説明

冷却ファン、制御方法及び電子機器

【課題】 冷却ファンなどの寿命部品における保全情報を利用する技術を提供する。
【解決手段】 寿命を予測するために必要な寿命情報を収集するセンサと、この前記寿命情報を他の情報のための信号線に重畳して送出する監視・通知手段とを備える冷却ファンと、前記信号線から前記寿命情報の成分を除くフィルタと、前記寿命情報に基づいて、冷却ファンの寿命を予測する状態監視手段とを備える電子機器。また、寿命を予測するために必要な寿命情報を収集するセンサと、前記寿命情報を他の情報のための信号線に重畳して送出する監視・通知手段とを備える冷却ファン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、FAN通信方式を実施する冷却ファン、制御方法及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器などでは、一般に高熱を発する部位がある電子機器があるため、FAN(冷却ファン)などによってその部位を中心に冷却する必要がある。
【0003】
なおファンは、電子機器内のコントローラ等の制御により回転数等の制御を受けて冷却を行っている。ファンとコントローラとの間の信号線は、3線式/4線式といった既定の信号系を用いて接続されている場合が多い。これらの信号線の中に、ファンの回転数を通知するためのTECH信号を用いているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
そして信号系全体で3線/4線と少数の信号線に限定されているこれらのような系では、出力の信号線も両方式とも上記のTECH信号の線1本と限定されている。
【0005】
しかしながら、ファンという寿命部品においては利用形態に因っては予めこの寿命に関する情報を保全情報として得たいとの要望がある。
【0006】
即ち寿命部品においては、保全情報の利用への要望があるが、かかる要望を実現するための手段は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−315377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施の形態は、冷却ファンなどの寿命部品における保全情報を利用する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、実施形態によれば電子機器は、寿命を予測するために必要な寿命情報を収集するセンサと、この前記寿命情報を他の情報のための信号線に重畳して送出する監視・通知手段とを備える冷却ファンと、前記信号線から前記寿命情報の成分を除くフィルタと、前記寿命情報に基づいて、冷却ファンの寿命を予測する状態監視手段とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置(サーバ)のシステム構成を示す図。
【図2】同実施形態の要部の装置を示す概略ブロック図。
【図3】同実施形態の要部の装置の動作を示す図。
【図4】同実施形態に用いられる冷却ファンの温度に関わる寿命との関係を示す特性図。
【図5】同実施形態のグリスに関わる温度と寿命との関係を示す特性図。
【図6】同実施形態の動作を説明するために示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。
【0012】
本実施形態は、サーバやPC等に実装されるFAN(ファン)の各種状態をシステム側に通知する手段、及び装置に関するものである。FANの応用例の一端としては、投射型表示装置の冷却ファンの回転数を指示する実施形態もあるが、この装置では冷却ファンやグリス等の寿命が尽きるのに備えて代替の冷却ファンを用意しておけばよいことが多い。特に、サーバなどでは、機器のネットワーク等を介して複数のクライアント端末からのアクセスを受けることが想定されるため、ダウンを許容しがたいことが多い。このため、サーバのようなシステムダウンを許容できない装置では、事後保全(breakdown maintenance, BM)ではなく、後述の寿命予測に基づく予防保全(preventive maintenance , PM)が重要である場合が多い。
【0013】
以下の実施形態においてはこれら2種の保全方法に対応して、表示やブザーなどのアラームに対するアラーム許可の設定ができるようにしておくのもよい。
【0014】
以下、図面を参照してこの発明の一実施形態を説明する。図1は、サーバ1のシステム構成の一例を示すものである。
【0015】
図1に示すように、このサーバ1は、CPU11、ノースブリッジ12、主メモリ13、サウスブリッジ14、BIOS−ROM15、磁気ディスク駆動装置(HDD)16、光磁気ディスク駆動装置(ODD)17、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)18、ネットワークコントローラ19、冷却ファン20、温度センサ21および冷却ファン制御回路22等を備えている。
【0016】
CPU11は、本サーバ1の動作を制御するメインプロセッサである。このCPU11は、HDD16から主メモリ13にロードされる、オペレーティングシステム、各種アプリケーションプログラムおよびユーティリティプログラムを実行する。
【0017】
ノースブリッジ12は、CPU11のローカルバスとサウスブリッジ14との間を接続するブリッジデバイスである。また、ノースブリッジ12には、CRTディスプレイ2を制御する表示コントローラおよび主メモリ13を制御するメモリコントローラも内蔵されている。
【0018】
サウスブリッジ14は、例えばPCI(peripheral component interconnect)バスやLPC(low pin count)バスに接続された各種I/Oデバイスを制御するためのI/Oコントローラとして機能する。また、このサウスブリッジ14には、HDD16およびODD17を制御するIDE(Integrated Drive Electronics)も内蔵されている。BIOS−ROM15も、このサウスブリッジ14によってアクセスが制御される。BIOS−ROM15は、システムBIOSを電気的に書き換え可能に格納するフラッシュROMである。
【0019】
EC/KBC18は、電源管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)3およびマウス4などを制御するキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。ネットワークコントローラ19は、LANを介した他のコンピュータとのデータ通信を制御する。
【0020】
また、冷却ファン20は、CPU11が発する熱を外部に放出するために設けられるファンである。温度センサ21は、冷却ファン20が冷却対象とするCPU11の周辺部の温度を検出するためのセンサである。冷却ファン制御回路22は、温度センサ21により検出される温度に基づき、冷却ファン20の回転数を適切に上下させるべく冷却ファン20を制御する。この多段階制御を行うために、冷却ファン制御回路22は、後に図2の詳細図内で示すFAN制御・監視回路等200を備えている。
【0021】
さて、一般的に使用されているFANには、3線式、及び4線式のものがある。本実施形態では以下でこのうち4線式の例示をする。
【0022】
3線式FANでは、FANの回転数を電源電圧で制御する為、3線の内訳としては、電源線、接地線、及び回転数をシステム側に通知する為に用いられる回転数通知線(TACH(タコメータ)信号線)より構成される。
【0023】
一方、4線式FANでは、FANの回転数をPWM(パルス巾変調)信号で制御する。この為、4線の内訳としては、3線式FANの線(電源線、接地線、回転数通知線)に加え、PWM信号線より構成される。PWM信号線は、コントローラからファンに対して、回転数を制御するための信号線であり、PMW信号により伝送される。具体的にはデューティ比が大きくなるほどFANの回転数を増大させるように構成すればよい。更にこのデューティ比としては、FANの回転数が低速、中速、高速と3段階になるよう離散的に設定してもよい。
【0024】
これらのFANでは、FANの状態通知方法として、唯一、回転数通知線(TACH信号線)が用意されているが、この情報だけではFANの寿命を推測することが非常に困難である。以下に述べる実施形態は、FANの寿命を推測することができる構成としている。このFANの寿命を推測するためのデータとなる寿命情報について、以下にグリス粘度と温度を例として説明する。
【0025】
本実施形態は、FAN各種状態を監視するセンサ、及び監視コントローラを内蔵したFANを具備し、FAN各種状態を回転数通知線(TACH信号線)に重畳させてシステム側に通知する手段を提供することにより、状態通知用の追加信号線を追加することなく、システム側が、FAN各種状態を常に監視でき、FANが故障する前に予防交換をおこなうことが出来るというメリットを提供する。
【0026】
図2は、冷却ファン制御回路22内のFAN制御・監視回路等200と4線式FAN102とを示す概略ブロック図である。図2において、4線式FAN102は、図1の冷却ファン20に対応するもので、ファン本体と、センサ1(温度)107と、センサ2(温度(+グリス粘度))108と、監視・通知回路109から構成される。なお、このセンサ1(温度)107とセンサ2(温度(+グリス粘度))108と監視・通知回路109とで、図1の温度センサ21の機能を構成している。
【0027】
まず、4線式FAN102は、電源電圧線(Vcc)103、接地線(GND)104、回転数通知線(TACH信号)105、PWM制御信号106により、FAN制御・監視回路等200内のFAN制御・監視回路101に接続される。
【0028】
このFAN制御・監視回路等200内には、FAN制御・監視回路101の他にローパスフィルタ回路111がある。このローパスフィルタ回路111は、回転数通知線105を入力とし、出力はTACH信号(LPF通過後)112として、状態監視回路110とTACHカウント回路113への入力となるように構成されている。
【0029】
サーバ1内の放熱部品や熱に弱い部品の温度上昇に対応して、それらの部品が破損しないように、FAN回転数を制御するため、FAN制御・監視回路101は、PWM制御信号106によりFAN102の回転数を制御する。この制御の基となる測定温度は、それらの部品の周辺に温度センサを設けてもよいが、ここでは上記のセンサ1(温度)107の測定温度を基とするように構成されている。FAN102の回転数は、TACH信号105によりFAN制御・監視回路101に送出される。FAN制御・監視回路101内のTACHカウント回路113は、通常、TACH信号2パルスを受信する期間(1,000RPMで回転するFANの場合、約120ms)のFAN制御・監視回路101の内部クロック(例:100kHz:10us)数をカウントすることで、FAN回転数を割り出し、監視する。
【0030】

なおここまでの構成では、上記のようにFANの回転数は監視できるが、その他、FAN温度、グリス粘度等の情報を取得する手段が無い為、以下の構成を追加する。
【0031】
本実施形態では更に、4線式FAN102の回転数以外の各種状態(温度、グリス粘度等)を監視する手段を以下の方法を用いて提供する。本実施の形態では、ファンの寿命予測のための情報として、ファン本体の温度と、グリスの粘度の、両方もしくは、どちらか一方を利用して、予測を行う。
【0032】
4線式FAN102は、本体である冷却ファン20以外に、ファン本体の周囲温度を測定するためのセンサ1(温度)107と、FAN本体の回転軸等に塗布されたグリス(図示せず)の粘度と、グリス自体の温度をそれぞれ測定するセンサ2(温度(+グリス粘度))108が設けられている。等のFAN各種状態を監視するセンサを具備している。、温度センサ21の機能としてこの107と108のセンサは、同じく4線式FAN102に実装される監視・通知回路109によりその状態が常に監視される。
【0033】
これらファン本体の温度情報、グリス粘度情報の状態は、監視・通知回路109により、FAN制御・監視回路101へと通知される。このとき、この情報は、専用の信号線を通じて通知されるのではなく、TACH信号105に重畳させる形で通知する方式をとる。
【0034】
図3は、TACH信号に寿命情報を重畳するための重畳方法を示す図である。
【0035】
信号のうちでVCC103は、次のGND104との電位差により4線式FAN102に電力を供給するためのものである。
【0036】
PWM106は、30Hzまでの周期の信号で前述のようにデューティ比により後述のTACH信号105の基本周波数(即ち4線式FAN102の回転数)を制御するように構成されている。
【0037】
TACH信号105は、4線式FAN102の回転数を通知する信号であり、例えば1000RPMで回転するFANの場合、TACH信号105の周波数は約60msとなる(60ms=1/1000RPM*60s)。これら温度、グリス粘度の状態は、TACH信号105のパルス列のHigh側信号に重畳させる(High側でもLow側でもよいがローパスフィルタ回路111の出力TACH信号112も対応してそれぞれ立ち上がりまたは立ち下がりを用いることとなる)。なお、温度とグリス粘度の情報の通知は、下記のようにセンサIDを用いて区別される。これら情報は、例えばTACH信号105Aに示すような32bitフォーマットで重畳させる。以下、これら情報を担うフォーマットを[i :j](iは、LSBを表す初めに送出されるビットで、jは、MSBを表す最後に送出されるビットである)記法を先頭に説明する。
【0038】
[7 : 0] スタートビットは、8bitの同期キャラクタで例として、00110101(下位ビットを先に送出しているので、0x“AC”に相当)である。
【0039】
[15 : 8] センサIDは例えば、温度107では1b、グリス粘度108では10bである。
【0040】
[31 :16] データは、これら温度またはグリス粘度を表す数値が入る。
【0041】

このように、TECH信号に重畳される寿命予測に使用するためのデータ列は、調歩同期方式、若しくはキャラクタ同期方式等、専用のクロック源を必要としない同期方式をとる。このたため、デコード側ではスタートビット(調歩同期方式)、若しくは同期用キャラクタコード(キャラクタ同期方式)を検出して、同期をとりデータのデコードを行なう。
【0042】
また、この重畳されるデータ列は、後述するローパスフィルタ回路111で除去可能な十分に高速な周波数で駆動させることを特徴とする(例:100kHz)。
【0043】
これらのデータは、FAN制御・監視回路101に実装される状態監視回路110でデコードされる。状態監視回路110は、TACH信号112(ローパスフィルタ通過後)がHighの状態で、デコードを有効とする。状態監視回路110は先述した同期方式によりデータ列をデコードする。各種センサの状態はセンサIDにより区別され、デコード後の情報は、FAN制御・監視回路101、若しくは周辺回路に実装されるメモリ13などに保存される。
【0044】

TACH信号105は、ローパスフィルタ回路(LPF)111により重畳信号が除去され、TACH信号112のように整形される。ここで、ローパスフィルタ回路111の時定数は、TACH信号105(1000RPM回転FANで約16Hz)を透過させ、重畳信号(約100kHz)を除去可能な時定数を選んで構成する(例:時定数1kHz)。重畳信号で0または1が連続しても余裕がある。この余裕について補足すると、上記センサIDとデータとでMAX23ビット0または1が続いた場合にでもその部分の基本周波数は100k÷23÷2≒2.2kHzであり、時定数1kHzで遮断できる。
【0045】

FAN制御・監視回路101に実装されるTACHカウント回路113は、ローパスフィルタ透過後のTACH信号112を元にFAN回転数を監視する。
【0046】
図4は、実施形態に用いられる冷却ファンの寿命評価を説明するために示す特性図である。横軸はFAN周辺の雰囲気温度を表し、また縦軸はFAN寿命を概念的に表している。なおL10は基本定格寿命であり、信頼度が90%のときの定格寿命と定義されている。図4に示すように、全般的な特性として、ファン温度が高い程、寿命が短い傾向がある。また、図示はしていないが、ファンの寿命は、回転数によっても決まる。例えば、ある冷却ファンを3線式で直流12Vの電圧(FANの回転数で9500RPMに相当)で制御する場合である。なお一般に回転数が下がればどの温度でも寿命は長くなり、例えばこのFANでは4500RPMの場合ならば9500RPMの場合の倍近くの寿命となる。
【0047】
また図5は、実施形態のグリス温度に対するグリスの寿命計算を説明するために示す特性図である。横軸はあるグリスの温度を表し、また縦軸はこのグリスの予測寿命を表している。グリス寿命L50対数グラフである。L50は信頼度が50%のときの定格寿命であり、L10に信頼率ファクターfr=5.00を掛けたものである。なお、グリス寿命の推定には、グリス粘度を用いることもできる。グリス粘度は例えば起動時の摂氏0度程度では非常に高まるなど、温度によって変わる側面もある。但し、図5の温度範囲においては、グリスの粘度は温度への依存度は低く、むしろ寿命により粘度が決まる傾向がある。傾向としては、測定されたグリス粘度が低くなるほど寿命が残り少ない状態であるという単調な関係がある。グリスによる寿命の判断方法としては、温度の観点とグリス粘度の観点から、推定寿命がより少ない方を採用するなどできるよう構成しておけばよい。
【0048】
FAN寿命予測を行う為の仕組みについて図6のフローチャートを用いて説明する。
【0049】
まずCPU11は、図4に示す温度と寿命にとの対応関係、および図5に示すグリスと温度との対応関係を、メモリ13に保持しておく。そして、CPU11は冷却ファン制御回路22のFAN制御・監視回路等200の状態監視回路110経由で、4線式FAN102から、例えば数十分毎など定期的に温度情報を取得する(ステップS71)。そして、CPU11は、そのデータから寿命を計算する(ステップS72)。具体的には、駆動時間の間のファン本体の温度から求められる寿命時間と、グリスの寿命から求められる寿命時間の両方について、積算する。
【0050】
ここで、ファン本体の温度に関係する寿命時間は、駆動時間と、その間の平均温度の積から、どれだけ寿命が消費されたかを足し合わせて算出される。この算出は、図4を用いて例示すれば、摂氏30度の寿命は、8.6万時間であるので、1時間運転されるとまず約8万6千分の1だけ寿命が消費される計算となる。次に摂氏40度で1時間運転されるとこれは約4万3千分の1だけ寿命が消費される計算となる(以下、「ファン消費寿命割合」という)。この2つの数値の合計は、通常は分数としては行わずある精度の小数計算として行うように構成すればよい。
【0051】
またグリスの寿命から求められる寿命時間は、図5を用いて例示すれば、摂氏70度で1時間運転されるとまず約百万分の1だけ寿命が消費される計算となる(以下、「グリス消費寿命割合」という)。次に他の温度でも運転される時間分だけ同様に寿命が消費される計算となる。これらの数値の合計は、図4の場合と同様に通常は分数としては行わずある精度の小数計算として行うように構成すればよい。
【0052】
1からファン消費寿命割合を引いた値をファン残存寿命割合と定義する。また1からグリス消費寿命割合を引いた値をグリス残存寿命割合と定義する。ファンでは図4のグラフにおいて例えば摂氏70度の運転を想定する場合は、対応する基本定格寿命である約5千時間を掛けると残存寿命が算出される。グリスでは図5のグラフにおいて例えば摂氏100度の運転を想定する場合は、対応する基本定格寿命である約2万時間を掛ければ残存寿命が推定される。
【0053】
さてメモリ13などに置かれたこの積算データ100より、基本定格寿命などから導かれたグリス寿命とFAN寿命の残存寿命の短いほうが例えば所定の残り数ヶ月を切っているた場合(ステップS73のyes)、例えばアラーム許可の設定の有無を確認する。ここで、アラーム設定ありであれば(ステップS74のyes)、CRT2において、区別してアラームを出す(ステップS75)。また、ステップS74で、アラームなしの場合(ステップS74のno)は、このアラームは出さずに、CRT2は通常動作に留まる(ステップS76)。
【0054】

以上の本実施形態で構成する方式により、システム側が、FAN各種状態を常に監視でき、FANが故障する前に予防交換をおこなうことが出来るというメリットを提供する。
【0055】
本実施形態は、FAN各種状態を監視するセンサ、及び監視コントローラ(・通知回路)を内蔵したFANを具備し、FAN各種状態を回転数通知線(TACH信号線)に重畳させてシステム側に通知する手段を提供することにより、状態通知用の追加信号線を追加することなく、また、既存のFANコネクタ(3線式、4線式)を用いて、システム側が、FAN各種状態を常に監視でき、FANが故障する前に予防交換をおこなうことが出来るというメリットを提供する。
【0056】

なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0057】
また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係わる構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【符号の説明】
【0058】
1…サーバ、2…CRTディスプレイ、3…キーボード、4…マウス、11…CPU、12…ノースブリッジ、13…主メモリ、14…サウスブリッジ、15…BIOS−ROM、16…磁気ディスク駆動装置(HDD)、17…光磁気ディスク駆動装置(ODD)、18…キーボードコントローラIC(KBC)、19…ネットワークコントローラ、20…冷却ファン、21…温度センサ、22…冷却ファン制御回路、100…積算データ、101 FAN制御・監視回路、102 4線式FAN、103 電源電圧線(Vcc)、104 接地線(GND)、105 回転数通知線(TACH信号)、106 PWM制御信号、107 センサ1(温度)、108 センサ2(グリス粘度)、109 監視・通知回路、110 状態監視回路、111 ローパスフィルタ回路(LPF)、112 TACH信号、113 TACHカウント回路、114 PWM制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
寿命を予測するために必要な寿命情報を収集するセンサと、この前記寿命情報を他の情報のための信号線に重畳して送出する監視・通知手段とを備える冷却ファンと、
前記信号線から前記寿命情報の成分を除くフィルタと、
前記寿命情報に基づいて、冷却ファンの寿命を予測する状態監視手段と
を備える電子機器。
【請求項2】
前記冷却ファンは、回転数を出力するための信号線を有し、
更に前記フィルタの出力を用いて前記冷却ファンの回転数をカウントするTACHカウント手段を備える請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
寿命を予測するために必要な寿命情報を収集するセンサと、
前記寿命情報を他の情報のための信号線に重畳して送出する監視・通知手段とを
備える冷却ファン。
【請求項4】
前記冷却ファンは、回転数を出力するための信号線を有し、
前記監視・通知手段は、前記回転数を出力するための信号線に前記寿命情報を重畳させる請求項3に記載の冷却ファン。
【請求項5】
前記監視・通知手段は、前記回転数を主力するための信号線への前記寿命情報の重畳は、調歩同期方式、若しくはキャラクタ同期方式により重畳させる請求項4に記載の冷却ファン。
【請求項6】
冷却ファンの制御方法であって、
前記冷却ファンに設けられた寿命を予測するために必要な寿命情報を収集するセンサと、
この前記寿命情報を他の情報のための信号線に重畳して送出する通知工程と、
前記信号線から前記寿命情報の成分を除くフィルタ工程と、
前記寿命情報に基づいて、冷却ファンの寿命を予測する状態監視工程とを含む制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−115392(P2013−115392A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263118(P2011−263118)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】