再送要求送信プロトコル変換装置
【課題】端末装置が、当該端末装置でサポートされている映像フレーム再送要求方式をサポートしない通信ネットワークに接続する場合でも、当該端末装置と他の端末装置間で映像フレームの再送制御を行うことを可能とする。
【解決手段】 再送要求送信プロトコル変換装置において、前記端末装置もしくは前記通信ネットワークから再送要求メッセージを受信した場合に、当該再送要求メッセージが、当該再送要求メッセージの送出先においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定する変換判定手段と、サポートされていないと判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記送出先においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを送出する変換送信手段とを備える。
【解決手段】 再送要求送信プロトコル変換装置において、前記端末装置もしくは前記通信ネットワークから再送要求メッセージを受信した場合に、当該再送要求メッセージが、当該再送要求メッセージの送出先においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定する変換判定手段と、サポートされていないと判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記送出先においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを送出する変換送信手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークに接続された端末装置間で映像通信を行う技術に関するものであり、特に、一方の端末装置から他方の端末装置に映像フレームの再送要求を行う再送要求技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、IP電話システムが普及しており、端末装置間で映像通信を行うことのできるIP電話システムも使用されている。
【0003】
一般的に、IP電話システムでは、端末装置間の接続制御にSIP(session initiation protocol)が用いられ、映像等のメディア通信のプロトコルとしてRTP(realtime transport protocol)が用いられる。また、RTPを補助するプロトコルとしてフロー制御等を行うRTCP(realtime transport control protocol)が用いられる。
【0004】
例えば、特許文献1には、RTCPを使用して、映像ストリーミング通信を制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−066973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
端末装置間でRTPで映像通信を行っている際に、一方の端末装置で映像の乱れ等が発生した際に、当該端末装置は、通信相手の端末装置に対して映像フレームの再送要求を送信することにより、通信相手の端末装置から映像フレームの再送を受け、乱れた映像を修正する。
【0007】
ここで、映像フレームの再送要求(Full Intra Request (FIR) Command, Video Picture Fast Update Command等と呼ばれる)を送信する方式には、SIPのINFOメッセージに再送要求を含めて送信する方式(RFC5168参照)(以下、SIP/INFO方式と呼ぶ)と、RTCPのフィードバック(FB)メッセージに再送要求を含めて送信する方式(RFC4585、RFC5104参照)(以下、RTCP/FB方式と呼ぶ)がある。
【0008】
しかし、端末装置が接続する通信ネットワークにおける再送要求方式として、上記のSIP/INFO方式とRTCP/FB方式のうちの一方の方式のみをサポートし、他方の方式をサポートしない場合がある。また、端末装置においても、どちらか一方の方式しか実装していない場合がある。なお、通信ネットワークが、ある方式をサポートしないとは、技術的に当該方式を実装していないために提供できない場合と、技術的には提供できるが、ポリシー上の理由で許可していない場合とがある。
【0009】
このような状況で、例えば、通信ネットワークが映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式のみをサポートしている場合において、SIP INFO方式のみしか実装しない端末装置は、当該通信ネットワークに接続して映像フレームの再送要求制御を行うことができない。
【0010】
また、SIP/INFO方式とRTCP/FB方式の両方をサポートする通信ネットワークを使用する場合でも、相互に映像通信を行う2つの端末装置間での映像フレーム再送要求方式が互いに異なる場合、一方の端末装置は他方の端末装置から受信する再送要求を解釈することができず、当該端末装置間での再送制御ができなくなる。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、端末装置が、当該端末装置でサポートされている映像フレーム再送要求方式をサポートしない通信ネットワークもしくは他の端末装置に接続する場合でも、当該端末装置と他の端末装置間で映像フレームの再送制御を行うことを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明は、通信ネットワークを介して映像通信を行う端末装置と、当該通信ネットワークとの間に接続される再送要求送信プロトコル変換装置であって、前記端末装置から映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記通信ネットワークにおいてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定する変換判定手段と、前記変換判定手段により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記通信ネットワークにおいてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記通信ネットワークにおいてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記通信ネットワークに送出する変換送信手段と、を備え、前記変換判定手段は、前記通信ネットワークから前記端末装置を宛先とする映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定し、前記変換判定手段により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、前記変換送信手段は、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記端末装置に送信することを特徴とする再送要求送信プロトコル変換装置として構成される。
【0013】
また、本発明は、映像通信を行う端末装置を接続する通信ネットワークに接続される再送要求送信プロトコル変換装置であって、前記端末装置から他の端末装置宛の映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記他の端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定する変換判定手段と、前記変換判定手段により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記他の端末装置においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記他の端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記他の端末装置に送信する変換送信手段とを備えることを特徴とする再送要求送信プロトコル変換装置として構成してもよい。
【0014】
前記映像フレーム再送要求プロトコルは、例えば、SIPのINFOメッセージを用いるプロトコル、又はRTCPのフィードバックメッセージを用いるプロトコルである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端末装置が、当該端末装置でサポートされている映像フレーム再送要求方式をサポートしない通信ネットワークもしくは他の端末装置に接続する場合でも、当該端末装置と他の端末装置間で映像フレームの再送制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態におけるシステムの全体構成図である。
【図2】第1の実施の形態における再送要求送信プロトコル変換装置1の機能構成図である。
【図3】端末情報テーブルの例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態におけるシステムの動作例を説明するための図である。
【図5】第1の実施の形態における再送要求送信プロトコル変換装置1の他の例である。
【図6】第1の実施の形態における端末情報テーブル生成のための動作例を説明するための図である。
【図7】第2の実施の形態におけるシステムの全体構成図である。
【図8】第2の実施の形態における再送要求送信プロトコル変換装置5の機能構成図である。
【図9】第2の実施の形態におけるシステムの動作例を説明するための図である。
【図10】第2の実施の形態における再送要求送信プロトコル変換装置5の他の例である。
【図11】第2の実施の形態における端末情報テーブル生成のための動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0018】
(システム構成)
図1に本実施の形態に係るシステムの全体構成図を示す。図1に示すように、本実施の形態に係るシステムは、再送要求送信プロトコル変換装置1、2が、通信ネットワーク100に接続された構成を有する。また、再送要求送信プロトコル変換装置1、2の各々には通信ネットワーク101、102を介して端末装置3、4が接続されている。なお、図1は、端末装置3、4間での通信を行うことを想定した構成を示しているが、テレビ会議のように、3以上の端末装置間での映像通信にも本発明を適用することができる。また、各再送要求送信プロトコル変換装置の配下には、図示しない複数の端末装置が接続されているものとする。
【0019】
本実施の形態における通信ネットワーク100は、映像通信を含むIP電話通信を行うためのSIPベースのネットワークであり、図示しないSIPサーバ等を含む。ただし、通信ネットワーク100では、映像フレームの再送要求((Full Intra Request (FIR) Command, Video Picture Fast Update Command等とも呼ばれる)の方式としてRTCP/FB方式のみをサポートし、SIP INFO方式をサポートしていないものとする。
【0020】
端末装置3、4はそれぞれ、SIPを用いて相手端末装置と接続を行い、映像通信を含むメディア通信を行う端末装置である。本実施の形態では、端末装置3、4はいずれも、映像フレームの再送要求送信方式として、SIP/INFO方式のみをサポートし、RTCP/FB方式はサポートしていないものとする。ただし、映像フレーム再送要求ではない通常のRTCP/FBメッセージはサポートしている。
【0021】
通信ネットワーク101、102は、LAN等であり、本実施の形態では、端末装置と、それが接続される再送要求送信プロトコル変換装置は、同一宅内もしくは同一構内に備えられることを想定している。また、端末装置と再送要求送信プロトコル変換装置をケーブル等で直接接続してもよいし、再送要求送信プロトコル変換装置の機能を端末装置の中に組み込んでもよい。
【0022】
再送要求送信プロトコル変換装置1、2は、その配下の端末装置3、4から、もしくは通信ネットワーク100から受信した再送要求メッセージ(本実施形態では、RTCP/FB又はSIP/INFO)に対し、当該再送要求メッセージの送出先がサポートする方式に応じてプロトコル変換を行い、変換後のメッセージを送出する装置である。
【0023】
図2に、再送要求送信プロトコル変換装置1の機能構成図を示す。なお、再送要求送信プロトコル変換装置1、2は、同じ機能構成を有するため、代表として再送要求送信プロトコル変換装置1について説明する。図2では、再送要求送信プロトコル変換装置2での各機能部の符号を括弧内に示している。
【0024】
図2に示すように、再送要求送信プロトコル変換装置1は、対端末通信部11、対ネットワーク通信部12、変換判定部13、変換・送信処理部14、端末情報格納部15を備える。
【0025】
対端末通信部11は、再送要求送信プロトコル変換装置1が、その配下にある端末装置3とデータ送受信を行うための機能部である。対ネットワーク通信部12は、端末装置1が、通信ネットワーク100を介してデータ通信を行うための機能部である。
【0026】
変換判定部13は、対端末通信部11を介して端末装置3からSIP/INFOメッセージを受信した場合に、当該SIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むメッセージか否かを判定し、再送要求を含むメッセージであると判定した場合に、プロトコル変換を行うことを決定し、当該メッセージを変換・送信処理部14に渡し、対端末通信部11から受信するSIP/INFOメッセージ以外のパケットはそのまま対ネットワーク通信部12から送出する機能を有する。
【0027】
より詳細には、本実施の形態では、通信ネットワーク100と端末装置3間でやりとりされるパケットは全て再送要求送信プロトコル変換装置1を経由するものとし、変換判定部13は全てのパケットを一旦は受信する。変換判定部13は、パケットにSIP/INFOメッセージが含まれている場合にSIP/INFOメッセージを受信したと判定している。また、受信したSIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むメッセージであるか否かは、例えば、メッセージに、SIP/INFOメッセージの中身がメディア制御データであることを示す識別情報が付されているか否かで判定できる。また、再送要求コマンドが含まれているか否かを直接チェックすることにより判定することもできる。
【0028】
なお、再送要求送信プロトコル変換装置1には、SIPやRTCP等の制御用パケットのみを経由させ、メディア通信のパケットは、再送要求送信プロトコル変換装置1を経由しないようにネットワークを構成してもよい。
【0029】
変換判定部13は更に、対ネットワーク通信部12を介してRTCP/FBメッセージを受信した場合に、受信したRTCP/FBメッセージが映像フレーム再送要求を含むか否かを判定し、映像フレーム再送要求を含む場合に、端末情報格納部15を参照し、RTCP/FBメッセージの宛先識別情報に基づいて当該メッセージの変換を行うかどうかを判定し、変換を行うと判定した場合に当該メッセージを変換・送信処理部14に渡し、変換を行わないと判定した場合は、受信したRTCP/FBメッセージをそのまま対端末通信部12から宛先の端末装置へ送信する機能を備える。なお、対ネットワーク通信部12から受信するRTCP/FBメッセージ以外のパケットはそのまま対端末通信部11から送出される。
【0030】
RTCP/FBメッセージが映像フレーム再送要求を含むか否かは、例えば、メッセージ内に、映像フレーム再送要求を含むメッセージであることを示す識別情報があるか否かで判定できる。また、直接に映像フレーム再送要求コマンドの有無をチェックすることにより判定してもよい。
【0031】
上記の宛先識別情報は、宛先の端末装置を識別するための情報であり、例えば、IPアドレスとポート番号の組、端末装置の名前、電話番号等である。
【0032】
変換・送信処理部14は、変換判定部13から変換を要するメッセージを受け取り、変換を行い、変換後のメッセージをその宛先に向けて送出する処理を行う。
【0033】
具体的には、変換を要するメッセージがSIP/INFOメッセージである場合、これをRTCP/FBメッセージに変換する。変換により、送信プロトコルは変換されるが、再送要求コマンドの内容には変更はない。変換処理では、例えば、SIP/INFOメッセージから再送要求コマンドの部分を抽出し、この部分を、RTCP/FBのフォーマットの中に記述する処理を行う。
【0034】
また、変換・送信処理部14は、変換を要するメッセージがRTCP/FBメッセージである場合、これをSIP/INFOメッセージに変換する。変換により、プロトコルは変換されるが、再送要求コマンドの内容には変更はない。変換では、例えば、RTCP/FBメッセージから再送要求コマンドの部分を抽出し、この部分を、SIP/INFOメッセージのフォーマットの中に記述する処理を行う。更に、変換・送信処理部14は、端末装置3から受信したSIP/INFOによる再送要求メッセージをRTCP/FBメッセージに変換して通信ネットワーク100側に送信した場合に、端末装置3に対してSIP/INFOメッセージに対する応答メッセージ(200 OK)を送信する機能も有する。
【0035】
図3に、端末情報格納部15に格納されている端末情報テーブルの例を示す。図3に示したように、端末情報格納部15には、再送要求送信プロトコル変換装置1の配下に接続されている端末装置の識別情報毎に、当該端末装置の映像フレーム再送要求方式が格納されている。このテーブルの情報は、システム管理者等により予め登録される情報である。
【0036】
変換判定部13は、対ネットワーク通信部12からRTCP/FBメッセージによる再送要求を受信した場合に、RTCP/FBメッセージ(あるいは当該メッセージを含むパケット)の宛先識別情報(宛先の端末装置の識別情報)を用いて端末情報テーブルを検索し、当該宛先識別情報に対応する端末装置の再送要求方式を取得し、これがRTCP/FB方式であれば変換を行わないと判定し、SIP/INFO方式であれば変換を行うと判定する。
【0037】
上記のような各機能を備えた変換判定部13は、配下の端末装置から映像フレーム再送要求メッセージ(SIP/INFO又はRTCP/FB)を受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、通信ネットワーク100においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコル(RTCP/FB)に基づくメッセージであるか否かを判定する手段を備えるものである。
【0038】
また、変換・送信処理部14は、変換判定部13により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記通信ネットワーク100においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコル(SIP/INFO)に基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記通信ネットワーク100においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコル(RTCP/FB)に基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記通信ネットワーク100に送出する手段を備えるものである。
【0039】
更に、変換判定部13は、前記通信ネットワーク100から前記端末装置を宛先とする映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコル(SIP/INFO)に基づくメッセージであるか否かを判定する手段も備えるものである。
【0040】
また、変換・送信処理部14は、変換判定部13により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコル(RTCP/FB)に基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコル(SIP/INFO)に基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記端末装置に送信する手段も備える。
【0041】
再送要求送信プロトコル変換装置1は、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、再送要求送信プロトコル変換装置1の各部で行われる処理や機能は、再送要求送信プロトコル変換装置1を構成するコンピュータに内蔵されるCPUやメモリなどのハードウェア資源を用いて、各部で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、当該プログラムは、当該プログラムを記録したFD、CD−ROM、DVDなどの記録媒体や、インターネットなどのネットワークを介して市場に流通させることができる。
【0042】
(システムの動作例)
次に、本実施の形態に係るシステムの動作例を図4を参照して説明する。図4では、端末装置3と端末装置4との間で映像通信が行われている中で、端末装置3から端末装置4に映像フレーム再送要求を送信する場合の例を示している。
【0043】
端末装置3は、映像フレーム再送要求方式として、SIP/INFO方式のみをサポートしているので、映像フレーム再送要求を含むSIP/INFOメッセージを端末装置4に向けて送信する(ステップ1)。
【0044】
再送要求送信プロトコル変換装置1は、端末装置3から送信されたSIP/INFOメッセージを受信する。そして、再送要求送信プロトコル変換装置1における変換判定部13は、SIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むか否かを判定する(ステップ2)。映像フレーム再送要求を含まなければSIP/INFOメッセージを通信ネットワーク100に送出するが、本例では、SIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むので、変換判定部13は、SIP/INFOメッセージを変換・送信処理部14に渡し、変換・送信処理部14が当該SIP/INFOメッセージを映像フレーム再送要求を含むRTCP/FBメッセージに変換し(ステップ3)、RTCP/FBメッセージを含む端末装置4宛のRTCPパケットとして通信ネットワーク100に送出する(ステップ4)。
【0045】
また、変換・送信処理部14は、端末装置3から受信したSIP/INFOメッセージに対する応答メッセージ(200 OK)を端末装置3に送信する(ステップ5)。この応答メッセージを受信した端末装置3は、正常にSIP/INFOメッセージが送信されたことを認識する。
【0046】
一方、通信相手側の再送要求送信プロトコル変換装置2は映像フレーム再送要求を含むRTCP/FBメッセージを受信する。そして、再送要求送信プロトコル変換装置2における変換判定部23は、受信したRTCP/FBメッセージが映像フレーム再送要求を含むものか否かを判定する(ステップ6)。映像フレーム再送要求を含まない場合は、RTCP/FBメッセージをそのまま端末装置4に向けて送信するが、本例では、RTCP/FBメッセージは映像フレーム再送要求を含むので、変換判定部23は、RTCP/FBメッセージの宛先識別情報を用いて端末情報格納部25における端末情報テーブルを検索し、宛先の端末装置4の映像フレーム再送要求方式を取得し、それがRTCP/FB方式かSIP/INFO方式であるかの判定を行う(ステップ7)。RTCP/FB方式であればそのままRTCP/FBメッセージを端末装置4に送信するが、本例では、端末装置4における映像フレーム再送要求方式はSIP/INFO方式であるので、RTCP/FBメッセージを変換・送信処理部24に渡し、変換・送信処理部24は当該RTCP/FBメッセージを、映像フレーム再送要求を含むSIP/INFOメッセージに変換し(ステップ8)、変換後のメッセージを端末装置4に向けて送信する(ステップ9)。
【0047】
その後、再送要求送信プロトコル変換装置2は、端末装置4からSIP/INFOメッセージに対する応答メッセージを受信する(ステップ10)。再送要求送信プロトコル変換装置2(及び再送要求送信プロトコル変換装置1)は、正常な応答メッセージに対して特に処理を行う必要はないが、例えば、応答メッセージがエラーを示すメッセージであった場合に、エラーを相手装置に通知するように構成してもよい。
【0048】
ステップ10の後、端末装置4では、受信した映像フレーム再送要求に従って、再送に係る映像フレームを端末装置3に向けて送信する(ステップ11)。これにより、端末装置3において再描画が行われ、乱れた映像を修正できる。
【0049】
(端末情報テーブルを自動的に設定する構成例)
上記の例では、システム管理者等が端末情報格納部15(25)に格納される端末情報テーブルを予め設定しておく例を示したが、端末情報テーブルを自動的に設定する構成とすることも可能である。以下、この場合の構成・動作例を説明する。
【0050】
図5は、本例での再送要求送信プロトコル変換装置1(2)の機能構成図である。本例における再送要求送信プロトコル変換装置1(2)は、図2に示した構成に対してSIP解析部16(26)が追加された構成を有する。
【0051】
本例では、変換判定部13(23)が、前述した例での動作を行うことに加えて、配下の端末装置から対端末通信部11(21)を介して所定のSIPメッセージを受信したかどうかを判定し、受信したと判定した場合に、当該SIPメッセージをSIP解析部16(26)に渡す機能を含む。上記所定のSIPメッセージは、当該SIPメッセージを送信した端末装置のメディア通信方法に関するメディア通信情報を含むメッセージであり、INVITEメッセージ、INVITEメッセージに対する応答メッセージ等のメッセージが該当する。
【0052】
SIP解析部16(26)は、変換判定部13(23)から受け取ったSIPメッセージに含まれるメディア通信情報を参照し、この中に、RTCP/FB方式での映像フレーム再送要求機能を使用することを示す情報(RTCP/FB方式情報と呼ぶ)があるか否かを調べ、当該RTCP/FB方式情報がある場合に、SIPメッセージの送信元の端末装置の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納し、ない場合には、当該識別情報とSIP/INFO方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する機能を備える。このような処理により、図3に示したような端末情報テーブルを自動的に生成することができる。なお、本実施の形態(第2の実施の形態と同様)では、映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式をサポートしていない端末装置はSIP/INFO方式に対応していることを想定している。
【0053】
図6を参照して、本例における端末情報テーブル生成に関わる動作例を説明する。
【0054】
端末装置3が端末装置4との接続を行うためにSIP/INVITEメッセージを送信する(ステップ21)。再送要求送信プロトコル変換装置1はSIP/INVITEメッセージを受信する。SIP/INVITEメッセージはメディア通信情報を含むので、変換判定部13はSIP/INVITEメッセージをSIP解析部16に渡し、SIP解析部16がSIP/INVITEメッセージに含まれるメディア通信情報の中にRTCP/FB方式情報があるか否かを調べる(ステップ22)。
【0055】
RTCP/FB方式情報があれば、端末装置3の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納するが、本例では、端末装置3はRTCP/FB方式に対応していないので、RTCP/FB方式情報はない。従って、SIP解析部16は、端末装置3の識別情報とSIP/INFO方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する(ステップ23)。
【0056】
一方、再送要求送信プロトコル変換装置1は、端末装置3から受信したSIP/INVITEメッセージを通信ネットワーク100側に転送する(ステップ24)。なお、図6では、ステップ23の後に転送を行うように図示されているが、時間順序はこの限りでなくSIP/INVITEメッセージを受信したらすぐに転送するようにしてよい。
【0057】
SIP/INVITEメッセージは、再送要求送信プロトコル変換装置2を経由して端末装置4に到達する(ステップ25)。端末装置4は、自身のメディア通信情報を含む応答メッセージを端末装置3宛に送信し、当該応答メッセージを再送要求送信プロトコル変換装置2が受信する(ステップ26)。
【0058】
応答メッセージはメディア通信情報を含むので、変換判定部23は応答メッセージをSIP解析部26に渡し、SIP解析部26が応答メッセージに含まれるメディア通信情報の中にRTCP/FB方式情報があるか否かを調べる(ステップ27)。
【0059】
RTCP/FB方式情報があれば、端末装置4の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納するが、本例では、端末装置4はRTCP/FB方式に対応していないので、RTCP/FB方式情報はない。従って、SIP解析部26は、端末装置4の識別情報とSIP/INFO方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する(ステップ28)。
【0060】
一方、再送要求送信プロトコル変換装置2は、端末装置4から受信した応答メッセージを通信ネットワーク100側に転送する(ステップ29)。なお、図6では、ステップ28の後に転送を行うように図示されているが、時間順序はこの限りでなく、応答メッセージを受信したらすぐに転送するようにしてよい。応答メッセージは、再送要求送信プロトコル変換装置1を経由して端末装置3に到達する(ステップ30)。
【0061】
その後、端末装置3、4間で映像通信が実行され、必要に応じて図4で説明した再送制御が実行される。
【0062】
上述したように、本実施の形態に係る技術を用いることにより、映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式しかサポートしていない通信ネットワーク100に、SIP/INFO方式しかサポートしていない端末装置3、4が接続される場合でも、映像フレーム再送要求制御を行うことが可能となる。
【0063】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態では、通信ネットワークが、映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式のみをサポートする場合の実施形態について説明した。第2の実施の形態では、通信ネットワークはどのような映像フレーム再送要求方式もサポートするが、映像通信を行う端末装置間での映像フレーム再送要求方式が異なる場合についての実施形態を説明する。
【0064】
(システム構成)
図7に本実施の形態に係るシステムの全体構成図を示す。図7に示すように、本実施の形態に係るシステムは、再送要求送信プロトコル変換装置5が、通信ネットワーク200に接続された構成を有する。また、通信ネットワーク200には端末装置3、4が接続されている。
【0065】
本実施の形態における通信ネットワーク200は、映像通信を含むIP電話通信を行うためのSIPベースのネットワークであり、図示しないSIPサーバ等を含む。また、通信ネットワーク200は、映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式とSIP/INFO方式の両方をサポートしているものとする。
【0066】
端末装置3、4は、それぞれSIPを用いて相手端末装置と接続を行い、映像通信を含むメディア通信を行う端末装置である。ただし、本実施の形態では、端末装置3は映像フレーム再送要求方式としてSIP/INFO方式のみをサポートし、端末装置4は映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式のみをサポートするものとする。
【0067】
再送要求送信プロトコル変換装置5は、端末装置3、4から通信ネットワーク200を介して受信した再送要求メッセージに対し、当該再送要求メッセージの宛先の端末装置がサポートする方式に応じてプロトコル変換を行い、変換後のメッセージを宛先に向けて転送する装置である。なお、本実施の形態では、端末装置3、4から送出されたSIPパケットとRTCPパケットは再送要求送信プロトコル変換装置5を経由するように通信ネットワーク200の設定がなされているものとする。また、再送要求送信プロトコル変換装置5の機能は、通信ネットワーク200に備えられるSIPサーバの中の1機能として備えることとしてもよい。
【0068】
図8に、再送要求送信プロトコル変換装置5の機能構成図を示す。図8に示すように、再送要求送信プロトコル変換装置5は、ネットワーク通信部52、変換判定部53、変換・送信処理部54、端末情報格納部55を備える。
【0069】
ネットワーク通信部52は、再送要求送信プロトコル変換装置5が、通信ネットワーク200を介してデータ通信を行うための機能部である。
【0070】
変換判定部53は、通信ネットワーク200からSIP/INFOメッセージもしくはRTCP/FBメッセージを受信した場合に、当該メッセージが、映像フレーム再送要求を含むメッセージであるか否かを判定し、端末情報格納部55を参照し、メッセージの宛先識別情報に基づいて当該メッセージの変換を行うかどうかを判定し、変換を行うと判定した場合に当該メッセージを変換・送信処理部54に渡し、変換を行わないと判定した場合は、受信したメッセージをそのまま宛先の端末装置に向けて送信する機能を備える。SIP/INFOメッセージもしくはRTCP/FBメッセージ以外のメッセージもそのまま宛先の端末装置に向けて送信する。
【0071】
変換・送信処理部54は、変換判定部53から変換を要するメッセージを受け取り、変換を行い、変換後のメッセージをその宛先に向けて送出する処理を行う。変換方法自体は第1の実施の形態と同じである。
【0072】
更に、変換・送信処理部54は、端末装置3から受信したSIP/INFO方式による再送要求メッセージをRTCP/FBメッセージに変換して通信ネットワーク200側に送信した場合に、端末装置4に対してSIP/INFOメッセージに対する応答メッセージ(200 OK)を送信する機能も有する。
【0073】
端末情報格納部55に格納されている端末情報テーブルの例は、図3に示したものと同様である。このテーブルの情報は、システム管理者等により予め登録される情報である。
【0074】
すなわち、本実施の形態に係る変換判定部53は、ある端末装置から他の端末装置宛の映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記他の端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定する手段を備えており、変換・送信処理部54は、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記他の端末装置においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記他の端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記他の端末装置に送信する手段を備えている。
【0075】
第1の実施の形態と同様に、再送要求送信プロトコル変換装置5は、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、再送要求送信プロトコル変換装置5の各部で行われる処理や機能は、再送要求送信プロトコル変換装置5を構成するコンピュータに内蔵されるCPUやメモリなどのハードウェア資源を用いて、各部で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、当該プログラムは、当該プログラムを記録したFD、CD−ROM、DVDなどの記録媒体や、インターネットなどのネットワークを介して市場に流通させることができる。
【0076】
(システムの動作例)
次に、本実施の形態に係るシステムの動作例を図9を参照して説明する。図9では、端末装置3と端末装置4との間で映像通信が行われている中で、端末装置3から端末装置4に映像フレーム再送要求を送信する場合の例を示している。また、再送要求送信プロトコル変換装置5における端末情報格納部55の端末情報テーブルには、端末装置3はSIP/INFO方式に対応し、端末装置4はRTCP/FB方式に対応していることが設定されているものとする。
【0077】
端末装置3は、映像フレーム再送要求方式として、SIP/INFO方式のみをサポートしているので、映像フレーム再送要求を含むSIP/INFOメッセージを端末装置4に向けて送信する(ステップ51)。
【0078】
再送要求送信プロトコル変換装置5は、端末装置3から送信されたSIP/INFOメッセージを受信する。そして、再送要求送信プロトコル変換装置5における変換判定部53は、SIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むか否かを判定する(ステップ52)。映像フレーム再送要求を含まなければSIP/INFOメッセージをそのまま通信ネットワーク200に送出するが、本例では、SIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むので、変換判定部53は、SIP/INFOメッセージの宛先識別情報を用いて端末情報格納部55における端末情報テーブルを検索し、宛先の端末装置4の映像フレーム再送要求方式を取得し、それがRTCP/FB方式かSIP/INFO方式であるかの判定を行う(ステップ53)。SIP/INFO方式であればそのままSIP/INFOメッセージを端末装置4に送信するが、本例では、端末装置4における映像フレーム再送要求方式はRTCP/FB方式であるので、SIP/INFOメッセージを変換・送信処理部54に渡す。
【0079】
変換・送信処理部54は当該SIP/INFOメッセージを、映像フレーム再送要求を含むRTCP/FBメッセージに変換し(ステップ54)、端末装置4に向けて送信する(ステップ55)。
【0080】
また、変換・送信処理部14は、端末装置3から受信したSIP/INFOメッセージに対する応答メッセージ(200 OK)を端末装置3に送信する(ステップ56)。
【0081】
端末装置4は、映像フレーム再送要求を含むRTCP/FBメッセージを受信する。端末装置4では、受信した映像フレーム再送要求に従って、再送に係る映像フレームを端末装置3に向けて送信する(ステップ57)。
【0082】
上記の例では、端末装置3から端末装置4に向けてSIP/INFO方式の再送要求を送る場合を示したが、端末装置4から端末装置3に向けてRTCP/FB方式の再送要求を送信する場合は、再送要求送信プロトコル変換装置5において、RTCP/FB方式からSIP/INFO方式への変換が行われ、変換後のメッセージが端末装置3に送られることになる。
【0083】
(端末情報テーブルを自動的に設定する構成例)
上記の例では、システム管理者等が端末情報格納部55に格納される端末情報テーブルを予め設定しておく例を示したが、第2の実施の形態でも端末情報テーブルを自動的に設定する構成とすることが可能である。以下、この場合の構成・動作例を説明する。
【0084】
図10は、本例での再送要求送信プロトコル変換装置5の機能構成図である。本例における再送要求送信プロトコル変換装置5は、図8に示した構成に対してSIP解析部56が追加された構成を有する。
【0085】
本例では、変換判定部53が、前述した例での動作を行うことに加えて、端末装置から所定のSIPメッセージを受信したかどうかを判定し、受信したと判定した場合に、当該SIPメッセージをSIP解析部56に渡す機能を含む。上記所定のSIPメッセージは、第1の実施の形態と同様に、当該SIPメッセージを送信した端末装置のメディア通信方法に関するメディア通信情報を含むメッセージであり、INVITEメッセージ、INVITEメッセージに対する応答メッセージ等が該当する。
【0086】
SIP解析部56は、変換判定部53から受け取ったSIPメッセージに含まれるメディア通信情報を参照し、この中に、RTCP/FB方式での映像フレーム再送要求機能を使用することを示す情報(RTCP/FB方式情報と呼ぶ)があるか否かを調べ、当該RTCP/FB方式情報がある場合に、SIPメッセージの送信元の端末装置の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納し、ない場合には、当該識別情報とSIP/INFO方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する機能を備える。このような処理により、図3に示したような端末情報テーブルを自動的に生成することができる。
【0087】
図11を参照して、本例における端末情報テーブル生成に関わる動作例を説明する。
【0088】
端末装置3が端末装置4との接続を行うためにSIP/INVITEメッセージを送信する(ステップ61)。再送要求送信プロトコル変換装置5はSIP/INVITEメッセージを受信する。SIP/INVITEメッセージはメディア通信情報を含むので、変換判定部53はSIP/INVITEメッセージをSIP解析部56に渡し、SIP解析部56がSIP/INVITEメッセージに含まれるメディア通信情報の中にRTCP/FB方式情報があるか否かを調べる(ステップ62)。
【0089】
RTCP/FB方式情報があれば、端末装置3の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納するが、本例では、端末装置3はRTCP/FB方式に対応していないので、RTCP/FB方式情報はない。従って、SIP解析部56は、端末装置3の識別情報とSIP/INFO方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する(ステップ63)。
【0090】
一方、再送要求送信プロトコル変換装置5は、端末装置3から受信したSIP/INVITEメッセージを端末装置4に転送する(ステップ64)。端末装置4は、自身のメディア通信情報を含む応答メッセージを端末装置3宛に送信し、当該応答メッセージを再送要求送信プロトコル変換装置5が受信する(ステップ65)。
【0091】
応答メッセージはメディア通信情報を含むので、変換判定部53は応答メッセージをSIP解析部56に渡し、SIP解析部56が応答メッセージに含まれるメディア通信情報の中にRTCP/FB方式情報があるか否かを調べる(ステップ66)。
【0092】
本例では、RTCP/FB方式情報があるので、端末装置4の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する(ステップ67)。また、再送要求送信プロトコル変換装置5は、端末装置4から受信した応答メッセージを端末装置3に転送する(ステップ68)。 その後、端末装置間で映像通信が実行され、必要に応じて図4で説明した再送制御が実行される。
【0093】
上述したように、本実施の形態に係る技術を用いることにより、映像フレーム再送要求方式が異なる端末同士が接続される場合でも、映像フレーム再送要求制御を行うことが可能となる。
【0094】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。例えば、本発明の実施の形態では、映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式とSIP/INFO方式の例を示し、これらの間の変換を行う例を示したが、本発明が適用される映像フレーム再送要求方式はこれらに限られるものではない。
【符号の説明】
【0095】
1、2、5 再送要求送信プロトコル変換装置
100、101、102、200 通信ネットワーク
3、4 端末装置
11、21 対端末通信部
12、22 対ネットワーク通信部
13、23、53 変換判定部
14、24、54 変換・送信処理部
15、25、55 端末情報格納部
16、26、56 SIP解析部
52 ネットワーク通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークに接続された端末装置間で映像通信を行う技術に関するものであり、特に、一方の端末装置から他方の端末装置に映像フレームの再送要求を行う再送要求技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、IP電話システムが普及しており、端末装置間で映像通信を行うことのできるIP電話システムも使用されている。
【0003】
一般的に、IP電話システムでは、端末装置間の接続制御にSIP(session initiation protocol)が用いられ、映像等のメディア通信のプロトコルとしてRTP(realtime transport protocol)が用いられる。また、RTPを補助するプロトコルとしてフロー制御等を行うRTCP(realtime transport control protocol)が用いられる。
【0004】
例えば、特許文献1には、RTCPを使用して、映像ストリーミング通信を制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−066973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
端末装置間でRTPで映像通信を行っている際に、一方の端末装置で映像の乱れ等が発生した際に、当該端末装置は、通信相手の端末装置に対して映像フレームの再送要求を送信することにより、通信相手の端末装置から映像フレームの再送を受け、乱れた映像を修正する。
【0007】
ここで、映像フレームの再送要求(Full Intra Request (FIR) Command, Video Picture Fast Update Command等と呼ばれる)を送信する方式には、SIPのINFOメッセージに再送要求を含めて送信する方式(RFC5168参照)(以下、SIP/INFO方式と呼ぶ)と、RTCPのフィードバック(FB)メッセージに再送要求を含めて送信する方式(RFC4585、RFC5104参照)(以下、RTCP/FB方式と呼ぶ)がある。
【0008】
しかし、端末装置が接続する通信ネットワークにおける再送要求方式として、上記のSIP/INFO方式とRTCP/FB方式のうちの一方の方式のみをサポートし、他方の方式をサポートしない場合がある。また、端末装置においても、どちらか一方の方式しか実装していない場合がある。なお、通信ネットワークが、ある方式をサポートしないとは、技術的に当該方式を実装していないために提供できない場合と、技術的には提供できるが、ポリシー上の理由で許可していない場合とがある。
【0009】
このような状況で、例えば、通信ネットワークが映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式のみをサポートしている場合において、SIP INFO方式のみしか実装しない端末装置は、当該通信ネットワークに接続して映像フレームの再送要求制御を行うことができない。
【0010】
また、SIP/INFO方式とRTCP/FB方式の両方をサポートする通信ネットワークを使用する場合でも、相互に映像通信を行う2つの端末装置間での映像フレーム再送要求方式が互いに異なる場合、一方の端末装置は他方の端末装置から受信する再送要求を解釈することができず、当該端末装置間での再送制御ができなくなる。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、端末装置が、当該端末装置でサポートされている映像フレーム再送要求方式をサポートしない通信ネットワークもしくは他の端末装置に接続する場合でも、当該端末装置と他の端末装置間で映像フレームの再送制御を行うことを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明は、通信ネットワークを介して映像通信を行う端末装置と、当該通信ネットワークとの間に接続される再送要求送信プロトコル変換装置であって、前記端末装置から映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記通信ネットワークにおいてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定する変換判定手段と、前記変換判定手段により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記通信ネットワークにおいてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記通信ネットワークにおいてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記通信ネットワークに送出する変換送信手段と、を備え、前記変換判定手段は、前記通信ネットワークから前記端末装置を宛先とする映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定し、前記変換判定手段により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、前記変換送信手段は、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記端末装置に送信することを特徴とする再送要求送信プロトコル変換装置として構成される。
【0013】
また、本発明は、映像通信を行う端末装置を接続する通信ネットワークに接続される再送要求送信プロトコル変換装置であって、前記端末装置から他の端末装置宛の映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記他の端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定する変換判定手段と、前記変換判定手段により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記他の端末装置においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記他の端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記他の端末装置に送信する変換送信手段とを備えることを特徴とする再送要求送信プロトコル変換装置として構成してもよい。
【0014】
前記映像フレーム再送要求プロトコルは、例えば、SIPのINFOメッセージを用いるプロトコル、又はRTCPのフィードバックメッセージを用いるプロトコルである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端末装置が、当該端末装置でサポートされている映像フレーム再送要求方式をサポートしない通信ネットワークもしくは他の端末装置に接続する場合でも、当該端末装置と他の端末装置間で映像フレームの再送制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態におけるシステムの全体構成図である。
【図2】第1の実施の形態における再送要求送信プロトコル変換装置1の機能構成図である。
【図3】端末情報テーブルの例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態におけるシステムの動作例を説明するための図である。
【図5】第1の実施の形態における再送要求送信プロトコル変換装置1の他の例である。
【図6】第1の実施の形態における端末情報テーブル生成のための動作例を説明するための図である。
【図7】第2の実施の形態におけるシステムの全体構成図である。
【図8】第2の実施の形態における再送要求送信プロトコル変換装置5の機能構成図である。
【図9】第2の実施の形態におけるシステムの動作例を説明するための図である。
【図10】第2の実施の形態における再送要求送信プロトコル変換装置5の他の例である。
【図11】第2の実施の形態における端末情報テーブル生成のための動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0018】
(システム構成)
図1に本実施の形態に係るシステムの全体構成図を示す。図1に示すように、本実施の形態に係るシステムは、再送要求送信プロトコル変換装置1、2が、通信ネットワーク100に接続された構成を有する。また、再送要求送信プロトコル変換装置1、2の各々には通信ネットワーク101、102を介して端末装置3、4が接続されている。なお、図1は、端末装置3、4間での通信を行うことを想定した構成を示しているが、テレビ会議のように、3以上の端末装置間での映像通信にも本発明を適用することができる。また、各再送要求送信プロトコル変換装置の配下には、図示しない複数の端末装置が接続されているものとする。
【0019】
本実施の形態における通信ネットワーク100は、映像通信を含むIP電話通信を行うためのSIPベースのネットワークであり、図示しないSIPサーバ等を含む。ただし、通信ネットワーク100では、映像フレームの再送要求((Full Intra Request (FIR) Command, Video Picture Fast Update Command等とも呼ばれる)の方式としてRTCP/FB方式のみをサポートし、SIP INFO方式をサポートしていないものとする。
【0020】
端末装置3、4はそれぞれ、SIPを用いて相手端末装置と接続を行い、映像通信を含むメディア通信を行う端末装置である。本実施の形態では、端末装置3、4はいずれも、映像フレームの再送要求送信方式として、SIP/INFO方式のみをサポートし、RTCP/FB方式はサポートしていないものとする。ただし、映像フレーム再送要求ではない通常のRTCP/FBメッセージはサポートしている。
【0021】
通信ネットワーク101、102は、LAN等であり、本実施の形態では、端末装置と、それが接続される再送要求送信プロトコル変換装置は、同一宅内もしくは同一構内に備えられることを想定している。また、端末装置と再送要求送信プロトコル変換装置をケーブル等で直接接続してもよいし、再送要求送信プロトコル変換装置の機能を端末装置の中に組み込んでもよい。
【0022】
再送要求送信プロトコル変換装置1、2は、その配下の端末装置3、4から、もしくは通信ネットワーク100から受信した再送要求メッセージ(本実施形態では、RTCP/FB又はSIP/INFO)に対し、当該再送要求メッセージの送出先がサポートする方式に応じてプロトコル変換を行い、変換後のメッセージを送出する装置である。
【0023】
図2に、再送要求送信プロトコル変換装置1の機能構成図を示す。なお、再送要求送信プロトコル変換装置1、2は、同じ機能構成を有するため、代表として再送要求送信プロトコル変換装置1について説明する。図2では、再送要求送信プロトコル変換装置2での各機能部の符号を括弧内に示している。
【0024】
図2に示すように、再送要求送信プロトコル変換装置1は、対端末通信部11、対ネットワーク通信部12、変換判定部13、変換・送信処理部14、端末情報格納部15を備える。
【0025】
対端末通信部11は、再送要求送信プロトコル変換装置1が、その配下にある端末装置3とデータ送受信を行うための機能部である。対ネットワーク通信部12は、端末装置1が、通信ネットワーク100を介してデータ通信を行うための機能部である。
【0026】
変換判定部13は、対端末通信部11を介して端末装置3からSIP/INFOメッセージを受信した場合に、当該SIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むメッセージか否かを判定し、再送要求を含むメッセージであると判定した場合に、プロトコル変換を行うことを決定し、当該メッセージを変換・送信処理部14に渡し、対端末通信部11から受信するSIP/INFOメッセージ以外のパケットはそのまま対ネットワーク通信部12から送出する機能を有する。
【0027】
より詳細には、本実施の形態では、通信ネットワーク100と端末装置3間でやりとりされるパケットは全て再送要求送信プロトコル変換装置1を経由するものとし、変換判定部13は全てのパケットを一旦は受信する。変換判定部13は、パケットにSIP/INFOメッセージが含まれている場合にSIP/INFOメッセージを受信したと判定している。また、受信したSIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むメッセージであるか否かは、例えば、メッセージに、SIP/INFOメッセージの中身がメディア制御データであることを示す識別情報が付されているか否かで判定できる。また、再送要求コマンドが含まれているか否かを直接チェックすることにより判定することもできる。
【0028】
なお、再送要求送信プロトコル変換装置1には、SIPやRTCP等の制御用パケットのみを経由させ、メディア通信のパケットは、再送要求送信プロトコル変換装置1を経由しないようにネットワークを構成してもよい。
【0029】
変換判定部13は更に、対ネットワーク通信部12を介してRTCP/FBメッセージを受信した場合に、受信したRTCP/FBメッセージが映像フレーム再送要求を含むか否かを判定し、映像フレーム再送要求を含む場合に、端末情報格納部15を参照し、RTCP/FBメッセージの宛先識別情報に基づいて当該メッセージの変換を行うかどうかを判定し、変換を行うと判定した場合に当該メッセージを変換・送信処理部14に渡し、変換を行わないと判定した場合は、受信したRTCP/FBメッセージをそのまま対端末通信部12から宛先の端末装置へ送信する機能を備える。なお、対ネットワーク通信部12から受信するRTCP/FBメッセージ以外のパケットはそのまま対端末通信部11から送出される。
【0030】
RTCP/FBメッセージが映像フレーム再送要求を含むか否かは、例えば、メッセージ内に、映像フレーム再送要求を含むメッセージであることを示す識別情報があるか否かで判定できる。また、直接に映像フレーム再送要求コマンドの有無をチェックすることにより判定してもよい。
【0031】
上記の宛先識別情報は、宛先の端末装置を識別するための情報であり、例えば、IPアドレスとポート番号の組、端末装置の名前、電話番号等である。
【0032】
変換・送信処理部14は、変換判定部13から変換を要するメッセージを受け取り、変換を行い、変換後のメッセージをその宛先に向けて送出する処理を行う。
【0033】
具体的には、変換を要するメッセージがSIP/INFOメッセージである場合、これをRTCP/FBメッセージに変換する。変換により、送信プロトコルは変換されるが、再送要求コマンドの内容には変更はない。変換処理では、例えば、SIP/INFOメッセージから再送要求コマンドの部分を抽出し、この部分を、RTCP/FBのフォーマットの中に記述する処理を行う。
【0034】
また、変換・送信処理部14は、変換を要するメッセージがRTCP/FBメッセージである場合、これをSIP/INFOメッセージに変換する。変換により、プロトコルは変換されるが、再送要求コマンドの内容には変更はない。変換では、例えば、RTCP/FBメッセージから再送要求コマンドの部分を抽出し、この部分を、SIP/INFOメッセージのフォーマットの中に記述する処理を行う。更に、変換・送信処理部14は、端末装置3から受信したSIP/INFOによる再送要求メッセージをRTCP/FBメッセージに変換して通信ネットワーク100側に送信した場合に、端末装置3に対してSIP/INFOメッセージに対する応答メッセージ(200 OK)を送信する機能も有する。
【0035】
図3に、端末情報格納部15に格納されている端末情報テーブルの例を示す。図3に示したように、端末情報格納部15には、再送要求送信プロトコル変換装置1の配下に接続されている端末装置の識別情報毎に、当該端末装置の映像フレーム再送要求方式が格納されている。このテーブルの情報は、システム管理者等により予め登録される情報である。
【0036】
変換判定部13は、対ネットワーク通信部12からRTCP/FBメッセージによる再送要求を受信した場合に、RTCP/FBメッセージ(あるいは当該メッセージを含むパケット)の宛先識別情報(宛先の端末装置の識別情報)を用いて端末情報テーブルを検索し、当該宛先識別情報に対応する端末装置の再送要求方式を取得し、これがRTCP/FB方式であれば変換を行わないと判定し、SIP/INFO方式であれば変換を行うと判定する。
【0037】
上記のような各機能を備えた変換判定部13は、配下の端末装置から映像フレーム再送要求メッセージ(SIP/INFO又はRTCP/FB)を受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、通信ネットワーク100においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコル(RTCP/FB)に基づくメッセージであるか否かを判定する手段を備えるものである。
【0038】
また、変換・送信処理部14は、変換判定部13により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記通信ネットワーク100においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコル(SIP/INFO)に基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記通信ネットワーク100においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコル(RTCP/FB)に基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記通信ネットワーク100に送出する手段を備えるものである。
【0039】
更に、変換判定部13は、前記通信ネットワーク100から前記端末装置を宛先とする映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコル(SIP/INFO)に基づくメッセージであるか否かを判定する手段も備えるものである。
【0040】
また、変換・送信処理部14は、変換判定部13により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコル(RTCP/FB)に基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコル(SIP/INFO)に基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記端末装置に送信する手段も備える。
【0041】
再送要求送信プロトコル変換装置1は、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、再送要求送信プロトコル変換装置1の各部で行われる処理や機能は、再送要求送信プロトコル変換装置1を構成するコンピュータに内蔵されるCPUやメモリなどのハードウェア資源を用いて、各部で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、当該プログラムは、当該プログラムを記録したFD、CD−ROM、DVDなどの記録媒体や、インターネットなどのネットワークを介して市場に流通させることができる。
【0042】
(システムの動作例)
次に、本実施の形態に係るシステムの動作例を図4を参照して説明する。図4では、端末装置3と端末装置4との間で映像通信が行われている中で、端末装置3から端末装置4に映像フレーム再送要求を送信する場合の例を示している。
【0043】
端末装置3は、映像フレーム再送要求方式として、SIP/INFO方式のみをサポートしているので、映像フレーム再送要求を含むSIP/INFOメッセージを端末装置4に向けて送信する(ステップ1)。
【0044】
再送要求送信プロトコル変換装置1は、端末装置3から送信されたSIP/INFOメッセージを受信する。そして、再送要求送信プロトコル変換装置1における変換判定部13は、SIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むか否かを判定する(ステップ2)。映像フレーム再送要求を含まなければSIP/INFOメッセージを通信ネットワーク100に送出するが、本例では、SIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むので、変換判定部13は、SIP/INFOメッセージを変換・送信処理部14に渡し、変換・送信処理部14が当該SIP/INFOメッセージを映像フレーム再送要求を含むRTCP/FBメッセージに変換し(ステップ3)、RTCP/FBメッセージを含む端末装置4宛のRTCPパケットとして通信ネットワーク100に送出する(ステップ4)。
【0045】
また、変換・送信処理部14は、端末装置3から受信したSIP/INFOメッセージに対する応答メッセージ(200 OK)を端末装置3に送信する(ステップ5)。この応答メッセージを受信した端末装置3は、正常にSIP/INFOメッセージが送信されたことを認識する。
【0046】
一方、通信相手側の再送要求送信プロトコル変換装置2は映像フレーム再送要求を含むRTCP/FBメッセージを受信する。そして、再送要求送信プロトコル変換装置2における変換判定部23は、受信したRTCP/FBメッセージが映像フレーム再送要求を含むものか否かを判定する(ステップ6)。映像フレーム再送要求を含まない場合は、RTCP/FBメッセージをそのまま端末装置4に向けて送信するが、本例では、RTCP/FBメッセージは映像フレーム再送要求を含むので、変換判定部23は、RTCP/FBメッセージの宛先識別情報を用いて端末情報格納部25における端末情報テーブルを検索し、宛先の端末装置4の映像フレーム再送要求方式を取得し、それがRTCP/FB方式かSIP/INFO方式であるかの判定を行う(ステップ7)。RTCP/FB方式であればそのままRTCP/FBメッセージを端末装置4に送信するが、本例では、端末装置4における映像フレーム再送要求方式はSIP/INFO方式であるので、RTCP/FBメッセージを変換・送信処理部24に渡し、変換・送信処理部24は当該RTCP/FBメッセージを、映像フレーム再送要求を含むSIP/INFOメッセージに変換し(ステップ8)、変換後のメッセージを端末装置4に向けて送信する(ステップ9)。
【0047】
その後、再送要求送信プロトコル変換装置2は、端末装置4からSIP/INFOメッセージに対する応答メッセージを受信する(ステップ10)。再送要求送信プロトコル変換装置2(及び再送要求送信プロトコル変換装置1)は、正常な応答メッセージに対して特に処理を行う必要はないが、例えば、応答メッセージがエラーを示すメッセージであった場合に、エラーを相手装置に通知するように構成してもよい。
【0048】
ステップ10の後、端末装置4では、受信した映像フレーム再送要求に従って、再送に係る映像フレームを端末装置3に向けて送信する(ステップ11)。これにより、端末装置3において再描画が行われ、乱れた映像を修正できる。
【0049】
(端末情報テーブルを自動的に設定する構成例)
上記の例では、システム管理者等が端末情報格納部15(25)に格納される端末情報テーブルを予め設定しておく例を示したが、端末情報テーブルを自動的に設定する構成とすることも可能である。以下、この場合の構成・動作例を説明する。
【0050】
図5は、本例での再送要求送信プロトコル変換装置1(2)の機能構成図である。本例における再送要求送信プロトコル変換装置1(2)は、図2に示した構成に対してSIP解析部16(26)が追加された構成を有する。
【0051】
本例では、変換判定部13(23)が、前述した例での動作を行うことに加えて、配下の端末装置から対端末通信部11(21)を介して所定のSIPメッセージを受信したかどうかを判定し、受信したと判定した場合に、当該SIPメッセージをSIP解析部16(26)に渡す機能を含む。上記所定のSIPメッセージは、当該SIPメッセージを送信した端末装置のメディア通信方法に関するメディア通信情報を含むメッセージであり、INVITEメッセージ、INVITEメッセージに対する応答メッセージ等のメッセージが該当する。
【0052】
SIP解析部16(26)は、変換判定部13(23)から受け取ったSIPメッセージに含まれるメディア通信情報を参照し、この中に、RTCP/FB方式での映像フレーム再送要求機能を使用することを示す情報(RTCP/FB方式情報と呼ぶ)があるか否かを調べ、当該RTCP/FB方式情報がある場合に、SIPメッセージの送信元の端末装置の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納し、ない場合には、当該識別情報とSIP/INFO方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する機能を備える。このような処理により、図3に示したような端末情報テーブルを自動的に生成することができる。なお、本実施の形態(第2の実施の形態と同様)では、映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式をサポートしていない端末装置はSIP/INFO方式に対応していることを想定している。
【0053】
図6を参照して、本例における端末情報テーブル生成に関わる動作例を説明する。
【0054】
端末装置3が端末装置4との接続を行うためにSIP/INVITEメッセージを送信する(ステップ21)。再送要求送信プロトコル変換装置1はSIP/INVITEメッセージを受信する。SIP/INVITEメッセージはメディア通信情報を含むので、変換判定部13はSIP/INVITEメッセージをSIP解析部16に渡し、SIP解析部16がSIP/INVITEメッセージに含まれるメディア通信情報の中にRTCP/FB方式情報があるか否かを調べる(ステップ22)。
【0055】
RTCP/FB方式情報があれば、端末装置3の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納するが、本例では、端末装置3はRTCP/FB方式に対応していないので、RTCP/FB方式情報はない。従って、SIP解析部16は、端末装置3の識別情報とSIP/INFO方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する(ステップ23)。
【0056】
一方、再送要求送信プロトコル変換装置1は、端末装置3から受信したSIP/INVITEメッセージを通信ネットワーク100側に転送する(ステップ24)。なお、図6では、ステップ23の後に転送を行うように図示されているが、時間順序はこの限りでなくSIP/INVITEメッセージを受信したらすぐに転送するようにしてよい。
【0057】
SIP/INVITEメッセージは、再送要求送信プロトコル変換装置2を経由して端末装置4に到達する(ステップ25)。端末装置4は、自身のメディア通信情報を含む応答メッセージを端末装置3宛に送信し、当該応答メッセージを再送要求送信プロトコル変換装置2が受信する(ステップ26)。
【0058】
応答メッセージはメディア通信情報を含むので、変換判定部23は応答メッセージをSIP解析部26に渡し、SIP解析部26が応答メッセージに含まれるメディア通信情報の中にRTCP/FB方式情報があるか否かを調べる(ステップ27)。
【0059】
RTCP/FB方式情報があれば、端末装置4の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納するが、本例では、端末装置4はRTCP/FB方式に対応していないので、RTCP/FB方式情報はない。従って、SIP解析部26は、端末装置4の識別情報とSIP/INFO方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する(ステップ28)。
【0060】
一方、再送要求送信プロトコル変換装置2は、端末装置4から受信した応答メッセージを通信ネットワーク100側に転送する(ステップ29)。なお、図6では、ステップ28の後に転送を行うように図示されているが、時間順序はこの限りでなく、応答メッセージを受信したらすぐに転送するようにしてよい。応答メッセージは、再送要求送信プロトコル変換装置1を経由して端末装置3に到達する(ステップ30)。
【0061】
その後、端末装置3、4間で映像通信が実行され、必要に応じて図4で説明した再送制御が実行される。
【0062】
上述したように、本実施の形態に係る技術を用いることにより、映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式しかサポートしていない通信ネットワーク100に、SIP/INFO方式しかサポートしていない端末装置3、4が接続される場合でも、映像フレーム再送要求制御を行うことが可能となる。
【0063】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態では、通信ネットワークが、映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式のみをサポートする場合の実施形態について説明した。第2の実施の形態では、通信ネットワークはどのような映像フレーム再送要求方式もサポートするが、映像通信を行う端末装置間での映像フレーム再送要求方式が異なる場合についての実施形態を説明する。
【0064】
(システム構成)
図7に本実施の形態に係るシステムの全体構成図を示す。図7に示すように、本実施の形態に係るシステムは、再送要求送信プロトコル変換装置5が、通信ネットワーク200に接続された構成を有する。また、通信ネットワーク200には端末装置3、4が接続されている。
【0065】
本実施の形態における通信ネットワーク200は、映像通信を含むIP電話通信を行うためのSIPベースのネットワークであり、図示しないSIPサーバ等を含む。また、通信ネットワーク200は、映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式とSIP/INFO方式の両方をサポートしているものとする。
【0066】
端末装置3、4は、それぞれSIPを用いて相手端末装置と接続を行い、映像通信を含むメディア通信を行う端末装置である。ただし、本実施の形態では、端末装置3は映像フレーム再送要求方式としてSIP/INFO方式のみをサポートし、端末装置4は映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式のみをサポートするものとする。
【0067】
再送要求送信プロトコル変換装置5は、端末装置3、4から通信ネットワーク200を介して受信した再送要求メッセージに対し、当該再送要求メッセージの宛先の端末装置がサポートする方式に応じてプロトコル変換を行い、変換後のメッセージを宛先に向けて転送する装置である。なお、本実施の形態では、端末装置3、4から送出されたSIPパケットとRTCPパケットは再送要求送信プロトコル変換装置5を経由するように通信ネットワーク200の設定がなされているものとする。また、再送要求送信プロトコル変換装置5の機能は、通信ネットワーク200に備えられるSIPサーバの中の1機能として備えることとしてもよい。
【0068】
図8に、再送要求送信プロトコル変換装置5の機能構成図を示す。図8に示すように、再送要求送信プロトコル変換装置5は、ネットワーク通信部52、変換判定部53、変換・送信処理部54、端末情報格納部55を備える。
【0069】
ネットワーク通信部52は、再送要求送信プロトコル変換装置5が、通信ネットワーク200を介してデータ通信を行うための機能部である。
【0070】
変換判定部53は、通信ネットワーク200からSIP/INFOメッセージもしくはRTCP/FBメッセージを受信した場合に、当該メッセージが、映像フレーム再送要求を含むメッセージであるか否かを判定し、端末情報格納部55を参照し、メッセージの宛先識別情報に基づいて当該メッセージの変換を行うかどうかを判定し、変換を行うと判定した場合に当該メッセージを変換・送信処理部54に渡し、変換を行わないと判定した場合は、受信したメッセージをそのまま宛先の端末装置に向けて送信する機能を備える。SIP/INFOメッセージもしくはRTCP/FBメッセージ以外のメッセージもそのまま宛先の端末装置に向けて送信する。
【0071】
変換・送信処理部54は、変換判定部53から変換を要するメッセージを受け取り、変換を行い、変換後のメッセージをその宛先に向けて送出する処理を行う。変換方法自体は第1の実施の形態と同じである。
【0072】
更に、変換・送信処理部54は、端末装置3から受信したSIP/INFO方式による再送要求メッセージをRTCP/FBメッセージに変換して通信ネットワーク200側に送信した場合に、端末装置4に対してSIP/INFOメッセージに対する応答メッセージ(200 OK)を送信する機能も有する。
【0073】
端末情報格納部55に格納されている端末情報テーブルの例は、図3に示したものと同様である。このテーブルの情報は、システム管理者等により予め登録される情報である。
【0074】
すなわち、本実施の形態に係る変換判定部53は、ある端末装置から他の端末装置宛の映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記他の端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定する手段を備えており、変換・送信処理部54は、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記他の端末装置においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記他の端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記他の端末装置に送信する手段を備えている。
【0075】
第1の実施の形態と同様に、再送要求送信プロトコル変換装置5は、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、再送要求送信プロトコル変換装置5の各部で行われる処理や機能は、再送要求送信プロトコル変換装置5を構成するコンピュータに内蔵されるCPUやメモリなどのハードウェア資源を用いて、各部で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、当該プログラムは、当該プログラムを記録したFD、CD−ROM、DVDなどの記録媒体や、インターネットなどのネットワークを介して市場に流通させることができる。
【0076】
(システムの動作例)
次に、本実施の形態に係るシステムの動作例を図9を参照して説明する。図9では、端末装置3と端末装置4との間で映像通信が行われている中で、端末装置3から端末装置4に映像フレーム再送要求を送信する場合の例を示している。また、再送要求送信プロトコル変換装置5における端末情報格納部55の端末情報テーブルには、端末装置3はSIP/INFO方式に対応し、端末装置4はRTCP/FB方式に対応していることが設定されているものとする。
【0077】
端末装置3は、映像フレーム再送要求方式として、SIP/INFO方式のみをサポートしているので、映像フレーム再送要求を含むSIP/INFOメッセージを端末装置4に向けて送信する(ステップ51)。
【0078】
再送要求送信プロトコル変換装置5は、端末装置3から送信されたSIP/INFOメッセージを受信する。そして、再送要求送信プロトコル変換装置5における変換判定部53は、SIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むか否かを判定する(ステップ52)。映像フレーム再送要求を含まなければSIP/INFOメッセージをそのまま通信ネットワーク200に送出するが、本例では、SIP/INFOメッセージが映像フレーム再送要求を含むので、変換判定部53は、SIP/INFOメッセージの宛先識別情報を用いて端末情報格納部55における端末情報テーブルを検索し、宛先の端末装置4の映像フレーム再送要求方式を取得し、それがRTCP/FB方式かSIP/INFO方式であるかの判定を行う(ステップ53)。SIP/INFO方式であればそのままSIP/INFOメッセージを端末装置4に送信するが、本例では、端末装置4における映像フレーム再送要求方式はRTCP/FB方式であるので、SIP/INFOメッセージを変換・送信処理部54に渡す。
【0079】
変換・送信処理部54は当該SIP/INFOメッセージを、映像フレーム再送要求を含むRTCP/FBメッセージに変換し(ステップ54)、端末装置4に向けて送信する(ステップ55)。
【0080】
また、変換・送信処理部14は、端末装置3から受信したSIP/INFOメッセージに対する応答メッセージ(200 OK)を端末装置3に送信する(ステップ56)。
【0081】
端末装置4は、映像フレーム再送要求を含むRTCP/FBメッセージを受信する。端末装置4では、受信した映像フレーム再送要求に従って、再送に係る映像フレームを端末装置3に向けて送信する(ステップ57)。
【0082】
上記の例では、端末装置3から端末装置4に向けてSIP/INFO方式の再送要求を送る場合を示したが、端末装置4から端末装置3に向けてRTCP/FB方式の再送要求を送信する場合は、再送要求送信プロトコル変換装置5において、RTCP/FB方式からSIP/INFO方式への変換が行われ、変換後のメッセージが端末装置3に送られることになる。
【0083】
(端末情報テーブルを自動的に設定する構成例)
上記の例では、システム管理者等が端末情報格納部55に格納される端末情報テーブルを予め設定しておく例を示したが、第2の実施の形態でも端末情報テーブルを自動的に設定する構成とすることが可能である。以下、この場合の構成・動作例を説明する。
【0084】
図10は、本例での再送要求送信プロトコル変換装置5の機能構成図である。本例における再送要求送信プロトコル変換装置5は、図8に示した構成に対してSIP解析部56が追加された構成を有する。
【0085】
本例では、変換判定部53が、前述した例での動作を行うことに加えて、端末装置から所定のSIPメッセージを受信したかどうかを判定し、受信したと判定した場合に、当該SIPメッセージをSIP解析部56に渡す機能を含む。上記所定のSIPメッセージは、第1の実施の形態と同様に、当該SIPメッセージを送信した端末装置のメディア通信方法に関するメディア通信情報を含むメッセージであり、INVITEメッセージ、INVITEメッセージに対する応答メッセージ等が該当する。
【0086】
SIP解析部56は、変換判定部53から受け取ったSIPメッセージに含まれるメディア通信情報を参照し、この中に、RTCP/FB方式での映像フレーム再送要求機能を使用することを示す情報(RTCP/FB方式情報と呼ぶ)があるか否かを調べ、当該RTCP/FB方式情報がある場合に、SIPメッセージの送信元の端末装置の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納し、ない場合には、当該識別情報とSIP/INFO方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する機能を備える。このような処理により、図3に示したような端末情報テーブルを自動的に生成することができる。
【0087】
図11を参照して、本例における端末情報テーブル生成に関わる動作例を説明する。
【0088】
端末装置3が端末装置4との接続を行うためにSIP/INVITEメッセージを送信する(ステップ61)。再送要求送信プロトコル変換装置5はSIP/INVITEメッセージを受信する。SIP/INVITEメッセージはメディア通信情報を含むので、変換判定部53はSIP/INVITEメッセージをSIP解析部56に渡し、SIP解析部56がSIP/INVITEメッセージに含まれるメディア通信情報の中にRTCP/FB方式情報があるか否かを調べる(ステップ62)。
【0089】
RTCP/FB方式情報があれば、端末装置3の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納するが、本例では、端末装置3はRTCP/FB方式に対応していないので、RTCP/FB方式情報はない。従って、SIP解析部56は、端末装置3の識別情報とSIP/INFO方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する(ステップ63)。
【0090】
一方、再送要求送信プロトコル変換装置5は、端末装置3から受信したSIP/INVITEメッセージを端末装置4に転送する(ステップ64)。端末装置4は、自身のメディア通信情報を含む応答メッセージを端末装置3宛に送信し、当該応答メッセージを再送要求送信プロトコル変換装置5が受信する(ステップ65)。
【0091】
応答メッセージはメディア通信情報を含むので、変換判定部53は応答メッセージをSIP解析部56に渡し、SIP解析部56が応答メッセージに含まれるメディア通信情報の中にRTCP/FB方式情報があるか否かを調べる(ステップ66)。
【0092】
本例では、RTCP/FB方式情報があるので、端末装置4の識別情報と、RTCP/FB方式に対応している旨の情報とを対応付けて端末情報テーブルに格納する(ステップ67)。また、再送要求送信プロトコル変換装置5は、端末装置4から受信した応答メッセージを端末装置3に転送する(ステップ68)。 その後、端末装置間で映像通信が実行され、必要に応じて図4で説明した再送制御が実行される。
【0093】
上述したように、本実施の形態に係る技術を用いることにより、映像フレーム再送要求方式が異なる端末同士が接続される場合でも、映像フレーム再送要求制御を行うことが可能となる。
【0094】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。例えば、本発明の実施の形態では、映像フレーム再送要求方式としてRTCP/FB方式とSIP/INFO方式の例を示し、これらの間の変換を行う例を示したが、本発明が適用される映像フレーム再送要求方式はこれらに限られるものではない。
【符号の説明】
【0095】
1、2、5 再送要求送信プロトコル変換装置
100、101、102、200 通信ネットワーク
3、4 端末装置
11、21 対端末通信部
12、22 対ネットワーク通信部
13、23、53 変換判定部
14、24、54 変換・送信処理部
15、25、55 端末情報格納部
16、26、56 SIP解析部
52 ネットワーク通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して映像通信を行う端末装置と、当該通信ネットワークとの間に接続される再送要求送信プロトコル変換装置であって、
前記端末装置から映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記通信ネットワークにおいてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定する変換判定手段と、
前記変換判定手段により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記通信ネットワークにおいてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記通信ネットワークにおいてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記通信ネットワークに送出する変換送信手段と、を備え
前記変換判定手段は、前記通信ネットワークから前記端末装置を宛先とする映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定し、
前記変換判定手段により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、前記変換送信手段は、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記端末装置に送信する
ことを特徴とする再送要求送信プロトコル変換装置。
【請求項1】
通信ネットワークを介して映像通信を行う端末装置と、当該通信ネットワークとの間に接続される再送要求送信プロトコル変換装置であって、
前記端末装置から映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記通信ネットワークにおいてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定する変換判定手段と、
前記変換判定手段により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記通信ネットワークにおいてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記通信ネットワークにおいてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記通信ネットワークに送出する変換送信手段と、を備え
前記変換判定手段は、前記通信ネットワークから前記端末装置を宛先とする映像フレーム再送要求メッセージを受信した場合に、当該映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであるか否かを判定し、
前記変換判定手段により、前記映像フレーム再送要求メッセージが、前記端末装置においてサポートされていない映像フレーム再送要求プロトコルに基づくメッセージであると判定された場合に、前記変換送信手段は、当該映像フレーム再送要求メッセージを、前記端末装置においてサポートされている映像フレーム再送要求プロトコルに基づく映像フレーム再送要求メッセージに変換し、当該映像フレーム再送要求メッセージを前記端末装置に送信する
ことを特徴とする再送要求送信プロトコル変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−104956(P2012−104956A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250130(P2010−250130)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000102717)エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000102717)エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
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