説明

再生可能エネルギーの統合フルスペクトル生産を通じた持続可能な経済開発のためのシステム及び方法

本発明の一実施形態において、第1の再生可能エネルギー源であり、間欠的であるか又は十分な量のエネルギーを提供しない第1の再生可能エネルギー源を提供すること、電気分解を通じてエネルギーキャリアを生産するために第1の再生可能エネルギー源から電解槽にエネルギーを提供すること、燃料電池として用いるために電解槽を選択可能に逆転させること、及びエネルギーの生産のために電解槽にエネルギーキャリアを提供することを含む、再生可能エネルギー源を用いてエネルギー供給を提供するための方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2010年2月13日に出願されたFULL SPECTRUM ENERGY AND RESOURCE INDEPENDENCEと題する米国特許仮出願第61/304,403号、2010年2月17日に出願されたELECTROLYTIC CELL AND METHOD OF USE THEREOFと題する米国特許出願第12/707,651号、2010年2月17日に出願されたELECTROLYTIC CELL AND METHOD OF USE THEREOFと題するPCT出願番号PCT/US10/24497号、2010年2月17日に出願されたAPPARATUS AND METHOD FOR CONTROLLING NUCLEATION DURING ELECTROLYSISと題する米国特許出願第12/707,653号、2010年2月17日に出願されたAPPARATUS AND METHOD FOR CONTROLLING NUCLEATION DURING ELECTROLYSISと題するPCT出願番号PCT/US10/24498号、2010年2月17日に出願されたAPPARATUS AND METHOD FOR GAS CAPTURE DURING ELECTROLYSISと題する米国特許出願第12/707,656号、2010年2月17日に出願されたAPPARATUS AND METHOD FOR CONTROLLING NUCLEATION DURING ELECTROLYSISと題するPCT出願番号PCT/US10/24499号、及び2009年8月27日に出願されたELECTROLYZER AND ENERGY INDEPENDENCE TECHNOLOGIESと題する米国特許仮出願第61/237,476号に基づく優先権及びその利益を主張するものである。これらの出願は、参照によりその全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電気を生産するための再生可能資源は、しばしば間欠的である。太陽エネルギーは日中の事象であり、日中太陽エネルギー濃度ポテンシャルは季節によって変化する。風力エネルギーは非常に変化しやすい。落水は季節によって変化し、長期にわたった干ばつ(extended draught)の影響を受けやすい。バイオマスは、季節で変化し、長期にわたった干ばつの影響を受けやすい。住居は、1日の需要、季節的需要、及び時折のエネルギー消費率を含む大きく変化する需要を有する。必要とされるまでエネルギー又は電気を蓄える実用的な方法が欠如しているために、世界中で、水力発電所、風力発電基地、バイオマス変換、及び太陽集熱器によって送達できるかもしれないエネルギーがほうっておかれ又は無駄にされる。増大する世界人口によるエネルギーに対する需要は、生産できるよりも多くの石油及び他の化石資源を要求する点にまで増大した。都市部は、化石燃料の燃焼によって引き起こされるスモッグ及び地球の気象の変化に悩まされる。
【0003】
また、バイオ廃棄物由来の水、バイオマス廃棄物、又は有機酸のような供給原料の熱化学又は電気解離によって提供することができる水素、酸素、炭素、及び他の生成物に対する急増する需要が生じた。例えば、アンモニア生産、精製所、化学品製造及び食品加工を含む水素の世界市場は、400億ドルを超える。
【0004】
燃料、金属、非金属、及び他の価値ある化学品の電気化学生産は、高価な電気、低い電解槽効率、高いメンテナンス費用、並びに所望の伝送、貯蔵、及び適用圧力への生産されるガスの圧縮ポンピングのようなエネルギー集約型作動に対する面倒な要件によって制限されている。これらの問題を減らす技術を提供する試みは、「Hydrogen Production From Water By Means of Chemical Cycles」、Glandt,Eduardo D.、及びMyers,Allan L.、Department of Chemical and Biochemical Engineering、University of Pennsylvania、Philadelphia, PA19174; Industrial Engineering Chemical Process Development、Vol.15、No.1、1976; 「Hydrogen As A Future Fuel」、Gregory, D.P.、Institute of Gas Technology;及び「Adsorption Science and Technology」、Second Pacific Basin Conference on Adsorption Science and Technologyのプロシーディング、Brisbane, Australia、 May2000年5月14〜18日、D.Do Duong、Duong D.Do、寄稿者(Contributor) Duong D.Do、World Scientific出版、2000年;ISBN9810242638、9789810242633のような刊行物に記され、本明細書に組み込まれる。
【0005】
水素を酸素と混合できる電解槽は、自然発火又は爆発の潜在的な危険をはらんでいる。ガス生産電極の高価な半透過性膜分離を使用する低圧及び高圧電解槽を含む試みは、費用効果のある水素の生産を提供するのに失敗し、不純物による被毒に起因して劣化及び故障する傾向がある。膜分離が使用される場合であっても、高圧の酸素と水素の混合に起因する膜の破れ及び発火又は爆発の潜在的な危険性がある。
【0006】
幾つかの市販の電解槽は、水素イオンのみを伝導するプロトン交換膜(proton exchange membrane)(PEM)が間にある、高価な多孔質電極を用いる(カナダのプロトンエネルギー会社及び電解槽会社(Proton Energy Company and the Electrolyzer Company of Canada)参照)。これは、分極の損失、ガスの蓄積、及び電極とPEM電解質との界面に到達することができる水の解離のために利用可能な電極領域の減少により、電極効率を制限する。限られた電極効率に伴うのは、酸素出口と水素出口との間の圧力差に起因する膜の破れ、補給水中の不純物に起因する膜の被毒、汚染物質又は膜のわずかな過熱に起因する不可逆的な膜の劣化、使われていない間に膜が乾ききる場合の膜の劣化又は破れ、並びに濃淡電池形成、触媒とバルク電極材料との間のガルバニ電池、及びグラウンドループのような1つ又は複数の誘因による侵食に起因する膜界面での電極の劣化を含む他の難しい問題である。電極とPEM 材料とを層状にすることで、反応の反応物又は生成物の組み込まれた停滞(built in stagnation)が提供されて、非効率的な作動が引き起こされる。PEM 電気化学電池は、高価な膜材料、界面活性剤、及び触媒を必要とする。PEM電池は、容易に被毒され、過熱され、溢れ出る又は乾ききり、且つ膜の漏れ又は破れに起因する作動上の危険を課す。
【0007】
能率の悪さに加えて、こうしたシステムに伴う問題は、寄生損失、高価な電極又は触媒及び膜、低いエネルギー変換効率、高価なメンテナンス、及び高い操業費用を含む。水素と酸素及び電気分解の他の生成物を加圧するために、圧縮機又はより高価な膜システムが状況により必要とされる。最後に述べた問題の帰結は、容認できないメンテナンス要件、高い修理費、及び多大な廃棄費用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の幾つかの実施形態の目的は、再生可能エネルギーの統合フルスペクトル生産を通じた持続可能な経済開発のためのシステム及び方法を提供することであり、これは、作動の不純物及び生成物を許容し、且つ上記に記載の現在の方法に伴う問題のうちの1つ又は複数に対処するために可逆的である、加圧された水素及び酸素を含む、ガスの分離された生産のための、電気化学セル又は電解セルの使用と、その使用方法を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態において、第1の再生可能エネルギー源であり、間欠的であるか又は十分な量のエネルギーを提供しない第1の再生可能エネルギー源を提供するステップと、電気分解を通じてエネルギーキャリアを生産するために第1の再生可能エネルギー源から電解槽にエネルギーを提供するステップと、燃料電池として用いるために電解槽を選択可能に逆転させるステップと、及びエネルギーの生産のために電解槽にエネルギーキャリアを提供するステップとを含む、再生可能エネルギー源を用いてエネルギー供給を提供するための方法が提供される。
【0010】
別の実施形態において、第1の再生可能エネルギー源と、エネルギーキャリアを生産するために第1の再生可能エネルギー源に結合される電解槽であり、燃料としてエネルギーキャリアを用いる燃料電池として作動を選択可能に逆転できるように構成される電解槽と、電解槽からエネルギーキャリアを受け取る又は電解槽にエネルギーキャリアを提供するために電解槽に結合されるエネルギーキャリア貯蔵部と、第1の再生可能エネルギー源及び電解槽からエネルギーを選択的に受け取るため及び第1の再生可能エネルギー源及び電解槽からエネルギーを選択的に提供するために第1の再生可能エネルギー源及び電解槽に結合されるエネルギー貯蔵部とを備える、再生可能エネルギー資源を用いて実質的に連続したエネルギー供給を提供するためのシステムが提供される。
【0011】
また別の実施形態において、第1の再生可能エネルギー源と、メタンを生産するために第1の再生可能エネルギー源に結合される電解槽であり、燃料電池として作動を選択可能に逆転できるように構成される電解槽と、電解槽からメタンを受け取る又は電解槽にメタンを提供するために電解槽に結合されるメタン貯蔵部と、第1の再生可能エネルギー源及び電解槽からエネルギーを選択的に受け取るため及び第1の再生可能エネルギー源及び電解槽からエネルギーを選択的に提供するために第1の再生可能エネルギー源及び電解槽に結合されるエネルギー貯蔵部と、を備える再生可能エネルギー資源を用いて実質的に連続したエネルギー供給を提供するためのシステムが提供される。
【0012】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかしながら、詳細な説明及び特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、本発明の精神及び範囲内の種々の変化及び修正がこの詳細な説明から当業者には明らかとなるであろうことから、単に例証のためだけに与えられることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】本開示の態様に係る統合エネルギー、農業関連産業、及び工業の持続可能な経済開発のシステムを例証するブロック図である。
【図1B】本開示の態様に係る持続可能な経済開発の統合生産のシステムを例証するブロック図である。
【図1C】本開示の態様に係る持続可能な経済開発の統合生産の陸上ベースのシステムを概略的に例証する図である。
【図1D】本開示の態様に係る持続可能な経済開発の統合生産の海洋ベースのシステムを例証する概略図である。
【図1】本発明の原理に従って作動されるシステムの或る構成要素の略図である。
【図2】本発明に従って作動される実施形態のシステム構成要素の部分縦断面図である。
【図3】本発明に従って作動される実施形態のシステム構成要素の部分縦断面図である。
【図4】本発明の原理に従って作動されるシステムの統合構成要素の略図である。
【図5】図4のシステムの実施形態の断面図を示す。
【図6】図4のシステムの別の実施形態の断面図を示す。
【図7】本発明の原理に従って作動される実施形態の略図を示す。
【図8】図7の実施形態の詳細を示す図である。
【図9】本発明に係る目的を達成するプロセスの詳細を示す図である。
【図10】本発明に係るプロセス作動を例証する図である。
【図11】本発明の目的に係るプロセスを示す図である。
【図12】本発明の実施形態を概略的に例証する図である。
【図1b】本発明の実施形態に係る電解槽を示す図である。
【図2b】図1の実施形態の一部の拡大図を示す。
【図3b】図2の実施形態のバリエーションを示す図である。
【図4b】本発明の実施形態に係る電解槽を示す図である。
【図5b】図4の電解槽の一部に対する代替的な実施形態の拡大図である。
【図6b】可逆燃料電池で用いられる螺旋電極の断面を示す。
【図7b】光合成によって生産される原料のような有機供給原料をメタン、水素、及び又は二酸化炭素に変換するためのシステムを示す。
【図8b】光合成によって生産される原料のような有機供給原料をメタン、水素、及び又は二酸化炭素に変換するためのシステムを示す。
【図9b】光合成によって生産される原料のような有機供給原料をメタン、水素、及び又は二酸化炭素に変換するためのシステムを示す。
【図10b】本開示の実施形態に係る電極を製造するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本出願は、2004年11月9日に出願されたMULTIFUEL STORAGE, METERING AND IGNITION SYSTEM(代理人整理番号69545−8013US)と題する米国特許仮出願第60/626,021及び2009年2月17日に出願されたFULL SPECTRUM ENERGY(代理人整理番号69545−8001US)と題する米国特許仮出願第61/153,253の主題のそのすべてを参照により組み込む。本出願はまた、以下の米国特許出願、すなわち、2010年8月16日に本出願と同時に出願されたMETHODS AND APPARATUSES FOR DETECTION OF PROPERTIES OF FLUID CONVEYANCE SYSTEMS(代理人整理番号69545−8003US)、COMPREHENSIVE COST MODELING OF AUTOGENOUS SYSTEMS AND PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF ENERGY, MATERIAL RESOURCES AND NUTRIENT REGIMES(代理人整理番号69545−8025US)、ELECTROLYTIC CELL AND METHOD OF USE THEREOF(代理人整理番号69545−8026US)、SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY, MATERIALS RESOURCES, AND NUTRIENT REGIMES(代理人整理番号69545−8040US)、SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE MATERIAL RESOURCES(代理人整理番号69545−8042US)、METHOD AND SYSTEM FOR INCREASING THE EFFICIENCY OF SUPPLEMENTED OCEAN THERMAL ENERGY CONVERSION (SOTEC)(代理人整理番号69545−8044US)、GAS HYDRATE CONVERSION SYSTEM FOR HARVESTING HYDROCARBON HYDRATE DEPOSITS(代理人整理番号69545−8045US)、APPARATUSES AND METHODS FOR STORING AND/OR FILTERING A SUBSTANCE(代理人整理番号69545−8046US)、ENERGY SYSTEM FOR DWELLING SUPPORT(代理人整理番号69545−8047US)、ENERGY CONVERSION ASSEMBLIES AND ASSOCIATED METHODS OF USE AND MANUFACTURE(代理人整理番号69545−8048US)、及びINTERNALLY REINFORCED STRUCTURAL COMPOSITES AND ASSOCIATED METHODS OF MANUFACTURING(69545−8049US)の各々の主題のそれらの全体を参照により本明細書に組み込む。
【0015】
上記で挙げられた詳細並びに本発明に係る他の利点及び目的が得られる方法を十分に理解するために、本発明のより詳細な説明が、その具体的な実施形態を参照することによって与えられるであろう。
【0016】
図1Aは、再生可能エネルギーの生産及び材料資源の抽出のためのフルスペクトル・エネルギー・パーク200と、再生可能な栄養分(Nutrient Regimes)(ヒト、動物、及び植物の栄養)及びエネルギー供給原料(バイオマス、バイオ廃棄物、及びバイオ燃料)の生産のためのフルスペクトル農業関連産業ネットワーク300と、持続可能な材料資源の生産とゼロエミッション製造のためのフルスペクトル工業パーク400とを含む、3つの相互に関係付けられるシステムからなるフルスペクトル統合生産システム100を示す。
【0017】
図1Aは、エネルギー、材料、及び情報をそれらのシステム間で交換できるようにする、システム200、300、及び400の統合としてのシステム100を示す。システム100の統合、特にシステム200内の方法は、有益な生産能力及び生産効率の増加を達成できる非常に大きい熱機関として効果的に機能するように熱的に結合されて熱力学的全体システムを形成する、複数の相互に関係付けられる熱機関の熱力学的特性を使用する。システム100内で、システム200は、特に、太陽熱、地熱、海洋熱、及びエンジン熱源間での相乗的なリンクを達成することを担い(dedicated)、特定のサイト位置の利用可能な再生可能エネルギーの総出力を増加させ、且つエネルギーと抽出された材料資源をシステム300及び400に提供するようにする。
【0018】
フルスペクトル・エネルギー・パーク200は、単一の大きい熱機関として効果的に機能するために熱的に結合され、そのシステムとサブシステムは、2段階以上の段階で加熱される作動流体を用いてエネルギー・カスケードを確立するために相互に関係付けられる。システム200の利用可能な再生可能エネルギーの総出力は、作動流体の熱力学的特性(温度、圧力、純度、位相シフト、及びエネルギー変換効率など)を最適化するカスケード効果を達成するために、作動流体を太陽、地質、エンジン、及び他の熱源の間で系統立てて動かすことによって増加される。1つの段階のエネルギー出力は、作動の増加した効率及び経済性を伴って再生的又は自発的様式で作動するように別の段階の重要なプロセスにおいて再使用(re−invested)される。
【0019】
フルスペクトル・エネルギー・パーク200の機能は、再生エネルギー源の任意の1つの単独での収穫、変換、及び貯蔵によって達成することができない集合する及び相乗的な恩恵をもたらすためにシステム間の自発的又は再生的なエネルギー・カスケードを確立するように、太陽、風、流水、地熱、バイオマス、及び内燃機関のような再生可能エネルギー源間での運動エネルギー、熱エネルギー、及び放射エネルギー形態の収穫、変換、及び貯蔵を含む。自発的又は再生的なエネルギー方法がシステム200、300、及び400で実施される。さらに、システム200は、システム300及び400で用いられる多数の化学(chemicals)の材料資源の抽出に向けられる。例えば、システム400でのその後の耐久性のある物品の製造生産のための原材料として炭素を抽出する(抽出は、システム200、300、及び400で行うことができる)手段として熱化学再生が用いられる。別の例において、熱化学再生はまた、システム300で用いられる植物肥料のその後の製造生産のための窒素及び微量ミネラルを抽出する手段として用いることができる。さらに、システム200は、バイオ廃棄物、バイオマス、及びバイオ燃料の変換、典型的には、電力発電及び/又は輸送のための内燃機関及び/又は燃料電池用の燃料としてシステム200、300、及び400での要望に応じたバイオメタンガス及び/又は水素ガスの貯蔵、輸送、及び使用を達成することに向けられる。
【0020】
太陽熱、地熱、海洋熱、及びエンジン熱源の取り扱いは、種々の気候地域の場所でのシステム100の据え付け、及び陸上ベースと海洋ベースとの両方での据え付けのための非常に適応的な統合プラットフォームを提供する。増加した場所適応性のための工学技術は、これにより、再生可能エネルギーの収穫の全体的な利用可能性を大いに増加させ、したがって、地方経済、地区経済、国家経済、及び世界経済のための経済的に実行可能な解決策を提供する。
【0021】
システム300での食物生産は、陸上サイトと海洋サイトとの両方に据え付けることができる。収穫物農場、畜産場、牧場、豚及び鶏の工業生産設備、淡水漁業、大洋漁業、酪農場などは、システム200で生産されるエネルギーの消費者としてシステム200にリンクすることができるが、転じて廃棄副産物を生じ、これは再生可能エネルギーと再生可能な材料資源に変換するためのシステム200に方向転換(diverted)される。さらに、システム300は、光合成ベースのエネルギー収穫の実行可能性を増加させるために、藻類、スイッチグラス、及び他の収穫物のようなこうしたバイオ燃料収穫物のためのエネルギー供給原料の生産の増加に向けられる。生産システム200、300、及び400の各々において水の生産、精製、及び保存のための方法及び装置が用いられる。しかしながら、食物生産における大量の水に対する要件を満たし、且つ従来の食物生産慣行による廃棄物及び水の汚れに起因する持続不可能性(unsustainability)の記述された問題を克服するために、これらはシステム300の重要な構成要素である。
【0022】
システム統合は、天然資源の枯渇を回避し、且つ汚染及び生産の副産物としての有毒なエミッションのような破壊的な環境への影響を低減し又は無くすために、再生可能な方法を用いるエネルギー、材料資源、及び栄養分の生産の増加として定義される「持続可能性」のための能力を増加させる。持続可能性は、現在の消費者の当面の短期の恩恵だけでなく将来の発電の長期の安寧(wellbeing)のために実行可能な、エネルギー、材料、及び食品の生産方法を必要とする。
【0023】
システム統合は、様々な気候地域への大いに改善された適応性(すなわち、温帯気候、熱帯気候、及び寒帯気候の多様な資源特徴に順応することにより、再生可能エネルギーを適応して収穫すること)によって多くの集合的な据え付けサイトを再現し、且つ利用可能なサイト位置の数を増加させる能力によって達成される、エネルギー、材料、及び食品の生産の顕著な増加として定義される「経済的なスケーラビリティ」のための生産能力の増加を可能にする。こうした経済的なスケーラビリティは、人口増加と、途上国の迅速に増加するエネルギー要件を支えるために、地球の持っている能力を増加させることを必要とする。使用の成功のために、こうした生産方法及び場所は、直ちに使用可能でなければならず、従来の化石燃料源及び/又は核エネルギー源を用いることと比べた場合のエネルギー、材料、及び食物生産の現在の生産手段への経済的に実行可能な代替法を提示しなければならない。
【0024】
システム統合は、ゼロ−エミッション及びゼロ−廃棄物のエネルギー生産200、材料生産400、及び食物生産300方法をさらに可能にし、そうでなければ焼却される、埋立地に埋め立てられる、又は帯水層、河川、海洋に投棄される、若しくは汚染物質として大気中に放出されるであろうシステム300において生じる有機廃棄物が、代わりにシステム200で見られるようにバイオマス、バイオ廃棄物、及びバイオ燃料変換システムに系統立てて引き込まれ、システム200におけるエネルギーと材料資源の抽出が、耐久性のある物品の生産のためのシステム400に渡され、システム200におけるエネルギーと材料資源の抽出はまた、ヒト、陸上及び海洋の動物、及び植物のための栄養分の生産のためのシステム300に渡される。
【0025】
システム統合は、これらの相互に依存する全体として機能するような状態でエネルギー生産を食物生産及び材料資源生産と意図的にリンクする単一の経済的な生産ユニットを確立する。
【0026】
フルスペクトル統合生産システムは、したがって、現存の比較できる再生可能エネルギーのインフラストラクチャがない場所又は共同体、又は製造能力が不十分であり且つ失業が当たり前である場所、若しくは食物生産が不十分であり且つ貧困と栄養失調が当たり前である場所における据え付けに適している。この統一された経済的生産方法を導入する目的は、GDPに付随する増加した生活の質を伴う国内総生産(GDP)の増加と、有意義な雇用に付随する改善された生活の質を伴う系統的な雇用創出を可能にすることである。
【0027】
そのうえ、システム統合は、それらが相互に依存する全体として機能して汚染及び環境の劣化につながる焼却、埋立て、及び投棄の従来の廃棄物慣行に割り込むように廃棄物管理をエネルギー変換慣行と意図的にリンクする単一の経済的な生産ユニットを確立する。
【0028】
フルスペクトル統合生産システムは、システム全体にわたる統合慣行としての持続可能な廃棄物からエネルギーへの変換の使用を導入する。この統合システムの目的は、自然環境を保護し、有限の天然資源を保全し、伝染病を減らし、陸、水、及び空気の汚染を減らすこと(メタン及びCO2のような気候変動を引き起こす温室効果ガスの減少を含む)である。
【0029】
フルスペクトル統合生産システム100は、自然生態系を模擬するヒト−システム生産環境における「産業エコロジー」を達成する手段を提供し、この場合、システムと廃棄物との間のエネルギーと材料の流れは、閉ループの様式での新しいプロセスに対する入力となり、それでもなおシステム全体は、太陽(太陽熱)、地球(地熱)、海洋(海洋熱)、及びバイオマス変換(エンジン熱)システムによって提供される再生可能な持続可能なエネルギーに対して開かれている。
【0030】
図1Bは、栄養分(例えば、ヒト、動物、又は植物の栄養のための生成物)の生産及び材料資源(例えば、水素及び炭素)の生産と同時にエネルギー(例えば、電気及び燃料)の生産を含む、持続可能な経済開発のフルスペクトル統合生産システム100を例証するブロック図である。システム100は、各サブシステムの幾らかの又はすべてのエネルギー、物質、及び/又は副産物を取り込み及び再使用する自発的にカスケードするエネルギー変換の適応制御を伴う統合された及び相互に依存するサブシステムからなる。したがって、システム100の継続的な作動は、外部エネルギー又は材料資源の最小限の導入で又は導入なしに持続される。システム100は、とりわけ、従来の技術を用いて達成可能であるよりも多くのエネルギー、食品、及び材料資源の生産である、再生可能エネルギー、食品の生産、及び材料資源の生産の利用のような、持続可能な経済開発を容易にする産業エコロジーの例である。
【0031】
フルスペクトル・エネルギー・パーク200は、再生可能なソース210(例えば、太陽、風、流水、地熱、排熱)からエネルギーを取り込む方法を、再生可能な供給原料220(例えば、バイオ廃棄物320、バイオマス310)からエネルギーを生産する方法及び材料資源(例えば、水素230、炭素240、他の材料資源、例えば微量ミネラル250、純水260)を生産する方法と協働させる。エネルギーは、エネルギーの生産における乗数効果を生じる自発的にカスケードするエネルギー変換の適応制御方法を用いて、貯蔵され、取り出され、及び輸送される。エネルギー収穫及び生産プロセス中に、材料資源(例えば、水素及び炭素)は、再生可能エネルギーの生産に用いられるバイオ廃棄物及びバイオマス供給原料から抽出される。フルスペクトル・エネルギー・パーク200は、エネルギー、材料資源、及び栄養分の生産における効率の改善を達成するために、前記エネルギー及び前記資源を貯蔵し、取り出し、輸送し、監視し、及び制御する。
【0032】
生産されるエネルギー210、220のうちの幾らかは、フルスペクトル農業関連産業ネットワーク300に提供される。生産されるエネルギー210、220のうちの幾らかは、フルスペクトル工業パーク400に提供される。生産されるエネルギー210、220のうちの幾らかは、フルスペクトル・エネルギー・パーク200において再使用される。生産されるエネルギー201、220のうちの幾らかは、外部受容者に提供され、及び/又は米国送電網及び/又は米国ガスパイプラインに加えられる。
【0033】
フルスペクトル農業関連産業ネットワーク300は、フルスペクトル・エネルギー・パーク200によって生産される再生可能エネルギーを受け入れて、農業、家畜業、及び漁業サブシステムの機能に動力を与える。これは、農機具、車両、ボート、及び船のための再生可能な燃料、と、照明設備、熱設備、機械設備などのための電気とを含む。
【0034】
フルスペクトル農業関連産業ネットワーク300は、フルスペクトル・エネルギー・パーク200によって生産される他の材料資源(例えば、微量ミネラル250)及び純水260のような材料資源及び副産物を受け入れて、農業、家畜業、及び漁業サブシステムにおける栄養分を富化し、且つ植物収穫物340及び動物収穫物350の生産における増加した効率を生じる。
【0035】
フルスペクトル農業関連産業ネットワーク300は、エネルギー供給原料を収穫し、且つこれを再生可能エネルギーの生産に用いるためにフルスペクトル・エネルギー・パーク200に供給する。適切な供給原料は、バイオマス310(例えば、刈り取った収穫物(crop slash))、バイオ廃棄物320(例えば、汚水、農業廃水、食肉加工廃棄物、漁場からの廃水)、バイオ燃料ストック330(例えば、藻類、スイッチグラス)などを含む。
【0036】
フルスペクトル工業パーク400は、フルスペクトル・エネルギー・パーク200によって生産される再生可能エネルギーを再利用(ruses)して、持続可能な材料資源の生産及びゼロ−エミッション製造の機能に動力を与える。これは、内燃機関(例えば、定置機関、車両)のための再生可能な燃料と、照明設備、熱設備、機械設備などのための電気とを含む。
【0037】
フルスペクトル工業パーク400は、フルスペクトル・エネルギー・パーク200から受け入れた材料資源230、240及び副産物250を使って、付加的な材料資源(例えば、デザイナーカーボン(designer carbon)420、及び工業用ダイヤモンド430)を生産する。
【0038】
フルスペクトル工業パーク400は、フルスペクトル・エネルギー・パーク200から受け入れた材料資源及び副産物を用いて、太陽熱デバイス410、風力タービン410、水力タービン410、電解槽410、内燃機関及び発電機410、自動車、船、及びトラックの部品440、半導体450、ナノテクノロジー460、農機具及び漁具470などを含む、炭素ベースのグリーンエネルギーマシン410のような製品を製造する。
【0039】
フルスペクトル工業パーク400は、これらの製品及び副産物のうちの幾つか又はすべてをフルスペクトル・エネルギー・パーク200及びフルスペクトル農業関連産業ネットワーク300に提供する。
【0040】
フルスペクトル・エネルギー・パーク200は、フルスペクトル工業パーク400によって生産され及び提供される太陽熱デバイス410、風力タービン410、水力タービン410、電解槽410、内燃機関及び発電機410などを用いて、再生可能エネルギーを生産する。
【0041】
フルスペクトル農業関連産業ネットワーク300は、フルスペクトル工業パーク400によって生産され及び提供される内燃機関及び発電機410、農機具及び漁具470、並びに他のデバイスを用いて栄養分を生産する。
【0042】
フルスペクトル統合生産システム100によって生産されるエネルギーは、再生可能エネルギーのさらなる生産を駆動するためにエネルギーの再使用を含むすべてのサブシステムに対する動力を提供する。同時に、システム100内で生産される幾つかの又はすべての生成物及び副産物は、すべてのサブシステムの機能で使われる。同時に、システム100によって生産される廃棄物は、すべてのサブシステムの機能のための供給原料として取り込まれ及び用いられる。統合された及び相互に依存するサブシステムは、自発的にカスケードするエネルギー変換及び材料資源の自発的な再生を管理するために適応制御を用いる。したがって、システムは、再生可能エネルギー、持続可能な材料資源、及び他の副産物をサブシステム(エネルギー・パーク、農業関連産業ネットワーク、工業パーク)の異なるソース及びプロセスに絶えず再使用する。このように、システム100は、システム内の種々の資源から、従来の手段で達成可能であるよりも大量の供給されるエネルギー及び資源を利用する。この工業共生は、とりわけ、システム内の再生可能な供給原料及び副産物源から収穫された種々の資源及びエネルギーの量に対して乗数効果を生じ、価値を付加し、費用を低下させ、及び環境を改善する。
【0043】
図1Cは、陸上ベースのシステムに対する種々の例示的な機能性ゾーンを示すフルスペクトル統合生産システム100の略図であり、図1Dは、海洋ベースのシステムに対する種々の例示的な機能性ゾーンを示すフルスペクトル統合生産システム100の略図である。示されるシステムは、カスケードするエネルギー変換並びに材料資源の自発的な再生及び栄養分の生産の適応制御を伴う陸又は海洋上の統合生産システムを含む。システムは、エネルギー、材料資源、及び栄養分の生産における効率の改善を達成するために、再生可能なソースからエネルギーを収穫し及び/又は発生させ、且つエネルギー及び材料資源を貯蔵し、取り出し、輸送し、監視し、及び制御する再生可能な供給原料から材料資源を収穫する目的で、機能性ゾーンを含む。以下の表1は、例証となる機能性ゾーンと関連付けられる例示的な出力、システム、及び手段に対して展開する。
【0044】
【表1】

【0045】


【0046】

【0047】

【0048】
図1は、図示のように適切なガス−膨張モータ又はエンジン4が電気発電機5のような負荷を駆動する、システム2を示す。膨張装置4を出る蒸気及び/又はガスは、膨張装置4によって仕事に変換されなかった熱の送達のために導管6によって熱交換器8に運ばれる。熱交換器8は、図2の実施形態72の作動、衣類の乾燥、住居の水の加熱及び空間の加熱、歩道及び車道上の氷の融解、熱、乾燥、硬化、及び/又は脱湿を必要とする種々の工業用途、並びに水加熱及び熱により駆動される冷凍のような商業用途、及び/又は大気中の空気、蒸発により冷却される大気中の空気、小川、湖、又は海水への排熱に必要とされる場合がある追加熱(heat addition)に関する嫌気性消化のような用途に熱を送達するのに適した1つ又は複数のサブシステムのうちの代表的且つ典型的なものである。
【0049】
(8)で代表される1つ又は複数の熱交換部によって十分な熱が除去されると、作動流体は、一体の電気発電機を伴う用途における形成物シール12よりも下の場所のようなより低い高さにある流体モータ14を推進するために、導管10による送達のための流体カラム(fluid column)又は「ヘッド」を発生させる凝縮物として調整される。導管10の中の液体圧力ヘッドが確立された後で、流体モータ14は、カラム10の中の流体のポテンシャルエネルギーを軸動力に変換する。モータ14に送達された流体が、地熱形成物(geothermal formation)のような適切なソースからの熱を受け取る場合には、作動流体は、モータ14を推進する際に、気化され又は過熱される可能性がある。このエネルギー変換ステップの後で、モータ14から出る液体及び/又は蒸気の作動流体は、次いで、移動経路16によって概して示されるように、再加熱のための地熱形成物のさらなる範囲に送達される。或る形成物においては、加熱された流体を断熱導管20によって表面22に戻すための18での収集井の方への又はこれへの1つ又は複数の水平ボアを使用することが好ましい。適切な地熱形成物を伴う他の場合には、液体のダウンフローが起こる同じ井の中に加熱された作動流体の平行な(side−by−side)又は同軸の流れを提供することが適切である。
【0050】
表面に到達した後で、加熱された作動流体は、導管23及び25によって熱機関32のような1つ又は複数の随意的な熱源又はソーラーヒータ30のような別の熱源への弁34及び24に送られる。さらなる加熱を有益に達成できる時間の間、作動流体は、図示のように、弁34又は24を通して28及び又は36のような1つ又は複数の熱交換器に送られて、熱機関32のようなより高い温度ソースからの又は適切なソーラートラップ又は集中器30による追加熱を受け取る。これは、システム2が、形成物16での一次地熱伝達の後で状況により利用可能な熱の伝熱のこうしたハイブリッド化された増加の結果として、より高い年間エネルギー変換能力及び熱効率を達成することを可能にする。
【0051】
示されるハイブリッド化されたシステム構成要素はまた、燃料又は電気の需要のピーク期間の間の、形成物16に貯蔵される際に再加熱される作動流体のより一層長い滞留時間を含む、多くの新しい作動モードを可能にする。これは、より多くの部分の地熱形成物が作動流体に熱を送達し、したがってより高い温度が達成されることを可能にする。システム2の効率のさらなる改善は、ピーク需要を満たすためにエンジン発電機32が用いられ、したがって、エンジン32のような熱源による排熱の回収のために図示のように弁34及び熱交換器36の作動によって提供される熱交換器回路を通して作動流体により多くの量の熱を供給することができるときにもたらされる。
【0052】
本発明の実施形態は、14又は44のような混合相又は液体モータ(単数又は複数)よりも上の最も大きい流体ヘッド又は垂直高さを発達させることによって作動流体を調整する目的で熱交換器(単数又は複数)8又は40による凝縮を容易にするために、適切な放送塔50及び風力発電機38、丘の頂上又は尾根25と組み合わされた機能を伴う用途のような減圧された流体を最も高い実用的高度に送達する適切なモータ4又は52における膨張性の仕事を提供する、蒸気及び/又は気体の作動流体の送達である。ランキンサイクルのような熱力学サイクルに対する重要な改善は、作動流体が再加熱され及び気化されるエリアの近くの場所でのこうした作動流体の圧力及び運動エネルギーによって仕事がなされるゾーンからかなりの高さでの濃厚な、液体ではないとしても作動流体の発達によって達成される。したがって、ダウンホール・エネルギー変換サブシステム44は、液体により推進されるモータ、作動流体の混合相の運動エネルギー及び圧力を利用するデバイス、又はこうした相の圧力を維持し又は増加させながら所望の相(単数又は複数)を生じるのに十分な地熱を受け取るゾーンに位置する蒸気膨張デバイスとすることができる。これは、ランキンサイクル作動のこうしたハイブリッド化改善を達成する、システム2及び類似の配置のエネルギー変換能力及び効率をかなり増加させ、こうした液体は、高い高度、通信塔、及び建設された塔での風力タービン塔、丘、又は他の地勢のような実施形態によって提供される高度で生じる。
【0053】
一般に、風力タービン−発電機38は、それらが最も高い速度の風を受ける表面よりも高くにおかれる場合に、より多くのエネルギーを生じる。こうした風力タービン塔の頂部に又はこの付近に熱交換器40をおくことは、作動流体の所望の相を適切に調節するための冷却能力を改善し、地上の汚れの原因の多くを避け、且つこれは、図示のように同軸導管48内の断熱された導管によってモータ−発電機44に送達される流体カラム42のより大きい高さを提供する。モータ発電機44によるエネルギー変換の後で、こうした膨張により冷却される液体及び又は蒸気44が去っていくときに周囲の地熱形成物46によって加熱されて、図のように断熱された導管48によってモータ発電機52に運ばれる蒸気を生じ、膨張装置52から出る流体は、図示のように導管54によってコンデンサ40に送達される。
【0054】
図2のソース128からの化学薬品を含む流体を供給される地質形成物(geoformation)の中に送達するために電動式ポンプとしてそれが時折作動することを可能にする目的で、流体モータ14の流体ポンプ又はモータとしての可逆的な作動を提供することが好ましい。適切なマニホルディング及び弁作動を提供することによって、図1、図2、及び図3のシステムに関して説明されるように種々の地質形成物によって必要とされる場合がある性能及びメンテナンス作動を改善する目的が達成される。
【0055】
多くの場合において、図1、図2、及び/又は図3のシステムは、こうした作動によるかなりの改善を提供するために、作動及び水面下形成物によって十分に関係づけられる。しかしながら、図2のシステムからかなりの距離で図1のシステムを作動し、且つ図1及び図2のシステムの作動を改善するために、こうした薬剤の送達を支援するポンプ14の時折の使用と共に、供給タンク128と類似した貯蔵を伴うサブシステムからの薬剤を提供することが実用的であり且つしばしば予想され及び奨励される。
【0056】
地熱エネルギーの季節的増強に対するほぼすべての大陸上でのハイブリッド化の機会の例証として、表1は、ゲーンズビル、フロリダのようなより暖かい地域に比べて中央アラスカのフェアバンクス地域及び他の北部の平野地域のようなより長日及び比較的晴天条件において実質的な夏のエネルギーが利用可能であることを示す。アラスカのフェアバンクス地域及びカナダの類似の地域は、示されるように明るく日が照る夏の長日の間は「暖かいように思われる」北アメリカの都市のうちの8つよりも、多くの太陽エネルギーを受け取る。
【0057】
【表2】

【0058】
したがって、石油及び天然ガスを生産する、塩水を捨てる、又は天然ガスを戻すことなどの目的のための井を含む、実質的な地熱エネルギーが入手可能な場所では、及び、高い温度にある形成物にアクセスする枯渇した石油及び天然ガス井の場合、作動流体の一次地熱加熱、その後、状況により利用可能なより高温の太陽集熱源によるさらなる加熱を提供するだけの価値がある。こうした機会はまた、工業プラントによる又はピーク負荷を満たすために作動し且つ大量に排熱するはずの熱機関を含むピストンエンジン、ガスタービン及び/又は蒸気タービン・システム32のような熱機関による時折の排熱を含んでもよい。
【0059】
2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールと水及び/又はメタノール、アンモニア、プロパン、又はFreon(フレオン(商標))のようなアルコールとの混合物のような選択された作動流体のより高温への加熱を提供する、こうした地熱エネルギーの太陽、工業、又はピーキング−エンジンによる増加は、図1に示すようにエネルギー変換システムの年間エネルギー生産及び効率を実質的に増加させることができる。所望の熱拡散率をもつ地熱形成物の十分な深さが存在する多くの場合において、作動流体が形成物に接触することを許すことなく閉じた作動流体系として、液体作動流体をエネルギー変換のために導管42によって流体モータ44に送達し、及び、加熱され及び気化された作動流体をモータ52による蒸気膨張及びエネルギー変換のために導管48を通して戻すことが好ましい。他の場合において、形成物が表面で作動流体から抽出され又は分離されてもよい価値ある物質を産出するように促すために、選択された作動流体の地熱形成物との緊密な接触をもたらすことが好ましい。
【0060】
加えて、パタゴニア及びカラハリのような南半球の南方地域気候で、及び同様にアラスカ、カナダ、スコットランド、スカンジナビア、ロシアの一部及び西アジアの一部のような北半球の北方地域気候において、省エネと共に、再生可能エネルギーの改善された利用に対する重要なニーズがある。これらの地域は、豊富な太陽エネルギーが入手可能であるときの夏季ではなく冬季に、ピーク需要にしばしば直面する。
【0061】
このような場合、ガス又は蒸気圧縮機に動力を与えるために内部的に提供される多くの比率の(large fraction of)原動力ポテンシャル(motive potential)に起因するブレイトン−サイクル制限の改善又は克服が時宜に適っている。図2は、流体流入に対するかなりのダウンホール圧力及び/又はインピーダンスを有するコンパクトな貯蔵のための及び/又は地層(geological formation)中の貯蔵のための十分に高い圧力での液体のガスへの変換によってどのようにして高圧ガスが実質的に生産されるかを示す。電解槽66は、形成物ドライブを確立し、且つ消化装置72のようなソースからのメタン及び/又は二酸化炭素のインベントリの送達を加圧するために、加圧された水素及び/又は二酸化炭素を提供する。形成物86からの熱を受け取る、物質の混合物を含む流体は、図2に示すようにデバイス94における膨張による仕事に対するはるかに大きい正味能力(net capacity)を提供する。
【0062】
図2は、メタンハイドレート堆積物及び/又は嫌気性消化装置72から水素又はメタンのような貯蔵できる燃料を生じるためのシステム60を示し、こうした水素及び/又はメタンは、好ましくは、パイプライン102によってかなりの距離にある市場に配給するために電解槽66及び/又は適切な機械式圧縮機122によって生じるより高圧のガスによって循環的に又は連続的に加圧され、弁130及び/又は68を通して圧力調整器104に送達される、又は間欠的な短期の貯蔵又は長期の貯蔵のために導管82によって地層86に送達される。作動時には、図示のようにシステム2及び/又は他のソースによって発生した電気が送電網62を通して伝送されて、調整器(conditioner)システム64に動力を与え、適正な電圧及び整流された電流を提供して電解槽66に動力を与え、嫌気性消化装置72の液体及び又は局所的な帯水層80からポンプ76によって汲み出され及び導管74によって送達される水から水素を生産する。
【0063】
コントローラ70は、嫌気性消化装置72の中の微生物の活動によって又は導管78によって送達される水の電気分解によって提供された液体からの加圧された水素の生産を含むシステムを最適化する。有機物の嫌気性消化の関数としての微生物の活動によって提供された液体を用いるこうした作動及びエネルギー変換の利点の開示は、同時係属の特許出願及び米国特許第6,984,305号で提供され、これらの開示は、従来の水の電気分解に比べて水素を生産するのに必要とされるエネルギーを大きく低減するための技術を参照することによって本明細書に含まれる。
【0064】
工業作動108又は精製作動112は、式1及び式2に一般に示されるように炭素供与体の部分酸化によって又は炭素供与体と蒸気との反応によって、加圧された二酸化炭素、一酸化炭素及び/又は水素を時折生産するであろうということも考慮される。
2C+1.5O2→CO+CO2 式1
CH4+H2O→CO+3H2 式2
【0065】
図示のように貯留層86における貯蔵及び/又はヒートゲインのための送達と、その後のモータ−発電機94における膨張からなるプロセスにおけるこうしたガスの利用は、付加的な貯蔵及び/又は熱抽出能力を提供するために重要な状況により生じた機会であり、同時係属の特許出願第60/847,063号で開示されるように、搾乳場、缶詰工場、屠殺場、製造業、工業パーク、又は共同体を含むエネルギーセンターの総合エネルギー利用効率をさらに改善する。
【0066】
表2は、地熱形成物からの他の価値と共に熱の抽出を容易にする作動流体として及び/又は化学薬品及び加圧剤として働くための種々の候補の機能及び大気圧沸点を比較する。これらの作動流体は、熱交換システムに収容される閉サイクル流体として用いられてもよく、又は適切な場合には、緊密な接触及び改善された熱交換率を可能にするために地熱形成物の中に送達される。
【0067】
実施形態の全体を通して、投資収益率及び総合エネルギー利用効率を大いに改善するために、「フルスペクトル」エネルギー変換作動における最も高い利用可能性、温度、及び圧力状況からエネルギーをカスケードすることが目的である。これは、このようにして採用されるリサイクルされた材料及びサブシステムを含む古い技術及び公知の材料からの新しい結果を含む。
【0068】
多くの用途において、Xの量のエネルギーを費やして流体を生産し及び地熱形成物に送達して、Xの量のエネルギーの貯蔵達成することが実用的である。貯蔵された流体を戻すと、熱エネルギー、圧力エネルギー、及び化学ポテンシャルエネルギーの組合せで、より大きい量のエネルギーを送達することができる。
【0069】
多くの場合において、本発明の幾つかの実施形態が提供するエネルギー変換及び価値の抽出の機会における形成物の熱参加(thermal participation)の度合いを増す目的で、地熱形成物の中に混合物を混合する及び混ぜることが意図される。例証すると、炭化水素を含有する多くの形成物における伝熱及び価値の抽出を改善するために、エタン、プロパン、ブタンのような示される炭化水素、二酸化炭素、及び/又は水素を混合することが意図される。
【0070】
特に、フルスペクトルの機会の結果は、広範なエネルギー変換原理及び構成要素による広範囲の太陽及び下層土IRスペクトルの実用的利用を含む。
【0071】
【表3】

【0072】

【0073】
L(液体ヘッド);S(溶媒);V(蒸気膨張);A(共沸物)
M(混和剤);H(伝熱剤);F(燃料)
【0074】
凍結した固体による閉塞を防ぐために種々の物質の混合物及び溶液が使用されてもよい。エタノールは、−117.3℃(−179°F)で凍結する。メタノールは、−97℃(−143°F)で凍結する。作動流体混合物及び共沸物は、地球上の最も低温の温度に対する凍結保護をどのようにして提供するか及び約79℃(174°F)又はこれよりも温かい比較的低温の地熱源から伝熱によってどのようにして膨張蒸気を生じるかを例証する。水は100℃(212°F)で沸騰し、エタノールは78.3℃(173°F)で沸騰する。体積百分率で95%のエタノールと5%の水との二成分共沸混合物は、78.2℃(172.8°F)で沸騰する。図1のシステムの実施形態において液体共沸物がモータ−発電機44を駆動し、且つ蒸気がモータ−発電機52を駆動する際に、52%のメタノールと、44%のアセトニトリルと、4%の水との三成分共沸物は、約67℃(153°F)で沸騰して、より一層低温の地熱形成物が使用されることを可能にする。
【0075】
エンジン−発電機131又は高温燃料電池137を含む燃料電池を駆動するための、鉱山及び地熱形成物における「HyBoost」燃料と呼ばれる水素及び/又は水素と炭化水素との混合物のダウンホール利用は、ホスト形成物よりも高温で付加的な熱を提供して、図1及び図2のシステムによる総合エネルギー変換速度及び効率をさらに改善する。熱電気複合利用(combined heat and power)(CHP)エンジン109は、可逆燃料電池137が電気及び熱を生じる又はエンジンによって電気及び排熱を供給される若しくは燃料電池が乾燥、調理、かん詰め、及び水の加熱又は滅菌のような用途に使用される際に、負荷平準化を伴う変化する電気及び熱要件を満たすのに最適な条件で作動することができる。可逆電解槽135によって生産され及び加圧される水素及び又は酸素の非常に純粋な供給は、好ましくは、工業パーク又は共同体における商業及び工業優先事項のために使用される。
【0076】
高圧可逆電解槽135からの加圧された酸素はまた、図示のようにライン133によってエンジン発電機131に及び/又は燃料電池137に送達されて、電気を生じ、又は形成物86に熱を加えると共に他の負荷を駆動し、及び/又は蒸気を提供して膨張装置−発電機94へのライン92を通過する蒸気又はガスを加熱し及び断熱する。形成物の温度、深さ、及び本発明の幾つかの実施形態が抽出する又は生産するのを助けることができる炭化水素のような価値の利用可能性に応じて、こうしたエンジン又は燃料電池131及び137は、ライン92に沿って表面のより近く、又はかなりの深さ、若しくは追加熱が結果としてタール及び他の資源からの炭化水素のような価値のより多い抽出及び生産をもたらす形成物内にあってもよい。
【0077】
図3は、有機物質の熱解離又は消化のような嫌気性処理から水素及び/又はメタンを生産するのに必要とされるエネルギーをさらに減少させるための新しい技術の実施形態138を示す。活性炭及び剥離グラフェン媒体は、触媒作用で嫌気性消化液からの水素の放出を引き起こすように調製されている。
【0078】
有機物質の微生物消化によって生じる酵素のような或る有機物質が、電荷移動プロセスにおいてより効果的である、及び/又は活性炭による又は活性炭の中への水素の低エネルギー除去によって補助される、及び/又はより効率よく与えられる、及び/又は活性炭又は剥離グラフェン材料によって吸着され、したがって改質された後で、より長い有用な寿命を有することは明らかである。「酵素活性化」を達成するこうした処理の後で、これらの材料は、加圧された嫌気性消化液からの水素と二酸化炭素の放出を引き起こす。さらに、同時係属の特許出願及び米国特許第6,984,305号で開示されるような電気的勢いと併せての、又は随意的な水の電気分解に必要とされる電圧に比べて減少された一定の電圧での、こうした酵素活性炭媒体(enzyme activated carbon media)の使用は、電気仕事の単位当たりの水素の収率を実質的に改善する。
【0079】
減少したエネルギー消費での水素の生産は、エネルギー収穫物及び廃棄物を含む有機供給原料からの水素抽出の経済性を改善するのに特に有利である。プロセス効率の改善は、メタン燃料及び二酸化炭素を生産するのに嫌気性消化装置140を用いることによって提供され、一方、消化プロセスによって絶えず生じる液体の一部は、図示のように158の頂部での分離器の作動圧力及び温度に応じて弁160又は弁162を通して送達するために消化液の提供及び水素及び/又は二酸化炭素の抽出のための酵素活性炭媒体を充填された圧力容器158に送達するためにフィルタ152及びプレコンディショナ154を通して圧力ポンプ156に伝達される。
【0080】
所望の場合、緑色植物の育成のような用途のために、必要に応じて気体水素を二酸化炭素から実質的に分離することができる。こうした分離は、好ましくは米国特許第6,984,305号で開示されるプロセスによって提供され、水素は、送達するための導管及び逆止め弁162によって井174を通して形成物シール175を通過して地熱及び/又は炭化水素貯留層176に運ばれる。存在する二酸化炭素及び他のガスから米国特許第6,984,305号で開示されるような適切なプロセスによって同様に分離されてもよい付加的な水素の電気的に刺激された生産のために、溶液中の多量の二酸化炭素と共に圧力容器158を去る液体は、図示のように導管及び逆止め弁160回路によって圧力容器159に送達される。バイオマス上の微生物の活動によって調製される物質からの水素の触媒で補助された放出のためのシステムは、遷移金属及び遷移金属を含む金属間化合物のような無機触媒と共に、開示される有機触媒(単数又は複数)を含む。図示のようにこうした触媒(単数又は複数)と順に(in sequence with)又は併せて、振動、放射、電動力、及び又は磁気力(単数又は複数)を適用することによってこうした水素生産の速度及び機器効率のさらなる増加を可能にすることが特徴である。
【0081】
比較的純粋な水素は、逆止め弁166及び弁(図示せず)を通して、二酸化炭素の生産をなくす又は最小にするために描かれる工業、商業、及び輸送用途に送達される。残っている水素は、井174を通して形成物176にチャージするために逆止め弁166を通して水素源(hydrogen sourced)に加えられる。このプロセスにおいて、膨張装置−発電機168は、それが図示のように減圧されている流体中の圧力及び運動エネルギーを変換する際に、電気を発生させる。
【0082】
変換器184の中で藻類のような水生収穫物を成長させること及び光合成の速度及び効率を増加させるための温室186の中での大気の富化を含む種々の目的で、及び/又は図示のように変換器184又は温室186の中での所望の熱ゲイン(thermal gain)のための太陽エネルギーを捕えるためにより少ない量の同時分離されたメタンと共に温室効果ガス成分として、減圧された二酸化炭素ガスが使用される。減圧液体流体中に溶存する二酸化炭素は、図示のように水耕変換器ポンド184の中の藻類のような水生植物の富化のために送達される。藻類のような時折収穫される水生収穫物と共に、使用済みの液体は、消化装置140の中に送られてもよく、又は収穫された収穫物の一部は、図示のようにプロセスプラント202によって種々の栄養補給食品、ビタミン、栄養素、アルコール燃料、脂肪などに処理するために、弁マニホルド201及び導管206を通してポンプ200によって送達することができる。プラント202及び他の地域ソースからの廃水は、図示のように弁マニホルド201によってライン208を通して消化装置140に送られる。
【0083】
嫌気性消化装置140によって生じるメタンと二酸化炭素は、図示のように、貯蔵のために及び/又は形成物176からの炭化水素の抽出及び収率を増加させるため及び/又は膨張装置−発電機178による仕事及び/又は電気の生産のための地熱エネルギーを得るために、フィルタ142及び導管146を通して圧縮機148に、及び逆止め弁172を通して井174に送達される。圧力調整器150の流量計測回路は、図示のように140で容易にされる嫌気性消化プロセスを混合する、撹拌する、温度を制御する、及びかき立てるのに必要な気体の再循環の量を制御する。
【0084】
図1、図2、及び図3に示されるシステムに対するエネルギー変換効率における重要な改善は、ポンピングによって液体を加圧し、その後さらに加圧し、及び/又は水の電気分解、嫌気性消化液からの触媒によるガス放出、及び/又は電気分解によるガスの減少されたエネルギー放出の結果としてこうした加圧された液体から導出される気体物質を送達することから結果として生じる。ハイブリッド化され及び改善されたブレイトン−サイクル及び/又はランキンサイクル効率の例証となるものは、それが図示のように本質的に液体ポンプ73によって生じる圧力で気体水素及び/又は二酸化炭素を提供するので、弁75を通して電解槽66に送達するための72の中で生産される消化液のポンプ73による消化装置タンク72からの流体の加圧から結果として生じる。
【0085】
消化装置72から分離される又は消化装置72によって生産される酢酸及び酪酸(buteric acid)と共に、尿素のような化合物を含む液体から水素を生産するための電力要件は、従来の水の電気分解に比べて大いに減少され、こうしたガスが放出された後のガス圧縮機の適用に比べてポンプ73による液体加圧の結果として所望の水素送達圧の発生によるさらなる改善が達成される。同様に、図2の形成物86からの熱及び/又は付加的な炭化水素の隔離(sequestration)、分離プロセス、膨張性ガスとしてのエネルギー変換、及び/又はコンパクトな貯蔵のためのような目的で、加圧された二酸化炭素を生産することが有利である。
【0086】
システム60によって生産できる水素の量が、電解槽135からライン111によってハイブリッド車110のような燃料電池用途のために送達される非常に純粋な水素を含む、家(単数又は複数)106、商業及び製造業建築物108、及び農業又は輸送ニーズ110のような負荷を含む、パイプライン102によって供給されるCHP及び他の用途による需要を越える時には、72及び66からの余剰の水素、メタン及び又は二酸化炭素メタンが、図示のように水素及び他のガスを貯蔵するのに十分なオーバーバーデン及びシールと共により大きい距離にある枯渇した石油及び/又は天然ガス貯留層86又は類似の地層で再チャージするのに必要とされる圧力で送達される。多くの場合において、形成物84は、84の中に貯蔵された水素及び他のガスをこうした高い温度でタービン発電機94に動力を与えるために表面に戻すことを可能にするのに十分に高い温度にあり、その後、水素は、圧力調整器104及び/又は105によって確立される際のより低い圧力でライン102を通して送達される。
【0087】
炭化水素を含有する地層の中に水素及び/又はメタン及び/又は二酸化炭素を貯蔵する利点は、非常に低い粘度及び高い熱容量の水素及び/又はメタンのアクションから結果として生じる増加した駆動圧、炭化水素価値の増加した流動性と共に強化された透過性の結果としてのこうした炭化水素の増加した生産を含む。加えて、本発明の幾つかの実施形態は、128のような貯蔵容器からポンプ126及び弁124を通して、形成物86を通して井導管82にチャージするのに適切なマニホルドに送達されるものとして代表して例証される、プロパン、二酸化炭素、溶媒、及び洗剤溶液のような薬剤を含む生産を強化するために、他の流体の送達を容易にする。
【0088】
こうした水素及び/又はメタン及び/又は二酸化炭素貯蔵及び/又は表2によって描かれるような関係する処理作動から結果として得られる、貯留層86からの強化された炭化水素生産は、好ましくは、95又は180で、パイプライン102による送達のための水素で特徴付けられる燃料と、種々の成分の抽出を提供し及び図示のように114、116、118、及び120によって表されるパイプラインによって市場、貯蔵、又はさらなる精製にとられるのに適切なシステム112による価値のさらなる分離及び/又は精製のためにパイプライン103によって送達される炭化水素リッチな成分とに分離される。
【0089】
図1、図2、及び図3に示されるシステムは、したがって、電気、水素及び/又はメタン燃料及び/又は炭化水素生産の総量によって計測される場合の貯蔵効率、正味電気及び/又は燃料エネルギー変換能力、速度、及び効率を大いに増加させる。急速に発達する需要を満たすための電気の生産、特に、ピーク電力は、ピストン、ロータリー又はタービンICEエンジン(単数又は複数)32及び/又は107及び/又は109のための燃料として水素及び/又はメタンを利用することによって直ちに提供される。各場合において、膨張性ガスの温度を増加させて、モータ−発電機4及び/又は178を駆動し、及び示される熱電気複合利用用途のような農業、工業、又は家庭用途のために熱を送達することによる総合エネルギー利用効率を改善するために、こうしたエンジンによる排熱を使用することが大いに有利である。
【0090】
エネルギー変換のためのこれらのプロセスは、一般に、地層からのヒートゲイン、化学エネルギー及び又は圧力エネルギーの間欠的貯蔵、及び価値ある物質の抽出からなる群から選択される目的のために適切に準備され及び維持される地層に1つ又は複数の流体物質を曝し、その後、エンジンの中でこうした流体物質のうちの1つ又は複数をハイブリッド化されたランキンサイクル又はブレイトン−サイクル膨張させて、仕事を達成するステップを含み、流体物質のうちの少なくとも1つは、改善されたブレイトンサイクルの作動のために冷却され、及び/又は凝縮されて、膨張モータに又は液体又は流体モータを駆動して仕事を達成するのにより低い高度に送達される液体を生じてもよい。
【0091】
示される実施形態は、電気及び又は化学燃料価値を同時に生産しながら、地熱の熱エネルギー及び/又は適切な形成物からの炭化水素のような価値を抽出し及び変換するのに特に有益である。本発明の実施形態は、地熱エネルギーの改善された抽出及び変換効率と共に、豊富な夏のエネルギーを後で冬季で用いるために貯蔵できる燃料を生産するのに用いることができるようにする。本発明の幾つかの実施形態は、石油及び天然ガス井と共に、或る掘り尽くされた鉱山の再利用を容易にし、且つ石炭、石油、及び天然ガスの枯渇によって荒廃している又は地球温暖化問題によって苦しまされている共同体の経済的再生の機会をもたらす。
【0092】
開示される本発明の実施形態は、廃棄物から水素を生産して、空気の質及び水質を改善し、化石燃料及び共同体を放射性廃棄物で悩ませる核分裂性燃料への依存を大いに減少させるために、改善された廃棄物処理作業と、大いに低減したエネルギー要件を提供する。変わりやすい風、潮、又は波条件を有する地域では、こうした再生可能エネルギーを適切な地熱形成物の中での貯蔵及びヒートゲインのために水素又はメタンのような化学燃料ポテンシャルに局所的に変換することが重要である。
【0093】
燃料及び/又は二酸化炭素貯蔵に適した地熱形成物はまた、鉄道及びトラック送達に加えてパイプライン又は送電網によって図2及び図3に示すように太陽、風、波、又は潮のような再生可能資源が利用される遠方のサイトにリンクされてもよい。
【0094】
化石燃料及び核分裂性燃料への依存と置き換えるために、再生可能エネルギーの大規模な変換が必要とされる場合には、図4のシステムの実施形態400は、地熱エネルギーの強化及び貯蔵を伴うフルスペクトル・ソーラー変換を提供する。図5は、図示のように組立体412の下のゾーン内の又は通路414及び416を通過する空気を加熱するために、エネルギーの全太陽スペクトルの事実上すべての波長を捕えるための支持ケーブル402及びグレイジング404、406及び408の組立体の断面図を示す。スチール、ガラス、セラミック、ポリマー、炭素、又はこうした材料の組合せの棒、ワイヤ、又はファイバのような任意の適切な材料で作成されてもよいケーブル(単数又は複数)402は、大面積の太陽及び/又は地熱エネルギーを変換してエネルギーを生産するために、フィルム410と共に1つ又は複数の透明なグレイジング404及び406を支持する。太陽放射線は、下の地球からの赤外線放射と共に図5のトラップに入り、図示のように通路414及び416の中の及び下の空気を加熱するために熱エネルギーに変換される。
【0095】
図4は、電気及び/又は水素を生産するための図5及び/又は図6に示すようなグレイジングを使用するためのシステム400を示す。空気は、地熱及び/又は太陽及び/又は種々のエネルギー変換プロセスによる排熱によって加熱され、上方に放出されて垂直シャフト・タービンを回す。ロータ490、432及び/又は434は、図示のように450のようなステータと併せて、図示のように地面又は幾つかの他の適切な境界と膜(単数又は複数)410又は421との間のプレナムの中に空気を送達する。図示のように、こうした動いている空気は、太陽エネルギーを集め、且つ、地熱源、熱交換器476及び内燃タービン、ピストン、又はロータリーエンジン(単数又は複数)460、481並びに熱交換器480によるソーラーエンジン−発電機470のような他の発電機(単数又は複数)及び熱機関からの排熱を除去する。こうした排熱は、好ましくはその後に熱機関の中で燃焼され又は熱交換器を通してリサイクルされる水素によって電気発電機から除去される熱と共に、エンジンジャケット及びオイル冷却を含む。図示のように断熱された排気管461及び464による太陽加熱の最終段の後で、膨張タービン440及び444によって及び/又は442のような1つ又は複数のステータと併せて達成される仕事を増加させるために、内燃機関の排気流からのより高品質の熱を加えることが好ましい。
【0096】
内燃ピストン及びロータリーエンジンは、440及び444で描かれるように1つ又は複数のパワーロータでガスに排気が加えられる前に電気発電機又は圧縮機を駆動する一体の排気タービンと共に作動することが好ましい。パワーロータ440及び444からの出力は、速度が増加されてもよいし又は減少されてもよく、図示のように電気発電機(単数又は複数)438と共に圧縮機/モータロータ432及び434を駆動するのに用いられる。
【0097】
多くの地域において、図示のように熱交換器484の深さでの天然地熱源からの及び/又は地下熱貯蔵及び交換からのヒートゲインを提供することも有利である。熱交換器480は、機械的仕事、化学プロセスの作動、及び/又は電気の生産を行った後で最終的に熱を排出する流体ポンプ482及びエンジン481、及び/又は熱電、及び/又は熱化学プロセスのような地熱エネルギー変換システムから熱を排出する。こうした排熱は、タービン440及び444で抽出されるエネルギーに加えられ、排熱プロセスを改善しながら組み合わされたプラントシステムの能力を増加させ、したがって、太陽及び地熱エネルギー変換プロセスの効率を相乗的に改善する。
【0098】
膜410及び421の下のゾーン内での熱交換からの追加を受け入れることによってこうした相乗的に有益な冷却を行った後で、付加的な太陽エネルギーを得るために図示のように空気が膜410又は421と406又は420との間のチャネルの中に巡回される。加熱された空気は、次いで、440及び444として描かれる1つ又は複数のパワーロータに送達される。可変ピッチ流量コントローラ443、441、及び442は、ロータ490、440及び444と協調され、これはまた、エネルギー変換プロセスを最適化するのに必要とされる場合に可変ピッチを提供してもよい。流れディレクタ443、441及び450での空気速度は、この多重に組み合わされ及びハイブリッド化されたサイクル・システムにおける太陽エネルギー及び他の因子からの熱の利用可能性、及び湿気によって実質的に影響される。
【0099】
太陽、地熱及び/又は示される他のデバイスからの排熱が適切であり、周囲空気が比較的乾燥しているときには、システムを通して移動する空気中により高い湿気を生み出すことが有利である。水は、図示のようにシステム560内の及び/又はこれを取り囲む収穫物上に発散され及び/又は噴霧され、及び/又は適切な噴霧器500及び504によってダウンフロー構造(単数又は複数)502及び510内を通過する空気中に分配されて、周囲空気団を冷却し、したがって、タービン432、434、及び490を通過する空気の発電機438及び492への下降気流の増加した勢いを生み出し、且つ光電集熱器403を冷却する。空気を加湿することはまた、図示のようにタービン490、440及び444へのエネルギー送達を増加させるために非常に有利であり、これらの作動は、コンピュータ・コントローラ401によって適応して最適化される。
【0100】
ロータ432、434、440、444、及び490と共に、流れディレクタ443、441、及び442によるピッチの幅広いバリエーションを提供することは、天候、地熱、及び複合サイクル作動のヒートゲイン範囲の全体にわたる発電機492及び438の同期作動を可能にする。
【0101】
この加熱される空気流の精密適応制御は、したがって、太陽強度、地熱、及び周囲条件のすべてのレベル及び組合せにおける最大タービン効率を生じる。443と共に、流量コントローラ441、442、及び450の重要な利点は、図示のようにタービン490、434、432、440、及び444に動力を与えるための、より高い速度でのより濃厚な方向付けられた空気の送達である。これは、トルク生成と分子の運動エネルギー及び流れのシャフトエネルギーへの変換を最大にするために、ロータ490、440、及び444の可変ピッチ・ブレードの最適な部分での増加した空気速度及び送達を含む。
【0102】
形成されるプレナム(単数又は複数)内のポンプ(単数又は複数)432及び434から必要とされるときにポジティブな空気流を提供することは、こうしたエンジンの熱効率、したがって総合システム効率を改善するために、ピーキング又はベース負荷熱機関460、470、及び480から熱が排出されるときの温度を低下させる。スターリングサイクルエンジンのようなソーラーエンジン470及び522での熱化学プロセスは、同時係属の米国特許出願第08/700,577号で開示されたものを含む任意の適切なタイプのものであってもよい。
【0103】
ソーラーエンジン470の効率のさらなる改善は、示のように傾斜した膜(単数又は複数)404及び/又は426から貯留層(単数又は複数)471及び473の中への排水(runoff)を含む、適用領域に流れ落ちる雨水の収集によって提供される。雨水は、裏打ちした貯留層473の中に収集され、ポンプ550によって1つ又は複数の電解槽(単数又は複数)702及び704に送達される。収集された水はまた、熱伝達率を改善するため、及び図示のように膜404、406、408及び410によって供給されるチャネルの下の及び中の太陽及び/又は地熱加熱の方に進む空気に熱交換器476によってできるだけ多くの熱を送達した後で、井(単数又は複数)471内の地中(in−ground)熱交換器472を冷却するために用いられる。
【0104】
選択された膜材料の熱的安定性及び下の地面から入手可能な地熱エネルギーに応じて、赤外線トラッピング膜としての膜410と、表面にかなりの角をもつ又はこうした角のある膜と併せて働くように平坦な黒色膜としての421とを提供することが好ましい。図6は、伝熱膜515、424及び425によって達成される太陽及び/又は地熱吸収性、伝熱面積、及び空気温度をかなり増加させるために、多数の放射を捕らえる及び伝熱する、ひだ状にされた又は概して「W」字形状にされた折り目の組み入れを例証する。個別のエアセル・チャネルを確立するために、1つ又は複数の透明な平行な膜が、図のようにわたる膜417に配置されてもよく、1つ又は複数の透明な膜が膜415に関して示されるようにわたる状態で提供されてもよい。これらの空気チャネルは、断熱し及び膜423を収容する中心チャネルの中の滞留時間を増加させてはるかに高温の空気を生じるために制限される空気流を制御可能に提供する、適切な弁を備えてもよい。これは、接触から及び図示のように不透明な延長された表面をもつ膜423及び424からの放射によって熱を得る中心チャネルの中の94℃(200°F)〜204℃(400°F)のような実質的に温められた空気の迅速な達成を可能にする。
【0105】
図6の実施形態において、1つ又は複数の反射層が誘電体層の間に交互に位置する膜419を提供し、この膜を図示のようにガスシール膜427から若干離して配置することが一般に好ましい。これは、延長された表面をもつ膜424の太陽トラッピング及び加熱を増加させ、したがって、太陽対熱エネルギー変換プロセスの効率を改善する。反射膜419の下のゾーンに逃げる熱は、下のエアセル又は膜424に関して説明された場合よりも多く又は少なく構築される延長された表面をもつ膜423によって捕えられ、空気は、形成されるチャネルを通過する際に加熱される。延長された表面をもつ膜421によって加熱される空気チャネルを通した空気流の流量の制約は、図示のようにロータ440及び444への送達のための所望の温度を達成する際の改善を提供する。一般に、周囲外気への熱損失を最小にする速度で膜421の上の断熱空気チャネルを通した空気の流量を制御することが望ましい。すべての空気チャネルを通した流量は、図示のようにタービン440及び444での最適化された温度を達成するために、利用可能な太陽及び/又は地熱及び/又はピーキングエンジン及び/又はベース負荷エンジンによる排熱に従って調整することができる。
【0106】
図4、図5、及び図6に示される実施形態の膜に適した幾つかの通例生産される材料は、高温、紫外線保護されるナイロン、ポリエステル、種々のフルオロポリマー、及びシリコンを含む。膜が放射を反射し及び絶縁品質を発達させることを要求される場合、アルミニウム、銀、クロム、ニッケル、亜鉛、銅、金、又はロジウム及び/又は二色性反射を提供する材料の非常に薄いコーティングが使用されてもよい。保護ポリマーの薄い層の間に反射面を挟むことが一般に望ましい。伝熱の効率的な断熱又は阻止は、各層の間に透明ポリマーを備えた1〜8層の反射面を用いることによって提供することができる。
【0107】
入射する放射の低角度での太陽入射伝送を増加させるため、及び膜415及び428を太陽スペクトル入射のトラッピングのための、しかし下からのより長波の赤外線放射の反射器又は遮断器として働く、透明な窓として提供するために、膜404及び/又は406上に1つ又は複数のコーティングを使用する又は表面の幾何学的形状を提供することが好ましい。423の上に形成されるセルチャネルの中の空気への熱損失を防止し及び増加した追加熱を提供する目的で、膜423の下に反射膜421を提供することも好ましい。膜421は、好ましくは、2つの誘電体層の間に挟まれたアルミニウム又は類似の反射物質の非常に薄い層を有する、複数のフィルムで作製される。これは、ミラーブライト(mirror bright)アルミニウムの非常に薄い真空蒸着された又はスパッタされた層が酸化及び損傷から保護されることを可能にする。
【0108】
ケーブル402及び422は、好ましくは、404、406、410、420、421、及び426のような膜に対して、「チキン・フェンス」支持網に類似した四角形、平行四辺形、及び六角形パターンを含む支持網を提供する。これは、強いが可撓性である支持部を提供し、且つこうした膜が、支持されるエネルギー・トラップに非常に高い太陽放射線を採り入れることができるようにし、且つ大雨又は大雪の荷重及び強風に耐え及び退ける(shed)能力を保証しながら、熱収縮及び熱膨張に対する多大な適応を可能にする。したがって、結果として得られる網におけるケーブルの直径及び極限引張強度は、支持部にわたって広がる材料の強度要件を満たし且つ事実上あらゆる風条件又は重たい雪の荷重に耐えるために同じであってもよいし又は異なっていてもよい。しかしながら、ほとんどの場合、こうしたケーブル・ネットワークが恒久的なものであること、及び比較的低価格な膜が必要に応じてリサイクルされ及び交換されるであろうことが意図される。
【0109】
比較的低い周囲湿度条件の間は、塔502を通して空気を採り入れ、且つタービン発電機490〜492から電気を抽出する目的で開示されたように湿気を加えることが好ましい。高い周囲湿度条件の間は、排気塔443の間の通過によってモータ/圧縮機432及び424のための中央入口510の中に空気を採り入れることが好ましい。塔443から昇ってくる高温空気は、低温の空気を膜404に沿って及び膜404と平行に移動させて、昇ってくる高温の排気と塔の間を通過して510に流入する空気との混合を最小にする。低温の周囲空気は、したがって、図示のように膜404又は426に沿って、塔22の周りに及び間に移動して、空気ハンドラ432及び434のための入口に入る。
【0110】
総合エネルギー変換効率は、本発明の幾つかの実施形態を含む種々の熱収集及びエネルギー変換システムによって送達されるエントロピー・ゲイン及び温度によって制限される。総合ハイブリッド・システムは、1つ又は複数の熱源とあらゆる瞬間でのエネルギー変換作動とを伴う巨大な熱機関として作動する。圧縮機432及び/又は塔(単数又は複数)502への吸込みにおける周囲空気が約311°K又は38℃(100°F)である典型的な夏日の作動では、タービン(単数又は複数)440に送達される空気が422°K又は149℃(300°F)に加熱される場合、エネルギー変換効率に対する1つのサブシステムのカルノー限界は、以下のようになるであろう。
効率=1−(TL/TH)又は1−(311/422)=26% 式3
【0111】
冬季には、圧縮機432に送達される周囲空気は、約283°K又は10℃(50°F)となる場合があり、タービン(単数又は複数)440に送達される空気が422°K又は149℃(300°F)に加熱される場合、エネルギー変換効率に対するカルノー限界は、以下のようになるであろう。
効率=1−(TL/TH)又は1−(283/422)=33% 式4
【0112】
ソーラーエンジン470は、排熱に対するより低温の条件によって同様に恩恵を受ける。エンジン470内の加熱された作動流体に対して典型的な温度は、約1088°K又は815℃(1500°F)であり、排熱温度が311°K又は38℃(100°F)である場合、エネルギー変換効率に対するカルノー限界は、以下のようになるであろう。
効率=1−(TL/TH)又は1−(311/1088)=71% 式5
【0113】
冬季には、及び水が熱交換器472を冷却する時には、熱は、約283°K又は10℃(50°F)以下で排出することができ、エネルギー変換効率に対するカルノー限界は、式4によって示されるように改善されるであろう。
効率=1−(TL/TH)又は1−(283/1088)=74% 式6
【0114】
電気のベース負荷供給のためのシステムが使用される場合には、太陽エネルギーを、再生可能エネルギー資源を使用する幾つかの他のサブシステムと組み合わせることが好ましい。熱機関460は、好ましくは、水素及び/又は水素と前に開示したように地熱形成物に貯蔵され又はそこから生じるメタン又は天然ガスとの混合物のような燃料で燃料供給され、図示のように第1段出力タービン440の中に又はこの付近に燃焼生成物を排出して、タービン効率を効果的に増加させる。こうした熱機関は、典型的に、815°K、538℃(1000°F)以上の排気温度を有し、取り付けられた排気タービン462にエネルギーを与えて発電機又は圧縮機を駆動することができる。内燃機関の廃熱によって駆動される取り付けられたガスタービンからの典型的には450から600°Kまでの間である排気は、図5及び図6の太陽トラッピング・グレイジング・システムによって達成される温度を実質的に増加させるのに依然として十分に温かい。
【0115】
表3は、出力タービン(単数又は複数)440に入るガスの温度を増加させるためにこうした排気廃熱を用いることの比較した利点を示す。
【0116】
【表4】

【0117】
タービン440及び444に入るガスの温度を増加させることに加えて、内燃機関460及び/又は排気タービン(単数又は複数)462を出る高速のガスのモーメントを伝達することによって、太陽で加熱された気柱にかなりの速度を加えることが好ましい。これは、トルク発生、熱効率、したがってロータ440及び444の出力を増加させる。
【0118】
同時係属の米国特許出願第09/969,860号で提供されるように、電解槽102の中の水又は有機電解質を電気分解するために、ベース負荷要件を超える電気生産が用いられる。このようにして生産される水素は、適切なコンテナの中に、図示のように圧力調整器又はターボ膨張機536によって534のような送達パイプラインの中に、又は遠方の又は局所的な地下貯留層543の中に貯蔵される。熱及び水素及び/又はHy−boost燃料の加圧された流れのポテンシャルエネルギーは、図示のようにターボ発電機537によって抽出されて、図示のように460のようなエンジンを作動するのに必要な場合に所望の圧力低下で送達される。別の方法では、こうした圧力低下は、同時係属の特許出願の開示で開示されるようにエンジンの膨張ストロークに送達される。
【0119】
多くの局所的な及び遠方の水素貯蔵形成物において、図示のように貯留層貯蔵543へのアクセス542の水平方向の拡がりによって例証されるように、形成物を通して延びるパイプ又はアクセス穿孔によって形成物との間での分配を提供することが好ましい。
【0120】
オンサイトの及びパイプラインでアクセスされる水素の地下貯蔵の利用は、再生モードでの可逆電解槽702のような燃料電池、及び/又は発電のニーズを満たすのに必要な場合に燃料によって動力を与えられ又は作動流体を補足されることになる460、470、及び481を含む熱機関の使用を可能にする。同様に、こうした水素は、電解槽702並びにプラント機器及び作動のバランスを通じて使用される種々の変圧器及びインバータと共に、発電機492及び438を含む電気機器を冷却するのに好ましい作動流体である。こうした機器に対する風損抵抗減少(windage drag reduction)を行い、冷却した後で、示される熱機関に燃料を供給するためにこうした水素を用いることが好ましい。
【0121】
生産されるかなりの水素を貯蔵するためにパイプライン534をサイズ設定することが好ましい。低いソーラーゲインの時間中及び夜間は、460、481のようなエンジン及び可逆燃料電池(単数又は複数)702に動力を与えるのにパイプライン及び/又は貯蔵貯留層からの水素を使用することによって電気需要を満たすことが好ましい。付加的な貯蔵は、好ましくは、地熱により恩恵を受ける及び/又は枯渇した石油形成物によって、及び岩塩空洞又は鍾乳洞のような他の適切な形成物によって提供される。
【0122】
北アメリカの事実上あらゆる地域及びあらゆる他の大陸は、適度に多孔質であって水素を安全且つ効率よく貯蔵するのに十分な深さでシールされる地層を有する。これらの形成物の多くは、かなりの地熱エネルギー発生源(sourcing)と一致する。例証すると、こうした形成物は、それらの地質発達(geological development)時に有機物質が堆積された場合には数百万年にわたって貯蔵されたメタンを有する。他の場合において、水素は、大陸移動により誘発された高温のかんらん石と石灰岩との衝突によって生産されており、こうした形成物の中に数百万年にわたって貯蔵されている。
【0123】
エンジン460は、急速に増加した発電需要を満たすのに必要な場合があるように出力を改善するために、タービン440及び444に電気及び付加的な熱を迅速に提供することができる迅速始動(rapid start)エンジンとして提供することが好ましい。水素及び/又は他の燃料の直接燃焼によって必要とされる場合に、ステータ(単数又は複数)441の出力における別の高速応答を提供することができる。
【0124】
太陽エネルギーの特に効率的な利用は、炭化水素を水素と炭素に解離するために太陽エネルギーを適用することによって達成される。シャフト仕事及び/又は電気を提供するために熱機関及び/又は燃料電池で開示されるように水素を用いることができる。プロセスによって提供された炭素は、風、波、水力、及び太陽資源を利用する機器を含む耐久性のある物品を製造するために使用することができる。これは、炭素及び/又は水素供与体の解離に関係する本発明者の同時係属の米国特許出願で開示される本発明の実施形態を含む。実施形態400の場所で又はその付近で熱機関又は燃料電池に水素及び/又は他の燃料が使用される場合には、エントロピー増加を最小にする点でシステムを通して動いている空気にこうしたエネルギー変換システムによる排熱を加えることが好ましい。
【0125】
別の実施形態において、本発明は、太陽エネルギーを加えて電気分解のために要求される電気エネルギーを減少させることによって、エントロピー・ゲインを減少させる。約18グラム(1グラムモル)の水は、237.13kJである形成物の自由エネルギーΔGに等しい電気仕事によって分解される。このプロセスは、吸熱であり、生産される水素と酸素を標準温度及び圧力に膨張する際になされる仕事である48.7kJ/molの(TΔS)に等しい付加的なエネルギーを消費する。
ΔH=ΔG+TΔS 式7
式5.2 285.83kJ/mol=237.13kJ/mol+48.7kJ/mol。
【0126】
解離プロセスは吸熱であるため、太陽エネルギー及び/又は他のプロセスからの廃熱を加えることが有利である。こうした熱の追加は、これが電気仕事として提供されなければならないギブスの自由エネルギー(ΔG)の量を減少させるので、これが電気分解温度を高める場合に、特に有利である。したがって、印加されなければならない電圧の総量は、室温で水を解離するのに要求されるよりも少ない。
【0127】
吸熱エネルギーが廃熱源又は環境から来ると仮定すると、水を解離するために印加されなければならない最小電圧は、以下の通りである。
ΔG=−nFE0 式8
【0128】
この最小電圧要件(E0)は自由エネルギー(ΔG)の変化に依存するので、E0は、ΔG/(交換される電子の数(n)×ファラデー定数(F=9.648×104)又は(nF))に等しい。電気分解温度が25℃の標準温度よりも上に増加するのに伴って、電気分解温度が断熱化学量論的燃焼反応によって生じるであろう温度に近づくので、自由エネルギーはゼロに近づく。
【0129】
電気分解圧力の増加は、加圧された水素及び酸素貯蔵を所望の密度で生じるために望ましい。圧力の増加は、電気分解のためのより高い電圧を必要とする。式5.4は、圧力要件と電圧要件との関係性を例証する。電気分解電圧(Ep)は、E0に圧力上昇に関するネルンスト調整(Nernst adjustment)を加えることによって見出すことができる。
Ep=E0+RT/nF ln PH2(PO2)/PH2O 式9
【0130】
水素と酸素が同じ圧力で生じ、且つ給水が同じ圧力で液体であると仮定すると、式9は、以下のように簡略化される。
Ep=E0+3RT/4F(ln Pi/Patm) 式10
【0131】
10,000PSIの水から10,000PSIの酸素と水素を生じるための電圧の増加は、以下のとおりである。
3RT/4F ln Pi/Patm=3RT/4F ln680.3=3(8.3144J/molK)298K(6.522)/4(9.648×104)=0.125V 式5
【0132】
蒸気を生じるために温度を昇降することは、(ΔG0T=ΔH0T(298K)−TΔS0298K)を計算する(accounting)ネルンスト及び/又はギブスのエネルギーによって示されるように、水を解離するのに必要とされる電圧を下げる。
【0133】
したがって、解離に必要とされる電圧は、TΔS0298Kが285.83kJ/molであるΔH0T(298K)に近づくのに伴ってゼロに近づく。標準温度(DS0298K)でのエントロピーの変化は0.1634kJ/molであり、したがって以下のとおりである。
285.83kJ/mol/0.1634kJ/mol=1,749K又は1,476℃(2,689°F)
【0134】
地熱エネルギーの季節的増強に対するほぼすべての大陸上でのハイブリッド化の機会の例証として、表1は、ゲーンズビル、フロリダのようなより暖かい地域に比べて中央アラスカのフェアバンクス地域及び他の北部の平野地域のようなより長日及び比較的晴天条件において実質的な夏のエネルギーが利用可能であることを示す。アラスカのフェアバンクス地域及びカナダの類似の地域は、示されるように明るく日が照る夏の長日の間は「暖かいように思われる」北アメリカの都市のうちの8つよりも、多くの太陽エネルギーを受け取る。
【0135】
図7は、パラボラ集熱器520の焦点における送達ライン530によって供給されるメタン又は水のような水素供与体に太陽熱を追加して、低減された電圧で又は電圧無しにこうした加圧された水素供与体の解離を提供するための実施形態522を示す。このようにして提供される加圧された水素は、図示のようにライン532によって貯蔵及び/又はパイプライン534による送達のために送達される。1つの態様において、本明細書で開示される電解槽を含む電解槽は、加圧された水素を含む供給原料を提供することができる。
【0136】
図7は、太陽を追跡して反応器714のレシーバ・ゾーン730上のミラー712によって受光され反射される太陽エネルギーを絶えず合焦して高い作動温度を生じる太陽集中器520を含む、プロセス回路の構成要素を一般に示す。固定ベース704は、駆動システムを収容し、反応器714との間の材料の伝達を提供する。反応器714に対する燃料及び埋立地のメタンのような供給原料は、パイプライン718及び/又は530への接続によって送達される。
【0137】
汚水構成要素のような流体供給原料が反応器714によって処理される場合には、適切なパイプライン715への接続によって送達されることが好ましい。生産され又は送達される電気は、ケーブル群717によって伝達される。反応器714によって生じる水素及び/又は他の流体は、市場の需要を満たすために局所的な又は遠方の貯蔵及び分配用の地熱貯留層543へのパイプライン716に送達される。ステージ706は、反応器714の太陽トラッキングを提供するために中心垂直軸の周りで回転し、これは図示のようにミラー712と共に組み立てられる。図示のように支持部710の水平軸709の周りの協調される回転は、太陽を追跡し、及びミラー組立体712から反射される点収束された太陽エネルギーを生じるために提供される。加熱されることになる有機固体及び半固体がホッパ708の中に入れられ、これは、こうした材料をその一部が図8に示されるスクリュー・コンベヤ724の中に供給する。
【0138】
図8は、固定レシーバ管722と回転式スクリュー・コンベヤ及び押出機管724とを含み、一体のつる巻きねじフライト726が有機物質のような反応性成分をゾーン730の中に強制し、集中された太陽エネルギーによって高温に迅速に加熱する、レシーバ714の実施形態720の詳細を示す。十分な集中度の太陽エネルギーは、放物線形、球形、又はアレイ状のヘリオスタット・ミラーによって直ちに達成され、閉じ込め管722の材料及び構成仕様によって提供される物理的特性及び化学的特性によって許されるような500℃〜2500℃の典型的な作動温度を生じる。
【0139】
落水、風、波の作用によって、又は集中された又は集中されていない太陽エネルギーを受け入れる光電アレイ403によって、若しくはソーラーエンジン−発電機470又は本明細書で説明される種々の作動によって生産される燃料を用いる460のような内燃機関によって動力を与えられる発電機からの電気を用いる誘導加熱又は抵抗加熱のような他の形態の再生可能な加熱が直ちに適合される。同様に、反応器714によって生産される燃料の一部を燃焼させて、式11、式12、及び式15の反応を達成するために十分にゾーン730を加熱することが考慮される。このゾーン730への代替熱源群は、修復のためのダウンタイム、時々曇り、又は夕暮れの場合の継続作動を保証するのに必要とされる場合の、太陽エネルギーの補足又は置換えのための好ましい措置を例証する。
【0140】
前に生産された水素及び/又は一酸化炭素の部分燃焼によるゾーン730に対する太陽熱の補足的加熱又は置換えは、好ましくは、管732のボア731内に電解槽707から管737を通して酸素を送達することによって達成される。重要な相乗的な恩恵は、埋立地のメタン及び/又は水素で熱機関7033を作動させ、電気発電機705に動力を与えることによって提供される。あらゆる余剰発電能力は、電解槽707の中で酸素と水素を生産するために用いることができる。こうした作動によって生じる水素は、契約販売のためにパイプライン716及び/又は534の中に直ちに貯蔵することができ、酸素は、反応器714によって生産される燃料の部分燃焼による発熱のプロセス効率を大いに改善するために用いることができる。
【0141】
空気によって大抵供給される窒素の排除は、部分燃焼による熱を生じるために酸素が用いられるときに、管732内のガス混合物から水を凝縮し又はフィルタリングすることによる水素精製費用を大いに減少させる。管737は、オキシダントとして空気が用いられる場合に存在するであろう窒素の最小限の熱損失及び最小限の加熱を伴って、必要とされる燃料の量を燃焼するために図示のように酸素を送達する。
【0142】
管722は、したがって、嫌気性条件で有機供給原料を収容する機能、及び以下の一般的反応を容易にするために集中されたフラックス加熱ゾーン730の中に運ばれるバイオマスに太陽エネルギーを伝達する機能を果たす。
nmx+熱1→xCO+m/2H2+(n−x)C 式11
6105+熱2→5CO+5H2+C 式12
【0143】
圧縮された固体(compacted solid)によって図示のように回転スクリュー管732の中央ボア731の中に強制されるCO及びH2と共に少量のNH3、H2S、N2、及びH2Oもまた、気体生成物中に見られる場合がある。H2Sは、好ましくは、鉄と反応して硫化鉄を形成し、又水素が放出される際のプロセスによって生じる炭素の中に捕集される。固定窒素を典型的にアンモニアとして、硫黄を硫化鉄として捕集すること、及び本発明によって捕集される灰と共にこれらの物質を土壌栄養素として使用することが好ましい。
【0144】
炭素及び灰736のような固体は、図示のようにフライト734に沿ったスクリュー管732の回転する動きによってゾーン730から抽出される。高温断熱740は、好ましくは、図示のようにレシーバ714の端を覆うために用いられ、断熱された領域742は、スクリュー・コンベヤ732によって抽出される炭素リッチな固体とレシーバ及び反応器組立体の加熱ゾーン730の方に動いているバイオマスとの間でなされる向流熱交換に沿って熱の保存を提供する。太陽エネルギーが利用可能ではない時間中は、ゾーン730を覆うために絶縁体スリーブ748が用いられ、好ましくは、図示のように他の構成要素の例証を可能にするために除去される管ガイドの伸縮によって支持され及び示される貯蔵位置との間でガイドされる。
【0145】
圧密及び向流予熱の初期段階で除去された水及び他のガスは、好ましくは、捕集管746を通した抽出を可能にするためにルーバー又は穴744を通してベントされる。肥やし及び汚水のような多くの供給原料に対して、この水は、一般に固定窒素及び他の土壌栄養素を含有し、好ましくは、土壌の耕起性及び生産性を上げるために使用される。
【0146】
純炭素及び純水素が好ましい場合には、バイオマスは、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、及び他のミネラルのような灰を生成する物質を除去するために前処理されてもよい。バイオマスの灰成分は、しばしば無駄に埋立地に収集され又は汚水及び生ごみ処理作業から廃水が棄てられる際に川、湖、及び海洋に流される。本発明の幾つかの実施形態は、直ちに収集され及び土壌栄養素として有用な用途に戻されることになる灰のミネラルを提供する。これは、灰構成要素を分離するために適切な溶媒中のバイオマスの機械的分離及び溶解の組合せによって達成されてもよい。
【0147】
前に開示したように、実施形態72は、以下の一般的反応に従って炭水化物及びセルロースのようなバイオマスの嫌気性消化を提供する。
n(C6105)+nH2O+熱3→n(C6126) 式13
n(C6126)→3n(CH4)+3nCO2+熱4 式14
【0148】
式13及び式14のプロセスの後に残る水性液体(aqueous liquor)中に取り込まれる土壌栄養素は、潅漑用水を加えることを含む種々の技術によって、枯渇した土壌に効率よく伝達される。二酸化炭素は、相変化分離を生じるための冷却によって又は水のような適切な溶媒中への吸着によって式14の生成物から直ちに除去される。二酸化炭素は、25気圧及び12℃(54°F)で水の体積1に対してガスの体積約21.6の程度まで水に可溶である。圧力を増加させ、及び/又は温度を低下させることは、水の体積に対して溶解される二酸化炭素の量を増加させる。メタンからの二酸化炭素の分離後に、圧力を下げる又は温度を上昇させることは、溶解した二酸化炭素を放出させる。
【0149】
図9は、有機物質を生産する光合成762、メタンと二酸化炭素を生産する嫌気性解離及び又は消化764、水又はヒンダード・アミンのような適切な媒体中の二酸化炭素の吸収差によってメタン及び/又は水素から二酸化炭素を分離するための冷却及び相分離又は圧力スイング吸着システム768とを含むプロセス760のブロック図を示す。二酸化炭素、メタン、窒素、及び他のガスを含む混合ガスは、液体溶液中に強制される。吸収又は凝縮されないメタン及び他のガスの除去後に、分離システムから捕集された二酸化炭素は、好ましくは、エネルギー効率の良い住居の建設のためのポリマー発泡体断熱材及び軽量コンクリートを作製するために使用される。
【0150】
反応器720の管722に加えられるメタンのような炭化水素は、高温ゾーン730で分解されて炭素を生成し、式15によって示されるように水素を放出する。
CH4+熱5→C+2H2 式15
【0151】
式15によって特徴付けられるプロセスによる炭素の生産は、貯蔵のための炭素源又は耐久性のある物品及び製品の性能を強化するための種々の形態への分化を提供する。式15の一般的プロセスによって炭化水素から生産される炭素は、このような耐久性のある物品で使用される炭素1トンにつき約3.67トンの二酸化炭素の生産を回避する。式15の一般的プロセスによって炭化水素から生産される水素は、大気からの窒素と反応してアンモニアを生成することができ、又は発電所、醸造所、製パン所、又はか焼プラントのような適切な二酸化炭素源と反応してメタノールを生産することができる。こうしたアンモニア及びメタノールは、したがって、低温の液体水素よりも体積当たりより多くの水素を提供する水素貯蔵物質として働き、この実施形態は、式15によって要約されるようなプロセスによって捕集された炭素1トンにつき3.67トンの二酸化炭素の回避によって、正味の二酸化炭素減少システムとして作用する。
【0152】
アンモニア及びメタノールのような物質は、比較的低い圧力で地熱形成物の中に噴射することができ、熱を得た後はかなり高い圧力で蒸気に変わる。これは、式15の炭化水素供給原料を燃やすことによって得ることができるエネルギーの量よりも図1〜図6に関して説明されるような作動のためにはるかに大きいエネルギーを戻すことを可能にする。加えて、この実施形態は、耐久性のある物品の生産のために使用される炭素1トンにつき3トンよりも多い二酸化炭素を回避すると共に、より一層収益性の高いビジネスの機会を提供する。
【0153】
所与の量の隔離される(sequestered)炭素を生産するために式15のプロセスで必要とされる熱の量は、大気から二酸化炭素を捕集し及び解離するのに必要とされるエネルギーよりもかなり少ない。式15のプロセスを実施するために必要とされる装置は、大気から二酸化炭素を抽出し及びこれを炭素と酸素に分解するために必要とされるよりもはるかに少ない関与であり、非常に簡単であり、且つより堅牢である。同様に、メタンのような炭化水素の解離によって水素を生産するためのエネルギーの量は、水から水素を生産するための要件よりも非常に少ない。こうした水素は、86、176、又は543のような1つ又は複数の地熱形成物の中での局所的な又は遠方の間欠的貯蔵を含む局所的に又は遠い距離で使用することができると共に、その後、モータ−発電機94、178、又は537で膨張し、最終的に107、109、131、137、及び又は460のような熱電気複合利用(CHP)用途に燃料供給して、従来技術の従来の手法よりもはるかに大きい総合エネルギー利用効率を提供することができる。
【0154】
バイオマス固体及びメタンを含む炭化水素を炭素と水素に変換するプロセスにおいて、式11、式12、及び式15に関して示されるような解離反応の生成物は、反応物よりも多くの体積を占める傾向がある。これらの吸熱反応を行うための組立体714の装置720は、ボア731を通して流出する水素及び他のガスがボア731の出口上の回転式ユニオン及び圧力調整手段によって所望の程度に加圧され及び維持されてもよいように、押出機フライト726によって入口に沿ってゾーン730に圧縮される炭素リッチな材料で及びゾーン730の出口の押出機フライト734に沿って炭素リッチな材料で反応ゾーン730を直ちにシールすることができる。
【0155】
メタンが反応器720の中に入る前に適切な加圧技術で低温のメタンを反応器720からの水素の所望の送達圧に加圧することが好ましい。嫌気性消化で生産されるガスが液化によって分離される場合、これはメタンを所望の圧力に気化することによって直ちに達成される。種々のポンプ及び圧縮機770による加圧もまたこの目的のために用いられてもよい。
【0156】
生産されてもよい炭素のタイプは、市場の需要並びに式15のプロセスが達成される対応する温度及び圧力に応じて大きく変化する。製造段772に送達されるメタンは、ファイバ、カーボン・ブラック、適切な基体上のダイヤモンド状(diamond−like)めっき、グラファイト結晶を、及び米国特許出願第08/921,134号、第08/921,134号、及び第09/370,431号の開示を含む同時係属の開示に対応する多くの他の形態で生産するのに必要な場合に処理されてもよい。
【0157】
或る用途に関する熱の保存の利点として、スクリュー・コンベヤ732が、ボア731を通して送達される水素及び適切に設計された押出機724によって流入する供給原料と向流熱交換する状態で運ばれるゾーン730における反応によって生産される炭素を伴う供給経路及び予熱器として設計されるであろうということも考慮される。この配置は、供給原料とは反対方向に通過する生成物の並流によってゾーン730に到達する前に内部から及び外部から流入する供給原料の向流加熱を提供する。
【0158】
式15の反応によって生成される炭素は、スクリュー・コンベヤ732によって管724と向流熱交換する状態で搬送されて、流入するメタンを予熱し、したがって太陽エネルギーが式15のプロセスを完了させる全体的効率及び速度を増加させる。生産される水素は、管コンベヤ732のボア731の中に捕集され、熱は、ゾーン730の方に通過する反応物との向流熱交換において除去される。生産される再生可能な水素は、燃料電池又は空気を実際に浄化し且つ周囲大気よりもきれいな排気を提供する既存のエンジンで用いることができる。
【0159】
炭素は、式15で要約されるプロセスによって生産される際にコンベヤ・フライト726と管722の内壁との間に気密シールを連続的に形成する。これは、好ましくは、最大の圧密が望まれる場所でより短い押出機スクリュー・フライト・リードを作製することによって保証される。水素への変換を受ける材料がスクリュー・コンベヤ通過ゾーン730における出口上のゾーン730を通過した後で、最大の炭素圧密及びシーリング効果を提供することが一般に望ましい。
【0160】
式11、式12、式15、式16、及び式18で示されるプロセスにおける反応物の運搬は、図示のようにスクリュー・コンベヤに加えて多くの他の手段によってなされるであろうということが考慮される。例証すると、バイオマスは、往復プランジャの代わりにスクリュー・コンベヤ724によって反応ゾーンに強制することができ、炭素は、スクリュー・コンベヤ732の代わりにチェーン・ドライブ・コンベヤを含む他の抽出方法によって高温端から抽出することができる。
【0161】
他の価値ある生成物と共に1つ又は複数のテルペンのような液体燃料又は溶媒の蒸気を生じることが望ましい場合に、反応温度は、普通は低下された温度又は増加された成分のスループット量に調整されてもよい。水素、炭素、メタノール、及びテルペンチンのような有用な化合物は、示される平均化合物式をもつ典型的なバイオマス廃棄物供給原料の一部に対して式16で要約されるように管ボア731の中で生産され及び捕集されてもよい。
6105+熱6→CH3OH+4CO+3H2+C 式16
【0162】
液体燃料及び/又は溶媒のより高い収率が望まれる場合、式16の典型的なプロセスで生じる一酸化炭素と水素は、好ましくは適切な触媒の存在下で反応して、付加的なメタノール及び水素を生じてもよい。
4CO+3H2→4CH3OH+H2+熱7 式17
【0163】
ゾーン730の中へのバイオマスの移動量及び螺旋コンベヤ32による固体残留物の抽出率は、好ましくは、ガス、蒸気、及び固体残留物の流れの中の生成物の種類及び品質の圧力、温度、及び他の指標の計装に応答するコンピュータによって制御される。
【0164】
一酸化炭素は、式18で要約されるプロセスによって示されるように不均化によって所望の形態の分離された(sequestered)炭素に分解され又は変換されてもよい。
2CO→C+CO2+熱8 式18
【0165】
式18におけるような解離又は不均化は、発熱であり、500℃〜800℃で10〜40気圧の条件下で進むであろう。
【0166】
市場条件が燃料電池又は空気を浄化する熱機関のための水素生産を好む場合、一酸化炭素は、式19に示すように蒸気と発熱反応で反応して水素を生じることができる。
CO+H2O→CO2+H2+熱9 式19
【0167】
式11及び式12で要約されるプロセスによって生産される一酸化炭素は、図9及び図10に例証されるように水素及び/又は炭素の生産を要求するプロセスから選択される場合に市場の需要を満たすために多くの生成物に変換することができる。式12、式15、及び式16のプロセスのような吸熱反応に必要とされる追加熱の一部として、式17、式18、及び式19のプロセスによって放出される熱を使用することが好ましい。
【0168】
図10は、光合成で始まり、これを通じて肥やし、生ごみ、及び汚水のような有機供給原料が782に表されるように生産され、向流の再生的な予熱及び嫌気性熱分解によって炭素リッチの残留物及び好ましくは図7及び図8に関して開示された実施形態によって784として描かれるプロセスにおけるメタノール、水素、及び一酸化炭素のような流体に変換される、価値ある燃料、溶媒、化学前駆体、及び多様な分離された炭素生成物を生産するための好ましいプロセスステップを示す。
【0169】
嫌気性熱分解によって生産される水素及び一酸化炭素のようなガスは、ポンプ783によって送達され、分離されて、786において所望の度合いの精製を生じる。ポンプ788は、一酸化炭素を計量ポンプ790及び792によって適切に釣り合いがとられ(proportioned)、且つプロセス794、796、及び798に描かれた生成物のような多様な生成物にさらに変換されるように送達する。
【0170】
プロセス794において、熱8は、一酸化炭素が炭素と二酸化炭素に解離する際に生じる。プロセス796において、熱7は、一酸化炭素が水素と化合してメタノールを生じる際に放出される。プロセス798は、蒸気を一酸化炭素と発熱反応で反応させて水素と二酸化炭素を生じる。これらの発熱プロセスによって放出された熱は、プロセス798で用いられる蒸気を生産するため、プロセス784において付加的な熱が提供される前にバイオマス供給原料を乾燥させるため、プロセス772において嫌気性消化装置764を加熱してメタン及び/又は水素生産率を増加させるため、及び多くの他の有用な目的のために使用される。
【0171】
したがって、本発明の幾つかの実施形態は、光合成からなる大気から炭素を隔離する、光合成されたバイオマスを捕集する、及びバイオマスを加熱して炭素、水素、メタノール、テルペン、及び灰を含む群から選択される生成物をもたらすための実用的なプロセスを提供する。大気中にrotすることを普通は許され、且つ二酸化炭素及び/又はメタンの蓄積に寄与するバイオマス廃棄物は、ここで、効率よく水素、炭素、及び土壌栄養素を生産するために使用することができる。熱力学的及び熱化学的利点をもつ実用的なシステムは、水素及び又は炭素供与体化合物から炭素及び又は水素を抽出し、1つ又は複数の局所的サブシステム用途に又は1つ又は複数の地熱形成物の中での間欠的貯蔵の1つ又は複数の機会の後にかなりの距離で使用されることになるこうした水素を提供する。こうした水素は、最終的に燃料電池で使用され又は内燃機関、外燃機関、複合サイクル熱機関によって燃焼される前の1つ又は複数の膨張モータでの、及び/又は熱電気複合利用用途での熱交換及び膨張を容易にする点で優れている。
【0172】
沼地に、湖に、海洋底上に、極氷塊、ツンドラ、及び永久凍土の凍結した構成要素として、前に貯蔵された有機物質を有する地球の表面ゾーンで空気及び土壌を温める憂慮すべき傾向が発生した。特に、氷及び凍結した有機堆積物中に保存されたメタンハイドレート及び有機物質を含むこうした堆積物は、2000フィートの深さの位置にある場合があり、石炭、石油、及び天然ガスのより深層の堆積物に現存するすべての炭素よりもはるかに多くの炭素を含有すると推定されている。二酸化炭素又はメタンの放出へのこうした有機炭素源の比較的小規模な変換であっても、地球大気中の炭素物質の濃度を倍以上に増やすであろう。
【0173】
年を追って放出されている数百万トンの二酸化炭素、メタン、及び他の温室効果ガスによって生じる地球温暖化は、地球の永久凍土を温め、細菌及び他の微生物が他の温室効果ガスと共に有機分(organic contents)をメタンと二酸化炭素のような生成物に変換し、且つリン酸塩及び硝酸塩を放出することを可能にする。
【0174】
例証すると、自然生息地は、枯れて以前は魚を養っていた水を嫌気性デッドゾーンにする、植物種の急成長によって脅かされている。海氷の融解及び永久凍土の解凍からのこうした堆積物に起因する漁場の損失は、沿岸地域(costal area)の侵食を悪化させて、村落を放棄させ又は移動させることになる。
【0175】
図11は、メタンの嫌気性生産からのメタンを捕集するために海洋底の広い領域上で採用されてもよい、すなわち幾つかの用途において選択された波長での放射の反射率を提供するためにメタライズされてもよい810のような1つ又は複数の層を有してもよい不透過性膜830の下にあるパイプ812の多孔性又は穿孔814によって永久凍土の解凍からのメタンと二酸化炭素の捕集を提供する実施形態800を示す。膜830は、ポリマーフィルムのような絶縁材の複数の層を含んでもよく、各層は、放射の通過を制御するために、アルミニウム、銀、クロム、亜鉛、又は二色性(diachromatic)反射コーティングのような適切な反射コーティング又はフィルムを含んでもよい。他の用途において、膜830は、夜空条件への排熱を可能にすること、又は膜830の下に収容された材料に熱を加えるための放射を得ることのような目的で、放射伝達を容易にしてもよい。
【0176】
熱を除去し及び図12に示すように膜830の下にある永久凍土822を保存する目的で膜830の下からの熱を表面に移動させるために、840のようなヒートパイプが使用されてもよい。熱は、ゾーン842で適切な液体が蒸発し、ゾーン844で蒸発物が凝縮して周囲に熱を放出する際に伝達され又は除去される。ゾーン844で生産される凝縮物は、ゾーン842に排出されて、サイクルが続いていく際の蒸発によってより多くの熱が除去される。したがって、ゾーン844の周囲温度がゾーン842の温度を下回るときに、熱は表面に除去される。ゾーン844の温度がゾーン842の温度に等しいか又はこれを上回るときに、ヒートパイプ840は、継続的な伝熱に貢献する条件が発生するまで待機する。熱除去率の変調は、846のような弁の作動によって永久凍土822の上の車道のようなゾーンの熱膨張又は熱収縮を制御して、車道を破壊するヒービング又はガスポケットに起因する道路の損傷を防ぐために提供されてもよい。
【0177】
作動時には、膜830を定位置に保持するために及び又はこれをカラブー(caraboo)又は他の地上トラフィックの通過による貫入から保護するために、雪、砂利、廃石、又は土802の上層が使用されてもよい。膜830の下のゾーンから放出されるメタンは、式20、式21、及び式22で要約される例証となる手順のようなステップを行う機器によって捕集され及び処理されてもよい。
CH4+熱→C+2H2 式20
CH4+C→C24 式21
nC24→(C24)n 式22
【0178】
メタンは、捕集され解離されて炭素と水素を生じる。こうした水素は、エネルギーを貯蔵する及び又は適切なエネルギー変換プロセスにおいて式21及び式22で要約されるプロセスを行う機器の作動のための動力を生産するために用いられてもよい。式20のプロセスによって提供される炭素は、示されるようにメタンと反応して、重合されて炭素の濃厚な貯蔵を生産するエチレンを、又は本発明のプロセスで使用されるパイプ、取付具、及び弁の生産に適したものであってもよい種々のポリマーとして、生じてもよい。
【0179】
他の態様において、適切な地層の中での熱、化学、圧力、及び高さのような種々の形態のポテンシャルエネルギーとしてのエネルギーの貯蔵は、形成物と相互作用して、貯蔵される物質の温度、圧力、及び化学ポテンシャルを増加させることを含む多くの利点を提供することができる。これは、化学ポテンシャルエネルギーの貯蔵、圧力ポテンシャルエネルギーの貯蔵、化学及び圧力ポテンシャルエネルギーの貯蔵、形成物からこうした流体への伝熱、前記形成物からこうした流体への物質の伝達、及び前記流体の存在の結果としての前記形成物からの物質の生産を含む目的で、流体の1つ又は複数の物質を地層下におくエネルギー変換システムを可能にする。
【0180】
これは、1つ又は複数のエネルギー変換デバイスにおける物質のうちの少なくとも1つによる仕事生産をさらに可能にし、流体物質のうちの少なくとも1つは、適切なエネルギー変換デバイスを駆動するために送達される液体、混合された液体と蒸気、蒸気、又はガスのような状態を提供するように調整される。
【0181】
炭化水素を含有する地層において、システムは、一般に又は特に、地層から1つ又は複数のタイプの炭化水素を抽出する物質を提供することができる。
【0182】
作動流体は、1つ又は複数の流体物質が太陽、工業、商業、燃料電池、及び熱機関源からの伝達から補足的な熱を受け取る、太陽又は工業、商業、燃料電池、及び熱機関源からの排熱によってさらに加熱することができる。
【0183】
かなりの高さでの作動流体の発達及び調整は、プロセス効率を高める。高さは、圧力ヘッドと、下降する作動流体のより多くの運動エネルギーを発達させる。これは、流体が蒸気又はガスとしてその高度に上昇し、凝縮後は、下降して適切なモータによって利用される運動エネルギーを得る液体として働く場合を含む、風力タービン塔、丘、又は高い高度での他の地勢、通信塔、及び建設された塔のような高度で1つ又は複数の流体物質が提供され又は生産されることを可能にする。
【0184】
流体又は作動流体は、種々のプロセスを通して水素、二酸化炭素、一酸化炭素、メタンなどを抽出することによって生産することができる。調整は、作動流体を所望の状態に変換することを含む。これは、嫌気性消化装置の液体からの触媒作用による放出、水素を含有する化合物からの電解生産、及び嫌気性消化装置の液体からの作動流体生産の組み合わされた電気的及び触媒作用による勢いのようなプロセスを含む、流体を生産し及び調整するためのプロセスを可能にする。これは、エネルギーの安全性を増加させ、需要に応じて給電可能なエネルギー変換を可能にする目的で、汚水、生ごみ、農場廃棄物、及び森林の木くず(forest slash)が、地層の中に貯蔵されてもよい作動流体成分に変換されることを可能にする。作動流体は、化学ポテンシャルエネルギーの貯蔵、圧力ポテンシャルエネルギーの貯蔵、化学及び圧力ポテンシャルエネルギーの貯蔵、前記形成物からこうした流体への伝熱、こうした形成物からこうした流体への物質の伝達、及びこうした流体の存在の結果としての形成物からの物質の生産のような目的で、地層に送達されてもよい。作動流体は、水素、二酸化炭素、又は水素と二酸化炭素との混合物若しくはメタンで構成することができ、又は表2に例証して挙げられる選択物のような他の選択物で構成されてもよい。これは、組み合わされた貯蔵、物質の送達、及び1つ又は複数のエネルギー変換デバイスにおける少なくとも1つの流体物質による仕事生産のためのプロセスを可能にし、流体物質のうちの少なくとも1つは、エネルギー変換デバイスを駆動するために送達される液体、混合された液体と蒸気、蒸気、又はガスのような状態を提供するように調整される。
【0185】
システムは、エネルギー変換デバイスを作動させ又は駆動するために該システムが送達する作動流体を発達させ、その後、表面、表面付近、又はより深層を含む地層によって供給され又はこの中に貯蔵された熱を利用して、さらなるエネルギー変換ステップを提供すること及び種々の植物の種類を養う又は育成することのような目的で作動流体を調整してもよい。
【0186】
さらに、システムは、地熱を貯蔵し及び又は生産し及び使用して、燃料、化学抽出、及び食物生産目的で選択された種類を含む水生植物生産、温室植物生産、水耕植物生産のための温度を高めること及び二酸化炭素を供給することのような目的で、二酸化炭素、メタン、及び水素のような調整された流体を発達させ及び送達してもよい。
【0187】
このシステムは、有機物質からの水素又は流体燃料の抽出を提供し、且つ化石石油化学物質の置換えに比べてより少ないエネルギーで選択された収穫物からポリマーを作製するので、経済的により効率的である。こうしたシステムはまた、固定窒素及び微量ミネラルを農業、造園、及び他の農作業の土壌に戻すことを可能にする。
【0188】
別の態様において、システムは、メタン、エタン、プロパン、メタノール、エタノール、水素、硫化水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素のような1つ又は複数の流体物質に有機物質を変換して、農業に対する付加価値活動を生じるために農業慣行を組み入れる効果的な経済開発エンジンを提供することを含む。これは、1カロリーの食用物質を10石油カロリー以上の消費で植物に送達し、施肥し、耕作し、収穫し、及びこうした食用物質を加工する非効率的な慣行を克服することができる。
【0189】
別の実施形態は、収穫物を生産し、エネルギー変換プロセスにおける蒸発冷却及び加湿の恩恵を提供するために、雨水の捕集及び貯蔵を提供する。
【0190】
別の実施形態は、適切なフィルタ、圧力スイング吸収、温度スイング吸収、溶液吸収、及び膜分離による、固定窒素及び又は微量ミネラルを農作業に戻すための選択的除去又は付加価値用途のための化学物質の選択的除去を含む選択的除去によって、流体物質の選択された成分を分離するシステムを提供する。
【0191】
別の実施形態は、熱解離のための熱の使用によって有機物質からの水素又は燃料流体の抽出を提供し、及びこうした抽出された物質を地層の中に貯蔵するシステムを提供する。
【0192】
別の実施形態は、1つ又は複数の前記流体物質の一部の燃焼、太陽加熱、電気加熱、及び内燃機関、外燃機関、膨張モータ、及び燃料電池のようなエネルギー変換デバイスとの熱交換のような熱源を使用する吸熱プロセスによって導出される有機物質を1つ又は複数の流体物質に変換するための向流熱交換を提供するシステムを提供する。
【0193】
別の実施形態は、有機物質がエネルギー変換作動のための水素及び又は流体炭化水素のような流体物質に変換されるシステムを提供し、炭素は、耐久性のある物品を製造し及び生産してこうした炭素が汚染成分として環境に入るのを防ぐために抽出される。
【0194】
上記のシステムの改善は、変換が或る箇所でなされることを含み、1つの箇所で捕集された有機物質と流体物質は、別の箇所に輸送されて炭素を抽出される。
【0195】
別の実施形態において、前記有機物質は、前記有機物質が豊富である場所で前記流体物質に変換され、前記流体のうちの1つ又は複数は、前記炭素が気体化合物として大気に入るのを防ぐ目的で前記流体のうちの1つ又は複数から炭素が分離される場所に輸送されて固体生成物を生じる。流体物質への変換の前に有機物質を乾燥させるために熱交換が用いられる。熱交換源は、流体物質の燃焼、流体物質の高温、及びエンジン又は燃料電池のようなエネルギー変換デバイスを含む。
【0196】
この実施形態の態様において、前記有機物質は、前記流体物質のうちの1つ又は複数の一部の燃焼、前記有機物質よりも高い温度で生産された後の前記流体物質のうちの1つ又は複数、前記有機物質よりも高い温度に加熱された後の1つ又は複数の前記流体物質、及び内燃機関、外燃機関、膨張モータ、及び燃料電池を含む群から選択されるエネルギー変換デバイスとの熱交換から選択された熱源からの向流熱交換によって、前記流体物質への変換の前に乾燥される。
【0197】
この実施形態の別の態様は、スクリュー・コンベヤによる圧密、ラムによる圧密、及び固体からより容積の大きな流体への相変化による圧密を含む群から選択される1つ又は複数のプロセスによる前記流体物質の加圧を含む。
【0198】
別の実施形態は、水素供与体の解離生成物と熱を交換する水素供与体を備える、向流熱交換のためのシステムを提供する。この実施形態の態様において、解離は、捕えられた太陽熱、集中された太陽熱、燃焼熱、地層熱、非燃焼源からの排熱からなる熱源の群(population)から選択された熱によって引き起こされる。
【0199】
別の実施形態は、炭素又は水素供与体化合物からの炭素又は水素の抽出を提供し、前記水素は、1つ又は複数のサブシステム用途に局所的に若しくは1つ又は複数の地層(geologic formation)の中での間欠的貯蔵の1つ又は複数の機会の後に或る距離で使用される。この実施形態の態様において、前記水素は、最終的に燃料電池で使用され又は内燃機関、外燃機関、複合サイクル熱機関からなる群から選択される手段及び熱電気複合利用用途のための手段によって燃焼される前に、1つ又は複数の膨張手段の中で膨張を行う。
【0200】
別の実施形態は、バイオマス上の微生物の活動によって調製される物質からの水素の触媒で補助された放出を提供する。この実施形態の態様において、前記触媒は有機触媒である。この実施形態の別の態様は、前記触媒と併せて使用される放射による力、振動による力、電動力、及び磁力を含む群から選択される勢いを含む。
【0201】
別の実施形態は、上昇気流及び下降気流(wind column updrafts and downdrafts)、井、地層、パイプライン、流域コレクション(watershed collection)、及びポリマー材料に関連する機能部を含む本明細書で説明される要素を備えるエネルギー変換装置を提供する。この実施形態の態様において、装置は多様な微気候ゾーンをサポートし、前記ゾーンはサブゾーンをさらに備え、前記サブゾーンは、仕事のために操作することができる独自の熱、湿気、天然資源、又はエネルギー伝達特徴を収容する。
【0202】
別の実施形態は、生産性を増加させる経済的誘因のための方法と、生産性を減少させる負の誘因を除去するための方法と、栽培、製造、エネルギー生産、情報、及びエネルギー管理における雇用を創出するための方法と、持続可能性のマクロ経済的アルゴリズムを実施するための方法とを含む、持続可能な経済開発エンジンシステムを提供する。
【0203】
別の実施形態は、収穫物を生産するのに用いられるエネルギーのコストを減少させることによって収穫量を改善する方法と、土壌に微量ミネラルを戻すことによって肥料の必要性を減少させる方法と、収穫物に藻類を施肥する方法と、水管理のためのシステムと、エネルギー生産及び管理のためのシステムと、収穫物のポテンシャルを増加させるためのCO2の使用とを含む、農業プロセスを提供する。
【0204】
別の実施形態は、必要な場合に囲い込む、若しくは空気(上昇気流/下降気流)又は降水(precipitation)を加える環境へのアクセスを監視することができる、微気候で収穫物を育てるためのシステムと、収穫物の廃棄物(ステム、茎、わら(stover))を炭素又は水素にするマクロ食物生産システムとを提供する。
【0205】
別の実施形態は、魚の産卵をサポートするための栄養素、酸素、及びきれいな水を提供する方法と、環境をサポートするために温度を監視し及び制御するためのシステムと、魚のための栄養としてバイオマス/液体からタンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラルを抽出するシステムとを含む、魚の産卵システムを提供する。
【0206】
別の実施形態は、動物を制御された環境で飼育するシステムと、無農薬又は無肥料で飼料収穫物を育てるためのシステムと、酸性雨及び還元剤によって酸性化された状態に調整される水を含む酸性化された水の他の源からの水素の抽出によって水を浄化する水管理システムとを含む、家禽、ブタ、ウシの(家畜業)システムを提供する。
【0207】
別の実施形態は、前記地層からのヒートゲイン、化学エネルギー及び又は圧力エネルギーの間欠的貯蔵、及び価値ある物質の抽出からなる群から選択される目的のために地層に1つ又は複数の流体物質を曝すステップであり、仕事生産が、1つ又は複数のエネルギー変換デバイスにおける前記1つ又は複数の流体物質のうちの少なくとも1つによって達成され、前記1つ又は複数の流体物質のうちの少なくとも1つが、前記1つ又は複数のエネルギー変換デバイスを駆動するために送達される液体、混合された液体と蒸気、蒸気、又はガスからなる群から選択された状態を提供するように調整されるステップを含む、エネルギー変換のためのプロセスを提供する。この実施形態の別の態様は、前記地層が炭化水素を含有することを含む。この実施形態の別の態様は、1つ又は複数の流体物質を地層に曝した後で、前記1つ又は複数の流体物質が太陽、工業、商業、及び熱機関源からなる群から選択される熱源からの補足的な熱を受け取ることを含む。この実施形態の別の態様は、風力タービン塔、丘、又は高い高度での他の地勢、通信塔、及び建設された塔からなる群から選択される実施形態によって提供される高度で前記液体が生産されることを含む。
【0208】
別の実施形態は、嫌気性消化液からの触媒作用による放出、水素を含有する化合物からの電解生産、嫌気性消化液からの作動流体生産の組み合わされた電気的及び触媒作用による勢いからなる群から選択されるプロセスによって流体を生産し及び調整するためのプロセスを提供する。この実施形態の別の態様は、水素、二酸化炭素、水素と二酸化炭素からなる群から選択される前記流体を含む。この実施形態の別の態様は、化学ポテンシャルエネルギーの貯蔵、圧力ポテンシャルエネルギーの貯蔵、化学及び圧力ポテンシャルエネルギーの貯蔵、前記形成物から前記流体への伝熱、前記形成物から前記流体への物質の伝達、及び前記流体の存在の結果としての前記形成物からの物質の生産からなる群から選択される目的のために、前記流体が地層に送達されることを含む。この実施形態の別の態様は、前記流体がエネルギー変換デバイスを推進するために用いられることを含む。
【0209】
別の実施形態は、地熱を生産し及び使用して、及び水生植物生産、温室植物生産、水耕植物生産、及び1つ又は複数のエネルギー変換デバイスの作動のための作動流体としての使用からなる群から選択される目的で、二酸化炭素、メタン、及び水素からなる群から選択される流体を発達させ及び送達するためのプロセスを提供する。この実施形態の別の態様は、藻類からなる群から選択される前記水生植物を含む。
【0210】
別の実施形態は、メタン、エタン、プロパン、メタノール、エタノール、水素、硫化水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含む群から選択される1つ又は複数の流体物質に有機物質を変換するためのシステムを提供し、硫化水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含む群から選択される前記物質の一部の除去が、圧力スイング吸収、温度スイング吸収、溶液吸収、及び膜分離を含む群から選択される選択的除去プロセスによって達成され、有機物質を流体に変換するための前記プロセスが、前記物質のうちの1つ又は複数の一部の燃焼、前記有機物質よりも高い温度で生産された後の前記物質のうちの1つ又は複数、前記有機物質よりも高い温度に加熱された後の前記物質のうちの1つ又は複数、及び内燃機関、外燃機関、膨張モータ、及び燃料電池を含む群から選択されるエネルギー変換デバイスとの熱交換から選択された熱源からの向流熱交換で達成される。この実施形態の別の態様は、前記エネルギー変換デバイスが前記流体物質から選択された物質を使用することを含む。この実施形態の別の態様は、前記有機物質が前記流体物質に変換され、炭素がこうした炭素が気体化合物として大気に入るのを防ぐ目的で前記物質のうちの1つ又は複数から分離されて固体生成物を生じることを含む。この実施形態の別の態様は、前記有機物質が、こうした有機物質が豊富である場所で前記流体物質に変換され、前記流体のうちの1つ又は複数が、こうした炭素が気体化合物として大気に入るのを防ぐ目的で前記流体のうちの1つ又は複数から炭素が分離される場所に輸送されて固体生成物を生じることを含む。この実施形態の別の態様は、前記有機物質が、前記流体物質のうちの1つ又は複数の一部の燃焼、前記有機物質よりも高い温度で生産された後の前記流体物質のうちの1つ又は複数、前記有機物質よりも高い温度に加熱された後の1つ又は複数の前記流体物質、及び内燃機関、外燃機関、膨張モータ、及び燃料電池を含む群から選択されるエネルギー変換デバイスとの熱交換から選択された熱源からの向流熱交換によって、前記流体物質への変換の前に乾燥されることを含む。この実施形態の別の態様は、スクリュー・コンベヤによる圧密、ラムによる圧密、及び固体からより容積の大きな流体への相変化による圧密を含む群から選択される1つ又は複数のプロセスによる前記流体物質の加圧を含む。
【0211】
別の実施形態は、内燃機関手段を作動させるためのプロセスであって、前記エンジンにおける出力生産イベントと等しい周波数で起こる機械的移動手段によって作動される通常閉鎖される弁手段によって制御される時に前記エンジンの中に流体燃料が導入され、前記燃料の導入が、エンジンのアイドル、アイドル状態を超える出力生産、全出力生産を含む群から選択されるタスクを達成するように制御される、プロセスを提供する。この実施形態の別の態様は、機械的移動手段によって前記始動の前に作動可能な電磁手段、機械的移動手段によって前記始動中に作動可能な電磁手段、前記始動の後の電動手段、を含む群から選択される手段によって前記弁手段が制御されることを含み、前記電動手段は、電磁ソレノイド、圧電デバイス、磁気流体デバイスを含む群から選択される。この実施形態の別の態様は、ロータリカム手段、前記カム手段からの前記弁手段の実質的な分離を可能にするために機械的プッシュ−ロッド手段と結合されたロータリカム手段、前記カム手段からの前記弁手段の実質的な分離を可能にするために前記通常閉鎖される弁手段を始動するロッカーアーム手段と結合されるロータリカム手段を含む群から選択されるプロセス手段によって提供される前記機械的移動手段によって前記弁手段が作動されることを含む。この実施形態の別の態様は、前記燃料が、燃焼室手段が燃焼に備えて閉鎖された後の前記燃焼室手段、火花点火手段によって点火が起こる箇所での前記燃焼室手段、触媒点火手段によって点火が起こる箇所での前記燃焼室手段、熱点火手段によって点火が起こる箇所での燃焼室手段、前記燃焼室手段の中への気体オキシダントの強化された流れを誘起するために前記燃料のモーメントを使用する目的で選択された場所を含む群から選択される場所及び条件に従って導入されることを含む。
【0212】
別の実施形態は、内燃機関を作動するためのプロセスであって、気体オキシダント内の場所に前記燃料を分配する手段によって、前記燃料と化合できる過剰量の前記オキシダント内の前記燃料の分配、前記燃料が前記燃料の導入手段に加えて前記燃焼室を画定するあらゆる固体表面と接触する前に前記燃料が前記オキシダントと完全燃焼するような前記オキシダント内の前記燃料の分配、及び前記燃料の導入手段による前記燃焼室内の非対称の場所への分配から選択された条件を提供するように前記エンジンの燃焼室手段の中に流体燃料が導入されるプロセスを提供する。
【0213】
別の実施形態は、水素供与体及び前記水素供与体の解離生成物による向流熱交換のためのシステムを提供する。この実施形態の別の態様は、解離が、捕えられた太陽熱、集中された太陽熱、燃焼熱、地層熱、非燃焼源からの排熱からなる熱源の群から選択された熱によって引き起こされることを含む。
【0214】
別の実施形態は、炭素又は水素供与体化合物から炭素又は水素を抽出することを含む抽出システムを提供し、前記水素は、1つ又は複数のサブシステム用途に局所的に若しくは1つ又は複数の地層の中での間欠的貯蔵の1つ又は複数の機会の後に或る距離で使用される。この実施形態の別の態様は、前記水素が、最終的に燃料電池で使用され又は内燃機関、外燃機関、複合サイクル熱機関からなる群から選択される手段及び熱電気複合利用用途のための手段によって燃焼される前に、1つ又は複数の膨張手段の中で膨張を行うことを含む。
【0215】
別の実施形態は、バイオマス上の微生物の活動によって調製される物質からの水素の触媒で補助された放出を含む、水素放出システムを提供する。この実施形態の別の態様は、前記触媒が有機触媒であることを含む。この実施形態の別の態様は、前記触媒と併せて使用される放射による力、振動による力、電動力、及び磁力を含む群から選択される勢いを含む。
【0216】
別の実施形態は、上昇気流及び下降気流、井、地層、パイプライン、流域コレクション、及びポリマー材料に関連する機能部を含む本明細書で説明される要素を備えるエネルギー変換装置を提供する。この実施形態の別の態様は、前記装置が多様な微気候ゾーンをサポートし、前記ゾーンがサブゾーンをさらに備え、前記サブゾーンが仕事のために操作することができる独自の熱、湿気、天然資源、又はエネルギー伝達特徴を収容することを含む。
【0217】
別の実施形態は、生産性を増加させる経済的誘因のための方法と、生産性を減少させる負の誘因を除去するための方法と、栽培、製造、エネルギー生産、情報、及びエネルギー管理における雇用を創出するための方法と、持続可能性のマクロ経済的アルゴリズムを実施するための方法と、微気候(人工)共同体(持続可能な都市)内の農業と、抽出された炭素からの農機具と、健康上の恩恵とを含む、持続可能な経済開発エンジンシステムを提供する。
【0218】
別の実施形態は、収穫物を生産するのに用いられるエネルギーのコストを減少させることによって収穫量を改善する方法と、土壌に微量ミネラルを戻すことによって肥料の必要性を減少させる方法と、収穫物に藻類を施肥する方法と、水管理のためのシステムと、エネルギー生産及び管理のためのシステムと、収穫物のポテンシャルを増加させるCO2;必要な場合に囲い込む、若しくは空気(上昇気流/下降気流)又は降水を加える環境へのアクセスを監視することができる、微気候で収穫高を育てるためのシステムと、収穫物の廃棄物(ステム、茎、わら)を炭素又は水素にするマクロ食物生産システムと、を含む農業プロセスを提供する。
【0219】
別の実施形態は、魚の産卵をサポートするための栄養素、酸素、及びきれいな水を提供する方法と、環境をサポートするために温度を監視し及び制御するためのシステムと、魚のための栄養としてバイオマス/液体からタンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラルを抽出するシステムとを含む、魚の産卵システムを提供する。
【0220】
別の実施形態は、動物を制御された環境で飼育するシステムと、無農薬又は無肥料で飼料収穫物を育てるためのシステムと、酸性雨及び還元剤によって酸性化された状態に調整される水を含む酸性化された水の他の源からの水素の抽出によって水を浄化する水管理システムと、収穫物の点滴潅漑を利用するためのシステムと、を含む家禽、ブタ、ウシの(家畜業)システムを提供する。
【0221】
別の実施形態は、水を浄化するシステムと、酸性雨を中和し及び浄化する方法と、酸性雨から水素を抽出する方法と、収穫物とのドリップライン(drip lines)を使用するためのシステムとを含む、水管理システムを提供する。
【0222】
別の態様において、持続可能な経済開発のための方法は、太陽、風、流水、有機、又は地熱資源を電気、水素、水素を含有する化合物、又は炭素を含有する化合物に変換するための手段を含み、前記炭素は、耐久性のある物品手段、前記変換を可能にする機器手段、又は輸送構成要素手段を生産するために使用される。方法は、前記水素又は前記水素を含有する化合物又は前記炭素を含有する化合物を天然ガスパイプライン手段に加える、貯蔵する、及び分配するための、並びに前記水素又は前記水素を含有する化合物又は前記炭素を含有する化合物を石油地層手段に又は他の地層手段に貯蔵するための手段をさらに含むことができる。方法は、前記石油地層手段又は他の地層手段から前記水素又は前記水素を含有する化合物又は前記炭素を含有する化合物と共に物質を除去する、加える、貯蔵する、及び分配するための手段をさらに含むことができる。別の態様において、方法は、前記石油地層手段又は他の地層手段から前記水素又は前記水素を含有する化合物又は前記炭素を含有する化合物と共に熱を除去するための手段をさらに含むことができる。別の態様において、方法は、前記石油地層手段又は他の地層手段からの前記熱を動かす仕事に変換するための手段をさらに含むことができる。方法は、電気、水素、水素を含有する化合物、又は化合物への太陽、風、流水、有機、又は地熱資源の変換を動かす仕事への前記石油地層手段又は他の地層手段からの前記熱の変換と組み合わせるための手段をさらに含むことができる。方法は、前記太陽エネルギーを、食品手段、ファイバ手段、燃料手段、及び製造手段のための供給原料手段を含む群から選択されるバイオマス手段に変換するための手段をさらに含むことができる。
【0223】
以下の実施形態は、上記の実施形態で用いられる電解槽を開示する。
【0224】
本発明の一実施形態において、閉じ込め容器と、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極及び第2の電極と電気的に連通する電流源と、第1の電極及び第2の電極と流体的に連通する電解質と、ガスであり、第1の電極で又はこの付近で電気分解中に生成されるガスと、分離器であり、ガスが第2の電極に対し遠位方向に実質的に流れるように電解質の密度と電解質とガスとの組み合わされた密度との間の差異に起因して電解質とガスの流れを導くために傾斜面を含む分離器とを備える電解槽が提供される。
【0225】
別の実施形態において、閉じ込め容器と、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極及び第2の電極と電気的に連通する電流源と、第1の電極及び第2の電極と流体的に連通する電解質と、ガスであり、第1の電極で又はこの付近で電気分解中に生成されるガスと、ガス抽出領域と、分離器であり、「V」字形状を形成する2つの傾斜面を備え、ガスが第2の電極に対し遠位方向に実質的に流れるように電解質の密度と電解質とガスとの組み合わされた密度との間の差異に起因して電解質とガスの流れを導き、第1の電極とガス抽出領域と第2の電極との間の電解質の循環を促進して新鮮な電解質を第1の電極及び第2の電極に提供するようにさらに構成される分離器とを備える電解槽が提供される。
【0226】
また別の実施形態において、閉じ込め容器と、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極及び第2の電極と電気的に連通する電流源と、第1の電極及び第2の電極と流体的に連通する電解質と、ガスであり、第1の電極で又はこの付近で電気分解中に生成されるガスと、分離器であり、ガスが第2の電極に対し遠位方向に実質的に流れるように電解質の密度と電解質とガスとの組み合わされた密度との間の差異に起因して電解質とガスの流れを導くために傾斜面を含む分離器とを備える電解槽が提供される。
【0227】
別の実施形態において、電解槽及びその使用方法が提供される。電解槽は、多くの用途に用いられてもよいが、この実施形態では水素と酸素の生産に用いられることが説明される。本実施形態に係る電解槽は、加圧された水素と酸素の可逆的な分離された生産を提供し、且つ作動の不純物及び生成物を許容する。実施形態は、コンパクトな貯蔵のために望まれるよりもかなり低い大きさに加圧される、解離されることになる物質を供給するステップと、解離される物質よりも低い密度を有する流体生成物を生じるために電極の間に起電力を適用するステップと、コンパクトな貯蔵のための所望の圧力が達成されるまであまり濃厚でない流体生成物の膨張を制限するステップとを含む、電気分解プロセスを作動させるためのオプションをさらに提供する。この及び他の実施形態は、熱機関又は燃料電池の作動によって住宅、レストラン、ホテル、病院、缶詰工場、及び他のビジネス設備のような住居のエネルギー利用効率を改善し、且つこうしたソースからの熱を使用して食品を調理する、水を滅菌する、及び他の物質に熱を送達する、暖房を提供する、若しくはこうしたエンジン又は燃料電池の嫌気性の又は電気的に誘起される燃料の放出を容易にすることができる。そのうえ、本明細書で開示される実施形態の態様は、他のタイプの電気化学電池に適用して類似の利点を提供できることが当業者には分かるであろう。
【0228】
所望の成分を生じるために物質移動を生じる及び/又はイオンを送達するのに比較的ゆっくりとした拡散、対流、及び濃度勾配プロセスに大きく依存する従来の電気化学電極とは反対に、本実施形態は、本明細書で説明されるように、迅速なイオン補充プロセスと、より濃厚な液体媒体から逃げる低密度ガスのポンピング作用による所望の電極への送達とを含む、より効率的な物質移動を提供する。これは、望ましくない副反応を防ぐと共に、より高い電気効率、より迅速な解離、及びより高い分離効率を保証する。イオン生産及び電極への送達の速度及び効率を増加させることは、電極面積あたりのシステムの効率及び電流限界を増加させる。
【0229】
図1Bを参照すると、金属管のようなコンテナ4bが閉じ込め容器として働く電解槽2bが示される。随意的に、コンテナ4bはまた、図1Bに示すように電極として働いてもよい。円筒形導電性ワイヤスクリーン電極8bのような多孔性電極が、同軸方向に配置され且つ酸又は塩基のような液体の電解インベントリ(electrolytic inventory)によって管状電極4bから分離される。液体電解質は、絶縁体24bにおける液体−ガス境界面までコンテナ4bの内部空間を占領する。誘電体スリーブ又は導電性円筒形内側ライナ電極上のめっきされた、プラズマ溶射された、又はコンポジット化された電極材料の層4b’(図示せず)が、組立体の電気的に分離された要素として働いてメンテナンス・アイテムとしての便利な置換えを可能にする又は随意的な極性、及び/又は直列、並列、又は直並列接続の目的で多数のセグメント化された電極要素のうちの1つとして働くために、コンテナ4b内に提供されてもよい。水の電気分解のための本発明の可逆的な実施形態において、電極8bは、電極8bで水素が生じるように電子源又はカソードと考えられてもよく、及び電極4bは、電極4bで酸素が生じるようにアノードと考えられてもよい。コンテナ4bは加圧可能であってもよい。コンテナ4bの中身の加圧は、シールされたキャップ30b及び46bによって抑制される。電極8b、ガス分離器10b、及び電気接続部32bを含む構成要素の支持、電気絶縁、及び安定化は、図示のように誘電絶縁体本体20b及び24bによって提供される。電解槽2bの加圧は、電気分解中のガス(単数又は複数)の生産に起因する自己加圧によって、ポンプのような外部ソースによって、又はこれらの任意の組合せによって達成することができる。
【0230】
分離器10bは、液体透過性となるが分離器のカソード側から分離器のアノード側への及びこの逆の同様のガスの流れ又は輸送を実質的に防ぐように構成され、電解質中に溶解した又は気泡の核生成後のガスの流れを実質的に防ぐことを含む。随意的に、電極8bは、別個の分離器が必要ではないように分離器10bとして作用するように構成されてもよい。代替的に、分離器10bは、電極8bを含んでもよく、又は電極8bは分離器10bを含んでもよい。加えて、分離器10bはまた陽極の電極4bを含んでもよく、又は陽極の電極4bは分離器10bを含んでもよい。
【0231】
絶縁体24bは、図示のように、及び分離器10bと組み合わせての利用を含む4b及び8bのような電極によって生じるガスを分離する、捕集する及び/又は抽出するのに必要に応じて形状設定される。示される同軸円筒形の幾何学的形状において、絶縁体24bは、その内部に電極8b上で放出されたガスが収集される中央円錐形キャビティを有する。同軸に取り囲むこの中央キャビティは、電極4b’の表面から又はコンテナ電極4bの内部から放出されたガスを収集する環状ゾーンである。
【0232】
随意的に、図示のように24bの上側収集通路に触媒フィルタ48bが配置されてもよい。分離器10bを交差することによる移動を含む触媒フィルタ48bへの到達を管理する酸素は、水素と反応することによって水を生成することを触媒作用で誘起され、水素は、次いで電解質に戻してもよい。膨大な過剰な水素は、ヒートシンクとして働いて、この触媒反応によって放出された熱が電解槽に影響を及ぼすのを禁止することができる。純水素は、図示のように取付具26bで供給される。同様に、酸素環(oxygen annulus)に到達するあらゆる水素を水に変換するために、図のように酸素を収集する円環(circumferential annulus)の上側領域に触媒フィルタ49bを提供することが好ましい場合がある。酸素は、図示のように取付具22bで除去される。代替的に、触媒フィルタは、取付具22b及び26bに、この付近に、又はこの内部に配置されてもよい。
【0233】
例証となる作動において、水が水素と酸素に解離されることになる物質である場合、重炭酸ナトリウム、苛性ソーダ(sodium caustic)、水酸化カリウム、又は硫酸の水性溶液のような適切な電解質が調製され、液体の存在を検出するセンサ50bと、ポンプ40bを作動させて必要な場合に貯留層42bのような適切なソースから水を加えて所望のインベントリ又は圧力を生じ又は維持する、信号コントローラ52bとによって、図示のように所望のレベルに維持される。コントローラ52bは、したがって、熱を受け取る又は送達するためにラジエータ又はヒータ(図示せず)のようなシステムの循環ポンプを含む場合がある熱交換器56bと共に、液面センサ50bと一体化されたユニットに組み入れられてもよい温度又は圧力制御センサ58b、又は液体インベントリセンサ51b、並びに制御ポンプ36b及び40bに応答する。同様に、加熱又は冷却ファンは、電解槽2bに関連する熱源からの熱の受け取り又は排出を強化するためにこうした作動と併せて使用されてもよい。
【0234】
電解槽2bが循環的に適用されることになる幾つかの実施形態において、例えば、余剰電気が低価格であり、そうでなければ要求されないとき、電解槽2bは、水インベントリのかなりの変動で作動することができる。余剰電気が利用可能ではない又はオフにされるときには、水素及び酸素供給は、コンテナ4bから抽出されてもよく、システムは、周囲圧力に戻ることになる。周囲圧力の水は、次いでシステムに加えて満載することができ、これは、こうした循環低圧充填及び電気分解作動を容易にして圧力又は化学エネルギーを仕事に変換する、コンパクトな貯蔵、及び車両、ツール、又は器具の受液器(receiver)への迅速な伝達を提供するのに必要とされる所望の高圧で水素又は酸素を送達するのに望まれる場合があるように、絶縁体24bの円周の周りに大きい環状体積を有するように提供することができる。
【0235】
電流を印加し及び液体のはるかに小さいインベントリから水素及び酸素の容積の大きな気体供給を生成した後で、システムは、所望の場合に加圧され、且つ溶液中の水のインベントリが、コントローラ52bが電気分解サイクルを中断させること又は図示のように貯留層42bから圧力ポンプ40bによって水を加えることのいずれかを可能にするセンサ50b又は51bによる検出点に枯渇するまで、加圧されたままであってもよい。必要に応じてポンプ40b上の多くのデューティ又はメンテナンスを可能にするために、図示のように逆止め弁44bのような弁の向こう側に水を加えることが好ましい場合がある。
【0236】
図1B、図2B、及び図3Bを参照すると、図2Bは、分離器が「V」字形状を形成する2つの傾斜面14bを含む、図1Bの分離器10bの一実施形態を示す。電解質が水ベースのものである場合、電子は、接続部32bを通して編まれたワイヤシリンダのような多孔質電極8bに加えられ、及びコンテナ4bから電気接続部6bを通して除去されて、水素イオンを水素原子に、その後、二原子分子に連続的に変換し、これは核をなして電極8b上に又はその付近に泡を生成することができる。水素及び酸素の泡は、典型的に、水ベースの電解質よりもはるかにあまり濃厚ではなく、浮力で上方に推進される。酸素の泡は、同様に上方に推進され、図2Bの拡大された断面図に示すように同軸分離器10bの幾何学的形状によって水素から分離される。図2Bに示される構成は、電解槽2bの作動中に生成されるガスの流れが望ましいあらゆる用途に用いられてもよい。さらに、前記分離器構成は、当該技術分野では公知の電気化学電池の他の構成で採用されてもよい。代替的に、電気分解中に生成される材料が電解質よりも高密度のものである場合、分離器10bは、反転されて「Λ」形状を形成してもよい。同様に、電気分解によってカソードで形成される1つの材料が電解質より濃厚ではなく、且つアノードで形成される別の材料が電解質よりも濃厚である場合、分離器10bは、あまり濃厚ではない材料をより濃厚な材料から遠ざかる方に偏向するために斜めの「/」又は「\」形状で構成されてもよい。
【0237】
4b’又はコンテナ4bの内部から放出される水素と酸素との混合は、図示のように酸素と水素の進入、流れ、又は伝送に対して傾斜される表面12b’及び14bからの偏向によってガスを効率よく分離する液体透過性障壁である分離器10bによって防止される。代替的に、分離器10bは、電気絶縁された導体で又は30%ガラス繊維入り(glass filled)エチレン−クロロトリフルオロエチレンのような不活性誘電体材料からなる螺旋渦巻き(helical spiral)を含んでもよく、渦巻き状にされたストリップ材料の断面は、電気絶縁体及びガス分離器として働くために図示のように「V」字構成である。
【0238】
流体移動のための通路は、流体循環及び分配の必要性を満たすのに望まれる場合に、ストリップを時折又は連続的に、特に各縁部で、又は代替的に、13bで断面図が示されるように増幅された波形部として図2Bに示される断面をなして形成されるディスクのスタックで波形にしてhelixの各層の間に隙間を生じることによって増加させることができる。こうした波形部の各々が、軸線15b及び15b’に関して図示されたよりも大きく又は小さく適切に傾斜された半径方向の軸線を中心として起伏を有することが一般に有利である。これは、全体的に液体に対して多孔性であるがガスに対して障壁となる分離器10bの壁厚が、例えば、約0.2mm(0.008インチ)厚以下の所望の厚さとなるように形成されることを可能にする。
【0239】
分離器10bは、液体電解質を電極8bの方に又は電極8bから遠ざかる方に通過させながら、浮力推進及びガスの上方移動によりガスは通過させないようにするのに十分な表面エネルギー条件に関して、非常に小さい寸法を含む、任意の適切な寸法のものであってもよい。例えば、比較的小型の燃料電池及び電解槽に適用可能な代替的な実施形態は、図2Bに示された断面をもつ多数の密接に間隔をおいて配置された平らなねじ山によって提供され、こうしたねじ山は、液体のほぼ開かれたアクセスを提供するねじ山に編まれ又は付着され、且つ「V」字形状にされたねじ山の片側又は両側でほぼ垂直方向に配置される。これは、全体的に液体に対して多孔性であるがガスに対して障壁となる分離器10bの壁厚が、約0.1mm(0.004インチ)厚以下となるように形成されることを可能にする。
【0240】
上方への浮力推進は、傾斜面12b及び14bに対する気泡の衝突を偏向させる。この特徴は、電気抵抗、汚れ、停滞、侵食、及び分極の損失のうちの1つ又は複数に起因する能率の悪さをもたらす従来技術の従来の手法の難点及び問題を克服する。そのうえ、幾つかの構成は、電解質の上方への流れを生じる、昇ってくる気泡の浮力ポンピング作用に起因して同軸の層における電解質の循環を促進することができ、ガス(単数又は複数)が液体の頂部で逃げる際に、リサイクルされて気泡が混入した又は溶解されたガスを含むあまり濃厚でない電解質と置き換わるので、比較的ガスを含有しない且つより濃厚な電解質が底部の方に流れる。熱交換器56bは、図示のようにコンテナ4bの頂部から底部に循環される電解質に熱を加える又は除熱するために必要に応じて作動されてもよい。ポンプ36bは、電解質の循環率を増加させるために、又は補給水を加えるためにポンプ40bと併せて、必要に応じて用いられてもよい。
【0241】
幾つかの実施形態において、有機物質の迅速な添加を伴うシステムを含む、高い電流密度が適用される。こうした実施形態において、図示のように比較的ガスを含有しない電解質を戻すポンプ36bで、電解質を取付具28bを通してライン34bを通してポンプ36bに循環させて、ライン38b及び取付具16bを通してコンテナ4bに戻すことが有利な場合がある。戻される電解質を取付具16bで接線方向に進入させて、スワールを形成し続けるスワール形成送達を生じ、したがって、上記で説明されたように使用されてもよい分離器10bによるアクションを含む分離を相乗的に強化することが好ましい場合がある。作動圧力に応じて、水素は、酸素よりも約14倍低い濃厚さであり、且つより浮力があり、取付具26bでのフィルタ48bを通した加圧された収集のために分離器10bによってより高い上方への速度で直ちに導かれる傾向がある。非常に高い電流密度では、及び輸送用途で直面する場合があるように電解槽2bが傾ける力又は重力を受ける場合には、スワール分離を強化するためにポンプ36bによって電解質移動速度が増加され、したがって、アノード上で生じるガスがカソードによって生じるガスと混合されるのを防ぐ。
【0242】
非導電性ガス障壁の幾つかの実施形態と、分離器10bを含む液体を伝送する実施形態は、水素及び酸素のようなガスを分離するためにプロトン交換膜に依存する手法を含む以前の手法よりも、はるかにあまり高価でなく、より一層堅牢且つ効率的な可逆電解槽が製造されることを可能にする。1つの態様において、分離器10bは、電気分解中の電解質の流れを改善するように設計することができる。例えば、分離器10bは、ポート16bからポート28bへと上方に移動する液体電解質インベントリ中のイオンの螺旋状の流れを促進するように構成することができる。これは、電極の各部分が、最大電気効率のために必要に応じて新たに補足されたイオン密度を受け入れることを保証する。こうした電極ウォッシング・アクションはまた、水素と酸素の気泡を、それらが電気化学電池のそれぞれの電極上で生成する際に迅速に除去することができる。
【0243】
図3Bは、上記で説明されたようにガス種の分離を達成しながら、平板及び同軸電極構造を含む隣接する電極の電気的分離を提供するための、分離器10bの別の態様の構成要素シート又は螺旋ストリップの代表的な部分の縁部の図を示す。組立体11bにおいて、シート12b’及び14b’は、分離器10bの断面と似ている断面を形成し、且つ機能的に同様に働く。平坦な導電性又は非導電性ポリマー・シート12b’が、傾斜されて図示のようにシート12b’の長軸とおよそ35°から70°の角度の第1の角度15bによって示されるような実質的な角度をなす平行な中心線上の多数の小さい穴を備えるように準備される。ポリマー・シート14b’は、同様に、第2の角度15b’によって図示のように実質的に傾斜されて図示のようにシート14b’の長軸とおよそ35°から70°までの角度をなす平行な中心線上の多数の小さい穴を備えるように準備される。
【0244】
他の実施形態において、角度15b及び15b’は、電気分解プロセス中に分離されることになる材料に応じて変化することができる。例えば、角度は、気体成分を有さない又は1つの気体成分のみを有する化合物の電気分解のために下に傾けることができる。Al23のような化合物が、氷晶石−アルミナ電解質の電気分解によって解離されて、アルミニウムと酸素を生成する場合、アルミニウムは、氷晶石−アルミナ電解質よりも濃厚であり、アルミニウムを分離するカソード電極又は関連する分離器は、(例えば、下に傾けられた角度によって)アルミニウムを下方に、及び上方に移動する酸素から遠ざかる方に送るように構成されるであろう。
【0245】
シート厚さ寸法の約1/12〜1/3の直径をもつ多数のこうした小さい穴を、レーザ・ドリル加工、高温針穿孔、又は高速粒子浸透を含む適切な技術によって、シート12b’及び14b’に直ちに作製することができる。それぞれ典型的に約0.025〜0.25mm(0.001インチ〜0.10インチ)厚であるシート12b’及び14b’を、溶接又はそうでなければ方法でボンディング、糸結び(thread ties)、弾性バンド、又は導電性又は非導電性ワイヤの1つ又は複数の螺旋ラップによって結果として得られる外径上に一緒に保持して電極8bとの組立体として形成することができる。シート12b’及び14b’はまた、接着剤によって若しくは熱又は溶媒融合(solvent fusion)によって時折又は連続的に接合されてもよい。したがって、シート12b’の傾斜した穴がシート14b’の穴の上に重なる場所で、形成されるガス障壁膜を通したガス伝送を禁止しながら液体及び/又は電解質移動を可能にするために通路が形成される。図1B及び図4Bを参照すると、組み立てられたガス障壁シートの管状構成は、バットシームを付着させる又は溶接することによって、又は意図された分離ガス障壁として機能する重ねられたシームを提供することによって、実施形態2b又は100bに対する適切な直径で形成されてもよい。
【0246】
水の電気分解に対して種々の電解質が適している。一実施形態において、閉じ込め容器4bに対する低炭素鋼と共に水酸化カリウムが用いられてもよい。増加された耐食性を伴う延長された寿命は、ニッケルめっきシリンダ4bによって、又は適切なステンレス鋼合金の利用によって提供されてもよい。他の態様において、増加した閉じ込め容量は、ガラス、セラミック、又は炭素フィラメント、若しくはこれらの組合せのような高強度の補強材でシリンダ4bを覆うことによって提供することができる。
【0247】
特定の用途及び強度要件に応じて、分離器20b及び24bを絶縁するために約30%ガラス繊維入りエチレンクロロトリフルオロ−エチレンを用いることが有利な場合がある。電極8bは、編まれたニッケル又はタイプ316ステンレス鋼ワイヤで作成されてもよい。分離器10bは、約30%ガラス繊維入りエチレン−クロロトリフルオロ(chlorotrifluro)−エチレン・ストリップから作製されてもよい。
【0248】
別の実施形態において、有機電解質からメタン又は水素を別々に又は好ましい混合物中に生じるために、電気の制御された印加を使用することも意図される。幾つかの態様において、実施形態は、参照により本明細書に組み込まれる整理番号第09/969,860号を含む同時係属の特許出願の実施形態と併せて作動することができる。普通はメタンを生じる有機物質の嫌気性消化プロセスは、かなり低い電圧で又はパルス−幅変調されたデューティサイクルの減少されたオン時間によって水素を放出する電解質を生じるように制御することができ、結果として水を解離するのに要求されるよりも生じる電気消費が減少される。
【0249】
微生物消化によって生じる有機溶液の酸性度又はpHは、天然の重炭酸塩緩衝相互作用によって維持することができる。重炭酸塩緩衝系は、消化プロセスにおける二酸化炭素の同時生産によって補足されてもよい。プロセスは、以下のような多くの競合する且つ補足的なプロセスステップを有してもよい単純炭水化物又はグルコースの例証となる消化による有機化合物の嫌気性消化プロセスにおける種々のステップに対して一般化されてもよい。
6126+(嫌気性酸生成菌、通性細菌)→CH3COOH 式1
CH3COOH+NH4HC63→CH3COONH4+H2O+CO2 式2
3CH3COONH4+3H2O(細菌)→3CH4+3NH4HCO3 式3
【0250】
こうした溶液からのメタンが望まれる場合には、7.0付近のpH調整が必要とされる場合がある。周囲圧力、約7.0のpH、及び35〜37℃(99°F)では、メタン生合成が好ましい。ほとんどの家庭廃水は、メタン生合成を提供する生物によって必要とされる多量養素と微量養素との両方を伴うバイオ廃棄物を含有する。嫌気性反応器の中に存在する溶解され及び分配される水素又は単糖類の比較的高い濃度を維持することは、メタンを生成する微生物の働きを阻害する可能性がある。
【0251】
別の態様において、有機物質からの燃料価値の増加された生産は、電界を印加して、グルコース及び他の有機化合物の細菌性崩壊(bacterial breakdown)によって生じる酢酸(CH3COOH)のような物質の解離を引き起こすことによって、及び水素イオンを生み出す他の酸生成プロセスによって達成することができる。
CH3COOH→CH3COO-+H+ 式4
【0252】
水素イオンは、負に帯電した電極に移動し又は送達され、電子を得て水素ガスを生じる。
2H++2e-→H2 式5
【0253】
2つの電子は、負に帯電した電極によって供給される。他方の電極で、電気化学反応は、式6で要約されるように酢酸イオンの二酸化炭素と水素イオンへの酸化を含む。
CH3COO-+2H2O→2CO2+7H++電子 式6
【0254】
この電極反応において、酢酸イオンは電子を失い、その後、水と反応し、二酸化炭素ガスと水素イオンに分解する。二酸化炭素は、溶液を飽和し、上記の実施形態に記載されるように液体溶液界面から放出される。水素イオンは、こうしたシステムにおける同時収集を分離するために、反対側の電極から電子が受け取られて水素原子、次いで式5で要約されるように二原子分子を生じるまで循環され及び/又は移動する。分離収集は非常に有利である、例えば、ガス圧縮の代わりの液体ポンピングの結果として加圧を引き起こす又は高圧での分離収集は、特に効率的であり、生じた水素、メタン、又は二酸化炭素を分離し、次いで機械的に圧縮するのに普通は必要とされる資本設備を大いに減少させる。
【0255】
水素と二酸化炭素を生じる、酢酸のような化合物の嫌気性消化による分解は、一つには、消化反応が水素イオンと発熱エネルギーを生み出すため、水の電気分解よりもかなり少ないエネルギーを必要とする。酢酸のような酸の発熱分解の初期化及びメンテナンスは、より低電圧の印加で又は水を分解するのに典型的に必要とされるような連続した電気分解の代わりに間欠的な又は時折の電気分解によって達成されてもよい。比較的最小限の活性化及び/又は特に有機触媒による触媒作用を必要とする消化装置の尿素と酢酸のような物質と酸の水素と二酸化炭素への電気分解に比べて、周囲温度での水の生成の自由エネルギーは極めて大きい(少なくとも1KWH=放出された水素の3,412BTU)。したがって、レーニーニッケル触媒への修飾、ニッケル−スズ−アルミニウム合金、白金属の群からの選択物、白金−ニッケル及び他の白金−遷移金属の単結晶合金表面、及び本明細書に記載された電極システムと併せて使用される種々の有機触媒を含む選択された触媒は、水素生産速度及び/又は効率をさらに改善する。
【0256】
別の態様において、利用可能なソース・アンペア数及び電圧を図1Bに示すようなセルの直列接続による解離のために必要とされる電圧と合致させる目的で、切換え可能に直列又は並列又は直並列に接続される電極対の多くのセルを使用することが好ましい場合がある。この実施形態の1つの態様において、各セルは、選定される又は有機物質から生化学的に産生される水性電解質に応じて約0.2〜2ボルトを要求する場合があり、そのため家庭用サイズの6−ボルトの光起電源は、3〜30個のセルを直列に有することができ、工業用の220−ボルトの供給は、直列に接続された約100〜1,000個の電極セルを有してもよい。製品ガスは、並列又は直列コレクション配置によって直ちに送達することができる。直列及び/又は並列接続の数を調整するための所望の可撓性に応じて、支持及び流量制御機能部18bは、絶縁材又は非絶縁材の選択によるものであってもよい。
【0257】
中程度の及び低い電流密度を含む種々の電流密度で、電解質の循環を達成してイオン枯渇及び停滞問題を防ぐために発生される気泡の浮力推進を可能にすることが好ましい場合がある。始動又はより高い電流密度では、一つには、所望の作動温度及び電極表面でのイオンリッチな電解質の発現を提供するためにポンプ36bと熱交換器56bを作動させることができる。これは、極めて高いエネルギー変換率を可能にし、別個の貯蔵及び使用のための二酸化炭素と共に、酸素と水素又は水素と二酸化炭素又は水素とメタンの高圧供給を迅速に且つ効率よく生産するために、太陽、風、落水、又は波資源から入手可能なオフピーク電気のようなエネルギーが使用される。
【0258】
この実施形態の1つの態様において、大量のエネルギーの突然のバーストが化学燃料ポテンシャルに迅速に変換されなければならない、車両の回生制動又は発電所のスピンダウンの問題が対処される。トラック、バス、又は列車推進のための従来の燃料電池は、燃料電池の電極に突然に印加される高い電流密度を許容することができない。この実施形態は、この制限を克服し、且つ再生的なPEM燃料電池が悩まされるPEM劣化又は電極−界面故障の問題なしに高い電気分解効率を達成しながら、高電流条件の極めて堅牢な許容誤差を提供する。堅牢な構成及び提供される冷却のための極めて沢山の機会により、極めて高い電流作動が直ちに適応される。逆に、この実施形態は、種々のPEMに関係する難点、制限、及び故障に関わることなく、直ちに始動し、且つ過酷な低温又は高温条件で効率よく作動する。
【0259】
別の態様において、水力発電所、風力発電基地、波力発電機のシステム、又は従来の発電所のようなエネルギー変換システムにおけるはるかに高い投資収益率を達成するために、実施形態は、オフピーク電気が水の解離によって水素と酸素に又は有機物の嫌気性消化又は劣化によって発生する物質の解離によって水素と二酸化炭素に迅速に且つ効率よく変換されることを可能にする。実施形態のコンパクトなバージョンは、洗濯機よりも大きくはないスペースを占め、そうでなければ2台のファミリーサイズの車両を作動させる及び家庭のエネルギー要件を提供するのに十分な水素を無駄にする可能性があるオフピーク電気を変換することができる。
【0260】
上記に記載のように、本明細書で提供される幾つかの実施形態は、迅速なイオン補充プロセスと、より濃厚な液体媒体から逃げる低密度ガスのポンピング作用による所望の電極への送達とを含む、より効率的な物質移動を提供する。これは、望ましくない副反応を防ぐと共に、より高い電気効率、より迅速な解離、及びより高い分離効率を保証する。イオン生産及び電極への送達の速度及び効率を増加させることは、電極面積あたりのシステムの効率及び電流限界を増加させる。有機物質を二酸化炭素と水素又はメタンに変換する用途は、特に、中間イオンの電極へのより効率的な送達と共に、プロセスに関与する微生物への有機物質の強化された送達率、インキュベーション、及びバイオフィルム媒体を拡張させ及び自己修復させるためのインキュベートされた微生物の送達、生じるガスのより迅速な分離、及び有機物質の送達によって恩恵を受ける。
【0261】
図4Bを参照すると、電圧を印加すること又は閉じ込め容器102bの内壁に電流を流すことが望ましくない用途に特に有益である、別の実施形態の電解槽100bが示される。実施形態はまた、電解槽100b内の110b及び114bのような双極又は複数の電極の組又はセルの直列接続を容易にして、必要とされるガス収集及び電圧マッチングを簡単にする。
【0262】
閉じ込め容器102bが円筒形であり、且つ内部の構成要素が同軸である、1つの態様において、電極組立体110b及び114bは、多くの入れ子にされた切頭円錐形構成要素から形成されてもよく、若しくは一方又は両方の電極は、上記で説明されたように螺旋電極として形成されてもよい。電極110b及び114bは、同じ構成、類似した構成、又は異なる構成のものであってもよい。別の態様において、電極114bは、入れ子にされた切頭円錐形区域から組み立てられてもよく、又はこれは、電極110bを連続的に囲む螺旋電極であってもよい。
【0263】
短絡を防ぐための電極110b及び114bの電気的分離は、作動寸法に対する制御された許容誤差、及び/又は電極110b及び114bの間に位置する誘電ねじ山又はフィラメントの使用、及び/又は図2B及び図5Bに関して開示されるように別の形態の分離器10b又は111bを含む種々の手段によって達成されてもよい。
【0264】
電解槽100bは加圧されてもよい。圧力の閉じ込めは、図示のように上側キャップ104b及び下側キャップ106bによって提供される。絶縁体120b及び122bは、図示のようにキャップ104b及び106bによって支持される。電気接続及び流体接続のための回路構成要素及びハードウェアは例証となるものであり、特定の用途の必要性を満たすために必要に応じてキャップ104b及び106bを通した貫通によって達成することができる。
【0265】
電流の実施形態において、電極110b及び114bの両方は、図示のようにそれぞれの収集ゾーンに放出されるガスのような生じる物質を導く傾斜面を有するように形成される。例証すると、水が適切な電解質から解離されることになる場合、電極110bは、プラグ・シール132bによってキャップ106bの中にシールされる接続部108bを通して供給される電子を受け取ってもよい。電子は、したがって、二酸化炭素又は酸素のようなガスが電極114b上で放出される際にコンタクト124bの絶縁を提供するプラグ・シール130bを通して電極114bから取り出される。
【0266】
こうしたガスは、したがって、電極114bによってコンテナ102bの内壁に沿って送達される際に、浮力によって推進され、上方により多く又は少なく移動する。水素は、電極110bによって及び電極110bの多くの巻き目又は円錐形の層によって形成される中央コア内で送達される際に上方に推進され、絶縁体120bで図示のように収集される。設計圧力での純水素は、圧力取付具116bによって送達される。触媒フィルタ134bは、中心コアに到達して水を生成する酸素のようなあらゆるオキシダントを変換するのに用いられてもよい。図示のように絶縁体120bの外側収集環に到達するあらゆる水素から水を生じるために類似の触媒フィルタ材料が用いられてもよい。加圧されフィルタされた酸素は、圧力取付具118bによって送達される。
【0267】
随意的に、電解槽100bの効率を改善するために、1つ又は複数のガス収集容器(図示せず)が、電気分解中に生成されるガスを収集するために電解槽100bと流体連通していてもよい。ガス収集容器は、ガスの実質的な膨張の前にガスを高い圧力で取り込むために実装することができる。ガス収集容器は、当該技術分野では公知の方法に従ってガスが膨張する際に仕事を取り込むようにさらに構成することができる。代替的に、ガス収集容器は、ガスが高い圧力で送達されることを望まれる貯蔵、輸送、又は使用のための圧力でガスを提供するように構成することができる。前記態様は種々の電気化学電池において実装できることがさらに考慮される。
【0268】
図2Bを参照すると、別の態様において、ガス膨張装置は、取付具22b、取付具26bに、この付近に、又はこの内部に、若しくは取付具22b又は取付具26bと流体連通する収集容器の中に含まれてもよい。同様に、図4Bを参照すると、ガス膨張装置は、取付具116b、118bに、付近に、又は内部に、若しくは取付具116b又は取付具118bと流体連通するガス収集容器の中に含まれてもよい。
【0269】
別の態様において、電気分解し、デバイスと結合された流体を加圧して、こうした加圧された流体から仕事を抽出するための方法及び装置が提供される。流体は、液体、液体に吸収されたガス、蒸気、又はガスに加圧されてもよい。加圧された流体の蒸気又はガスへの変換は、取付具116bの中で又は後で起こってもよく、こうした取付具からの圧力及び流れを変換するデバイスは、空気を吸い込み(breathes)及び116bから加圧された水素を噴射するタービン、発電機、ベーンモータ、若しくは種々のピストンモータ又はエンジンを含む群から選択することができる。同様に、加圧された流体の蒸気又はガスへの変換は、取付具118bの中で又は後で起こることができ、こうした取付具からの圧力及び流れを変換するデバイスは、118bからの酸素のような加圧された流体を膨張させる及び/又は燃焼するタービン、発電機、ベーンモータ、若しくは種々のピストンモータ又はエンジンを含む群から選択することができる。
【0270】
別の態様において、変圧器及び整流器回路の高いコスト及び電力損失を克服する装置及び方法が提供される。これは、DC源の負極を、最も下の電極110bの3つの巻き目に、これを電極114bの次の3つの巻き目に、これを電極110bの次の3つの巻き目に、これを電極114bの次の3つの巻き目、そしてこれを電極110bの次の3つの巻き目にと以下同様に接続し、反対の(最高)端から始めてDC源からの正のリードを電極114bの3つの巻き目に、これを電極110bの次の3つの巻き目に、これを電極114bの次の3つの巻き目に、これを電極110bの次の3つの巻き目に、これを電極114bの次の3つの巻き目にと以下同様に接続することのような電極セル又はセル内の電極の直列接続による負荷電圧とソース電圧との調整されたマッチングによって達成される。切頭円錐の巻き目及び/又はスタックは、ソース・アンペア数と合致させるために必要な面積を生じるように調整されてもよい。
【0271】
この実施形態の別の態様において、電気分解によって生じるガスの分離を提供することに加えて、本発明の幾つかの実施形態によって発生するポンピング作用は、作動の相対的な規模に応じて、電極110bの部分内及び/又は電極114bの部分とコンテナ102bとの間に一般に位置する炭素布、活性炭粒、膨張シリカ、グラファイト・フェルト、石炭、木炭、果物の種子、木材チップ、細断された紙、おがくず、及び/又はこうした選択物の混合物のような適切な媒体の中に宿る微生物への栄養素の送達を提供する。対応する機能及び恩恵は、システムの熱的安定化、供給原料の循環、及び二酸化炭素のような生成物の除去、並びにこうした微生物のインキュベーション、栄養補給、及び成長によって産生される場合がある酸からの水素の生産を含む。
【0272】
低い及び中程度の電流密度では、低密度溶液及び泡によって誘起される浮力が、電解質をコンテナ102b内で循環させることができる。より高い電流密度では、前に開示されたように電解質の温度、圧力、及び循環を適応して制御することが有利である。電解質の外部循環は、図示のように取付具126bから取付具138bにであってもよく、随意的な直列及び/又は直並列回路で接続される1つ又は複数の電極セルがコンテナ102b内に収容される状況を含む。
【0273】
別の態様において、実施形態は、電極110b及び114bの間の環状スペースに対して接線方向に流体を導く1つ又は複数の穴又は溝139bを通して相応により高い電解質流体の流量を送達するために、高い電流密度に対して最適化することができる。電解質は、電極によって形成される螺旋スペースに沿って上方に流れ、110b及び114bの間の環状スペースから110b及び114bによって提供される螺旋経路に入る電解質によって補足される。電極110b及び114bの間のスペースに入る電解質の角運動量は、それぞれ電極110b及び114b上で生産され且つこうしたモーメントを加える水素と酸素のような電解生成物による気泡を持ち上げるポンピングの勢いを増加させる。
【0274】
この電解質の循環は、電極110b及び114bとの間での電荷交換後に水素及び酸素原子又は二酸化炭素のような他のガスとなるイオンの迅速な置換えを保証する目的で、及び電気分解中の最小限の電気分極の損失での収集及び除去のためにこうしたガスを除去するのに非常に有益である。したがって、循環される流体を効率よく電気分解するために非常に高い電流密度が直ちに受け入れられる。別の態様において、電気分解の生成物の害になる停滞及び/又は蒸気核生成のような相変化、及び有効電極面積の減少を防ぐ改善された電解質循環から結果として得られる設計の莫大な冷却能力によって高い電流密度のさらなる適応が提供される。
【0275】
別の態様において、電極110b及び114bは、共振周波数で有利に作動することができ、又は圧電ドライバ、回転偏心、及び泡生成作用を含む種々の誘因と、結果として生じるポンピング作用によってより高密度の電解質インベントリが電極110b及び114bの表面に送達される際の電解質と気泡のあまり濃厚でない混合物による加速推力とによって摂動する(perturbed)、ばねの形態を構成してもよい。摂動に応答して、電極110b及び114bは、固有周波数又は誘起された周波数で振動して、核生成箇所を含む表面からの泡の除去をさらに強化し、したがって、より高い電流密度及びより高いエネルギー変換効率を可能にする。
【0276】
110b及び114bのようなつる巻ばねの形態の電極の誘起される振動はまた、機械的蠕動アクションを引き起こして、それぞれの収集経路及び電解槽100bの出口ポートの方への気泡の加速を強化することができる。この振動中に、電極の巻き目の隣接する層の間の平均距離及び角度の周期的増加及び減少は、誘因(単数又は複数)の大きさ及び周波数に応じて固定の又は移動するノードを生じる。
【0277】
図5Bは、種々の用途又は電解質のための螺旋流送達構成を含む図2Bに示される絶縁体10bのような選択物を含む110b’及び114b’の間の電気絶縁性スペーサ111bと併せた作動に対する一組の電極110b’及び114b’の代表的な断面図を示す。同軸電極110b’、スペーサ111b、及び電極114b’の組立体は、改善された効率及び汚れに対する抵抗をもつ、水、嫌気性消化装置からの液体、又は海水のような流体の効率的な解離を可能にするための非常に堅牢な自己強化システムを提供する。電極110b’及び114b’は、導電性カーボン紙、布、又はフェルト;編まれた又はフェルト炭素及び金属フィラメント、編まれた炭素又は金属フィラメントの間に挟まれたグラファイト粒;又は電解質を構成する化学物質に応じて酸素、塩素、又は二酸化炭素のような同時生産されるガスからの水素のそれぞれの分離に関して図示のように傾斜される平行な中心線上の多数の穴と共に前に開示された場合よりも多く又は少なくドリル加工される軟鋼、ニッケルめっきされたスチール、又はステンレス鋼のような金属−めっきされたポリマー又は金属シート素材から構築されてもよい。
【0278】
電極110b’、スペーサ111b、及び電極114b’が図4Bに示すように同軸電極配置で使用される場合には、水素は、ポート116bに送達され、解離を受ける物質に応じて、酸素、塩素、又は二酸化炭素のような生成物の送達がポート118bで提供される。幾つかの場合には、各穴がスペーサ111bと接触する表面上の穴の直径からスペーサ111bから離れる出口表面でのより大きい直径に僅かにテーパされるように、110b’及び114b’に多数の穴を提供することが好ましい。
【0279】
結果として生じる電極間の幅スペースを最適化するために利用可能な電力及びシステム伝熱要件と釣り合った速度で138bから電極110b’及び114b’、及びこれらを通して取付具126bに電解質を送達するための螺旋ピッチ、電極間の幅、及びスペーサ111bを備えるストリップの厚さを選定することが好ましい。これは、結果として、電極110b’内のゾーンへの水素の分離及び電極114b’の外部スペースへの酸素、二酸化炭素、又は塩素のような同時生産されるガスの送達を保証しながら、電極110b’及び114b’での電気分解プロセスのためのイオンの豊富な送達をもたらす。
【0280】
別の態様において、水素電極の底部に水素、及び酸素電極の底部で酸素を加えるための適切な取付具と共に、水素電極の中のガス流れ溝と酸素電極の中のガス流れ溝とを提供することによって、システムを再生的に作動することが可能である。この場合においては、特に、単一のキャニスタ組立体がエネルギー需要を満たす、小さい燃料電池において、同軸螺旋電極を使用することが有利な場合がある。
【0281】
図6Bを参照すると、可逆燃料電池作動の場合に用いられる螺旋電極(単数又は複数)の断面が示される。これは、電極114bの又は類似の螺旋バージョンの電極110bの表面対体積比、断面係数、及びカラム安定性の改善を提供する。電極114bは、螺旋を形成するのに用いられるストリップ・ストックを波形にすることによって形成されて、燃料電池作動のための酸素の送達を提供し、及び電気分解作動において酸素を環136b及び取付具118bに送達する、螺旋溝に沿ってガス152bが流れている状態の断面で例証される。同じ構成は、有機酸を二酸化炭素と水素に変換するための燃料電池及び電気分解モードの電極110bに対して良好に働き、電気分解モードにおいて、前に説明したように所望の収集又はソースポートへの豊富なガス送達を保証する。
【0282】
別の態様において、尿素のような化合物と共に炭酸、酢酸、酪酸、及び乳酸のような有機物質の水性誘導体を水素に変換する微生物の成長及び保守を容易にすることによって、改善された電極性能が提供される。水素イオンの生産及び/又は二酸化炭素の放出のために選定された電極上で、基板電極への電気抵抗を減少させ、且つ消化プロセスによって提供される所望のフィルム物質と共に微生物及びバイオフィルムを定位置に保持するのを助ける高いアスペクト比のフィラメント又はウイスカ(whiskers)を含む有効表面積を増加させる立体的(topographical)強化でこうした電極表面を用意することによって、微生物生産性の増加が容易にされる。
【0283】
理論に制限されることなく、立体的処理又は強化のような電極及び/又は分離器の特定の機能部は、所望の場所での電解質のキャビテーション又はスーパーキャビテーションを含む乱流を促進し、これが次に、その場所での核生成を促進すると考えられる。逆に、電極及び/又は分離器の特定の構成は、所望の場所、例えば電子移動点でのキャビテーション又はスーパーキャビテーションを含む乱流を抑制し、これが次に、該場所での核生成を抑制することがある。これらの機能部を含む要素は、核生成が望まれる電解槽の中のあらゆる場所で実装することができることが考慮される。そのうえ、これらの同じ機能部及び原理は、電解槽と流体的に連通するガス収集容器又はこれに類似のものに、又はそれらの間の通路又は弁との流体連通に当てはめることができる。
【0284】
適切なフィラメント及び又はウイスカは、より効率的に二酸化炭素を放出するための増加した表面積、減少したイオン−輸送及び抵抗損、増加した微生物生産性、及びより効果的な核生成活性化を提供するために、金属又は炭素、ケイ素、若しくは炭素又は窒化ホウ素のナノ直径フィラメントのようなドープされた半導体を含む。こうしたフィラメントはまた、微生物生産性、強化された酵素及び触媒の利用効率、及び関係する有益な水素イオン生産プロセスをさらに改善するグラファイト粒を固定するのに使用されてもよい。同様に、水素イオンが電子と共に提供されて水素原子を生じ、且つ二原子水素の気泡の核をなす電極で、活性領域を増加させ且つプロセス全体に必要な電圧を減少させるためにフィラメント及びウイスカが使用されてもよい。
【0285】
炭素ウイスカに加えて、鉄合金電極のような適切な基板上に蒸気から堆積され又はめっきから成長させられるスズ、亜鉛、ニッケル、及び耐火性金属のような金属から成長させられるフィラメントは、減少された電気抵抗及び改善されたプロセス効率を提供することが見出されている。こうしたフィラメント又はウイスカは、導電性(conducive)界面活性剤の添加、及び又はスパッタリングによって又はメタン、エタン、プロパン、及びブタンを含むアセチレン、ベンゼン、又はパラフィン系ガスのような例証となる前駆体からの炭素供与体のような物質の分解から堆積される炭素、窒化ホウ素、又は炭化ケイ素のような適切な物質での表面めっきによって、バイオフィルムの支持及びプロセスの強化により適したものにされてもよい。
【0286】
図4Bの実施形態及びその変形は、式1〜式6で要約されるように有機液体からの水素分離を含む流体解離の低密度気体誘導体の有利な分離を提供して、水素又は水素を富化された混合物の選択物をポート116bに送達し、一方、二酸化炭素又は固定窒素構成要素を含む二酸化炭素を富化された混合物をポート118bに送達することができる。幾つかの用途において、これらの電極の極性を反転させて、分離されるガスのための送達ポートを反転させることが望ましい場合がある。こうした反転は、種々の目的を達成するために長期のもの又は間欠的なものであってもよい。電極110b及び114bの螺旋ピッチ(単数又は複数)、及び各電極の共振又は課される振動周波数、並びに各電極での相対流体速度の選択に応じて、水素はポート116bに送達されてもよいが、システムはメタンと二酸化炭素とを含むように作動されてもよい。しかしながら、ポート118bに送達される二酸化炭素は、メタン及び水素よりも高い密度の他のガスを含んでもよい。内燃機関、種々のバーナ、炉、又は燃料電池のスロットルを絞られない作動を可能にするために水素とメタンとのハイブースト(Hy−Boost)混合物を提供することが望ましい用途では、ポンプ36b及びコントローラ52bによって提供されるような油圧及び電気回路制御措置で作動する図4Bの実施形態は、ポート116bで送達するために水素とメタンとの制御された比率をもつ所望の燃料混合物を生産し及び分離するオプションを容易にする。
【0287】
コロイド状の炭素、ナノ構造体を含む炭素フィラメント、剥離炭素結晶、グラフェンの小板(platelet)、活性炭、ゼオライト、セラミックス、及び又は窒化ホウ素粒のような媒体を電気化学電池に加えることによって、有機供給原料の水素及び/又はメタンへの所望の変換を生じる微生物の活発な嫌気性コロニーの生産のための、思いがけないが特に有益である配置が提供される。こうした媒体は、強化された触媒生産性を提供するために種々の薬剤をドープされ又は混合されてもよい。例証すると、望ましい機能性は、ホウ素、窒素、マンガン、硫黄、ヒ素、セレン、ケイ素、テルル、及び又はリンなどにより良く似ている又はあまり似ていない電子構造を有する選択された薬剤をドープすることによって提供されてもよい。電気分解プロセスによって放出されたガスによって誘起される循環は、より効率的な電荷電流の利用のために、こうした媒体の有利な場所及び密度へのソーティングを促進することができる。
【0288】
特定の理論に限定されるものではないが、こうした相乗的な結果は、結果として生じるバイオフィルム及び反応ゾーンへの酵素、水素、メタン、又は二酸化炭素の有利な吸着と共に、重要な場所での増加した表面積と、核生成プロセスを強化する及び又は電子又は水素イオンを伝導するストリンガ、領域、又はフィラメントの開発に関係すると仮定される。微生物は、行われる作動において効率よく使用される場所及び本明細書で開示される種々の実施形態において生じる流路への循環のためにインキュベートされることも示される。
【0289】
炭素、グラファイト、種々の金属炭化物、及び炭化ケイ素、並びに性能を触媒作用で強化する他の無機物質及び粒子のようなウイスカ及びフィラメントに加えて、微生物プロセスを支援するために所望の栄養素又は触媒を与える活性化された物質及び粒子を使用することが有益である。例証すると、ポリマー、セラミックス、又は活性炭の多孔質基体及び/又は剥離基体は、コ−テトラメトキシフェニルポルフィリン(CoTMPP)又はポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)のような導電性有機触媒を吸着してもよく、及び又は酵素を含む他の触媒物質、並びに付加的な酵素を含む触媒物質を組み入れ及び与えるのに使用されてもよいグラフトポリマーを都合良く配向し及び与えてもよい。
【0290】
適切な物質又はグラフトポリマーは、白金及び他の高価な触媒及び導体を最小にし又はこれと置き換えるために、従来の、デンドリマー、ファイバ形態、及び他の有機機能性材料のものを含んでもよい。こうした置換え物質及びそれらの利用は、本明細書で開示される幾つかの実施形態から結果として得られる流体循環に関する混合物又は段階的な場所を含む。様々に特化された導電構造体及び又は触媒構造体は、電極4b、8b、110b、又は114bに成長させられ又は取り付けられ、及び/又は炭素フェルト又は編まれた構造体に重ね合わされ、又は発達中のバイオフィルムの中に分散されてもよい、針状堆積物及びファイバを含む。例証すると、導電機能性及び/又は触媒機能性は、ヒドロゲナーゼ及び他の酵素、CoTMPP、及び又はポリ(3、4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)のような他の触媒を保持し及び与えるフィラメントによって、100よりも大きいアスペクト比をもち且つ電荷伝導性に対する低い抵抗を提供する自己組織化した細い直径のナノファイバとして水性界面活性剤溶液から合成されるファイバとして提供されてもよい。陰イオン系界面活性剤のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む水性溶液中での合成は、SDSの濃度を変えることによって種々の構成を生じ、且つさらに、FeCl3を添加することによって重合構造体を生じるように適合することができる。(例示的な手順は、Moon Gyu Han et al.、Facile Synthesis of Poly(3,4−ethylenedioxythiophene)(PEDOT)Nanofibers from an Aqueous Surfactant Solution、Small2、No.10、pp.1164〜69(2006)で説明され、参照により本明細書に組み込まれる)。他の例は、セルロースナノファイバから導出されるナノコンポジットの形態の機能性触媒及びマイクロ導体、並びに第4級アンモニウム側鎖をもつポリアニリン(PANI)及びポリ(p−フェニレンエチニレン)(PPE)誘導体を含む半導電性共役ポリマーを含む。陰イオンの表面電荷をもつセルロース、炭素、又はセラミック・ウイスカは、正に帯電した共役ポリマーと組み合わせて、蟻酸のような極性溶媒から溶液キャストすることができる安定な分散を形成することができる。
【0291】
調製物は、有機金属アルコキシド、金属アルキルのグラフトポリマー及びエンドキャップ、並びに酢酸及びCOOH末端基を含有するポリマー触媒の触媒的恩恵の適用を含む。特別な官能性及び二官能末端基は、末端基の混合物と共に、触媒機能、反応性安定剤、グラフト化(grafting)剤、及び分散重合のプロモータを含む多官能性の特徴を生じるように選択されてもよい。同様に、嫌気性微生物によって産生される水素及び又は酵素による炭素又は他の基体の特化された活性化は、局所的に水素リッチな環境を提供してメタンの生産を強化し又は低下させ、及び種々の有機物質からの付加的な水素の生産を強化する。
【0292】
図1B〜図3Bを参照すると、随意的に、炭素フィラメントの1つ又は複数の補足的フェルト及び又は編まれたスクリーンを円筒形構成要素8b、10b、11b、110b、及び/又は114bの外面及び内面に提供することが有利な場合がある。こうした補足的フェルト及び又は編まれたスクリーンは、電極4b、8b、110b、及び又は114b、及び又は分離器10b又は11bと併せて電子を相応に捕集し又は分配し、且つ粒、フィラメント、及び又は他の構造体を固定し又は優先的に配置するのを助けて、圧力損失を減少させ、又は液体の流れをより均等に分配し、且つ所望のエネルギー変換作動における微生物の機能を容易にしてもよい。
【0293】
水素と二酸化炭素の正味生産を提供する補足的な且つ競合する反応及びプロセスのうちの種々のプロセスステップが式8で要約される。
炭素+2H2O→CO2+4H++4電子 式8
【0294】
嫌気性消化装置又は電解槽からの液体と混合される成分又は炭素質の物質として又は種々の製造成果の結果として供給されてもよい炭素を含む炭素は、式8で要約されるように消費される。例証すると、炭素は、電極、タンクのライナを含む電極上の電極コーティング、又は粒子、又はフィラメント、又は凝集剤、又は熱解離及び反応プロセスによる選択されたカーバイドを生産するための研削、機械加工、電気−放電−機械加工(EDM)、及び種々の熱化学作動からの、有機物質の種々の度合いの脱水素化の成果としてのコロイド状の又は他の懸濁液を含む、スクラップを含んでもよい。
【0295】
こうした炭素及び/又は炭素−供与体供給原料は、供給される液体から二酸化炭素及び他の栄養素を受け取る細菌、植物プランクトン、又はより大きい藻類によって、又は水耕及び又は土壌栽培植物への二酸化炭素の循環によって、再生可能に供給されてもよい。高い表面対体積比をもつこうした形態の炭素を使用すること、及び示される反応を駆動する目的で、及び水素の気泡を生産し、核生成し、及び放出するためのフィラメント及び導電性フィルタ物質のような補足的な導電性媒体を含む電極表面に水素イオンを送達して総合水素生産率を増加させるために、それらが送達されるゾーンに電圧勾配を提供することが有利である。
【0296】
作用面を増加させるため適切な措置及び又は凝集剤は、種々の形態のコロイド状の炭素、活性炭、及びカーバイドと共に、細菌、タンパク質、単糖類及び多糖類、セルロース、熱により解離されるセルロース、生きている及び解離される植物プランクトンのような有機成分を伴うものを含む。例証すると、植物プランクトン及び又はより大きい藻類は、成長させられ、乾燥され、コーンシロップのようなバインダと混合され、熱により種々の程度に脱水素化され、ミルされて、細粒の凝集剤を提供してもよい。代替的に、活性炭供給原料は、酵素受取体又は綿状媒体として使用される細粒の粒子を提供するためにミルされてもよく、又はこれは、酵素の所望の生産又は効率を強化するため、所望の微生物のインキュベーションをサポートするため、又は水素又はメタンの生産及び又は炭素の消費を増加させて式8によって示されるように電気分解のための水素イオンを生産するために、前に開示された物質と併せて用いられてもよい。
【0297】
必要であれば、塩水又は水ベースの電解質への少量の塩の添加の時折の使用は、示される電解槽システムを迅速に消毒するため又はその害になる汚れを防ぐために塩素を生じることができる。幾つかの実施形態、例えば図5Bの利用は、廃水、商業プロセス水、木灰水、海水、フライアッシュ水、運河及び排水溝の水、又は嫌気性消化装置の液体のような電解質を使用するときであっても、結果として得られるシステムが本質的に害になる汚れのないものとなることを可能にする。さらに、こうしたシステムは、取付具118bから138bに電解質又は洗浄水を逆流させて、電極に送達されている場合がある粒子を取り除くことによって、必要な場合に迅速に浄化することができる。
【0298】
幾つかの実施形態の用途は、ナノサイズの電解槽への大きな共同体の廃棄物処理作業を含み、そこから水素及び/又はメタン及び又は二酸化炭素及び他の植物栄養素の生産のための有機物質を含有する溶液又は「液体」が供給される従来の廃棄物消化装置への改善を含む。この能力において、幾つかの実施形態は、嫌気性消化装置によって生産される副産物の迅速且つ効率的な変換を提供し、水素イオンを水素に変換し、メタン生産作動の酸劣化を克服することができる。作動時には、嫌気性消化装置からの液体を使用して、水素と二酸化炭素を生産して、メタン生産システムを妨害する場合があるより酸性の条件の代わりに7.0付近のpHの有益な回復及び又はメンテナンスを提供する。これは、消化装置の中のpHを調整するために化学薬品を添加する高価な措置に対する要件を克服するので、増加した総合エネルギー変換効率を可能にする。このような媒体及び大規模な用途では、強化された性能のための様々に活性化された条件でこうした物質を含む炭素、窒化ホウ素、ゼオライト、ポリマー、及びセラミックスのような粒の所望の保持を提供してもよい電子分配回路を含む多機能性構成要素を設計し及び工学的に操作することが有益である。
【0299】
別の態様において、本明細書で開示されるような電解槽は、屠殺場、搾乳場、養鶏場、及び他の動物飼料センター又はこれに類似の場所からの廃棄物と共に、都市廃水及び埋立地での用途を含む、嫌気性消化によって典型的に生じる酸の迅速な変換を提供するために適用されてもよい。メタンの生産は、嫌気性条件によって生産される酸がpHを7よりもはるかに低く下げる場合に遅くされ又は抑制される。こうした酸は、有機物質の供給率が微生物のメタン生成コロニーの能力を上回る場合に生成することができる。こうした酸から水素を抽出することによって、嫌気性消化による有機物質処理率を増加させることができる。メタンと水素の組合せは、廃棄物1トンにつきはるかに大きい正味エネルギー生産を提供し、廃棄物は、より速く処理されてプロセスの能力を増加させる。
【0300】
幾つかの実施形態のうちの特に有用な実施形態は、式1〜式6で要約される嫌気性電解(electro)−消化プロセスで、加水分解された生ごみ、農場廃棄物、及び森林の木くずと共に、汚水のような有機物質を使用して、最小限の酸素生産を伴って又は酸素生産なしに水素を生産する、廃棄物からエネルギーへの用途におけるものである。堅牢な構成及び再循環作動は、電解質として使用される嫌気性プロセス液体中の有機固体及び粒子を含む溶解される固体に対する大きな許容誤差を可能にする。水の電気分解によって放出されるであろう酸素の相応の放出を伴わない水素の生産は、廃棄物により生じる水素の電気発電機のような電気機器における冷却ガスとしての利用に対するより高い効率及び安全性を容易にする。
【0301】
本明細書で開示される幾つかの実施形態の別の用途において、図7Bに示すような電解槽システム900bは、インキュベータの目的でより速い又はより完全な処理、消化及び/又は支持を可能にするために、調整器950bにおける酵素、機械的作用、熱、音響、電気、圧力及び/又は化学的作用及びプロセスによるバイオマスの組織及び/又は細胞の破壊を提供する。調整器950bからのこうした破壊された細胞と変換器902bによって生産される関係する供給原料を含む流体は、図示のようにベース910bの環状分配器922bを通して電解槽914bに循環される。嫌気性微生物は、図示のように媒体940b及び942bによって支持され、導管910bを通して水素分離器904bから再循環される液体と導管908bを通して二酸化炭素分離器906bから再循環される液体とを受け入れる。電極918b及び/又は媒体942bは水素を放出し、電極916b及び/又は媒体940bは二酸化炭素を放出する。形成される絶縁フィルムを克服するために化合物解離要件及び増加した電圧に対する時折のニーズに応じて0.1から約3VDCまでの範囲であってもよいソース924bによって回路926bを通して電極916b及び918bに電動バイアスが提供される。水素は、図示のように所望の直列/並列のバリエーションに応じて導電面であってもよい又は絶縁体930bによって収容され及び支持される、より多い又はより少ない円錐形表面925bに沿って移動することによって、収集及び送達のために分離器904bに送られる。
【0302】
作動時には、液体は、分配器環922bの中で混ぜられ、上方に移動して、こうした粒を電極916b及び又は918bの近傍で包み及び実質的に保持する活性炭布及び/又は粒940b及び942b及び又は導電性フェルトの中に宿っている微生物にプロセス反応物及び栄養素を提供する。電解槽システムの全体にわたる場所に入り込んで、前に開示されたものを含む電荷伝導性、酵素、及び触媒機能を強化するために、より小さい粒子及びフィラメントが加えられてもよい。分離器902bは、逆浸透膜、若しくは陽イオン又は陰イオン交換膜であってもよく、又はこれは、図2B、図3B、図4B、又は図5Bに示される実施形態に従って構築されてもよく、幾つかの場合には、こうした分離器は、種々の液体循環経路を提供するのに望まれる場合に、及び/又は水素と二酸化炭素を異なる圧力で又は水素と二酸化炭素との間に圧力差をもって生産するために、互いに併せて用いられてもよい。
【0303】
同様に、図示のように電極916bが隣接するフェルト及び又は媒体940bと共に電子源として作動して、ガス生産リフトの作用によって、対流性の流れ、又はポンプ送達によって循環される液体から送達されるイオンから水素を生産する場合に、多くの循環オプションが利用可能である。このオプションにおいて、二酸化炭素は、図示のように、水素イオンが、902b及び950bから送達される酸から生産される又は電極918bによって電極916bとは反対になるように電気的にバイアスされる繊維性又は粒状媒体942b及び関連するフェルト材料の中に宿る微生物によって生産される際に放出される。別の例示的なオプションは、図示のように、電子が電極918bによって供給されて、ガス収集器904bへの送達のために絶縁体930bによって収集される水素を生産する場合の結果である。この場合、電極916bと、これと電気的に関連する媒体は、図示のように、二酸化炭素が放出されて二酸化炭素が絶縁体930bを通過して収集器906bに送達される際の示される流体回路でのポンピングを提供する場合の電子収集器である。
【0304】
図7Bを参照すると、システム900bは、メタン、水素、及び/又は二酸化炭素への光合成によって、及び/又は微生物によって生産されるような有機供給原料を変換するために用いることができる。宿る微生物に応じて、尿素のような化合物と共に酢酸及び酪酸のような酸を典型的に含む液体が電解槽914bの中で解離される。電解槽914bは、こうした化合物と酸から水素を生産するのに十分な電圧で電流を提供し、消化装置及び電解槽としての作動を提供してもよく、又は嫌気性消化装置(図示せず)内で作動されてもよく、又は図示のように914bの中で嫌気性消化によって生産される液体を使用してもよい。こうした作動は、炭素強化された耐久性のある物品を製造するために共同体に燃料及び供給原料を供給する目的で共同体及び又は工業パークからの有機廃棄物を変換するために特に有用である。
【0305】
図8Bを参照すると、別の態様において、本明細書で開示されるものを含む、電解槽で利用するための1つ又は複数の導電電極の配置が、電解槽の単極又は二極構成要素として電気的に接続されてもよい平板(図示せず)又は図示のように同軸電極1002b、1003b、1004b、又は1005bを含むものとして示される。こうした導電性電極のうちの幾つか又はすべては、離間されたグラフェン又は他の厚さの層(例えば、炭素及び/又はBN「フィルタ」)などの高い表面対体積の材料として広大な表面を提供する。これは、カソード表面で水素の生産のための電子及びプロトンを放出するために揮発性脂肪酸を含む種々の有機物質を分解する微生物を宿す目的で働き、上記の実施形態のいずれかと共に用いるために実装することができる。
【0306】
別の態様において、微生物が産生して揮発性脂肪酸及び種々の他の有機物質を分解する本質的な酵素が、電極1002b、1004b、1006b、1008bを備える高い表面対体積の材料の中に組み入れられる活性炭又はポリマー粒子又はフィラメントに加えられる。代替的に、本明細書で説明される任意の微生物、酵素、又はプロモータを前記表面の中に組み入れることができる。こうした酵素又は他の材料又はプロモータが枯渇し、劣化し、又は破壊される際に、補足的な量のこうした酵素、材料、又はプロモータが必要に応じて加えられてもよい。このシステムは、微生物が分離される場所で生育するが図示のように電解槽の作動で使用されることになるこうした酵素を提供できるようにすることを含む、プロモータの最適化を可能にする。
【0307】
別の実施形態において、本質的な酵素、微生物、又はプロモータは、複製又は様々に変更された「デザイナー酵素」として人工的に生産され、これはセルロース又はリグノセルロースのような適切な天然ポリマーに又は種々の工場生産されるポリマー又は化合物にグラフトされる。
【0308】
微生物の生きているコロニー、又は微生物の生きているコロニーから伝達される酵素、又は工場で複製される又は様々に変更されたデザイナー酵素を宿す、維持される酵素システムにおいて、電解槽の中の電解質の電気抵抗を最小にすることが望ましい。これは、水素が所望の高い圧力で生産される際に消費される種々の酸及び尿素のような他の物質と共に酢酸に関して式9で一般に示されるようなプロセスを容易にし、これはまた、本明細書で開示されるあらゆる実施形態で実施することができる。
CH3COOH+2H2O=2CO2+4H2 式9
【0309】
別の態様において、化学的に活性の物質を検出し、及びこうした物質又は酵素の存在、能力、及び実行可能性を識別するためのシステムを、化学的に活性の栄養素の量を含む作動条件及び維持される酵素システムの作動を最適化する目的のための他の作動条件を調整する適応制御システムを可能にする目的で、本実施形態と共に用いることができる。また、前記システムは、本明細書で開示される実施形態のいずれかと共に実装することができる。
【0310】
他の実施形態又は本明細書で開示されるあらゆる実施形態の態様において、電解質の導電性を増加する目的で溶液中に溶解され又は他の方法で保持されるCO2の量を増加させるのに十分な圧力で選択された微生物及び/又は維持される酵素と共に作動することが望ましい。これは、システムの効率及び作動能力を、以下の方法を含む幾つかの方法で改善する。
1)高い圧力で生産される水素は、多段水素ガス圧縮機を作動するために資本費用、メンテナンス、又はエネルギー費を被ることなく、コンパクトな加圧された貯蔵部に送達することができる。
2)高い圧力で生産される水素は、市場に伝送するための加圧されたパイプラインに直接採り入れることができる。
3)高い圧力で生産される水素は、他の反応物を加圧して、反応できるようにする又は反応を加速するために用いることができる。例証すると、加圧された水素は、適切な反応器の中の窒素に加えて、アンモニア又は他の生成物を生じることができる。
4)電解槽の電極表面上での二酸化炭素の放出を防ぐ又は最小にするために加圧することは、電解槽の設計を大いに簡素化する。
5)加圧された電解槽又は適切なサブシステムからの高い圧力での水素の収集と別の場所での減圧後の又は別のサブシステムによる二酸化炭素の収集による水素と二酸化炭素の生産の分離
【0311】
図9Bを参照すると、適切なポンプ1114bから電解槽1102b内に加圧された電解質及び/又は適切な電解質を形成する前駆体流体を受け入れてもよい高い圧力の電解槽1102bを含むシステム1100bが示される。加圧された水素は、図示のようにタップ1106b及び1124bの端間に印加される電圧と共に、1002b、1004b、1006b、1008bなど又は1104bのように示される1つ又は複数の電極上の微生物の活動及び/又は他の方法で維持される酵素の結果として生産される。高い圧力の水素は、圧力調整器1120bによって導管1122bを通して適切な用途に送達される。
【0312】
二酸化炭素を含有する加圧された電解質は、流体モータ−発電機1126bを通して流れて、藻類のスイッチグラス、葛、又は種々の他の収穫物1132b及び/又は1134bを成長させるための水耕システム又は温室1130bのような適切な二酸化炭素の使用先に分流される際に、流れている電解質の運動エネルギーと二酸化炭素の周囲圧力への膨張を利用することによって仕事を生じる。二酸化炭素を使い尽くされた電解質は、ポンプ1114bによって3方弁1112bを通してリサイクルされる。
【0313】
1130bの中で成長させられる材料を含むバイオマスは、粉砕され又は他の方法でプロセッサ1136bの中での適切な機械的処理、音響処理、化学処理、熱処理、又は放射線処理によって生じる壊れた細胞材料で構成される活性化された物質のスラリーにされる。こうした活性化された有機供給原料は、図示のようにフィルタ1110bを適切に通して3方弁1112bを通してポンプ1114bを通して圧力電解槽1102bに入れるために、アキュムレータ1108bに加えられる。
【0314】
システム1100bの作動は、図示のように化学的に活性の薬剤のセンサ1140b及び1150bと共に、圧力、温度、及びpHセンサ1142b、1144b、1146bに応答してコントローラ1101bによって提供される。これは、最適化された性能に対して望まれる維持される酵素条件を提供する目的で、ポート1118bを通して矯正(corrective)物質が加えられることを可能にする。
【0315】
別の実施形態において、適切な電極は、本明細書で開示されるように可塑的に(plastically)形成される編まれた実施形態又は螺旋形の実施形態を提供するために、四角形又は長方形又は種々の「星形」形状又は平坦なストリップのような円形又は他の断面のワイヤから形成されるシステムを含む。鉄又は他の遷移金属ベースの合金のような材料選択物が、次いで、熱処理されて、こうした飽和したゾーン、特に表面付近の成長を可能にするために付加的な熱処理によってさらに画定され又は成長させられる飽和したゾーンを含む固体溶液中の種々の量の炭素を浸炭し及び生産する。発達する炭素ゾーンは、炭化水素又は一酸化炭素のような炭素供与体がこうした表面上で分解される際に付加的な炭素の堆積を加速する。式10及び式11は、炭素供与体の生成熱に等しいか又はこれより高い量で熱処理される基体に熱を提供するこうしたプロセスの全体を示す。
CxHy+熱axC+0.5yH2 式10
CO+熱aC+0.5O2 式11
【0316】
幾つかの態様において、炭素堆積を続けて、所望の形状及び表面対体積比の非常に耐久性のある複合材を生産するために最初の飽和ゾーンでのボンディングと共に十分な深さで電極全体を効果的に被覆する炭素フィルムを生産することが望ましい。
【0317】
別の実施形態において、飽和状態に近づく炭素リッチなゾーンの最初の調製及び配向は、実施形態の高温又は低温仕事によって修正されて、炭素結晶構造の十分に一様な配向を提供し、その後の炭素堆積の顕著にエピタキシャルに影響を受ける堆積を提供する。主として縁が露出され又は元の表面に対してより平行なグラフェン層としてこのように堆積される配向される炭素は、所望の微生物プロセスの支持を提供するために競争的にテストされる。これは、「デザイナーカーボン」が所望の各種の微生物プロセスに対して選択されることを可能にする。
【0318】
図10Bを参照すると、別の態様において、本明細書で開示された実施形態で用いられる炭素/スチール電極の製造が開示される。これらの電極は、電解槽の改善された作動のための選択的酵素、微生物、又は他のプロモータへの取り付けのための表面処理された炭素を含むことができる。この実施形態に従って電極を製造するために、スチール又は合金鋼基体は炭素が飽和される。飽和される炭素の粒は、相Iに示すように炭素の所望の粒子配向を提供するために、例えば、誘導を通じた熱処理によって位置合わせされる。他の公知の熱処理方法が採用されてもよい。このステップの間、電極はまた、電極への損傷を防ぐ又は他の恩恵を提供するために液体冷却を受けることができる。
【0319】
相IIに示すように、電極は、次いで、ピンチローラの使用を含む公知のプロセスを通じて形状設定される。形状設定は、所望の場合に配向される炭素粒をさらに位置合わせする、平らにする、又は修正する状態で実施することができる。
【0320】
相IIIに示すように、炭素は、次いで、電極の表面上に炭素が堆積される又は成長させられる蒸着を含む公知の炭素堆積技術を通じて電極上に堆積される。このステップの間、炭素は、粒子配向をさらに強化する又は電極の所望の使用に応じて電極上の選択された場所に炭素を選択的に堆積する状態で堆積する又は成長させることができる。例えば、酵素、微生物、又はプロモータは、或る場所に堆積することができ、別の酵素、微生物、又はプロモータは、酵素、微生物、及びプロモータの制御される使用のための別の場所に堆積することができる。加えて、堆積される炭素を伴う電極は、誘導又は他の手段による加熱を通じてさらに処理して、粒をさらに位置合わせする又は配向することができ、これはまた液体冷却を含むことができる。このプロセスは、所望の炭素量及び/又は粒子配向及び/又は粒子位置が達成されるまで繰返すことができる。
【0321】
相IVに示すように、表面処理が完了すると、電極は、次いで、電極の特定の用途のために選択された1つ又は複数の酵素、微生物、又はプロモータ、例えば電気分解中の水素のような所望の化合物の生産を強化する酵素に露出される。上記のステップのいずれかにおいて、方法は、電極の特定の場所を対象とすることができる。そのうえ、電極の所望の構成又は使用に応じて異なる場所で異なる酵素を配置することができる又は異なる酵素密度を実装することができるように異なる処理条件を異なる場所に適用することができる。このように、電極は、特定の酵素、微生物、又はプロモータに対する親和力を有する炭素構成を含むように、及び酵素、微生物、又はプロモータを電極に所望の場所で結合して、酵素を所望の場所で電気分解又は電極の他の作動中に用いるために恒久的に又は実質的に保持するように製造される。
【0322】
本発明は、具体的な実施形態及び例に関して説明されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の修正及び適応が可能であることが当業者にはすぐに分かるであろう。したがって、本発明の範囲は以下の請求項によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能エネルギー源を用いてエネルギー供給を提供するための方法であって、 第1の再生可能エネルギー源であり、間欠的であるか又は十分な量のエネルギーを提供しない第1の再生可能エネルギー源を提供するステップと、
電気分解を通じてエネルギーキャリアを生産するために前記第1の再生可能エネルギー源から電解槽にエネルギーを提供するステップと、
燃料電池として用いるために前記電解槽を選択可能に逆転させるステップと、
前記エネルギーの生産のために前記電解槽に前記エネルギーキャリアを提供するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1の再生可能エネルギー源が太陽エネルギーであり、燃料電池として用いるために前記電解槽を逆転させる前記ステップと、前記エネルギーの生産のために前記電解槽に前記エネルギーキャリアを提供する前記ステップが、前記第1の再生可能エネルギー源が十分に入手可能でないときに実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の再生可能エネルギー源が、太陽、風、流水、有機、又は地熱エネルギー源からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エネルギーキャリアが水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記エネルギーキャリアが炭素ベースの材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エネルギーキャリアが窒素ベースの材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エネルギーキャリアがアンモニアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記エネルギーキャリアが炭化水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の再生可能エネルギー源、前記電解槽、又は前記エネルギーキャリアが、第1の熱源から補足的な熱を受け取る、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の熱源が、地熱、太陽、又は他の熱機関からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の熱源が第2の再生可能エネルギー源を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の再生可能エネルギー源が地層を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記エネルギーキャリアを前記電解槽に提供する前に前記エネルギーキャリアを貯蔵するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記エネルギーキャリアを貯蔵する前記ステップが、前記エネルギーキャリアを地層の中に貯蔵することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エネルギーキャリアを地層の中に貯蔵する前記ステップが、前記エネルギーキャリアが前記地層から補足的な熱を受け取ることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
膨張から仕事を取り込むように構成された膨張装置を提供するステップであり、前記膨張装置が前記電解槽又は前記エネルギーキャリア貯蔵に結合されるステップと、
圧力の下で前記膨張装置に前記エネルギーキャリアを提供するステップと、
前記エネルギーキャリアの膨張から仕事を取り込むステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記エネルギーキャリア貯蔵部が、前記エネルギーキャリアの膨張から仕事を取り込む前に前記エネルギーキャリアに熱を伝達する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記エネルギーキャリア貯蔵部が地層を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記エネルギーキャリアのエネルギー価が前記エネルギーキャリア貯蔵中に増加する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記地層から前記エネルギーキャリアに熱を加えることによって、前記エネルギーキャリアのエネルギー価が前記エネルギーキャリア貯蔵中に増加する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記地層から噴出した前記エネルギーキャリアにエネルギー価を有する炭化水素又は他の化合物を加えることによって、前記エネルギーキャリアのエネルギー価が前記エネルギーキャリア貯蔵中に増加する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記有機物質の電気分解のために前記電解槽に有機物質源を提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記有機物質源がバイオマス又はバイオ廃棄物を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
再生可能エネルギー資源を用いて実質的に連続したエネルギー供給を提供するためのシステムであって、
第1の再生可能エネルギー源と、
エネルギーキャリアを生産するために前記第1の再生可能エネルギー源に結合される電解槽であり、燃料として前記エネルギーキャリアを用いる燃料電池として作動を選択可能に逆転できるように構成される電解槽と、
前記電解槽から前記エネルギーキャリアを受け取る又は前記電解槽に前記エネルギーキャリアを提供するために前記電解槽に結合されるエネルギーキャリア貯蔵部と、
前記第1の再生可能エネルギー源及び前記電解槽からエネルギーを選択的に受け取るため及び前記第1の再生可能エネルギー源及び前記電解槽からエネルギーを選択的に提供するために前記第1の再生可能エネルギー源及び前記電解槽に結合されるエネルギー貯蔵部と、
を備えるシステム。
【請求項25】
前記第1の再生可能エネルギー源が、太陽、風、流水、有機、及び地熱エネルギー源からなる群から選択される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記エネルギーキャリアが水素を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記エネルギーキャリアが炭素ベースの材料を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記エネルギーキャリアが炭化水素を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項29】
前記エネルギーキャリアが窒素ベースの材料を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項30】
前記エネルギーキャリアがアンモニアを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項31】
前記第1の再生可能エネルギー源、前記電解槽、又は前記エネルギーキャリアのうちの少なくとも1つが、第1の熱源からの補足的な熱を受け取るように構成される、請求項24に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1の熱源が前記第1の再生可能エネルギー源又は前記電解槽を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1の熱源が、地熱、太陽、又は他の熱機関からなる群から選択される、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1の熱源が地層を含む、請求項31に記載のシステム。
前記第1の熱源が第2の再生可能エネルギー源を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
前記エネルギーキャリア貯蔵が、前記エネルギーキャリアに熱を伝達するように構成される、請求項24に記載のシステム。
【請求項36】
前記エネルギーキャリア貯蔵が、前記エネルギーキャリアのエネルギー価が前記エネルギーキャリア貯蔵中に増加するように構成される、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記エネルギーキャリア貯蔵が、前記エネルギーキャリアの貯蔵中に前記エネルギーキャリアに熱を加えることによって前記エネルギーキャリアのエネルギー価が前記エネルギーキャリア貯蔵中に増加するように構成される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記エネルギーキャリア貯蔵が地層を含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記エネルギーキャリアの膨張から仕事を取り込むように構成される膨張装置をさらに備え、前記膨張装置が前記電解槽又は前記エネルギーキャリア貯蔵に結合される、請求項24に記載のシステム。
【請求項40】
前記エネルギーキャリアの膨張からエネルギーを生産するように構成された膨張装置をさらに備え、前記膨張装置が前記電解槽又は前記エネルギーキャリア貯蔵に結合される、請求項24に記載のシステム。
【請求項41】
有機物質源をさらに備え、前記有機物質源が前記有機物質の電気分解のために前記電解槽に結合される、請求項24に記載のシステム。
【請求項42】
前記有機物質源がバイオマス又はバイオ廃棄物を含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項43】
再生可能エネルギー資源を用いて実質的に連続したエネルギー供給を提供するためのシステムであって、
第1の再生可能エネルギー源と、
メタンを生産するために第1の再生可能エネルギー源に結合される電解槽であり、燃料電池として作動を選択可能に逆転できるように構成される電解槽と、
前記電解槽から前記メタンを受け取る又は前記電解槽に前記メタンを提供するために電解槽に結合されるメタン貯蔵部と、
前記第1の再生可能エネルギー源及び前記電解槽からエネルギーを選択的に受け取るため及び前記第1の再生可能エネルギー源及び前記電解槽からエネルギーを選択的に提供するために前記第1の再生可能エネルギー源及び前記電解槽に結合されるエネルギー貯蔵部と、
を備えるシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図1b】
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【図2b】
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【図3b】
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【図4b】
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【図5b】
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【図6b】
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【図7b】
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【図8b】
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【図9b】
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【図10b】
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【図1C】
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【図1D】
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【公表番号】特表2013−503457(P2013−503457A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537875(P2012−537875)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/045669
【国際公開番号】WO2012/047188
【国際公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【出願人】(511201174)マクアリスター テクノロジーズ エルエルシー (23)
【Fターム(参考)】