再接合セグメント及び連結トンネルの構築方法
【課題】一旦組み立てたセグメントの接合を解除した後に再接合が可能となる再接合セグメントを提供する。
【解決手段】トンネルの周方向に再接合可能な再接合端部51を備えたトンネルの外殻を形成する再接合セグメントである。
そして、再接合端部51には、トンネルの軸方向側面52に挿入口511aが形成されるとともにその挿入口に連通して接合端面512に沿って奥行き方向に延設される係合溝部511が設けられ、この接合端面512はトンネル軸方向と平面視で交差する方向に傾斜するとともに軸方向側面52がその反対側の側面よりも挿入口511aの形状以上大きく周方向に突出している。
【解決手段】トンネルの周方向に再接合可能な再接合端部51を備えたトンネルの外殻を形成する再接合セグメントである。
そして、再接合端部51には、トンネルの軸方向側面52に挿入口511aが形成されるとともにその挿入口に連通して接合端面512に沿って奥行き方向に延設される係合溝部511が設けられ、この接合端面512はトンネル軸方向と平面視で交差する方向に傾斜するとともに軸方向側面52がその反対側の側面よりも挿入口511aの形状以上大きく周方向に突出している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に複数構築されたトンネル間を連結する際に使用される再接合セグメント、及びその再接合セグメントを使用した連結トンネルの構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図12に示すようにトンネルの外殻を形成するセグメント1,4の周方向の継手として、セグメント1の接合端部に断面C字型の挿入口1bを備えたC型溝部1aを設け、接合端面に当接させた隣接するセグメント(図示せず)のC型溝部と組み合わせることによって形成される係合孔にI型継手材3を挿入してトンネル周方向の接合をおこなう方法が知られている(特許文献1など参照)。
【0003】
この方法では、セグメント1間を接合端面に沿って幅広く接合させることができるので強固な接合方法となる。
【0004】
また、この他にもセグメント間の継手構造は数多く開発されており、特許文献2,3にはトンネル周方向の継手構造が、特許文献4にはトンネル軸方向の継手構造が開示されている。
【0005】
一方、大断面の地下空間を構築する際に、複数のトンネルを並設し、その間を連結して大地下空間を構築する方法が特許文献5などに開示されている。
【特許文献1】特開平7−269297号公報
【特許文献2】特開2005−273422号公報
【特許文献3】特開平11−236797号公報
【特許文献4】特開2005−155025号公報
【特許文献5】特開2002−89169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、シールドトンネルを構築する際は、掘削に伴って坑口側から順番にセグメント1,4を組み立てていくことになるため、トンネルの軸方向側の側面から継手材を挿入する継手構造であっても問題なく組み立てることができる。
【0007】
しかしながら、図12に示すように、一旦組み上げられたセグメント4の一部を撤去し、その後、連結用セグメント2をセグメント1に接合する場合は、トンネル軸方向側面の挿入口1bが隣接するセグメント1によって覆い隠されてしまうのでI型継手材3を挿入することができなくなる。
【0008】
また、挿入口1bが露出されるようにセグメント1の位置をトンネル周方向に少しずつずらしていくと、連結位置が断面ごとに変化して複雑になるので、トンネルの施工が煩雑になって効率が低下するとともに部材の種類が増えて材料費が高くなるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、一旦組み立てたセグメントの接合を解除した後に再接合が可能となる再接合セグメント、及びそれを使用した連結トンネルの構築方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、トンネルの周方向に再接合可能な再接合端部を備えたトンネルの外殻を形成する再接合セグメントであって、前記再接合端部には、トンネルの軸方向側の側面に挿入口が形成されるとともにその挿入口に連通して接合端面に沿って奥行き方向に延設される係合溝部が設けられ、前記接合端面はトンネル軸方向と平面視で交差する方向に傾斜するとともにその挿入口が形成された前記側面がその反対側の側面よりも挿入口の形状以上大きく周方向に突出している再接合セグメントであることを特徴とする。
【0011】
また、この再接合セグメントをトンネルの周方向に間隔を開けて互いの前記再接合端部が周方向に向き合うように配置し、その再接合端部間には撤去用セグメントを配置して前記再接合端部の前記周方向に隣接するセグメントに着脱自在に連結可能な着脱用連結部で連結することで第一のトンネルを構築し、前記第一のトンネルの撤去用セグメントを配置した部分の近傍に撤去用セグメントが配設されるように前記第一のトンネルと同様にして第二のトンネルを構築し、前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの撤去用セグメントの一部を撤去するとともにその周囲の補強された地盤を掘削し、前記着脱用連結部の連結を解除することによって前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの撤去用セグメントを撤去して前記再接合端部の前記挿入口を露出させ、前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの再接合セグメントの再接合端部に連結用セグメントを配置し、前記係合溝部と前記連結用セグメントの端面に形成された係合溝部とによって形成された係合孔に、前記挿入口から継手材を挿入して前記再接合セグメントと前記連結用セグメントを接合する連結トンネルの構築方法であることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記連結用セグメントは、前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの再接合セグメントにそれぞれ連結される部分と、その間にトンネル内で形成される部分とからなるように構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
このように構成された本発明の再接合セグメントは、トンネル周方向の再接合端部に係合溝部が設けられ、その係合溝部の挿入口がトンネル周方向で同じ位置であってトンネル軸方向に隣接される再接合セグメントによって覆い隠されることがないように、接合端面がトンネル軸方向に対して傾斜している。
【0014】
このため、一旦トンネルとして組み立てたセグメントの接合を解除して、再接合時には係合溝部を利用した強固な接合をおこなうことができる。
【0015】
また、この再接合セグメントを使用したトンネルを並設してそれぞれ構築し、並設したトンネルの再接合端部間に連結用セグメントを架け渡すことで、係合溝部を利用した強固な接合によって連結される連結トンネルを構築することができる。
【0016】
さらに、連結用セグメントの一部をトンネル内で構築することによって、施工誤差などによって生じる並設トンネル間のずれを吸収した連結部を容易に構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本実施の形態による再接合セグメント5と、再接合時に接合させる連結用セグメント7との接合状況を示した斜視図であり、図2は再接合セグメント5をトンネルの内周面53側を上にして示した斜視図である。
【0019】
まず、本実施の形態の再接合セグメント5の構成について説明する。
【0020】
この再接合セグメント5は、トンネルの外殻の一部を形成するセグメントであって、例えば本体がプレストレストコンクリートによって形成され、トンネルの周方向の一方側に再接合可能な再接合端部51を備えている。
【0021】
この再接合端部51には、断面視が例えば円形の閉じたトンネルの外殻を形成するためのセグメントが撤去用セグメント9として最初に接合され(図3参照)、並設されたトンネルと連結させるためにこの撤去用セグメント9を撤去した後に図1に示した連結用セグメント7が接合される。
【0022】
このため、撤去用セグメント9との連結は着脱自在な着脱用連結部513によっておこなわれる。この着脱用連結部513は、例えば図2に示すように、再接合セグメント5の再接合端部51の内周面53側に設けられた凹部に鋼製の継手ボックス513aを埋設させて、その継手ボックス513aの接合端面512側には継手板513bを取り付けることによって構成される。
【0023】
また、この継手板513bには、ボルト513cを挿入するボルト孔513dが開口されており、この継手ボックス513aからボルト孔513dに向けてボルト513cを挿入し、撤去用セグメント9に同様に設けた継手板のボルト孔にボルト513cを通し、撤去用セグメント9の継手ボックス内でナットを締めることによってボルト接合させることができる。
【0024】
また、再接合端部51には、連結用セグメント7と接合させるための係合溝部511が、接合端面512に沿って略トンネル軸方向となる再接合セグメント5の奥行き方向に延設されている。
【0025】
この係合溝部511は、再接合セグメント5のトンネル軸方向側の軸方向側面52に断面視が横向きの略T字型に形成された挿入口511aに連通される溝であって、この挿入口511aから挿入された継手材は奥行き方向に係合溝部511に沿って導かれる。
【0026】
この係合溝部511は、例えば断面視略C字型に形成された係合金具511bに形成されて、例えば再接合端部51の上縁付近と下縁付近に埋設される。
【0027】
ここで、本実施の形態の再接合セグメント5の接合端面512は、図1,2に示すように傾斜しており、軸方向側面52がトンネル軸に平面視で直交するように再接合セグメント5を設置した場合にトンネル軸と平行となる端面は、図2の2点鎖線で示した面54である。
【0028】
すなわち、この接合端面512はトンネル軸方向と平面視で交差する方向に傾斜しており、挿入口511aが形成された軸方向側面52がその反対側の側面よりも挿入口511aの形状以上大きくトンネルの周方向に突出している。
【0029】
このため、図1に示すように複数の再接合セグメント5,・・・を、トンネル周方向の位置を合わせてトンネル軸方向に並べると、いずれの再接合セグメント5,・・・に設けられた挿入口511a,・・・も隣接する再接合セグメント5に覆い隠されることなく露出することになる。
【0030】
また、再接合セグメント5には、他のセグメントと同様にトンネル軸方向継手用に軸方向側面52に軸方向継手孔52a(図2)を設けるとともに、その反対側側面に軸方向継手52aの内径とほぼ等しい外径を有するボルト又は棒状などの継手材(図示せず)を設けておく。
【0031】
なお、撤去されないセグメント8と再接合セグメント5との接合位置は、図1に示すように千鳥配置にするのが好ましく、その際には、再接合セグメント5の周方向の長さは長いものと短いものがトンネル軸方向に交互に配置される。
【0032】
次に、図3〜図6を参照しながら連結トンネルの構築方法について説明する。
【0033】
まず、円筒形状のシールド掘削機(図示せず)によって円筒形に地中を掘削して、図3に示すように第一トンネル10Aの外殻となるセグメント(5A,8A,81A,9A,91A)を組み立てる。
【0034】
この第一トンネル10Aのセグメントには、一度設置したら撤去することがないセグメント8A,81Aと、連結時に撤去される撤去用セグメント9A,91Aと、セグメント8Aと撤去用セグメント9Aとの間に設置される再接合セグメント5Aとがある。
【0035】
そして、セグメント81Aとセグメント8Aとの間の接合及びセグメント8Aと再接合セグメント5Aとの間の接合は、一旦接合した後は解除しないので、図12に示すような互いのC型溝部1a,1aによって形成される係合孔にI型継手材3を挿入しておこなう強固な継手とする。
【0036】
また、再接合セグメント5Aと撤去用セグメント9Aとの間の接合は、図2に示すように継手板513bのボルト孔513dに継手ボックス513aからボルト513cを通してボルト接合により着脱可能におこなう。
【0037】
さらに、撤去用セグメント9A,91A間の接合も、着脱自在なボルト接合によっておこなう。
【0038】
また、第一トンネル10Aの撤去用セグメント91Aに隣接して第二トンネル10Bを構築する。この第二トンネル10Bにおいても、第一トンネル10Aに隣接する位置に撤去用セグメント91Bを配置するとともに、撤去用セグメント9B、再接合セグメント5B、セグメント8B,81Bをそれぞれ配置する。
【0039】
このように並設して構築された第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの間の地盤を、いずれかのトンネル10A,10B又は両方のトンネル10A,10Bから注入した地盤改良材によって改良し、図4に示すような地盤改良部11,11を形成する。
【0040】
この地盤改良部11,11は、例えば第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの上部間と下部間に架け渡されるように形成され、地盤改良部11,11とトンネル10A,10Bに囲まれた地盤が安全に掘削できる状態になる。
【0041】
続いて、第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの撤去用セグメント9A,91A,9B,91Bのボルト接合を解除することによって取り外し、図5に示すようにトンネル10A,10B間の地盤を掘削して連結部12を形成する。
【0042】
この際、一時的にトンネル10A,10Bの構造が不安定な状態になるので、支持柱13や支持梁14を入れて補強をおこなう。なお、この支持柱13や支持梁14は本設構造物として連結後も使用できるようなものであってもよい。
【0043】
そして、第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの上部と下部において、対向する再接合セグメント5A,5B間に連結用セグメント7,72をそれぞれ架け渡す。
【0044】
この連結用セグメント7を設置する際には、図1に示すように再接合セグメント5(5A,5B)の挿入口511aがすべて連絡部12の空間に露出されている。
【0045】
このため、再接合セグメント5の係合溝部511と連結用セグメント7の係合溝部71とを組み合わせることによって形成される断面視が横向きのI字型の係合孔に、連絡部12の内部から継手材としてのI型継手材6を挿入口511a,71aから挿入してセグメント5,7の奥行き方向に押し込むことができる。なお、連結用セグメント7の係合溝部71,71にあたる位置に予めI型継手材6,6の一側を固定しておき、連結用セグメント7の端面から突出した他側を再接合セグメント5の挿入口511a,511aから挿入し、係合溝部511,511に係合させながら連結用セグメント7を設置するように構成してもよい。
【0046】
また、第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの再接合セグメント5A,5Bに接合した二つの連結用セグメント7,7の間には、再接合セグメント5A,5Bの間隔に応じて適切な長さの連結用セグメント72を介在させる。
【0047】
この連結用セグメント72は、例えば図7に示す方法で構築される。すなわち、再接合セグメント5A,5Bにそれぞれ接合された連結用セグメント7,7の端部にトンネル軸方向から見て断面視C字型となる係合孔を複数備えた係合金具722,722をそれぞれ取り付け、断面視が横向きのI字型の継手鋼材721,721をI型継手材6と同様にトンネル軸方向に移動させて連結用セグメント7,7間に挿入する。
【0048】
そして、係合金具722,722間に下面型枠724を取り付けて、連結用セグメント7,7間に超高強度モルタルなどの充填材723を充填して連結用セグメント7,7間を一体化させる連結用セグメント72を構築する。
【0049】
こうして現場で最後の連結用セグメント72を構築するようにしておくことで、第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの施工誤差などによる連結用セグメント7,7間のずれを吸収させることができる。
【0050】
このように構成された本発明の再接合セグメント5を使用した連結トンネルの構築方法では、トンネル周方向の再接合端部51に設けられた着脱用連結部513によって撤去用セグメント9との接合をおこない、係合溝部511によって連結用セグメント7との接合をおこなう。
【0051】
そして、この係合溝部511の挿入口511aがトンネル周方向で同じ位置であってトンネル軸方向に隣接される再接合セグメント5に覆い隠されることがないように接合端面512がトンネル軸方向に対して傾斜している。
【0052】
このため、一旦トンネル10として組み立てた撤去用セグメント9との接合が解除できるとともに、再接合時には空洞内に露出した係合溝部511の挿入口511aにI型継手材6を挿入して強固な接合をおこなうことができる。
【0053】
また、連結トンネルの連結位置をいずれの断面においてもほとんど同じ位置にできるので、再接合セグメント5や連結用セグメント7の部材の種類が少なくなって材料費を削減することができる。
【実施例1】
【0054】
以下、前記した実施の形態の実施例1について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0055】
前記実施の形態では、図7に示したようにトンネル軸方向に挿入する継手鋼材721によって連結用セグメント72を構築したが、この実施例1では、図8に示すようにトンネルの中心側から外周方向に向けて径方向に継手材18を移動させることによって連結用セグメント171を構築する。
【0056】
この実施例1で使用される連結用セグメント17,17は、前記実施の形態と同様に再接合セグメント5A,5BにI型継手材6,・・・によってそれぞれ接合されている。
【0057】
そして、この連結用セグメント17の連結方向の端部には、トンネルの径方向に貫通される平面視略C字型の鋼板に囲まれた径方向孔部17a〜17cが複数形成されている。
【0058】
このように連結方向に対向させた径方向孔部17a〜17c,17a〜17c間には、トンネル内周側から平面視I字型の継手鋼材18,・・・を挿入し、その周囲及び径方向孔部17a〜17c,17a〜17cに高強度モルタルなどの充填材723を充填して連結用セグメント171を構築する。
【0059】
このような方法によって連結用セグメント171を構築するようにすれば、第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの施工誤差などによって図8に示すように連結用セグメント17,17間にトンネル軸方向や径方向のずれが生じていても、継手鋼材18を傾けて配置することで両者を容易に連結することができる。
【0060】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
【実施例2】
【0061】
以下、図9を参照しながら実施例2について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0062】
この実施例2では、予め工場等で一体に製作した連結用セグメント19を再接合セグメント5A,5B間に架け渡す。
【0063】
すなわちこの実施例2では、再接合セグメント5A,5B間の測量を予めおこない、その測量結果に基づいて連結用セグメント19を製作する。その際、予めボルト孔を開けた何種類かの厚さの調整鋼板191a,・・・,191b,・・・を用意しておき、工場において連結用セグメント19を組み立てる。
【0064】
この連結用セグメント19は、箱状の鋼殻部19A,19Bと、再接合セグメント5A,5Bの厚さ方向のずれを調節する調整鋼板191aと、再接合セグメント5A,5B間の間隔方向のずれを調節する調整鋼板191bと、鋼殻部19A,19B間に跨って配置される連結鋼板192と、連結鋼板192及び調整鋼板191aを鋼殻部19A,19Bに固定するためのボルト193,194と、鋼殻部19A,19Bの内部に予め工場で充填したコンクリート195とによって構成される。
【0065】
まず、鋼殻部19A,19Bを、調整鋼板191bを介してそれぞれが接合される再接合セグメント5A,5Bの位置に合わせて接合し、鋼殻部19A,19B間の厚さ方向のずれを埋める厚さの調整鋼板191a,191aを鋼殻部19Aの下面と鋼殻部19Bの上面に配置する。
【0066】
そして、鋼殻部19A,19B及び調整鋼板191a,191aを覆うように連結鋼板192,192を配置し、ボルト193,194によって連結鋼板192,192及び調整鋼板191a,191aを貫いて、これらを鋼殻部19A,19Bの下面又は上面に固定する。
【0067】
なお、コンクリート195は、再接合セグメント5A,5B間に連結用セグメント19を架け渡して接合した後に充填するようにすれば、工場でコンクリート195を打設する場合に比べて強度の面から部材厚を大きくせざるをえない場合もあるが、連結時の重量を軽量化できるので再接合セグメント5A,5B間の間隔が広い場合にもこの実施例の構成を適用できる。
【0068】
また、この連結用セグメント19に、トンネル軸方向継手用に継手ボルトなどの継手手段(図示せず)を設けることで、トンネル軸方向の引張抵抗を高めて耐震性、止水性を向上させることができる。
【0069】
このように再接合セグメント5A,5B間の形状に合わせて製作された連結用セグメント19を使用することで、現場では容易かつ強固に再接合セグメント5A,5B間を連結用セグメント19によって連結することができる。
【0070】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
【実施例3】
【0071】
以下、図10,11を参照しながら実施例3について説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0072】
この実施例3では、セグメント8,・・・を千鳥配置にした場合に、トンネル軸方向に凹凸状に接合端面が形成される再接合セグメント20,・・・と連結用セグメントとの接合方法について説明する。
【0073】
すなわち図10に示すように、トンネル周方向に向けてセグメント8,・・・を出入りさせて接合部がトンネル軸方向に連続しないような千鳥配置にすると、これらのセグメント8,・・・に接合された再接合セグメント20,・・・の再接合端部201A,201B,・・・も出入りすることになる。
【0074】
そしてこのままでは図10の真ん中に示した再接合端部201Bのように、両側の再接合セグメント20,20に挟まれてトンネル軸方向にI型継手材6を挿入することが出来ない箇所が発生する。
【0075】
そこでこのような場合に、トンネルの中心側から継手材を径方向に移動させて挿入することによってセグメント間の接合ができる連結用セグメント22を、再接合セグメント20に接合して調節をおこなう。
【0076】
この連結用セグメント22は、図11に示すように一方の端部には径方向溝部221,221がトンネルの中心側から外周方向に向けて延設され、他方の端部には前記実施の形態で説明したI型継手材6を挿入する係合溝部223,223がトンネル軸方向23と平面視で交差する方向に傾斜して延設されている。
【0077】
この径方向溝部221は、連結用セグメント22の内周面側に形成された継手材を挿入する平面視略T字型の挿入口221aに連通されて連結用セグメント22の厚み方向に延設される溝である。
【0078】
この径方向溝部221は、例えば断面視略C字型に鋳造された径方向金具221bに形成されて、連結用セグメント22の再接合セグメント20側の端部にトンネル軸方向に間隔を置いて埋設される。
【0079】
また、図示していないが、この連結用セグメント22に設けた径方向溝部221と接合端面に対して対称となる径方向溝部を、再接合セグメント20の再接合端部201にも設けておく。
【0080】
また、この連結用セグメント22の端面は、外周面側より内周面側の方が広がる方向に傾斜したテーパー状に形成されているので、トンネル中心側から外周方向に移動させることで連結用セグメント22を容易に再接合セグメント20に当接させることができる。
【0081】
そこで、再接合セグメント20の再接合端部201に連結用セグメント22の径方向溝部221を設けた端面を当接させて、向かい合わせの径方向溝部221,221によって形成される係合孔(図示せず)にトンネル中心側から径方向クサビ21を挿入して両者を接合させる。
【0082】
この径方向クサビ21は、トンネル中心側から外周側に向けて間隔が広がるように並列された二枚のフランジ部21a,21aと、その間を繋ぐ略台形板状のウェブ部21bとによって平面視略H字型に形成されており、トンネル中心側には径方向クサビ21の着脱時に把持する把持部21cが形成されている。
【0083】
この径方向クサビ21は、図10に示すように再接合セグメント20と連結用セグメント22に跨る楔として打ち込まれて両者を強固に接合させることができる。
【0084】
また、連結用セグメント22のトンネル軸方向側の側面には、図11に示すようにトンネル軸方向継手用に継手ボルト222や軸方向継手孔(図示せず)を設けておく。なお、この継手ボルト222は、連結用セグメント22を所定の位置に設置した後に、継手ボックス224から挿入できるような構成としておくのが好ましい。
【0085】
さらに、このようにして再接合セグメント20に接合した連結用セグメント22には、前記実施の形態や他の実施例で示した連結用セグメント7,17,19などを接合して連結トンネルを構築することができる。
【0086】
なお、この実施例3では、係合溝部223,223を一方の接合端部に備えた連結用セグメント22を使用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、実施例2に示した連結用セグメント19のように連結させる2本のトンネルの間隔に合った連結用セグメント19を使用する場合に、連結用セグメント19と再接合セグメント20,20との接合を径方向クサビ21,・・・を使用した接合として連結トンネルを構築することができる。
【0087】
このようにトンネルの中心側から挿入できる径方向クサビ21を使用した接合を適用することで、セグメントを千鳥配置にした構造的に優れた外殻を有する連結トンネルを構築することができる。
【0088】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0089】
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0090】
例えば、前記実施の形態では、二つの断面視円形のトンネル10A,10Bを連結させたが、これに限定されるものではなく、トンネルの断面視形状は四角形などの多角形、楕円形、又は馬蹄形などであってもよい。
【0091】
また、連結させるトンネルの本数及び位置は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば8字型に上下に並設されたトンネル間を連結する際にも本発明を適用することができる。
【0092】
さらに、前記実施の形態では、継手材として断面が長手方向に略一定のI字型をしたI型継手材6を使用したが、これに限定されるものではなく、係合溝部511と継手材との係合によってせん断抵抗や引張抵抗が発揮されるようにセグメント間が接合されればよい。また、挿入口511aから押し込んで設置できるものであれば、継手部がトンネル軸方向に間隔を置いて配置されてその間に押し込み用のスペーサが介在されるような継手材であってもよい。
【0093】
また、前記実施の形態では、再接合セグメント5の本体はプレストレストコンクリートで形成したが、必要内空の形状・寸法、荷重条件に応じて、これに限定されるものではなく、プレストレストコンクリート以外のプレキャストコンクリートで製作したり、鋼板や溝型鋼材などを組み合わせて本体を製作したり、コルゲート型の鋳造品の背面に推力に抵抗させるコンクリートを工場で打設したり、コンクリートと鋼材を組み合わせた合成構造の本体としたりすることができる。
【0094】
さらに、前記実施の形態では、第一トンネル10Aの撤去用セグメント91Aと第二トンネル10Bの撤去用セグメント91Bが近接するように2本のトンネルを構築したが、これに限定されるものではなく、例えば第一トンネル10Aの撤去用セグメント91Aをシールド掘削機で切削可能な材料で形成しておき、その撤去用セグメント91Aの周囲を地盤改良した後に、撤去用セグメント91Aを切削しながら第二トンネル10Bを第一トンネル10Aに重ねて構築してもよい。
【0095】
また、前記した実施例2では、再接合セグメント5A,5B間のずれを測量した後にその形状に合わせて再接合セグメント5A,5B間を一度に連結させる連結用セグメント19を製作したが、これに限定されるものではなく、再接合セグメント5A,5B間のずれが少ない場合は、所定の形状に予め製作された両者間を一体で繋ぐ定形の連結用セグメント(図示せず)を使用し、この連結用セグメントと再接合セグメント5A,5B間の微調整用の隙間には超高強度モルタルなどの充填材を充填するようにしてもよい。
【0096】
さらに、前記実施の形態では、ボルト接合である着脱用連結部513によって撤去用セグメント9と再接合セグメント5との接合をおこなったが、これに限定されるものではなく、係合溝部511を着脱用連結部としてI型継手材6を挿入することで撤去用セグメント9との接合をおこなう構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の最良の実施の形態の再接合セグメントと連結用セグメントの接合工程を説明する斜視図である。
【図2】本発明の最良の実施の形態の再接合セグメントの構成を説明する斜視図である。
【図3】再接合セグメントを使用して構築したトンネルを並設させた状態を説明する断面図である。
【図4】並設したトンネル間に地盤改良部を形成した状態を説明する断面図である。
【図5】撤去用セグメントを撤去して並設したトンネル間を連通させた状態を説明する断面図である。
【図6】並設したトンネル間に連結用セグメントを架け渡した状態を説明する断面図である。
【図7】連結用セグメントの構成を説明する断面図である。
【図8】実施例1の連結用セグメントの構成を説明する斜視図である。
【図9】実施例2の連結用セグメントの構成を説明する断面図である。
【図10】実施例3の再接合セグメントと連結用セグメントの接合状態を説明する斜視図である。
【図11】実施例3の連結用セグメントの構成を説明する斜視図である。
【図12】従来のトンネル周方向のセグメント間の継手構造の構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0098】
5 再接合セグメント
51 再接合端部
511 係合溝部
511a 挿入口
512 接合端面
513 着脱用連結部
52 軸方向側面(トンネルの軸方向側の側面)
6 I型継手材(継手材)
7,72 連結用セグメント
71 係合溝部
71a 挿入口
9 撤去用セグメント
10A 第一トンネル
10B 第二トンネル
11 地盤改良部
17,171 連結用セグメント
19 連結用セグメント
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に複数構築されたトンネル間を連結する際に使用される再接合セグメント、及びその再接合セグメントを使用した連結トンネルの構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図12に示すようにトンネルの外殻を形成するセグメント1,4の周方向の継手として、セグメント1の接合端部に断面C字型の挿入口1bを備えたC型溝部1aを設け、接合端面に当接させた隣接するセグメント(図示せず)のC型溝部と組み合わせることによって形成される係合孔にI型継手材3を挿入してトンネル周方向の接合をおこなう方法が知られている(特許文献1など参照)。
【0003】
この方法では、セグメント1間を接合端面に沿って幅広く接合させることができるので強固な接合方法となる。
【0004】
また、この他にもセグメント間の継手構造は数多く開発されており、特許文献2,3にはトンネル周方向の継手構造が、特許文献4にはトンネル軸方向の継手構造が開示されている。
【0005】
一方、大断面の地下空間を構築する際に、複数のトンネルを並設し、その間を連結して大地下空間を構築する方法が特許文献5などに開示されている。
【特許文献1】特開平7−269297号公報
【特許文献2】特開2005−273422号公報
【特許文献3】特開平11−236797号公報
【特許文献4】特開2005−155025号公報
【特許文献5】特開2002−89169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、シールドトンネルを構築する際は、掘削に伴って坑口側から順番にセグメント1,4を組み立てていくことになるため、トンネルの軸方向側の側面から継手材を挿入する継手構造であっても問題なく組み立てることができる。
【0007】
しかしながら、図12に示すように、一旦組み上げられたセグメント4の一部を撤去し、その後、連結用セグメント2をセグメント1に接合する場合は、トンネル軸方向側面の挿入口1bが隣接するセグメント1によって覆い隠されてしまうのでI型継手材3を挿入することができなくなる。
【0008】
また、挿入口1bが露出されるようにセグメント1の位置をトンネル周方向に少しずつずらしていくと、連結位置が断面ごとに変化して複雑になるので、トンネルの施工が煩雑になって効率が低下するとともに部材の種類が増えて材料費が高くなるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、一旦組み立てたセグメントの接合を解除した後に再接合が可能となる再接合セグメント、及びそれを使用した連結トンネルの構築方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、トンネルの周方向に再接合可能な再接合端部を備えたトンネルの外殻を形成する再接合セグメントであって、前記再接合端部には、トンネルの軸方向側の側面に挿入口が形成されるとともにその挿入口に連通して接合端面に沿って奥行き方向に延設される係合溝部が設けられ、前記接合端面はトンネル軸方向と平面視で交差する方向に傾斜するとともにその挿入口が形成された前記側面がその反対側の側面よりも挿入口の形状以上大きく周方向に突出している再接合セグメントであることを特徴とする。
【0011】
また、この再接合セグメントをトンネルの周方向に間隔を開けて互いの前記再接合端部が周方向に向き合うように配置し、その再接合端部間には撤去用セグメントを配置して前記再接合端部の前記周方向に隣接するセグメントに着脱自在に連結可能な着脱用連結部で連結することで第一のトンネルを構築し、前記第一のトンネルの撤去用セグメントを配置した部分の近傍に撤去用セグメントが配設されるように前記第一のトンネルと同様にして第二のトンネルを構築し、前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの撤去用セグメントの一部を撤去するとともにその周囲の補強された地盤を掘削し、前記着脱用連結部の連結を解除することによって前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの撤去用セグメントを撤去して前記再接合端部の前記挿入口を露出させ、前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの再接合セグメントの再接合端部に連結用セグメントを配置し、前記係合溝部と前記連結用セグメントの端面に形成された係合溝部とによって形成された係合孔に、前記挿入口から継手材を挿入して前記再接合セグメントと前記連結用セグメントを接合する連結トンネルの構築方法であることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記連結用セグメントは、前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの再接合セグメントにそれぞれ連結される部分と、その間にトンネル内で形成される部分とからなるように構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
このように構成された本発明の再接合セグメントは、トンネル周方向の再接合端部に係合溝部が設けられ、その係合溝部の挿入口がトンネル周方向で同じ位置であってトンネル軸方向に隣接される再接合セグメントによって覆い隠されることがないように、接合端面がトンネル軸方向に対して傾斜している。
【0014】
このため、一旦トンネルとして組み立てたセグメントの接合を解除して、再接合時には係合溝部を利用した強固な接合をおこなうことができる。
【0015】
また、この再接合セグメントを使用したトンネルを並設してそれぞれ構築し、並設したトンネルの再接合端部間に連結用セグメントを架け渡すことで、係合溝部を利用した強固な接合によって連結される連結トンネルを構築することができる。
【0016】
さらに、連結用セグメントの一部をトンネル内で構築することによって、施工誤差などによって生じる並設トンネル間のずれを吸収した連結部を容易に構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本実施の形態による再接合セグメント5と、再接合時に接合させる連結用セグメント7との接合状況を示した斜視図であり、図2は再接合セグメント5をトンネルの内周面53側を上にして示した斜視図である。
【0019】
まず、本実施の形態の再接合セグメント5の構成について説明する。
【0020】
この再接合セグメント5は、トンネルの外殻の一部を形成するセグメントであって、例えば本体がプレストレストコンクリートによって形成され、トンネルの周方向の一方側に再接合可能な再接合端部51を備えている。
【0021】
この再接合端部51には、断面視が例えば円形の閉じたトンネルの外殻を形成するためのセグメントが撤去用セグメント9として最初に接合され(図3参照)、並設されたトンネルと連結させるためにこの撤去用セグメント9を撤去した後に図1に示した連結用セグメント7が接合される。
【0022】
このため、撤去用セグメント9との連結は着脱自在な着脱用連結部513によっておこなわれる。この着脱用連結部513は、例えば図2に示すように、再接合セグメント5の再接合端部51の内周面53側に設けられた凹部に鋼製の継手ボックス513aを埋設させて、その継手ボックス513aの接合端面512側には継手板513bを取り付けることによって構成される。
【0023】
また、この継手板513bには、ボルト513cを挿入するボルト孔513dが開口されており、この継手ボックス513aからボルト孔513dに向けてボルト513cを挿入し、撤去用セグメント9に同様に設けた継手板のボルト孔にボルト513cを通し、撤去用セグメント9の継手ボックス内でナットを締めることによってボルト接合させることができる。
【0024】
また、再接合端部51には、連結用セグメント7と接合させるための係合溝部511が、接合端面512に沿って略トンネル軸方向となる再接合セグメント5の奥行き方向に延設されている。
【0025】
この係合溝部511は、再接合セグメント5のトンネル軸方向側の軸方向側面52に断面視が横向きの略T字型に形成された挿入口511aに連通される溝であって、この挿入口511aから挿入された継手材は奥行き方向に係合溝部511に沿って導かれる。
【0026】
この係合溝部511は、例えば断面視略C字型に形成された係合金具511bに形成されて、例えば再接合端部51の上縁付近と下縁付近に埋設される。
【0027】
ここで、本実施の形態の再接合セグメント5の接合端面512は、図1,2に示すように傾斜しており、軸方向側面52がトンネル軸に平面視で直交するように再接合セグメント5を設置した場合にトンネル軸と平行となる端面は、図2の2点鎖線で示した面54である。
【0028】
すなわち、この接合端面512はトンネル軸方向と平面視で交差する方向に傾斜しており、挿入口511aが形成された軸方向側面52がその反対側の側面よりも挿入口511aの形状以上大きくトンネルの周方向に突出している。
【0029】
このため、図1に示すように複数の再接合セグメント5,・・・を、トンネル周方向の位置を合わせてトンネル軸方向に並べると、いずれの再接合セグメント5,・・・に設けられた挿入口511a,・・・も隣接する再接合セグメント5に覆い隠されることなく露出することになる。
【0030】
また、再接合セグメント5には、他のセグメントと同様にトンネル軸方向継手用に軸方向側面52に軸方向継手孔52a(図2)を設けるとともに、その反対側側面に軸方向継手52aの内径とほぼ等しい外径を有するボルト又は棒状などの継手材(図示せず)を設けておく。
【0031】
なお、撤去されないセグメント8と再接合セグメント5との接合位置は、図1に示すように千鳥配置にするのが好ましく、その際には、再接合セグメント5の周方向の長さは長いものと短いものがトンネル軸方向に交互に配置される。
【0032】
次に、図3〜図6を参照しながら連結トンネルの構築方法について説明する。
【0033】
まず、円筒形状のシールド掘削機(図示せず)によって円筒形に地中を掘削して、図3に示すように第一トンネル10Aの外殻となるセグメント(5A,8A,81A,9A,91A)を組み立てる。
【0034】
この第一トンネル10Aのセグメントには、一度設置したら撤去することがないセグメント8A,81Aと、連結時に撤去される撤去用セグメント9A,91Aと、セグメント8Aと撤去用セグメント9Aとの間に設置される再接合セグメント5Aとがある。
【0035】
そして、セグメント81Aとセグメント8Aとの間の接合及びセグメント8Aと再接合セグメント5Aとの間の接合は、一旦接合した後は解除しないので、図12に示すような互いのC型溝部1a,1aによって形成される係合孔にI型継手材3を挿入しておこなう強固な継手とする。
【0036】
また、再接合セグメント5Aと撤去用セグメント9Aとの間の接合は、図2に示すように継手板513bのボルト孔513dに継手ボックス513aからボルト513cを通してボルト接合により着脱可能におこなう。
【0037】
さらに、撤去用セグメント9A,91A間の接合も、着脱自在なボルト接合によっておこなう。
【0038】
また、第一トンネル10Aの撤去用セグメント91Aに隣接して第二トンネル10Bを構築する。この第二トンネル10Bにおいても、第一トンネル10Aに隣接する位置に撤去用セグメント91Bを配置するとともに、撤去用セグメント9B、再接合セグメント5B、セグメント8B,81Bをそれぞれ配置する。
【0039】
このように並設して構築された第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの間の地盤を、いずれかのトンネル10A,10B又は両方のトンネル10A,10Bから注入した地盤改良材によって改良し、図4に示すような地盤改良部11,11を形成する。
【0040】
この地盤改良部11,11は、例えば第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの上部間と下部間に架け渡されるように形成され、地盤改良部11,11とトンネル10A,10Bに囲まれた地盤が安全に掘削できる状態になる。
【0041】
続いて、第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの撤去用セグメント9A,91A,9B,91Bのボルト接合を解除することによって取り外し、図5に示すようにトンネル10A,10B間の地盤を掘削して連結部12を形成する。
【0042】
この際、一時的にトンネル10A,10Bの構造が不安定な状態になるので、支持柱13や支持梁14を入れて補強をおこなう。なお、この支持柱13や支持梁14は本設構造物として連結後も使用できるようなものであってもよい。
【0043】
そして、第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの上部と下部において、対向する再接合セグメント5A,5B間に連結用セグメント7,72をそれぞれ架け渡す。
【0044】
この連結用セグメント7を設置する際には、図1に示すように再接合セグメント5(5A,5B)の挿入口511aがすべて連絡部12の空間に露出されている。
【0045】
このため、再接合セグメント5の係合溝部511と連結用セグメント7の係合溝部71とを組み合わせることによって形成される断面視が横向きのI字型の係合孔に、連絡部12の内部から継手材としてのI型継手材6を挿入口511a,71aから挿入してセグメント5,7の奥行き方向に押し込むことができる。なお、連結用セグメント7の係合溝部71,71にあたる位置に予めI型継手材6,6の一側を固定しておき、連結用セグメント7の端面から突出した他側を再接合セグメント5の挿入口511a,511aから挿入し、係合溝部511,511に係合させながら連結用セグメント7を設置するように構成してもよい。
【0046】
また、第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの再接合セグメント5A,5Bに接合した二つの連結用セグメント7,7の間には、再接合セグメント5A,5Bの間隔に応じて適切な長さの連結用セグメント72を介在させる。
【0047】
この連結用セグメント72は、例えば図7に示す方法で構築される。すなわち、再接合セグメント5A,5Bにそれぞれ接合された連結用セグメント7,7の端部にトンネル軸方向から見て断面視C字型となる係合孔を複数備えた係合金具722,722をそれぞれ取り付け、断面視が横向きのI字型の継手鋼材721,721をI型継手材6と同様にトンネル軸方向に移動させて連結用セグメント7,7間に挿入する。
【0048】
そして、係合金具722,722間に下面型枠724を取り付けて、連結用セグメント7,7間に超高強度モルタルなどの充填材723を充填して連結用セグメント7,7間を一体化させる連結用セグメント72を構築する。
【0049】
こうして現場で最後の連結用セグメント72を構築するようにしておくことで、第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの施工誤差などによる連結用セグメント7,7間のずれを吸収させることができる。
【0050】
このように構成された本発明の再接合セグメント5を使用した連結トンネルの構築方法では、トンネル周方向の再接合端部51に設けられた着脱用連結部513によって撤去用セグメント9との接合をおこない、係合溝部511によって連結用セグメント7との接合をおこなう。
【0051】
そして、この係合溝部511の挿入口511aがトンネル周方向で同じ位置であってトンネル軸方向に隣接される再接合セグメント5に覆い隠されることがないように接合端面512がトンネル軸方向に対して傾斜している。
【0052】
このため、一旦トンネル10として組み立てた撤去用セグメント9との接合が解除できるとともに、再接合時には空洞内に露出した係合溝部511の挿入口511aにI型継手材6を挿入して強固な接合をおこなうことができる。
【0053】
また、連結トンネルの連結位置をいずれの断面においてもほとんど同じ位置にできるので、再接合セグメント5や連結用セグメント7の部材の種類が少なくなって材料費を削減することができる。
【実施例1】
【0054】
以下、前記した実施の形態の実施例1について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0055】
前記実施の形態では、図7に示したようにトンネル軸方向に挿入する継手鋼材721によって連結用セグメント72を構築したが、この実施例1では、図8に示すようにトンネルの中心側から外周方向に向けて径方向に継手材18を移動させることによって連結用セグメント171を構築する。
【0056】
この実施例1で使用される連結用セグメント17,17は、前記実施の形態と同様に再接合セグメント5A,5BにI型継手材6,・・・によってそれぞれ接合されている。
【0057】
そして、この連結用セグメント17の連結方向の端部には、トンネルの径方向に貫通される平面視略C字型の鋼板に囲まれた径方向孔部17a〜17cが複数形成されている。
【0058】
このように連結方向に対向させた径方向孔部17a〜17c,17a〜17c間には、トンネル内周側から平面視I字型の継手鋼材18,・・・を挿入し、その周囲及び径方向孔部17a〜17c,17a〜17cに高強度モルタルなどの充填材723を充填して連結用セグメント171を構築する。
【0059】
このような方法によって連結用セグメント171を構築するようにすれば、第一トンネル10Aと第二トンネル10Bの施工誤差などによって図8に示すように連結用セグメント17,17間にトンネル軸方向や径方向のずれが生じていても、継手鋼材18を傾けて配置することで両者を容易に連結することができる。
【0060】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
【実施例2】
【0061】
以下、図9を参照しながら実施例2について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0062】
この実施例2では、予め工場等で一体に製作した連結用セグメント19を再接合セグメント5A,5B間に架け渡す。
【0063】
すなわちこの実施例2では、再接合セグメント5A,5B間の測量を予めおこない、その測量結果に基づいて連結用セグメント19を製作する。その際、予めボルト孔を開けた何種類かの厚さの調整鋼板191a,・・・,191b,・・・を用意しておき、工場において連結用セグメント19を組み立てる。
【0064】
この連結用セグメント19は、箱状の鋼殻部19A,19Bと、再接合セグメント5A,5Bの厚さ方向のずれを調節する調整鋼板191aと、再接合セグメント5A,5B間の間隔方向のずれを調節する調整鋼板191bと、鋼殻部19A,19B間に跨って配置される連結鋼板192と、連結鋼板192及び調整鋼板191aを鋼殻部19A,19Bに固定するためのボルト193,194と、鋼殻部19A,19Bの内部に予め工場で充填したコンクリート195とによって構成される。
【0065】
まず、鋼殻部19A,19Bを、調整鋼板191bを介してそれぞれが接合される再接合セグメント5A,5Bの位置に合わせて接合し、鋼殻部19A,19B間の厚さ方向のずれを埋める厚さの調整鋼板191a,191aを鋼殻部19Aの下面と鋼殻部19Bの上面に配置する。
【0066】
そして、鋼殻部19A,19B及び調整鋼板191a,191aを覆うように連結鋼板192,192を配置し、ボルト193,194によって連結鋼板192,192及び調整鋼板191a,191aを貫いて、これらを鋼殻部19A,19Bの下面又は上面に固定する。
【0067】
なお、コンクリート195は、再接合セグメント5A,5B間に連結用セグメント19を架け渡して接合した後に充填するようにすれば、工場でコンクリート195を打設する場合に比べて強度の面から部材厚を大きくせざるをえない場合もあるが、連結時の重量を軽量化できるので再接合セグメント5A,5B間の間隔が広い場合にもこの実施例の構成を適用できる。
【0068】
また、この連結用セグメント19に、トンネル軸方向継手用に継手ボルトなどの継手手段(図示せず)を設けることで、トンネル軸方向の引張抵抗を高めて耐震性、止水性を向上させることができる。
【0069】
このように再接合セグメント5A,5B間の形状に合わせて製作された連結用セグメント19を使用することで、現場では容易かつ強固に再接合セグメント5A,5B間を連結用セグメント19によって連結することができる。
【0070】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
【実施例3】
【0071】
以下、図10,11を参照しながら実施例3について説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0072】
この実施例3では、セグメント8,・・・を千鳥配置にした場合に、トンネル軸方向に凹凸状に接合端面が形成される再接合セグメント20,・・・と連結用セグメントとの接合方法について説明する。
【0073】
すなわち図10に示すように、トンネル周方向に向けてセグメント8,・・・を出入りさせて接合部がトンネル軸方向に連続しないような千鳥配置にすると、これらのセグメント8,・・・に接合された再接合セグメント20,・・・の再接合端部201A,201B,・・・も出入りすることになる。
【0074】
そしてこのままでは図10の真ん中に示した再接合端部201Bのように、両側の再接合セグメント20,20に挟まれてトンネル軸方向にI型継手材6を挿入することが出来ない箇所が発生する。
【0075】
そこでこのような場合に、トンネルの中心側から継手材を径方向に移動させて挿入することによってセグメント間の接合ができる連結用セグメント22を、再接合セグメント20に接合して調節をおこなう。
【0076】
この連結用セグメント22は、図11に示すように一方の端部には径方向溝部221,221がトンネルの中心側から外周方向に向けて延設され、他方の端部には前記実施の形態で説明したI型継手材6を挿入する係合溝部223,223がトンネル軸方向23と平面視で交差する方向に傾斜して延設されている。
【0077】
この径方向溝部221は、連結用セグメント22の内周面側に形成された継手材を挿入する平面視略T字型の挿入口221aに連通されて連結用セグメント22の厚み方向に延設される溝である。
【0078】
この径方向溝部221は、例えば断面視略C字型に鋳造された径方向金具221bに形成されて、連結用セグメント22の再接合セグメント20側の端部にトンネル軸方向に間隔を置いて埋設される。
【0079】
また、図示していないが、この連結用セグメント22に設けた径方向溝部221と接合端面に対して対称となる径方向溝部を、再接合セグメント20の再接合端部201にも設けておく。
【0080】
また、この連結用セグメント22の端面は、外周面側より内周面側の方が広がる方向に傾斜したテーパー状に形成されているので、トンネル中心側から外周方向に移動させることで連結用セグメント22を容易に再接合セグメント20に当接させることができる。
【0081】
そこで、再接合セグメント20の再接合端部201に連結用セグメント22の径方向溝部221を設けた端面を当接させて、向かい合わせの径方向溝部221,221によって形成される係合孔(図示せず)にトンネル中心側から径方向クサビ21を挿入して両者を接合させる。
【0082】
この径方向クサビ21は、トンネル中心側から外周側に向けて間隔が広がるように並列された二枚のフランジ部21a,21aと、その間を繋ぐ略台形板状のウェブ部21bとによって平面視略H字型に形成されており、トンネル中心側には径方向クサビ21の着脱時に把持する把持部21cが形成されている。
【0083】
この径方向クサビ21は、図10に示すように再接合セグメント20と連結用セグメント22に跨る楔として打ち込まれて両者を強固に接合させることができる。
【0084】
また、連結用セグメント22のトンネル軸方向側の側面には、図11に示すようにトンネル軸方向継手用に継手ボルト222や軸方向継手孔(図示せず)を設けておく。なお、この継手ボルト222は、連結用セグメント22を所定の位置に設置した後に、継手ボックス224から挿入できるような構成としておくのが好ましい。
【0085】
さらに、このようにして再接合セグメント20に接合した連結用セグメント22には、前記実施の形態や他の実施例で示した連結用セグメント7,17,19などを接合して連結トンネルを構築することができる。
【0086】
なお、この実施例3では、係合溝部223,223を一方の接合端部に備えた連結用セグメント22を使用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、実施例2に示した連結用セグメント19のように連結させる2本のトンネルの間隔に合った連結用セグメント19を使用する場合に、連結用セグメント19と再接合セグメント20,20との接合を径方向クサビ21,・・・を使用した接合として連結トンネルを構築することができる。
【0087】
このようにトンネルの中心側から挿入できる径方向クサビ21を使用した接合を適用することで、セグメントを千鳥配置にした構造的に優れた外殻を有する連結トンネルを構築することができる。
【0088】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0089】
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0090】
例えば、前記実施の形態では、二つの断面視円形のトンネル10A,10Bを連結させたが、これに限定されるものではなく、トンネルの断面視形状は四角形などの多角形、楕円形、又は馬蹄形などであってもよい。
【0091】
また、連結させるトンネルの本数及び位置は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば8字型に上下に並設されたトンネル間を連結する際にも本発明を適用することができる。
【0092】
さらに、前記実施の形態では、継手材として断面が長手方向に略一定のI字型をしたI型継手材6を使用したが、これに限定されるものではなく、係合溝部511と継手材との係合によってせん断抵抗や引張抵抗が発揮されるようにセグメント間が接合されればよい。また、挿入口511aから押し込んで設置できるものであれば、継手部がトンネル軸方向に間隔を置いて配置されてその間に押し込み用のスペーサが介在されるような継手材であってもよい。
【0093】
また、前記実施の形態では、再接合セグメント5の本体はプレストレストコンクリートで形成したが、必要内空の形状・寸法、荷重条件に応じて、これに限定されるものではなく、プレストレストコンクリート以外のプレキャストコンクリートで製作したり、鋼板や溝型鋼材などを組み合わせて本体を製作したり、コルゲート型の鋳造品の背面に推力に抵抗させるコンクリートを工場で打設したり、コンクリートと鋼材を組み合わせた合成構造の本体としたりすることができる。
【0094】
さらに、前記実施の形態では、第一トンネル10Aの撤去用セグメント91Aと第二トンネル10Bの撤去用セグメント91Bが近接するように2本のトンネルを構築したが、これに限定されるものではなく、例えば第一トンネル10Aの撤去用セグメント91Aをシールド掘削機で切削可能な材料で形成しておき、その撤去用セグメント91Aの周囲を地盤改良した後に、撤去用セグメント91Aを切削しながら第二トンネル10Bを第一トンネル10Aに重ねて構築してもよい。
【0095】
また、前記した実施例2では、再接合セグメント5A,5B間のずれを測量した後にその形状に合わせて再接合セグメント5A,5B間を一度に連結させる連結用セグメント19を製作したが、これに限定されるものではなく、再接合セグメント5A,5B間のずれが少ない場合は、所定の形状に予め製作された両者間を一体で繋ぐ定形の連結用セグメント(図示せず)を使用し、この連結用セグメントと再接合セグメント5A,5B間の微調整用の隙間には超高強度モルタルなどの充填材を充填するようにしてもよい。
【0096】
さらに、前記実施の形態では、ボルト接合である着脱用連結部513によって撤去用セグメント9と再接合セグメント5との接合をおこなったが、これに限定されるものではなく、係合溝部511を着脱用連結部としてI型継手材6を挿入することで撤去用セグメント9との接合をおこなう構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の最良の実施の形態の再接合セグメントと連結用セグメントの接合工程を説明する斜視図である。
【図2】本発明の最良の実施の形態の再接合セグメントの構成を説明する斜視図である。
【図3】再接合セグメントを使用して構築したトンネルを並設させた状態を説明する断面図である。
【図4】並設したトンネル間に地盤改良部を形成した状態を説明する断面図である。
【図5】撤去用セグメントを撤去して並設したトンネル間を連通させた状態を説明する断面図である。
【図6】並設したトンネル間に連結用セグメントを架け渡した状態を説明する断面図である。
【図7】連結用セグメントの構成を説明する断面図である。
【図8】実施例1の連結用セグメントの構成を説明する斜視図である。
【図9】実施例2の連結用セグメントの構成を説明する断面図である。
【図10】実施例3の再接合セグメントと連結用セグメントの接合状態を説明する斜視図である。
【図11】実施例3の連結用セグメントの構成を説明する斜視図である。
【図12】従来のトンネル周方向のセグメント間の継手構造の構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0098】
5 再接合セグメント
51 再接合端部
511 係合溝部
511a 挿入口
512 接合端面
513 着脱用連結部
52 軸方向側面(トンネルの軸方向側の側面)
6 I型継手材(継手材)
7,72 連結用セグメント
71 係合溝部
71a 挿入口
9 撤去用セグメント
10A 第一トンネル
10B 第二トンネル
11 地盤改良部
17,171 連結用セグメント
19 連結用セグメント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの周方向に再接合可能な再接合端部を備えたトンネルの外殻を形成する再接合セグメントであって、
前記再接合端部には、トンネルの軸方向側の側面に挿入口が形成されるとともにその挿入口に連通して接合端面に沿って奥行き方向に延設される係合溝部が設けられ、前記接合端面はトンネル軸方向と平面視で交差する方向に傾斜するとともにその挿入口が形成された前記側面がその反対側の側面よりも挿入口の形状以上大きく周方向に突出していることを特徴とする再接合セグメント。
【請求項2】
請求項1に記載した再接合セグメントをトンネルの周方向に間隔を開けて互いの前記再接合端部が周方向に向き合うように配置し、その再接合端部間には撤去用セグメントを配置して前記再接合端部の前記周方向に隣接するセグメントに着脱自在に連結可能な着脱用連結部で連結することで第一のトンネルを構築し、
前記第一のトンネルの撤去用セグメントを配置した部分の近傍に撤去用セグメントが配設されるように前記第一のトンネルと同様にして第二のトンネルを構築し、
前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの撤去用セグメントの一部を撤去するとともにその周囲の補強された地盤を掘削し、
前記着脱用連結部の連結を解除することによって前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの撤去用セグメントを撤去して前記再接合端部の前記挿入口を露出させ、
前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの再接合セグメントの再接合端部に連結用セグメントを配置し、
前記係合溝部と前記連結用セグメントの端面に形成された係合溝部とによって形成された係合孔に、前記挿入口から継手材を挿入して前記再接合セグメントと前記連結用セグメントを接合することを特徴とする連結トンネルの構築方法。
【請求項3】
前記連結用セグメントは、前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの再接合セグメントにそれぞれ連結される部分と、その間にトンネル内で形成される部分とからなることを特徴とする請求項2に記載の連結トンネルの構築方法。
【請求項1】
トンネルの周方向に再接合可能な再接合端部を備えたトンネルの外殻を形成する再接合セグメントであって、
前記再接合端部には、トンネルの軸方向側の側面に挿入口が形成されるとともにその挿入口に連通して接合端面に沿って奥行き方向に延設される係合溝部が設けられ、前記接合端面はトンネル軸方向と平面視で交差する方向に傾斜するとともにその挿入口が形成された前記側面がその反対側の側面よりも挿入口の形状以上大きく周方向に突出していることを特徴とする再接合セグメント。
【請求項2】
請求項1に記載した再接合セグメントをトンネルの周方向に間隔を開けて互いの前記再接合端部が周方向に向き合うように配置し、その再接合端部間には撤去用セグメントを配置して前記再接合端部の前記周方向に隣接するセグメントに着脱自在に連結可能な着脱用連結部で連結することで第一のトンネルを構築し、
前記第一のトンネルの撤去用セグメントを配置した部分の近傍に撤去用セグメントが配設されるように前記第一のトンネルと同様にして第二のトンネルを構築し、
前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの撤去用セグメントの一部を撤去するとともにその周囲の補強された地盤を掘削し、
前記着脱用連結部の連結を解除することによって前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの撤去用セグメントを撤去して前記再接合端部の前記挿入口を露出させ、
前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの再接合セグメントの再接合端部に連結用セグメントを配置し、
前記係合溝部と前記連結用セグメントの端面に形成された係合溝部とによって形成された係合孔に、前記挿入口から継手材を挿入して前記再接合セグメントと前記連結用セグメントを接合することを特徴とする連結トンネルの構築方法。
【請求項3】
前記連結用セグメントは、前記第一のトンネルと前記第二のトンネルの再接合セグメントにそれぞれ連結される部分と、その間にトンネル内で形成される部分とからなることを特徴とする請求項2に記載の連結トンネルの構築方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−182696(P2007−182696A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1369(P2006−1369)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【出願人】(000148346)株式会社錢高組 (67)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【出願人】(000148346)株式会社錢高組 (67)
【Fターム(参考)】
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