説明

再生装置及び設定切替方法

【課題】バッテリーで動作するデータを再生することのできるポータブルデバイスであって、デバイスの向きが変化しても、ユーザに統一した操作感のユーザーインターフェースを提供する。
【解決手段】データを再生することのできるバッテリーで動作する再生装置は、表示手段と、上記再生装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、上記再生装置が所定の条件を満たしたかを判断する判断手段と、上記判断手段によって上記再生装置が所定の条件を満たしたと判断されたときに、上記姿勢検出手段の検出結果に基づいて上記再生装置の設定を切り換える制御手段とで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーで動作するデータ再生装置の設定切替方法、バッテリーで動作する設定切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型再生装置には、当該再生装置の姿勢を検出し、ディスプレイに表示する画像の向きを上記検出した姿勢に応じて自動的に切り換えるものがある。
当該ディスプレイに表示する画像の向きの切り換えは、表示メモリを書き換えることによって実現する。
上述した携帯型再生装置では、上記ディスプレイに表示する画像の向きの切り換えを常時行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−196397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の携帯型再生装置では、機器の姿勢の変化に応じて常に画像の向きを切り換えるため、当該切り換えに伴い表示メモリの書き換え動作が頻繁に生じることがあり、消費電力が大きいという問題がある。
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するために、再生装置の姿勢に応じて画像の向きを制御でき、しかも消費電力を従来に比べて抑えることができる再生装置、画面制御方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、データを再生することができ、バッテリによって動作する再生装置であって、表示手段と、前記再生装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、前記再生装置が所定の条件を満たしたか否かを判断するための判断手段と、前記判断手段によって前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断されたときに、前記姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記再生装置の設定を切り替える制御手段と、を有し、前記判断手段は、前記操作手段によって操作指示が制御手段に与えられるときに、前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断する再生装置が提供される。
【0007】
また本発明によれば、バッテリで動作する再生装置の設定切替方法であって、前記再生装置が所定の条件を満たしたか否かを判断する判断ステップと、前記再生装置が所定の条件を満たしたとき、前記再生装置の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、前記検出された前記再生装置の姿勢に基づいて、前記再生装置の設定を切り替える設定切替ステップと、を有し、操作手段によって操作指示が制御手段に与えられたとき、前記判断ステップは前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断する設定切替方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、再生装置の姿勢に応じて画像の向きを制御でき、しかも消費電力を従来に比べて抑えることができる再生装置、設定切替方法および設定切替装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係わる携帯型オーディオプレーヤの全体構成図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤの正面側の構成図である。
【図3】図3は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤを基準とした相対座標の座標軸を基準としてX、Y、Z軸を規定した図である。
【図4】図4は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤの正面側の十字キーと操作キーを説明するための図である。
【図5】図5は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤの姿勢を説明するための図である。
【図6】図6は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤの姿勢とディスプレイに表示される画像データとの関係を示した図である。
【図7】図7は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤのディスプレイに表示する画面の切り換えに応じて、十字キーの操作キーの定義を割り当てることで機能を切り換える場合を例示した図である。
【図8】図8は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤの電源がオンからオフに切り替わった場合の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤが落下した場合の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図10】図10は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤの姿勢検出の際の制御回路による処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】図11は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤにおける画面向き切り替え処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤにおける画面向き切り替え処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】図13は、図1に示す携帯型オーディオプレーヤにおける画面向き切り替え処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係わる携帯型オーディオプレーヤについて説明する。
<第1実施形態>
先ず、本実施形態の構成要素と、本発明の構成要素との対応関係を説明する。
図1に示すディスプレイ23が本発明のディスプレイである。
図1に示す処理回路33が本発明の姿勢検出手段である。
図1に示す制御回路47が本発明の制御手段である。
図1に示す操作キー41が本発明の操作手段である。
図1に示すプログラムRPGが本発明のプログラムである。
図1に示すメモリ45が、本発明の記録媒体である。本発明の記録媒体は、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどである。
図8に示すステップST11が本発明の第1の工程または第1の手順である。
また、図8に示すステップST14が本発明の第2の工程または第2の手順である。
また、図8に示すステップST15,ST17が本発明の第3の工程または第3の手順である。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係わる携帯型オーディオプレーヤ1の全体構成図である。
図1に示すように、携帯型オーディオプレーヤ1は、例えば、記録ディスクドライブ11、再生処理回路16、オーディオ出力部17、ヘッドフォン端子18、表示メモリ21、ディスプレイ23、加速度センサおよび重力加速度センサ31、処理回路33、操作キー41、電源回路48、メモリ45、並びに制御回路47を有する。
図1に示す各構成は、例えば、図2に示すように、薄板状の筐体51内に収容されている。
【0012】
[記録ディスクドライブ11]
記録ディスクドライブ11は、例えば、Hard Disk Drive(HDD)であり、記録ディスク13、ヘッド14およびヘッド退避部15を有する。
記録ディスク13は、例えば、磁気ディスクである。記録ディスク13には、楽曲データ、楽曲データに付随するアーティスト名やアルバム名などの付随データ、楽曲データを管理するプレイリストなどの楽曲管理データ、記録データを管理する記録管理データなどが記録される。
ヘッド14は、記録ディスク13から楽曲データを読み出して再生処理回路16に出力する。
ヘッド14は、記録ディスク13に対してアクセスを行わない状態では、ヘッド退避部15に保持される。ヘッド退避部15では、ヘッド14は固定されて保持されるため、携帯型オーディオプレーヤ1に衝撃が加わっても、ヘッド14が記録ディスク13の記録領域に損傷を加えることはない。
そして、記録ディスク13に対してアクセスを行う際に、ヘッド14は固定が解除され、ヘッド退避部15から記録ディスク13に向けて移動する。
ヘッド14は、制御回路47の制御を基に、記録ディスク13内の指定されたアドレスから楽曲データ、付随データ、楽曲管理データ、記録管理データなどを読み出して再生処理回路16に出力する。
【0013】
[再生処理回路16]
再生処理回路16は、ヘッド14が記録ディスク13から読み出した楽曲データをバッファメモリBUFに書き込み、バッファメモリBUFから楽曲データを読み出して再生処理を行い、再生信号をオーディオ出力部17に出力する。
また、再生処理回路16は付随データ、楽曲管理データ、記録管理データなど、オーディオ出力する楽曲データ以外で楽曲の再生に必要な情報を、制御回路47へ出力する。
[オーディオ出力部17]
オーディオ出力部17は、再生処理回路16から出力された再生信号を増幅して、図2に示すヘッドフォン端子18を介してヘッドフォンに出力する。
【0014】
[表示メモリ21]
表示メモリ21は、ディスプレイ23に表示する画面に応じた画像データを記憶するメモリである。表示メモリ21には、画像データが、制御回路47によって書き込まれる。表示メモリ21に書き込まれたデータは、ディスプレイ23へ出力される。
[ディスプレイ23]
ディスプレイ23は、液晶ディスプレイや、Organic electro luminescenceなどであり、表示メモリ21に書き込まれた画像データを表示する。
【0015】
[表示部24]
表示部24は、表示メモリ21とディスプレイ23の機能とを備えたモジュールである。
【0016】
[操作キー41]
操作キー41は、例えば、図2、図3、図4等に示すように、十字キーK1、SEARCH/MENUキーK2、停止キーK3、音量増キーK4、音量減キーK5、HOLDキーK20、電源キーK21などである。
十字キーK1は、操作キーK10、K11、K12、K13、K14を備える。
図3に示されるように携帯型オーディオプレーヤ1には携帯型オーディオプレーヤ1を基準とした相対座標X,Y,Zが規定されている。この携帯型オーディオプレーヤ1を基準とした相対座標から考えると、十字キーK1は、操作キーK10に対してK11、K12、K13、K14の何れかがそれぞれ+Z、−X、−Z、+X方向に位置するように構成されている。
また、同様に携帯型オーディオプレーヤ1を基準とした相対座標から考えると、操作キー41はディスプレイ23に対して−Z方向に設けられている。
【0017】
[加速度センサおよび重力加速度センサ31]
図3に示すように携帯型オーディオプレーヤ1には携帯型オーディオプレーヤ1を基準とした相対座標の座標軸としてX,Y,Z軸が規定されている。なお、この相対座標の原点とディスプレイ23の表示面の中心は、Y軸から見て一致するように規定されている。加速度センサおよび重力加速度センサ31は、このX,Y,Z軸におけるX,Y,Z方向の加速度を検出し、X方向の加速度を示す加速度信号A_Xと、Y方向の加速度を示す加速度信号A_Yと、Z方向の加速度を示す加速度信号A_Zとを処理回路33に出力する。特に重力以外の要因によって加速度を受けない状態では、このX,Y,Z方向の加速度信号A_X,A_Y,A_Zを足し合わせたものが、重力加速度による重力加速度信号A_Gとなる。
重力加速度の方向は、図3に示される携帯型オーディオプレーヤ1における相対座標X,Y,Zにおいては、携帯型オーディオプレーヤ1の傾きによって随時変化していく。しかし、図4Sに示すように、重力方向を基準とした絶対座標X0,Z0軸を定義した場合、重力加速度の方向は常に、絶対座標の座標軸であるZ0軸における‐Z0方向とすることができる。
【0018】
[処理回路33]
処理回路33は、加速度センサおよび重力加速度センサ31から出力された加速度信号A_X,A_Y,A_Zを基に、携帯型オーディオプレーヤ1の落下検出処理と、姿勢検出処理とを行う。処理回路33は、加速度センサおよび重力加速度センサ31から入力された加速度信号A_X,A_Y,A_Zが設定された条件を満たしたとき、携帯型オーディオプレーヤ1が落下したと判断し、落下検出信号S33aを制御回路47に出力する。
【0019】
加速度信号A_X,A_Y,A_Zを利用した落下判断の方法は、様々考えられる。例えば、加速度センサおよび重力加速度センサ31が携帯型オーディオプレーヤ1の重心に位置している場合には、加速度信号A_X,A_Y,A_Zの合成信号が「0」を示したときに、携帯型オーディオプレーヤ1が落下したと判断するという方法もあり、本願ではこれを実施例とする。
【0020】
また、処理回路33は、加速度信号A_X,A_Y,A_Zを基に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢が、図5(A)〜(C)に示す姿勢STATE1、STATE2、STATE3の何れであるかを検出する。
先にも説明したように、加速度信号A_X,A_Y,A_Zを足し合わせたものは、重力以外の要因によって加速度を受けない状態では、重力加速度による重力加速度信号A_Gとなる。この重力加速度方向は-Z0方向と一致するために、携帯型オーディオプレーヤ1の相対座標軸が、重力加速度方向を基準とした絶対座標軸に比べてどれだけ傾いているかを判別することが可能となる。この傾きに基づいて、制御手段は携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢が、図5(A)〜(C)に示す姿勢STATE1、STATE2、STATE3の何れであるかを検出する。
【0021】
ここで、図5(A)及び(D)に示すように、姿勢STATE1は、携帯型オーディオプレーヤ1の相対座標軸であるX軸が重力加速度方向を基準とした絶対座標軸であるX0軸に対して±60°傾いているときの携帯オーディオプレーヤ1の姿勢である。即ち、ディスプレイ23が操作キーK1、K2、K3、K4、K5に対して+Z0方向に位置する状態である。
また、姿勢STATE2は、図5(B)及び(D)に示すように、携帯型オーディオプレーヤ1の相対座標軸であるX軸が重力加速度方向を基準とした絶対座標軸であるX0軸に対して60°〜180°で交わるときの携帯オーディオプレーヤ1の姿勢である。即ち、ディスプレイ23が操作キーK1、K2、K3、K4、K5に対して+X0方向に位置する状態である。
また、姿勢STATE3は、図5(C)及び(D)に示すように、携帯型オーディオプレーヤ1の相対座標軸であるX軸が重力加速度方向を基準とした絶対座標軸であるX0軸が180°〜300°で交わるときの携帯オーディオプレーヤ1の姿勢である。即ち、ディスプレイ23が操作キーK1、K2、K3、K4、K5に対して-X0方向に位置する状態である。
【0022】
携帯型オーディオプレーヤ1のディスプレイ23と操作キーK1、K2、K3、K4、K5の位置関係が、STATE1,STATE2,STATE3の何れであるかを検出する際には、携帯型オーディオプレーヤ1のY軸方向の成分は必要ない。即ち、絶対座標軸であるX0,Z0軸における携帯型オーディオプレーヤ1のディスプレイ23と操作キーK1、K2、K3、K4、K5の位置関係は、携帯型オーディオプレーヤ1に設定された相対座標軸のX,Z軸にしか依存しない。このため処理回路33は加速度信号A_X,A_Zだけを用いて、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢を検出している。
このため以上のような制御を行う場合には、加速度センサおよび重力加速度センサ31として、3軸加速度センサではなく、2軸加速度センサを用いてもよい。
このようにして検出した姿勢を基に、処理回路33は検出した姿勢がSTATE1、STATE2、STATE3の何れに当たるかを示す姿勢検出信号S33bを制御回路47に出力する。例えば処理回路33からは、STATE1のときには1、STATE2のときには2といった数字が制御回路47へ出力される。
【0023】
[姿勢検出部34]
加速度センサおよび重力加速度センサ31と処理回路33における姿勢検出の機能とを備えたモジュールである。
【0024】
[落下検出部35]
加速度センサおよび重力加速度センサ31と処理回路33における落下検出の機能とを備えたモジュールである。
【0025】
[バッテリー43]
バッテリー43は携帯オーディオプレーヤ1へ電力を供給する。
【0026】
[電源回路48]
電源回路48は、制御回路47から電源オン指示が入力されると、バッテリー43からの電力の供給を受け携帯型オーディオプレーヤ1に必要な電圧変換をおこなった後、携帯型オーディオプレーヤ1の各構成に電力を供給し、制御回路47から電源オフ指示が入力されると、上記電力の供給を停止する。
【0027】
[メモリ45]
メモリ45は、ROMとRAMで構成されており、ROMには書き換え不可能なPRGや固定的なデータが記憶されており、RAMには作業用に一時的に記憶されるデータが記憶される。
【0028】
[制御回路47]
制御回路47は、メモリ45のRAMから読み出したプログラムPRGを実行し、本実施形態で規定する携帯型オーディオプレーヤ1の動作を制御する。
制御回路47は、処理回路33から落下検出信号S33aが入力されると、ヘッド14をヘッド退避部15に退避させるように、記録ディスクドライブ11を制御する。
また、制御回路47は、携帯型オーディオプレーヤ1の電源がオフからオンに切り換わると、処理回路33からの姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する向きに画像がディスプレイ23に表示されるように、表示メモリ21に記憶される画像データを書き換える。
【0029】
姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢とディスプレイ23に表示される画像データとの関係を図6(A)、図6(B)、図6(C)、図6(D)に示す。図6(D)は、重力加速度方向を基準とした絶対座標において、ディスプレイ23の−X0・+Z0の領域にA、+X0・−Z0領域にBという文字が表示されている状態を示している。このA、Bの文字は、重力加速度を基準とした絶対座標から考えた場合には、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に関係なく常に同じ領域でディスプレイ23に表示されるように、制御回路47によって制御されている。
これに対して、図6(A)、図6(B)、図6(C)は、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢がそれぞれSTATE1、STATE2、STATE3であるときに、A、Bが携帯型オーディオプレーヤ1の相対座標においてどこに表示されているかを示している図である。なおこの携帯オーディオプレーヤ1を基準とした相対座標X,Z軸は、図3、図5(A)〜(C)に示しているX,Z軸と同じ軸である。重力加速度方向を基準とした絶対座標において、ディスプレイ23の−X0・+Z0方向にA、+X0・−Z0方向にBと表示される文字は、携帯オーディオプレーヤ1の相対座標においては、それぞれ以下のような座標領域に表示されることになる。
【0030】
STATE1の場合は、−X・+Z領域にA、+X・−Z領域にBと表示される。
STATE2の場合は、−X・−Z領域にA、+X・+Z領域にBと表示される。
STATE3の場合は、+X・+Z領域にA、−X・−Z領域にBと表示される。
【0031】
このように携帯オーディオプレーヤ1に表示される画像データは、絶対座標で考えた場合に、絶対座標の座標領域が変化しないように、制御回路47によって画像データが処理される。ディスプレイ23に表示される画像データは無数のドットの集合によって表示されている。制御回路47は携帯型オーディオプレーヤ1を基準とした相対座標におけるドットの位置を表す座標を座標変換する。なおこの際、重力加速度方向を基準とした絶対座標から見た文字や画像の向きは変更されることがないように、画像データの処理が行われる。このようなドットの座標変換といった作業は、CPUパワーがかかるため電力消費が極めて大きい。このように、制御回路47は姿勢検出信号S33bの示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する向きになるように画像データを処理する。
【0032】
本実施例においては、ディスプレイ23によって表示される画像データを表示メモリ21に記憶させる段階で、姿勢検出信号S33bの示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する向きになるよう制御回路47が画像データの処理を行っている。このようにすることで、ディスプレイ23に表示される画像を、姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する向きに切り換えることが可能になる。
このような構成以外にも、例えば、表示メモリ21に画像データの処理能力を持たせることも可能である。このような場合には、姿勢検出信号S33bの示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する向きに画像がディスプレイ23に表示されるように、表示メモリ21が画像データを処理する。表示メモリ21が画像データを処理することで、ディスプレイ23に表示される画像を、姿勢検出信号S33bの示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する向きに切り換えることが可能になる。また、表示メモリ21が画像データを処理する場合には、予め画像データを姿勢検出信号S33bの示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する向きに処理して記憶しておき処理された画像データをディスプレイ23へ出力しても良いし、画像データの処理を行いながらディスプレイ23に画像データを出力しても良い。
【0033】
また、制御回路47は、姿勢検出信号S33bが示す姿勢に応じて十字キーK1の操作キーK11、K12、K13、K14に割り当てる定義を切り換えることで、操作キーK11、K12、K13、K14の機能を切り換える。
また、制御回路47は、姿勢検出信号S33bが姿勢STATE1を示す場合には図7(A)に示すように十字キーK1の操作キーK11、K12、K13、K14に定義を割り当てる。
また、制御回路47は、姿勢検出信号S33bが姿勢STATE2を示す場合には図7(B)に示すように十字キーK1の操作キーK11、K12、K13、K14に定義を割り当てる。
また、制御回路47は、姿勢検出信号S33bが姿勢STATE3を示す場合には図7(C)に示すように十字キーK1の操作キーK11、K12、K13、K14に定義を割り当てる。
制御回路47は、図7(A)〜(C)に示すように、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に応じて、操作キーK11、K12、K13、K14に定義を割り当てることで、操作キーK11、K12、K13、K14の機能を切り換える。これにより画面の向きが切り換わっても、重力加速度方向を基準として+X0方向、−X0方向、+Z0方向、−Z0方向に配置されている操作キーは常に同一の機能を持つことになる。このため、ユーザは画面が切り換わった際にも、混乱することなく携帯型オーディオプレーヤ1の操作をおこなうことができる。
なお、図7(A)〜(C)に示す定義リストは、例えば予めメモリ45のRAMに記憶されているのもであっても良いし、操作キーの定義を切り換える際に携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に基づいて制御回路47で生成しメモリ45のROMに記憶するものであっても良い。
【0034】
携帯型オーディオプレーヤ1において、処理回路33および制御回路47の機能の全部または一部は、電子回路として実現してもよいし、Central Processing Unit(CPU)がメモリ21から読み出したプログラムPRGを実行して実現してもよい。
【0035】
以下、携帯型オーディオプレーヤ1の動作例を説明する。
[第1の動作例]
以下、携帯型オーディオプレーヤ1の電源がオフからオンに切り換わった場合の動作例を説明する。
図8は、当該動作例を説明するためのフローチャートである。
【0036】
ステップST11:
制御回路47は、操作キー41からの操作信号を基に、携帯型オーディオプレーヤ1の電源回路48をオフからオンに切り換える指示が入力されたか否かを判断し、入力されたと判断した場合はステップST12に進む。
【0037】
ステップST12:
制御回路47は、電源回路48をオフからオンに切り換える。
また、制御回路47は、表示メモリ21に電源投入時の初期アニメーション画像データを所定の方向で書き込む。これにより、ステップST12,ST13,ST14、ST15、ST16の処理が行われているときには、ディスプレイ23にはアニメーション画像が表示されることになる。
【0038】
ステップST13:
これにより、電源回路48から加速度センサおよび重力加速度センサ31への電力供給が開始され、加速度センサおよび重力加速度センサ31が初期設定動作を開始する。
【0039】
ステップST14:
加速度センサおよび重力加速度センサ31は、初期設定動作終了後、X,Y,Z方向の加速度を検出し、X方向の加速度を示す加速度信号A_Xと、Y方向の加速度を示す加速度信号A_Yと、Z方向の加速度を示す加速度信号A_Zとを処理回路33に出力する。
処理回路33は、加速度信号A_X,A_Zを基に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢が、図5(A)〜(C),図6(A)〜(C)に示す姿勢STATE1、STATE2、STATE3の何れであるかを検出する。
処理回路33は、上記検出した姿勢を示す姿勢検出信号S33bを制御回路47に出力する。
【0040】
ステップST15:
制御回路47は、ステップST14での姿勢の検出を数回繰り返して行うことで、ステップST14で検出された姿勢が所定期間保持されているかを判断し、保持されていると判断された場合にはステップST16に進む。また、姿勢が変化されたと判断された場合には、再度ステップST14に戻り携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢の検出を続ける。
なお本実施例では、姿勢の検出を数回繰り返すことで携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢が保持されているか否かを判断したが、例えば一度携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢を検出した後、所定期間後に再度携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢を検出し、二つの検出結果に変化がなかった場合には携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢が保持されているものと判断しても良い。
【0041】
ステップST16:
制御回路47は、図5(A)〜(C),図6(A)〜(C)に示すように、ステップST13で処理回路33から入力された姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する表示向きを特定する。
【0042】
ステップST17:
制御回路47は、表示メモリ21に書き込んだアニメーション画像データを消去し、ディスプレイ23に表示されているアニメーション画像の表示を終了させる。
【0043】
ステップST18:
制御回路47は、図5(A)〜(C),図6(A)〜(C)に示すように、ステップST13で入力された姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する向きでメニュー画面が表示されるように、メニュー画面の画像データを表示メモリ21に書き込む。
これにより、ディスプレイ23に、アニメーション画像に続いて、メニュー画面が表示される。
【0044】
ステップST19:
制御回路47は、処理回路33から入力された姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢STATE1、STATE2、STATE3に応じて、操作キーK11、K12、K13、K14の定義を、図7(A)〜(C)に示すように割り当てることで、操作キーK11、K12、K13、K14の機能を切り換える。
以後、処理回路33は、携帯型オーディオプレーヤ1の電源が次にオフからオンに切り換わるまで、携帯型オーディオプレーヤ1の落下検出のみを行う。
携帯型オーディオプレーヤ1が姿勢検出を行わないように制御する方法は様々考えられる。例えば、処理回路33において携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢検出処理を行わないように制御回路47によって制御する方法、処理回路33における携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢検出処理は行うが検出結果である姿勢検出信号S33bを制御回路47へ出力しないという方法、処理回路33においては携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢検出処理を行い検出結果である姿勢検出信号S33bを出力するが制御回路47においてこの姿勢検出信号S33bを受信しないという方法などがある。消費電力を抑えるという意味では、処理回路33における姿勢検出処理を行わないように制御回路47が制御することが最も良い。
【0045】
一般的に携帯型オーディオプレーヤ1などでは、カーソルのあったインデックスを横スクロールするなど、常に表示メモリ21の一部の書き換えを行っている。しかし本発明は特に、ディスプレイ23に表示させる画像を回転させるという表示メモリ21の大きな書き換えを行わなければならない処理を、電源投入時のみに行うことによって、消費電力を大幅に抑えることができる。携帯型オーディオプレーヤ1はバッテリー43からの電力の供給によって動作しており、より長時間の動作を再生可能にするためには、電力消費は極力抑えなければならない。ユーザベネフィットを考えた際には、CPUパワーのかかる処理の処理回数は極力抑える必要があり、本発明はこのようなバッテリーで動作するプレーヤなどにも有効である。
【0046】
[第2の動作例]
以下、携帯型オーディオプレーヤ1が落下した場合の動作例を説明する。
図9は、当該動作例を説明するためのフローチャートである。
【0047】
ステップST21:
処理回路33は、加速度センサおよび重力加速度センサ31から入力された加速度信号A_X,A_Y,A_Zを基に、携帯型オーディオプレーヤ1が落下したか否かを判断し、落下したと判断するとステップST22に進む。
【0048】
ステップST22:
処理回路33は、ステップST21での判断に基づいて、落下検出信号S33aを制御回路47に出力する。
【0049】
ステップST23:
制御回路47は、処理回路33から落下検出信号S33aが入力されると、ヘッド14をヘッド退避部15に退避させるように記録ディスクドライブ11を制御する。
【0050】
以上説明したように、本実施例における携帯型オーディオプレーヤ1によれば、携帯型オーディオプレーヤ1の電源がオフからオンに切り換わったことを条件に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢を検出し、それに応じた向きでメニュー画面をディスプレイ23に表示し、携帯オーディオプレーヤ1の電源がオフからオンに切り換わる以外の条件では、携帯オーディオプレーヤ1の姿勢検出を行わない。
そのため、携帯型オーディオプレーヤ1によれば、従来に比べて、ディスプレイ23に表示する画面の向きを切り換える回数が大幅に少なくなり、省電力化を図れる。
特に、携帯型オーディオプレーヤ1をユーザがカバンなどに入れて歩きながら使用しているなどといった場合に、従来に比べて省電力化を図れる。
【0051】
<第2実施形態>
本実施の形態が上述した第1実施の形態と違う点は、唯一、携帯オーディオプレーヤ1の姿勢検出の際の制御回路47による処理のみである。本実施の形態を説明する図を図10に示す。図10のステップST34において、制御回路47は姿勢検出によって携帯オーディオプレーヤ1の姿勢が検出されたか否かを判断する。姿勢が検出された場合にはステップST35へと進む。姿勢が検出されなかった場合、例えば携帯型オーディオプレーヤ1が常に回されていた場合などは、ステップST39へ進む。ステップST39において制御回路47は前回終了時の表示画面の方向でメニュー画面を表示する。
それ以外の部分については、第1の実施例において説明がなされているのでここでは省略する。
【0052】
<第3実施形態>
上述した実施形態では、図8に示すステップST11のように、携帯型オーディオプレーヤ1の電源がオフからオンに切り換わったことを条件に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に応じた向きでの画面表示を行う場合を例示した。
これに対して、本実施形態では、携帯型オーディオプレーヤ1におけるディスプレイ23の表示が、スクリーンセイバ画面から通常のメニュー画面に切り換わったことを条件に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に応じた向きでの画面表示を行う。
図11は、本実施形態の携帯型オーディオプレーヤ1における画面向き切り替え処理を説明するためのフローチャートである。
【0053】
ステップST41:
携帯型オーディオプレーヤ1の制御回路47は、表示メモリ21に記憶させたメニュー画面の画像データを用いてディスプレイ23にメニュー画面が表示されるように制御を行う。
【0054】
ステップST42:
携帯型オーディオプレーヤ1の制御回路47は、携帯型オーディオプレーヤ1の操作が所定期間の間になされたか否かを判断する。所定期間操作がなされなかった場合には、ステップST33へ進む。
【0055】
ステップST48:
携帯型オーディオプレーヤ1の制御回路47は、携帯型オーディオプレーヤ1の操作が所定期間なされたかった場合、ディスプレイ23に表示する画面を通常のメニュー画面などからスクリーンセイバ画面へ切り替える。
【0056】
ステップST44:
携帯型オーディオプレーヤ1の制御回路47は、携帯型オーディオプレーヤ1の操作がなされたか否かを監視する。操作がなされた場合には、ステップST45に進む。
【0057】
ステップST45:
携帯型オーディオプレーヤ1の制御回路47は、加速度センサおよび重力加速度センサ31の初期設定動作が開始されるように加速度センサおよび重力加速度センサ41を制御する。
【0058】
ステップST46:
加速度センサおよび重力加速度センサ31は、初期設定動作終了後、X,Y,Z方向の加速度を検出し、X方向の加速度を示す加速度信号A_Xと、Y方向の加速度を示す加速度信号A_Yと、Z方向の加速度を示す加速度信号A_Zとを処理回路33に出力する。
処理回路33は、加速度信号A_X,A_Zを基に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢が、図5(A)〜(C),図6(A)〜(C)に示す姿勢STATE1、STATE2、STATE3の何れであるかを検出する。
処理回路33は、上記検出した姿勢を示す姿勢検出信号S33bを制御回路47へ出力する。
【0059】
ステップST47:
制御回路47は、ステップST46で検出された姿勢が所定期間保持されているかを判断し、保持されていると判断された場合にはステップST48に進む。また、姿勢が変化されたと判断された場合には、再度ステップST46に戻り携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢を検出する。
【0060】
ステップST48:
制御回路47は、図5(A)〜(C),図6(A)〜(C)に示すように、ステップST36で処理回路33から入力された姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する表示向きを特定する。
【0061】
ステップST49:
制御回路47は、表示メモリ21に書き込んだスクリーンセイバデータを消去し、ディスプレイ23に表示されているスクリーンセイバを終了させる。
【0062】
ステップST410:
制御回路47は、図5(A)〜(C),図6(A)〜(C)に示すように、ステップST36で制御回路47に入力された姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する向きでメニュー画面が表示されるように、メニュー画面の画像データを表示メモリ21に書き込む。
これによりディスプレイ23には、スクリーンセイバに続いて、メニュー画面が表示される。
【0063】
ステップST411:
制御回路47は、処理回路33から入力された姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢STATE1、STATE2、STATE3に応じて、操作キーK11、K12、K13、K14の定義を割り当てることで、図7A,図7B,図7Cに示すように操作キーK11、K12、K13、K14の定義を割り当てることで、操作キーK11、K12、K13、K14の機能を切り換える。
以後、処理回路33は、携帯型オーディオプレーヤ1の電源が次にオフからオンに切り換わるまで、携帯型オーディオプレーヤ1の落下検出のみを行い、姿勢検出は行わない。
【0064】
<第4実施形態>
第4の実施形態は、携帯型オーディオプレーヤ1におけるHOLDキーK20が解除されたことを条件に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に応じた向きでの画面表示切り換えを行う。
図12は、本実施形態の携帯型オーディオプレーヤ1における画面向き切り換え処理を説明するためのフローチャートである。
【0065】
ステップST51:
携帯型オーディオプレーヤ1aの制御回路47aは、図2に示すHOLDキーK20が解除されたか否かを判断し、解除されたと判断した場合は、ステップST52に進む。
【0066】
ステップST52:
制御回路47aは、処理回路33からの姿勢検出信号S33bを基に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢が図5(A)〜(C),図6(A)〜(C)に示す姿勢STATE1、STATE2、STATE3の間で切り換わったか否かを判断し、切り換わったと判断した場合はステップST53に進み、そうでない場合にはステップST51に戻る。
【0067】
ステップST53:
制御回路47aは、ステップST52で切り換わった姿勢に対応した向きに画面が表示されるように、ディスプレイ23に表示中の画面を切り換える。
【0068】
携帯型オーディオプレーヤ1aでは、図11で説明した機能と共に、第1実施形態でFIG.8を用いて説明した機能に加えていてもよいし、図8を用いて説明した機能は備えていなくても良い。
【0069】
<第5実施形態>
第5の実施形態では、携帯型オーディオプレーヤ1は、携帯型オーディオプレーヤ1における操作キーK11、K12、K13、K14の何れかが操作されたことを条件に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に応じた向きに画面表示を切り換えると共に、操作キーの機能の切り換えを行う。
図13は、本実施形態の携帯型オーディオプレーヤ1における画面向きと操作キーの機能の切り換え処理を説明するためのフローチャートである。
【0070】
ステップST61:
制御回路47は、携帯型オーディオプレーヤ1の操作キーK11、K12、K13、K14による入力がある否かを判断する。操作キーK11、K12、K13、K14による入力があった場合は、ステップST62へと進む。
【0071】
ステップST62:
制御回路47は、どの操作キーが操作されたかという情報を、例えばメモリ45のRAMに保持する。
【0072】
ステップST63:
制御回路47は、ステップST61でなされた入力が、前回最後に入力がなされたときから所定時間経った後の入力であるか否かを判断する。所定期間経過した場合とは、ユーザの一貫した入力操作が終了した場合と判断できる。このため、ステップST61でなされた入力が、前回最後に入力がなされたときから所定期間経過していた場合には、ステップST61でなされた入力は、新たな入力操作の始まりであると考えられる。この場合、制御回路47は、表示を携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に合わせて切り換えた方が良いと判断し、ステップST64に進む。
【0073】
ステップST64:
制御回路47は、携帯型オーディオプレーヤ1の加速度センサ及び重力加速度センサ31に初期設定動作を開始させる。
【0074】
ステップST65:加速度センサおよび重力加速度センサ31は、初期設定動作終了後、X,Y,Z方向の加速度を検出し、X方向の加速度を示す加速度信号A_Xと、Y方向の加速度を示す加速度信号A_Yと、Z方向の加速度を示す加速度信号A_Zとを処理回路33に出力する。
処理回路33は、加速度信号A_X,A_Zを基に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢が、図5(A)〜(C),図6(A)〜(C)に示す姿勢STATE1、STATE2、STATE3の何れであるかを検出する。
処理回路33は、上記検出した姿勢を示す姿勢検出信号S33bを制御回路47に出力する。
【0075】
ステップST66:
制御回路47は、ステップST65で検出された姿勢検出信号S33bが所定期間保持されているかを判断し、保持されていると判断された場合にはステップST67に進む。また、姿勢検出信号S33bが変化されたと判断された場合には、再度ステップST65に戻り携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢を検出する。
【0076】
ステップST67:
制御回路47は、図5(A)〜(C),図6(A)〜(C)に示すように、ステップST65で処理回路33から出力された姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する表示部への表示向きを特定する。
【0077】
ステップST68:
制御回路47は、特定された向きでメニュー画面が表示されるように、メニュー画面の画像データを表示メモリ21に書き込む。
これにより、ディスプレイ23に、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応した向きのメニュー画面が表示される。
【0078】
ステップST69:
制御回路47は、処理回路33から入力された姿勢検出信号S33bが示す携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢STATE1、STATE2、STATE3に応じて、操作キーK11、K12、K13、K14の定義リストである図7(A)〜(C)の何れかを生成し割り当てることで、操作キーK11、K12、K13、K14の機能を切り換える。
【0079】
ステップST610:
制御回路47は、ステップST61で入力された操作キーがK11、K12、K13、K14の何れかであったかを情報としてステップST62で保持している。ステップST70において、制御回路47は、ステップST62で保持した操作キーに割り当てられている機能を実行する。ここで実行する操作キーK11、K12、K13、K14の機能は、ステップST69において定義が割り当てられ機能が切り換えられた後の機能である。
例えば、ステップST61で入力された操作キーがK11だったとすると、ステップST610では、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応して操作キーK11、K12、K13、K14の定義が割り当てられた後のK11の機能を実行する。
なお、ステップST61での入力が複数であった場合、例えばK11とK12が入力されたとすると、ステップST610においては、定義が割り当てられた後のK11とK12の機能を実行する。
【0080】
以後、処理回路33は、携帯型オーディオプレーヤ1の電源が次にオフからオンに切り換わるまで、携帯型オーディオプレーヤ1の落下検出のみを行い、姿勢検出は行わない。
【0081】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、上述した実施形態では、本発明を携帯型オーディオプレーヤに適用した場合を例示したが、携帯電話、PDA、ゲーム機、ラジオなどその他の再生装置に本発明を適用してもよく、再生されるデータが楽曲データ、画像データ、動画データ等のコンテンツデータであってもよい。また、データを再生できる装置であって、少なくとも表示手段と操作手段を備え装置本体の向きが変わった際に設定の切り換えを行うと便利な装置であれば、本発明を適用することができる。
【0082】
また、上述した実施形態では、本発明の姿勢検出手段として、加速度センサおよび重力加速度センサ31を用いた場合を例示したが、その他、金属球が、複数の圧電素子のうち、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢に対応する圧電素子に接触し、その接触を電気的に検出して、携帯型オーディオプレーヤ1の姿勢を検出する構成にしてもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、ディスプレイ23に表示する画面の切り換えに応じて、十字キーK1の操作キーK11、K12、K13、K14の定義を割り当てることで機能を図7(A)〜(C)に示すように切り換える場合を例示したが、SERCH/MENUキーK2、停止キーK3、音量増キーK4、音量減キーK5の機能を切り換えてもよい。
【0084】
また本発明によれば、再生装置の姿勢に応じて画像の向きを制御でき、しかも消費電力を従来に比べて抑えることができる。
【0085】
また本発明によれば、再生装置の姿勢に応じて操作キーの定義を切り換えることで、操作キーの機能を切り換えることができ、ユーザは重力加速度方向を基準として常に一定方向へ操作キーを操作すれば、常に同じ機能を実行することができる。
【0086】
また本発明によれば、所定の条件下でのみ再生装置の姿勢を検出し、検出された再生装置の姿勢に応じて再生装置の設定を切り換える。このため、無駄な設定の切り替えを行うことがないため、消費電力を従来に比べて抑えることができる。
【符号の説明】
【0087】
1…携帯型音楽プレーヤ、11…記録ディスクドライブ、13…記録ディスク、15…ヘッド退避部、16…再生処理回路、17…オーディオ出力部、18…ヘッドフォン端子、21…表示メモリ、23…ディスプレイ、24…表示部、31…加速度センサおよび重力加速度センサ、33…処理回路、34…姿勢検出部、35…落下検出部、41…操作キー、43…バッテリー、45…メモリ、47…制御回路、48…電源回路、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを再生することができ、バッテリによって動作する再生装置であって、
表示手段と、
前記再生装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記再生装置が所定の条件を満たしたか否かを判断するための判断手段と、
前記判断手段によって前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断されたときに、前記姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記再生装置の設定を切り替える制御手段と、
を有し、
前記判断手段は、前記操作手段によって操作指示が制御手段に与えられるときに、前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断する
再生装置。
【請求項2】
前記制御手段が切り替える設定は、表示手段に表示されるデータの表示方向であり、当該表示方向は前記姿勢検出手段の検出結果に予め対応付けられる
請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記姿勢検出手段の検出結果が所定の期間同一である場合に、前記表示手段に表示されたデータを予め対応付けられた表示方向に表示するように前記表示手段を制御する
請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記再生装置に電力を供給する電源手段を更に備え、
前記判断手段は、前記電源手段から前記再生装置への電力供給が開始されたときに、前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断する
請求項1から3のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記表示手段にスクリーンセーバ画面を表示するように前記表示手段を制御し、
前記判断手段は、前記スクリーンセーバ画面が前記表示手段に表示されている状態から前記スクリーンセーバ画面が表示される前に前記表示手段に表示されていたデータが前記表示手段に表示されている状態に変化するときに、前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断する
請求項1から4のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項6】
前記制御手段が切り替える設定は、前記姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記操作手段の複数の操作釦に割り当てられた定義であり、
前記制御手段は、前記操作手段の複数の操作釦に割り当てられた定義を切り替えることによって前記操作手段の複数の操作釦の機能を切り替える
請求項1に記載の再生装置。
【請求項7】
前記制御手段は更に、前記姿勢検出手段の検出結果が所定の期間同一である場合に、前記操作手段における複数の操作釦の機能を切り替えるように制御する
請求項6に記載の再生装置。
【請求項8】
前記再生装置に電力を供給する電源手段を更に備え、
前記判断手段は、前記電源手段から前記再生装置への電力供給が開始されたときに、前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断する
請求項6または7に記載の再生装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記表示手段にスクリーンセイバ画面を表示するように前記表示手段を制御し、
前記判断手段は、前記スクリーンセイバ画面が前記表示手段に表示されている状態から前記スクリーンセイバ画面が表示される前に前記表示手段に表示されたデータが前記表示手段に表示されている状態に変化するとき、前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断する
請求項6から8のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項10】
前記姿勢検出手段によって姿勢が検出されなかった場合に、前記制御手段は、前記表示手段に前回終了時の表示画面の方向でメニュー画面を表示する
請求項1から9のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項11】
バッテリで動作する再生装置の設定切替方法であって、
前記再生装置が所定の条件を満たしたか否かを判断する判断ステップと、
前記再生装置が所定の条件を満たしたとき、前記再生装置の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、
前記検出された前記再生装置の姿勢に基づいて、前記再生装置の設定を切り替える設定切替ステップと、
を有し、
操作手段によって操作指示が制御手段に与えられたとき、前記判断ステップは前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断する
設定切替方法。
【請求項12】
前記設定切替ステップにおいて、前記制御手段が切り替える設定は、表示手段に表示されるデータの表示方向であり、当該表示方向は前記姿勢検出手段の検出結果に予め対応付けられる
請求項11に記載の設定切替方法。
【請求項13】
前記姿勢検出ステップにおける検出結果が所定の期間同一であることを確認する確認ステップを更に備え、
前記確認ステップにおいて前記姿勢検出ステップにおける検出結果が所定の期間同一であった場合に、前記設定切替ステップにおいて前記再生装置の前記表示手段に表示されるデータの表示方向を切り替える
請求項12に記載の設定切替方法。
【請求項14】
前記判断ステップにおいて、前記再生装置に電力を供給する電源手段から前記再生装置への電源供給が開始されたときに、前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断する
請求項11から13のいずれか一項に記載の設定切替方法。
【請求項15】
前記判断ステップにおいて、スクリーンセイバ画面が前記表示手段に表示されている状態から前記スクリーンセイバ画面が表示される前に前記表示手段に表示されたデータが前記表示手段に表示されている状態へ変化するときに、前記再生装置が所定の条件を満たしたと判断する
請求項11から14のいずれか一項に記載の設定切替方法。
【請求項16】
前記設定切替ステップにおいて、前記姿勢検出ステップの検出結果に基づいて前記再生手段が備える操作手段の複数の操作釦に割り当てられた定義を切り替えることで、前記操作手段の複数の操作釦の機能を切り替える
請求項11から15のいずれか一項に記載の設定切替方法。
【請求項17】
前記姿勢検出ステップにおいて姿勢が検出されなかった場合に、前記表示手段に前回終了時の表示画面の方向でメニュー画面を表示するステップを更に有する
請求項11から16のいずれか一項に記載の設定切替方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−109362(P2013−109362A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−101(P2013−101)
【出願日】平成25年1月4日(2013.1.4)
【分割の表示】特願2006−57004(P2006−57004)の分割
【原出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】