説明

写真撮影プリント装置、写真撮影プリント装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体

【課題】ユーザの満足度を犠牲にせずに回転率を向上させて、ユーザの待ち時間を短縮する。
【解決手段】本発明の写真撮影プリント装置1は、編集部3について、使用中であるか否かを判定する使用状況判定部14と、使用状況判定部14の判定結果に応じて、各接客部、すなわち、撮影部2、編集部3、または、印刷部4が実行する工程に含まれる処理を、該接客部と異なる接客部が行うように制御する予備処理制御部15とを備えていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばゲームセンタなどに設置され、ユーザの顔や姿を撮影した写真(撮影画像)をプリントする写真撮影プリント装置、写真撮影プリント装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームセンタなどの娯楽施設において、ユーザの写真撮影を行うとともに、その写真を背景画像などと合成した上でシール紙に出力する写真撮影プリント装置が設置されており、人気を博している。
【0003】
従来の写真撮影プリント装置による、撮影から写真プリント出力までのゲームのフローを説明する。まず、ユーザは、撮影空間にて撮影を行う(撮影工程)。そして、撮影工程にて生成された撮影画像に対して、ユーザは、編集空間にて落書きや明るさの調整、背景画像の合成などの編集を行う(編集工程)。そして、編集工程にて生成された編集画像のうちから、最終的に出力される画像が出力画像としてユーザにより選択され、当該出力画像がシールプリントとして出力され(印刷工程)、ゲームが終了する。
【0004】
ここで、上記撮影工程においては、ユーザがタッチペンなどのポインティングデバイスによって写真撮影プリント装置を操作して、撮影コースの選択、撮影モードの設定(照明の明るさ、照明の配置、背景色の選択など)を行う。ユーザが満足する完成度の高いシールプリントを得るために、ユーザは、撮影時の詳細な設定にも時間をかけている。
【0005】
また、上記編集工程においては、表示画面上に表示した上記撮影画像に対してタッチペンなどのポインティングデバイスによって明るさや色調を補正したり、背景画像を合成したり、落書きやスタンプを追加したりするなどの多種多様な画像編集を行ってユーザが遊ぶことができる。そして、ユーザは、撮影よりも編集にさらに重点をおいて遊んでいる傾向がある。
【0006】
これらの、撮影から印刷までの一連のゲーム工程、特に撮影工程や編集工程では、その処理の種類は多岐にわたる。例えば、撮影工程では、撮影結果にバリエーションを持たせるために、ユーザが撮影モードを任意に選んで、照明の種類、数、照射のタイミング、また、背景(背景のカーテンの色、模様、設置位置など)などを細かく設定することができる。また、編集工程では、撮影画像に対して、明るさや色調の補正、背景画像の合成、落書きやスタンプの追加などの処理が実行できる。さらには、出力画像を印刷する前に行われる印刷準備処理(シールの分割パターン選択、おまけ画像の選択など)が実行されることもある。このように、撮影工程や編集工程は、ユーザが所望の出力画像を得るために行う、ユーザの創作性が最も発揮される、遊戯性の高い工程である。よって、ユーザは気に入った出力画像を得るために、各工程の作業(特に、編集工程)を納得いくまで繰り返し行うことが一般的である。これにより、特定の工程で、時間が徒に経過し、ゲーム全体の回転率を低下させ、ユーザに待ち時間を強いて退屈させる原因となっていた。
【0007】
そのため、写真撮影プリント装置において、ユーザの待ち時間を短縮し、ユーザを飽きさせないようにするためにさまざまな工夫がなされてきた。
【0008】
例えば、特許文献1には、撮影工程、編集工程の各工程を別々のブースで行う写真自販機が開示されている。これにより、別々のユーザ(グループ)が平行して、撮影処理と編集処理とをそれぞれ行うことができ(2重接客)、ユーザの待ち時間を短縮することができる。
【0009】
特許文献2には、編集ブースが使用中の場合に、撮影ブースで待ち時間が発生する場合に備えて、撮影ブースで撮影のやり直しやミニゲームなどをユーザに行わせる画像印刷装置が開示されている。これにより、ユーザは、編集ブースの空き待ちの時間を有効に利用して楽しむことができる。
【0010】
特許文献3には、1つの撮影プレイエリア(ブース)に対して、2つの編集プレイエリアを設置した3重接客に対応した写真プリント提供装置が開示されている。そして、編集プレイエリアで実行される編集処理の終了を制限することが記載されている。これにより、ユーザの待ち時間を短縮することができる。
【特許文献1】特許第3469891号(2003年1月10日公開)
【特許文献2】特許第3516078号(2003年5月23日公開)
【特許文献3】特開2005−326804号公報(2005年11月24日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述の特許文献1〜3の技術では、以下の問題を生じる。
【0012】
より具体的には、特許文献1の写真自販機では、一般に撮影処理よりも編集処理の所要時間の方が長くかかるため、編集ブースの占領時間が長くなってしまい、結果として、編集ブースが空くまで撮影ブースで待たなければならないという問題がある。
【0013】
特許文献2の画像印刷装置では、このような撮影ブースでの待ち時間にユーザが退屈せずにすむように撮影の取り直しなどを実行することができるが、その撮影ブースの空きを待っているさらに後のユーザにとって、余計な待ち時間が増えることになってしまう。結局ゲームの工程全体としては、ユーザの待ち時間を短縮することはできず、回転率をさらに低下させてしまうという問題がある。
【0014】
また、特許文献3の写真プリント提供装置では、印刷処理や撮影処理の状態に基づいて、編集ブースにおける編集処理を強制的に終了させることになるので、待ち時間短縮のために、編集処理の時間を十分に確保できず、結果として完成した写真に対するユーザの満足度が犠牲になってしまうという問題がある。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの満足度を犠牲にせずに回転率を向上させて、ユーザの待ち時間を短縮する写真撮影プリント装置、写真撮影プリント装置の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の写真撮影プリント装置は、上記課題を解決するために、被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理と、上記撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理と、上記各画像をシール紙に印刷する印刷処理とを含むゲーム工程が複数の工程に分かれており、各工程に対応する複数の接客部が各工程を順次並行して実行する写真撮影プリント装置において、少なくとも一つの接客部について、使用中であるか否かを判定する使用状況判定手段と、上記使用状況判定手段の判定結果に応じて、少なくとも1つの接客部に対応する工程に含まれる処理を、該接客部と異なる接客部が行うように制御する処理制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0017】
上記構成によれば、上記写真撮影プリント装置は、複数の接客部を備えている。上記写真撮影プリント装置がユーザに提供するゲーム工程では、撮影、編集、印刷の処理が順次実行されるよう、工程が複数に分かれており、各工程を、対応する複数の接客部がそれぞれ実行する。また、上記複数の接客部は同時に実行可能である。つまり、被写体を含む複数のユーザグループを同時に接客する多重接客を行える写真撮影プリント装置である。
【0018】
このような、写真撮影プリント装置において、使用状況判定手段は、上記複数の接客部のうち、少なくとも一つについて、使用中であるか否かを判定する。すなわち、当該接客部が、ユーザグループを接客中であるか否かを判定する。
【0019】
続いて、処理制御手段は、上記使用状況判定手段の判定結果に応じて、少なくとも1つの接客部に対応する工程に含まれる処理を、該接客部と異なる接客部が行うように制御する。
【0020】
これにより、判定の対象となる接客部が接客中であった場合(使用不可能状態)と、そうでなかった(使用可能状態)場合とに対応して、ゲーム工程に含まれる任意の処理を、どの接客部に実行させるのかを、上記処理制御手段が動的に変更することが可能である。つまり、元々上記任意の処理を実行するよう構成されている接客部に代わり、別の接客部が上記任意の処理を実行することで、ゲーム工程のシーケンスが流動的に変化する。
【0021】
以上のことから、ユーザグループに使用されずアイドル状態になっている接客部や、担当の工程を終了してアイドル状態になろうとしている接客部を有効活用して、本来実行する元の接客部より前倒しして(または、後回しにして)上記任意の処理を実行することができる。結果として、各接客部の空きを待つ時間をできる限り減らし、ゲーム工程全体の所要時間を短縮して、回転率を向上することが可能となる。
【0022】
従来であれば、先の接客部での工程が終了し、次の接客部に移るとき、その次の接客部が使用中であれば、それが終了するまで待つしかなかった。これは、各工程に対応する接客部において、どのような処理をどのような順序で実行するのかがあらかじめ定められ固定されているからである。そのため、ゲーム工程全体の所要時間を短縮して、回転率の向上を図るためには、ゲーム工程の中で、ボトルネックとなる工程(処理)そのものを省略したり、短くしたりするしかなかった。通常、ボトルネックとなる工程(処理)は、ゲーム工程全体の中で最も遊戯性が高く、ユーザが面白みを感じて処理を行う部分であるため、回転率を向上させるために、そのような工程を省略・短縮することは、ユーザの満足度を犠牲にすることにつながってしまっていた。
【0023】
しかしながら、本願発明の写真撮影プリント装置では、上述したとおり任意の処理をどの接客部に実行させるのかを、接客部の使用状況に応じて、動的に決定することが可能であるので、工程(処理)の各々を省略・短縮せずとも、ゲーム工程全体の所要時間を短縮し、回転率の向上を図ることができる。また、各接客部の待ち時間も短縮され、ユーザが退屈な思いをせずに済む。
【0024】
結果として、ユーザの満足度を犠牲にせずに回転率を向上させて、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0025】
上記処理制御手段は、上記使用状況判定手段が、終了した工程の次工程を実行する後工程接客部が使用中であると判定した場合にのみ、上記次工程に含まれる処理を上記終了した工程を実行した前工程接客部が実行するように制御してもよい。
【0026】
上記構成によれば、上記使用状況判定手段は、先に終了した工程の次の工程を実行する後工程接客部の使用状況を判定する。処理制御手段は、上記後工程接客部が使用中であると判断した場合に、当該後工程接客部が実行する次の工程に含まれる処理を、上記終了した工程を実行した前工程接客部が実行するように、当該前工程接客部を制御する。
【0027】
これにより、後工程接客部が先のユーザグループによって使用されており、使えない状態の場合に、上記後工程接客部にて実行される工程の少なくとも一部の処理を、前工程の工程を終了したばかりの前工程接客部にて、前倒しで実行することが可能となる。
【0028】
以上のことから、上記後工程接客部が空くのを待つ時間を有効利用して、前工程接客部にて前もって処理を行うことができ、回転率を上げることが可能となる。
【0029】
結果として、ユーザの満足度を犠牲にせずに回転率を向上させて、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0030】
さらに、上記後工程接客部の使用につき、あらかじめ制限時間が設けられており、上記使用状況判定手段が、上記後工程接客部が使用中であると判定した場合に、その使用経過時間を計測して、該後工程接客部の残り使用可能時間を算出するタイマ手段を備え、上記処理制御手段は、上記タイマ手段により算出された上記後工程接客部の残り使用可能時間が、上記次工程に含まれる処理の所要時間以上ある場合に、該処理を上記前工程接客部が実行するように制御することが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、上記後工程接客部には、ユーザグループが使用できる時間、すなわち、制限時間があらかじめ設けられている。そして、タイマ手段は、上記使用状況判定手段が、上記後工程接客部が使用中であると判定した場合に、その使用経過時間を計測して、該後工程接客部の残り使用可能時間を算出する。
【0032】
続いて、処理制御手段は、算出された上記後工程接客部の残り使用可能時間と、次の工程に含まれる任意の処理(実行主体を別の接客部に変更しようとしている処理)の所要時間とを比較する。
【0033】
そして、次工程に含まれる処理にかかる時間以上に、算出された残り使用可能時間がある場合に限って、処理制御手段は、後工程接客部の任意の処理を、前工程接客部が実行するように、該前工程接客部を制御する。
【0034】
つまり、処理制御手段は、前工程接客部にて前倒しで実行しようとする任意の処理が、後工程接客部の待ち時間の範囲内で実行できる場合にかぎり、前工程接客部が該処理を実行するよう制御する。
【0035】
これにより、任意の処理を前工程接客部で行ったために、後工程接客部がアイドル状態になってしまうことを防止する。これにより、回転率が低下することを回避することが可能となる。
【0036】
さらに、上記次工程に含まれる処理とは、上記印刷処理に先行して実行される、上記シール紙における上記各画像のレイアウトパターンを決定する分割パターン選択処理であってもよい。
【0037】
これにより、後工程接客部の待ち時間を有効利用して、印刷処理より前に、分割パターン選択処理をあらかじめ済ませておくことができる。
【0038】
あるいは、上記処理制御手段は、上記使用状況判定手段が、前工程接客部が実行中の工程の次工程を実行する後工程接客部が使用中でないと判定した場合にのみ、上記実行中の工程に含まれる未実行の処理を上記後工程接客部が実行するように制御してもよい。
【0039】
上記構成によれば、上記使用状況判定手段は、現在接客中の前工程接客部の、次の工程を実行する後工程接客部の使用状況を判定する。処理制御手段は、上記後工程接客部が使用中でなく空き状態であると判断した場合に、上記前工程接客部が実行中の工程に含まれる処理のうち、未実行の処理を、上記後工程接客部が実行するように制御する。
【0040】
これにより、後工程接客部が空き状態で、すぐに使用可能な状態である場合に、上記前工程にて実行される工程の少なくとも一部の未実行処理を、その次に接客を行う後工程接客部に持ち越して実行することが可能となる。上記後工程接客部の空き状態を有効活用して、前工程接客部の処理を持ち越して行うことができるので、前工程接客部をより早く空き状態にすることができる。前工程接客部を早く空けることにより、より早く次のユーザグループを前工程接客部に引き入れることができるので、回転率を向上し、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0041】
さらに、上記実行中の工程に含まれる未実行の処理とは、上記編集処理に先行して実行される、上記撮影処理にて生成された撮影画像の中から編集対象となる編集対象画像を決定する編集対象画像選択処理であってもよい。
【0042】
上記編集対象画像選択処理は、撮影処理後編集処理前のタイミングであれば、いずれの接客部にて実行されてもよい。
【0043】
これにより、後工程接客部のアイドル時間を利用して、編集処理より前に編集対象画像選択処理を行い、前工程接客部を、編集対象画像選択処理のかかる時間分だけ早く空き状態にして、次のユーザグループの接客を行うようにすることができる。
【0044】
さらに、上記前工程接客部は、少なくとも上記撮影処理が含まれる工程を実行する撮影部であり、上記後工程接客部は、少なくとも上記編集処理が含まれる工程を実行する編集部であることが好ましい。
【0045】
上記前工程接客部が撮影部であり、上記後工程接客部が編集部である場合、写真撮影プリント装置は例えば以下のようにゲーム工程のシーケンスを制御する。
【0046】
上記使用状況判定手段は、撮影処理が撮影部にて完了すると、その次の編集処理を実行する編集部の使用状況を判定する。処理制御手段は、上記編集部が使用中であると判断した場合に、当該編集部が実行する分割パターン選択処理を、上記撮影部が実行するように、当該撮影部を制御する。
【0047】
これにより、編集部が先のユーザグループによって使用されており、使えない状態の場合に、編集部にて実行される分割パターン選択処理を、撮影処理を終了したばかりでアイドル状態になろうとしている撮影部にて、前倒しで実行することが可能となる。
【0048】
以上のことから、編集部が空くのを待つ時間を有効利用して、撮影部にて前もって処理を行うことができ、回転率を上げることが可能となる。
【0049】
結果として、ユーザの満足度を犠牲にせずに回転率を向上させて、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0050】
あるいは、上記使用状況判定手段は、現在撮影工程を実行中の撮影部の、次の工程を実行する編集部の使用状況を判定する。処理制御手段は、上記編集部が使用中でなく空き状態であると判断した場合に、上記撮影部の撮影工程に含まれる処理のうち、未実行の処理(例えば、編集対象画像選択処理)を、上記編集部が編集処理の前に実行するように制御する。
【0051】
これにより、編集部が空き状態で、すぐに使用可能な状態である場合に、上記編集対象画像選択処理を、その次に接客を行う編集部に持ち越して実行することが可能となる。上記編集部の空き状態を有効活用して、撮影部の処理を持ち越して行うことができるので、撮影部をより早く空き状態にすることができる。撮影部を早く空けることにより、より早く次のユーザグループを撮影部に引き入れることができるので、回転率を向上し、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0052】
さらに、撮影部が使用中であるために、ユーザが利用を諦めるというケースを減らすことができるため、稼働率が向上し、収益の向上にもつながる。なお、撮影部の待ち状況を判定し、撮影部に待ちが発生している場合のみ、編集部に処理を持ち越すようにしてもよい。
【0053】
なお、使用状況判定手段が、接客部が接客中であるか否かを判定する方法は、特に限定されない。接客部が現在ユーザグループによって使用されていて、別のユーザグループが使用できない状態であるのか否かを適切に判断できる方法であればなんでもよい。
【0054】
また、実行主体としての接客部を変更できる上記任意の処理としては、撮影処理、編集処理、印刷処理などの、実行順序、タイミング、場所などが固定されている固定処理以外の処理であることが好ましい。どの工程に対応するどの接客部に実行させるかを比較的自由に変更することができる。
【0055】
固定処理以外の処理としては、例えば、編集対象画像選択処理、分割パターン選択処理、ミニゲーム選択処理、携帯メールアドレス入力処理などの、固定処理を実行する前にあらかじめ行っておく予備処理が挙げられる。
【0056】
本発明の写真撮影プリント装置の制御方法は、上記課題を解決するために、被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理と、上記撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理と、上記各画像をシール紙に印刷する印刷処理とを含むゲーム工程が複数の工程に分かれており、各工程に対応する複数の接客部が各工程を順次並行して実行する写真撮影プリント装置の制御方法であって、少なくとも一つの接客部について、使用中であるか否かを判定する判定ステップと、上記判定ステップの判定結果に応じて、少なくとも1つの接客部に対応する工程に含まれる処理を、該接客部と異なる接客部が行うように制御する制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0057】
上記方法によれば、上述する写真撮影プリント装置において、上記判定ステップにて、上記複数の接客部のうち、少なくとも一つについて、使用中であるか否かを判定する。すなわち、当該接客部が、ユーザグループを接客中であるか否かを判定する。
【0058】
続いて、制御ステップにて、上記判定ステップにおける判定結果に応じて、少なくとも1つの接客部に対応する工程に含まれる処理を、該接客部と異なる接客部が行うように制御する。
【0059】
これにより、判定の対象となる接客部が接客中であった場合(使用不可能状態)と、そうでなかった(使用可能状態)場合とに対応して、ゲーム工程に含まれる任意の処理を、どの接客部に実行させるのかを、写真撮影プリント装置において動的に変更することが可能である。
【0060】
以上のことから、空き状態の接客部を有効活用して、本来実行する元の接客部より前倒しして(または、後回しにして)上記任意の処理を実行することができる。結果として、各工程の処理時間を短縮せずとも、各接客部の空きを待つ時間をできる限り減らして、ゲーム工程全体の所要時間を短縮し、回転率を向上することが可能となる。
【0061】
なお、上記写真撮影プリント装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記写真撮影プリント装置をコンピュータにて実現させる写真撮影プリント装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0062】
本発明の写真撮影プリント装置は、少なくとも一つの接客部について、使用中であるか否かを判定する使用状況判定手段と、上記使用状況判定手段の判定結果に応じて、少なくとも1つの接客部に対応する工程に含まれる処理を、該接客部と異なる接客部が行うように制御する処理制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0063】
本発明の写真撮影プリント装置の制御方法は、少なくとも一つの接客部について、使用中であるか否かを判定する判定ステップと、上記判定ステップの判定結果に応じて、少なくとも1つの接客部に対応する工程に含まれる処理を、該接客部と異なる接客部が行うように制御する制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0064】
したがって、ユーザの満足度を犠牲にせずに回転率を向上させて、ユーザの待ち時間を短縮するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。
【0066】
〔写真撮影プリント装置の外観〕
図2(a)および図2(b)は、本実施形態に係る写真撮影プリント装置1の外観を示す斜視図である。この写真撮影プリント装置1は、ユーザの写真を撮影する撮影部2と、撮影した写真(撮影画像)に対して落書きなどの編集をユーザに行わせる編集部3(編集部3a/3b)と、ユーザが編集を行った写真(編集画像)および/または上記撮影画像からプリント紙に出力するための出力画像を取得して、当該出力画像を印刷する印刷部4とを有している。図2(a)は写真撮影プリント装置1における撮影部2側からの外観を示し、図2(b)は編集部3および印刷部4側からの外観を示している。
【0067】
図3は、撮影部2の正面図である。撮影部2は、ユーザの写真撮影を実行するものである。撮影部2は、硬貨処理部21、照明部22、カメラ部23、タッチパネル部24、カメラ画像表示部25、および、音声出力部27などから構成されている。さらに、本実施形態では、撮影部2は、タッチパネル部24に表示される撮影画像から、編集対象となる編集対象画像を選択したり、撮影モードを選択したり、シール紙に印刷する写真のレイアウト(分割パターン)を選択するなど、ユーザが撮影部2を操作するための操作部26(図示せず)を備えている。操作部26は、タッチパネル部24に重ねられ、タッチペンや指でタッチパネル部24の画面上をタッチして撮影部2に情報入力を行うように構成されている。あるいは、マウス、キーボードなどの入力装置によって構成されてもよい。
【0068】
なお、撮影部2には、ユーザの貴重品などの携行品を保管するための荷物置き場122を設けることが可能である。荷物置き場122の設置場所は特に限定されないが、撮影部2において空いている空間を有効利用することが好ましい。
【0069】
より具体的には、図3に示すとおり、タッチパネル部24や硬貨処理部21は、カメラ部23の画角の邪魔にならないように、カメラ部23の右側に設置されている。撮影部2がカメラ部23を中心に左右対称の構造である場合、カメラ部23の画角の邪魔にならずに、タッチパネル部24や硬貨処理部21が設置されているスペースの対称のスペース(カメラ部23の左側)も広く利用することができる。そのため、同スペースを荷物置き場122として、有効利用することができる。また、同スペースは撮影正面部であって、撮影時でもユーザの視界に入るため、防犯の効果が期待できる。
【0070】
なお、写真撮影プリント装置1は、撮影部2の上述の各部を制御することにより、写真撮影プリント装置1における各種動作を制御する制御装置10を備えている。上述の各部および制御装置10の詳細については後述する。
【0071】
図4は、編集部3aの正面図である。なお、編集部3bの構成は、編集部3aと同様であるので、ここでは図示しない。編集部3bは、編集部3aの対面に設けられている。以下では、まとめて編集部3として説明する。
【0072】
編集部3は、ユーザが撮影部2による撮影工程を終了した後に、撮影画像に対して落書きなどの編集工程を実施するためのものであり、タッチパネル部31、タッチペン32、および、音声出力部33などで構成される。編集部3の各部は、制御装置10によって制御される。上述の各部の詳細については後述する。
【0073】
図5は、印刷部4の正面図である。本実施形態では、編集部3aおよび編集部3bの側面に印刷部4を設けており、したがって、図5は、編集部3の側面を表している。印刷部4は、ユーザが編集部3による編集工程を終了した後の編集画像および/または撮影画像からプリント用に選択された出力画像をシール紙にプリントして、プリントしたシール紙を排出するものである。本実施形態では、編集部3側面に、プリント排出口44aおよび44bが設けられており、編集部3aにて編集が行われた編集画像のシール紙は、プリント排出口44aから排出され、編集部3bにて編集が行われた編集画像のシール紙は、プリント排出口44bから排出される。
【0074】
図6は、写真撮影プリント装置1の上面図である。上述のような構成の写真撮影プリント装置1において、ユーザは、まず撮影部2が備えられた撮影空間20に入って撮影工程を実行し、その後、編集部3(編集部3aまたは3b)が備えられた編集空間(編集空間30aまたは編集空間30b)に移動して編集工程を実行し、印刷部4により出力された写真をプリントされたシール紙を印刷空間40にて受け取る、という流れでゲームの一連の工程を楽しむ。なお、図6に示すXおよびYは、ユーザの各グループを示している。ユーザグループXが撮影を終えて、編集空間30aに移動すると、次に、ユーザグループYが撮影空間20にて撮影を行う。撮影を終えたユーザグループYは、編集空間30aではなく、編集空間30bに移動して、編集を行う。これにより、後に入ったユーザグループYの撮影処理が終了した時点で、ユーザグループXが編集空間30aでの編集処理を終えていなくても、ユーザグループYは、待ち時間が発生することなく、すぐに編集工程に移ることが可能となる。
【0075】
なお、本実施形態に係る写真撮影プリント装置1は図2(a)、図2(b)、および、図6に示すとおり、編集部3を2つ備える構造となっており、第1の編集部3aと第2の編集部3bとが対面に設置されている。このように、編集部3を撮影部2よりも多く設けることで、ボトルネックとなっている編集工程に係る処理時間を分散し、回転率の向上させることが可能である。しかし、本発明の写真撮影プリント装置1は、上述の構成に限定されない。編集部3の設置位置は特に限定しないし、また、設置数も、編集部3を1つ設ける構成としてもよいし、設置場所が確保できれば、3つ以上の編集部3を設けるようにしてもよい。
【0076】
〔写真撮影プリント装置の構成−概要〕
次に、図7を用いて、写真撮影プリント装置1における制御装置10および写真撮影プリント装置1の各部の動作について説明する。図7は、本実施形態に係る写真撮影プリント装置1の概略構成を示すブロック図である。
【0077】
本発明の写真撮影プリント装置1は、図7に示すとおり、撮影部2、編集部3、印刷部4、通信部5、制御装置10、および、記憶部50を備えた構成となっている。
【0078】
制御装置10は、写真撮影プリント装置1が備える上述の各部の動作を統括的に制御するものである。この制御装置10は、例えばPC(personal computer)ベースのコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものをドライバ(図示せず)が読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスク(図示せず)などにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、この制御装置10がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して通信部(図示せず)が上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。
【0079】
写真撮影プリント装置1は、上記したハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される記憶部50を備える。この記憶部50に記憶される内容としては、写真撮影プリント装置1のゲーム工程を実現する各処理の制御プログラム、OS(Operating System)プログラム、その他の各種プログラム、カメラ部23における動作設定値などが挙げられる。上記カメラ部23における動作設定値としては、写真撮影プリント装置1出荷時やメンテナンス時などに設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。
【0080】
また、記憶部50には、撮影画像および編集画像の画像データが記憶される。撮影画像記憶部51は、撮影部2が被写体を撮影して生成した撮影画像を記憶するものである。編集画像記憶部52は、編集部3が上記撮影画像を編集して得た編集画像を記憶するものである。印刷画像記憶部53は、印刷部4がシール紙に印刷する対象となる撮影画像および/または編集画像を印刷画像として記憶するものである。
【0081】
撮影部2は、撮影工程を実行するものであり、硬貨処理部21、照明部22、カメラ部23、タッチパネル部24、カメラ画像表示部25、操作部26、音声出力部27、および、カーテン部28により構成されている。撮影工程は、被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理を固定処理として少なくとも含み、撮影空間20にて撮影部2により実行される。
【0082】
硬貨処理部21は、図3に示す硬貨投入/返却口121にて出し入れされる硬貨についての処理を行うものである。硬貨投入/返却口121は、ユーザが写真撮影プリント装置1の利用料金として所定の硬貨を所定枚数だけ投入するための投入口、および、ユーザに返却されるべき所定額の硬貨を排出するための排出口である。硬貨投入/返却口121は、図3に示すとおり、撮影部2の適所に配備されればよい。この硬貨投入/返却口121に連通して、硬貨処理部21が写真撮影プリント装置1の内部に設けられている。
【0083】
硬貨処理部21は、所定の硬貨が投入されたか否かを判定する。所定の硬貨が投入されたと判定した場合には、制御装置10に通知し、投入された硬貨を、硬貨を蓄積する硬貨容器(図示せず)に送り出す。一方、所定の硬貨以外の硬貨が投入されたと判定した場合には、投入された硬貨を再び硬貨投入/返却口121に送り出す。
【0084】
なお、紙幣や硬貨を所定の硬貨に両替する両替機が写真撮影プリント装置1の近くに存在しない場合には、新たに紙幣投入口を設けて、紙幣処理装置を設けたり、釣銭処理装置を設けたりすることが望ましい。
【0085】
硬貨処理部21は、前述のように、硬貨投入/返却口121から所定の硬貨が投入されたと判定すると、制御装置10に通知する。そして、制御装置10は、硬貨処理部21からの通知を受け取ると、課金処理を行う。すなわち、制御装置10は、硬貨処理部21からの通知をカウントし、ユーザが投入した金額に応じて、ユーザに対する各種動作を制御する。
【0086】
照明部22は、撮影時にストロボランプなどの写真閃光灯として機能するとともに、通常時の照明として機能するものである。なお、本実施形態では、光源としてフラッシュランプを使用しているが、蛍光灯などのような連続光を発する光源を使用することもできる。また、フラッシュランプの近傍に蛍光灯などを補助光源として設けることもできる。連続光の光源や補助光源を使用することにより、撮影前のライブビュー画像から撮影時の写りを推測することができる。
【0087】
また、撮影部2の各所に配備される各照明部22の発光(照射)のタイミングや、光源の種類・色などをそれぞれ制御することにより、様々な撮影効果を生み出すことが可能となっており、ユーザが選択する撮影モードにしたがって、各照明部22の発光(照射)動作が制御されている。
【0088】
カメラ部23は、主にユーザを被写体として写真撮影を行うものであり、例えばレンズ群、絞り、CCD(charge coupled device)撮像素子などを備えたデジタルカメラによって構成される。カメラ部23は、全身撮影とクローズアップ撮影との両方に対応できるように、例えば使用するレンズ群および絞りを切り換えられるような構成となっている。
【0089】
タッチパネル部24は、ユーザにユーザインターフェイスを提供するものであり、各種画像や各種操作ボタン等を表示する。操作部26は、写真撮影プリント装置1に対して、ユーザがゲームの操作を行うための指示信号を入力する入力デバイスである。本実施形態では、操作部26をタッチパネル部24と一体としたタッチパネルとして実現する。すなわち、タッチパネル部24に、操作ボタンなどのGUI画面を表示する。タッチパネル部24の表示画面がユーザの指(または、タッチペンなどのポインティングデバイス)により押下されることにより、その位置に対応するボタンや画像を示す指示信号が、写真撮影プリント装置1内部に入力される。
【0090】
タッチパネル部24は、例えば、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイやCRTなどの表面にタッチパネルが設けられて構成されている。カメラ部23が撮影した撮影画像をタッチパネル部24に表示することにより、ユーザは、撮影画像を確認し、選択したり、撮影モードを指定したりすることができる。なお、本実施形態では、操作部26をタッチパネル部24と一体に設けたタッチパネルとして構成することとしたが、これに限定されず、操作部26を、例えば、テンキーや十字キーなどが設けられたリモコンや、キーボードなどの入力デバイスとして構成してもよい。
【0091】
カメラ画像表示部25は、カメラ部23がとらえるリアルタイムの映像、すなわち、撮影直前のライブビュー画像を表示するものである。カメラ画像表示部25にライブビュー画像を表示することにより、ユーザは前もって写りを確認して撮影に臨むことができる。
【0092】
音声出力部27は、ユーザにある動作を促すよう音声を出力して案内を行うためのものである。例えば、撮影空間20において、撮影時の立ち位置やポーズを説明したり、空間の移動や撮影のタイミングを案内したりする音声を出力する。また、音声出力部27は、ゲーム進行中にBGMや効果音を出力してもよい。
【0093】
カーテン部28は、撮影画像の背景となるカーテンを提供するものである。カーテンは、さまざまな色や模様を施されたものが用意され、被写体の背後に設置される。カーテンは、撮影時に、ユーザが自由に選択できたり、写真撮影プリント装置1が自動で選択したりする。これら複数のカーテンは、撮影空間20の背面(撮影部2の対面)に重ねて配置されており(図2(a)および(b))、撮影時には、選択されたカーテンが、被写体の背後に写るよう、最前面に設置される。選択されたカーテンの設置は、制御装置10がカーテン部28を制御することにより実行してもよいし、ユーザ自身が手動で行う構成としてもよい。また、カーテン部28は複数のカーテンを提供する構成としてもよいし、カーテン部28で設置可能なカーテンを1種類としてもよい。この場合は、合成用の背景画像を複数種類用意して、編集工程においてユーザが所望する背景画像を合成するようにすれば、カーテンの種類が1つしかなくても、ユーザの多様な好みに対応することができる。
【0094】
上述した撮影部2の各部は、制御装置10の撮影工程制御部11によって制御される。
【0095】
編集部3は、編集工程を実行するものであり、タッチパネル部31およびタッチペン32により構成されている。編集部3には、さらに、音声出力部33が含まれていてもよい。編集工程は、上記撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理を固定処理として少なくとも含み、編集空間30a/30bにて編集部3により実行される。
【0096】
タッチパネル部31は、ユーザにユーザインターフェイスを提供するものであり、編集画像表示部31aおよび操作受付部31bにより構成される。編集画像表示部31aは、編集工程における編集の対象となる編集対象画像や、撮影画像に編集を施した結果である編集画像を表示するものである。操作受付部31bは、タッチペンなどのポインティングデバイスを用いることにより入力されたユーザの指示信号を受け付けて、写真撮影プリント装置1内部に伝達するものである。
【0097】
タッチペン32は、画像編集処理などにおいて、タッチパネル部31上で細かな操作入力をユーザが行うためのものであり、タッチパネル部31の近くに配備される。ユーザは、このタッチペン32をタッチパネル部31に接触または接近させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、落書きなどの画像描画を行ったりすることができる。
【0098】
例えば、タッチパネル部31の画面がタッチペン32で押下されることにより、その位置に対応するボタンや画像を示す指示信号が、写真撮影プリント装置1内部に入力される。これにより、ユーザは、撮影画像に落書きを施したり、スタンプを押したり、また、印刷の対象となる印刷対象画像を選択したり、携帯電話に送信して閲覧可能な画像を選択したり、携帯電話に送信先を入力したりすることができる。
【0099】
なお、本実施形態では、複数のユーザが容易に画像編集を行うようにするために、タッチペン32を2本配備しているが、構成の簡略化のために、1本のみを配備することもできるし、3人以上のユーザのために、3本以上を配備することもできる。同様に、タッチペン32を複数個配備することもできる。
【0100】
音声出力部33は、各種操作上のガイダンス音声や効果音などを出力するものであり、写真撮影プリント装置1の適所に配備される。
【0101】
本実施形態では、編集部3が実行する固定処理には、編集処理のほかに、事後接客処理も含まれている。事後接客処理とは、占い・パズル・クイズ、アンケート、あるいは、「携帯送信」ゲームなどの各種ミニゲームのことであり、本筋のゲーム工程においてユーザの編集が済んだ後の接客処理のことである。「携帯送信」ゲームとは、ゲーム工程を経て得た撮影/編集画像からユーザが好みの画像を選択し、それを通信部5を介して、携帯電話あるいは携帯電話で閲覧可能なインタネット上のサーバに送信し、携帯電話で閲覧可能とすることで、携帯電話の待ち受け画像に使用することが可能となるミニゲームのことを指す。
【0102】
通常、事後接客処理は、ユーザが印刷対象画像を決定してから、実際に印刷されたシール紙が排出されるまでの待ち時間を退屈しないで過ごすことを目的として実行される。よって、本実施形態では、後段の印刷部4が印刷処理を実行するのと並行して、編集部3は、事後接客処理を実行する。
【0103】
上述した編集部3の各部は、制御装置10の編集工程制御部12によって制御される。
【0104】
印刷部4は、印刷工程を実行するものであり、図示しないIDタグリーダ/ライタ部、および、プリンタ部42により構成されている。印刷工程は、印刷対象画像として選択された上記撮影画像および/または編集画像をシール紙に印刷する印刷処理を固定処理として少なくとも含み、印刷空間40にて印刷部4により実行される。この印刷部4に対して、写真プリントの出力媒体となるシール紙142および図示しないIDタグがシール紙ユニット43としてセットで納入されるようになっている。
【0105】
プリンタ部42は、出力すべき画像データが制御装置10から送られてくると、その画像データに基づいてシール紙142に印刷するものである。このプリンタ部42としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。
【0106】
なお、本実施形態では、シール紙142として、粘着シートおよび該粘着シールの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートを想定しているが、これに限定されない。シール紙142の代わりに、通常の紙状媒体である紙状シートを用いるように本発明の写真撮影プリント装置1を構成することもできる。
【0107】
上述した印刷部4の各部は、制御装置10の印刷工程制御部13によって制御される。
【0108】
本実施形態では、撮影部2/編集部3の各部は、撮影工程/編集工程において、固定処理(撮影処理/編集処理・事後接客処理)に加え、撮影工程制御部11/編集工程制御部12の制御下で、各種予備処理を実行する。
【0109】
固定処理とは、写真撮影プリント装置1の一連のゲーム工程を構成する処理のうち、上記各部(各空間)において必ず実行する、メインの処理を指す。各固定処理は、実行順序が定まっているので、実行場所(空間)、実行のタイミングはあらかじめ定めたものから変動しないことが好ましい。本実施形態では、撮影空間20で撮影部2のみが実行する撮影処理、編集空間30a(30b)で編集部3のみが実行する編集処理/事後接客処理、印刷空間40で印刷部4のみが実行する印刷処理を、固定処理とする。しかし、固定処理は、上述の例に限定されない。
【0110】
予備処理とは、上記ゲーム工程を構成する処理のうち、各部の各固定処理を実行するために必要な準備を行うサブの処理のことを指す。上記固定処理の場合とは異なり、予備処理を実行する構成要素は、写真撮影プリント装置1に複数備えられている(撮影部2および編集部3など)。また、予備処理の実行場所、実行タイミングは、特に固定されていない。対象となる固定処理に先行して実行しさえすれば、どの部(空間)において、どの順序で実行してもよい。
【0111】
予備処理の具体例としては、印刷処理のための準備の処理である、分割パターン選択処理、事後接客処理のための準備の処理である、ミニゲーム選択処理、携帯メールアドレス入力処理、編集処理のための準備の処理である、編集対象画像選択処理などが挙げられるが、これに限定されない。ここで挙げた予備処理は、撮影部2、編集部3のいずれにおいても実行可能である。また、上述の撮影処理、編集処理の少なくとも一部を予備処理に含めても構わない。
【0112】
さらに、撮影部2が設置された撮影空間20以外の場所に、撮影処理の準備を実行する撮影準備部(空間)(図示せず)を設ける場合、撮影処理のための準備を行う各処理も予備処理に含まれる。例えば、硬貨受付処理、コース選択処理、写り・明るさ調整処理、背景選択処理などが挙げられる。ここで挙げた予備処理は、上記撮影準備部(接客部)、撮影部2のいずれにおいても実行可能である。
【0113】
図8は、本実施形態に係る写真撮影プリント装置1のゲーム工程において実行される各処理の一覧と、各処理の実行可能場所(主体)および実行可能タイミングを示す表である。
【0114】
写真撮影プリント装置1のゲーム工程は、ユーザが硬貨を投入してから、シール紙が排出されるまでの間に写真撮影プリント装置1の各部において実行される、複数の処理、つまり、固定処理および予備処理によって成り立っている。図8表上段の「処理名」のカラムは、写真撮影プリント装置1の各部が実行する、固定処理および予備処理の例を示す。
【0115】
写真撮影プリント装置1において、処理No.5、7、9、12(太枠内)は、写真撮影プリント装置1の固定処理であり、それ以外の処理は、予備処理である。
【0116】
処理No.1の「硬貨受付処理」は、制御装置10(撮影工程制御部11)の制御下で、硬貨処理部21が実行する処理である。硬貨処理部21は、硬貨受付処理を実行して、ユーザによって所定額の硬貨が投入されたことを検知すると、そのことを示す信号を制御装置10に伝達する。これにより、写真撮影プリント装置1のゲーム工程が開始される。
【0117】
処理No.2の「コース選択処理」は、写真撮影プリント装置1が提供するゲームにつき複数用意された撮影コースをユーザに指定させる処理であり、撮影工程制御部11の制御下で、タッチパネル部24および操作部26が実行する。例えば、撮影工程制御部11は、図9に示すようなGUI(graphical user interface)画面をタッチパネル部24に表示させ、ユーザが所望するコースを操作部26を介して受け付ける。これにより、制御装置10は、ユーザが選択したコースにしたがってゲームを展開していくことができる。
【0118】
処理No.3の「写り・明るさ調整処理」は、撮影時の写り・明るさをユーザに設定させる処理であり、タッチパネル部24および操作部26が実行する。例えば、図10に示すようなGUI画面をタッチパネル部24に表示させ、ユーザが所望する写り・明るさを操作部26を介して受け付ける。ユーザの選択にしたがって、制御装置10は、照明部22を制御して撮影工程を実行する。
【0119】
処理No.4の「背景選択処理」は、撮影画像における被写体の背景色・模様をユーザに指定させる処理であり、タッチパネル部24および操作部26が実行する。例えば、図11に示すようなGUI画面をタッチパネル部24に表示させ、ユーザが所望する背景色・模様を操作部26を介して受け付ける。ユーザの選択にしたがって、制御装置10は、カーテン部28を制御して、撮影画像の背景を決定する。
【0120】
上述のNo.1〜4の予備処理は、撮影の準備を行う処理であり、撮影処理(固定処理)に先行して実行しさえすれば、どのタイミングどの空間で実行されてもよい。本実施形態では、写真撮影プリント装置1の撮影部2が実行するものとするが、これに限定されない。例えば、硬貨処理部21、タッチパネル部24、操作部26を、上述した撮影準備部などとして撮影部2の撮影空間20とは別に設ける場合には、撮影準備部が実行するよう写真撮影プリント装置1を構成してもよい。
【0121】
処理No.6の「編集対象画像選択処理」は、撮影部2が実行する撮影処理を経て得られた撮影画像の中から、次の編集処理にて編集を施す編集対象画像をユーザに選択させる処理である。この処理は、撮影工程制御部11の制御下で、撮影部2のタッチパネル部24および操作部26が実行する。あるいは、編集工程制御部12の制御下で、編集部3のタッチパネル部31およびタッチペン32が実行する。
【0122】
例えば、撮影工程制御部11(編集工程制御部12)は、撮影画像記憶部51から撮影画像を取得して、撮影画像およびGUI画面をタッチパネル部24(31)に表示し、操作部26(タッチペン32)を介して、表示された複数の撮影画像の中からユーザが所望する編集対象画像の指定を受け付ける。ユーザは、撮影画像を編集対象画像として指定することができる。例えば、図12に示すように、複数の撮影画像、および、撮影画像に合成画像(オーラや背景画像や前景画像など)が合成された画像のサムネイル画像が表示される。指定された編集対象画像は、編集部3によって読み出され、編集処理で使用される。
【0123】
上記No.6の予備処理は、編集の準備を行う処理であり、編集処理(固定処理)に先行して実行すればよい。撮影画像が取得されなければ実行できない処理であるので、撮影処理後、編集処理が開始されるまでの間であれば、どのタイミングどの空間で実行されてもよい。
【0124】
処理No.8の「分割パターン選択処理」は、印刷部4がシール紙に印刷する印刷画像のレイアウトをユーザに指定させる処理である。この処理は、撮影工程制御部11の制御下で、撮影部2のタッチパネル部24および操作部26が実行する。あるいは、編集工程制御部12の制御下で、編集部3のタッチパネル部31およびタッチペン32が実行する。
【0125】
例えば、撮影工程制御部11(編集工程制御部12)は、図13に示すように分割パターンを選択可能に表示したGUI画面をタッチパネル部24(31)に表示し、操作部26(タッチペン32)を介して、ユーザが所望する分割パターンの指定を受け付ける。指定された分割パターンにしたがって、印刷部4は、印刷画像の印刷を実行する。
【0126】
上記No.8の予備処理は、印刷の準備を行う処理であり、印刷処理(固定処理)に先行して実行しさえすれば、どのタイミングどの空間で実行されてもよい。
【0127】
処理No.10の「ミニゲーム選択処理」は、編集処理後シール紙の印刷完了を待つ間にユーザが退屈せずに済むよう、編集部3によって実行されるミニゲーム(事後接客処理)の種類を、ユーザに選択させる処理である。この処理は、撮影工程制御部11の制御下で、撮影部2のタッチパネル部24および操作部26が実行する。あるいは、編集工程制御部12の制御下で、編集部3のタッチパネル部31およびタッチペン32が実行する。
【0128】
例えば、撮影工程制御部11(編集工程制御部12)は、図14に示すようにミニゲームの種類を選択可能に表示したGUI画面をタッチパネル部24(31)に表示し、操作部26(タッチペン32)を介して、ユーザが所望するミニゲームの選択を受け付ける。選択されたミニゲームは、編集部3によって編集処理後に、印刷部4の印刷処理と並行して実行される(事後接客処理)。
【0129】
処理No.11の「携帯メールアドレス入力処理」は、上記ミニゲームのうち、指定された携帯電話に撮影画像や編集画像を送信するミニゲーム「携帯送信」が選択された場合に、その宛先となる携帯電話のメールアドレスの入力を受け付ける処理である。この処理は、撮影工程制御部11の制御下で、撮影部2のタッチパネル部24および操作部26が実行する。あるいは、編集工程制御部12の制御下で、編集部3のタッチパネル部31およびタッチペン32が実行する。
【0130】
例えば、撮影工程制御部11(編集工程制御部12)は、図15に示すように携帯電話のメールアドレスを入力できるように構成されたGUI画面をタッチパネル部24(31)に表示し、操作部26(タッチペン32)を介して、ユーザにより指定されたメールアドレスの入力を受け付ける。編集部3は、事後接客処理としてのミニゲーム「携帯送信」を実行するときに、上記入力されたメールアドレス宛てに、撮影画像や編集画像を送信する。
【0131】
上記No.10、11の予備処理は、ミニゲームの準備を行う処理であり、事後接客処理(固定処理)に先行して実行しさえすれば、どのタイミングどの空間で実行されてもよい。
【0132】
図8表上段の残りの各カラムは、上記各処理の実行可能タイミングを示す。すなわち、上記ゲーム工程は、A〜Fの6つのフェーズに分けることができる。A:撮影前、B:撮影中、C:撮影後(=編集前)、D:編集中、E:編集後(=印刷前)、および、F:事後接客処理中/印刷処理中の6つのフェーズである。そして、各処理の実行可能タイミングは、上記6つのフェーズを示す各カラム上に矢印によって示されている。
【0133】
また、図8表下段は、各フェーズの各処理を実行可能な処理実行主体(空間)を示している。
【0134】
例えば、処理No.9の印刷処理は、フェーズFの印刷部4(印刷空間40)でのみ実行可能であり、処理No.8の分割パターン選択処理は、フェーズFに先行するフェーズAからEの間であれば、撮影部2または編集部3のいずれにおいても実行可能である。
【0135】
したがって、編集空間30の編集部3が使用中で使えない場合に、その待ち時間を利用して、撮影空間20にて、撮影部2に分割パターン選択処理を実行させることができれば、ゲーム工程全体の回転率を向上させることができる(実施例1−分割パターン選択処理の前倒し)。
【0136】
あるいは、処理No.6の編集対象画像選択処理は、撮影処理と編集処理との間のフェーズCにおいて、撮影部2または編集部3のいずれにおいても実行可能である。
【0137】
したがって、編集空間30の編集部3が使用されておらず、すぐに使用できる場合に、撮影部2の代わりに編集部3に編集対象画像選択処理を実行させることができれば、撮影空間20を早く空けることができ、ゲームの開始を待つユーザの待ち時間を短縮することができる(実施例2−編集対象画像選択処理の持ち越し)。
【0138】
上述したように、各予備処理を、アイドル状態にある当該予備処理を実行可能な各部に割り当てて実行させることにより、固定処理の時間(特に編集処理)の時間を短縮せずとも、ゲーム工程全体の回転率を向上させて、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。以下では、各部(各空間)の空き状況に応じて、予備処理を各部に割り当てて実行する写真撮影プリント装置1の構成および動作について、上述の実施例1および実施例2を例にあげて詳細に説明する。
【0139】
〔写真撮影プリント装置の構成−詳細〕
図1は、本発明の実施形態に係る写真撮影プリント装置1の要部構成を示すブロック図である。なお、図1の各構成要素に付された符号は、図2〜7の各構成要素に付された符号に対応しており、同じ符号は、同じ構成要素を示している。したがって、すでに説明した構成要素についての説明は繰り返さない。
【0140】
本発明の写真撮影プリント装置1は、被写体であるユーザの写真を撮影する機能(撮影部2)、撮影した写真に対して色調・明るさ補正、合成などを行ったり、ユーザの操作に応じて落書きやスタンプなどを追加したりする編集を行う機能(編集部3)、および、編集し、印刷対象として決定した出力画像をプリントする機能(印刷部4)を有している。
【0141】
図1に示すとおり、制御装置10は、撮影工程制御部11、編集工程制御部12、印刷工程制御部13に加えて、さらに、使用状況判定部14、予備処理制御部15、および、タイマ部18を備えている。そして、撮影工程制御部11および編集工程制御部12は、それぞれ、入出力制御部16と、予備処理実行部17とを含んでいる。なお、印刷工程制御部13も、入出力制御部16と、予備処理実行部17とを含んでいてもよい。
【0142】
入出力制御部16は、写真撮影プリント装置1の各部(撮影部2、編集部3、および、印刷部4など)と、制御装置10の各制御部との間で行われる情報の入出力を制御するものである。入出力制御部16は、図示しない操作受付部、および、表示制御部を含んでいる。
【0143】
編集部3を例に挙げ説明すると、タッチペン32を介してタッチパネル部31に対して操作が行われると、その操作に応じて発生した指示信号が入出力制御部16の操作受付部によって編集工程制御部12に伝達される。編集工程制御部12は、受け付けた指示信号に応じた所定の処理を実行することができる。また、記憶部50に記憶される編集画像などの各種データは、入出力制御部16の表示制御部によってタッチパネル部31に表示するためのデータに変換されて、タッチパネル部31に表示される。編集工程制御部12が実行した予備処理の結果も、タッチパネル部31に表示することができる。
【0144】
予備処理実行部17は、上述した各種予備処理を実行するものである。具体的には例えば、分割パターン選択処理を実行する場合には、図13に示すようなGUI画面を表示制御部を介してタッチパネル部24(31)に表示したり、ユーザが選択した分割パターンを操作受付部を介して受け付けて、当該分割パターンに関する情報を印刷部4に引き渡したりする。予備処理実行部17は、予備処理制御部15の制御下で、予備処理を実行するためのプログラムを記憶部50から読み出すことにより予備処理を実現する。
【0145】
使用状況判定部14は、写真撮影プリント装置1の各部の動作状況(工程の開始・終了)を検知して使用中であるか否かを判定するものである。使用状況判定部14は、先の工程が終了すると、その次の工程を実行する部(空間)の使用状況を判定する。
【0146】
各工程の開始、終了の検知方法は特に限定されない。例えば、各空間にセンサを設置して、ユーザの入退室を検知してもよい。あるいは、ユーザが操作部26、タッチペン32を用いて行う特定の入力操作を検知してもよい。あるいは、撮影部2、編集部3の各部が実行する特定の処理(固定処理または予備処理)の開始、終了時点を検知してもよい。
【0147】
具体的には、使用状況判定部14は、撮影部2が撮影工程を終了したことを検知すると、その次の編集工程を実行する編集部3の使用状況を判定する。図6を参照して説明すると、ユーザグループXが撮影を終えた時点で、使用状況判定部14は、編集空間30a・30bは使用中でないと判定するとする。ユーザグループXが、編集空間30aに移動して編集工程を開始すると、使用状況判定部14は、編集空間30aは使用中であると判定する。次に、ユーザグループYが撮影空間20にて撮影を行う。ユーザグループYが撮影を終えた時点で、使用状況判定部14は、編集空間30aは使用中で、編集空間30bは使用中ではないと判定するとする。ユーザグループYが、編集空間30bに移動して編集工程を開始すると、使用状況判定部14は、編集空間30bは使用中であると判定する。ユーザグループX・Yが、編集空間での編集工程を終了しない間に、さらに、次のユーザグループZが撮影空間20で撮影工程を終了した場合は、使用状況判定部14は、編集空間30a・30bともに使用中であると判定する。
【0148】
このように、使用状況判定部14の判定により、制御装置10は、編集部3(編集空間30)の空き状況を判断することが可能となる。
【0149】
予備処理制御部15は、使用状況判定部14の各部の使用状況について判定結果に応じて、上述の各種予備処理を、いずれの予備処理実行部17(空間)で実行するかを決定するものである。各部の予備処理実行部17は、予備処理制御部15の決定に応じて、所定の予備処理を実行する。
【0150】
具体的には例えば、分割パターン選択処理の実行部を動的に変更する場合について説明する。分割パターン選択処理は、通常、編集部3の予備処理実行部17において、印刷部4の印刷処理が開始されるまでに実行される。ここで、撮影部2が撮影工程の実行を終了したときに、使用状況判定部14が、編集空間30が使用中であると判定したとする。この場合、予備処理制御部15は、この判定結果に応じて、撮影部2の予備処理実行部17が、上記分割パターン選択処理を実行するように、撮影工程制御部11を制御する。
【0151】
これにより、編集空間30が空くまでの待ち時間を利用して、撮影空間20にて、前もって分割パターン選択処理を済ませておくことができる。
【0152】
タイマ部18は、各部で実行される工程に制限時間が定められている場合に、各部(空間)における工程が開始されてからの経過時間を測定し、残り時間を算出するものである。算出された残り時間は、予備処理制御部15が参照する。
【0153】
上記の例を再び用いて説明すると以下のとおりである。撮影部2の撮影工程が終了したのち、使用状況判定部14が、編集空間30が使用中であると判定したとする。この場合、タイマ部18は、編集部3における残り時間、つまり、あとどのくらいの時間で編集部3が空き状態になるのかを算出する。
【0154】
予備処理制御部15は、算出された残り時間が、分割パターン選択処理の所要時間以上の場合にのみ、分割パターン選択処理を編集部3ではなく撮影部2で実行するよう制御する。算出された残り時間の方が短いにもかかわらず、編集部3が使用中であるという理由だけで、分割パターン選択処理を撮影部2で実行すると決定した場合、編集部3に無駄なアイドル状態が発生してしまい、回転率の低下を招くことになり、かえって不都合である。
【0155】
そこで、タイマ部18が算出する編集部3の残り時間を考慮して、どの実行部に予備処理を行わせるかを決定することにより、上記の不都合を解消することができる。
【0156】
記憶部50は、さらに、各予備処理の処理結果を記憶するための各種記憶部を含んでいる。編集対象画像選択処理において、ユーザにより選択された編集対象画像を記憶する編集対象画像記憶部54と、分割パターン選択処理において、ユーザにより選択された分割パターンを記憶する分割パターン記憶部55と、ミニゲーム選択処理において、ユーザにより選択されたミニゲームの種類を記憶する選択ミニゲーム記憶部56と、携帯メールアドレス入力処理において、ユーザにより入力された携帯電話のメールアドレスを記憶するメールアドレス記憶部57とを含んでいる。
【0157】
これにより、予備処理をどの場所、どのタイミングで実行しても、それによって、最終出力結果が異なるということがないようにすることができる。
【0158】
すなわち、前倒しで予備処理を行った場合は、後の工程を実行する実行部が記憶部を参照し、その処理が実行済みであることを検知し、記憶された処理結果を利用して後工程を継続する。これにより、同じ処理が重複して実行されることを防ぐことができる。
【0159】
また、後回しで予備処理を行う場合は、後の工程を実行する実行部が記憶部を参照し、その処理がまだ実行されていないことを検知し、後工程で後回しにされた処理を実行する。これにより、処理を実行し損ねることを防ぐことができる。
【0160】
〔写真撮影プリント装置のフロー〕
次に、写真撮影プリント装置1におけるゲーム工程の処理の流れについて図面を用いて説明する。本実施形態では、所定額の硬貨が投入されて、硬貨処理部21が受け付けることによりゲーム工程が開始され、ユーザ所望の撮影(編集画像)がシール紙に印刷されて排出されることによりゲーム工程が終了する。
【0161】
その間、撮影部2が実行する撮影工程、編集部3が実行する編集工程、印刷部4が実行する印刷工程が順に実行される。さらに、上記印刷工程と並行して、編集部3において、事後接客処理が実行される。
【0162】
(実施例1−分割パターン選択処理の前倒し)
図16および図17は、編集部3で実行する予備処理を、編集部3の使用状況に応じて撮影部2で実行する写真撮影プリント装置1の処理の流れを示すフローチャートである。図16は、写真撮影プリント装置1の撮影部2で実行される各処理の処理フローを示す。
【0163】
まず、撮影工程制御部11の予備処理実行部17(撮影部2)は、コース選択処理を実行し、ユーザに撮影コースを選択させる(S101)。以降、選択された撮影コースにしたがって、撮影処理を実行する。次に、撮影部2は、写り・明るさ調整処理を実行する(S102)。この時選択された写り・明るさにしたがって、撮影工程制御部11は、照明部22を制御する。これにより、撮影画像に対し、照明による一定の撮影効果をもたらすことができる。次に、撮影部2は、背景選択処理を実行する(S103)。ここでユーザにより選択された背景画像が、被写体に合成されて撮影画像となる。撮影前の各種設定が終了すると、撮影部2は、撮影処理を開始する。具体的にはまず、カメラ画像表示部25が、カメラ部23が撮影するライブビュー画像を表示する(S104)。次に、撮影工程制御部11は、タッチパネル部24に、タイマ部18が計測するカウントダウンインジケータを表示させ、カメラ部23を制御して撮影を行う(S105)。撮影工程制御部11は、撮影により生成した撮影画像を、撮影画像記憶部51に記憶する。
【0164】
所定回数の撮影処理が実行されると(S106においてYES)、撮影工程制御部11の予備処理実行部17は、編集対象画像選択処理を実行し、次の編集処理で用いる撮影画像をユーザに選択させる(S107)。撮影工程制御部11は、選択された編集対象画像を編集対象画像記憶部54に記憶する。以上により、デフォルトで定められた撮影工程の全処理が終了する。
【0165】
デフォルトの撮影工程が終了すると、続いて、使用状況判定部14は、編集部3の使用状況を判定する(S108)。ここで、編集部3が空き状態であれば(S108においてNO)、撮影工程制御部11は、ユーザを編集空間30aまたは30bへ移動するよう促す移動案内画面をタッチパネル部24に表示して(S113)、撮影工程を終了する。この場合、予備処理である分割パターン選択処理は、撮影部2によって前倒しで実行されることはない。
【0166】
一方、編集部3が使用中であれば(S108においてYES)、タイマ部18が、編集部3における、編集工程の残り時間を算出する(S109)。例えば、編集空間30での編集工程に対して、200秒の制限時間が与えられている場合に、編集部3が編集工程を開始してから150秒経過しているときは、残り時間を50秒と算出する。
【0167】
予備処理制御部15は、割り振りを決定する予備処理(分割パターン選択処理)の所要時間と、上記残り時間との比較を行う(S110)。各予備処理の所要時間は、あらかじめ定められて記憶部50に記憶されている。
【0168】
比較の結果、算出された残り時間が、分割パターン選択処理の所要時間以上残っている場合(S110においてYES)、予備処理制御部15は、上記分割パターン選択処理を撮影工程制御部11の予備処理実行部17において実行することを決定する。
【0169】
撮影工程制御部11は、予備処理制御部15の決定にしたがって、分割パターン選択画面(図13)をタッチパネル部24に表示し(S111)、ユーザの選択を受け付ける。表示された分割パターンの中から、操作部26を介して、ユーザ所望の分割パターンが選択されると、撮影工程制御部11は、選択された分割パターンを受け付けて、該分割パターンを示す分割パターン情報を、分割パターン記憶部55に記憶する(S112)。そして、撮影工程制御部11は、移動案内を行って予備処理を含む撮影工程を終了する(S113)。
【0170】
一方、比較の結果、算出された残り時間が、上記予備処理の所要時間より短い場合は(S110においてNO)、予備処理制御部15は、上記分割パターン選択処理を撮影工程制御部11の予備処理実行部17において実行しないことを決定する。そして、撮影工程制御部11は、移動案内を行って、撮影工程を終了する(S113)。
【0171】
図17は、写真撮影プリント装置1の編集部3および印刷部4で実行される各処理の処理フローを示す。撮影部2における撮影工程が終了すると、編集部3は編集工程を開始する。この時、タイマ部18は、編集工程の経過時間を計測する。
【0172】
編集工程制御部12は、編集対象画像記憶部54に記憶された編集対象画像を取得する(S114)。次に、図14に示すようなミニゲーム選択画面を表示して、印刷待ちの時間の間に実行するミニゲームをユーザに選択させる(ミニゲーム選択処理)(S115)。選択されたミニゲームの選択ミニゲーム情報は、選択ミニゲーム記憶部56に記憶される。
【0173】
次に、タッチペン32を介して、タッチパネル部31に表示される編集開始ボタンが操作されると(S116においてYES)、編集工程制御部12は、タッチパネル部31に、例えば、図20に示すような編集画面を表示させ、編集入力の受付を開始する(編集処理の開始)(S117)。また、編集工程制御部12は、編集入力の受け付けて得られた編集画像を、編集画像記憶部52に記憶し、その編集画像をタッチパネル部31に表示する(S118)。
【0174】
タイマ部18が、編集処理についての所定の制限時間(例えば、3分)が経過したことを検知するか、または、タッチペン32によって、タッチパネル部31に表示された終了ボタンが操作されると(S119においてYES)、編集工程制御部12は、編集処理を終了する。また、編集の結果、得られた編集画像の中から、シール紙に印刷する印刷画像を特定し、印刷画像記憶部53に記憶する(S120)。印刷画像はユーザの選択によって特定されてもよいし、編集工程制御部12が自動で特定してもよい。
【0175】
編集工程制御部12は、続いて、分割パターン記憶部55を参照し、分割パターン記憶部55に分割パターン情報が記憶されているか否かを判断する(S121)。ここで、分割パターン記憶部55に分割パターン情報が記憶されていない場合には(S121においてNO)、編集工程制御部12の予備処理実行部17は、分割パターン選択処理を実行する(S122)。反対に、分割パターン情報が記憶されている場合には(S122においてYES)、分割パターン選択処理を行う必要がないので実行しない。
【0176】
続いて、印刷工程制御部13が印刷部4を制御して印刷工程を実行する。具体的には、印刷工程制御部13は、印刷画像記憶部53に記憶された印刷画像を、分割パターン記憶部55に記憶された分割パターン情報が示す分割パターンにしたがってシール紙に印刷する印刷データを生成する(S123)。そして、生成した印刷データをシール紙に印刷し、プリント排出口44aまたは44bから排出する(S124)。
【0177】
なお、印刷部4が上述の印刷工程を実行している間、編集部3が事後接客処理を実行するよう編集工程制御部12が制御してもよい。
【0178】
また、印刷工程制御部13は、分割パターン記憶部55から分割パターン情報を参照して印刷工程を終えると、参照した分割パターン情報を分割パターン記憶部55から削除する(S125)。これにより、一連のゲーム工程がすべて終了する。
【0179】
上記方法によれば、印刷処理の予備処理である分割パターン選択処理は、デフォルトの撮影工程が終了した時点での、編集部3(編集空間30)の使用状況に応じて、撮影部2または編集部3のいずれで実行するかが決定される。この決定は、予備処理制御部15が行う。予備処理制御部15は、編集部3が使用中である場合には、その待ち時間を利用して、撮影部2が実行するよう制御する。反対に、編集部3が空き状態の場合には、編集部3が適切なタイミングで実行するよう制御する。
【0180】
これにより、印刷部4が行う印刷処理に先行して、必要となる予備処理を、待ち時間を有効活用して前もって行っておくことができる。結果として、編集時間を短縮しなくても全体の回転率を向上させることができ、ユーザの待ち時間を短縮することができる。
【0181】
なお、本実施形態にかかる写真撮影プリント装置1において、ユーザが選択可能な分割パターンのうち、2分割(1シール紙に2つの印刷画像を印刷するレイアウトタイプ)と4分割(1シール紙に4つの印刷画像を印刷するレイアウトタイプ)が選択された場合は、どの撮影画像および編集画像を印刷対象である印刷画像とするのかをユーザに選択させるために、印刷画像の選択画面を表示する。選択画面は、撮影工程制御部11あるいは編集工程制御部12の表示制御部を介して、タッチパネル部24(31)に表示される。
【0182】
通常のゲームのフローでは、図17に示すとおり、編集部3にて編集処理の後に分割パターン選択処理が実行される。そのため、写真撮影プリント装置1は、上記選択画面に印刷候補画像として編集画像を選択可能に表示することが可能である。
【0183】
一方、図16に示すとおり、編集部3の使用状況に応じて、編集画像を取得する前に、撮影部2にて分割パターン選択処理が実行される場合がある。このとき、ユーザ所望の分割パターンとして上記2分割または4分割が選択されたとしても、この時点は、まだ編集処理が実行されていないので、印刷画像の選択画面を表示したくも編集画像を表示することができないという不都合が生じる。
【0184】
そこで、以下の方法を写真撮影プリント装置1において実行することで、上記不都合を解消することができる。
【0185】
(方法1)印刷画像の選択画面を表示するとき、編集画像の代わりに、既に得られた撮影画像を印刷候補画像として表示する。そして、印刷画像として選択された撮影画像に、印刷対象であることを示すフラグをつけるなどして、印刷画像記憶部53に記憶しておく。そして、印刷部4は、印刷時に、印刷画像記憶部53を参照し、フラグが付与された撮影画像が編集された編集画像を、上記選択された分割パターンにしたがって、シール紙に印刷する。
【0186】
(方法2)分割パターン選択処理にて2または4分割の分割パターンが選択された場合でも、印刷画像の選択の処理を引き続き実行しないようにする。すなわち、分割パターン情報を分割パターン記憶部55に記憶するところまでを、撮影部2にて前倒しで実行する。そして、編集部3にて編集処理が終了し、編集画像が得られた時点より以降に、分割パターン記憶部55に記憶された分割パターン情報に基づいて、2枚(または4枚)印刷画像が選択ができる旨を案内するとともに、印刷画像の選択画面(印刷候補画像としての編集画像を)表示し、ユーザに選択させる。
【0187】
(実施例2−編集対象画像選択処理の持ち越し)
図18および図19は、撮影部2で実行する予備処理を、編集部3の使用状況に応じて編集部3で実行する写真撮影プリント装置1の処理の流れを示すフローチャートである。図18は、写真撮影プリント装置1の撮影部2で実行される各処理の処理フローを示す。
【0188】
S201からS206までの処理は、上述のS101〜S106までの処理と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0189】
所定回数の撮影処理が実行されると(S206においてYES)、続いて、使用状況判定部14は、編集部3の使用状況を判定する(S207)。ここで、編集部3が使用中であれば(S207においてYES)、予備処理制御部15は、編集対象画像選択処理を撮影部2で実行することを決定する。この決定にしたがって、撮影工程制御部11の予備処理実行部17は、撮影画像記憶部51に記憶された撮影画像をタッチパネル部24に表示して(S208)、ユーザの選択を受け付ける。表示された撮影画像の中から、操作部26を介して、ユーザが編集したいと望む撮影画像が選択されると、撮影工程制御部11は、当該撮影画像を編集対象画像として、編集対象画像記憶部54に記憶する(S209)。そして、撮影工程制御部11は、ユーザを編集空間30aまたは30bへ移動するよう促す移動案内画面をタッチパネル部24に表示して(S210)、撮影工程を終了する。この場合、編集対象画像選択処理は、編集部3が実行すべき処理として持ち越されることはない。
【0190】
一方、編集部3が空き状態であれば(S207においてNO)、撮影工程制御部11は、編集対象画像選択処理を実行せずに、移動案内画面をタッチパネル部24に表示して(S210)、撮影工程を終了する。この場合、編集処理の予備処理である編集対象画像選択処理は、編集部3に持ち越される。
【0191】
図19は、写真撮影プリント装置1の編集部3および印刷部4で実行される各処理の処理フローを示す。
【0192】
まず、編集工程制御部12は、編集対象画像記憶部54を参照し、編集対象画像が記憶されているか否かを判断する(S211)。ここで、編集対象画像記憶部54に編集対象画像が記憶されていない場合には(S211においてNO)、編集工程制御部12の予備処理実行部17は、編集対象画像選択処理を実行する(S212)。ここで、ユーザにより選択された編集対象画像は、編集対象画像記憶部54に記憶される。
【0193】
一方、編集対象画像記憶部54に編集対象画像が記憶されている場合には、すでに、編集対象画像選択処理が撮影部2において実行済みであるので、編集工程制御部12は、編集対象画像選択処理を実行せずに以降の編集処理に進む。
【0194】
S213からS219までの処理は、上述のS114〜S120までの処理と同様である。また、S220からS223までの処理は、上述のS122〜S125までの処理と同様である。したがって、ここでは説明を繰り返さない。
【0195】
上記方法によれば、編集処理の予備処理である編集対象画像選択処理は、撮影処理が完了した時点(S206の後)での、編集部3(編集空間30)の使用状況に応じて、撮影部2または編集部3のいずれで実行するかが決定される。予備処理制御部15は、編集部3が空き状態である場合には、そのアイドル時間を短縮するために、撮影部2が実行する編集対象画像選択処理を、編集部3が実行するよう制御する。反対に、編集部3が使用中の場合には、撮影部2が適切なタイミングで実行するよう制御する。
【0196】
これにより、編集部3のアイドル時間を活用することにより、工程全体の回転率を向上させることが可能となる。また、撮影空間20から編集空間30への移動をより迅速に行うことができるため、撮影部2におけるユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0197】
さらに、撮影空間20の空きを待っている他のユーザグループの有無を判定し、待ちが発生している場合のみ、予備処理を編集部3に持ち越すようにしてもよい。
【0198】
上述した実施形態では、予備処理の例として、分割パターン選択処理、編集対象画像選択処理の実行場所/タイミングを動的に変更する場合について説明したが、これに限定されない。図8に示す予備処理、あるいは、それ以外の予備処理のシーケンス制御も、本発明の写真撮影プリント装置1は実行することができる。
【0199】
例えば、図17のS115のミニゲーム選択処理において、ミニゲーム「携帯送信」が選択された場合、事後接客処理時に、携帯メールアドレス入力処理が必要となる。このようにアドレスを入力する処理はユーザの操作が繁雑になり、印刷工程の待ち時間以上に長くかかることも予想される。これでは、本来の目的とは逆行し、回転率を低下させてしまうことにもなりかねない。
【0200】
そこで、編集部3が撮影工程終了時点において使用中の場合には、その待ち時間を有効活用して、ミニゲーム選択処理、および、ミニゲーム「携帯送信」が選択された場合には携帯メールアドレス入力処理を、撮影部2が実行するように予備処理制御部15が制御してもよい。これにより、さらに全体の回転率を向上させて、ユーザの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0201】
なお、上述の各方法では、ユーザが選択する編集対象画像を編集対象画像記憶部54に記憶する構成としたが、これに限定されない。例えば、編集対象画像としてユーザに選択されたことを示すフラグを撮影画像に対応付けて、編集対象画像記憶部54に記憶する構成としてもよい。同様に、複数の編集画像の中から印刷画像が選択される場合には、印刷対象であることを示すフラグを編集画像に対応付けて、印刷画像記憶部53に記憶してもよい。
【0202】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0203】
最後に、写真撮影プリント装置1の各ブロック、使用状況判定部14、予備処理制御部15、予備処理実行部17の各部は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0204】
すなわち、写真撮影プリント装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである写真撮影プリント装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記写真撮影プリント装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0205】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0206】
また、写真撮影プリント装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0207】
本発明は、写真撮影を行うとともに、その撮影画像に編集処理を施してプリント出力する写真撮影プリント装置一般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】本発明の実施形態に係る写真撮影プリント装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】(a)および(b)は、本実施形態に係る写真撮影プリント装置の外観を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係る写真撮影プリント装置の撮影部の正面図である。
【図4】本実施形態に係る写真撮影プリント装置の編集部の正面図である。
【図5】本実施形態に係る写真撮影プリント装置の印刷部の正面図である。
【図6】本実施形態に係る写真撮影プリント装置の上面図である。
【図7】本実施形態に係る写真撮影プリント装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】本実施形態に係る写真撮影プリント装置のゲーム工程において実行される各処理の一覧と、各処理の実行可能場所(主体)および実行可能タイミングを示す表である。
【図9】写真撮影プリント装置のタッチパネル部に表示されるGUI画面の例を示す図である。
【図10】写真撮影プリント装置のタッチパネル部に表示されるGUI画面の例を示す図である。
【図11】写真撮影プリント装置のタッチパネル部に表示されるGUI画面の例を示す図である。
【図12】写真撮影プリント装置のタッチパネル部に表示されるGUI画面の例を示す図である。
【図13】写真撮影プリント装置のタッチパネル部に表示されるGUI画面の例を示す図である。
【図14】写真撮影プリント装置のタッチパネル部に表示されるGUI画面の例を示す図である。
【図15】写真撮影プリント装置のタッチパネル部に表示されるGUI画面の例を示す図である。
【図16】編集部で実行する予備処理を編集部の使用状況に応じて撮影部で実行する写真撮影プリント装置における、撮影部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】編集部で実行する予備処理を編集部の使用状況に応じて撮影部で実行する写真撮影プリント装置における、編集部および印刷部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】撮影部で実行する予備処理を編集部の使用状況に応じて編集部で実行する写真撮影プリント装置における、撮影部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】撮影部で実行する予備処理を編集部の使用状況に応じて編集部で実行する写真撮影プリント装置における、編集部および印刷部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】写真撮影プリント装置のタッチパネル部に表示されるGUI画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0209】
1 写真撮影プリント装置
2 撮影部(接客部)
3 編集部(接客部)
4 印刷部(接客部)
5 通信部
10 制御装置
11 撮影工程制御部(接客部)
12 編集工程制御部(接客部)
13 印刷工程制御部(接客部)
14 使用状況判定部(使用状況判定手段)
15 予備処理制御部(処理制御手段)
16 入出力制御部
17 予備処理実行部
18 タイマ部(タイマ手段)
20 撮影空間(接客部)
21 硬貨処理部
22 照明部
23 カメラ部
24 タッチパネル部
25 カメラ画像表示部
26 操作部
27 音声出力部
28 カーテン部
30 編集空間(接客部)
31 タッチパネル部
32 タッチペン
33 音声出力部
40 印刷空間(接客部)
50 記憶部
51 撮影画像記憶部
52 編集画像記憶部
53 印刷画像記憶部
54 編集対象画像記憶部
55 分割パターン記憶部
56 選択ミニゲーム記憶部
57 メールアドレス記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理と、上記撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理と、上記各画像をシール紙に印刷する印刷処理とを含むゲーム工程が複数の工程に分かれており、各工程に対応する複数の接客部が各工程を順次並行して実行する写真撮影プリント装置において、
少なくとも一つの接客部について、使用中であるか否かを判定する使用状況判定手段と、
上記使用状況判定手段の判定結果に応じて、少なくとも1つの接客部に対応する工程に含まれる処理を、該接客部と異なる接客部が行うように制御する処理制御手段とを備えていることを特徴とする写真撮影プリント装置。
【請求項2】
上記処理制御手段は、
上記使用状況判定手段が、終了した工程の次工程を実行する後工程接客部が使用中であると判定した場合にのみ、上記次工程に含まれる処理を上記終了した工程を実行した前工程接客部が実行するように制御することを特徴とする請求項1に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項3】
上記後工程接客部の使用につき、あらかじめ制限時間が設けられており、
上記使用状況判定手段が、上記後工程接客部が使用中であると判定した場合に、その使用経過時間を計測して、該後工程接客部の残り使用可能時間を算出するタイマ手段を備え、
上記処理制御手段は、
上記タイマ手段により算出された上記後工程接客部の残り使用可能時間が、上記次工程に含まれる処理の所要時間以上ある場合に、該処理を上記前工程接客部が実行するように制御することを特徴とする請求項2に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項4】
上記次工程に含まれる処理とは、上記印刷処理に先行して実行される、上記シール紙における上記各画像のレイアウトパターンを決定する分割パターン選択処理であることを特徴とする請求項2に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項5】
上記処理制御手段は、
上記使用状況判定手段が、前工程接客部が実行中の工程の次工程を実行する後工程接客部が使用中でないと判定した場合にのみ、上記実行中の工程に含まれる未実行の処理を上記後工程接客部が実行するように制御することを特徴とする請求項1に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項6】
上記実行中の工程に含まれる未実行の処理とは、上記編集処理に先行して実行される、上記撮影処理にて生成された撮影画像の中から編集対象となる編集対象画像を決定する編集対象画像選択処理であることを特徴とする請求項5に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項7】
上記前工程接客部は、少なくとも上記撮影処理が含まれる工程を実行する撮影部であり、
上記後工程接客部は、少なくとも上記編集処理が含まれる工程を実行する編集部であることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の写真撮影プリント装置。
【請求項8】
被写体を撮影して撮影画像を生成する撮影処理と、上記撮影画像を編集して編集画像を生成する編集処理と、上記各画像をシール紙に印刷する印刷処理とを含むゲーム工程が複数の工程に分かれており、各工程に対応する複数の接客部が各工程を順次並行して実行する写真撮影プリント装置の制御方法であって、
少なくとも一つの接客部について、使用中であるか否かを判定する判定ステップと、
上記判定ステップの判定結果に応じて、少なくとも1つの接客部に対応する工程に含まれる処理を、該接客部と異なる接客部が行うように制御する制御ステップとを含むことを特徴とする写真撮影プリント装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1から7のいずれか1項に記載の写真撮影プリント装置の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−129206(P2008−129206A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−312151(P2006−312151)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】