説明

円筒状吸引ボックス装置

【課題】 円筒状吸引ボックスに関し、特に、異なる圧力で動作する複数の吸引室を有する円筒状吸引ボックス装置を提供する。
【解決手段】 低真空圧の第1吸引室は、低真空圧吸引を提供し、加工プロセスと共に用いられる。の高真空圧の第2吸引室は、高真空圧吸引を提供し、本発明の脱水プロセスと共に用いられる。かくして、本発明によると、従来2つの異なる装置で実行される2つのプロセスが、1つの円筒状吸引ボックスで実行できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状吸引ボックスに関し、特に、異なる圧力で動作する複数の吸引室を有する円筒状吸引ボックス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内部空間を有するパターン形成シリンダを用意し、この内部空間内を真空状態にすることは公知である。この真空状態により形成される吸引力により、シリンダから加工プロセス(textuirng process)で使用される流体(通常、水)を吸引している。このプロセスでは、含水量の高い布を、製造ラインに沿って、さらに脱水ボックスを用いて脱水することが、必要である。
【0003】
かくして、加工された布は、パターン形成シリンダにより支持されていないので、吸引ボックスの吸引力により布を通して引かれる空気は、布が最も薄い領域である最小抵抗のパスを通る。布の肉厚領域では、空気流の抵抗は大きいために、水を依然として含み、さらなる乾燥工程を必要とし、これにより製造コストが上がる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かくして、異なる圧力で動作する複数の吸引室を有する円筒状吸引ボックス装置が必要である。加工プロセスの間、吸引ボックスの内部に導入された水は、低吸引力により吸引され、その後布は、パターン形成シリンダにより支持されながら、高い吸引力により、脱水される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、円筒状吸引ボックスに関し、特に、異なる圧力で動作する複数の吸引室を有する円筒状吸引ボックス装置に関する。
【0006】
本発明の教示によれば、エンボスパターンを、布の連続シートの少なくとも一部に適用する吸引ボックス装置は、
(a) 低真空圧の第1吸引室と高真空圧の第2吸引室とを有する吸引ボックスと、
前記吸引ボックスは、前記第1吸引室内に開いた軸方向加工用スロットと、第2吸引室内に開いた脱水スロットとを有し、
(b) 前記吸引ボックスの外側表面に配置され、前記軸方向を向いた加工用スロットと整合する流体注入器と、
前記流体注入器は、流体を前記布の連続シートの表面に分配し、前記流体は、前記加工用スロットを介して、前記第1吸引室内に入り、
(c) 複数のエンボス用凹凸を有するパターン化された外側表面を有するエンボス加工ローラと
を有し、
前記エンボス加工ローラは、前記吸引ボックスの周囲に配置され、
前記エンボス加工ローラの回転中に、前記エンボス加工ローラの少なくとも一部は、
(i) 前記流体注入器と前記加工用スロットとの間を通過し、
その結果、前記布の一部が前記複数のエンボス用凹凸の少なくとも一部内に入り、
(ii) 前記脱水スロット上を通過し、
その結果、脱水プロセスが、前記布の前記一部が前記複数のエンボス用凹凸内に残っているようにして行われ、前記布に含まれる水の一部が、前記第2吸引室内に吸引される。
【0007】
本発明のさらなる教示によれば、本発明の吸引ボックス装置は、吸引装置を有する吸引システムをさらに有し、前記吸引システムは、前記第1と第2の吸引室内に真空圧を生成し、前記第1吸引室内の吸引圧力は、前第2吸引室内の吸引圧力よりも低い。
【0008】
本発明のさらなる教示によれば、前記流体注入器は、複数配置され、前記加工用スロットは、複数配置され、前記複数の流体注入器の1つは、前記複数の加工用スロットの1つに対応し、前記加工用スロットのそれぞれは、第1吸引室内に開口を有する。
【0009】
本発明のさらなる教示によれば、前記第2吸引室は、更に第1と第2の脱水吸引室として形成され、前記脱水スロットは、第1と第2の脱水スロットとして形成され、前記第1の脱水吸引室は、第1方向に回転している間、脱水プロセスを実行し、前記第2の脱水吸引室は、第2方向に回転している間、脱水プロセスを実行する。
【0010】
本発明のさらなる教示によれば、前記吸引ボックスは、内部を分割するパーティションで区切られ、これにより、前記吸引ボックスの内部空間は、少なくとも第1と第2の吸引小室に分割され、前記第1吸引小室と第2吸引小室とは、前記第2吸引室を形成する。
【0011】
本発明の教示によれば、本発明の、テキスチャを、布の連続シートの表面に適用し、1個の吸引ボックス装置を用いて、パターンが形成された布に脱水プロセスを実行する方法は、
(a) 低真空圧の第1吸引室と高真空圧の第2吸引室とを有する吸引ボックスを用意するステップと、
前記吸引ボックスは、前記第1吸引室内に開いた軸方向加工用スロットと、第2吸引室内に開いた脱水スロットとを有し、
(b) 前記吸引ボックスの外側表面に配置され、前記軸方向を向いた加工用スロットと整合する流体注入器を用意するステップと、
前記流体注入器は、流体を前記布の連続シートの表面に分配し、前記流体は、前記加工用スロットを介して、前記第1吸引室内に入り、
(c) 複数のエンボス用凹凸を有するパターン化された外側表面を有するエンボス加工ローラを用意するステップと、
前記エンボス加工ローラは、前記吸引ボックスの周囲に配置され、
(d) 前記エンボス加工ローラを回転するステップと、
前記(d)ステップ中に、前記エンボス加工ローラの少なくとも一部は、前記流体注入器と前記加工用スロットとの間を通過し、その結果、前記布の一部は、前記複数のエンボス用凹凸の少なくとも一部内に入り、
(e) 前記エンボス加工ローラの回転を継続するステップと、
前記(e)ステップ中に、前記エンボス加工ローラの少なくとも一部は、前記脱水スロット上を通過し、その結果、脱水プロセスが、前記布の前記一部が前記複数のエンボス用凹凸内に残っているようにして行われ、前記布に含まれる水の少なくとも一部が、前記第2吸引室内に吸引される
を有する。
【0012】
本発明のさらなる教示によれば、本発明の方法は、吸引装置を有する吸引システムを用意するステップをさらに有し、前記吸引システムは、前記第1と第2の吸引室内に真空圧を生成し、前記第1吸引室内の吸引圧力は、前第2吸引室内の吸引圧力よりも低い。
【0013】
本発明のさらなる教示によれば、前記流体注入器は、複数配置され、前記加工用スロットは、複数配置され、前記複数の流体注入器の1つは、前記複数の加工用スロットの1つに対応し、前記加工用スロットのそれぞれは、第1吸引室内に開口を有する。
【0014】
本発明のさらなる教示によれば、前記第2吸引室は、更に第1と第2の脱水吸引室として形成され、前記脱水スロットは、第1と第2の脱水スロットとして形成され、前記第1の脱水吸引室は、第1方向に回転している間、脱水プロセスを実行し、前記第2の脱水吸引室は、第2方向に回転している間、脱水プロセスを実行する。
【実施例】
【0015】
本発明は、異なる吸引圧力で動作する複数の吸引室を有する円筒状吸引ボックス装置に関する。
【0016】
本発明は、エンボス・パターンを、不織布の連続シートの少なくとも一部に適用する円筒状吸引ボックス装置を提供する。この不織布は、ウォータ・エンタングルメント・プロセス(water-entanglement process)で生成される。この装置の吸引ボックスユニットは、異なる真空圧で動作する吸引室を複数有する。
【0017】
第1の吸引室は、低い真空圧吸引を提供し、本発明のパターニング・プロセスあるいは加工プロセスと共に使用される。本明細書において、「パターニング」と「テキスチャリング(加工)」とは、互換性を持って使用する。テキスチャは、エンボス加工されるか、あるいは天然の穴が空いている。このプロセスは、従来公知であり1個の専用のパターン形成シリンダ装置で実行される。
【0018】
第2の吸引室は、高い真空圧吸引を提供し、本発明の脱水プロセスと共に使用される。一般的な脱水プロセスは、従来公知であり、専用の脱水装置で通常実行される。
【0019】
本発明によれば、従来別々の装置で行われた2つのプロセスは、本発明の1個の円筒状吸引ボックス装置で実行できる。本発明は、従来技術に対しいくつかの利点がある。1つの利点は、脱水プロセスはエンボス加工の品質を高めることである。現在の脱水システムは、布を平坦にするあるいはエンボス加工の品質を劣化させる。
【0020】
別の利点は、エンボス・プロセス後の布の乾燥あるいは全体的な処理に関連する。本発明のシステムは、エンボス・プロセスの間、加水する同一装置に配置される布からより多く脱水できる。それ故に、製造ラインに沿って動く布に付加される水の全体的重さを減らすことができ、これにより、布を動かすのに必要なエネルギーを節約し、製造ラインの機械加工の間の歪みや摩耗を減らす。
【0021】
布の水分量が小さいことに関連する別の利点は、脱水後の布内の水分量の均一な分布に起因する。従来の脱水システムは、水分量が均一に分布しない傾向があり、すなわちエンボス加工された肉厚領域では水分レベルが高く、エンボス加工されていない肉薄領域では水分レベルが低い。このような水分の不均一分布により、エンボス加工された肉厚領域を完全に乾燥させるには、より多くの乾燥エネルギーが必要である。本発明のシステムは、ほぼ均一な水分分布を有する布を提供することにより、布を乾燥させるのに必要なエネルギー量を減らす。本明細書において、「高圧」と「比較的高圧」とは、2000mmHO以上の真空圧を意味し、好ましくは4500mmHOを意味する。一方、「低圧」と「比較的低圧」とは、2000mmHO以下の真空圧を意味し、好ましくは1300mmHOを意味する。本明細書において、「吸引圧」と「真空圧」とは互換性をもって使用する。即ち、高真空圧は高吸引力を生成し、低真空圧は低吸引力を生成する。
【0022】
図1は、従来技術に係るパターン形成シリンダ装置2を示す。図2は、従来技術に係る脱水用吸引ボックス装置50を示す。パターン形成シリンダ装置2は、静止している円筒状吸引ボックス4を有する。この円筒状吸引ボックス4の上に回転する支持シリンダ6が配置される。この回転支持シリンダ6は、多孔性通常ハニカム構造で、パターン形成シリンダ8を具備/搭載する。このパターン形成シリンダ8は、布に適用される所望のパターンあるいはテキスチャによって、変わる。
【0023】
円筒状吸引ボックス4内には、1個好ましくは複数個の軸方向スロット10が形成される。この軸方向スロット10は、円筒状吸引ボックス4の内部空間12に対し開口を形成する。回転支持シリンダ6の外側表面近傍には、1個好ましくは複数個の流体注入器14が配置される。各流体注入器14は、複数個の軸方向スロット10の内の1つに整合する。パターン形成シリンダ8と布を搭載する回転支持シリンダ6が、円筒状吸引ボックス4の周囲で回転すると、流体(例、水)16が、各流体注入器14から放出され、布をパターン形成シリンダ8に強制的に押し当てて所望のパターンを付加する。布を通る水は、パターン形成シリンダ8と回転支持シリンダ6と軸方向スロット10を介して、円筒状吸引ボックス4の内部空間12内に入る。一般的に内部空間12は、2000mmHO以下の真空圧を有し、円筒状吸引ボックス4の内部空間12内に入る水の抽出を容易にする。
【0024】
パターン形成シリンダ装置2後の布の水分量は依然として極めて高いために、脱水用吸引ボックス装置50が製造ラインに沿って配置される。脱水用吸引ボックス装置50は、少なくとも1個の真空スロット58を有する吸引ボックス52を有する。この真空スロット58により、空気は製造ラインのコンベア・ベルト56によりサポートされる布54を通過する。布を通して空気が流れることにより、布から残留水分を吸引する。脱水用吸引ボックス装置50内の真空圧は高い、通常2000mmHO以上(高真空)である。この脱水方法の1つの問題点は、空気が、布と真空スロット58を介して吸引ボックス52の内部空間60内に吸引されると、空気は、布の肉厚領域66を迂回して、「最小抵抗パス62」の部分を流れ、水を布の最薄領域64から主に吸引する。この結果、肉厚領域66は、その周囲の最薄領域64よりも高い水分量を有するようになる。肉厚領域66を乾燥するのに必要な時間とエネルギーが、このような加工布の製造コストを上げる。
【0025】
図3は、本発明の円筒状吸引ボックス装置100の一実施例を示す。吸引ボックス102の内部空間は、パーティション104、106により3つの吸引室108、120、122に分割される。吸引ボックス102の外側表面には、回転する支持シリンダ110とエンボス加工ローラ112が配置される。
【0026】
低真空圧吸引室108は、図1の従来の吸引ボックスと同様に機能する。本発明の円筒状吸引ボックス装置100のこの部分には、流体注入器114とそれに対応した位置に加工用スロット116が配置される。支持シリンダ110が、布(図示せず)を搭載して、吸引ボックス102周囲で回転すると、流体(例、水)118が、流体注入器114から放出されて、布をエンボス加工ローラ112に押し当てて、所望のパターンを付加する。布を通過する水は、加工用スロット116を通って低真空圧吸引室108の内部空間に入る。一般的に、低真空圧吸引室108は、2000mmHO未満の真空圧、好ましくは1300mmHOの真空圧を有する。これにより、低真空圧吸引室108内に入った水の抽出を容易にする。
【0027】
各高真空圧吸引室120、122は、それぞれ少なくとも1個の脱水スロット124a、124bを有し、図2の脱水吸引ボックスと同様に機能する。高真空圧吸引室120、122内の真空圧は、好ましくは4500mmHO、高真空である。
【0028】
図4に示すように、支持シリンダ110が吸引ボックス102の周囲で回転する。回転する支持シリンダ110は、エンボス加工ローラ112と布130の一部を脱水スロット124a上に保持する。エンボス加工ローラ112と布130の一部が脱水スロット124aを通ると、空気は、布130とエンボス加工ローラ112内に貫通ボアとして構成されたエンボス用凹部132を通り抜ける。エンボス用凹部132は、布130の隆起部分すなわち肉厚領域134に対応する。それ故に、本発明によれば、空気が高真空圧吸引室120内に流れる(矢印136)ことにより、水は、布130の肉厚領域134から引き出される。これは、従来の吸引ボックスとは対照的に、布の最も厚い領域から水を引き抜くことができる。
【0029】
図5は、本発明の吸引システムを形成する真空送風機の接続構成を示す。同図に示すように、高真空形成送風機300は、円筒状吸引ボックス装置100内に構成された2個の高真空圧の吸引室120、122と、閉鎖可能導管302a、302bを介して、切り替え可能に連通する。一方、低真空形成送風機310は、円筒状吸引ボックス装置100内に構成された1個の低真空圧の吸引室108と、導管312を介して連通する。如何なる種類の真空形成送風機装置も本発明で使用でき、本発明の範囲内に入る。例えば、各吸引室は、1つあるいは複数の専用の真空形成送風機を有してもよい。
【0030】
図6、7に示すように、高真空圧吸引室120、122を低真空圧吸引室108の両側円周上に配置することにより、本発明の円筒状吸引ボックス装置100は、テキスチャ(地あい)を布の表あるいは裏のいずれかに適用/形成できる。
【0031】
図6の構成においては、テキスチャは、布130の裏130bに、低真空圧吸引室108と共働して流体注入器114により適用される。そして、脱水プロセスは、空気を脱水スロット124aを介して流す高真空圧吸引室120により行われる。この実施例においては、ローラ400、402、404、406、408は、布130をガイドする。
【0032】
図7の構成においては、テキスチャは、布130の表130bに低真空圧吸引室108と共働して。流体注入器114により適用/形成される。そして、脱水プロセスは、空気を脱水スロット124bを介して流す高真空圧吸引室122により行われる。この実施例においては、ローラ400、402、408は、布130をガイドする。
図6、7に示すように、高い吸引力(高真空)は、パターニング・プロセスの後に適用するのが好ましい。
【0033】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来技術のパターン形成シリンダ装置の断面図。
【図2】従来技術のベルトコンベアに沿って配置された脱水吸引ボックスの断面図。
【図3】本発明の円筒状吸引ボックス装置の一実施例の断面図。
【図4】図3の実施例の高真空圧スロットの詳細図。
【図5】本発明による真空送風機の接続図。
【図6】本発明の、布の第1側にテキスチャード・パターンを適用するパターン形成システムの断面図。
【図7】布の第2側にテキスチャード・パターンを適用する図6のパターン形成システムの断面図。
【符号の説明】
【0035】
2 パターン形成シリンダ装置
4 円筒状吸引ボックス
6 回転支持シリンダ
8 パターン形成シリンダ
10 軸方向スロット
12 内部空間
14 流体注入器
16 流体
50 脱水用吸引ボックス装置
52 吸引ボックス
54 布
56 コンベア・ベルト
58 真空スロット
60 内部空間
62 最小抵抗パス
64 最薄領域
66 肉厚領域
100 円筒状吸引ボックス装置
102 吸引ボックス
104,106 パーティション
108 低真空圧吸引室
110 回転支持シリンダ
112 エンボス加工ローラ
114 流体注入器
116 加工用スロット
118 流体
120,122 高真空圧吸引室
124a、124b 脱水スロット
130 布
130a 表
130b 裏
132 エンボス加工用凹凸
134 肉厚領域
136 矢印
300 高真空送風機
302a、302b 閉鎖可能導管
310 低真空送風機
312 導管
400,402,404,406,408 ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンボスパターンを、布の連続シートの少なくとも一部に適用する吸引ボックス装置において、
(a) 低真空圧の第1吸引室と高真空圧の第2吸引室とを有する吸引ボックスと、
前記吸引ボックスは、前記第1吸引室内に開いた軸方向加工用スロットと、第2吸引室内に開いた脱水スロットとを有し、
(b) 前記吸引ボックスの外側表面に配置され、前記軸方向を向いた加工用スロットと整合する流体注入器と、
前記流体注入器は、流体を前記布の連続シートの表面に分配し、前記流体は、前記加工用スロットを介して、前記第1吸引室内に入り、
(c) 複数のエンボス用凹凸を有するパターン化された外側表面を有するエンボス加工ローラと、
前記エンボス加工ローラは、前記吸引ボックスの周囲に配置され、
前記エンボス加工ローラの回転中に、前記エンボス加工ローラの少なくとも一部は、
(i) 前記流体注入器と前記加工用スロットとの間を通過し、
その結果、前記布の一部が前記複数のエンボス用凹凸の少なくとも一部内に入り、
(ii) 前記脱水スロット上を通過し、
その結果、脱水プロセスが、前記布の前記一部が前記複数のエンボス用凹凸内に残っているようにして行われ、前記布に含まれる水の一部が、前記第2吸引室内に吸引される
ことを特徴とする吸引ボックス装置。
【請求項2】
(d) 吸引装置を有する吸引システム
をさらに有し、
前記吸引システムは、前記第1と第2の吸引室内に真空圧を生成し、
前記第1吸引室内の吸引圧力は、前第2吸引室内の吸引圧力よりも低い
ことを特徴とする請求項1記載の吸引ボックス装置。
【請求項3】
前記流体注入器は、複数配置され、
前記加工用スロットは、複数配置され、
前記複数の流体注入器の1つは、前記複数の加工用スロットの1つに対応し、
前記加工用スロットのそれぞれは、第1吸引室内に開口を有する
ことを特徴とする請求項1記載の吸引ボックス装置。
【請求項4】
前記第2吸引室は、更に第1と第2の脱水吸引室として形成され、
前記脱水スロットは、第1と第2の脱水スロットとして形成され、
前記第1の脱水吸引室は、第1方向に回転している間、脱水プロセスを実行し、
前記第2の脱水吸引室は、第2方向に回転している間、脱水プロセスを実行する
ことを特徴とする請求項1記載の吸引ボックス装置。
【請求項5】
前記吸引ボックスは、内部を分割するパーティションで区切られ、これにより、前記吸引ボックスの内部空間は、少なくとも第1と第2の吸引小室に分割され、
前記第1吸引小室と第2吸引小室とは、前記第2吸引室を形成する
ことを特徴とする請求項1記載の吸引ボックス装置。
【請求項6】
テキスチャを、布の連続シートの表面に適用し、1個の吸引ボックス装置を用いて、パターンが形成された布に脱水プロセスを実行する方法において、
(a) 低真空圧の第1吸引室と高真空圧の第2吸引室とを有する吸引ボックスを用意するステップと、
前記吸引ボックスは、前記第1吸引室内に開いた軸方向加工用スロットと、第2吸引室内に開いた脱水スロットとを有し、
(b) 前記吸引ボックスの外側表面に配置され、前記軸方向を向いた加工用スロットと整合する流体注入器を用意するステップと、
前記流体注入器は、流体を前記布の連続シートの表面に分配し、前記流体は、前記加工用スロットを介して、前記第1吸引室内に入り、
(c) 複数のエンボス用凹凸を有するパターン化された外側表面を有するエンボス加工ローラを用意するステップと、
前記エンボス加工ローラは、前記吸引ボックスの周囲に配置され、
(d) 前記エンボス加工ローラを回転するステップと、
前記(d)ステップ中に、前記エンボス加工ローラの少なくとも一部は、前記流体注入器と前記加工用スロットとの間を通過し、その結果、前記布の一部は、前記複数のエンボス用凹凸の少なくとも一部内に入り、
(e) 前記エンボス加工ローラの回転を継続するステップと、
前記(e)ステップ中に、前記エンボス加工ローラの少なくとも一部は、前記脱水スロット上を通過し、その結果、脱水プロセスが、前記布の前記一部が前記複数のエンボス用凹凸内に残っているようにして行われ、前記布に含まれる水の少なくとも一部が、前記第2吸引室内に吸引される
を有する
ことを特徴とするテキスチャを布の連続シートの適用する方法。
【請求項7】
(f) 吸引装置を有する吸引システムを用意するステップ
をさらに有し、
前記吸引システムは、前記第1と第2の吸引室内に真空圧を生成し、
前記第1吸引室内の吸引圧力は、前第2吸引室内の吸引圧力よりも低い
ことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記流体注入器は、複数配置され、
前記加工用スロットは、複数配置され、
前記複数の流体注入器の1つは、前記複数の加工用スロットの1つに対応し、
前記加工用スロットのそれぞれは、第1吸引室内に開口を有する
ことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記第2吸引室は、更に第1と第2の脱水吸引室として形成され、
前記脱水スロットは、第1と第2の脱水スロットとして形成され、
前記第1の脱水吸引室は、第1方向に回転している間、脱水プロセスを実行し、
前記第2の脱水吸引室は、第2方向に回転している間、脱水プロセスを実行する
ことを特徴とする請求項6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−68148(P2009−68148A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239143(P2007−239143)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(506149715)エヌ.アール.スパンテック インダストリーズ リミティド. (2)
【Fターム(参考)】