説明

写真シール機

【課題】カメラの高さに応じた光を照射して撮影を行うことができるようにする。
【解決手段】カメラ51の高さを利用者自身が調整して撮影を行うことができるようになされている。中カメラの状態にあるカメラ51による撮影のタイミングでは、上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38が発光するのと同時にストロボユニット52も発光する。利用者がカメラ51に顔を近づけている場合、拡散板が設けられているストロボユニット52からの光が主に顔にあたる。一方、上カメラの状態にあるカメラ51による撮影のタイミングでは、正面パネル31の内側に隠れているストロボユニット52は発光せずに、上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38が発光する。利用者がカメラ51に顔を近づけている場合、拡散板が設けられていない上ストロボユニット33からの光が主に顔にあたる。本発明は、写真シール機に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真シール機に関し、特に、カメラの高さに応じた光を照射して撮影を行うことができるようにした写真シール機に関する。
【背景技術】
【0002】
娯楽(遊戯)施設等に設置される従来の写真シール機により提供される1回のゲームは、利用者である被写体の撮影、撮影画像に対する編集(落書き)、編集が施された画像もしくは撮影画像のシール紙への印刷、という流れで終了する。
【0003】
近年、写真シール機の利用者は撮影に重点をおき、お気に入りの撮影画像を得るために、様々なポーズをとったり、多種多様な背景画像や前景画像を自分自身が写っている画像に合成したりしながら撮影を行っている。
【0004】
利用者のそのような行動に対応して、カメラを上下に移動させて様々なカメラアングルで撮影を行うことができる写真シール機が開発されている(例えば、特許文献1)。この機能により、利用者は、カメラアングルを変えて様々なポーズの撮影画像を得ることができる。
【0005】
カメラにより取り込まれた動画像をリアルタイムで表示させるライブビューモニタがカメラの近傍に設置されているものもあり、これにより、利用者は自分の姿を動画像によって確認しながら撮影を行うことができる。
【0006】
【特許文献1】特開2006−155353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したような写真シール機においては、様々なカメラアングルで撮影を行うことはできるものの、撮影時に発光するストロボがカメラアングルに応じて変わることはないので、全ての撮影画像を、適切な光を照射して撮影することができるとは限らない。
【0008】
このことから、カメラアングルにあわせて考えたポーズをとって撮影を行ったにもかかわらず、撮影結果として得られた撮影画像に利用者が満足できないことがあった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、カメラの高さに応じた光を照射して撮影を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面の写真シール機は、利用者を被写体として撮影し、撮影して得られた画像に対して利用者に編集を行わせ、撮影して得られた前記画像または編集済みの画像をシール紙に印刷して利用者に提供する写真シール機において、撮影を行う利用者と対向する、前記写真シール機の筐体の面の一部を構成するパネルと、上から、第1のストロボ、カメラの順に取り付けられ、前記第1のストロボと前記カメラを一体的に上下方向に移動させるユニットであって、筐体内側に設けられ、前記パネルに形成される略長方形の開口部から構成の一部が外部に露出するユニットと、前記パネルに形成される開口部の上辺より高い位置に固定して取り付けられ、前記カメラによる撮影と同時に発光する第2のストロボとを備え、前記ユニットが上方向に移動したとき、前記ユニットに取り付けられる前記第1のストロボは前記パネルの内側に隠れ、前記カメラは、上方向に移動する前より斜め下に光軸を向けて、前記パネルに形成される開口部から外部に露出することを特徴とする。
【0011】
前記第1のストロボの内部には拡散板が設けられており、前記第2のストロボの内部には拡散板が設けられていないようにすることができる。
【0012】
前記カメラの高さは、第1の高さと、前記第1の高さより高い第2の高さに調整することができるようになされており、前記カメラが前記第1の高さにあるときには、前記第1のストロボは前記カメラとともに前記パネルに形成される開口部から外部に露出し、その状態から前記ユニットが上方向に移動し、前記カメラの高さが前記第2の高さになったとき、前記第1のストロボは前記パネルの内側に隠れるようにすることができる。
【0013】
前記カメラにより取り込まれた動画像をリアルタイムで表示するモニタが前記ユニットの前記カメラの下にさらに取り付けられており、前記モニタが、前記カメラとともに、前記パネルに形成される開口部から常に外部に露出するようにすることができる。
【0014】
前記第1のストロボが前記パネルに形成される開口部から外部に露出している場合、前記カメラによる撮影と同時に前記第1のストロボを発光させ、前記パネルの内側に隠れている場合、前記カメラによる撮影があっても前記第1のストロボを発光させないように前記第1のストロボの発光を制御する制御手段をさらに設けることができる。
【0015】
本発明の一側面においては、前記ユニットが上方向に移動したとき、前記ユニットに取り付けられる前記第1のストロボは前記パネルの内側に隠れ、前記カメラは、上方向に移動する前より斜め下に光軸を向けて、前記パネルに形成される開口部から外部に露出する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一側面によれば、カメラの高さに応じた光を照射して撮影を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る写真シール機1の外観の例を示す図である。
【0018】
写真シール機1は、代金を支払った利用者に撮影や編集等の作業をゲームとして行わせ、撮影・編集した画像を、シール紙に印刷して利用者に提供するゲーム機である。写真シール機1は、通常、ゲームセンタなどの店舗に設置される。利用者は、1人であることもあるし、複数人のグループであることもある。
【0019】
写真シール機1の利用者は、代金を支払った後、写真シール機1に設けられるカメラを用いて撮影作業を行い、得られた撮影画像に対してペン画像やスタンプ画像を入力するなどして編集(落書き)作業を行う。また、利用者は、編集作業によって自分好みのものにデザインした撮影画像をシール紙に印刷し、画像が印刷されたシール紙を受け取る。
【0020】
このように、写真シール機1により提供される1回のゲームは、撮影、撮影画像に対する編集、編集が施された画像もしくは撮影画像のシール紙への印刷、という流れで進められる。
【0021】
図1に示されるように、写真シール機1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット13が並べて設置されることによって構成される。
【0022】
撮影ユニット11は、利用者を被写体として撮影する機能を有しており、内部に形成される撮影空間において利用者に撮影を行わせる。撮影ユニット11は、前方ユニット11Aと後方ユニット11Bが、撮影空間の内部を照らす照明として用いられる天井ストロボ12を支持する部材で連結されることによって構成される。
【0023】
前方ユニット11Aは、撮影空間にいる利用者が撮影を行うときにその前方にくる側のユニットである。前方ユニット11Aの撮影空間側の面には、利用者を撮影するカメラや撮影に関する各種の操作を受け付けるタッチパネルモニタなどが設けられる。
【0024】
後方ユニット11Bは、撮影空間にいる利用者が撮影を行うときにその後方にくる側のユニットである。後方ユニット11Bは、撮影を行う利用者の背景の役割を果たす。後方ユニット11Bの撮影空間側の面には、撮影時に利用者が自分の背景として利用する可動式のカーテンが設けられるようにしてもよい。
【0025】
編集ユニット13は、撮影画像に対する編集機能を有しており、編集ユニット13の前方に形成される、第1の編集空間である編集空間Aにおいて利用者に編集を行わせる。編集ユニット13の編集空間A側の斜面にはタブレット内蔵モニタやタッチペンからなる編集部Aが設けられる。編集空間Aにいる利用者は、編集部Aに用意されるタブレット内蔵モニタに表示される撮影画像に対して、タッチペンを用いて編集を行う。
【0026】
図1には示されていないが、編集ユニット13を挟んで編集空間Aの反対側には第2の編集空間である編集空間Bが形成される。編集空間A側と同様に、編集ユニット13の編集空間B側の斜面にはタブレット内蔵モニタやタッチペンからなる編集部Bが設けられる。
【0027】
すなわち、撮影作業を終えた2組の利用者が同時に編集作業を行うことができるようにするために、編集を行うための構成が編集ユニット13の2つの斜面にそれぞれ用意されている。これにより、写真シール機1は、1組の利用者に撮影作業を行わせると同時に、2組の利用者に編集作業を行わせることができる。
【0028】
図2は、図1の写真シール機1を編集ユニット13側から見た斜視図である。
【0029】
図2に示されるように、編集ユニット13は、前方ユニット11Aの背面(撮影空間側の面と反対の面)に接した状態で設置される。編集ユニット13の編集空間A側の斜面に設けられる編集部Aにはタブレット内蔵モニタ21Aが設けられ、その左右に、タッチペン22A1,22A2がそれぞれ用意される。編集空間Aにいる利用者が2人のグループである場合、一方がタッチペン22A1を用い、他方がタッチペン22A2を用いるなどして、それぞれの利用者が同時に編集を行うことができる。
【0030】
編集ユニット13の編集空間B側の斜面にも編集部Aと同様の構成を有する編集部Bが設けられる。編集空間Aにいる利用者と編集空間Bにいる利用者は、編集ユニット13を挟んで対向する状態で編集作業を行うことになる。
【0031】
また、図2に示されるように、編集ユニット13の、撮影ユニット11が接する面と対向する面の下方にはシール紙排出口23が設けられる。編集済みの画像が印刷されたシール紙は、このシール紙排出口23から排出される。利用者は、シール紙排出口23の前方でシール紙が排出されるのを待ち、排出されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
【0032】
このような構成を有する撮影ユニット11と編集ユニット13は、撮影作業を行っている利用者の様子を外部からのぞくことができないように、あるいは、編集作業を行っている利用者の様子を外部からのぞくことができないように、その全体がカーテンで囲まれる。カーテンの外側には写真シール機1の機種名や機種のイメージを表すデザインが施される。
【0033】
図3は、写真シール機1を上から見た平面図である。写真シール機1によって提供される一連のゲームの流れと、ゲームを行う利用者の移動について図3を参照して説明する。
【0034】
前方ユニット11Aと後方ユニット11Bの間に形成される撮影空間において撮影作業を終えた利用者は、図3の矢印A1に示されるようにして編集空間Aに、または、矢印A2に示されるようにして編集空間Bに移動する。例えば、撮影作業を終えた利用者に対しては、編集空間Aと編集空間Bのうち、そのとき空いている方の編集空間に移動することが案内される。利用者は、案内に従って編集空間に移動し、編集作業を行う。
【0035】
編集作業を終えた利用者は、シール紙の分割数の設定(1枚のシール紙に印刷する画像の数や画像の大きさの設定)などを行った後、画像の印刷を開始させる。印刷中にミニゲームなどを行った後、利用者は、矢印A3に示されるように編集空間Aから、または矢印A4に示されるように編集空間Bからシール紙排出口23の前方の受取領域に移動し、シール紙を受け取って一連のゲームを終了する。
【0036】
次に、各ユニットの構成について説明する。
【0037】
図4は、前方ユニット11Aの撮影空間側の面の構成例を示す図である。撮影空間にいる利用者は、基本的に、図4に示される面に向かって撮影作業を行う。
【0038】
図4に示されるように、前方ユニット11Aの撮影空間側の面の中央上方には、前方ユニット11Aの筐体の面の一部を構成する部材である正面パネル31が設けられる。正面パネル31の内側(前方ユニット11Aの筐体内部)にはカメラ周りユニット32が設けられており、そのカメラ周りユニット32の構成の一部が、正面パネル31に形成される開口部から外部に露出する。
【0039】
カメラ周りユニット32には、撮影空間にいる利用者を撮影するカメラ51が取り付けられる。カメラ51はCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を備えるデジタルカメラにより構成される。
【0040】
カメラ周りユニット32のカメラ51の上には、撮影時に発光し、利用者に光を照射するストロボユニット52が取り付けられ、下には、カメラ51による取り込み中の画像をリアルタイムで表示する、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるライブビューモニタ53が取り付けられる。後に詳述するように、カメラ周りユニット32の移動に応じて、カメラ51、ストロボユニット52、ライブビューモニタ53は一体となって上下方向に移動する。ストロボユニット52は内部に拡散板を有しており、その表面には透過性のある乳白色の拡散板が設けられている。
【0041】
正面パネル31の上方には、斜め下に向けて光を照射する上ストロボユニット33が設けられる。上ストロボユニット33が設置されている位置は、正面パネル31に形成される開口部の上辺より高い位置となる。上ストロボユニット33の表面には透過性のある乳白色の拡散板が設けられているが、他のストロボユニットとは異なり、ストロボユニットの内部には拡散板が設けられていない。従って、表面にある拡散板だけを透過することになるため、全てのストロボユニットの内部にある発光体の光量が同じ量であるとすると、上ストロボユニット33の内部にある発光体からの光は、他のストロボユニットの内部にある発光体からの光が照射する範囲と較べて、被写体の狭い範囲に強い光を照射するものになる。
【0042】
利用者から見て正面パネル31の左上と右上にはそれぞれ左上ストロボユニット34と右上ストロボユニット35が設けられる。左と右にはそれぞれ左ストロボユニット36と右ストロボユニット37が設けられ、下方には、斜め上に向けて光を照射する下ストロボユニット38が設けられる。左上ストロボユニット34乃至下ストロボユニット38は、それぞれ、内部に拡散板を有しており、その表面には透過性のある乳白色の拡散板が設けられている。
【0043】
上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38、後述する足元ストロボユニット42、天井ストロボ12は撮影時に発光し、利用者に光を照射する。このように、天井ストロボ12を除いて、カメラ51を囲むようにしてストロボユニットが配置され、利用者に向けて様々な角度から光を照射するように発光することにより、利用者の顔に影ができるのを防ぐことができる。
【0044】
上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38と足元ストロボユニット42の内部には複数の蛍光灯も備えられており、ライブビューモニタ53やタッチパネルモニタ40に表示されている画像を見やすくしたりして操作性や安全性を確保するため、撮影と同時に発光する時以外は、それらの蛍光灯が撮影空間を常時照らす。
【0045】
下ストロボユニット38の左側のスペースは、撮影作業を行う利用者が手荷物等を置くための荷物置き場39として用いられる。
【0046】
下ストロボユニット38の右側には、撮影作業に関する案内などが表示されるタッチパネルモニタ40が設けられる。利用者は、タッチパネルモニタ40に表示される案内に従ってタッチパネルモニタ40の表面を指で直接触れるなどして各種の選択を行い、撮影作業を行う。
【0047】
タッチパネルモニタ40の下方には硬貨投入返却口41が設けられる。利用者は、写真シール機1により提供されるゲームを開始するとき、所定の代金分の硬貨を硬貨投入返却口41に入れる。
【0048】
下ストロボユニット38の下方には足元ストロボユニット42が設けられる。前方ユニット11Aには、撮影作業に関する案内の音声や効果音が出力されるスピーカなども設けられる。
【0049】
また、図4に示されるように、前方ユニット11Aの前方には、床に置くような形でステップ43が設けられる。後に詳述するように、ステップ43は、撮影空間にいる利用者がカメラ51に近づきすぎないように規制する役割を有する。
【0050】
ここで、カメラ51の上下方向の移動について説明する。
【0051】
撮影作業時、利用者は、標準の高さと、標準の高さより高めの高さのうちのいずれかを選択し、選択した高さになるようにカメラ51の高さを調整することができるようになされている。写真シール機1が主にターゲットとする利用者が10代後半の女性であり、10代後半の女性の平均の身長が150cm後半であるとすると、カメラ51の床からの標準の高さは10代後半の女性の平均的な鼻の高さとほぼ同じ高さである1400mm程度となる。また、標準の高さより高めの高さは、10代後半の女性の平均的な身長より少し高い1600mm程度となる。
【0052】
以下、適宜、標準の高さにあるカメラ51を中カメラといい、標準の高さより高めの高さにあるカメラ51を上カメラという。また、利用者が平均的な身長の10代後半の女性であるものとして説明する。
【0053】
図5は、中カメラの状態にあるカメラ51の近傍を示す図であり、図6は、図5の一点鎖線上の断面図である。図6において、上ストロボユニット33、下ストロボユニット38の断面の図示は省略している。
【0054】
図5に示されるように、正面パネル31に形成される開口部31Aから、カメラ周りユニット32に取り付けられている構成が外部に露出する。カメラ51が中カメラの状態にある場合、カメラ周りユニット32に取り付けられるカメラ51、ストロボユニット52、ライブビューモニタ53の全てが外部から見え、このとき、略直線上に、上から、上ストロボユニット33、ストロボユニット52、カメラ51、ライブビューモニタ53、および下ストロボユニット38が並ぶことになる。
【0055】
カメラ51は、カメラ周りユニット32に形成される開口部32A内に挿入され、図6の位置Pを通る、紙面と垂直方向の軸を基準として回動可能とされる。中カメラの状態にあるカメラ51の光軸は若干斜め下に向けられており、撮影画像は斜め上から若干見下ろして撮影した画像になる。
【0056】
図5、図6に示されるように中カメラの状態にあるカメラ51による撮影のタイミングでは、上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38、足元ストロボユニット42、天井ストロボ12が発光するのと同時にストロボユニット52も発光し、利用者に光を照射する。
【0057】
これにより、利用者が例えばカメラ51に顔を近づけて撮影を行っている場合、ストロボユニット52が発光することによって顔全体に十分に光がいきわたり、影の部分の少ない、写りのよい画像を撮影することが可能になる。カメラ51の直上の部分にストロボユニット52が設けられていないとした場合、カメラ51とその上方にある上ストロボユニット33の間にスペースができてしまい、上ストロボユニット33は発光するものの利用者の顔に適切に光を照射することが難しくなるが、カメラ周りユニット32にストロボユニット52が設けられていることにより、顔に均一に光を照射することが可能になる。
【0058】
カメラ51が中カメラの状態で撮影する場合、ストロボユニット52がカメラ51の近くで発光するため、上ストロボユニット33の光量は、ストロボユニット52が外部に露出しなくなる、カメラ51が上カメラの状態にある場合と較べて弱くなるようにしてもよい。
【0059】
例えば、カメラ51の高さを高くすることが利用者により指示された場合、前方ユニット11Aの内部でカメラ周りユニット32が上に移動し、それに伴って、カメラ周りユニット32に取り付けられているカメラ51、ストロボユニット52、およびライブビューモニタ53も上に移動する。
【0060】
図7は、上カメラの状態にあるカメラ51の近傍を示す図であり、図8は、図7の一点鎖線上の断面図である。図8においても、上ストロボユニット33、下ストロボユニット38の断面の図示は省略している。
【0061】
カメラ51が上カメラの状態にあるとき、ストロボユニット52は正面パネル31の内側に隠れ、カメラ周りユニット32に取り付けられる構成のうち、カメラ51とライブビューモニタ53だけが外部に露出した状態になる。カメラ51の位置を基準とすると、中カメラの状態にあるときにはカメラ51の直上にはストロボユニット52がくるが、上カメラの状態にあるときにはカメラ51の直上には上ストロボユニット33がくることになる。
【0062】
図8に示されるように、上カメラの状態にあるとき、カメラ51の光軸は、中カメラの状態にあるときより斜め下に向けられる。これにより、斜め上から見下ろして撮影する度合いが強まり、意識的にあごを引くのではなく、自然にあごを引いたような利用者の顔を撮影した画像が得られる。あごを引いたような状態で撮影が行われることにより、利用者の顔は、撮影画像上では、正面から撮影したときと較べて小顔に見えることになる。
【0063】
図7、図8に示されるように上カメラの状態にあるカメラ51による撮影のタイミングでは、上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38、足元ストロボユニット42、天井ストロボ12は発光するが、正面パネル31の内側に隠れてしまっているため、ストロボユニット52は発光しない。
【0064】
これにより、例えば利用者がカメラ51に顔を近づけて撮影を行っている場合、ストロボユニット52の代わりに上ストロボユニット33からの光が利用者の顔にあたることになり、利用者の鼻筋を明るくすることができ、鼻筋を白飛びさせた感じの画像を撮影することが可能になる。ストロボユニット52は面で発光することによって顔全体に光を照射するものであるのに対して、拡散板がない上ストロボユニット33は、斜め下に向けて強い光を照射するものであるため、ストロボユニット52の光が多く顔にあたる場合と上ストロボユニット33の光が多く顔にあたる場合とで異なるイメージの画像が得られることになる。このように、写真シール機1においては、カメラ51の高さに応じた光を照射して撮影が行われる。
【0065】
カメラ51が上カメラの状態にあるときの前方ユニット11Aの構成例を図9に示す。
【0066】
このように、利用者は、カメラ51の高さを変えて撮影を楽しむことができる。また、利用者は、カメラ51の高さを変えることによって、イメージの異なる画像を撮影することができる。
【0067】
なお、撮影時、カメラ51の高さが音声によってアナウンスされるようにしてもよいし、タッチパネルモニタ40などに、そのときのカメラ51の高さと同じ高さから撮影した画像のサンプルが表示されるようにしてもよい。これにより、撮影方法をわかりやすくすることができる。
【0068】
また、カメラ51の高さに応じて選択された合成用画像が、カメラ51により撮影された画像に合成され、得られた合成画像がライブビューモニタ53などに表示されるようにしてもよい。利用者が上カメラを選択し、カメラ51に近づいて撮影を行っているときには、カメラ51により撮影された画像に対して、例えば、撮影された画像の上部に前景画像となる合成用画像が合成されないような合成用画像を用いてもよい。そのようにすることで、撮影された画像の上部には利用者の顔部分が写るため、顔部分に前景画像となる合成用画像がかからず、利用者が満足する撮影画像を得ることができる。
【0069】
次に、ステップ43について説明する。
【0070】
図10は、前方ユニット11Aを上から見た図である。
【0071】
図10に示されるように、前方ユニット11Aの前方に形成される撮影空間の床に置かれるステップ43の上面は半円弧状の形状を有する。その形状は、下ストロボユニット38を上から見たときの形状を外側に広げたものに近く、半円の内角は、点線で示されるカメラ51の画角以上とされる。ステップ43の弦側の側面は前方ユニット11Aに向けられ、弧側の側面は撮影空間の床に立つ利用者に向けられる。
【0072】
図11は、図10の一点鎖線上のステップ43の断面図である。
【0073】
図11に示されるように、カメラ51の真下からステップ43の縁までの水平方向の幅は750mmあり、高さは70mmある。利用者は、図12に示されるようにステップ43の側面につま先をあてて立ち位置を決め、撮影を行うことになる。
【0074】
図12に示されるようにして利用者がステップ43の側面につま先をあてて立っているとき、点線で示す上カメラの状態にあるカメラ51の画角には、利用者の頭の少し上から膝付近までの範囲が収まる。
【0075】
一方、上述したように平均的な身長を有する10代後半の女性の利用者が図13に示されるようにステップ43の上に立った場合、頭の一部はカメラ51の画角からはみ出ることになる。また、仮にステップ43が用意されていないとした場合、顔を大きく写そうとする意識が働くことによって、利用者は図14に示されるようにカメラ51に近づきすぎてしまい、あごを上げた状態で撮影を行ってしまうことになる。
【0076】
ステップ43の水平方向の幅として、このように、上カメラの状態にあるカメラ51の画角に利用者の体が適度に収まり、かつ、あごを上げることなく利用者がハイアングルの画像を撮影することができるような幅が選択される。すなわち、ステップ43の水平方向の幅は、カメラ51の画角と、ターゲットとする利用者の身長(所定の高さ)によって選択される。
【0077】
図15は、カメラ51が中カメラの状態にあるときの撮影の様子を示す図である。
【0078】
図15に示されるように、カメラ51が中カメラの状態にあり、ステップ43の側面につま先をあてて立っている利用者が下ストロボユニット38に手をついた場合、上体は前傾し、直立している場合と較べて、カメラ51の正面と顔の間に角度がつくことになり、これによっても、自然な姿勢であごを引いたようなハイアングルの画像を撮影することが可能になる。
【0079】
このようなステップ43が用意されていることにより、撮影ユニット11の前方の床に引かれている線などによって立ち位置が案内される場合に較べて、利用者は、目線を床に向けることなく、立ち位置を素早く決めることができる。また、撮影を素早く始めることができる。
【0080】
このように、ステップ43は、利用者がカメラ51に近づきすぎないように規制する機能を有するとともに、カメラ51と一定の距離を保ち、自然な姿勢であごを引いたような小顔の撮影画像を得ることができるような適切な立ち位置に、素早く立たせる機能を有する。平均的な身長より背の低い利用者であれば、ステップ43を撮影台として使い、その上に立って撮影を行うようにしてもよい。
【0081】
図16は、中カメラの状態にあるカメラ51の上下方向の画角の例を示す図である。
【0082】
図16の横軸はカメラ51からの距離を表し、縦軸は床からの高さを表す。図16の位置P1はカメラ51の位置を表し、中カメラの状態にあるカメラ51の床からの高さは1400mmとされている。図16の例においては、カメラ51から利用者の背景までの距離は、カメラ51から後方ユニット11Bの撮影空間側の面までの距離に相当する1500mmとされている。位置P1と位置P2を結ぶ直線がカメラ51の画角の上限を示し、位置P1と位置P3を結ぶ直線がカメラ51の画角の下限を示す。
【0083】
図16に示されるように、ステップ43の側面につま先をあてて利用者が立っている場合、直立しているときも、下ストロボユニット38に手をついて上体を前傾姿勢にしているときも、頭の少し上から足の付け根付近までの範囲が画角に収まる。一方、背面に背中をつけるようにして利用者が直立している場合、頭の上から膝の下付近までの範囲が画角に収まる。
【0084】
このように、カメラ51が中カメラの状態にある場合、利用者の立ち位置によって、頭上の余白(背景が写る部分)の幅が異なる。
【0085】
図17は、上カメラの状態にあるカメラ51の画角の例を示す図である。
【0086】
図17の位置P11はカメラ51の位置を表し、上カメラの状態にあるカメラ51の床からの高さは1600mmとされている。位置P11と位置P12を結ぶ直線がカメラ51の画角の上限を示し、位置P11と位置P13を結ぶ点線がカメラ51の画角の下限を示す。
【0087】
図17に示されるように、ステップ43の側面につま先をあてて利用者が直立している場合、頭の少し上から膝の上付近までの範囲が画角に収まる。一方、背面に背中をつけるようにして利用者が直立している場合、頭の少し上から足の先付近までの範囲が画角に収まる。
【0088】
このように、カメラ51が上カメラの状態にある場合、頭上の余白の幅は立ち位置によってあまり変わらないが、下半身の写る範囲が大きく異なる。すなわち、ステップ43の側面につま先をあてて直立した場合には膝の上付近までの範囲が写り、背面に背中をつけるようにして直立した場合には足の先付近までの範囲が写る。
【0089】
カメラ51が上カメラの状態にある場合、カメラ51により撮影される範囲はこのような範囲になるが、斜め上から撮影が行われることから、下の方になるにつれて体が小さくいわば逆三角形に写り、顔や上半身とのバランスが悪くなる。
【0090】
そこで、写真シール機1においては、上カメラの状態にあるとき、カメラ51により撮影された画像のトリミングが行われ、体の下の方が写っている、下から所定の幅の範囲がカットされるようになされている。上カメラの状態にあるカメラ51により撮影された全ての画像を対象としてトリミングが行われることにより、ライブビューモニタ53にはトリミング後の画像が表示される。
【0091】
図17の位置P11と位置P14を結ぶ点線はトリミング後の画像に写る範囲の下限を示す。トリミングが行われることにより、トリミング後の画像には、ステップ43の側面につま先をあてて利用者が直立している場合には頭の少し上から腰の上付近までの範囲が写り、背面に背中をつけるようにして利用者が直立している場合には頭の少し上から膝の上付近までの範囲が写る。
【0092】
図18は、上カメラの状態にあるカメラ51により撮影された画像の例を示す図である。
【0093】
図18に示される画像はトリミング前の原画像であり、この原画像にはステップ43の側面につま先をあてて直立している2人の女性が並んで写っている。右側の女性の身長が10代後半の平均的な女性の身長であり、上述したように、撮影された画像には頭の少し上から膝の上付近までの範囲が写っている。
【0094】
図19は、トリミングによって抽出される範囲の例を示す図である。
【0095】
例えば、図19に示されるように、太線L1で囲まれる範囲がトリミングによって抽出される。図19の例においては、画像全体のうちの下から約1/4の範囲をカットするとともに、トリミング前の原画像の縦横の比率とトリミング後の画像の縦横の比率が同じ比率になるように、左右の所定の幅をカットし、残りの範囲を抽出するような範囲が設定されている。画像の上側を残し、下側と左右の所定の幅をカットするこのトリミングの範囲は固定の範囲とされる。
【0096】
図20は、図18の画像を対象としてトリミングを行うことによって抽出されたトリミング後の画像の例を示す図である。
【0097】
図20に示されるように、トリミング後の画像には頭の少し上から腰の上付近までの範囲が写る。この画像は、図19の画像全体のうちの太線L1で囲まれる範囲を拡大したものに相当する。このようにしてトリミングが行われることによって得られたトリミング後の画像が、ライブビューモニタ53に表示されたり、撮影画像として編集の対象とされたりする。
【0098】
トリミング後の画像がライブビューモニタ53に表示されるのではなく、原画像に重ねて、図19に示されるようなトリミングの範囲を表す枠をライブビューモニタ53に表示させるようにしてもよいし、原画像全体のうち、トリミングによって削除される部分を白ぬきなどで表示させないようにしてもよい。この場合、トリミングが施される画像は、撮影された撮影画像だけとなる。これにより、利用者はライブビューモニタ53の表示からトリミングによって抜き出される範囲を容易に確認することができる。また、撮影画像だけを対象としてトリミングが行われるため、カメラ51により取り込まれた全ての画像を対象としてトリミングが行われる場合に較べて処理負荷を軽減することができる。
【0099】
カメラ51に近づきすぎると顔が切れてライブビューモニタ53に表示されるため、利用者にはカメラ51から自然と遠ざかって撮影しようとする意識がはたらくことになる。
【0100】
なお、原画像の上方の範囲を全く取り除かないのではなく、上から所定の幅の範囲も取り除かれるようにしてもよい。このとき、原画像の上から所定の幅の範囲は、上述したようにして取り除くことの対象となる、原画像の下から所定の幅の範囲より狭い範囲となる。
【0101】
図21は、上カメラの状態にあるカメラ51により撮影された画像の他の例を示す図である。
【0102】
図21に示される画像もトリミング前の原画像であり、この原画像には背面に背中をつけるようにして直立している2人の女性が並んで写っている。右側の女性の身長が10代後半の平均的な女性の身長であり、上述したように、撮影された画像には頭の少し上から足の先付近までの範囲が写っている。利用者の立ち位置がカメラ51から離れている場合、図21に示されるように、下の方になるにつれて体が小さく写り、顔や上半身とのバランスが悪くなる現象が図18の画像と較べて顕著になる。
【0103】
図22は、トリミングによって抽出される範囲の例を示す図である。
【0104】
図22に示されるように、固定の範囲である太線L1で囲まれる範囲に従ってトリミングが行われる。
【0105】
図23は、図21の画像を対象としてトリミングを行うことによって抽出されたトリミング後の画像の例を示す図である。
【0106】
図23に示されるように、トリミング後の画像には頭の少し上から膝の上付近までの範囲が写る。この画像は、図22の画像全体のうちの太線L1で囲まれる範囲を拡大したものに相当する。
【0107】
このようにしてトリミングが行われることにより、カメラ51から離れた位置に立って撮影を行った場合であっても、利用者は、バランスのよい、カメラに近づいたようなアップ画像を容易に得ることができる。写真シール機1側としては、満足のいく撮影画像を利用者に提供することができる。
【0108】
以上のようなトリミングは、カメラ51が上カメラの状態にあるときにのみ行われ、中カメラの状態にあるときには行われないようにしてもよいし、中カメラの状態にあるときであっても、上カメラの状態にあるときに取り除くことの対象となる範囲より狭い範囲を取り除くようにして行われるようにしてもよい。
【0109】
次に、編集ユニット13の構成について説明する。
【0110】
図24は、編集ユニット13の編集空間A側の構成例を示す図である。
【0111】
図24に示されるように、編集ユニット13の編集空間A側には編集部Aが設けられる。編集部Aにはタブレット内蔵モニタ21Aが設けられ、その左右に、タッチペン22A1,22A2がそれぞれ用意される。タブレット内蔵モニタ21Aは、タッチペン22A1,22A2により位置情報を入力可能なタブレットと、編集の対象とする撮影画像を表示可能なLCD等のモニタから構成される。
【0112】
編集部Aの上方には、カーテンで囲まれているために暗くなる編集空間Aを照らすための照明24が設けられている。編集ユニット13の編集空間B側の構成も図24に示される構成と同様の構成を有する。
【0113】
図25は、編集ユニット13のシール紙排出口23が設けられている側の構成例を示す図である。
【0114】
編集ユニット13にはプリンタが内蔵されている。編集作業が行われることによって得られた編集済みの画像がそのプリンタによりシール紙に印刷され、編集済みの画像が印刷されたシール紙がシール紙排出口23から排出される。
【0115】
次に、写真シール機1の内部の構成について説明する。
【0116】
図26は、写真シール機1の内部のハードウエア構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0117】
制御装置101は写真シール機1の装置全体を制御する。制御装置101には、記憶部102、通信部103、ドライブ104、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107、プリンタ108、撮影部110、および、編集部A,Bの各構成が接続される。
【0118】
記憶部102は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体からなり、制御装置101から供給される各種の情報をその記憶媒体に記憶させる。記憶部102に記憶されている情報は制御装置101により適宜読み出される。
【0119】
通信部103は、インターネットなどのネットワークを介して、あるいは赤外線等にて、他の装置と通信を行う。
【0120】
ドライブ104には、光ディスクや半導体メモリなどのリムーバブルメディア105が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて制御装置101に供給され、記憶部102に記憶されたり、インストールされたりする。
【0121】
ROM106には、制御装置101において実行されるプログラムやデータが予め記憶される。ROM106に記憶されているデータは制御装置101により適宜読み出される。RAM107は、制御装置101が処理するデータやプログラムを一時的に保持する。
【0122】
プリンタ108は、制御装置101から供給された印刷データによって表される編集済みの画像を、シール紙ユニット109に収納されているシール紙141に印刷する。プリンタ108は、編集済みの画像を印刷したシール紙141をシール紙排出口23から排出し、利用者に提供する。
【0123】
撮影部110は、撮影作業を利用者に行わせるための処理を行うブロックであり、上述したタッチパネルモニタ40、カメラ51、ライブビューモニタ53の他に、硬貨処理部121、背景カーテン122、ストロボ装置123、カメラ周りユニット駆動部124、およびスピーカ125から構成される。
【0124】
タッチパネルモニタ40はモニタとタッチパネルが重畳して構成される。タッチパネルモニタ40は、制御装置101から供給されるRGB信号に基づいて各種の画面を表示するとともに、利用者による操作の内容を検出し、検出した操作の内容を表す入力信号を制御装置101に出力する。制御装置101からタッチパネルモニタ40に対しては、撮影作業の進め方を利用者に案内する画面などを表示させるためのRGB信号が供給される。画面には各種のボタンが設けられ、利用者は必要に応じてボタンを操作して撮影作業を進める。
【0125】
カメラ51は、撮影作業を行っている利用者を被写体として撮影し、撮影して得られた画像データを制御装置101に出力する。例えば、カメラ51は、静止画像である撮影画像の撮影が利用者により指示される前、ライブビュー表示用の動画像を取り込み、取り込んだ動画像の画像データを制御装置101に出力する。また、カメラ51は、撮影の開始が利用者により指示され、所定のタイミングになったときに制御装置101から供給されてくるシャッタ信号に応じて撮影画像を取得し、静止画像である撮影画像の画像データを制御装置101に出力する。
【0126】
ライブビューモニタ53は、カメラ51により取り込まれた動画像のRGB信号が制御装置101から供給されたとき、供給されたRGB信号に基づいてライブビューを表示させる。
【0127】
硬貨処理部121は、制御装置101からの起動信号に応じて起動し、所定の代金分の硬貨が硬貨投入返却口41に投入されたとき、そのことを表す信号を制御装置101に出力する。制御装置101においては、硬貨処理部121から信号が供給されてくることに応じて、ゲームを提供する一連の処理が開始される。
【0128】
背景カーテン122は、制御装置101から供給される背景制御信号に応じて、撮影作業において利用者の背景として用いられるカーテンの上げ下げを行う。写真シール機1には色や柄の異なる複数のカーテンが用意されており、利用者は、好みのカーテンを選択し、選択したカーテンを背景として撮影を行うことができるようになされている。複数のカーテンではなく、単数のカーテンが用意されるようにしてもよく、その方式は昇降式・吊下げ式のいずれの方式でもよい。また、クロマキ用の1枚のカーテンを予め撮影空間の背面に張り付けるとともに、合成用の背景画像を複数種類用意し、利用者が所望する背景画像をカーテンの部分に合成することができるようにしてもよい。
【0129】
ストロボ装置123は、制御装置101から供給される照明制御信号に基づいて、上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38、足元ストロボユニット42、天井ストロボ12、およびストロボユニット52の発光を制御する。
【0130】
カメラ周りユニット駆動部124は、制御装置101から供給される指示信号に応じてモータなどを駆動させ、カメラ周りユニット32を上下方向に移動させたり、カメラ51の光軸の角度を変えたりする。カメラ周りユニット駆動部124は、カメラ周りユニット32の位置を表す移動信号を制御装置101に出力する。
【0131】
スピーカ125は、制御装置101から供給される音声信号に基づいて、撮影作業の進め方を案内する音声や、効果音などを出力する。
【0132】
編集部Aのタブレット内蔵モニタ21Aは、編集用モニタ131と、編集用モニタ131に重畳されたタブレット132から構成される。タブレット内蔵モニタ21Aは、制御装置101より供給されるRGB信号に基づいて編集画面を表示させる。編集画面には、撮影作業を終えた利用者により選択された編集対象の撮影画像や、編集対象の撮影画像に対して入力するペン画像やスタンプ画像を選択するためのボタンなどが表示される。また、タブレット内蔵モニタ21Aは、タッチペン22A1,22A2を用いて利用者により行われる編集操作の内容を検出し、検出した操作の内容を表す入力信号を制御装置101に出力する。
【0133】
スピーカ133は、制御装置101から供給される音声信号に基づいて、編集作業の進め方を案内する音声や、効果音などを出力する。編集部Bも編集部Aと同様の構成を有する。
【0134】
図27は、制御装置101の機能構成例を示すブロック図である。
【0135】
図27に示される構成のうちの少なくとも一部は、制御装置101により所定のプログラムが実行されることによって実現される。図27に示されるように、制御装置101においては、カメラ位置制御部151、ライブビュー表示制御部152、および発光制御部153が実現される。
【0136】
カメラ位置制御部151は、タッチパネルモニタ40に表示される選択画面に対する利用者の入力に応じて、カメラ51の高さをカメラ周りユニット駆動部124に制御させる。選択画面には、カメラ51を上カメラの状態として撮影を行うときに押されるボタンと、カメラ51を中カメラの状態として撮影を行うときに押されるボタンが表示される。
【0137】
カメラ位置制御部151は、カメラ51が上カメラの状態であるのか中カメラの状態であるのかを表す信号を出力する。カメラ位置制御部151から出力された信号はライブビュー表示制御部152と発光制御部153にそれぞれ供給される。
【0138】
ライブビュー表示制御部152は、カメラ位置制御部151から供給された信号により表されるカメラ51の状態に応じてライブビューの表示を制御する。例えば、ライブビュー表示制御部152は、カメラ51が上カメラの状態にあるとき、カメラ51により取り込まれ、画像データとして供給された動画像を構成するそれぞれの静止画像を上述したようにして固定の範囲に従ってトリミングし、トリミング後の静止画像からなる動画像の信号をライブビューモニタ53に出力する。
【0139】
また、ライブビュー表示制御部152は、カメラ51が中カメラの状態にあるとき、カメラ51により取り込まれ、画像データとして供給された動画像をその画角のまま表示するための信号をライブビューモニタ53に出力する。
【0140】
発光制御部153は、カメラ位置制御部151から供給された信号により表されるカメラ51の状態に応じて照明制御信号をストロボ装置123に出力し、上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38、足元ストロボユニット42、天井ストロボ12およびストロボユニット52の発光を制御させる。
【0141】
例えば、発光制御部153は、カメラ51が上カメラの状態にあるとき、ストロボユニット52は発光させずに、上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38、足元ストロボユニット42、天井ストロボ12を撮影と同時に発光させ、カメラ51が中カメラの状態にあるとき、上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38、足元ストロボユニット42、天井ストロボ12、およびストロボユニット52を撮影と同時に発光させる。
【0142】
図27に示される構成の他に、撮影作業を行わせるための構成、編集作業を行わせるための構成、印刷を行う構成などが制御装置101においては実現される。
【0143】
ここで、以上のような構成を有する写真シール機1の処理について説明する。
【0144】
はじめに、図28のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームの流れについて説明する。
【0145】
ステップS1において、制御装置101は、硬貨処理部121からの信号に基づいて、硬貨が投入されたか否かを判定し、硬貨が投入されたと判定するまで待機する。写真シール作成ゲームを行う利用者は、撮影空間に入り、前方ユニット11Aの硬貨投入返却口41に硬貨を入れる。硬貨処理部121は、所定の代金の分の硬貨が投入されたとき、そのことを表す信号を制御装置101に出力する。
【0146】
制御装置101は、硬貨が投入されたとステップS1において判定した場合、ステップS2において、撮影コースを選択するのに用いられる画面をタッチパネルモニタ40に表示させ、撮影コースを利用者に選択させる。
【0147】
撮影コースとして、例えばおすすめ撮影コース(コースA)とこだわり撮影コース(コースB)が用意される。おすすめ撮影コースはカメラ51を上カメラの状態として撮影するか中カメラの状態として撮影するかを基本的には写真シール機1が選択して撮影を行うコースであり、こだわり撮影コースはカメラ51を上カメラの状態として撮影するか中カメラの状態として撮影するかを基本的には利用者自身が選択して撮影を行うコースである。
【0148】
コースAであるおすすめ撮影コースが選択されたとき、ステップS3において、制御装置101はおすすめ撮影コースによる撮影を利用者に行わせる処理であるおすすめ撮影処理を行う。おすすめ撮影処理の詳細については図29のフローチャートを参照して後述する。
【0149】
一方、コースBであるこだわり撮影コースが選択されたとき、ステップS4において、制御装置101はこだわり撮影コースによる撮影を利用者に行わせる処理であるこだわり撮影処理を行う。こだわり撮影処理の詳細については図32のフローチャートを参照して後述する。
【0150】
ステップS5において、制御装置101は、タッチパネルモニタ40の画面やスピーカ125からの音声によって、撮影作業を終えた利用者に対して編集空間Aまたは編集空間Bへの移動を案内する。
【0151】
ステップS6において、制御装置101は、編集空間Aまたは編集空間Bに移動した利用者に編集作業を行わせる処理である編集処理を行う。
【0152】
ステップS7において、制御装置101は、プリンタ108を制御し、編集作業により得られた編集済みの画像をシール紙141に印刷する処理である印刷処理を行う。
【0153】
ステップS8において、制御装置101は、印刷が終了するのを待機している利用者に対してミニゲームなどを提供する処理である事後接客処理を行う。また、ミニゲームに限らず、撮影画像あるいは編集済み画像を利用者等の携帯電話の表示部に表示させるため、通信部103を介して撮影画像あるいは編集済み画像を送信するためのメールアドレス入力、画像選択等の各種操作を利用者にさせるようにしてもよい。
【0154】
ステップS9において、制御装置101は、シール紙排出口23の前方の受取領域への移動を利用者に案内する。
【0155】
シール紙141への印刷が終了したとき、ステップS10において、制御装置101は、編集済みの画像が印刷されたシール紙141をシール紙排出口23に排出し、一連の写真シール作成ゲーム処理を終了させる。
【0156】
次に、図29のフローチャートを参照して、図28のステップS3において行われるおすすめ撮影処理について説明する。
【0157】
おすすめ撮影処理が開始された直後のカメラ51の状態は例えば中カメラの状態になっており、カメラ51により取り込まれた動画像がその画角のままライブビューモニタ53に表示されることによってライブビューの表示が開始される。利用者は、ライブビューの表示を見ながらステップ43を利用するなどして立ち位置を決定し、タッチパネルモニタ40の表示に従って撮影作業を進める。
【0158】
ステップS21において、制御装置101は、タッチパネルモニタ40に対する利用者の入力に応じて、カメラ51の写り、明るさを調整する。
【0159】
ステップS22において、制御装置101は、カメラ51により撮影された画像に合成するのに用いる合成用画像をタッチパネルモニタ40に複数種類表示させ、その中から、好みの合成用画像を利用者に選択させる。合成用画像として、クロマキ処理などによって抽出された被写体の領域の背景として重ねて合成する画像である背景画像と、被写体の領域の前景として重ねて合成する画像である前景画像が用意される。
【0160】
図30は、合成用画像の選択に用いられる画面の例を示す図である。
【0161】
図30に示される画面の中央付近に縦方向に3つ、横方向に5つずつ並べて表示される15個の枠の位置には、それぞれ、合成用画像のサンプルが表示される。利用者は、合成用画像のサンプルを指で直接触れることによって合成用画像を選択することができる。
【0162】
図30の例においては、画面の上方に「撮りたいイメージを2つ選んでね」のメッセージが表示されており、利用者は2種類の合成用画像を選択することができるものとされている。利用者により選択された合成用画像のサンプルは画面右端に縦方向に並べられた2つの枠の位置に表示される。
【0163】
利用者は、このような画面から好みの合成用画像を選択し、撮影作業を進める。ライブビュー表示される画像は、カメラ51により取り込まれた画像に対して合成用画像を合成することによって得られた合成画像となる。
【0164】
合成用画像の選択が終了したとき、ステップS23において、制御装置101のカメラ位置制御部151は、カメラ51の位置(高さ)を所定の高さに変更するようにカメラ周りユニット32の位置をカメラ周りユニット駆動部124に制御させる。
【0165】
ステップS24において、制御装置101は、タッチパネルモニタ40にカウントダウンインジケータを表示させる。また、制御装置101は、カウントダウンインジケータにより表される撮影までの残り時間が0秒になったとき、撮影を行い、撮影画像を得る。
【0166】
ステップS25において、制御装置101は、カメラ51の高さを写真シール機1が選択して行う撮影を所定の回数だけ行ったか否かを判定する。
【0167】
そのような撮影を所定の回数だけ行っていない、すなわち、撮影可能回数が残っているとステップS25において判定した場合、制御装置101は、ステップS22以降の処理を繰り返す。
【0168】
一方、カメラ51の高さを写真シール機1が選択して行う撮影を所定の回数だけ行ったとステップS25において判定した場合、ステップS26において、制御装置101は、選択画面をタッチパネルモニタ40に表示し、カメラ51の高さを利用者に選択させる。
【0169】
図31は、カメラ51の高さの選択に用いられる画面の例を示す図である。
【0170】
図31の例においては、「どっちのカメラで撮影する?」のメッセージが画面の上方に表示されており、利用者はメッセージの下に表示されるボタン201とボタン202のいずれかのボタンを押すことによって、カメラ51を上カメラの状態として撮影するのか、中カメラの状態として撮影するのかを選択することができるものとされている。ボタン201はカメラ51を上カメラの状態として撮影することを選択するときに押されるボタンであり、ボタン202はカメラ51を中カメラの状態として撮影することを選択するときに押されるボタンである。
【0171】
利用者は、このような画面からカメラ51の高さを自ら選択し、撮影作業を進める。
【0172】
ステップS27において、制御装置101のカメラ位置制御部151は、カメラ51の高さが利用者により選択された高さになるようにカメラ周りユニット駆動部124に制御させる。上カメラが選択され、カメラ周りユニット32の移動が終了したとき、カメラ51により取り込まれた動画像を構成するそれぞれの静止画像に対して、制御装置101のライブビュー表示制御部152によりトリミングが施される。ライブビューモニタ53には、トリミング後の静止画像からなる動画像が表示される。
【0173】
ステップS28において、制御装置101は、図30に示される画面と同じ画面を表示するなどして合成用画像を利用者に選択させる。合成用画像が選択された後、ライブビュー表示される画像は、カメラ51により取り込まれた画像に対して合成用画像を合成することによって得られた合成画像となる。
【0174】
ステップS29において、制御装置101は、タッチパネルモニタ40にカウントダウンインジケータを表示させる。また、制御装置101は、カウントダウンインジケータにより表される撮影までの残り時間が0秒になったとき、撮影を行い、撮影画像を得る。
【0175】
撮影時においてカメラ51が上カメラの状態にあるときには、発光制御部153による制御に従って、ストロボユニット52は発光せずに、上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38、足元ストロボユニット42、天井ストロボ12が発光する。また、撮影画像として、トリミング後の画像が得られる。一方、撮影時においてカメラ51が中カメラの状態にあるときには、発光制御部153による制御に従って、上ストロボユニット33乃至下ストロボユニット38、足元ストロボユニット42、天井ストロボ12、およびストロボユニット52が発光する。また、撮影画像として、撮影されたままの画角の画像が得られる。
【0176】
ステップS30において、制御装置101は、カメラ51の高さを利用者が選択して行う撮影を所定の回数だけ行ったか否かと、撮影作業に割り当てられた制限時間が経過したか否かを判定する。
【0177】
カメラ51の高さを利用者が選択して行う撮影を所定の回数だけ行っておらず、かつ、撮影作業に割り当てられた制限時間が経過していないとステップS30において判定した場合、制御装置101はステップS26以降の処理を繰り返す。
【0178】
一方、カメラ51の高さを利用者が選択して行う撮影を所定の回数だけ行ったと判定した場合、または、撮影作業に割り当てられた制限時間が経過したとステップS30において判定した場合、ステップS31において、制御装置101は、編集対象の画像とする撮影画像(キープ画像)を撮影画像全体の中から利用者に選択させ、選択された撮影画像を保存する。その後、図28のステップS3に戻り、それ以降の処理が行われる。
【0179】
次に、図32のフローチャートを参照して、図28のステップS4において行われるこだわり撮影処理について説明する。
【0180】
ステップS41において、制御装置101は、タッチパネルモニタ40に対する利用者の入力に応じて、カメラ51の写り、明るさを調整する。
【0181】
ステップS42において、制御装置101は、選択画面をタッチパネルモニタ40に表示し、カメラ51の高さを利用者に選択させる。
【0182】
図33は、カメラ51の高さの選択に用いられる画面の例を示す図である。
【0183】
図33の例においては、「撮影するカメラを6枚分選んでね。」のメッセージが画面の上方に表示されており、利用者はメッセージの下に表示されるボタン211、ボタン212、ボタン213のいずれかのボタンを押すことによって、6枚の撮影画像を、カメラ51を上カメラの状態として撮影するのか、中カメラの状態として撮影するのかを選択することができるものとされている。ボタン211はカメラ51を上カメラの状態として6枚分撮影することを選択するときに押されるボタンであり、ボタン212はカメラ51を中カメラの状態として6枚分撮影することを選択するときに押されるボタンである。ボタン213は、カメラ51を上カメラの状態として3枚分撮影し、中カメラの状態として3枚分撮影することを選択するときに押されるボタンである。
【0184】
利用者は、このような画面からカメラ51の高さを自ら選択し、撮影作業を進める。
【0185】
ステップS43において、制御装置101のカメラ位置制御部151は、カメラ51の高さが利用者により選択された高さになるようにカメラ周りユニット駆動部124に制御させる。
【0186】
ステップS44において、制御装置101は、図30に示される画面と同じ画面を表示するなどして合成用画像を利用者に選択させる。
【0187】
ステップS45において、制御装置101は、タッチパネルモニタ40にカウントダウンインジケータを表示させる。また、制御装置101は、カウントダウンインジケータにより表される撮影までの残り時間が0秒になったとき、撮影を行い、撮影画像を得る。
【0188】
ステップS46において、制御装置101は、6回などの所定の回数だけ撮影を行ったか否かと、撮影作業に割り当てられた制限時間が経過したか否かを判定する。
【0189】
所定の回数だけ撮影を行っておらず、かつ、撮影作業に割り当てられた制限時間が経過していないとステップS46において判定した場合、制御装置101はステップS42以降の処理を繰り返す。
【0190】
一方、所定の回数だけ撮影を行ったと判定した場合、または、撮影作業に割り当てられた制限時間が経過したとステップS46において判定した場合、ステップS47において、制御装置101は、6枚の撮影画像の中から、編集対象とする撮影画像(キープ画像)を利用者に選択させ、選択された撮影画像を保存する。その後、図28のステップS4に戻り、それ以降の処理が行われる。
【0191】
以上の処理により、利用者はカメラ51の高さを適宜変更することで色々な撮影を行うことができる。写真シール機1側としても、娯楽性のあるゲームを提供しつつ、カメラ51の高さに応じた写りのよい撮影画像を提供することができる。
【0192】
ここで、カメラ51を上下に移動させる構成について説明する。
【0193】
図34は、カメラ51を上下に移動させる構成の例を示す図である。
【0194】
図34に示されるように、カメラ51を上下に移動させる構成として例えばバネ221が用いられる。バネ211は、カメラ51の移動負荷を減少させるものである。
【0195】
カメラ51の重さによって生じる下方向の力をW1とし、カメラの上下動作位置の中心位置を基本位置とする。特徴として、バネ221の張力S1にて負荷を軽減する為、上部位置・中心位置・下部位置にてモータ222に対する負荷が変化する。起動時は、負荷が0になればなるほど、モータ負荷が軽減する。停止時の負荷は、移動方向に対する逆方向の負荷が増加することによりブレーキ効果が発生する。
【0196】
1.中心位置(ホームポジション)
(1)中心位置の荷重バランス:
下式に示されるように中心位置にカメラ荷重とバネ力を合わす設計とする。
Wp=W1−Sp=W1−(kLp)=0
(2)中心位置モータトルク:
Tp=Wp1=0
カメラ荷重とバネ荷重を合わせており、モータ222の負荷を軽減することが可能となる。
(3)中心位置負荷:
F=Ma=0
バネ221により荷重バランスを合わせており、負荷を軽減することが可能となる。
【0197】
2.上部位置
(1)上部位置の荷重バランス:
Wu=W1−Su=W1−(kLu)
バネ221によりカメラ荷重を軽減する機能を有する。
(2)上部位置のモータトルク:
Tu=Wu×r1=W1r1−kLur1
バネ221により上部位置でのモータトルク負荷を軽減している。
(3)上部位置の荷重:
Fu=Wu×a=W1a−kLua
カメラ荷重よりバネ荷重が軽い為、上部位置より下部位置へ移動する際、上記負荷が加速に影響する。
【0198】
3.下部位置
(1)下部位置の荷重バランス:
Wd=kLd−Wu
バネ221を中心位置より引っ張る力が負荷になる。
(2)下部位置のモータトルク:
Td=(kLd−Wu)r1
バネ負荷に対し、カメラ荷重が補助し、負荷を軽減する。
(3)下部位置の荷重:
Fd=(kLd−Wu)a
【0199】
このような構成を採用することにより、起動時には、モータ荷重が0となる為、モータ負荷が軽減すると共に、起動動作が速く動く結果となる。また、停止時には、上方向・下方向とも、負荷荷重がブレーキ荷重になっており、減速ギアの負荷軽減となり、寿命が延長する。
【0200】
また、カメラ51の位置の移動にかかる時間を短縮することができ、写真シール機1の運用時間が短縮される。また、カメラ51の位置の移動に使用するモータ222を小型化することが可能となり、写真シール機1を小型化できる。カメラ51の位置を移動させる装置が軽量化されことになる。
【0201】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
【0202】
インストールされるプログラムは、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)や半導体メモリなどよりなる図26に示されるリムーバブルメディア105に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。プログラムは、記憶部102やROM106に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0203】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0204】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0205】
【図1】本発明の一実施形態に係る写真シール機の外観の例を示す図である。
【図2】図1の写真シール機を編集ユニット側から見た斜視図である。
【図3】写真シール機を上から見た平面図である。
【図4】前方ユニットの撮影空間側の面の構成例を示す図である。
【図5】中カメラの状態にあるカメラの近傍を示す図である。
【図6】図5の一点鎖線上の断面図である。
【図7】上カメラの状態にあるカメラの近傍を示す図である。
【図8】図7の一点鎖線上の断面図である。
【図9】上カメラの状態にある前方ユニットの撮影空間側の面の構成例を示す図である。
【図10】前方ユニットを上から見た図である。
【図11】ステップの断面図である。
【図12】利用者の立ち位置を示す図である。
【図13】利用者の立ち位置を示す他の図である。
【図14】利用者の立ち位置を示すさらに他の図である。
【図15】中カメラの状態にあるときの撮影の様子を示す図である。
【図16】中カメラの状態にあるカメラの画角の例を示す図である。
【図17】上カメラの状態にあるカメラの画角の例を示す図である。
【図18】上カメラの状態にあるカメラにより撮影された画像の例を示す図である。
【図19】トリミングによって抽出される範囲の例を示す図である。
【図20】トリミング後の画像の例を示す図である。
【図21】上カメラの状態にあるカメラにより撮影された画像の他の例を示す図である。
【図22】トリミングによって抽出される範囲の例を示す図である。
【図23】トリミング後の画像の他の例を示す図である。
【図24】編集ユニットの編集空間A側の構成例を示す図である。
【図25】編集ユニットのシール紙排出口が設けられている側の構成例を示す図である。
【図26】写真シール機のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図27】制御装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図28】写真シール作成ゲームの流れについて説明するフローチャートである。
【図29】図28のステップS3において行われるおすすめ撮影処理について説明するフローチャートである。
【図30】合成用画像の選択に用いられる画面の例を示す図である。
【図31】カメラの高さの選択に用いられる画面の例を示す図である。
【図32】図28のステップS4において行われるこだわり撮影処理について説明するフローチャートである。
【図33】カメラの高さの選択に用いられる画面の例を示す図である。
【図34】カメラを上下に移動させる構成の例を示す図である。
【符号の説明】
【0206】
1 写真シール機
32 カメラ周りユニット
33 上ストロボユニット
43 ステップ
51 カメラ
52 ストロボユニット
53 ライブビューモニタ
151 カメラ位置制御部
152 ライブビュー表示制御部
153 発光制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を被写体として撮影し、撮影して得られた画像に対して利用者に編集を行わせ、撮影して得られた前記画像または編集済みの画像をシール紙に印刷して利用者に提供する写真シール機において、
撮影を行う利用者と対向する、前記写真シール機の筐体の面の一部を構成するパネルと、
上から、第1のストロボ、カメラの順に取り付けられ、前記第1のストロボと前記カメラを一体的に上下方向に移動させるユニットであって、筐体内側に設けられ、前記パネルに形成される略長方形の開口部から構成の一部が外部に露出するユニットと、
前記パネルに形成される開口部の上辺より高い位置に固定して取り付けられ、前記カメラによる撮影と同時に発光する第2のストロボと
を備え、
前記ユニットが上方向に移動したとき、前記ユニットに取り付けられる前記第1のストロボは前記パネルの内側に隠れ、前記カメラは、上方向に移動する前より斜め下に光軸を向けて、前記パネルに形成される開口部から外部に露出する
写真シール機。
【請求項2】
前記第1のストロボの内部には拡散板が設けられており、前記第2のストロボの内部には拡散板が設けられていない
請求項1に記載の写真シール機。
【請求項3】
前記カメラの高さは、第1の高さと、前記第1の高さより高い第2の高さに調整することができるようになされており、
前記カメラが前記第1の高さにあるときには、前記第1のストロボは前記カメラとともに前記パネルに形成される開口部から外部に露出し、その状態から前記ユニットが上方向に移動し、前記カメラの高さが前記第2の高さになったとき、前記第1のストロボは前記パネルの内側に隠れる
請求項1または2に記載の写真シール機。
【請求項4】
前記カメラにより取り込まれた動画像をリアルタイムで表示するモニタが前記ユニットの前記カメラの下にさらに取り付けられており、
前記モニタは、前記カメラとともに、前記パネルに形成される開口部から常に外部に露出する
請求項1,2、または3に記載の写真シール機。
【請求項5】
前記第1のストロボが前記パネルに形成される開口部から外部に露出している場合、前記カメラによる撮影と同時に前記第1のストロボを発光させ、前記パネルの内側に隠れている場合、前記カメラによる撮影があっても前記第1のストロボを発光させないように前記第1のストロボの発光を制御する制御手段をさらに備える
請求項1乃至4のいずれかに記載の写真シール機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate


【公開番号】特開2009−169206(P2009−169206A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8762(P2008−8762)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】