説明

写真撮影編集方法およびその装置

【課題】ストロボ照明装置を液体から保護できる写真撮影編集方法およびその装置を提供する。
【解決手段】撮影空間内の一以上の被写体を照明する照明手段と、該照明手段により照明された被写体を撮影して撮影画像を作成する撮影手段と、該撮影画像を編集して編集画像を作成する編集手段と、前記撮影画像または/および前記編集画像を出力する出力手段とを備えた写真撮影編集装置に、前記照明手段として閃光を照射するストロボ照明装置を備え、落下してくる液体から前記ストロボ照明装置を保護する防水部材を前記ストロボ照明装置の上方に備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば被写体を撮影して撮影画像を取得し、この撮影画像に編集許容して編集画像を取得し、この編集画像を出力するような写真撮影編集方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影空間内にいる被写体となる利用者を、照明装置で照明しつつ撮影手段としてのデジタルカメラで撮影し、取得した撮影画像にタッチパネルで編集許容し、完成した編集画像を写真シール紙に印刷して排出する写真撮影編集装置が提供されている。
【0003】
この写真撮影編集装置には、利用者を照射するための照明装置として、ストロボ照明装置が設置されている。このストロボ照明装置は、水に濡れると故障することがある。
【0004】
一方、装置の水濡れ対策として、自動販売機の商品売切検知装置が提案されている(特許文献1参照)。この商品売切検知装置は、自動販売機の冷蔵庫内に設けられて在庫管理を行うものであり、湿気が結露した露が滴下することや湿気が装置内部で氷塊化することによる故障を防止するものである。この故障防止は、抜き窓の上端に傾斜を持たせ、露が該傾斜を伝って商品売切検知装置を避けて落下するように構成することで実現されている。
【0005】
しかし、このような水濡防止策は、写真撮影編集装置のストロボ照明装置には適していなかった。すなわち、上述した水濡防止策は、湿気の結露や氷塊化といったように装置の筐体表面に発生する水分に対しては有効であっても、外部から液体が装置内部に浸入した場合には必ずしも有効ではない。写真撮影編集装置は、利用者が飲料などの液体をこぼす可能性があり、こぼれた液体が写真撮影編集装置内部に入った場合に、上述したような抜き窓の傾斜だけでは液体からストロボ照明装置を充分保護できなかった。
【0006】
【特許文献1】特開平4−157596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の問題に鑑み、ストロボ照明装置を液体から保護できる写真撮影編集方法およびその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、撮影空間内の一以上の被写体を照明手段で照明し、該照明手段により照明された被写体を撮影手段で撮影して撮影画像を作成し、該撮影画像を編集手段で編集許容して編集画像を作成許容し、前記撮影画像または/および前記編集画像を出力手段で出力する写真撮影編集方法またはその装置であって、前記照明手段として閃光を照射するストロボ照明装置が備えられ、防水部材が前記ストロボ照明装置の上方に備えられて、落下してくる液体から前記ストロボ照明装置を前記防水部材で保護して前記照明および撮影を行う写真撮影編集方法またはその装置であることを特徴とする。
【0009】
前記撮影空間は、撮影用に利用者に提供する空間を指し、前記撮影手段で撮影可能な範囲の空間、又は、背景部材や出入り口部材等の周景部材で囲繞(若しくは略囲繞)した空間で構成することができる。
前記撮影手段は、デジタルカメラ又はデジタルビデオカメラで構成することができる。
前記編集手段は、利用者にタッチペン又は指でタッチされた座標を取得するタッチパネルやマウス等のポインティングデバイス(座標入力手段)で構成することができる。
【0010】
前記出力手段は、インクジェットプリンタ、昇華型熱転写プリンタや溶融型熱転写プリンタ等の熱転写プリンタ、又はレーザプリンタ等、モノトーン、セピア(sepia)トーン又はカラー等で画像を印刷する印刷手段、画像データを送信する通信手段、又は画像データを記憶媒体に書き込む記憶媒体リーダ/ライタで構成することができる。
【0011】
前記ストロボ照明装置は、閃光は照射するストロボ発光体、ストロボ発光体に電力供給を行う電力供給装置、またはストロボ発光体と電力供給装置の両方など、ストロボ照明に関する装置で構成することができる。
前記防水部材は、防水性の板状部材、布状部材、シート状部材など、液体の落下を防ぐことのできる部材で構成することができる。
【0012】
この発明の態様として、前記照明手段を、前記ストロボ照明装置と、上下または/および左右に配置した複数の拡散部材とで構成することができる。
前記拡散部材は、白色半透明の板状部材など、光を拡散できる部材で構成することができる。
【0013】
またこの発明の態様として、前記防水部材を、透光性の透光部材で構成することができる。
前記透光部材は、透明のアクリル部材やガラス部材など、透光性を有する部材で構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明により、ストロボ照明装置を液体から保護できる写真撮影編集方法およびその装置を提供することができる。また、防水部材を透光性の透光部材で構成することにより、ストロボ照明装置の閃光を妨げずに良好な照明による写りの良い撮影画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、写真シール作成装置1の外観斜視図を示す。
写真シール作成装置1は、枠体6で六面体状に囲繞された撮影空間9の奥側に撮影筐体3が設けられ、撮影空間9の手前側に白色や緑色や青色などのクロマキー合成に適した色のプラスチックパネルまたはカーテン等で構成される背景部材8が設けられている。
【0016】
また、撮影空間9の天井部分には、天井中央照明ボックス4、天井後方照明ボックス5、および鉄板に複数の通気穴を穿設した通気板(所謂パンチングメタル)7が奥から手前へこの順で配設されている。この通気板7は、撮影空間9内にこもった熱気を外部に放出できるため、撮影空間9内に熱がこもって利用者に暑く感じさせることを防止している。
【0017】
また撮影空間9の左右両側には、上下に長い手摺10が枠体6に沿って撮影空間9側に突出して配設されている。この手摺10は、平均身長の女子高生の膝丈程度の位置から肩程度の位置まで上下に渡って設けられている。このため、利用者は手摺10を掴んで様々なポーズで撮影できる。
【0018】
また、枠体6の外側で撮影筐体3の向こう側には、編集筐体2が設けられている。ここで、撮影筐体とは、分離可能に構成される2つの筐体のうち撮影側に設置される一方の筐体を指し、編集筐体とは、分離可能に構成される2つの筐体のうち編集側に設置される他方の筐体を指す。従って、撮影筐体は、デジタルカメラなどの撮影手段を有する筐体に限らず、撮影手段を有しない筐体であることも含まれる。
【0019】
図2は撮影筐体3の正面図を示し、図3は撮影筐体3の縦断正面図を示し、図4は部分拡大斜視図を示し、図5は反射光ストロボ37の拡大斜視図を示し、図6および図7はA−A矢視(図3)による縦断拡大側面図を示す。
【0020】
撮影筐体3の正面には、図2に示すように上方半分以上の領域に照明部14が設けられている。照明部14の中央には、略四角形の穴である撮影用窓17が設けられており、この撮影用窓17の向こう側に編集筐体2のデジタルカメラ18とディスプレイ19が位置している。したがって、照明部14はデジタルカメラ18より手前側(撮影空間9側)へせり出すように配置されている。照明部14の下方には、右側に上から順に液晶パネル(表示手段)21、硬貨投入口22、硬貨排出口23、および荷物置き棚24がこの順で設けられている。
【0021】
照明部14は、図3に示すように仕切板44,46により、上段部分が上方照明ボックス11、中段部分が中央照明ボックス12、下段部分が下方照明ボックス13に区分けされて構成されている。
【0022】
上方照明ボックス11の正面には、図2に示すように、計10個の拡散板15,16が、いずれも正面を下方へ向けて傾斜させた状態で(図1参照)、上下2段に配設されている。このうち、下段中央側の3個の拡散板は、二重拡散板16であり、普通人の顔位置と同程度の高さ部分に位置する。また、上方照明ボックス11は、上記二重拡散板16の左右両側部、および二重拡散板16の上方部に、7枚の一重拡散板15が配設されている。これにより、二重拡散板16の上方と左右両側方との3方を一重拡散板15で囲繞している。
【0023】
この上方照明ボックス11は、図3に示すように、左上方照明ボックス11A、中央上方照明ボックス11B、および右上方照明ボックス11Cとして、2つの仕切板40により筐体幅方向に3つに分割されている。これらの上方照明ボックス11A〜11Cは、いずれも正面以外の周囲が天井板41、側面板42,50、仕切板40,44、および背面板43により囲繞されている。これらの天井板41、側面板42,50、仕切板40,44、および背面板43は、いずれも内側の表面が白色塗装されており、光を反射するように構成されている。したがって、上方照明ボックス11A〜11Cの内部空間は、それぞれ光反射空間27A,27B,27Cとして機能する。
【0024】
中央上方照明ボックス11Bの中央には、拡散板15,16に向けて直接光を照射する直接光ストロボ34が、閃光の照射方向を撮影空間側斜め下方へ向けて設けられている。
【0025】
左上方照明ボックス11Aおよび右上方照明ボックス11Cは、互いに左右対称であり、蛍光灯31が中央少し上方に配設されており、該蛍光灯31より内側に、反射光により被写体を照明する反射光ストロボ33が配設されている。
【0026】
中央照明ボックス12は、正面以外の周囲が、側面板42,50、仕切板44,46、内面板48、および背面板43で囲繞されている。側面板42,50、仕切板44,46、および背面板43は、いずれも内側の表面が白色塗装されており、光を反射するように構成されている。また、内面板48は、板金で形成された枠に拡散板が設けられたものであり、この拡散板が光を透過し拡散する。したがって、中央照明ボックス12の内部空間は光反射空間28として機能し、反射した光は、正面の一重拡散板15(図2参照)から照射されることに加えて、内面板48の拡散板からも照射される。
【0027】
中央照明ボックス12の内部には、中央から両側部までの中間点に蛍光灯32,32が左右対称に設けられている。また、中央照明ボックス12の正面には、図2に示すように、中央の撮影用窓17を挟んで左右に2枚ずつ計4枚の一重拡散板15が正面を水平手前側に向けて(図1参照)配設されている。これにより、蛍光灯32,32による連続光を一重拡散板15で拡散した拡散連続光によって撮影空間9内を照明できる。
【0028】
下方照明ボックス13は、図3に示すように、正面以外の周囲が仕切板46、側面板42,50、底板49、および背面板43により囲繞されている。これらの側面板42,50、底板49、および背面板43は、いずれも内側の表面が白色塗装されており、光を反射するように構成されている。したがって、下方照明ボックス13の内部空間は光反射空間29として機能する。
【0029】
下方照明ボックス13内の左右側方で中央より下方位置には、反射光で被写体を照射する反射光ストロボ37が1つずつ左右に配設されている。また、各反射光ストロボ37に隣接して蛍光灯38,38が設けられている。
【0030】
ここで、反射光ストロボ37は、図5の背面下方から見た斜視図に示すようにストロボ球37aとハの字型に広がる板金であるリフレクタ37bが設けられており、ストロボ球37aの閃光を背面方向(図示左方向)へ集中させるように構成されている。そして、反射光ストロボ37の背面側となるストロボ球37a側は、底面(図示下側)のみを開放して、左側面(図示手前側)が遮蔽板81で、右側面(図示奥側)が遮蔽板83で、上面(図示上側)が遮蔽板82で、背面(図示右側)が拡散板84でボックス状に囲繞されている。これにより、ストロボ球37aの閃光は、拡散板84で拡散した光と、開放面である底面からの光だけを利用する。特に利用者の顔に最も近い面である上面を遮蔽板82で遮蔽することで、利用者に照射する閃光が強くなりすぎないように調整している。
【0031】
この反射光ストロボ37は、図4に示すように、横長のフレーム60に固定されている。そして、該反射光ストロボ37および蛍光灯38(図3参照)の上方位置に、該反射光ストロボ37および蛍光灯38の上面全体を覆うように保護板62が設けられている。
【0032】
この保護板62は、光が透過する透明のアクリル部材で肉厚一定の一直線の平面状の板形状に形成されており、背面板43に固定部材61で固定されている。この固定部材61は、反射光ストロボ37および蛍光灯38より高い位置で、保護板62の後端を背面板43に固定している。そして保護板62は、筐体幅方向が水平で前後方向が前下がりに傾斜させて配置されている。
【0033】
この保護板62の左右の横幅は、拡散板15,16の横幅より広く形成されている。従って、図2に示した下方照明ボックス13における上段左端の一重拡散板15とその右隣の二重拡散板16との間部分の直下に保護板62が存在するように構成されている。この保護板62により、一重拡散板15と二重拡散板16の間から図7に示すように液体W1、W2が滴下しても、この液体が反射光ストロボ37および蛍光灯38(図4参照)にかかることを確実に防止している。
【0034】
この保護板62の手前側下端62aは、特に固定されずフリーになっている。また、この手前側下端62aの位置は、反射光ストロボ37より手前側に位置するように構成されている。これにより、保護板62の手前側下端62aから滴下する液体が反射光ストロボ37にかかることを防止している。
【0035】
また、下方照明ボックス13内には、全てのストロボ33,34,35,36,37に電力供給する電力供給装置69が設けられている。この電力供給装置69の上方には、該電力供給装置69の上面全体を囲繞するように保護板66が設けられている。
【0036】
この保護板66は、光が透過する透明のアクリル板で肉厚一定の一直線の平面状の板形状に形成されており、背面板43に固定部材65で固定されている。この固定部材65は、電力供給装置69より高い位置で保護板66を背面板43に固定している。そして保護板66は、筐体幅方向が水平で前後方向が前下がりに傾斜させて配置されている。
【0037】
この保護板66の左右の横幅は、拡散板15,16の2枚分の横幅程度に形成されている。従って、図2に示した下方照明ボックス13における下段左端の一重拡散板15とその右隣の一重拡散板15との間部分の直下に保護板66が存在するように構成されている。これにより、一重拡散板15,15の間から液体が滴下しても、この液体が電力供給装置69にかかることを確実に防止している。
【0038】
この保護板66の手前側下端66aは、特に固定されずフリーになっている。また、この手前側下端66aの位置は、電力供給装置69より手前側に位置するように構成されている。これにより、保護板66の手前側下端66aから滴下する液体が電力供給装置69にかかることを防止している。
【0039】
下方照明ボックス13の正面には、図2に示すように、計8枚の拡散板15,16が、いずれも正面を上方へ向けて傾斜させた状態で(図1参照)、上下2段に配設されている。このうち、上段側の中央3つの二重拡散板16は、2重構造に形成されており、該二重拡散板16の左側部および下方部に、5枚の一重拡散板15が配設されている。
【0040】
ここで、二重拡散板16は、図6に示すように乳白色(白色半透明)で肉厚一定のアクリル板で構成された拡散板51と拡散板53が空間52を隔てて並設された2重構造に形成されている。これにより、図中に矢印で示すように、閃光を2段階に拡散することができ、被写体である利用者を照明する際に顔等の陰影が強くなりすぎないように閃光を充分に拡散する。
【0041】
また、拡散板53は、外形が略四角形(図2参照)であり、裏面方向に起立した起立辺54が周囲全体に設けられた凸型の形状に形成されている。これにより、閃光を正面方向だけでなく起立辺54から周面方向にも照射できるため、複数並設された一重拡散板15や二重拡散板16の間に閃光が照射されず影が生じるといったことを抑制している。
【0042】
また、一重拡散板15は、外形が略四角形の拡散板56の周囲全体に、裏面方向に起立した起立辺57を有する形状に形成されている。この構成により、正面方向だけではなく起立辺57から周面方向にも拡散した閃光を照射できるため、複数並設された一重拡散板15や二重拡散板16の間に閃光が照射されず影が生じるといったことを抑制できる。また、拡散板56の肉厚および素材は、上述した拡散板51,53と同一である。これにより、一重拡散板15により二重拡散板16より小さく拡散した光を照射できる。
【0043】
図8は、写真シール作成装置1の構成を示すブロック図であり、図9は、写真シール作成装置1の撮影部の構成を示すブロック図である。
【0044】
写真シール作成装置1は、バス121に接続して、制御部131、制御情報記憶部132、画像データ保持部133、プレイ情報記憶部134、利用者情報記憶部135、撮影部用硬貨部141、撮影部142、背景部143、編集部144、印刷部146、通信部147、およびドライブ148が設けられている。
【0045】
制御部131は、ゲーム管理部151、硬貨処理部152、撮影処理部153、移動案内処理部154、編集処理部155、印刷処理部156、事後接客処理部157、および計時部158により構成されている。
ゲーム管理部151は、ゲームに関する管理を行う部分であり、照明、撮影、編集に関する制御を行う。
硬貨処理部152は、硬貨投入口に投入された硬貨を処理する部分であり、投入金額の把握を行う。
撮影処理部153は、撮影を行う部分であり、デジタルカメラ18による撮影を制御する。
移動案内処理部154は、利用者が移動すべき編集箇所を液晶パネル21への表示や音声により案内する処理を行う。
編集処理部155は、液晶パネルへの表示と操作ペンでのタッチ入力による画像編集を許容する処理を行う。
印刷処理部156は、シール紙への画像の印刷を行って完成した写真シールシートを写真シール排出口から排出する処理を行う。
事後接客処理部157は、ミニゲームや画像情報の送信といった事後接客を実行する。
計時部158は、撮影や編集において利用者に入力させる場面で入力許容する制限時間の経過を計時する。
【0046】
制御情報記憶部132は、写真シール作成装置1の各種制御に関する制御情報を記憶している。
画像データ保持部133は、撮影画像や編集画像といった画像のデータを保持している。
プレイ情報記憶部134は、プレイ中の情報、たとえばコースや写り、出力枚数などの利用者に選択させる情報を記憶する。
利用者情報記憶部135は、利用者に関する情報を記憶する。
【0047】
撮影部用硬貨部141は、硬貨投入口22から投入された硬貨を処理する部分であり、投入金額の把握を行う。
撮影部142は、各ストロボ33,34,35,36,37による照明とデジタルカメラ18による撮影を実行する。
背景部143は、例えば昇降機能付きのロールカーテンで構成される背景部材8が複数設けられている場合に、背景として使用するロールカーテンを下ろし、それ以外のロールカーテンを巻き取るといった制御を行う。
【0048】
編集部144は、液晶ディスプレイ等の表示装置に撮影画像や編集用ツール画像等を表示し、この表示装置に重ねて設けられたタッチパネルで利用者にタッチ入力された入力情報を取得し、撮影画像に対する利用者の編集を許容する。
印刷部146は、適宜のカラープリンタで構成され、編集画像を適宜のレイアウトに配置した印刷画像をシール紙に印刷して写真シールシートを作成する。
【0049】
通信部147は、インターネットなどのネットワーク161を介して携帯電話機などの他の装置に画像情報を送信する。
ドライブ148は、フレキシブルディスクなどのリムーバブルメディア162に対して画像等の情報の読み書きを実行する。
【0050】
前記撮影部142は、図9に示すように、バス121に接続されて音声出力制御部171、照明制御部172、カメラ制御部173、デジタルカメラ18、表示制御部174、およびタッチパネル制御部178が設けられており、音声出力部37、ストロボ33,34,35,36,37、ディスプレイ19、液晶パネル21、VRAM175、およびタッチパネル177が設けられている。
【0051】
音声出力制御部171は、音声出力部37からの音声出力を制御する。
照明制御部172は、ストロボ33,34,35,36,37による閃光照射のタイミングと照射強度を制御する。この閃光を発する際に照明制御部172は、利用者に選択されたコースや写り設定により、複数段階(例えば15段階)に照射強度を設定できる各ストロボ33,34,35,36,37についてそれぞれ照射強度を異ならせ、様々な照明効果を演出する。例えば陽が右から射すコンテンツ(コースおよび写り設定)を利用者(顧客)が選択すると、右側に存在するストロボ33,37(図3参照)の照射強度が強くなるように設定信号を送信して調整する。
【0052】
カメラ制御部173は、デジタルカメラ18の動作を制御する。
表示制御部174は、ディスプレイ19および液晶パネル21の表示を制御する。
【0053】
VRAM175は、表示制御部174から受け取った画像情報を記憶し、必要に応じて記憶している画像情報を表示制御部174に送信する。
表示制御部174は、撮影画像や編集画像などの画像に基づく表示を制御する。
タッチパネル177は、利用者にタッチされた入力情報をタッチパネル制御部178に送信する。
タッチパネル制御部178は、前記表示制御部174を制御する。
【0054】
以上の構成により、各ストロボ33,34,35,36,37の照明強度を多段階に設定して様々な照明効果を得ることができ、この照明効果を得た撮影画像を取得することができる。また、撮影画像に対しては編集を行うことができ、この編集画像をレイアウトに配置してシール紙に印刷し、写真シールシートを提供することができる。
【0055】
図10は、写真シール作成装置1の制御部131が実行する全体動作のフローチャートを示す。
制御部131は、撮影設定処理で撮影の設定を行い(ステップS1)、左上方照明ボックス11A、中央上方照明ボックス11B、右上方照明ボックス11C、中央照明ボックス12、および下方照明ボックス13の各ストロボ33,34,35,36,37による照射を設定された撮影モードに応じて実行し、この照射と共にデジタルカメラ18で撮影する撮影処理を実行する(ステップS2)。
【0056】
そして、制御部131は、移動案内処理によって2つの編集空間のいずれか一方へ利用者を誘導し(ステップS3)、前記撮影処理で取得した撮影画像に編集許容する編集処理を実行し(ステップS4)、編集画像を複数枚配置した印刷用画像をシール紙に印刷する印刷処理および事後接客処理を実行し(ステップS5)、出来上がった写真シールシートを排出し(ステップS6)、処理を終了する。
【0057】
以上の動作により、利用者は、照明付きの撮影をして撮影画像を取得し、この撮影画像に編集して編集画像を作成し、この編集画像をシール紙に印刷させて、写真シールシートを取得することができる。
【0058】
以上詳述したように、この実施形態の写真シール作成装置1は、全てのストロボ33,34,35,36,37に電力供給装置69で電力供給し、上方照明ボックス11、中央照明ボックス12、および下方照明ボックス13によって被写体を美しく撮影できる。そして、保護板62,66により、反射光ストロボ37や電力供給装置69を飲料や水滴といった液体から保護することができる。このため、アミューズメント施設でジュース等の飲料を飲みながら利用する利用者がこの飲料を零しても、故障することなく撮影、編集、印刷を実行することができる。
【0059】
詳述すると、図6に示したように反射光ストロボ37および電力供給装置69は、デジタルカメラ18(図1参照)が備えられた位置より手前側(撮影空間9側)に配置されている。そして、反射光ストロボ37や電力供給装置69の上方位置に、傾斜配置された一重拡散板15や二重拡散板16が設けられている。このように構成された下方照明ボックス13により、下方から斜め上方へ撮影空間9側に向けた拡散光を照射し、利用者を美しく撮影できるように構成されている。
【0060】
ここで、一重拡散板15や二重拡散板16は、良好な照明効果を得るために傾斜配置されてデジタルカメラ18より手前にせり出していることから、利用者が飲料などの液体をこぼすと、一重拡散板15や二重拡散板16に多量の液体がかかることになりやすい。
【0061】
この実施形態の写真シール作成装置1は、効果的な照明を得て美しい撮影画像を取得するために複数の一重拡散板15や二重拡散板16を配設していることから、各拡散板15,16の間に液体が通過し得る隙間が存在している。
【0062】
この隙間から、図7に示したように液体W1が通過しても、液体W1の落下を保護板62,66で受け止めて、一重拡散板15や二重拡散板16の下方に位置する反射光ストロボ37や電力供給装置69を保護することができる。受け止めた液体は、保護板62,66の上面を流れ落ちるため、反射光ストロボ37や電力供給装置69に液体がかかることを確実に防止できる。
【0063】
また、保護板62,66は、いずれも前下がりに傾斜させて設けたため、拡散板15,16のつなぎ目によって液体の進入の可能性が高い正面から、液体W2が勢い良く進入しても、この液体W2を真正面に近い状態で受けることができ、反射光ストロボ37や電力供給装置69に液体W2がかかることを確実に防止できる。
【0064】
また、保護板62の手前側下端62aの位置は反射光ストロボ37より手前側に位置し、保護板66の手前側下端66aの位置は、電力供給装置69より手前側に位置して構成したため、保護板62,66の上面を伝って流れる液体が反射光ストロボ37や電力供給装置69にかかることを確実に防止できる。
【0065】
また、保護板62,66は、手前側下端62a,66aが最も低くなる構成にしたため、液体が落ちる位置を手前側下端62a,66aの下方位置に統一することができ、意図しない場所に液体が滴下することを防止できる。
【0066】
また、保護板62,66は、手前側下端62a,66aをフリーにしたため、反射光ストロボ37や電力供給装置69等の発熱によって膨脹しても、湾曲変形等することなく一直線の平面形状を維持でき、表面での液体の流下方向を常時一定に保つことができる。
【0067】
また、保護板62,66は、透明なアクリル部材により肉厚一定の一直線の平面形状に形成されているため、反射光ストロボ37の閃光に殆ど影響を与えず、良好な照明を維持することができる。
【0068】
このように、反射光ストロボ37や電力供給装置69が液体によって故障することを確実に防止できるため、故障によってプレイを中断したりメンテナンス中として運用停止することを防止できる。従って、写真シール作成装置1のプレイ可能時間を長く取ることができ、大勢のプレイヤー(利用者)を受け入れることができ、運用停止等による営業機会損失を防ぐことができる。これにより、写真シール作成装置1を設置する施設の経営者の満足度を向上させることができる。
【0069】
また、反射光ストロボ37や電力供給装置69の一部が液体により故障することで、写真シール作成装置1としては動作できるが、発光しないストロボ33,34,35,36,37が生じた場合、撮影中の利用者は異変に気付かず、出来上がった撮影画像の写りが暗いあるいはおかしいといったことが生じることになるが、このようなことを防止できる。従って、正常でない照明状態で利用者がプレイして不満を持つといったことを防止できる。これにより、利用者の満足度を向上させることができる。また、初めてのプレイで照明の不満を持って二度と利用しない利用者の発生を防止できる。
【0070】
また、一重拡散板15や二重拡散板16より充分奥側に反射光ストロボ37や電力供給装置69を設置して液体がかかるのを防止するような方法に比べて、写真シール作成装置1を小型コンパクトに構成することができる。
【0071】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の写真撮影編集装置は、実施形態の写真シール作成装置1に対応し、
以下同様に、
照明手段は、下方照明ボックス13に対応し、
拡散部材は、一重拡散板15および二重拡散板16に対応し、
撮影手段は、デジタルカメラ18に対応し、
ストロボ照明装置は、反射光ストロボ37および電力供給装置69に対応し、
防水部材および透光部材は、保護板62,66に対応し、
編集手段は、編集部144に対応し、
出力手段は、印刷部146に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】写真シール作成装置の外観斜視図。
【図2】撮影筐体の正面図。
【図3】撮影筐体の縦断正面図。
【図4】保護板周辺の部分拡大斜視図。
【図5】反射光ストロボの拡大斜視図。
【図6】保護板周辺のA−A矢視による縦断拡大側面図。
【図7】保護板周辺のA−A矢視による縦断拡大側面図。
【図8】写真シール作成装置の構成を示すブロック図。
【図9】写真シール作成装置の撮影部の構成を示すブロック図。
【図10】写真シール作成装置の制御部が実行する全体動作のフローチャート。
【符号の説明】
【0073】
1…写真シール作成装置
9…撮影空間
13…下方照明ボックス
15…一重拡散板
16…二重拡散板
18…デジタルカメラ
37…反射光ストロボ
62,66…保護板
69…電力供給装置
144…編集部
146…印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影空間内の一以上の被写体を照明手段で照明し、
該照明手段により照明された被写体を撮影手段で撮影して撮影画像を作成し、
該撮影画像を編集手段で編集許容して編集画像を作成許容し、
前記撮影画像または/および前記編集画像を出力手段で出力する写真撮影編集方法であって、
前記照明手段として閃光を照射するストロボ照明装置が備えられ、
防水部材が前記ストロボ照明装置の上方に備えられて、
落下してくる液体から前記ストロボ照明装置を前記防水部材で保護して前記照明および撮影を行う
写真撮影編集方法。
【請求項2】
前記照明手段は、前記ストロボ照明装置と、上下または/および左右に配置した複数の拡散部材とで構成され、
前記複数の拡散部材の間から落下してくる液体から前記ストロボ照明装置を前記防水部材で保護して前記照明および撮影を行う
請求項1記載の写真撮影編集方法。
【請求項3】
前記防水部材は、透光性の透光部材で構成され、
前記ストロボ照明装置の閃光を妨げずに前記防水部材で防水して前記照明および撮影を行う
請求項1または2記載の写真撮影編集方法。
【請求項4】
撮影空間内の一以上の被写体を照明する照明手段と、
該照明手段により照明された被写体を撮影して撮影画像を作成する撮影手段と、
該撮影画像を編集して編集画像を作成する編集手段と、
前記撮影画像または/および前記編集画像を出力する出力手段とを備えた写真撮影編集装置であって、
前記照明手段として閃光を照射するストロボ照明装置を備え、
落下してくる液体から前記ストロボ照明装置を保護する防水部材を前記ストロボ照明装置の上方に備えた
写真撮影編集装置。
【請求項5】
前記照明手段を、前記ストロボ照明装置と、上下または/および左右に配置した複数の拡散部材とで構成した
請求項4記載の写真撮影編集装置。
【請求項6】
前記防水部材を、透光性の透光部材で構成した
請求項4または5記載の写真撮影編集装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−212727(P2007−212727A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32109(P2006−32109)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】