説明

再生医学装置およびメルトブローン製造法

【課題】再生医学は、損傷組織環境への健康組織の直接移植を可能にすることができ、多くは、植え込み可能な生体適合性および生分解性足場を必要とする。生体適合性足場の製造法の最大の課題の一つは、細胞増殖および組織内部増殖を介して治癒を増強するのに十分な多孔度を有する機械的に安定な足場の製造にあり、これらの足場を中空構造にする適切な方法もない。
【解決手段】本発明は、全般的に、中空チャンバーを形成する、一体的細胞増殖が可能な生体適合性および生分解性足場を提供する臓器置換および再生医学用装置、ならびに、シームレス三次元造形品を製造するために、ポロゲンの存在下で柔軟ポリマー繊維ウェブをメルトブローイングすることによる装置製造法に関する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、臓器置換および再生医学のための装置および方法に関する。さらに具体的には、本発明は、臓器の再生を促進することができる一体的細胞増殖(integral cell growth)が可能な生体適合性および生分解性足場によって形成される中空チャンバーを提供する。
【0002】
〔発明の背景〕
再生医学は、疾病を治療し、ヒト組織を回復させることを目標とした発展途上の分野である。有力な治療法は、損傷組織の自律的再生を生体に促すことができる。さらに、組織工学インプラントも、再生を促すことができる。開発中の手法も、損傷組織環境への健康組織の直接移植を可能にすることができる。
【0003】
これらの新規治療法の多くは、インビトロ(試験管内)、インビボ(生体内)の両方での使用に対して、植え込み可能な生体適合性および生分解性足場を必要とする場合がある。これらの足場は、組織浸潤を介して、あるいは、細胞の付着および増殖の適切な手段を提供することによって治癒を増強することができる。生体適合性および生分解性足場を含む中空チャンバーは、チャンバーが損傷組織を置換するだけでなく、臓器全体を置換する能力を有することができるという点で、特異である。2001年には、少なくとも80,000人が臓器移植を待っていたが、受けられた移植は、13,000例未満であった。そのため、ヒト臓器または組織全体が増殖または再生できる、適切な生体適合性および生分解性足場に対する膨大な要求が依然として満たされないでいる。
【0004】
生体適合性足場の製作法は、限られた数の材料から有効な足場を製造する能力が課題である。現在のところ、最大の課題の一つは、細胞増殖および組織内部増殖を介して治癒を増強するのに十分な多孔度を有する機械的に安定な足場の製造にある。これらの足場を中空構造にする適切な方法もない。先行技術のこれらや他の欠陥は、本発明によって克服される。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明の目的は、一体的細胞増殖可能で、中空チャンバーを形成する生体適合性生分解性足場を含む臓器置換および再生医学用の組織増殖装置を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、ポロゲン(porogen(細孔形成剤))の存在下で柔軟ポリマー繊維ウェブをメルトブローすること(melt-blowing)によって製造される、臓器置換および再生医学用の組織増殖装置を提供することである。この点で、メルトブローイング法は、溶融ポリマー樹脂を回転する折りたたみ可能物に分布し、シームレス三次元造形品を生成することを含む。
【0007】
本発明のなおも別の目的は、臓器置換および再生医学用組織増殖装置であって、増殖因子、ホルモン、および、サイトカインなどの生体因子、または、抗生物質、鎮痛剤および抗炎症剤などの薬物、または、それらの配合物などを含む組織増殖装置を提供することである。
【0008】
本発明のなおもある他の目的は、臓器置換および再生医学用増殖装置によって生成される組織を提供することである。
【0009】
本発明の一部の特徴および長所は、数件の好ましい実施形態の図を参照して説明されるが、これらは、例証を意図されており、本発明を制約するものではない。
【0010】
〔発明の詳細な説明〕
当然ながら、本発明は、本明細書で説明される特定の方法論、プロトコルなどに制約されるものではなく、変更も可能である。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態の説明を目的とするにすぎず、本発明の範囲を制約することは意図されておらず、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみに規定されている。
【0011】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、本文が、他に明確に規定されない限り、複数形指示を含む。よって、例えば、細胞の指示は、指示内容が、他に明確な規定がない限り、当業者に既知の相当語句を含めて、1個以上の細胞への指示であることができる。他に規定されない限り、本明細書で使用される全技術用語は、本発明が関係する当業者に共通して理解されている意味と同じ意味を有する。実施例の場合以外で、あるいは、他に規定されている場合、本明細書で使用される成分の量を表す全数または反応条件は、当然ながら、いずれの場合も、用語「約(about)」によって修正される。用語「約(about)」は、パーセンテージと関連して使用される場合、平均値±1%であることができる。
【0012】
特定されている全特許および他の刊行物は、本発明と関連して使用可能と考えられる刊行物に記述されている、例えば方法を説明および開示することを目的にして、参照することによって本明細書に組み入れられている。これらの刊行物は、本出願の出願日前の開示書類に関してのみ提供される。この点で、本発明人が先行発明によって、あるいは、他の理由で、開示書類に先行する権限を付与されていないことを承認するものとして、何物も解釈されてはならない。日付に関する全記載事項、または、これら書類の内容に関する表現は、すべてが出願人が入手し得る情報に基づいており、これらの書類の日付もしくは内容の正確さに関して承認されているわけではない。
【0013】
本発明は、一体的細胞増殖が可能な、中空チャンバーを形成する生体適合性生分解性足場を含む、臓器置換および再生医学のための装置を提供する。足場は、細胞、増殖因子、生体活性物質および薬物の基質もしくはキャリアとしても作用することができる。
【0014】
「中空チャンバー」に関して、この装置は、中空、あるいは、実質的に中空の単一チャンバーから成ることができる。別法として、この装置は、中空の、あるいは、実質的に中空の2個以上のチャンバーから成ることができる。チャンバーは、互いに接続されることも、接続されないことも可能である。事実、本発明は、個別の中空チャンバーの集合体、ならびに、細分割された単一チャンバーを意図する。「一体的細胞増殖(Integral cell growth)」は、細胞の付着、増殖、分化、浸潤、滞留(residence)および増生(outgrowth)を含むが、それらに制約されないプロセスを指し、それによって、足場が分解するにつれ、組織増殖および臓器再生が、生体機能する組織または臓器を生じることができる。
【0015】
メルトブローン技術の態様は、報告されている。米国特許第5,609,809号は、生分解性でありながら、医用目的でない「衛生用品、拭き取りクロスおよび包装材などの一般的使い捨て家庭用品」向けのメルトブローン技術の使用に言及している。米国特許出願公開第20040202700号は、「医療用繊維品として非侵襲性または局所使用に適した感染症予防繊維製品の製造法」を開示している。これらの繊維品は、インプラント技術に使用されるというよりも、むしろ手術中に使用される。米国特許第5,108,428号および米国特許出願公開第20040078004号の双方は、医用インプラントまたは装置の構成部品の製造技術として、具体的には、インプラントを体内に固定する働きをするインプラント領域を生成する手段として、メルトブローイング技術に言及している。米国特許出願公開第20010010022号は、人工気管、人工外耳および肝臓リアクター(liver reactor)へのこの技術の仮想使用に言及している。この特許は、「三次元造形品」を作製するためのメルトブローン技術の使用を開示しているが、ポロゲンは、このプロセスには組み入れられていない。米国特許第6,913,762号は、具体的に、「哺乳動物の血管系内に植え込み可能な」コーティングステントへのこの技術の使用に言及している。米国特許第5,783,504号は、「乳酸のホモポリマーもしくはコポリマーと、少なくとも1枚の生分解性脂肪族ポリマーの熱可塑性ホモポリマーフィルムと」の複合構造に向けており、この場合、メルトブローイングは、大型植え込み装置を固定する単一領域でのみ使用されている。この技術は、インプラントの全体的製造には利用されていない。米国特許出願公開第2004026600号は、「組織培養および細胞培養のため、また、インプラントもしくはインプラント材料、ならびに、少なくとも1個のベース材の少なくとも片側に静電フロック加工繊維を製造するための、生体適合性足場」を開示している。米国特許出願公開第20050251083号は、「組織内部増殖を支持し、また、バリア細胞層形成を妨害するように構成された」「バイオインターフェース膜」を開示しているが、その場合、メルトブローイングは、製造法として提案されている。米国特許第6,165,217号は、「混ざり合った溶融形成連続フィラメントを含み、多孔質ウェブを形成する用品であって、このフィラメントが、複数の接触点で互いに自己凝集し、フィラメントが、少なくとも1個の非晶質成分と共有結合された、または、混合された少なくとも1個の半結晶ポリマー成分を含む用品」を開示している。
【0016】
本発明のある実施形態では、メルトブローイング技術が使用され、ポロゲンの存在下で回転する折りたたみ可能物に紡糸口金から押出される溶融ポリマー樹脂から繊維ウェブを製造する。図1および2を参照されたい。この折りたたみ可能物は、回転させる、あるいは、別途、移動させることができ、そのため、固体用コンベアベルト上で、押出されたポリマーのコーティング剤を実質的に均一に層化することが可能である。表面の連続回転は、より多くのポリマーが沈着するため、次第に厚みのある層、または稠密な層を生じる。折りたたみ可能物を使用すると、シームレス三次元造形品のポリマーウェブを生成する。具体的には、最終製品は、出口が1個の中空造形品であることができ、その出口から折りたたみ可能物が取り出されている。図3を参照されたい。メルトブローンフィラメントの特定の造形品への形成を誘導する型(mold)やマンドレルなど、適切な形状の道具を使用することによって、さらに複雑な形状が得られることができる。
【0017】
メルトブローン技術は、PGA、PLAまたはそれぞれのコポリマーなどの合成生体ポリマー、および天然ポリマーを組み入れることができる。いずれかの材料で構成された足場は、生体適合性であり、かつ吸収性であるが、最適な細胞増殖または組織内部増殖の進行を促進するのに十分に多孔質であることができない。この障害を克服するために、不織ウェブの加工中に、ポロゲンが添加されることができる。食塩またはグルコース球などのポロゲンは、押出し中に溶融繊維に振り掛け(dusted)または吹き付けられることができる。ゼラチン微小球も使用されることができる。生じる足場の多孔性は、添加されるポロゲンの量によって制御されることができるが、細孔サイズは、この球のサイズに依存する。これらの粒子が、乱気流に入るにつれ、粒子は、ウェブに無秩序に入り込む。メルトブローン構造のフィラメントは、典型的には、結晶化のために、経時的に収縮するので、多孔構造は、適所のポロゲン材料とアニーリング処理を受けることができる。いったんポロゲン-繊維複合体がアニーリング処理を受けると、構成物全体が、水に浸漬され、それによって、ポロゲンは、溶解し、あるいは、ウェブから浸出することができる。生じるマトリックスは、ポリマー繊維を含有するが、繊維間の距離が増加することによって、多孔性を生じる。ある実施形態では、このマトリックスは、より多くのポロゲンを有するので、多孔性が増加し、多孔度は90%を超える。
【0018】
本発明の各種実施形態では、生体適合性生分解性足場の形成に使用されるポリマーまたはポリマー混合物は、医薬組成物を含有することができる。前述のポリマーは、足場形成前に、1種類以上の医薬品と混合されることができる。別法として、そのような医薬組成物は、足場が形成された後に、その足場をコートすることができる。本発明の足場と併用されることができる様々な医薬品は、技術上周知のいずれかのものを含む。一般に、本発明の組成物によって投与されることができる医薬品は、抗生物質および抗ウイルス薬などの抗感染症薬;化学療法剤;拒絶反応抑制剤;鎮痛剤および鎮痛合剤(analgesic combinations);抗炎症剤;ステロイドなどのホルモン;増殖因子;および、他の天然由来または遺伝子工学(組換え)タンパク、ポリサッカライド、グリコプロテインまたはリポプロテインを含むが、それらに制約されない。
【0019】
これらの材料を含有する足場は、足場の製造に使用されるポリマー、または、溶媒、または、ポリマー-溶媒混合物と1種類以上の作用物質を混合することによって調合されることができる。別法として、作用物質は、足場上で、好ましくは薬学的に受容可能なキャリアとともにコートされることができる。足場を実質的に分解しないいずれの医薬キャリアも使用されることができる。医薬品は、液体、微粉砕固体、または、いずれかの他の適切な物理的形態として存在することができる。任意ではあるが、典型的には、医薬品は、希釈剤、キャリア、賦形剤、安定化剤など、1種類以上の添加剤を含むことができる。さらに、抗体、細胞接着因子などの各種生体化合物が、本発明の足場への選択作用物質(例、医薬品または他の生体因子)の接触および/または結合送達に使用されることができる。
【0020】
本発明の中空チャンバーは、膀胱などの臓器の再生に有用であることができ、それによって、本発明は、細胞、好ましくは宿主の細胞を播種または植え付けされる。例えば、原始ウサギ尿路上皮細胞(RUC)は、インビトロで不織ポリグリコール酸ポリマーに容易に付着し、生存し、インビボで増殖することが認められている(米国特許第5,851,833号)。軟骨細胞や肝細胞などの一部の分化細胞型は、機能が分化されるままであり、ある場合は、インビボにおいて、不織ポリグリコール酸またはポリ乳酸ポリマー上で増大することが認められている。ポリマー繊維は、細胞付着部位を提供し、ポリマー格子(polymer lattice)の網状性は、限界距離をかなり下回る距離でガス交換を起こし、このポリマーは、細胞増殖を促進する血管形成などの宿主細胞反応を引き起こす。
【0021】
合成ポリマーは、使用前にインビトロで改質されることができ、増殖、および分化を促進する増殖因子、および、ペプチドやステロイドホルモンなど他の生理的作用物質を運ぶことができる。ポリグリコール酸ポリマーは、4ヶ月間かけて生分解を受ける。そのため、ポリグリコール酸ポリマーは、細胞送達媒体として、植え込み前に大型の組織構造をインビトロで再建し、その後、植え付けられた細胞から増大する細胞群によってポリマーを置換することができる。
【0022】
膀胱などの臓器を再生するには、本発明の中空チャンバーは、予め細胞を播種せずに、植え込まれることもできる。マトリックスは、医薬品またはタンパク質、例えば細胞接着因子に付着される抗体を含有でき、これが、細胞の付着、増殖、分化、浸潤、滞留、および、増殖を促進し、それによって、いったん足場が分解すると、生体機能する組織または臓器が残る。
【0023】
<実施例>
〔実施例1〕
メルトブローン法
12.7cm(20-ミル5インチ)ダイを用いたメルトブローン押出機;電気および圧力連結器など、メルトブローイング装置にすべてが連結されていることを確認する;メルトブローイング装置の電源を入れる。各温度ゾーンを以下の条件に設定する。
【表1】

【0024】
各ゾーンを特定条件まで予め熱する:容器から90:10ポリラクチド(固有粘度(inherent viscosity)−1.26 DL/g)を取り出す;所望量のポリマーをオープンホッパー(open hopper)に注ぎ、ホッパーを閉鎖し、窒素ガスをパージする。いったん閉鎖すると、機械を8%スループットに設定し、ダイ圧をオンにする;1.38×106Pa(200 psi)の最低ダイ圧を維持する。
【0025】
90:10ポリラクチドの調製液は、各種の固有粘度で製造されることができる。粘度が低いほど、低めの温度設定で押出を可能にする。これは、順に、スループットおよび圧力の設定を変更することもできる。結果として、各ポリマーは、個別に検査されることが必要である。このポリマーへの損傷を防ぐために、90:10ポリラクチド調合物は、260℃(500°F)よりも高温で加熱してはならない。
【0026】
上記装置を使って、固有粘度1.76 dL/gの90:10ポリラクチドの初回調合物が検査された。この調合物は、以下の温度下、1.38×106Pa(200 psi)のみで押出されることができた。
【表2】

【0027】
これらの温度は、ポリマーの安定性を維持するには高すぎた。これは、押出されたポリマーが炭化、燃焼したため、確認されることができた。炭化を回避する温度低下は、繊維調合物を保護した。
【0028】
〔実施例2〕
ポロゲン分散法
ポロゲンは、押出プロセスに大量を定性的に添加するバルクフィーダーを使った押出技術に定量的に添加されることができる。このポロゲンは、押出されたポリマー流れに振り掛けられる、または、注がれることができる。過剰の多孔性を生じないが、押出しによって取り込まれるほどの大きさであるために、ポロゲンサイズは、300μm未満でなければならない。実際のサイズは、押出速度と押出されるポリマーの直径によって異なってくる。ポロゲン微粒子流れは、押出されるポリマーの上方に位置され、ポリマー流れ全体に行き渡るだけの広さの分散距離を取らなければならない。押出流れへの材料の質量流を制御すると、多少多孔質な足場を生じる。
【0029】
巻き取り表面は、平坦または三次元であることができる。三次元巻取り表面は、必要な形状に応じて、折りたたみであること、あるいは、折りたたみである必要がないことがある。回転される造形品の速度の増減は、繊維の空間の空け方(spacing)や、配列(alignment)を変化させる。各特定プロセスを最適化するために、条件を変えてこれを検査することができる。
【0030】
本発明の生体適合性繊維の形成に適した材料の選択が、複数の要因に依存することを、当業者は分かるようになる。これらの要因は、インビボでの機械的性能;細胞の付着、増殖、移動および分化に関するこの材料に対する細胞応答;生体適合性;および、任意に、生体吸収(または、生分解)速度を含む。他の関連要因は、化学組成、成分の空間分布、ポリマーの分子量、および、結晶度を含む。
【0031】
足場の繊維は、生体適合性ポリマーから形成されることができる。本発明に従った繊維の製造には、合成ポリマー、天然ポリマーまたはそれらの配合物を含めて、様々な生体適合性ポリマーが使用されることができる。本明細書で使用される場合、「合成ポリマー」は、ポリマーが自然界に存在する生体材料から作られていたとしても、自然界には見出されないポリマーを指す。用語「天然ポリマー」は、自然界に存在するポリマーを指す。足場の繊維が少なくとも1種類の合成ポリマーを含む実施形態では、適切な生体適合性合成ポリマーは、脂肪族ポリエステル、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル-エステル)、ポリアルキレンオキザレート(polyalkylene oxalates)、ポリアミド、チロシン由来ポリカーボネート、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオルソエステル(polyorthoesters)、ポリオキサエステル(polyoxaesters)、ポリアミドエステル、アミン基含有ポリオキサエステル、ポリ(アンヒドリド)(poly(anhydrides))、ポリフォスファゼン、ポリウレタン、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステルウレタン)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、および、それらの混合物から成る群から選択されるポリマーを含むことができる。本発明での使用に適した合成ポリマーは、コラーゲン、エラスチン、トロンビン、シルク、ケラチン、フィブロネクチン、デンプン、ポリ(アミノ酸)、ゼラチン、アルギネート、ペクチン、フィブリン、酸化セルロース、キチン、キトサン、トロポエラスチン、ヒアルロン酸、リボ核酸、デオキシリボ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリサッカライド、ポリヌクレオチドおよびそれらの配合物に検出される配列に基づいた生合成ポリマーも含むことができる。
【0032】
本発明の目的上、脂肪族ポリエステルは、ラクチド(乳酸、D-、L-およびメソラクチドを含む);グリコリド(グリコール酸を含む);ε-カプロラクトン;p-ジオキサノン(1,4-ジオキサン-2-オン);トリメチレンカーボネート(1,3-ジオキサン-2-オン);トリメチレンカーボネートのアルキル誘導体;δ-バレロラクトン;β-ブチロラクトン;γ-ブチロラクトン;ε-デカラクトン(ε-decalactone);ヒドロキシブチレート(hydroxybutyrate);ヒドロキシバレレート(hydroxyvalerate);1,4-ジオキセパン-2-オン(1,4-dioxepan-2-one)(その二量体1,5,8,12-テトラオキサシクロテトラデカン-7, 14-ジオン(dimer 1,5,8,12- tetraoxacyclotetradecane-7, 14-dione)を含む);1,5-ジオキセパン-2-オン;6,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2-オン;2,5-ジケトモルフォリン(2,5-diketomorpholine);ピバロラクトン(pivalolactone);α,α-ジエチルプロピオラクトン(α,αdiethylpropiolactone);エチレンカーボネート;エチレンオキザレート;3-メチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン;3,3-ジエチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン;6,6-ジメチル-ジオキセパン-2-オン(6,6-dimethyl-dioxepan-2- one);6,8-ジオキサビシクロクタン-7-オン(6,8-dioxabicycloctane-7-one)、およびそれらのポリマー混合物、のホモポリマーおよびコポリマーを含むが、それらに制約されない。さらなる典型的ポリマーまたはポリマー混合物は、無制約の例として、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシバレレート、ポリオルソカーボネート、ポリアミノカーボネート、および、ポリトリメチレンカーボネートを含む。本発明で使用される脂肪族ポリエステルは、線状、枝分れまたは星形構造を有するホモポリマーまたはコポリマー(ランダム、ブロック、セグメント、テーパーブロック、グラフト、トリブロックなど)であることができる。ポリ(イミノカーボネート)は、当然、本発明の目的上、ケムニッツおよびコーン(Kemnitzer and Kohn)、「ハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマーズ(the Handbook of Biodegradable Polymers)」、ドン他(Domb, et. al.)編集、ハードウッド・アカデミック・プレス(Hardwood Academic Press)、pp. 251-272、1997年によって記述されているようなポリマーを含む。コポリ(エーテル-エステル)は、本発明の目的上、当然、コーンおよびヤーンズ(Cohn and Younes)による、「ジャーナル・オブ・バイオマテリアルズ・リサーチ(Journal of Biomaterials Research)」、第22巻、p.993-1009、1988年、ならびに、コーン(Cohn)による、「ポリマー・プレプリンツ(Polymer Preprints)」、ACSディビジョン・オブ・ポリマー化学(ACS Division of Polymer Chemistry)、第30(1)巻、p.498、1989年に記述されているようなコポリエステル-エーテルを含む (例、PEO/PLA)。ポリアルキレンオキザレートは、本発明の目的上、米国特許第4,208,511号、第4,141,087号、第4,130,639号、第4,140,678号、第4,105,034号および第4,205,399号に記述されているものを含む。ポリフォスファゼン、さらに、L-ラクチド、D, L-ラクチド、乳酸、グリコリド、グリコール酸、パラ-ジオキサノン、トリメチレンカーボネートおよびE-カプロラクトンから調製されるコ、ター、および、それ以上の高次の混合モノマー系ポリマーは、オールコック(Allcock)、「エンサイクロペディア・オブ・ポリマー・サイエンス(The Encyclopedia of Polymer Science)」第13巻、p.31- 41、ワイリー・インターサイエンスズ(Wiley Intersciences)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)、1988年によって、また、バンドープ等(Vandorpe, et al)、「ハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマーズ(the Handbook of Biodegradable Polymers)」、ドン等(Domb, et al.)編集、ハードウッド・アカデミック・プレス、pp. 161-182、1997年によって記述されている。ポリアンヒドリドは、式HOOC--C6H4--O-- (CH2)m--O--C6H4--COOHの二酸で、式中、mが2〜8の整数である、二酸から誘導される化合物、および、炭素12個までの脂肪族アルファ-オメガ二酸とのそれらのコポリマーを含む。ポリオキサエステル、ポリオキサアミド、ならびに、アミンおよび/またはアミド基を含有するポリオキサエステルは、米国特許第5,464,929号、同第5,595, 751号、同第5,597,579号、同第5,607,687号、同第5,618,552号、同第5,620,698号、同第5,645,850号、同第5,648,088号、同第5,698,213号、同第5,700,583号、および同第5,859,150号の1件以上に記述されている。ポリオルソエステルは、ヘラー(Heller)、「ハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマーズ」、ドン他編集、ハードウッド・アカデミック・プレス、pp. 99-118、1997年に記述されているものを含む。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「グリコリド」は、当然、ポリグリコール酸を含む。さらに、用語「ラクチド」は、当然、L-ラクチド、D-ラクチド、それらの混合物、ならびに、乳酸ポリマーおよびコポリマーを含む。エラストマーコポリマーも、本発明で特に有用であり、ε-カプロラクトン対グリコリドモル比が約35:65〜約65:35、さらに好ましくは45:55〜35:65のα-カプロラクトンとグリコリド(ポリグリコール酸を含む)のエラストマーコポリマー;ε-カプロラクトン対ラクチドモル比が約35:65〜約65:35、さらに好ましくは45:55〜35:65または約95:5〜約85:15であるε-カプロラクトンとラクチド(L-ラクチド、D-ラクチド、それらの混合物、ならびに、乳酸ポリマーおよびコポリマーを含む)のエラストマーコポリマー;p-ジオキサノン対ラクチドモル比が約40:60〜約60:40であるp-ジオキサノン(1,4-ジオキサン-2-オン)とラクチド(L-ラクチド、D-ラクチド、それらの混合物、ならびに、乳酸ポリマーおよびコポリマーを含む)のエラストマーコポリマー;ε-カプロラクトン対p-ジオキサノンモル比が約30:70〜約70:30であるε-カプロラクトンとp-ジオキサノンのエラストマーコポリマー;p-ジオキサノン対トリメチレンカーボネートモル比が約30:70〜約70:30であるp-ジオキサノンとトリメチレンカーボネートのエラストマーコポリマー;トリメチレンカーボネート対グリコリドモル比が約30:70〜約70:30であるトリメチレンカーボネートとグリコリド(グリコール酸を含む)のエラストマーコポリマー;トリメチレンカーボネート対ラクチドモル比が約30:70〜約70:30であるトリメチレンカーボネートとラクチド(L-ラクチド、D-ラクチド、それらの混合物、ならびに、乳酸ポリマーおよびコポリマーを含む)のエラストマーコポリマー;および、それらの混合物を含むが、それらに制約されない。適切な生体適合性エラストマーの例は、米国特許第4,045,418号に記述されている。
【0034】
ある実施形態では、前記エラストマーは、ジオキサン溶媒中で形成される、35:65のε-カプロラクトンとグリコリドのコポリマーである。別の実施形態では、エラストマーは、40:60のα-カプロラクトンとラクチドのコポリマーである。なおも別の実施形態では、エラストマーは、α-カプロラクトンとグリコリドの35:65コポリマーとε-カプロラクトンとラクチドの40:60コポリマーの50:50混合物である。
【0035】
本発明の繊維は、任意に、生体環境にタイミング良く吸収される能力を有する生体再吸収性または生体吸収性(bioresorbable or bioabsorbable)材料から形成されることができる。インビボ条件下での吸収時間の差は、本発明の繊維を形成する際の、2種類の異なるコポリマーの配合にも基づくことができる。例えば、35:65ε-カプロラクトン−グリコリドコポリマー(比較的急速に吸収されるポリマー)は、40:60ε-カプロラクトン−L-ラクチドコポリマー(比較的ゆっくりと吸収されるポリマー)とブレンドされ、生体適合性繊維を形成することができる。使用される処理技術に応じて、この2種類の成分は、無秩序に相互連結される両連続相であることができ、あるいは、この2成分は、この2成分層間で完全に一体化した接触面を有する勾配様構造を有することができる。
【0036】
ある実施形態では、ポリマー混合物を使用して、勾配様構造で、ある組成から別の組成に転移する繊維を形成するのが望ましい。この勾配様構造を有する足場は、軟骨(関節軟骨、半月板軟骨、鼻中隔軟骨、気管軟骨、耳介軟骨、肋軟骨など)、腱、靭帯、神経、食道、皮膚、骨、血管組織などの天然に存在する組織構造を修復もしくは再生する組織工学への応用において特に有利である。明らかに、他のポリマー混合物が、同様の勾配効果を求めて、あるいは、別の勾配の提供(例、異なる吸収プロファイル、ストレス応答プロファイル、または、異なる弾性率)を目指して使用可能であることを、当業者は理解することになる。例えば、このようなデザインの特徴は、足場のある部分(例、内部)に別の部分(例、外部)よりも高い濃度の組織断片が存在するように、本発明の人工器官に伴う細断組織懸濁液用に濃度勾配を定めることができる。
【0037】
組成物間の勾配様転移は、繊維の放射状方向に配向されることができる。例えば、足場の繊維の一部が、共押出され、鞘/コア構造を有する繊維を生成することができる。このような繊維は、別の生分解性ポリマーから構成される1個以上のコアを囲む生分解性ポリマーの鞘から構成される。低速吸収コアを囲む急速吸収鞘を有する繊維は、長時間支持に望ましい場合がある。
【0038】
ポリマーは、全部が挙げられるわけではないが、メルトブローイング技術を使って押出されることができるが、これらの材料の一部は、巻き取り体として働くことができ、あるいは、層化されて最終複合体になることができる。
【0039】
細胞増殖および浸潤を促進するために、いずれの不織マトリックスにも、多孔質構造が特に重要である。各不織繊維が、最終構成物の細孔サイズと多孔度で特徴付けられることができる。所望の細孔サイズは、10〜350μmの範囲であることができる。好ましい実施形態では、医用製品の細孔サイズは、20〜200μmであることができる。所望の最終メルトブローン繊維複合体は、最適な細胞接着および増殖に、50〜99%の多孔度を有することが必要である。
【0040】
上記の足場を製造するには、20μm〜2 mmの範囲の直径を有するポロゲンが勧められる。これらのポロゲンは、グルコース、スクロース、NaCl、または、粒子の浸出に使用されるいずれかの他の適切な材料から調製されることができる。当業者は、本発明の多孔性および相互連結性を形成するのに適したポロゲンの選択は、複数の要因に左右される。これらの要因は、ポロゲンのサイズ、重量、融点、および、化学組成を含む。他の関連要因は、ポロゲンの空間分布、ポロゲンの重量、および、ポロゲンの押出流れへの定量的質量流を含む。
【0041】
〔実施例3〕
メルトブローン技術による中空マトリックスの加工
繊維形成に適した生体ポリマーは、小開口を含む紡糸口金から押出される。無数の紡糸口金を有するダイが、ポリマーを、巻き取りまたは収集表面として働く回転する三次元折りたたみ可能物上に押出す。図3を参照されたい。押出されたポリマーは、一斉に熱風を受け、押出し方向に対してわずかに角度を付けて位置されているガス開口部と協同することによって、非常に高速で押し進められ、押出溶融繊維の細くなることおよび伸長を引き起こす。図1を参照されたい。紡糸口金は、単一方向に向けて固定されるが、加圧空気によって引き起こされる乱気流力は、線維を無秩序に配列させ、それら自体を絡ませ、その間、繊維は、互いに接着し、それによって、粘性塊を形成する。ポリマーが押出される折りたたみ可能物を回転させることによって、実質的に平坦なポリマー層を可能にする。ポリマー繊維の押出し中も、食塩ポロゲンは、溶融繊維に振り掛けられる。図4を参照されたい。いったんポロゲン-繊維複合体がアニーリングを受けると、構成物全体が水に浸漬され、それによって、ポロゲンが溶解し、柔軟ポリマー繊維の不織ウェブが残る。図5を参照されたい。三次元折りたたみ可能物が使用され、折りたたみ時に生体適合性、生分解性であるシームレス中空三次元ポリマーウェブが生成される。
【0042】
本明細書に開示されている詳細な説明と実施を考慮することによって、本発明の他の実施形態が当業者に明らかになる。
【0043】
〔実施の態様〕
(1) 組織増殖装置において、
中空チャンバーを形成する、一体的細胞増殖が可能な生体適合性生分解性足場、
を含む、装置。
(2) 実施態様1に記載の装置において、
前記足場は、ポロゲンの存在下での柔軟ポリマー繊維ウェブのメルトブローイングによって製造される、装置。
(3) 実施態様2に記載の装置において、
前記メルトブローイングは、溶融ポリマー樹脂を可動式折りたたみ可能物に分布させ、シームレス三次元造形品を生成することを含む、装置。
(4) 実施態様2に記載の装置において、
前記柔軟ポリマー繊維は、低速分解するポリマーの内部コア、および急速分解するポリマーの外部鞘をさらに含む、装置。
(5) 実施態様4に記載の装置において、
前記内外繊維層は、前記ポリマー層間に転移層をさらに含み、
前記転移層は、勾配を含む、装置。
(6) 実施態様2に記載の装置において、
前記ポロゲンは、グルコース、スクロース、ゼラチン、および食塩から成る群から選択される、装置。
(7) 実施態様2に記載の装置において、
前記ポロゲンは、約20μm〜約2mmのサイズである、装置。
(8) 実施態様1に記載の装置において、
医薬品、
をさらに含む、装置。
(9) 実施態様8に記載の装置において、
前記医薬品は、抗生物質、抗ウイルス薬、化学療法剤、拒絶反応抑制剤、鎮痛剤、抗炎症剤、ホルモン、ステロイド、増殖因子、タンパク質、ポリサッカライド、グリコプロテイン、およびリポプロテインから成る群から選択される、装置。
(10) 実施態様1に記載の装置において、
前記中空チャンバー内に設けられた細分割部、
をさらに含む、装置。
(11) 実施態様1に記載の装置において、
複数の中空チャンバー、
をさらに含む、装置。
【0044】
(12) 中空組織増殖装置の製造方法において、
a.可動式折りたたみ可能物を提供する段階と、
b.ポリマー繊維の溶融流れを提供する段階と、
c.ポロゲンを前記ポリマー繊維の溶融流れに添加する段階と、
d.前記ポリマー繊維の溶融流れを前記折りたたみ可能物上にメルトブローイングする段階と、
e.前記折りたたみ可能物を取り出す段階と、
f.前記ポロゲンを除去する段階と、
を含む、方法。
(13) 実施態様12に記載の方法において、
前記ポリマー繊維の溶融流れは、低速分解する繊維の第一溶融流れ、および急速分解する繊維の第二溶融流れをさらに含む、方法。
(14) 実施態様13に記載の方法において、
前記ポリマー繊維の第一溶融流れおよび第二溶融流れの比率を変更して、勾配を提供する段階、
をさらに含む、方法。
(15) 組織において、
実施態様1に記載の装置を使って生成される、組織。
(16) 実施態様15に記載の組織において、
前記組織は、膀胱組織である、組織。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、メルトブローイング技術が使用され、高速空気によって紡糸口金から押出される溶融ポリマー樹脂から繊維ウェブを製造する、本発明の実施態様を示す。
【図2】図2は、紡糸口金が巻取り表面に向けられ、この表面で前記ポリマーウェブが形成される、実施態様を示す。
【図3】図3は、回転する折りたたみ可能物が使用され、シームレス三次元造形品のポリマーウェブを生成する、本発明の実施態様を示す。
【図4】図4は、不織ウェブ加工中にポロゲンが添加される、本発明の実施態様を示す。
【図5】図5は、不織ウェブ加工中にポロゲンが添加される、本発明の実施態様を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織増殖装置において、
中空チャンバーを形成する、一体的細胞増殖が可能な生体適合性生分解性足場、
を含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記足場は、ポロゲンの存在下での柔軟ポリマー繊維ウェブのメルトブローイングによって製造される、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
前記メルトブローイングは、溶融ポリマー樹脂を可動式折りたたみ可能物に分布させ、シームレス三次元造形品を生成することを含む、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置において、
前記柔軟ポリマー繊維は、低速分解するポリマーの内部コア、および急速分解するポリマーの外部鞘をさらに含む、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、
前記内外繊維層は、前記ポリマー層間に転移層をさらに含み、
前記転移層は、勾配を含む、装置。
【請求項6】
請求項2に記載の装置において、
前記ポロゲンは、グルコース、スクロース、ゼラチン、および食塩から成る群から選択される、装置。
【請求項7】
請求項2に記載の装置において、
前記ポロゲンは、約20μm〜約2mmのサイズである、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、
医薬品、
をさらに含む、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、
前記医薬品は、抗生物質、抗ウイルス薬、化学療法剤、拒絶反応抑制剤、鎮痛剤、抗炎症剤、ホルモン、ステロイド、増殖因子、タンパク質、ポリサッカライド、グリコプロテイン、およびリポプロテインから成る群から選択される、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、
前記中空チャンバー内に設けられた細分割部、
をさらに含む、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、
複数の中空チャンバー、
をさらに含む、装置。
【請求項12】
中空組織増殖装置の製造方法において、
a.可動式折りたたみ可能物を提供する段階と、
b.ポリマー繊維の溶融流れを提供する段階と、
c.ポロゲンを前記ポリマー繊維の溶融流れに添加する段階と、
d.前記ポリマー繊維の溶融流れを前記折りたたみ可能物上にメルトブローイングする段階と、
e.前記折りたたみ可能物を取り出す段階と、
f.前記ポロゲンを除去する段階と、
を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記ポリマー繊維の溶融流れは、低速分解する繊維の第一溶融流れ、および急速分解する繊維の第二溶融流れをさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記ポリマー繊維の第一溶融流れおよび第二溶融流れの比率を変更して、勾配を提供する段階、
をさらに含む、方法。
【請求項15】
組織において、
請求項1に記載の装置を使って生成される、組織。
【請求項16】
請求項15に記載の組織において、
前記組織は、膀胱組織である、組織。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−136849(P2008−136849A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−254201(P2007−254201)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(507324119)ジョンソン・アンド・ジョンソン・リジェネレイティブ・セラピューティックス・エルエルシー (4)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Regenerative Therapeutics, LLC
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham, MA 02767, United States of America
【Fターム(参考)】