説明

冷凍装置、窒素の水素化装置及びリークガス除去方法

【課題】 実施形態は、実施形態は、断熱真空槽にリークしてくる窒素ガスを長期間にわたって除去することを可能にする冷凍装置、窒素の水素化装置及びリークガス除去方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 実施形態の冷凍装置は、断熱真空槽と、前記断熱真空槽内に備えられた195Kより低温に冷却された冷凍機極低温部と、前記断熱真空槽内に備えられた表面の少なくとも一部に遷移金属を含む触媒電極と、前記触媒電極に電圧を印加する電源と、前記断熱真空槽内に、前記触媒電極を加熱する加熱部とを少なくとも備え、前記触媒電極は、前記断熱真空槽と前記加熱部と絶縁され、前記加熱部は、前記断熱真空槽と前記触媒金属と絶縁されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、冷凍装置、窒素の水素化装置及びリークガス除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超電導デバイスのように低温下で、その特性を利用するデバイスは、低温を生成する冷凍機と低温部への熱流入を抑える断熱真空槽により構成される冷凍ユニットに実装して使用する。この冷凍ユニットにおける冷凍機への負荷を低減するためには、断熱真空槽の役割が重要である。従来、外部に不要なガスを排出する真空排気ポンプを持たない封じ切り型の断熱真空槽を採用したシステムでは、この断熱真空槽を維持するために、非蒸発型ゲッターを断熱真空槽に設置する。そして、断熱真空槽の真空度が悪化した際には、この非蒸発型ゲッターを活性化させて、真空度を活性化するシステムが採用されてきた。
【0003】
しかし、このシステムでは、断熱真空槽内から外へ信号線を取り出す入出力ポートが増加し、その入出力ポートからの大気リーク量が増大した場合、非蒸発型ゲッターの吸着除去能力が飽和し、長期間に渡って断熱真空槽を維持することができない。
また、銅酸化物超伝導体を用いた超伝導デバイスのように、冷凍ユニットの低温部を70K前後で運用する場合、大気から断熱真空槽にリークした窒素が、(1)低温部に触れて液化。凝集熱を低温部に供給、(2)液化した窒素が常温部に流れ落ちる、(3)常温部に触れた液化窒素が気化、という(1)〜(3)の過程を繰り返すことで、常温部から低温部への熱が供給され、冷凍機の負担を増大させてしまう。これは、温度の精密制御が必要な超伝導デバイスの運用に、不具合が生じる原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開特開2002−19517
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、実施形態は、断熱真空槽にリークしてくる窒素ガスを長期間にわたって除去することを可能にする冷凍装置、窒素の水素化装置及びリークガス除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態にかかる冷凍装置は、断熱真空槽と、前記断熱真空槽内に備えられた195Kより低温に冷却された冷凍機極低温部と、前記断熱真空槽内に備えられた表面の少なくとも一部に遷移金属を含む触媒電極と、前記触媒電極に電圧を印加する電源と、前記断熱真空槽内に、前記触媒電極を加熱する加熱部とを少なくとも備え、前記触媒電極は、前記断熱真空槽と前記加熱部と絶縁され、前記加熱部は、前記断熱真空槽と前記触媒金属と絶縁されたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態の冷凍装置の概念図である。
【図2】図2は、実施形態の窒素の水素化装置の概念図である。
【図3】図3は、実施例1の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態にかかる冷凍装置は、断熱真空槽と、前記断熱真空槽内に備えられた195K以下に冷却された低温部と、前記断熱真空槽内に備えられた表面の少なくとも一部に遷移金属を含む触媒電極を備え、前記触媒電極に電圧を印加する電源を備え、前記断熱真空槽内に、前記触媒電極を加熱するヒーターとを少なくとも備える。
【0009】
実施形態の冷凍装置では、窒素ガスを水素化する機構を断熱真空槽内に設置し、リークにより侵入した窒素ガスをチャンバー内の水素と反応させ、アンモニアにして、アンモニアを冷凍機の極低温部に吸着させる。
【0010】
図1に実施形態の冷凍装置の概念図を示す。断熱真空槽1内に被冷却物を冷却する冷凍機極低温部2が設けられている。冷凍機極低温部2は断熱真空槽1外の冷凍機圧縮部3と接続される。冷凍機圧縮部おいて、ヘリウムガスなどの作動流体を膨張圧縮させることにより冷凍機極低温部2を冷却する。なお、冷凍機極低温部2と冷凍機圧縮部3の間には、図示しない蓄熱部を設けてもよい。断熱真空槽内に被冷却物に必要な電気信号を入出力するための信号入出力端子4が設置されている。そして、外部電極6と接続された触媒電極5と、触媒電極5を加熱する加熱部7が設けられている。また、断熱真空槽1内には、断熱真空槽1内に水素源を供給するための金属部材8が備えられている。触媒電極5と冷凍機極低温部2の間には、遮熱部材9が設けられている。また、図1の冷凍装置では、窒素とアンモニアの分圧が測定可能な符号10−12に示す測定部が備えられている。
【0011】
次いで、図1の冷凍装置の測定部について説明する。
触媒電極5直上の断熱真空槽1に、ポートを設け、ポートはQ−Mass((Quadrupole−Mass Spectrometry)センサー10、大気リークバルブ11、真空排気用バルブ12と接続している。真空排気用バルブ12は、図示しない真空排気ポンプと接続されている。窒素とアンモニアの分圧の測定を行わないで、実施形態の冷凍装置を動作させる場合は、断熱真空槽1の任意の部位に真空ポンプと接続するポートを設ければよい。
【0012】
従来技術の冷凍装置では、例えば高温超伝導の運用温度である60K以上80K以下では、リークにより断熱真空槽内に侵入した窒素は、液化して100K程度の断熱真空槽1内面などの常温部分に流れ落ちる。そして、何からの要因によって気化し、再度極低温部に到達して液化するプロセスを繰り返す。窒素の気化と液化を繰り返すため、この気化熱により断熱真空槽1内が温められ、設定した低温になりにくいといった問題がある。特に小型の高温超伝導装置に実施形態の装置を採用する場合、この気化熱によって、高温超伝導の運用温度である60K以上80K以下とすることができない場合もある。
【0013】
アンモニアはその融点が195Kと高いため一度、高温超伝導の運用温度である60K以上80Kの冷凍機極低温部2に吸着されると、冷凍機が稼動している限り気化することはない。リークした窒素を窒素よりも融点の高いアンモニアに変えることで、窒素の気化による圧力上昇と気化熱の影響を軽減することを発明者らは見出した。そこで、冷凍機極低温部2は少なくとも195K未満に冷却されている必要がある。なお、冷凍装置の概念図である図1には図示しないが、冷却対象物を含む形態で、冷凍装置を動作させる場合は、被冷却物は冷凍機極低温部2上に配置して、冷凍装置を稼働する。
【0014】
窒素をアンモニア化する方法は、遷移金属触媒を用い、高温高圧にした窒素と水素の混合ガスを反応させるハーバー・ボッシュ法が知られている。また、窒素ガスと水素ガスを、触媒が配置された放電室内に導入し、ガス放電によって励起された窒素と水素を反応させる方法も存在する。
しかし、断熱真空槽1内は、高真空状態が必要であり、反応ガスを高圧にすることができないため、上記の方法は採用することができない。
【0015】
ここで、窒素と水素が触媒上でアンモニアとなる反応は、(1)原料ガスが触媒に吸着し、分子が解離する、(2)解離した窒素原子と水素原子が触媒表面をマイグレート、(3)窒素原子と水素原子が触媒表面上で衝突。会合してアンモニアになる、(4)アンモニアとして、触媒表面から脱離、という過程を経ることが知られている。
発明者らは、この(1)から(4)の過程において、真空かつ低温の冷凍装置内でも窒素をアンモニア化することにつき誠意検討した。
【0016】
ここで、アンモニアの合成反応は、窒素と水素は安定な分子であるため、過程(1)の原料ガスの解離吸着確率が非常に小さく、過程(1)から過程(4)に至る反応が簡単には進行しない。そこで、この問題を解決する方法として、一般的には、原料ガスと触媒表面の衝突回数を増やすために原料ガスを高圧する方法や、原料ガスの反応性をあげて、過程(1)の解離吸着確率をあげるために、原料ガスをガス放電に晒す過程を設ける方法が採用される場合がある。
しかし、断熱真空槽1内では、高真空を維持する必要があるため、上記のような高真空ではない条件で行う方法を採用することができない。なお、ここで高真空とは、真空度が2×10−2Pa以下を意味する。
【0017】
そこで実施形態の冷凍装置では、過程(1)の原料ガスの解離吸着確率を上げるために触媒を触媒電極5とし、この電極5に電圧を印加する。触媒電極5は反応に寄与する電極表面の少なくとも一部が遷移金属で構成されているか触媒電極5が遷移金属で構成されている。触媒電極5の遷移金属としては、鉄、レニウム、モリブデン、タングステン、ルテニウム、コバルト、ニッケル、オスミウム、イリジウムとロジウムの中から選ばれる1種以上の金属である。触媒電極5は、遷移金属の合金で構成されていてもよい。
【0018】
ここで、触媒である遷移金属表面の反応性は、フェルミ準位近傍のdバンドの性質によって支配されている。特に、dバンド中心と呼ばれるdバンドの電子が詰まっている中心部分の位置によって、分子や原子との結合エネルギーが大きく変化する。そこで、実施形態の冷凍装置では、触媒電極5にバイアスを加えることにより、dバンド中心の位置を変化させる。その結果、過程(1)の解離吸着確率を上げ、高真空状態でも、安定な窒素分子と水素分子を触媒表面上で効率良く解離吸着させ、過程(1)から過程(2)乃至過程(4)に至る反応を高真空状態で実現することを可能にした。
【0019】
実施形態の冷凍装置の触媒金属5にバイアスを印加する電源6は、断熱真空槽1外に備えられている。触媒電極5に印加する電圧は、15V以上であり、20V以上が好ましい。この電位が低いとdバンド中心の位置の変化量が小さく、過程(1)の解離吸着確率の上がり具合が小さく、窒素のアンモニア化反応の促進につながらない。
【0020】
また、過程(2)の原子のマイグレーションを活性化させ、過程(3)の会合確率を上げるため、そして、過程(4)の脱離反応を促進するために、触媒の表面温度を、高温に保つ必要がある。実施形態の冷凍装置では、被冷却物8の冷却に影響が無いように触媒電極5の表面の温度を高温に保つための加熱部7を備えることで、過程(2)から過程(4)に至る反応を効率良く進めることを可能にしている。
触媒電極5の表面を高温に保つための機能となる構成としては、特に限定されるものではなく、一般的に用いられるヒーター等を用いればよい。
【0021】
加熱部7の加熱による触媒電極5の温度は、触媒電極5の遷移金属の種類とバイアス電圧値によって影響を受けるが、300℃以上であることが好ましい。これより低温であると、全くまたはほとんど加熱による効果が得られない。なお、触媒電極5のバイアス電圧20V、触媒電極5温度300℃でアンモニア化による現象を確認し、触媒電極5温度が400℃以上において、顕著な効果を確認した。
【0022】
なお、触媒電極5の温度があまり高いと、冷凍装置の冷却に影響が生じる恐れが有ることから、実施形態の効果が顕著に確認できる温度を大きく上回る高温は好ましくない。そこで、触媒電極5の温度は、300℃以上、または、400℃以上で、800℃以下、または、600℃以下が好ましい。触媒電極5へのバイアスの印加と加熱は、断熱真空槽1内の窒素濃度が高い場合などの必要な時に行えば良いし、持続的にこれらの一方または両方を動作させても良い。
【0023】
触媒電極5へのバイアス印加と触媒電極5の加熱により、合成したアンモニアを低温部に吸着除去させることで、断熱真空槽1の能力を長期間維持することを可能にした。
よって、気体の窒素による圧力及び熱の影響を軽減することで、断熱真空槽1内の長期に渡る断熱真空の維持を簡便な装置構成で実現することが可能となる。
なお、触媒電極5は、断熱真空槽1と加熱部7と絶縁されている。加熱部7は、触媒電極5と断熱真空槽1と絶縁されている。
【0024】
なお、触媒電極5の加熱による被冷却物や冷凍機極低温部2への熱の影響を軽減するために、触媒電極5と冷凍機極低温部2との間には、輻射熱反射板な等の熱の伝わりを妨げる遮熱部材9を設けることが好ましい。遮熱部材9を設けることによって、冷却への影響を軽減することができることが好ましい。
【0025】
窒素のアンモニア化に必要な水素または水素源は、断熱真空槽1内にリークしてくる水素や、断熱真空槽1を貫通し、断熱真空槽1内と断熱真空槽1外と接触可能な金属部材8を介して真空槽内に導入される水や水素が挙げられる。実施の条件に応じて、窒素の水素化に必要な水素が断熱真空槽1内に十分に存在するなどの状態であれば、金属部材8はなくてもよい。金属部材8を設ける場合は、真空や断熱への影響が可能なかぎり少なくなるように、金属部材8が断熱真空槽1に備えられることが好ましい。金属部材は触媒電極にできるだけ近いと効率良く、断熱真空槽1内に水素源を供給することができることから、金属部材8は断熱真空槽1の内壁と触媒電極5の間に備えられることが好ましい。水は触媒電極5上で水素と酸素に分解されることで、窒素と反応する水素を断熱真空槽1内に供給が可能となる。金属部材8の元素は、水や水素を吸蔵し放出可能な金属であれば特に限定されない。金属部材8から断熱真空槽1内に水素源を効率良く供給するには、金属部材8を加熱することが好ましい。金属部材8の好ましい加熱温度は、例えば、400℃以上である。
【0026】
また、図2の概念図に示す水素化装置のように、上述した触媒電極5と加熱部7と触媒電極5に電圧を印加する電源6とを少なくとも備える構成によって、窒素の水素化装置としてもよい。このような装置による窒素の水素化の製造方法は、上述の通り高圧条件で行う必要がないため、小規模からアンモニアを製造することができる。
【0027】
(実施例1)
実施例1は図1の形態の冷凍装置によって実施した。窒素とアンモニアの分圧は、次の様に測定した。大気リークバルブ11を閉じ、真空排気用バルブを開き、真空排気ポンプで断熱真空槽1を5×10−4Pa以下の真空度にし、Q−Massセンサー10を稼働させる。Q−Massの稼働後、真空排気用バルブ12を閉じ、大気リークバルブ11を開く。Q−Massの真空度が目的の真空度である1×10−3以上2×10−2Pa以下に到達したら大気リークバルブ11を閉じる。そして、Q−Massで窒素とアンモニアの分圧を測定する。
【0028】
小型冷凍機の冷凍機極低温部2を設置し、0.05[Pa]の大気を封入した約5Lの断熱真空槽1内に、30mm×30mm×0.1mmの鉄板を触媒電極5とし、タングステンで作製したヒーター線(加熱部)7を設置し、触媒電極5に電圧を印加し、触媒電極5を加熱した冷凍装置を動作させ、冷凍機極低温部2の経時的な温度変化を逐時測定した。遮蔽部材9としては、表面を輻射率の小さい金や銀で表面を覆った多層構造の輻射熱反射板を用いた。金属部材8としては、30mm×30mm×0.1mmの大きさのものを用いた。結果を図3のグラフに示す。図3中の実線は触媒電極5の温度が400℃で触媒電極5の印加電圧が20Vである。図3中の破線は触媒電極5の温度が300℃で触媒電極5の印加電圧が20Vである。図3中の一点長破線は触媒電極5の温度が400℃で触媒電極5の印加電圧が15Vである。
【0029】
実施例の小型冷凍機の低温部の温度を65[K]まで下げることを可能にした(図3実線)。触媒電極5の温度が400℃未満の場合、または印加電圧が15Vの場合は、小型冷凍機の冷凍機極低温部2が100[K]以下にはなったものの、95[K]以下に下げることができなかった(図3破線、一点長破線)。
【0030】
(実施例2)
触媒電極5の印加電圧を0Vから100Vの間で変化させ、触媒電極5の温度を200℃から800℃まで変化させ、冷凍装置を動作させてから、180分後に断熱真空槽1内の窒素分圧とアンモニア分圧と全圧をQ−Massで測定した。
上記以外の実験条件は実施例1と同様である。
窒素分圧の測定結果を表1に示す。アンモニア分圧の測定結果を表2に示す。全圧の測定結果を表3に示す。
【0031】
【表1】

表中の電圧と触媒電極温度以外の数値はいずれも窒素分圧(Pa)の値である。
【0032】
【表2】

表中の電圧と触媒電極温度以外の数値はいずれも窒素分圧(Pa)の値である。
【0033】
【表3】

表中の電圧と触媒電極温度以外の数値はいずれも窒素分圧(Pa)の値である。
【0034】
Q−Massで調べた結果、触媒電極5の温度を400℃以上にし、印加電圧を20V以上にすることにより、窒素分子が減少し(表1)、アンモニア分子が増加していることを確認し(表2)、冷凍機の稼動により、アンモニア分子の量も減少し、断熱真空槽1内の圧力が、低下することを確認した(表3)。
【0035】
(実施例3)
触媒電極5にタングステン板を用いたこと以外の実験条件は実施例2と同様である。
真空度の測定結果を表4に示す。
【0036】
【表4】

表中の電圧と触媒電極温度以外の数値はいずれも窒素分圧(Pa)の値である。
【0037】
(実施例4)
触媒電極5にルテニウム板を用いたこと以外の実験条件は実施例2と同様である。
真空度の測定結果を表5に示す。
触媒電極5に鉄板、タングステン板、ルテニウム板を用い、触媒電極5を400℃に加熱した時の、触媒電極への印加電圧と真空度の関係を表6にまとめた。
【0038】
【表5】

表中の電圧と触媒電極温度以外の数値はいずれも窒素分圧(Pa)の値である。
【0039】
【表6】

表中の電圧と触媒電極温度以外の数値はいずれも窒素分圧(Pa)の値である。
【0040】
実施例2,3,4測定結果から、触媒電極の遷移金属の種類が異なっていても、バイアス電圧の増加に伴い、同様の傾向で真空度が低下することを確認した。
【符号の説明】
【0041】
1…断熱真空槽
2…冷凍機極低温部
3…冷凍機圧縮部
4…信号入出力端子
5…触媒電極
6…電源
7…加熱部
8…金属部材
9…遮熱部材
10…Q−Massセンサー
11…大気リークバルブ
12…真空排気用バルブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱真空槽と、
前記断熱真空槽内に備えられた195Kより低温に冷却された冷凍機極低温部と、
前記断熱真空槽内に備えられた表面の少なくとも一部に遷移金属を含む触媒電極と、
前記触媒電極に電圧を印加する電源と、
前記断熱真空槽内に、前記触媒電極を加熱する加熱部とを少なくとも備え、
前記触媒電極は、前記断熱真空槽と前記加熱部と絶縁され、
前記加熱部は、前記断熱真空槽と前記触媒金属と絶縁されたことを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】
前記電圧が15V以上であり、
前記触媒金属の温度が300℃以下であり、
前記低温部が100K以下であることを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
【請求項3】
前記電圧が20V以上であり、
前記触媒金属の温度が400℃以下であり、
前記低温部が95K以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍装置。
【請求項4】
前記断熱真空槽を貫通し、前記断熱真空槽内と断熱断熱真空槽外と接触可能な金属部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
【請求項5】
前記遷移金属は、鉄、レニウム、モリブデン、タングステン、ルテニウム、コバルト、ニッケル、オスミウム、イリジウムとロジウムからなる群から選ばれる1種以上の金属であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の冷凍装置。
【請求項6】
表面の少なくとも一部に遷移金属を含む触媒電極と、
前記触媒電極に電圧を印加する電源と、
前記触媒電極を加熱する加熱部とを少なくとも備え、
前記触媒電極は、前記加熱部と絶縁されたことを特徴とする窒素の水素化装置。
【請求項7】
前記電圧が20V以上であり、
前記触媒金属の温度が400℃以下であることを特徴とする請求項6に記載の窒素の水素化装置。
【請求項8】
断熱真空槽と、
前記断熱真空槽内に備えられた195Kより低温に冷却された冷凍機極低温部と、
前記断熱真空槽内に備えられた表面の少なくとも一部に遷移金属を含む触媒電極と、
前記触媒電極に電圧を印加する電源と、
前記断熱真空槽内に、前記触媒電極を加熱する加熱部とを少なくとも備え、
前記触媒電極は、前記断熱真空槽と前記加熱部と絶縁され、
前記加熱部は、前記断熱真空槽と前記触媒金属と絶縁された冷凍装置において、
前記触媒電極上で断熱真空槽内にリークしてきた窒素を水素化し、
前記冷凍機極低温部において、水素化した窒素を吸着することを特徴とするリークガスの除去方法。
【請求項9】
前記電圧が20V以上であり、
前記触媒金属の温度が400℃以下であり、
前記低温部が95K以下であることを特徴とする請求項8に記載のリークガス除去方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−72639(P2013−72639A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214804(P2011−214804)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)