説明

写真シート作成方法および写真シート作成装置

【課題】全身画像と他の撮影画像の混在する写真シールシートを出力でき、かつ全身画像における被写体の大きさを十分大きく出力できる写真シート作成方法およびその装置を提供し、ユーザの満足度を向上させる。
【解決手段】写真シート作成装置を、被写体の顔周辺をアップ撮影可能なアップ用撮影コースで撮影したアップ撮影画像と被写体の顔から足まで撮影可能な全身用撮影コースで撮影した全身撮影画像とを前記撮影画像として取得する構成とし、前記アップ撮影画像の短辺と長辺の比率に対して、前記全身撮影画像の短辺と長辺の比率を長辺側の比率が大きい比率とし、前記アップ画像と前記全身画像を混合させて配置して用紙に印刷する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば被写体を撮影して撮影画像を取得し、この撮影画像に編集許容して編集画像を取得し、この編集画像を用紙に印刷するような写真シート作成方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の写真シート作成装置は、娯楽(遊戯)施設等に設置され、被写体を撮影し、撮影で得た撮影画像に編集(落書き)を行い、編集画像もしくは撮影画像を写真シール紙に印刷するという流れで1ゲームが終了する。
【0003】
このような写真シート作成装置を利用するユーザは、ユーザ自身が写っている撮影画像に対して様々な編集を行い、この編集を楽しんでいる。ここで、編集を行う前の撮影画像がユーザの好みに応じた画像でなかった場合、ユーザは、撮影画像に対して満足のいかないまま編集を行うことになる。このような場合、ユーザは、編集を楽しめず、更にはゲームに対しての満足度が低くなって、残念な気持ちを持つことになる。
【0004】
近年では、ユーザが撮影画像に対して不満を抱えないように、ユーザの要求に応じて様々なカメラアングルで撮影することができるものや、被写体のアップ画像や全身画像が得られるような撮影コースで撮影することができる写真シート作成装置が提供されている。ユーザは、このような写真シート作成装置で得た写真シールシートを仲間同士で切り分け合ったりしている。
【0005】
このような写真シート作成装置として、例えば、複数設置されたカメラを用いて、様々なカメラアングルあるいは撮影コースで変化に富んだ撮影が行える写真シート作成装置が提案されている(先行技術文献1,2参照)。また、1台のカメラを用いて、撮影前に撮影画像の範囲をユーザ自身に決定させ、ユーザの希望する撮影画像を作成できる写真シート作成装置(先行技術文献3参照)が提案されている。また、アップ撮影や全身撮影用に用いる背景カーテンを別々の位置に設置し、かつ、全身撮影用背景カーテンをアップ撮影用背景カーテンよりもカメラ設置位置に対して遠方に設置した写真シート作成装置が提案されている(特許文献4参照)。この写真シート作成装置は、全身撮影コースが選択された場合に全身撮影用背景カーテンを駆動操作させ、そのカーテン付近まで被写体が近づけば被写体の全身が入るように撮影できる。
【0006】
しかしながら、これらの写真シート作成装置は、全身撮影やアップ撮影といった様々な撮影コースでの撮影が行えるものの、これらの撮影コースで撮影した全身撮影画像やアップ撮影画像の画像サイズは同じである。つまり、編集時に表示される画像サイズは同じであり、さらに、シール紙に印刷される画像も同じ画像サイズである。このため、シール紙に印刷された全身撮影画像は、被写体の表示倍率がアップ撮影画像よりも小さくなり、顔の表情や指先の動きなどの細部が見にくいものとなる。従って、ユーザは満足のいく写真シールシートを得ることができない。
【0007】
また、全身撮影画像の被写体の表示倍率をアップ撮影画像の被写体の表示倍率と同じにするためには、4倍程度の大きさ(つまり4コマ分の印刷領域)が必要となる。このため、複数の人数で写真シールシートを切り分けると、1人当たりの印刷画像枚数が少なくなり、ユーザの満足度が低下する。
【0008】
また、このように表示倍率が小さいことや1人当たりの印刷画像枚数が少ないことをユーザが確認できるのは、出力された写真シールシートをユーザが手にした時である。このため、ユーザは、撮影や編集を楽しめたとしても、ゲームの最後に落胆してしまい、ゲームに対する満足度が低下してしまう。
【0009】
また、上述した先行技術文献1,2,4の場合、全身撮影をするために複数のカメラや全身用背景カーテンを設置しているため、コストが高くつくという問題点もある。
【0010】
また、上述した先行技術文献3には、段落[0095,0096]および図7(a)に示されるように、撮影の人数に応じて1枚の写真シールシートに複数の印刷画像が印刷される印刷レイアウト(分割パターン)の中に、全身撮影画像を印刷できるようなレイアウトになっているもの(細長分割)もある。しかし、この場合、全身撮影画像のみが印刷されるため、全身撮影画像やアップ撮影画像の両方の画像を印刷することができない。つまり、印刷される画像の大きさが一定の大きさであり、複数の大きさが混在された写真シールシートではない。
【0011】
【特許文献1】特開2001−100304号公報
【特許文献2】特開2002−232749号公報
【特許文献3】特開2005−277476号公報
【特許文献4】特開2006−72045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この発明は、上述の問題に鑑み、全身画像と他の撮影画像の混在する写真シートを出力でき、かつ全身画像における被写体の大きさを十分大きく出力できる写真シート作成方法およびその装置を提供し、ユーザの満足度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、被写体の操作を受け付けた後に複数の撮影コースを用いて撮影空間内の一以上の被写体を撮影手段で撮影して複数種類の撮影画像を作成する撮影処理を行い、前記複数種類の撮影画像を少なくとも同一の撮影画像が複数存在する状態で配置して予め定められた用紙に印刷手段で印刷する印刷処理を行う写真シート作成方法またはその装置であって、前記撮影コースのうち被写体の顔周辺をアップ撮影可能なアップ用撮影コースで撮影したアップ撮影画像と被写体の顔から足まで撮影可能な全身用撮影コースで撮影した全身撮影画像とを前記撮影画像として取得し、前記アップ撮影画像の短辺と長辺の比率に対して、前記全身撮影画像の短辺と長辺の比率を長辺側の比率が大きい比率とし、前記アップ画像と前記全身画像を混合させて配置して用紙に印刷する写真シート作成方法またはその装置であることを特徴とする。
【0014】
前記撮影空間は、撮影用に利用者に提供する空間を指し、前記撮影手段で撮影可能な範囲の空間、若しくは、背景部材や出入り口部材等の周景部材で囲繞(若しくは略囲繞)した空間で構成することができる。
【0015】
前記撮影手段は、デジタルカメラ又はデジタルビデオカメラで構成することができる。
前記編集手段は、利用者にタッチペン又は指でタッチされた座標を取得するタッチパネルやマウス等のポインティングデバイス(座標入力手段)で構成することができ、画像を表示する液晶ディスプレイやCRTディスプレイなどの表示部を併せ持つことができる。
【0016】
前記印刷手段は、インクジェットプリンタ、昇華型熱転写プリンタや溶融型熱転写プリンタ等の熱転写プリンタ、又はレーザプリンタ等、モノトーン、セピア(sepia)トーン又はカラー等で画像を印刷する印刷装置で構成することができる。
前記用紙は、印刷可能層の裏側に粘着層を備えたシール媒体等、貼付可能媒体で構成する、あるいはその他の用紙で構成することができる。
【0017】
前記同一内容の画像は、内容および画像サイズが同一の画像(完全同一画像)、内容は同一であり画像サイズが異なる画像(相似形画像)、またはこの両方の画像で構成することができる。
【0018】
この発明により、全身画像と他の撮影画像の混在する写真シートを出力でき、かつ全身画像における被写体の大きさを十分大きく出力できる。
【0019】
この発明の態様として、前記撮影手段で取得している動画映像または/および前記撮影手段で取得した撮影画像を前記撮影処理の際に表示する撮影用表示手段が備えられ、前記全身撮影画像を取得する際に、全身動画映像または/および前記全身撮影画像を、被写体の全体を表示する全体表示と被写体の顔付近を拡大した拡大表示との両方で前記撮影用表示手段に表示することができる。
【0020】
前記撮影用表示手段は、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、または反射型や透過型のプロジェクタ等の表示手段で構成できる。
【0021】
前記全体表示と拡大表示との両方での表示は、1つの表示手段に全体表示と拡大表示を所定時間で切り替えて表示する、あるいは2以上の表示手段の一方に拡大表示し他方に全体表示するなど、適宜の方法によって行うことができる。
【0022】
この発明により、全身撮影において、全身のポーズを確認できると共に、顔付近の写り具合を詳細に確認することができ、利用者の満足度を向上させることができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記撮影処理にて複数枚の撮影画像を取得し、複数枚の撮影画像を一覧表示して編集対象とする撮影画像を選択させる選択処理を実行し、該選択処理の際、前記全身撮影画像を前記アップ撮影画像よりも大きく拡大して一覧表示することができる。
【0024】
これにより、利用者が全身撮影画像についても顔の写りを詳細に確認した上で選択でき、全身撮影画像に対する利用者の満足度を向上させることができる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記撮影画像を編集して編集画像を作成する編集処理が実行可能な編集手段を備え、前記編集処理にて前記編集手段の表示部に前記撮影画像を表示する際に、前記アップ撮影画像であれば前記表示部の表示範囲内に全体を表示し、前記全身撮影画像であれば該全身撮影画像の短辺幅が前記表示部の表示範囲に適合するように部分的に拡大すると共に該拡大する部分を長辺方向へ移動可能に表示することができる。
【0026】
前記長辺方向への移動は、表示している部分を長辺方向へ段階的に切り替えて移動する、あるいはスクロールバー等の操作によって長辺方向へ連続的に移動することができる。
【0027】
この発明により、全身撮影画像に対しても十分大きく表示して編集許容することができ、編集に対する利用者の満足度を向上させることができる。
【0028】
またこの発明の態様として、前記表示部に、書き込み編集に用いる編集用アイテム画像を表示し、前記全身撮影画像に前記編集用アイテム画像を書き込み編集する際に、書き込む編集用アイテム画像の大きさを、表示されている全身撮影画像の表示倍率に対応させることができる。
【0029】
これにより、全身撮影画像の表示倍率にかかわらず編集用アイテム画像を適切な大きさで書き込むことができ、編集操作および編集画像に対する利用者の満足度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0030】
この発明により、全身画像と他の撮影画像の混在する写真シートを出力でき、かつ全身画像における被写体の大きさを十分大きく出力できる写真シート作成方法およびその装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は写真シール作成装置1を正面側から見た斜視図を示し、図2は撮影筐体2の斜視図を示し、図3は写真シール作成装置1を背面側から見た斜視図を示す。
【0033】
写真シール作成装置1は、撮影空間Zに正面を向けて設置された撮影筐体2と、該撮影筐体2の背面側に連接された編集筐体3とで主に構成されている。なお、図1では、撮影空間Zの上方の天井4、撮影空間Zの後方面の背面パネル6、撮影空間Zの後方左右側面の側面パネル5、および撮影空間Zの左右側面の出入り口カーテン7を透明化して図示している。ここで、背面パネル6は、カーテンや板等の背景部材で構成されて撮影画像の背景となるものである。
【0034】
撮影空間Zの上方の天井4には、ストロボ照明体23aと蛍光灯23bと拡散板23cとで構成される天井中央照明ユニット238が設けられている。この天井中央照明ユニット238は、ストロボ照明体23aと蛍光灯23bの照明光を拡散板23cで拡散した拡散光により、撮影空間Z内の被写体を上から照明する。被写体が後方に下がって全身撮影を行う際には、被写体を前方斜め上から照明し、被写体の主に顔を照明できる。
【0035】
撮影空間Zの上後方の天井4には、蛍光灯23bと拡散板23cとで構成される天井後方照明ユニット237が設けられている。この天井後方照明ユニット237は、蛍光灯23bの照明光を拡散板23cで拡散した拡散光により、撮影空間Z内の被写体を上後方から照明する。
【0036】
撮影空間Zの後方部分の床面には、撮影補助椅子9が設置されている。この撮影補助椅子9は、利用者が撮影の際に上に乗ったり腰掛けたりして利用するものである。
撮影補助椅子9の後方には、ストロボ照明体23aと拡散板23cとで構成される背景照明ユニット239が設けられている。この背景照明ユニット239は、背面パネル6や撮影補助椅子9後方を下から照明することで、背景を明るくするものである。これにより、背面パネル6と撮影補助椅子9の両方をクロマキー合成用に同一色とした場合に、両者の間に影が生じることを防止してクロマキー合成の精度を高めている。
【0037】
図2に示すように、撮影筐体2は、主に上段部分2A、中段部分2B、下段部分2Cに分けて構成されている。
【0038】
上段部分2Aには、左側の上段左照明ユニット231A、中央の上段中央照明ユニット231B、および右側の上段右照明ユニット231Cが設けられている。これらの照明ユニット231A〜231Cは、表面を斜め下方へ向けた平面状の拡散板23cがそれぞれの正面に設けられ、内部にストロボ照明体23aおよび蛍光灯23bが設けられている。また、ストロボ照明体23aおよび蛍光灯23bを囲む拡散板23c以外の壁面は、表面が白色塗装されて反射面として構成されている。これにより、照明ユニット231A〜231Cは、光を内部で反射して拡散板23cで拡散した略均一な面光により照明する照明ボックスとして機能し、撮影空間Zで全身撮影する利用者をこの面光により照明できる。
【0039】
上段中央照明ユニット231Bの中央部分には、上下方向に長い部分照明ユニット232が設けられている。この部分照明ユニット232は、ストロボ照明体23aと拡散板23cとで構成されており、上半身(若しくは顔付近)のアップ撮影を行う利用者の顔、特に鼻筋辺りを拡散光により照明する。
【0040】
上段部分2Aと中段部分2Bとの間には、撮影空間Z内の被写体を撮影するデジタル式のカメラ24が左右方向中央に設けられている。このカメラ24は、撮影前にはポーズをとっている利用者のライブビュー映像(動画)を取得し、撮影時には高解像度の撮影画像(静止画)を取得する。
【0041】
カメラ24の左右には、球状照明ユニット233A,233Cが左右対称に配設されている。この球状照明ユニット233A,233Cは、左右方向内側へ向けて傾けて配置された半球形の拡散板23cと、内部のストロボ照明体23aおよび蛍光灯23bと、背面側へ凸な半球形の反射部材とで構成されている。ストロボ照明体23aおよび蛍光灯23bは、撮影筐体2の正面側へ凸な半球形の拡散板23cと、撮影筐体2の背面側へ凸な半球形の反射部材とで囲まれている。このため、ストロボ照明体23aおよび蛍光灯23bが照射した光は、内面が白色塗装された反射部材で反射され、拡散板23cで拡散されて略均一な面光となる。この球状照明ユニット233A,233Cは、撮影空間Z内で顔付近のアップ撮影をする被写体を柔らかい面光で照明する。
【0042】
中段部分2Bには、左側の中段左照明ユニット235A、中央の中段中央照明ユニット235B、および右側の中段右照明ユニット235Cが設けられている。これらの照明ユニット235A〜235Cは、表面を斜め上方へ向けた平面状の拡散板23c(またはスクリーン板60)がそれぞれの正面に設けられ、内部にストロボ照明体23aおよび蛍光灯23bが設けられている。また、ストロボ照明体23aおよび蛍光灯23bを囲む拡散板23c(およびスクリーン板60)以外の壁面は、表面が白色塗装されて反射面として構成されている。これにより、照明ユニット235A〜235Cは、光を内部で反射して拡散板23c(またはスクリーン板60)で拡散した略均一な面光により照明する照明ボックスとして機能し、撮影空間Zにてアップ撮影する利用者をこの面光により照明できる。
【0043】
また、中段中央照明ユニット235Bは、正面に拡散板23cではなくスクリーン板60が設けられている。このスクリーン板60は、表示照明兼用ユニット(図示省略)の一部であり、内部に備えられたストロボ照明体の照明光を拡散する拡散板として機能するだけでなく、内部に備えられたプロジェクタ(図示省略)の投射映像25S(図2参照)を投影するスクリーンとしても機能する。
【0044】
なお、この投射映像25S部分は、カメラ24に近接して、カメラ24の直下位置に配置されている。また投射映像25S部分は、カメラ24を挟んで上方の部分照明ユニット232と上下対称位置に配置されている。
【0045】
中段右照明ユニット235Cの正面中央部分には、タッチパネルモニタ26が設けられている。このタッチパネルモニタ26には、撮影時の立ち位置や撮影タイミングなどの情報や撮影における撮影条件を選択許容する画面(例えば、写りや明るさを選択させる画面)を表示して被写体に必要な情報を案内する。
【0046】
下段部分2Cには、左側の下段左照明ユニット236Aと右側の下段右照明ユニット236Cとが設けられている。これらの照明ユニット236A,236Cは、平面状の拡散板23cがそれぞれの正面に設けられ、内部にストロボ照明体23aおよび蛍光灯23bが設けられている。また、ストロボ照明体23aおよび蛍光灯23bを囲む拡散板23c以外の壁面は、表面が白色塗装されて反射面として構成されている。これにより、照明ユニット236A,236Cは、光を内部で反射して拡散板23cで拡散した略均一な面光により照明する照明ボックスとして機能し、撮影空間Zで全身撮影する利用者の体をこの面光により照明できる。
【0047】
なお、各照明ユニット232〜239に用いられている拡散板23cは、数ミリ程度の肉厚で乳白色の半透明でアクリル製の板部材で構成されている。したがって、拡散板23cの厚み全体で光を拡散する。
【0048】
下段左照明ユニット236Aと下段右照明ユニット236Cの間となる中央部分には、ゲームプレイに必要な硬貨の投入を許容する硬貨投入口21aと、投入硬貨の返却や釣銭の返却等を行う返却口21bと、荷物置き用の荷物置き部29が設けられている。
【0049】
図3に示すように、編集筐体3には、左右両面に編集用モニタ32、該編集用モニタ32に重ねて配置されたタブレット33、およびタッチペン34が設けられている。これにより、編集筐体3の右側と左側の両方で並行して編集処理を実行し、さらに撮影空間Zでの撮影処理と含めて並行して実行させて3重接客ができるように構成されている。
【0050】
また、左右両面の上部には編集用照明38が設けられている。この編集用照明38は、編集空間を照明している。
【0051】
また、左右両面の編集用モニタ32の横には、追加印刷の料金投入に用いられる硬貨投入口36aおよび返却口36bが設けられている。
【0052】
編集筐体3の撮影筐体2との反対側面には、写真シールシート排出口37aが設けられている。この写真シールシート排出口37aから完成した写真シールシートを排出することで、編集処理を行う編集空間とは別の場所で利用者が写真シールシートを受け取れるようにしている。
【0053】
図4は、写真シール作成装置1のブロック図を示す。
写真シール作成装置1は、制御装置12に接続して、記憶部11、通信部13、ドライブ14、ROM16、RAM17、撮影部20、編集部30、およびプリンタ37が設けられている。
【0054】
記憶部11は、ハードディスクなどの記憶装置で構成されている。この記憶部11は、編集処理に使用する編集ツールのデータや照明設定データ、およびプレイ時間設定データなどの各種データを記憶しており、制御装置12による設定情報の読み込みおよび保存を許容する。
【0055】
通信部13は、インターネットなどの通信網を介してサーバ等の適宜の装置と通信するLANカード等の通信装置で構成されている。この通信部13は、制御装置12の制御信号に従って、撮影画像や編集画像をサーバのデータベースに登録する、あるいは利用者のメールアドレスへ撮影画像や編集画像を送信するといった動作を行う。
【0056】
ドライブ14は、携帯型の不揮発性メモリやUSBメモリといったリムーバブルメディア15に対してデータの読み書きを行うドライブ装置で構成されている。このドライブ14は、制御装置12の制御信号に従って、撮影画像や編集画像を利用者の所有するリムーバブルメディア15に書き込み、またリムーバブルメディア15に記憶されている撮影画像や編集画像、あるいは編集用アイテムといったデータを読取る。
【0057】
ROM16は、写真シール作成装置1で実行するゲームのプログラムやメンテナンス用のプログラムなど、各種プログラムやデータを記憶している。
RAM17は、制御装置12によって一時記憶領域として使用される。
【0058】
撮影部20は、硬貨処理部21、背景制御部22、照明装置23、カメラ24、プロジェクタ25、タッチパネルモニタ26、およびスピーカ27といったように、撮影空間Z側に配置された各種装置で構成されている。
【0059】
硬貨処理部21は、硬貨投入口21a(図2参照)から投入された硬貨の投入金額が1ゲーム(硬貨投入から写真シール紙排出まで)に必要な金額以上であれば、起動信号を制御装置12に送信する。
【0060】
照明装置23は、制御装置12から受信した照明制御信号に従い、上述した各照明ユニット232〜239のストロボ照明体23aから閃光を照射する。
【0061】
カメラ24は、制御装置12から受信したシャッタ信号に従って撮影を実行し、取得した撮影画像や動画像の画像データを制御装置12に送信する。
【0062】
プロジェクタ25は、制御装置12から受信したRGB信号に従って、撮影前の確認用にカメラ24で撮影している動画像をスクリーン板60に投影させてライブビュー表示し、また撮影により取得した撮影画像を静止画表示するといった表示を実行する。
【0063】
タッチパネルモニタ26は、制御装置12からRGB信号を受信し、撮影モードの選択画面の表示、撮影の際の立ち位置の案内、および撮影タイミングのカウントダウンなど、撮影に必要な情報を表示する。また、利用者に入力された入力信号(座標信号)を制御装置12に送信する。
【0064】
スピーカ27は、制御装置12の音声信号に従って、撮影のシャッタタイミングを知らせるカウントダウンや、2つある編集空間のいずれか一方への移動を促す移動案内などを音声によりアナウンスする。
【0065】
編集部30は、タブレット内蔵モニタ31、編集用モニタ32、タブレット33、タッチペン34、スピーカ35、および硬貨処理部36で構成されている。
【0066】
タブレット内蔵モニタ31は、制御装置12から受信するRGB信号に従って、撮影画像のサムネイル画像、フリーハンドペンや塗りつぶしツールやスタンプツールや背景ツールといった編集ツール、および編集中の編集画像など、編集に必要な画像を編集用モニタ32に表示する。
タブレット33は、タッチペン34によって利用者にタッチ入力された座標を入力信号として制御装置12に送信する。
【0067】
スピーカ35は、制御装置12からの音声信号に従って、編集許容する残り時間や編集操作の説明などを音声によりアナウンスする。
硬貨処理部36は、硬貨投入口36a(図3参照)から投入された硬貨の投入金額が写真シールシートの追加印刷に必要な金額以上であれば、起動信号を制御装置12に送信する。
【0068】
プリンタ37は、制御装置12から受信する印刷データを、シール紙ユニット40に備えられているシール紙42に印刷する。
【0069】
図5は、カメラ24で被写体の全身を撮影した撮影画像を全身画像として縦長にサイズ変更することを説明する説明図である。
【0070】
図5(A)は、カメラ24で被写体の全身を撮影した撮影画像101を示す。この状態では、立っている被写体M1,M2の全身と、その周り全体が写っている。
【0071】
図5(B)は、撮影画像101の左右両端を4分の1ずつ均等にカットし、横幅を半分にサイズ変更した全身撮影画像103を示す。この全身撮影画像103は、両端の切除部分102がカットされている。これにより、全身撮影画像103は、撮影画像101に比べて縦横比率が長辺方向(縦方向)に2倍となっている。
【0072】
このように全身撮影画像103を縦長にして、被写体M1,M2が写っていない背景部分(余白部分)を少なくすることで、画像内に閉める被写体の比率を大きくしている。
【0073】
図6および図7は、編集用モニタ32に表示する編集画面110の構成図を示している。
編集画面110は、2つの編集画像111(111a,111b)を表示して独立して編集できるように左右に分割して構成されている。
【0074】
図示の例では、左側の表示範囲114a全体に、アップ撮影画像が編集されたアップ編集画像111aが大きく表示されて、右側の表示範囲114bに収まるように、全身撮影画像が編集された全身編集画像111bが小さく表示されている。アップ編集画像111aには、利用者M1,M2の顔F1,F2が中心に大きく写っており、編集アイテム画像113が書き込まれている。また、全身編集画像111bには、利用者M1,M2の顔F1,F2からつま先まで全身が写っており、編集アイテム画像113が書き込まれている。ここで、全身編集画像111bは全体が表示されているため、編集アイテム画像113は1/2に縮小して表示されている。
【0075】
また、単に編集アイテム画像113を縮小するだけでは、小さいスタンプなどのような編集アイテム画像113の場合に画像がつぶれてしまうことがあり得る。このため、編集アイテム画像113として、アップ編集画像111aに用いる編集アイテム画像113より画素数が少ない編集アイテム画像(例えば少画素数アイテム画像)を全身編集画像111b用に予め準備しておき、これを使用しても良い。これにより、全体の画素数がアップ編集画像111aよりも少なくなっている全身編集画像111bに編集する際に、編集アイテム画像113をつぶすことなくクリアに表示できる。
【0076】
全身編集画像111bの右横には、表示切替ボタン112が設けられている。この表示切替ボタン112が選択されると、全身編集画像111bの表示を全体表示と拡大表示とに切り替える。拡大表示に切り替えられた場合は、例えば図7に示すように、全身編集画像111bの短辺サイズが表示範囲に適合するように拡大(この例では2倍に拡大)して表示すると良い。図7に示す例では、拡大表示する範囲を変更できるように、上表示ボタン227、中表示ボタン228、下表示ボタン229が設けられ、上部、中部、下部の3段階で表示できるように構成されている。なお、これに限らずスクロールバーによって連続的に上下方向へ表示位置を変更可能にし、任意の部分を表示できる構成にしてもよい。
【0077】
編集画面110の中央には、サムネイル画像117が左右2列で上下方向に複数並べて表示されており、その下方にBGM切り替え用のBGMボタン119が表示されている。編集用モニタ32の左側に設置されているタッチペン34で、いずれかのサムネイル画像117が選択されると、左側のアップ編集画像111aが切り替わり、編集モニタ32の右側に設置されているタッチペン34で、いずれかのサムネイル画像117が選択されると、右側の全身編集画像111bが切り替わる。
【0078】
編集画面110の下方部分には、編集アイテム選択部120が左右にそれぞれ設けられている。この編集アイテム選択部120は、タブ121が複数設けられている。このタブ121は、「おすすめ1」、「おすすめ2」、「日付け」、「字」、「かきこみ」、「でか」、「季節」、および「リアル」の8種類で構成されている。いずれかのタブ121が選択されると、下部に一覧表示する編集アイテム画像122を変更する。これにより、利用者が多種多様の編集アイテムを用いて編集できるように構成されている。
【0079】
図8は、写真シールシートにアップ編集画像111aや全身編集画像111bを複数割り付けて印刷する印刷レイアウトの説明図である。なお、図8(A)〜図8(F)に示す数字は、割り当てる編集画像の番号を示している。また、数字表示のうち(1)〜(6)、(1)〜(3)といった表示は、利用者によってその中から任意に選択された1枚の編集画像であることを示している。
【0080】
図8(A),(B)は、通常撮影、つまりアップ撮影のみを行った場合の印刷レイアウトを示しており、図8(A)は2人用4分割、図8(B)は3人用12分割の例を示している。
【0081】
図8(C),(D)は、アップ撮影と全身撮影の両方を行った場合の印刷レイアウトを示しており、図8(C)は2人用4分割、図8(D)は3人用15分割の例を示している。
【0082】
図8(E),(F)は、アップ撮影と全身撮影の両方を行った場合の印刷レイアウトを示しており、図8(E)は2人用4分割、図8(F)は3人用12分割の例を示している。
【0083】
ここで、図8(A),(C),(E)に示す4分割の印刷レイアウトが選択された時、制御装置12は、印刷画像(印刷する編集画像)を選択させる画面を表示し、利用者に選択させる。なお、選択されない画像は、分割される領域以外の部分におまけ用印刷画像として出力する。
【0084】
また、図8(C)、(E)のように複数の編集対象画像の中に全身撮影画像が含まれる場合、印刷画像を選択させる画面で利用者が全身編集画像111bを選択できないように制御する。例えば、印刷画像選択画面には、ユーザの混乱を招かないようにするため、全身編集画像111bを表示しないようにする。または、全ての編集画像111を表示し、全身編集画像111bには選択不可などの文言を重畳表示する。このように重畳表示された場合、利用者は、全ての編集画像111の内容を容易に確認することができる。
【0085】
図9は、写真シール作成装置1の制御装置12が実行するゲーム処理のフローチャートを示す。
【0086】
制御装置12は、ゲーム料金分の硬貨の投入を硬貨処理部21で確認するまで待機し(ステップS1:NO)、ゲーム料金分の硬貨が投入されると(ステップS1:YES)、撮影処理を実行する(ステップS2)。
【0087】
制御装置12は、撮影処理が終了すると2つの編集空間のうち一方(他の利用者がおらず空いている方)の編集空間への移動をタッチパネルモニタ26およびスピーカ27により利用者に案内する(ステップS3)。
【0088】
制御装置12は、案内した側の編集空間に設置された編集部30での編集を許容する(ステップS4)。この編集では、ペンツールやスタンプツールなどの適宜のツールを使って、編集用モニタ32に表示している編集画面110の編集画像111にタッチペン34で編集する操作を許容する。
【0089】
制御装置12は、印刷処理を実行して完成した編集画像を印刷する(ステップS5)。この印刷処理では、8分割や16分割などの適宜のパターンに編集画像を配置した印刷画像を作成し、この印刷画像をシール紙に印刷して写真シールシートを作成する。
【0090】
制御装置12は、図13(D)の事後接客画面を表示し、携帯送信やデコメ落書きやプリの殿堂といった事後接客処理を行う(ステップS6)。この事後接客処理は、ミニゲームや編集画像のメール送信など、複数の処理を表示して1つ選択許容し、利用者に選択された処理を実行する。
【0091】
制御装置12は、図13(E)のシール排出画面を表示し、写真シールシートの排出口へ移動するように案内し(ステップS7)、写真シールシートを排出し(ステップS8)、処理を終了する。
【0092】
図10は、写真シール作成装置1の制御装置12が実行する撮影処理(前述したステップS2)のフローチャートを示す。
制御装置12は、カメラ24の写りや各照明ユニット232〜239の明るさを調整する(ステップS11)。
【0093】
制御装置12は、図11に示す背景選択画面130をタッチパネルモニタ26に表示し、どの背景画像131(131a,131b)が良いか利用者に選択させる。この背景画像131は、アップ撮影で使用するアップ背景画像131aと、全身撮影で使用する全身背景画像131bとに予め区分けされており、いずれも複数ずつ表示されている。このため、利用者が背景を選択すると、当該背景に設定されている撮影方法(全身撮影かアップ撮影か)が決定される。
【0094】
この背景画像131は、背景色やモデルを使ったサンプル画像、あるいはサンプル画像にオーラなどが合成されている画像等としてもよい。サンプル画像を表示することにより、全身撮影画像の全体画像を利用者がよりイメージしやすくなり、利用者の満足度をより向上させることができる。
【0095】
アップ撮影用の背景画像が選択された場合(ステップS13:NO)、制御装置12は、カメラ24で動画映像を取得し、この動画映像をリアルタイムでプロジェクタ25から投射してスクリーン板60に投影し、投射映像25Sによるライブビュー表示を行う(ステップS14)。ここでは、アップ撮影を行うため、カメラ24で取得している動画映像をそのまま(アップ撮影画像のサイズで)ライブビュー表示する。
【0096】
全身撮影用の背景画像が選択された場合(ステップS13:YES)、制御装置12は、カメラ24で動画映像を取得して投射映像25Sによるライブビュー表示を行う(ステップS15)。
ここで、全身撮影用のライブビュー表示をする場合は、種々の表示パターンを取ることができ、例えば次の表示パターンがある。
【0097】
(1)ライブビュー表示及び撮影画像の確認用表示を、全身撮影画像の全体が表示される大きさで表示し、スクリーン板60の投射映像25Sには撮影範囲の枠を表示することができる。この場合、投射映像25Sの左右に余白ができるため、全身撮影特有の案内、たとえば「全身撮影するよ!後ろに下がってね!」や「後ろの椅子に腰掛けると足が長く写るよ!」等を表示できる。またこの場合、利用者にとって、全身撮影の撮影画像状態がわかりやすく、また、印刷する画像のイメージができる。
【0098】
(2)スクリーン板60の投射映像25Sに全身撮影画像のうち上部画像(=被写体上半身部)を表示し、タッチパネルモニタ26に全身撮影画像を全体表示することができる。この場合、被写体がスクリーン板60から離れていても、全身撮影画像の細部(特に顔の細部)まで確認することができる。また、タッチパネルモニタ26に目線だけを変えるだけで、全身撮影画像の全体イメージを確認できる。
【0099】
(3)全身撮影画像の横幅がアップ撮影画像のライブビュー画像と同じ大きさになるように表示し、時差的に上下にスクロールさせて表示することができる。この場合、被写体がスクリーン板60から離れていても、全身撮影画像の頭から足先まで確認することができ、かつ細部まで確認することができる。
【0100】
(4)全身撮影画像の全体表示と、横幅をアップ撮影画像のサイズに拡大した上部画像(=被写体上半身部)を、カメラ撮影のカウントと合わせて交互に表示することができる。例えば、撮影カウントダウン「3・2」は上部画像、「1」は全身画像を表示することができる。この場合、被写体がスクリーン板60から離れていても、全身撮影画像の細部まで確認することができ、また全身撮影画像の全体イメージを確認できる。
【0101】
制御装置12は、タッチパネルモニタ26にカウントダウンインジケータを表示させ、利用者にシャッタタイミングを通知する(ステップS16)。
制御装置12は、各照明ユニット232〜239のストロボ照明体23aから閃光を照射し、カメラ24で静止画像を撮影する(ステップS17)。
【0102】
制御装置12は、撮影によって取得した静止画像を投射映像25Sの投影によって表示する(ステップS18)。
ここで、全身撮影画像を表示する場合は、種々の表示パターンを取ることができ、例えばステップS15で説明した(1)〜(4)の表示パターンがある。
【0103】
撮影画像(静止画像)は、タッチパネルモニタ26に表示してもよいが、スクリーン板60の投射映像25Sに表示する方がより好ましい。この場合、利用者は、撮影画像を確認するためにタッチパネルモニタ26に視線を移動する必要がなく、撮影画像を容易に確認できる。
【0104】
このようにして撮影を行った後、制御装置12は、撮影回数が所定回数に満たなければステップS12に処理を戻して撮影を繰り返す(ステップS19:NO)。
【0105】
所定回数の撮影が完了していれば(ステップS19:YES)、撮影画像を編集対象画像として利用者に選択させ、保存する(ステップS20)。
制御装置12は、移動案内画面をタッチパネルモニタ26または/およびスクリーン板60に表示して利用者を編集空間へ誘導し(ステップS21)、撮影処理を終了する。
【0106】
図12は、写真シール作成装置1の制御装置12が実行する編集印刷処理(前述したステップS4〜S5)のフローチャートを示す。
制御装置12は、まず撮影画像を編集対象画像として取得し(ステップS31)、利用者に印刷枚数を選択させる(ステップS32)。印刷枚数の選択は、図13(A)に示す追加印刷選択画面を表示し、所定の料金を支払って追加印刷するか否かを選択させることで行う。
【0107】
制御装置12は、図13(B)の事後接客選択画面を表示し、事後接客の種類を「携帯送信」、「デコメ落書き」、および「プリの殿堂」の中から利用者に選択させる。
【0108】
制御装置12は、図示省略する編集開始ボタンが押下されるまで待機し(ステップS34:NO)、編集開始ボタンが押下されると(ステップS34:YES)、前述した編集画面110(図6参照)を表示して編集操作の入力受け付けを開始する(ステップS35)。
【0109】
編集対象画像が全身撮影画像でなければ(ステップS36:NO)、編集画面110にアップ編集画像111a(アップ撮影画像)を表示する(ステップS37)。
編集対象画像が全身撮影画像であれば(ステップS36:YES)、編集画面110に全身編集画像111b(全身撮影画像)を表示する(ステップS38)。
【0110】
制御装置12は、所定時間(例えば3分)が経過するか終了ボタン(図示省略)が押下されるまで編集を継続する(ステップS39:NO)。所定時間が経過するか終了ボタンが押下されると(ステップS39:YES)、編集入力の受け付けを終了する(ステップS40)。
【0111】
制御装置12は、図13(C)に示すように分割数選択画面を表示し、印刷レイアウト(図8参照)を利用者に選択させ、保存する(ステップS41)。
ここで、大きさの混在した写真シールシートのレイアウトパターンの場合、編集対象画像(=印刷画像)を選択した時の選択枚数と、全身撮影画像の選択枚数の両方の選択枚数(AND条件)によって、選択許容する複数のレイアウトパターンを制御装置12が決定する。そして、決定した複数のレイアウトパターンから、1つのレイアウトパターンをユーザに任意に選択許容する。
【0112】
追加印刷が選択されていなければ(ステップS42:NO)、ステップS46に処理を進め、印刷データを作成する(ステップS46)。この印刷データとは、アップ編集画像111aや全身編集画像111bを選択された印刷レイアウトに割り付けて1つの画像にしたデータである。
制御装置12は、印刷を開始し(ステップS47)、編集印刷処理を終了する。
【0113】
前記ステップS42で追加印刷が選択されていれば(ステップS42:YES)、制御装置12は、図14(A)に示すコイン投入要求画面を表示してコインの投入を促し、追加硬貨が必要分投入されたことを確認する(ステップS43)。
【0114】
制御装置12は、図14(B)に示す追加印刷画像選択画面を表示し、一覧表示した複数の編集画像111から追加印刷する編集画像111を利用者に選択させる(ステップS44)。この追加印刷画像選択画面では、アップ編集画像111aよりも全身編集画像111bを2倍程度拡大して大きく表示している。これにより、全身編集画像111bを選択する際に利用者が顔の表情などを細部まで十分確認できるようにしている。
【0115】
制御装置12は、利用者に印刷レイアウトを選択させ、選択された印刷レイアウトを保存し(ステップS45)、ステップS46に処理を進める。
このようにして、編集印刷処理が終了する。
【0116】
次に、前述のステップS6の事後接客にて携帯送信が選択された場合について説明する。
この場合、図15(A)に示すメールアドレス入力画面を表示し、利用者にメールアドレスを入力させる。
【0117】
制御装置12は、図15(B)に示す画像選択を表示し、送信する画像を利用者に選択させる。
これにより、制御装置12は、選択された画像を入力されたメールアドレスに送信することができる。
【0118】
この図15(B)での全身撮影画像の表示方法としては、アップ撮影画像の画像サイズの1/2とする、あるいはアップ撮影画像の画像サイズの縦2倍に拡大して表示するなど、適宜の表示とするとよい。縦2倍に拡大表示した場合には、図14(B)に示したように、追加プリントする画像の選択時と同様の表示とでき、全身撮影画像であっても利用者が細部まで十分に確認できる。この縦2倍の拡大表示は、キープ画像を利用者に選択させる選択画面でも用いると良い。
【0119】
利用者の携帯電話機は、メールを受信すると、図16(A)に示す受信画面を表示する。この受信画面内のアドレスにアクセスされると、携帯電話機は、図16(B)に示すPRページを表示する。
【0120】
このPRページでプリ画像が選択されると、携帯電話機には図16(C)に示す写真シールサイトが表示され、送信された編集画像(若しくは撮影画像)が表示される。
【0121】
携帯電話機で表示する画面には、編集画像(仕上がり画像)の大きさを選択できるように、図16(D)に示すように、「1ページ」で表示、「でかでか」で表示、「ちょいでか」で表示の各ボタンが設けられている。
【0122】
「1ページ」で表示が押下されると、図17(A)に示す1ページ表示画像が表示され、全身編集画像111bの全体が画面150内に収まるように表示される。この場合、携帯端末の1ページの表示領域に合わせることができ、利用者は一目で全身撮影したことがわかる。
【0123】
「でかでか」で表示が押下されると、図17(B)に示すでかでか表示画像が表示され、全身編集画像111bの短辺幅が画面150の横幅一杯に入って上下方向には約半分程度が見えるように表示される。この場合、上下方向にのみスクロールすれば全身編集画像111b全体を確認できる。また、「1ページ」で表示より大きいサイズの全身編集画像を表示することができ、利用者は、全身編集画像を細部まで確認することができる。
「ちょいでか」で表示が押下されると、図17(C)に示すちょいでか表示画像が表示され、上下方向に約2/3程度が見えるように表示される。この場合、携帯端末の表示領域をスクロールさせながら、「1ページ」で表示より大きいサイズの全身画像を表示することができるため、全身編集画像を細部まで確認することができる。また、「でかでか」で表示よりファイル容量が少ないため写真シール作成装置1のPCや携帯端末にかかる負荷を抑えることができる。
【0124】
なお、これらの表示サイズは、他のサイズに構成してもよい。また、写真シール作成装置1から送信する際に大きさを選択する構成にしてもよく、携帯端末で画像をダウンロードする際に大きさを選択する構成にしてもよい。
【0125】
以上の構成および動作により、余白が少なく利用者の顔が大きく写っている全身撮影画像を提供することができる。
つまり、図18(A)の従来例の写真シールシートの説明図に示すように、従来はアップ編集画像と全身編集画像の大きさが同一であったため、全身編集画像の利用者の顔は非常に小さく写ることになっていた。
【0126】
しかし、図18(B)の本願の写真シールシート140の説明図に示すように、アップ編集画像111aを縦に2つ並べた倍サイズで全身編集画像111bを印刷することにより、利用者の顔F1,F2が大きく写り、利用者の満足度を向上させることができる。
【0127】
しかも、全身編集画像111bは左右両端がカットされているため、利用者が写っていない部分を極力少なくでき、シール紙の紙面を有効に活用することができる。
【0128】
また、全身撮影画像および全身編集画像111bを縦長にしていることで、従来であればアップ撮影画像と同程度の顔サイズとなるように全身撮影画像を表示しようとすると4倍程度の大きさ(=4コマ分の印刷領域)が必要であったところを、2倍程度の大きさ(=2コマ分の印刷領域)で済ませることができる。このため、必要な面積が半減する。
【0129】
またこれにより、同一の画像を複数枚印刷する、あるいは複数のアップ画像や全身画像を多種多様に印刷することができる。このため、写真シールを複数人で分ける場合、1人当たりの印刷画像枚数が多くなり、各利用者の満足度を向上させることができる。
【0130】
また、全身撮影画像および全身編集画像111bを、アップ撮影画像およびアップ編集画像111aに対して全身長辺方向に整数倍の大きさとしている。これにより、レイアウトパターンの作成を容易化することができる。
【0131】
また、全身撮影の際には、全身撮影画像を全体表示すると共に顔周辺を拡大した拡大画像も表示するため、利用者は全体のポーズと顔の表情の写りとを両方確認することができる。したがって、撮影画像に対する利用者の満足度を向上させることができる。
【0132】
また、全身撮影画像を編集する際には、全身撮影画像およびこれに編集を加えた全身編集画像111bを全体表示と拡大表示とに切り替えることができる。このため、アップ撮影画像およびアップ編集画像111aと同じレベルで細部まで詳細に確認できると共に、全体構成も確認でき、利用者の満足度を向上させることができる。
【0133】
また、全身編集画像111bの編集で編集アイテム画像113を書き込む際には、全身編集画像111bの表示サイズに対応して編集アイテム画像113の大きさを変更して書き込み許容することができる。このため、利用者は全身編集画像111bの表示サイズの違いを気にすることなく、適切に編集を行うことができる。
【0134】
また、写真シールシート140には、アップ編集画像111aと全身編集画像111bが混合して配置されているため、利用者はアップと全身の両方を楽しむことができる。特に全身編集画像111bはアップ編集画像111aの長辺方向に整数倍(この実施例では2倍)の比率としたため、アップ編集画像111aと全身編集画像111bを混合させても隙間なく密集配置することができ、シール紙の紙面を限有効活用することができる。
【0135】
また、図14(B)の追加印刷画像選択画面で示したように、アップ画像と全身画像を画面上に混合して一覧表示する際に全身画像を大きく表示しているため、利用者はアップ画像と全身画像をいずれも同レベルで細部まで確認することができる。従って利用者の満足度を向上させることができる。
【0136】
なお、編集の際に、全身撮影画像の画像サイズをアップ撮影画像の画像サイズに戻せるように構成してもよい。つまり、全身撮影画像の両端のカット部分をカットしていない元の状態に戻せるようにしてもよい。この場合、全身撮影時にカメラ24で撮影した撮影画像をカットせずにそのままRAM17に一次記憶しておき、「撮影画像サイズ変更」などのボタン操作により、両端カット前の撮影画像のデータをRAM17から呼び出すと良い。
【0137】
これにより、両端カット時に被写体の一部が切り取られた場合、カット部分を復活させることにより隠れていた部分が復活する。またこの場合、被写体がほとんど写っていない左右の背景部分(余白部分)が編集領域として利用できるため、多種多様な編集が施せる。
【0138】
また、上述した実施形態では、アップ撮影画像はカメラ24で撮影した撮影画像そのままであり、全身撮影画像は撮影画像の両端をカットした構成であるため、アップ撮影画像の画素数より全身撮影画像の画素数の方が少ない構成となるが、アップ撮影画像の画素数より全身撮影画像の画素数が多い構成としてもよい。この場合、アップ撮影画像を取得する際に、カメラ24の有効画素の全てではなく一部を用いる構成とすればよい。この場合は、アップ撮影画像(アップ編集画像111a)より全身撮影画像(全身編集画像111b)を大きいサイズでシール紙に印刷したときに、両画像に解像度の差が出ることを容易に防止できる。
【0139】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の撮影手段は、実施形態のカメラ24に対応し、
以下同様に、
撮影用表示手段は、プロジェクタ25に対応し、
編集手段は、タブレット内蔵モニタ31に対応し、
編集手段の表示部は、編集用モニタ32に対応し、
印刷手段は、プリンタ37に対応し、
アップ画像は、アップ撮影画像およびアップ編集画像111aに対応し、
全身画像は、全身撮影画像および全身編集画像111bに対応し、
撮影処理は、ステップS2に対応し、
編集処理は、ステップS4に対応し、
印刷処理は、ステップS5に対応し、
選択処理は、ステップS44に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】写真シール作成装置を正面側から見た斜視図。
【図2】撮影筐体の斜視図。
【図3】写真シール作成装置を背面側から見た斜視図。
【図4】写真シール作成装置のブロック図。
【図5】撮影画像を全身撮影画像にするサイズ変更の説明図。
【図6】編集用モニタに表示する編集画面の構成図。
【図7】編集用モニタに表示する編集画面の構成図。
【図8】印刷レイアウトの説明図。
【図9】制御装置が実行するゲーム処理のフローチャート。
【図10】制御装置が実行する撮影処理のフローチャート。
【図11】背景選択画面の項製図。
【図12】制御装置が実行する編集印刷処理のフローチャート。
【図13】編集用モニタに表示する各画面の説明図。
【図14】編集用モニタに表示する各画面の説明図。
【図15】編集用モニタに表示する各画面の説明図。
【図16】携帯電話機に表示する各画面の説明図。
【図17】携帯電話機に表示する全身編集画像の説明図。
【図18】写真シールシートにおけるアップ画像と全身画像の画像サイズの説明図。
【符号の説明】
【0141】
1…写真シール作成装置
24…カメラ
25…プロジェクタ
31…タブレット内蔵モニタ
32…編集用モニタ
37…プリンタ
42…シール紙
101…撮影画像
111…編集画像
111a…アップ編集画像
111b…全身編集画像
113,122…編集用アイテム画像
114a,114b…表示範囲
M1,M2…被写体
F1,F2…顔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の操作を受け付けた後に複数の撮影コースを用いて撮影空間内の一以上の被写体を撮影手段で撮影して複数種類の撮影画像を作成する撮影処理を行い、
前記複数種類の撮影画像を少なくとも同一の撮影画像が複数存在する状態で配置して予め定められた用紙に印刷手段で印刷する印刷処理を行う写真シート作成方法であって、
前記撮影コースのうち被写体の顔周辺をアップ撮影可能なアップ用撮影コースで撮影したアップ撮影画像と被写体の顔から足まで撮影可能な全身用撮影コースで撮影した全身撮影画像とを前記撮影画像として取得し、
前記アップ撮影画像の短辺と長辺の比率に対して、前記全身撮影画像の短辺と長辺の比率を長辺側の比率が大きい比率とし、前記アップ画像と前記全身画像を混合させて配置して用紙に印刷する
写真シート作成方法。
【請求項2】
前記撮影手段で取得している動画映像または/および前記撮影手段で取得した撮影画像を前記撮影処理の際に表示する撮影用表示手段が備えられ、
前記全身撮影画像を取得する際に、全身動画映像または/および前記全身撮影画像を、被写体の全体を表示する全体表示と被写体の顔付近を拡大した拡大表示との両方で前記撮影用表示手段に表示する
請求項1記載の写真シート作成方法。
【請求項3】
前記撮影処理にて複数枚の撮影画像を取得し、
複数枚の撮影画像を一覧表示して編集対象とする撮影画像を選択させる選択処理を実行し、
該選択処理の際、前記全身撮影画像を前記アップ撮影画像よりも大きく拡大して一覧表示する
請求項1または2記載の写真シート作成方法。
【請求項4】
前記撮影画像に編集手段で編集して編集画像を作成する編集処理を許容し、
該編集処理にて前記編集手段の表示部に前記撮影画像を表示する際に、
前記アップ撮影画像であれば前記表示部の表示範囲内に全体を表示し、
前記全身撮影画像であれば該全身撮影画像の短辺幅が前記表示部の表示範囲に適合するように部分的に拡大すると共に該拡大する部分を長辺方向へ移動可能に表示する
請求項1、2または3記載の写真シート作成方法。
【請求項5】
前記表示部に、書き込み編集に用いる編集用アイテム画像を表示し、
前記全身撮影画像に前記編集用アイテム画像を書き込み編集する際に、書き込む編集用アイテム画像の大きさを、表示されている全身撮影画像の表示倍率に対応させる
請求項4記載の写真シート作成方法。
【請求項6】
被写体の操作を受け付けた後に複数の撮影コースを用いて撮影空間内の一以上の被写体を撮影して複数種類の撮影画像を作成する撮影処理が実行可能な撮影手段と、
前記複数種類の撮影画像を少なくとも同一の撮影画像が複数存在する状態で配置して予め定められた用紙に印刷する印刷処理が実行可能な印刷手段とを備えた写真シート作成装置であって、
前記撮影コースのうち被写体の顔周辺をアップ撮影可能なアップ用撮影コースで撮影したアップ撮影画像と被写体の顔から足まで撮影可能な全身用撮影コースで撮影した全身撮影画像とを前記撮影画像として取得する構成とし、
前記アップ撮影画像の短辺と長辺の比率に対して、前記全身撮影画像の短辺と長辺の比率を長辺側の比率が大きい比率とし、前記アップ画像と前記全身画像を混合させて配置して用紙に印刷する構成とした
写真シート作成装置。
【請求項7】
前記撮影手段で取得している動画映像または/および前記撮影手段で取得した撮影画像を前記撮影処理の際に表示する撮影用表示手段を備え、
前記全身撮影画像を取得する際に、全身動画映像または/および前記全身撮影画像を、被写体の全体を表示する全体表示と被写体の顔付近を拡大した拡大表示との両方で前記撮影用表示手段に表示する構成とした
請求項6記載の写真シート作成装置。
【請求項8】
前記撮影処理にて複数枚の撮影画像を取得する構成とし、
複数枚の撮影画像を一覧表示して編集対象とする撮影画像を選択させる選択処理を実行する構成とし、
該選択処理の際、前記全身撮影画像を前記アップ撮影画像よりも大きく拡大して一覧表示する構成とした
請求項6または7記載の写真シート作成装置。
【請求項9】
前記撮影画像を編集して編集画像を作成する編集処理が実行可能な編集手段を備え、
該編集処理にて前記編集手段の表示部に前記撮影画像を表示する際に、
前記アップ撮影画像であれば前記表示部の表示範囲内に全体を表示し、
前記全身撮影画像であれば該全身撮影画像の短辺幅が前記表示部の表示範囲に適合するように部分的に拡大すると共に該拡大する部分を長辺方向へ移動可能に表示する構成とした
請求項6、7または8記載の写真シート作成装置。
【請求項10】
前記表示部に、書き込み編集に用いる編集用アイテム画像を表示する構成とし、
前記全身撮影画像に前記編集用アイテム画像を書き込み編集する際に、書き込む編集用アイテム画像の大きさを、表示されている全身撮影画像の表示倍率に対応させる構成とした
請求項9記載の写真シート作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−158389(P2008−158389A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349057(P2006−349057)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】