説明

写真シール作成装置、写真シール作成方法、およびプログラム

【課題】メンテナンス作業を効率よく行うことができるようにする。
【解決手段】利用者Aの印刷処理時間のタイミングt25に、印刷待機空間においてエラーが発生し、管理者が事前接客空間に設置されたメンテナンス予約ボタンを操作する。これに対応して、メンテナンス予約制御部は、状態が未稼働である事前接客処理部を、未稼働である事前接客処理部が対応する事前接客空間に設置される外付けモニタに待機画面が表示される受付禁止状態に遷移させる。本発明は、利用者自身が被写体となって撮影を行う撮影処理と、撮影処理によって得られた撮影画像の編集を行う編集処理とを少なくとも利用者に行わせ、撮影画像、または編集処理により得られた編集済みの画像をシール紙に印刷して提供する装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、メンテナンス作業を効率よく行うことができるようにした写真シール作成装置、写真シール作成方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者を撮影し、撮影画像に対して利用者に編集を行わせ、編集後の画像をシール紙に印刷して提供する写真シール機が知られている。このような写真シール機は娯楽(遊戯)施設等に設置される。
【0003】
写真シール機によって提供される1ゲームの流れは、利用者を撮影し、撮影で得た画像に編集(落書き)を行い、編集が施された編集画像もしくは撮影画像をシール紙に印刷するという流れになる。このような写真シール機においては、多重接客ができるようになっており、編集をしている利用者は、次の撮影利用者がいない限り、所定の時間、編集を延長することができる。また、写真シール機は、最新のソフトウェアに更新したり、部品の交換をしたり、あるいは、エラーが発生した場合にメンテナンスができるように、メンテナンス機能を有している。
【0004】
例えば、特許文献1には、編集空間で異常が発生したとき、撮影空間で撮影処理を実行しているユーザに対して撮影モニタには編集空間への移動が不可能である案内を表示させる写真シール機が提案されている。また、特許文献2には、編集処理や印刷処理時にエラーが発生したとき、撮影処理の稼働/非稼働を判定し、判定結果に応じて、撮影処理の実行/未実行の制御を行う写真シール機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3554558号
【特許文献2】特許4309291号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1または2に記載の写真シール機においては、ユーザによる写真シール機のすべてのゲームを完全に終了させないとメンテナンスを実施することができない。このため、店舗側やメンテナンス担当者は、写真シール機において、すべてのゲームが終了するのを待つ必要があった。
【0007】
したがって、例えば、複数のユーザでのゲームが途切れることなく、流動的に流れて写真シール機が利用されている稼働状況がよい場合には、ゲームを中断することが困難であり、メンテナンスを行うには、長時間待たなければならなかった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、メンテナンス作業を効率よく行うことができることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面である写真シール作成装置は、写真シール作成の各工程の処理を行う複数の処理手段と、ユーザによる所定の操作に応じて、前記複数の処理手段のうち、対応する工程の処理が終了した処理手段を、前記処理手段への操作の受付を禁止する受付禁止状態に移行させ、前記複数の処理手段のうちの少なくとも1以上が前記受付禁止状態になった場合、メンテナンス処理を開始させるメンテナンス予約手段とを備える。
【0010】
本発明の一側面である写真シール作成装置においては、ユーザによる所定の操作に応じて、写真シール作成の各工程の処理を行う複数の処理手段のうち、対応する工程の処理が終了した処理手段が、前記処理手段への操作の受付を禁止する受付禁止状態に移行される。そして、前記複数の処理手段のうちの少なくとも1以上が前記受付禁止状態になった場合、メンテナンス処理が開始される。
【0011】
これにより、長い時間むやみに待つ必要がなくなり、メンテナンス作業を効率的に行うことができる。
【0012】
前記メンテナンス予約手段は、前記複数の処理手段が全て前記受付禁止状態になった場合、メンテナンス処理を開始させることができる。
【0013】
前記メンテナンス予約手段は、ユーザによる所定の操作に応じて、前記複数の処理手段のうち、対応する工程の処理が終了した処理手段が前記受付禁止状態であることを示すGUIを、前記対応する工程に設けられる表示手段に表示させることができる。
【0014】
前記写真シール作成の各工程は、少なくとも、利用者を撮影する撮影工程、撮影された撮影画像に編集を施す編集工程、および撮影された撮影画像または編集が施された編集画像を印刷する印刷工程からなり、前記複数の処理手段は、前記撮影工程の処理を行う撮影処理手段と、前記編集工程の処理を行う編集処理手段と、前記印刷工程の処理を行う印刷処理手段とにより構成される。
【0015】
前記写真シール作成の各工程は、撮影または編集前に事前接客を行う事前接客工程を含み、前記複数の処理手段は、前記事前接客工程の処理を行う事前接客処理手段も含むように構成される。
【0016】
前記写真シール作成の各工程は、印刷中に、事後接客を行う事後接客工程を含み、前記複数の処理手段は、前記事後接客工程の処理を行う事後接客処理手段も含むように構成される。
【0017】
本発明の一側面である写真シール作成方法は、写真シール作成の各工程の処理を行う複数の処理手段を備える写真シール作成装置の写真シール作成方法において、前記写真シール作成装置による、ユーザによる所定の操作に応じて、前記複数の処理手段のうち、対応する工程の処理が終了した処理手段を、前記処理手段への操作の受付を禁止する受付禁止状態に移行させ、前記複数の処理手段のうちの少なくとも1以上が前記受付禁止状態になった場合、メンテナンス処理を開始させるメンテナンス予約ステップを含む。
【0018】
本発明の一側面であるプログラムは、写真シール作成の各工程の処理を行う複数の処理手段と、ユーザによる所定の操作に応じて、前記複数の処理手段のうち、対応する工程の処理が終了した処理手段を、前記処理手段への操作の受付を禁止する受付禁止状態に移行させ、前記複数の処理手段のうちの少なくとも1以上が前記受付禁止状態になった場合、メンテナンス処理を開始させるメンテナンス予約手段として、コンピュータを機能させる。
【0019】
このプログラムは、所定の記録媒体に記録されて、例えば、ドライブにより読み出され、写真シール作成装置にインストールされる。記録媒体は、フロッピ(登録商標)ディスクなどよりなる磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc)などよりなる光ディスク、MD(Mini Disc)(登録商標)などよりなる光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディアにより構成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、メンテナンス作業を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】写真シール作成装置の外観の構成例を示す斜視図である。
【図2】写真シール作成装置の外観を他の角度からみた斜視図である。
【図3】カーテンを取り付けた状態の写真シール作成装置の外観を示す斜視図である。
【図4】利用者の移動について説明する図である。
【図5】前方ユニットの正面の構成例を示す図である。
【図6】編集ユニットの側面の構成例を示す図である。
【図7】編集ユニットの他の側面の構成例を示す図である。
【図8】写真シール作成装置の内部の構成例を示すブロック図である。
【図9】制御部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【図10】写真シール作成ゲームを提供する処理について説明するフローチャートである。
【図11】メンテナンス予約実行処理について説明するフローチャートである。
【図12】メンテナンス待機画面の例を示す図である。
【図13】メンテナンス確認画面の例を示す図である。
【図14】メンテナンス処理について説明するフローチャートである。
【図15】メンテナンス起動画面の例を示す図である。
【図16】メンテナンス画面の例を示す図である。
【図17】事前接客空間ありの場合の従来のタイミングチャートである。
【図18】事前接客空間ありの場合の本技術のタイミングチャートである。
【図19】事後接客空間ありの場合の従来のタイミングチャートである。
【図20】事後接客空間ありの場合の本技術のタイミングチャートである。
【図21】メンテナンス予約実行処理の他の例について説明するフローチャートである。
【図22】起動内容選択画面を示す図である。
【図23】メンテナンス予約実行処理のさらに他の例について説明するフローチャートである。
【図24】メンテナンス予約実行処理の他の例について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[写真シール作成装置の外観構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る写真シール作成装置の外観の構成例を示す斜視図である。
【0023】
図1の写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業の娯楽性を高め、それらの作業を利用者にゲーム(遊戯サービス)として行わせ、撮影画像や編集済み画像を写真シールやデータとして利用者に提供する代わりに、利用者より代金を受け取るゲーム装置(遊戯サービス提供装置)である。
【0024】
この写真シール作成装置1が実行する写真シール作成ゲームにおいて、利用者は、ゲームの代金を投入し、写真シール作成装置1に設けられたカメラを用いて自分自身等を撮影し、その撮影画像に対して背景画像を合成したり、ペン入力やスタンプ入力等の編集機能により合成用画像を加える等の編集(落書き編集)を行い、撮影画像を彩り豊かなものにデザインする。そしてゲーム終了後、利用者は、編集済み画像が印刷された写真シール等を成果物として受け取る。
【0025】
このような写真シール作成装置1は、通常、ゲームセンタや観光地の店舗等に設置される。つまり、写真シール作成装置1は、例えば、メーカや販売会社などから、それらの店舗の経営者に販売される。写真シール作成装置1を購入した経営者は、店舗(例えばゲームセンタ)にその写真シール作成装置1を設置して管理・運営し、女子高校生や女子中学生に代表される一般の利用者に写真シール作成ゲームを有料でプレイさせ、その代金により収益を上げる。
【0026】
従って、店舗の経営者にとって、写真シール作成装置1の収益率の高さが重要となる。つまり、写真シール作成装置1は、単位時間当たりの収益率が高い方が望ましい。また、通常の店舗の場合、床面積や構造等の制限により、写真シール作成装置1の設置場所が限定される。従って、写真シール作成装置1は、単位床面積当たりの収益率が高い方が望ましい。さらに、各店舗の広さや形状は通常同じでなく、かつ、写真シール作成装置1とともに設置される他のゲーム機等も異なるため、設置場所の自由度が高いほど望ましい。
【0027】
収益率を向上させる方法として、例えば、写真シール作成ゲームの回転率を向上させる方法がある。つまり、所定の時間内にプレイされるゲーム数を増加させることにより単位時間当たりの収益率を増加させる方法である。しかしながら、写真シール作成ゲームをプレイする利用者がいなければ収益率は向上しない。したがって、写真シール作成装置1の写真シール作成ゲームに対する、利用者の期待度や満足度を向上させることも重要となる。
【0028】
例えば、写真シール作成装置1は、ゲームをプレイしたことのない利用者が「プレイしてみたい」と思うような期待度の高い機能を設けることにより利用者数を増加させることができる。また、一度プレイした利用者が「楽しかった、もう一度プレイしたい」と思うような満足度の高い機能を設けることにより、写真シール作成装置1は、いわゆるリピータを増加させ、利用者数をさらに増加させることができる。その結果、写真シール作成装置1の収益が向上する。
【0029】
利用者にとって、写真シール作成装置1には、大きく分けて、写真シール作成ゲームをプレイすること(写真シールの作成作業)と、成果物として写真シール用画像や写真シールを得ること(完成した写真シールそのもの)の2つの娯楽性がある。
【0030】
前者の、写真シール作成作業の娯楽性を向上させる方法としては、例えば、撮影機能や、落書き編集等の編集機能の多機能化、操作性の向上、またはプレイ時間や待ち時間の調整等がある。後者の、完成した写真シールそのものの娯楽性を向上させる方法としては、例えば、シール紙の品質向上、高画質印刷、および特殊色印刷等のようなハードウェアの向上や、写真シールの画像に対する利用者の満足度を向上させることなどがある。
【0031】
また、主な利用者層である女子高校生や女子中学生は、得られた写真シールを所有物に貼り付けるだけでなく、その写真シールを交換したり、その写真シールを話題にして会話を行ったりする。従って、例えば、写真シールの画像内容が、派手だったり、面白かったり、希少性が高かったり、目新しさがあったりする場合、その写真シールを利用者自身が気に入ることもあるが、それだけでなく、その写真シールを話題として会話が盛り上がることも考えられる。
【0032】
また、このような写真シールの利用により、写真シール自体が写真シール作成装置1の広告としての役割も果たすこともある。従って、写真シールの娯楽性を向上させることは、単にその利用者の満足度を向上させるだけでなく、他者の期待度を向上させ、評判の広がりによる集客、すなわち、いわゆる口コミによる新規利用者を増やすことも期待することができる。
【0033】
つまり、写真シール作成ゲームにおいて、利用者らが気に入るような画像を作成することができる機能を提供することにより、利用者の写真シール作成ゲームに対する満足度だけでなく、写真シールに対する満足度も向上させることができ、さらに、写真シールの話題性や広告効果等も同時に向上させることができる。
【0034】
写真シール作成装置1は、このような特徴を有するが、その筐体10は、図1に示すように、撮影ユニット12、編集ユニット13、天井ストロボユニット14、および背景カーテンユニット15の4つのユニットに大きく分けられる。
【0035】
撮影ユニット12は、利用者等を被写体として撮影する機能を有しており、後述する内部の撮影空間において被写体の撮影が行われる。この撮影ユニット12は、大きく、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの2つに分けられる。
【0036】
前方ユニット12Aは、撮影空間の前方とされる側のユニットであり、撮影空間の利用者の撮影に関する処理を行ったり、利用者の写真シール作成ゲームに関する操作を受け付けたりする。後方ユニット12Bは、撮影空間の後方とされる側のユニットであり、前方ユニット12Aによる利用者の撮影の際に、背景の役割を果たすユニットである。この後方ユニット12Bは、平面パネル状に構成され、その下端部が写真シール作成装置1の設置床面に当接しないよう、その上部が筺体10に固定されている。また、前方ユニット12Aの側面には、外付けモニタ16およびスピーカ17が設けられているが、その詳細は後述する。
【0037】
編集ユニット13は、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための構成(例えば、モニタ、タッチパネル、およびタッチペン等)が設けられている。後述するように1つの筺体からなる編集ユニット13は、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができるように、2つの面のそれぞれに、落書き編集等を行うための構成が設けられている。後述するように、写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを並列的に実行することができる。換言すれば、複数組の利用者が、同時に写真シール作成装置1において写真シール作成ゲームをプレイすることができる。編集ユニット13は、写真シール作成ゲームのプレイの回転率を向上させるために、それらの複数組の利用者が同時に落書き編集を行うことができるように、2つの落書き編集等を行うための構成が設けられている。
【0038】
撮影空間の上方に設けられる天井ストロボユニット14は、撮影タイミングに合わせて撮影空間内に向けてストロボ発光するフラッシュを内蔵する。この天井ストロボユニット14には、さらに内部に蛍光灯が配置されており、撮影空間(撮影空間内の利用者)を常時照らす照明としても機能する。撮影空間は、後述するように簡易的に閉鎖的な空間として構成される。したがって、外部より光が進入しづらく、暗くなりがちで利用者の操作性が低下する恐れがある。そこで、天井ストロボユニット14が、その照明により撮影空間を明るく照らすことにより、そのような恐れを回避し、操作性を向上させることができる。なお、このような照明は前方ユニット12Aにも設けられている。
【0039】
また、後方ユニット12Bの上部には、例えば、背景に利用する可動式のカーテン(背景カーテン)を備える背景カーテンユニット15が設けられている。この背景カーテンユニット15は、例えば、互いに色または柄の異なる巻き取り式のカーテンが複数吊設されている。例えば、明るい色の単色、外国の絵本のようなお洒落でかわいい柄、彩り豊かなポップで(大衆向けの)お洒落な柄等、主な利用者である女性の若者に人気の高い色や柄が複数揃えられる。
【0040】
背景カーテンユニット15は、前方ユニット12Aに設けられたカメラやストロボ等の撮影機能と連動して動作し、撮影の際に、例えば利用者に選択された色のカーテンを下ろし、その他のカーテンを巻き取る。このように動作することにより、背景カーテンユニット15は、容易に利用者の所望のデザインや、撮影モード等に応じたデザインの背景を提供することができる。これにより、写真シール作成装置1は、画像(写真シール)に対する利用者の満足度を向上させることができる。
【0041】
なお、背景カーテンユニット15が備えるカーテン(背景カーテン)の枚数は任意である。例えば、背景カーテンユニット15に1枚の背景カーテンのみが吊設されるようにしてもよい。また、この場合、写真シール作成装置1が、合成用の背景画像を複数種類用意し、その中から利用者により選択された背景画像を撮影画像に合成するようにしてもよい。このようにすることにより、写真シール作成装置1に設けられる物理的な背景カーテンが1枚のみであっても、写真シール作成装置1は、利用者の多様な好みに対応することができる。
【0042】
外付けモニタ16は、撮影ユニット12内の撮影空間で利用者の撮影が行われている場合には、次に撮影空間を利用しようと待機している利用者に対して、撮影中の利用者のゲームの進行状況を示す映像を出力(表示)したり、写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を案内(説明)するコンテンツ(デモンストレーション)を出力する。また、スピーカ17は、外付けモニタ16によって出力される映像やコンテンツに合わせた音声を出力する。
【0043】
また、外付けモニタ16およびスピーカ17は、前方ユニット12Aの側面のいずれか一方に設けられるようになされている。すなわち、図1において図示されない前方ユニット12Aの側面は、図1において外付けモニタ16およびスピーカ17が設けられている前方ユニット12Aの側面に外付けモニタ16およびスピーカ17が設けられない場合に、外付けモニタ16およびスピーカ17が設置可能な構造となっている。
【0044】
図2は、図1の写真シール作成装置1を、編集ユニット13側より見た斜視図である。
【0045】
編集ユニット13は、図2に示すように、前方ユニット12Aの、後方ユニット12B側の面(つまり、撮影空間側の面)と反対の面に隣接して設置される。編集ユニット13の、前方ユニット12Aに直交する2つの側面には、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための第1編集インタフェース13Aと第2編集インタフェース13Bがそれぞれ設けられている。つまり、編集ユニット13には、写真シール作成ゲームを行う複数組の利用者が、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bを結ぶ方向と直交する向きに、編集ユニット13を挟んで対向する状態で編集作業を行うことができるように、2つの編集インタフェースが設けられている。
【0046】
また、編集ユニット13の、撮影ユニット12と対向する面には、写真シール作成ゲームがプレイされることにより作成された写真シールが排出されて利用者に提供される写真シール排出部13Cが設けられている。
【0047】
図3は、写真シール作成装置1の設置例を示す外観図である。
【0048】
写真シール作成装置1がゲームセンタ等に設置される場合、例えば図3に示されるように、撮影ユニット12や編集ユニット13を囲むように、側面カーテン21が設けられる。この側面カーテン21は、撮影作業が行われる撮影空間や編集作業が行われる編集空間等を簡易的に囲み、各空間の閉鎖性を向上させている。つまり、側面カーテン21は、例えば、各空間内の環境を安定させることにより、高画質な撮影や編集画面の見易さ等に寄与したり、各空間外からの視界を遮断し、利用者が外部からの視線を意識せずに撮影や編集等の作業を行うことができるようにしたりする。
【0049】
すなわち、写真シール作成装置1の外部で待機中の利用者は、撮影空間内の利用者がいまどのような作業や操作を行っているのか視認できないように写真シール作成装置1が構成されている。
【0050】
この側面カーテン21の外側の面は、通常、広告を掲載する場所として利用され、設置場所において注目度が高まるように、写真シール作成装置1の機種名や機種のイメージを表す派手なデザイン画が印刷される。
【0051】
以上のような写真シール作成装置1は、利用者の各組に対して、それぞれ、写真シール作成ゲームをプレイさせる。写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを同時に進行させることができる。つまり、写真シール作成装置1は、同時に複数の組に写真シール作成ゲームをプレイさせることができる。このとき、各組の利用者は、写真シール作成装置1に設けられた複数の空間を移動しながら、写真シール作成ゲームの各作業を行い、ゲームを進行させる。
【0052】
[ゲームの流れと空間の移動]
【0053】
次に、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う空間の移動について、図4を参照して説明する。
【0054】
図4は、利用者のゲーム中に、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。図4に示すように、利用者は、外部(利用者Aまたは利用者A')から、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの間を通って、図中点線で示される、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bとの間に形成される、撮影作業を行う撮影空間32に入場し、代金を投入することで写真シール作成ゲームを開始する(利用者B)。もし、前の組の利用者が撮影空間32を使用中であれば(撮影作業中であれば)、利用者は、ユニット外部において待機する(利用者Aまたは利用者A')。なお、図4において、利用者(利用者A)は、外付けモニタ16およびスピーカ17によって出力される、撮影中の利用者のゲームの進行状況を示す映像や写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を案内するコンテンツを視聴しながら待機することができる。したがって、外付けモニタ16およびスピーカ17の前の待機空間は、ユニット外部ではあるが、事前接客空間であるともいえる。
【0055】
代金が投入され、写真シール作成ゲームが開始されると、利用者(利用者B)は、前方ユニット12Aの正面に設けられたカメラやモニタを利用して自分自身等を撮影させる撮影作業を行う。
【0056】
撮影作業が終了すると利用者は、得られた撮影画像の中から編集対象画像として保存するものを選択し、表示された移動案内にしたがって、撮影作業を行った撮影空間32から、図中点線で示す、編集作業を行う編集空間へと移動する。
【0057】
編集ユニット13の、前方ユニット12Aから見て左側(第1編集インタフェース13Aの前方)に第1編集空間33Aが設けられ、右側(第2編集インタフェース13Bの前方)に第2編集空間33Bが設けられている。つまり、この写真シール作成装置1においては、第1編集空間33Aの利用者(利用者C)および第2編集空間33Bの利用者(利用者C')の、合計2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。撮影空間32の利用者(利用者B)は、この2つの編集空間のうち、空いている方に案内される。第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動すると、利用者は、落書き編集作業を行う。以下において、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとを区別する必要の無い場合、編集空間33と称する。
【0058】
その後、落書き編集が終了すると、利用者(利用者Cまたは利用者C')は、次に、印刷設定作業を行い、分割数等の設定を行う。そして印刷が開始されると、利用者は、その印刷中に携帯端末への画像の送信、アンケート入力、ミニゲーム等を行う。そして、印刷が終了すると、写真シール排出部13C前方の印刷物受取領域34に移動し(利用者D)、排出された写真シール紙を受け取り、写真シール作成ゲームを終了する。この印刷物受取領域34も、ユニット外部ではあるが、印刷待機空間であるともいえる。
【0059】
なお、以上のような写真シール作成ゲームにおいて、撮影空間32の利用者Bが、編集空間33に移動すると、撮影空間32が未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者に撮影空間32を使用させることができる。さらに、第1編集空間33Aの利用者C、または、第2編集空間33Bの利用者C'が、印刷物受取領域34に移動すると、その第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bが未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者(利用者B)に、その第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bを使用させることができる。なお、第1編集空間33Aおよび第2編集空間33Bがいずれも未使用である場合には、写真シール作成装置1は、利用者(利用者B)に対して、第1編集空間33Aおよび第2編集空間33Bのいずれか一方を使用させるように案内するとともに、利用者が案内された編集空間でない方に移動した場合には、案内された編集空間に利用者を誘導させることができる。
【0060】
つまり、写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームの、単位時間辺りおよび単位床面積辺りの回転率を向上させるために、撮影空間32、第1編集空間33A、第2編集空間33B、および印刷物受取領域34を用いて、同時に、複数組の利用者に、写真シール作成ゲームをプレイさせることができる(多重接客を行うことができる)。
【0061】
なお、このような筐体10の構成は任意であり、上述した以外の構成であってもよい。同様に、多重接客の仕方も任意である。
【0062】
[各ユニットの構成]
次に、各ユニットの構成について説明する。
【0063】
図5は、前方ユニット12Aの構成例を示す図である。図5の正面12A−1は、撮影空間32内に面する側面であり、撮影作業を行う利用者にとって前方に位置する面である。つまり、利用者は、撮影空間32において、基本的にこの正面12A−1に向かって(前方ユニット12A側を向いて)撮影作業を行う。
【0064】
この正面12A−1の中央付近には、撮影空間32内の被写体を撮影するカメラ51が設けられており、カメラ51の下側にタッチパネルモニタ52が設けられている。タッチパネルモニタ52は、例えば、カメラ51により光電変換されてリアルタイムに(即時)取り込まれている取り込み画像に背景や前景等の画像を合成した合成画像(動画像)を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種GUI(Graphical User Interface)画像を表示するとともに、画面上に重畳されたタッチパネルにより利用者の指示を受け付ける機能とを備えている。また、正面12A−1には、この他にも、撮影空間32内を照明したり、カメラ51による撮影タイミングに合わせてフラッシュ光を発光したりする照明装置53−1乃至照明装置53−8、撮影作業中の利用者の手荷物等を置くための荷物置き場54−1および54−2、並びに、写真シール作成ゲームの代金が投入される硬貨投入返却口55が設けられている。
【0065】
さらに、正面12A−1には、照明装置53−1および53−2の裏側であって、撮影空間32の天井付近に、写真シール作成ゲームの撮影作業における案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音声が出力される、図示せぬスピーカ124(図8)が設けられている。なお、スピーカ124の数および設置位置は任意である。
【0066】
カメラ51は、CCD(Charge Coupled Device)を利用した撮像素子等により構成され、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の利用者を撮像し、動画像を取り込み画像として取り込む。カメラ51により取り込まれた取り込み画像は、一部が切り出されたり、背景等の画像が合成されたりして、タッチパネルモニタ52に即時的に表示される。また、所定のタイミングでカメラ51により取り込まれた取り込み画像は、そのタイミングのフレームの画像が抜き出され、撮影画像(静止画像)として保存される。
【0067】
なお、カメラ51として、CCDの代わりに、例えばCMOSセンサを用いたカメラを使用してもよい。もちろん、これら以外にも、利用者を撮影し、デジタル画像データを得られるものであればどのようなカメラを用いるようにしてもよい。また、カメラ51の個数も設置位置も任意である。
【0068】
タッチパネルモニタ52は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のライブビューモニタ123(図8)と、それに積層された無色透明のタッチパネルとにより構成され、撮影作業中の利用者が撮影結果を確認しながら立ち位置や姿勢を決定することができるようにするために、カメラ51により取り込まれた取り込み画像を即時的に(リアルタイムに)表示する。このとき、タッチパネルモニタ52に表示される取り込み画像は、例えば、背景や前景等、利用者に指定された画像が合成されたり、その画像の画サイズ等に合わせて一部分が切り出されたり(トリミングされたり)する。また、タッチパネルモニタ52は、撮影作業の手順を案内する案内画像等、撮影作業に関する画像を表示し、タッチパネル(例えば、感圧式や電磁誘導式等)が例えば利用者の指等によるタップ操作を受け付けるようになされている。
【0069】
照明装置53−1乃至照明装置53−8は、複数の、蛍光灯およびストロボ発光可能な照明装置により構成され、撮影空間32を明るくし、操作性や安全性を確保するために、撮影空間32を常時照らすとともに、撮影画像の画質を向上させるために、撮影タイミングに対応するタイミングでストロボ発光し、撮影される利用者に光を多様な角度から照射する。なお、以下において、照明装置53−1乃至照明装置53−8を互いに区別して説明する必要の無い場合、照明装置53と称する。また、所定の照明装置53の表面には、ストロボ発光による撮影空間32の明るさを調整するために、図示せぬLED(Light Emitting Diode)が設けられている。
【0070】
荷物置き場54−1,54−2は、撮影時における利用者の手荷物の置き場所として利用する棚である。荷物置き場54−1,54−2は、撮影の邪魔にならないような位置、すなわち、利用者が撮影ポーズをとるのに邪魔にならず、かつ、照明装置53の光の照射の妨げとならない位置に設けられている。利用者は、手荷物を荷物置き場54−1,54−2に置くことにより、より快適に撮影作業を行うことができる。
【0071】
硬貨投入返却口55は、利用者が写真シール作成ゲームの代金として硬貨を投入したり、投入に失敗した硬貨やお釣りの硬貨を返却したりするユーザインターフェースである。
【0072】
もちろん、前方ユニット12Aの正面12A−1に上述した以外の構成が設けられるようにしてもよい。
【0073】
次に、編集ユニット13の構成について説明する。
【0074】
図6は、編集ユニット13の、撮影ユニット12側から見て左側面の構成例(第1編集空間33A側の構成例)を示す図である。
【0075】
図6において、第1編集インタフェース13Aの上側には、側面カーテン21等で仕切られているために暗くなる第1編集空間33Aを照らすための照明装置61が設けられている。この照明装置61により、写真シール作成装置1は、利用者の編集作業効率の低下を抑制し、第1編集空間33Aの安全性を向上させることができる。なお、図6の例においては、編集ユニット13の、照明装置61が設けられている第1編集インタフェース13Aの上側の部分が、第2編集空間33B側に貫通しており、照明装置61は、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとで共有されている。つまり、照明装置61は、第1編集空間33Aだけでなく第2編集空間33Bも照明し、安全性を向上させる。なお、この照明装置61の設置位置および個数は任意である。
【0076】
第1編集インタフェース13Aには、タブレット内蔵モニタ62、2本のタッチペン63−1およびタッチペン63−2、スピーカ64、並びに追加硬貨投入返却口65が設けられている。
【0077】
タブレット内蔵モニタ62は、タッチペン63−1またはタッチペン63−2により位置情報を入力可能な無色透明のタブレットが、CRTディスプレイやLCD等の、画像を表示可能な表示デバイスの表示画面上に重畳されることにより構成される。したがって、タブレット内蔵モニタ62は、表示デバイスにより単にGUI画像等を表示するだけでなく、タブレットにより利用者からの入力操作を受け付ける。タブレット内蔵モニタ62には、例えば、撮影空間における撮影作業により得られた撮影画像を編集する編集作業用のGUI画像からなる編集画面が表示される。
【0078】
タッチペン63−1とタッチペン63−2は、タブレット内蔵モニタ62の左右近傍に、左右1本ずつ所定のアタッチメントにより編集ユニット13に着脱可能に固定されており、同じ組の2人の利用者が、これらのタッチペンをそれぞれ使用することにより、同時に、写真シール作成作業の編集作業の工程をプレイすることができるようになされている。なお、以下において、タッチペン63−1およびタッチペン63−2を互いに区別して説明する必要のない場合、単にタッチペン63と称する。
【0079】
そのタッチペン63は、編集ユニット13内部に設置されたシステムと有線(または無線)により電気的に接続されている。タッチペン63は、タブレット内蔵モニタ62のタブレットと連携して動作する。利用者がタッチペン63を操作して、タブレットをタップする(タッチペン63とタブレット内蔵モニタ62の表示画面を接触(または近接)させる)ことにより、タブレットは、利用者からの入力を受け付ける入力手段として動作する。なお、タッチペン63の設置本数、設置位置、及び形状等は任意である。
【0080】
スピーカ64は、例えば、案内音声、効果音、またはBGM等、写真シール作成ゲームの編集作業に関する音声を出力する。このスピーカ64は、タブレット内蔵モニタ62の右側に配置される。右利きの利用者は、タッチペン63を右手で持ちながら編集作業を行うため、編集ユニット13に寄りかかりながら編集作業を行う場合であっても、タブレット内蔵モニタ62の右側に寄りかかる可能性は少ない。従って、タブレット内蔵モニタ62の右側にスピーカ64を配置することにより、右利きの利用者が編集ユニット13に寄りかかりながら編集作業を行う場合であっても、利用者がスピーカ64を塞ぎ、音声が聞こえなくなることを防止することができる。なお、スピーカ64の設置個数、デザイン、および形状等は任意である。
【0081】
追加硬貨投入返却口65は、利用者が編集可能時間を延長させたいときや写真シールを複数枚出力するときなどに追加代金としての硬貨を投入したり、お釣り等を返却したりするために設けられている。なお、この追加代金の支払いも硬貨に限定されるものではなく、当然、紙幣でも支払いができるようすることができる。また、実際に流通している現金(硬貨および紙幣)の代わりに、写真シール作成装置1が設置されている遊技施設などで流通されているプリペイドカード、コイン、電子マネーなどでも支払いができるようしてもよい。
【0082】
ただし、編集可能時間の延長は、現在、撮影空間32にて撮影作業が行われていない場合(次の利用者がいない場合)、または、もう一方の編集インタフェース(いまの場合、第2編集インタフェース13B)が空いている場合にのみ可能であり、撮影空間32にて撮影作業が行われており、かつ、もう一方の編集インタフェースが利用されている場合には延長できない。
【0083】
なお、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成も、図6に示す第1編集空間33A側の構成と基本的に同様であるので、その説明については省略する。以下においては、図6に示す構成例は、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成を説明する場合にも適用される。
【0084】
図7は、編集ユニット13の、写真シール排出部13Cの構成例を示す図である。
【0085】
図7に示すように、写真シール排出部13Cには、第1編集空間33Aにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第1編集インタフェース13Aが操作されて作成された写真シール)と、第2編集空間33Bにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第2編集インタフェース13Bが操作されて作成された写真シール)が排出される写真シール排出口71が設けられている。写真シール排出口71の前方は、図4を参照して上述したように印刷物受領領域34(印刷待機空間)である。
【0086】
編集ユニット13内部には、プリンタが設置されており、第1編集インタフェース13Aまたは第2編集インタフェース13Bが操作されて作成された印刷用の画像は、そのプリンタによりシール紙に印刷される。プリンタより出力された写真シールは、この写真シール排出口71より排出される。
【0087】
また、図7に示すように、写真シール排出部13Cには、スピーカ72が設けられている。スピーカ72は、例えば、案内音声、効果音、またはBGM等、写真シールの印刷および排出に関する音声を出力する。なお、印刷物受領領域34にいる利用者に、事後接客が行えるように、写真シール排出部13Cの上部にモニタまたはタッチパネルモニタを備えるようにしてもよい。
【0088】
[写真シール作成装置の内部構成]
次に、写真シール作成装置1の内部の構成例について説明する。
【0089】
図8は、写真シール作成装置1の機能的構成例を示すブロック図である。以上において説明した部分と同じ部分については、同じ番号を付してある。
【0090】
図8において、写真シール作成装置1は、写真シール作成装置1の装置全体を制御する処理部である制御部101を有しており、その制御部101には、記憶部102、通信部103、ドライブ104、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107、撮影部112、編集部113、プリンタ114、スピーカ72、外付けモニタ16、およびスピーカ17がそれぞれ所定のバスを介して接続される。
【0091】
記憶部102は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、制御部101より供給される各種設定情報をその記憶媒体に保存したり、記憶媒体に記録されている設定情報を読み出して制御部101に供給したりする。なお、この記憶媒体は、情報を記憶することができるものであれば、どのようなものであってもよい。
【0092】
通信部103は、例えばインターネットや公衆電話回線網等のような外部のネットワーク(図示せず)を介して、または単に通信ケーブル(図示せず)を介して、他の通信装置(図示せず)に接続され、制御部101に制御されて、例えば利用者の携帯型電話機などの携帯端末、利用者のパーソナルコンピュータ、または中央管理サーバ等のような他の通信装置と通信を行う。例えば、通信部103は、制御部101より通信信号として供給される送信信号を他の通信装置に送信したり、他の通信装置より供給された受信信号を通信信号として制御部101に供給したりする。
【0093】
ドライブ104には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、および、半導体メモリなどのリムーバブルメディア105が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて制御部101に供給され、記憶部102等に保存されたり、インストールされたりする。
【0094】
ROM106には、制御部101において実行されるプログラムやデータが予め格納されており、ROM106は、制御部101の指示に基づいて、プログラムやデータを制御部101に供給する。RAM107は、制御部101が処理するデータやプログラムを一時的に保持する。
【0095】
撮影部112は、撮影ユニット12に関するブロックであり、硬貨処理部121、背景カーテンユニット15、照明制御部122、カメラ51、タッチパネルモニタ52、およびスピーカ124を有する。
【0096】
硬貨処理部121は、制御部101から入力される起動信号に応じて起動し、硬貨投入返却口55に硬貨が投入されると、利用者による写真シール作成装置1の代金支払いに関する処理(ゲーム参加受け付け等)を行い、起動信号を制御部101に供給する。制御部101は、この起動信号に応じて、課金処理や案内等をタッチパネルモニタ52およびスピーカ124に行わせる。
【0097】
背景カーテンユニット15は、制御部101より供給される背景制御信号に基づいて、提供する背景の選択、すなわち、可動式の背景カーテンの上げ下ろし(展開や収納)等を行う。なお、この背景の選択は利用者が手動で行うようにしてもよい。
【0098】
照明制御部122は、制御部101より供給される照明制御信号に基づいて、照明装置53を点灯したり、消灯したりする。
【0099】
カメラ51は、制御部101に制御されて、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の利用者等を被写体として撮影を行う。例えば、カメラ51は、制御部101の制御の下、動画像を取りこみ、取り込まれた動画像データを制御部101に供給する。また、カメラ51は、制御部101より供給されるシャッタ制御信号に基づいて、メカシャッタを動作させる等して、撮影画像(静止画像)の取得を行い、取得した静止画像データを制御部101に供給する。
【0100】
タッチパネルモニタ52は、ライブビューモニタ123を備えて構成される。タッチパネルモニタ52のライブビューモニタ123は、制御部101より供給されるRGB信号に基づく画像(カメラ51によりリアルタイムに取り込まれている画像や、撮影画像を用いて作成された合成画像、GUI画像など)を表示する。また、タッチパネルモニタ52は、利用者が、自分自身の指等を用いてこのタッチパネルモニタ52にタップ(接触または近接)すると、その位置情報を制御部101に供給する。制御部101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
【0101】
スピーカ124は、撮影ユニット12の任意の位置に設けられ、例えば、制御部101より供給される音声信号の音声(撮影作業の案内音声、効果音、またはBGM等)を出力する。
【0102】
編集部113は、編集ユニット13に関するブロックであり、第1編集インタフェース13Aに対応する第1編集部113Aと、第2編集インタフェース13Bに対応する第2編集部113Bよりなる。第1編集部113Aおよび第2編集部113Bは互いに同一の構成を有しており、以下の説明は、第1編集部113Aについて行うが、第2編集部113Bにも適用可能である。
【0103】
第1編集部113Aは、図6を参照して説明したように、タブレット内蔵モニタ62、タッチペン63−1およびタッチペン63−2、並びにスピーカ64に加えて、硬貨処理部130を有する。
【0104】
タブレット内蔵モニタ62は、上述したように、CRTディスプレイやLCD等の表示デバイスよりなる編集用モニタ141と、編集用モニタ141の表示画面上に重畳された無色透明のタブレット142により構成される。タブレット内蔵モニタ62は、制御部101より供給されるRGB信号に対応する、編集入力用のGUIや撮像画像等、編集に関する画像を、編集用モニタ141に表示する。また、利用者が、タッチペン63−1またはタッチペン63−2を操作してタブレット142にタップすると、タブレット内蔵モニタ62は、その位置情報を表す信号を入力信号として制御部101に供給する。制御部101は、その入力信号が表す位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。つまり、撮影画像に対する編集入力は、これらの構成を用いて行われる。
【0105】
スピーカ64は、制御部101より供給される音声信号の音声(編集作業の案内音声、効果音、またはBGM等の、写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する音声)を出力する。
【0106】
硬貨処理部130は、制御部101から入力される起動信号に応じて起動し、追加硬貨投入返却口65に硬貨が投入されると、利用者による写真シール作成装置1の代金支払いに関する処理(追加印刷の受け付け)を行い、起動信号を制御部101に供給する。制御部101は、この起動信号に応じて、追加印刷処理をプリンタ114に行わせる。
【0107】
プリンタ114は、編集部113により行われた編集作業結果をシール紙に印刷する。プリンタ114は、制御部101より第1編集部113Aにより行われた編集作業結果を取得すると、シール紙ユニット161よりシール紙162を取得し、編集作業結果をシール紙162に印刷する。プリンタ114は、印刷を終了すると、その印刷されたシール紙162を写真シールとして写真シール排出口71より排出し、利用者に提供する。
【0108】
スピーカ72は、制御部101より供給される音声信号の音声(写真シールのプリンタ114による印刷、および、写真シール排出口71からの排出についての案内音声、効果音、またはBGM等の、写真シールの印刷および排出に関する音声)を出力する。
【0109】
外付けモニタ16は、制御部101より、撮影ユニット12内の撮影空間32で利用者の撮影が行われている旨の情報を取得すると、次に撮影空間を利用しようと待機している利用者に対して、撮影中の利用者のゲームの進行状況を示す映像を出力する。また、外付けモニタ16は、制御部101より、撮影ユニット12内の撮影空間32で利用者の撮影が行われている旨の情報を取得していない間は、写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を案内(説明)するコンテンツ(デモンストレーション)を出力する。スピーカ17は、制御部101の制御の下、外付けモニタ16によって出力される映像やコンテンツに合わせた音声を出力する。
【0110】
[制御部の構成]
次に、制御部101について説明する。図9は、制御部101が有する機能ブロックの構成例を示す図である。制御部101は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理の制御を行う。
【0111】
図9に示すように、例えば、制御部101は、事前接客処理部201、撮影処理部202、編集処理部203、印刷処理部204、事後接客処理部205、およびメンテナンス予約制御部206を含むように構成される。
【0112】
事前接客処理部201は、次に撮影空間を利用しようと待機している利用者を接客する写真シール作成ゲームの事前接客の工程に関する処理を行う。例えば、事前接客処理部201は、撮影処理部202乃至事後接客処理部205との通信を行うことにより、ゲームの進行状況を表す情報を取得するようになされている。
【0113】
また、事前接客処理部201は、撮影処理部202との通信を行うことにより、現在撮影中の利用者がいるかいないかを表す情報を取得し、現在撮影中の利用者がいる場合は、撮影作業のどの工程が実行されているかを表す情報をさらに取得するようになされている。また、事前接客処理部201は、必要に応じて編集処理部203、事後接客処理部205との通信を行うことにより、編集作業における操作内容や現在事後接客中の利用者がいるかいないかを表す情報などを取得する。
【0114】
事前接客処理部201は、上述したように、ゲームの進行状況を表す情報を取得し、ゲームの進行状況に応じた画像のデータを、記憶部102から読み出すようになされている。そして、事前接客処理部201は、読み出した画像のデータに基づいて外付けモニタ16に画像を表示させるようになされている。
【0115】
撮影処理部202は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金(硬貨)に関する処理や、利用者の撮影等の、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う。
【0116】
編集処理部203は、撮影画像に対する落書き編集等の、写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う。
【0117】
印刷処理部204は、シール紙の印刷等の、写真シール作成ゲームの印刷工程に関する処理を行う。
【0118】
事後接客処理部205は、編集作業を終了し、印刷物の排出を待つ利用者を接客する、写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う。
【0119】
メンテナンス予約制御部206は、事前接客処理部201乃至事後接客処理部205との通信を行うことにより、写真シール作成ゲームの各工程の処理の状態(稼働中または非稼働)を取得するようになされている。
【0120】
例えば、写真シール作成装置1の撮影空間の所定の位置に、図示せぬメンテナンス予約ボタンが設けられている。いずれかの処理部でエラーなどが起こり、店舗の管理者などがメンテナンス予約ボタンを押下する。
【0121】
メンテナンス予約制御部206は、写真シール作成装置1のいずれかの作業空間に設けられたメンテナンス予約ボタンが押下された場合、事前接客処理部201乃至事後接客処理部205の状態を確認し、非稼働のものに対して、受付禁止状態に移行させる。
【0122】
なお、ここで、各処理部が利用者に対しての各処理を行っている状態が、稼働状態(稼働中)であり、稼働状態においては、例えば、対応するモニタには、各処理を行うのに必要なGUIなどが表示されている。また、各処理部が利用者に対する処理が終了しており、かつ、利用者の操作待ちの状態(受付可能状態)が、非稼働状態であり、非稼働状態においては、例えば、対応するモニタには、デモ画面などが表示されている。
【0123】
これに対して、各処理部の受付禁止状態とは、各処理部が利用者に対する処理が終了しており、かつ、利用者に、その処理部への次の操作を待機してもらっている状態であり、利用者の操作の受付を禁止している状態である。この受付禁止状態においては、対応するモニタには、例えば、対応する処理部が受付禁止状態であることを示すGUIであるメンテナンス待機画面が表示される。
【0124】
なお、対応するモニタとは、処理部が対応するモニタ、すなわち、処理部が対応する工程もしくは空間に設けられるモニタであり、処理部が表示制御するモニタである。
【0125】
具体的にいうと、本実施の例において、事前接客処理部201に対応するモニタは、外付けモニタ16であり、撮影処理部202に対応するモニタは、撮影空間に設けられているタッチパネルモニタ52である。また、編集処理部203に対応するモニタは、編集空間に設けられているタブレット内蔵モニタ62である。
【0126】
なお、図示されていないが、事前接客空間があり、事前接客空間にモニタが備えられている場合には、事前接客処理部201が事前接客空間に備えられるモニタの表示制御を行う。例えば、印刷待機空間があり、印刷待機空間にモニタが備えられている場合には、印刷処理部204が印刷待機空間に備えられるモニタの表示制御を行う。さらに、事後接客空間があり、事後接客空間にモニタが備えられている場合には、事後接客処理部205は、事後接客空間に備えられるモニタの表示制御を行う。
【0127】
そして、メンテナンス予約制御部206は、事前接客処理部201乃至事後接客処理部205がすべて非稼働になり、すべて受付禁止状態に遷移(移行)させたところで、写真シール作成装置1においてメンテナンス処理を開始させる。
【0128】
[写真シール装置の動作]
次に、図10のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール装置の処理について説明する。写真シール作成装置1の電源がオンされると、写真シール作成装置1は、写真シールを作成する処理である、写真シール作成ゲーム処理を開始する。
【0129】
ステップS10において、事前接客処理部201は、外付けモニタ16にデモ画面の画像を表示させる。ここでデモ画面は、例えば、写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を案内するコンテンツとされる。なお、コンテンツとは、ゲームの進行を示す静止画像のスライドショーデータやアニメーション画像、実写モデルによる動画像でもよい。さらに、デモ以外にも広告(例えば、自社・他社問わず、写真シール作成装置を利用するターゲット層に適した広告や、自社で発売している他の種類の写真シール作成装置の説明)でもよい。
【0130】
なお、デモ画面の画像として、例えば、写真シール用画像のサンプル画像であってもよいし、予め利用者により投稿された複数の画像であるプリアルバムや写真シール作成装置1の新機能を紹介する画像なども表示されるようにしてもよい。例えば、撮影作業の際にタッチパネルモニタ52に表示されるGUIの画面、編集作業の際にタブレット内蔵モニタ62に表示されるGUIの画面などを含む画像がデモ画面の画像とされるようにしてもよい。さらに、デモ画面の画像は、静止画だけでなく、動画も表示されるようにしてもよい。
【0131】
このようなデモ画面は、対応する処理が行われていないときの(非稼働状態の)、写真シール作成装置1が有するその他のモニタ、例えば、編集処理が行われていないときのタブレット内蔵モニタ62や、撮影処理が行われていないときのタッチパネルモニタ52などにも表示される。
【0132】
また、デモ画面の画像には、外で待機中の利用者に撮影空間32への入場を促す画像(例えば、「空いてるよ!」などの文字を含む画像)が含まれるようにしてもよい。
【0133】
ステップS11において、撮影処理部202は撮影処理を行う。撮影処理前、撮影処理部202の状態が非稼働のとき、タッチパネルモニタ52には、デモ画面が表示されている。この撮影処理においては、撮影処理部202により、利用者により写真シール作成ゲームを開始するための所定の料金の硬貨が硬貨投入返却口55に投入されたと判定された後、タッチパネルモニタ52には、撮影処理のための、利用者を被写体として撮影した画像に合成する前景や背景の組み合わせなどからなる合成用画像を選択させるGUIの画面が表示され、撮影空間にいる被写体としての利用者の画像が撮影される処理が行われる。なお、撮影処理後には、タッチパネルモニタ52の表示はデモ画面に戻る。
【0134】
また、撮影処理が行われている間は、外付けモニタ16に表示される画像が、ステップS10の処理で表示された画像とは異なるものとなるように、事前接客処理部201により画像の表示が制御される。例えば、外付けモニタ16には、それまでステップS10の処理で表示されたデモ画面の表示が継続されていたが、硬貨が投入されたと判定された場合、ゲームの進行状況、つまり、撮影処理の進行状況を表示する画面に切り替えられる。
【0135】
ステップS12において、事前接客処理部201は、再び外付けモニタ16にデモ画面の画像を表示させる。すなわち、撮影処理が行われている間は、外付けモニタ16に表示される画像が切り替えられていたので、撮影処理の終了に伴ってもとのデモ画面の画像に戻される。
【0136】
ステップS13において、編集処理部203は、編集処理を行う。これにより、ステップS11の撮影処理により得られた撮影画像に対する編集処理が行われる。編集処理前、編集処理部203の状態が非稼働状態のとき、編集用モニタ141には、撮影処理におけるタッチパネルモニタ52と同様に、デモ画面が表示されている。ステップS11における撮影処理が終了すると、編集用モニタ141には、編集処理のためのGUIの画面が表示され、撮影空間において撮影された画像を編集する処理が行われる。なお、編集処理後には、タッチパネルモニタ52と同様に、編集用モニタ141の表示はデモ画面に戻る。
【0137】
ステップS14において、印刷処理部204は、ステップS13の処理による編集作業結果の画像を取得すると、プリンタ114にシール紙ユニット161からシール紙162を取得させ、編集作業結果をシール紙162に印刷する。
【0138】
ステップS15において、事後接客処理部205は、編集空間のタブレット内蔵モニタ62を使用して、印刷終了待機中の利用者に対して、編集済み画像を投稿するミニゲーム、携帯端末に画像を転送する携帯送信サービス、アンケート入力等を事後接客サービスとして提供する事後接客処理を行う。なお、事後接客空間があり、その空間にモニタが備えられる写真シール作成装置の場合には、事後接客処理部205は、事後接客空間内に備えられるモニタを使用して、事後接客処理を行う。例えば、印刷待機空間にもモニタが備えられている場合には、そのモニタを事後接客処理に利用するようにしてもよい。
【0139】
そして事後接客処理が終了すると、事後接客処理部205は、編集空間33の利用者を印刷物受取領域34に移動させる移動案内処理を行い、ステップS16において、印刷済みのシール紙を写真シール排出口71より排出し、写真シール作成ゲーム処理を終了する。
【0140】
このようにして、写真シール作成装置1は、被写体としての利用者を撮影し、撮影により得られた撮影画像に対して編集処理を施してシール紙に印刷する。
【0141】
[メンテナンス予約実行処理の例]
次に、図11のフローチャートを参照して、メンテナンス予約制御部206が実行するメンテナンス予約実行処理について説明する。例えば、図10を参照して上述した写真シール作成ゲーム処理が実行中であり、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う各処理部である、事前接客処理部201、撮影処理部202、編集処理部203、印刷処理部204、および事後接客処理部205が、それぞれ、稼働状態、または非稼働状態となっている。
【0142】
このようなときに、例えば、印刷処理部204においてエラーが発生し、店舗の管理者などにより、例えば、撮影ユニット13の外付けモニタ16の下部に設けられる(図示せぬ)メンテナンス予約ボタンが押下される。
【0143】
ここで、エラーとは、復帰可能なエラーや、メンテナンスが必要なレベルの事態を意味する。復帰可能なエラーやメンテナンスの内容としては、図16を参照して後述もするが、例えば、プリンタ状態の動作確認やそのためのテスト印刷(インク切れになりかけている状態の確認)、店舗名変更、タッチパネルの動作確認やタッチペンの交換、投稿画像の削除、デモ画像の内容変更(広告内容の変更)、ランプの点灯消灯確認、スピーカの動作確認、通信の状態確認、非接触ICの動作確認、またはバージョンアップ操作などがある。
【0144】
ステップS31において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス予約が指示されるまで待機している。管理者により、メンテナンス予約ボタンが押下されると、ステップS31において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス予約が指示されたと判定し、処理は、ステップS32に進む。
【0145】
ステップS32において、メンテナンス予約制御部206は、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う各処理部の状態を確認し、未稼働状態の処理部(以下、未稼働処理部とも称する)があるか否かを判定する。
【0146】
ステップS32において、未稼働処理部があると判定された場合、処理は、ステップS33に進む。ステップS33において、メンテナンス予約制御部206は、未稼働処理部を、未稼働処理部が対応するモニタ(すなわち、未稼働処理部が対応する工程に備えられるモニタ)にメンテナンス待機画面が表示される受付禁止状態に遷移(移行)させる。
【0147】
例えば、撮影処理部203は、受付禁止状態において、タッチパネルモニタ52に、図12に示されるようなメンテナンス待機画面を表示させる。
【0148】
図12の例においては、メンテナンス待機画面211が示されている。図12のメンテナンス待機画面211には、「この機械は、メンテナンス作業中です。しばらくお待ちください。」と表示されている。
【0149】
ステップS32において、未稼働処理部がないと判定された場合、ステップS33の処理はスキップされ、処理は、ステップS34に進む。
【0150】
ステップS34において、メンテナンス予約制御部206は、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う全ての処理部が受付禁止状態であるか否かを判定する。ステップS34において、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う全ての処理部が受付禁止状態ではないと判定された場合、処理は、ステップS32に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0151】
メンテナンス予約制御部206は、ステップS34において、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う全ての処理部が受付禁止状態であると判定した場合、ステップS35において、メンテナンス処理を行う。このメンテナンス処理の詳細は、図14を参照して後述される。
【0152】
ステップS35の処理によりメンテナンスが終了すると、メンテナンス予約制御部206は、ステップS36において、上述したステップS33の処理によりメンテナンス待機画面が表示された各モニタに、デモ画面を表示させる。なお、このとき、全ての処理部は、未稼働状態となっている。
【0153】
以上のように、対応する工程の処理が終了した処理部から順に受付禁止状態にし、全ての処理部の状態が受付禁止状態になった場合、メンテナンス処理を行うようにしたので、長い時間むやみに待たずにメンテナンス作業ができる。
【0154】
例えば、デモ画面が表示されていれば、ゲームの受付が可能な状態であるため、ユーザが不意にゲームを開始してしまい、その結果、全てのゲームが終了するまで、その終了を確認しながら、メンテナンス作業を待たないといけなくなり、長時間を有する上に、面倒であった。
【0155】
そこで、上述したようなメンテナンス予約処理を実行することにより、確実にゲームを受け付けないようにすることができ、かつ、確実にメンテナンス画面に移行することができ、確認作業や待つ時間を省くことができる。つまり、管理者は、メンテナンス予約操作をした後、ゲームの稼働状況を見て、メンテナンスにとりかかれる時間を推定することができるので、その間、写真シール作成装置の処理を確認しなくてもよいため、別の作業をしていることが可能である。
【0156】
なお、図11の例においては、ステップS33において遷移された受付禁止状態において、対応するモニタに、対応する処理部が受付禁止状態であることを示すGUIであるメンテナンス待機画面が表示される例を説明したが、対応するモニタにメンテナンス待機画面が表示されなくてもよい。ただし、メンテナンス待機画面が表示された方が、利用者および管理者が、メンテナンスのための待機時間であることが一目で把握することができるという利点がある。
【0157】
また、図11の例においては、ステップS34で全ての処理部が受付禁止状態であると判定された場合、すぐにメンテナンス処理に入るように説明した。これに対して、例えば、図13に示されるメンテナンス確認画面を、モニタ(例えば、押下されたメンテナンス予約ボタンの場所に近いモニタなど)に表示させて、管理者の確認を得てから、メンテナンス処理を行うようにしてもよい。
【0158】
図13の例においては、メンテナンス確認画面221が示されている。メンテナンス確認画面221には、「メンテナンス起動画面へ進んでよろしいでしょうか?」の文言と、OKまたはNGを入力するためのOKボタン231およびNGボタン232が表示されている。
【0159】
ここで、管理者などによりOKボタン231が押下されて初めて、メンテナンス予約制御部206は、図11のステップS35においてメンテナンス処理を実行する。
【0160】
なお、上記説明においては、撮影ユニットに、メンテナンス予約ボタンを設ける例を説明したが、事前接客処理を行うための事前接客ユニットや事前接客空間が設けられている写真シール作成装置の場合には、メンテナンス予約ボタンは、例えば、事前接客ユニットや事前接客空間に設けられていてもよい。
【0161】
あるいは、印刷ユニットまたは事後接客ユニットに設けられたプリンタスイッチが、メンテナンス予約スイッチとして機能するように構成してもよいし、印刷ユニットまたは事後接客ユニットに、プリンタスイッチとは別に、メンテナンス予約スイッチを設けるようにしてもよい。プリンタスイッチが、メンテナンス予約スイッチとして機能する場合には、例えば、プリンタがオン状態のときに、スイッチを一度押下すると、メンテナンス予約であり、さらに押下するとプリンタがオフされるなどの構成がプリンタスイッチに設けられる。
【0162】
さらに、編集空間のどちらかにメンテナンス予約ボタンを設けるようにしてもよいし、両方に設けるようにしてもよい。すなわち、どのユニットに設けられてもよい。なお、編集ブースが2つの場合に限らず、1つ以上となる場合も、同様に設置することが可能である。
【0163】
次に、図14のフローチャートを参照して、図11のステップS35のメンテナンス処理について説明する。
【0164】
ステップS51において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス起動画面を表示させる。図11の例においては、撮影ユニット13の外付けモニタ16の下部に設けられる(図示せぬ)メンテナンス予約ボタンが押下されたので、メンテナンス予約制御部206は、例えば、事前接客処理部201を制御し、外付けモニタ16にメンテナンス起動画面を表示させる。なお、メンテナンス起動画面は、メンテナンスを行う必要がある場所付近のモニタに表示させてもよい。
【0165】
図15の例においては、メンテナンス起動画面241の例が示されている。図15のメンテナンス起動画面241の上部において、「メンテナンス起動画面」を示すタブが選択表示されており、管理者は、この画面がメンテナンス起動画面であることがわかる。メンテナンス起動画面241の左側には、「メンテナンス画面へ進む」と示されるボタン251と、「デモ画面へ戻る」と示されるボタン252が配置されている。
【0166】
管理者などによりボタン251が押下されることで、メンテナンス起動画面241に代わって、後述する図16のメンテナンス画面261が表示される。すなわち、ボタン251を押すことで、管理者は、メンテナンス処理を開始することができる。管理者などによりボタン252が押下されることで、メンテナンス起動画面241に代わって、デモ画面が表示される。すなわち、ボタン252を押すことで、管理者は、メンテナンスを中止することができる。
【0167】
また、右側には、メンテナンスに関する注意事項と、本装置における設定情報が示されている。例えば、注意事項として、「●メンテナンスを行う場合には必ず取り扱い説明書をお読み下さい。」と、「●メンテナンス作業は必ず取り扱い説明書を熟読し、作業知識、技術のある方が行ってください。」が示されている。
【0168】
さらに、設定情報として、本装置のソフトウェアのバーションが「Ver.01.xx.xx」であること、「ストロボ残回数」が「248076」であること、「シール残枚数」が「400」であること、「HDDVersion」が「RCxx(xxxx/xx/xx)」であること「筐体シリアル番号」が「TM0439999Z9」であることが示されている。また、「通信期限」が「2014/2/28」であること、「通信状態」が「FOMA接続」であること、「FOMA番号」が「090xxxxxxx」であること、「シール型式」が「AMUZ-SEL026」であること、「店名スタンプ」が「○○店」であることが示されている。
【0169】
図14のステップS52において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス処理を開始するか否かを判定する。例えば、管理者が、図15のメンテナンス起動画面241において、ボタン251を押下すると、メンテナンス予約制御部206は、ステップS52において、メンテナンス処理を開始すると判定し、処理は、ステップS53に進む。
【0170】
メンテナンス予約制御部206は、ステップS53において、事前接客処理部201を制御し、外付けモニタ16の表示を、メンテナンス画面に遷移させる。
【0171】
図16の例においては、メンテナンス画面261が示されている。メンテナンス画面261上部において、「メンテナンス画面」を示すタブが選択表示されており、管理者は、この画面がメンテナンス画面であることがわかる。メンテナンス画面261の左側には、上から、「設定画面」と示されるボタン271、「調整・動作確認画面」と示されるボタン272、「ゲーム情報画面」と示されるボタン273、「バージョンアップ」と示されるボタン274が配置されている。さらに、メンテナンス画面261の左側の下部には、「メンテナンス起動画面に戻る」と示されるボタン275が配置されている。
【0172】
ボタン271は、メンテナンスとして、制限時間などゲームの各機能の設定を行う「設定画面」を表示させるためのボタンである。ボタン271を押下して、この設定画面を経由することで、モニタの表示を、例えば、外付けモニタ16などのデモ画面に表示される内容を変更するためのデモ画面の設定画面、シール紙の外側に印刷される文字を設定する店名スタンプの設定画面、外付けモニタ16や編集用モニタ141に表示される投稿画像を削除したりするプリアルバムの設定画面に移行させ、各種設定を行うことができる。設定画面としては、他に、コイン設定、制限時間設定、日付設定などの各設定画面、使用する機能を設定する機能使用設定画面、通信機能設定画面、および落書きブース設定画面などがある。
【0173】
ボタン272は、メンテナンスとして、プリンタやカメラなど、写真シール作成装置1の各機器の調整や動作確認を行う「調整・動作確認画面」を表示させるためのボタンである。ボタン272に押下して、この調整・動作確認画面を経由することで、モニタの表示を、例えば、画面表示の確認画面、タッチパネルの動作確認画面、プリンタの状態(インク切れなど)を確認するためにテスト印刷などを行う画面、事前接客、撮影、印刷排出口のランプの点灯消灯などを確認するための画面、サーバとの通信状態を確認するための画面に移行させ、各種確認を行うことができる。確認画面としては、他に、カメラ撮影動作確認画面、ストロボ動作確認画面、および外部メモリ動作確認画面などがある。
【0174】
ボタン273は、インカム情報やエラー情報の表示を行う「ゲーム情報画面」を表示させるためのボタンである。ボタン274は、写真シール作成装置1のソフトウェアのバージョンアップを行う「バージョンアップ選択画面」を表示させるためのボタンである。ボタン275は、「メンテナンス起動画面」を再度表示させるためのボタンである。
【0175】
なお、事後接客機能を有する写真シール作成装置の場合には、ボタン271の押下で表示される「設定画面」から、事後接客用のモニタに表示される広告表示の設定画面にも移行し、その設定を行うことができる。同様に、事後接客機能を有する装置の場合には、ボタン272の押下で表示される「調整・動作確認画面」から、非接触通信機能(例えば、非接触ICリーダ/ライタ機能)の動作を確認するための画面にも移行し、その確認を行うことができる。すなわち、この場合の写真シール作成装置には、事後接客空間において非接触ICをかざすことにより、メールアドレス入力を簡素化するための、非接触通信を行うリーダ/ライタが備えられており、そのリーダ/ライタは、図8の制御部101などに接続されている。
【0176】
また、図示はされていないが、メンテナンス機能の1つとして、ログ送信用ボタンも設けるようにしてもよい。従来、ログの吸い上げは、サーバから所定のタイミングで実施されていたが、このログ送信用ボタンを設けることにより、写真シール作成装置1側から適切なタイミングで、ログを送信することができる。また、このログ送信用ボタンを設けることにより、例えば、店舗でトラブル発生時、すぐにログ送信を行うことができるため、稼働状況の必要なタイミングで、ログ内容を把握することができ、適切な対応を迅速にとることができ、トラブル症状の確認タイミングを短縮することが可能となる。
【0177】
なお、このログ送信用ボタンは、ログ送信を行うための画面内に設けられてもよいし、装置の所定の位置に設けられてもよい。
【0178】
図14に戻って、ステップS54において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス処理を行う。すなわち、メンテナンス予約制御部206は、図14のステップS53において表示されるメンテナンス画面を経由して、管理者の所望の画面を表示させ、管理者による操作に対応した設定や動作確認などのメンテナンス処理を実行する。
【0179】
管理者は、各種設定や動作確認を終えると、例えば、画面に表示されるGUIあるいは写真シール作成装置1に設けられる図示せぬ再起動スイッチを操作することで、写真シール作成装置1の再起動を指示する。
【0180】
これに対応して、メンテナンス予約制御部206は、ステップS55において、写真シール作成装置1を再起動させる。再起動後、図14のメンテナンス処理は終了し、図11のステップS35に戻る。
【0181】
一方、例えば、管理者が、図15のメンテナンス起動画面241において、ボタン252を押下すると、メンテナンス予約制御部206は、ステップS52において、メンテナンス処理を開始しない、すなわち、終了すると判定し、メンテナンス処理は終了される。
【0182】
なお、図14の例においては、メンテナンス処理の実行後に写真シール作成装置1を再起動させる例を説明したが、再起動の必要がないメンテナンスの場合には、ステップS55の処理はスキップされる。この場合、例えば、各種設定画面から、メンテナンス画面に戻り、メンテナンス起動画面に戻って、ボタン252を押下することにより、メンテナンス処理は終了し、図11のステップS36においてデモ画面が表示される。
【0183】
次に、図17乃至図20のタイミングチャートを参照して、写真シール作成装置1による効果について説明する。なお、上述した写真シール作成装置1は、事前接客機能としての事前接客処理部201と事後接客機能としての事後接客処理部205はあっても、実際には、それぞれの処理空間(ブース)がない装置である。これに対して、図17および図18は、事前接客機能専用の空間である事前接客空間を有している写真シール作成装置の場合の例を示しており、図19および図20は、事後接客機能専用の空間である事後接客空間を有している写真シール作成装置の場合の例を示している。
【0184】
事前接客空間を有している事前接客処理部201においては、コイン投入や撮影処理部202による撮影前までの処理(例えば、合成用画像の選択)や事後接客処理の一部(例えば、アドレス入力など)の処理などを利用者に行わせる処理が行われる。
【0185】
図17は、事前接客空間ありの場合の従来の写真シール作成装置のタイムチャート例を示す図である。図17の例の写真シール作成装置は、事前接客空間、撮影空間、第1編集空間、第2編集空間、および印刷待機空間を有している。なお、印刷待機空間は、印刷を待機することのできる空間であればよく、他の空間のように区切られた空間でなくてもよい。
【0186】
タイミングt00において、利用者Aは、事前接客空間に移動し、事前接客空間において、事前接客処理部201による事前接客処理が行われる事前接客処理時間が開始される。
【0187】
タイミングt01において、利用者Aの事前接客処理時間が終了し、利用者Aは、撮影空間に移動し、撮影空間において、撮影処理部202による撮影処理が行われる撮影処理時間が開始される。このとき、事前接客空間が空くので、利用者Bは、事前接客空間に移動し、事前接客空間において事前接客処理時間が開始される。
【0188】
タイミングt02において、利用者Aの撮影処理時間が終了し、利用者Aは、第1編集空間に移動し、第1編集空間において、編集処理部203による編集処理が行われる編集処理時間が開始される。また、タイミングt02において、利用者Bの事前接客処理時間が終了するとともに、撮影空間が空いたので、利用者Bは、撮影空間に移動し、撮影空間において撮影処理時間が開始される。このとき、事前接客空間が空くので、利用者Cは、事前接客空間に移動し、事前接客空間において事前接客処理時間が開始される。
【0189】
タイミングt03において、利用者Bの撮影処理時間が終了し、利用者Bは、第2編集空間に移動し、第2編集空間において、編集処理部203による編集処理時間が開始される。また、タイミングt03において、利用者Cの事前接客処理時間が終了するとともに、撮影空間が空いたので、利用者Cは、撮影空間に移動し、撮影空間において撮影処理時間が開始される。このとき、事前接客空間が空くが利用者がいないので、事前接客空間においては、事前接客処理部201によりデモ画面が表示される事前接客デモ時間が開始される。
【0190】
タイミングt04において、利用者Aの編集処理時間が終了し、利用者Aは、印刷待機空間に移動し、印刷処理部204による印刷処理が行われる印刷処理時間が開始される。また、タイミングt04において、利用者Cの撮影時間が終了するとともに、第1編集空間が空いたので、利用者Cは、第1編集空間に移動し、第1編集空間において編集処理時間が開始される。
【0191】
利用者Aの印刷処理時間のタイミングt05に、印刷待機空間においてエラーが発生し、例えば、管理者が事前接客空間に設置されたメンテナンスボタンを操作するが、従来、メンテナンス作業は、すべての処理が終了していないと開始できない。すなわち、タイミングt05のとき、矢印に示されるように、第1編集空間および第2編集空間においては編集処理中であり、メンテナンス作業を開始することが困難であった。
【0192】
一方、このとき、事前接客空間が空いているので、新たな利用者Dは、事前接客空間におけるゲームを利用可能であり、利用者Dは、事前接客空間に移動し、事前接客空間において事前接客処理時間が開始される。
【0193】
その後、タイミングt06において、印刷待機空間における印刷処理時間が終了(エラー終了)しても、第1および第2編集空間、並びに事前接客空間における処理は継続される。タイミングt07において、第2編集空間における編集処理時間が終了しても、第1編集空間および事前接客空間における処理は継続される。
【0194】
タイミングt08において、利用者Dの事前接客処理時間が終了するが、利用者Dは、撮影空間に移動し、撮影空間において撮影処理時間が開始されるため、タイミングt09において、第1編集空間における編集処理時間が終了しても、撮影空間における撮影処理は継続される。
【0195】
さらに、タイミングt10において、利用者Dの撮影処理時間が終了するが、利用者Dは、第2編集空間に移動し、第2編集空間において編集処理時間が開始されるため、結局、タイミングt11において、第2編集空間における編集処理時間が終了しないと、従来の写真シール作成装置の全処理が終了されなかった。
【0196】
以上のように、図17の例の場合、エラーが発生した時点でメンテナンススイッチを操作しても、メンテナンス作業は、すべての処理が終了していないと開始できないため、すべての処理が終了するのを待たなければならず、メンテナンス作業の効率がよくなかった。
【0197】
図18は、事前接客空間ありの場合の本技術を適用した写真シール作成装置のタイムチャート例を示す図である。なお、図18のt20乃至t24の処理は、図17のt00乃至t04の処理と基本的に同様の処理が行われるので、その説明は省略する。
【0198】
利用者Aの印刷処理時間のタイミングt25に、印刷待機空間においてエラーが発生し、例えば、管理者が事前接客空間に設置されたメンテナンス予約ボタンを操作する。これに対応して、メンテナンス予約制御部206は、状態が未稼働である事前接客処理部201を、事前接客空間に設置されるモニタ(例えば、外付けモニタ16)に待機画面(例えば、図12のメンテナンス待機画面211)が表示される受付禁止状態に遷移させる。なお、このとき、撮影処理部も未稼働であるので、メンテナンス予約制御部206は、状態が未稼働である撮影処理部202を、撮影空間に設置されるモニタ(例えば、タッチパネルモニタ52)に待機画面(例えば、図12のメンテナンス待機画面211)が表示される受付禁止状態に遷移させる。
【0199】
これにより、タイミングt25以降、事前接客空間および撮影空間において、待機画面表示時間が開始され、ゲームを行いたい利用者がいたとしても、操作が受け付けられないので、その利用者は、事前接客空間および撮影空間の各処理を利用することができない。
【0200】
また、タイミングt26において、印刷待機空間における印刷処理時間が終了(エラー終了)すると、メンテナンス予約制御部206は、状態が未稼働になった印刷処理部204を、印刷待機空間に設置されるモニタに待機画面(例えば、図12のメンテナンス待機画面211)が表示される受付禁止状態に遷移させる。これにより、タイミングt26以降、印刷待機空間において、待機画面表示時間が開始され、操作が受け付けられないので、利用者は、印刷待機空間の処理を利用することができない。
【0201】
タイミングt27において、第2編集空間における編集処理時間が終了すると、メンテナンス予約制御部206は、状態が未稼働になった編集処理部を、第2編集空間に設置されるモニタ(例えば、タブレット内蔵モニタ62)に待機画面(例えば、図12のメンテナンス待機画面211)が表示される受付禁止状態に遷移させる。これにより、タイミングt27以降、第2編集空間において、待機画面表示時間が開始され、操作が受け付けられないので、利用者は、第2編集空間の処理を利用することができない。
【0202】
タイミングt28において、第1編集空間における編集処理時間が終了すると、メンテナンス予約制御部206は、状態が未稼働になった編集処理部を、第1編集空間に設置されるモニタ(例えば、タブレット内蔵モニタ62)に待機画面(例えば、図12のメンテナンス待機画面211)が表示される受付禁止状態に遷移させる。これにより、タイミングt28以降、第1編集空間において、待機画面表示時間が開始され、操作が受け付けられないので、利用者は、第1編集空間の処理を利用することができない。
【0203】
そして、メンテナンス予約制御部206は、タイミングt29において、すべての処理部が受付禁止状態になったと判定してから、事前接客空間のモニタにメンテナンス用の画面(例えば、図15のメンテナンス起動画面241)を表示させ、メンテナンス処理を実行する。これにより、事前接客空間において、メンテナンス処理実施時間が開始され、その後、t30において、写真シール作成装置1は、再起動を行い、メンテナンス処理(事前接客空間におけるメンテナンス処理実施時間)を終了する。なお、この再起動により、撮影空間、印刷待機空間、第2編集空間、および第1編集空間における待機画面表示時間も終了される。
【0204】
以上のように、対応する工程の処理が終了した処理部から順に受付禁止状態にしておき、すべての処理部の状態が受付禁止状態になった場合に、メンテナンス処理を行うようにした。これにより、写真シール作成装置1の稼働の流れに沿いながら、図17のt05乃至t11のような長い時間、むやみに待たずにメンテナンス処理に移行することができ、メンテナンス作業を効率的に行うことが可能である。なお、この場合、利用者の写真シール作成ゲームは一旦中断させることになるが、ゲーム内の1つの処理を中断させることはない。
【0205】
図19は、事後接客空間ありの場合の従来の写真シール作成装置のタイムチャート例を示す図である。図19の例の写真シール作成装置は、撮影空間、第1編集空間、第2編集空間、および事後接客空間を有している。
【0206】
タイミングt40において、利用者Aは、撮影空間に移動し、撮影空間において、撮影処理部202による撮影処理が行われる撮影処理時間が開始される。タイミングt41において、利用者Aの撮影処理時間が終了し、利用者Aは、第1編集空間に移動し、第1編集空間において、編集処理部203による編集処理が行われる編集処理時間が開始される。このとき、撮影空間が空いたので、利用者Bは、撮影空間に移動し、撮影空間において撮影処理時間が開始される。
【0207】
タイミングt42において、利用者Bの撮影処理時間が終了し、利用者Bは、第2編集空間に移動し、第2編集空間において、編集処理部203による編集処理時間が開始される。このとき、撮影空間が空いたので、利用者Cは、撮影空間に移動し、撮影空間において撮影処理時間が開始される。
【0208】
タイミングt43において、利用者Aの編集処理時間が終了し、利用者Aは、事後接客空間に移動し、事後接客処理部205による事後接客および印刷処理部204による印刷処理が行われる事後接客、印刷処理時間が開始される。また、タイミングt43において、利用者Cの撮影時間が終了するとともに、第1編集空間が空いたので、利用者Cは、第1編集空間に移動し、第1編集空間において編集処理時間が開始される。このとき、撮影空間が空くが利用者がいないので、撮影空間においては、撮影処理部202によりデモ画面が表示される撮影デモ時間が開始される。
【0209】
利用者Aの事後接客、印刷処理時間のタイミングt44に、事後接客空間においてエラーが発生し、例えば、管理者が撮影空間に設置されたメンテナンスボタンを操作するが、従来のメンテナンス作業は、すべての処理が終了していないと開始できない。すなわち、タイミングt44のとき、矢印に示されるように、第1編集空間および第2編集空間においては編集処理中であり、メンテナンス作業を開始することが困難であった。
【0210】
一方、このとき、撮影空間が空いているので、新たな利用者Dは、撮影空間におけるゲームを利用可能であり、利用者Dは、撮影空間に移動し、撮影空間において撮影処理時間が開始される。
【0211】
その後、タイミングt45において、事後接客空間における事後接客、印刷処理時間が終了(エラー終了)し、第2編集空間における編集処理時間が終了しても、第1編集空間および撮影空間における処理は継続される。
【0212】
タイミングt46において、利用者Dの撮影処理時間が終了するが、利用者Dは、第2編集空間に移動し、第2編集空間において編集処理時間が開始されるため、タイミングt47において、第1編集空間における編集処理時間が終了しても、第2編集空間における編集処理は継続される。したがって、図19の例の場合も、結局、タイミングt47において、第2編集空間における編集処理時間が終了しないと、従来の写真シール作成装置の全処理が終了されなかった。
【0213】
以上のように、図19の例の場合も、エラーが発生した時点でメンテナンススイッチを操作しても、メンテナンス作業は、すべての処理が終了していないと開始できないため、すべての処理が終了するのを待たなければならず、メンテナンス作業の効率がよくなかった。
【0214】
図20は、事後接客空間ありの場合の本技術を適用した写真シール作成装置のタイムチャート例を示す図である。なお、図20のt50乃至t53の処理は、図18のt40乃至t43の処理と基本的に同様の処理が行われるので、その説明は省略する。
【0215】
利用者Aの事後接客、印刷処理時間のタイミングt54に、印刷待機空間においてエラーが発生し、例えば、管理者が事前接客空間に設置されたメンテナンス予約ボタンを操作する。これに対応して、メンテナンス予約制御部206は、状態が未稼働である撮影処理部202を、撮影空間に設置されるモニタ(例えば、タッチパネルモニタ52)に待機画面(例えば、図12のメンテナンス待機画面211)が表示される受付禁止状態に遷移させる。
【0216】
これにより、タイミングt54以降、撮影空間において、待機画面表示時間が開始され、新たな利用者がいたとしても、操作が受け付けられないので、その利用者は、撮影空間の処理を利用することができない。
【0217】
また、タイミングt55において、事後接客空間における事後接客、印刷処理時間が終了(エラー終了)すると、メンテナンス予約制御部206は、状態が未稼働になった事後接客処理部205および印刷処理部204を、事後接客空間に設置されるモニタに待機画面(例えば、図12のメンテナンス待機画面211)が表示される受付禁止状態に遷移させる。これにより、タイミングt55以降、事後接客空間において、待機画面表示時間が開始され、利用者は、事後接客空間の処理を利用することができない。
【0218】
このとき、第2編集空間における編集処理時間も終了するので、メンテナンス予約制御部206は、状態が未稼働になった編集処理部を、第2編集空間に設置されるモニタ(例えば、タブレット内蔵モニタ62)に待機画面(例えば、図12のメンテナンス待機画面211)が表示される受付禁止状態に遷移させる。これにより、タイミングt55以降、第2編集空間において、待機画面表示時間が開始され、利用者は、第2編集空間の処理を利用することができない。
【0219】
さらに、タイミングt56において、第1編集空間における編集処理時間が終了すると、メンテナンス予約制御部206は、状態が未稼働になった編集処理部を、第1編集空間に設置されるモニタ(例えば、タブレット内蔵モニタ62)に待機画面(例えば、図12のメンテナンス待機画面211)が表示される受付禁止状態に遷移させる。これにより、タイミングt56以降、第1編集空間において、待機画面表示時間が開始され、利用者は、第1編集空間の処理を利用することができない。
【0220】
そして、タイミングt57において、メンテナンス予約制御部206は、すべての処理部が受付禁止状態になったと判定してから、撮影空間のモニタ(例えば、タッチパネルモニタ52)にメンテナンス用の画面(例えば、図15のメンテナンス起動画面241)を表示させ、メンテナンス処理を実行する。これにより、撮影空間において、メンテナンス処理実施時間が開始され、その後、t58において、写真シール作成装置1は、再起動を行い、メンテナンス処理(撮影空間におけるメンテナンス処理実施時間)を終了する。なお、この再起動により、事後接客空間、第2編集空間、および第1編集空間における待機画面表示時間も終了される。
【0221】
以上のように、対応する工程の処理が終了した処理部から順に受付禁止状態にしておき、すべての処理部の状態が受付禁止状態になった場合に、メンテナンス処理を行うようにした。これにより、写真シール作成装置1の稼働の流れに沿いながら、図19のt44乃至t47のような長い時間、むやみに待たずにメンテナンス処理に移行することができ、メンテナンス作業を効率的に行うことが可能である。なお、この場合、利用者の写真シール作成ゲームは一旦中断させることになるが、ゲーム内の1つの処理を中断させることはない。
【0222】
[メンテナンス予約実行処理の例]
次に、図21のフローチャートを参照して、メンテナンス予約制御部206が実行するメンテナンス予約実行処理の他の例について説明する。なお、図21のステップS71乃至S73、およびS78乃至S80は、図11のステップS31乃至S33、およびS34乃至S36と基本的に同様の処理を行うので、その詳細な説明は省略する。
【0223】
ステップS71において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス予約が指示されるまで待機している。管理者により、メンテナンス予約ボタンが押下されると、ステップS71において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス予約が指示されたと判定し、処理は、ステップS72に進む。
【0224】
ステップS72において、メンテナンス予約制御部206は、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う各処理部の状態を確認し、未稼働状態の処理部があるか否かを判定する。
【0225】
ステップS72において、未稼働処理部があると判定された場合、処理は、ステップS73に進む。ステップS73において、メンテナンス予約制御部206は、未稼働処理部を、未稼働処理部が対応するモニタ(すなわち、未稼働処理部が対応する工程に備えられるモニタ)にメンテナンス待機画面(例えば、図12のメンテナンス待機画面211)が表示される受付禁止状態に遷移(移行)させる。
【0226】
ステップS72において、未稼働処理部がないと判定された場合、ステップS73の処理はスキップされ、処理は、ステップS74に進む。
【0227】
ステップS74において、メンテナンス予約制御部206は、再度ボタンが押されたか否かを判定する。すなわち、ステップS74においては、未稼働処理部が対応するモニタにすでにメンテナンス待機画面が表示された後に、再度、メンテナンス予約ボタンが押下されたか否かが判定される。ステップS74において、再度ボタンが押されたと判定された場合、ステップS75において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス待機画面が表示されているモニタ(すなわち、未稼働処理部が対応するモニタ)に、図22に示されるような起動内容選択画面を表示させる。
【0228】
図22の例においては、起動内容選択画面281が示されている。図22の起動内容選択画面281には、「次の起動内容を選択して下さい。」が表示され、その下に、チェックボックス291−1と「1.デモ画面を表示する」の文字、チェックボックス291−2と「2.メンテナンス起動画面に進む」の文字、チェックボックス291−3と「3.メンテナンス待機画面に戻る」の文字が表示され、さらに、その下に、OKボタン292が表示されている。
【0229】
管理者は、チェックボックス291−1乃至291−3のうち、いずれかのチェックボックスを選択し、OKボタン292を押下することで、モニタに表示させる画面を選ぶことができる。
【0230】
すなわち、チェックボックス291−1の選択後に、OKボタン292が押下されると、起動内容選択画面281が表示されているモニタには、デモ画面が表示される。この場合、メンテナンス処理はスキップされ、受付禁止状態の処理部は、未稼働状態に遷移される。
【0231】
チェックボックス291−2の選択後に、OKボタン292が押下されると、起動内容選択画面281が表示されているモニタには、メンテナンス起動画面が表示される。ただし、稼働状態の処理部があった場合、その処理は強制的に中断されて、その処理部は、受付禁止状態に移行される。このとき、その対応するモニタには、メンテナンス待機画面が表示される。
【0232】
チェックボックス291−3の選択後に、OKボタン292が押下されると、起動内容選択画面281が表示されているモニタには、メンテナンス待機画面が表示される。この場合、起動内容選択画面281が表示されているモニタが対応する処理部は、受付禁止状態に移行される。
【0233】
図21に戻って、メンテナンス予約制御部206は、ステップS76において、デモ画面に戻るか否かを判定する。メンテナンス予約制御部206は、ステップS76において、デモ画面に戻らないと判定した場合、ステップS77において、メンテナンス起動画面に進むか否かを判定する。
【0234】
ステップS77において、メンテナンス起動画面に進まないと判定された場合、ステップS78に進む。また、ステップS74において、再度ボタンが押されていないと判定された場合、ステップS78に進む。
【0235】
メンテナンス予約制御部206は、ステップS78において、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う全ての処理部が受付禁止状態であるか否かを判定する。ステップS78において、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う全ての処理部が受付禁止状態ではないと判定された場合、処理は、ステップS72に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0236】
メンテナンス予約制御部206は、ステップS78において、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う全ての処理部が受付禁止状態であると判定した場合、ステップS79に進む。また、ステップS77において、メンテナンス起動画面に進むと判定された場合には、ステップS79に進む。その際、稼働状態の処理部があるとすると、その処理は強制的に中断され、処理部は、受付禁止状態に移行されて、その対応するモニタには、メンテナンス待機画面を表示される。
【0237】
メンテナンス予約制御部206は、ステップS79において、メンテナンス処理を行う。このメンテナンス処理は、図14を参照して上述されたメンテナンス処理と同様の処理であるので、その説明は省略される。
【0238】
ステップS79の処理によりメンテナンスが終了すると、処理は、ステップS80に進む。ステップS76において、デモ画面に戻ると判定された場合も、処理は、ステップS80に進む。
【0239】
メンテナンス予約制御部206は、ステップS80において、上述したステップS73の処理によりメンテナンス待機画面が表示された各モニタに、デモ画面を表示させる。なお、このとき、受付禁止状態の処理部は、未稼働状態になっているか、または未稼働状態に移行(遷移)される。
【0240】
以上のように、メンテナンス待機画面が表示されているときに、再度メンテナンス予約ボタンが押下された場合、画面表示を選択可能な画面(例えば、図22の起動内容選択画面281)を表示させて、次に表示される画面を選択することができる。
【0241】
これにより、メンテナンス予約を、途中で解除させることができる。また、例えば、緊急のメンテナンス時などに、写真シール作成ゲームを強制的に中断させて、メンテナンス処理を行うことができる。
【0242】
なお、図21の例においては、1つのモニタにでもメンテナンス待機画面が表示されている場合に、再度メンテナンス予約ボタンが押下されたら、画面表示を選択可能な画面を表示させる例を説明したが、例えば、全てのモニタにメンテナンス待機画面が表示された後に、再度メンテナンス予約ボタンが押下されたら、画面表示を選択可能な画面を表示させるようにすることも可能である。
【0243】
[メンテナンス予約実行処理の例]
次に、図23のフローチャートを参照して、メンテナンス予約制御部206が実行するメンテナンス予約実行処理のさらに他の例について説明する。なお、図23のステップS101乃至S103、S108、およびS109は、図11のステップS31乃至S33、S35、およびS36と基本的に同様の処理を行うので、その詳細な説明は省略する。
【0244】
ステップS101において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス予約が指示されるまで待機している。管理者により、メンテナンス予約ボタンが押下されると、ステップS101において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス予約が指示されたと判定し、処理は、ステップS102に進む。
【0245】
ステップS102において、メンテナンス予約制御部206は、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う各処理部の状態を確認し、未稼働状態の処理部があるか否かを判定する。
【0246】
ステップS102において、未稼働処理部があると判定された場合、処理は、ステップS103に進む。ステップS103において、メンテナンス予約制御部206は、未稼働処理部を、未稼働処理部が対応するモニタ(すなわち、未稼働処理部が対応する工程に備えられるモニタ)にメンテナンス待機画面が表示される受付禁止状態に遷移(移行)させる。
【0247】
ステップS102において、未稼働処理部がないと判定された場合、ステップS103の処理はスキップされ、処理は、ステップS104に進む。
【0248】
メンテナンス予約制御部206は、ステップS104において、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う全ての処理部が受付禁止状態であるか否かを判定する。ステップS104において、写真シール作成ゲームの各工程を行う全ての処理部が受付禁止状態ではないと判定された場合、処理は、ステップS105に進む。
【0249】
ステップS105において、メンテナンス予約制御部206は、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う各処理部のうち、稼働中の処理部(以下、稼働処理部とも称する)が対応するモニタに、利用者(または管理者)に対して、ゲームを続行するか、ゲームを止めてメンテナンス待機するかを選択させる選択画面を表示させる。なお、選択画面において、ゲーム続行の代わりに、デモ画面に戻るという選択肢を表示させてもよい。
【0250】
ステップS106において、メンテナンス予約制御部206は、ゲームを続行するか否かを判定する。例えば、ステップS105で表示された選択画面において、利用者がゲームを止めてメンテナンス待機する選択に対応する操作を行うと、その操作に対応して、メンテナンス予約制御部206は、ステップS106において、ゲームを続行しないと判定して、ステップS107に進む。
【0251】
ステップS107において、メンテナンス予約制御部206は、稼働処理部が対応するモニタにメンテナンス待機画面が表示される受付禁止状態に、稼働処理部を遷移させる。すなわち、稼働処理部が対応するモニタの表示は、選択画面から、メンテナンス待機画面に遷移され、稼働処理部は、稼働中であったゲーム(処理)を中断し、利用者の操作の受付を禁止する受付禁止状態となる。ステップS107の後、処理は、ステップS102に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0252】
例えば、ステップS105で表示された選択画面において、利用者がゲームを続行する選択に対応する操作を行うと、その操作に対応して、メンテナンス予約制御部206は、ステップS106において、ゲームを続行すると判定し、処理は、ステップS102に戻り、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、この場合、稼働中のゲームは、そのゲームが終了するまで続行される。
【0253】
一方、ステップS104において、写真シール作成ゲームの各工程を行う全ての処理部が受付禁止状態であると判定された場合、処理は、ステップS108に進む。
【0254】
メンテナンス予約制御部206は、ステップS108において、メンテナンス処理を行う。このメンテナンス処理は、図14を参照して上述されたメンテナンス処理と同様の処理であるので、その説明は省略される。
【0255】
ステップS108の処理によりメンテナンスが終了すると、処理は、ステップS109に進む。メンテナンス予約制御部206は、ステップS109において、上述したステップS103またはS107の処理によりメンテナンス待機画面が表示された各モニタに、デモ画面を表示させる。なお、このとき、全ての処理部は、未稼働状態となっている。
【0256】
以上のように、写真シール作成ゲームの各工程の処理中(ゲーム中)に、メンテナンス予約ボタンが押下された場合には、ゲームを続行するか否かを選択させる画面を表示させることが可能である。
【0257】
これにより、重要なメンテナンスや緊急のメンテナンスがあった場合など、メンテナンスを優先させることが可能になる。
【0258】
なお、上記説明においては、メンテナンス予約スイッチやメンテナンス予約ボタンを、写真シール作成装置1の各ユニットや各空間に設けるとして説明してきたが、ハード的なスイッチ(ボタン)以外に、例えば、ゲーム中の画面やデモ画面の所定位置(例えば、画面右上部)に隠しボタン機能を設定するようにしてもよい。
【0259】
また、図8のブロック図には示されていないが、写真シール作成装置1に、例えば、リーダ/ライタが構成される場合は、携帯端末に備えられる非接触IC機能を、そのリーダ/ライタに近づけて、メンテナンス予約機能を起動する、すなわち、メンテナンス予約実行処理を開始するようにしてもよい。この場合、携帯端末に備えられる機能ではなく、専用のカード(非接触ICカード)を利用するようにしてもよい。
【0260】
[メンテナンス予約実行処理の例]
次に、図24のフローチャートを参照して、メンテナンス予約制御部206が実行するメンテナンス予約実行処理のさらに他の例について説明する。なお、図24のステップS121、S126、およびS127は、図11のステップS31、S35、およびS36と基本的に同様の処理を行うので、その詳細な説明は省略する。
【0261】
ステップS121において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス予約が指示されるまで待機している。管理者により、メンテナンス予約ボタンが押下されると、ステップS121において、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンス予約が指示されたと判定し、処理は、ステップS122に進む。
【0262】
ステップS122において、メンテナンス予約制御部206は、例えば、メンテナンス予約ボタン設置場所の近くのデモ画面が表示されているモニタに、予約の時点で管理者にメンテナンス内容を予め選択させるためのメンテナンス選択画面を表示させる。
【0263】
メンテナンス選択画面には、管理者により選択可能に、例えば、プリンタでの用紙切れ、プリンタのテスト印刷、事前接客、撮影、印刷排出口のランプの点灯消灯、ソフトウェアのバージョンアップ、などのメンテナンス内容が表示される。なお、メンテナンス内容は、これらに限らない。
【0264】
管理者は、メンテナンスを行いたい内容を選択する。メンテナンス予約制御部206は、ステップS123において、選択された内容に基づいて、写真シール作成ゲームの各工程を行う各処理部のうち、ゲームを継続可能な継続処理部を決定する。すなわち、選択されたメンテナンス内容から、そのメンテナンスの重要度や、メンテナンスの場所がわかるので、メンテナンス予約制御部206は、メンテナンスの重要度またはメンテナンスの場所に応じて、ゲームを中断させたり、終了を待たなくても、所望のメンテナンスが可能である、ゲームを継続可能な継続処理部を決定する。
【0265】
具体的には、メンテナンス予約制御部206は、プリンタでの用紙切れであれば、メンテナンス場所が印刷待機空間であることがわかり、撮影処理部および編集処理部でのゲームが継続可能であると決定する。そして、メンテナンス予約制御部206は、次のステップS124以降の処理を、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う各処理部のうち、決定した継続処理部以外の処理部について実行することになる。
【0266】
ステップS124において、メンテナンス予約制御部206は、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う各処理部の状態を確認し、未稼働状態の処理部があるか否かを判定する。
【0267】
ステップS124において、未稼働処理部があると判定された場合、処理は、ステップS125に進む。ステップS125において、メンテナンス予約制御部206は、決定した継続処理部以外の未稼働処理部を、未稼働処理部が対応するモニタ(すなわち、未稼働処理部が対応する工程に備えられるモニタ)にメンテナンス待機画面が表示される受付禁止状態に遷移(移行)させる。
【0268】
ステップS124において、未稼働処理部がないと判定された場合、ステップS125の処理はスキップされ、処理は、ステップS126に進む。
【0269】
ステップS126において、メンテナンス予約制御部206は、写真シール作成ゲームの各工程の処理を行う全ての処理部のうち、決定した継続処理部以外の処理部が受付禁止状態であるか否かを判定する。ステップS126において、決定した継続処理部以外の処理部が受付禁止状態ではないと判定された場合、処理は、ステップS124に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0270】
メンテナンス予約制御部206は、ステップS126において、決定した継続処理部以外の処理部が受付禁止状態であると判定した場合、ステップS127に進む。
【0271】
メンテナンス予約制御部206は、ステップS127において、メンテナンス処理を行う。このメンテナンス処理は、図14を参照して上述されたメンテナンス処理と同様の処理であるので、その説明は省略される。なお、このメンテナンス処理における再起動は、継続処理部以外の処理部に対してなされる。
【0272】
ステップS127の処理によりメンテナンスが終了すると、処理は、ステップS128に進む。メンテナンス予約制御部206は、ステップS128において、上述したステップS125の処理によりメンテナンス待機画面が表示された各モニタに、デモ画面を表示させる。なお、このとき、継続処理部以外の全ての処理部は、未稼働状態となっている。
【0273】
以上のように、メンテナンス内容を予約時に選択し、選択されたメンテナンス内容の重要度や場所などに応じて、ゲームを継続可能な処理部を決定して、決定された処理部以外について、メンテナンスを行うようにした。これにより、重要度の低い、あるいは、場所が限定されたメンテナンスを簡単に行うことができる。
【0274】
なお、上記説明においては、メンテナンス予約を指示して、対応する工程の処理が終了したと判定してから、メンテナンス処理を行う例を説明したが、例えば、メンテナンス予約時に、メンテナンスの時間設定を行い、その設定時間になったところで、対応する工程の処理が終了した処理部から順に受付禁止状態にしておき、すべての処理部の状態が受付禁止状態になったと判定してから、メンテナンス処理を行うようにしてもよい。
【0275】
従来、24時間営業店などにおいては、稼働状況がないときを待ってから、すなわち、上述した図17および図19のように長い時間待ってから、メンテナンス作業を行わなければならなかった。また、24時間営業ではない店においても、コインの回収などの定期的な作業を、定期的なタイミングや閉店時間間際に実施したくても、稼働状況を見て待つ必要があり、手間と時間がかかった。
【0276】
そのため、このように時間設定をすることにより、定期的な作業を容易に行うことができる。さらに、閉店時間間際をメンテナンスの時間に設定しておくことにより、閉店時間を越えてゲームが行われることを抑制することができる。
【0277】
なお、上述した編集処理時間として、通常の編集時間+編集延長時間が設定されている写真シール作成装置もある。このような写真シール作成装置において、メンテナンス待機画面が表示された場合、編集空間で編集処理を実施している利用者による編集処理が、編集延長時間に入っているときには、編集停止、もしくはカウントダウン表示の上、編集停止を実施するようにしてもよい。
【0278】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0279】
1 写真シール作成装置, 16 外付けモニタ, 32 撮影空間, 33A 第1編集空間, 33B 第2編集空間, 52 タッチパネルモニタ, 62 タブレット内蔵モニタ, 101 制御部, 112 撮影部, 113 編集部, 201 事前接客処理部, 202 撮影処理部, 203 編集処理部, 204 印刷処理部, 205 事後接客処理部, 206 メンテナンス予約制御部, 211 メンテナンス待機画面, 221 メンテナンス確認画面, 241 メンテナンス起動画面, 261 メンテナンス画面, 281 起動内容選択画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
写真シール作成の各工程の処理を行う複数の処理手段と、
ユーザによる所定の操作に応じて、前記複数の処理手段のうち、対応する工程の処理が終了した処理手段を、前記処理手段への操作の受付を禁止する受付禁止状態に移行させ、前記複数の処理手段のうちの少なくとも1以上が前記受付禁止状態になった場合、メンテナンス処理を開始させるメンテナンス予約手段と
を備える写真シール作成装置。
【請求項2】
前記メンテナンス予約手段は、前記複数の処理手段が全て前記受付禁止状態になった場合、メンテナンス処理を開始させる
請求項1に記載の写真シール作成装置。
【請求項3】
前記メンテナンス予約手段は、ユーザによる所定の操作に応じて、前記複数の処理手段のうち、対応する工程の処理が終了した処理手段が前記受付禁止状態であることを示すGUIを、前記対応する工程に設けられる表示手段に表示させる
請求項1または2に記載の写真シール作成装置。
【請求項4】
前記写真シール作成の各工程は、少なくとも、利用者を撮影する撮影工程、撮影された撮影画像に編集を施す編集工程、および撮影された撮影画像または編集が施された編集画像を印刷する印刷工程からなり、
前記複数の処理手段は、前記撮影工程の処理を行う撮影処理手段と、
前記編集工程の処理を行う編集処理手段と、
前記印刷工程の処理を行う印刷処理手段と
により構成される請求項1乃至3のいずれかに記載の写真シール作成装置。
【請求項5】
前記写真シール作成の各工程は、撮影または編集前に事前接客を行う事前接客工程を含み、
前記複数の処理手段は、前記事前接客工程の処理を行う事前接客処理手段も
含むように構成される請求項4に記載の写真シール作成装置。
【請求項6】
前記写真シール作成の各工程は、印刷中に、事後接客を行う事後接客工程を含み、
前記複数の処理手段は、前記事後接客工程の処理を行う事後接客処理手段も
含むように構成される請求項4に記載の写真シール作成装置。
【請求項7】
写真シール作成の各工程の処理を行う複数の処理手段を備える写真シール作成装置の写真シール作成方法において、
前記写真シール作成装置による、
ユーザによる所定の操作に応じて、前記複数の処理手段のうち、対応する工程の処理が終了した処理手段を、前記処理手段への操作の受付を禁止する受付禁止状態に移行させ、前記複数の処理手段のうちの少なくとも1以上が前記受付禁止状態になった場合、メンテナンス処理を開始させるメンテナンス予約ステップ
を含む写真シール作成方法。
【請求項8】
写真シール作成の各工程の処理を行う複数の処理手段と、
ユーザによる所定の操作に応じて、前記複数の処理手段のうち、対応する工程の処理が終了した処理手段を、前記処理手段への操作の受付を禁止する受付禁止状態に移行させ、前記複数の処理手段のうちの少なくとも1以上が前記受付禁止状態になった場合、メンテナンス処理を開始させるメンテナンス予約手段と
して、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2013−50569(P2013−50569A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188281(P2011−188281)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】