説明

冷却パッケージバッフル又はダクト構造

【課題】車両において、周囲冷却用空気をラジエータ及び/又はオイルクーラに差し向ける側部スクリーン空気入口及び通路を提供する。
【解決手段】内燃エンジン(22)、熱交換器(26)、カバー(14)及びエンジンコンパートメント(20)を冷却用コンパートメント(24)から分離するコンパートメントバッフル(30)を有する空気流システムが開示される。システムは、側部空気取り入れ口バッフルを含む側部空気取り入れ口(40)を有する。このバッフルは、エンジンによる加熱空気が熱交換器用の周囲空気と混合するのを阻止する。別の実施形態では、側部空気ダクト(70)は、エンジン加熱空気が熱交換器用の周囲空気と混合するのを阻止する側部空気管路系統が部分的にエンジンコンパートメント内に配置された側部空気ダクトを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用のセパレート型冷却システムに関し、特に、側部スクリーン空気入口及び周囲冷却用空気をラジエータ及び/又はオイルクーラに差し向ける通路に関する。
【背景技術】
【0002】
車両、例えば建設機械及び林業機械は、典型的には、エンジン、冷却システム及び他の車両コンポーネントを納めている。かかる車両は、通常、作動中に熱を発生させる液冷式内燃エンジンを利用している。液冷式エンジンは、熱を吸収するようエンジンを通って循環する加圧クーラントを採用している。加熱されたクーラントは、次に、熱交換器、例えばラジエータに通され、それによりクーラントから熱が大気中に放散され、その後、クーラントは、エンジンに再循環され、それによりエンジンを更に冷却する。クーラントが熱交換器に通されているとき、空気が熱交換器を通って流れて熱を吸収し、この熱を大気中に運び出す。空気は、通常、ファンの使用によりラジエータ及び/又はオイルクーラを通って引き込まれ又は送り進められる。車両は、空気がラジエータ及び/又はオイルクーラ中に引き込まれてこれに通されているときに給気がエンジンによって加熱されるのを阻止するためにバッフルを更に有する場合がある。
【0003】
かかる車両内における冷却システムの能力は、多くの要因で左右され、かかる要因としては、熱交換器を通って流れる空気の速度及び体積並びにラジエータ及び/又はオイルクーラの利用可能な熱交換面上における空気流の分布状態が挙げられる。これら車両は、高レベルの空中浮遊粒状物のある建設、林業又は他の汚れた環境内で用いられる場合があり、従って、ラジエータを冷却するために用いられる空気は、ダスト、汚れ及び類似のデブリで汚染される場合が多い。典型的には、かかる車両は、冷却用空気中に存在するデブリを減少させる一方で、空気がフードにより包囲された領域中に流入してラジエータ及び/又はオイルクーラとの相互作用によってエンジンを冷却することができるようにするためにこれら車両の空気取り入れ口を覆ってグリル又はスクリーンを有する。しかしながら、デブリは、グリル又はスクリーンの外面上に且つこの周りに堆積する場合があり、それにより取り入れ口を詰まらせると共に空気流を絞る。これら車両では、デブリは、空気が最も高い速度で流通するグリル又はスクリーンの領域上にまず最初に急速に付着増大して堆積する傾向がある。グリル又はスクリーンの幾つかの領域における空気速度は、他の領域のところの速度よりも実質的に高い場合がある。ラジエータ及び/又はオイルクーラの空気入口側の比較的近くに存在するグリル又はスクリーンの領域は、ラジエータ及び/又はオイルクーラの空気入口側から遠ざかって位置する領域よりも数倍の空気流速度を呈する場合がある。例えば、空気速度は、ラジエータ及び/又はオイルクーラの空気入口側の近くの空気取り入れ開口部のところでは20,000mm/秒という高い速度である場合があるが、ラジエータから最も遠くに位置する空気入口開口部のところでは1,000mm/秒未満である場合がある。空気流をラジエータ及び/又はオイルクーラの比較的広い領域に提供するグリル又はスクリーンの領域も又、ラジエータ及び/又はオイルクーラの比較的狭い領域に空気流を提供する領域の数倍の空気流速度を呈する場合がある。例えば、空気速度は、ラジエータ及び/又はオイルクーラの広い区分を受け持つ空気取り入れ開口部のところでは20,000mm/秒という高い速度である場合があり、ラジエータ及び/又はオイルクーラの狭い区分を受け持つ空気取り入れ開口部のところでは1,000mm/秒未満である場合がある。
【0004】
最も高い空気速度でグリル又はスクリーンの部分を閉塞させるのに足るほどのデブリが堆積した場合、有効空気取り入れ面積が減少する。その結果、車両のエンジンを効率的に又は静粛に冷却することができない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空気流の効率を向上させるバッフル構造体がかかる車両のために必要とされている。ダスト、汚れ又は類似のデブリによって引き起こされるグリル又はスクリーンの閉塞に起因して流れを遮り又は損ねることなく、冷却用空気の供給を建設若しくは林業車両又は類似の車両用のエンジンに提供することができるバッフル構造体が必要とされている。一様且つ均一の空気流速度をグリル又はスクリーンの互いに異なる領域にわたって提供することができる建設若しくは林業車両又は類似の車両用のバッフル構造体が必要とされている。一様な空気流を提供する一方で、エンジンコンパートメントから出るエンジン騒音を最小限に抑える空気取り入れ口を有する建設若しくは林業車両又は類似の車両用バッフル構造体が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示の実施形態では、車両用の空気流システムであって、車両は、内燃エンジン、熱交換器、エンジンのためのエンジンコンパートメント及び熱交換器のための冷却用コンパートメントを構成するカバー及びエンジンコンパートメントと冷却用コンパートメントを互いに分離するコンパートメントバッフルを有し、コンパートメントバッフルは、エンジンによって加熱された空気を熱交換器に用いられる周囲空気から隔離するよう混成されている空気流システムが開示される。空気流システムは、冷却用コンパートメント内に配置されたファンを有し、ファンは、周囲空気を熱交換器上でこれに沿って引き込むよう構成され、空気流システムは、周囲空気を取り入れるよう構成された側部空気取り入れ口を更に有し、側部空気取り入れ口は、側部空気取り入れ開口部を構成する側部空気取り入れ口フレームを有し、側部空気取り入れ口は、側部空気取り入れ開口部内に配置されたスクリーンを有し、スクリーンは、デブリが冷却用コンパートメントに入るのを阻止するよう構成され、側部空気取り入れ口は、側部空気取り入れ口フレームに結合された側部空気取り入れ口バッフルを有し、側部空気取り入れ口バッフルは、エンジンによって加熱された空気が熱交換器に用いられる周囲空気と混合するのを阻止するよう構成され、カバーは、側部空気開口部を構成し、側部空気開口部は、エンジンコンパートメントの少なくとも一方の側部に沿って配置され、側部空気取り入れ口フレームは、側部空気開口部内に配置され、側部空気取り入れ開口部及び側部空気開口部は、周囲空気及び冷却用コンパートメントと流体連通状態にある。
【0007】
本発明の別の例示の実施形態では、車両用の空気流システムであって、車両は、内燃エンジン、熱交換器、エンジンのためのエンジンコンパートメント及び熱交換器のための冷却用コンパートメントを構成するカバー及びエンジンコンパートメントと冷却用コンパートメントを互いに分離するコンパートメントバッフルを有し、コンパートメントバッフルは、エンジンによって加熱された空気を熱交換器に用いられる周囲空気から隔離するよう構成されている空気流システムが開示される。空気流システムは、冷却用コンパートメント内に配置されたファンを有し、ファンは、周囲空気を熱交換器上でこれに沿って引き込むよう構成され、空気流システムは、周囲空気を取り入れるよう構成された側部空気取り入れ口を更に有し、側部空気取り入れ口は、側部空気取り入れ開口部を構成する側部空気取り入れ口フレームを有し、側部空気取り入れ口は、側部空気取り入れ開口部内に配置されたスクリーンを有し、スクリーンは、デブリが冷却用コンパートメントに入るのを阻止するよう構成され、側部空気取り入れ口は、側部空気取り入れ口フレームに結合された側部空気取り入れ口バッフルを有し、側部空気取り入れ口バッフルは、エンジンによって加熱された空気が熱交換器に用いられる周囲空気と混合するのを阻止するよう構成され、側部空気取り入れフレームはカバーにより構成された側部空気開口部内に配置され、側部空気取り入れ開口部及び側部空気開口部は、周囲空気及び冷却用コンパートメントと流体連通状態にある。
【0008】
本発明の更に別の例示の実施形態では、車両用の空気流システムであって、車両は、内燃エンジン、熱交換器、エンジンのためのエンジンコンパートメント及び熱交換器のための冷却用コンパートメントを構成するカバー及びエンジンコンパートメントと冷却用コンパートメントを互いに分離するコンパートメントバッフルを有し、コンパートメントバッフルは、エンジンによって加熱された空気を熱交換器に用いられる周囲空気から隔離するよう構成された空気流システムが開示される。空気流システムは、冷却用コンパートメント内に設けられたファンを有し、ファンは、周囲空気を熱交換器上でこれに沿って引き込むよう構成され、熱交換器の少なくとも一部分は、エンジンの最も低い部分よりも低い位置に配置され、空気流システムは、側部空気ダクトフレームを含む側部空気ダクトを更に有し、側部空気ダクトフレームは、エンジンコンパートメント内に配置され、側部空気ダクトフレームは、側部空気ダクト開口部を構成し、側部空気ダクトは、側部空気ダクト開口部内に配置されたスクリーンを有し、スクリーンは、デブリが冷却用コンパートメントに入るのを阻止するよう構成され、側部空気ダクトは、側部空気ダクトフレームに結合された側部空気管路系統を含み、側部空気管路系統は、少なくとも部分的にエンジンコンパートメント内に配置され、側部空気管路系統は、エンジンによって加熱された空気が熱交換器に用いられる周囲空気と混合するのを阻止するよう構成され、側部空気ダクトは、周囲空気を取り入れるよう構成され、側部空気ダクト開口部及び側部空気管路系統は、周囲空気及び冷却用コンパートメントと流体連通状態にある。
【0009】
本発明の上述の特徴及び他の特徴並びにかかる特徴を達成する仕方は、添付の図面と関連して行われる本発明の実施形態の以下の説明を参照すると、明らかになると共に開示内容それ自体が良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態としての例示の車両、即ちクローラ式ドーザの側面図である。
【図2】図1の車両に用いられるよう構成された本発明の実施形態としてのエンジンコンパートメント及び冷却用コンパートメントの斜視図である。
【図3】スクリーンが実質的に取り外された状態の図2のエンジンコンパートメント及び冷却用コンパートメントの別の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に従って空気流をシミュレートした図2の冷却用コンパートメントの幾つかの部分の分解組み立て図である。
【図5】熱交換器、バッフル及び側部空気取り入れ口の横断面を取った図2のエンジンコンパートメント及び冷却用コンパートメントの斜視図である。
【図6】図1の車両用に構成された本発明の別の実施形態としてのエンジンコンパートメント及び冷却用コンパートメントの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
対応の参照符号は、幾つかの図全体にわたって対応の部分を示している。図面は、本発明の実施形態を記載しているが、図面は、必ずしも縮尺通りにはなっておらず、本発明を良好に図示すると共に説明するために或る特定の特徴が誇張されている場合がある。
【0012】
以下に開示する実施形態が本発明の実施形態の全てであるというわけではなく、或いは以下に開示する実施形態は開示内容を以下の詳細な説明に開示された形態そのものに限定するものではない。これとは異なり、実施形態は、当業者が実施形態の教示を利用することができるよう選択されると共に説明される。
【0013】
図1に示されているように、車両10、例えばクローラ式ドーザ10を含む建設機械10が示されている。車両10は、とりわけ、車両フレーム12、カバー14、フロア15、駆動システム16及び車両フレーム12によって支持された冷却システム18を有している。カバー14及びフロア15は、エンジン室又はコンパートメント20を構成し、このエンジンコンパートメントは、エンジン22、例えば内燃エンジンを収納している。駆動システム16は、部分的に、エンジンコンパートメント20内に設けられる場合がある。カバー14及びフロア15は又、冷却用コンパートメント24を構成し、この冷却用コンパートメントは、冷却システム18の多数のコンポーネント、例えば熱交換器26及びファン28を収納している。カバー14は又、コンパートメントバッフル30の配置場所を提供し、このコンパートメントバッフルは、エンジンコンパートメント20を冷却用コンパートメント24から分離している。コンパートメントバッフル30は、エンジンコンパートメント20内のエンジン22によって加熱された空気が冷却用コンパートメント24で用いられる周囲空気を加熱するのを阻止するよう設計されている。
【0014】
図1及び図2に最も良く示されているように、周囲空気は、カバー14の頂部32及び側部34に設けられた空気取り入れ口中に引き込まれる。周囲空気は、ファン28の使用によって熱交換器26上でこれに沿って引き込まれる。ファン28は、加熱された周囲空気をグリル36から追い出す。この形態では、コンパートメントバッフル30は、エンジンコンパートメント20に隣接した(即ち、これに接して位置し又は隣接して位置する)周囲空気とは対照的に、冷却用コンパートメント24の側部で利用できる周囲空気の量を制限する。コンパートメントバッフル30は又、エンジン22によって予熱されなかった周囲空気の量を制限する。さらに、周囲空気の量は又、加熱状態の周囲空気をグリル36から追い出す前に、熱交換器26上でこれに沿って周囲空気を引き込むのに必要な空気流の方向によって制限される。
【0015】
カバー14の頂部32により提供される周囲空気の量を最大にすることに加えて、車両10は、カバー14に設けられた側部空気取り入れ口40を更に有する。幾つかの側部空気取り入れ口40がコンパートメントバッフル30の冷却用コンパートメント24側に設けられている。この形態では、周囲空気は、コンパートメントバッフル30の冷却用コンパートメント24側に引き込まれる。コンパートメントバッフル30は、エンジン22によるこの周囲空気の予熱を阻止する。
【0016】
幾つかの実施形態では、カバー14の頂部32及びコンパートメントバッフル30の冷却用コンパートメント24側に隣接して位置するカバー14の側部34に設けられる空気取り入れのための空間は不十分である。空気取り入れのための表面積が不十分であることにより、例えば空気流速度が過剰になるという問題が生じる。空気取り入れ口にスクリーン42を用いると、空気流速度が最も高いスクリーン42の領域上にデブリが急速に溜まって堆積しがちな場合がある。最も高い空気流速度でスクリーン42の部分を閉塞するのに足るほどのデブリが堆積した場合、効果的な空気取り入れが減少する。その結果、車両10を効果的に又は静粛に冷却することができない。
【0017】
側部空気開口部44がカバー14のエンジンコンパートメント20の少なくとも一方の側に少なくとも部分的に設けられるのが良い。側部空気開口部44は、カバー14の冷却用コンパートメント24側とカバー14のエンジンコンパートメント20側の両方に設けられた部分を有するのが良い。図2及び図3に示されているように、側部空気開口部44は、コンパートメントバッフル30を横切って延びるのが良い。コンパートメントバッフル30は、側部空気開口部44と交差するかこれを2等分するかのいずれかであるのが良い。
【0018】
側部空気開口部44は、エンジン22に隣接してこれと同じ高さ位置又はこれよりも低いところに配置されるのが良い。例示の実施形態では、側部空気開口部44の少なくとも一部分は、エンジン22の最も低い部分よりも下に配置されるのが良い。別の例示の実施形態では、側部空気開口部44の最も高い箇所は、エンジン22の最も高い部分よりも下に配置されるのが良い。さらに別の例示の実施形態では、側部空気開口部44の最も高い箇所は、エンジン22の中間高さ位置のところ又はこれよりも低いところに配置されるのが良い。側部空気開口部44の配置場所は、空気流を熱交換器26の下方部分に提供するのを助ける。側部空気開口部44の配置場所は又、コンパートメントバッフル30によって冷却システム18に用いられる周囲空気との混合するのが阻止されるエンジン22により加熱される空気の量を最小限に抑えるのを助ける。
【0019】
図2及び図3に示されているように、側部空気開口部44は、多角形として示されている。側部空気開口部44は、数種類の形状を取ることができる。側部空気開口部44は、側部空気開口部44が熱交換器26の最も近くに位置する側から熱交換器26から見て最も遠くに位置する側に進むにつれて表面積が次第に減少し又は段階的に減少するのが良い。熱交換器26から見て遠くに位置する側部空気開口部44のエンジンコンパートメント部分46は、熱交換器26の近くに位置する側部空気開口部44のクーラコンパートメント部分48よりも小さい少なくとも1つの寸法を有する。
【0020】
側部空気開口部44の最も広い表面領域は、熱交換器26の最も近くに配置されるのが良く、側部空気開口部44の最も狭い表面領域は、熱交換器26から見て最も遠くに配置されるのが良い。例示の一実施形態では、クーラコンパートメント部分48は、約340ミリメートル×約535ミリメートルの寸法を有するのが良く、その表面積は、約2×105平方ミリメートルである。例示の一実施形態では、エンジンコンパートメント部分46は、約323ミリメートル×約310ミリメートルの寸法を有するのが良く、その表面積は、約1×105平方ミリメートルである。この例示の一実施形態では、側部空気開口部44は、周囲空気流のための表面積を約60%だけ増大させている。この例示の一実施形態では、空気流は、約15%から約25%までの範囲内で増大する。
【0021】
図3に最も良く示されているように、側部空気取り入れ口40は、本発明の一実施形態に従って示されている。側部空気取り入れ口40は、部分的にか全体的にかのいずれかの状態でコンパートメントバッフル30のエンジンコンパートメント20側に設置されている。側部空気取り入れ口40は、エンジンコンパートメント20内に設置されたエンジン22によって加熱された空気が冷却用コンパートメント24内に設置された冷却システム18に用いられる周囲空気を予熱するのを阻止するよう設計されている。側部空気取り入れ口40は又、エンジンコンパートメント20内に設置されたエンジン22によって加熱された空気が冷却用コンパートメント24内に設置された冷却システム18に用いられる周囲空気を予熱するのを阻止するよう設計されている。
【0022】
側部空気取り入れ口40は、側部空気取り入れ口フレーム50及び側部空気取り入れ口スクリーン42を有している。側部空気取り入れ口フレーム50は、側部空気取り入れ開口部52を構成している。側部空気取り入れ口スクリーン42は、側部空気取り入れ開口部52内に配置されている。側部空気取り入れ開口部52は、周囲空気、側部空気開口部44及び冷却用コンパートメント24と流体連通状態にある。側部空気取り入れ口スクリーン42は、ダスト、汚れ又は類似のデブリが冷却用コンパートメント24及び冷却システム18に入るのを阻止するよう設計されている。側部空気取り入れ口スクリーン42は又、周囲空気を冷却用コンパートメント24及び冷却システム18に流入させることができるよう設計されている。
【0023】
側部空気取り入れ口フレーム50は、カバー14及び車両フレーム12により構成された側部空気開口部44内に嵌るよう構成されている。側部空気取り入れ口フレーム50は又、任意適当な形式の締結具54の使用によってカバー14に結合されるよう構成されている。
【0024】
上述したように、側部空気取り入れ口40は、側部空気取り入れ口バッフル56を更に有する。図2〜図4に示されているように、側部空気取り入れ口バッフル56は、側部空気取り入れ口40の一体コンポーネントである。側部空気取り入れ口バッフル56は、側部空気取り入れ口40の追加のコンポーネントであっても良いことが想定される。また、側部空気取り入れ口バッフル56は、コンパートメントバッフル30の延長部であっても良いことが想定される。
【0025】
図3〜図5に示されているように、側部空気取り入れ口バッフル56は、コンパートメントバッフル30に係合するよう構成されている。側部空気取り入れ口バッフル56は、コンパートメントバッフル30に結合され又は締結されるのが良い。追加のコンポーネントを用いて側部空気取り入れ口バッフル56をコンパートメントバッフル30に係合させるのが良い。側部空気取り入れ口バッフル56は又、車両フレーム12に係合するよう構成されている。図5に最も良く示されているように、側部空気取り入れ口バッフル56は、車両フレーム12に結合され又は締結されるのが良い。変形例として、側部空気取り入れ口バッフル56は、厳密に車両フレーム12と整列し又はこの上に載っているのが良い。追加のコンポーネントを利用して側部空気取り入れ口バッフル56をコンパートメントバッフル30に係合させるのが良い。
【0026】
作動の際、側部空気取り入れ口バッフル56は、冷却システム18で用いられた周囲空気の予熱を阻止するよう構成されている。側部空気取り入れ口バッフル56は、エンジン22によって加熱された空気が冷却システム18で用いられる周囲空気と混合するのを阻止する。
【0027】
図4に最も良く示されているように、空気流が本発明の実施形態に従って示されている。図示のように、空気流は、熱交換器26の全ての部分を受け持つ。熱交換器26の下方部分58は、車両フレーム12の背後に隠されている。図示のように、側部空気開口部44及び側部空気取り入れ口40のクーラコンパートメント部分48の広い表面領域は、熱交換器26の下方部分58に利用される空気流を増量させるよう構成されている。
【0028】
図4に最も良く示されているように、側部空気取り入れ口バッフル56は、コンパートメントバッフル30に設けられた切欠き62に当接するよう構成されたリブ60を有するものとして示されている。また、リブ60は、エンジン22によって加熱された空気が冷却用コンパートメント24内に設置された冷却システム18に用いられる周囲空気と混合しないようにするのを助けるためにコンパートメントバッフル30とオーバーラップするよう寸法決めされると共に位置決めされることが想定される。
【0029】
図6には、本発明の追加の実施形態が示されている。この例示の実施形態では、幾つかのコンポーネントは、上記のコンポーネントと同一であり又は類似している。新たな又は著しく異なるコンポーネントについてのみ詳細に説明する。
【0030】
側部空気ダクト70が側部空気ダクトフレーム72及び側部空気管路系統74を有するものとして示されている。側部空気ダクトフレーム72は、側部空気ダクト開口部76を構成している。側部空気管路系統74は、側部空気ダクトフレーム72に結合されている。側部空気ダクト70は、ダスト、汚れ又は類似のデブリが冷却用コンパートメント24及び冷却システム18に入るのを阻止するよう設計されたオプションとしてのスクリーン(図示せず)を有するのが良い。このオプションとしてのスクリーンは又、周囲空気を冷却用コンパートメント24及び冷却システム18に流入させることができるよう構成されている。カバー14は、コンパートメントバッフル30の冷却用コンパートメント24側に設けられた追加の側部空気取り入れ開口部78を更に構成するのが良い。
【0031】
側部空気ダクトフレーム72の少なくとも一部分は、エンジンコンパートメント20内に配置される。側部空気管路系統74の少なくとも一部分も又、エンジンコンパートメント20内に配置される。側部空気管路系統74の少なくとも一部分は、コンパートメントバッフル30のところで終端するかこれを横切って貫通して延びているかのいずれかである。コンパートメントバッフル30は、側部空気管路系統74のための孔80を更に備えるのが良い。
【0032】
本発明を例示の設計を有するものとして説明したが、本発明を本発明の精神及び範囲内で更に設計変更することができる。したがって、本願の要旨は、本発明の一般的原理を利用した本発明の変形例、使用又は改造例を含むものである。さらに、本願の要旨は、発明の関連技術分野における公知の又は慣例に含まれるような本発明からのかかる変更内容を含むものである。
【符号の説明】
【0033】
10 建設機械
12 車両フレーム
14 カバー
15 フロア
16 駆動システム
18 冷却システム
20 エンジンコンパートメント又はエンジン室
22 エンジン
24 冷却用コンパートメント
26 熱交換器
28 ファン
30 バッフル
32 頂部
34 側部
40 側部空気取り入れ口
42 スクリーン
44 側部空気開口部
50 取り入れ口フレーム
70 側部空気ダクト
72 側部空気ダクトフレーム
74 側部空気管路系統

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の空気流システムであって、前記車両は、内燃エンジン、熱交換器、前記エンジンのためのエンジンコンパートメント及び前記熱交換器のための冷却用コンパートメントを構成するカバー及び前記エンジンコンパートメントと前記冷却用コンパートメントを互いに分離するコンパートメントバッフルを有し、前記コンパートメントバッフルは、前記エンジンによって加熱された空気を前記熱交換器に用いられる周囲空気から隔離し、前記空気流システムは、
前記冷却用コンパートメント内に配置されたファンを有し、前記ファンは、周囲空気を前記熱交換器上でこれに沿って引き込むよう構成され、
周囲空気を取り入れるよう構成された側部空気取り入れ口を有し、前記側部空気取り入れ口は、側部空気取り入れ開口部を構成する側部空気取り入れ口フレームを有し、前記側部空気取り入れ口は、前記側部空気取り入れ開口部内に配置されたスクリーンを有し、前記スクリーンは、デブリが前記冷却用コンパートメントに入るのを阻止するよう構成され、
前記側部空気取り入れ口は、前記側部空気取り入れ口フレームに結合された側部空気取り入れ口バッフルを有し、前記側部空気取り入れ口バッフルは、前記エンジンによって加熱された空気が前記熱交換器に用いられる周囲空気と混合するのを阻止するよう構成され、
前記カバーは、側部空気開口部を構成し、前記側部空気開口部は、前記エンジンコンパートメントの少なくとも一方の側部に沿って配置され、
前記側部空気取り入れ口フレームは、前記側部空気開口部内に配置され、前記側部空気取り入れ開口部及び前記側部空気開口部は、周囲空気及び前記冷却用コンパートメントと流体連通状態にある、空気流システム。
【請求項2】
前記熱交換器の少なくとも一部分は、前記エンジンの最も低い部分よりも低い位置に配置されている、請求項1記載の空気流システム。
【請求項3】
前記側部空気取り入れ口は、周囲空気を前記熱交換器の前記最も低い部分に提供するよう構成されている、請求項1記載の空気流システム。
【請求項4】
前記側部空気取り入れ開口部は、前記エンジンに隣接して前記カバーに設けられている、請求項1記載の空気流システム。
【請求項5】
前記側部空気取り入れ開口部は、前記エンジンと同一高さ位置で前記カバーに設けられている、請求項1記載の空気流システム。
【請求項6】
前記側部空気取り入れ開口部は、前記エンジンの高さ位置よりも低い位置で前記カバーに設けられている、請求項1記載の空気流システム。
【請求項7】
前記側部空気取り入れ開口部の少なくとも一部分は、前記冷却用コンパートメントに隣接して設けられている、請求項1記載の空気流システム。
【請求項8】
前記側部空気取り入れ開口部の少なくとも一部分は、前記コンパートメントバッフルを横切って設けられている、請求項1記載の空気流システム。
【請求項9】
前記コンパートメントバッフルは、前記側部空気取り入れ開口部と交差している、請求項1記載の空気流システム。
【請求項10】
前記コンパートメントバッフルは、前記側部空気取り入れ開口部を2等分している、請求項9記載の空気流システム。
【請求項11】
車両用の空気流システムであって、前記車両は、内燃エンジン、熱交換器、前記エンジンのためのエンジンコンパートメント及び前記熱交換器のための冷却用コンパートメントを構成するカバー及び前記エンジンコンパートメントと前記冷却用コンパートメントを互いに分離するコンパートメントバッフルを有し、前記コンパートメントバッフルは、前記エンジンによって加熱された空気を前記熱交換器に用いられる周囲空気から隔離し、前記空気流システムは、
前記冷却用コンパートメント内に配置されたファンを有し、前記ファンは、周囲空気を前記熱交換器上でこれに沿って引き込むよう構成され、
周囲空気を取り入れるよう構成された側部空気取り入れ口を有し、前記側部空気取り入れ口は、側部空気取り入れ開口部を構成する側部空気取り入れ口フレームを有し、前記側部空気取り入れ口は、前記側部空気取り入れ開口部内に配置されたスクリーンを有し、前記スクリーンは、デブリが前記冷却用コンパートメントに入るのを阻止するよう構成され、
前記側部空気取り入れ口は、前記側部空気取り入れ口フレームに結合された側部空気取り入れ口バッフルを有し、前記側部空気取り入れ口バッフルは、前記エンジンによって加熱された空気が前記熱交換器に用いられる周囲空気と混合するのを阻止するよう構成され、
前記側部空気取り入れフレームは前記カバーにより構成された側部空気開口部内に配置され、前記側部空気取り入れ開口部及び前記側部空気開口部は、周囲空気及び前記冷却用コンパートメントと流体連通状態にある、空気流システム。
【請求項12】
前記側部空気取り入れ開口部は、前記車両のフレーム部分に隣接して位置している、請求項11記載の空気流システム。
【請求項13】
前記側部空気取り入れ口は、前記フレーム部分によって少なくとも部分的に支持されている、請求項12記載の空気流システム。
【請求項14】
前記フレーム部分は、前記エンジンコンパートメントの少なくとも一部分を構成している、請求項12記載の空気流システム。
【請求項15】
前記側部空気取り入れ口バッフルの一部分は、前記コンパートメントバッフルに結合されている、請求項11記載の空気流システム。
【請求項16】
前記側部空気取り入れ口バッフルは、前記エンジンコンパートメントの少なくとも一部分を構成している、請求項15記載の空気流システム。
【請求項17】
車両用の空気流システムであって、前記車両は、内燃エンジン、熱交換器、前記エンジンのためのエンジンコンパートメント及び前記熱交換器のための冷却用コンパートメントを構成するカバー及び前記エンジンコンパートメントと前記冷却用コンパートメントを互いに分離するコンパートメントバッフルを有し、前記コンパートメントバッフルは、前記エンジンによって加熱された空気を前記熱交換器に用いられる周囲空気から隔離し、前記空気流システムは、
前記冷却用コンパートメント内に設けられたファンを有し、前記ファンは、周囲空気を前記熱交換器上でこれに沿って引き込むよう構成され、前記熱交換器の少なくとも一部分は、前記エンジンの最も低い部分よりも低い位置に配置され、
側部空気ダクトフレームを含む側部空気ダクトを有し、前記側部空気ダクトフレームは、前記エンジンコンパートメント内に配置され、前記側部空気ダクトフレームは、側部空気ダクト開口部を構成し、前記側部空気ダクトは、前記側部空気ダクト開口部内に配置されたスクリーンを有し、前記スクリーンは、デブリが前記冷却用コンパートメントに入るのを阻止するよう構成され、
前記側部空気ダクトは、前記側部空気ダクトフレームに結合された側部空気管路系統を含み、前記側部空気管路系統は、少なくとも部分的に前記エンジンコンパートメント内に配置され、前記側部空気管路系統は、前記エンジンによって加熱された空気が前記熱交換器に用いられる周囲空気と混合するのを阻止するよう構成され、
前記側部空気ダクトは、周囲空気を取り入れるよう構成され、前記側部空気ダクト開口部及び前記側部空気管路系統は、周囲空気及び前記冷却用コンパートメントと流体連通状態にある、空気流システム。
【請求項18】
前記側部空気管路系統は、前記コンパートメントバッフルを横切って設けられている、請求項17記載の空気流システム。
【請求項19】
前記コンパートメントバッフルは、前記側部空気管路系統のための孔を構成している、請求項18記載の空気流システム。
【請求項20】
前記カバーは、前記冷却用コンパートメントの側部に設けられた追加の側部空気取り入れ開口部を更に構成している、請求項17記載の空気流システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−67372(P2013−67372A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−206639(P2012−206639)
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【出願人】(591005165)ディーア・アンド・カンパニー (109)
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
【Fターム(参考)】