説明

再水和可能な製薬製品

【課題】動物へ投与される、特に、化学塞栓組成物として使用される、安定に保存できて、簡単に再水和可能な、乾燥製薬組成物の提供。
【解決手段】縣濁液を形成するための再水和後に、動物に直接投与するのに好適な乾燥製品を製造するための方法であって:i)水で膨潤するポリマー基質であって、内部に非揮発性の生物学的活性化合物を吸収しているポリマー基質の粒子を、水の凝固点よりも低い温度に冷却する、凍結工程;ii)工程i)で得られた前記冷却された粒子を、吸収された氷の少なくとも一部が昇華し、水蒸気が除去される期間にわたって、氷が昇華するような減圧に付する、凍結乾燥工程;および、iii)前記乾燥した粒子を包装する包装工程を含み、前記包装工程が、減圧下に実行され、前記粒子を含む包装容器が、事実上気密であり、真空状態の内部を有することを特徴とする、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物へ投与される、特に、化学塞栓組成物として使用される、安定に保存できて、簡単に再水和可能な、乾燥製薬組成物を処方するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塞栓療法は、特定の血管を故意に閉塞させるために、血管系に薬剤を導入することを含む。このタイプの治療は、動静脈奇形(AVM)などの動静脈間の異常な接続を妨げるために特に有用であり、そして、ある種の、過剰に血管系の発達した腫瘍を養う血管を閉塞し、そうすることによって、その異常な組織を餓えさせ、その壊死および縮小をもたらすために特に有用である。塞栓療法の使用が増えつつある領域の例としては、悪性の、過剰に血管系の発達した腫瘍、例えば、肝細胞癌(HCC)などの治療、および、子宮類線維腫の治療が挙げられる。
【0003】
HCCの場合、化学療法剤を担持させた塞栓剤を用いて腫瘍を治療することが望ましい場合がある。DCビーズは、患者への投与前に、ドキソルビシンを担持させることが可能な塞栓ビーズである。しかしながら、この塞栓剤にドキソルビシンをあらかじめ担持させた状態で、ビーズを治療に当たる放射線医療担当者に供給することができたならば、それはさらに好都合であろう。これは、調剤、有毒薬剤の取り扱いに要する時間を節約するばかりか、さらに、処置に必要とされる薬剤量の推定を不要とする。
【0004】
ドキソルビシンなどの多くの薬は、水和形では、時間の経過と共に潜在的に不安定であるため、あらかじめ薬を担持させた塞栓アダクトは、過剰な水分を除去するために、最終滅菌の前に凍結乾燥をしなければならない。この凍結乾燥の工程によって、保存時に比較的安定な、自由に流動する乾燥粉末が形成される。このような製品は、特許文献1に記載される。
【0005】
特許文献1では、ポリマー基質は、架橋結合されたポリビニルアルコールである。他の粒子状塞栓材料、例えば、アルギン酸塩、アルブミン、ゼラチンを主成分とするものや、他の合成ポリマー、例えば、アルデヒドによって架橋されるPVA、ポリアクリレート、ポリ酢酸、およびポリグリコール酸、も使用することができる。これらは、不規則粒子の形を取ってもよいが、微小球であることが好ましい。
【0006】
多くの他の単純な治療化合物が、他の腫瘍タイプの塞栓用微小球と組み合わせて、研究されている。例として、イリノテカン(特許文献2を参照)、およびイブプロフェン(特許文献3を参照)が挙げられる。さらに、新しい薬ほど、構造がより複雑になっており、単純な分子的実体から、はるかに複雑な実体へ、ある場合には生物起源の実体へと移行する動きがある。これらの比較的複雑な分子的実体は、対応する単純な分子的実体よりも恐らく不安定と予想され、したがって、その保存寿命を延長するために、これらの分子が担持された微小球を、凍結乾燥する必要がでてくると予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO−A−04/071495
【特許文献2】WO−A−2006027567
【特許文献3】WO−A−2006013376
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ヒドロゲルなどのゲル、または、多孔性微小球を凍結乾燥する際の、問題点の一つは、乾燥工程において、水分が除去されるにつれて、微小球の内部に空気孔が発達することである。我々は、乾燥ビーズを再水和する際に、これらの空気孔の存在が問題となることを特定した。空気孔は、ビーズの水和速度を妨げる可能性がある。なぜなら、ビーズが完全に水和されるためには、この空気が、液体によって置換される必要があるからである。空気は比較的疎水性であり、微小球の再水和ために使用される水性液体は親水性であるから、この工程は遅くなる可能性がある。ある場合には、我々は、微小球中の空気孔の存在によって水和が完全に阻害されることを発見した。微小球の中に捕捉された空気の存在によって生じる、他の結果の一つは、微小球の浮力が変わることである。空気は、再水和のための液体よりも密度が低いので、ビーズは浮遊する傾向を持つ。これは、きわめて問題であり、例えば、水と造影剤との混合物の中で水和させる場合、十分なビーズの縣濁液を得るための潜在性に影響を及ぼす可能性がある。微小球を送達するためには、取り扱いを簡便とし、微小カテーテルを介する効果的な送達を可能とするよう、十分な時間、水和媒体に置いた縣濁液が必要とされる。微小球と、懸濁した/造影剤培地との均一な送達により、微小球の分量と活性を制御できる。
【0009】
本発明は、水和速度および非効率的な縣濁に関するこれらの問題点を克服し、かつ、粒子に対するさらなる賦形剤の添加を不要とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、縣濁液を形成するための再水和後に、動物に直接投与するのに好適な乾燥製品を製造するための新規方法であって:
i)水で膨潤するポリマー基質であって、内部に非揮発性の生物学的活性化合物を吸収しているポリマー基質の粒子を、水の凝固点よりも低い温度に冷却する、凍結工程;
ii)工程i)で得られた前記冷却された粒子を、吸収された氷の少なくとも一部が昇華し、水蒸気が除去されることによって、乾燥した粒子を形成するのに十分な期間、減圧に付する、凍結乾燥工程;および、
iii)前記乾燥した粒子を包装する包装工程を含み、
前記包装工程が、減圧下に実行され、前記粒子を含む包装容器が、事実上気密であり、真空状態の内部を有することを特徴とする、方法が提供される。
【0011】
工程i)およびii)は、一般に、製剤のための一般的な凍結乾燥工程と同じ条件下で実行される。例えば、工程ii)およびiii)の間に、さらに別の乾燥工程を含ませると好都合である。このさらなる乾燥工程は、さらに別の水分を除去するために実行してもよく、また、水の凝固点よりも高い温度で、かつ、低圧で、例えば、工程(i)が実行される圧よりも低い圧で実行してもよい。物理的に結合している水を含む水分をポリマー基質から除去するために、冷温・低圧工程と、これに引き続く、より暖かくより強い減圧工程との組み合わせを含む、好適なサイクルが知られている。
【0012】
凍結乾燥工程を実行するのに適切な圧は、0.01mbarから0.1barの範囲、好ましくは100mbar未満、多くの場合10mbar未満、例えば、1mbar未満、多くの場合0.02mbar以上である。冷却のために、および、凍結乾燥工程のために適切な温度は、−10℃未満、好ましくは−15℃未満、多くの場合−20℃未満、例えば、下限は−50℃まで、好ましくは−30℃周辺である。
【0013】
工程ii)およびiii)の間においてさらなる乾燥工程を実行するのに適切な圧は、0.2mbar未満、好ましくは0.1bar未満、例えば、下限は0.01mbarまで、好ましくは約0.05mbarである。適切な温度は、少なくとも0℃、好ましくは少なくとも25℃、より好ましくは少なくとも60℃である。
【0014】
一般に、温度および圧は、処理されるビーズの容器の体積、特に深さに応じて調整すべきである。浅い容器は、一般に、大量の材料を含む深い容器に比べて、凍結に要する時間が少なく、低圧サイクルの期間が短い。凍結工程は、少なくとも5分の期間、例えば、少なくとも10分、多くの場合1時間以上の期間にわたって、実行してもよい。凍結乾燥工程は、少なくとも1時間の期間、多くの場合一晩、例えば、少なくとも8時間、場合によってはそれ以上の期間にわたって、実行してもよい。さらなる乾燥工程は、少なくとも1時間、好ましくは2時間以上の期間にわたって、実行してもよい。
【0015】
本発明の方法は、引き続く計量と剤形への包装と共に、全てを真空下で実行し、バルクで行うことも可能である。しかし、工程i)およびii)、または、本発明の方法は、膨潤した粒子が、それらが最終的に包装される容器内部に既に含まれた状態において、実行することがもっとも好ましい。したがって、容器はそれぞれ、生物学的活性化合物を有する粒子の、単一用量を含む。このような工程では、容器は、硬質な材料から形成されることが好ましく、さらに、包装工程において適切な密栓ストッパーによって密栓される開口を備える。適切な容器は、ガラスから形成され、あるいは、本発明の方法を実施している間に付される温度で物理的に安定な、硬質の、気密なプラスチックであってもよい。本発明の方法は、凍結乾燥工程および密栓工程を同時に行うことができる装置中で実行することが、もっとも好都合である。工程ii)の後で工程iii)の前に、空気、酸素、またはその他のガスの侵入を事実上許さないことが好ましい。好適な装置は、Christによって商品名Epsilon 1−6D凍結乾燥機として、VirTisによってGenesis凍結乾燥機として販売されている。有用な保存期間を超えて十分に気密性を保つストッパーは、例えば、ブチルゴムから製造される。ただし、−30℃以下の温度において安定なものであれば、他の、低透過度のゴムを使用してもよい。ストッパーが、皮下針によって貫通される材料から形成され、そのため、再水和液体が、密栓容器の中に簡単に注入できると、特に好都合である。保存している間に、容器内部の圧は、空気がゆっくりとストッパーを通じて浸透するにつれて、上昇する場合があるが、この浸透度は、容器内部の圧が、少なくとも1ヶ月、好ましくは少なくとも1年、例えば、2年以上の保存期間の後も、大気圧未満となるようになっていなければならない。
【0016】
本発明の方法は、水に不溶で、好ましくは、ただしそれに限定されないが、事実上非生分解性で、製薬学的に受容可能なポリマーを含む、組成物を製造するのに特に好適である。出発物質は水で膨潤するので、ポリマーは、水膨潤性でなければならない。本発明の方法の開始時において、ポリマーは、水性の液体として事実上平衡に達するまで膨潤していることが好ましい。一般に、余分な粒子の水性液体は事実上無いが、本法は、例えば、沈殿、ろ過、または、遠心によって余分な粒子の液体を取り除く初期乾燥工程に、水性液体における膨潤ポリマー粒子の縣濁液を付する準備工程、を含んでもよい。
【0017】
ポリマーは、架橋結合されることが好ましく、共有結合で架橋結合されることがもっとも好ましい。ただし、イオン結合で架橋結合されるポリマーも、本発明の方法を用いることによって有用に使用される。イオン結合で架橋結合される材料は、例えば、対イオン荷電の第2ポリマーと架橋結合されるイオン荷電ポリマー、あるいは、それとは別に、多価の金属イオンと架橋結合されるイオン荷電ポリマー、を含んでもよい。
【0018】
天然供給源、例えば、アルブミン、アルギン酸塩、ゼラチン、でん粉、キトサン、または、コラーゲン、これらは全て従来塞栓剤として使用されてきた材料であるが、から得られるポリマーを使用することも好適である。天然のポリマーまたは誘導体を、混合、分子間架橋結合、またはグラフト共重合によって、合成ポリマーと組み合わせてもよい。しかしながら、ポリマーは、天然のポリマーまたは誘導体を事実上含まないことが好ましい。
【0019】
ポリマーは、合成材料を主成分とすること、例えば、好ましくは、架橋結合モノマー、例えば、マクロマー、または、ジ−、またはより高次の官能性架橋結合モノマーの存在下に、エチレン性不飽和モノマーの重合によって形成されることが好ましい。
【0020】
エチレン性不飽和モノマーは、イオン性(両性イオンを含む)モノマーを含んでもよい。
【0021】
ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、および、例えば、エタフィリコンAを主成分とするコンタクトレンズ用に使用されるエチレングリコールジメタクリレート、または、メチレンビスアクリルアミドなどの架橋結合モノマー、から成るコポリマーを使用してもよい。N−アクリロイル−2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオールおよびN,N−ビスアクリアミドのコポリマーを使用してもよい。
【0022】
他の、好適なポリマーは、例えば、分離媒体、またはイオン交換媒体として使用されるタイプのイオン性置換基、および、ポリホスファゼンを有する、架橋結合スチレンポリマーである。
【0023】
水膨潤性で、水に不溶の基質を形成するために使用できる、さらに別のタイプのポリマーは、アルデヒド型架橋結合剤、例えば、グルタルアルデヒド、を用いて架橋結合されるポリビニルアルコールである。このような製品のために、ポリビニルアルコール(PVA)は、イオン性としてもよいし、あるいは、事実上非イオン性としてもよい。例えば、PVAは、イオン性官能基を含む化合物を、ヒドロキシル基と反応させることを通じて、イオン性側基を設けることによって、イオン性としてもよい。ヒドロキシル基と反応させるのに好適な官能基の例としては、アクリル化剤、例えば、カルボン酸またはその誘導体、または、エステルを形成することができる他の酸性基、がある。本発明において使用することができる、ポリビニルアルコールを主成分とする、好適な市販の塞栓剤として、Ivalon(商標)、Trufill(登録商標)、Contour SE(商標)、および、Hepasphere(商標)がある。
【0024】
本発明は、ポリマー基質が、1分子当たり1個を超えるエチレン性不飽和側基を有するポリビニルアルコールマクロマーから、エチレン基のラジカル重合によって形成される場合、特に貴重である。PVAマクロマーは、例えば、非イオン性および/またはイオン性モノマーを含む、エチレン性不飽和モノマーと、共重合されることが好ましい。
【0025】
PVAマクロマーは、例えば、適切な分子量の、例えば、1000から500,000D、好ましくは10,000から100,000Dの範囲のPVAポリマーに、鎖末端、または、鎖中間性の、ビニルまたはアクリル側基を供給することによって形成してもよい。アクリル側基は、例えば、PVAとアクリル酸またはメタクリル酸とを反応させ、ヒドロキシル基のいくつかを介してエステル結合を形成することによって、供給してもよい。ポリビニルアルコールに重合させることが可能なビニル基を付加するための、他の方法が、例えば、US4,978,713、および、好ましくは、US5,508,317および5,583,163に記載される。したがって、好ましいマクロマーは、環状アセタール結合を介して、(アルク)アクリルアミノアルキル部分に結合される、ポリビニルアルコールの骨格構造を含む。WO2004/071495の実施例1は、本発明において有用な、公称ネルフィルコンBなる、ある一例のマクロマーの合成を記載する。PVAマクロマーは、1分子当たり約2から20個の、例えば、5から10個のエチレン側基を持つことが好ましい。
【0026】
PVAマクロマーが、イオン性モノマーを含むエチレン性不飽和モノマーと共重合される場合、該イオン性モノマーは、下記の一般式I:

BQ ...I

を有することが好ましい。上式において、Yは、下記:
【0027】
【化1】

から選ばれ、
上式において、
Rは、水素、またはC−Cアルキル基であり;
は、水素、またはC−Cアルキル基であり;
は、水素、またはC1−4アルキル基、または、BおよびQが下記に定義されるBQであり;
Aは、−O−、または−NR−であり;
は、−(CHOC(O)−、−(CHC(O)O−、−(CHOC(O)O−、−(CHNR−、−(CHNRC(O)−、−(CHC(O)NR−、−(CHNRC(O)O−、−(CHOC(O)NR−、−(CHNRC(O)NR−(式中、基Rは、同じであっても、異なっていてもよい)、−(CHO−、または、−(CHSO−基であるか、または、任意に、Bと結合される原子価結合であり、rは1から12であり、および、Rは、水素、またはC−Cアルキル基であり;
Bは、一つ以上のフッ素原子であって、過フッ化鎖を含むフッ素原子を任意に含有する、直鎖または分枝鎖アルカンジイル、オキサアルキレン、アルカンジイルオキサアルカンジイル、または、アルカンジイルオリゴ(オキサアルカンジイル)鎖であるか、または、QまたはYがBに結合する末端炭素原子を含む場合には、原子価結合であり;
かつ、
Qは、イオン基である。
【0028】
陰イオン基Qは、例えば、カルボン酸塩、炭酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ホスホン酸塩、またはリン酸塩であってもよい。モノマーは、遊離酸または塩の形で重合してもよい。接合される酸のpKは、5未満であることが好ましい。
【0029】
好適な陽イオン基Qは、基N、P、またはSであることが好ましく、これらの式において、基Rは、同じか、または異なり、それぞれ、水素、またはC−Cアルキル、またはアリール(好ましくはフェニル)であり、または、基Rの内の二つは、それらの付着するヘテロ原子と一緒になって、5から7個の原子を含む、飽和または不飽和ヘテロ環を形成し、基Rは、それぞれ、ORまたはRである。陽イオン基は恒久的に陽イオン性であることが好ましい、すなわち、各Rは水素以外のものである。好ましくは、陽イオン基Qは、Nであり、式中、各Rは、C−Cアルキル、好ましくはメチルである。
【0030】
両性イオン基Qは、例えば、陰イオン電荷の二価中心、および陽イオン電荷の一価中心、または、その逆を持つことによって、または陽イオン電荷の二中心、および陰イオン電荷の一中心、またはその逆を持つことによって、全体電荷を有してもよい。しかしながら、両性イオンは全体電荷を持たないことが好ましく、一価の陽イオン電荷中心、および一価の陰イオン電荷中心を持つことがもっとも好ましい。
【0031】
本発明のQとして使用してよい両性イオンの例は、WO−A−0029481に開示される。
【0032】
エチレン性不飽和モノマーが、例えば、両性イオンモノマーを含む場合、これは、粒子の、疎水性、潤滑性、生物適合性、および血液適合性を増大させてもよい。好適な両性イオンモノマーは、我々の以前の公刊物WO−A−9207885、WO−A−9416748、WO−A−9416749、およびWO−A−9520407に記載される。好ましくは、両性イオンモノマーは、2−メタクリロイルオキシ−2’−トリメチルアンモニウムエチルホスフェート内部塩(MPC)である。
【0033】
一般式Iのモノマーにおいて、好ましくは、Yは、CH=CRCOA−であり、式中、RはHまたはメチル、好ましくはメチルであり、Aは、好ましくはNHである。Bは、好ましくは、1から12個の、好ましくは2から6個の炭素原子のアルカンジイル基である。このようなモノマーは、アクリルモノマーである。
【0034】
このエチレン性不飽和モノマー中に、希釈モノマー、例えば、非イオン性モノマーを含めてもよい。このようなモノマーは、酸性基のpKの調節、製品の親水性または疎水性の調節、ポリマーに対する疎水性領域の付加、または、単に、不活性希釈剤としての活動のために有用である場合がある。非イオン性希釈モノマーの例としては、例えば、アルキル(アルク)アクリレート、および(アルク)アクリルアミド、特に、1から12個の炭素原子、ヒドロキシ、および、2−ヒドロキシ置換・アルキル(アルク)アクリレート、および−(アルク)アクリルアミドを持つアルキル基を有する化合物、ビニルラクタム、スチレン、および他の芳香族モノマーが挙げられる。
【0035】
イオン基が存在しないポリマー基質では、イオンレベルは、好ましくは、0.1から10 meq/g−1の範囲、好ましくは少なくとも1.0meq/g−1である。
【0036】
PVAマクロマーが、他のエチレン性不飽和モノマーと共重合される場合、PVAマクロマーの、他のモノマーに対する重量比は、好ましくは、50:1から1:5の範囲、より好ましくは20:1から1:2の範囲である。エチレン性不飽和モノマーにおいては、イオン性モノマーは、10から100モル%の範囲、好ましくは少なくとも25モル%の量として存在することが好ましい。
【0037】
このポリマーは、いくつかの方法によって粒子に変換してよい。例えば、架橋結合ポリマーは、バルク材料として、例えば、シート状またはブロック状に製造し、次いで、所望の大きさに粉砕してもよい。それとは別に、架橋結合ポリマーそれ自体を、例えば、連続的、非混和性担体において、分散相としてのモノマー小滴を重合することによって粒状に形成してもよい。膨潤した場合に所望の大きさを有する粒子を生産するための、好適な油中水重合の例は知られる。例えば、US4,224,427は、縣濁剤の存在下、連続的溶媒相において水溶性モノマーを分散させることによって、直径が最大5mmの、均一な球形ビーズ(微小球)を形成するためのプロセスを記載する。この分散相粒子のサイズ調節を実現するために、安定剤および界面活性剤が存在してもよい。重合後、架橋結合微小球は、既知の手段によって回収され、洗浄され、任意に滅菌される。好ましくは、粒子、例えば、微小球は、水性液体において膨潤化され、そのサイズによって分類される。
【0038】
本発明の方法は、この再水和材料を塞栓剤として使用する場合特に有用である。この粒子は、好ましくは微小球である、すなわち、事実上球形、または球状粒子によって形成される。塞栓剤とするために、このような粒子は、一般に、サイズ分画によって分離される。このようにすると、外科医は、治療法において遮断したいと思う血管を塞栓するのに相応しいサイズの微小球を選択することが可能になる。塞栓材料とするために、粒子は、一般に、40から2000μmの範囲、より好ましくは100から150μmの範囲の平均直径を有する。好ましくは、粒子は、幅がほぼ200μmから300μmの範囲に入るサイズを持つ。適切なサイズ分画は、100から300、300から500、500から700、700から900、900から1200μの範囲の指定サイズを持つ。本発明では、粒径は、本方法の種々の段階で決定することができる。例えば、粒径は、工程i)の出発物質として使用される膨潤粒子に基づいて決定してもよい。それとは別に、粒径は、本発明の方法の再水和製品について測定してもよい。
【0039】
好ましくは、本発明の方法は、予備的担持工程であって、非担持ポリマーの粒子に、生物学的活性化合物を担持する工程を含む。この方法では、非担持ポリマー粒子は、一般に、0.9重量%のNaCl中で室温で平衡するまで膨潤させた場合、上に指定した範囲のサイズを持つ。本発明は、前述したように、粒子を再水和して水性縣濁液を、動物に対して直接投与によって、例えば、活性物質の局所投与のために、腫瘍または他の標的への直接注入によって最終的に使用される水性縣濁液を、形成する場合、特に貴重である。好ましい使用は、塞栓材料としての使用である。特に有用なのは、塞栓材料が、固体腫瘍、特に悪性腫瘍を塞栓するために利用されることである。ただし、これらの材料は、良性腫瘍、例えば、子宮の類線維腫を塞栓するために使用されてもよい。生物学的活性物質は、抗腫瘍化合物、特に、水または他の溶媒の存在下に不安定になる化合物であることが好ましい。本発明は、生物学的活性化合物が、抗腫瘍剤、または、多くの場合抗増殖剤、抗転移剤、免疫抑制剤、鎮痛剤、抗炎症剤、解熱剤、抗菌剤、または麻酔剤である場合、特に貴重である。
【0040】
本発明は、アンギオペプチンなどの抗腫瘍剤および免疫抑制剤、およびサンドスタチンなどのスタチンを処方する際に特に貴重である。他の好適な薬剤としては、例えば、アザシチジン、ブレオマイシンおよび硫酸ブレオマイシン、カルボプラチン、シスプラチン、ストレプトゾチシン、カペシタビン、ビノレルビン、シクロスポリン、シタバニン、デカルバジン、アントラサイクリン類、例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、およびバノキサントロンが挙げられる。他の、好適な化学療法剤としては、フルオロウラシル、ゲムシタビン、イホスファミド、メトトレキセート、マイトマイシン、ムスチン塩酸塩、ロムスチン、カルムスチン/BCNU、メクロレタミン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、シトサール/シタラビン、ペクリタキセル、ドセタキセル、ラパマイシンおよび誘導体、例えば、タクロリムス、エベロリムス、ビオリムス、ゾタロリムス、およびRAD001が挙げられる。他の好適な薬剤としては、チルホスチン、テトラデシルセレノ酢酸、テトラデシルチオ酢酸、エチルイソプロピルアミロリド、アンチトロンビン、アグラスタット、シロスタゾール、クレキサン、クロピトグレル、ジピリダモール、ペルサンチン、インテグリリン、アブシキシマブ、トラピジル、VEGF、カレジロール、エストラジオール、および他のエストロゲン類、L−アルギニン、酸化窒素ドナー、プロブコール、キナプリラト、チオクタシド、テルミサルタン、ゾレドロネート、および、マトリックスメタロプロテナーゼ阻害剤、例えば、バチマスタットおよびマリマスタットが挙げられる。
【0041】
本発明が有用な、もう一つのクラスの化合物としては、鎮痛剤、抗炎症剤、および解熱剤、例えば、硫酸コデイン、ジアモルフィン塩酸塩、フェンタニル、ヒドロモルフォン塩酸塩、インドメタシン、モルフィン塩酸塩、およびペチジン塩酸塩が挙げられる。
【0042】
本発明はさらに、抗菌剤、例えば、動静脈系に投与してもよく、および/または、ポリマー基質処方を含む、持続/調節放出処方として投与してもよい、抗菌剤の処方に有用である場合がある。このような抗菌剤の例としては、アンピシリン、ベンジル・ペニシリン、セフタジジム、セフトリアキソンナトリウム、硫酸ゲンタマイシン、テトラサイクリン、およびバンコマイシン塩酸塩がある。
【0043】
本発明の工程i)用の出発物質を形成するために、ポリマー基質に生物学的活性化合物を担持するための方法は、ポリマー基質と適合する溶媒における活性物質の可溶性、および/または、そのような溶媒におけるポリマーの膨潤性にしたがって選択される。例えば、一つの好ましい成分の組み合わせにおいては、ポリマーは、全体としてイオン性に荷電され、イオン交換型プロセスを通じて、対イオンに荷電される活性化合物によって担持される。例えば、活性がカチオンに荷電される塩酸ドキソルビシンであるとき、ポリマーマドリクスはアニオンに荷電されることが好ましい。
【0044】
本発明の好ましい局面によれば、本発明で使用される治療活性物質は、アミン糖が付着するアントラキノン基を含む、アントラサイクリン化合物である。この糖におけるアミノ基は、ポリマー基質において陰イオン基と連結すると考えられるので、高レベルの担持を可能とし、かつ、投与後、調節的送達を可能とする。それとは別に、アミン基は、ミトキサントロンおよびバノキサントロンの場合のように、アントラサイクリン環に対する側基であることも可能である。
【0045】
好適なアントラサイクリンの例は、下記の一般式II:
【0046】
【化2】

=COCHOH R=OCH=HO(axial)ドキソルビシン、
=COCH=OCH=HO(axial)ダウノルビシン、
=COCH=H R=HO(axial)イダルビシン、
=COCHOH R=OCH=HO(equatorial)エピルビシン
【0047】
良好な担持レベルおよび放出を可能とするもう一つのポリマー基質は、Qが、その接合酸のpKが好ましくは5以下である陰イオン基である、一般式Iのイオン性モノマーと、前述のマクロマーを共重合することによって好ましくは形成される、陰イオン性ポリ(ビニルアルコール)系材料である。
【0048】
我々は、ドキソルビシンが、種々の腫瘍に対する効力を徹底的に検査した結果、特に興味深い担持および放出特徴を有することを見出した。この薬剤は、ポリ(ビニルアルコール・グラフト・アクリルアミドプロパンスルホン酸)に対し特異的親和性を有するようである。そのため、高レベルのドキソルビシンが、ポリマーの中に取り込まれ、多くの日数をかけて放出される。
【0049】
もう一つの好ましい実施態様によれば、製薬学的活性物質は、カンプトテシン、好ましくは、イオン性荷電のポリマーと組み合わせて使用される、陽イオン荷電カンプトテシンである。このようなカンプトテシンの例は、下記の一般式III:
【0050】
【化3】

【0051】
上式において、R10は、Hであるか、または、ヒドロキシルアミン、アルコキシ、ハロゲン、アシル、またはアシルオキシ基、またはハロゲンによって任意に置換される、C(1−6)アルキルであり;かつ、
は、塩素であるか、またはNR1112であり、式中、R11およびR12は、同じであっても、異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、置換または未置換のC1−4アルキル基、または置換または未置換の炭素環またはヘテロ環基を表すか、または、R11およびR12は、それらの付着する窒素原子と一緒になって、−O−、−S−、または>NR13によって中断されてもよい、任意に置換されるヘテロ環を形成する。前式中、R13は、水素原子、置換または未置換のC1−4アルキル基、または置換または未置換のフェニル基であり;
および、−O−CO−R基は、カンプトテシン化合物、およびその塩のA環の9、10、または11位のいずれかに位置する炭素原子に結合する。
【0052】
好ましくは、Rは、NR1112であり、式中、R11およびR12は、前記窒素原子と一緒になって、任意に置換されるヘテロ環を形成する。もっとも好ましくは、Rは:
【0053】
【化4】

【0054】
好ましくは、Rは、カンプトテシンの10位において置換される。好ましくは、R10は、エチルである。
【0055】
治療活性物質は、種々の技術によってポリマー基質の中に取り込んでよい。一方法では、治療活性物質は、重合または架橋結合前に、ポリマー前駆体、例えば、モノマーまたはマクロマー混合物、または、架橋結合性ポリマー、および架橋結合性混合物と混合されてもよい。それとは別に、活性物質は、ポリマーに、それが架橋結合された後、担持してもよい。例えば、粒状乾燥ポリマーは、治療活性物質の溶液において、好ましくは水溶液において、膨潤させ、その後、任意に、非吸収性薬剤の除去および/または溶媒の蒸発を行ってもよい。アルコールなどの有機溶媒に、より好ましくは水に溶解させた活性物質の溶液は、薬剤が、粒子本体中に吸収され、同時に、溶媒が除去されるように、粒子の移動ベッドの上に霧状に撒布されてもよい。きわめて好都合にも、水などの連続的液体ベヒクル中に縣濁させた膨潤粒子は、単に長期に亘って薬剤液に接触させることで、薬剤を、粒子の本体中に吸収させることが可能であることを我々は見出した。これは、陽イオン交換型プロセスと類似するものと考えられる。その後、膨潤性ベヒクルは除かれるか、または、好都合にも、その後の塞栓剤としての使用に備えて、製品の一部として粒子によって保持されてもよい。
【0056】
次に、この薬剤担持粒子は、過剰な担持液または溶媒から回収され、それに対し前述の乾燥および包装プロセスが実施される。
【0057】
本発明はさらに、動物に投与するための製薬学的に受容可能な縣濁液を調製する方法であって、乾燥製品の包装容器に、製薬学的に受容可能な滅菌水性液、および、任意に造影媒体を加えることによって、上に定義した本法の製品を再水和して、連続水性液における膨潤粒子縣濁液を形成する方法を含む。
【0058】
この製薬学的に受容可能な滅菌水性液体は、例えば、生理食塩水、脱イオン水、または、好ましくは、リン酸バッファー食塩水である。好ましくは、滅菌水性液は、気密な包装容器を皮下針によって穿刺し、空気または酸素などのガスの侵入を許すことなく、該液体を注入することによって、該容器の中に直接加えられる。一旦、再水和用水性液体および粒子が、安定な縣濁液を形成したならば、好ましくは、これを造影媒体と組み合わせ、混ぜ合わせて、患者に直ちに投与することが可能な縣濁液を形成する。
【0059】
本発明ではさらに、動物の治療法であって、先行パラグラフにおいて形成された縣濁液を、血管を閉塞するために、好ましくは、固体腫瘍を閉塞するために、好ましくは動脈中に投与することによって、動物に投与する方法が提供される。
【0060】
本発明によればさらに、水膨潤性で、水に不溶な生体適合性ポリマーの凍結乾燥粒子であって、その中に、製薬学的に受容可能な生物学的活性物質が吸収されており、0.9重量%の生理食塩水において室温で40から2000μmの範囲のサイズに膨潤することが可能な粒子を、真空状態で含む、新規の気密包装容器が提供される。
【0061】
本発明のこの局面では、ポリマーおよび生物学的活性化合物は、本発明の第1局面に関連して上に定義した好ましい特性を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本実施例を実行する装置の模式図であって、どのようにして空気の侵入を許すことなくバイアルを密栓するかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
付属の実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
【0064】
実施例1
微小球の生産
球は、縣濁合成法によって合成する。この方法では、PVAマクロマーであるネルフィリコンA(約80g)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネートナトリウム塩(70g)、および過硫酸カリウム合成開始剤(約5g)を含む水相(約700g)を、攪拌リアクターにおいて、酢酸ブチル(3l)および5gの酢酸酪酸セルロース(酢酸エチル溶液)から成る有機相に縣濁する。高速混和法を用いることによって、水相を分散させ小滴を形成し、かつ、そのサイズおよび安定性は、攪拌速度、粘度、水相/有機相の比率などの要因によって調節することが可能である。分散モノマー/マクロマーの重合は、窒素雰囲気下、TMEDAを添加し、温度を50℃を超えて数時間加熱することによって起動する。室温に冷却後、ろ過によって酢酸ブチルを取り除き、次いで、溶媒による洗浄工程、減圧乾燥して溶媒を除去することによって、この産物を精製し、次いで、この微小球を、60℃で水に平衡させて完全に再水和する。約100μm、300μm、500μm、700μm、および900μmのサイズを含む、32から1200μm範囲のメッシュサイズを持つステンレススチールのふるいトレーを備えた、316Lステンレススチール回旋ふるいユニット(MM Industries,Salem Ohio)を用いて、この球状粒子をふるい分けする。32μmふるいで収集される微小球は捨てる。
【0065】
薬剤担持
使用する微小球の各サイズについて、0.5mlを、2本の、1mlシリンジに移した。一つは、薬剤の取り込みのため、2番目は、コントロールとして使用するためである。実験のために選ばれたサイズは、100−300μm、300−500μm、500−700μm、および850−1000μmであった。さらに、本手順の有効性を確かめるために、別に3本の、500−700μmのシリンジを準備した。実験中、光によってドキソルビシンが分解されることがないよう、11本の、10mlガラスバイアルをホイルで蔽った。標準曲線を作成した。80mlの薬剤液20mg/mlを用いて、下記の濃度を調製し、その吸光度(483nmにおける)を測定した:100μg/ml、50μg/ml、25μg/ml、12.5μg/ml、6.25μg/ml、および3.125μg/ml。得られた吸光度をグラフ上にプロットし、直線式を用いて、実験においてビーズによって取り込まれた薬剤濃度を計算した。バイアルの内の四つは、5mlの脱イオン水(ROMIL)で満たし、ビーズを加えた時のコントロールとして使用した。残りの7バイアルには、所望の濃度の薬剤液5mlを加えた。溶液の開始吸光度、したがって濃度は、標準曲線の作成から既に知られる。(20mg/ml溶液の吸光度を測定するには、該溶液を200倍に希釈し、濃度100μg/mlを用いなければならなかった。この1:200希釈は、ビーズによる溶液の取り込み測定期間を通じて行った。)第1組の微小球を、第1薬剤含有バイアルに添加すると同時にストップウォッチをスタートさせ、微小球を、残余の6個のバイアルそれぞれに最小から最大に向かって加えた。キャップを用いて密栓した後、それらのバイアルを回転ミキサー上に設置した。このプロセスを、コントロールサンプルにも繰り返した。吸光度を、バイアルを設定したのと同じ順序で、0.167時間(10分)、0.5時間、1時間、2時間、24時間、および96時間の時間間隔で測定した。データから、1mlの微小球当たりの薬剤量(mgで表す)、および1mlの微小球によって取り込まれる薬剤摂取%を計算することが可能であった。
【0066】
バイアル当たり37.5mgのドキソルビシンをあらかじめ担持した100−300、300−500、500−700、および700−900μm(1.5±0.1ml)の生産を行う次の工程では、イプシロン1−6D凍結乾燥機を使用する。このバイアルは、1型管状中性ガラス製10mlバイアルであり、栓は、ブチルゴム製凍結乾燥ストッパーである。凍結乾燥プログラムは、345バイアルの微小球によって完全に担持されると動作するように設計された。
【0067】
イプシロン1−6D凍結乾燥機は、Lyo Screen Control(LSC)パネル、およびPfeiffer DUO 10 Rotary Vane Vacuumポンプを備える。この装置は、Lyolog LL−1文書化ソフトウェアによって調節される。
【0068】
イプシロン1−6Dは、パイロット実験スケールの凍結乾燥機である。このシステムは、サンプルを凍結させる、−40から80℃の温度範囲の、三つの液体調節型冷却/加熱棚を備えるチェンバーから成る。最低温度は−60℃であるアイスコンデンサーが、中間バルブによって隔てられる隣接チェンバーに配置される。棚およびアイスコンデンサーは、二つの冷却機によって冷却される。チェンバー圧は、Pfeiffer DUO 10 Rotary Vane Vacuumポンプによって実現される。
【0069】
イプシロン1−6Dは、1サイクル当たり最大345本のバイアル(10ml)、すなわち、一つの棚当たり115本のバイアルを凍結乾燥することが可能である。
【0070】
微小球を、真空無しで少なくとも1時間約−30℃で凍結し、次いで、約30分の期間に亘って圧を、0.35−0.40mbar範囲の圧となるまで徐々に下げ、一方では、そのまま温度を約−20℃に上がるにまかせ、この温度および圧においてこの条件を一晩保持し、次いで、温度を約1−2時間の期間室温に上げ、同時に圧を上げ、次いで、室温で、圧を約0.05mbarに下げる期間を設ける―以上で合計のサイクル時間は24時間になる―ことによって微小球を凍結乾燥する。
【0071】
サイクルの終わりに、次いで事実上空気の侵入を許すことなく、バイアル閉鎖機構をスイッチオンして、棚を下げ、棚上のバイアルを下部で密栓することによって、バイアルを真空下で密栓する。次に、チェンバーに通気して、チェンバーを大気圧とする。次に、棚を元の位置に戻し、チェンバーを開く。
【0072】
コントロールとして、このプロセスを繰り返した。ただし、バイアルを密栓する前に、大気圧となるまで空気の侵入を可能とすることによって、チェンバーを大気圧に平衡させた。
【0073】
次に、ストッパーを貫通するための、シリンジ付属の、通常の皮下針を用いて、3mlの水および3mlの造影剤(例えば、リピオジオール)を注入することによって、ドキソルビシン担持(通常、mlビーズ当たり25から40mg)の本法の製品および比較法による製品を再水和する。バイアルを、手動で、または機械的シェイカーを用いて3分間振とうする。本発明の方法では、より速やかな再水和、およびより簡単な取り扱いが可能であった。これらは、いずれも、用量のより確かな調節を可能とするもので、手術を受ける患者に対し該縣濁液を直ちに投与したいと願う外科医にとってはきわめて重要である。振とうをもっと長く続けた後でも、コントロール微小球は、表面に浮遊する分画を含んでいた。
【0074】
したがって、本発明の方法は、より容易な取り扱い、用量コントロールの向上、およびより速やかな再水和を可能とする。これらはいずれも手術を受ける患者に対し該縣濁液を直ちに投与したいと願う外科医または放射線医療担当者にとってはきわめて重要である。
【0075】
実施例2
実施例1において生産されたビーズに、イリノテカンを、mlビーズ当たり約50mgの薬剤の濃度に担持する。凍結乾燥サイクルは、実施例1で使用したものと同じであった。このビーズは、生理食塩水を、大気圧よりも低い圧で容器に加えると簡単に再水和することが可能であり、ビーズはすぐに沈み、均一な縣濁液を形成することが可能であった。
【0076】
実施例3
アルギン酸塩微小球は下記のように調製する。高Gアルギン酸塩(WO−A−00/09566に記載されるようにして回収)の水溶液は、その2%水溶液の小滴を、カルシウムイオン溶液を含む沈殿浴の中に撒布することによって架橋結合させ、次いで、形成された微小球を収集する。この微小球は、215μmの平均サイズ(標準偏差は3μm)を持つ。洗浄後、アルギン酸微小球の2%縣濁液0.2mlをバイアルに移す。過剰な液体を傾斜除去し、次いで、ml当たり10.07mgのドキソルビシン水溶液1.39mlを、この微小球に加える。混合物を一晩振とうする。この時間後、担持容量を、傾斜除去された、過剰担持溶液の濃度を測定することによって定量する。これによって、1mlのビーズ縣濁液当たり、約50から60mgのドキソルビシンの担持容量が明らかになった。過剰な担持液を除去し、ビーズスラリーをバイアル中で凍結乾燥する。
【0077】
凍結乾燥サイクルは、事実上、実施例1において記載したものと同じである。サイクルの終了時に、最終の真空下でバイアルを密栓する。
【0078】
0.9重量%の生理食塩水に再縣濁すると、ビーズは急速に再水和し、縣濁液中に沈んだ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縣濁液を形成するための再水和後に、動物に直接投与するのに好適な乾燥製品を製造するための方法であって:
i)水で膨潤するポリマー基質であって、内部に非揮発性の生物学的活性化合物を吸収しているポリマー基質の粒子を、水の凝固点よりも低い温度に冷却する、凍結工程;
ii)工程i)で得られた前記冷却された粒子を、吸収された氷の少なくとも一部が昇華し、水蒸気が除去される期間にわたって、氷が昇華するような減圧に付する、凍結乾燥工程;および、
iii)前記乾燥した粒子を包装する包装工程を含み、
前記包装工程が、減圧下に実行され、前記粒子を含む包装容器が、事実上気密であり、真空状態の内部を有することを特徴とする、方法。
【請求項2】
工程ii)およびiii)の間に、さらなる乾燥工程を含み、この工程において、水が、凝固点よりも上の温度で、かつ、減圧下に、好ましくは、工程ii)が実行される圧よりも低い圧において、除去されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記さらなる乾燥工程が、少なくとも25℃、好ましくは少なくとも60℃の温度、および、1mbar未満、好ましくは0.1mbar未満の圧において実行されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記包装が、事実上硬質の容器であって、ストッパーによって閉鎖される開口を備える容器を含み、前記包装の内圧が、大気圧未満、好ましくは0.95bar未満であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記凍結工程および前記凍結乾燥工程において、膨潤ポリマーの粒子が前記容器の中に含まれ、前記包装工程において、前記ストッパーが、前記容器の前記開口に嵌め込まれることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記包装される粒子が、好ましくは、ガンマ放射、UV、蒸気、e−ビーム、または加熱滅菌によって、滅菌されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記冷却工程において前記粒子が冷却されて達する温度が、−15℃未満、好ましくは−20℃未満、好ましくは−30℃周辺であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記凍結乾燥工程が、−15℃未満、好ましくは−20℃未満の温度で実行されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記凍結乾燥工程における圧が、0.1bar未満、好ましくは100mbar未満、例えば、10mbar未満、もっとも好ましくは1mbar未満に下げられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリマーが、水に不溶で、好ましくは、事実上非生分解性で、製薬学的に受容可能なポリマーであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリマーが、架橋結合される、好ましくは共有結合で架橋結合されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリマーが、ポリ(ビニルアルコール)を主成分とすることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリマーが、好ましくは、ジ−、トリ−、またはオリゴ−不飽和モノマーを含む、複数のエチレン性不飽和モノマーの、好ましくはマクロマーの、より好ましくは、環状アセタール結合を介して(アルク)アクリルアミノアルキル部分に結合されるポリビニルアルコールの骨格構造を含むマクロマーの、重合によって形成されることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のエチレン性不飽和モノマーが、下記の一般式I:

BQ ...I

を有する酸性モノマーを含み、上式において、Yは、下記:
【化1】

から選ばれ、
上式において、
Rは、水素、またはC−Cアルキル基であり;
は、水素、またはC−Cアルキル基であり;
は、水素、またはC1−4アルキル基、または、BおよびQが下記に定義されるBQであり;
Aは、−O−、または−NR−であり;
は、−(CHOC(O)−、−(CHC(O)O−、−(CHOC(O)O−、−(CHNR−、−(CHNRC(O)−、−(CHC(O)NR−、−(CHNRC(O)O−、−(CHOC(O)NR−、−(CHNRC(O)NR−(式中、基Rは、同じであっても、異なっていてもよい)、−(CHO−、または、−(CHSO−基であるか、または、任意にBと結合される原子価結合であり、rは1から12であり、および、Rは、水素、またはC−Cアルキル基であり;
Bは、一つ以上のフッ素原子であって、過フッ化鎖を含むフッ素原子を、任意に含有する、直鎖または分枝鎖アルカンジイル、オキサアルキレン、アルカンジイルオキサアルカンジイル、または、アルカンジイルオリゴ(オキサアルカンジイル)鎖であるか、または、QまたはYがBに結合する末端炭素原子を含む場合には、原子価結合であり;かつ、
Qは、イオン基である、
ことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
室温で0.9重量%の生理食塩水において再水和されると、平均粒径が40から2000μmの範囲に納まるように、前記粒子の粒径が選ばれることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記粒子は、その形状が事実上球形であることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
工程i)において出発物質として使用される粒子が、非担持ポリマーの粒子に生物学的活性化合物を担持する、予備的担持工程において形成されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記生物学的活性化合物が、抗腫瘍剤および抗転移剤、免疫抑制剤、鎮痛剤、抗炎症剤、解熱剤、麻酔剤、および抗菌剤を含む、抗増殖剤から選ばれることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記生物学的活性化合物が、アンギオペプチン、サンドスタチンなどのスタチン類、アザシチジン、ブレオマイシンおよび硫酸ブレオマイシン、カルボプラチン、シスプラチン、ストレプトゾチシン、カペシタビン、ビノレルビン、シクロスポリン、シタバニン、デカルバジン、アントラサイクリン類、例えば、ダウノルビシン塩酸塩およびドキソルビシン塩酸塩など、フルオロウラシル、ハロピリドール、ゲムシタビン、イホスファミド、メトトレキセート、ミトキサントロン、バノキサントロン、マイトマイシン、ムスチン塩酸塩、ロムスチン、カルムスチン/BCNU、メクロレタミン、ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびシトサール/シタラビン、パクリタキセル、ドセタキセル、ラパマイシンおよび誘導体、例えば、チルホスチン、タクロリムス、エベロリムス、ビオリムス、ゾタロリムス、およびRAD001など、テトラデシルセレノ酢酸、テトラデシルチオ酢酸、エチルイソプロピルアミロリド、アンチトロンビン、アグラスタット、シロスタゾール、クレキサン、クロピトグレル、ジピリダモール、ペルサンチン、インテグリリン、アブシキシマブ、トラピジル、マトリックスメタロプロテナーゼ阻害剤、例えば、バチマスタット、およびマリマスタットなど、VEGF、カレジロール、エストラジオール、および、しばしばエストロゲン類、L−アルギニン、酸化窒素ドナー、プロブコール、キナプリラト、チオクタシド、テルミサルタン、ゾレドロネート、ドキソルビシン塩酸塩、およびイリノテカンから選ばれる抗腫瘍剤であることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
動物に投与するための製薬学的縣濁液を調製する方法であって、任意に1日から10年の保存期間後に、前記乾燥製品の包装容器に、製薬学的に受容可能な滅菌水性液体、および、任意に造影媒体を、事実上空気の侵入を許すことなく加えることによって、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法の製品を再水和して、連続的水性液体における膨潤粒子の縣濁液を形成する方法。
【請求項21】
動物の治療法であって、
動物に投与するための製薬学的縣濁液が調製され、
ここで、任意に1日から10年の保存期間後に、前記乾燥製品の包装容器に、製薬学的に受容可能な滅菌水性液体、および、任意に造影媒体を、事実上空気の侵入を許すことなく加えることによって、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法の製品を再水和して、連続的水性液体における膨潤粒子の縣濁液を形成し、前記膨潤粒子の縣濁液を、血管を閉塞するために、好ましくは固体腫瘍を閉塞するために、好ましくは動脈中に投与することによって、動物に投与する方法。
【請求項22】
水膨潤性で、水に不溶の生体適合性ポリマーの凍結乾燥粒子であって、その中に、製薬学的に受容可能な生物学的活性化合物が吸収され、0.9重量%の生理食塩水において室温で40から2000μmの範囲のサイズに膨潤することが可能な粒子を、真空状態で含む、気密包装容器。
【請求項23】
前記包装容器が硬質であることを特徴とする、請求項22に記載の包装容器。
【請求項24】
前記包装容器が、皮下針によって貫通することができるストッパーを含み、気密な閉鎖部によって閉鎖されるガラス製であることを特徴とする、請求項23に記載の包装容器。
【請求項25】
前記ポリマーが、水に不溶で、好ましくは、事実上非生分解性で、製薬学的に受容可能なポリマーであることを特徴とする、請求項22〜24のいずれか1項に記載の包装容器。
【請求項26】
前記ポリマーが、架橋結合される、好ましくは、共有結合で架橋結合されることを特徴とする、請求項25に記載の包装容器。
【請求項27】
前記ポリマーが、ポリ(ビニルアルコール)を主成分とすることを特徴とする、請求項25または26に記載の包装容器。
【請求項28】
前記ポリマーが、好ましくは、ジ−、トリ−、またはオリゴ−不飽和モノマーを含む、複数のエチレン性不飽和モノマーの、好ましくはマクロマーの、より好ましくは、環状アセタール結合を介して(アルク)アクリルアミノアルキル部分に結合されるポリビニルアルコールの骨格構造を含むマクロマーの、重合によって形成されることを特徴とする、請求項25〜27のいずれか1項に記載の包装容器。
【請求項29】
前記複数のエチレン性不飽和モノマーが、下記の一般式I:

BQ ...I

を有する酸性モノマーを含み、上式において、Yは、下記:
【化2】

から選ばれ、
上式において、
Rは、水素、またはC−Cアルキル基であり;
は、水素、またはC−Cアルキル基であり;
は、水素、またはC1−4アルキル基、または、BおよびQが下記に定義されるBQであり;
Aは、−O−、または−NR−であり;
は、−(CHOC(O)−、−(CHC(O)O−、−(CHOC(O)O−、−(CHNR−、−(CHNRC(O)−、−(CHC(O)NR−、−(CHNRC(O)O−、−(CHOC(O)NR−、−(CHNRC(O)NR−(式中、基Rは、同じであっても、異なっていてもよい)、−(CHO−、または、−(CHSO−基であるか、または、任意にBと結合される原子価結合であり、rは1から12であり、および、Rは、水素、またはC−Cアルキル基であり;
Bは、一つ以上のフッ素原子であって、過フッ化鎖を含むフッ素原子を、任意に含有する、直鎖または分枝鎖アルカンジイル、オキサアルキレン、アルカンジイルオキサアルカンジイル、または、アルカンジイルオリゴ(オキサアルカンジイル)鎖であるか、または、QまたはYがBに結合する末端炭素原子を含む場合には、原子価結合あり;かつ、
Qは、イオン基である、
ことを特徴とする、請求項28に記載の包装容器。
【請求項30】
室温で0.9重量%の生理食塩水において再水和されると、平均粒径が40から2000μmの範囲に納まるように、前記粒子の粒径が選ばれることを特徴とする、請求項22、26、および29のいずれか1項に記載の包装容器。
【請求項31】
前記粒子は、その形状が事実上球形であることを特徴とする、請求項1〜30のいずれか1項に記載の包装容器。
【請求項32】
前記生物学的活性化合物が、抗腫瘍剤および抗転移剤、免疫抑制剤、鎮痛剤、抗炎症剤、解熱剤、麻酔剤、および抗菌剤を含む、抗増殖剤から選ばれることを特徴とする、請求項22〜31のいずれか1項に記載の包装容器。
【請求項33】
前記生物学的活性化合物が、アンギオペプチン、サンドスタチンなどのスタチン類、アザシチジン、ブレオマイシンおよび硫酸ブレオマイシン、カルボプラチン、シスプラチン、ストレプトゾチシン、カペシタビン、ビノレルビン、シクロスポリン、シタバニン、デカルバジン、アントラサイクリン類、例えば、ダウノルビシン塩酸塩およびドキソルビシン塩酸塩など、フルオロウラシル、ハロピリドール、ゲムシタビン、イホスファミド、メトトレキセート、ミトキサントロン、バノキサントロン、マイトマイシン、ムスチン塩酸塩、ロムスチン、カルムスチン/BCNU、メクロレタミン、ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびシトサール/シタラビン、パクリタキセル、ドセタキセル、ラパマイシンおよび誘導体、例えば、チルホスチン、タクロリムス、エベロリムス、ビオリムス、ゾタロリムス、およびRAD001など、テトラデシルセレノ酢酸、テトラデシルチオ酢酸、エチルイソプロピルアミロリド、アンチトロンビン、アグラスタット、シロスタゾール、クレキサン、クロピトグレル、ジピリダモール、ペルサンチン、インテグリリン、アブシキシマブ、トラピジル、マトリックスメタロプロテナーゼ阻害剤、例えば、バチマスタット、およびマリマスタットなど、VEGF、カレジロール、エストラジオール、および、しばしばエストロゲン類、L−アルギニン、酸化窒素ドナー、プロブコール、キナプリラト、チオクタシド、テルミサルタン、ゾレドロネート、ドキソルビシン塩酸塩、およびイリノテカンから選ばれる抗腫瘍剤であることを特徴とする、請求項32に記載の包装容器。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−229248(P2012−229248A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−157118(P2012−157118)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【分割の表示】特願2009−515897(P2009−515897)の分割
【原出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(303039785)バイオコンパティブルズ ユーケー リミテッド (23)
【Fターム(参考)】