説明

写真シール作成装置および方法、並びに、プログラム

【課題】短時間でサンプル画像と同様の画像を撮影することができ、利用者の満足度を向上させることができるようにする。
【解決手段】非合成モデルサンプル画像では、合成済モデルサンプル画像に写っている6人のモデルのうち2人が撮影台61に座っていることが分かる。また、合成済モデルサンプル画像に写っている6人のモデルのうち2人が撮影台61の後に立っていることが分かる。さらに、合成済モデルサンプル画像に写っている6人のモデルのうち2人が撮影台61の前で膝をついて座っていることが分かる。このように、撮影空間の奥行方向に複数人並んで撮影する場合、合成済モデルサンプル画像を見ただけでは、各人の立ち位置が分かりづらいので、非合成モデルサンプル画像が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真シール作成装置および方法、並びに、プログラムに関し、特に、短時間でサンプル画像と同様の画像を撮影することができ、利用者の満足度を向上させることができるようにする写真シール作成装置および方法、並びに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の写真シール機は娯楽(遊戯)施設等に設置され、被写体を撮影し、撮影で得た画像に編集(落書き)を行い、編集が施された編集画像もしくは撮影画像を写真シール紙に印刷するという流れで一連のゲームが終了する。
【0003】
一連の流れにおいて、それぞれ制限時間が設けられているため、撮影や編集に費やせる時間が決まっている。
【0004】
そのような時間制限の中で、利用者は撮影を行う時に、合成用背景画像(例えば、被写体の後ろの背景色やオーラや柄・模様の画像)や合成用前景画像(例えば、被写体の前にフレーム画像)を被写体の動画像に合成させて撮影を行い、さらに、編集を行う時に、タッチペンを用いてスタンプやペンといった落書きアイテムを利用して、スタンプ画像や任意の文字・図形を、合成された撮影画像に付加してゲームを楽しんでいる。
【0005】
従来の写真シール機では、ポーズをとるための撮影台を設置し、大人数で様々なポーズで撮影を行うことができるようにしたものもある。そのような写真シール機では、撮影時に選択される合成用画像にモデルサンプル画像を合成させ、ライブビューモニタに合成用画像と被写体動画像を合成して表示するようになされている(例えば、特許文献1参照)。また、利用者自身が撮影画像をイメージしやすいように合成用画像(合成用背景画像や合成用前景画像)にモデルがポーズをとっているサンプル画像を表示させ、そのサンプル画像を見ながら、利用者が容易に同じようなポーズをとりながら撮影ができるような写真シール機も開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2007−214911号公報
【特許文献2】特開2008−52121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の写真シール機は、モデルが起用されたサンプル画像が表示されるだけであり、撮影結果は容易に想像することができても、撮影するときに実際の立ち位置がわかりづらく、サンプル画像を見ながら、立ち位置をあわせなければならなかった。そのため、サンプル画像と同様の撮影画像を得ることが難しかった。
【0008】
例えば、大人数で撮影する場合、立ち位置がわかりづらく、また、撮影台などを利用した場合、立ち位置や撮影台の利用方法がわかりづらく、利用者は満足する撮影画像を得ることができなかった。
【0009】
また、サンプル画像の中には、写真シール機の撮影空間の奥行方向を効率的に利用して、複数のモデルのそれぞれがカメラに向かって前後に並んで撮影されたものもある。このようなサンプル画像の場合、合成用背景画像や合成用前景画像と合成された後では、個々のモデルの遠近感がわかりづらい。そのため、少人数で撮影する場合でも、例えば、利用者のそれぞれが奥行方向の前後に立って撮影するときは、モデルがポーズをとっているサンプル画像などから、それぞれの利用者が自分の立ち位置を判断することは難しい。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、短時間でサンプル画像と同様の画像を撮影することができ、利用者の満足度を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面の写真シール作成装置は、写真シール作成ゲームとして、利用者に、撮影空間内での前記利用者を被写体とする撮影作業、および前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して編集情報を入力する編集入力作業を行わせ、さらに、得られた編集済みの前記利用者の画像を所定のシールシートに印刷し、印刷された前記シールシートを排出し、写真シールとして前記利用者に提供する写真シール作成装置において、前記撮影空間内の前記利用者の被写体としての撮影を制御する撮影制御手段と、予め生成された複数の合成用画像、前記複数の合成用画像のそれぞれに対応して前記撮影空間内の所定の位置にモデルを配置して予め撮影したモデルサンプル画像、および前記合成用画像のそれぞれと前記モデルサンプル画像のそれぞれとを合成して得られた合成済モデルサンプル画像を記憶する記憶手段と、前記撮影制御手段により前記利用者を被写体とした撮影を行うとき、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記合成済モデルサンプル画像を、前記記憶手段から読み出して表示するとともに、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記モデルサンプル画像を前記記憶手段から読み出して表示する表示制御手段とを備える写真シール作成装置である。
【0012】
本発明の一側面の写真シール作成装置においては、前記撮影空間内の前記利用者の被写体としての撮影が制御され、予め生成された複数の合成用画像、前記複数の合成用画像のそれぞれに対応して前記撮影空間内の所定の位置にモデルを配置して予め撮影したモデルサンプル画像、および前記合成用画像のそれぞれと前記モデルサンプル画像のそれぞれとを合成して得られた合成済モデルサンプル画像が記憶され、前記利用者を被写体とした撮影を行うとき、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記合成済モデルサンプル画像が読み出されて表示されるとともに、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記モデルサンプル画像が読み出されて表示される。
【0013】
利用者が選択した合成用画像に対応するモデルサンプル画像は、所定の背景や前景等から成る合成用画像が合成されていないモデルの画像である非合成モデルサンプル画像である。
【0014】
従って、利用者は、モデルサンプル画像を参照して撮影空間内での自分の立ち位置を決めて、短時間で合成済モデルサンプル画像と同様の画像を撮影することができる。
【0015】
前記撮影制御手段は、前記撮影空間内の複数人の利用者の被写体としての撮影を制御し、前記モデルサンプル画像は、前記撮影空間内の利用者の人数と同じ人数のモデルを撮影した画像とされるようにすることができる。
【0016】
従って、利用者はより正確な立ち位置を把握することができる。
【0017】
前記撮影制御手段は、前記撮影空間内の奥行方向に、複数人の前記利用者が並んだ画像を撮影するようにすることができる。
【0018】
前記撮影制御手段により前記利用者を被写体とした撮影を行うとき、前記利用者が前記表示制御手段により表示された複数の前記合成済モデルサンプル画像の中から所定の合成済モデルサンプル画像を選択し、前記選択された合成済モデルサンプル画像に対応する合成用画像を前記利用者が選択した合成用画像とするようにすることができる。
【0019】
本発明の一側面は、写真シール作成ゲームとして、利用者に、撮影空間内での前記利用者を被写体とする撮影作業、および前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して編集情報を入力する編集入力作業を行わせ、さらに、得られた編集済みの前記利用者の画像を所定のシールシートに印刷し、印刷された前記シールシートを排出し、写真シールとして前記利用者に提供する写真シール作成装置の写真シール作成方法において、予め生成された複数の合成用画像、前記複数の合成用画像のそれぞれに対応して前記撮影空間内の所定の位置にモデルを配置して予め撮影したモデルサンプル画像、および前記合成用画像のそれぞれと前記モデルサンプル画像のそれぞれとを合成して得られた合成済モデルサンプル画像を記憶する記憶手段から、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記合成済モデルサンプル画像を読み出して表示し、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記モデルサンプル画像を前記記憶手段から読み出して表示し、前記撮影空間内の前記利用者を被写体として撮影するステップを含む写真シール作成方法である。
【0020】
本発明の写真シール作成装置の写真シール作成方法においては、予め生成された複数の合成用画像、前記複数の合成用画像のそれぞれに対応して前記撮影空間内の所定の位置にモデルを配置して予め撮影したモデルサンプル画像、および前記合成用画像のそれぞれと前記モデルサンプル画像のそれぞれとを合成して得られた合成済モデルサンプル画像を記憶する記憶手段から、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記合成済モデルサンプル画像が読み出されて表示され、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記モデルサンプル画像が前記記憶手段から読み出されて表示され、前記撮影空間内の前記利用者が被写体として撮影される。
【0021】
本発明の一側面は、写真シール作成ゲームとして、利用者に、撮影空間内での前記利用者を被写体とする撮影作業、および前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して編集情報を入力する編集入力作業を行わせ、さらに、得られた編集済みの前記利用者の画像を所定のシールシートに印刷し、印刷された前記シールシートを排出し、写真シールとして前記利用者に提供する処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、コンピュータを、前記撮影空間内の前記利用者の被写体としての撮影を制御する撮影制御手段と、予め生成された複数の合成用画像、前記複数の合成用画像のそれぞれに対応して前記撮影空間内の所定の位置にモデルを配置して予め撮影したモデルサンプル画像、および前記合成用画像のそれぞれと前記モデルサンプル画像のそれぞれとを合成して得られた合成済モデルサンプル画像を記憶する記憶手段と、前記撮影制御手段により前記利用者を被写体とした撮影を行うとき、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記合成済モデルサンプル画像を、前記記憶手段から読み出して表示するとともに、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記モデルサンプル画像を前記記憶手段から読み出して表示する表示制御手段とを備える写真シール作成装置として機能させるプログラムである。
【0022】
本発明のプログラムは、所定の記録媒体に記録されて、例えば、ドライブにより読み出され、画像印刷装置にインストールされる。記録媒体は、フロッピ(登録商標)ディスクなどよりなる磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk)などよりなる光ディスク、MD(Mini Disk)(登録商標)などよりなる光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディアにより構成される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、短時間でサンプル画像と同様の画像を撮影することができ、利用者の満足度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の例を示す図である。
【0026】
図1に示される写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業の娯楽性を高め、それらの作業を利用者にゲーム(遊戯サービス)として行わせ、その撮影・編集した画像を、写真シールやデータとして利用者に提供する代わりに、利用者より代金を受け取るゲーム装置(遊戯サービス提供装置)である。
【0027】
この写真シール作成装置1が実行する写真シール作成ゲームにおいて、利用者は、ゲームの代金を投入し、写真シール作成装置1に設けられたカメラを用いて自分自身等を撮影し、その撮影画像に対して、前景や背景を合成したり、ペン入力やスタンプ入力等の編集機能(落書き編集機能)を用いたりして編集を行い、撮影画像を彩り豊かなものにデザインする。そしてゲーム終了後、利用者は、編集した画像が印刷された写真シール等を成果物として受け取る。
【0028】
このような写真シール作成装置1は、通常、ゲームセンタや観光地の店舗等に設置される。つまり、写真シール作成装置1は、例えば、メーカや販売会社などから、それらの店舗の経営者に販売される。写真シール作成装置1を購入した経営者は、店舗(例えばゲームセンタ)にその写真シール作成装置1を設置して管理・運営し、女子高校生や女子中学生に代表される一般の利用者に写真シール作成ゲームを有料でプレイさせ、その代金により収益を上げる。
【0029】
従って、店舗の経営者にとって、写真シール作成装置1の収益率の高さが重要となる。つまり、写真シール作成装置1は、単位時間当たりの収益率が高い方が望ましい。また、通常の店舗の場合、床面積や構造等の制限により、写真シール作成装置1の設置場所が限定される。従って、写真シール作成装置1は、単位床面積当たりの収益率が高い方が望ましい。
【0030】
収益率を向上させる方法として、例えば、写真シール作成ゲームの回転率を向上させる方法がある。つまり、所定の時間内にプレイされるゲーム数を増加させることにより単位時間当たりの収益率を増加させる。ただし、写真シール作成ゲームをプレイする利用者がいなければ収益率は向上しない。つまり、写真シール作成装置1の写真シール作成ゲームに対する、利用者の期待度や満足度を向上させることも重要となる。
【0031】
写真シール作成装置1の筐体10は、図1に示されるように、撮影ユニット12、編集ユニット13、および天井ストロボユニット14の4つのユニットに大きく分けられる。
【0032】
撮影ユニット12は、被写体(利用者等)を撮影する機能を有しており、後述する内部の空間(撮影空間)において、写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を映像や音声で案内(説明)するコンテンツ(デモンストレーション)を出力したり、写真シール作成ゲームの受け付けを行ったり、被写体の撮影を行ったりする。この撮影ユニット12は、大きく、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの2つに分けられる。
【0033】
前方ユニット12Aは、撮影空間の前方とされる側のユニットであり、撮影空間の利用者の撮影に関する処理を行ったり、利用者の写真シール作成ゲームに関する操作を受け付けたりする。後方ユニット12Bは、撮影空間の後方とされる側のユニットであり、前方ユニット12Aによる利用者の撮影の際に、背景の役割を果たすユニットである。この後方ユニット12Bの内部は、空洞(空間)となっており、利用者が撮影を行う際に利用される空間(後述する撮影空間)の一部として構成される。この後方ユニット12Bの内部には、例えば、背景に利用する可動式のカーテン(背景カーテン)や利用者がポーズをとるために利用するステージ等が設けられるようにしてもよい。
【0034】
編集ユニット13は、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための構成(例えば、モニタ、タッチパネル、およびタッチペン等)が設けられている。後述するように1つの筺体からなる編集ユニット13は、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができるように、2つの面のそれぞれに、落書き編集等を行うための構成が設けられている。後述するように、写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを並列的に実行することができる。換言すれば、複数組の利用者が、同時に写真シール作成装置1において写真シール作成ゲームをプレイすることができる。編集ユニット13は、写真シール作成ゲームのプレイの回転率を向上させるために、それらの複数組の利用者が同時に落書き編集を行うことができるように、2つの落書き編集等を行うための構成が設けられている。
【0035】
撮影空間の上方に設けられる天井ストロボユニット14は、撮影タイミングに合わせて撮影空間内に向けてストロボ発光するフラッシュを内蔵する。この天井ストロボユニット14は、さらに内部に蛍光灯が配置されており、撮影空間(撮影空間内の利用者)を常時照らす照明としても機能する。撮影空間は、後述するように簡易的に閉鎖的な空間として構成される。従って、外部より光が進入しづらく、暗くなりがちで利用者の操作性が低下する恐れがある。天井ストロボユニット14が、その照明により撮影空間を明るく照らすことにより、そのような恐れを回避し、操作性を向上させることができる。なお、このような照明は前方ユニット12Aや後方ユニット12Bにも設けられている。
【0036】
図2は、図1の写真シール作成装置1を、編集ユニット13側より見た斜視図である。
【0037】
編集ユニット13は、図2に示されるように、前方ユニット12Aの、後方ユニット12B側の面(つまり、撮影空間側の面)と反対の面に隣接して設置される。編集ユニット13の、前方ユニット12Aに直交する2つの側面には、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための第1編集インタフェース13Aと第2編集インタフェース13Bがそれぞれ設けられている。つまり、編集ユニット13には、写真シール作成ゲームを行う複数組の利用者が、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bを結ぶ方向と直交する向きに、編集ユニット13を挟んで対向する状態で編集作業を行うことができるように、2つの編集インタフェースが設けられている。
【0038】
また、編集ユニット13の、撮影ユニット12と対向する面には、写真シール作成ゲームがプレイされることにより作成された写真シールが排出されて利用者に提供される写真シール排出部13Cが設けられている。
【0039】
図3は、写真シール作成装置1の設置例を示す外観図である。
【0040】
写真シール作成装置1がゲームセンタ等に設置される場合、例えば図3に示されるように、撮影ユニット12や編集ユニット13を囲むように、カーテン21が設けられ、撮影作業が行われる撮影空間や編集作業が行われる編集空間等を簡易的に囲み、各空間の閉鎖性を向上させている。つまり、カーテン21は、例えば、各空間内の環境を安定させることにより、高画質な撮影や編集画面の見易さ等に寄与したり、各空間外からの視界を遮断し、利用者が外部からの視線を意識せずに撮影や編集等の作業を行うことができるようにしたりする。
【0041】
このカーテン21の外側の面は、通常、広告を掲載する場所として利用され、設置場所において注目度が高まるように、写真シール作成装置1の機種名や機種のイメージを表す派手なデザイン画が印刷される。
【0042】
以上のような写真シール作成装置1は、利用者の各組に対して、それぞれ、写真シール作成ゲームをプレイさせる。写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを同時に進行させることができる。つまり、写真シール作成装置1は、同時に複数の組に写真シール作成ゲームをプレイさせることができる。このとき、各組の利用者は、写真シール作成装置1に設けられた複数の空間を移動しながら、写真シール作成ゲームの各作業を行い、ゲームを進行させる。
【0043】
写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う空間の移動について、図4を参照して説明する。
【0044】
図4は、ゲーム中に利用者が、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。図4に示されるように、利用者は、外部(利用者Aまたは利用者A')から、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの間を通って撮影空間32に入場し、代金を投入することで写真シール作成ゲームを開始する(利用者B)。もし、前の組の利用者が撮影空間32を使用中であれば(撮影作業中であれば)、利用者は、ユニット外部において待機する(利用者Aまたは利用者A’)。
【0045】
代金を投入し、写真シール作成ゲームが開始されると、利用者(利用者B)は、前方ユニット12Aの正面に設けられたカメラやモニタを利用して自分自身等を撮影させる撮影作業を行う。
【0046】
撮影作業が終了すると利用者は、得られた撮影画像の中から編集・印刷を行うためにキープするキープ画像(編集用画像)を選択し、表示された移動案内に従って、撮影作業を行った撮影空間32から、図中点線で示される、編集作業を行う編集空間へと移動する。
【0047】
編集ユニット13の、前方ユニット12Aから見て左側(第1編集インタフェース13Aの前方)に第1編集空間33Aが設けられ、右側(第2編集インタフェース13Bの前方)に第2編集空間33Bが設けられている。つまり、この写真シール作成装置1においては、第1編集空間33Aの利用者(利用者C)および第2編集空間33Bの利用者(利用者C’)の、合計2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。撮影空間32の利用者(利用者B)は、この2つの編集空間のうち、空いている方に案内される。第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動すると、利用者は、落書き編集作業を行う。以下において、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとを区別する必要の無い場合、編集空間33と称する。
【0048】
その後、落書き編集が終了すると、利用者(利用者Cまたは利用者C’)は、次に、印刷設定作業を行い、分割数等の設定を行う。そして印刷が開始されると、利用者は、その印刷中にミニゲームを行う。そして、印刷が終了すると、写真シール排出部13C前方の印刷物受取領域34に移動し(利用者D)、排出された写真シール紙を受け取り、写真シール作成ゲームを終了する。
【0049】
なお、以上のような写真シール作成ゲームにおいて、撮影空間32の利用者Bが、第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動すると、撮影空間32が未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者に撮影空間32を使用させることができる。さらに、第1編集空間33Aの利用者C、または、第2編集空間33Bの利用者C’が、印刷物受取領域34に移動すると、その編集空間(第1編集空間33Aまたは第2編集空間33B)が未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者にその編集空間を使用させることができる。
【0050】
つまり、写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームの、単位時間辺りおよび単位床面積辺りの回転率を向上させるために、撮影空間32、第1編集空間33A、第2編集空間33B、および印刷物受取領域34を用いて、同時に、複数組の利用者に、写真シール作成ゲームをプレイさせることができる(多重接客を行うことができる)。
【0051】
なお、このような筐体10の構成は任意であり、上述した以外の構成であってもよい。同様に、多重接客の仕方も任意である。
【0052】
次に、各ユニットの構成について説明する。
【0053】
図5は、前方ユニット12Aの構成例を示す図である。図5に示される正面12A−1は、撮影空間32内に面する側面であり、撮影作業を行う利用者にとって前方に位置する面である。つまり、利用者は、撮影空間32において、基本的にこの正面12A−1に向かって(前方ユニット12A側を向いて)撮影作業を行う。
【0054】
この正面12A−1には、撮影空間32内の被写体を撮影するカメラ51と、カメラ51により光電変換されてリアルタイムに(即時)取り込まれている取り込み画像に背景や前景等の画像を合成した合成画像(動画像)を表示するライブビューモニタ52が設けられている。また、正面12A−1には、この他にも、撮影空間32内を照明したり、カメラ51による撮影タイミングに合わせてフラッシュ光を発光したりする照明装置53−1乃至照明装置53−8、各種GUI画像を表示するとともに、画面上に重畳されたタッチパネルにより利用者の指示を受け付けるタッチパネルモニタ54、写真シール作成ゲームの代金が投入される硬貨投入返却口55、撮影作業に関する案内や効果音等の音声が出力されるスピーカ56−1およびスピーカ56−2、並びに、撮影作業中の利用者の手荷物等を置くための荷物置場57−1および荷物置場57−2が設けられている。
【0055】
カメラ51は、CCD(Charge Coupled Device)を利用した撮像素子等により構成され、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の利用者を撮像し、画像(動画)を取り込む(取り込み画像)。カメラ51により取り込まれた取り込み画像は、一部が切り出されたり、背景等の画像が合成されたりして、ライブビューモニタ52に即時的に表示される。また、所定のタイミングでカメラ51により取り込まれた取り込み画像は、そのタイミングのフレーム画像が抜き出され、撮影画像(静止画)として保存される。なお、カメラ51として、CCDの代わりに、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを用いたカメラを使用してもよい。もちろん、これら以外にも、利用者を撮影し、デジタル画像データを得られるものであればどのようなカメラを用いるようにしてもよい。また、カメラ51の個数も設置位置も任意である。
【0056】
ライブビューモニタ52は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、撮影作業中の利用者が撮影結果を確認しながら立ち位置や姿勢を決定することができるようにするために、カメラ51により取り込まれた取り込み画像を即時的に(リアルタイムに)表示する。このとき、ライブビューモニタ52に表示される取り込み画像は、例えば、背景や前景等、例えば利用者に指定された合成用画像が合成されたり、その合成用画像の画サイズ等に合わせて一部分が切り出されたり(トリミングされたり)する。
【0057】
照明装置53−1乃至照明装置53−8は、複数の、蛍光灯およびストロボ発光可能な照明装置により構成され、撮影空間32を明るくし、操作性や安全性を確保するために、撮影空間32を常時照らすとともに、撮影画像の画質を向上させるために、撮影タイミングに対応するタイミングでストロボ発光し、撮影される利用者に光を多様な角度から照射する。以下において、照明装置53−1乃至照明装置53−8を互いに区別して説明する必要の無い場合、照明装置53と称する。
【0058】
タッチパネルモニタ54は、CRTディスプレイやLCD等により構成され、さらにその表示画面上に無色透明のタッチパネル(例えば、感圧式や電磁誘導式等)が重畳されており、例えば利用者の指等でタップすることによりその位置情報(利用者の指示)を入力することができる。タッチパネルモニタ54は、表示画面に、撮影の設定、案内、確認等、撮影作業に関する情報を提示したり、操作入力を受け付けたりするためのGUI画像を表示し、タッチパネルによってそのGUI画像に対する利用者の操作入力を受け付ける。
【0059】
硬貨投入返却口55は、利用者が写真シール作成ゲームの代金として硬貨を投入したり、投入に失敗した硬貨やお釣りの硬貨を返却したりするユーザインターフェースである。
【0060】
スピーカ56−1およびスピーカ56−2は、写真シール作成ゲームの撮影作業における案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音声を適宜出力する。スピーカ56−1およびスピーカ56−2を互いに区別する必要のない場合、スピーカ56と称する。なお、スピーカ56の数および設置位置は任意である。
【0061】
荷物置場57−1および荷物置場57−2は、撮影時における利用者の手荷物の置き場所として利用する棚である。荷物置場57−1および荷物置場57−2は、いずれも、撮影の邪魔にならないような位置、すなわち、利用者が撮影ポーズをとるのに邪魔にならず、かつ、照明装置53の光の照射の妨げとならない位置に設けられている。利用者は、手荷物を荷物置場57−1または荷物置場57−2に置くことにより、より快適に撮影作業を行うことができる。以下において、荷物置場57−1および荷物置場57−2を互いに区別して説明する必要のない場合、単に荷物置場57と称する。
【0062】
もちろん、前方ユニット12Aの正面12A−1に上述した以外の構成が設けられるようにしてもよい。
【0063】
図6は、後方ユニット12Bの構成例を示す斜視図である。図6に示されるように、後方ユニット12Bは、その内部の一部が撮影空間32として利用できるようになされており、利用者が撮影時に姿勢を維持したり、合成に利用したりするための撮影台61が設けられている。利用者は、例えば撮影台61に座ったりもたれたりする等、撮影台61を用いて撮影姿勢を作ったり、撮影台61の後ろに立つ等して、前景との合成に利用したりする。
【0064】
なお、撮影台61は、図6に示される形状ものに限られるものではなく、また、後方ユニット12Bにおいて撮影台61が配置される位置も任意である。すなわち、撮影台61は、例えば、その上に利用者が立ったり座ったりもたれたりするものであれば、どのような形状であっても、どこに設置されるものであってもよい。また、必要に応じて撮影台61を取り外したり、追加したりできるようにしてもよい。
【0065】
後方ユニット12Bの内側(撮影空間32)の面や撮影台61の色は、任意であるが、合成処理がし易いように、例えばクロマキー等の単色で構成されるのが望ましい。なお、後方ユニット12Bには、背景カーテン等、上述した以外の、撮影に利用するアイテムを設けるようにしてもよい。
【0066】
次に、編集ユニット13の構成について説明する。
【0067】
図7は、編集ユニット13の、撮影ユニット12側から見て左側面の構成例(第1編集空間33A側の構成例)を示す図である。
【0068】
図7において、この左側面には、第1編集インタフェース13Aが設けられている。その上側には、カーテン21等で仕切られているために暗くなる第1編集空間33Aを照らすための照明装置71が設けられている。この照明装置71により、写真シール作成装置1は、利用者の編集作業効率の低下を抑制し、第1編集空間33Aの安全性を向上させることができる。なお、図7の例においては、編集ユニット13の、照明装置71が設けられている第1編集インタフェース13Aの上側の部分が、第2編集空間33B側に貫通しており、照明装置71は、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとで共有している。つまり、照明装置71は、第1編集空間33Aだけでなく第2編集空間33Bも照明し、安全性を向上させる。なお、この照明装置71の設置位置および個数は任意である。
【0069】
第1編集インタフェース13Aには、タブレット内蔵モニタ72、2本のタッチペン(タッチペン73−1およびタッチペン73−2)、スピーカ74、並びに追加硬貨投入返却口75が設けられている。
【0070】
タブレット内蔵モニタ72は、撮影空間における撮影作業により得られた撮影画像を編集するためのGUI画像(落書き編集入力画面)等を表示する。タブレット内蔵モニタ72は、タッチペン73−1またはタッチペン73−2により位置情報を入力可能なタブレットと、CRTディスプレイやLCD等の、画像を表示可能な表示デバイスを有するモニタである。ここでは、タブレットは、例えば、感圧式や電磁誘導式の入力デバイスであり、無色透明で、表示デバイスの表示画面上に重畳されて設置されている。つまり、タブレット内蔵モニタ72は、表示デバイスにより単にGUI画像等を表示するだけでなく、タブレットにより利用者からの入力操作を受け付ける。
【0071】
このタブレット内蔵モニタ72の左右近傍には、画面上に重畳されたタッチパネルに対応するタッチペン73−1とタッチペン73−2が左右1本ずつ所定のアタッチメントにより編集ユニット13に着脱可能に固定されており、同じ組の2人の利用者が、これらのタッチペンをそれぞれ使用することにより、同時に、写真シール作成作業の編集作業の工程をプレイすることができるようになされている。なお、以下において、タッチペン73−1およびタッチペン73−2を互いに区別して説明する必要のない場合、単にタッチペン73と称する。
【0072】
そのタッチペン73は、編集ユニット13内部に設置されたシステムと有線(または無線)により電気的にも接続されている。タッチペン73は、タブレット内蔵モニタ72の表示デバイスの表示画面上に重畳された無色透明のタブレットと連携して動作する。利用者がこれらのタッチペン73を操作して、そのタブレットをタップする(タッチペン73とタブレット内蔵モニタ72の表示画面を接触(または近接)させる)ことにより、これらは、利用者からの入力を受け付ける入力手段として動作する。なお、タッチペン73の設置本数、設置位置、及び形状等は任意である。
【0073】
スピーカ74は、例えば、案内音声、効果音、またはBGM等、写真シール作成ゲームの編集作業に関する音声を出力する。なお、スピーカ74の設置個数、デザイン、および形状等は任意である。
【0074】
追加硬貨投入返却口75は、写真シールの印刷枚数を増やす(追加印刷を行う)場合に必要な追加代金を受け付ける。追加硬貨投入返却口75は、利用者による硬貨投入を受け付け、投入に失敗した硬貨やお釣りを返却する。
【0075】
なお、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成も、図7に示される第1編集空間33A側の構成と基本的に同様であるので、その説明については省略する。以下においては、図7に示される構成例は、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成を説明する場合にも適用する。
【0076】
図8は、編集ユニット13の、写真シール排出部13Cの構成例を示す図である。
【0077】
図8に示されるように、写真シール排出部13Cには、第1編集空間33Aにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第1編集インタフェース13Aが操作されて作成された写真シール)と、第2編集空間33Bにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第2編集インタフェース13Bが操作されて作成された写真シール)が排出される写真シール排出口81が設けられている。
【0078】
編集ユニット13内部には、プリンタが設置されており、第1編集インタフェース13Aまたは第2編集インタフェース13Bが操作されて作成された印刷用の画像は、そのプリンタによりシール紙に印刷される。プリンタより出力された写真シールは、この写真シール排出口81より排出される。
【0079】
次に、写真シール作成装置1の内部の構成例について説明する。
【0080】
図9は、写真シール作成装置1の機能的構成例を示すブロック図である。以上において説明した部分と同じ部分については、同じ番号を付し、その説明を省略する。
【0081】
図9において、写真シール作成装置1は、写真シール作成装置1の装置全体を制御する処理部である制御装置101を有しており、その制御装置101には、記憶部102、通信部103、ドライブ104、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107、撮影部112、編集部113、およびプリンタ114がそれぞれ所定のバスを介して接続される。
【0082】
記憶部102は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、制御装置101より供給される各種設定情報をその記憶媒体に保存したり、記憶媒体に記録されている設定情報を読み出して制御装置101に供給したりする。なお、この記憶媒体は、情報を記憶することができるものであれば、どのようなものであってもよい。
【0083】
通信部103は、例えばインターネットや公衆電話回線網等のような外部のネットワーク(図示せず)を介して、または単に通信ケーブル(図示せず)を介して、他の通信装置(図示せず)に接続され、制御装置101に制御されて、例えば利用者の携帯型電話機、利用者のパーソナルコンピュータ、または中央管理サーバ等のような他の通信装置と通信を行う。例えば、通信部103は、制御装置101より供給される送信情報を他の通信装置に送信したり、他の通信装置より供給された受信情報を制御装置101に供給したりする。
【0084】
ドライブ104には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、および、半導体メモリなどのリムーバブルメディア105が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて制御装置101に供給され、記憶部102等に保存されたり、インストールされたりする。
【0085】
ROM106には、制御装置101において実行されるプログラムやデータが予め格納されており、ROM106は、制御装置101の指示に基づいて、プログラムやデータを制御装置101に供給する。RAM107は、制御装置101が処理するデータやプログラムを一時的に保持する。
【0086】
撮影部112は、撮影ユニット12に関するブロックであり、硬貨処理部121、照明装置53、カメラ51、ライブビューモニタ52、タッチパネルモニタ54、およびスピーカ56を有する。
【0087】
硬貨処理部121は、硬貨投入返却口55に硬貨が投入されると、利用者による写真シール作成装置1の代金支払いに関する処理(ゲーム参加受け付け等)を行い、課金処理や案内等をタッチパネルモニタ54及びスピーカ56に行わせたりする。
【0088】
照明装置53は、制御装置101より供給される照明制御信号に基づいて、点灯したり、消灯したり、またはフラッシュ光を発光したりする。
【0089】
カメラ51は、制御装置101に制御されて、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の被写体(利用者)の撮影を行う。例えば、カメラ51は、制御装置101の制御の下、動画像を取りこみ、その取得した動画像データを制御装置101に供給する。また、カメラ51は、制御装置101より供給されるシャッタ制御信号に基づいて、メカシャッタを動作させる等して、撮影画像(静止画像)の取得を行い、取得した静止画像データを制御装置101に供給する。
【0090】
ライブビューモニタ52は、制御装置101より供給されるRGB信号に基づく画像(取り込み画像を用いて作成された合成画像)を表示する。
【0091】
タッチパネルモニタ54は、制御装置101より供給されるRGB信号に基づく画像(撮影画像を用いて作成された合成画像やGUI画像)を表示する。また、タッチパネルモニタ54は、利用者が自分自身の指等を用いてタッチパネルにタップ(接触または近接)すると、その位置情報を制御装置101に供給する。制御装置101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
【0092】
スピーカ56は、例えば、制御装置101より供給される音声信号の音声(撮影作業の案内音声、効果音、またはBGM等)を出力する。
【0093】
編集部113は、編集ユニット13に関するブロックであり、第1編集インタフェース13Aに対応する第1編集部113Aと、第2編集インタフェース13Bに対応する第2編集部113Bよりなる。第1編集部113Aおよび第2編集部113Bは互いに同一の構成を有しており、以下の説明は、第1編集部113Aについて行うが、第2編集部113Bにも適用可能である。
【0094】
第1編集部113Aは、タブレット内蔵モニタ72、タッチペン73−1およびタッチペン73−2、スピーカ74、並びに、硬貨処理部143を有する。
【0095】
タブレット内蔵モニタ72は、制御装置101より供給されるRGB信号に対応する、編集入力用のGUIや撮像画像等、編集に関する画像を、編集用モニタ141に表示する。また、利用者が、タッチペン73−1またはタッチペン73−2を操作してタブレット142にタップ(接触または近接)すると、タブレット内蔵モニタ72は、その位置情報を制御装置101に供給する。制御装置101は、その位置情報を解析し、表示画像(GUI等)に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
【0096】
スピーカ74は、制御装置101より供給される音声信号の音声(編集作業の案内音声、効果音、またはBGM等の、写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する音声)を出力する。
【0097】
硬貨処理部143は、写真シールの印刷枚数を増やす追加印刷用の代金(追加代金)の徴収に関する処理を行う。
【0098】
プリンタ114は、編集部113により行われた編集作業結果をシール紙に印刷する。プリンタ114は、制御装置101より編集作業結果を取得すると、シール紙ユニット161よりシール紙162を取得し、編集作業結果をシール紙162に印刷する。プリンタ114は、印刷を終了すると、その印刷されたシール紙162を写真シールとして写真シール排出口81より排出し、利用者に提供する。
【0099】
次に、制御装置101について説明する。図10は、制御装置101が有する機能ブロックの構成例を示す図である。図10に示されるように、制御装置101は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金(硬貨)に関する処理や、利用者の撮影等の、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部202、撮影画像に対する落書き編集等の、写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部203、シール紙の印刷等の、写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部204、および、編集作業を終了した利用者を接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部205を有する。
【0100】
つまり、制御装置101は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理を行う。
【0101】
図11は、図10の撮影処理部202のさらに詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【0102】
撮影処理部202は、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程における処理を行う処理部であり、例えば、代金投入を受け付けたり、利用者を撮影したり、GUI画像を表示したりする。
【0103】
撮影処理部202は、そのような撮影の機能として、進行制御部211、撮影人数確認部212、撮影準備処理部213、合成用画像表示制御部214、ライブビュー表示制御部215、撮影画像取得部216、および編集対象画像処理部217を有する。
【0104】
進行制御部211は、撮影作業の工程の進行を制御する。撮影人数確認部212は、利用者の人数(例えば撮影人数)の確認(判定)に関する処理を行う。
【0105】
撮影準備処理部213は、明るさ調整や写り調整等、撮影の準備に関する処理を行う。
【0106】
合成用画像表示制御部214は、図17と図18を参照して後述するように、合成用画像の表示を制御する。
【0107】
ライブビュー表示制御部215は、ライブビューモニタ52の表示に関する処理を行う。
【0108】
撮影画像取得部216は、撮影、特に、撮影画像の取得に関する処理を行う。
【0109】
編集対象画像処理部217は、撮影画像の合成等の、編集対象画像の生成に関する処理を行う。
【0110】
次に、ゲームの流れについて説明する。最初に、写真シール作成ゲームの全体の流れについて、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0111】
写真シール作成ゲームを行う利用者は、最初に、前方ユニット12Aの硬貨投入返却口55にコインを投入し、ゲームの代金を支払う。硬貨処理部121は、このような硬貨投入を受け付け、起動信号を制御装置101に供給する。制御装置101の撮影処理部202は、ステップS1において、その起動信号に基づいて、代金が投入されたか否かを判定し、正当な代金が投入されたと判定するまで待機し、投入されたと判定した場合、処理をステップS2に進める。
【0112】
ステップS2において、撮影処理部202は、撮影部112の各部を制御し、撮影空間32内において行われる、写真シール作成ゲームの撮影作業に関する処理である撮影処理を実行する。撮影作業が終了すると、撮影処理部202は、ステップS3において、撮影作業を終えた撮影空間32内の利用者に対して、画像や音声によって第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bへの移動を促す移動案内処理を行う。
【0113】
編集処理部203および印刷処理部204は、ステップS4において、編集空間33に移動した利用者に対して、写真シール作成ゲームの編集作業に関する処理と印刷に関する処理である編集印刷処理を行う。
【0114】
編集印刷処理が終了すると、事後接客処理部205は、ステップS5において、印刷終了待機中の利用者に対してミニゲームや画像転送等のサービスを提供する事後接客処理を行う。そして事後接客処理が終了すると、事後接客処理部205は、ステップS6において、編集空間33の利用者を印刷物受取領域34に移動させる移動案内を行う。また、印刷が終了すると、印刷処理部204は、プリンタ114を制御し、ステップS7において印刷済みのシール紙を写真シール排出口81より排出させ、写真シール作成ゲーム処理を終了する。
【0115】
次に、図13および図14のフローチャートを参照して、図12のステップS2において実行される撮影処理の流れの例を説明する。必要に応じて図15乃至図19を参照して説明する。
【0116】
撮影処理が開始されると、ステップS21において、撮影人数確認部212は、例えば図15に示されるような、利用者の人数(例えば撮影人数)を入力するためのGUI画像251をタッチパネルモニタ54に表示し、利用者の人数を利用者に選択させる。利用者は、GUI画面251に表示される選択肢の中から利用者の人数に相当するものをタップして選択する。つまり、撮影人数確認部212は、利用者の選択に基づいて利用者の人数を判定する。
【0117】
ステップS22において、撮影準備処理部213は、例えば図16に示されるような、撮影画像の明るさ設定を入力するためのGUI画像252をタッチパネルモニタ54に表示し、利用者に対して撮影画像の明るさを指定する明るさ指定を受け付ける。
【0118】
ステップS23において、撮影準備処理部213は、利用者からの指定に基づいて撮影画像(取り込み画像)の明るさ調整を行う。調整が終了すると、処理はステップS24に進む。
【0119】
ステップS24において、撮影準備処理部213は、露出やホワイトバランス等の写り調整を行う。
【0120】
撮影準備処理部213は、ステップS25において、撮影人数(利用者の人数)に応じて、予め用意されている合成用画像をタッチパネルモニタ54に一覧(GUI画像)として表示する。図17に示される、背景や前景等の合成用画像を選択するためのGUI画像253は、このとき表示されるGUI画像の表示例を示す図である。撮影準備処理部213は、予め用意されている合成用画像を、撮影人数(利用者の人数)に応じて選択し、その撮影人数(利用者の人数)に応じた合成用画像の一覧(サムネイル画像の一覧)を、GUI画像253上に表示する。
【0121】
実際には、例えば、図17に示される図中の中央の四角形の枠内(この例では、12個)に、所定の背景や前景等から成る合成用画像が合成されたサンプル画像がそれぞれ表示される。すなわち、予めモデルを被写体として、各合成用画像を合成したサンプル画像を撮影しておき、それらのサンプル画像の一覧が背景や前景等の合成用画像を選択するためのGUI画像253として表示されるのである。なお、モデルを被写体として、各合成用画像を合成したサンプル画像を合成済モデルサンプル画像と称することにする。
【0122】
ここで表示される合成済モデルサンプル画像のそれぞれは、予め記憶部102に記憶されている。
【0123】
さらに、撮影準備処理部213は、ステップS26において、そのGUI画像に対して入力される利用者の合成用画像選択の指示を受け付ける。撮影準備処理部213は、利用者に選択された合成用画像のデータを記憶部102より読み出す。なお、ステップS26において、利用者は、複数の合成用画像を選択することができるものとする。
【0124】
ステップS27において、合成用画像表示制御部214は、ステップS26の処理で選択された合成用画像に対応する合成済モデルサンプル画像を表示する。
【0125】
このとき、タッチパネルモニタ54の表示が、図18に示されるように変更される。すなわち、図17に示される、背景や前景等の合成用画像を選択するためのGUI画像253に代わって、これから行なわれる撮影に用いられるGUI画像271が、タッチパネルモニタ54に表示される。
【0126】
図18の領域281は、ステップS26の処理で選択された合成用画像に対応する合成済モデルサンプル画像が表示される領域とされる。ステップS27では、図18の領域281に合成済モデルサンプル画像が表示されることになる。なお、図18の領域283−1乃至283−3には、ステップS26の処理で選択された複数の合成用画像に対応する合成済モデルサンプル画像がそれぞれ表示されるものとする。この例では、ステップS26において、3つの合成用画像が選択されたことになる。そして、利用者を被写体としてこれから撮影する画像に合成する合成用画像に対応する合成済モデルサンプル画像が図18の領域281に表示される。
【0127】
図19は、合成済モデルサンプル画像の例を示す図である。この例では、6人のモデルが写った合成済モデルサンプル画像が示されており、6人のモデルの上半身の画像と花をイメージした図形、星をイメージした図形などにより構成される背景や前景等の合成用画像とが合成された画像とされている。
【0128】
図21は、合成済モデルサンプル画像の別の例を示す図である。この例では、3人のモデルが写った合成済モデルサンプル画像が示されており、3人のモデルの画像と象をイメージしたオブジェクト、星をイメージした図形などにより構成される背景や前景等の合成用画像とが合成された画像とされている。
【0129】
ステップS28において、合成用画像表示制御部214は、ステップS27で表示された合成済モデルサンプル画像に対応する非合成モデルサンプル画像を表示する。ここで、非合成モデルサンプル画像は、所定の背景や前景等から成る合成用画像と合成されていないモデルサンプル画像を称するものとする。上述したように、合成済モデルサンプル画像は、予めモデルを被写体として、各合成用画像を合成したサンプル画像とされる。従って、合成済モデルサンプル画像を撮影するときに、写真シール作成装置1の撮影空間32にモデルを配置して撮影がなされている。
【0130】
このとき表示される非合成モデルサンプル画像は、撮影空間32で撮影されたモデルの画像を、所定の背景や前景等から成る合成用画像と合成せずに、そのまま保存した画像とされる。すなわち、非合成モデルサンプル画像においては、撮影空間32内で立っている、または撮影台61などに座っているモデルのそれぞれが表示されていることになる。
【0131】
図18の領域282は、非合成モデルサンプル画像が表示される領域とされる。ステップS28では、図18の領域282に非合成モデルサンプル画像が表示されることになる。
【0132】
図20は、図19の合成済モデルサンプル画像に対応する非合成モデルサンプル画像の例である。同図に示されるように、図19の合成済モデルサンプル画像に写っている6人のモデルのうち2人が撮影台61に座っていることが分かる。また、図19の合成済モデルサンプル画像に写っている6人のモデルのうち2人が撮影台61の後に立っていることが分かる。さらに、図19の合成済モデルサンプル画像に写っている6人のモデルのうち2人が撮影台61の前で膝をついて座っていることが分かる。
【0133】
図19の合成済モデルサンプル画像は、図20の非合成モデルサンプル画像と、図23および図24の合成用画像とを合成して生成された画像である。すなわち、図19の合成済モデルサンプル画像に対応する合成用画像は、前景の画像と背景の画像により構成されており、図23は、図19の合成済モデルサンプル画像に対応する合成用画像の背景の画像を示す図である。図24は、図19の合成済モデルサンプル画像に対応する合成用画像の前景の画像を示す図である。
【0134】
図20の例では、被写体の撮影空間32の奥行方向の立ち位置が3通り存在する。すなわち、第1番目の立ち位置は撮影台61上であり、第2番目の立ち位置は撮影台61の前であり、第3番目の立ち位置は撮影台61の後である。このように、撮影空間32の奥行方向に複数人並んで撮影する場合、図19に示されるような合成済モデルサンプル画像を見ただけでは、各人の立ち位置が分かりづらい。なお、ここで撮影空間の奥行方向とは、カメラ51の光軸方向を意味する。
【0135】
図22は、図21の合成済モデルサンプル画像に対応する非合成モデルサンプル画像の例である。同図に示されるように、図21の合成済モデルサンプル画像に写っている3人のモデルがそれぞれ撮影台61に跨って座っていることが分かる。
【0136】
図21の合成済モデルサンプル画像は、図22の非合成モデルサンプル画像と、図25の合成用画像とを合成して生成された画像である。すなわち、図25は、図21の合成済モデルサンプル画像に対応する合成用画像を示す図である。
【0137】
例えば、撮影台61が合成によって画像から消されている場合、撮影台61をどのように利用して撮影するかは、図21に示されるような合成済モデルサンプル画像を見ただけでは分かりづらい。
【0138】
このように、例えば、図18の領域281には、図19または図21に示されるような合成済モデルサンプル画像が表示され、図18の領域282には、図20または図22に示されるような非合成モデルサンプル画像が表示されるので、利用者は、撮影空間32の中での自分の立ち位置を、簡単に把握することができる。
【0139】
ステップS29において、ライブビュー表示制御部215は、合成用画像とカメラ51の取り込み画像を合成し、生成された合成画像をライブビューモニタ52に表示(ライブビュー表示)する。
【0140】
ステップS30において、撮影画像取得部216は、タッチパネルモニタ54等にカウントダウンインジゲータを表示し、カメラ51を制御して撮影を行い、撮影画像を得る。ステップS31において、編集対象画像処理部217は、得られた撮影画像に合成用画像を合成し、合成画像を生成する。さらに、編集対象画像処理部217は、ステップS32において、生成した合成画像をタッチパネルモニタ54等に表示し、利用者に合成画像(撮影結果)を確認させる。
【0141】
ステップS33において、進行制御部211は、所定回数撮影したか否かを判定し、撮影回数が予め定められている所定回数に達していない場合、処理をステップS29に戻し、それ以降の処理を繰り返す。例えば、図18の領域283−1乃至283−3に表示された合成済モデルサンプル画像に対応する合成用画像のそれぞれについて、撮影が行われ、合計3回の撮影が行われた場合、ステップS33において所定回数撮影したと判定される。
【0142】
また、ステップS33において、所定回数撮影したと判定された場合、処理は、ステップS34に進む。
【0143】
ステップS34において、進行制御部211は、写真シール作成ゲームの残り時間(または、これまでの経過時間)に基づいて、さらに3枚以上撮影可能か否かを判定し、可能であると判定した場合、処理をステップS25に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS34において、3枚以上撮影不可能と判定された場合、処理は図14のステップS41に進む。
【0144】
図14のステップS41において、進行制御部211は、撮影可能時間内か否かを判定し、経過時間または残り時間に基づいて、まだ撮影可能か否かを判定する。撮影可能であると判定した場合、処理はステップS42に進み、追加的な撮影、所謂「ボーナス撮影」の処理が行われる。
【0145】
撮影準備処理部213は、ステップS42において、ステップS25の場合と同様に、予め用意されている合成用画像をタッチパネルモニタ54に一覧(GUI画像)として表示し、ステップS43において、ステップS26の場合と同様に、そのGUI画像に対して入力される利用者の合成用画像選択の指示を受け付ける。この場合、選択可能な合成用画像の最大枚数は予め設定されている。その数は任意であるが、以下においては説明の便宜上1枚として説明する。撮影準備処理部213は、利用者に選択された合成用画像のデータを記憶部102より読み出す。
【0146】
ステップS44において、合成用画像表示制御部214は、ステップS27の場合と同様に、ステップS43の処理で選択された合成用画像に対応する合成済モデルサンプル画像を表示する。
【0147】
ステップS45において、合成用画像表示制御部214は、ステップS28の場合と同様に、ステップS44の処理で表示された合成済モデルサンプル画像に対応する非合成モデルサンプル画像を表示する。
【0148】
ステップS46において、ライブビュー表示制御部215は、ステップS29の場合と同様に、合成用画像とカメラ51の取り込み画像を合成し、生成された合成画像をライブビューモニタ52に表示(ライブビュー表示)する。
【0149】
ステップS47において、撮影画像取得部216は、追加的な撮影であるボーナス撮影を行う。このボーナス撮影も上述した通常の撮影と同様に行われる。つまり、撮影画像取得部216は、ステップS30の場合と同様に、タッチパネルモニタ54等にカウントダウンインジゲータを表示し、カメラ51を制御して撮影を行い、撮影画像を得る。ステップS48において、編集対象画像処理部217は、ステップS31の場合と同様に、得られた撮影画像に合成用画像を合成し、合成画像を生成する。
【0150】
ステップS49において、編集対象画像処理部217は、ステップS32の場合と同様に、合成画像を、タッチパネルモニタ54(またはライブビューモニタ52)に表示し、利用者に撮影結果を確認させる。
【0151】
なお、利用者による撮影結果の確認が終了した合成画像は、図18の領域283−1乃至283−3に表示されるものとする。すなわち、それまで領域283−1乃至283−3に表示されていた、ステップS26の処理で選択された複数の合成用画像に対応する合成済モデルサンプル画像のうち、上述のように撮影結果の確認が終了したものは、利用者を被写体として撮影された合成画像に置き換えられていく。
【0152】
ステップS50において、進行制御部211は、所定時間経過したか否かを判定し、まだ撮影可能である場合、処理をステップS42に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS50において、所定時間経過したと判定された場合、処理は、ステップS51に進む。さらに、ステップS41において、撮影可能時間内で無いと判定された場合、処理はステップS51に進む。
【0153】
ステップS51において、編集対象画像処理部217は、これまでに生成した合成画像を、タッチパネルモニタ54(またはライブビューモニタ52)に表示し、利用者に、編集対象画像としてキープさせる画像(キープ画像)を選択させる。利用者がGUI画像に基づいて編集対象画像(キープ画像)を選択すると、編集対象画像処理部217は、ステップS52において、選択された画像を編集対象画像として記憶部102に保存する。
【0154】
ステップS52の処理が終了すると、処理は、図12のステップS2に戻り、ステップS3以降の処理が実行される。
【0155】
以上のようにして、写真シール作成装置1は、写真シールの作成作業、および作成された写真シールに対する利用者の満足度を向上させることにより、収益性を向上させることができる。
【0156】
従来の写真シール機は、モデルが起用されたサンプル画像が表示されるだけであり、撮影結果は容易に想像することができても、撮影するときに実際の立ち位置がわかりづらく、サンプル画像を見ながら、立ち位置をあわせなければならなかった。そのため、サンプル画像と同様の撮影画像を得ることが難しかった。
【0157】
例えば、大人数で撮影する場合、立ち位置がわかりづらく、また、撮影台などを利用した場合、立ち位置や撮影台の利用方法がわかりづらく、利用者は満足する撮影画像を得ることができなかった。
【0158】
また、サンプル画像の中には、写真シール機の撮影空間の奥行方向を効率的に利用して、複数のモデルのそれぞれがカメラに向かって前後に並んで撮影されたものもある。このようなサンプル画像の場合、合成用背景画像や合成用前景画像と合成された後では、個々のモデルの遠近感がわかりづらい。
【0159】
例えば、被写体となる1人のモデルの手の平に、あたかも別のモデルが乗っているような合成済サンプル画像の場合、手の平を差し出している人はカメラの近くに立つ必要があり、手の平に乗る人は撮影空間の奥行方向の後方(例えば、撮影台の後ろ側)に立つ必要があるが、撮影空間の奥行方向において、遠近感(距離感)がわかりづらく、それぞれの利用者が自分の立ち位置を判断することは難しい。
【0160】
そのため、少人数で撮影する場合でも、例えば、利用者のそれぞれが奥行方向の前後に立って撮影するときは、モデルがポーズをとっているサンプル画像などから、それぞれの利用者が自分の立ち位置を判断することは難しい。
【0161】
これに対して、本発明では、撮影に先立って、図19または図21に示されるような合成済モデルサンプル画像が表示されるとともに、図20または図22に示されるような非合成モデルサンプル画像が表示されるので、利用者は、撮影空間32の中での自分の立ち位置を、簡単に把握することができる。
【0162】
その結果、利用者は、短時間でサンプル画像と同様の画像を撮影することができ、利用者の満足度を向上させることができるのである。
【0163】
以上においては、非合成モデルサンプル画像がタッチパネルモニタ54に表示される例について説明したが、非合成モデルサンプル画像をライブビューモニタ52に表示してもよい。あるいはまた、非合成モデルサンプル画像が表示されるモニタをカメラ51の近傍に設置するようにしてもよい。このようにすることで、例えば、利用者がカメラ51から目線を大きくはずすことなく、瞬時に立ち位置を確認しながら、容易に撮影することができる。
【0164】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0165】
この記録媒体は、例えば、図9に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア105により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM106や、記憶部102に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0166】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0167】
以上において、印刷媒体は、シール紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙や、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
【0168】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。なお、以上において、1つの装置として説明した構成を分割し、複数の装置として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置として説明した構成をまとめて1つの装置として構成されるようにしてもよい。また、各装置の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置の構成の一部を他の装置の構成に含めるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の例を示す斜視図である。
【図2】図1の写真シール作成装置の他の角度からの斜視図である。
【図3】図1の写真シール作成装置の設置例を示す斜視図である。
【図4】利用者の空間移動を説明する図である。
【図5】前方ユニットの正面の構成例を示す図である。
【図6】後方ユニットの構成例を示す図である。
【図7】編集ユニットの側面の構成例を示す図である。
【図8】編集ユニットの他の側面の構成例を示す図である。
【図9】写真シール作成装置の内部の構成例を示すブロック図である。
【図10】制御装置の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【図11】撮影処理部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【図12】写真シール作成ゲーム処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図13】撮影処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図14】撮影処理の流れの例を説明する、図13に続くフローチャートである。
【図15】利用者の人数を選択する画面の表示例を示す図である。
【図16】撮影画像の明るさを選択する画面の表示例を示す図である。
【図17】合成用画像を選択する画面の表示例を示す図である。
【図18】撮影時の画面の表示例を示す図である。
【図19】合成済モデルサンプル画像の例を示す図である。
【図20】図19に対応する非合成モデルサンプル画像の例を示す図である。
【図21】合成済モデルサンプル画像の別の例を示す図である。
【図22】図21に対応する非合成モデルサンプル画像の例を示す図である。
【図23】図19の合成済モデルサンプル画像に対応する合成用画像の背景の例を示す図である。
【図24】図19の合成済モデルサンプル画像に対応する合成用画像の前景の例を示す図である。
【図25】図21の合成済モデルサンプル画像に対応する合成用画像の例を示す図である。
【符号の説明】
【0170】
1 写真シール作成装置
12 撮影ユニット
13 編集ユニット
101 制御装置
202 撮影処理部
203 編集処理部
204 印刷処理部
211 進行制御部
212 撮影人数確認部
213 撮影準備処理部
214 合成用画像表示制御部
215 ライブビュー表示制御部
216 撮影画像取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
写真シール作成ゲームとして、利用者に、撮影空間内での前記利用者を被写体とする撮影作業、および前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して編集情報を入力する編集入力作業を行わせ、さらに、得られた編集済みの前記利用者の画像を所定のシールシートに印刷し、印刷された前記シールシートを排出し、写真シールとして前記利用者に提供する写真シール作成装置において、
前記撮影空間内の前記利用者の被写体としての撮影を制御する撮影制御手段と、
予め生成された複数の合成用画像、前記複数の合成用画像のそれぞれに対応して前記撮影空間内の所定の位置にモデルを配置して予め撮影したモデルサンプル画像、および前記合成用画像のそれぞれと前記モデルサンプル画像のそれぞれとを合成して得られた合成済モデルサンプル画像を記憶する記憶手段と、
前記撮影制御手段により前記利用者を被写体とした撮影を行うとき、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記合成済モデルサンプル画像を、前記記憶手段から読み出して表示するとともに、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記モデルサンプル画像を前記記憶手段から読み出して表示する表示制御手段と
を備える写真シール作成装置。
【請求項2】
前記撮影制御手段は、前記撮影空間内の複数人の利用者の被写体としての撮影を制御し、
前記モデルサンプル画像は、前記撮影空間内の利用者の人数と同じ人数のモデルを撮影した画像とされる
請求項1に記載の写真シール作成装置。
【請求項3】
前記撮影制御手段は、
前記撮影空間内の奥行方向に、複数人の前記利用者が並んだ画像を撮影する
請求項1に記載の写真シール作成装置。
【請求項4】
前記撮影制御手段により前記利用者を被写体とした撮影を行うとき、前記利用者が前記表示制御手段により表示された複数の前記合成済モデルサンプル画像の中から所定の合成済モデルサンプル画像を選択し、前記選択された合成済モデルサンプル画像に対応する合成用画像を前記利用者が選択した合成用画像とする
請求項1に記載の写真シール作成装置。
【請求項5】
写真シール作成ゲームとして、利用者に、撮影空間内での前記利用者を被写体とする撮影作業、および前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して編集情報を入力する編集入力作業を行わせ、さらに、得られた編集済みの前記利用者の画像を所定のシールシートに印刷し、印刷された前記シールシートを排出し、写真シールとして前記利用者に提供する写真シール作成装置の写真シール作成方法において、
予め生成された複数の合成用画像、前記複数の合成用画像のそれぞれに対応して前記撮影空間内の所定の位置にモデルを配置して予め撮影したモデルサンプル画像、および前記合成用画像のそれぞれと前記モデルサンプル画像のそれぞれとを合成して得られた合成済モデルサンプル画像を記憶する記憶手段から、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記合成済モデルサンプル画像を読み出して表示し、
前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記モデルサンプル画像を前記記憶手段から読み出して表示し、
前記撮影空間内の前記利用者を被写体として撮影する
ステップを含む写真シール作成方法。
【請求項6】
写真シール作成ゲームとして、利用者に、撮影空間内での前記利用者を被写体とする撮影作業、および前記撮影作業により得られた前記利用者の画像に対して編集情報を入力する編集入力作業を行わせ、さらに、得られた編集済みの前記利用者の画像を所定のシールシートに印刷し、印刷された前記シールシートを排出し、写真シールとして前記利用者に提供する処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
コンピュータを、
前記撮影空間内の前記利用者の被写体としての撮影を制御する撮影制御手段と、
予め生成された複数の合成用画像、前記複数の合成用画像のそれぞれに対応して前記撮影空間内の所定の位置にモデルを配置して予め撮影したモデルサンプル画像、および前記合成用画像のそれぞれと前記モデルサンプル画像のそれぞれとを合成して得られた合成済モデルサンプル画像を記憶する記憶手段と、
前記撮影制御手段により前記利用者を被写体とした撮影を行うとき、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記合成済モデルサンプル画像を、前記記憶手段から読み出して表示するとともに、前記利用者が選択した合成用画像に対応する前記モデルサンプル画像を前記記憶手段から読み出して表示する表示制御手段とを備える写真シール作成装置として機能させる
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−102198(P2010−102198A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274701(P2008−274701)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】