説明

冷え性および血流改善剤

【課題】 高い効果を有し安全な冷え性および血流改善剤、並びに当該薬剤を含有する飲食品、医薬品、香料組成物を提供することである。
【解決手段】 セイボリー、マジョラム、オレガノのうち少なくとも1種、該植物の抽出物、該植物の抽出物の分画物を有効成分として含有する冷え性および血流改善剤、並びに当該薬剤を含有する飲食品、医薬品、香料組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シソ科植物であるセイボリー、マジョラムおよびオレガノを含有する冷え性および血流改善剤、ならびにこれらを含有する飲食品、医薬品、香料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
冷え性は特に女性に多い症状であり、日本人女性の約半数が冷えを自覚しているとも言われている。主に冷えを感じる部位は足や手であるが、人によっては腰や肩、腹などに感じることもある。体の冷えは単にクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を低下させるだけでなく、免疫力の低下や婦人病の発症などに至る危険性もはらんでいる。
また冷えと血流障害には密接な関係があり、冷えを感じる部位では何らかの要因により血流障害が起こっていることが多く、この血流障害を改善することが冷え改善に効果的であると言われている。また、血流改善は、肩こり、むくみ、腰痛などの解消にも繋がることが期待される。
【0003】
冷え性改善剤、血流改善剤としてはこれまで、カシス濃縮物と、アミノ酸および有機酸からなる群より選択される1種以上を含む組成物(特許文献1)、大豆抽出物とオキアミ抽出物を必須成分とする組成物(特許文献2)、植物中に含有されるポリフェノールであるプロアントシアニジンを有効成分とするもの(特許文献3)、トウダイグサ科植物であるアムラー果実を有効成分とするもの(特許文献4)、オルニチンまたはその塩を有効成分とするもの(特許文献5)、わさび成分を含む組成物(特許文献6)、ショウガ科植物である黒生姜根茎加工物を含む組成物(特許文献7)、クスノキ科ニッケイ属の樹皮から作られる香辛料であるシナモン抽出物を含有するもの(特許文献8)、コショウ科植物のヒハツを有効成分とするもの(特許文献9)などの食品が提案されている。しかし、上述のように冷えに悩んでいる人が増えている現代日本では、高い冷え性改善効果、血流改善効果を有する素材に対する要望は極めて強く、さらなる素材の探索が求められている。
【0004】
セイボリー、マジョラム、オレガノはいずれもシソ科に属する草本植物であり、主にスパイスとして古くから用いられてきた。また、様々な生理活性を有することも知られており、キダチハッカ(セイボリーの別名)抽出物のヒスタミン遊離抑制作用(特許文献10)、マジョラム抽出物がアクロレインのアミノ酸やタンパク質との付加体形成を阻害する作用(特許文献11)、オレガノの糖消化酵素阻害作用(特許文献12)などが報告されており、それぞれ抗アレルギー剤、抗老化剤、肥満や糖尿病の予防・改善剤が提唱されている。
しかしながら、セイボリー、マジョラム、オレガノが冷え性および血流改善効果を有することはこれまでに知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−262878号公報
【特許文献2】特開2006−69955号公報
【特許文献3】特開2006−143654号公報
【特許文献4】特開2006−335713号公報
【特許文献5】特開2007−119348号公報
【特許文献6】特開2007−197402号公報
【特許文献7】特開2009−67731号公報
【特許文献8】特開2009−106245号公報
【特許文献9】特許第4448266号公報
【特許文献10】特開2005−179285号公報
【特許文献11】特開2008−24601号公報
【特許文献12】特開2006−151838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は、古くから食用に供されて安全性が十分確認されている食品成分に由来し、高い効果を有する冷え性および血流改善剤、並びに当該薬剤を含有する飲食品、医薬品、香料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは汎用性が高く、高い効果を有し、かつ安全性の点でも問題のない冷え性および血流改善剤を提供すべく鋭意研究を重ねた。その結果、セイボリー、マジョラム、オレガノに優れた冷え性および血流改善作用があることを見出し、発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)セイボリー(Lamiaceae Satureia)、マジョラム(Lamiaceae Origanum majorana)及びオレガノ(Lamiaceae Origanum vulgare)からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分として含有する冷え性および血流改善剤であり;
(2)セイボリー(Lamiaceae Satureia)、マジョラム(Lamiaceae Origanum majorana)及びオレガノ(Lamiaceae Origanum vulgare)からなる群より選ばれた少なくとも1種の抽出物を有効成分として含有する冷え性および血流改善剤であり;
(3)セイボリー(Lamiaceae Satureia)、マジョラム(Lamiaceae Origanum majorana)及びオレガノ(Lamiaceae Origanum vulgare)からなる群より選ばれた少なくとも1種の抽出物の分画物を有効成分として含有する冷え性および血流改善剤である。
【0009】
さらに、本発明は、
(4)上記の冷え性および血流改善剤を含有することを特徴とする冷え性および血流改善用飲食品であり;
(5)上記の冷え性および血流改善剤を含有することを特徴とする冷え性および血流改善用医薬品であり;
(6)上記の冷え性および血流改善剤を含有することを特徴とする冷え性および血流改善用香料組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の抽出物を有効成分とする冷え性および血流改善剤を摂取することにより冷え性や血流が改善される。ひいてはむくみや肩こり、腰痛などの解消にも効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】セイボリー抽出物摂取が安静時の手首温度に与える影響を示したグラフ
【図2】セイボリー抽出物摂取が安静時の手指温度に与える影響を示したグラフ
【図3】セイボリー抽出物摂取が安静時の手首血流量に与える影響を示したグラフ
【図4】セイボリー抽出物摂取が冷水負荷試験における手指温度に与える影響を示したグラフ
【図5】マジョラム抽出物摂取が安静時の足指温度に与える影響を示したグラフ
【図6】マジョラム抽出物摂取が冷水負荷試験における手指温度に与える影響を示したグラフ
【図7】オレガノ抽出物摂取が安静時の足指温度に与える影響を示したグラフ
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)冷え性および血流改善剤
本発明の冷え性および血流改善剤は、セイボリー、マジョラム、オレガノのうち少なくとも1種、該植物の抽出物または該植物の抽出物の分画物を有効成分として含有する。
ここで、セイボリー(savory)は、シソ科に属し地中海沿岸を原産地とする草本であり、一年生のサマーセイボリー(Satureia hortensis;別名キダチハッカ)と多年生のウインターセイボリー(Satureia montana)がある。マジョラム(marjoram)はシソ科の多年草であり、ハーブとして様々な用途に用いられる。オレガノ(oregano)はシソ科の多年草であり、トマトと相性の良いハーブとしてイタリア料理に用いられる。
【0013】
本発明の冷え性および血流改善剤は、上記原料の各部位(植物全体、葉、花、茎、根、種子、樹皮など)をそのまま用いても良く、これらを乾燥した乾燥体、もしくは乾燥後粉砕した粉末を用いることもできる。また、これらを溶媒抽出、圧搾、酵素分解、超臨界抽出、濃縮、希釈、固液分離、精製等の公知の技術を単独あるいは組み合わせて得られるエキスあるいは粉末であってもよい。
【0014】
このとき、好ましい方法としては溶媒抽出が挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、へキサン等およびこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち水、エタノールおよびエタノール水溶液(エタノール濃度が10〜90%)が特に好ましい。
【0015】
用いる溶媒の量は特に限定されるものではないが、通常は植物の乾燥体1質量部に対して0.5〜50質量部、好ましくは1.0〜30質量部、特に好ましくは5.0〜20質量部で用いられる。溶媒量が植物の乾燥体に対して0.5未満の場合は、溶媒の種類によっては抽出が十分でない場合があり、溶媒量が50質量部を超える場合は経済的に有利でない場合がある。
【0016】
抽出方法としては、そのまま又は粉砕物を適当な抽出溶媒に浸漬する方法、加温下(常温〜溶媒の沸点の範囲)攪拌する方法等によって得ることが出来る。例えば、植物の粉砕物を室温下の50%エタノール中で10〜60分間攪拌して抽出物を得る方法や、植物の粉砕物を100℃加熱還流下の水中で30〜60分間攪拌して抽出物を得る方法などが挙げられる。
【0017】
上記抽出操作で得られた抽出物は、香気成分を除去してもよい。抽出物から香気成分を除去する方法としては、溶媒抽出を行う方法(例えば米国特許第3950266号明細書)、超臨界二酸化炭素を用いる方法(例えば特開平3−9985号公報)、合成吸着樹脂を用いる方法(例えば特開2003−105337号公報)、などを単独あるいは適宜組み合わせて用いることができる。
【0018】
また、得られた抽出物を分画してもよい。特に、合成吸着樹脂による分画が好ましい。本発明に用いる合成吸着剤は、一般に不溶性の三次元架橋構造ポリマーであってイオン交換基のような官能基を実質的に持たないものである。
本発明に用いる合成吸着剤としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、例えば三菱化学株式会社製の「セパビーズSP70(商品名)」(細孔分布:細孔容積1.6mL/g、比表面積870m2/g、最頻度半径が71Å)や「ダイヤイオンHP20(商品名)」 (細孔分布:細孔容積1.3mL/g、比表面積590m2/g、最頻度半径が260Å)等が使用できるが、これらに限るものではない。
【0019】
(2)冷え性および血流改善剤組成物
本発明の冷え性および血流改善剤においては、飲食品用又は医薬用として通常用いられている他の任意成分を含有させて、冷え性および血流改善剤組成物とすることができる。
用いられる任意成分としては、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤及び香料などであり、これらを添加して各種製剤・剤型として用いることもできる。
【0020】
本発明で更に用いることのできる香料としては、例えばアセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムサルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、
【0021】
イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、
【0022】
酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、
【0023】
フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、
【0024】
ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミール、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、
【0025】
シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、
【0026】
アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、
【0027】
オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、
【0028】
カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キナ、キハダ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェイ、キャロップ、キュウリ、キラヤ、キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、
【0029】
クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クロレラ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、コンサイ、コンズランゴ、コンフリー、サイプレス、
【0030】
魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、ジェネ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シャロット、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウガ、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、スネークルート、スパイクナード、スプルース、
【0031】
スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、
【0032】
デーツ、テンダイウヤク、テンマ、トウガラシ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、シンニク、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、
【0033】
パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、パンダナ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、
【0034】
ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、メープル、メリッサ、メリロット、
【0035】
メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、
【0036】
ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料が例示され、適宜選択して使用される。
【0037】
香料の添加量は特に限定されるものではないが、一般的には本発明の冷え性および血流改善剤を組成中、0.0001〜50質量%、好ましくは0.001〜30質量%、最も好ましくは0.01〜10質量%の添加量となるように配合される。本発明の冷え性および血流改善剤の使用形態は、そのまま或いは希釈した状態、乳化状態、更には粉化した様々な製剤の形で用いることができる。
【0038】
(3)冷え性および血流改善用飲食品
本発明に関わる冷え性および血流改善剤を含有する飲食品を製造するには、上記の方法で製造した成分またはその製剤を用いることができ、慣用の手段を用いて、食用に適した状態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、ペースト状等に形成したものを用いることができる。
【0039】
この飲食品は、そのまま食用に供してもよく、また種々の食品(例えばハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、パン、バター、粉乳、菓子など)に添加して使用、あるいは水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲物に添加して使用してもよい。
【0040】
(4)冷え性および血流改善用医薬品
本発明の冷え性および血流改善剤を医薬品として使用する場合には、そのままでも種々の投与形態で使用できるが、好ましくは錠剤、丸剤、粉剤、シロップ剤、乳剤、液剤、カプセル剤、注射剤のような製剤化した内服薬として使用する。
本発明の冷え性および血流改善剤の摂取量は、年齢、体重、症状、疾患の程度、医薬品や飲食品の形態等により適宜選択・決定されるが、例えば、抽出、乾燥した粉末として一日当たり1mg〜10g程度、好ましくは10mg〜1gとされ、一日数回に分けて摂取してもよい。
【実施例】
【0041】
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
(製造例1)
セイボリー乾燥葉7.5gに対して1500gの熱水(85℃)を加えて、10分間攪拌抽出を行った。この抽出液を濃縮乾固して、4.22gの固形分を得た。
【0043】
(製造例2)
マジョラム乾燥葉7.5gに対して1500gの熱水(85℃)を加えて、10分間攪拌抽出を行った。この抽出液を濃縮乾固して、4.67gの固形分を得た。
【0044】
(製造例3)
オレガノ乾燥葉1gに対して190gの熱水(85℃)を加えて、10分間攪拌抽出を行い、抽出液を得た。
【0045】
(試験例1)
被験者は冷えの自覚症状を訴える18〜22歳の健常な女性11名を対象とし、クロスオーバーで行った。試験は9時から12時の間に行った。被験者は、試験当日朝食抜きで参加し、製造例1のセイボリー抽出物300mgまたはプラセボとして紛糖300mgを不透明なハードカプセルに充填したものを37℃の水30mlと共に摂取した。そして室温25±0.5℃、湿度50%の環境下、1時間安静後、左手を手首まで10℃の冷水に1分間つけ、引き上げてからタオルで水分をふき取り、さらに20分間安静にしてもらった。
【0046】
この間、皮膚温測定装置(BDT100用温度センサー、バイオリサーチセンター(株))を用いて手首と手指の皮膚表面温度を、半導体レーザー血流装置(ALF21D、(株)ADVANCE)を用いて手首の血流量を測定した。
1時間の安静中の皮膚表面温度および血流量については、各時間の値からサンプル摂取前の値を差し引いたものを変化量として算出した。
その後行った冷水負荷試験における皮膚表面温度については、以下の式を用いて回復率を算出した。
回復率(%)=(t分後温度−冷水負荷直後温度)/(冷水負荷前温度−冷水負荷直後温度)×100
【0047】
図1〜3に示したように、セイボリー抽出物を摂取した群はコントロールと比べて安静時の手首や手指の皮膚表面温度、血流量が増加する傾向が見られた。図4に示したように冷水負荷試験における手指の皮膚表面温度回復率も亢進される傾向が見られ、中でも2〜6分間では有意な増加が見られた。
【0048】
(試験例2)
被験者は冷えの自覚症状を訴える18〜22歳の健常な女性9名を対象とし、クロスオーバーで行った。試験は9時から12時の間に行った。被験者は、試験当日朝食抜きで参加し、製造例2のマジョラム抽出物300mgまたはプラセボとして紛糖300mgを不透明なハードカプセルに充填したものを37℃の水30mlと共に摂取した。そして室温25±0.5℃、湿度50%の環境下、1時間安静後、左手を手首まで10℃の冷水に1分間つけ、引き上げてからタオルで水分をふき取り、さらに20分間安静にしてもらった。
この間、皮膚温測定装置を用いて足指と手指の表面温度を測定した。
【0049】
試験例1と同様に、1時間の安静中の皮膚表面温度は変化量を、その後行った冷水負荷試験での皮膚表面温度は回復率を算出した。
図5に示したように、マジョラム抽出物を摂取した群はコントロールと比べて安静時の足指の皮膚表面温度が増加する傾向が見られた。図6に示したように、冷水負荷試験における手指の皮膚表面温度も亢進される傾向が見られた。
【0050】
(試験例3)
被験者は18〜22歳の健常な女性8名を対象とし、クロスオーバーで行った。試験は9時から12時の間に行った。被験者は、試験当日朝食抜きで参加し、60℃に保温した製造例3のオレガノ抽出液190mlまたはプラセボとして60℃の湯を190ml摂取した。そして室温24±0.5℃、湿度50%の環境下、20分間安静にしてもらった。
この間、皮膚温測定装置を用いて足指の表面温度を測定し、試験例1と同様に皮膚表面温度の変化量を算出した。
図7に示したように、オレガノ抽出物を摂取した群はコントロールと比べて足指の表面温度が上昇する傾向が見られた。
【0051】
(実施例1)ビスケット
強力粉100g、ショートニング100g、上白糖40g、薄力粉30g、水20g、製造例1のセイボリー抽出物10g、全脂粉乳4g、重曹0.6gを混合し、成型したのち焼成してビスケットを得た。
【0052】
(実施例2)錠剤
製造例2のマジョラム抽出物50gにトウモロコシデンプン2.0g、乳糖50g、ステアリン酸カルシウム0.2g、タルク1.8gを充分に混合した後、打錠機により打錠し、重量0.52gの錠剤を200錠製造した。
【0053】
(実施例3)混合茶飲料
90℃の湯500mlに対して、緑茶葉1g、はとむぎ8g、大麦1g、玄米0.2g、プーアル茶0.2g、どくだみ茶0.1g、はぶ茶0.1g、チコリー0.1gを添加し、8分間抽出を行った。抽出後固液分離を行い、ビタミンC 0.1gと水を加えて10000mlとし炭酸水素ナトリウムにてpHを5.5に調整後、製造例3のオレガノ抽出液を10%となるように添加した。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明により、冷え性および血流改善剤を提供することができる。それを摂取することで、血流を改善し、冷え性のみならずむくみ、肩こり、腰痛などに対しても予防あるいは改善効果を得ることが期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セイボリー(Lamiaceae Satureia)、マジョラム(Lamiaceae Origanum majorana)及びオレガノ(Lamiaceae Origanum vulgare)からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分として含有する冷え性および血流改善剤。
【請求項2】
セイボリー(Lamiaceae Satureia)、マジョラム(Lamiaceae Origanum majorana)及びオレガノ(Lamiaceae Origanum vulgare)からなる群より選ばれた少なくとも1種の抽出物を有効成分として含有する冷え性および血流改善剤。
【請求項3】
セイボリー(Lamiaceae Satureia)、マジョラム(Lamiaceae Origanum majorana)及びオレガノ(Lamiaceae Origanum vulgare)からなる群より選ばれた少なくとも1種の抽出物の分画物を有効成分として含有する冷え性および血流改善剤。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの項に記載の冷え性および血流改善剤を含有することを特徴とする冷え性および血流改善用飲食品。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかの項に記載の冷え性および血流改善剤を含有することを特徴とする冷え性および血流改善用医薬品。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかの項に記載の冷え性および血流改善剤を含有することを特徴とする冷え性および血流改善用香料組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−31074(P2012−31074A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169919(P2010−169919)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(591011410)小川香料株式会社 (173)
【Fターム(参考)】