説明

冊子、及び用紙

【課題】使用の自由度を向上させた用紙、及びこの用紙を備えてなる冊子を提供する。
【解決手段】この冊子Aは、対をなす表紙1、2間に同一形状をなす複数本の罫線kを施した用紙である中紙3を複数枚綴じてなるものであり、前記各罫線kが、視覚的に異なる複数種類の線k1、k2を連続させたものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノート等として好適に用いられる冊子、及び用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の冊子として対をなす表紙間に複数枚の用紙である中紙を綴じたものが知られている(例えば特許文献1参照)。このようなものにおいては、文字の記入箇所を案内する目的で、中紙の左右両側縁部間を左右方向に延びる罫線が、上下方向に一定間隔をあけて複数本配されているのが一般的である。このため、前述する中紙については、文字等の記入の便宜は図られているものの、使用目的が異なる複数の領域があらかじめ視認可能に設定されているものはなかった。
【0003】
一方、左右方向に延びる罫線に加えて、上下方向に延びる縦線をさらに表示することにより、前述の領域設定を行っているものは存在するが、このようなものでは、視覚的に縦線によって左右領域が明確に分断されてしまい、結果として全体的に使用方法が強制されることとなり使用の自由度が下がるものとなっていた。
【0004】
以上の事情は、種々の目的に使用される用紙においても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−36369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、複数の罫線を有した中紙を備えたものにおいて、使用の自由度を向上させた冊子を提供することを目的とする。また、使用の自由度を向上させた用紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の冊子及び用紙は次のような構成をなすものである。
【0008】
請求項1に記載の冊子は、対をなす表紙間に同一形状をなす複数本の罫線を施した中紙を複数枚綴じてなる冊子であって、前記各罫線が、視覚的に異なる複数種類の線で連続させたものである。
【0009】
請求項2に記載の冊子は、請求項1に係る構成において、前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に太さが異なるものである。
【0010】
請求項3に記載の冊子は、請求項1又は2に係る構成において、前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に色彩が異なるものである。なお、「色彩が異なる」とは、色相、彩度、及び明度の各要素のうち、一つの要素が異なっていればよく、例えば、色の濃度が異なることも含んだ概念である。
【0011】
請求項4に記載の冊子は、請求項1、2又は3に係る構成において、前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に形状の異なるものである。
【0012】
請求項5に記載の冊子は、請求項1、2、3又は4に係る構成において、前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、主に文章を書き込むための主要な線と補助的な線とからなるものであり、前記主要な線に、行頭を示唆するための目印を施しているものである。
【0013】
請求項6に記載の冊子は、請求項1、2、3、4又は5に係る構成において、前記中紙に、外側の角を区成する斜線を施しているものである。
【0014】
請求項7に記載の冊子は、請求項1、2、3、4、5又は6に係る構成において、前記中紙に、任意の記号等の表示を設けるための表示欄を施しているものである。
【0015】
請求項8に記載の冊子は、請求項1、2、3、4、5、6又は7に係る構成において、前記中紙に、一部を切り離すための切り離し線を設けているものである。
【0016】
請求項9に記載の冊子は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に係る構成において、前記各表紙が、使用方向を示唆する表示をそれぞれ有したものであり、前記一方の表紙に表示された使用方向と、前記他方の表紙に表示された使用方向とを相反させているものである。
【0017】
請求項10に記載の冊子は、請求項9に係る構成において、前記中紙に施された罫線を含む印刷パターンが、前記中紙を見開いた状態において、上下及び左右に対称となるように設定されているものである。
【0018】
請求項11に記載の冊子は、請求項9又は10に係る構成において、前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、主に文章を書き込むための主要な線と補助的な線とからなるものであり、前記主要な線の両端部に、行頭を示唆するための目印をそれぞれ施しているものである。
【0019】
請求項12に記載の用紙は、同一形状をなす複数本の罫線を施した用紙であって、前記各罫線が、視覚的に異なる複数種類の線で連続させたものである。 請求項13に記載の用紙は、請求項12に係る構成において、前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に太さが異なるものである。
【0020】
請求項14に記載の用紙は、請求項12又は13に係る構成において、前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に色彩が異なるものである。
【0021】
請求項15に記載の用紙は、請求項12、13又は14に係る構成において、前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に形状の異なるものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の罫線を有した中紙を備えたものにおいて、使用の自由度を向上させた冊子を提供することができる。また、使用の自由度を向上させた用紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】同実施形態における表紙を展開した状態を示す平面図。
【図3】同実施形態における中紙を見開いた状態を示す平面図。
【図4】同実施形態における中紙の拡大平面図。
【図5】同実施形態における中紙を見開いた状態を示す説明図。
【図6】同実施形態における中紙の使用例を示す概略説明図。
【図7】同実施形態における表示欄の使用例を示す概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図5を参照して説明する。
【0025】
本実施形態は、本発明を学習ノートとして用いられる冊子Aに適用したものである。
【0026】
この冊子Aは、対をなす表紙1、2間に同一形状をなす複数本の罫線kを施した用紙である中紙3を複数枚綴じてなるものである。そして、中紙3に施された各罫線kが、視覚的に異なる複数種類の線k1、k2を連続させて罫線を形成したものとなっている。この冊子Aは、各表紙1、2の外面11、21に、使用者の使用方向を示唆する表示s1、s2をそれぞれ有している。そして、前記一方の表紙1における表示s1により示唆された使用方向と、前記他方の表紙2における表示s2により示唆された使用方向とを相反させている。
【0027】
詳述すれば、一方の表紙1には、図2における下辺12に沿って印刷により『KOKUYO』(登録商標)や、『8mmRuled30Sheets』等の文字である表示s1が上下方向を明確に特定する態様で表示されている。そのため、一方の表紙1においては、これらの上下方向を示唆する表示s1によって前記下辺12を使用者の手前側にして使用すべき旨が示唆されている。
【0028】
他方の表紙2には、図2における上辺13に沿って印刷により『KOKUYO』(登録商標)や、『8mmRuled30Sheets』等の文字である表示s2が、前述する一方の表紙1に設けた上下方向を示唆する表示s1に対して上下逆向きに表示されている。そのため、他方の表紙2においては、これらの上下方向を示唆する表示s2によって前記上辺13を使用者の手前側にして使用すべき旨が示唆されている。なお、図1及び図2において示されている『Campus』は登録商標である。
【0029】
中紙3は、クロスCを用いて前記両表紙1、2間に無線綴じにより綴じられたもので、前記中紙3に施された罫線kを含む印刷パターンが、前記中紙3を見開いた状態において、上下及び左右に略対称となるように設定されている。すなわち、図3に示すように、中紙3を見開いた状態において、その上下方向中間部に位置する左右方向に延びる仮想中心線5を中心に、上下に対称をなすとともに、中紙3における上下方向に延びる背表紙の側すなわち綴じ元4側の端縁である綴じ元端縁33を中心に、左右に対称をなしている。
【0030】
詳述すれば、中紙3の各ページ31、32すなわち中紙3の一方のページ(一方の面)31と、中紙3の他方のページ(他方の面)32には、各ページ31、32の左右両端部間に延びる複数本の罫線kが上下方向に所定の間隔をあけて施されており、個々の罫線すなわち各罫線kは、視覚的に異なる複数種類の線k1、k2を備えている。
【0031】
この実施形態における各罫線kは、複数種類の線として2種類の線、すなわち、使用者が任意に決定する第一の使用目的に供するための第一の線k1と、使用者が任意に決定する第二の使用目的に供するための第二の線k2とを左右方向に連続させてなるものである。これら第一の線k1と第二の線k2との左右方向の寸法比は、2対1〜3対1の間の値に設定されている。本実施形態では、前記第一の線k1を、主に文章を書き込むための主要な線としており、第二の線k2をその他の補助的な線としている。しかして、各罫線kは、主要な線k1と補助的な線k2とが各ページ31、32における中間部分において連結しており、これらが左右方向に連続して延びている。また、各罫線kは、主要な線k1を補助的な線k2よりも太く、換言すれば、補助的な線k2を主要な線k1よりも細く設定している。なお、図中の符号(特に罫線に関するもの)については、説明上の煩雑を避けるために、間引いて表示している。
【0032】
主要な線k1の両端部近傍には、一定間隔でドット状の目印mを小数個ずつ、すなわち3個ずつ施している。この目印mは、インデント形成用のもの、換言すれば、主として行頭を示唆するためのものであり、それぞれの目印m間の間隔は8mm〜10mm程度に設定されている。このように、主要な線k1に複数個の目印mを一定間隔で設けることにより、これらの目印mを行頭の位置を決めるための指標とすることができ、段落を綺麗に揃えた記入や綺麗な箇条書きの記入に寄与するものとなる。
【0033】
さらに、本実施形態では、主要な線k1の両端部近傍にのみ目印mを3個ずつ配しており、主要な線k1の左右方向中央部には目印を設けていないようにしている。このような構成にすることにより、目印mが主要な線k1の全体に均一に配された場合の外観上の煩雑さや見苦しさを好適に抑制することができるとともに、中紙3の一方の面31を利用する場合でも、他方の面32を利用する場合でも、何れの場合でも、使用者に対して適切な箇所に行頭の位置を誘導することができるものとなっている。
【0034】
また、各ページ31、32には、印刷パターンの一部を構成する斜線n1、n2を施している。本実施形態においては、斜線n1、n2を破線により表示している。これらの斜線n1、n2は、中紙3における外側、すなわち反綴じ元側の縁部における上下位置にある角領域ca1、ca2を区成するためのものである。また、上の角領域ca1を区成する斜線n1と、下の角領域ca2を区成する斜線n2とは、上下対称に設けられている。このように、各ページ31、32に上下対称をなす斜線n1、n2を統一的に表示することにより、種々の利用に供することができるものとなる。その一例としては、図6の(a)に示すように、当該斜線n1を折り曲げることにより、そのページ31を探す際の目印として利用することができる。また、同図の(b)に示すように、別途ハサミやカッター等によって斜線n1に沿って切断することにより角領域ca1を取り除いて利用することもできる。さらに、同図の(c)に示すように、斜線n1により区成された角領域ca1を筆記具等により色塗りすることによって目印とすることもできる。
【0035】
各ページ31、32には、印刷パターンの一部を構成する表示欄rを施している。この表示欄rは、任意の記号等の表示を、例えば筆記具による記入又はステッカー等の貼着によって設けるためのものであり、各ページ31、32の反綴じ元側の縁部近傍における上下方向中央部分に配されている。本実施形態における表示欄rは、円形をなすものとしている。当該円により囲繞された部分には、図7に例示するように、使用者が任意に文字等を記入又は表示することができるようにしている。すなわち、表示欄rは、各ページ31、32に多機能を付与するためのものであり、例えば、ページ番号を明示するために使用したり、当該ページを利用する際の使用者の気分を図示したりして、使用者による独自の定義に従って任意の表示ができるようにすることで、使用者の個性を表出できるようにしている。
【0036】
前記中紙3には、その一部を切り離すための切り離し線であるミシン目gを設けている。ミシン目gは、綴じ元4の近傍に設けられており、中紙3の上端縁34から下端縁35に亘る範囲において綴じ元端縁33と略平行に設けられている。当該ミシン目gにより、特定の中紙3の一部分を使用者の任意で切り離して使用することができ、用紙の使用方法の選択肢が広がるものとなる。また、使用者の利便性が向上するとともに用紙の効果的な利用を促進することとなり、紙の無駄遣い等を好適に抑制することができる。
【0037】
以上のような構成をなす冊子Aにおいては、図3〜図5に示すように、用紙である中紙3の各ページ31、32が、各罫線kにおける主要な線k1により形成される第一の領域R1と他の補助的な線k2により形成される第二の領域R2とが、各線k1、k2の視覚的な相違、すなわち、第一の線k1と第二の線k2との太さの違いにより視覚的に区画されることになる。そのため、各罫線kが有する視覚的に異なる二種類の線k1、k2によって、各領域R1、R2を使用者が視覚的に把握、認識することができ、それぞれの領域R1、R2を別の目的に用いることもできるし、或いは、それらの領域R1、R2の存在を無視して各ページ31、32の左右両端部間に延びる各罫線kを通常通りに使用してページ31、32全体に文章を記述することも自由にできる。
【0038】
換言すれば、左右方向に延び視覚的に相違する2種類の線k1、k2からなる罫線kを、同一の構成で上下方向に一定間隔で複数表示させることにより、視覚的に領域分けがなされるという作用を発揮しているが、従来のもののように縦線を用いて明示的に左右領域を分断させること無く実現している。
【0039】
なお、図5においては、第一の領域R1と第二の領域R2とを分かりやすく説明するため、それぞれの領域R1、R2を網掛けにより示している。
【0040】
各領域R1、R2をそれぞれ別の目的に使用する例としては、例えば次のようなものがある。すなわち、第一の領域R1を、授業やセミナー等の講義中にその内容を書きとめるために使用し、一方で、第二の領域R2を、前記第一の領域R1において書きとめた内容を、使用者独自の方法で後に整理するために使用するという方法がある。特に、講義内容を書きとめる際には、記入漏れを回避すべく急ぐ必要があるため、比較的乱雑な殴り書きとならざるを得ないという事情があることから、前述のような使用方法においては、第一の領域R1及び第二の領域R2をそれぞれ設けることは極めて有意義なものとなる。しかも、本実施形態における冊子Aでは、第一、第二の領域R1、R2は、縦線によって左右に明確に分断されていないため、使用者は、両領域R1、R2が視覚的に分けられているにも関わらず、区分された場合の使用方法の強制的な限定等を伴う違和感を持つことなく臨機応変に第一、第二の領域R1、R2を無視して第一の線k1と第二の線k2とにわたる使用も妨げられない。このため、本実施形態における用紙、並びに、用紙である中紙3を備えてなる冊子Aは、全体的に使用方法が制約されず、使用者の自由度が高いものとなっている。
【0041】
また、第二の領域R2は、注釈や評価などを書きとめるためのいわゆる注釈欄として使用することもできる。例えば、第一の領域R1で記入した内容に関連させて、その注記すべき事項を第二の領域R2に上下位置を対応させて記入することによって、内容の理解を促進させたり、注意を促したりすることができる。
【0042】
本実施形態における冊子Aは、いわゆる双表紙の機能、すなわち、冊子Aを閉じている状態において綴じ元4が使用者の左側に位置するようにした態様で、一方の表紙1を表にして違和感なく使用することもできるし、また、冊子Aを閉じている状態において綴じ元4が使用者の左側に位置するようにした態様で、他方の表紙2を表にして違和感なく使用することもできるという機能を備えている。このため、例えば使用者が、二つの学科に対応する場合に、通常であれば各学科それぞれに独立のノートを用意して結果的に二つのノートを必要とするところを、本実施形態における冊子Aであれば、一つで対応することが可能となる。しかも、中紙3を見開いた状態における各ページ31、32に施された印刷パターンを上下及び左右方向に対称にしているので、このような使用をしても何ら使用者に不自由や違和感が生じないものとなっている。
【0043】
本実施形態における冊子Aは、前述したように双表紙の機能を持ち備えつつ、中紙3に設けた複数本の罫線kを主要な線k1と補助的な線k2により構成しているため、利用者である学生等の切実なニーズに適合したものとなっている。すなわち、本実施形態における冊子Aは、利用者にとって経済性に優れたものであるとともに、利用者の利便性を格段に向上させるものとなっている。
【0044】
また、本実施形態では、主要な線k1は綴じ元4側に配してなり、主要な線k1よりも細い線である補助的な線k2は反綴じ元側に配してなるため、中紙3を見開いた状態(図3及び図5を参照)においては、その見開き状態における両側部を、補助的な線k2により視覚的に形成された第二の領域R2により両側から包囲するような外観を呈し、全体としてすっきりとした印象を与えるものとなっている。
【0045】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0046】
各罫線における視覚的に異なる複数種類の線とは、本実施形態に示すものに限定されない。すなわち、本実施形態では、視覚的に異なる複数種類の線(より具体的には2種類)として、相互に太さが異なるものを連続させたものを示したが、かかる態様に限定されるものではない。例えば、各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に色彩が異なるものとすることもできる。その一例としては、一方の線を青色に設定し、他方の線を水色に設定することなどが考えられる。かかる方法によっても所期の目的を十分に達成することができる。
【0047】
また、各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に形状が異なるものとすることもできる。その一例としては、一方の線を直線とし、他方の線を破線とすることなどが考えられる。かかる方法によっても所期の目的を十分に達成することができる。
【0048】
本実施形態においては、罫線を構成する線を2種類としていたが、これに限られず、それ以上の複数種類としてもよい。
【0049】
上下方向に略一定間隔で配される複数の罫線は、視覚的に認識される一の領域と他の領域とを表出させるためには一定数において同じ構成とする必要があるが、用紙における一定の上下範囲にわたって同じであればよく、必ずしも用紙の略全部領域を同じものとする必要はない。
【0050】
各表紙に設けられた使用方向を示唆する表示は、文字に限られるものではなく、例えば、上下方向が特定される図形や絵、又は写真等を用いてもよい。
【0051】
冊子とは、学校、家庭又はオフィス等で好適に用いられるノートの他にも、種々のものがあるのはもちろんのことである。例えば、日記帳や手帳としての用途に適した冊子や、カタログ等の閲覧に用いられる冊子など、本発明は種々の冊子に適用することができる。
【0052】
本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、冊子や中紙の上下寸法や左右寸法も適宜設定することもでき、また、各用途に合わせて中紙のデザインも変更することができる。
【0053】
本実施形態では、無線綴じタイプのノートとして用いられる冊子を示していたが、これに限定されるものではなく、例えば、リングノートにも適用することができる。
【0054】
目印はドット状のものに限られるものではなく種々の態様が考えられる。例えば、用紙の色彩を変更させることによって、目印としてもよい。
【0055】
斜線は、本実施形態に示すような破線のものに限定されるものではなく、種々の線を用いることができる。また、斜線の傾斜角度も、任意に設定することができるのは勿論のことである。
【0056】
表示欄は、本実施形態に示すような丸形のものに限定されず、例えば矩形のもの等、種々の形状のものが考えられる。
【0057】
切り取り線は、ミシン目に限られるものでは無く、種々の形態のものを適用することができる。また、切り取り線の設けられる箇所は、本実施形態に示すものに限定されず、任意の箇所に設けることができる。例えば、使用者の任意で決定される第一の目的で使用するための第一の領域と、使用者の任意で決定される第二の目的で使用するための第二の領域との境界部分に設けるようにしてもよい。また、切り取り線は、一枚の中紙に複数設けても良いことは勿論のことである。
【0058】
罫線は、左右方向に延びるもののほか、使用者から見て上下方向に延びるものであっても良い。このようなものであっても、横線を明示することにより明確に上下の各領域を分断することなく、上下領域を視覚的に区画することができるものとなる。
【0059】
用紙は、本実施形態に示されるものに限定されない。用紙には、表紙間に種々の方法で綴じられる中紙として用いられるものの他、用紙のみが独立して使用されるものも含まれる。すなわち、用紙とは、種々の用途で用いられる紙であればよい。このような用紙には、例えば、ルーズリーフと称される紙も含まれるのは勿論のことである。
【0060】
本実施形態に示す中紙は、冊子における両表紙間の全てに採用される必要はなく、複数枚のみに採用されるものであっても良いし、1枚のみに採用されるものであっても良い。
【0061】
視覚的に異なる複数種類の線で連続させてなる罫線を一定間隔で複数本施してなる部分は、中紙における片面側すなわち1ページのみに採用されるものであっても良い。
【0062】
さらに言えば、視覚的に異なる複数種類の線で連続させてなる罫線を、一定間隔で複数本施してなる部分は、用紙における一部分のみに採用されるものであってもよい。
【0063】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…(一方の)表紙
2…(他方の)表紙
3…用紙(中紙)
A…冊子
g…切り取り線(ミシン目)
k…罫線
m…目印
n1…斜線
n2…斜線
r…表示欄
s1…使用方向を示唆する表示
s2…使用方向を示唆する表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対をなす表紙間に同一形状をなす複数本の罫線を施した中紙を複数枚綴じてなる冊子であって、
前記各罫線が、視覚的に異なる複数種類の線で連続させたものであることを特徴とする冊子。
【請求項2】
前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に太さが異なるものである請求項1記載の冊子。
【請求項3】
前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に色彩が異なるものである請求項1又は2記載の冊子。
【請求項4】
前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に形状の異なるものである請求項1、2又は3記載の冊子。
【請求項5】
前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、主に文章を書き込むための主要な線と補助的な線とからなるものであり、前記主要な線に、行頭を示唆するための目印を施している請求項1、2、3又は4記載の冊子。
【請求項6】
前記中紙に、外側の角を区成する斜線を施している請求項1、2、3、4又は5記載の冊子。
【請求項7】
前記中紙に、任意の記号等の表示を設けるための表示欄を施している請求項1、2、3、4、5又は6記載の冊子。
【請求項8】
前記中紙に、一部を切り離すための切り取り線を設けている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の冊子。
【請求項9】
前記各表紙が、使用方向を示唆する表示をそれぞれ有したものであり、
前記一方の表紙に表示された使用方向と、前記他方の表紙に表示された使用方向とを相反させている請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の冊子。
【請求項10】
前記中紙に施された罫線を含む印刷パターンが、前記中紙を見開いた状態において、上下及び左右に対称となるように設定されている請求項9記載の冊子。
【請求項11】
前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、主に文章を書き込むための主要な線と補助的な線とからなるものであり、前記主要な線の両端部に、行頭を示唆するための目印をそれぞれ施している請求項9又は10記載の冊子。
【請求項12】
同一形状をなす複数本の罫線を施した用紙であって、
前記各罫線が、視覚的に異なる複数種類の線で連続させたものであることを特徴とする用紙。
【請求項13】
前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に太さが異なるものである請求項12記載の用紙。
【請求項14】
前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に色彩が異なるものである請求項12又は13記載の用紙。
【請求項15】
前記各罫線における視覚的に異なる複数種類の線が、相互に形状の異なるものである請求項12、13又は14記載の用紙。

【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−35505(P2012−35505A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177722(P2010−177722)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)