説明

再生可能エネルギ貯蔵システム

【課題】再生可能エネルギ量の変動を考慮しつつ高効率で再生可能エネルギを貯蔵供給可能とした再生可能エネルギ貯蔵システムを提供する。
【解決手段】再生可能エネルギを貯蔵する再生可能エネルギ貯蔵システムであって、再生可能エネルギを電気エネルギに変換する発電手段1と、電気エネルギによって水素ガスを製造する複数水素製造装置2から構成される水素製造手段2と、水素製造手段によって製造された水素ガスを高純度化するバッファタンク3と、水素ガスを不飽和炭化水素に対して付加させる水添手段4と、水素製造装置の接続構成を切替える切替手段7と、切替手段を制御する制御装置8と、を備え、複数の水素製造装置とバッファタンクを接続する配管に、製造された水素ガスが水素製造手段に逆流することを防止する逆流防止機構9を備えた再生可能エネルギ貯蔵システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生可能エネルギ等の変動エネルギの貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料の大量消費が続き、例えば二酸化炭素等による地球温暖化、都市部の大気汚染等が深刻なものとなっている。このような中で、化石燃料に代わる次世代を担うエネルギ源として、水素が注目されている。水素は例えば太陽電池、風力等に代表される再生可能エネルギを用いて、電気分解による製造が可能であり、さらには、燃焼されることで水のみを生成する。従って、水素は、製造及び使用に伴う環境汚染物質の排出が少ない、クリーンなエネルギ源である。
【0003】
また、水素の製造方法として、化石燃料の水蒸気改質が工業的に広く利用されている。また、このほかにも、鉄又はソーダ製造に伴う副生水素、熱分解、光触媒、微生物、水の電気分解を用いた反応等、多数の製造方法が知られている。中でも、水の電気分解に必要な電力としては様々の供給源からの電力を利用することが可能である。従って、水の電気分解による水素の製造方法は、特定の地域に依存しないエネルギ源の製造方法として重要視されている。
【0004】
しかし、水素をエネルギ源(即ち燃料)として用いるためには、水素の輸送、貯蔵、供給システム等が大きな課題となりえる。具体的には、水素は常温常圧で気体であるため、液体及び固体に比べて、貯蔵及び輸送が困難であるという課題がある。さらに、水素は可燃性物質であり、空気と水素とが所定の混合比で混合されると、水素が爆発的に反応する可能性がある。
【0005】
これらの課題を解決する技術として、炭化水素燃料を脱硫装置で脱硫した後、水蒸気を加えて水蒸気改質器に供給し、ここで水素を発生させ、この水素を燃料電池に供給し、酸素と反応させて電気エネルギを取り出す燃料電池発電システムが提案されている。
【0006】
また、近年、安全性、運搬性及び貯蔵能力に優れた水素貯蔵方法として、例えばシクロヘキサン、デカリン等の炭化水素を用いた有機ハイドライドシステムが注目されている。これらの炭化水素は常温常圧で液体であるため、気体の場合と比べて容易に貯蔵及び運搬できる。例えば、ベンゼン及びシクロヘキサンは同じ炭素数を有する環状炭化水素であるが、ベンゼンは二重結合を有する不飽和炭化水素であるのに対し、シクロヘキサンは二重結合を有さない飽和炭化水素である。即ち、不飽和炭化水素であるベンゼンに対して水素が付加されることにより、飽和炭化水素であるシクロヘキサンが得られる。また、シクロヘキサンから水素が脱離されることにより、ベンゼンが得られる。このように、ベンゼン及びシクロヘキサンを用いた水素付加反応と水素脱離反応とを利用し、水素の貯蔵と供給とが可能になるシステムが、例えば特許文献1に記載されている。
【0007】
しかしながら、再生可能エネルギを利用した有機ハイドライドシステムを構築するためには、再生可能エネルギにより発生する電力量(即ち発電量)を考慮しなければならないことがある。つまり、再生可能エネルギによる発電量は、通常は気象条件によって変化する。例えば、再生可能エネルギとして風力を用いた風力発電の場合においては風の強弱、太陽光を用いた太陽光発電の場合には日照の強弱及び日照時間等により、発電量は変化することとなる。
【0008】
このような電力量の変化に対応するために、例えば特許文献2には、太陽光発電の発電電力に応じて水電解装置の電気的な直列接続数を可変することで、太陽電池の最大出力を高効率で利用する水電解システムの運転方法が記載されている。
【0009】
また、例えば特許文献3には、複数の水電解セルからなるセルスタックを複数有し、セルスタックが互いに電気的に直列又は並列に接続されて構成された水電解装置と、前記水電解装置に電力を供給する電力供給手段と、前記水電解装置に供給される電力の電圧を可変制御する電圧制御部と、前記水電解装置に供給される電力に応じてセルスタック使用数を選定するスタック数制御部とを備えることで、発電機を電力源としたエネルギ効率の良い水素製造設備が記載されている。
【0010】
また、例えば特許文献4には、所定数の水電解セルが積層される複数の水電解スタックを有する水電解装置と、少なくとも電圧変動電源を有して水電解装置に電力を供給する電源装置を備える水電解システムにおいて、水電解スタック毎に電力調整部を有することで、個別に供給電力を調整し、変動電力を最良の電解効率で駆動する水電解システム及びその運転方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2006/120841号パンフレット
【特許文献2】特開2001−335982号公報
【特許文献3】特開2005−126792号公報
【特許文献4】特開2007−31813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
例えば風力発電、太陽光発電等によって得られた電力を蓄電装置に直接貯蔵(即ち充電)する場合、長期間に亘って得られた電力を貯蔵しようとすると大量の電力を貯蔵しうる容量の蓄電装置を用いなければならない。そのため、蓄電装置の大きさが極めて大型化したり、蓄電装置の製造コストが増加することが懸念される。また、蓄電装置に貯蔵された電力を輸送することを考えた場合、極めて大型の蓄電装置を輸送しなければならず、輸送が煩雑となる。
【0013】
また、従来の技術に拠っては、蓄電装置の充放電を制御するに当たって専用の装置が必要になり、設備コストが高くなる。さらには、前記のように例えば太陽光発電であれば日照の強弱及び日照時間によって再生可能エネルギ量が変化するため、場合によっては再生可能エネルギの損失が生じ、再生可能エネルギを有効利用できないこともある。
【0014】
一方、特許文献2から4に記載の水電解システム及びその運転方法では、再生可能エネルギ変動電力に応じた水電解システムの電気的接続構成や供給電力を調整する運転方法が提案されているが、製造水素ガス収集方法は考慮されておらず、このまま有機ハイドライドシステムに組み合わせることはできない。
【0015】
また、複数ある水電解装置のガス配管を、全て接続して同一配管としてバッファタンクに接続することはできない。水電解装置は、稼働及び未稼働のいずれかの状態であり、全てのガス配管を接続し同一配管とすると、稼働部で製造された水素ガスが未稼働部の水電解装置に流入し、水素ガスの漏洩や、最悪の場合、流入した水素製造装置の故障の原因に繋がる。
【0016】
本発明はこのような課題を解決するべく為されたものであり、その目的は、再生可能エネルギ量の変動を考慮しつつ、高エネルギ効率で再生可能エネルギを貯蔵供給可能とした再生可能エネルギ貯蔵システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも、切替制御システムを具備した水素製造システムにおいて、各水素製造手段に接続された水素ガス配管と、バッファタンク等の他の装置又は他のガス配管との接合点までの間に逆流防止機構を備えることにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0018】
本発明に拠れば、再生可能エネルギ量の変動を考慮しつつ高効率で再生可能エネルギを貯蔵供給可能とした再生可能エネルギ貯蔵システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システムの構成を模式的に表す図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システムの構成を模式的に表す図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システムの構成を模式的に表す図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システムの構成を模式的に表す図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システムの構成を模式的に表す図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システムの構成を模式的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を適宜参照しながら、本実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システムを6つの具体例を挙げて説明する。
【0021】
[1.第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システム構成を模式的に表す図である。図1において、太い実線は電気配線を、細い実線は信号線(例えば制御信号、計測信号等)を、細い破線は燃料エネルギ(例えば水素、メチルベンゼン等)を、それぞれ表しており、各手段同士を接続する配線であって信号の授受を表している。また信号線同士の接続は塗りつぶした丸印で示している。
【0022】
図1に示すように、第1実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システム100は、再生可能エネルギを貯蔵するものである。そして、再生可能エネルギ貯蔵システム100は、再生可能エネルギ発電手段としての発電装置1と、水素製造手段としての水素製造装置2と、水素ガスの高純度化を担うバッファタンク3と、水添手段としての水添装置4と、水素製造装置を複数電気的に直列接続した水素製造ストリング5と、水素製造ストリングを複数電気的に並列接続した水素製造アレイ6と、水素製造ストリング内の水素製造装置直列数及び水素製造アレイ内のストリング並列数を切替える切替手段7と、切替手段を制御する制御装置8と、水素製造装置に接続された水素ガス配管同士の接合点前に逆流防止機構9と、を少なくとも備えて構成されている。
【0023】
また、図1に示す第1実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システム100は、飽和炭化水素貯蔵槽10と、不飽和炭化水素貯蔵槽11と、蓄電装置12と、出力計測器13と、充電電圧計測器14と、電流計測器15と、温度計測器16と、信号処理部17と、電力調整器18と、圧力調整装置19と、を備えている。
【0024】
そして、このような構成を有する再生可能エネルギ貯蔵システム100が、再生可能エネルギに対して適用されるようになっている。
【0025】
再生可能エネルギは、例えば太陽光、風力、地熱、水力等の再生可能エネルギを表す。また、再生可能エネルギは、発電装置1との電気的若しくは物理的な接続線、配管等は存在せず、地球気象条件に基づくものである。具体的には、再生可能エネルギが例えば太陽光である場合、後記する発電装置1は例えば太陽電池、太陽光発電システム等となる。
【0026】
発電装置1は、例えば太陽光、風力等の再生可能エネルギを電力に変換するものである。発電装置1は、水素製造手段2と電気的に接続され、発電装置1で発電した電力を水素製造手段2に供給できるようになっている。
【0027】
水素製造装置2は、発電装置1によって得られた電力、及び/又は、蓄電装置12に蓄電された電力を用いて水素を製造するものである。具体的には、水素製造装置2においては、これらの電力を用いて水(若しくは水溶液)を電気分解することにより、少なくとも水素が発生するようになっている。従って、発電装置1、及び/又は、蓄電装置12から水素製造装置2に供給される電力が多ければ多いほど、水素製造装置2において製造される(発生する)水素の量も多くなるようになっている。水素製造装置2は、発電装置1及び蓄電装置12と電気的に接続され、バッファタンク3とガス配管により接続され、温度検出器16と電気信号線により接続されている。
【0028】
水素製造装置2の具体的な構成は特に制限されないが、水素製造装置2は、例えば、水と、電解質と、当該電解質を挟むように設けられた反応促進用の電極触媒と、外部電力を供給する集電体等を保持した電気分解セルを有している。そして、この電極触媒により水が電気分解され、水素及び酸素が発生するようになっている。本発明では、前記電気分解セルまたは、電気分解セルを多層積層した電気分解スタックを水素製造装置2と定義している。
【0029】
電解質としては、電気分解することにより少なくとも水素が発生するものであれば特に制限は無いが、例えば水酸化カリウム等の、水に溶解させたときにアルカリ性を示す化合物が好ましい。このような化合物を用いることにより、安価かつ腐食しにくい水素製造装置2とすることができる。また、電解質としては、例えばナフィオン(登録商標)等の固体高分子型電解質を用いることもできる。
【0030】
このように構成した水素製造装置2は、いずれも100℃以下の低温下での運転が可能であり、さらには、短時間で起動可能な利点を有する。
【0031】
水の電気分解条件は特に制限されず、少なくとも水素を発生させることができれば任意の設定にすることができる。ただし、電解効率を高めるために、電気分解時(即ち水素製造時)の圧力を高めた場合、逆流防止機構9の耐圧値を考慮しなければならない。
【0032】
バッファタンク3の具体的な構成は特に制限されないが、水素製造装置2において発生した水素の水分除去による高純度化が目的であり、水添装置4(後記する)に供給される前に水分除去などによる手法が挙げられる。例えば気液分離装置などが、それに当たる。気液分離装置の具体的な構成としては特に制限されないが、例えば冷却による気液分離、水素分離膜等を用いることができ、中でも水素分離膜を用いることが好ましい。なお、除去された水分は水素製造装置2内を循環し、当該水分が電気分解されるようになっている。
【0033】
そして、水分除去後の水素は、ガス配管によって接続された水添装置4に供給されるようになっている。なお、水分除去後の水素は直接水添装置4に供給されるようにしてもよいが、図6に示す第6実施形態(後記する)においては、当該水素を圧力調整器19を介して水添装置4に供給することで、水素添加効率を更に高めることができ、換言すると、再生可能エネルギを無駄なく貯蔵できる。
【0034】
また、図1実施形態に図示していないが、当該水素を例えば高圧タンク等の水素貯蔵手段に一時的に貯蔵することもできる。水素ガス水素貯蔵手段の具体的な構成は特に制限されるものではないが、例えば公知の水素ボンベ、高圧ガス用の圧力容器等を用いることができる。これらは1種を単独で設けてもよく、2種以上を任意に組み合わせて設けてもよい。水素貯蔵手段を構成する材料としては、例えば鋼板、カーボン繊維で強化されたプラスチック等が挙げられ、水素製造装置2にかかる圧力以上の耐圧容器を用いることが特に好ましい。
【0035】
また、水素貯蔵手段としては、水素吸蔵合金を用いることもできる。水素吸蔵合金としては、例えば希土類金属−ニッケル系等のAB5型合金、チタン系、クロム系等の体心立方(BCC)構造を有する合金等が挙げられる。これらの水素吸蔵合金を上記の容器等内に存在させることにより、水素貯蔵量を増加させることができる。また、同一体積の水素を貯蔵する場合には、水素貯蔵手段の圧力を低下させてもよい。
【0036】
バッファタンク3と水添装置4とはガス配管(パイプライン)によって接続されていることが好ましい。ただし、これらがガス配管によって接続されている必要は必ずしも無く、例えば高圧タンク等を用いて、製造した水素を水添装置4まで運搬(即ち水添装置4に供給)するようにしてもよい。
【0037】
水添装置4は、水素製造装置2によって製造された水素を不飽和炭化水素に対して付加させるものである。水添装置4は、前記のようにバッファタンク3とガス配管によって接続されているほか、飽和炭化水素貯蔵槽10及び不飽和炭化水素貯蔵槽11(いずれも後記する)と液体配管によって接続されている。従って、不飽和炭化水素は不飽和炭化水素貯蔵槽11から水添装置4に供給される。
【0038】
水添装置4において用いられる不飽和炭化水素の具体的な種類は特に制限されないが、例えばメチルベンゼン等の室温で液体の芳香族化合物を好適に用いることができる。例えば不飽和炭化水素としてメチルベンゼンを用いる場合、得られる飽和炭化水素はメチルシクロヘキサンであり、メチルベンゼン1モルあたりに貯蔵可能な水素分子の物質量は2.5モルとなる。ただし、付加反応時の条件によっては、例えばアントラセン、フェナントレン等も液体になることもあるため、そのような条件で付加反応を行う場合には、これらの芳香族化合物を用いてもよい。これらの芳香族化合物を用いることにより、よりさらに多くの水素を貯蔵することができる。
【0039】
このような芳香族化合物は室温で液体であるため貯蔵が容易であり、また、水素付加反応を行わせるときの反応界面が大きくなる利点がある。また、芳香族化合物を用いることにより芳香族化合物1分子あたりに付加しうる水素の物質量を多くすることができ、より多くの水素を少ない不飽和炭化水素量で貯蔵することができる。なお、不飽和炭化水素は1種で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
【0040】
水添装置4において、不飽和炭化水素に対して水素を付加する具体的な方法に特に制限は無い。ただし、低コスト及び反応時間が短いという観点から、通常は触媒を用いて不飽和炭化水素に水素を付加させる。このような触媒としては、例えばNi、Pd、Pt、Rh、Ir、Re、Ru、Mo、W、V、Os、Cr、Co、Fe等の金属、及びこれらの合金が挙げられる。触媒を構成する金属及びそれらの合金は、1種が単独であってもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで用いられてもよい。
【0041】
また、これらの触媒は、触媒量の低減による更なる低コスト化と反応表面積の増大化の観点から、微粒子化されていることが好ましい。微粒子化された触媒を用いる場合、微粒子触媒の凝集による表面積の減少を防止する観点から、任意の担体に担持してもよい。担体に触媒を担持させる場合、担持させる方法に特に制限は無く、例えば、共沈法、熱分解法、無電解めっき法等を用いることができる。また、担体の種類も特に制限は無く、例えば活性炭、カーボンナノチューブ、黒鉛等の炭素材料のほか、シリカ、アルミナ、ゼオライト等のアルミナシリケート等を用いることもできる。担体は1種であってもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
【0042】
水添装置4における、不飽和炭化水素への水素付加反応条件は特に制限されず、任意に設定すればよい。例えば反応温度は室温(約25℃)でも水素を付加させることができるが、反応時間をより短くする観点から、100℃以上400℃以下程度の温度で付加させることが好ましい。
【0043】
また、付加反応時の反応圧力も特に制限されないものの、付加反応効率を上げ、反応時間をより短くすることができるという観点から、水素付加時の圧力を、ゲージ圧で1気圧以上50気圧以下(即ち0.1MPa以上5MPa以下)とすることが好ましい。従って、水素付加時の圧力を高めるために、バッファタンク3と水添装置4との間には、図6に示した圧力調整器19を備えることができる。
【0044】
以上のようにして、不飽和炭化水素に水素を付加させることができ、飽和炭化水素が得られる。得られた飽和炭化水素(所謂有機ハイドライド)は、後記する飽和炭化水素貯蔵槽10に貯蔵される。
【0045】
水素製造ストリング5は、水素製造装置2を、切替手段7を介して複数電気的に直列接続した構成である。また、この水素製造ストリング5を、切替手段7を介して複数電気的に並列接続した構成が水素製造アレイ6である。
【0046】
切替手段7は、発電装置1によって発電された電力を水素製造装置2に通電または遮断する機能を有し、外部信号により駆動状態を制御できるスイッチ素子であり、且つ発電手段の電力に仕様が合えば、特に制限なく慣習的なスイッチング素子でも良い。例えばリレー素子や、半導体素子等が挙げられる。
【0047】
制御装置8は、再生可能エネルギ発電装置1の発電量、水素製造装置2の電気特性、蓄電装置12の充電状況に応じて信号処理部17より決定される装置構成に基づき、切替手段7に対して通電または遮断の信号送信する装置であれば特に制限されない。なお、状況次第では、水素製造装置2を複数個直列接続したのみ、即ちひとつの水素製造ストリング構成や、1つの水素製造装置2を複数並列接続した構成なども有り得る。制御装置8は、切替手段7に通電または遮断信号を送信するために切替手段7と、電気信号の授受するために、信号処理部17と電気信号線により接続されている。
【0048】
逆流防止機構9は、稼働中の水素製造装置2で製造された水素ガスが、ガス配管を通じて未稼働中の水素製造装置2内部に流入することを防ぐ役目をもち、これにより水素ガス漏洩防止や水素製造装置の故障または劣化防止に繋がり、換言すれば再生可能エネルギの高効率利用といった効果が期待できる。逆流防止機構9は上記目的を果たせれば制限される仕様は無いが、例えば逆止弁や開閉バルブなどが挙げられる。また水素製造装置内部の反応圧力や、バッファタンク3内部圧力、図6に示した圧力調整器により高圧化する際は、圧力差または耐圧を考慮する必要がある。
【0049】
また逆流防止機構9の設置位置は、水素ガス配管同士の接続点に向けて水素ガスが流入する配管の接続点手前に設けることが望ましく、接続点から水素ガスを流したい側の配管には設置しなくてもよい。ただし、水素製造装置2の切替により未稼働の水素製造装置2に水素ガスが流入しない構成や構造を有していれば、上記の限りではない。たとえば、複数の水素製造装置2と同数のバッファタンク3が1対1の関係で接続されている場合は、水添装置4に水素ガスを供給するまでの配管中に逆流防止機構を設ける形も考えられる。また、水素製造装置2とバッファタンク3が複数:1の関係で接続されている場合は、各配管中またはバッファタンク3接続点に逆流防止機構を設ける形も考えられるが、この場合は、ガス配管長が長くなりえるため、コストが高くなる懸念がある。
【0050】
<動作>
以上説明したように、第1実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システム100は、前記のような構成を有している。次に、再生可能エネルギ貯蔵システム100により再生可能エネルギを貯蔵する際の各手段の動作について、図1を参照しながら説明する。
【0051】
はじめに、例えば太陽光等の再生可能エネルギを利用し、発電装置1(例えば太陽電池等)が電力を発電する。発電された電力は、水素製造アレイ6に供給される。
【0052】
水素製造アレイ6は、発電電力及び水素製造装置2の電気特性に応じて、水素製造装置2の直列数及び/または水素製造ストリング5の並列数の電気的接続構成を切替えられながら、供給された発電電力に順じて水の電気分解が開始され、水素が発生する。
【0053】
水素製造アレイ6において製造された水素は、バッファタンク3に供給され、水分除去など実施後、高純度化され水添装置4に供給される。
【0054】
ここで制御装置8及び切替手段7によって、最大水素ガス量を得る水電解手段の数、ストリング数の接続形態に切替えられる。この際、駆動中の水素製造装置2で製造された水素ガスが、未稼働中や他の水素製造装置に流入しないために各ガス配管接続点に流入する配管の接続点前に逆流防止機構を設ける必要がある。
【0055】
また、これら一連の動作が行われる環境は特に制限されず、前記課題を解決することができるのであれば任意の環境で行うことができる。また、全ての手段が同じ場所に設置される必要は必ずしも無く、例えば水素製造装置2は室内に、また、水添装置4は室外に等、任意に設置することができる。
【0056】
<まとめ>
以上のように、第1実施形態に係る再生可能エネルギシステム100によれば、再生可能エネルギの供給量の変動に対応するとともに、不飽和炭化水素への水素の付加効率を向上させることができるため、再生可能エネルギを無駄なく貯蔵することができる。そして、貯蔵された再生可能エネルギは水素に変換され、当該水素を含む化合物として安定的に貯蔵されているため、必要に応じていつでも自由に利用することができる。
【0057】
[2.第2実施形態]
次に、図2を参照しながら、第2実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システム200について説明する。なお、図2において図1と同じ符号を付すものは同じ手段を表すものとし、その詳細な説明を省略する。
【0058】
再生可能エネルギ貯蔵システム200においては、図1に対して、飽和炭化水素貯蔵槽10と不飽和炭化水素貯蔵槽11が構成されている。
【0059】
水素が付加されて生成した飽和炭化水素は、上記のように飽和炭化水素貯蔵槽10に収容される。そして、飽和炭化水素貯蔵槽10に収容された飽和炭化水素は、前記発生した水素が付加された液体状態のまま、出荷される。出荷後、飽和炭化水素から水素が脱離され、脱離された水素は、燃料等としての利用に供される。なお、水素が脱離されて生成した不飽和炭化水素は、不飽和炭化水素貯蔵槽11に再び貯蔵される。
【0060】
飽和炭化水素貯蔵槽10は、水添装置4において生成した飽和炭化水素を収容するものである。従って、飽和炭化水素貯蔵槽10は液体配管によって水添装置4と接続されている。また、飽和炭化水素貯蔵槽10と水添装置4との間に、飽和炭化水素の飽和炭化水素貯蔵槽10への供給量を制御するための例えば流量調整バルブ、流量計等を設けてもよい。
【0061】
不飽和炭化水素貯蔵槽11は、水添装置4に供給する不飽和炭化水素を貯蔵するものである。不飽和炭化水素貯蔵槽11は液体配管によって水添装置4と接続されている。また、不飽和炭化水素貯蔵槽10から水添装置4への供給量を制御するための例えば流量調整バルブ、流量計等を設けてもよい。
【0062】
このようにして、第2実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システムにおいても、再生可能エネルギを高効率で貯蔵するシステムを提供することができる。
【0063】
[3.第3実施形態]
次に、図3を参照しながら、第3実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システム300について説明する。なお、図3において図2と同じ符号を付すものは同じ手段を表すものとし、その詳細な説明を省略する。
【0064】
水素製造アレイ6に電力が供給されると、水の電気分解が開始され、水素が発生する。ただし、発電装置1からの電力のみでは電気分解を行えないことがある。そのような場合には、蓄電装置12を併設することができる。
【0065】
蓄電装置12は発電装置1によって発電した電力を蓄電するものである。蓄電装置12は、発電装置1及び水素製造装置2と電気的に接続され、必要に応じて蓄電装置12に蓄電された電力を水素製造装置2に供給することができるようになっている。また、蓄電装置12は充電電圧計測器14と電気信号線によって接続されている。
【0066】
蓄電装置12の具体的な構成は特に制限されず、公知の任意の蓄電池(二次電池)と充放電制御システムを用いることができる。ただし、蓄電池としては、満充電状態から放電し、一定放電後に再度充電を実施する繰り返し用途専用に製造されるサイクル用蓄電池が望ましい。具体的には、蓄電池としては、例えばナトリウム硫黄電池、鉛蓄電池等が挙げられ、中でも、電気的性能に優れ、コンパクトで安価な鉛蓄電池が好ましい。なお、蓄電池は1個の蓄電池により構成されてもよく、2個以上の蓄電池を任意に接続して蓄電池群として構成してもよい。充放電制御システムはバッテリチャージャーなどの慣習的な充放電制御システムが適用でき、特に制限はない。
【0067】
前述のような蓄電装置12を再生可能エネルギ貯蔵システム構成に併設することで、蓄電装置12からの電力も併せて利用したり、発電装置1からの電力を利用せず、蓄電装置12からの電力のみを利用したりしてもよい。例えば、晴れた昼間の時間帯には十分な日照を確保することができるため蓄電装置12に十分量の電力を充電し、さらに余剰分の電力で水添装置4を駆動させる。一方で、夜間の時間帯は太陽光発電を行うことができないため、蓄電装置12に昼間充電された電力を利用して水添装置4を動作させる。このようにすることで、再生可能エネルギを無駄なく利用することができる。
【0068】
このようにして、第3実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システムにおいても、高効率で再生可能エネルギを貯蔵可能なシステムが提供できる。
【0069】
[4.第4実施形態]
次に、図4を参照しながら、第4実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システム400について説明する。なお、図4において図1と同じ符号を付すものは同じ手段を表すものとし、その詳細な説明を省略する。
【0070】
図4に示す再生可能エネルギ貯蔵システム400は、図3に示す再生可能エネルギ貯蔵システム300に、出力計測器13、充電電圧計測器14、電流計測器15、温度計測器16及び信号処理装置17等を追加した構成である。再生可能エネルギ貯蔵システムをこのように構成しても、本発明の課題を解決することができる。
【0071】
出力計測器13は、発電装置1と信号処理部17と電気信号線により接続されており、再生可能エネルギ発電の出力電圧値及び出力電流値を計測する手段を備え、かつ電気信号線を介して信号処理部に計測値を与える機能があれば制限はない。
【0072】
充電電圧計測器14は、充電装置12と信号処理部17と電気信号線により接続されており、蓄電池の充電電圧を計測する手段を備える。たとえば充電装置12内部の充放電制御システムの充電電圧信号を信号処理部17に与える機能があれば特に制限は受けない。
【0073】
電流計測器15は、水素製造ストリング5に流入する電流値を計測する機器であり、電気信号線で接続される信号処理部17に信号を与える機能があれば特に制限を受けない。また、たとえばクランプメータ等の装置で、再生可能エネルギ発電の電気回路内に組込まず計測する手法も考えられる。
【0074】
温度計測器16は、水素製造装置2内部の反応温度を計測する機器であり、電気信号線で接続される信号処理部17に信号を与える機能があり、水素製造装置2の反応温度として予想される−50℃から100℃程度の計測感度が高い材料が好ましい。
【0075】
信号処理部17は、出力計測器13、充電電圧計測器14、電流計測器15、温度計測器16及び制御装置8と電気信号線で接続されており、出力計測器13、充電電圧計測器14、電流計測器15、温度計測器16で得られた信号量に応じて、内部メモリに格納されている制御プログラムに基づいて、再生可能エネルギ貯蔵システムの高効率運転ができる即ち最大水素量が得られる水素製造アレイ接続構成を推定(演算)し、制御装置8に制御信号を送信する機能を有するものであれば、特に制限はない。
【0076】
装置構成推定(演算)は、水素製造装置の電気特性、特に定格運転値と上限値を考慮した上で、出力計測器13、充電電圧計測器14、電流計測器15、温度計測器16信号を入手し高エネルギ効率で水素製造可能なシステム運転となる接続構成に決定することが望ましい。ただし、入力電力変動が激しい場合など、頻繁な接続切替は水素製造装置の故障や劣化を招く要因となるため極力避けて、ゆとりある接続構成に切替え再生可能エネルギ変動を吸収することで、より再生可能エネルギ貯蔵システムを高効率で運転できる。
【0077】
[5.第5実施形態]
次に、図5を参照しながら、第5実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システム500について説明する。なお、図5において図4と同じ符号を付すものは同じ手段を表すものとし、その詳細な説明を省略する。
【0078】
図5に示す再生可能エネルギ貯蔵システム500は、図4に示す再生可能エネルギ貯蔵システム400に電力調整器を加えたものである。再生可能エネルギ貯蔵システムをこのように構成しても、本発明の課題を解決することができる。
【0079】
再生可能エネルギの種類によっては、得られる電力が直流であったり交流であったりする。例えば、太陽光発電では直流電力、風力発電では交流電力が得られる。また、太陽光発電では日射強度変化に伴う出力変動が見られ、直流電力でも経時変化に伴う変動電力となる。また風力発電では、プロペラが回転するとともに発電機本体が回転し交流電力を出力する。これらの発電手段により得られる電力信号が異なるため、太陽光発電ではDC−DCコンバータ変換器等を設ける場合があり、風力発電では交流電力を直流電力に変換するAC−DC変換器等を設ける場合がある。
【0080】
そこで、再生可能エネルギ貯蔵システム500においては、これらの機能を有する電力調整装置18を設けている。なお、電力調整装置18を介して、再生可能エネルギ貯蔵システム500は系統電力と接続されていてもよい。再生可能エネルギ貯蔵システムをこのように構成しても、本発明の課題を解決することができる。さらには、電力調整装置13を設けているため、電力を比較的安定供給することができ、蓄電装置12及び水素製造装置2に過度の負担を与えずに再生可能エネルギを貯蔵することができる。
【0081】
[6.第6実施形態]
次に、図6を参照しながら、第6実施形態に係る再生可能エネルギ貯蔵システム600について説明する。なお、図6において図5と同じ符号を付すものは同じ手段を表すものとし、その詳細な説明を省略する。
【0082】
図6に示す再生可能エネルギ貯蔵システム600は、図5に示す再生可能エネルギ貯蔵システム500に圧力調整装置19を加えたものである。再生可能エネルギ貯蔵システムをこのように構成しても、本発明の課題を解決することができる。
【0083】
圧力調整装置19は、バッファタンク3と水添装置4の間に燃料配管を介して接続することができる。圧力調整装置19は、バッファタンク3にて高純度化された水素ガスの圧力を高めることで、不飽和炭化水素に水素を付与する反応効率を高める効果が得られる。このようにすることで、再生可能エネルギ貯蔵システム600を高効率運転することができる。
【0084】
圧力調整装置19はバッファタンク3より得られる気体を一定の圧力で水添装置4に供給できれば、特に制限はない。例えば、一定の圧力で水素ガスを封じこめる方法等が挙げられる。また、圧力を制御する方法としては、例えば圧力レギュレータ等の水素圧力制御手段が設けられていたり、公知のコンプレッサを用いたりしてもよい。このような水素圧力制御手段を設けることにより、発生した水素圧力を適切に制御することができる。
【0085】
[7.その他]
なお、再生可能エネルギ貯蔵システム100を基準に、順次、装置構成を追加して説明したが、たとえば再生可能エネルギ貯蔵システム100に電力調整装置18のみを追加しても良いし、圧力調整装置19のみを追加しても良く、他の実施形態においても同様に適用することができる。
【0086】
また、本発明内の図1から図6の水素製造ストリングス5の構成、すなわち水素性s像装置2の直列接続方法では、頻繁に使用される水素製造装置と切替手段で通電されて駆動する水素製造装置との使用頻度に差を生じる可能性があり、故障要因や早期劣化の原因となりえる。そのため、本発明図面に限らず、使用頻度を考慮した接続方法や切替制御にて解決することができる。
【0087】
また、本発明内の再生可能エネルギ貯蔵システムは、必ずしも再生可能エネルギ発電手段と1対1の関係でなくてもよい。即ちスマートグリッドなど、配電ネットワークに組込まれても良く、グリッド内の余剰電力や変動電力分を飽和炭化水素に変換することで再生可能エネルギの高効率利用が提供できる。
【0088】
また、図1から図6には図示していないが電力調整器及び蓄電池を制御して、変動電力の平準化並びに変動吸収した再生可能エネルギ効率的な水素製造並びに飽和炭化水素生成を行うことで再生可能エネルギ貯蔵システムの高効率運転を実現できる。
【符号の説明】
【0089】
1 再生可能エネルギ発電手段
2 水素製造手段
3 バッファタンク
4 水添装置
5 水素製造ストリング
6 水素製造アレイ
7 切替手段
8 制御装置
9 逆流防止機構
10 飽和炭化水素貯蔵槽
11 不飽和炭化水素貯蔵槽
12 蓄電装置
13 出力電圧計測器
14 充電電圧計測器
15 電流計測器
16 温度計測器
17 信号処理装置
18 電力調整器
19 圧力調整器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能エネルギを貯蔵する再生可能エネルギ貯蔵システムであって、
前記再生可能エネルギを電気エネルギに変換する発電手段と、
前記発電手段によって得られた電気エネルギを用いて水素ガスを製造する複数の水素製造装置からなる水素製造手段と、
前記水素製造手段によって製造された水素ガスを高純度化するバッファタンクと、
前記バッファタンクから流出する水素ガスを不飽和炭化水素に対して付加させる水添手段と、
前記水素製造装置の接続構成を切替える切替手段と、
前記切替手段を制御する制御装置と、を備え、
複数の前記水素製造装置と前記バッファタンクが逆流防止機構を備える配管で接続され、
前記逆流防止機構により、前記水素製造装置で製造された水素ガスが配管を通じて他の水素製造装置に流入することを防止することを特徴とする再生可能エネルギ貯蔵システム。
【請求項2】
再生可能エネルギを貯蔵する再生可能エネルギ貯蔵システムであって、
前記再生可能エネルギを電気エネルギに変換する発電手段と、
前記発電手段によって得られた電気エネルギを用いて水素ガスを製造する複数の水素製造装置からなり、前記水素製造装置を複数個電気的に直列接続した水素製造ストリングと、前記水素製造ストリングを複数列電気的に並列接続した水素製造アレイで構成される水素製造手段と、
前記水素製造手段によって製造された水素ガスを高純度化するバッファタンクと、
前記バッファタンクから流出する水素ガスを不飽和炭化水素に対して付加させる水添手段と、
前記水素製製造ストリングを構成する水素製造装置の直列接続数及び水素製造アレイを構成する水素製造ストリングの並列接続数を切替える切替手段と、
前記切替手段を制御する制御装置と、を備え、
複数の前記水素製造装置と前記バッファタンクが逆流防止機構を備える配管で接続され、
前記逆流防止機構により、前記水素製造装置で製造された水素ガスが配管を通じて他の水素製造装置に流入することを防止することを特徴とする再生可能エネルギ貯蔵システム。
【請求項3】
請求項2において、前記水素が前記不飽和炭化水素に付加されて生成した飽和炭化水素を貯蔵する飽和炭化水素貯蔵手段と、
前記不飽和炭化水素を貯蔵する不飽和炭化水素貯蔵手段と、
を備える再生可能エネルギ貯蔵システム。
【請求項4】
請求項1において、前記発電手段によって得られた電力を蓄電装置に蓄える構成を備える再生可能エネルギ貯蔵システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記発電手段の出力値を検出する出力計測手段と、
前記蓄電手段の充電電圧値を検出する充電電圧計測手段と、
前記水素製造手段に供給される電流量を検出する電流計測手段と、
前記水素製造手段の製造部温度を検出する温度計測手段と、
を備え、
検出された前記出力電圧値、前記充電電圧値、前記電流量及び前記温度信号を計測し、且つ制御装置へ各々の信号を送信する信号処理部を備えることを特徴とする再生可能エネルギ貯蔵システム。
【請求項6】
請求項4において、
前記発電手段によって得られる電力の出力を制御する電力制御手段を備え、
該電力制御手段が、前記蓄電手段及び前記水素製造装置への電力供給量を調整することを特徴とする再生可能エネルギ貯蔵システム。
【請求項7】
請求項2において、
前記バッファタンクを通過した水素ガス圧力を調整し、前記水添装置に送る圧力調整装置を備えることを特徴とする再生可能エネルギ貯蔵システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−49600(P2013−49600A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188152(P2011−188152)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】