説明

再コード化一次元/二次元コード、再コード化一次元/二次元コードシステム、再コード化一次元/二次元コード符号化装置、及び再コード化一次元/二次元コード復号装置

【課題】従来進められてきた一次元/二次元コードは、コードリーダーで読み取った場合に、誰でもが読み取れ、情報セキュリティーの面からは、全く好ましくない。便利な一次元/二次元コードにも情報セキュリティーを確保できるものが必要である情勢となりつつあり、本発明の課題は、情報セキュリティーのある一次元/二次元コードとそのシステムを提供することにある。
【解決手段】一次元/二次元コードを符号により再コード化する再コード化器とその結果を読み取り復号化する場合に、可逆的に復号できる再コード復号化器を備えた一次元/二次元コードとそのシステムと符号化器、復号化器とし、更に分散配置機能も付加することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード、QRコード等の一次元/二次元コードにおいて、再コード化されることで、再コード化の処理コードを知らない無関係者による読み取りを不可能にした情報セキュリティーのあるコードとそのシステム及び符号化装置、復号化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一次元/二次元コードは、工程の管理、ものの分別など、識別管理に多数使用され、最近は携帯電話にまでその読み取り装置が付いているほど普及している。標準規格となっており、その後、特許文献1、特許文献2など多数の出願がなされている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−254037
【0004】
【特許文献2】特開2003−76960
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一次元コードでも同じなので、二次元コードで記述を展開すると、図2は、従来の二次元コードとそのシステムを説明する図である。コンピュータ等の端末から文字や符号の入力をするか、カメラ等の画像取得器201が文字や符号を取得すると、これを二次元コード化器202でソフトウェア処理し、文字や符号に対応する二次元コード像203に変換し出力してくれる。前述したようにQRコードの普及に見る如く、この様なシステムは、枚挙に暇がないほどである。その結果得られた二次元コード像203を、逆に画像取得器204で取得すると、コードリーダーと呼ばれる二次元コード復号化器205で、対応する文字や符号に戻され、読み取りが完了する。QRコード等の二次元コードは、以上のようなシステムで運用されていて、便利に使用されている。然しながら、従来進められてきた二次元コードは、コードリーダーで読み取った場合に、誰でもが読み取れ、誰が読んでも同じ結果となるので、特定の者にしか読み取って欲しくない場合には、使用することができない。誰にでも読める代わりに、情報セキュリティーの面からは、全く好ましくない。このような事情は、一次元コードでも同様である。従来の一次元/二次元コードは、このようなものとの認識で便利に使われてきていて、未だ、情報セキュリティーのある一次元/二次元コードは見出せない。然し、近年、情報セキュリティーへの要求が叫ばれる世情になって、便利な一次元/二次元コードにも情報セキュリティーを確保できるものが必要である情勢となりつつある。本発明の課題は、このような背景にあって、情報セキュリティーのある一次元/二次元コードとそのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決する手段として、従来の一次元/二次元コードに更に再コード化と再コード復号化により、データの秘話化を図り、更に分散配置により更に、秘話化と傷に対する耐性の向上を行っている。以下、請求項に沿って説明する。
【0007】
請求項1記載の発明は、再コード化一次元/二次元コードであって、文字、符号、画像の全て又はいずれか又はその組み合わせの形状が符号化された一次元/二次元コードの画像データを第2の符号による処理又は/及び空間周波数変換を行う再コード化器により再コード化され、且つ、前記再コード化器による再コード化処理を可逆的に戻す再コード復号化器により、元の前記一次元/二次元コードが再生されうることを特徴とする。これにより、他者に読めないものとなる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の再コード化一次元/二次元コードにおいて、前記第2の符号は、一定の符号か又は、擬似符号(PN符号)であることを特徴とする。情報セキュリティーの確度が向上する。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の再コード化一次元/二次元コードにおいて、前記空間周波数変換は、フーリエ変換、離散的コサイン(サイン)変換、ウェーブレット変換、アダマール変換、スミアー変換のいずれかであることを特徴とする。これにより通常の一次元/二次元コードリーダーでは読み込めないものとなる。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の再コード化一次元/二次元コードにおいて、前記再コード化器による再コード化は、前記一次元/二次元コードの画像データの画素数を拡張し、前記拡張された画素数と同じ画素数の前記第2の符号で再コード化したことを特徴とする。これにより、情報セキュリティーの確度と傷などへの耐性が向上する。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コードにおいて、前記再コード化後のデータを分散配置し、前記再コード復号化器による復号の場合には、前記復号の前に前記分散配置されたデータを可逆的に逆分散配置して前記再コード化後のデータが回復されうることを特徴とする。これにより、局所的傷への耐性が向上する。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コードにおいて、前記一次元/二次元コードのデータを分散配置し、前記再コード化を行い、前記再コード復号化器による復号の場合には前記復号化を行った後、前記分散配置されたデータを可逆的に逆分散配置して前記一次元/二次元コードが回復されうることを特徴とする。これにより、局所的傷への耐性が向上する。
【0013】
請求項7記載の発明は、再コード化一次元/二次元コードシステムであって、文字、符号、画像の全て又はいずれか又はその組み合わせの形状を入力する第1の形状入力器又は第1の形状取得器と、前記第1の形状入力器又は第1の形状取得器の出力データを変換し、一次元/二次元コードを作成する一次元/二次元コード化器と、前記一次元/二次元コードの画像データを第2の符号による処理又は/及び空間周波数変換を行い再コード化する再コード化器と、前記再コード化されたデータを入力する第2の形状入力器又は第2の形状取得器と、第2の形状入力器又は第2の形状取得器の出力データを可逆的に復号する再コード復号化器と、前記再コード復号化器の出力データを前記文字、符号、画像の全て又はいずれか又はその組み合わせの形状に変換する一次元/二次元コード復号器とを有することを特徴とする。これにより情報セキュリティーの確度が向上する。
【0014】
請求項8記載の発明は、再コード化一次元/二次元コード符号化装置であって、文字、符号、画像の全て又はいずれか又はその組み合わせの形状を入力する第1の形状入力器又は第1の形状取得器と、前記第1の形状入力器又は第1の形状取得器の出力データを変換し、一次元/二次元コードを作成する一次元/二次元コード化器と、前記一次元/二次元コードの画像データを第2の符号による処理又は/及び空間周波数変換を行い再コード化する再コード化器とを有することを特徴とする。これにより情報セキュリティーの確度が向上した符号化装置を提供できる。
【0015】
請求項9記載の発明は、再コード化一次元/二次元コード復号装置であって、一次元/二次元コードの画像データを第2の符号による処理又は/及び空間周波数変換を行い再コード化されたデータを入力する第2の形状入力器又は第2の形状取得器と、第2の形状入力器又は第2の形状取得器の出力データを可逆的に復号する再コード復号化器と、前記再コード復号化器の出力データを前記文字、符号、画像の全て又はいずれか又はその組み合わせの形状に変換する一次元/二次元コード復号器とを有することを特徴とする。これにより情報セキュリティーの確度が向上した復号化装置を提供できる。
【0016】
請求項10記載の発明は、請求項7記載の再コード化一次元/二次元コードシステム又は請求項8記載の再コード化一次元/二次元コード符号化装置又は請求項9記載の再コード化一次元/二次元コード復号装置において、前記第2の符号は、一定の符号か又は、擬似符号(PN符号)であることを特徴とする。これにより情報セキュリティーの確度が向上する。
【0017】
請求項11記載の発明は、請求項7記載の再コード化一次元/二次元コードシステム又は請求項8記載の再コード化一次元/二次元コード符号化装置又は請求項9記載の再コード化一次元/二次元コード復号装置において、前記空間周波数変換は、フーリエ変換、離散的コサイン変換、ウェーブレット変換、アダマール変換、スミアー変換のいずれかであることを特徴とする。これにより情報セキュリティーの確度が向上する。
【0018】
請求項12記載の発明は、請求項7又は請求項10記載の再コード化一次元/二次元コードシステム、又は請求項8又は請求項10記載の再コード化一次元/二次元コード符号化装置において、前記再コード化器による再コード化は、前記一次元/二次元コードの画像データの画素数を拡張し、前記拡張された画素数と同じ画素数の前記第2の符号で再コード化したことを特徴とする。これにより、情報セキュリティーの確度と傷への耐性が向上する。
【0019】
請求項13記載の発明は、請求項7、請求項10、請求項11、請求項12のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コードシステム又は請求項8、請求項10、請求項11、請求項12のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コード符号化装置又は請求項9、請求項10、請求項11のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コード復号装置において、前記再コード化後のデータを分散配置し、前記再コード復号化器による復号の場合には、前記復号の前に前記分散配置されたデータを可逆的に逆分散配置して前記再コード化後のデータが回復されうることを特徴とする。これにより、局所的傷への耐性が向上する。
【0020】
請求項14記載の発明は、請求項7、請求項10、請求項11、請求項12のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コードシステム、又は、請求項8、請求項10、請求項11、請求項12のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コード符号化装置、又は、請求項9、請求項10、請求項11のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コード復号装置において、前記一次元/二次元コードのデータを分散配置し、前記再コード化を行い、前記再コード復号化器による復号の場合には前記復号化を行った後、前記分散配置されたデータを可逆的に逆分散配置して前記一次元/二次元コードが回復されうることを特徴とする。これにより、局所的傷への耐性が向上する。
【0021】
請求項15記載の発明は、請求項9、請求項10、請求項11、請求項13、請求項14のいずれかひとつに記載の再コード化一次元/二次元コード復号装置、又は、請求項7、請求項10、請求項11、請求項12、請求項13、請求項14のいずれか一つに記載の再コード化一次元/二次元コードシステムにおいて、前記再コード化又は/及び前記再コード復号化のコード解読に要する時間又は/及び計算回数に上限を与えて不正な解読を防ぐことを特徴とする。これにより不正な解読を防ぐことが出来る。
【0022】
請求項16記載の発明は、請求項1から請求項15に記載の再コード化一次元/二次元コード、又は、再コード化一次元/二次元コードシステム、又は、再コード化一次元/二次元コード符号化装置、又は、再コード化一次元/二次元コード復号装置において、前記再コード化又は/及び前記再コード復号化の処理を複数回重複して施すことを特徴とする。これによるセキュリティーの確度が向上する。
【0023】
請求項17記載の発明は、請求項7、請求項10、請求項11、請求項12、請求項13、請求項14、請求項15、請求項16のいずれか一つに記載の再コード化一次元/二次元コードシステムにおいて、特定の前記再コード化に対応した再コード復号化の処理の符号又は/および手順を、解読を許可する特定の相手に送付することで、受領した特定の相手のみが解読処理を行うことを可能にしたことを特徴とする。これにより、遠隔の特定の相手にのみ解読を許すことが出来る。
【0024】
請求項18記載の発明は、請求項17記載の再コード化一次元/二次元コードシステムにおいて、前記再コード復号化又は/および前記解読の結果により、連絡、警告の処理を制御する様にしたことを特徴とする。これにより、解読時に処理出力を出すことが出来る。
【発明の効果】
【0025】
以上のように構成されているので、本発明による再コード化された一次元/二次元コードは、通常の一次元/二次元コードリーダでは読み取れず、更に、今までの一次元/二次元コードとは違って、再コード化の符号を知っている当事者しか読み取れない効果が発生し、再コード化の細かさの改善と分散配置の効果も加わり、秘話化の確度以外に傷に対する耐性も大幅に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
一次元/二次元コードを符号により再コード化する再コード化器とその結果を読み取り復号化する場合に、可逆的に復号できる再コード復号化器を備えた一次元/二次元コードとそのシステムと符号化器、復号化器であり、分散配置機能も付加すると最良の形態を提供できる。以下、実施例を用いて説明する。図1から図4においては、二次元コードを例にとり記述する。一次元コードの場合は、二次元コードの文字を一次元コードと文字を入れ替えれば、ほぼ同様となる。
【実施例】
【0027】
図1は、本発明による再コード化二次元コードと再コード化二次元コードシステム、再コード化二次元コード符号化装置、及び再コード化二次元コード復号装置を説明するブロック図である。コンピュータ等の端末から文字や符号の入力をするか、カメラ等の画像取得器101が文字や符号を取得すると、これを二次元コード化器102でソフトウェア処理し、文字や符号に対応する二次元コード像103に変換する。(尚、一次元コードの場合は、バーコード像103になる。)二次元コード像103は、このまま出力されては、従来と同じく誰にでも読み取られてしまうので出力されることはなく、更に再コード化器106で処理されて、再コード化後像107として出力される。(尚、一次元コードの場合は、再コード化により、一次元では無い、二次元の像にも成りえる。)再コード化器106では、二次元コード像103に対して、一定の符号やランダムに発生した擬似符合ノイズ(PN符号)で排他的論理和を取られる。擬似符合ノイズとしては、M系列やゴールド符号と呼ばれるデジタル的に発生する符合を使うことができる。排他的論理和を取るこの符号の周波数は、二次元コードのドットの繰り返し単位と同じでもよいし、それより細かく(高周波)てもよい。例えば、二次元コードの1ドットを処理するのに、その10倍の細かさで変化する符号を使うことができるということである。このようにすると、二次元コードの1ドットが白部1又は黒部0の部分が、10倍細かく白黒に符号により変化してしまい、二次元コード像の元の形状を留めない状態となる。従って、他人からは、全く、何が書いてあるかは読み取れない。細かく(高周波)すればするほど、処理された結果は、白黒が万遍なく分散して、二次元コードの形状のコントラストは低下してゆく。然しながら、このような状況の再コード化後像107を画像取得器104で取得し、再コード復号化器108で復号すると、二次元コード像に対応するデータが得られ、さらに、二次元コード復号化器105で復号すると元の文字や符号が得られる。尚、再コード化器106による処理と再コード復号化器108による処理は、可逆的処理になっていて、両者の処理で元のデータが得られる。ここで、図3を用い、再コード化器106と再コード化復号器108の動作を詳述する。
【0028】
図3は、本発明による再コード化二次元コードと再コード化二次元コードシステム、再コード化二次元コード符号化装置、及び再コード化二次元コード復号装置に使用する再コード化器と再コード化復号器の例と動作を説明する図である。排他的論理和(EXOR)素子301が再コード化器となっている。この入力として、二次元コードの画素データD(例としてここでは部分をとり、5ビットデータ、10110)が、再コード化符号C(ここでは、5ビットデータ、、00101)の入力によって、ビットごとに比較され、再コード化(入力が同じでは0出力、違う場合は1出力)され、出力E(ここでは、10011)として出ている。Cの符号が10ビットでは、2倍のレートで、即ち、データ1ビット分を2ビットで再符号化することができる。排他的論理和(EXOR)素子302、303は、再コード復号化器となっていて、再コード符号化されたデータ出力Eを、復号化符号により復号している。その場合、排他的論理和(EXOR)素子302では、再コード化符号Cと同じ復号化符号で処理している。その結果、復号された結果は、再符号化前のデータと同じ結果(ここでは、10110)が得られる。ところが、関係者以外の者が、これを復号する場合には、その再コード化符号Cを知ることができないので、違った符合C(ここでは、Cに比べ、最上位と最下位の1ビットが違っている10100)で処理した場合には、出力としてDが得られ、排他的論理和(EXOR)素子302の出力とは違った結果(ここでは、00111)となり、復号できていない結果となり、他人には読み取ることができない。前述したように、再コード化符号は一定でもよいが、日、時間、部署、個人などの適当な条件により、符号をランダムに発生することができるので、他人に読み取られる心配は皆無となる。当事者側は、どのような場合にどの符号になっていたかの対応付けができていれば、どの場合にはどの符号で復号すればよいと分かるので復号時に困ることはない。このような、符号をデジタル的に発生するものは、M系列符号などが知られていて、ハードウェア、又はソフトウェア的に発生することができ、ランダムといっても全くのノイズと違い、規則性のある符号である。尚、再コード化については、他に、フーリエ変換と逆フーリエ変換の様に、可逆的な空間(画素)上の周波数変換を利用することもできる。同様な変換として、離散的コサイン(サイン)変換、ウェーブレット変換、アダマール変換、スミアー変換なども使用できる。又、再コード化は、上記の符号によるコード化と空間上の周波数変換の両方を使って行うこともでき、この場合には、再コード化後の形状は更に複雑でセキュリティーの確度は更に増大する。勿論、復号では、両方の逆変換を逆順に行い、可逆的に戻る事が出来る。尚、再コード化器及び、再コード復号化器には、排他的論理和を使用した例を述べたが、これにこだわるものではない。
【0029】
表1は途中付加ノイズに対する再コード化、再コード復号化での細かさ(周波数)の効果の例を説明する図である。初期のデータは、2ビット(1、0)の数値であり、これを2種類の再コード化処理を施した例を比較している。即ち、2ビット及び10ビット(5倍の細かさ)で再符号化し、再復号化した例である。10ビットの処理では、初期のデータの2ビットを各々、11111、00000に拡張している。初期データに再コード化符号(0、1)及び、(01101、00110)を適用する。その結果、再コード化後の結果は、(1、1)及び、(10010、00110)となり、途中付加ノイズ1ビットの挿入があった後は、(1、0)及び(00010、00111)となり、再コード化符号と同じ符号で復号した後の結果は、(1,1)及び(01111、00001)となり、2ビット処理では、誤りが分からないのに対して、10ビット処理では、付加ノイズによる発生確率は、1/5なので、データは、(1、0)と読むことができる。二次元コードでは、データを場所的に分散して配置されているので、不可ノイズが一部の箇所に集中しても、このように、処理の細かさを細かくすれば、更に付加ノイズによる誤りを復元する能力を改善することができる。更に又、再コード化後の結果は、再符号化、再復号化での細かさを細かくすれば、1ビットのデータが多数のデータに分散するので、これを適当な規定のルールで分散配置をした結果を再コード化後結果とする機能を付加すると、その二次元画像の一部に傷などのノイズが入った場合にも、他の部分は正常であるので、逆分散配置と再復号化により、二次元コードのデータが再現される。分散配置と融合して、再コード化は、ノイズによる影響を回避する有効な手段となる。
【0030】
【表1】

【0031】
図4は、再コード化に分散配置を付加した本発明の一実施態様を示す図である。処理の内容を詳述し、秘話化と耐ノイズ耐性について具体的に説明するものである。入力文字や符号に対して、通常の二次元コード作成により二次元コード401が作られる。この二次元コードは、このままでは、コードリーダーにより誰にでも読み取れる通常使われているものである。このデータに対して再コード化を行う。図は、4画素を1セルとし、4倍の16画素に拡張して再コード化する例を示している。4画素からなる二次元コードセル402を右の拡大部の様に16画素に拡張する。再コード化符号403を適用し、再コード化後データが得られる。二次元コードの他の全てのセルについて、同様に再コード化を行う。再コード化においては、再コード化符号403がセル毎に同じでも違っていてもよい。違う場合は、秘話化の度合いが大きくなる。各セルについての再コード化後セル像404について、画素のデータを異なるセルの位置に出来るだけ均一に分散して配置する。即ち、ここでは、16個の画素が別のセルに配置される。このため、一部の特定の近傍のデータが傷などで破壊されても、16分の1のデータのみ壊れるだけなので、復号化による復元が可能となる。二次元コードの作成においても分散がなされているので、復元機能は、更に向上している。以上の再符号化の結果、最終的な再コード化・分散後像405が完成する。これは、図1の再コード化後像107に対応する。再コード化後像405は、他人が読み取っても全く読み取れない。分散配置と再コード化のやり方が全く分からないからである。ところが、やり方が分かっている当事者は、この再コード化・分散後像405を画像読み取りし、逆分散配置(元の配置に戻すこと)の後、同じ再コード化符号403で再コード化復号(排他的論理和EXORをとる)すると、二次元コードデータ402が復元され、全部のセルにつき処理をすると、二次元コード全体が復号(復元)でき、通常の二次元コードリーダーにより読み込めることになる。尚、再コード化器及び、再コード復号化器には、排他的論理和を使用した例を述べたが、図4においても、これにこだわるものではない。
【0032】
以上の説明では、二次元コードで説明したが、一次元コードは、バーコードに見るように、線の並びなので二次元コードより単純であり、再コード化の考えは同様に適用できることは明らかである。以上の説明で分かるように、本発明による再コード化一次元/二次元コードと再コード化一次元/二次元コードシステム、再コード化一次元/二次元コード符号化装置、及び再コード化一次元/二次元コード復号装置では、情報を伝える一次元/二次元コードに情報漏洩に対するセキュリティーの機能と、途中付加ノイズに対する耐性の機能を付加することができ、今までにない一次元/二次元コードを実現できる。尚、再コード化器や再コード復号化器や分散配置を行う機能部は、その機能を果すプログラムとコンピュータとの融合した形態であったり、コンピュータとプログラムが分かれた形態であってもよい。即ち、プログラム単体の形態も本願の主張する機能を有するかぎり本発明の範囲である。
【0033】
今までの説明では、二次元コードを例にしてきたが、バーコードなどの一次元コードでも同じことが出来るのは、論を待たず、本願の主張する機能を有するかぎり本発明の範囲である。又、本発明により、情報のセキュリティーは格段に上がるが、トップクラスのセキュリティーを確保する場合は、コンピュータを使って不正にコード解明を行うものに対して、コード解明に要する時間や読み込み回数に上限を与えて、これを上回る場合は、解明動作を受け付けない処理が可能である。又、更にセキュリティーを挙げる方法として、再コード化及び、再コード化復号の手法、又は/及び、分散配置を複数回重複して行うことも可能となる。例えば、再コード化後に分散配置して、その後に別の符号で再コード化した処理などこのセキュリティーを上げる処理の組み合わせは無限に可能である。この場合、重複するものが、同じ処理を適用するか、異なる処理を適用するかのいずれも可能である。勿論、復号においては、この逆の処理を行う。
【0034】
本発明の利用形態として、特定の再コード化に対応して、再コード復号化の処理の符号又は手順を特定の相手に送付することで、それを受け取った者(許可された者)のみが、解読して、その後の処理を行うことが出来るなど、セキュリティーを確保した状態で遠隔者への情報伝達が可能である。更に、これらのコードを解読できないと、他の処理が出来ないか、他の処理を行うなどのキーに使うことが出来る。例えば、解読されないと、後の重要文書が送られないとか、「許可者以外読みとれません」の表示や警告が出るとか、重要な犯罪に繋がるものでは、自動的に警察に連絡がいくとかの処理のためのキーとして使うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上の様に、本発明による再コード化一次元/二次元コードと再コード化一次元/二次元コードシステム、再コード化一次元/二次元コード符号化装置、及び再コード化一次元/二次元コード復号装置では、極めて情報セキュリティーの高い一次元/二次元コードのシステムを実現できるので、他人に解読されたくないものの符号化に極めて有効な手段となり、産業上大きな利用性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る再コード化二次元コードと再コード化二次元コードシステム、再コード化二次元コード符号化装置、及び再コード化二次元コード復号装置を説明するブロック図である。
【図2】従来の二次元コードとそのシステムを説明する図である。
【図3】本発明に係る再コード化二次元コードと再コード化二次元コードシステム、再コード化二次元コード符号化装置、及び再コード化二次元コード復号装置に使用する再コード化器と再コード化復号器の例と動作を説明する図である。
【図4】再コード化に分散配置を付加した本発明の一実施態様を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
101、104、201、204 画像取得器
102、202、 二次元コード化器
103、203 二次元コード像
105、205 二次元コード復号化器
106 再コード化器
107 再コード化後像
108 再コード復号化器
301、302、303 排他的論理和(EXOR)素子
401 二次元コード
402 二次元コードセル
403 再コード化符号
404 再コード化後セル像
405 再コード化・分散後像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字、符号、画像の全て又はいずれか又はその組み合わせの形状が符号化された一次元/二次元コードの画像データを第2の符号による処理又は/及び空間周波数変換を行う再コード化器により再コード化され、且つ、前記再コード化器による再コード化処理を可逆的に戻す再コード復号化器により、元の前記一次元/二次元コードが再生されうることを特徴とする再コード化一次元/二次元コード。
【請求項2】
前記第2の符号は、一定の符号か又は、擬似符号(PN符号)であることを特徴とする請求項1記載の再コード化一次元/二次元コード。
【請求項3】
前記空間周波数変換は、フーリエ変換、離散的コサイン(サイン)変換、ウェーブレット変換、アダマール変換、スミアー変換のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の再コード化一次元/二次元コード。
【請求項4】
前記再コード化器による再コード化は、前記一次元/二次元コードの画像データの画素数を拡張し、前記拡張された画素数と同じ画素数の前記第2の符号で再コード化したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の再コード化一次元/二次元コード。
【請求項5】
前記再コード化後のデータを分散配置し、前記再コード復号化器による復号
の場合には、前記復号の前に前記分散配置されたデータを可逆的に逆分散配置して前記再コード化後のデータが回復されうることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コード。
【請求項6】
前記一次元/二次元コードのデータを分散配置し、前記再コード化を行い、前記再コード復号化器による復号の場合には前記復号化を行った後、前記分散配置されたデータを可逆的に逆分散配置して前記一次元/二次元コードが回復されうることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コード。
【請求項7】
文字、符号、画像の全て又はいずれか又はその組み合わせの形状を入力する第1の形状入力器又は第1の形状取得器と、前記第1の形状入力器又は第1の形状取得器の出力データを変換し、一次元/二次元コードを作成する一次元/二次元コード化器と、前記一次元/二次元コードの画像データを第2の符号による処理又は/及び空間周波数変換を行い再コード化する再コード化器と、前記再コード化されたデータを入力する第2の形状入力器又は第2の形状取得器と、第2の形状入力器又は第2の形状取得器の出力データを可逆的に復号する再コード復号化器と、前記再コード復号化器の出力データを前記文字、符号、画像の全て又はいずれか又はその組み合わせの形状に変換する一次元/二次元コード復号器とを有することを特徴とする再コード化一次元/二次元コードシステム。
【請求項8】
文字、符号、画像の全て又はいずれか又はその組み合わせの形状を入力する第1の形状入力器又は第1の形状取得器と、前記第1の形状入力器又は第1の形状取得器の出力データを変換し、一次元/二次元コードを作成する一次元/二次元コード化器と、前記一次元/二次元コードの画像データを第2の符号による処理又は/及び空間周波数変換を行い再コード化する再コード化器とを有することを特徴とする再コード化一次元/二次元コード符号化装置。
【請求項9】
一次元/二次元コードの画像データを第2の符号による処理又は/及び空間周波数変換を行い再コード化されたデータを入力する第2の形状入力器又は第2の形状取得器と、第2の形状入力器又は第2の形状取得器の出力データを可逆的に復号する再コード復号化器と、前記再コード復号化器の出力データを前記文字、符号、画像の全て又はいずれか又はその組み合わせの形状に変換する一次元/二次元コード復号器とを有することを特徴とする再コード化一次元/二次元コード復号装置。
【請求項10】
前記第2の符号は、一定の符号か又は、擬似符号(PN符号)であることを特徴とする請求項7記載の再コード化一次元/二次元コードシステム又は請求項8記載の再コード化一次元/二次元コード符号化装置又は請求項9記載の再コード化一次元/二次元コード復号装置。
【請求項11】
前記空間周波数変換は、フーリエ変換、離散的コサイン変換、ウェーブレット変換、アダマール変換、スミアー変換のいずれかであることを特徴とする請求項7記載の再コード化一次元/二次元コードシステム又は請求項8記載の再コード化一次元/二次元コード符号化装置又は請求項9記載の再コード化一次元/二次元コード復号装置。
【請求項12】
前記再コード化器による再コード化は、前記一次元/二次元コードの画像データの画素数を拡張し、前記拡張された画素数と同じ画素数の前記第2の符号で再コード化したことを特徴とする請求項7又は請求項10記載の再コード化一次元/二次元コードシステム、又は請求項8又は請求項10記載の再コード化一次元/二次元コード符号化装置。
【請求項13】
前記再コード化後のデータを分散配置し、前記再コード復号化器による復号の場合には、前記復号の前に前記分散配置されたデータを可逆的に逆分散配置して前記再コード化後のデータが回復されうることを特徴とする請求項7、請求項10、請求項11、請求項12のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コードシステム又は請求項8、請求項10、請求項11、請求項12のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コード符号化装置又は請求項9、請求項10、請求項11のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コード復号装置。
【請求項14】
前記一次元/二次元コードのデータを分散配置し、前記再コード化を行い、前記再コード復号化器による復号の場合には前記復号化を行った後、前記分散配置されたデータを可逆的に逆分散配置して前記一次元/二次元コードが回復されうることを特徴とする請求項7、請求項10、請求項11、請求項12のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コードシステム、又は、請求項8、請求項10、請求項11、請求項12のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コード符号化装置、又は、請求項9、請求項10、請求項11のいずれかに記載の再コード化一次元/二次元コード復号装置。
【請求項15】
前記再コード化又は/及び前記再コード復号化のコード解読に要する時間又は/及び計算回数に上限を与えて不正な解読を防ぐことを特徴とする請求項9、請求項10、請求項11、請求項13、請求項14のいずれかひとつに記載の再コード化一次元/二次元コード復号装置、又は、請求項7、請求項10、請求項11、請求項12、請求項13、請求項14のいずれか一つに記載の再コード化一次元/二次元コードシステム。
【請求項16】
前記再コード化又は/及び前記再コード復号化の処理を複数回重複して施すことを特徴とする請求項1から請求項15に記載の再コード化一次元/二次元コード、又は、再コード化一次元/二次元コードシステム、又は、再コード化一次元/二次元コード符号化装置、又は、再コード化一次元/二次元コード復号装置。
【請求項17】
特定の前記再コード化に対応した再コード復号化の処理の符号又は/および手順を、解読を許可する特定の相手に送付することで、受領した特定の相手のみが解読処理を行うことを可能にしたことを特徴とする請求項7、請求項10、請求項11、請求項12、請求項13、請求項14、請求項15、請求項16のいずれか一つに記載の再コード化一次元/二次元コードシステム。
【請求項18】
前記再コード復号化又は/および前記解読の結果により、連絡、警告の処理を制御する様にしたことを特徴とする請求項17記載の再コード化一次元/二次元コードシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−42054(P2007−42054A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335102(P2005−335102)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(396020132)株式会社システック (101)
【Fターム(参考)】