説明

再生負荷評価装置、再生負荷評価方法、プログラム及び記録媒体

【課題】部品リユースに関する環境負荷を個々に再生工程データを実測することなく算出し、かつ複数の再生工場における再生負荷を算出し、最も再生負荷の小さい工場を選定し、さらに複数のリユース部品の各再生工場における再生負荷を算出し、トータルで再生負荷が最も小さくなるように各リユース部品を再生する工場を選定する。
【解決手段】再生工程データを入力する再生工程データ入力部と、再生工程データを記憶する再生工程データ記憶部と、再生工程係数を記憶する再生工程係数記憶部と、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程データと前記再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数を用いてリユース対象物の再生負荷を算出する再生負荷算出部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製品及び部品の環境負荷の評価、特に資源循環に関わる環境負荷の評価において、リユースに係る環境負荷を評価する再生負荷評価装置及び再生負荷評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製品の製造から廃棄に至る環境負荷を定量的に評価する手法として、ライフサイクルアセスメント(以下LCAと記す)と呼ばれる手法が利用されている。LCAは製品の製造から廃棄に至るまでのライフサイクルを、原料の採取、材料の製造、部品の製造、製品の製造、製品の使用及び製品の廃棄等の工程に分け、各工程で消費される原料や、排出物の種類や発生量等、各工程において生じる環境負荷の値を求め、これらの総和を求めることによって評価対象となる製品の総環境負荷を算出するものである。
LCAは、評価対象とする製品に関して、生産過程から廃棄過程までの間に投入されるエネルギー及び資源と、生産工程から廃棄工程までの間に発生する環境負荷とを個別に調査し、データを積み上げることによって環境負荷を算出する。特に原材料等については、構成材料重量を調査し、各種原単位や業界で算出したLCI(Life Cycle Inventory)データ、文献値等から消費エネルギー、CO2排出量、NOx等の環境負荷値を算出する。
また近年、3Rと言われるリデュース・リユース・リサイクルが進められており、資源の循環の必要性が問われている。現在資源循環を総合的に評価する手法はなく、一般的に部品リユース率・マテリアルリサイクル率で表現されている。一般的に部品リユース率・マテリアルリサイクル率は製品重量中のリユース部品重量・再生材料重量の割合(重量比率)、もしくは部品点数比率で示されている。またリユース工程の環境負荷は、実際のリユース工程の使用エネルギーを調査して、算出している。
【0003】
特許文献1では、対象物の構成要素リスト、各構成要素を構成する素材・部品テーブル、素材・部品製造の環境負荷単位テーブル具体的にはLCA原単位表、対象物の輸送手段の種類と量を示す輸送テーブルと、対象物の使用時に排出する物質・使用するエネルギーの種類と量を示す物質・エネルギーテーブルと、物質エネルギーの環境負荷単位テーブル、具体的にはLCA原単位表と、素材・部品を廃棄・リサイクルする場合の環境負荷を示す廃棄・リサイクル環境負荷単位テーブルを有している。構成要素リストから対象物の構成要素を特定し、各構成要素を構成する素材・部品テーブルから各構成要素の素材、部品データを特定し、LCA原単位表とデータから対象物を構成する素材・部品の環境負荷を算出する。輸送テーブルから輸送に使用する輸送手段の種類と量を選択する。物質エネルギーテーブルから対象物の使用時に排出・使用するエネルギーや物質の種類と量を特定する。LCA原単位と輸送及び使用時のデータから輸送及び使用時の環境負荷を算出する。廃棄リサイクル工程の環境負荷も同様に厚生素材・部品を特定し算出する。これらの環境負荷を合計することで対象物の環境負荷を自動的に算出することができる、としている。
【特許文献1】特開2002−245202公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在、資源循環を総合的に評価する手法はなく、資源循環を示す指標として利用されている部品リユース率・マテリアルリサイクル率は製品重量中のリユース部品重量・再生材料重量の割合(重量比率)、もしくは部品点数比率で示されており、環境負荷そのものの値は示していない。
また上述のように、LCAは環境負荷を評価する有効な手法であるが、材料の製造工程に関するデータの収集は非常に困難であり、原材料の環境負荷評価については重量当たりの環境負荷を表すエコリーフ原単位やLCA日本フォーラムのLCAデータベース、4000SS(Environmental load data for 4000 social stocks)等の原単位、業界でまとめたLCIデータ、文献値等のLCIデータを利用して環境負荷値を算出している。しかしバージン材料については原単位項目も整備されてきているが、部品リユースについては原単位はないのが現状である。したがって部品リユースの負荷は実際に再生工場の使用エネルギーを測定するなどして個々に算出している。
【0005】
特許文献1は、対象物の環境負荷をデータを実測することなく自動的に算出するため、構成要素テーブルから素材や部品の種類・量のデータを取得している。これは素材や部品製造のLCA原単位があり、種類及び量のデータを取得すれば環境負荷を算出できるためである。しかし部品リユースについては原単位はなく、影響要素も明確になっておらず、部品リユースの負荷算出は困難である。現状は個々に使用エネルギーを実測するなどして算出しているが、非常に労力がかかり、実測できない場合もある。また新規にリユースする部品の負荷は算出できない。さらに再生負荷は再生工場の規模・設備状況の影響を受けるが、再生工場の処理能力の問題もあり、効率のよい工場があってもすべての部品をその工場で再生することはできず、複数のリユース部品をどこでどのように再生するとトータルの負荷が最も少なくなるのか判断できない。
そこで、本発明はこれらを鑑みて考案されたものであって、部品リユースに関する環境負荷を個々に再生工程データを実測することなく算出し、かつ複数の再生工場における再生負荷を算出し、最も再生負荷の小さい工場を選定し、さらに複数のリユース部品の各再生工場における再生負荷を算出し、トータルで再生負荷が最も小さくなるように各リユース部品を再生する工場を選定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、リユースされるリユース対象物の再生負荷を算出し、評価する再生負荷評価装置であって、再生工程データを入力する再生工程データ入力部と、再生工程データを記憶する再生工程データ記憶部と、再生工程係数を記憶する再生工程係数記憶部と、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程データと前記再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数を用いてリユース対象物の再生負荷を算出する再生負荷算出部とを備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ入力部に入力された再生工程数、部品点数、及び超音波洗浄機・乾燥機数と、前記再生工程係数記憶部に記憶された基本負荷、工程数係数、部品点数係数、超音波洗浄機・乾燥機係数、及び特殊装置負荷とから、再生負荷を算出することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、再生工場データを記憶する再生工場データ記憶部と、再生工場の生産効率を記憶する再生データ記憶部と、を備え、前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程情報、前記再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数、前記再生工場データ記憶部に記憶された再生工場データ、及び前記再生データ記憶部に記憶された再生工場の生産効率を用いて再生工場におけるリユース対象物の再生負荷を算出することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ入力部に入力された再生工程数、部品点数、及び超音波洗浄機・乾燥機数と、前記再生工程係数記憶部に記憶された基本負荷、工程数係数、部品点数係数、超音波洗浄機・乾燥機係数、及び特殊装置負荷と、前記再生工場データ記憶部に記載されたエア・集塵機効率と、前記再生データ記憶部に記憶された対象工場の生産効率と、を用いて再生負荷を算出することを特徴とする。
【0008】
また、請求項5に記載の発明は、再生工場データを入力する再生工場データ入力部と、前記再生工場データ入力部に入力された再生工場データからエア・集塵機効率を算出するエア・集塵機効率算出部と、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程データ、及び前記再生工場データ記憶部に記憶された再生工場データから再生工場の生産効率を算出する生産効率算出部と、を備え、前記再生データ記憶部には、前記生産効率算出部によって算出された再生工場の生産効率が記憶され、前記再生工場データ記憶部には、前記エア・集塵機効率算出部によって算出されたエア・集塵機効率が記憶されることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、回収拠点及び生産工場情報を記憶する回収拠点・生産工場データ記憶部と、再生工場データ記憶部に記憶された再生工場情報、及び回収拠点・生産工場データ記憶部に記憶された回収拠点・生産工場情報から再生工場と回収拠点・生産工場の距離を算出する輸送距離算出部と、輸送負荷情報を記憶する輸送負荷情報記憶部と、輸送距離算出部で算出された輸送距離、及び輸送負荷情報記憶部に記憶された輸送負荷情報から輸送の環境負荷を算出する輸送負荷算出部と、を備え、前記輸送負荷算出部に記憶された輸送の環境負荷に基づいて、前記再生負荷算出部が再生負荷を算出することを特徴とする。
【0009】
また、請求項7に記載の発明は、前記再生工程データ記憶部にはリユース対象物の時系列の再生量が記憶され、前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程データと、前記再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数と、前記再生工場データ記憶部に記憶された再生工場データと、前記再生データ記憶部に記憶された生産効率と、に基づいて時系列の再生負荷を算出し、前記再生負荷算出部によって算出された時系列の再生負荷、及び前記再生工程データ記憶部に記憶されたリユース対象物の時系列の再生量に基づいて再生工場におけるリユース対象物全体の再生負荷を算出する対象物トータル再生負荷算出部と、前記対象物トータル再生負荷算出部で算出された複数のリユース対象物のトータル再生負荷を記憶する対象物トータル再生負荷記憶部と、前記再生工程データ記憶部に記憶された複数のリユース対象物の時系列の再生量から複数の対象物と再生工場の組合せを作成し、算出された複数の対象物のトータル再生負荷から複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷を算出する総トータル再生負荷算出部と、複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷を記憶する総トータル再生負荷記憶部と、総トータル再生負荷記憶部に記憶された複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷が最も小さくなる再生工場の組合せ選定し、各対象物の再生工場を選定する再生工場選定部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項8に記載の発明は、リユースされる対象物の再生負荷を算出し、評価する再生負荷評価方法であって、生産効率算出部がリユース対象物の時系列の再生量を含む再生工程データと再生工場データとに基づいてリユース対象物の再生工場における(期間的な)生産効率を算出するステップと、再生負荷算出部が前記再生工程データと再生工程係数と再生工場データと前記生産効率算出部によって算出された生産効率とに基づいて再生工場におけるリユース対象物の再生負荷を算出するステップと、トータル再生負荷算出部が前記再生工程データと前記再生負荷算出手段によって算出された(期間)再生負荷とに基づいてリユース対象物のトータル再生負荷を算出するステップと、総トータル再生負荷算出部が、前記トータル再生負荷算出部によって算出されたリユース対象物のトータル再生負荷と、リユース対象物の時系列の再生量と、に基づいてリユース対象物と再生工場の組合せを作成し、作成されたリユース対象物と再生工場の組合せにおける再生負荷の合計を算出するステップと、再生工場選定部が、前記総トータル再生負荷記憶部に記憶された複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷が最も小さくなる再生工場の組合せを選定することにより各対象物の再生工場を選定するステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の再生負荷評価方法をコンピューターに実行させるためのプログラムを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のプログラムを記憶したコンピューター読取り可能な記録媒体を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の再生負荷評価装置によれば、再生工程情報を入力する再生工程データ入力部と、再生工程情報を記憶する再生工程データ記憶部と、再生工程係数を記憶する再生工程係数記憶部と、再生工程データ記憶部に記憶された再生工程情報と、再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数から対象物の再生負荷を算出する再生負荷算出部とを備えているので、再生工程データを実測することなく再生負荷を算出する再生負荷評価装置を提供することができる。
また、本発明の再生負荷評価方法によれば、生産効率算出部がリユース対象物の時系列の再生量を含む再生工程データと再生工場データとに基づいてリユース対象物の再生工場における(期間的な)生産効率を算出するステップと、再生負荷算出部が前記再生工程データと再生工程係数と再生工場データと前記生産効率算出部によって算出された生産効率とに基づいて再生工場におけるリユース対象物の再生負荷を算出するステップと、トータル再生負荷算出部が前記再生工程データと前記再生負荷算出手段によって算出された(期間)再生負荷とに基づいてリユース対象物のトータル再生負荷を算出するステップと、総トータル再生負荷算出部が、前記トータル再生負荷算出部によって算出されたリユース対象物のトータル再生負荷と、リユース対象物の時系列の再生量と、に基づいてリユース対象物と再生工場の組合せを作成し、作成されたリユース対象物と再生工場の組合せにおける再生負荷の合計を算出するステップと、再生工場選定部が、前記総トータル再生負荷記憶部に記憶された複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷が最も小さくなる再生工場の組合せを選定することにより各対象物の再生工場を選定するステップと、を有するので、再生工程データを実測することなく再生負荷を算出する再生負荷評価方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に関わる再生負荷評価装置の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、再生に伴う環境負荷はCO2排出量であるとして説明する。本発明第1の実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。
図1は本発明の再生負荷評価装置0の構成を機能ブロックにて示す図である。本発明の再生負荷評価装置0は、再生工程データ入力部1、再生工程データ記憶部2、再生工程係数記憶部3、再生工程データ記憶部2に記憶された再生工程データと再生工程係数記憶部3に記憶された再生工程係数からリユース対象物の再生工程の負荷を算出する再生負荷算出部4から構成されている。
本実施形態における再生負荷評価装置0の動作について、カートリッジモジュールをリユース対象物とした場合の例により説明する。
【0014】
再生工程データ入力部1にリユース対象物の再生工程データとして、再生工程数Npro、部品点数Np、特殊装置の有無、超音波洗浄機・乾燥機数Nusonic、再生量Num及び部品名、搭載機種名、部番等の部品情報を入力する。再生工程数Nproは手作業工程を除くエネルギー消費設備を含む工程数である。特殊装置とは、特殊な方法、構成要素を使用している装置のことである。
ここでは、専用装置であってもエアブローや吸引のみである場合は含まない。エアブローや吸引は、後述する基本負荷Kbaseに含まれるためである。再生量Numには、既に再生しているカートリッジモジュールであればその再生データを、新規にリユースするものであれば再生計画等の予測値を入力する。このようにして入力された各データは、再生工程データ記憶部2に記憶される。
【0015】
再生工程係数記憶部3には再生工程係数として基本負荷Kbase、工程数係数Kpro、部品点数係数Kp、超音波洗浄機・乾燥機係数Kusonicおよび複数の特殊装置負荷Kspeが記憶されている。リユース対象物が部品・モジュールの場合は、通常大きく分けて分解工程、清掃工程、洗浄工程、検査工程を経る。分解工程及び清掃工程でトナーや埃等をエアブローや掃除機・集塵機等で除去している。洗浄工程でもエアブローや掃除機・集塵機を利用していることが多い。またリユースにおける洗浄工程では超音波洗浄機が使用されることが多く、超音波洗浄後は乾燥工程が必要なため乾燥機が利用される。そのためエアコンプレッサーや掃除機・集塵機、上記特殊装置や超音波洗浄機・乾燥機が再生負荷の主要因となっている。
【0016】
これら再生工程係数記憶部3に記憶される各係数は、過去の再生データから相関関係を求めておく。基本負荷Kbaseはエアコンプレッサーや掃除機・集塵機の負荷である。図2は基本負荷Kbaseの一例を示す図である。図2に示す係数は過去の再生データから分析・分類し、部品・モジュール分類毎に基準値を求め、対象分類とともに記憶する。特殊装置負荷Kspeは過去の再生データから再生負荷を求めて記憶しておく。また、特殊装置負荷Kspeについては、類似装置を選択してその類似装置の再生負荷の値を利用するようにしても良いし、特殊装置のみ実測の再生負荷の値を入力しても良いし、あるいは定格値等より概算負荷を求められる場合はその値を入力してもよい。
その他の工程数係数Kpro、部品点数係数Kp、超音波洗浄機・乾燥機係数Kusonicは過去の再生データと工程数、部品点数、超音波洗浄機・乾燥機によるエネルギー消費の相関関係を求め、記憶しておく。図3は、工程数係数、部品点数係数、超音波洗浄機・乾燥機係数のテーブルの一例である。ここでは各係数をすべて一意に設定しているが、超音波洗浄機・乾燥機係数はその容量・定格値等に基づいてさらに分類してもよい。その場合は、分類毎の係数データを記憶し、対象となる工程で使用される超音波洗浄機の容量、定格値等で該当する係数を選択する。以下の説明では便宜上、各係数は一つとして説明する。
【0017】
リユース対象物の再生負荷の算出のフローを図4に沿って説明する。
操作者がリユース対象物の対象分類を選択する(S1)。操作者によって選択された対象分類に基づいて、再生工程係数記憶部3に記憶された基本負荷Kbaseが取得される(S2)。操作者が特殊装置の有無を入力し(S3)、さらに特殊装置有なら該当する特殊装置を選択する(S4)。操作者によって選択された特殊装置のデータに基づいて、該当する特殊装置の負荷Kspeが取得される(S5)。複数の特殊装置がある場合には、操作者がそれぞれの特殊装置に関するデータを入力することによって、特殊装置負荷Kspeも複数取得される。また特殊装置のみ、実測値の再生負荷を入力して利用し、あるいは定格値等より概算負荷を求められる場合はその値を図示しない入力部に入力して利用してもよい。このようにして入力されたデータは再生工程係数記憶部3に記憶され、蓄積される。操作者は、再生工程データを入力する(S6)。少なくとも再生工程数Npro、部品点数Np、超音波洗浄機・乾燥機数Nusonicは再生工程データとして入力する。次に再生工程係数記憶部3から工程数係数Kpro、部品点数係数Kp、と超音波洗浄機・乾燥機係数Kusonicが取得される(S7)。入力された再生工程データと取得した基本負荷Kbase、特殊装置負荷Kspe、その他の各係数からリユース対象物の再生負荷ELを算出する(S8)。算出式を式(1)に示す。
【0018】
EL = Kbase + (Kpro×Npro + Kp×Np+(Kspe1+Kspe2+...+KspeN)+Kusonic×Nusonic)・・・(1)
上述したリユース対象物の再生負荷の算出フローについて言い換えれば、操作者は、リユース対象物の対象分類と、特殊装置の有無及びその種類と、再生工程データとして少なくとも再生工程数Nproと部品点数Npと超音波洗浄機・乾燥機数Nusonicと、を再生工程データ入力部1に入力する。再生負荷評価装置0は再生工程係数記憶部3から、操作者が入力した対称分類に基づいて基本負荷Kbaseを取得し、特殊装置の有無及びその種類に基づいて特殊装置負荷Kspeを取得し、再生工程データに基づいて工程数係数Kproと部品点数係数Kpと超音波洗浄機・乾燥機係数Kusonicを取得する。これら各係数から、式(1)の計算式に従い、リユース対象物の再生負荷ELを算出する。
【0019】
本実施形態における再生負荷評価装置によれば、再生工程情報を入力する再生工程データ入力部と、再生工程情報を記憶する再生工程データ記憶部と、再生工程係数を記憶する再生工程係数記憶部と、再生工程データ記憶部に記憶された再生工程情報と、再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数から対象物の再生負荷を算出する再生負荷算出部とを備えているので、再生工程データを実測することなく再生負荷を算出する再生負荷評価装置を提供することができる。
また、再生工程情報に工程数、部品点数、特殊装置情報、超音波洗浄機・乾燥機数、再生量、部品・モジュール名、部番、搭載機種名、搭載予定機種名等の対象物情報のうち少なくとも一つ以上を含み、再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数に基本負荷を含み、工程数係数、部品点数係数、特殊装置負荷、超音波洗浄機・乾燥機係数のうち少なくとも一つ以上を含んでいるので、再生工程データを実測することのできない対象物や新規の対象物であっても、その再生負荷を算出する再生負荷評価装置を提供することができる。
【0020】
本発明第2の実施形態について図5〜図7に基づいて説明する。なお、各図面において、第1の実施形態における要素と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5は本発明の再生負荷評価装置の構成を機能ブロックにて示す図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。本発明の再生負荷評価装置は、再生工程データ入力部1、再生工程データ記憶部2、再生工程係数記憶部3、再生工程データ記憶部2に記憶された再生工程データと再生工程係数記憶部3に記憶された再生工程係数からリユース対象物の再生工程の負荷を算出する再生負荷算出部4、再生工場データ記憶部5、再生データ記憶部6、再生工程データ記憶部2に記憶された再生工程データと再生工程係数記憶部3に記憶された再生工程係数と再生工場データ記憶部5に記憶された再生工場データと再生データ記憶部6に記憶された生産効率から再生工場毎のリユース対象物の再生工程の負荷を算出する各再生工場の再生負荷算出部7から構成されている。なお、再生負荷算出部4と各再生工場の再生負荷算出部7とを分けて説明しているが、再生負荷を算出する点において同一の機能を果たすものである。
【0021】
本実施形態における再生負荷評価装置の動作について、カートリッジモジューをリユース対象物とした場合の例により説明する。
再生工場データ記憶部5には再生工場データとして登録されている各再生工場の工場規模、適正処理量Numpro、最大処理量Nummax、コンプレッサー・集塵機形態、エア・集塵機効率AirRateが記憶されている。これらデータのうち、適正処理量Numproと最大処理量Nummaxは、あらかじめ工場規模と設備状況及び他製品製造状況から求めておく。また各部品が処理される再生工場データを、再生工場の所在地と関連づけて記憶しておく。再生部品と再生工場と再生工場の所在地のデータの一例を図6に示す。再生工場は、部品名や部番や機種名やその他の管理項目から特定される。つまり、再生工場を示す項目は部品情報として再生工程データ入力部1に入力する。ここでは再生工場を示す項目を部品名として説明する。再生データ記憶部6にはリユース対象物を対象工場で再生する場合の生産効率ProRateが記憶されている。
【0022】
リユース対象物の再生負荷の算出のフローを図7に沿って説明する。
操作者がリユース対象物の対象分類を選択する(S1)。操作者によって選択された対象分類に基づいて、再生工程係数記憶部3に記憶された基本負荷Kbaseが取得される(S2)。操作者が特殊装置の有無を入力し(S3)、さらに特殊装置有なら該当する特殊装置を選択する(S4)。操作者によって選択された特殊装置のデータに基づいて、該当する特殊装置の負荷Kspeが取得される(S5)。複数の特殊装置がある場合には、操作者がそれぞれの特殊装置に関するデータを入力することによって、特殊装置負荷Kspeも複数取得される。また特殊装置のみ、実測値の再生負荷を入力して利用し、あるいは定格値等より概算負荷を求められる場合はその値を入力して利用してもよい。
このようにして入力されたデータは再生工程係数記憶部3に記憶され、蓄積される。操作者は再生工程データを入力する(S6)。少なくとも再生工程数Npro、部品点数Np、超音波洗浄機・乾燥機数Nusonic、部品名、搭載機種名、部番等の部品情報を入力する。
【0023】
次に再生工程係数記憶部3から工程数係数Kpro、部品点数係数Kp、と超音波洗浄機・乾燥機係数Kusonicが取得される(S7)。入力された部品情報の部品名から再生工場データ記憶部5に記憶された再生工場データを取得する(S21)。新規にリユースするもので再生工場の関連付けデータがない場合は、操作者が直接再生工場を選択する(S21)。選択された再生工場は対象工場のデータとして再生工程データ記憶部2に記憶される。再生工場データ記憶部5に記載された対象工場のエア・集塵機効率AirRate及び、再生データ記憶部6に記憶された対象工場の生産効率ProRateを取得する(S22)。入力された再生工程データと取得した基本負荷Kbase、特殊装置負荷Kspe、その他の各係数および再生工場のエア効率AirRateと生産効率ProRateからリユース対象物の再生負荷ELを算出する(S8)。算出式を式(2)に示す。
EL = (Kbase/AirRate + (Kpro×Npro + Kp×Np+(Kspe1+Kspe2
+...+KspeN)+Kusonic×Nusonic))/ ProRate ・・・(2)
【0024】
上述したリユース対象物の再生負荷の算出フローについて言い換えれば、操作者は、リユース対象物の対称分類と、特殊装置の有無及びその種類と、再生工程データとして、少なくとも再生工程数Nproと部品点数Npと超音波洗浄機・乾燥機数Nusonicと、部品名と搭載機種名と部番等からなる部品情報を再生工程データ入力部1に入力する。再生負荷評価装置は再生工程係数記憶部3から、操作者が入力した対称分類に基づいて基本負荷Kbaseを取得し、特殊装置の有無及びその種類に基づいて特殊装置負荷Kpseを取得し、再生工程データに基づいて工程数係数Kproと部品点数係数Kpと超音波洗浄機・乾燥機係数Kusonicを取得する。また、操作者が入力した部品情報の部品名から再生工場データを取得するとともに、該再生工場データに基づいて再生工場データ記憶部5からエア・集塵機効率AirRateを取得し、再生データ記憶部6に記憶された対象工場の生産効率ProRateを取得する。これら各係数から、式(2)の計算式に従い、リユース対象物の再生負荷ELを算出する。
なお、前述のように基本負荷Kbaseはエアコンプレッサーや掃除機・集塵機の負荷であるから、取得したエア・集塵機効率AirRateは、基本負荷Kbaseにエア・集塵機効率AirRateを除すことで反映する。また、生産効率ProRateは全体の負荷に除すことで反映する。
【0025】
本実施形態における再生負荷評価装置によれば、再生工場データを記憶する再生工場データ記憶部と、再生工場の生産効率を記憶する再生データ記憶部と、を備え、前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程情報と前記再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数と前記再生工場データ記憶部に記憶された再生工場情報データと前記再生データ記憶部に記憶された再生工場の生産効率を用いてとから対象再生工場におけるリユース対象物の再生負荷を算出するので、複数の再生工場における対象物の再生負荷を再生工場ごとに算出する再生負荷評価装置を提供することができる。
また、本実施形態における再生負荷評価装置によれば、前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ入力部に入力された再生工程数と部品点数と超音波洗浄機・乾燥機数と、前記再生工程係数記憶部に記憶された基本負荷と工程数係数と部品点数係数と超音波洗浄機・乾燥機係数と特殊装置負荷と、前記再生工場データ記憶部に記載されたエア・集塵機効率と、前記再生データ記憶部に記憶された対象工場の生産効率と、を用いて再生負荷を算出するので、再生工場の規模や設備条件の影響を考慮した再生工場ごとの再生負荷を算出する再生負荷評価装置を提供することができる。
【0026】
本発明第3の実施形態について図8〜図10に基づいて説明する。なお、各図面において、第1、第2の実施形態における要素と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は本発明の再生負荷評価装置の構成を機能ブロックにて示す図である。同じ構成要素には図5と同じ参照番号を付して説明する。本発明の再生負荷評価装置は、再生工程データ入力部1、再生工程データ記憶部2、再生工程係数記憶部3、再生工程データ記憶部2に記憶された再生工程データと再生工程係数記憶部3に記憶された再生工程係数からリユース対象物の再生工程の負荷を算出する再生負荷算出部4、再生工場データ入力部8、蓄積した工場規模と集塵機・コンプレッサー形態と効率の実測データから求めたエア等の相関関係および、蓄積された工場規模と最大処理量と生産効率のデータから求めた生産効率の相関関係を記憶する負荷効率相関関係記憶部9と、入力された再生工場データと記憶された相関関係からエア・集塵機効率を算出するエア・集塵機効率算出部10、再生工場データと算出したエア・集塵機効率を記憶する再生工場データ記憶部5、入力された再生工程データ、再生工場データと記憶された相関関係から生産効率を算出する生産効率算出部11、生産効率を記憶する再生データ記憶部6、再生工程データ記憶部2に記憶された再生工程データと再生工程係数記憶部3に記憶された再生工程係数と再生工場データ記憶部5に記憶された再生工場データと再生データ記憶部6に記憶された生産効率から再生工場毎のリユース対象物の再生工程の負荷を算出する各再生工場の再生負荷算出部7から構成されている。なお、再生負荷算出部4と各再生工場の再生負荷算出部7とを分けて説明しているが、再生負荷を算出する点において同一の機能を果たすものである。
【0027】
本実施形態における再生負荷評価装置の動作について、カートリッジモジューをリユース対象物とした場合の例により説明する。
再生工場データ記憶部5には再生工場データとして登録されている各再生工場の工場規模、適正処理量Numpro、最大処理量Nummax、コンプレッサー・集塵機形態、エア・集塵機効率AirRate及び適正処理量を再生した場合の工場の生産効率ProRateBestが記憶されている。これらデータのうち、適正処理量Numproと最大処理量Nummaxは、あらかじめ工場規模と設備状況及び他製品製造状況から求めておく。また各部品が処理される再生工場データを、再生工場の所在地と関連づけて記憶しておく。再生工場は、部品名や部番や機種名やその他の管理項目から特定される。つまり、再生工場を示す項目は部品情報として再生工程データ入力部1に入力する。ここでは再生工場を示す項目を部品名として説明する。
エア・集塵機効率AirRateは工場規模と集塵機・コンプレッサー形態(集中/単独)から求まる。工場規模が大きく再生量が多いほど生産効率はよくなるが、集塵機やコンプレッサーが集中型の場合、工場が広いほど、配管が長くなり、圧損等が大きくなり、エア・集塵機効率は悪くなる。蓄積した工場規模と集塵機・コンプレッサー形態と生産効率の実測データから相関関係を求め、負荷効率相関関係記憶部9に記憶しておく。生産効率を実測できる工場は、実測データをエア・集塵機効率AirRateとして記憶する。実測できない工場は、記憶された工場規模と集塵機・コンプレッサー形態と効率の相関関係を利用し、対象工場の工場規模、エア・集塵機形態データからエア・集塵機効率AirRateを求め、再生工場データとして再生工場データ記憶部5に記憶する。
【0028】
再生工場データ記憶部5に登録されている再生工場データは工場規模、適正処理量Numpro、最大処理量Nummax、コンプレッサー・集塵機形態が記憶され、エア・集塵機効率AirRateは実測できる場合は実測値が記憶され、実測できない場合は予め工場データと記憶された相関関係からエア・集塵機効率AirRateを求め、工場データとして記憶しておく。あるいは実測値が入力されない場合は、入力された工場データと記憶された相関関係からエア・集塵機効率算出部10で自動的に算出して記憶させてもよい。再生工場データは新規に登録することもできる。再生工場データ入力部8に工場規模、適正処理量Numpro、最大処理量Nummax、コンプレッサー・集塵機形態を入力する。上述のようにエア・集塵機効率AirRateは実測できる場合は実測値を入力する。実測値を入力しないと、再生工場データ入力部8から入力された再生工場データと負荷効率相関関係記憶部9に記憶された工場規模と集塵機・コンプレッサー形態と効率の相関関係からエア・集塵機効率算出部10でエア・集塵機効率AirRateが算出され、記憶される。再生工場データ記憶部5に記憶される再生工場データの一例を図9に示す。
【0029】
再生データ記憶部6には対象物を対象工場で再生する場合の生産効率ProRateが記憶されている。
生産効率ProRateは工場規模と生産量つまり再生量Numから求まる。工場規模が大きく再生量が多いほど設備を有効活用でき、生産効率はよくなる。蓄積した工場規模と適正処理量と生産効率の実測データから相関関係を求め、負荷効率相関関係記憶部9に記憶しておく。各工場の適正処理量Numproを再生した場合の生産効率ProRateBestを予め求めて再生工場データ記憶部5に記憶しておく。実測できる場合は実測データを、実測できない場合は予め工場データと記憶された相関関係から適正処理量Numproを再生した場合の生産効率ProRateBestを求め、工場データとして記憶しておく。あるいは実測値が入力されない場合は、入力された工場データと記憶された相関関係から図示しない算出部で適正処理量Numproを再生した場合の生産効率ProRateBestを自動的に算出して記憶させてもよい。
【0030】
蓄積された適正処理量を再生する場合の生産効率ProRateBestと実際の再生量及びその場合の生産効率のデータから相関関係を求め、負荷効率相関関係記憶部9に記憶する。対象工場の適正処理量を再生する場合の生産効率ProRateBestと適正処理量Numpro、対象物の再生量Num及び記憶された相関関係から対象物を再生する場合の生産効率ProRateを算出する。算出された各工場の生産効率ProRateは再生データ記憶部6に記憶される。再生データ記憶部6に記憶される各工場の生産効率ProRateテーブルの一例を図10に示す。
本実施形態における再生負荷評価装置によれば、再生工場データを入力する再生工場データ入力部と、前記再生工場データ入力部に入力された再生工場データからエア・集塵機効率を算出するエア・集塵機効率算出部と、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程データと前記再生工場データ記憶部に記憶された再生工場データとから再生工場の生産効率を算出する生産効率算出部と、を備え、前記再生データ記憶部には、前記生産効率算出部によって算出された再生工場の生産効率が記憶され、前記再生工場データ記憶部には、前記エア・集塵機効率算出部によって算出されたエア・集塵機効率が記憶されるので、各再生工場の再生負荷を算出するために必要なエア・集塵機効率及び工場毎の生産効率を再生工場データから算出する再生負荷評価装置を提供することができる。
【0031】
本発明第4の実施形態について図11〜図13に基づいて説明する。なお、各図面において、第1乃至第3の実施形態における要素と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図11は本発明の再生負荷評価装置の構成を機能ブロックにて示す図である。同じ構成要素には図8と同じ参照番号を付して説明する。本発明の再生負荷評価装置は、再生工程データ入力部1、再生工程データ記憶部2、再生工程係数記憶部3、再生工程データ記憶部2に記憶された再生工程データと再生工程係数記憶部3に記憶された再生工程係数から対象物の再生工程の負荷を算出する再生負荷算出部4、再生工場データ入力部8、蓄積した工場規模と集塵機・コンプレッサー形態と効率の実測データから求めたエア等の相関関係および、蓄積された工場規模と最大処理量と生産効率のデータから求めた生産効率の相関関係を記憶する負荷効率相関関係記憶部9と、入力された再生工場データと記憶された相関関係からエア・集塵機効率を算出するエア・集塵機効率算出部10、再生工場データと算出したエア・集塵機効率を記憶する再生工場データ記憶部5、入力された再生工程データ、再生工場データと記憶された相関関係から生産効率を算出する生産効率算出部11、生産効率を記憶する再生データ記憶部6、機種毎の回収拠点、生産工場の所在地等のデータを記憶する回収拠点・生産工場データ記憶部12と、再生工場の所在地データと、回収拠点・生産工場の所在地データから輸送距離を算出する輸送距離算出部13と、輸送原単位となる輸送手段による単位距離当りの輸送負荷を記憶する輸送負荷情報記憶部14と、輸送距離算出部13で算出された輸送距離と、輸送負荷情報記憶部14に記憶された単位距離当りの輸送負荷データから輸送負荷を算出する輸送負荷算出部15と、算出した輸送負荷を記憶する輸送負荷記憶部16と、再生工程データ記憶部2に記憶された再生工程データと再生工程係数記憶部3に記憶された再生工程係数と再生工場データ記憶部5に記憶された再生工場データと再生データ記憶部6に記憶された生産効率と輸送負荷記憶部16に記憶された輸送負荷から再生工場毎の対象物の再生工程の負荷を算出する各再生工場の再生負荷算出部7から構成されている。なお、再生負荷算出部4と各再生工場の再生負荷算出部7とを分けて説明しているが、再生負荷を算出する点において同一の機能を果たすものである。
【0032】
再生工程データ入力部1に再生工程データとして、再生工程数Npro、部品点数Np、特殊装置の有無、超音波洗浄機・乾燥機数Nusonic、再生量Num及び部品名、搭載機種名、部番等の部品情報と、輸送手段を入力する。輸送手段は例えばトラック、貨物電車等で、輸送手段データとしてトラックならばトラック容量、積載率等を入力する。入力されたデータは再生工程データ記憶部2に記憶される。回収拠点・生産工場データ記憶部12には、機種ごとの回収拠点と生産工場及び各所在地が記憶されている。分類項目は機種に限らず他の管理項目等でもよい。
ここでは機種として説明する。輸送負荷情報記憶部14には輸送原単位となる輸送手段による単位距離当りの輸送負荷が記憶されている。一般的な輸送原単位でも、蓄積した実測データから算出したものでもよい。一例を図12に示す。このようなマトリクスでも関係式でもよい。回収拠点所在地と再生工場所在地、再生工場所在地と生産工場所在地から輸送距離を算出する。搭載されている機種と再生後搭載を予定している機種が異なる場合は、搭載機種名と同時に搭載予定機種名を入力、再生工程データ記憶部2に記憶する。回収拠点は搭載機種から、生産拠点は搭載予定機種から選定し、取得する。
【0033】
本発明の動作フローを図13に沿って説明する。
操作者がリユース対象物の対象分類を選択する(S1)。操作者によって選択された対象分類に基づいて、再生工程係数記憶部3に記憶された基本負荷Kbaseが取得される(S2)。操作者が特殊装置の有無を入力し(S3)、さらに特殊装置有なら該当する特殊装置を選択する(S4)。操作者によって選択された特殊装置のデータに基づいて、該当する特殊装置の負荷Kspeを取得する(S5)。複数の特殊装置がある場合には、操作者がそれぞれの特殊装置に関するデータを入力することによって、特殊装置負荷Kspeも複数取得される。また特殊装置のみ、実測値の再生負荷を入力して利用し、あるいは定格値等より概算負荷を求められる場合はその値を図示しない入力部に入力して利用してもよい。操作者は、再生工程データを入力する(S6)。少なくとも再生工程数Npro、部品点数Np、超音波洗浄機・乾燥機数Nusonic、部品名、搭載機種名、部番等の部品情報及び、輸送手段を入力する。次に再生工程係数記憶部3から工程数係数Kpro、部品点数係数Kp、と超音波洗浄機・乾燥機係数Kusonicを取得する(S7)。入力された部品情報の部品名から再生工場データ記憶部5に記憶された再生工場を取得する(S21)。新規にリユースするもので再生工場の関連付けデータがない場合は、操作者が直接再生工場を選択する(S21)。
【0034】
選択した再生工場はデータとして再生工程データ記憶部2に記憶される。再生工場データ記憶部5に記憶された対象の再生工場のエア・集塵機効率AirRate及び再生データ記憶部6に記憶された生産効率ProRateを取得する(S22)。再生工場データ記憶部5に記憶された対象の再生工場の所在地を取得する(S41)。搭載機種から回収拠点・生産工場データ記憶部12に記憶された回収拠点を、搭載予定機種から生産工場を選定し、各々所在地を取得する(S42)。取得した各所在地のデータから対象物の回収拠点から再生工場までの距離と、再生工場からリユース部品・モジュールとして搭載する生産工場までの距離を算出し、合計の輸送距離を算出する(S43)。再生工程データ記憶部2に記憶された輸送手段情報に該当する輸送負荷情報記憶部12に記憶された輸送負荷の原単位を選定し、取得する(S44)。算出した輸送距離と取得した輸送原単位から輸送負荷TrLを算出する(S45)。算出した輸送負荷は輸送負荷記憶部16に記憶する。入力された再生工程データと取得した基本負荷Kbase、特殊装置負荷Kspe、各係数と再生工場のエア効率AirRateと生産効率ProRate、及び輸送負荷TrLから対象物の再生負荷ELを算出する(S8)。算出式を式(3)に示す。
EL = ((Kbase/AirRate + (Kpro×Npro + Kp×Np+(Kspe1+Kspe2+...+KspeN)+Kusonic×Nusonic))/ ProRate) + TrL・・・(3)
【0035】
言い換えれば、操作者は、対称分類と、特殊装置の有無及びその種類と、再生工程データとして、少なくとも再生工程数Nproと部品点数Npと超音波洗浄機・乾燥機数Nusonicと、部品名と搭載機種名と部番等からなる部品情報及び、輸送手段を再生工程データ入力部1に入力する。リユース対象物が搭載されている機種と、再生後にリユース対象物が搭載される機種とが異なる場合は、搭載予定機種名も入力する。再生負荷評価装置は再生工程係数記憶部3から、操作者が入力した対称分類に基づいて基本負荷Kbaseを取得し、特殊装置の有無及びその種類に基づいて特殊装置負荷Kpseを取得し、再生工程データに基づいて工程数係数Kproと部品点数係数Kpと超音波洗浄機・乾燥機係数Kusonicを取得する。また、操作者が入力した部品情報の部品名から再生工場データを取得するとともに、該再生工場データに基づいて再生工場データ記憶部5からエア・集塵機効率AirRateを取得し、再生データ記憶部6に記憶された対象工場の生産効率ProRateを取得する。
【0036】
また、再生負荷評価装置は操作者によって入力された部品情報の部品名から再生工場データ記憶部5に記憶された再生工場の所在地を取得し、搭載機種名から回収拠点・生産工場データ記憶部12に記憶された回収拠点とその所在地を取得し、搭載予定機種から生産工場とその所在地を取得する。取得した各所在地のデータから対象物の回収拠点から再生工場までの距離と、再生工場からリユース部品・モジュールとして搭載する生産工場までの距離を算出し、合計の輸送距離を算出する。再生工程データ記憶部2に記憶された輸送手段情報に該当する輸送負荷情報記憶部12に記憶された輸送負荷の原単位を取得する。算出した輸送距離と取得した輸送原単位から輸送負荷TrLを算出する。これら各係数から、式(3)の計算式に従い、リユース対象物の再生負荷ELを算出する。
本実施形態における再生負荷評価装置によれば、回収拠点及び生産工場情報を記憶する回収拠点・生産工場データ記憶部と、再生工場データ記憶部に記憶された再生工場情報と回収拠点・生産工場データ記憶部に記憶された回収拠点・生産工場情報から再生工場と回収拠点・生産工場の距離を算出する輸送距離算出部と、輸送負荷情報を記憶する輸送負荷情報記憶部と、輸送距離算出部で算出された輸送距離と輸送負荷情報記憶部に記憶された輸送負荷情報から輸送の環境負荷を算出する輸送負荷算出部と、を備え、前記輸送負荷算出部に記憶された輸送の環境負荷に基づいて、前記再生負荷算出部が再生負荷を算出するので、新規の対象物であっても、データを実測することなく輸送負荷を算出する再生負荷評価装置を提供することができる。
【0037】
本発明第5の実施形態について図14〜図19に基づいて説明する。なお、各図面において、第1乃至第4の実施形態における要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
図14は本発明の再生負荷評価装置の構成を機能ブロックにて示す図である。同じ構成要素には図11と同じ参照番号を付して説明する。本発明の再生負荷評価装置は、再生工程データ入力部1、再生工程データ記憶部2、再生工程係数記憶部3、再生工程データ記憶部2に記憶された再生工程データと再生工程係数記憶部3に記憶された再生工程係数から対象物の再生工程の負荷を算出する再生負荷算出部4、再生工場データ入力部8、蓄積した工場規模と集塵機・コンプレッサー形態と効率の実測データから求めたエア等の相関関係および、蓄積された工場規模と最大処理量と生産効率のデータから求めた生産効率の相関関係を記憶する負荷効率相関関係記憶部9と、入力された再生工場データと記憶された相関関係からエア・集塵機効率を算出するエア・集塵機効率算出部10、再生工場データと算出したエア・集塵機効率を記憶する再生工場データ記憶部5、入力された再生工程データ、再生工場データと記憶された相関関係から生産効率を算出する生産効率算出部11、生産効率を記憶する再生データ記憶部6、機種毎の回収拠点、生産工場の所在地等のデータを記憶する回収拠点・生産工場データ記憶部12と、再生工場の所在地データと、回収拠点・生産工場の所在地データから輸送距離を算出する輸送距離算出部13と、輸送原単位となる輸送手段による単位距離当りの輸送負荷を記憶する輸送負荷情報記憶部14と、輸送距離算出部13で算出された輸送距離と、輸送負荷情報記憶部14に記憶された単位距離当りの輸送負荷データから輸送負荷を算出する輸送負荷算出部15と、算出した輸送負荷を記憶する輸送負荷記憶部16と、再生工程データ記憶部2に記憶された再生工程データと再生工程係数記憶部3に記憶された再生工程係数と再生工場データ記憶部5に記憶された再生工場データと再生データ記憶部6に記憶された生産効率と輸送負荷記憶部16に記憶された輸送負荷から再生工場毎の対象物の再生工程の負荷を算出する各再生工場の再生負荷算出部7、再生データ記憶部に記憶された対象物の各再生工場の再生負荷と時系列の再生量から対象物のトータル再生負荷を算出する対象物トータル再生負荷算出部17と、各再生工場の対象物のトータル再生負荷を記憶する対象物トータル再生負荷記憶部18と、複数の対象物のトータル再生負荷の合計を算出する総トータル再生負荷算出部19と、算出された複数の対象物のトータル再生負荷の合計を記憶する総トータル再生負荷記憶部20と、複数の対象物のトータル再生負荷の合計から最も総トータル再生負荷が小さくなる各対象物の再生工場を選定する再生工場選定部21とから構成されている。なお、再生負荷算出部4と各再生工場の再生負荷算出部7とを分けて説明しているが、再生負荷を算出する点において同一の機能を果たすものである。
【0038】
再生工程データ記憶部2には複数のリユース対象物の各々の再生工程数Npro、部品点数Np、特殊装置の有無、超音波洗浄機・乾燥機数Nusonic、再生量Num及び部品名、搭載機種名、部番等の部品情報、輸送手段情報が記憶されている。ここでこの再生量Numはリユース対象物の時系列データである。再生量Numの一例を図15に示す。再生量Numは、回収量の予測値と再生率から求まる。ここでは月当たりデータを示したが、時系列データであれば単位は限定しない。図16に複数のリユース対象物の再生量の関係の一例を示す。
個々のリユース対象物の各工場での再生負荷を算出すると、再生工程や再生量、設備状態によって最も再生負荷の小さくなる工場を得られるが、条件によっては複数のリユース対象物にとって最も再生負荷が小さくなる工場が、ある工場に集中してしまうことがある。ある時点を捉えてリユース対象物ごとに算出した再生負荷が最も小さい最適な工場でリユース対象物を再生すると、その時点における再生負荷は小さくなるが、そのリユース対象物の再生が終了するまで、その工場で他のリユース対象物を再生することができず、時間経過まで考慮された再生量を考えた場合には、トータルで再生負荷が増えてしまうこともある。再生効率のよい工場でいつ、どのリユース対象物を再生すればトータルで最も再生負荷が小さくなるのか判断できない。そこで、ある時点を捉えて再生工場を決定するのではなく、時間経過まで考慮して複数のリユース対象物のトータル再生負荷を算出する。
【0039】
本発明の動作フローを説明する。まず、再生負荷評価装置は、再生工程データ記憶部2に記憶された時系列の再生量Numと、再生工場データ記憶部5に記憶された対象工場の適正処理量を再生する場合の生産効率ProRateBestと適正処理量Numpro、及び負荷効率相関関係記憶部9に記憶された相関関係から生産効率算出部11にてリユース対象物を再生する場合の月毎の生産効率ProRateを算出する。複数のリユース対象物について各々月毎の生産効率ProRateを算出する。算出された複数のリユース対象物の各工場の月毎の生産効率ProRateは再生データ記憶部6に記憶される。
以降は、本発明第4の実施例と同様に、リユース対象物の月毎の再生負荷ELを算出する。すなわち、再生工程データ入力部1に入力されて再生工程データ記憶部2に記憶された再生工程データと、再生工程係数記憶部3から取得した基本負荷Kbase、特殊装置負荷Kspe、等の各係数と、再生工場データ記憶部5に記憶された再生工場のエア効率AirRateと、再生データ記憶部6に記憶された生産効率ProRate、及び輸送負荷記憶部16に記憶された輸送負荷TrLからリユース対象物の月毎の再生負荷ELを算出する(S8)。本実施形態では、複数のリユース対象物各々についての再生負荷ELを算出する。再生負荷ELの算出式は上述の式(3)である。算出された複数のリユース対象物の各工場の月毎の再生負荷ELは、生産効率ProRateとともに再生データ記憶部6に記憶される。このようにして算出した月ごとの再生負荷ELの一例を図17に示す。ここで再生負荷ELはリユース対象物1個当たりの値であり、再生工程データ記憶部2に記憶された基本負荷Kbase、各係数は生産効率100%の値である。
【0040】
対象物トータル再生負荷算出部17は、このリユース対象物1個当りの各工場の月毎の再生負荷ELに、再生工程データ記憶部に記憶された月毎の再生量Numを掛けて再生期間分を合計して、リユース対象物の対象工場で再生した場合のトータルの再生負荷を、式(4)を用いて算出する。なお、2007年1月のデータをEL0701、Num0701、2007年2月のデータをEL0702、Num0702、最終月のデータをELend、Numendとする。
ELtotal=(EL0701×Num0701)+(EL0702×Num0702)+・・・+(ELend×Numend)・・・(4)
算出した複数のリユース対象物の各工場におけるトータル再生負荷ELtotalを、対象物トータル再生負荷記憶部18に記憶する。トータル再生負荷ELtotalの一例を図18に示す。図18のトータル再生負荷ELtotalをみる限り、いずれのリユース対象物A、B、Cとも、K工場で再生することで再生負荷を最も小さくできる。しかし、全てのリユース対象物A、B、CをK工場に持ち込むと、各対象物の再生時期が重なるため、すべてのリユース対象物をK工場で再生することはできない。
【0041】
そこで、総トータル再生負荷算出部19は、各リユース対象物の時系列の再生量Numから、リユース対象物A、B、Cと再生工場J、K、Lの組み合わせのうち、再生を実行可能なすべての組み合わせを抽出し、それぞれの組み合わせにおけるリユース対象物A、B、Cの再生負荷の合計を算出する。算出した再生負荷の合計をすべて総トータル再生負荷記憶部20に記憶する。算出したすべての組合せの合計の再生負荷の一例について、その一部を図19に示す。
再生工場選定部21は総トータル再生負荷記憶部20に記憶された合計の再生負荷が最も小さい組合せを選定し、リユース対象物の再生工場として選定する。図19の場合、対象物Bは他の対象物と同じ工場では再生できないが、対象物Aと対象物Cは同じ工場でも再生できるものと仮定する。この例において再生工場選定部21は、リユース対象物AとCをK工場で再生し、リユース対象物BをL工場で再生するという組み合わせを選定する。選定結果は図示しない表示部で表示する。選定結果だけでなく、組合せの合計負荷結果も表示してもよい。
この例では環境負荷はCO2排出量として説明したが、SOxやNOx、また統合環境影響評価の値でもよい。
【0042】
本実施形態における再生負荷評価装置によれば、前記再生工程データ記憶部にはリユース対象物の時系列の再生量が記憶され、前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程データと、前記再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数と、前記再生工場データ記憶部に記憶された再生工場データと、前記再生データ記憶部に記憶された生産効率と、に基づいて時系列の再生負荷を算出し、前記再生負荷算出部によって算出された時系列の再生負荷と、前記再生工程データ記憶部に記憶されたリユース対象物の時系列の再生量とに基づいて再生工場におけるリユース対象物全体の再生負荷を算出する対象物トータル再生負荷算出部と、前記対象物トータル再生負荷算出部で算出された複数のリユース対象物のトータル再生負荷を記憶する対象物トータル再生負荷記憶部と、前記再生工程データ記憶部に記憶された複数のリユース対象物の時系列の再生量から複数の対象物と再生工場の組合せを作成し、算出された複数の対象物のトータル再生負荷とから複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷を算出する総トータル再生負荷算出部と、複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷を記憶する総トータル再生負荷記憶部と、総トータル再生負荷記憶部に記憶された複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷が最も小さくなる再生工場の組合せ選定し、各対象物の再生工場を選定する再生工場選定部と、を備えるので、複数の対象物の再生負荷がトータルで最も小さくなる各対象物の再生工場を選定する再生負荷評価装置を提供することができ、単体の対象物の再生だけでなく、再生全体でのトータルの再生負荷を参照にすることができる。
【0043】
また、本実施形態における再生負荷評価方法によれば、生産効率算出部がリユース対象物の時系列の再生量を含む再生工程データと再生工場データとに基づいてリユース対象物の再生工場における(期間的な)生産効率を算出するステップと、再生負荷算出部が前記再生工程データと再生工程係数と再生工場データと前記生産効率算出部によって算出された生産効率とに基づいて再生工場におけるリユース対象物の再生負荷を算出するステップと、トータル再生負荷算出部が前記再生工程データと前記再生負荷算出手段によって算出された(期間)再生負荷とに基づいてリユース対象物のトータル再生負荷を算出するステップと、総トータル再生負荷算出部が、前記トータル再生負荷算出部によって算出されたリユース対象物のトータル再生負荷と、リユース対象物の時系列の再生量と、に基づいてリユース対象物と再生工場の組合せを作成し、作成されたリユース対象物と再生工場の組合せにおける再生負荷の合計を算出するステップと、再生工場選定部が、前記総トータル再生負荷記憶部に記憶された複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷が最も小さくなる再生工場の組合せを選定することにより各対象物の再生工場を選定するステップと、を有するので、再生工程データを実測することなく再生負荷を算出し、かつ複数の再生工場における再生負荷を再生工場毎に算出し、複数の対象物の再生負荷が最も小さくなる各対象物の再生工場を選定する方法を提供することができる。
【0044】
また、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、システムのコンピューター(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムにしたがってコンピューターを再生負荷評価装置として動作させること、およびコンピューターに再生負荷評価方法を実施させることもできる。
この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピューターに供給するための手段、たとえばプログラムコードを格納した記録媒体、プログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明を構成する。プログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0045】
本実施形態によれば、再生工程データを実測することなく再生負荷を算出し、かつ複数の再生工場における再生負荷を再生工場毎に算出し、複数の対象物の再生負荷が最も小さくなる各対象物の再生工場を選定する方法をコンピューターに実行させることができる。
本実施形態によれば、再生工程データを実測することなく再生負荷を算出し、かつ複数の再生工場における再生負荷を再生工場毎に算出し、複数の対象物の再生負荷が最も小さくなる各対象物の再生工場を選定する方法をコンピューターに実行させるプログラムを記録する記録媒体を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明第1の実施形態に係る再生負荷評価装置の構成を機能ブロックにて示す図である。
【図2】基本負荷Kbaseの一例を示す図である。
【図3】工程数係数、部品点数係数、超音波洗浄機・乾燥機係数のテーブルの一例を示す図である。
【図4】リユース対象物の再生負荷の算出のフロー図である。
【図5】本発明第2の実施形態に係る再生負荷評価装置の構成を機能ブロックにて示す図である。
【図6】再生部品と再生工場と再生工場の所在地のデータの一例を示す図である。
【図7】リユース対象物の再生負荷の算出のフロー図である。
【図8】本発明第3の実施形態に係る再生負荷評価装置の構成を機能ブロックにて示す図である。
【図9】再生工場データ記憶部に記憶される再生工場データの一例を示す図である。
【図10】再生データ記憶部に記憶される各工場の生産効率ProRateテーブルの一例を示す図である。
【図11】本発明第4の実施形態に係る再生負荷評価装置の構成を機能ブロックにて示す図である。
【図12】輸送原単位となる輸送手段による単位距離当りの輸送負荷を示す図である。
【図13】リユース対象物の再生負荷の算出のフロー図である。
【図14】本発明第5の実施形態に係る再生負荷評価装置の構成を機能ブロックにて示す図である。
【図15】再生量Numの一例を示す図である。
【図16】複数のリユース対象物の再生量の関係の一例を示す図である。
【図17】月ごとの再生負荷ELの一例を示す図である。
【図18】トータル再生負荷ELtotalの一例を示す図である。
【図19】算出したすべての組合せの合計の再生負荷の一例の一部を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1…再生工程データ入力部、2…再生工程データ記憶部、3…再生工程係数記憶部、4…再生負荷算出部、5…再生工場データ記憶部、6…再生データ記憶部、7…再生負荷算出部、8…再生工場データ入力部、9…負荷効率相関関係記憶部、10…エア・集塵機効率算出部、11…生産効率算出部、12…回収拠点・生産工場データ記憶部、13…輸送距離算出部、14…輸送負荷情報記憶部、15…輸送負荷算出部、16…輸送負荷記憶部、17…対象物トータル再生負荷算出部、18…対象物トータル再生負荷記憶部、19…総トータル再生負荷算出部、20…総トータル再生負荷記憶部、21…再生工場選定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リユースされるリユース対象物の再生負荷を算出し、評価する再生負荷評価装置であって、
再生工程データを入力する再生工程データ入力部と、再生工程データを記憶する再生工程データ記憶部と、再生工程係数を記憶する再生工程係数記憶部と、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程データと前記再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数を用いてリユース対象物の再生負荷を算出する再生負荷算出部とを備えることを特徴とする再生負荷評価装置。
【請求項2】
前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ入力部に入力された再生工程数、部品点数、及び超音波洗浄機・乾燥機数と、前記再生工程係数記憶部に記憶された基本負荷、工程数係数、部品点数係数、超音波洗浄機・乾燥機係数、及び特殊装置負荷とから、再生負荷を算出することを特徴とする請求項1記載の再生負荷評価装置。
【請求項3】
再生工場データを記憶する再生工場データ記憶部と、再生工場の生産効率を記憶する再生データ記憶部と、を備え、
前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程情報、前記再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数、前記再生工場データ記憶部に記憶された再生工場データ、及び前記再生データ記憶部に記憶された再生工場の生産効率を用いて再生工場におけるリユース対象物の再生負荷を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の再生負荷評価装置。
【請求項4】
前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ入力部に入力された再生工程数、部品点数、及び超音波洗浄機・乾燥機数と、前記再生工程係数記憶部に記憶された基本負荷、工程数係数、部品点数係数、超音波洗浄機・乾燥機係数、及び特殊装置負荷と、前記再生工場データ記憶部に記載されたエア・集塵機効率と、前記再生データ記憶部に記憶された対象工場の生産効率と、を用いて再生負荷を算出することを特徴とする請求項1記載の再生負荷評価装置。
【請求項5】
再生工場データを入力する再生工場データ入力部と、前記再生工場データ入力部に入力された再生工場データからエア・集塵機効率を算出するエア・集塵機効率算出部と、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程データ、及び前記再生工場データ記憶部に記憶された再生工場データから再生工場の生産効率を算出する生産効率算出部と、を備え、
前記再生データ記憶部には、前記生産効率算出部によって算出された再生工場の生産効率が記憶され、前記再生工場データ記憶部には、前記エア・集塵機効率算出部によって算出されたエア・集塵機効率が記憶されることを特徴とする請求項3又は4に記載の再生負荷評価装置。
【請求項6】
回収拠点及び生産工場情報を記憶する回収拠点・生産工場データ記憶部と、再生工場データ記憶部に記憶された再生工場情報、及び回収拠点・生産工場データ記憶部に記憶された回収拠点・生産工場情報から再生工場と回収拠点・生産工場の距離を算出する輸送距離算出部と、輸送負荷情報を記憶する輸送負荷情報記憶部と、輸送距離算出部で算出された輸送距離、及び輸送負荷情報記憶部に記憶された輸送負荷情報から輸送の環境負荷を算出する輸送負荷算出部と、を備え、
前記輸送負荷算出部に記憶された輸送の環境負荷に基づいて、前記再生負荷算出部が再生負荷を算出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の再生負荷評価装置。
【請求項7】
前記再生工程データ記憶部にはリユース対象物の時系列の再生量が記憶され、
前記再生負荷算出部は、前記再生工程データ記憶部に記憶された再生工程データと、前記再生工程係数記憶部に記憶された再生工程係数と、前記再生工場データ記憶部に記憶された再生工場データと、前記再生データ記憶部に記憶された生産効率と、に基づいて時系列の再生負荷を算出し、
前記再生負荷算出部によって算出された時系列の再生負荷、及び前記再生工程データ記憶部に記憶されたリユース対象物の時系列の再生量に基づいて再生工場におけるリユース対象物全体の再生負荷を算出する対象物トータル再生負荷算出部と、
前記対象物トータル再生負荷算出部で算出された複数のリユース対象物のトータル再生負荷を記憶する対象物トータル再生負荷記憶部と、
前記再生工程データ記憶部に記憶された複数のリユース対象物の時系列の再生量から複数の対象物と再生工場の組合せを作成し、算出された複数の対象物のトータル再生負荷から複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷を算出する総トータル再生負荷算出部と、
複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷を記憶する総トータル再生負荷記憶部と、
総トータル再生負荷記憶部に記憶された複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷が最も小さくなる再生工場の組合せ選定し、各対象物の再生工場を選定する再生工場選定部と、を備えることを特徴とする請求項3乃至6の何れか一項に記載の再生負荷評価装置。
【請求項8】
リユースされる対象物の再生負荷を算出し、評価する再生負荷評価方法であって、
生産効率算出部がリユース対象物の時系列の再生量を含む再生工程データと再生工場データとに基づいてリユース対象物の再生工場における(期間的な)生産効率を算出するステップと、
再生負荷算出部が前記再生工程データと再生工程係数と再生工場データと前記生産効率算出部によって算出された生産効率とに基づいて再生工場におけるリユース対象物の再生負荷を算出するステップと、
トータル再生負荷算出部が前記再生工程データと前記再生負荷算出手段によって算出された(期間)再生負荷とに基づいてリユース対象物のトータル再生負荷を算出するステップと、
総トータル再生負荷算出部が、前記トータル再生負荷算出部によって算出されたリユース対象物のトータル再生負荷と、リユース対象物の時系列の再生量と、に基づいてリユース対象物と再生工場の組合せを作成し、作成されたリユース対象物と再生工場の組合せにおける再生負荷の合計を算出するステップと、
再生工場選定部が、前記総トータル再生負荷記憶部に記憶された複数の対象物のトータル再生負荷の合計の再生負荷が最も小さくなる再生工場の組合せを選定することにより各対象物の再生工場を選定するステップと、を有することを特徴とする再生負荷評価方法。
【請求項9】
請求項8に記載の再生負荷評価方法をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記憶したコンピューター読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−160504(P2009−160504A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341127(P2007−341127)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】