説明

再生用回収機の救済方法、回収機の再生方法、再生用回収機の救済システム、再生機

【課題】 寿命要因外で廃棄扱いとなった異なる様々な製品構成の製品から再生対象モデルへの組換えを、救済し易い回収機の順に救済可能とする。
【解決手段】 使用済の製品である回収機を再生製造工程に投入し、処理を施して再生機として市場に提供するために、当該回収機を分類分別する回収工程で廃棄扱いとなる回収機の救済方法である。分類、分別し、寿命要因外で廃棄扱いとなった回収機を選別し、優先順位を設ける選別情報により、救済条件に合った回収機を選定し、選別情報及び選定情報を再生機用回収機の救済区へ伝達する。再生機用として再製造工程に投入される回収機は、製品余寿命を予測する情報項目として、製品内装部に設置してあるメカ式カウンタによるコピー枚数値や、新品製造された製造年月がわかる定格銘板に記載の製造番号や製品構成モデル等の分類のための情報に分類基準を持たせて分類判定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置の再生に関し、またその他の事務機や電子電気機器等、使用済製品を回収して再度、再生工程にて処置を施して再生製品とする商品すべてについての再生に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源の有効利用や環境保全の観点から、市場より回収した画像形成装置等の機器のいわゆるリサイクル(再使用、再利用、再資源化)が注目されているが、現状では再生機用とされる回収機は、回収選別基準書にて製造機番、TCV、製品構成ごとのモデル等により、再生可否の分類がされ、基準を満たさない場合は廃棄処理されている。
【0003】
また近年、環境省が掲げる3R(リディユース、リユース、リサイクル)の活動が推進されてきているが、従来の再資源化の活動から一歩進めたリサイクル(再資源化)よりリユース(再使用)、リユース(再使用)よりリディユース(省エネルギー)という形態で、具体的事例として待機電力の省エネルギー化や製造時の省エネルギーあるいは使用済の外装カバーを再使用したりする部品の再使用が具体的に進み始め商品化されてきている。
【0004】
しかし、商品のトレーサビリティーをうまく進めるための方法がなく、3R活動は具体的には進んでいない。複写機等の画像形成装置では、定格銘板を新品製造時に貼り付けを行うが、この定格銘板には例えば製造した機種、名称、製造番号等を記載する。この記載内容を見て、製品の情報を追跡したり、逆に情報から現品を探し出したりすることができ、回収したときも、この情報を使って現品管理ができる。したがって、回収した複写機を清掃したり、分解して劣化した部品を交換したりして再生した再生機から、それまでついていた定格銘板をはがして新たなものを貼り付けると、機種、名称、製造番号等の情報が途切れてしまい、現品を見て追跡するのが不可能になる。それまでの情報では、再生機を探すことができなくなる。もちろん再生機と新品機の対比表を作成すれば、そのような状態でも追跡可能になるが、そのような対比表を維持し、必要なときに目的の再生機を探し出せるようにするのは、現品管理を行う現場では非常に面倒である。そこで、再生機に新品の定格銘板と再生機の定格銘板を貼り付ける方法が提案されている。
【特許文献1】特開2003−76761号公報
【特許文献2】特開平6−83131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、周辺機の充実も併せて再生機の要望が高まりつつあり、回収機の歩留りを向上させ、再生工程への投入台数を増加させる方法が必要となってきている。その対応として、異なる様々な製品構成の製品から再生対象モデルへの組み換えを実施し、廃棄扱いとなっていた機器を再生対象機とするようにして救済するようになってきている。
【0006】
すなわち、再生を効率的に低コストで生産するための回収工程での選別方法についてではなく、寿命要因外である異なる様々な製品構成の製品から再生対象モデルへの組換えを実施し、廃棄扱いの機械を再生対象機に救済する必要性がある。
【0007】
特許文献1に記載の技術は、再生部品の可否判断のためのマニュアルを提供するシステム及び当該マニュアル管理方法であり、再生部品が対象で再生機が対象ではなく、また再生可否判断のマニュアル(判断手段情報)の提供及び管理システムであり、再生のやり易さの優先順位付けを行うものではない。
【0008】
また、元機の定格銘板と再生機の定格銘板を2枚貼り付けた状態あるいはモータのように定格銘板が2枚貼ってある状態では、どちらを見てよいか現場では混乱しやすい。また、2枚の銘板を貼り付ける場所がない場合が多く、定格銘板の貼り付け場所が1枚分のみ確保されただけの機械もあり、機械の種類が違った場合には統一した場所に貼れないという不具合もある。
【0009】
また加筆して追加するスペースの確保が必要となったりサフィックスをつけて桁数を増す方法も提案されているが、機械番号を管理するシステムの変更が必要になる。このような管理システムは、生産段階や販売段階等で使われており、販売会社が異なっていたり、リース会社が異なっていたりしている場合、管理システムも異なっているのが普通である。そこで、新品機と再生機で2枚の定格銘板があったりするとどちらを使うか誤ったり、製造番号の桁数が新品機と再生機で異なっているとシステムが使えないことがあったりする。
【0010】
本発明は、上述した従来の問題点にかんがみ、回収機の歩留りを向上させ、再生工程へ投入可能な台数を増やせる方法を、様々な製品構成の製品から再生対象モデルへの組換えにより実現しようとするものである。
【0011】
また本発明は、現品の管理を容易にしながら、トレーサビリティーが確実にでき、既存のシステムを変えずにこれを可能とする手段を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に係る再生用回収機の救済方法は、使用済の製品である回収機を再生製造工程に投入し、処理を施して再生機として市場に提供するために、当該回収機を分類分別する回収工程で廃棄扱いとなる回収機の救済方法であって、該回収機を分類、分別し、寿命要因外で廃棄扱いとなった回収機を選別して優先順位を設ける選別情報により、救済条件に合った回収機を選定し、選別情報及び選定情報を再生機用回収機の救済区へ伝達することを特徴とする。
【0013】
同請求項2に係るものは、請求項1の再生用回収機の救済方法において、前記分類、分別して寿命要因外で廃棄扱いとなった回収機を選別する優先順位を設けた選別情報、再生用回収機の選定情報の伝達は、通信手段を用いて行うことを特徴とする。
【0014】
同請求項3に係るものは、請求項2の再生用回収機の救済方法において、前記通信手段がインターネットを介した通信手段であることを特徴とする。
【0015】
同請求項4に係るものは、請求項1ないし3のいずれかの再生用回収機の救済方法において、前記優先順位を設ける選別情報は、端末もしくは読取り装置より入力した情報を演算処理して回収機を選別する情報に重み付けし優先順位付けをすることを特徴とする。
【0016】
本発明の回収機の再生方法のうち請求項5に係るものは、使用済の製品である回収機を再生製造工程に投入し、処理を施して再生機として市場に提供するために、当該回収機を再生する方法であって、前記使用済となった製品を再生した製品が備える定格銘板に、該定格銘板より小さいサイズで該定格銘板の一部をなす部材を重ね合わせて貼り付けることを特徴とする。
【0017】
同請求項6に係るものは、請求項5の回収機の再生方法において、前記重ね合わせた定格銘板の一部が機械番号の一部であることを特徴とする。
【0018】
同請求項7に係るものは、請求項6の回収機の再生方法において、前記重ね合わせた定格銘板の前記機械番号の桁数を元機の機械番号の桁数と同じにすることを特徴とする。
【0019】
本発明の回収機の救済システムのうち請求項8に係るものは、使用済の製品である回収機を再生製造工程に投入し、処理を施して再生機として市場に提供するために、当該回収機を分類分別する回収工程で廃棄扱いとなる回収機の救済システムであって、該回収機を分類、分別し、寿命要因外で廃棄扱いとなった回収機を選別して優先順位を設ける選別情報手段を有し、該選別情報手段により、救済条件に合った回収機を選定し、選別情報及び選定情報を再生機用回収機の救済区へ伝達することを特徴とする。
【0020】
同請求項9に係るものは、請求項8の再生用回収機の救済システムにおいて、前記分類、分別して寿命要因外で廃棄扱いとなった回収機を選別する優先順位を設けた選別情報、再生用回収機の選定情報の伝達は、通信手段を用いて行うことを特徴とする。
【0021】
同請求項10に係るものは、請求項9の再生用回収機の救済システムにおいて、前記通信手段がインターネットを介した通信手段であることを特徴とする。
【0022】
同請求項11に係るものは、請求項8ないし10のいずれかの再生用回収機の救済システムにおいて、前記優先順位を設ける選別情報は、端末もしくは読取り装置より入力した情報を演算処理して回収機を選別する情報に重み付けし優先順位付けをすることを特徴とする。
【0023】
本発明の再生機のうち請求項12に係るものは、使用済の製品である回収機を再生製造工程に投入し、処理を施して再び市場に提供可能とした再生機であって、定格銘板に、該定格銘板より小さいサイズで該定格銘板の一部をなす部材を重ね合わせて貼り付けてなることを特徴とする。
【0024】
同請求項13に係るものは、請求項12の再生機において、前記重ね合わせた定格銘板の一部が機械番号の一部であることを特徴とする。
【0025】
同請求項14に係るものは、請求項13の再生機において、前記重ね合わせた定格銘板の前記機械番号の桁数を元機の機械番号の桁数と同じであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、寿命要因外で廃棄扱いとなった異なる様々な製品構成の製品から再生対象モデルへの組換えを、救済し易い回収機の順に救済することを可能とする。
【0027】
また本発明は、現品の管理を容易にし、かつトレーサビリティーを確実にすることを、既存のシステムのままで可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下本発明を実施するための最良の形態を、図に示す実施例を参照して説明する。
【0029】
なお以下では、図1に示すような複写機を例として説明するが、本発明は複写機あるいは画像形成装置に限定されず、種々の機器に適用可能である。図1は複写機を、それが持つ機能がわかりやすいように概念的に描いてあり、1は複写機本体、2は原稿台、3は原稿、4は感光体、5は給紙部、6は転写紙、7は定着部である。原稿台2上の原稿3の画像を読み取り、感光体4上に図示しない現像装置等によってトナー像を形成し、これを図示しない転写手段により転写紙6に転写し、定着部7により転写したトナー像を転写紙6上に定着させ、機外へ排出する。
【実施例1】
【0030】
図2は本発明に係る方法の全体の流れを示すフロー図である。この図により説明すると、まず市場での使用済製品は回収区に集積され、銘板等から分類情報を得て(ステップ100)、分類、分別により寿命や構成を判断され(ステップ105)、寿命が尽きていれば処理を終了し、廃棄処理へと移行する。また寿命、構成とも条件をクリアしたものは、ステップ200以降の選別・選定工程へと進む。
【0031】
具体的には、ステップ100では図3、図4に示すように、廃棄するための分類基準1(110)または分類基準2(111)を満たす情報項目に対し、分類フラグ112を設け、回収機を分類する。ステップ105の分類判定では分類基準1(110)と分類基準2(111)により判定する。
【0032】
すなわち廃棄するための分類基準を満たす情報項目であるときに分類フラグ112に「1」、満たさない情報項目であるときに分類フラグ112に「0」を表示させた場合、分類基準1(110)に分類フラグ112が「1」のものが一つでもあれば、廃棄処理行きの機械とし、分類基準1(110)に分類フラグ112が「1」のものが一つもなく、かつ分類基準2(111)の分類フラグ112に「1」のものが一つでもあれば救済判定150を行うべき機械と判定する。
【0033】
図3は分類基準2(111)を満たす分類フラグ112に「1」がたっているため、廃棄はしないが救済判定(ステップ150)に行くべき回収機であることがわかる例である。また、図4は廃棄または救済するための分類基準1、2を満たす分類フラグ112がすべて0であるため、廃棄または救済せずに次工程の選別・選定工程へ進む例である。
【0034】
なお再生機用として再製造工程に投入される回収機は、製品余寿命を予測する情報項目として、製品内装部に設置してあるメカ式カウンタによるコピー枚数値や、新品製造された製造年月がわかる定格銘板に記載の製造番号や製品構成モデル等の分類(ステップ100)のための情報に分類基準を持たせて分類判定(ステップ105)を行う。
【0035】
ステップ200以降の選別・選定工程は、選別情報を得て(ステップ200)、選別及び優先順位付けを行い(ステップ210)、選定情報を得て(ステップ220)、出荷区へ送り、再生製造工程へと送る。
【0036】
またステップ105において、構造、構成的に不可である等の理由に該当すると判断されたものは、再生の可否について再判定され(ステップ150)、再生不可であれば廃棄処理へと移行し、再生が可能であれば再生機用として再製造工程に投入したりするために、ステップ300以降の救済選別・選定工程へと進む。
【0037】
救済工程で再生対象機とは異なる製品構成に対し、構成ユニットの組換えにより構成変更可能な製品モデル等の救済選別情報300の情報項目ごとに構成ユニットの有無等の救済基準313と係数を関連付けた優先度312を設ける。図5は、救済選別情報300の内容を示し、優先度の数値は小さい方が救済しやすいとする場合である。
【0038】
具体的には、情報項目から救済基準313を満たすために必要な救済基準313に選別フラグ311に「1」、不要である場合は選別フラグ311に「0」を表示させ、また優先度312の係数を情報項目の救済基準を満足させるための取り付け、取り外し工数等による再生コストが小さく、再生し易い方から1、2、3・・・とした場合、優先順位となる救済選定情報320は選別フラグ311の値に優先度312の係数を乗じた値を示し、救済選定情報320の値を小さい順に並べることで選別及び優先順位付け310を実施して、回収機を救済し易い順に並べることができる。
【0039】
この救済選定情報320を再生機用回収機の救済区へ伝達し、救済対象機器はその情報を持って選別・選定工程(ステップ200以降)へ進むが、例えば伝達手段は分類情報100や救済選別情報300が記載されたチェックシートを用いる。このチェックシートを回収機一台、一台に添付し、前述の分類フラグ312や選別フラグ311、優先度312を記載し、救済区へ回収機ごと送付することで救済選定情報320が伝達されるようにする。
【0040】
そして図6に示すように、回収機を分類する分類情報と、回収機を選別する優先順位を設けた選別情報、再生用回収機の選定情報を回収区に設置されたパソコン400に入力し、インターネットやイントラネット、LAN等の通信手段420を用いて出荷区に設置されたパソコン410に情報を伝達する。出荷区では伝達情報をデイスプレイ上、またはプリンタ415により紙などに出力して再生製造工程に出荷する回収機を選定する。
【0041】
すなわち、寿命要因外で廃棄扱いとなった回収機を選別し、優先順位を設ける選別情報手段により、救済条件に合った回収機を選定し、選別情報及び選定情報を再生機用回収機の救済区へ伝達することで、寿命要因外で廃棄扱いとなった異なる様々な製品構成の製品から再生対象モデルへの組換えを救済し易い回収機の順に救済することができる。また送付区と受領区で情報交換時間が短縮され、情報の管理や集計も簡易となる。分類、区分などを細分化して、精度よく再生し易い順に回収機が選定できるようにすることも可能である。またパソコン等を用いて自動計算を可能とし、時間短縮、情報精度向上も図れる。また優先順位を設ける選別情報は、端末もしくは読取り装置より入力した情報を演算処理して回収機を選別する情報に重み付けし優先順位付けをしたものとすることができる。
【実施例2】
【0042】
既述の3Rの活動に関連して、現品の管理を容易にしながら、トレーサビリティーが確実に、既存のシステムを変えずにできる実施例を複写機1を例にとって説明する。
【0043】
例えば、複写機などの画像形成装置では図7に示すように、またモータ19等では図8に示すように、定格銘板13を新品製造時に貼り付ける。この定格銘板13には例えば図9(A)に示すように、製造した機種、名称、製造番号などが記載されている。この記載内容を見て製品の情報を追跡したり、逆に情報から現品を探し出したりすることができる。回収したときもこの情報を使って、現品管理ができる。
【0044】
また再生機に新品の定格銘板と再生機の定格銘板を貼り付けることもある。この場合、図10や図11で示すように、元機の定格銘板13aと再生機の定格銘板13bを2枚貼り付けた状態になる。そのため、どちらを見てよいか現場では混乱しやすいことは既述の通りである。また図12に示すように、2枚貼り付ける場所がなく、定格銘板13の貼り付け場所が1枚分だけ確保された機械の場合や、機械の種類が違った場合は、統一した場所に定格銘板13を貼れないこともある。
【0045】
また加筆して追加するスペースの確保が必要となったりサフィックスをつけて桁数を増す方法では機械番号を管理するシステムの変更が必要になるが、多くの機器、システムが生産段階や販売段階等で使われており、販社やリース会社が異なっているとシステムも異なっているのが普通であるので、新品機と再生機で2枚の定格銘板があったりするとどちらを使うか誤ったり、製造番号の桁数が新品機と再生機で異なっているとシステムが使えないことがあったりすることも既述の通りである。
【0046】
例えば図1のような複写機は、生産工場で生産され、図7、図12のように後部上カバー16や後部下カバー17のような容易に取り去ることができる部品を避け、フレーム18のような複写機から外すのが容易ではない基盤となる部品に定格銘板13が貼り付けられる。そして図13に示すように、生産工場57から倉庫58を経由してユーザー59のもとへ出荷される。この間の輸送や保管などの管理や、生産工場57での複写機の生産管理や品質管理のため、図9に示す定格銘板13に記載の製造番号が用いられる。使用済となった複写機は、ユーザー59から回収されて回収センター60に送付され、再生する複写機は再生センター61へ、再生せずに材料として再資源化する複写機はリサイクルセンター62へ送付される。回収センター60やリサイクルセンター62も複写機の個体別管理のため製造番号を利用している。なお以下では再生可能として選別した回収機を元機と言う。再生センター61では、元機の劣化や磨耗している部品を交換したり、元機に注油をしたり、元機の汚れを洗浄したりして再生を行う。以下ではこのような再生処理した機械を再生機と言う。
【0047】
元機には図9(A)に示すような機種・名称・製造番号などを記載した定格銘板13が貼り付けられている。再生機には再生した記録として元機の定格銘板に記述してある機種・名称などはそのままにして図9(B)のように製造番号の上位4桁に新たに元機の定格銘板と同一の材質で元機と同色の番号を記載したシール14等を貼り付ける。こうして新たな製造番号を付与した再生機は倉庫58へ送られ、再びユーザー59に送付される。図9(B)の4桁部分を示すシール14は、再生機としての機種コードとして扱うため、図(C)のように機種コードを記載したシール15を貼り付けることができる。なお定格銘板13は、図8、11に示すようにモータ19などの部品にも貼りつけて用いる。このような場合にも同様に図9(B)のようなシール15を貼り付けることで再生したモータを管理できる。
【0048】
なお、図7のような後下カバー17のデザインの時、再生機用の定格銘板13をスペースの制約を考慮したりする必要がない。これはスペースをとって置いたりして機器が大きくなったりせず省資源につながる。機械番号の桁数を増やしたりしていないし、定格銘板13にある機種コードを変えていないので、これをもとにしたシステムの変更もないので変更の手間も省け従来のままのシステムをそのまま運用できる。
【0049】
図2に示すような単純な流通経路であっても、製造番号はいくつもの段階、例えば生産段階の生産工場57や販売段階の倉庫58やユーザー59で使用されるが、生産会社と販売会社が別個独立に存在していても、製造番号などの桁数が変更になっていなければ、上述した本発明の実施における大きな障害にならない。ITなどのシステム社会となってきており、ユーザー59のメンテナンスを受け持つサービスや資産管理をするリース会社が関与したりするとその範囲は広がり、預かり知らぬシステムで製造番号の桁数の変化が再生機の活用の障害となっているかもしれないことを考慮すると、この障害をなくしている点は大きい。さらに、元機の定格銘板13の上に小さなシール14、15等を貼るだけでよいので、資源の使用量が少ない。トレーサビリティーの面では元機と番号を照合するとき現品の機械番号が下の桁で変更がなく残っていて、複数の番号があるわけではないので、見間違いが少なく対応がしやすい。このような点で、再生機の活用が進みやすくなり、資源の有効利用を図る再生機が社会に還元され、循環型社会の形成を促進することになる。これはまさに地球資源の枯渇を防ぐ有効な手段といえる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施対象となる装置の一例の複写機を示す図
【図2】本発明に係る方法の実施例1における全体の流れを示すフロー図
【図3】分類基準の一例を示す図
【図4】分類基準の他の一例を示す図
【図5】救済選別情報の一例を示す
【図6】分類情報と選別情報の取り扱いシステムを示す図
【図7】本発明の実施例2に係る複写機を示す図
【図8】本発明の実施例2に係るモータを示す図
【図9】図7、図8の複写機、モータに使用する定格銘板の例を示す図
【図10】本発明の実施例2に係る複写機の他の例を示す図
【図11】本発明の実施例2に係るモータ機の他の例を示す図
【図12】本発明の実施例2に係る複写機のさらに他の例を示す図
【図13】本発明の実施例2に係る流通システムを示す図
【符号の説明】
【0051】
1:複写機本体
2:原稿台
3:原稿
4:感光体
5:給紙部
6:転写紙
7:定着部
13:定格銘板
13a、13b:定格銘板
14、15:シール
16:後部上カバー
17:後部下カバー
18:フレーム
19:モータ
57:生産工場
58:倉庫
59:ユーザー
60:回収センター
61:再生センター
62:リサイクルセンター
100:分類情報
110:分類基準1
111:分類基準2
112:分類フラグ
313:救済基準
312:優先度
311:選別フラグ
320:救済選定情報
400、410:パソコン
415:プリンタ
420:通信手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済の製品である回収機を再生製造工程に投入し、処理を施して再生機として市場に提供するために、当該回収機を分類分別する回収工程で廃棄扱いとなる回収機の救済方法であって、該回収機を分類、分別し、寿命要因外で廃棄扱いとなった回収機を選別して優先順位を設ける選別情報により、救済条件に合った回収機を選定し、選別情報及び選定情報を再生機用回収機の救済区へ伝達することを特徴とする再生用回収機の救済方法。
【請求項2】
請求項1の再生用回収機の救済方法において、前記分類、分別して寿命要因外で廃棄扱いとなった回収機を選別する優先順位を設けた選別情報、再生用回収機の選定情報の伝達は、通信手段を用いて行うことを特徴とする再生用回収機の救済方法。
【請求項3】
請求項2の再生用回収機の救済方法において、前記通信手段がインターネットを介した通信手段であることを特徴とする再生用回収機の救済方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかの再生用回収機の救済方法において、前記優先順位を設ける選別情報は、端末もしくは読取り装置より入力した情報を演算処理して回収機を選別する情報に重み付けし優先順位付けをすることを特徴とする再生用回収機の救済方法。
【請求項5】
使用済の製品である回収機を再生製造工程に投入し、処理を施して再生機として市場に提供するために、当該回収機を再生する方法であって、前記使用済となった製品を再生した製品が備える定格銘板に、該定格銘板より小さいサイズで該定格銘板の一部をなす部材を重ね合わせて貼り付けることを特徴とする回収機の再生方法。
【請求項6】
請求項5の回収機の再生方法において、前記重ね合わせた定格銘板の一部が機械番号の一部であることを特徴とする回収機の再生方法。
【請求項7】
請求項6の回収機の再生方法において、前記重ね合わせた定格銘板の前記機械番号の桁数を元機の機械番号の桁数と同じにすることを特徴とする回収機の再生方法。
【請求項8】
使用済の製品である回収機を再生製造工程に投入し、処理を施して再生機として市場に提供するために、当該回収機を分類分別する回収工程で廃棄扱いとなる回収機の救済システムであって、該回収機を分類、分別し、寿命要因外で廃棄扱いとなった回収機を選別して優先順位を設ける選別情報手段を有し、該選別情報手段により、救済条件に合った回収機を選定し、選別情報及び選定情報を再生機用回収機の救済区へ伝達することを特徴とする再生用回収機の救済システム。
【請求項9】
請求項8の再生用回収機の救済システムにおいて、前記分類、分別して寿命要因外で廃棄扱いとなった回収機を選別する優先順位を設けた選別情報、再生用回収機の選定情報の伝達は、通信手段を用いて行うことを特徴とする再生用回収機の救済システム。
【請求項10】
請求項9の再生用回収機の救済システムにおいて、前記通信手段がインターネットを介した通信手段であることを特徴とする再生用回収機の救済システム。
【請求項11】
請求項8ないし10のいずれかの再生用回収機の救済システムにおいて、前記優先順位を設ける選別情報は、端末もしくは読取り装置より入力した情報を演算処理して回収機を選別する情報に重み付けし優先順位付けをすることを特徴とする再生用回収機の救済システム。
【請求項12】
使用済の製品である回収機を再生製造工程に投入し、処理を施して再び市場に提供可能とした再生機であって、定格銘板に、該定格銘板より小さいサイズで該定格銘板の一部をなす部材を重ね合わせて貼り付けてなることを特徴とする再生機。
【請求項13】
請求項12の再生機において、前記重ね合わせた定格銘板の一部が機械番号の一部であることを特徴とする再生機。
【請求項14】
請求項13の再生機において、前記重ね合わせた定格銘板の前記機械番号の桁数を元機の機械番号の桁数と同じであることを特徴とする再生機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−61801(P2006−61801A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246140(P2004−246140)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】