説明

再パラメータ化されたブルズアイ表示

本発明は、特に心臓の分析に対して、第1のブルズアイ表示において、第1の画像データに表される対象の第1の定量分析の結果を視覚化するシステムに関する。第1の画像データは第1の複数のデータスライスを含み、当該システムは、第1の複数のデータスライスのうちの1つのデータスライスを第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけるスライスユニット、第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さを計算する半径ユニット、及び、
第1のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算する値ユニットを含み、第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、対象に対する、第1の複数のデータスライスのうち、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスの位置に基づき定められる。第1のブルズアイ表示の同心円の半径の、対象に対する、前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられるデータスライスの位置に対する依存は、対象の形状に基づき、第1のブルズアイ表示に対する目標とする骨組みを定める。従って、第2のブルズアイ表示の同心円の半径の長さも、対象に対する、前記第2のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスの位置に基づき定められる場合に、第1のブルズアイ表示において視覚化される対象の第1の定量分析の結果は、第2のブルズアイ表示において視覚化される第2の画像データに表された同じ対象の第2の定量分析の結果とより容易に比較することができる。一実施形態において、各ブルズアイ表示における相当する位置は、結合されたポインターによって指示することができる。さらに、各ポインターがブルズアイ表示の1つにおけるそれぞれのポインターに結合されたさらなるポインターを、第1及び第2の画像データの対応するデータスライスにおける対応する位置を指摘するよう適用させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブルズアイ表示における定量分析結果の視覚化に関し、特に、心臓の定量分析結果の視覚化に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓画像を利用して、局所的な心筋の機能、灌流、及び、生存能を決定することができる。現今、そのような画像は、磁気共鳴画像法(MRI)、コンピュータ断層撮影法(CT)、超音波(US)、及び、核医学(PET/SPECT)等、種々の様式を使用して得ることができる。機能、灌流、及び、生存能に対する画像は、1つの様式(MRI)を使用して、又は、例えばPET/CT等のハイブリッド画像を使用して得ることができる。
【0003】
取得後、画像は独立して分析され、心筋の種々の位置で行われる多くの測定をもたらす。壁の動きの異常を定量化するために機能画像が使用され、灌流不足を定量化するために灌流画像が使用され、心筋の瘢痕を定量化するために生存能画像が使用される。
【0004】
これらの測定によって、いわゆるブルズアイ表示に通常表示される定量データが生じ、ブルズアイ表示では、測定値は色分けされ、長軸に垂直な平面上に投影される。
【0005】
現在の心臓分析ソフトウェアパッケージはブルズアイ表示を生じ、ブルズアイ表示の各円は、取得された多量の画像における特定のスライスに対応する。総合の心臓検査が行われる場合、ブルズアイ表示は、各走査から得られた(局所)測定に基づき作製される。これらのブルズアイ表示は、次に、総合報告書に含められる。ブルズアイ表示に表示することができる機能測定は:拡張終期の壁厚、収縮終期の壁厚、壁肥厚(絶対及び相対両方)、壁運動、最大収縮の時間、最大壁厚等である。ブルズアイ表示に表示することができる灌流関連の測定は、ピーク強度の時間、最大勾配の時間、安静/緊張の勾配比等を含む。ブルズアイ表示に表示することができる生存能関連の測定は:生存可能な組織のパーセンテージ、生存可能な組織の厚さ、貫壁性指標等である。
【0006】
残念ながら、現在の走査手順は、同じ解像度での機能、灌流、及び、生存能の画像を取得することをまだ可能にしていない。その結果、取得された画像の積み重ねは、スライスの厚さ、スライスの間隔、及び、スライスの数に対して異なる。従って、引き出されたブルズアイ表示は、機能、灌流、及び、生存能のブルズアイ表示に含まれた補足情報を比較するのが困難になるように、任意に分布された異なる数の円から成る。これは、(a)厚さ8mmの10〜15の連続したスライスを有する機能画像データ、(b)厚さ20mm及びギャップ10mmの3つのスライスの灌流画像、及び、(c)厚さ6mmの15〜20のスライスの生存能画像を含む総合心臓MR検査から得られたブルズアイ表示を示した図1Aにおいて例示されている。図1Aにおけるブルズアイ表示は、実質的に同じサイズのものであるよう調整されている。
【0007】
心臓の断層撮影に対する標準化された心筋の区分は、American Heart Association(AHA)によって提案されてきた。AHAの提案は、(http://circ.ahajournals.org/cgi/content/short/105/4/539にてオンラインで入手可能な)AHA Scientific Statement:Standardized Myocardial Segmentation and Nomenclature for Tomographic Imaging of the Heart,Circulation 2002;105:539−542に記載されている。図1Bは、AHAモデルに従った(a)左心室のブルズアイ表示のセクター、及び、(b)対応する心筋のスライス及びセクターを概略的に示している。AHAは、心臓の長軸に垂直な等しい三等分に左心室を分割して、左心室の3つのスライス:すなわち、セクター1から6を含む円形の基底のスライス1、セクター7から12を含む中間腔のスライス2、及び、セクター12から16を含む頂上の短軸のスライス3を生じることを推奨している。最後のセクターである頂点17は、垂直の長軸スライス4で示されている。スライスの厚さは、様式特異的解像度及び臨床的関連性に基づき選択されるべきであり、1cm未満であるべきである。AHAの分割は、異なる心臓検査定量分析の比較を可能にするけれども、提案された視覚化は、前記3つのスライスに含まれていない多量のデータを無視することが多くある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
第1のブルズアイ表示における第1の画像データに含まれた構造体の定量分析結果の視覚化を改善するシステムであって、第1のブルズアイ表示は、第2の画像データに記載された同じ構造体の定量分析結果を視覚化する第2のブルズアイ表示と容易に比較することができるシステムを有することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、独立請求項によって定められる。有利な実施形態が、従属請求項において定められている。
【0010】
従って、一態様において、本発明は、第1の複数のデータスライスを含む第1の画像データに表された対象の第1の定量分析の結果を第1のブルズアイ表示において視覚化するシステムであって:
第1の複数のデータスライスのうちの1つのデータスライスを第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけるスライスユニット;
第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さを計算する半径ユニット;及び、
第1のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算する値ユニット;
を含み、
第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、対象に対する、第1の複数のデータスライスのうち、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスの位置に基づき定められるシステムを提供する。
【0011】
半径は、例えば、円の外半径又は内半径であり得る。第1のブルズアイ表示の同心円の半径の、対象に対する、前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられるデータスライスの位置に対する依存は、対象の形状に基づき、第1のブルズアイ表示に対する目標とする骨組みを定める。従って、第2のブルズアイ表示の同心円の半径の長さも、対象に対する、前記第2のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスの位置に基づき定められる場合に、第1のブルズアイ表示において視覚化される対象の第1の定量分析の結果は、第2のブルズアイ表示において視覚化される第2の画像データに表された同じ対象の第2の定量分析の結果とより容易に比較することができる。これは、第1の複数のデータスライスのうち、対象に対して特定の位置での1つのスライスに関連づけられた同心円の半径の長さが、第2の複数のデータスライスのうち、対象に対して類似の位置での1つのスライスに関連づけられた同心円の半径の長さに類似するためである。
【0012】
当該システムの一実施形態において、同心円に関連づけられたデータスライスはデータセクターを含み、スライスユニットは、同心円のリングセクターにデータスライスのデータセクターを関連づけるためのスライスセクターユニットをさらに含み、値ユニットは、同心円のリングセクターに関連づけられたデータセクターに基づき、同心円のリングセクターにおいて表示するための少なくとも1つの値を計算するためのセクター値ユニットを含み、同心円に対するリングセクターの位置は、対象に対する、リングセクターに関連づけられたデータセクターの位置に基づき定められる。より小さなセクターを選ぶことによって、第1のブルズアイ表示の解像度を上げることが可能である。各セクターの位置は、対象に対する相当するデータセクターの位置に基づいているため、第1のブルズアイ表示に対する目標となる骨組みは、より詳細な対象の形状に基づいている。
【0013】
当該システムの一実施形態において、第1のブルズアイ表示は、スライス間のギャップに一致する同心円のギャップを含む。これは、第1の画像データが乏しく、例えば、第1の複数のデータスライスのデータスライス間のギャップを含む場合に必要であり得る。リングギャップは、データスライス間のギャップに一致する。
【0014】
一実施形態において、当該システムは、第1のブルズアイ表示の同心円のギャップにおいて表示するための少なくとも1つの値を、第1の複数のデータスライスのうち、リングギャップに隣接する同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算するための近似ユニットをさらに含む。例えば、当該システムは、第1の画像データの欠けているデータスライスを補間するよう適応させることができる。リングギャップにおける値は、補間されたデータスライスに基づき計算することができる。
【0015】
当該システムの一実施形態において、第1のブルズアイ表示の同心円のギャップにおいて表示するための少なくとも1つの値は、リングギャップに隣接する同心円において表示するための値に基づき計算され、該値は、第1の複数のデータスライスのうち、ギャップに隣接する同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算される。例えば、ブルズアイ表示の値の放射(radial)補間(1次元)又は極(polar)補間(2次元)を使用して、当該システムは、リングギャップにおいて表示するための値を計算するよう適応させることができる。
【0016】
当該システムの一実施形態において、第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、第1の複数のデータスライスのうち、同心円に関連づけられたデータスライスと、対象の特定の特徴との距離に基づき計算される。前記距離は、スライスの上面と対象の点特性との距離として定義することができる。
【0017】
当該システムの一実施形態において、第1のブルズアイ表示の同心円の幅は、第1の複数のデータスライスのうち1つのデータスライスの厚さに基づき計算される。
【0018】
当該システムの一実施形態において、第1のブルズアイ表示は実質的に滑らかで、すなわち、ブルズアイの表示において視覚化可能であるスライスの境界線に一致するリングの端は実質的に存在しない。これは、例えば第1の複数のデータスライスが多数の薄いデータスライスを含む場合に、又は、補間を使用して、達成することができる。
【0019】
一実施形態において、当該システムは、第2のブルズアイ表示において、第2の複数のデータスライスを含む第2の画像データの第2の定量分析の結果を視覚化するようさらに適応される。この実施形態では:
スライスユニットが、第2の複数のデータスライスのうちの1つのデータスライスを第2のブルズアイ表示の同心円に関連づけるよう適応され;
半径ユニットが、第2のブルズアイ表示の同心円の半径の長さを計算するよう適応され;
値ユニットが、第2のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を、第2のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算するよう適用され;
第2のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、対象に対する、第2の複数のデータスライスのうち、第2のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスの位置に基づき定められる。
【0020】
例えば、それぞれ、機能及び灌流分析の結果を示す第1及び第2のブルズアイ表示は、医師による容易な目視検査のために、互いに隣り合わせて表示することができる。
【0021】
当該システムの一実施形態において、第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さ、及び、第2のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、それぞれ、第1の複数のデータスライスのうちの1つのデータスライス、及び、第2の複数のデータスライスのうちの1つのデータスライスから、対象の特定の特徴までの距離に基づき計算される。
【0022】
一実施形態において、当該システムは:
第1の指示器を使用して、第1のブルズアイ表示において第1の位置を指示し、第2の指示器を使用して、第2のブルズアイ表示において第2の位置を指示するユーザー入力を受けるための指示入力ユニット;及び、
ユーザー入力に基づき、第1の指示器を使用して、第1のブルズアイ表示において第1の位置を指示し、第2の指示器を使用して、第2のブルズアイ表示において第2の位置を指示するための指示ユニット;
をさらに含み、第1及び第2の位置は、それぞれ、第1及び第2のブルズアイ表示に対して実質的に同じである。
【0023】
このように、指示された第1及び第2の位置は、第1及び第2の画像データにおける同じ位置に実質的に相当する。第1及び第2のブルズアイ表示は、ディスプレイ上に表示される。指示器は、第1及び第2の定量分析の結果を使用者が比較するのに寄与する。
【0024】
一実施形態において、当該システムは、第1の位置を含む第1の円を、第1の円に関連づけられた第1のデータスライスに基づき決定する、及び、第2の位置を含む第2の円を、第2の円に関連づけられた第2のデータスライスに基づき決定するためのスライス決定ユニットをさらに含む。従って、第1及び第2の円の比較が可能である。任意選択で、対応する第1及び第2のデータスライスも、対応するブルズアイ表示の隣に表示することができる。
【0025】
当該システムの一実施形態において、第1のブルズアイ表示において第1の位置を示すユーザー入力は、第1の複数のデータスライスの特定のデータスライスにおいて特定の位置を含む。この実施形態では、使用者は、第1の複数のデータスライスを通過することができる。当該システムは、目視するために使用者によって選択されたスライスを表示するよう適応される。使用者は、表示されたスライスを目視し、特定のスライスにおける特定の位置を選択することができる。この特定の位置は、第1の指示器を使用して、第1のブルズアイ表示の特定のスライスに関連付けられた円において、指示ユニットによって示される。
【0026】
本発明のさらなる態様において、当該システムは、レポートを作成するためのレポートシステムに含まれる。
【0027】
本発明のさらなる態様において、当該システムは、画像取得装置に含まれる。
【0028】
本発明のさらなる態様において、当該システムは、ワークステーションに含まれる。
【0029】
さらなる態様において、本発明は、第1のブルズアイ表示において、第1の複数のデータスライスを含む第1の画像データに表された対象の第1の定量分析の結果を視覚化する方法であって:
第1の複数のデータスライスのうちの1つのデータスライスを第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけるスライス段階;
第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さを計算する半径段階;及び、
第1のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算する値段階;
を含み、
第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、対象に対する、第1の複数のデータスライスのうち、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスの位置に基づき定められる。
【0030】
本発明のさらなる態様において、コンピュータ装置によってロードされることになるコンピュータプログラムが提供され、該コンピュータプログラムは、第1のブルズアイ表示において、第1の複数のデータスライスを含む第1の画像データにおいて表された対象の第1の定量分析の結果を視覚化するための指示を含み、コンピュータ装置は、処理ユニット及びメモリを含み、コンピュータプログラムは、ロードされた後、前記処理ユニットに、以下のタスク:
第1の複数のデータスライスのうちの1つのデータスライスを、第1のブルズアイ表示の同心円に関連付けるタスク;
第1のブルズアイの表示の同心円の半径の長さを計算するタスク;及び、
第1のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算するタスク;
を実行する能力を提供し、
第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、対象に対する、第1の複数のデータスライスのうち、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスの位置に基づき定められる。
【0031】
本発明における上記の実施形態、実行、及び/又は、態様のうち2つ以上を、有用であると考えられるいかなる方法においても組み合わせることができるということを、当業者は正しく理解するはずである。
【0032】
記述した当該システムの修正及び変更に一致する、レポートシステム、画像取得装置、ワークステーション、方法、及び/又は、コンピュータプログラムの修正及び変更は、本明細書に基づき当業者によって実行することができる。
【0033】
当該方法は、例えば、それだけに限られないが、標準的なX線画像化、コンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)、超音波(US)、陽電子放射断層撮影法(PET)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、及び、核医学(NM)等、種々の取得様式によって取得された、3次元又は4次元の画像等の多次元の画像データに適用することができるということを当業者は正しく理解するはずである。
【0034】
本発明の前記及び他の態様が、以下に記載の実行及び実施形態から付随の図面を参考にして明らかになり、以下に記載の実行及び実施形態に関して付随の図面を参考にして説明される。
【0035】
同じ参照番号が、図面を通して類似の部分を示すよう使用される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】機能、灌流、及び、生存能の走査に対する、例示的な先行技術のブルズアイ表示を示している。
【図1B】AHAモデルに従って、左心室のブルズアイ表示セクター、並びに、対応する心筋のスライス及びセクターを概略的に示している。
【図2】当該システムの例示的な実施形態のブロック図を概略的に示している。
【図3】本発明による、機能、灌流、及び、生存能の走査に基づく例示的なブルズアイ表示を示している。
【図4】指示された位置をそれぞれ示した例示的なブルズアイ表示、及び、指示された位置を含む円に関連づけられたデータスライスからコンピュータ処理された例示的な画像を示している。
【図5】指示された円をそれぞれ示した例示的なブルズアイ表示、及び、指示された円に関連づけられたデータスライスからコンピュータ処理された例示的な画像を示している。
【図6】レポートシステムの例示的な実施形態を概略的に示している。
【図7】当該方法の例示的な実行の流れ図を示している。
【図8】画像取得装置の例示的な実施形態を概略的に示している。
【図9】ワークステーションの例示的な実施形態を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図2は、第1の複数のデータスライスを含む第1の画像データに表された対象の第1の定量分析の結果を第1のブルズアイ表示において視覚化するシステム200の例示的な実施形態のブロック図を概略的に示し、システム200は:
第1の複数のデータスライスのうちの1つのデータスライスを第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけるスライスユニット210;
第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さを計算する半径ユニット215;及び、
第1のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算する値ユニット220;
を含み、
第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、対象に対する、第1の複数のデータスライスのうち、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスの位置に基づき定められる。
【0038】
システム200の例示的な実施形態において、
スライスユニット210は、同心円のリングセクターにデータスライスのデータセクターを関連づけるためのスライスセクターユニット212をさらに含み、
値ユニット220は、同心円のリングセクターに関連づけられたデータセクターに基づき、同心円のリングセクターにおいて表示するための少なくとも1つの値を計算するためのセクター値ユニット222を含み、
同心円に関するリングセクターの位置は、対象に対する、リングセクターに関連づけられたデータセクターの位置に基づき定められる。
【0039】
システム200の例示的な実施形態は、以下のユニット:
第1のブルズアイ表示の同心円のギャップにおいて表示するための少なくとも1つの値を、第1の複数のデータスライスのうち、リングギャップに隣接する同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算するための近似ユニット230;
第1の位置を含む第1の円を、第1の円に関連づけられた第1のデータスライスに基づき決定する、及び、第2の位置を含む第2の円を、第2の円に関連づけられた第2のデータスライスに基づき決定するためのスライス決定ユニット240;
システム200における作業の流れを制御するための制御ユニット260;
システム200の使用者と通信するためのユーザーインターフェース265;
データを記憶するためのメモリユニット270;
をさらに含む。
【0040】
システム200の一実施形態において、受信データに対して3つの入力コネクタ281、282、及び、283が存在する。第1の入力コネクタ281は、それだけに限定されないが、ハードディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、又は、光ディスク等のデータ記憶手段から届くデータを受けるよう配置されている。第2の入力コネクタ282は、それだけに限定されないが、マウス又はタッチスクリーン等のユーザー入力装置から届くデータを受けるよう配置されている。第3の入力コネクタ283は、キーボード等のユーザー入力装置から届くデータを受けるよう配置されている。入力コネクタ281、282、及び、283は、入力制御ユニット280に接続される。
【0041】
システム200の一実施形態において、発信データに対して2つの出力コネクタ291及び292が存在する。第1の出力コネクタ291は、ハードディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、又は、光ディスク等のデータ記憶手段にデータを出力するよう配置されている。第2の出力コネクタ292は、表示装置にデータを出力するよう配置されている。出力コネクタ291及び292は、出力制御ユニット290を介してそれぞれのデータを受ける。
【0042】
システム200の入力装置を入力コネクタ281、282、及び、283に、且つ、出力装置を出力コネクタ291及び292に接続する方法が多くあると当業者は理解するはずである。これらの方法は、それだけに限定されないが、有線及び無線接続、それだけに限定されないが、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)等のディジタルネットワーク、インターネット、ディジタル電話網、並びに、アナログ電話網を含む。
【0043】
システム200の一実施形態において、システム200は、メモリユニット270を含む。システム200は、入力コネクタ281、282、及び、283のうちいずれを介しても外部装置から入力データを受けるよう、並びに、受信した入力データをメモリユニット270に記憶するよう配置される。入力データをメモリユニット270内にロードすることは、システム200のユニットによる関連するデータ部分への迅速なアクセスを可能にする。入力データは、例えば、第1の画像データを含み得る。任意選択で、入力データは、データセクター、ブルズアイ表示のリングセクター、及び、前記ブルズアイ表示のリングセクターと構造セクターとの一致の定義をさらに含み得る。メモリユニット270は、それだけに限らないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)チップ、リードオンリーメモリ(ROM)チップ、並びに/又は、ハードディスク装置及びハードディスク等の装置によって実行することができる。メモリユニット270は、さらに、出力データを記憶するよう配置することができる。出力データは、例えば、計算された第1のブルズアイ表示データを含み得る。メモリユニット270は、メモリバス275を介してシステム200のユニットからのデータを受ける、及び/又は、システム200のユニットにデータを届けるよう配置することもでき、システム200のユニットは、スライスセクターユニット212をさらに含むスライスユニット210、半径ユニット215、セクター値ユニット222をさらに含む値ユニット220、近似ユニット230、スライス決定ユニット240、制御ユニット260、及び、ユーザーインターフェース265を含む。メモリユニット270は、さらに、出力コネクタ291及び292のいずれかを介して、外部装置に対して出力データを利用可能にするよう配置される。システム200のユニットからのデータをメモリユニット270に記憶することによって、システム200のユニットの性能、並びに、システム200のユニットから外部装置まで出力データを伝達する速度が有利に改善される。
【0044】
あるいは、システム200は、メモリユニット270及びメモリバス275を含まない場合がある。システム200によって使用される入力データは、システム200のユニットに接続された外部メモリ又はプロセッサ等の少なくとも1つの外部装置によって供給することができる。同様に、システム200によって生成された出力データは、システム200のユニットに接続された外部メモリ又はプロセッサ等の少なくとも1つの外部装置に供給することができる。システム200のユニットは、内部接続を介して、又は、データバスを介して、互いからデータを受けるよう配置することができる。
【0045】
システム200の一実施形態において、システム200は、システム200における作業の流れを制御する制御ユニット260を含む。制御ユニットは、システム200のユニットから制御データを受けるよう、及び、システム200のユニットに制御データを提供するよう配置することができる。例えば、データスライスを同心円に関連づけた後、スライスユニット210は、「データスライスが同心円に関連づけられた」という制御データを制御ユニット260に提供するよう配置することができ、制御ユニット260は、「同心円の半径を計算する」という制御データを半径ユニット215に、且つ、「同心円において表示するための値を計算する」という制御データを値ユニット220に提供するよう配置することができる。あるいは、システム200の別のユニットにおいて制御機能を実行することができる。
【0046】
システム200の一実施形態において、システム200は、システム200の使用者と通信するユーザーインターフェース265を含む。ユーザーインターフェースは、ブルズアイ表示を表示するよう配置することができる。さらに、ユーザーインターフェース265は、リングセクターを定めるため、及び/又は、ブルズアイ表示における位置を指示するためにユーザー入力を受けるよう配置することができる。システム200のユーザーインターフェース265においてさらなる機能を有利に実行することができると当業者は理解するはずである。
【0047】
本発明の実施形態は、対象がヒトの心臓の左心室である心臓のブルズアイ表示を参考にして記載される。しかし、記載された適用は、特許請求の範囲を限定するとして解釈されるべきではなく、他の適用も考えられると当業者は理解するはずである。
【0048】
システム200の一実施形態において、値ユニット220によって計算された値は、色コーディングを使用して視覚化される。ブルズアイ表示の同心円の中心は、左心室の長軸に相当する。ブルズアイ表示の各円の外半径の長さは、左心室の頂点から、スライスユニット210によって同心円に関連づけられたデータスライスの上平面までの距離に比例する。
【0049】
システム200の一実施形態において、ブルズアイ表示は高解像度にてコンピュータ処理され、円の境界線を示さないという意味で滑らかに見える。これは、いくつかの方法で達成することができる。例えば、ブルズアイ表示の円は薄く、ブルズアイ表示の平面上で密集して分布させることができる。これは、画像データのセットが多数の実質的に隣接したデータスライスを含む場合に可能である。各円は、密集して分布される小さいセクターにさらに分けることができる。円の幅及びセクターのサイズは、ヒトの目がセクター間の境界線を見ないようにある。例えば、セクターのサイズは、表示ピクセルのサイズよりも小さくありえ、従って、画像の粒状度は、表示解像度によって決定される。あるいは、又は、さらに、ブルズアイ表示の円又はリングセクターにおいて計算された値に基づき近似値を計算するために、近似ユニット230を利用することができる。近似方法に応じて、ブルズアイ表示は、(例えば、円及び/又はセクターの数が少ない場合に、円又はセクターはほとんどブルズアイ表示を覆わず、段階関数補間が利用される等の)低解像度の表示として、又は、(例えば、第三多項式補間が利用される場合等の)高解像度の滑らかな表示として表れ得る。
【0050】
図3は、欠けているブルズアイ表示値の補間を使用して、機能(左側、第1のブルズアイ表示)、灌流(真ん中、第2のブルズアイ表示)、及び、生存能(右側、第3のブルズアイ表示)の走査に基づき得られた、本発明による例示的なブルズアイ表示を示している。ブルズアイ表示において欠けているピクセル値が補間されるため、表示は滑らかであるように見える。ブルズアイ表示における各位置は、心筋での垂直の位置に関する。その結果、異なる走査からの発見を関連させることが容易になる。例えば、これらのブルズアイ表示から、灌流の不足31が壁の動きの異常32及び傷跡33に関することが直ちに明白である。走査によってその走査範囲も異なると指摘するに値する。従って、(ゼロ強度の黒い領域として可視であり、画像データの欠乏に相当する)ブルズアイ表示におけるブランク領域は、各プロットにおいて異なる。
【0051】
多数の種々のシステム200の実施形態が可能であると当業者は理解するはずである。これらの実施形態は、例えば、ブルズアイ表示のパラメータ化に関して互いに異なり得る。ブルズアイ表示の半径は、頂点からデータスライスまでの距離、又は、弁の平面からデータスライスまでの距離によってパラメータ化することができる。
【0052】
システム200の一実施形態において、ブルズアイ表示の各円の半径の長さは、頂点と弁の平面との距離に対する、頂点から円に関連づけられたデータスライスまでの距離の比に基づき計算される。あるいは、心臓及び/又は周囲の解剖学的形態の他の2つの目印間の距離を使用して、前記比を計算することができる。
【0053】
システム200の一実施形態において、半径ユニットは、画像データにおいて少なくとも1つの目印の位置を見つけるよう配置される。当業者は、例えば、そのような目印の位置を見つけるのに適した区分方法等の種々の方法を知っているであろう。
【0054】
システム200の一実施形態において、ブルズアイ表示の各円の半径の長さは、第1の複数のデータスライスのうちいくつかのデータスライスの厚さに基づき、半径ユニット215によって計算される。例えば、円の内半径の長さは、複数のデータスライスのうちいくつかのデータスライスの厚さの合計に比例することができ、前記スライスが連続していない場合、スライス間のギャップの幅のデータスライス及びスライス間のギャップが、円に関連づけられたデータスライスと参照データスライスとの間に位置する。円の外半径の長さは、円に関連づけられたデータスライスの厚さ及び円の内半径の合計に等しくあり得る。参照データスライスは、例えば頂点等の参照目印を含むような画像データの区分に基づき決定することができる。
【0055】
各画像データセットが取得される間、画像取得装置に対して患者の位置が同じであるように、複数のデータスライスをそれぞれ含む2つ以上の画像データセットが1つの検査において取得される場合、ブルズアイ表示の円の半径は、検査室参照システム(laboratory system of reference)において円に関連づけられたデータスライスの位置に基づき定めることができる。検査室参照システムは、画像取得装置に対して定められた参照システムである。検査室システムのz軸は、一般的に、データスライスに垂直であり、心筋の左心室の長軸に実質的に一致する。各ブルズアイ表示の各円の半径は、検査室システムのz軸に対するデータスライスの位置に基づき計算される。この実施形態では、目印の位置を決定する必要はない。
【0056】
さらに、実施形態によって、異なる種類の補間、すなわち、一次、二次、三次補間等を含み得る。あるいは、データスライス間でのギャップに一致する円のギャップは、ブルズアイ表示においてブランクのまま残ることができる。円の幅は、複数のデータスライスを含んだ画像の積み重ねにおけるデータスライスの厚さに関連づけることができ、円のギャップの幅は、前記円のギャップに関連づけられたデータスライスの画像の積み重ねにおけるギャップの幅を表すことができる。
【0057】
一実施形態において、システム200は、第1の指示器を使用して、第1のブルズアイ表示における第1の位置を指示し、第2の指示器を使用して、第2のブルズアイ表示における第2の位置を指示するユーザー入力を受けるためのユーザーインターフェース265内で実行される指示入力ユニット、並びに、第1の指示器を使用して、第1のブルズアイ表示における第1の位置を指示し、第2の指示器を使用して、第2のブルズアイ表示における第2の位置を指示するためのユーザーインターフェース265内で実行される指示ユニットをさらに含み、第1及び第2の位置は、それぞれ第1及び第2のブルズアイ表示に対して実質的に同じである。従って、第1及び第2の位置は、第1及び第2の画像データにおいて実質的に同じ位置に相当する。これは、ブルズアイ表示の再パラメータ化(reparametrization)のために可能である。
【0058】
図4は、指示された位置をそれぞれ示す例示的なブルズアイ表示、及び、指示された位置を含む円に関連づけられたデータスライスからコンピュータ処理された例示的な画像を示している。各位置は十字記号によって指示されている。ブルズアイ表示のうちの1つにおける十字記号の位置は、使用者によって制御されるマウスによって制御されるポインターによって決定される。他の2つの位置は、3つの位置全てがそれぞれのブルズアイ表示に対して同じであるように、前記1つの位置に基づきコンピュータ処理される。図4は、本発明による心臓MRデータに基づく、例示的な相互作用する総合的な目視を例証している。マウスポインター(十字記号)を使用して、生存能画像から得たブルズアイ表示における走査を指示する。リンクされたポインターは、他のブルズアイ表示において同じ位置を指示している。ブルズアイ表示が再パラメータ化されない場合でさえも、原則として、リンクされたポインターを使用して、臓器における複数の画像データセットの複数の分析結果を視覚化する複数のブルズアイ表示において一致する位置を指示することができると当業者は理解するはずである。この場合、各リンクされたポインターは、各ブルズアイ表示の異なる位置を指摘することができる。
【0059】
さらに、システム200は、図4に示されているように、ポインターによって指示された位置を含むブルズアイ表示の円に関連づけられたデータスライスからコンピュータ処理された画像を表示するようさらに適応させることができる。データスライスからコンピュータ処理された各画像は、示されたスライスに関連付けられた円における位置に相当する位置を指示するポインターをさらに含むことができる。ブルズアイ表示における位置と、前記位置を含む円に関連づけられたデータスライスにおける位置との1対1の対応は、ブルズアイ表示におけるポインターの位置、又は、データスライスにおけるポインターの位置に入力が基づくことを可能にすると当業者は正しく理解するはずである。使用者は、データスライスの積み重ねを検査し、スライスを選択して、関心のあるデータスライスにおける位置を指示することができる。システム(200)は、ブルズアイ表示における対応する位置をコンピュータ処理するよう適用させることができる。さらに、又は、あるいは、選択されたスライスに関連付けられた円を、ブルズアイ表示において示すことができる。
【0060】
図5は、指示された円をそれぞれ示した例示的なブルズアイ表示、及び、指示された円に関連付けられたデータスライスからコンピュータ処理された例示的な画像を示している。図5は、心臓MRデータに基づく例示的な相互作用する総合的な目視を例証している。マウスポインター(十字記号)が、灌流画像において灌流の不足を指示するために使用されている。各ブルズアイ表示において、丸は、灌流不足の位置に相当する、データスライスに関連づけられた円を指示している。
【0061】
上記のシステム200の実施形態は、総合心臓検査からの結果を相互作用的に同時に視覚化する新たな方法を実行する。開示された使用者の相互作用は、ブルズアイ表示におけるマウスポインターの位置を使用し、測定に関連するスライスを表示することによって、取得した画像を介して「結果により動く」ブラウジングを可能にする。この相互作用は、多くのブルズアイ表示を使用して、多くの取得物から関心のあるスライスを選択することができるように、リンクされた様式で利用することができる。このように、同時に機能、灌流、及び、生存能からの取得した画像及びブルズアイ表示を表示する相互作用的な目視の適用を構築することが可能である。図4及び5に示されているように、ブルズアイ表示における灌流の不足を指摘することによって、その他のブルズアイ表示における定量結果が強調され、3つの走査全てにおいて指摘された位置に相当するスライスが選択される。さらに、目視の適用は、図5に示されているように、円によってブルズアイ表示における選択されたスライスを指示することができる。
【0062】
提案された使用者の相互作用は、心臓の定量分析結果に基づき、心臓内の病気の位置からの画像を迅速に選択する強力な機構を提供する。さらに、機能、灌流、及び、生存能からのブルズアイ表示と画像の同時の表示は、心臓病専門医が非常に直接的且つ簡略なアプローチで診断するのを可能にする。さらに、システム200を使用して、たびたび合計で2000枚を超える画像から、最終的なレポートに含まれることになる鍵となる画像を選択することが容易である。
【0063】
一実施形態において、システム200は、例えば心臓病専門医等の使用者が、検査される画像データにおいて相互作用的に心筋の輪郭を描くことを可能にするよう適応される。描かれた輪郭及び取得した画像を表示することによって、心臓病専門医は、特に興味深い測定値を有した位置に対して、描写が正確に行われたかどうかを迅速に評価することができる。
【0064】
有利に、システム200は、レポートシステム600に含まれ得る。従って、システム200は、ブルズアイ表示を検査する医師によるアノテーションと共にレポートユニット610によって作成される医療用レポートに含まれ得る。一実施形態において、レポートシステム600は、システム200により必要とされるデータを得るためのレポートシステム第1入力コネクタ601、及び、ユーザーアノテーション、患者名及び年齢、他のテスト及び検査の結果、レポートを準備した医師によるコメント等の他のデータを得るためのレポートシステム第2入力コネクタ602を含む。レポートユニット610は、システム200からブルズアイ表示を受けるよう配置される。レポートは、レポートシステム出力コネクタ603を介して出力される。
【0065】
システム200の他の実施形態も可能であると当業者はさらに理解するはずである。特に、システムのユニットを再評価する、及び、その機能を再分配することが可能である。記載した実施形態は医療用画像に適用されるけれども、医療用とは関係のない当該システムの他の適用も可能である。
【0066】
システム200のユニットは、プロセッサを使用して実行することができる。通常、その機能は、ソフトウェアプログラムの制御下で果たされる。遂行中、ソフトウェアプログラムは、通常、RAMのようなメモリにロードされ、そこから遂行される。プログラムは、ROM、ハードディスク、又は、磁気及び/若しくは光学記憶装置等のバックグラウンドメモリからロードすることができるか、又は、インターネットのようなネットワークを介してロードすることができる。任意選択で、特定用途向け集積回路が、記載された機能性を提供することができる。
【0067】
図7は、第1のブルズアイ表示において、第1の複数のデータスライスを含む第1の画像データに表される対象の第1の定量分析の結果を視覚化する方法700の例示的な実行の流れ図を示している。方法700は、第1の複数のデータスライスのうち1つのデータスライスを第1のブルズアイ表示の同心円を関連付けるためのスライス段階710で始まる。任意選択で、スライス段階は、データスライスのデータセクターを同心円のリングセクターに関連付けるための複数のスライスセクター段階712をさらに含むことができる。スライス段階710の後、方法700は、第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さを計算するための半径段階715に続く。半径段階715の後、方法700は、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスに基づき、第1のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を計算するための値段階720に続く。任意選択で、値段階220は、同心円のリングセクターに関連づけられたデータセクターに基づき、同心円のリングセクターにおいて表示するための少なくとも1つの値を計算するための複数のセクター値段階722を含むことができ、同心円に対するリングセクターの位置は、対象に対する、リングセクターに関連づけられるデータセクターの位置に基づき定められる。任意選択で、値段階720の後、方法700は、第1の複数のデータスライスのうち、リングギャップに隣接する同心円に関連づけられたいくつかのデータスライスに基づき、第1ブルズアイ表示の同心円のギャップにおいて表示するための少なくとも1つの値を計算するための近似段階730に続く。値段階720の後、又は、近似段階730の後、方法700は終結する。本発明による方法700において、第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、対象に対する、第1の複数のデータスライスのうち、第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられたデータスライスの位置に基づき定められる。
【0068】
当業者は、スレッドモデル、マルチプロセッサシステム、又は、多数のプロセッサを使用して、本発明により意図される概念から逸脱することなく、一部の段階の順を変えるか、又は、一部の段階を同時に行うことができる。例えば、半径段階215及び値段階220は、同時に計算することができる。任意選択で、本発明の方法の2つ以上の段階を、1つの段階に組み合わせることができる。任意選択で、本発明の方法の段階は、複数の段階に分割することができる。
【0069】
図8は、システム200を利用する画像取得装置800の例示的な実施形態を概略的に示しており、当該画像取得装置800は、内部接続を介してシステム200に接続されたCT画像取得ユニット810、入力コネクタ801、及び、出力コネクタ802を含む。この配置は、画像取得装置800の能力を有利に高め、当該画像取得装置800にシステム200の有利な能力を与えている。
【0070】
図9は、ワークステーション900の例示的な実施形態を概略的に示している。当該ワークステーションは、システムバス901を含む。プロセッサ910、メモリ920、ディスク入力/出力(I/O)アダプター930、及び、ユーザーインターフェース(UI)940が、システムバス901に作動的に接続されている。ディスク記憶装置931が、ディスクI/Oアダプター930に作動的に結合されている。キーボード941、マウス942、及び、ディスプレイ943が、UI940に作動的に結合されている。コンピュータプログラムとして実行される本発明のシステム200は、ディスク記憶装置931に記憶される。ワークステーション900は、プログラムをロードし、メモリ920にデータを入力し、さらに、プロセッサ910上でプログラムを実行するよう配置される。使用者は、キーボード941及び/又はマウス942を使用して、ワークステーション900に情報を入力することができる。ワークステーションは、ディスプレイ装置943及び/又はディスク931に情報を出力よう配置される。当技術分野において知られたワークステーション900の数多くの他の実施形態があること、及び、本発明の実施形態は、本発明を例証するという目的にかない、この特定の実施形態に本発明を限定するとして解釈してはならないことを当業者は理解するはずである。
【0071】
上記の実施形態は、本発明を限定するのではなく、本発明を例証していること、及び、当業者は、付随の特許請求の範囲から逸脱することなく別の実施形態を設計することが可能であることに留意されたい。特許請求の範囲において、括弧内に記載されたいかなる参照番号も、特許請求の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。「含む」という用語は、特許請求の範囲又は明細書に列挙されていない要素又は段階の存在を除外しない。要素の前の不定冠詞は、複数のそのような要素の存在を除外しない。本発明は、いくつか異なる要素を含むハードウェアによって、及び、プログラムされたコンピュータによって実行することができる。いくつかのユニットを列挙するシステムの請求項において、これらのユニットのうちいくつかを、ハードウェア又はソフトウェアの1つの及び同じ項目によって具体化することができる。第1、第2、第3等といった用語の使用は、いかなる順序も指示していない。これらの用語は、名称として解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の複数のデータスライスを含む第1の画像データに表された対象の第1の定量分析の結果を第1のブルズアイ表示において視覚化するシステムであって:
前記第1の複数のデータスライスのうち1つのデータスライスを前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけるスライスユニット;
前記第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さを計算する半径ユニット;及び、
前記第1のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を、前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられた前記データスライスに基づき計算する値ユニット;
を含み、
前記第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、前記対象に対する、前記第1の複数のデータスライスのうち、前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられた前記データスライスの位置に基づき定められる、システム。
【請求項2】
前記同心円に関連づけられた前記データスライスはデータセクターを含み、前記スライスユニットは、前記同心円のリングセクターに前記データスライスの前記データセクターを関連づけるためのスライスセクターユニットをさらに含み、前記値ユニットは、前記同心円のリングセクターに関連づけられた前記データセクターに基づき、前記同心円のリングセクターにおいて表示するための少なくとも1つの値を計算するためのセクター値ユニットを含み、前記同心円に対する前記リングセクターの位置は、前記対象に対する、前記リングセクターに関連づけられた前記データセクターの位置に基づき定められる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のブルズアイ表示が、スライス間のギャップに一致する同心円のギャップを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のブルズアイ表示の前記同心円のギャップにおいて表示するための少なくとも1つの値を、前記第1の複数のデータスライスのうち、前記リングギャップに隣接する同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算するための近似ユニットをさらに含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のブルズアイ表示の同心円のギャップにおいて表示するための少なくとも1つの値は、前記リングギャップに隣接する同心円において表示するための値に基づき計算され、該値は、前記第1の複数のデータスライスのうち、前記ギャップに隣接する前記同心円に関連づけられたデータスライスに基づき計算される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、前記第1の複数のデータスライスのうち、前記同心円に関連づけられたデータスライスと、前記対象の特定の特徴との距離に基づき計算される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のブルズアイ表示の同心円の幅は、前記第1の複数のデータスライスの前記データスライスの厚さに基づき計算される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
第2のブルズアイ表示において、第2の複数のデータスライスを含む第2の画像データに表された前記対象の第2の定量分析の結果を視覚化するようさらに適応された、請求項1に記載のシステムであって:
前記スライスユニットが、前記第2の複数のデータスライスのうちの1つのデータスライスを前記第2のブルズアイ表示の同心円に関連づけるよう適応され;
前記半径ユニットが、前記第2のブルズアイ表示の同心円の半径の長さを計算するよう適応され;さらに、
前記値ユニットが、前記第2のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を、前記第2のブルズアイ表示の同心円に関連づけられた前記データスライスに基づき計算するよう適用され;
前記第2のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、前記対象に対する、前記第2の複数のデータスライスのうち、前記第2のブルズアイ表示の同心円に関連づけられた前記データスライスの位置に基づき定められる、システム。
【請求項9】
前記第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さ、及び、前記第2のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、それぞれ、前記第1の複数のデータスライスの前記データスライス、及び、前記第2の複数のデータスライスの前記データスライスから、前記対象の特定の特徴までの距離に基づき計算される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
第1の指示器を使用して、前記第1のブルズアイ表示において第1の位置を指示し、第2の指示器を使用して、前記第2のブルズアイ表示において第2の位置を指示するユーザー入力を受けるための指示入力ユニット;及び、
前記ユーザー入力に基づき、前記第1の指示器を使用して、前記第1のブルズアイ表示において前記第1の位置を指示し、前記第2の指示器を使用して、前記第2のブルズアイ表示において前記第2の位置を指示するための指示ユニット;
をさらに含み、前記第1の位置及び前記第2の位置は、それぞれ、第1及び第2のブルズアイ表示に対して実質的に同じである、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の位置を含む第1の円を、前記第1の円に関連づけられた第1のデータスライスに基づき決定する、及び、前記第2の位置を含む第2の円を、前記第2の円に関連づけられた第2のデータスライスに基づき決定するためのスライス決定ユニットをさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のブルズアイ表示において前記第1の位置を指示する前記ユーザー入力は、前記第1の複数のデータスライスの特定のデータスライスにおいて特定の位置を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムを含む、画像取得装置。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムを含む、ワークステーション。
【請求項15】
第1のブルズアイ表示において、第1の複数のデータスライスを含む第1の画像データに表された対象の第1の定量分析の結果を視覚化する方法であって:
前記第1の複数のデータスライスのうちの1つのデータスライスを前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけるスライス段階;
前記第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さを計算する半径段階;及び、
前記第1のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を、前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられた前記データスライスに基づき計算する値段階;
を含み、
前記第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、前記対象に対する、前記第1の複数のデータスライスのうち、前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられた前記データスライスの位置に基づき定められる、方法。
【請求項16】
コンピュータ装置によってロードされることになるコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、第1のブルズアイ表示において、第1の複数のデータスライスを含む第1の画像データにおいて表された対象の第1の定量分析の結果を視覚化するための指示を含み、前記コンピュータ装置は、処理ユニット及びメモリを含み、当該コンピュータプログラムは、ロードされた後、前記処理ユニットに、以下のタスク:
前記第1の複数のデータスライスのうち1つのデータスライスを、前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連付けるタスク;
前記第1のブルズアイの表示の同心円の半径の長さを計算するタスク;及び、
前記第1のブルズアイ表示の同心円において表示するための少なくとも1つの値を、前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられた前記データスライスに基づき計算するタスク;
を実行する能力を提供し、
前記第1のブルズアイ表示の同心円の半径の長さは、前記対象に対する、前記第1の複数のデータスライスのうち、前記第1のブルズアイ表示の同心円に関連づけられた前記データスライスの位置に基づき定められる、コンピュータプログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−510334(P2012−510334A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539141(P2011−539141)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055387
【国際公開番号】WO2010/064180
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】