説明

再封可能な小出し容器

小出しされる物品を隔離する内部仕切り(14)を有する缶(10)、及び片手操作で開閉するためのキャップ(12)である。内部仕切り(14)を有していても有していなくてもよい容器(10)から、1種類以上の物品(16,18)を小出しするのにも適している。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の背景]
本発明は、改良型の容器に関し、特に、消費物用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、2003年7月7日付けで出願された仮出願第60/484,670号に基づいて、米国特許法第119条第(e)項の国内優先権を主張するものであって、その開示内容全体は参照により本明細書に援用される。
【0003】
ピーナッツ、カシューナッツ等のような固形消費物品は、長い間、アルミニウム缶、ガラスジャー、プラスチックジャー、コンポジット缶(ファイバ缶とも呼ばれる)、3スチール缶、及び2ピースDRD(絞り/再絞り)スチール缶を含む多様な容器において小出しされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの缶は、缶の作製と缶の充填及び密封とが最適にはなっていない。改良型の缶の構造及び組み立て技術があれば有益であろう。また、改良型の小出し用のキャップもあれば有益であろう。
【0005】
さらに、固形消費物及び液体消費物のいずれの場合においても、複数種の消費物間の隔離を維持することのできる有効な再封可能な容器が今のところ存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[発明の概要]
本発明の一つの目的は、固形消費物用の改良型の容器を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、複数の異なる消費物用の改良型の容器を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、改良型の小出し用のキャップを提供することである。
【0009】
本発明のこれら及び他の目的は、固形消費物用のDWI容器(drawn and wall ironed container)により達成され、そのような容器を製造する方法及びそのような容器に充填する方法により達成される。
【0010】
本発明の目的はさらに、片手操作で開封及び再封することのできる小出し用のキャップにより達成される。
【0011】
本発明の目的はさらに、複数の異なる消費物間の隔離を維持するための内部仕切りを有する容器と、その容器の再封を可能にするとともに物品の隔離を維持しながら物品の小出しが可能な小出し用のキャップとにより達成される。
【0012】
本発明は、添付の図面とともに以下の説明から、より明らかに理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[発明の詳細な説明]
図1は、本発明の第1の実施形態による容器の概略側面図を示す。缶は、アルミニウム製の本体10と、プラスチック製のキャップ12と、任意の内部仕切り14とから構成される。内部仕切り14により、異なる消費物を隔離して保管することが可能となる。図1には、アーモンド16及びカシューナッツ18が示されているが、これらは例にすぎず、固形消費物に適用可能な本発明の態様は、異なる種類のナッツだけはなく任意の固形消費物に適用可能であり、液体消費物に適用可能な本発明の態様は、本明細書に例として記載されるものだけではなく任意の液体消費物に適用可能であることが容易に理解されるであろう。
【0014】
図2aは、本発明によるキャップ12の一例をキャップが閉まっている状態で上から斜めに見た図である。図2bは、図2aと同じキャップが開いている状態で上から見た図である。図2cは、図2bに示すキャップの側面図であり、図2dは、最初に開封した後で開いているキャップの側部断面図である。これらの図において集約的に示すように、缶はリップ20を上端に有し、キャップ12は缶の上端のリップ20を保持する内向きリップ24を下周縁に有する。内向きリップ24は、連続的な周方向のビードにすることができ、又は不連続な突起にしてもよい。
【0015】
容器は、当該技術分野において既知のプロセス、例えばDWI法(drawn and wall ironed technique)により、最初に製造される。任意の内部仕切りは別個に作製及び挿入することができるか、又は缶本体とともに最初に作製することができる。缶はナッツで充填され、破断式の蓋、好ましくはアルミニウム製の蓋によって密封される。その後、プラスチック製のキャップ12がその蓋に被せられる。最初に開けるには、プラスチック製のキャップを外して破断式の蓋を剥がし、その後、プラスチック製のキャップは缶の開口端部に再び被せられる。
【0016】
キャップはクロージャ30を有し、クロージャ30は、ヒンジとして作用するために、その上面に細い部分として残した折り目(crease)、すなわち切込み32により画定されている部分30a及び30bを有する。部分30aを下方に押圧すると、部分30bが端縁34に当接し、接点を中心として回動(pivot)することで、部分30aに連続した圧力がかかる結果、部分30bが持ち上がって開口40が露呈することになる。材料及び寸法は、部分30bが、押下されて容器を再封するまで実質的に、図2dに示すような位置にあり続けるように選択されることが好ましい。クロージャ30が図2dに示す構成になっている状態で缶を部分的又は完全に傾斜させることにより、開口の下側にあるチャンバ内の内容物を容器から出すことが可能となる。どの物品を小出しするかは、蓋を開ける前又は開けた後に容器を回すことによって選択される。
【0017】
図3a及び図3bを参照すると、2ピースDWI缶(drawn and wall ironed can)10の缶底部及び側部は一体品として形成され、上端のみが缶の一方の開口端部に継ぎ合わされている(seamed)。3ピース缶を用いる場合、缶本体と缶上部と缶底部とは、別個のピースとして形成されるであろう。2ピース缶は、圧倒的にアルミニウム製(特に米国において)であるが、スチール(欧州のほとんどにおいて)からも作られる。
【0018】
内部仕切り14は、別個に作られ、開いた上部から缶に挿入される(2ピース缶の場合)。内部仕切り14を直立に且つ缶の中央に保つために、内部仕切り14を底面で支持することが必要であり、このことは、図3a及び図3bに示すリング50によりなすことができる。リング52を支持のために上部に設けてもよく、開口した上部のちょうど内側と、剥がされた破断式アルミニウム上部の残りの部分の下側とに合致するようになっている。缶の開口(内部仕切り14の直径寸法を限定する直径)が缶の本体よりも小さい直径を有するため、内部仕切り14の端部と缶の側壁の端部との間に小さな間隙が生じ得るが、ナッツのほとんどは、充填プロセスの際にこの間隙から押し出されることはない。カシューナッツ/ピーナッツの場合、カシューナッツは、ピーナッツよりも大きいため先に充填され、また、大きすぎるために間隙を通り抜けることはなく、そのため、ピーナッツは、充填される際に、カシューナッツを置換することなくチャンバのピーナッツ側のみに充填される。
【0019】
リングは、理想的には、缶の底部の凹部のちょうど外側のリングの底部の外形と、缶の首部の内側の上部のリングとに合致する。上部のリングは、缶の開口に合致する最大サイズであり、くびれ部分(図1に示すショルダー54)に位置する。上端が缶に継ぎ合わされると一体品となるが、上端の破断部分が剥がされると、実際には2ピースとなる。すなわち手元にあるものと、缶に継ぎ合わされたまま残っているものとである。缶の内径は、継ぎ合わされる前よりも若干小さくなるが、これは、缶に継ぎ合わされたまま残っているピースが缶の内側に若干延びているからである。実際に、これは「切断端縁」と呼ばれ、端部の設計は、指が端縁と接触した場合に切れることがないように、切断端縁の保護を有していなければならない。
【0020】
この切断端縁は上部のリングの障壁となり、プラスチック製のキャップなしでナッツを小出しする際に、缶を逆さにした場合に上部のリングを缶から抜け出ないようにする。
【0021】
本発明は、ピーナッツ、及びある種の異なるサイズの2ピースDWI缶(drawn and wall ironed can)に入るアーモンド、ピスタチオ、マカデミアのような他の木の実を小出しするのに特に適している。ミックスナッツの缶の場合、ナッツは仕切りなしで単にミックスされていてもよいか、又は仕切りを缶に設けてナッツを種類別、例えば2、3、4、又はそれ以上の種類別に分けることができる。
【0022】
ナッツはローストされていてもよく、缶は、ナッツで充填されて、液体窒素を加えて酸素を抜き、缶に剛性を与え、完全に開口したアルミニウム製の端部(full open aluminum end)が継ぎ合わされ、次いで、満杯の缶(full can)にシェーカー機能付きのプラスチック製のキャップを被せる。所望であれば、充填する前に減圧して容器内を完全な又は部分的に真空にし、及び/又は充填する前に窒素ガスを容器に導入して酸素を全くなくしてもよい。
【0023】
消費者は、シェーカー機能付きのプラスチック製のキャップを外して、完全に開口した端部を有する缶を開け、キャップを再び被せると、キャップを片手で開けて用いる準備ができ、ナッツを手に又は直接口に出すことができる。指で開封フラップを押すことにより、片手でキャップを再封することができる。
【0024】
このようなパッケージ及び製品は、スナック食品市場で非常に有用であろう。250ml缶であれば、約150gmすなわち5ozのナッツを収容することができ、一人分のサイズ又はおそらく2〜3人分のサイズである。
特性は、
一人分である、
取り扱いが厄介でない、
誰の汚い手もナッツに触れる必要がない、
長期の保存期間のために酸素をなくすように窒素が充填されている、
利便性及び機能性が新規なシェーカー機能付きのキャップの設計である、
自家用車のカップホルダにフィットする、
再封可能である、
包装はリサイクルすることができる、
軽量である
ことである。
【0025】
さらなる展開として、従来の340gm(12oz)缶、500ml缶及び他の考えられ得る変形形態に対する包装に拡張することができ、例えば、破断式蓋は、内容物を小出しするのに必要とされるほどの大きさしかない開口を提供する方法で破断するように構成してもよい。すなわち、半開きの端部対完全に開口した端部である。
【0026】
種々の変更及び改変が、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、上述した本発明の例に対して行われることを理解されたい。例えば、本発明は、アルミニウム製の2ピースDWI缶(drawn and wall ironed can)に関して主に説明してきたが、異なるタイプの缶及び異なる材料を当該新規の小出し用のキャップとともに用いることができる。また、キャップの設計に対する変更も、本発明のキャップの重要な態様を踏まえながら行うことができる。要するに、容器及び/又はキャップに対する変更は、添付の特許請求の範囲にのみ定義される本発明の範囲内で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態による容器の概略側面図である。
【図2a】本発明によるキャップの一例をキャップが閉まっている状態で上から斜めに見た図である。
【図2b】図2aと同じキャップが開いている状態で上から見た図である。
【図2c】図2bに示すキャップの側面図である。
【図2d】最初に開封した後で開く際のキャップの側部断面図である。
【図3a】缶及び内部仕切りを示す図である。
【図3b】缶及び内部仕切りを示す図である。
【図3c】缶及び内部仕切りを示す図である。
【図4a】図2a〜図2dに概略的に示されるクロージャの一実施態様を示す図である。
【図4b】図2a〜図2dに概略的に示されるクロージャの一実施態様を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形消費物を収容する再封可能なDWI容器。
【請求項2】
容器本体と該容器本体を複数の区画に分ける仕切りとを有する容器であって、
前記区画を密封する、前記容器の取り外し可能な端部と、
前記容器の一端に固定され、小出し用の開口を有する取り外し可能なキャップと
を備え、
該キャップの少なくとも一部は、前記区画のうちの選択された1つの区画の上方の前記開口に選択的に位置して前記選択された区画内に収容されている物品を小出しすることを可能にするように移動可能である容器。
【請求項3】
固形消費物を収容する缶であって、
前記消費物を小出しするための、前記缶の直径よりも小さい小出し用の開口を有する、取り外し可能なキャップを備える缶。
【請求項4】
小出し用容器のためのキャップであって、
該キャップは小出し用の開口を有し、
前記キャップは、複数の区画のうちの選択された1つの区画の上方の前記開口に選択的に位置して前記選択された区画内に収容されている物品を小出しすることを可能にするように移動可能であるキャップ。
【請求項5】
小出しされる固形物品を保管する容器のためのキャップであって、
内部に開口を有する上部領域と、
下部領域と、
該下部領域の上方で合わさる第1の部分及び第2の部分を有するクロージャと
を備え、
前記下部領域へ前記キャップを押圧することにより、前記第1の部分が上方に回動して前記開口を露呈させるようになっているキャップ。
【請求項6】
容器のための小出し用のキャップであって、
前記キャップは、
前記容器の内容物を小出しすることのできる開口と、
第1の部分及び第2の部分を有するクロージャと
を備え、
該クロージャは、該クロージャの第1の位置において下方への押圧に応じて前記開口を密封するとともに、前記クロージャの第2の位置において下方への押圧に応じて前記開口を露呈させるキャップ。

【図1】
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【公表番号】特表2007−526178(P2007−526178A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518631(P2006−518631)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/017429
【国際公開番号】WO2005/009878
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506010253)
【氏名又は名称原語表記】JACKSON, Bruce, D.
【住所又は居所原語表記】1344 Francisco Street, San Francisco, CA 94123, United States of America
【Fターム(参考)】