説明

写真シール作成装置

【課題】本発明は、利用者Mの顔を明るく写すとともに、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者Mに提供することができる写真シール作成装置100を提供することを目的とする。
【解決手段】撮影ユニット110と編集ユニット140とプリンタ231とを備えた写真シール作成装置100であって、撮影空間Sの上部略中央に配置した天井中央ストロボユニット150、後方側端部近傍に配置した第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163とを備え、天井中央ストロボユニット150を、撮影タイミングにあわせて撮影空間Sの後方斜め下方に向けて光を拡散照射する構成とし、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163を、側方に所定の間隔をあけて二つ並べて配置して撮影タイミングにあわせて利用者Mの頭部幅と略同等な照射幅Wで利用者Mの頭上後方から利用者Mの頭頂部Mhに向けて光を照射する構成としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、利用者が被写体となった撮影画像を、写真シールとして出力して利用者に提供するような写真シール作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が被写体となって自らの操作で撮影した撮影画像に、利用者自身が予め用意されたフレーム画像やスタンプ画像を合成する、あるいはタッチペンを用いて文字などを書き込むなどして編集し、編集した撮影画像をシールとして出力することができる写真シール作成装置が娯楽施設などに設置されている。
【0003】
この写真シール作成装置は、家族、カップル、友人同士など様々な利用者に利用されているが、その中でも特に女性客に利用されている。このため、昨今、写真シール作成装置は、女性客向けに特化した機能を備えたものが多く普及している。
【0004】
この女性客向けに特化した機能として、写真写りを良くする画像処理や照明効果がある。特に、照明効果は、被写体に対して様々な角度、あるいはタイミングで光を照射することで、撮影画像における被写体の印象を様々に変化させることができる。
【0005】
そこで、利用者の頭髪に輝くような艶を出す照明効果が得られる写真シール作成装置が提案されている。
例えば、特許文献1の写真プリント装置(本願の写真シール作成装置に相当)には、特定の領域のみを照射する正面ストロボライト、及び後部ストロボライトを備えている。
【0006】
正面ストロボライトは、利用者を撮影するカメラユニットの上部に設けられ、利用者の頭髪部に向けて照射することで、頭髪に輝くような艶のある写真を得ることができるとされている。
【0007】
また、後部ストロボライトは、写真プリント装置の背面側上部に設けられ、利用者の背後上方から側頭部に向けて照射することで、利用者の輪郭を明るくぼやけさせた状態の写真を得ることができるとされている。
【0008】
しかしながら、特許文献1の正面ストロボライトは、利用者の正面に配置しているため、撮影時に利用者が眩しく感じて目をつぶる、あるいは表情が強張るなどの影響が出るおそれがある。さらに、利用者がカメラユニットから離れるほど、正面ストロボライトなどの照明装置による照明が届き難くなる。このため、利用者の顔が明るく、かつ頭髪に輝くような艶のある写真を得られ難いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−287369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の問題に鑑み、利用者の顔を明るく写すとともに、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる写真シール作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、撮影空間内の少なくとも一人の利用者を撮影する撮影手段と、撮影した画像を編集許容する編集手段と、所定の画像を印刷する印刷手段とを備えた写真シール作成装置であって、前記撮影空間から前記撮影手段に向かう方向を前方として、前記撮影空間の上部略中央に配置するとともに、前記撮影空間における後方寄りの空間を照らす中央照明手段、及び前記撮影空間の上部における後方側端部近傍に配置するとともに、前記撮影空間における前方寄りの空間を照らす後部照明手段とを備え、前記中央照明手段を、撮影タイミングにあわせて発光するとともに、前記撮影空間の後方斜め下方に向けて光源からの光を拡散照射する構成とし、前記後部照明手段を、前記撮影空間の上部における後方側端部近傍において側方に所定の間隔をあけて二つ並べて配置して、撮影タイミングにあわせて発光するとともに、前記利用者の頭部幅と略同等な照射幅で、前記利用者の頭上後方から前記利用者の頭頂部に向けて光源からの光を照射する構成としたことを特徴とする。
上記所定の画像は、撮影手段で撮影した画像、あるいは編集手段で編集した画像とすることができる。
【0012】
この発明により、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供できる写真シール作成装置を構成することができる。
【0013】
具体的には、中央照明手段は、光源からの光を後方斜め下方に向けて拡散照射することにより、利用者が撮影手段から離れて撮影する、すなわち、利用者が撮影空間の後方寄りに位置して撮影しても、利用者に十分な照明をあてることができる。これにより、写真シール作成装置は、撮影手段から離れて撮影しても、利用者の顔を明るくした撮影画像を得ることができる。さらに、写真シール作成装置は、利用者の前頭部などにおける頭髪に輝くような艶のある撮影画像を得ることができる。
【0014】
また、後部照明手段は、利用者の頭部幅と略同等な照射幅で、利用者の頭上後方から利用者の頭頂部に向けて照射することができる。これにより、写真シール作成装置は、光源からの光の照射範囲を限定して、撮影空間の後方寄りで撮影する利用者の頭頂部の頭髪に輝くような艶、例えば、天使の輪を表現した撮影画像を得ることができる。加えて、照射幅を限定することで、後部照明手段による逆光を防止して、利用者の顔を明るく写した撮影画像を得ることができる。
【0015】
さらに、後部照明手段は、利用者の頭部幅と略同等な照射幅の光を利用者に照射するため、利用者の側頭部などに光が当たり難くなり、利用者の輪郭がぼやけた撮影画像となることを防止できる。すなわち、写真シール作成装置は、利用者の輪郭がはっきりとした撮影画像を得ることができる。
さらにまた、後部照明手段を二つ並べて配置したことにより、利用者が二人いる場合においても、それぞれの利用者に適切に照明することができる。
【0016】
なお、利用者が撮影空間の前方寄りで撮影する場合には、写真シール作成装置は、従来の照明装置による照明によって、利用者の顔を明るく写した撮影画像を得ることができる。
従って、写真シール作成装置は、利用者の顔をはっきり、明るく写すとともに、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる。
【0017】
この発明の態様として、前記後部照明手段に、光源からの光の指向性を向上する指向性部材を備えることができる。
この発明により、後部照明手段は、光源からの光の指向性を向上して、利用者の頭頂部に向けて照射することができる。すなわち、利用者の輪郭がぼやけた撮影画像となることをより確実に防止するとともに、利用者の頭頂部を確実に照らすことができる。これにより、写真シール作成装置は、頭頂部の頭髪に輝くような艶のある撮影画像を得ることができる。
従って、写真シール作成装置は、より確実に利用者の顔をはっきりと写すとともに、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる。
【0018】
また、この発明の態様として、前記中央照明手段を、撮影タイミングにあわせて後方斜め下方に向けて発光するとともに、光を拡散する拡散板を介して前記撮影空間における後方寄りの空間を照らす第1照明手段と、撮影タイミングにあわせて前方斜め上方に向けて発光するとともに、光を反射する反射板を介して前記撮影空間における後方寄りの空間を照らす第2照明手段とで構成することができる。
【0019】
この発明により、中央照明手段は、撮影空間における後方寄りの空間を万遍なく照らすことができる。
具体的には、第1照明手段は、光を拡散する拡散板により、撮影空間における後方寄りの空間を柔らかい光で照らすことができる。これにより、第1照明手段は、拡散板を介して間接的に利用者を照らすため、撮影時における発光が利用者の表情に影響するおそれがない。また、撮影空間内における後方寄りに位置して撮影する利用者を適度に照明して、利用者の顔が明るく、かつ立体感があるとともに、頭髪に艶のある撮影画像を得ることができる。
【0020】
一方、第2照明手段は、前方斜め上方に向けて発光した光を反射板で反射して、撮影空間における後方寄りの空間を照らすことができる。そして、第2照明手段は、反射板を介することで、第1照明手段よりも柔らかい光で、広範囲を照らすことができる。これにより、撮影空間内にいる複数の利用者の間、あるいは利用者のポーズによって生じる不要な影の発生を抑えることができる。例えば、撮影空間内における後方寄りに二人の利用者が肩を並べて位置して、二人の間の前方に一人の利用者が位置するような場合、後方寄りの二人の利用者間に前方の利用者による影が生じることを抑制できる。
【0021】
つまり、第1照明手段、及び第2照明手段で構成した中央照明手段は、撮影空間における後方寄りの空間を柔らかい光で万遍なく照らすことができる。これにより、写真シール作成装置は、利用者の顔を明るく写しながらも、利用者の表情が強張った撮影画像となることを防止できる。
【0022】
従って、写真シール作成装置は、撮影空間内の利用者を万遍なく照明して、利用者の顔をより確実に明るく写すとともに、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる。
【0023】
また、この発明の態様として、前記後部照明手段を、前記撮影空間内において、前記撮影手段に対向するとともに、肩を並べて位置する二人の利用者における頭部間と略同等の間隔をあけて横並びに配置することができる。
【0024】
この発明により、二人の利用者が肩を並べて撮影する場合であっても、後部照明手段は、それぞれの利用者の頭頂部を照らすことができる。これにより、写真シール作成装置は、それぞれの利用者の頭髪に輝くような艶のある撮影画像を得ることができる。
【0025】
従って、写真シール作成装置は、撮影空間内で二人の利用者が撮影する場合においても、それぞれの利用者の頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、利用者の顔を明るく写すとともに、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供できる写真シール作成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】写真シール作成装置の外観を示す上方からの外観斜視図。
【図2】写真シール作成装置の外観を示す下方からの外観斜視図。
【図3】前部ユニットにおける利用者と対面する面の構成を示す前部ユニット正面図。
【図4】撮影空間内における利用者、天井中央ストロボユニット、及び天井後部ストロボユニットの位置関係を側面視で説明する説明図。
【図5】天井中央ストロボユニットの構成を示す下方からの斜視図。
【図6】撮影空間内における利用者、及び天井後部ストロボユニットの位置関係を平面視で説明する説明図。
【図7】第1後部ストロボにおける照射面の開口部を示す開口部正面図。
【図8】編集ユニットの正面構成を示す編集ユニット正面図。
【図9】編集ユニットの側面構成を示す編集ユニット側面図。
【図10】写真シール作成装置の内部構成を示すブロック図。
【図11】写真シール作成ゲーム処理の動作を示すフローチャート。
【図12】第1後部ストロボにおける照射面の開口部の別の実施形態を示す開口部正面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1は写真シール作成装置100の上方からの外観斜視図を示し、図2は写真シール作成装置100の下方からの外観斜視図を示し、図3は前部ユニット120における利用者と対面する面の構成の前部ユニット正面図を示し、図4は撮影空間S内における利用者、天井中央ストロボユニット150、及び天井後部ストロボユニット160の位置関係を側面視で説明する説明図を示し、図5は天井中央ストロボユニット150の下方からの斜視図を示している。さらに、図6は撮影空間S内における利用者、及び天井後部ストロボユニット160の位置関係を平面視で説明する説明図を示し、図7は第1後部ストロボ162における照射面162bの開口部162cの開口部正面図を示し、図8は編集ユニット140の正面構成の編集ユニット正面図を示し、図9は編集ユニット140の側面構成の編集ユニット側面図を示している。
また、図1、及び図2において、図中の右方向を写真シール作成装置100の前方とし、図中の左方向を写真シール作成装置100の後方とする。
【0029】
まず、本実施形態に用いる写真シール作成装置100について説明する。
写真シール作成装置100は、図1、及び図2に示すように、筐体101に撮影ユニット110、編集ユニット140、天井中央ストロボユニット150、天井後部ストロボユニット160、及び背景カーテンユニット170を組み付けて構成している。
【0030】
撮影ユニット110は、利用者が硬貨を投入して実際に撮影する、所謂、撮影ブースである。そして、撮影ユニット110は、カメラ機能を有する前部ユニット120と、背景としての機能を有する後部ユニット130とが前後方向に所定の間隔を介して対面するように配置して構成している。この前部ユニット120、及び後部ユニット130で挟まれた空間を撮影空間Sとして構成している。
【0031】
なお、撮影空間Sの左右方向幅は、少なくとも二人の利用者が前部ユニット120に対面するとともに、肩を並べて撮影可能な幅とする。好ましくは、二人の利用者がそれぞれ簡単なポーズを取れる程度に離れて撮影可能な幅とする。あるいは、一方の利用者の伸ばした手が他方の利用者の遠い方の肩にかかる程度に二人の利用者が間隔をあけて並んで撮影可能な幅としてもよい。
【0032】
前部ユニット120は、写真シール作成装置100の略中央に配置して、利用者が対面して撮影を行う機能を有するユニットである。
この前部ユニット120の利用者と対面する面は、図3に示すように、略中央にカメラ121、タッチパネルモニタ122、及びカメラ上部ストロボ123を配置し、その周囲に傘状ストロボ124(124a〜124c)を配置するとともに、タッチパネルモニタ122の下方に箱状ストロボ125(125a、125b)を配置して構成している。
【0033】
さらに、前部ユニット120の箱状ストロボ125の両サイドに利用者の荷物を一時的に置く荷物置き場126を配置して構成している。なお、向かって右側の荷物置き場126の下部には、利用者が投入する硬貨の受け付け及び返却の機能を有する硬貨投入返却口127、及び撮影にかかる音声案内を出力するスピーカ128を備えている。
【0034】
カメラ121は、撮影空間Sで前部ユニット120と対面する利用者を撮影する機能を有し、撮影空間S(後部ユニット130)に向けて配置している。
タッチパネルモニタ122は、カメラ121で撮影する利用者の映像を表示する機能と、利用者の各種操作を受け付ける機能を有し、カメラ121の下部に配置している。
【0035】
カメラ上部ストロボ123は、撮影のタイミングに合わせて発光する機能を有し、カメラ121の上部に配置している。
傘状ストロボ124は、撮影のタイミングに合わせて発光する機能を有し、撮影空間Sに向けてカメラ121の左右両側に配置した中段傘状ストロボ124a、及び124bと、撮影空間Sに向けてカメラ121の上部に配置した上段傘状ストロボ124cとで構成している。
【0036】
箱状ストロボ125は、タッチパネルモニタ122の下部から後方斜め下方に傾斜するとともに、光源の光を透過する傾斜ストロボ面125aと、傾斜ストロボ面125aの先端から垂設するとともに、光源の光を透過する足元ストロボ面125bとを有する略箱状に形成している。そして、箱状ストロボ125は、撮影タイミングにあわせて発光し、発光した光が傾斜ストロボ面125aを介して利用者を下方から照らし、足元ストロボ面125bを介して利用者の足元を照らす機能を有している。
【0037】
なお、箱状ストロボ125の傾斜ストロボ面125aがタッチパネルモニタ122の直下にあるので、利用者は、カメラ121を覗き込むようにして撮影することが難しく、カメラ121に対して適度に離れて撮影することとなる。これにより、カメラ上部ストロボ123、傘状ストロボ124、及び箱状ストロボ125の照明範囲外で、利用者が撮影することを防止でき、利用者がアップで撮影する場合において、利用者の顔が照明されず明るさの暗い撮影画像になることを防止できる。
【0038】
また、後部ユニット130は、図1、及び図2に示すように、前部ユニット120に対面するとともに、撮影空間Sを挟んで写真シール作成装置100の後部に配置している。この後部ユニット130は、利用者が実際に撮影する際の背景としての機能を有するユニットであり、その内部は空洞となっている。そして、後部ユニット130の上部には、背景カーテンユニット170を設置している。
背景カーテンユニット170は、図1に示すように、後部ユニット130の上部に設置し、例えば、背景に利用する可動式の背景カーテンを格納している。
【0039】
このように撮影空間Sを挟んで対面して配置した前部ユニット120、及び後部ユニット130からなる撮影ユニット110の上部には、撮影空間S内を照らす天井中央ストロボユニット150、及び天井後部ストロボユニット160を設置している。
【0040】
天井中央ストロボユニット150は、図1、及び図2に示すように、撮影空間Sの上部において前後方向略中央に設置している。そして、天井中央ストロボユニット150は、図4、及び図5に示すように、撮影ユニット110の上部における左右の上縁部をまたぐように掛け渡して設置した基板部151、基板部151を下方から覆うカバー部152、基板部151とカバー部152とで形成する空間内において、基板部151の底面(撮影空間S側)に備えた2つの照明灯153、第1天井ストロボ154、及び第2天井ストロボ157で構成している。
【0041】
基板部151は、略平板状に形成するとともに、左右方向端部を撮影ユニット110の上部における左右の上縁部に固定可能に形成している。
カバー部152は、乳白色のアクリル製であって、撮影空間Sに向けて突出して湾曲した形状に形成している。
【0042】
照明灯153は、基板部151の底面(撮影空間S側)における前方、及び後方端部近傍に設置している。この2つの照明灯153は、常時点灯して撮影空間S内を照明している。
【0043】
第1天井ストロボ154は、図5に示すように、基板部151の底面の略中央において、2つの照明灯153間の後方寄りに設置している。そして、第1天井ストロボ154は、撮影タイミングにあわせて発光して、撮影空間Sにおける後方寄りの空間を照らす機能を有している。詳述すると、第1天井ストロボ154は、光源からの光を照射する第1発光部155、及び光源からの光を拡散する拡散板156で構成している。
【0044】
第1発光部155は、内部に収容した光源(図示省略)の光を照射可能に開口した略箱状に形成するとともに、開口を後方斜め下方に向けて基板部151に釣止している。
拡散板156は、乳白色のアクリル板であって、第1発光部155の開口を覆うように設置している。
【0045】
第2天井ストロボ157は、図5に示すように、基板部151の底面の略中央において、照明灯153間の前方寄りに設置している。そして、第2天井ストロボ157は、撮影タイミングにあわせて発光して、撮影空間Sにおける後方寄りの空間を照らす機能を有している。詳述すると、第2天井ストロボ157は、光源からの光を照射する第2発光部158、及び光源からの光を反射する反射板159で構成している。
【0046】
第2発光部158は、内部に収容した光源(図示省略)の光を照射可能に開口した略箱状に形成するとともに、開口を前方斜め上方に向けて基板部151に釣止している。また、第2発光部158には、上下方向における光の指向性を向上する遮蔽板158aを備えている。
【0047】
反射板159は、第2発光部158の前方において、基板部151から釣止している。この反射板159は、略薄板状の金属板であって、基板部151に固定する基部159a、基部159aから下方に垂設した垂設部159b、垂設部159bから前方斜め下方に延設するとともに、第2発光部158の開口前方に位置する反射面159c、及び反射面159cから後方斜め下方に延設した先端面159dで一体に形成している。
【0048】
また、天井後部ストロボユニット160は、図2、及び図4に示すように、撮影空間Sの上部において、天井中央ストロボユニット150より後方、かつ後部ユニット130の近傍に配置している。そして、天井後部ストロボユニット160は、図2、及び図4に示すように、撮影ユニット110の上部における左右の上縁部をまたぐように掛け渡して設置した基板部161、基板部161にぶら下がるように設置した第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163で構成している。
【0049】
基板部161は、略平板状に形成するとともに、左右方向端部を撮影ユニット110の上部における左右の上縁部に固定可能に形成している。
第1後部ストロボ162は、図2、及び図4に示すように、基板部161の底面に設置するとともに、撮影タイミングにあわせて発光して、撮影空間Sにおける前方寄りの空間を照らす機能を有している。
【0050】
詳述すると、第1後部ストロボ162は、図4に示すように、撮影タイミングにあわせて発光する光源部162aを内部に収容するとともに、図6に示すように、平面視において利用者Mの頭部幅と略同等の横幅を有する略箱状に形成している。さらに、第1後部ストロボ162は、光源部162aからの光を前方斜め下方に向けて照射する照射面162bを下部前方側に有する形状に形成している。
【0051】
この照射面162bは、図4、及び図7に示すように、光源部162aからの光を撮影空間S内における後方寄りで撮影する利用者Mの頭部(頭頂部Mh)に向けて照射可能に開口部162cを形成している。さらに、この開口部162cには、図7に示すように、ルーバー162d、及びルーバー162dの背面に乳白色のアクリル板162eを備えている。
【0052】
このルーバー162dは、光源部162aからの光の指向性を向上させて、利用者Mの頭部幅と略同等の照射幅W(図6参照)で照射する機能を有している。なお、ルーバー162dは、左右方向に延びた複数の横板のほかに横板間を上下方向で接続する縦板を複数設けている。
アクリル板162eは、光源部162aの光の強さを調整する機能を有している。
【0053】
第2後部ストロボ163は、光源部163a、照射面163b、開口部163c、ルーバー163d、及びアクリル板163eで構成しているが、第1後部ストロボ162と同一の構成のため、詳しい説明を省略する。
【0054】
そして、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163は、図4、及び図6に示すように、基板部161の下面において、所定の間隔をあけて横並びに配置している。詳述すると、撮影空間S内において、前部ユニット120にそれぞれ対向するとともに、肩を並べて撮影する二人の利用者Mの頭上後方に第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163を設置している。
【0055】
換言すると、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163は、収容空間S内において、二人の利用者Mが前部ユニット120にそれぞれ対向するとともに、肩を並べて位置する利用者Mの頭部間と略同等の間隔をあけて基板部161に横並びで配置している。
【0056】
また、編集ユニット140は、図1、及び図2に示すように、前部ユニット120の前方に隣接して配置して、利用者が撮影した画像に対してフレーム画像やスタンプ画像、文字入力による落書きなどの編集作業を行う機能と、デモ画面等を表示する機能を有している。
【0057】
具体的には、編集ユニット140は、図2、図8、及び図9に示すように、利用者が写真シール作成装置100の右側から入場して編集作業を行う第1編集部140aと、利用者が写真シール作成装置100の左側から入場して編集作業を行う第2編集部140bとが、左右方向で互いに異なる方向に向けて配置した構成となっている。すなわち、編集ユニット140は、2組の利用者が同時に撮影画像に対して落書きなどの編集作業を行うことができる構成となっている。
【0058】
なお、編集ユニット140は、撮影ユニット110より左右幅が小さく、利用者が編集ユニット140を操作して編集作業ができる編集空間を確保できる大きさである。
【0059】
この第1編集部140aと第2編集部140bは、互いに異なる方向に向けて配置している点を除けば、同一の構成であることから、ここでは第1編集部140aについて詳述し、第2編集部140bの詳しい説明は省略する。
【0060】
なお、編集ユニット140の構成要素のうち、第1編集部140aの構成要素の符号を「a」とし、第2編集部140bの構成要素の符号を「b」として識別する。
【0061】
この第1編集部140aは、図8に示すように、上部照明装置141a、及び編集部142aで構成している。
上部照明装置141は、利用者が編集部で編集作業を行う際の手元を照らす機能を有し、第1編集部140aの上部に設置している。
【0062】
編集部142は、撮影した画像を表示する機能と、利用者が落書きなどの編集作業を受け付ける機能とを有するタブレット内蔵モニタ143と、操作案内などの音声を出力するスピーカ144と、編集作業に用いる1対のタッチペン145とで構成している。
【0063】
また、編集ユニット140の編集部142を正面として向かって右側面には、図9に示すように、写真シール排出口146、及び事後接客ユニット180を備えている。
【0064】
写真シール排出口146は、利用者が第1編集部140aあるいは第2編集部140bで編集した撮影画像を印刷したシール紙を排出する機能を有し、編集ユニット140側面の下方に設置している。なお、写真シール排出口146の内部には、後述するプリンタとシール紙ユニットとを内蔵している。
【0065】
事後接客ユニット180は、編集ユニット140の右側面上部に配置し、タッチパネルモニタ181、スピーカ182、及び非接触型ICリーダ/ライタ部183で構成している。
【0066】
タッチパネルモニタ181は、シール紙の排出を待つ利用者に対して広告を表示する、あるいはタッチ操作によるゲームなどを表示する機能を有している。
スピーカ182は、シール紙の排出を利用者に知らせる、あるいはタッチパネルモニタ181の表示される画面に対応した音声を出力する機能を有している。
非接触型ICリーダ/ライタ部183は、事後接客の際における非接触型ICカードの読取り、及び書込みの機能を有している。
【0067】
次に、上述した写真シール作成装置100の内部構成について説明する。
なお、図10は写真シール作成装置100の内部構成のブロック図を示し、すでに上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しているので、その詳しい説明は省略する。
【0068】
写真シール作成装置100の内部構成は、図10に示すように、制御装置201、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM207、撮影部210、編集部220、及び事後接客部230で構成している。
【0069】
制御装置201は、各部の動作の制御と、プログラムの実行処理などを行う。
記憶部202は、ハードディスクなどの記憶装置で構成している。この記憶部202は、編集処理に使用する編集ツールのデータ、照明設定データ、撮影コースのデータ、事後接客処理のデータ、およびプレイ時間設定データなどの各種データを記憶しており、制御装置201による設定情報の読み込みおよび保存を許容する。
【0070】
通信部203は、インターネットなどの通信網を介してサーバ等の適宜の装置と通信するLANカード等の通信装置で構成している。この通信部203は、制御装置201の制御信号に従って、撮影画像や編集画像をサーバのデータベースに登録する、あるいはユーザのメールアドレスへ撮影画像や編集画像を送信するといった動作を行う。
【0071】
ドライブ204は、携帯型の不揮発性メモリやUSBメモリといったリムーバブルメディア205に対してデータの読み書きを行うドライブ装置で構成している。このドライブ204は、制御装置201の制御信号に従って、撮影画像や編集画像をユーザの所有するリムーバブルメディア205に書き込み、またリムーバブルメディア205に記憶している撮影画像や編集画像、あるいは編集用アイテムといったデータを読取る。
【0072】
ROM206は、写真シール作成装置100で実行するゲームのプログラムやメンテナンス用のプログラムなど、各種プログラムやデータを記憶している。ゲームのプログラムには、撮影コースに応じて照明設定や編集ツールを切り替えるプログラムや事後接客のプログラムが含まれている。
RAM207は、制御装置201によって一時記憶領域として使用される。
【0073】
また、撮影部210は、撮影ユニット110の機能ブロックであり、硬貨処理部211、背景制御部212、照明装置213、カメラ121、タッチパネルモニタ122、及びスピーカ128で構成し、それぞれ所定のバスを介して制御部201と接続している。
【0074】
硬貨処理部211は、制御装置201の指示により硬貨の投入を受け付ける処理と、硬貨投入返却口127で受け付けた硬貨の種類、枚数を識別して、識別結果を制御装置201に送信する処理を行う。
背景制御部212は、制御装置201から受信した背景制御信号に従って背景カーテンユニット170を制御し、背景カーテンを昇降させて背景色を制御する。
【0075】
照明装置213は、制御装置201から受信した照明制御信号に従い、カメラ上部ストロボ123、傘状ストロボ124、箱状ストロボ125、天井中央ストロボユニット150、及び天井後部ストロボユニット160を撮影タイミングにあわせて発光して撮影空間S内を照明する。
タッチパネルモニタ122のライブビューモニタ122aは、カメラ121で撮影する利用者をリアルタイム表示する機能を有している。
【0076】
また、編集部220は、第1編集部140aの機能ブロックである第1編集部220aと、第2編集部140bの機能ブロックである第2編集部220bとで構成している。なお、第1編集部220aと第2編集部220bとは同一の構成であり、ここでは第1編集部220aを用いて詳述する。
【0077】
第1編集部220aは、タブレット内蔵モニタ143、1対のタッチペン145、及びスピーカ144で構成し、それぞれ所定のバスを介して制御装置201と接続している。
【0078】
タブレット内蔵モニタ143は、編集用モニタ223aと、タブレット223bとで構成している。
編集用モニタ223aは、制御装置201の指示により、撮影画像やデモ画面及び広告などを表示する。
【0079】
タブレット223bは、利用者がタッチペン145を用いてタブレット内蔵モニタ143をタップすると、タッチペン145がタップした位置情報を取得して、制御装置201に位置情報を送信する。
【0080】
また、事後接客部230は、編集ユニット140で編集した編集画像をシール紙に印刷するプリンタ231、事後接客ユニット180の機能ブロックであるタッチパネルモニタ181、スピーカ182、及び非接触型ICリーダ/ライタ部183で構成している。
【0081】
プリンタ231は、制御装置72から受信する印刷データを、シール紙ユニット232に備えられているシール紙233に印刷する、及び印刷したシール紙233を写真シール排出口146に排出する。
【0082】
タッチパネルモニタ181の事後接客用モニタ181aは、制御装置201の指示により、デモ画面、広告画面、及びタッチパネルを利用したゲーム画面などを表示する。さらに、タッチパネルモニタ181は、利用者がモニタ上をタップした位置情報を取得して制御装置201に位置情報を送信する。
【0083】
次に、写真シール作成装置100における写真シール作成ゲーム処理の動作について説明する。
なお、図11は写真シール作成装置100の制御装置201が実行する写真シール作成ゲーム処理の動作のフローチャートを示している。
【0084】
まず、写真シール作成装置100の制御装置201は、図11に示すように、硬貨投入返却口127に硬貨が投入されたか否かを判定する(ステップS301)。硬貨投入返却口127に硬貨が投入されなければ、制御装置201は、硬貨が投入されるまで待機する(ステップS301:No)。
【0085】
一方、硬貨投入返却口127にゲーム料金分の硬貨が投入されると(ステップS301:Yes)、制御装置201は、撮影処理を実行する(ステップS302)。
【0086】
この撮影処理の際、制御装置201は、カメラ121で取得している動画映像をライブビューモニタ122aにリアルタイム表示して利用者にポーズをとらせる。また、制御装置201は、利用者に選択させた撮影コースに応じて、合成用背景画像や合成用前景画像などの合成用画像と撮影中の動画像を合成した合成動画像をライブビューモニタ122aに表示する。これにより、利用者は、仕上がりイメージを確認しながらポーズを取ることができる。
【0087】
なお、合成用画像に関して、制御装置201は、撮影コースに合った合成用画像を用いるか、撮影開始前に複数種類の合成用画像を選択可能にタッチパネルモニタ122に表示して利用者に選択させる。
【0088】
制御装置201は、タッチパネルモニタ122の表示とスピーカ128による音声でカウントダウンを行い、このカウントダウンの終了タイミングで照明装置213に照明制御信号を送信すると共にカメラ121にシャッタ信号を送信する。
【0089】
これにより、照明装置212の各ストロボから閃光を照射し、照明された利用者が背景とともに写っている撮影画像をカメラ121により取得する。この際、天井中央ストロボユニット150の第1天井ストロボ154が照射した光源からの光は、拡散板156により拡散されて柔らかい光となり、撮影空間Sにおける後方寄りの空間の中央付近を明るく照らす。
【0090】
一方、第2天井ストロボ157が照射した光源からの光は、反射板159の反射面159cで多方向に反射、拡散して、撮影空間Sにおける後方寄りの空間を広範囲に渡って明るく照らす。
【0091】
さらに、天井後部ストロボユニット160が照射した光源からの光は、アクリル板162e、及び163eでその強さが調節されるとともに、ルーバー162d、及び163dで指向性を向上した照射幅Wの光として、利用者の頭部(頭頂部)を集中して明るく照らす。
なお、撮影処理を複数回繰り返して複数枚の撮影画像を取得する構成にすることが好ましい。
【0092】
また、制御装置201は、取得した撮影画像から背景板や背景カーテンなどのクロマキーシートが写っている部分を切り落として利用者部分を取出し、この利用者部分の画像を選択された合成用背景画像の上に重ねるクロマキー合成を行って合成編集画像を作成する。このようなクロマキー合成を行うことで、撮影時のポーズにあった合成編集画像を作成することができる。
【0093】
撮影終了後、制御装置201は、編集空間への移動案内処理を実行する(ステップS303)。詳述すると、制御装置201は、利用者に対して編集ユニット140の前にある編集空間のいずれか一方への移動を促す案内画面をタッチパネルモニタ122に表示するとともに、音声による移動案内をスピーカ128に出力する。
【0094】
そして、制御装置201は、利用者による合成編集画像の編集を許容する編集処理を実行する(ステップS304)。詳述すると、制御装置201は、ステップS302で作成した合成編集画像を、タブレット内蔵モニタ143に表示し、この合成編集画像に対して利用者がタッチペン145でアイコン画像や線画像などを描くことを許容し、編集画像を作成する。
【0095】
その後、制御装置201は、事後接客空間への移動案内処理を実行する(ステップS305)。詳述すると、制御装置201は、利用者に対して写真シール排出口146の前への移動を促す案内画面をタブレット内蔵モニタ143に表示するとともに、音声による移動案内をスピーカ144に出力する。
【0096】
さらに、制御装置201は、編集画像に基づく印刷用画像をシール紙233に印刷する印刷処理を実行する(ステップS306)。詳述すると、制御装置201は、タブレット内蔵モニタ143で利用者に印刷レイアウトを選択させ、選択された印刷レイアウトに編集画像を配置して印刷用画像を作成し、この印刷用画像をシール紙233に印刷する。
【0097】
そして、制御装置201は、シール紙233の排出を待つ利用者に対して、事後接客処理を実行する(ステップS307)。詳述すると、制御装置201は、デモ画面、広告画面、あるいは撮影画像または編集画像を任意の携帯端末に送信するゲーム、アンケート入力、ミニゲームなど、適宜の接客処理を実行して、タッチパネルモニタ181に表示する。
【0098】
事後接客処理が終了すると、制御装置201は、シール紙233の排出処理を実行し(ステップS308)、印刷完了したシール紙233を写真シール排出口146から排出し、利用者に写真シールとして提供してゲームを終了する。このようにして、写真シール作成装置100により利用者の写真を、写真シールとして出力することができる。
【0099】
以上のような動作を実現する構成の写真シール作成装置100は、利用者の顔を明るく写すとともに、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる。
【0100】
具体的には、天井中央ストロボユニット150は、光源からの光を後方斜め下方に向けて拡散照射することにより、利用者が前部ユニット120から離れて撮影する、すなわち、利用者が撮影空間Sの後方寄りに位置して撮影しても、利用者に十分な照明をあてることができる。これにより、写真シール作成装置100は、前部ユニット120から離れて撮影しても、利用者の顔を明るくした撮影画像を得ることができる。さらに、写真シール作成装置100は、利用者の前頭部などにおける頭髪に輝くような艶のある撮影画像を得ることができる。
【0101】
また、天井後部ストロボユニット160の第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163は、利用者の頭部幅と略同等な照射幅Wで、利用者の頭上後方から利用者の頭頂部に向けて照射することができる。これにより、写真シール作成装置100は、光源部162a、及び163aからの光の照射範囲を限定して、撮影空間Sの後方寄りで撮影する利用者の頭頂部の頭髪に輝くような艶、例えば、天使の輪を表現した撮影画像を得ることができる。加えて、照射幅Wを限定することで、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163による逆光を防止して、利用者の顔を明るく写した撮影画像を得ることができる。
【0102】
さらに、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163は、利用者の頭部幅と略同等な照射幅Wの光を利用者に照射するため、利用者の側頭部などに光が当たり難くなり、利用者の輪郭がぼやけた撮影画像となることを防止できる。すなわち、写真シール作成装置100は、利用者の輪郭がはっきりとした撮影画像を得ることができる。また、利用者の輪郭がはっきりとしているので、クロマキー合成を行う際、利用者部分の取出しを確実、かつ容易に行うことができる。
【0103】
さらにまた、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163を横並びに配置したことにより、利用者が二人いる場合においても、それぞれの利用者に適切に照明することができる。
【0104】
なお、利用者がカメラ121に接近してアップで撮影する場合においては、カメラ上部ストロボ123、傘状ストロボ124、及び箱状ストロボ125により、利用者の顔を明るく写すことができる。
従って、写真シール作成装置100は、利用者の顔をはっきり明るく写すとともに、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる。
【0105】
また、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163に、ルーバー162d、及び163dを備えたことにより、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163は、光源部162a、及び163aからの光の指向性を向上して、利用者の頭頂部に向けて照射することができる。すなわち、利用者の輪郭がぼやけた撮影画像となることをより確実に防止するとともに、利用者の頭頂部を確実に照らすことができる。これにより、写真シール作成装置100は、頭頂部の頭髪に輝くような艶のある撮影画像を得ることができる。
【0106】
従って、写真シール作成装置100は、より確実に利用者の顔をはっきり写すとともに、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる。
【0107】
また、天井中央ストロボユニット150を、第1天井ストロボ154、及び第2天井ストロボ157とで構成することにより、天井中央ストロボユニット150は、撮影空間Sにおける後方寄りの空間を万遍なく照らすことができる。
【0108】
具体的には、第1天井ストロボ154は、光を拡散する拡散板156により、撮影空間Sにおける後方寄りの空間を柔らかい光で照らすことができる。これにより、第1天井ストロボ154は、拡散板156を介して間接的に利用者を照らすため、撮影時における発光が利用者の表情に影響するおそれがない。また、撮影空間S内における後方寄りに位置して撮影する利用者を適度に照明して、利用者の顔が明るく、かつ立体感があるとともに、頭髪に艶のある撮影画像を得ることができる。
【0109】
一方、第2天井ストロボ157は、前方斜め上方に向けて発光した光を、反射板159で反射して撮影空間Sにおける後方寄りの空間を照らすことができる。そして、第2天井ストロボ157は、反射板159を介することで、第1天井ストロボ154よりも柔らかい光で、広範囲を照らすことができる。これにより、撮影空間S内にいる複数の利用者の間、あるいは利用者のポーズによって生じる不要な影の発生を抑えることができる。例えば、撮影空間S内における後方寄りに二人の利用者が肩を並べて位置して、二人の利用者間の前方に一人の利用者が位置するような場合、後方寄りの二人の間に前方の利用者による影が生じることを抑制できる。
【0110】
つまり、第1天井ストロボ154、及び第2天井ストロボ157で構成した天井中央ストロボユニット150は、撮影空間Sにおける後方寄りの空間を柔らかい光で万遍なく照らすことができる。これにより、写真シール作成装置100は、利用者の顔を明るく写しながらも、利用者の表情が強張った撮影画像となることを防止できる。
【0111】
従って、写真シール作成装置100は、撮影空間S内の利用者を万遍なく照明して、利用者の顔をより確実に明るく写すとともに、頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる。
【0112】
また、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163を、肩を並べて位置する二人の利用者における頭部間と略同等の間隔をあけて横並びに配置したことにより、二人の利用者が肩を並べて撮影する場合であっても、天井後部ストロボユニット160は、それぞれの利用者の頭頂部を照らすことができる。これにより、写真シール作成装置100は、それぞれの利用者の頭髪に輝くような艶のある撮影画像を得ることができる。
【0113】
従って、写真シール作成装置100は、撮影空間S内で二人の利用者が撮影する場合においても、それぞれの利用者の頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる。
【0114】
なお、本実施形態において、撮影空間S内を、天井中央ストロボユニット150の照明灯153で照明する構成としたが、撮影ユニット110の上部の開口率を大きくする、あるいは前部ユニット120の利用者と対面する面に小窓などを設けて、外光を取り込むようにしてもよい。さらに、天井中央ストロボユニット150の前方、及び後方を照らす間接照明、あるいは傘状ストロボ124の背後を照らす間接照明を備えてもよい。これにより、撮影空間S内において照明灯153や外光が届き難く暗くなり易い範囲をより明るくすることができる。
【0115】
また、箱状ストロボ125の内部に、常時点灯する照明灯を備え、足元ストロボ面125bをイラスト、あるいは文字を印刷した乳白色のアクリルと透明なアクリル板による2層構造としてもよい。これにより、箱状ストロボ125は、撮影空間S内における装飾、足元照明、及び撮影時における発光機能を兼ね備えることができる。
【0116】
また、天井後部ストロボユニット160は、図1に示すように、背景カーテンユニット170に対して若干間隔をあけて前方に配置することが好ましい。これにより、天井後部ストロボユニット160を配置しても、背景カーテンユニット170の保守点検が行いやすい。
【0117】
また、天井後部ストロボユニット160の第1後部ストロボ162、第2後部ストロボ163は、それぞれ左右方向に独立してスライドする構成としてもよい。あるいは、ルーバー162d、及び163dの上下角を揺動する構成としてもよい。
【0118】
例えば、撮影空間S内において利用者が一人であれば、第1後部ストロボ162を中央に移動して、第2後部ストロボ163を端部に移動して撮影時に発光しないようにしてもよい。あるいは、カメラ121で取得した利用者のリアルタイム映像から人数、立ち位置を識別して自動的に各後部ストロボを利用者の頭上後方に移動するとともに、ルーバー162d、及び163dを適切な角度に揺動してもよい。例えば、利用者が三人で、撮影空間S内におけるそれぞれ立ち位置が横並びの場合に、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163を、撮影空間Sの外側寄りに位置する二人の利用者の頭上後方に移動するようにしてもよい。
【0119】
これにより、写真シール作成装置100は、撮影空間S内において、利用者がどのような立ち位置であっても、光源部162a、及び163aからの光を確実に利用者の頭頂部に照射することができる。
従って、写真シール作成装置100は、利用者の頭髪に輝くような艶のある写真シールを利用者に提供することができる。
【0120】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の撮影手段は、実施形態の撮影ユニット110に対応し、
以下同様に、
編集手段は、編集ユニット140に対応し、
印刷手段は、プリンタ231に対応し、
中央照明手段は、天井中央ストロボユニット150に対応し、
後部照明手段は、第1後部ストロボ162、及び第2後部ストロボ163に対応し、
指向性部材は、ルーバー162d、及び163dに対応し、
第1照明手段は、第1天井ストロボ154に対応し、
第2照明手段は、第2天井ストロボ157に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0121】
例えば、第1後部ストロボ162における照射面162bの開口部162cの別の実施形態である図12のように、照射面162bの開口部162cに、光源162aからの光の指向性を向上するハニカム状の指向性部材162fを備えることができる。これにより、第1後部ストロボ162は、指向性部材162fによる影を利用者の頭部(頭頂部)に生じにくくすることができる。
【0122】
さらに、光源部162a、及び163aに指向性の高いLEDなどを用いてもよい。これにより、ルーバー162dや指向性部材162fを不要にすることができる。
【符号の説明】
【0123】
100…写真シール作成装置
110…撮影ユニット
140…編集ユニット
150…天井中央ストロボユニット
154…第1天井ストロボ
156…拡散板
157…第2天井ストロボ
159…反射板
162…第1後部ストロボ
162a…光源部
162d…ルーバー
162f…指向性部材
163…第2後部ストロボ
163a…光源部
163d…ルーバー
210…撮影部
220…編集部
231…プリンタ
S…撮影空間
W…照射幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影空間内の少なくとも一人の利用者を撮影する撮影手段と、
撮影した画像を編集許容する編集手段と、
所定の画像を印刷する印刷手段とを備えた写真シール作成装置であって、
前記撮影空間から前記撮影手段に向かう方向を前方として、
前記撮影空間の上部略中央に配置するとともに、前記撮影空間における後方寄りの空間を照らす中央照明手段、及び前記撮影空間の上部における後方側端部近傍に配置するとともに、前記撮影空間における前方寄りの空間を照らす後部照明手段とを備え、
前記中央照明手段を、
撮影タイミングにあわせて発光するとともに、前記撮影空間の後方斜め下方に向けて光源からの光を拡散照射する構成とし、
前記後部照明手段を、
前記撮影空間の上部における後方側端部近傍において側方に所定の間隔をあけて二つ並べて配置して、撮影タイミングにあわせて発光するとともに、前記利用者の頭部幅と略同等な照射幅で、前記利用者の頭上後方から前記利用者の頭頂部に向けて光源からの光を照射する構成とした
写真シール作成装置。
【請求項2】
前記後部照明手段に、
光源からの光の指向性を向上する指向性部材を備えた
請求項1に記載の写真シール作成装置。
【請求項3】
前記中央照明手段を、
撮影タイミングにあわせて後方斜め下方に向けて発光するとともに、光を拡散する拡散板を介して前記撮影空間における後方寄りの空間を照らす第1照明手段と、
撮影タイミングにあわせて前方斜め上方に向けて発光するとともに、光を反射する反射板を介して前記撮影空間における後方寄りの空間を照らす第2照明手段とで構成した
請求項1または2に記載の写真シール作成装置。
【請求項4】
前記後部照明手段を、
前記撮影空間内において、前記撮影手段に対向するとともに、肩を並べて位置する二人の利用者における頭部間と略同等の間隔をあけて横並びに配置した
請求項1から3のいずれか1つに記載の写真シール作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−37130(P2013−37130A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172087(P2011−172087)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】