説明

冶金用の溶解容器内の溶湯の温度の検出及び溶湯の分析するための装置

溶解容器(KV)の側壁に配設され、その下端部が溶解容器の壁に接続し、開放したその上端部が溶解容器(KV)の上で終わる、溶湯サンプルを収容するための導管チューブ(KN)を有し、この導管チューブが、接続部の上に、吸排気弁(VT)が付設された空気取入れ口と、この空気取入れ口の上に、導管チューブ(KN)の横断面を、測定プローブ、レーザ又は温度フィーラを導入するために開閉する回転ディスク(DS)とを備える、冶金用の溶解容器内の溶湯の温度の検出及び溶湯の分析をするための装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冶金用の溶解容器内の溶湯の温度の検出及び溶湯の分析をするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この様式の装置では、種々の形成形態が公知である。これら装置では、溶湯を収容する容器の壁に、この壁を貫通する開口部が設けられており、これら開口部は、溶融物の防護及び冷却するためのガスの作用を受け、レーザ又は他の機器によって溶湯を分析し、その温度を測定することを可能にする。
【0003】
機器の配設が、熱及びダストの発生のために、ノズル出口の近傍領域内のこれらの分析、その処理及び運転を極めて困難にするので、ミラー又は導光体を有するチューブシステムの形態の伝達装置が開発された。特許文献1によれば、溶解容器の溶湯面の上に、光学検出機器が配設され、この光学検出機器は、導光ケーブルを介して、溶融物から任意に離して配設することができるレーザ検出器のレンズと接続されている。特許文献2と特許文献3から、溶解容器の側壁内に孔を設け、これら孔内に、溶湯がガスの作用を受けて抑留され、この溶湯のサンプル部分が、溶解容器の外に配設されたジョイント式のミラー装置を介して、同様に外に配設された評価装置と接続されているレーザ光線によって検出されるという提案が公知である。
【0004】
これら装置は、全体的に大きな器具及び操作技術上の投資を必要とする。
【特許文献1】PCT/WO 03/081287
【特許文献2】WO 2004 001 394
【特許文献3】WO 02/27301
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の基本にある課題は、このような投資を回避し、僅かな部品から成る、簡単に組立て及び操作すべき装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を有する装置によって解決される。この場合、この装置は、一端を溶湯内に浸漬させたチューブ内に、溶湯からプラズマを発生させるための装置と、このプラズマの放出エミッションを光学的に検出するための装置構成体と、放出エミッション用のスペクトル評価装置とを配設し、このようなチューブを、耐火性の内張りをした導管の形態で溶解容器に溶湯の表面に対して傾斜させて配設し、導管の下端部が溶解容器の側壁に接続し、その上端部が溶湯浴の面の上に位置し、溶湯浴の面の上の領域と導管の上端部に、給排気弁が付設されたガス取入れ口と、その上に、導管横断面を開閉する回転ディスクとが配設されている、独国特許第44 43 407号明細書の提案から出発する。
【0007】
この装置は、本発明によれば、導管のディスクが閉鎖され、吸気弁が開放された場合、導管が、圧縮ガスの作用を受け、下端部を経て導管内に侵入した溶湯とそのスラグ成分が導管から排出されるように運転される。引き続き、ガス圧が除去され、スラグのない溶湯を導管内に逆流させることができる。この場合、回転ディスクが開放された場合には、ディスク開口部を経て、導管を経て、測定プローブ、レーザ又は温度フィーラを運転する可能性がある。この方法は、弁及びディスクを相応に開閉することによって繰り返すことができる。溶解容器としてコンバータを使用する場合、導管の上の開口部を出湯面に対して傾斜させて配設し、その結果、コンバータの出湯位置で、溶湯面が導管開口部の下に位置し、後続のデスラグ位置で、コンバータにおける導管の下の開口部がスラグ線の上に位置し、簡単な方法で、溶湯又はスラグの残余が傾倒運動によって導管から流出できないことが保証されることが有効である。本発明によるこの装置及びその適用によって、開口部の解放を維持するためのガスの必要量が少ない場合でも溶湯面に対して確実なアプローチが提供され、測定点においていかなるガスの乱流及び溶湯の混合も生じない。溶湯に対するアプローチ導管は、必要な場合には費用をかけずにマニピュレータによって清掃することができる。レーザ及びスペクトロメータ用のミラー及び光学ガラスは、光路自体の中に何ら必要ない。溶湯面高さは、非接触の間隔測定機器によって確認することができる。アプローチ導管の大きな横断面は、溶湯原子を励起させるためにレーザを越えてマイクロ波を使用することを可能にする。
【0008】
図面を基にして本発明を詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1〜4から分かるように、コンバータKVの側壁に接続するチューブの形態の導管KNが、コンバータKVの側壁に溶湯浴SMの表面OFに対して傾斜させて配設されている。図5及び6からは、導管KNが、その接続部の上に、外に通じる弁VTと、その上に、横断面を完全に開閉することができる回転ディスクDSを備えることが分かる。
【0010】
図5及び6による導管KNは、図1及び2に再現されたコンバータKVの位置に存在する。回転ディスクDSを閉鎖し、弁VTを介して導管KN内に圧縮ガスを導入することにより、図5に図示されているように、コンバータKVから導管KNへの溶湯の侵入が抑制される。引き続き、弁TVを介してガス圧が低減されることにより、スラグのない溶湯が導管KN内に逆流する。その際、溶湯SMの表面は、測定機器MG及びプローブ(図1)によって、例えばレーザによるプラズマ励起及び引き続く放出されたプラズマ放射の分光分析により、分析することができる。図1〜4から分かるように、導管KNは、出湯面に対して導管KNを傾斜させて配設されており、その結果、導管KNの下の開口部は、コンバータKVの出湯位置でもデスラグ位置でも常に溶湯表面の上に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】傾倒軸方向に見たコンバータを概略図で示す。
【図2】図1の側面図を示す。
【図3】図1によるコンバータを出湯位置で示す。
【図4】図1によるコンバータをデスラグ位置で示す。
【図5】横から見た導管を概略図で示す。
【図6】横から見た導管を概略図で示す。
【符号の説明】
【0012】
KV コンバータ(溶解容器)
OF 溶湯の表面
KN 導管チューブ
SM 溶湯
VT 弁
DS 回転ディスク
MD 接続部
MG 測定機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冶金用の溶解容器内の溶湯の温度の検出及び溶湯の分析をするための装置において、
溶解容器(KV)の側壁に配設され、その下端部が溶解容器の壁に接続し、開放したその上端部が溶解容器(KV)の上で終わる導管チューブ(KN)が設けられており、この導管チューブが、接続部の上に、吸排気弁(VT)が付設された空気取入れ口と、この空気取入れ口の上に、導管チューブ(KN)の横断面を開閉する回転ディスク(DS)とを備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
溶解容器が水平軸を中心として旋回可能であり、導管チューブ(KN)が、溶湯の表面に対して傾斜させて配設されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
溶解容器(KV)の側壁内の導管チューブ(KN)の接続部(MD)が、溶解容器(KV)が出湯及びデスラグ位置にある場合に溶湯の表面の上に位置するように傾斜させて配設されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−527314(P2008−527314A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548743(P2007−548743)
【出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013993
【国際公開番号】WO2006/072418
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(390035426)エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト (320)
【Fターム(参考)】