説明

写真自動販売装置、写真自動販売方法及びコンピュータプログラム

【課題】 利用者の好みやニーズに応じた形態で利用者に写真を提供することができる写真自動販売装置、写真自動販売方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 利用者を含む被写体を撮影して撮影画像を得るカメラ161と、撮影画像を表示するタッチパネル162,171,172と、撮影画像を編集して編集画像を作成するタッチパネル171,172と、編集画像等の印刷を行うプリンタ182とを備えた写真自動販売装置10において、出力制御装置180によって、印刷及び外部装置への画像データの送信の双方を行うデュアルモードと、送信のみを行うシングルモードとを切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真自動販売装置、写真自動販売方法及びコンピュータプログラムに関する。さらに詳しくは、本発明は、利用者を含む被写体をカメラで撮影した撮影画像や、この撮影画像に基づいて生成される編集画像を写真シール等として利用者に提供する写真自動販売装置、写真自動販売方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者を含む被写体をカメラで撮影し、その撮影画像や、この撮影画像に基づいて生成される編集画像を印刷し、写真シールとして利用者に提供する遊戯用の写真自動販売装置が知られている。
かかる遊戯用の写真自動販売装置としては、例えば、利用者の遊戯性及び娯楽性を高めるため、利用者によってタッチペンで入力される手書きの文字又は図形からなる線画像や予め用意されたフレーム画像、スタンプ画像等を、複数の撮影画像に合成する編集入力の機能を有する装置が挙げられる。
【0003】
また、かかる写真自動販売装置として、編集画像を写真シールとして利用者に提供する機能に加えて、編集終了後の写真シールの印刷待ち時間等に、編集画像を利用者の携帯端末に送信する機能を有する装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-154452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、近年の携帯端末の普及や利用者のニーズの変化に伴って、写真シールを必要とせず、画像データの提供のみを必要とする利用者が増える傾向がある。
したがって、このような利用者のニーズに十分に応えることができ、利用者の満足度を高めることができる写真自動販売装置が求められている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、利用者の好みやニーズに応じた形態で利用者に写真を提供することができる写真自動販売装置、写真自動販売方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の写真自動販売装置(以下、本明細書において、「写真自販装置」という)は、利用者を含む被写体を撮影して撮影画像を得る撮影手段と、前記撮影画像を編集して編集画像を得る編集手段と、印刷媒体への前記撮影画像又は前記編集画像の印刷を行う印刷手段と、外部装置への前記撮影画像又は前記編集画像の画像データの送信を行う送信手段と、前記印刷及び前記送信の双方を行うデュアルモードと前記送信のみを行うシングルモードとを切り換える制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明の写真自販装置では、制御手段が、デュアルモードと、シングルモードとを切り換える。
ここで、デュアルモード実行時には、印刷手段が、編集画像を印刷媒体に印刷するとともに、送信手段が画像データをサーバ、携帯端末等の外部装置に送信する。この場合、利用者は、編集画像を、当該編集画像が印刷された写真カード、写真シール等及び画像データとして取得することができる。また、シングルモード実行時には、送信手段が画像データを外部装置に送信する。この場合、利用者は、編集画像を画像データとして取得することができる。
したがって、本発明の写真自販装置によれば、利用者の好みやニーズに応じて、写真の提供形態を選ぶことができるので、利用者の満足感を高めることができる。
【0009】
前記制御手段は、利用者が支払う対価の額に応じて、デュアルモードと、シングルモードとを切り換えるものであってもよい。
この場合、利用者が支払う対価の額によって、利用者への写真の提供形態等のサービスを変更することが可能になる。
【0010】
本発明の写真自販装置は、外部装置に対する撮影画像又は編集画像の画像データの送信を管理する管理手段をさらに備えていてもよい。
管理手段は、外部装置への撮影画像又は編集画像の画像データの送信回数を管理するものであることが好ましい。
従来、写真自販装置の供給者は、写真自販装置を、遊戯場運営業者に供給する場合、当該業者には、写真自販装置で使用される印刷媒体の量に応じて、その使用料が課されている。
ところが、画像データは無形物であるため、編集画像を画像データとしてのみ利用者に提供する場合には、遊戯場運営業者に使用料を課する基準があいまいとなりやすく、使用料の徴収が困難になるおそれがある。
これに対し、かかる管理手段を備えた写真自販装置によれば、外部装置への前記編集画像の画像データの送信(例えば、サーバへのアップロード、携帯端末への送信)を管理することができるので、編集画像を画像データとして利用者に提供する場合であっても、写真自販装置の供給者は、遊戯場運営業者に課する使用料を容易に算出することができる。
【0011】
送信手段は、サーバへの撮影画像又は編集画像の画像データのアップロードを行うデータアップロード手段を含んでいてもよい。
また、本発明の写真自販装置は、アップロードされた撮影画像若しくは編集画像の識別情報及び/又は当該撮影画像若しくは編集画像の画像データの所在場所の情報を出力する情報出力手段をさらに備えていてもよい。
情報出力手段は、シングルモード実行時に、識別情報及び/又は所在場所の情報をデュアルモード実行時に得られる印刷物における印刷内容とは異なる印刷内容で印刷手段又はこの印刷手段とは異なる印刷手段に印刷させてもよい。
【0012】
本発明の写真自動販売方法は、利用者を含む被写体の撮影を行う工程と、撮影工程で得られた撮影画像を編集して編集画像を作成する工程と、利用者の選択により、編集画像若しくは撮影画像の印刷と、外部装置への編集画像若しくは撮影画像の画像データの送信との双方を行うか、又は前記送信のみを行う工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の写真自動販売方法によれば、利用者の選択により、印刷及び送信の双方を行うか、又は送信のみを行うため、前述の写真自販装置と同様の作用効果を奏する。
【0013】
本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータに、前述した写真自動販売方法を実行させることを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムによれば、コンピュータに、利用者の選択により、印刷及び送信の双方を行わせるか、又は送信のみを行わせることができるため、前述の写真自販装置と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の写真自販装置、写真自動販売方法及びコンピュータプログラムによれば、利用者の好みやニーズに応じた形態で利用者に写真を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る写真自販装置を含む写真自動販売システムの概略説明図である。
【図2】(a)は本発明の一実施形態に係る写真自販装置の側面図、(b)は同装置の平面図である。
【図3】撮影ユニットの正面図である。
【図4】撮影操作用のタッチパネルの画面構成図である。
【図5】編集ユニットの正面図である。
【図6】編集操作用のタッチパネルの右側の入力領域の画面構成図である。
【図7】出力ユニットの正面図である。
【図8】図1に示される写真自販装置10の機能構成を示すブロック図である。
【図9】図1に示されるサーバ20の機能構成を示すブロック図である。
【図10】撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】編集処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】写真カードの構成を示す概略説明図である。
【図14】印刷物の構成を示す概略説明図である。
【図15】画像取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】変形例に係る出力処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[写真自動販売システムの全体構造]
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る写真自販装置を含む写真自動販売システムの概略説明図である。
写真自動販売システム1は、撮影を行い、得られた撮影画像から編集画像を作成する写真自販装置10と、インターネット等の公衆通信回線に接続されたネットワークNWを介して写真自販装置10からアップロードされる編集画像の画像データを記憶するサーバ20と、サーバ20からネットワークNWを介して画像データを取得可能な携帯端末30とを備えている。
【0017】
[写真自販装置の構造]
(全体構造)
図2(a)は本発明の一実施形態に係る写真自販装置10の側面図、図2(b)は同装置10の平面図である。また、図3は撮影ユニット13の正面図、図4は撮影操作用のタッチパネル120の画面構成図、図5は編集ユニット14の正面図、図6は編集操作用のタッチパネル400の右側の入力領域400Rの画面構成図、図7は出力ユニット15の正面図である。
【0018】
図2に示されるように、写真自販装置10は、利用者Uが入室可能な撮影室12と、利用者Uの撮影と背景画像や前景画像の選択を受け付け可能な撮影ユニット13とを備えている。
また、写真自販装置10は、利用者Uによる落書き(描画操作)を含む編集入力を受け付けて、撮影画像に合成した画像(編集画像)を生成する編集ユニット14と、編集画像を出力する出力ユニット15とを備えている。
【0019】
撮影室12は、前後方向(図2(a)の左右方向)に長い直方体状のフレーム構造を有する。この撮影室12の前部には、撮影ユニット13が配置されている。撮影室12の左右方向(図2(b)の上下方向)の両側面には、それぞれ利用者Uが出入りする開口部と、この開口部の一部又は全部を覆う遮光カーテン(図示せず)が設けられている。
また、撮影室12の後部には、電動ロール式のカーテン装置125が配置されている。撮影室12内の撮影ユニット13とカーテン装置125の間の空間(撮影操作用のタッチパネル120の前側の空間)は、利用者Uの撮影を行う撮影空間を構成している。
【0020】
編集ユニット14は、カーテン装置125の背面に接続された筐体を備えている。この筐体の幅方向両側には、2人組の利用者Uがそれぞれ一緒に編集入力を行うことができるタッチパネル400が設けられている。この編集ユニット14の各タッチパネル400の前側の空間は、利用者Uが編集作業を行う編集空間を構成している。この編集空間は、カーテン装置125を挟んで撮影空間とは異なる位置に設けられている。
【0021】
(撮影ユニットの構造)
撮影ユニット13は、図2及び図3に示されるように、利用者Uを撮影するカメラ110と、カメラ110の上下左右の位置に配置された複数のストロボ111,112,113L,113R,114と、カメラ110の下方に配置された、利用者Uの操作の受け付けや撮影画像の表示等を行う撮影操作用のタッチパネル120とを備えている。また、撮影ユニット13には、その前面下方にコイン投入口126(図3参照)が設けられている。
【0022】
カメラ110は、例えば、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラからなる。このカメラ110は、利用者Uの撮影によって取得したデジタル画像信号を出力する。各ストロボ111〜114は、カメラ110のシャッター時に利用者Uに閃光を発する。
【0023】
タッチパネル120は、撮影作業の際に、利用者Uによる各種の操作を受け付けるための操作画面を提供する。また、タッチパネル120は、カメラ110が取得したデジタルの動画映像をリアルタイムで表示することもできる。
このタッチパネル120は、図4に示されるように、撮影作業の際にリアルタイムの動画映像を表示するプレビュー領域121と、ポーズの見本を表示するための第1表示領域122と、撮影によって得られた撮影画像を表示するための第2表示領域123とを有する。
【0024】
撮影ユニット13は、パーソナルコンピュータ等から構成された撮影制御装置と、編集及び出力ユニット14,15と通信を行うためのネットワークアダプタとを内蔵している。
【0025】
(編集ユニットの構造)
編集ユニット14は、図2(b)に示されるように、2つのユニット14a,14bに分かれている。これにより、例えば、2人組である2組の利用者Uが同時に並行してプレイすることができる。
2つのユニット14a,14bは、図2(b)及び図5に示されるように、互いに対面した所定高さの傾斜した作業面を有する。この作業面に、落書き領域やその落書きのためのメニュー又はツールを表示する領域を含む編集操作用のタッチパネル400と、タッチパネル400へのタッチ操作に使用するタッチペン149L,149Rが設けられている。編集操作用のタッチパネル400は、2人の利用者Uが同時に落書きを行えるように、左右対称の画面構成となっている(図5の400L,400R)。
各入力領域400L,400Rには、それぞれ、落書き部401、タブ402によるメニュー切り替えが可能なパレット部403、モード選択部404及びコマンド選択部405が配置されている(図6参照)。
以下、図6を参照しつつ、編集操作用のタッチパネル400の右側の入力領域400Rを例として挙げて、上記各部の構成及び機能を説明する。
落書き部401は、入力領域400Rにおける中央部から上縁部に渡る部分を占めており、撮影ユニット13から取得した撮影画像が表示される。
パレット部403の内部には、複数種類のスタンプ画像やフレーム画像などの撮影画像に対して合成可能な貼り付け画像が多数表示されている。利用者Uは、これらの貼り付け画像のなかから、所望の貼り付け画像をペン先でタッチしてから、撮影画像の所定位置にペン先をタッチすることにより、撮影画像に貼り付け画像を合成することができる。
パレット部403のタブ402には、「ネオン」、「ハート」、「星・キラリ」などの利用者Uの嗜好に沿った複数のアイテムがある。これにより、利用者Uが所望のアイテムをペン先でタッチすると、パレット部403の内部に配列される貼り付け画像の種類が、当該アイテムの趣旨に沿って予め収集された貼り付け画像に切り替わるようになっている。
モード選択部404には、複数種類のモード選択ボタンが配列されており、本実施形態では、「ペン」、「スタンプ」、「もじ」、「オススメ」及び「カラー」のモード選択ボタンが用意されている。
このうち、例えば、「スタンプ」の選択ボタンは、タッチペン149Rで貼り付けるスタンプの種類をパレット部403に表示させるボタンである。かかる「スタンプ」の選択ボタンをタッチペン149Rのペン先でタッチし、ついで、「まきつきスタンプ」を選択した場合、図6に示されるように、人物の周縁部にまきつくようなスタンプ(図中、411参照)を撮影画像に合成することができる。
コマンド選択部405には、上から順に、「終わり」、「リセット」、複数サイズの「消しゴム」、「囲み消しゴム」(丸い矢印が記されたボタン)、「進む」及び「戻る」の各ボタンが設けられている。
このうち、「終わり」は、タッチペン149Rによる編集入力を強制終了させるボタンであり、「リセット」は、撮影画像に対して行った編集入力をすべて取り消すためのボタンである。
「消しゴム」は、タッチペン149Rによるペン入力を線消去のための消しゴム入力に変換するボタンであり、「囲み消しゴム」は、ペン先で囲んだ個所の線や合成画像を消去するボタンである。また、「戻す」は、タッチペン149Rの編集入力を1つ取り消すボタンであり、「進む」は当該「戻す」処理による取り消しを戻すボタンである。
【0026】
編集ユニット14は、パーソナルコンピュータ等から構成された編集制御装置と、撮影及び出力ユニット13,15と通信を行うためのネットワークアダプタとを内蔵している。
【0027】
(出力ユニットの構造)
図2及び図7に示すように、出力ユニット15は、出力操作用のタッチパネル130と、その下方に配置された非接触の通信ポート131とを備えている。
通信ポート131の下方には、非接触通信の際に必要な操作方法や効果音等を音声によって利用者Uに知らせるスピーカ132が設けられている。
このスピーカ132の下方には、写真カード、写真シール、印刷物等を取り出す取出口133が設けられている。
さらに、出力ユニット15には、図2(a)及び(b)に示されるように、編集画像を写真カード、写真シール等として印刷するか、或いは編集画像の識別情報、編集画像の画像データの所在場所の情報等を印刷するための印刷手段としてのネットワークプリンタ135が内蔵されている。
【0028】
出力操作用のタッチパネル130は、上記通信機能を備えた携帯端末に送信するのに必要な各種操作を受け付けるための、操作画面を提供する。
なお、出力操作用のタッチパネル130が設けられていない装置の場合には、編集ユニット14のタッチパネル400で同様の各種の操作を行わせるようにしてもよい。
【0029】
通信ポート131は、例えば、携帯電話機等の携帯端末の赤外線ポートと近距離でかつ非接触の通信が可能なポートである。
この通信ポートは、編集画像の識別情報、編集画像の画像データの所在場所の情報等を、利用者Uの携帯端末に送信することができる。
なお、通信ポート131は、電波を使用したフェリカ(登録商標)等の非接触通信方式の通信ポートであってもよい。
【0030】
出力ユニット15には、パーソナルコンピュータ等から構成された出力制御装置と、撮影及び編集ユニット13,14と通信を行うためのネットワークアダプタが内蔵されている。
【0031】
[写真自販装置の機能構成]
図8は、図1に示される写真自販装置10の機能構成を示すブロック図である。
写真自販装置10は、図8に示されるように、利用者Uを撮影する処理(撮影処理)を行うための撮影処理部16と、編集対象の画像に対する利用者Uの操作に応じて画像処理を行うための編集処理部17と、編集が行われた後の編集画像を写真シール等として印刷したり、編集画像の識別情報、編集画像の画像データの所在場所の情報等をメールの送信、非接触通信、ディスプレイ表示等で出力したりする出力処理を行うための出力処理部18とを備える。
【0032】
撮影処理部16は、撮影制御装置160と、カメラ161と、撮影操作用のタッチパネル162と、ストロボ163と、ネットワークアダプタ164とから構成されている。
編集処理部17は、編集制御装置170と、編集操作用のタッチパネル171,172と、ネットワークアダプタ173とから構成されている。
出力処理部18は、出力制御装置180と、出力操作用のタッチパネル181と、プリンタ182と、スピーカ183と、非接触通信装置184と、ネットワークアダプタ185と、アップロード管理装置187とから構成されている。
【0033】
ネットワークアダプタ164,173,185は、ローカルエリアネットワーク(LAN)19を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。
【0034】
撮影制御装置160は、CPU、メモリ、フレームバッファ、補助記憶装置、I/O制御装置、課金管理装置、タイマー等から構成される。
【0035】
カメラ161(図2のカメラ110に対応)は、映像データをリアルタイムに取り込んで撮影制御装置160に出力する。このとき、撮影制御装置160は、シャッター動作の時点の映像データ(静止画データ)を撮影画像とし、内部のメモリに一時的に記憶する。
また、撮影制御装置160は、カメラ161から得られる映像データを、撮影操作用のタッチパネル162に常時供給する。これにより、利用者Uの現況がリアルタイムに表示される。
【0036】
タッチパネル162(図2のタッチパネル120に対応)は、撮影画像に合成する背景画像又は前景画像を選択する操作、写真のレイアウト選択のための操作及びシャッター操作等の入力を受け付け、入力された操作信号を撮影制御装置160に送る。このタッチパネル162からの操作信号に基づいて、撮影制御装置160は、その操作信号に対応する所定の処理を実行する。
【0037】
タッチパネル162にシャッター操作の入力があると、撮影制御装置160は、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ161をシャッター動作させるとともに、ストロボ163(図3のストロボ111〜114に対応)を閃光させる。
ストロボ163は、撮影制御装置160の内部のI/O制御装置によって、点灯、消灯及び調光が制御される。
撮影制御装置160は、メモリに格納されたプログラムをCPUが実行することで、撮影処理に関する全体の制御を行う。
【0038】
撮影制御装置160の内部の課金管理装置は、利用者Uが選択したコースに対する対価の額に応じて投入されたコインを検出したコイン検出部(図示せず)から、投入されたコインの数に対応する検出信号を受領する。そして、撮影制御装置160は、検出信号に基づいて、利用者が選択したコースに応じた額のコインが投入されたか否かを判定するとともに、撮影処理部16における撮影処理を開始させる。
撮影制御装置160の内部の課金管理装置は、撮影処理の開始された場合、選択されたコースに対応する出力信号を、ネットワークアダプタ164を介して、出力処理部18の出力制御装置180に送信する。
【0039】
また、撮影制御装置160は、複数の撮影画像をすべて編集対象の画像としてフレームバッファに書き込み、タッチパネル162に表示させる。
さらに、撮影制御装置160は、所定の背景画像や前景画像の選択入力があった場合は、それらを撮影画像に合成した合成画像(二次画像)を生成し、この二次画像についても、フレームバッファに書き込んで、タッチパネルに表示させる。
撮影制御装置160は、フレームバッファに書き込んだ撮影画像(前記二次画像を含む。以下、同様)を、ネットワークアダプタ164を介して、編集処理部17の編集制御装置170に送信する。
【0040】
編集制御装置170は、CPU、メモリ、フレームバッファ、補助記憶装置、タイマー等から構成される。
編集制御装置170は、メモリに格納されたプログラムをCPUが実行することで、編集処理に関する全体の制御を行う。
【0041】
編集制御装置170は、例えば、撮影制御装置160から受信した撮影画像に対する編集処理の入力信号に基づいて、編集対象の画像に対する編集画像を生成する。
生成された編集画像は、利用者Uの指示に応じて、タッチパネル171,172(図4のタッチパネル400)に表示される。上記のような編集画像の生成が終了すると、生成された編集画像は出力ユニット15に送信される。なお、プリンタ182が別の編集画像等を出力中である場合には、その旨がタッチパネル171,172に表示されるとともに、その終了を待って送信される。
【0042】
出力制御装置180は、CPU、メモリ、フレームバッファ、補助記憶装置、タイマー等から構成される。
出力制御装置180は、メモリに格納されたプログラムをCPUが実行することで、出力処理に関する全体の制御を行う。
この出力制御装置180は、編集制御装置170から受信した編集画像の画像データをメモリに格納する。
また、出力制御装置180は、撮影制御装置160から受信した出力信号に基づいて、編集画像の印刷及び外部装置としてのサーバ20への編集画像の画像データのアップロードの双方を行うデュアルモードと、アップロードのみを行うシングルモードとの切り換えを行うように出力処理部18における出力処理を制御する。
【0043】
出力制御装置180は、シングルモードに対応する出力信号を受領した場合、ネットワークアダプタ185を介して画像データをサーバ20にアップロードする。ここでは、出力制御装置180は、データアップロード手段として機能する。さらに、出力制御装置180は、サーバ20から編集画像の識別情報、編集画像の画像データの所在場所の情報等を取得し、プリンタ182(図2のネットワークプリンタ135に対応)に送信する。ここでは、出力制御装置180は、情報出力手段として機能する。
この場合、プリンタ182は、所定の用紙に前記識別情報、前記所在場所の情報等を印刷する。
【0044】
一方、出力制御装置180は、デュアルモードに対応する出力信号を受領した場合、このメモリに格納された編集画像の画像データを、プリンタ182に送信するとともに、ネットワークアダプタ185を介してサーバ20にアップロードする。また、出力制御装置180は、前記と同様に、サーバ20から前記識別情報、前記所在場所の情報等を取得し、プリンタ182に送信する。
この場合、プリンタ182は、写真カード用紙、写真シール用紙等の写真用紙に編集画像、前記識別情報、前記所在場所の情報等を印刷する。
【0045】
また、出力制御装置180は、編集を終えた利用者Uが出力操作を始めるまでの間、補助記憶装置に予め記憶されたデモ画像(デモンストレーション用の画像)を、フレームバッファに書き込むことによってタッチパネル181に表示させる。
スピーカ183(図8のスピーカ132に対応)は、タッチパネル181に表示される操作画面と連動して操作方法を利用者Uに説明する。また、スピーカ183は、デモ画像に応じた楽曲を流す。なお、入力操作方法の説明や楽曲等は補助記憶装置としてのハードディスク等に予め格納されている。
【0046】
印刷された写真カード、写真シール等は、出力ユニット15の正面下方に設けられた取出口133に排出される。
【0047】
アップロード管理装置187は、アップロード回数を管理する。このアップロード回数は、1プレイに含まれる編集画像等のアップロード数を1セットとしてカウントした値(プレイ回数)である。
かかるアップロード管理装置187は、ICカードリーダライタ等から構成される。アップロード管理装置187は、アップロード回数(プレイ回数)をICカードに記録する。また、ICカードは、例えば、アップロード回数(プレイ回数)が所定数に達するまで使用可能とされている。この場合、アップロード管理装置187にICカードが挿入されていないときには、アップロード管理装置187は、各制御装置160,170,180に停止信号を送信することで、各制御装置160,170,180を介して写真自販装置10を使用不可とすることができる。
かかるICカードは、写真自販装置10の供給者が、遊戯場運営業者に使用料を課する際に用いられる。例えば、アップロード回数(プレイ回数)が所定数に達した場合、写真自販装置10の供給者は、遊戯場運営業者にICカードを新たに購入させるか、ICカードのチャージを行わせることにより、使用料を課することができる。
したがって、写真自販装置10によれば、編集画像を画像データとして利用者Uに提供する場合であっても、遊戯場運営業者に課する使用料を容易に算出することができる。
ICカードは、使用可能なアップロード回数(プレイ回数)が予め記録されており、実際のアップロード回数(プレイ回数)に応じて、使用可能なアップロード回数(プレイ回数)の残り回数が減算されるように構成されていてもよい。
【0048】
なお、上記の各制御装置が実行する所定のプログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。
すなわち、プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが補助記憶装置として制御装置に内蔵されたDVD−ROMの駆動装置に装着され、そのDVD−ROMからプログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。
【0049】
また、撮影制御装置160、編集制御装置170及び出力制御装置180は、いずれのユニット13,14,15に内蔵されていてもよい。例えば、すべての制御装置が編集ユニット14に内蔵されていてもよい。また、撮影ユニット13、編集ユニット14及び出力ユニット15は、物理的に3つに分かれているが、これを1つ又は2つのユニットとして構成されていてもよい。また、撮影制御装置160、編集制御装置170及び出力制御装置180は、4つ以上のユニットにより構成されていてもよい。
【0050】
[サーバの機能構成]
図9は、図1に示されるサーバ20の機能構成を示すブロック図である。
サーバ20は、ネットワークNWを介して写真自販装置10からの画像データを受信するとともに、携帯端末30からの要求に応じて画像データを携帯端末30に送信する。このサーバ20は、アップロード処理サーバ201と、ウェブサーバ202と、データベースサーバ203とから構成されている。本実施形態では、サーバ20は、1つのコンピュータによって構成されている。
なお、アップロード処理サーバ201、ウェブサーバ202及びデータベースサーバ203は、複数のコンピュータから構成されていてもよい。この場合、これらの装置は、例えば、IEEE802.3に準拠するような所定のLANを介して相互に接続される。また、これらの装置の一部または全ては、専用のハードウェアであってもよいし、これらの機能を実現するためのソフトウェアがインストールされたコンピュータであってもよい。
【0051】
アップロード処理サーバ201は、写真自販装置10から受け取った画像データをその識別番号と関連付けて、データベースサーバ203に与える。データベースサーバ203は、アップロード処理サーバ201から受け取った画像データをその識別番号と関連付けて蓄積する。
【0052】
また、ウェブサーバ202は、携帯端末30から識別番号を伴って画像データのダウンロードの要求がなされときに、データベースサーバ203から該当する画像データを読み出し、携帯端末30に送信する。
ウェブサーバ202は、データベースサーバ203に蓄積された画像データを読み出した後、この画像データを縮小した縮小画像データを生成して携帯端末30に送信するように構成されていてもよい。
【0053】
かかるサーバ20は、編集画像のアップロードから所定期間(例えば、7日間)を経過した場合、携帯端末30からのアクセスを拒否するようにされている。
【0054】
[写真自動販売方法の処理手順]
つぎに、写真自販装置10を用いた写真自動販売方法の処理手順を説明する。
ここでは、図1に示される写真自販装置10を含む写真自動販売システム1を用いる場合を例として挙げて説明するが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0055】
(1)撮影処理
図10は、撮影処理の手順を示すフローチャートである。
撮影処理が実行可能な状態になると、写真自販装置10の撮影操作用のタッチパネル120に、デモ画像、コースを選択するためのボタン画像、コースについての説明画像等が表示される。
まず、利用者Uは、コースを選択する(ステップS1−1)。選択可能なコースとしては、例えば、300円の遊戯料で、編集画像のアップロードのみを行うことができ(シングルモード)、かつ7日間のアップロード先へのアクセス権を有するコース、400円の遊戯料で編集画像の写真シート等2枚の印刷及び編集画像のアップロードの双方を行うことができ(デュアルモード)、かつ7日間のアップロード先へのアクセス権を有するコースなどが挙げられる。
【0056】
つぎに、利用者Uは、選択したコースに応じた額のコインをコイン投入口126に投入すると、撮影制御装置160は、プレイを開始する(ステップS1−2)。
【0057】
その後、撮影制御装置160の課金管理装置は、選択されたコースに応じた額のコインが投入されたか否かを判定する(ステップS1−3)。
ステップS1−3では、撮影制御装置160は、判定の結果が肯定的であれば、処理をステップS1−4に進め、判定の結果が否定的であれば、処理をステップS1−2に戻す。
【0058】
ステップS1−4では、撮影制御装置160は、利用者Uによる撮影モードの選択を受け付ける。
かかるステップS1−4では、例えば、画質(具体的には、「コントラストが高いくっきりとした画質」、「柔らかなふんわりとした画質」、及び「透明感のあるクールな画質」のうちのいずれか)の選択、明るさの選択、自動で撮影するか手動で撮影するかの選択、自動で撮影する場合には撮影用テーマの選択等が行われる。
この場合、撮影制御装置160は、予め用意された複数の撮影用テーマの中から1つ以上の撮影用テーマを利用者Uに選択させる画面をタッチパネル120に表示し、利用者Uによる選択操作を受け付けてもよい。撮影制御装置160は、利用者Uの選択操作に基づく情報を取得し、選択された撮影用テーマに基づいて、撮影画像に合成するフレームと背景との組み合わせを決定する。手動で撮影する場合は、フレームと背景を利用者Uが自由に決定する。
【0059】
その後、ステップS1−5に進み、利用者Uの撮影が行われる。この撮影により、利用者Uを含む静止画である撮影画像(利用者Uの画像に背景やフレームが合成された合成画像を含む)の画像データが撮影制御装置160のメモリに格納される。
ステップS1−6では、撮影画像がタッチパネル120に表示される。ここでは、ステップS1−5での撮影が行われる度に、タッチパネル120の第2表示領域123に、編集対象の画像となる撮影画像が1枚ずつ順次追加されて表示される。
【0060】
その後、撮影制御装置160は、予め定められた制限時間(例えば3分)が終了したか否かを判定する(ステップS1−7)。
ステップS1−7では、撮影制御装置160は、判定の結果、所定の制限時間が終了していれば、処理をステップS1−8に進め、所定の制限時間が終了していなければ、処理をステップS1−5に戻す。
【0061】
ステップS1−8では、撮影制御装置160は、撮影された複数の撮影画像の画像データを、LAN19を通じて編集処理部17に送信する。
【0062】
なお、ステップS1−8において、編集対象とする画像を選択する作業を利用者Uに行わせてもよい。この場合、タッチパネル120に表示された撮影画像の中から、写り方が気に入った撮影画像を複数枚タッチさせて残すか、或いは逆に、撮影が失敗した撮影画像をタッチさせて消去させることにより、編集対象の画像を選択させればよい。
また、撮影制御装置160は、利用者Uによる上記入力により編集対象となった画像の画像データを、LAN19を通じて編集処理部17に送信する。
【0063】
ステップS1−8の終了後、撮影制御装置160は、処理をステップS1−9に進めて案内画面の表示を行う。具体的には、撮影制御装置160は、編集ユニット14の2つのユニット14a,14bのうちのいずれかに利用者Uを誘導する画面を撮影操作用のタッチパネル120に表示する。
これにより、撮影処理が終了する。
【0064】
(2)編集処理
図11は、編集処理の手順を示すフローチャートである。
編集処理においては、編集制御装置170は、まず、LAN19を介して撮影制御装置160が送信した編集対象の画像を取得する(ステップS2−1)。
その後、編集制御装置170の内部のタイマーが所定時間(利用者Uに編集入力を許可する時間)に設定され、カウントダウンが開始される(ステップS2−2)。
【0065】
タイマーのカウントダウン開始後、編集制御装置170は、利用者Uによるタッチパネル400への落書き(描画)等の編集操作の入力を受け付ける(ステップS2−3)。
また、編集制御装置170は、編集処理の残り時間が60秒になると、編集時間を延長するか否かを判定する(ステップS2−4)。この判定は、編集ユニット14でプレイすべき後続の利用者Uが撮影ユニット13で撮影処理を行っているか否かによって行われる。
【0066】
編集制御装置170は、上記判定の結果が肯定的である場合は、処理をステップS2−5に進め、否定的である場合は、処理をステップS2−6に進める。
編集制御装置170は、ステップS2−5では、タイマーを所定の再設定時間(利用者Uに追加の編集入力を許可する時間)に設定される。この場合、タイマーによるカウントダウンが再度開始され、処理がステップS2−6に進む。
【0067】
ステップS2−6において、編集制御装置170は、タイマーの再設定時間が0になるまで、利用者Uによるタッチパネル400への落書き(描画)等の編集操作の入力を受け付ける。
その後、編集制御装置170は、タイマーの再設定時間が0になると、LAN19を通じて出力処理部18に送信する。
【0068】
その後、編集制御装置170は、処理をステップS2−7に進め、案内画面の表示を行う。例えば、編集制御装置170は、必要に応じて、利用者Uを出力ユニット15に導くための画面を編集操作用のタッチパネル400に表示する。
これにより、編集処理が終了する。
【0069】
(3)出力処理
図12は、出力処理の手順を示すフローチャートである。
出力処理においては、まず、出力制御装置180は、LAN19を介して編集制御装置170が送信した編集画像を取得する(S3−1)。
【0070】
つぎに、ステップS3−2では、出力制御装置180は、外部装置としてのサーバ20に、編集制御装置170から取得した編集画像の画像データをアップロードする。ここで、サーバ20では、アップロードされた編集画像に識別情報が付与されるとともに、当該識別情報に応じて、画像データの所在場所の情報が作成される。
つぎに、出力制御装置180は、サーバ20から、当該サーバ20にアップロードされた編集画像の識別情報及び画像データの所在場所の情報を取得する(ステップS3−3)。
【0071】
その後、出力制御装置180は、撮影処理のステップS1−2で選択されたコースに基づいて、プリンタ182に編集画像を印刷させるかどうかを判定する(S3−4)。判定は、ステップS1−2において選択されたコースが、編集画像の印刷を含むか否かによって行われる。
出力制御装置180は、上記判定の結果が肯定的である場合は、処理をステップS3−5に進め、否定的である場合は、処理をステップS3−6に進める。
【0072】
ステップS3−5では、出力制御装置180は、プリンタ182に写真カード用紙への編集画像、編集画像の識別情報等の印刷を行わせる。
得られる写真カード500には、図13に示されるように、複数枚の編集画像501、編集画像をダウンロードする際のサイトのURLの情報502、そのQRコード(登録商標)503、識別情報504及びサイトへのアクセス可能期間の情報505が記載されている。
これにより、出力処理が終了する。
【0073】
一方、ステップS3−6では、出力制御装置180は、編集画像の識別情報等をプリンタ182に印刷させる。
得られる印刷物600には、図14に示されるように、編集画像をダウンロードする際のサイトのURLの情報601、そのQRコード(登録商標)602、識別情報603及びサイトへのアクセス可能期間の情報604が記載されている。印刷物600における印刷内容は、図13に示された写真カード500における印刷内容とは異なっており、かかる印刷物600には、編集画像501は印刷されない。
これにより、出力処理が終了する。
【0074】
(4)画像取得処理
図15は、画像取得処理の手順を示すフローチャートである。
画像取得処理は、利用者Uによって、携帯端末30上でダウンロード用の画像閲覧アプリケーションが起動されること(S5−1)によって開始される。この画像閲覧アプリケーションには、画像データの所在場所の情報が含まれている。
【0075】
その後、利用者Uによって、携帯端末30に識別番号が入力されると(S5−2)、携帯端末30は、画像閲覧アプリケーションに含まれる画像データの所在場所の情報に基づいてサーバ20にアクセスし、該当する画像データのダウンロードを要求する(S5−3)。
このとき、サーバ20は、この要求を受け付け(S4−1)、識別番号が正しいか否かを判定する(S4−2)。
識別番号が正しくない場合、サーバ20は、その旨を携帯端末30に送信し、再度の識別番号の入力を促す(S5−2)。一方、識別番号が正しい場合、サーバ20は、要求を認め、該当する画像のサムネイル画像を作成し、そのデータを携帯端末30に送信する(S4−3)。
これにより、携帯端末30のディスプレイには、サーバ20から送信されたデータが、サムネイル画像として表示される(S5−4)。
【0076】
つぎに、サムネイル画像のなかからダウンロードを希望する画像を選択すると(S5−5)、携帯端末30からサーバ20へ要求が送信され、サーバ20で受け付けられる(S4−4)。
これにより、サーバ20は、データベースサーバ203から対応する画像データを読み出し、携帯端末30へ送信する(S4−5)。
その結果、携帯端末30に画像がダウンロードされ、表示される(S5−6)。
【0077】
なお、サーバ20にアップロードされた画像は、利用者Uが携帯端末30にインストールされたブラウザソフトに画像データの所在場所のURL(図13に示される写真カード500の情報502又は図14に示される印刷物600の情報601)を入力することによって直接アクセスし、取得することもできる。
【0078】
[変形例]
本発明においては、写真自販装置10の出力制御装置180は、編集画像の識別情報及び/又は編集画像の画像データの所在場所の情報を、非接触通信装置184(図7の通信ポート131に対応)に出力させるものであってもよい。
かかる変形例では、出力制御装置180は、まず、利用者Uの入力操作を受け付けるための操作画面をタッチパネル181(図7のタッチパネル130に対応)に表示させる。その後、出力制御装置180は、タッチパネル181に入力された操作信号に基づいて、利用者Uの携帯端末に、編集画像の識別情報及び/又は編集画像の画像データの所在場所の情報を送信するように、非接触通信装置184(図7の通信ポート131に対応)に対して指示を出す。これらの情報は、非接触通信装置184から赤外線信号として利用者Uの携帯端末30に直接送信される。
また、出力制御装置180は、前記情報を、ネットワークアダプタ185を介してメールによって利用者Uの携帯端末30に送信するものであってもよい。
【0079】
また、本発明においては、写真自販装置10の編集制御装置170が画像データに対して識別情報を付与することができる。これにより、編集制御装置170が、当該識別情報に基づいて、編集画像の画像データの所在場所の情報を作成することもできる。ここでは、出力制御装置180が、識別情報等をサーバ20に送信し、かつサーバ20が、メールで利用者Uの携帯端末30に識別情報等を送信するようにしてもよい。
この場合、識別情報は、例えば、写真自販装置10の製造時に割り当てられた固有の識別番号、アップロード又は送信が行われる毎(プレイが行われる毎)に付されるユニークな番号等に基づいて、編集制御装置170によって作成される。そして、編集制御装置170は、編集画像とともにその識別情報を、LAN19を通じて出力処理部18に送信する。
かかる変形例では、出力処理において、出力制御装置180は、まず、図16に示されるように、LAN19を介して編集制御装置170が送信した編集画像及びその識別情報を取得する(S6−1)。
その後のステップS6−2〜S6−5は、図12に示されるフローチャートにおいて、サーバ20からの画像の識別情報等の取得ステップ(図12のステップS3−3)が行われないことを除き、図12に示されるフローチャートと同様に進行する。具体的には、かかるステップS6−2〜S6−5は、ステップS3−2、S3−4〜S3−6と同様である。
なお、本変形例では、編集制御装置170が識別情報等を作成しているが、写真自販装置10の撮影制御装置160又は出力制御装置180が識別情報等を作成することもできる。
【0080】
出力制御装置180は、非接触通信装置184(図7の通信ポート131に対応)を介して、画像データを、外部装置としての携帯端末30に直接送信することもできる。この場合、利用者Uは、画像データの識別情報等がなくても画像を取得することができる。したがって、上記した写真カード500等を利用者Uに提供しなくてもよく、しかも、利用者Uが画像を取得するために面倒な操作を行わなくてもよい。
【0081】
さらに、本発明においては、出力制御装置180は、撮影画像をサーバ20にアップロードしたり、携帯端末30に送信したりするものであってもよい。ここでは、出力制御装置180がアップロード対象又は送信対象の撮影画像を取得し、サーバ20又は携帯端末30に送信する。
この場合、編集制御装置170が、撮影制御装置160から受信した撮影画像を、ネットワークアダプタ164を介して出力処理部18の出力制御装置180に送信してもよく、撮影制御装置160が、撮影画像を、ネットワークアダプタ164を介して出力処理部18の出力制御装置180に送信してもよい。
【0082】
また、本発明においては、出力処理において、編集画像を写真シールとして出力する場合、編集処理において、編集操作の受付後に、分割パターンの選択を行うことができる。かかる分割パターンは、写真シール用紙を所定数の領域に分割し、分割された領域のどこに編集画像を配置するかを示すものである。
【0083】
さらに、前記実施形態では、コースは、対価の額に応じて設定されているが、例えば、対価が同額で、プレイ内容が異なる複数種類のコースが設定されていてもよい。かかるコースとしては、例えば、遊戯料が400円であり、かつ編集画像のアップロードのみを行い、アップロードされたサイトへのアクセス可能期間が、上記実施形態よりも長い1ヶ月であるコース(アップロードモード)、遊戯料が400円であり、かつ編集画像2枚の印刷のみを行うコース(プリントモード)などが挙げられる。
この場合、サーバ20は、編集画像がアップロードされた〔「アップロード日」(又は「アップロード日時」)〕からの経過期間を管理する。そして、サーバ20は、アップロード日(又はアップロード日時)から所定期間を経過していないかどうかを確認する。
所定期間を経過していない場合、サーバ20は、アップロードされたすべての編集画像に対する携帯端末30からのアクセス及び携帯端末30へのダウンロードを許可する(すべての画像を携帯端末30から閲覧可能にする)。
所定期間を経過している場合、サーバ20は、アップロードされたすべての編集画像のうちの所定の画像又はすべての編集画像に対する携帯端末30からのアクセスを禁止する。なお、サーバ20は、利用者Uが、所定期間の編集画像へのアクセス及びそのダウンロードが可能な有料サービス等の料金を支払った場合等に、携帯端末30からの編集画像へのアクセス及びそのダウンロードの禁止を解除するように構成されていてもよい。
かかる変形例に係る写真自販装置10によれば、利用者Uに、すべての編集画像に対する一定期間のアクセスを許可することができるので、例えば、気に入った画像の有無等を判断材料として利用者Uに提供し、有料サービスの購入等を利用者に促すことができる。
【0084】
また、前記実施形態においては、写真自販装置10は、印刷手段として1つのネットワークプリンタ182を有しているが、複数のネットワークプリンタを有していてもよい。写真カード500(図13参照)及び印刷物600(図14参照)の両者をネットワークプリンタ182で印刷させてもよく、それぞれを、異なるネットワークプリンタで印刷させてもよい。
【0085】
また、本発明においては、前述のアップロード管理装置187の代わりに、ICカード、又は運営業者が記憶情報等を変更することができないようにセキュリティが設定された外部若しくは内部記憶装置等を用いてアップロードを管理することもできる。この場合、例えば、運営業者による使用料の支払いに応じてアップロード可能な回数を増加させるための情報を、ネットワークNWを介してサーバ20等の外部装置からダウンロードして前記ICカード又は記憶装置等に記憶させることができる。そして、かかる情報に基づいて、アップロードが管理される。なお、ここでは、アップロード可能な回数は、使用料の額に応じて決定される。
【0086】
さらに、本発明においては、写真自動販売システム1は、複数台の写真自販装置10を有していてもよい。この場合、サーバ20は、複数台の写真自販装置10からアップロードされる編集画像の画像データを記憶する。かかる変形例においては、アップロード回数をサーバ20で管理する場合、すべての写真自販装置10におけるアップロード回数を集中管理することができる。これにより、例えば、アップロード可能な回数が「0」に近付いたすべての写真自販装置10を検出し、検出された写真自販装置10を所有する運営業者に対し、使用料の支払いを要求するメッセージを通知することもできる。
【0087】
また、写真自販装置10が有するサーバ20への撮影画像又は編集画像のアップロードに関する機能をサーバ20自身に持たせることもできる。この場合、サーバ20がすべての写真自販装置10のアップロードの管理を直接行うことができる。
【符号の説明】
【0088】
10 写真自販装置
20 サーバ
30 携帯端末
110 カメラ
120 タッチパネル
135 ネットワークプリンタ
160 撮影制御装置
161 カメラ
162 タッチパネル
170 編集制御装置
171 タッチパネル
172 タッチパネル
180 出力制御装置
181 タッチパネル
182 プリンタ
186 課金装置
187 アップロード管理装置
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を含む被写体を撮影して撮影画像を得る撮影手段と、
前記撮影画像を編集して編集画像を得る編集手段と、
印刷媒体への前記撮影画像又は前記編集画像の印刷を行う印刷手段と、
外部装置への前記撮影画像又は前記編集画像の画像データの送信を行う送信手段と、
前記印刷及び前記送信の双方を行うデュアルモードと前記送信のみを行うシングルモードとを切り換える制御手段と、
を備えていることを特徴とする写真自動販売装置。
【請求項2】
前記制御手段は、利用者が支払う対価の額に応じて、前記デュアルモードと、前記シングルモードとを切り換える、請求項1に記載の写真自動販売装置。
【請求項3】
外部装置に対する撮影画像又は編集画像の画像データの送信を管理する管理手段をさらに備えている、請求項1又は2に記載の写真自動販売装置。
【請求項4】
前記管理手段は、外部装置への撮影画像又は編集画像の画像データの送信回数を管理する、請求項3に記載の写真自動販売装置。
【請求項5】
前記送信手段は、サーバへの前記撮影画像又は前記編集画像の画像データのアップロードを行うデータアップロード手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の写真自動販売装置。
【請求項6】
アップロードされた撮影画像若しくは編集画像の識別情報及び/又は当該撮影画像若しくは編集画像の画像データの所在場所の情報を出力する情報出力手段をさらに備えている、請求項5に記載の写真自動販売装置。
【請求項7】
前記情報出力手段は、前記シングルモード実行時に、前記識別情報及び/又は前記所在場所の情報を前記デュアルモード実行時に得られる印刷物における印刷内容とは異なる印刷内容で前記印刷手段又はこの印刷手段とは異なる印刷手段に印刷させる、請求項6に記載の写真自動販売装置。
【請求項8】
利用者を含む被写体の撮影を行う工程と、
前記撮影工程で得られた撮影画像を編集して編集画像を作成する工程と、
利用者の選択により、前記編集画像若しくは前記撮影画像の印刷と、外部装置への前記編集画像若しくは前記撮影画像の画像データの送信との双方を行うか、又は前記送信のみを行う工程と、
を含むことを特徴とする写真自動販売方法。
【請求項9】
コンピュータに、請求項8に記載の写真自動販売方法を実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−106257(P2013−106257A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249792(P2011−249792)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(597047392)辰巳電子工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】