説明

再生装置

【課題】異なる規格のパレンタルレベルが設定された各コンテンツ情報を再生するものであり、基準レベルの指定に関する利便性を向上させることが可能な再生装置を提供する。
【解決手段】複数種の規格のパレンタルレベルのうちの何れが設定されたコンテンツ情報をも再生する再生装置であって、複数のレベルからなる共通レベルについて、任意のレベルの指定を受付ける指定受付部と、共通レベルの各レベルを規格ごとのパレンタルレベルの何れかのレベルに対応付ける対応情報を、格納する対応情報格納部と、再生対象のコンテンツ情報に設定されたパレンタルレベルと基準レベルとの比較結果に応じて、再生の制限を行う再生制限部と、を備え、再生制限部は、指定のなされた共通レベルに対応付けられているパレンタルレベルのうち、再生対象のコンテンツ情報に設定されたパレンタルレベルの規格のものを、基準レベルとする再生装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテンツ情報を再生する再生装置に関し、特にパレンタルレベルに応じた処理を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種のソースからコンテンツ情報(映像等から成るコンテンツの情報)を取得し、これを再生する再生装置が広く利用されている。また製作されるコンテンツの種類も多岐に亘り、中には、子供に視聴させることが好ましくないコンテンツや、大人向けのシーンが含まれたコンテンツも存在する。
【0003】
このような事情から、従来、パレンタルレベル(視聴制限レベル)に応じた視聴制限の可能な再生装置も利用されている。当該再生装置によれば、本装置に予め設定されている基準レベル(パレンタルレベルのうちの何れかのレベルに相当)が、コンテンツ情報に設定されているパレンタルレベルより厳しい(低い)ときに、視聴制限が必要と判定され、当該コンテンツ情報の再生が制限される。
【0004】
また、互いに異なる規格のパレンタルレベルが設定された各コンテンツ情報を、再生する機能を備えた再生装置も存在する。一例を挙げれば、BD−ROMの再生機能とDVD−Videoの再生機能を備えたディスク再生装置が、これに該当する。
【0005】
なおBD−ROMに記録されるコンテンツ情報には、BD−ROMについての規格(本願では、「BD−ROM規格」と称することがある)によるパレンタルレベルが設定され、DVD−Videoに記録されるコンテンツ情報には、DVD−Videoについての規格(本願では、「DVD−Video規格」と称することがある)によるパレンタルレベルが設定される。
【0006】
何れの規格のパレンタルレベルも、再生の許容レベルを表す点では共通しているが、その形式などは規格によって異なっている。例えばDVD−Video規格によるパレンタルレベルは、「1、2、3、・・・、8、OFF」の9段階となっているが、BD−ROM規格によるパレンタルレベルは、「0、1、2、・・・255」の256段階となっている。
【0007】
また異なる規格によるパレンタルレベルはそれぞれ別であるため、当該ディスク再生装置は基準レベルの設定に際し、BD−ROMとDVD−Videoについて別々に、ユーザによる基準レベルの指定を受付けるようになっている。
【0008】
例えばディスク再生装置は、図7に示す選択肢の何れか一つを、DVD−VideoとBD−ROMについて別々にユーザに指定させる。なお、DVD−VideoおよびBD−ROMについての各選択肢は、パレンタルレベルの1レベル分に対応している。
【0009】
そしてディスク再生装置は、図8に示すテーブル情報(選択肢とパレンタルレベルの対応関係を表す情報)を参照し、DVD−Videoについて指定された選択肢に対応するパレンタルレベルを、DVD−Video用基準レベルに設定する。またディスク再生装置は、図9に示すテーブル情報(選択肢とパレンタルレベルの対応関係を表す情報)を参照し、BD−ROMについて指定された選択肢に対応するパレンタルレベルを、BD−ROM用基準レベルに設定する。
【0010】
これにより以降、ディスク再生装置は、DVD−Videoを再生する際には、DVD−Video用基準レベルを基準レベルとして視聴制限の要否を判定し、BD−ROMを再生する際には、BD−ROM用基準レベルを基準レベルとして視聴制限の要否を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特表2008−511942号公報
【特許文献2】特開2007−141336号公報
【特許文献3】特開2006−197432号公報
【特許文献4】特表2005−532626号公報
【特許文献5】特開2005−044388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したディスク再生装置によれば、ユーザは、BD−ROM用基準レベルとDVD−Video用基準レベルを、それぞれ別々に指定することが可能である。しかしBD−ROMとDVD−Videoの何れを再生するかによって、ユーザが、基準レベルの厳しさを変えようとすることは稀である。殆どのユーザは、どの種類のディスクを再生するかに関わらず、基準レベルの厳しさを同等にしようとすると見込まれる。
【0013】
このような事情に鑑みれば、BD−ROM用基準レベルの指定とDVD−Video用基準レベルの指定の両方をユーザに強いることは、多くの場合、ユーザに必要以上の手間をかけることになる。
【0014】
また、各規格のパレンタルレベルの両方を熟知していないユーザにとっては、例えば基準レベルの厳しさをディスクの種類によらず同等にしようとしても、そうなるように各基準レベルの指定を行うことは容易ではない。このように上述したディスク再生装置は、基準レベルの指定に関する利便性に課題があると言える。
【0015】
なおこのことは上述したディスク再生装置に限られず、異なる規格のパレンタルレベルが設定された各コンテンツ情報を再生する種々の再生装置において、問題となり得る。本発明は上述した問題に鑑みて、異なる規格のパレンタルレベルが設定された各コンテンツ情報を再生するものでありながら、基準レベルの指定に関する利便性を向上させることが可能な、再生装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため本発明に係る再生装置は、複数種の規格のパレンタルレベルのうちの、何れが設定されたコンテンツ情報についても再生を行う再生装置であって、複数のレベルからなる共通レベルについて、任意のレベルの指定を受付ける指定受付部と、前記共通レベルの各レベルを前記規格ごとの前記パレンタルレベルの何れかのレベルに対応付ける対応情報を、格納する対応情報格納部と、再生対象のコンテンツ情報に設定されたパレンタルレベルと基準レベルとの比較結果に応じて、前記再生の制限を行う再生制限部と、を備え、前記再生制限部は、前記指定のなされた共通レベルに対応付けられているパレンタルレベルのうち、再生対象のコンテンツ情報に設定されたパレンタルレベルの規格のものを、前記基準レベルとする構成とする。
【0017】
本構成によれば、ユーザは、各規格についての基準レベルの指定を、共通レベルの指定として纏めて行うことが可能となる。そのため基準レベルの指定に関する利便性を、向上させることが可能となる。なおここでの「再生」は、本機において再生対象の映像表示などが行われる形態だけでなく、他機(ディスプレイを備えた機器など)を用いてコンテンツ情報を再生させるために、再生内容を表す信号を出力すること等も含む概念である。
【0018】
また上記構成としてより具体的には、前記複数種の規格には、第1規格および第2規格が含まれ、第1規格のパレンタルレベルの段階数と、第2規格のパレンタルレベルの段階数は、互いに異なっている構成としてもよい。
【0019】
またBD−ROMの再生機能およびDVD−Videoの再生機能を備えた、上記構成の再生装置において、前記第1規格は、BD−ROMについての規格であり、前記第2規格は、DVD−Videoについての規格である構成としてもよい。
【0020】
また上記構成において、前記共通レベルの各レベルは、前記第2規格のパレンタルレベルの各レベルに、一対一に対応している構成としてもよい。本構成によれば、ユーザは、第2規格のパレンタルレベルに対する基準レベルを指定するような感覚で、何れの規格のパレンタルレベルに対する基準レベルをも指定することが可能となる。
【0021】
また上記構成としてより具体的には、前記再生の制限は、前記再生が実行されないようにする処理である構成としてもよい。
【0022】
また上記構成において、前記指定受付部は、前記共通レベルの一覧をディスプレイに表示させ、前記一覧に示されている共通レベルの何れかをユーザに選択させるようにして、前記指定を受付ける構成としてもよい。
【0023】
本構成によれば、ユーザにとって、共通レベルの全体像を認識しながら所望の共通レベルを指定することが容易となる。
【発明の効果】
【0024】
上述したように本発明に係る再生装置によれば、ユーザは、各規格についての基準レベルの指定を、共通レベルの指定として纏めて行うことが可能となる。そのため基準レベルの指定に関する利便性を、向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係るディスク再生装置およびその周辺機器に関するブロック図である。
【図2】当該ディスク再生装置の外観図である。
【図3】当該ディスク再生装置が行う動作のフローチャートである。
【図4】当該ディスク再生装置が行う動作の別のフローチャートである。
【図5】視聴制限設定画面に関する説明図である。
【図6】パレンタルレベル変換テーブルに関する説明図である。
【図7】従来例における基準レベルの設定に関する説明図である。
【図8】従来例における基準レベルの設定に関する説明図である。
【図9】従来例における基準レベルの設定に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態について、各種ディスク(BD−ROMおよびDVD−Video)の再生機能を備えたディスク再生装置を挙げて、以下に説明する。
【0027】
[ディスク再生装置の構成等について]
図1は、当該ディスク再生装置1およびその周辺機器に関するブロック図である。本図に示すようにディスク再生装置1は、ディスク読取部11、HDD[Hard Disk Drive]12、再生信号生成部13、信号出力部14、付属ディスプレイ15、制御部16、および操作部17などを備えている。またディスク再生装置1には、ディスプレイ31を有する画像表示機器3(例えばテレビ受像機)が接続される。
【0028】
また図2は、ディスク再生装置1の外観図である。本図に示すように、ディスク再生装置1は、全体的に見て各種部品が筐体18に収納された形態の本体と、本体の遠隔操作を可能とするリモコン送信機17cが設けられている。本体は、筐体18の前面側(図2の手前側)がユーザに対面するように設置される。筐体18の前面側には、付属ディスプレイ15、押しボタンスイッチ17a、リモコン受信部17b、およびディスク挿入口19などが設けられている。
【0029】
ディスク読取部11は、制御部16の指示に応じて、ディスク挿入口19に挿入されているディスク2(コンテンツ情報が記録されている)から、コンテンツ情報を読取って後段側に送出する。ディスク読取部11は、ディスク2がBD−ROMとDVD−Videoの何れであっても、コンテンツ情報を読取ることが可能となっている。なおコンテンツ情報の形態は特に問わないが、本実施形態では、少なくともコンテンツの映像データが含まれているとする。
【0030】
ここでディスク2に記録されているコンテンツ情報には、例えばディスク2の作成者により、そのコンテンツの内容に応じたパレンタルレベルが設定されている。BD−ROMに記録されているコンテンツ情報には、BD−ROM規格によるパレンタルレベルが設定されており、DVD−Videoに記録されているコンテンツ情報には、DVD−Video規格によるパレンタルレベルが設定されている。
【0031】
なおDVD−Video規格によるパレンタルレベルは、「1、2、3、・・・、8、OFF」の9段階となっており、BD−ROM規格によるパレンタルレベルは、「0、1、2、・・・255」の256段階となっている。何れも再生の許容レベルを表しており、一般的に、視聴制限の必要性が高いコンテンツ情報に対しては、高いレベルのパレンタルレベルが設定される。
【0032】
HDD12は、コンテンツ情報の記録(録画)に用いられる。HDD12に記録されたコンテンツ情報は、制御部16の指示に応じて、後段側に送出される。なおHDD12は、ディスク再生装置1の本体に内蔵された形態であっても良く、ディスク再生装置1の本体に外付けされた形態であっても良い。
【0033】
再生信号生成部13は、ディスク読取部11もしくはHDD12から送出されるコンテンツ情報を受取り、このコンテンツ情報を再生させるための再生信号を生成して、信号出力部14に送出する。
【0034】
信号出力部14は、再生信号生成部13から受取った再生信号を、外部機器(画像表示機器3)へ出力する。また信号出力部14は、制御部16の指示に応じ、各種の画面(後述するパスワード入力画面や視聴制限設定画面など)を表す信号を、外部機器(画像表示機器3)へ出力する。
【0035】
なお画像表示機器3は、ディスク再生装置1から信号が入力されると、この信号が表すコンテンツや各種の画面をディスプレイ31に表示する。そのためディスク再生装置1は、画像表示機器3への信号出力によって、コンテンツや各種画面をディスプレイに31に表示させることが可能となっている。また付属ディスプレイ15は、ディスク再生装置1の本体に付属しているディスプレイであり、現在時刻や再生状況などの簡易な情報表示に用いられる。
【0036】
制御部16は、例えばCPUによって形成されており、ディスク再生装置1が適切に動作するように、ディスク再生装置1の各部を制御する。ディスク再生装置1が行う主な動作については、改めて説明する。なお制御部16は、制御に関わる情報が格納されているメモリ(ROM等)が設けられており、必要に応じて当該情報を参照する。なお当該メモリに格納されている情報には、後述するパレンタルレベル変換テーブル(図6を参照)が含まれている。
【0037】
操作部17は、操作スイッチ17aおよびリモコン装置(リモコン受光部17bおよびリモコン送信機17cを含む)を有しており、ユーザの操作を受付ける。操作内容は制御部27に伝えられるようになっており、これにより、ディスク再生装置1の動作にユーザの意図を反映させることが可能となっている。
【0038】
[ディスク再生装置の動作等について]
次に、ディスク再生装置1が実行する主な動作について、図3および図4に示すフローチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0039】
ディスク再生装置1は通常時、ユーザによる視聴制限設定動作の実行指示(ステップS1)、録画動作の実行指示(ステップS2)、および再生動作の実行指示(ステップS3)の各指示を待機する。なお再生動作の実行指示には、再生対象の指示(ディスク2或いはHDD12に記録されているコンテンツ情報のうち、どのコンテンツ情報を再生させるかの指示)も含まれているとする。
【0040】
そして視聴制限設定動作の実行指示があったとき(ステップS1のY)、ディスク再生装置1は、基準レベルを設定するための視聴制限設定動作を実行する(ステップS4)。視聴制限設定動作は、具体的には以下に説明する手順(図4のフローチャートを参照)で進められる。
【0041】
まずディスク再生装置1は、画像表示機器3への信号出力を通じて、所定のパスワード入力画面をディスプレイ31に表示させ、ユーザにパスワードの入力を要求する(ステップS11)。なおディスク再生装置1は、初回の入力時には任意のパスワードを入力させて登録するようにし、2回目以降の入力時に、登録したパスワードの入力を要求するようになっていても良い。
【0042】
そして正しいパスワードが入力されたら(ステップS12のY)、ディスク再生装置1は、画像表示機器3への信号出力を通じて、所定の視聴制限設定画面をディスプレイ31に表示させる(ステップS13)。この視聴制限設定画面には、図5に示すように、「Level1」から「規制なし」までの9個の選択肢(共通レベルの一覧)が含まれている。
【0043】
なおこれらの選択肢は、共通レベル(視聴制限の要否判定における厳しさの度合)を表している。共通レベルは厳しい側から順に、「Level1」(最も厳しい)、「Level2」、「Level3」、・・・、「規制なし」(最も厳しくない)となっている。
【0044】
視聴制限設定画面が表示されている状況において、ディスク再生装置1は、ユーザによる何れか一つの選択肢の指定を待機する。このときユーザは、操作部17を通じて矢印41を移動させ、任意の選択肢(所望の厳しさを表す基準レベル)を指定することが可能となっている。
【0045】
このようにディスク再生装置1は、一覧に示されている共通レベルの何れかをユーザに選択させるようにして、任意の共通レベルの指定を受付ける。そのためユーザにとって、共通レベルの全体像を認識しながら所望の共通レベルを指定することが、容易となっている。なお、ユーザに任意の共通レベルを指定させる形態については、上述したものの他、様々な形態を採ることが可能である。
【0046】
そしてユーザが何れか一つの選択肢を指定すると(ステップS14のY)、ディスク再生装置1は、指定された共通レベルに対応するBD−ROM規格のパレンタルレベルを、BD−ROM用基準レベルに設定する(ステップS15)。そして更に、ディスク再生装置1は、指定された共通レベルに対応するDVD−Video規格のパレンタルレベルを、DVD−Video用基準レベルに設定する(ステップS16)。
【0047】
これらの動作(ステップS15およびS16)の実行に際しては、図6に示すテーブル情報(以下、「パレンタルレベル変換テーブル」と称する)が参照される。パレンタルレベル変換テーブルは、共通レベルの各レベルを、BD−ROM規格とDVD−Video規格の各々(つまり規格ごと)のパレンタルレベルの何れかのレベルに、対応付ける情報である。
【0048】
図6によれば、例えば、「Level7」の共通レベルは、BD−ROM規格のパレンタルレベルについては「18」に対応付けられており、DVD−Video規格のパレンタルレベルについては「7」に対応付けられている。なおパレンタルレベル変換テーブルが、どのような方針で作成されているかについては、改めて説明する。
【0049】
ディスク再生装置1は、上述したパレンタルレベル変換テーブルを参照し、例えば指定された共通レベルが「Level7」であれば、BD−ROM用基準レベルを「18」に設定し、DVD−Video用基準レベルを「7」に設定する。ステップS16の動作が完了することにより、今回の視聴制限設定動作(ステップS4)は完了し、ディスク再生装置1の動作はステップS1に戻る。なお設定された内容は、次回の視聴制限設定動作によって更新されるまで、そのまま保持される。
【0050】
図3に戻り、録画動作の実行指示があると(ステップS2のY)、ディスク再生装置1は、ディスク2に記録されているコンテンツ情報を読取って、HDD12に記録する動作(録画動作)を実行する(ステップS5)。このとき、当該コンテンツ情報に設定されたパレンタルレベルも、当該コンテンツ情報とともにHDD12に記録される。録画動作が完了したら、ステップS1の動作に戻る。
【0051】
また再生動作の実行指示があったとき(ステップS3のY)、ディスク再生装置1は先ず、基準レベルが再生対象に設定されているパレンタルレベルより厳しい(低い)か否かを判別する(ステップS6)。
【0052】
なおこのとき、再生対象に設定されているパレンタルレベルがBD−ROM規格によるものである場合には、先述したBD−ROM用基準レベルが基準レベルとして用いられる。一方、再生対象に設定されているパレンタルレベルがDVD−Video規格によるものである場合には、先述したDVD−Video用基準レベルが基準レベルとして用いられる。
【0053】
基準レベルが再生対象に設定されているパレンタルレベルより厳しくない、と判別された場合には(ステップS6のN)、ディスク再生装置1は、再生対象であるコンテンツ情報を再生する動作(再生動作)を実行する(ステップS7)。すなわちディスク再生装置1は、再生対象であるコンテンツ情報の再生信号を生成し、画像表示機器3へ出力する。これにより、画像表示機器3を用いることによる再生対象の再生が実現される。再生動作が完了したら、ステップS1の動作に戻る。
【0054】
一方で、基準レベルが再生対象に設定されているパレンタルレベルより厳しい、と判別された場合には(ステップS6のY)、ディスク再生装置1は、再生対象の再生動作(ステップS7)を行うことなく、ステップS1の動作に戻る。
【0055】
すなわちディスク再生装置1は、再生対象の再生の制限として、再生が実行されないようにする処理(再生を禁止する処理と見ることもできる)を行う。なおこのときディスク再生装置1は、「再生させようとしているコンテンツは、視聴制限の対象となっています」といったメッセージを、ディスプレイ3に表示させるようになっていても良い。
【0056】
また更にディスク再生装置1は、ユーザにパスワードの入力を求め、正しいパスワードが入力されたときは、今回の再生対象については再生の制限を解除する(制限の一時解除を行う)ようになっていても構わない。
【0057】
[パレンタルレベル変換テーブルについて]
上述したようにディスク再生装置1によれば、ユーザによる一つの共通レベルの指定がなされると、パレンタルレベル変換テーブルに基づいて、この共通レベルに対応した基準レベルが各規格について設定される(ステップS14〜S16の説明を参照)。このようにディスク再生装置1によれば、ユーザは、BD−ROMについての基準レベルの指定と、DVD−Videoについての基準レベルの指定の両方を、共通レベルの指定として纏めて行うことが可能となっている。
【0058】
ここでパレンタルレベル変換テーブルは、各規格におけるパレンタルレベルの各レベルの定義や主旨などが十分に考慮され、同じ共通レベルに対応する各規格のパレンタルレベル同士が、同等の厳しさとなるように作成されている。
【0059】
そのためユーザは、所望の厳しさの共通レベルを指定するだけで、何れの規格のパレンタルレベルが設定されているコンテンツ情報の再生に対しても、視聴制限の要否判定の厳しさを所望の状態とすることが可能である。このようにディスク再生装置1は、ディスク2の種類に関わらず基準レベルの厳しさを同等にしようとするユーザ(殆どのユーザがこれに該当すると見込まれる)にとって、基準レベルの指定が簡潔かつ容易なものとなっている。
【0060】
またディスク再生装置1によれば、規格ごとのパレンタルレベルの違いを十分には知らないユーザにとっても、この違いに戸惑うことなく、視聴制限の要否判定の厳しさを所望の状態とすることが容易となっている。
【0061】
また図6から明らかなように、共通レベルの1レベル分(「Level1」から「規制なし」までの各レベル)は、DVD−Video規格のパレンタルレベルの1レベル分(「1」から「OFF」までの各レベル)に、対応するように決められている。すなわち共通レベルの各レベルは、DVD−Video規格のパレンタルレベルの各レベルに、一対一に対応するように決められている。
【0062】
そのためディスク再生装置1によれば、ユーザは、DVD−Video規格のパレンタルレベルに対する基準レベルを指定するような感覚で、何れの規格のパレンタルレベルに対する基準レベルをも、適切に指定することが可能となっている。なおパレンタルレベル変換テーブルをどのような方針で作成しておくかについては、上述したものには限られず、ユーザのニーズ等に応じて様々な方針とすることが可能である。
【0063】
[その他]
以上に説明した通りディスク再生装置1は、BD−ROM規格(第1規格)のパレンタルレベルおよびDVD−Video規格(第2規格)のパレンタルレベルのうちの、何れが設定されたコンテンツ情報をも再生する装置となっている。
【0064】
そしてディスク再生装置1は、複数のレベルからなる共通レベルについて、任意のレベルの指定を受付ける機能部(指定受付部)と、共通レベルの各レベルを規格ごとのパレンタルレベルの何れかのレベルに対応付けるパレンタルレベル変換テーブル(対応情報)を格納する機能部(対応情報格納部)と、再生対象のコンテンツ情報に設定されたパレンタルレベルと基準レベルとの比較結果に応じて、再生の制限を行う機能部(再生制限部)と、を備えている。
【0065】
そして更にこの再生制限部は、指定のなされた共通レベルに対応付けられているパレンタルレベルのうち、再生対象のコンテンツ情報に設定されたパレンタルレベルの規格のものを、基準レベルとするようになっている。
【0066】
そのためディスク再生装置1によれば、ユーザは、各規格についての基準レベルの指定を、共通レベルの指定として纏めて行うことが可能となっている。その結果、規格ごとに基準レベルの指定が必要なものに比べ、基準レベルの指定に関する利便性が大きく向上している。
【0067】
また本発明の実施形態について以上の通り説明したが、上述したものは実施形態の一例に過ぎない。本発明はその主旨を逸脱しない範囲において、様々な形態で実施され得る。当該実施形態の変形例としては、例えば次のようなものが挙げられる。
【0068】
ディスク再生装置1は、BD−ROM規格およびDVD−Video規格のパレンタルレベルに応じて視聴制限を行うようになっているが、その他にも、CSやBSの規格といった様々な規格のパレンタルレベルに応じて、視聴制限が行われるようにしても構わない。すなわち、どの規格のパレンタルベルに応じて視聴制限が行われるようにするかについては、様々な形態とすることが可能である。
【0069】
またディスク再生装置1に付属ディスプレイを備えておくようにし、上述の説明ではディスプレイ31に表示されていたものが、この付属ディスプレイに表示されるようにしても良い。この場合ディスク再生装置1は、コンテンツ情報の再生を、他機を用いずに実現させることが可能である。
【0070】
また上述の実施形態では、再生の制限は、再生が実行されないようにする処理となっているが、何らかの視聴制限が実現されるようになっている限り、他の形態であっても構わない。一例を挙げれば、再生の制限は、再生映像にモザイクをかける処理や、本来の映像に代えて用意されている代替映像(例えば、大人向けのシーンがカットされた映像)を表示する処理であっても良い。
【0071】
またディスク再生装置1は、再生だけでなく録画についても、パレンタルレベルに応じた制限を行うようにしてもよい。例えば、基準レベルが録画対象に設定されているパレンタルレベルより厳しいときには、録画対象の録画(HDD12への記録)が実行されないようにしてもよい。
【0072】
またコンテンツ情報の形態としては、例えば、コンテンツの映像データと音声データの両方を含む形態や、これらのうちの一方だけを含む形態であっても構わない。何れの場合であっても、本発明を適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、ディスク再生装置などに利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 ディスク再生装置(再生装置)
2 ディスク
3 画像表示機器
11 ディスク読取部
12 HDD
13 再生信号生成部
14 信号出力部
15 付属ディスプレイ
16 制御部
17 操作部
17a 操作スイッチ
17b リモコン受信部
17c リモコン送信機
18 筐体
19 ディスク挿入口
31 ディスプレイ
41 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の規格のパレンタルレベルのうちの、何れが設定されたコンテンツ情報についても再生を行う再生装置であって、
複数のレベルからなる共通レベルについて、任意のレベルの指定を受付ける指定受付部と、
前記共通レベルの各レベルを前記規格ごとの前記パレンタルレベルの何れかのレベルに対応付ける対応情報を、格納する対応情報格納部と、
再生対象のコンテンツ情報に設定されたパレンタルレベルと基準レベルとの比較結果に応じて、前記再生の制限を行う再生制限部と、を備え、
前記再生制限部は、
前記指定のなされた共通レベルに対応付けられているパレンタルレベルのうち、再生対象のコンテンツ情報に設定されたパレンタルレベルの規格のものを、前記基準レベルとすることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記複数種の規格には、第1規格および第2規格が含まれ、
第1規格のパレンタルレベルの段階数と、第2規格のパレンタルレベルの段階数は、互いに異なっていることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
BD−ROMの再生機能およびDVD−Videoの再生機能を備えた請求項2に記載の再生装置であって、
前記第1規格は、BD−ROMについての規格であり、
前記第2規格は、DVD−Videoについての規格であることを特徴とする再生装置。
【請求項4】
前記共通レベルの各レベルは、
前記第2規格のパレンタルレベルの各レベルに、一対一に対応していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の再生装置。
【請求項5】
前記再生の制限は、
前記再生が実行されないようにする処理であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の再生装置。
【請求項6】
前記指定受付部は、
前記共通レベルの一覧をディスプレイに表示させ、
前記一覧に示されている共通レベルの何れかをユーザに選択させるようにして、前記指定を受付けることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−105003(P2012−105003A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250998(P2010−250998)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】