説明

再生装置、再生方法、およびプログラム

【課題】3Dコンテンツの再生中の飛び越し操作時に、ユーザが、不快感なく、3D画像を認識することができるようする。
【解決手段】再生装置1は、光ディスク2に記録されている3Dコンテンツを再生する。再生装置1は、再生中の3Dコンテンツの3D画像に対して飛び越し操作が行われた場合、3Dコンテンツの2D画像を表示画面内の所定のサイズの親画面に表示させ、3Dコンテンツの3D画像を表示画面内の所定のサイズより小さいサイズの子画面に表示させる。本発明は、例えば、BD-ROMなどの光ディスクに記録された3Dコンテンツを再生する再生装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置、再生方法、およびプログラムに関し、特に、3Dコンテンツの再生中の飛び越し操作時に、ユーザが、不快感なく、3D画像を認識することができるようする再生装置、再生方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像を立体的に知覚できる3D方式の映画が話題である。また、3Dでの視聴が可能なテレビジョン受像機の発売も始まり、3Dでの視聴が本格化し始めてきている。
【0003】
再生装置が、3Dコンテンツを再生する場合、早送りや早戻りをしている最中は、左目用画像かまたは右目用画像の一方のみを表示するようにして2D画像で表示している。
【0004】
一方、従来、2D表示から3D表示への切り換えにおいて、視差量を徐々に広げるようにして、違和感なく3D表示へ切り換えられるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−328566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、早送りや早戻りをしている最中は、2D画像のみが表示される。そのため、3D画像を認識することができない。従って、例えば、ユーザが、早送りや早戻りをしながら、3D画像を十分に楽しめる位置を探し、通常再生に切り替えることで、その位置から3D画像を見ることはできない。
【0007】
一方、早送りや早戻りをしている最中に3D画像のみが表示される場合、ユーザは、視差量の変化に対応することが難しく、不快に感じる。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、3Dコンテンツの再生中の飛び越し操作時に、ユーザが、不快感なく、3D画像を認識することができるようするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面の再生装置は、コンテンツ記録媒体に記録されている3Dコンテンツを再生する再生手段と、前記再生手段により再生中の前記3Dコンテンツの3D画像に対して飛び越し操作が行われた場合、前記3Dコンテンツの2D画像を表示画面内の所定のサイズの親画面に表示させ、前記3Dコンテンツの3D画像を前記表示画面内の前記所定のサイズより小さいサイズの子画面に表示させる表示制御手段とを備える。
【0010】
本発明の一側面の再生方法は、コンテンツ記録媒体に記録されている3Dコンテンツを再生する再生装置が、再生中の前記3Dコンテンツの3D画像に対して飛び越し操作が行われた場合、前記3Dコンテンツの2D画像を表示画面内の所定のサイズの親画面に表示させ、前記3Dコンテンツの3D画像を前記表示画面内の前記所定のサイズより小さいサイズの子画面に表示させるステップを含む。
【0011】
本発明の一側面のプログラムは、コンピュータを、コンテンツ記録媒体に記録されている3Dコンテンツを再生する再生手段と、前記再生手段により再生中の前記3Dコンテンツの3D画像に対して飛び越し操作が行われた場合、前記3Dコンテンツの2D画像を表示画面内の所定のサイズの親画面に表示させ、前記3Dコンテンツの3D画像を前記表示画面内の前記所定のサイズより小さいサイズの子画面に表示させる表示制御手段として機能させるためのものである。
【0012】
本発明の一側面においては、再生中の前記3Dコンテンツの3D画像に対して飛び越し操作が行われた場合、前記3Dコンテンツの2D画像が表示画面内の所定のサイズの親画面に表示され、前記3Dコンテンツの3D画像が前記表示画面内の前記所定のサイズより小さいサイズの子画面に表示される。
【0013】
再生装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一側面によれば、3Dコンテンツの再生中の飛び越し操作時に、ユーザが、不快感なく、3D画像を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用した再生装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の再生装置による再生処理を説明するフローチャートである。
【図3】インデックスファイルとして記録されるデータの内容を示す図である。
【図4】表示される画像の例を示す図である。
【図5】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[本発明を適用した再生装置の構成例]
図1は、本発明を適用した再生装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0017】
再生装置1は、コンテンツ記録媒体としての光ディスク2に記録された3Dコンテンツを再生し、外部のディスプレイ3に3Dコンテンツの3D画像を表示させる装置である。ここで、光ディスク2に記録されたコンテンツを再生するとは、正確には、そのコンテンツのデータ(コンテンツデータ)を再生することであるが、本明細書では、適宜、コンテンツを再生すると表現する。なお、再生装置1は、勿論、光ディスク2に2Dコンテンツが記録されている場合には、2Dコンテンツを再生することも可能である。2Dコンテンツ(の2D画像)は、従来の画像であって、右眼と左眼に対応する画像が同一であり、3Dコンテンツ(の3D画像)は、右眼と左眼に対応する画像が別々で、右眼用画像と左眼用画像との間に設けられた視差により立体的に知覚させるものである。図1において、実線はコンテンツのデータの流れを、点線は制御信号の流れを示している。
【0018】
本実施の形態において、再生装置1が再生する光ディスク2は、例えば、BD-ROMであるとする。なお、光ディスク2は、BD-ROM以外のDVD(Digital Versatile Disc)やBlu-ray(登録商標) Discであってもよい。また、再生装置1は、光ディスク2以外のフラッシュメモリなどの半導体メモリ、ハードディスク等に記録された3Dコンテンツを再生するものでもよい。即ち、コンテンツ記録媒体の種類は特に限定されない。
【0019】
光ディスクドライブ11は、コントローラ27の制御の下、光ディスク2を駆動する。ストリーム供給部12は、光ディスクドライブ11により駆動された光ディスク2に記録されている記録信号としての3DコンテンツのAVストリームを読み出し、バッファメモリ14に供給する。
【0020】
チューナ13は、コントローラ27の制御によって決定された所定のチャンネルの周波数帯の放送波の信号を不図示のアンテナを介して受信し、その結果得られる3DコンテンツのAVストリームをバッファメモリ14に供給する。バッファメモリ14は、3DコンテンツのAVストリームを所定時間保持し、Demux処理部15に供給する。
【0021】
Demux処理部15は、バッファメモリ14から供給されるAVストリームのPID(パケットID)に基づいて、ビデオデータ、オーディオデータ、字幕データ、などのパケットをそれぞれ抽出する。PIDは、パケットを構成するデータの種類ごとに固有のIDであり、パケットに付加されている。
【0022】
そして、Demux処理部15は、抽出されたビデオデータ(ビデオES)を、ビデオESバッファ16に供給し、抽出されたオーディオデータ(オーディオES)を、オーディオESバッファ19に供給する。ESは、エレメンタリストリームを表す。
【0023】
ビデオESバッファ16は、Demux処理部15から供給されるビデオデータを所定時間保持し、ビデオデコード部17に供給する。ビデオデコード部17は、MPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2),MPEG4,AVC(Advanced Video Coding)等の所定の符号化方式で符号化されているビデオデータをデコードすることにより、左眼用画像(以下、L画像と称する。)と右眼用画像(以下、R画像と称する。)の画像データを生成する。ビデオバッファ18は、デコードして得られたL画像とR画像の画像データを所定時間保持し、画像処理部24に供給する。
【0024】
3Dコンテンツの画像データは、データ容量を少なくして保存することができるようにするため、例えば、H.264 AVC(Advanced Video Coding)/MVC(Multi-view Video coding)による符号化が行われ、圧縮されて、記録されている。
【0025】
H.264 AVC/MVCでは、Base view videoと呼ばれるビデオストリームと、Dependent view videoと呼ばれるビデオストリームとが定義されている。以下、適宜、H.264 AVC/MVCを単にMVCという。
【0026】
MVCは、時間方向の画像間の予測だけでなく、ストリーム(view)間の予測も用いた符号化を行う。
【0027】
即ち、MVCにおいては、Base view videoには、他のストリームを参照映像とする予測符号化が許されていないが、Dependent view videoには、Base view videoを参照映像とする予測符号化が許されている。従って、3Dコンテンツの画像データとしては、例えば、L画像をBase view videoとし、R画像をDependent view videoとする符号化が行われている。この場合、R画像についてはL画像を基に予測符号化を行うので、Dependent view videoストリームのデータ量を、Base view videoストリームのデータ量に比較して少なくすることができる。
【0028】
なお、H.264/AVCでの符号化であるから、Base view videoについて時間方向の予測は行われている。また、Dependent view videoについても、view間の予測とともに、時間方向の予測が行われている。Dependent view videoをデコードするには、エンコード時に参照先とした、対応するBase view videoのデコードが先に終了している必要がある。
【0029】
3Dコンテンツの画像データは、L画像とR画像のデータがそれぞれ異なるMPEG-TSとして光ディスク2に記録されてもよいし、1つのMPEG-TSとして記録されてもよい。
【0030】
オーディオESバッファ19は、Demux処理部15から供給されるオーディオデータを所定時間保持し、オーディオデコード部20に供給する。オーディオデコード部20は、MPEG等の所定の符号化方式で符号化されているオーディオデータをデコードすることにより、音声データを生成する。オーディオバッファ21は、デコードして得られた音声データを所定時間保持し、AV同期部25に供給する。
【0031】
OSD描画部22は、コントローラ27の制御の下、3Dコンテンツの3D画像に重畳させて表示させるOSD(On Screen Display)画面を生成し、OSDバッファ23に供給する。例えば、OSD描画部22は、チャンネル番号やボリュームを表示するOSD画面、再生時間、3Dコンテンツ全体における現時点の再生位置などを表示するOSD画面などを生成する。OSDバッファ23は、OSD描画部22により生成されたOSD画面(の画像データ)を所定時間保持し、画像処理部24に供給する。
【0032】
画像処理部24は、コントローラ27の制御の下、ビデオバッファ18とOSDバッファ23に保持されている画像データを取得して、必要に応じて所定の処理を実行し、AV同期部25に供給する。画像処理部24が実行する処理としては、例えば、3Dコンテンツの3D画像とOSD画面の合成処理、2D画像や3D画像のサイズ変換処理などである。
【0033】
AV同期部25は、画像処理部24から供給される画像データと、オーディオバッファ21から供給される音声データを、PTSに従って同期させ、出力部26に供給する。PTS(Presentation Time Stamp)は、再生のための時刻情報である。
【0034】
出力部26は、D/Aコンバータを内蔵し、AV同期部25から供給される画像データと音声データを、アナログまたはデジタルのAV信号としてディスプレイ3に出力する。出力部26は、出力端子として、たとえば、AV信号をHDMI(High-Definition Multimedia Interface)信号により出力するHDMI出力端子や、AV信号をコンポーネント信号により出力する出力端子などを有する。
【0035】
出力部26と接続されるディスプレイ3は、例えば、PDP(Plasma Display Panel)ディスプレイや液晶ディスプレイで構成されるテレビジョン受像機などである。3Dコンテンツの再生においては、ディスプレイ3には、L画像とR画像が交互に表示される。視聴者(ユーザ)は、立体視用のメガネを装着して、3Dコンテンツの3D画像を視聴する。立体視用のメガネは、例えば、左右交互に開閉するシャッタ機能を有するものであり、ディスプレイ3に表示されるL画像とR画像に同期して、左眼と右眼のシャッタが交互に開閉する。L画像とR画像には視差が設けられてあり、右眼と左眼それぞれで独立に、対応するL画像とR画像を視認することで、視聴者は、ディスプレイ3に表示される画像を立体的に知覚することができる。
【0036】
コントローラ27は、不図示のメモリに記録された制御プログラムにより、操作部28または受光部29からの動作命令に従って、再生装置1の再生動作を制御することで、ディスプレイ3に表示させる再生画像を制御する。
【0037】
操作部28は、例えば、再生を実行する再生ボタン、再生を停止する停止ボタンなどを有し、ユーザの操作を受け付け、受け付けられた操作に対応する操作信号をコントローラ27に供給する。受光部29は、赤外線信号等により、再生装置1に付属のリモートコントローラ30から供給される操作信号を受信し、コントローラ27に供給する。
【0038】
リモートコントローラ30は、ユーザが操作した操作ボタンに対応する操作信号を、赤外線信号等の無線通信により再生装置1本体の受光部29に送信する。
【0039】
リモートコントローラ30には、3Dコンテンツの再生に関する操作ボタンとして、例えば、再生ボタン、停止ボタン、FF(早送り)ボタン、FR(早戻し)ボタン、Next(次)ボタン、Prev(前)ボタン、Flash+ボタン、Flash-ボタンなどがある。
【0040】
FF(早送り)ボタン、FR(早戻し)ボタン、Next(次)ボタン、Prev(前)ボタン、Flash+ボタン、およびFlash-ボタンは、いずれも、現時点から、所定枚数先または後ろへ飛び越した画像を表示させる飛び越し操作を行うボタンである。
【0041】
Next(次)ボタンは、現在再生中のチャプタの次のチャプタの先頭位置に再生位置を移動させるボタンである。Prev(前)ボタンは、現在再生中のチャプタの先頭位置、または、前のチャプタの先頭位置に再生位置を移動させるボタンである。Flash+ボタンは、現在の再生位置から予め設定されている秒数(例えば、15秒)先の位置に再生位置を移動させるボタンである。Flash-ボタンは、現在の再生位置から予め設定されている秒数(例えば、10秒)前の位置に再生位置を移動させるボタンである。FF(早送り)ボタンとFR(早戻し)ボタンは、操作(押下)されている間、再生位置(再生画像)を変更するボタンである。これに対して、Next(次)ボタン、Prev(前)ボタン、Flash+ボタン、およびFlash-ボタンは、再生コンテンツの所定の再生位置(時刻)を指定して、その時刻に移動させるボタンである。以下では、Next(次)ボタン、Prev(前)ボタン、Flash+ボタン、およびFlash-ボタンを総称して、Jumpキーともいう。
【0042】
再生装置1は、以上のように構成される。
【0043】
[再生装置1の再生処理]
図1の再生装置1では、3Dコンテンツの再生中にFFボタン、FRボタン、Jumpキーが操作(押下)されることにより画像(シーン)が大きく変化したとき、3Dコンテンツを2D画像で親画面に表示させ、3D画像で子画面に表示させることができる。なお、親画面とは、表示画面内の所定のサイズの画面であり、子画面とは、表示画面内の親画面より小さいサイズの画面である。
【0044】
このように、再生装置1では、3Dコンテンツの再生中にFFボタン、FRボタン、Jumpキーが操作された場合、3Dコンテンツの2D画像とともに3D画像が表示されるので、ユーザは、3D画像を認識することができる。また、再生装置1では、3Dコンテンツの3D画像が、親画面に比べて小さい子画面に表示されるので、3D画像が親画面に表示される場合に比べて、3D画像の視差量は小さくなり、ユーザの不快感は軽減される。
【0045】
そこで、図2のフローチャートを参照して、3Dコンテンツの再生中にFFボタン、FRボタン、Jumpキーが操作(押下)されることにより画像(シーン)が大きく変化したときの処理を含む、再生装置1による再生処理を説明する。この再生処理は、例えば、光ディスク2としてのBD-ROMが光ディスクドライブ11に装着されたとき、または、再生ボタンが操作されたとき、開始される。
【0046】
初めに、ステップS1において、再生装置1のコントローラ27は、BD-ROMに記録されているインデックスファイルを読み込む。そして、ステップS2において、再生装置1は、インデックスファイルの所定の位置に記載された情報を取得することにより、光ディスク2に記録されているコンテンツが3Dコンテンツであるかを判定する。
【0047】
図3は、インデックスファイルとして記録されるデータの内容を示している。
【0048】
BD-ROMには、ルート(root)ディレクトリの下に、BDMVディレクトリが存在し、その中に、インデックスファイル(index.bdmvファイル)が配置される。
【0049】
図3Aは、インデックスファイルのデータ構造を示している。
【0050】
インデックスファイルの中には、コンテンツについての情報が記録されるAppinfoBDMV()が配置されている。AppinfoBDMV()のデータ構造が、図3Bに示されている。
【0051】
AppinfoBDMV()には、SS_content_exist_flagという項目のフラグが記述されている。このフラグが「1」である場合、このBD-ROMに記録されているコンテンツが3Dコンテンツであることを示している。コントローラ27は、SS_content_exist_flagのフラグを確認することにより、光ディスク2に記録されているコンテンツが3Dコンテンツであるかを判定する。AppinfoBDMV()には、その他に、ビデオフォーマットについての情報(video_format)や、フレームレート(frame_rate)についての情報などが記録されている。
【0052】
図2に戻り、ステップS2で、光ディスク2に記録されているコンテンツが3Dコンテンツではないと判定された場合、処理はステップS3に進み、再生装置1は、2Dコンテンツの再生(2D再生)を行う。記録されている2Dコンテンツの全ての再生が終了するか、または、停止ボタンが操作された時点で、処理は終了する。
【0053】
一方、ステップS2で、光ディスク2に記録されているコンテンツが3Dコンテンツであると判定された場合、処理はステップS4に進み、再生装置1は、3Dコンテンツの再生(3D再生)を行う。
【0054】
ここで、通常の3D再生におけるコンテンツデータの流れについて簡単に説明する。
【0055】
光ディスク2から読み出されたAVストリームは、バッファメモリ14を介してDemux処理部15に供給される。AVストリームは、Demux処理部15によって、ビデオESとオーディオESに分離され、ビデオESは、ビデオESバッファ16を介してビデオデコード部17に供給される。オーディオESは、オーディオESバッファ19を介してオーディオデコード部20に供給される。ビデオデコード部17において、ビデオESがデコードされ、L画像とR画像の画像データが生成される。L画像とR画像の画像データは、ビデオバッファ18に一時的に保持される。画像処理部24において、ビデオバッファ18に保持されたL画像とR画像の画像データから、親画面のサイズのL画像とR画像の画像データが生成される。また、オーディオデコード部20において、オーディオESがデコードされ、音声データが生成される。親画面のサイズのL画像とR画像の画像データと音声データはAV同期部25によってPTSに従った所定のタイミングで出力され、ディスプレイ3において、L画像とR画像が表示されるとともに音声が出力される。
【0056】
3Dコンテンツの再生が開始された後、ステップS5において、コントローラ27は、FFボタン、FRボタン、又はJumpキーが操作(押下)されたかを判定する。ステップS5で、FFボタン、FRボタン、及びJumpキーのいずれも操作されていないと判定された場合、処理はステップS4に戻る。即ち、FFボタン、FRボタン、及びJumpキーのいずれも操作されていない場合、通常の3D再生が継続的に実行される。
【0057】
一方、ステップS5でFFボタン、FRボタン、又はJumpキーが操作されたと判定された場合、ステップS6において、再生装置1は、3Dコンテンツの現在の再生位置から2D3D再生を行う。
【0058】
ここで、2D3D再生におけるコンテンツデータの流れについて簡単に説明する。
【0059】
3Dコンテンツの再生中にFFボタン、FRボタン、又はJumpキーが操作されると、コントローラ27の制御の下、光ディスク2から断続的にAVストリームが読み出される。読み出されたAVストリームは、バッファメモリ14を介してDemux処理部15に供給される。AVストリームは、Demux処理部15によって、ビデオESとオーディオESに分離され、ビデオESは、ビデオESバッファ16を介してビデオデコード部17に供給される。オーディオESは、オーディオESバッファ19を介してオーディオデコード部20に供給される。ビデオデコード部17において、ビデオESがデコードされ、L画像とR画像の画像データが生成される。L画像とR画像の画像データは、ビデオバッファ18に一時的に保持される。画像処理部24において、ビデオバッファ18に保持されたL画像とR画像の画像データから、子画面のサイズのL画像とR画像の画像データ(以下、子画面データという)と、親画面のサイズのL画像とR画像のいずれか一方の画像データ(以下、親画面データという)が生成される。また、オーディオデコード部20において、オーディオESがデコードされ、音声データが生成される。親画面データ、子画面データ、音声データはAV同期部25によってPTSに従った所定のタイミングで出力され、ディスプレイ3において、親画面に2D画像が表示されるとともに、子画面に3D画像が表示される。また、同時に、音声も出力される。
【0060】
そして、処理はステップS7に進み、再生ボタンが操作されたかがコントローラ27により判定される。ステップS7で、再生ボタンが操作されたと判定された場合、処理はステップS4に戻り、現在の再生位置から3D再生が再開される。
【0061】
一方、ステップS7で再生ボタンが操作されていないと判定された場合、ステップS8において、コントローラ27は、再生を終了するかどうかを判定する。例えば、コントローラ27は、光ディスク2に記録されている3Dコンテンツの全ての再生が終了した場合、または、停止ボタンが操作された場合、再生を終了すると判定し、それ以外の場合、再生を終了しないと判定する。そして、ステップS8で再生を終了すると判定された場合、処理は終了する。
【0062】
一方、ステップS8で再生を終了しないと判定された場合、処理はステップS6に戻り、再生ボタンが操作されるか、または、再生を終了すると判定されるまで、ステップS6乃至S8の処理が繰り返される。即ち、再生ボタンが操作されるか、再生を終了すると判定されるまで、2D3D再生による早送り又は早戻しが継続される。
【0063】
[表示画像の例]
図4は、再生ボタンが操作されたときに表示される画像と、FFボタン、FRボタン、又はJumpキーが操作されたときに表示される画像の例を示す図である。
【0064】
図4Aに示すように、再生ボタンが操作されたとき、3D再生が行われ、ディスプレイ3の表示画面内の親画面51には、親画面51のサイズの3D画像51Aが表示される。
【0065】
そして、3D再生中に、FFボタン、FRボタン、又はJumpキーが操作されると、図4Bに示すように、そのときの再生位置から2D3D再生が行われ、親画面51には、親画面51のサイズの2D画像52Aが表示され、子画面52には、子画面52のサイズの3D画像52Bが表示される。この3D画像52Bのサイズは、3D画像51Aに比べて小さいので、3D画像52Bの視差量は、3D画像51Aの視差量に比べて小さい。従って、ユーザの3D画像の早送り又は早戻しによる不快感は軽減される。
【0066】
FFボタン、FRボタン、又はJumpキーの操作後、再び再生ボタンが操作されると、そのときの再生位置から再び3D再生が行われ、図4Aに示したように、親画面51に3D画像51Aが表示される。
【0067】
以上のように、再生装置1では、FFボタン、FRボタン、又はJumpキーが操作されると、子画面52に、3D画像52Bが表示されるので、ユーザは、FFボタン、FRボタン、又はJumpキーの操作時にも、3D画像を認識することができる。また、ユーザは、FFボタン、FRボタン、又はJumpキーの操作後、再び再生ボタンを操作することにより、そのときの再生位置から3D再生を行うことができる。
【0068】
その結果、ユーザは、例えば、FFボタン、FRボタン、又はJumpキーを操作しながら、子画面52で3D画像を十分に楽しめる位置を探し、再生ボタンを操作することで、その位置から親画面51で3D画像を見ることができる。
【0069】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0070】
図5は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0071】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0072】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記憶部108、通信部109、及びドライブ110が接続されている。
【0073】
入力部106は、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる。出力部107は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部108は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部109は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ110は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111を駆動する。
【0074】
チューナ112は、所定の放送局に対応する所定の周波数帯の放送波の信号を受信し、入出力インタフェース105を介して、CPU101等に供給する。
【0075】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0076】
コンピュータ(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体111に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0077】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0078】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0079】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 再生装置, 2 光ディスク, 11 光ディスクドライブ, 12 ストリーム供給部, 27 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ記録媒体に記録されている3Dコンテンツを再生する再生手段と、
前記再生手段により再生中の前記3Dコンテンツの3D画像に対して飛び越し操作が行われた場合、前記3Dコンテンツの2D画像を表示画面内の所定のサイズの親画面に表示させ、前記3Dコンテンツの3D画像を前記表示画面内の前記所定のサイズより小さいサイズの子画面に表示させる表示制御手段と
を備える再生装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記飛び越し操作の後に再生操作が行われた場合、前記3Dコンテンツの3D画像を前記親画面に表示させる
請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記飛び越し操作は、FFボタン、FRボタン、Next(次)ボタン、Prev(前)ボタン、Flash+ボタン、およびFlash-ボタンの操作の少なくとも一つを含む
請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
コンテンツ記録媒体に記録されている3Dコンテンツを再生する再生装置が、
再生中の前記3Dコンテンツの3D画像に対して飛び越し操作が行われた場合、前記3Dコンテンツの2D画像を表示画面内の所定のサイズの親画面に表示させ、前記3Dコンテンツの3D画像を前記表示画面内の前記所定のサイズより小さいサイズの子画面に表示させる
ステップを含む再生方法。
【請求項5】
コンピュータを、
コンテンツ記録媒体に記録されている3Dコンテンツを再生する再生手段と、
前記再生手段により再生中の前記3Dコンテンツの3D画像に対して飛び越し操作が行われた場合、前記3Dコンテンツの2D画像を表示画面内の所定のサイズの親画面に表示させ、前記3Dコンテンツの3D画像を前記表示画面内の前記所定のサイズより小さいサイズの子画面に表示させる表示制御手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−19386(P2012−19386A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155720(P2010−155720)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】