説明

再生装置、再生方法、プログラム、及び、記録媒体

【課題】内部メモリの消費を低減し、かつ、様々な内容のコンテンツを容易に再生可能な再生装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るテレビ1は、外部デバイス30が接続されたとき、外部デバイス30に記憶されているファイルであって、予め定められた識別子を含むファイル名を有するファイルを選択するファイル名選択部12と、ファイル名選択部12によりファイルが選択されたとき、選択されたファイルから読み出したコンテンツを再生するコンテンツ再生部13とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部記録装置に記憶されたコンテンツを再生する再生装置、及び、その再生に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送コンテンツのほかに、蓄積コンテンツを再生可能なテレビ(テレビジョン受像機)が一般化している。このようなテレビでは、内部メモリに予め色々なコンテンツが記憶されている。予め記憶されているコンテンツとしては、例えば、機能説明用コンテンツやデモ用コンテンツ(販促用コンテンツ)などが挙げられる。
【0003】
テレビに予めコンテンツを記憶しておく技術として、特許文献1には、テレビに予め取扱説明情報を記録し、ユーザの指示によって表示画面に取扱説明情報を表示する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、内部メモリに予め語句に対応するコードを記録しておき、ユーザが選択した語句に対応するコードを外部記憶装置に記録し、そのコードに基づいて他の電子機器にて機能説明を見ることの出来る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−211315号公報(平成18年8月10日公開)
【特許文献2】特開2007−148760号公報(平成19年6月14日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、コンテンツは、テレビ、又はリモコン(リモートコントローラ)に記録されているため、その内容を容易に書き換えることが出来ず再生するコンテンツを変えられないという問題があった。また、予めテレビの内部メモリにコンテンツを記録しておくため、内部メモリの容量が少なくなってしまうという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術においても、コンテンツと、対応したコードとを内部メモリに記憶しておく必要があるため、その内容を容易に書き換えることが出来ず、再生するコンテンツを変えられないという問題があった。また、内部メモリの容量が少なくなってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、内部メモリの消費を低減し、かつ、様々な内容のコンテンツを容易に再生可能な再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る再生装置は、上記課題を解決するために、外部記憶装置が接続されたとき、当該外部記憶装置に記憶されているファイルであって、予め定められた識別子を含むファイル名を有するファイルを選択する選択手段と、上記選択手段によりファイルが選択されたとき、選択されたファイルから読み出したコンテンツを再生する再生手段と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、当該再生装置に再生させたいコンテンツが格納されたファイルを上記外部記憶装置に記憶させ、そのファイルに上記識別子を含むファイル名を付与しておけば、上記外部記憶装置を当該再生装置に接続するだけで、当該再生装置に再生させたいコンテンツを当該再生装置に再生させることができる。例えば、デモ用コンテンツが格納されたファイルを上記外部記憶装置に記憶させ、そのファイルに上記識別子を含むファイル名を付与しておけば、上記外部記憶装置を当該再生装置に接続するだけで、当該再生装置に再生させたいデモ用コンテンツを当該再生装置に再生させることができる。しかも、この際、内部メモリを使用する必要がないので、内部メモリの消費を増大させることはない。また、外部記憶装置に新たなコンテンツが格納されたファイルを記憶させ、そのファイルに上記識別子を含むファイル名を付与することで、新たなコンテンツを当該再生装置に再生させることができる。
【0011】
本発明に係る再生装置ではさらに、上記選択手段は、上記識別子を含むファイル名を有するファイルであって、当該再生装置の属性または設定に合致しない文字列を含まないファイル名を有するファイルを選択することが好ましい。
【0012】
上記の構成によれば、当該再生装置の属性または設定に適したコンテンツを当該コンテンツ再生装置に再生させることができる。
【0013】
本発明に係る再生装置ではさらに、上記選択手段は、上記識別子を含むファイル名を有するファイルであって、当該再生装置の属性または設定に合致しない文字列を含まないファイル名を有するファイルのうち、当該再生装置の属性または設定に合致する文字列を最も多く含むファイル名を有するファイルを選択することが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、当該再生装置の属性または設定に最も適したコンテンツを当該コンテンツ再生装置に再生させることができる。
【0015】
本発明に係る再生装置ではさらに、上記属性は、当該再生装置の機種名、および、当該再生装置のディスプレイサイズの少なくとも何れかであり、上記設定は、当該再生装置における言語設定であることが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、当該再生装置の機種名およびディスプレイサイズの少なくとも何れか、および、当該再生装置の言語設定に適したコンテンツを当該コンテンツ再生装置に再生させることができる。
【0017】
本発明に係る再生装置の再生方法は、外部記憶装置に記憶されたコンテンツを再生装置が再生する再生方法であって、上記外部記憶装置が上記再生装置に接続されたとき、再生装置が、上記外部記憶装置に記憶されているファイルであって、予め定められた識別子を含むファイル名を有するファイルを選択する選択ステップと、上記再生装置が、上記選択ステップにて選択されたファイルから読み出したコンテンツを再生する再生ステップと、を含んでいることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、当該再生装置に再生させたいコンテンツが格納されたファイルを上記外部記憶装置に記憶させ、そのファイルに上記識別子を含むファイル名を付与しておけば、上記外部記憶装置を当該再生装置に接続するだけで、当該再生装置に再生させたいコンテンツを当該再生装置に再生させることができる。例えば、デモ用コンテンツが格納されたファイルを上記外部記憶装置に記憶させ、そのファイルに上記識別子を含むファイル名を付与しておけば、上記外部記憶装置を当該再生装置に接続するだけで、当該再生装置に再生させたいデモ用コンテンツを当該再生装置に再生させることができる。しかも、この際、内部メモリを使用する必要がないので、内部メモリの消費を増大させることはない。また、外部記憶装置に新たなコンテンツが格納されたファイルを記憶させ、そのファイルに上記識別子を含むファイル名を付与することで、新たなコンテンツを当該再生装置に再生させることができる。
【0019】
なお、本発明に係る受信装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させることを特徴とするプログラム、及び、それらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る再生装置は、以上のように、外部記憶装置が接続されたとき、当該外部記憶装置に記憶されているファイルであって、予め定められた識別子を含むファイル名を有するファイルを選択する選択手段と、上記選択手段によりファイルが選択されたとき、選択されたファイルから読み出したコンテンツを再生する再生手段と、を備えている。
【0021】
したがって、内部メモリを設けることなく、外部記憶装置を再生装置に接続するだけで、再生装置に再生させたいコンテンツを再生装置に再生させることができる。しかも、再生装置に再生させるコンテンツは、容易に変更することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るテレビの構成を示す図である。
【図2】(a)は、デモ用ファイルに付与されるファイル名を例示した図であり、(b)は、テレビの属性および設定と、テレビにて再生されるデモ用ファイルに付与されるファイル名との関係を例示した図である。
【図3】テレビが備える制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る再生装置の一実施形態について、図面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態に係る再生装置は、テレビジョン受像機として実現されているので、以下、これをテレビと呼称する。
【0024】
本実施形態に係るテレビ1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、テレビ1の構成を示すブロック図である。テレビ1は、一言で言えば、外部デバイス30が接続されたときに、外部デバイス30に記憶されているデモ用コンテンツを自動的に再生するように構成されたテレビである。ここで、デモ用コンテンツとは、家電販売店等での再生に適した販促用のコンテンツのことを指す。デモ用コンテンツは、静止画像、動画像、及び、音声の何れであってもよい。
【0025】
外部デバイス30は、USBメモリなどの外部記録装置である。外部デバイス30には、デモ用コンテンツが格納されたファイル(以下、「デモ用ファイル」とも呼称する)が、その他のファイルと共に記憶されている。また、外部デバイス30には、ファイル・フォルダ情報が記憶されている。ファイル・フォルダ情報には、外部デバイス30に記憶されている各ファイルのファイル名が、そのファイルを内包するフォルダのフォルダ名と関連付けて記録されている。
【0026】
テレビ1は、(1)デモ用ファイルを外部デバイス30から読み出すと共に、読み出したデモ用ファイルに格納されたデモ用コンテンツを再生するための制御部10と、(2)制御部10にて再生されたデモ用コンテンツを表示するための表示部20と、(3)テレビ1の属性を示す属性値やテレビ1の設定を示す設定値などを記憶するメモリ21とを備えている。メモリ21に記憶される属性値としては、テレビ1の機種名や、テレビ1のインチサイズ(インチ単位で表記されたディスプレイサイズ)などが挙げられる。また、メモリ21に記憶される設定値としては、言語設定に関する設定値などが挙げられる。
【0027】
なお、テレビ1は、図1に示した構成の他に、地上波デジタル放送などにより放送される放送コンテンツを再生するための構成や、ネットワークを介して配信されるVOD(ビデオ・オン・デマンド)コンテンツを再生するための構成を備えているが、何れも公知の構成であるため、ここではその説明を割愛する。
【0028】
テレビ1の制御部10は、図1に示すように、(1)外部デバイス30からファイル・フォルダ情報を取得するファイル・フォルダ情報取得部11と、(2)ファイル・フォルダ情報取得部11が取得したファイル・フォルダ情報、及び、メモリ21に記憶された各種情報に基づいて、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたデモ用ファイルのファイル名を選択するファイル名選択部12と、(3)ファイル名選択部12が選択したファイル名を有するデモ用ファイルを外部デバイス30から読み出すと共に、読み出したデモ用ファイルに格納されたデモ用コンテンツを再生するコンテンツ再生部13とを含んでいる。
【0029】
以下、ファイル名選択部12において、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたデモ用ファイルのファイル名を選択するファイル名選択処理について、図2を参照して説明する。
【0030】
図2(a)は、デモ用ファイルに付与されるファイル名を例示した図である。
【0031】
図2(a)に例示したように、デモ用ファイルのファイル名には、そのファイルに格納されたコンテンツがデモ用コンテンツであることを示す識別子が含まれる。図2(a)に示した例では、デモ用ファイルF1〜F4のファイル名に含まれる、文字列「Demo」がこの識別子に該当する。
【0032】
また、デモ用ファイルのファイル名には、そのファイルに格納されたコンテンツを再生すべき再生環境を指定する再生環境指定文字列が含まれる。図2(a)に示した例では、ファイルF1のファイル名に含まれる、(1)機種名が「機種a」であるテレビにて再生すべきデモ用コンテンツが格納されていることを示す文字列「機種a」、(2)インチサイズが「46」であるテレビにて再生すべきデモ用コンテンツが格納されていることを示す文字列「46in」、(3)言語設定の設定値が「英語」であるテレビにて再生すべきデモ用コンテンツが格納されていることを示す文字列「eng」が再生環境指定文字列に該当する。ファイルF2〜F3についても同様である。
【0033】
ひとつのファイル名に複数の再生環境指定文字列を含める場合、各再生環境指定文字列は、セパレータ”_”により分離され、優先度の高い再生環境を指定する再生環境指定文字列から順に配列される。ここでは、機種名が最も優先度の高い再生環境、インチサイズが次に優先度の高い再生環境、言語設定が最も優先度の低い再生環境であるものとし、ファイルF1のファイル名を「Demo_機種a_46in_eng.mpg」のように構成している。なお、ファイル名の末尾は、ファイルタイプを示す拡張子であり、「.mpg」は、デモ用ファイルがMPEGファイル(動画ファイル)であることを示している。
【0034】
なお、再生環境を問わない汎用デモ用コンテンツが格納されているファイル(以下「デフォルトファイル」とも呼称する)には、上述した識別子と拡張子とのみにより構成されるファイル名を付与するものとする。図2(a)に示した例では、ファイルF4に付与されたファイル名「Demo.jpg」がこれに該当する。
【0035】
ファイル名選択部12は、デモ用ファイルのファイル名に含まれる再生環境指定文字列を利用することによって、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたファイルのファイル名を以下のように選択する。
【0036】
STEP1:ファイル・フォルダ名情報に含まれるファイル名のうち、識別子「Demo」を含むファイル名を、選択すべきファイル名の候補とする。
【0037】
STEP2:テレビ1の属性ないし設定に合致しない再生環境指定文字列を含むファイル名を、選択すべきファイル名の候補から除外する。例えば、テレビ1のインチサイズが「32」である場合、「32」以外のインチサイズを指定する再生環境指定文字列(例えば、「40in」や「42in」など)を含むファイル名を、選択すべきファイル名の候補から除外する。
【0038】
STEP3:STEP2にて絞り込まれた候補の中で、最も多くの再生環境指定文字列を含むファイル名を、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたファイルのファイル名として選択する。例えば、STEP2にて絞り込まれた候補が、「Demo_機種a_46in_eng.mpg」と「Demo_機種a.mpg」とである場合、より多くの再生環境指定文字列を含む前者を、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたファイルのファイル名として選択する。
【0039】
STEP4:STEP3にて選択されたファイル名の数が2以上の場合、STEP3にて選択されたファイル名の中で、最も優先度の高い再生環境を指定する再生環境指定文字列を含むファイル名を、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたファイルのファイル名として選択する。例えば、STEP3にて選択されたファイル名が「Demo_46in.mpg」と「Demo_機種a.mpg」とである場合、インチサイズよりも優先度の高い再生環境である機種名を指定する再生環境指定文字列「機種a」を含む後者を、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたファイルのファイル名として選択する。
【0040】
なお、STEP1にて選択された全てのファイル名がSTEP2にて候補から除外された場合には、再生環境を問わない汎用デモ用コンテンツが格納されたデフォルトファイルのファイル名、すなわち、識別子と拡張子とのみからファイル名「Demo.jpg」を、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたファイルのファイル名として選択する。
【0041】
図2(b)は、属性および設定の異なる表示装置A〜Dと、表示装置A〜Dにおいて選択されるデモ用ファイルのファイル名との関係を例示した図である。
【0042】
図2(b)に示す表示装置A(機種名が「機種a」、インチサイズが「46」、言語設定の設定値が「英語」)においては、ファイルF1〜F3のファイル名の全てが選択すべきファイル名の候補となり、その中から再生環境指定文字列を最も多く含むファイル名「Demo_機種a_46in_eng.mpg」が選択される。
【0043】
図2(b)に示す表示装置B(機種名が「機種a」、インチサイズが「46」、言語設定の設定値が「日本語」)においては、図2(a)に示したファイルF1〜F3のファイル名のうち、表示装置Bの設定に合致しない再生環境指定文字列「eng」を含むファイル名「Demo_機種a_46in_eng.mpg」が、選択すべきファイル名の候補から除外される。そして、除外されずに残ったファイル名「Demo_機種a.mpg」および「Demo_46in.mpg」は、何れも1つの再生環境指定文字列を含むので、より優先度の高い再生環境指定文字列を含むファイル名「Demo_機種a.mpg」が、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたファイルのファイル名として選択される。
【0044】
図2(b)に示す表示装置C(機種名が「機種b」、インチサイズが「46」、言語設定の設定値が「日本語」)においては、図2(a)に示したファイルF1〜F3のファイル名のうち、表示装置Cの属性に合致しない再生環境指定文字列「機種a」を含むファイル名「Demo_機種a_46in_eng.mpg」および「Demo_機種a.mpg」が、選択すべきファイル名の候補から除外さる。そして、除外されずに残った唯一のファイル名「Demo_46in.mpg」が、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたファイルのファイル名として選択される。
【0045】
図2(b)に示す表示装置D(機種名が「機種b」、インチサイズが「42」、言語設定の設定値が「英語」)においては、図2(a)に示したファイルF1〜F3のファイル名がどれも表示装置Dの属性または設定に合致しない。ファイルF1〜F3のファイル名は、どれも、表示装置Dの属性に合致しない再生環境指定文字列「機種a」、または、表示装置Dの属性に合致しない再生環境指定文字列「46in」を含むためである。したがって、汎用デモ用コンテンツが格納されたファイルF4のファイル名「Demo.jpg」が選択される。
【0046】
このようにファイル名に含まれる再生環境指定文字列を利用してファイル名を選択する構成を採用することによって、表示装置Aにおいては、表示装置Aに最も適したデモ用コンテンツを再生することができるし、表示装置Bにおいては、表示装置Bに最も適したデモ用コンテンツを再生することができる。
【0047】
なお、ここでは、外部デバイス30に4つのファイルが記録されている場合を例に挙げて説明したが、外部デバイス30にさらに多くのファイルが記憶されていてもよいことは言うまでもない。
【0048】
また、外部デバイス30に記録されるファイルは、メーカから配布されファイルに限るものではなく、例えば、メーカからダウンロードしたファイル、販売店で独自に作成したファイルであってもよい。
【0049】
また、ここでは、再生環境の優先度を、機種名、インチサイズ、言語設定の順としたが、これに限定されるものではない。例えば、言語設定、機種名、インチサイズの順としてもよい。また、ここでは、再生環境指定文字列により指定可能な再生環境として、機種名、インチサイズ、及び、言語設定を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、さらに他の再生環境が指定可能であってもよい。
【0050】
また、ここでは、ファイル名を参照して再生すべきデモ用ファイルを特定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、フォルダ名を参照してデモ用ファイルが格納されたフォルダを特定した上で、そのフォルダに格納されたファイルをデモ用ファイルとして読み出す構成を採用してもよい。この場合、デモ用ファイルを格納したフォルダに図2(a)に示したようなフォルダ名を付与しておけばよい。
【0051】
〔制御部の動作〕
テレビ1が備える制御部10の動作について、図3を用いて以下に説明する。図3は、テレビ1が備える制御部10の動作を示すフローチャートである。
【0052】
制御部10は、外部デバイス30が接続されたか否かを判定する(ステップS1)。制御部10において外部デバイス30が接続されていないと判定された場合(ステップS1においてNO)、制御部10は、再び外部デバイス30が接続されたか否かを判定する(ステップS1)。制御部10において外部デバイス30が接続されたと判定されるまで(ステップS1におていYES)、ステップS1の動作が繰り返される。
【0053】
外部デバイス30が接続されたと判定された場合(ステップS1におていYES)、ファイル・フォルダ情報取得部11は、外部デバイス30に記憶されているファイル・フォルダ情報を取得する(ステップS2)。
【0054】
外部デバイス30に記憶されているファイル・フォルダ情報を取得した後、ファイル名選択部12は、ファイル・フォルダ情報に含まれる各ファイル名に含まれる再生環境指定文字列を参照することによって、再生すべきデモ用コンテンツが格納されたファイルのファイル名(特定のファイル名)を選択する(ステップS3)。ステップS3にてファイル名を選択することができなかった場合(テレビ1の属性または設定に合致しない再生環境指定文字列を含まないファイル名が存在しなかった場合)、ファイル名選択部12は、デモ用コンテンツであることを示す識別子と拡張子とのみからなるファイル名(デフォルトファイルのファイル名)を選択する(ステップS4)。ファイル・フォルダ情報にデフォルトファイルのファイル名が含まれていなかった場合(ステップS4においてNO)、再び制御部10は、外部デバイス30が接続されたか否かを判定する(ステップS1)。特定のファイル名が選択される(ステップS3においてYES)まで、又は、デフォルトファイルのファイル名が選択される(ステップS4においてYES)まで、ステップS1からS4までの動作が繰り返される。
【0055】
特定のファイル名が選択された場合(ステップS3においてYES)、又は、デフォルトファイルのファイル名が選択された場合(ステップS4においてYES)、コンテンツ再生部13は、選択されたファイル名を有するファイルに格納されたコンテンツが再生可能であるか否かを判定する(ステップS5)。選択されたファイル名を有するファイルに格納されたコンテンツが再生可能でないと判定した場合(ステップS5においてNO)、制御部10は、再び外部デバイス30が接続されたか否かを判定する(ステップS1)。選択されたファイル名のファイルが再生可能であると判定されるまで(ステップS5においてYES)、ステップS1からS5までの動作が繰り返される。
【0056】
選択されたファイル名を有するファイルに格納されたコンテンツが再生可能であると判定された場合(ステップS5においてYES)、コンテンツ再生部13は、選択されたファイル名を有するファイルに格納されたデモ用コンテンツを再生し、表示部20に再生されたデモ用コンテンツを表示する(ステップS6)。
【0057】
なお、本実施形態では、テレビ1に外部デバイス30が接続された場合にデモ用コンテンツを再生する構成を示したが、これに限定されるものではない。例えば、外部デバイス30が接続されている状態で、テレビ1に電力を供給した時点でデモ用コンテンツを再生する構成、ユーザからデモ用コンテンツの再生を行う指示を取得した場合にデモ用コンテンツを再生する構成、テレビ1が店頭にてデモンストレーションを行う装置として初期化された場合にデモ用コンテンツを再生する構成などを採用してもよい。
【0058】
なお、本実施形態では、外部デバイス30に記録されているデモ用コンテンツを再生する構成を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、ネットワークを介して専用のサーバとテレビ1とを接続することによって、専用のサーバに記録されているデモ用コンテンツを再生する構成を採用してもよい。
【0059】
制御部10が上述の構成を備えることによって、デモ用のコンテンツをテレビ1の図示しないメモリ21に記録しておく必要がなく、メモリ21の容量が少なくなってしまうことを防ぐことが出来る。また、デモ用のコンテンツを記録しておくためにメモリ21の容量を大きくする必要がないため、メモリ21にデモ用のコンテンツを記録する場合と比較して、容量を削減することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、特定のファイル名が選択されず、デフォルトファイルのファイル名も選択されなかった場合、再び外部デバイス30が接続されているかを判定する構成を示したが、これに限定されるものではない。例えば、特定のファイル名が選択されず、デフォルトファイルのファイル名も選択されなかった場合に、テレビ1に予め記録されているデモ用コンテンツを再生する構成を採用してもよい。
【0061】
なお、本実施形態では、外部デバイス30にデモ用コンテンツが記録されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、テレビ1の機能説明用の動画を記録していてもよい。これによって、テレビの機能を動画を用いて表示することが出来る。
【0062】
〔プログラムおよび記録媒体〕
テレビ1に含まれている制御部10は、ハードウェアロジックによって構成すればよい。又は、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0063】
すなわち、制御部10は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するMPUなどのCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。
【0064】
そして、本発明の目的は、制御部10のプログラムメモリに固定的に担持されている場合に限らず、上記プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、又は、ソースプログラム)を記録した記録媒体をテレビ1に供給し、テレビ1が上記記録媒体に記録されている上記プログラムコードを読み出して実行することによっても、達成可能である。
【0065】
上記記録媒体は、特定の構造又は種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0066】
また、制御部10(又はテレビ1)を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介して制御部10に供給する。この通信ネットワークは制御部10にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類又は形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0067】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成又は種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0068】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0069】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、テレビ、レコーダ(BDレコーダ等)、パーソナルコンピュータなどに好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 テレビ(再生装置)
10 制御部
11 ファイル・フォルダ情報取得部
12 ファイル名選択部(選択手段)
13 コンテンツ再生部(コンテンツ再生手段)
20 表示部
21 メモリ
30 外部デバイス(外部記録装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶装置が接続されたとき、当該外部記憶装置に記憶されているファイルであって、予め定められた識別子を含むファイル名を有するファイルを選択する選択手段と、
上記選択手段によりファイルが選択されたとき、選択されたファイルから読み出したコンテンツを再生する再生手段と、を備えている、
ことを特徴とする再生装置。
【請求項2】
上記選択手段は、上記識別子を含むファイル名を有するファイルであって、当該再生装置の属性または設定に合致しない文字列を含まないファイル名を有するファイルを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
上記選択手段は、上記識別子を含むファイル名を有するファイルであって、当該再生装置の属性または設定に合致しない文字列を含まないファイル名を有するファイルのうち、当該再生装置の属性または設定に合致する文字列を最も多く含むファイル名を有するファイルを選択する、
ことを特徴とする請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
上記属性は、当該再生装置の機種名、および、当該再生装置のディスプレイサイズの少なくとも何れかであり、上記設定は、当該再生装置における言語設定である、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の再生装置。
【請求項5】
外部記憶装置に記憶されたコンテンツを再生装置が再生する再生方法であって、
上記外部記憶装置が上記再生装置に接続されたとき、再生装置が、上記外部記憶装置に記憶されているファイルであって、予め定められた識別子を含むファイル名を有するファイルを選択する選択ステップと、
上記再生装置が、上記選択ステップにて選択されたファイルから読み出したコンテンツを再生する再生ステップと、を含んでいる、
ことを特徴とする再生方法。
【請求項6】
請求項1から4までの何れか1項に記載の再生装置が備えているコンピュータを動作させるプログラムであって、上記コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−166423(P2011−166423A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26477(P2010−26477)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】