組立体300の第2の電極タップ325を前記円筒形ケース400の下面420の中央部に溶接する場合に、前記第2の電極タップ325に圧力をかけて、前記第2の電極タップ325が前記円筒形ケース400の下面420に接触するようにする役目を担うこともできる。このような巻心部材700は、ほぼ管状からなり、また、長手方向に沿って切り込み溝が形成されており、前記切り込み溝は、前記巻心部材700が電極組立体300に結合された状態では、一定の距離離隔された状態を維持することができ、場合によっては、前記切り込み溝が密着することもできる。また、前記巻心部材700は、前記巻心部材700の挿入時または前記巻心部材700の流動時に、前記電極組立体300、特に前記セパレータ330の破壊を防止できるショート防止部を備える構造からなる。
【0037】
一方、図3a乃至図3cは、本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の巻心部材を説明するための図である。
【0038】
図3a乃至図3cを参照すれば、本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の巻心部材700は、長手方向に沿って形成された切り込み溝710を備える管状からなり、前記切り込み溝710の両側端の上端部及び下端部の少なくとも下端部にショート防止部720を備える構造からなる。この時、前記巻心部材700のショート防止部720は、前記巻心部材700を前記電極組立体300の中心空間に挿入する場合、または、前記巻心部材700が落下などの外部衝撃によって流動が発生する場合、前記巻心部材700が前記電極組立体300、特に前記セパレータ330を破壊して、前記電極組立体300の第1の電極板310及び第2の電極板320のショートを誘発することを防止する。
【0039】
上述したような前記巻心部材700のショート防止部720は、多様な形態からなることができる。
【0040】
例えば、前記巻心部材700のショート防止部720は、図3aでのように、前記巻心部材700の切り込み溝710の両側端の上端部及び下端部の少なくとも下端部が、前記巻心部材700の切り込まれた上端部及び下端部の一部分が前記巻心部材700の内部方向に向かうようになされる。
【0041】
または、前記巻心部材700のショート防止部720は、図3bでのように、前記巻心部材700の切り込み溝710の両側端の上端部及び下端部の少なくとも下端部がテーパード形状からなる。この時、前記ショート防止部720のテーパー角(α)は、90゜未満、望ましくは、ショート防止部710のテーパー角(α)は、30゜から60゜であることが望ましい。
【0042】
または、前記巻心部材700のショート防止部720は、図3cでのように、前記巻心部材700の切り込み溝710の両側端の上端部及び下端部の少なくとも下端部が丸みを帯びた形状からなる。
【0043】
図4は、本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の製造方法を説明するための順次説明図である。
【0044】
図4を参照すれば、本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の製造方法は、電極組立体300の形成段階(S1)、電極組立体300の結合段階(S2)、巻心部材700の挿入段階(S3)、電解液600の注入段階(S4)及びキャップ組立体500の結合段階(S5)を含む。
【0045】
図5a乃至図5dは、本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の製造方法を説明するための図である。以下では、前記図4と共に、円筒形リチウム二次電池の製造方法を説明する。
【0046】
図5aを参照すれば、まず、前記電極組立体300の形成段階(S1)では、第1の電極板310、セパレータ330、第2の電極板320を順次積層し、これらの一端には、巻取軸800を結合した後、ほぼ渦形に巻き取って電極組立体300を形成する。勿論、前記巻取り以前に、前記第1の電極板310には第1の電極タップ315が、第2の電極板320には第2の電極タップ325が取り付けられる。
【0047】
図5bを参照すれば、前記電極組立体300の結合段階(S2)では、前記ほぼ円筒形の電極組立体300を前記円筒形ケース400に結合する。勿論、前記電極組立体300を前記円筒形ケース400に結合した後は、前記電極組立体300から前記巻取軸800を取り外し、この時、前記電極組立体300の中心部にはほぼ円型の空間が形成される。勿論、前記巻取軸800は、前記電極組立体300の結合前にあらかじめ取り外すことができ、本発明においてその手順を限定することではない。また、前記円筒形ケース400には、あらかじめ下部絶縁板341(図面上には図示せず)が結合されている。
【0048】
図5cを参照すれば、前記巻心部材700の挿入段階(S3)では、前記巻取軸800が取り外され、前記電極組立体300の中心部に形成された空間に、図3a及び図3bに示されたような巻心部材700を挿入する。
【0049】
ここで、前記巻心部材700の挿入前に、前記電極組立体300の第1の電極タップ315及び第2の電極タップ325のいずれか一つ、例えば、前記第2の電極タップ325は、円筒形ケース400の下面420に抵抗溶接などの方法であらかじめ付着・固定されることができる。したがって、前記巻心部材700は、前記第2の電極タップ325の上面に接触されたまま位置して、前記第2の電極タップ325をより強く前記円筒形ケース400に結合させる役目もする。
【0050】
一方、前記のように、前記巻心部材700は、前記電極組立体300が持つ高さの概ね90%から110%程度であることが望ましい。すなわち、前記巻心部材700の高さが前記電極組立体300の90%以下であれば、前記電極組立体300を固定及び支持する力が弱くなり過ぎて望ましくない。また、前記巻心部材700の高さが前記電極組立体300の110%以上の場合は、前記キャップ組立体500の構成要素と接触する恐れがあり、望ましくない。
【0051】
しかる後、前記電解液の注入段階(S4)では、前記電極組立体300の上端まで電解液600を注入する。また、前記電解液600は、前記電極組立体300で前記第1の電極板310と第2の電極板320との間に充・放電時にリチウムイオンの移動を可能にする役目を担う。
【0052】
図5dを参照すれば、前記キャップ組立体500の結合段階(S5)では、前記円筒形ケース400上部に多数の構成要素からなるキャップ組立体500を結合し、上述した電極組立体300、巻心部材600及び電解液が外部に離脱または漏れないようにして、円筒形リチウム二次電池200を形成する。
【0053】
より詳しく説明すると、前記円筒形ケース400の上部にほぼリング状の絶縁ガスケット550を結合し、その次、その内部に順次電極組立体300の第1の電極タップ315及び第2の電極タップ325のいずれか一つ、例えば、第1の電極タップ315と電気的に繋がれる導電性の安全ベント510、印刷回路基板520、陽性温度素子530及び電極キャップ540を順次結合する。
【0054】
しかる後、前記絶縁ガスケット540の下端に該当する円筒形ケース400をビーディング加工を行って内側方向に陥没されたビーディング部440を形成し、その上端を圧接(クリピング)して圧接部430を形成することにより、前記キャップ組立体500が外部に離脱されないようにして、円筒形リチウム二次電池200を形成するものである。
【0055】
上述したような本発明の円筒形リチウム二次電池200は、前記巻心部材700が前記ショート防止部720を備えることで、前記巻心部材700の挿入時または前記巻心部材700の流動時に発生できるセパレータ330の破壊を防止して、前記電極組立体300の第1の電極板310及び第2の電極板320との間のショートを防止することができる。
【0056】
また、従来の巻心部材と異なり、前記巻心部材700は、切り込み溝710の両端が前記巻心部材700の内部に折り曲げられなく、管状を維持することで、外圧の作用に対する電極組立体300を支持する役目をより效果的に行うことができる。
【0057】
前記では、本発明の望ましい実施例を参照して説明したが、当該の技術分野の熟練された当業者は、本願の特許請求範囲に記載の本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内において本発明を様々に修正及び変更できることが理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来の巻心部材を説明するための斜視図である。
【図2a】本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池を説明するための斜視図である。
【図2b】図2aのA−A線による断面図である。
【図3a】本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の巻心部材を説明するための図である。
【図3b】本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の巻心部材を説明するための図である。
【図3c】本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の巻心部材を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の製造方法を説明するための順次説明図である。
【図5a】本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の製造方法を説明するための図である。
【図5b】図5aに続く、本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の製造方法を説明するための図である。
【図5c】図5bに続く、本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の製造方法を説明するための図である。
【図5d】図5cに続く、本発明の一実施例による円筒形リチウム二次電池の製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0059】
200…円筒形リチウム二次電池、
300…電極組立体、
310…第1の電極板
315…第1の電極タップ、
320…第2の電極板、
325…第2の電極タップ、
340…セパレータ、
341…345、絶縁板、
400…円筒形ケース、
410…円筒面、
420…下面、
430…圧接部、
440…ビーディング部、
500…キャップ組立体、
510…安全ベント、
520…印刷回路基板、
530…陽性温度素子、
540…電極キャップ、
550…絶縁ガスケット、
600…電解質、
700…巻心部材、
710…切り込み溝、
720…ショート防止部、
800…巻取軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極板と、第2の電極板と、前記第1の電極板と第2の電極板との間に介在されたセパレータとを備える巻取型電極組立体と、
前記電極組立体の中心空間部に挿入され、ショート防止部を備える巻心部材と、
前記電極組立体を収容する空間を備え、上部が開口されたケースと、
前記ケースの上部と結合され、これを封止するキャップ組立体とを含むことを特徴とする円筒形リチウム二次電池。
【請求項2】
前記巻心部材は、長手方向に沿って切り込み溝が形成された管状からなり、
前記ショート防止部は、前記切り込み溝の両側端の上端部及び下端部の少なくとも下端部の一部が前記巻心部材の内部方向に向かうようになされることを特徴とする請求項1に記載の円筒形リチウム二次電池。
【請求項3】
前記巻心部材は、長手方向に沿って切り込み溝が形成された管状からなり、
前記ショート防止部は、前記切り込み溝の両側端の上端部及び下端部の少なくとも下端部がテーパー形状からなることを特徴とする請求項1に記載の円筒形リチウム二次電池。
【請求項4】
前記ショート防止部のテーパー角は、90゜未満であることを特徴とする請求項3に記載の円筒形リチウム二次電池。
【請求項5】
前記ショート防止部のテーパー角は、30゜から60゜であることを特徴とする請求項4に記載の円筒形リチウム二次電池。
【請求項6】
前記巻心部材は、長手方向に沿って切り込み溝が形成された管状からなり、
前記ショート防止部は、前記切り込み溝の両側端の上端部及び下端部の少なくとも下端部が丸みを帯びた形状からなることを特徴とする請求項1に記載の円筒形リチウム二次電池。
【請求項7】
前記電極組立体と前記ケースの下面との間には、下部絶縁板が位置され、前記電極組立体と前記キャップ組立体との間には上部絶縁板が位置されていることを特徴とする請求項1に記載の円筒形リチウム二次電池。
【請求項8】
前記第1の電極板及び第2の電極板のいずれかは、電極タップを介して前記ケースの下部の下面に電気的に繋がれ、前記巻心部材は、前記下面に電気的に繋がれる電極タップの上に位置することを特徴とする請求項1に記載の円筒形リチウム二次電池。
【請求項9】
前記巻心部材の高さは、前記電極組立体の高さの90%から110%であることを特徴とする請求項1に記載の円筒形リチウム二次電池。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【公開番号】特開2006−156362(P2006−156362A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313469(P2005−313469)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】