説明

冷却制御システム

【課題】車室内における人の在否を正しく判定することができ、温度が高い車室内に人が置き去りにされて熱中症を引き起こす事故を防止することができる冷却制御システムの提供。
【解決手段】撮像装置4は、車室内の画像を撮像し、撮像した画像に係る画像データを取得部31に与える。判定部32は、取得部31が取得した画像データに基づく画像に人が写っているか否かを解析し、車室内における人の在否を判定する。検出部33は車室内の温度を検出する。判定部32で人が存在すると判定し、かつ検出部33で所定温度を超える温度を検出した場合、指示部34は冷却装置2に車室内を冷却させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好適に車両に搭載され、車室内を冷却する冷却装置を制御する冷却制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日差しが強くて温度が高い場所に停められた車両の室内に、子供が置き去りにされ、熱中症を引き起こし、衰弱死する事例が見られる。温度が高い車室内に、人、特に子供が置き去りにされている場合、車室内を冷却することによって、人が熱中症を引き起こす事故を防止する必要がある。
【0003】
特許文献1には、温度が高い車室内に人が置き去りにされている場合に、人が熱中症を引き起こす事故を防止することができる冷却制御システムが開示されている。この冷却制御システムは、車室内の温度を検出する温度センサと、車室内の座席にかかる重量を検出する重量センサと、車室内を換気することによって車室内を冷却するファンとを備える。
【0004】
温度センサが所定温度を超える温度を検出し、かつ重量センサが所定重量を超える重量を検出した場合に、ファンが作動して車室内が冷却される。これにより、温度が高い車室内に人が置き去りにされている場合、車室内は冷却されるので、車室内に存在する人が熱中症を引き起こすことはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−237623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された冷却制御システムでは、車室内における人の在否は重量センサが所定重量を超える重量を検出したか否かによって判定される。従って、車室内に所定重量を超える荷物が座席に置かれている場合、車室内に人が存在すると誤って判定され、ファンが作動する。このため、無駄な電力が消費される。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車室内における人の在否を正しく判定することができ、温度が高い車室内に、人が置き去りにされて熱中症を引き起こす事故を防止することができる冷却制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る冷却制御システムは、車室内を撮像する撮像装置と、前記車室内を冷却する冷却装置の動作を制御する冷却制御装置とを備える冷却制御システムにおいて、前記冷却制御装置は、前記撮像装置が撮像した画像に人が写っているか否かを解析することによって、前記車室内における人の在否を判定する判定部と、前記車室内の温度を検出する検出部と、前記判定部で人が存在すると判定し、かつ前記検出部で所定温度を超える温度を検出した場合に前記冷却装置に前記車室内の冷却を指示する指示部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、判定部は撮像装置が撮像した画像に人が写っているか否かを解析することによって車室内における人の在否を判定する。これにより、車室内における人の在否が正しく判定される。
また、判定部で人が存在すると判定し、かつ検出部で所定温度、例えば摂氏40度を超える温度を検出した場合、指示部は冷却装置に車室内の冷却を指示して車室内を冷却させる。これにより、温度が高い車室内に、人が置き去りにされて熱中症を引き起こす事故は防止される。
【0010】
本発明に係る冷却制御システムは、前記撮像装置は赤外線カメラであり、前記検出部は、前記撮像装置が撮像した画像に基づいて、前記車室内の温度を検出するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、撮像装置は、赤外線カメラであり、赤外線波長帯で車室内を撮像する。可視光波長帯で車室内を撮像しないため、撮像装置が撮像する画像は車室内の明るさによって変わらず、判定部が人の在否を判定する精度は車室内の明るさによって変わらない。
また、赤外線の強度は赤外線を放射する物体の温度に比例するため、撮像装置が撮像した画像は車室内の温度分布を示す。このため、検出部は撮像装置が撮像した画像に基づいて車室内の温度を検出することが可能である。従って、撮像装置が撮像した画像を用いて、判定部による人の在否の判定と検出部による車室内の温度の検出とが行われる。
【0012】
本発明に係る冷却制御システムは、前記冷却装置はエアーコンディショナーであることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、車室内を換気することによって冷却するファンではなく、エアーコンディショナーが冷却装置として用いられる。このため、車室外と車室内とで温度差がない場合であっても、車室内は確実に冷却される。
【0014】
本発明に係る冷却制御システムは、前記冷却制御装置は、前記判定部で人が存在すると判定し、かつ前記検出部で所定温度を超える温度を検出した場合に、前記車室内の状況の報知を指示する報知信号を送信する送信部を有し、該送信部が送信した報知信号を受信する受信部と、該受信部が報知信号を受信した場合に前記状況を外部に報知する報知部とを有する通信器を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、送信部は、判定部で人が存在すると判定し、かつ検出部で所定温度を超える温度を検出した場合、車室内の状況の報知を指示する報知信号を、電子キー又は携帯電話機等の通信器が有する受信部に送信する。報知部は、受信部が報知信号を受信した場合に、車室内の状況、即ち、温度が所定温度を超える車室内に人が存在する旨を外部に報知する。従って、車両から離れている通信器の所持者に車室内の状況が報知される。
【0016】
本発明に係る冷却制御システムは、前記冷却制御装置は、前記判定部で人が存在すると判定し、かつ前記検出部で所定温度を超える温度を検出した場合に、前記車室内の状況を外部に報知する第2の報知部を有することを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、指示部が冷却装置に車室内の冷却を指示すると共に、第2の報知部が車室内の状況を外部に報知する。これにより、温度の高い車室内に人が存在する旨が外部に報知される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、車室内における人の在否を正しく判定することができ、温度が高い車室内に人が置き去りにされて熱中症を引き起こす事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係る冷却制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】撮像装置の位置及び撮像範囲を説明するための説明図である。
【図3】判定部による画像解析方法を説明するための説明図である。
【図4】冷却制御装置の制御部が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
【図5】通信器の制御部が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、実施の形態に係る冷却制御システムの構成を示すブロック図である。冷却制御システム1は車室内を冷却する冷却装置2の動作を制御する。冷却制御システム1では、車室内における人の在否の判定及び車室内の温度の検出が行われる。冷却制御システム1は、所定温度T1、例えば摂氏40度を超える温度を検出し、かつ車室内に人が存在すると判定した場合、冷却装置2に車室内を冷却させ、車室内の状況、即ち、温度が所定温度T1を超える車室内に人が存在する旨を外部に報知する。
【0021】
冷却装置2は、エアーコンディショナーであり、冷却制御システム1から車室内の冷却を指示する指示信号を受け付けた場合に、車室内を冷却する。冷却装置2は、エアーコンディショナーであるため、車室外と車室内とで温度差がない場合であっても車室内を確実に冷却することができる。
なお、冷却装置2は、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)又は電気自動車等の車両に搭載され、容量の大きいバッテリによって給電されることが好ましい。
【0022】
冷却制御システム1は、冷却制御装置3、撮像装置4及び通信器5を備える。
冷却制御装置3は、冷却装置2及び撮像装置4に接続され、通信器5と無線で通信する。冷却制御装置3は、撮像装置4が撮像した車室内の画像に人が写っているか否かを解析し、解析結果に基づいて車室内に人がいるか否かを判定する。
【0023】
また、冷却制御装置3は、撮像装置4が赤外線波長帯で撮像した車室内の画像から車室内の温度を検出する。冷却制御装置3は、所定温度T1を超える温度を検出し、かつ車室内に人が存在すると判定した場合に冷却装置2に車室内を冷却させ、車室内の状況を外部に報知する。
【0024】
更に、冷却制御装置3は、車室内の状況の報知を指示する報知信号を通信器5に送信し、通信器5に車室内の状況を報知させる。ここで、冷却制御装置3は、通信器5のID(IDentification)を記憶しており、記憶しているIDを含む報知信号を通信器5に送信する。また、冷却制御装置3は、冷却及び報知を停止する停止操作を受け付けた場合、冷却及び報知を停止する。
【0025】
撮像装置4は、酸化バナジウム(VOx)、アモルファスシリコン、SOI(Silicon On Insulator)ダイオード又はサーモパイル等の部材を用いた非冷却型の赤外線撮像素子によって構成される赤外線カメラであり、赤外線波長帯で車室内の画像を撮像する。撮像装置4は、車室内の画像を所定期間毎に撮像し、撮像した画像に係る画像データを冷却制御装置3に与える。赤外線の強度は赤外線を放射する物体の温度に比例するため、撮像装置4が撮像した画像は車室内の温度分布を示す。
【0026】
図2は、撮像装置4の位置及び撮像範囲を説明するための説明図である。図2Aは冷却制御システム1及び冷却装置2を搭載する車両6の内部を部分的に視認することが可能な側面図である。図2Bは車両6の内部を部分的に視認することが可能な平面図である。
【0027】
撮像装置4は車両6の室内前方に配置されたフロントガラス61の上部の中央に配置され、撮像装置4が画像を撮像するためのレンズ41は車室内に向いている。撮像装置4における上下方向の撮像範囲は、図2Aに示すように、前方斜め下方向から後方向までの範囲であり、上下方向の画角は略120度である。更に、撮像装置4における左右方向の撮像範囲は、図2Bが示すように、フロントガラス61の面に沿って直線的に広がっており、左右方向の画角は略180度である。これにより、撮像装置4は、車室内全体を撮像することができる。
【0028】
なお、撮像装置4は車室内全体を撮像できればよく、上下方向及び左右方向夫々の撮像範囲は前述の撮像範囲に限定されない。また、撮像装置4が配置される位置はフロントガラス61の上部の中央に限定されない。
【0029】
通信器5(図1参照)は、電子キー又は携帯電話等の通信器であり、冷却制御装置3が無線で送信したIDを含む報知信号を受信する。通信器5は、受信した報知信号に含まれるIDが、記憶している自身のIDに一致する場合、外部に車室内の状況を報知する。また、通信器5は、報知を停止する停止操作を受け付けた場合、報知を停止する。
【0030】
冷却制御装置3は、制御部30、取得部31、判定部32、検出部33、指示部34、報知部35、送信部36、操作部37及び記憶部38を有する。
制御部30は、バス7を介して、取得部31、判定部32、検出部33、指示部34、報知部35、送信部36、操作部37及び記憶部38夫々に接続され、これらの構成部夫々を制御する。
【0031】
取得部31は、撮像装置4が撮像した画像に係る画像データを撮像装置4から取得し、取得した画像データを判定部32及び検出部33に与える。
【0032】
判定部32は、取得部31から画像データを受け付け、受け付けた画像データに基づく画像に人が写っているか否かを解析する。判定部32は、画像に人が写っていると解析した場合、車室内に人が存在すると判定し、画像に人が写っていないと解析した場合、車室内に人が存在しないと判定する。判定部32は、判定結果を制御部30に通知する。
【0033】
以下、判定部32による画像解析方法を説明する。図3は判定部32による画像解析方法を説明するための説明図である。図3には、撮像装置4が撮像した画像が示されている。図3に示す画像では、画像の左下隅を原点として、左右方向及び上下方向夫々にX軸及びY軸が設定されている。判定部32は所定温度、例えば温度分布全体の平均温度を超える温度領域を求める。図3に示す画像には、所定温度を超える温度領域の一例が示されている。判定部32は、温度領域の輪郭の形状が楕円である場合に人が画像に写っていると解析し、楕円でない場合に人が画像に写っていないと解析する。これにより、判定部32は車室内における人の在否を正しく判定することができる。
【0034】
撮像装置4は、可視光波長帯ではなく、赤外線波長帯で車室内の画像を撮像するため、撮像装置4が撮像した画像は車室内の明るさによって変化しない。従って、判定部32は、車室内の明るさの変動の影響を受けることなく、車室内における人の在否を精度よく判定することができる。
更に、判定部32は、楕円の中心の座標(X1,Y1)を求めることによって、人が写っている位置を算出することができる。
【0035】
検出部33(図1参照)は、取得部31が取得した画像データを受け付け、受け付けた画像データに基づく画像から車室内の温度を検出する。検出部33は、例えば、車室内の画像が示す温度分布から平均温度を算出し、算出した平均温度を車室内の温度として検出する。
撮像装置4に赤外線カメラを用いることによって、撮像装置4が撮像した画像から車室内における人の在否の判定及び車室内の温度の検出を行うことができる。
【0036】
指示部34は、冷却装置2に接続されており、制御部30の指示に従って、冷却装置2に車室内の冷却を指示する冷却信号を与える。冷却装置2は、冷却信号を受け付けた場合に車室内を冷却する。
【0037】
報知部35は、制御部30の指示に従って車室内の状況を報知する。報知部35は、車両6から警告音を発生することによって、車室内の状況を報知する。また、報知部35は、制御部30の指示に従って、報知を停止する。
なお、報知部35による報知方法は警告音の発生に限定されない。報知部35は、クラクションの鳴動又はライトの点灯等の動作によって車室内の状況を報知してもよい。報知部35は特許請求の範囲における第2の報知部に該当する。
【0038】
送信部36は、制御部30の指示に従って、通信器5のIDを含む報知信号を通信器5に送信する。
操作部37は、報知部35による報知、及び、冷却装置2による冷却を停止する停止操作を受け付ける操作ボタンを有する。操作部37は、操作ボタンによって停止操作が行われた場合、停止操作が行われた旨を制御部30に通知する。
記憶部38は、通信器5のIDを記憶しており、記憶しているIDは制御部30によって読み出される。
【0039】
通信器5は、制御部50、受信部51、記憶部52、報知部53及び操作部54を有する。
制御部50は、バス8を介して、受信部51、記憶部52、報知部53及び操作部54に接続され、これらの構成部夫々を制御する。
【0040】
受信部51は、送信部36から報知信号を受信し、受信した報知信号を制御部50に与える。
記憶部52は、通信器5のIDを記憶しており、制御部50によって記憶しているIDが読み出される。
【0041】
報知部53は、制御部50の指示に従って外部に車室内の状況を報知する。報知部53は、通信器5が有する図示しない表示灯を点滅させることによって報知する。また、報知部53は、制御部50の指示に従って、報知を停止する。
なお、報知部53の報知方法は表示灯の点滅に限定されない。報知部53は、例えば通信器5を振動させることによって車室内の状況を報知してもよい。
【0042】
操作部54は、報知部53による報知を停止する停止操作を受け付ける操作ボタンを有する。操作部54は、操作ボタンによって停止操作が行われた場合、停止操作が行われた旨を制御部50に通知する。
【0043】
次に、制御部30が実行する動作の手順を説明する。図4は、冷却制御装置3の制御部30が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
制御部30は、まず、取得部31が撮像装置4から取得した画像データを検出部33に与え、検出部33が所定温度T1以上の温度を検出したか否かを判定する(ステップS31)。制御部30は、所定温度T1以上の温度を検出していないと判定した場合(ステップS31:NO)、ステップS31の動作を繰り返す。
【0044】
制御部30は、所定温度T1以上の温度を検出したと判定した場合(ステップS31:YES)、判定部32に取得部31が取得した画像データを与えて車室内に人が存在するか否かを判定させる(ステップS32)。制御部30は、判定部32が車室内に人が存在しないと判定した場合(ステップS32:NO)、ステップS31の動作を行う。
【0045】
制御部30は、判定部32が車室内に人が存在すると判定した場合(ステップS32:YES)、記憶部38から通信器5のIDを読み出し、送信部36に、読み出したIDを含む報知信号を通信器5の受信部51へ送信させる(ステップS33)。
次に、制御部30は、報知部35に車室内の状況を外部に報知させる(ステップS34)。これにより、冷却制御装置3は、車室内の状況、即ち、温度が所定温度T1を超える車室内に人が存在する旨を車両6の周辺にいる車室外の人に報知することができる。
【0046】
次に、制御部30は、取得部31が取得した画像データを検出部33に与えて、検出部33が所定温度T2、例えば摂氏28度以下の温度を検出したか否かを判定する(ステップS35)。
制御部30は、所定温度T2以下の温度を検出していないと判定した場合(ステップS35:NO)、指示部34に指示して、冷却信号を冷却装置2に与え、冷却装置2に車室内を冷却させる(ステップS36)。これにより、温度が所定温度T1を超える車室内に、人が置き去りにされて熱中症を引き起こす事故を防止することができる。
【0047】
制御部30は、所定温度T2以下の温度を検出したと判定した場合(ステップS35:YES)又はステップS36の動作を実行した後、操作部37が報知及び冷却を停止する停止操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS37)。
【0048】
制御部30は、停止操作を受け付けなかったと判定した場合(ステップS37:NO)、ステップS34を実行し、報知及び冷却を行い続ける。車室内の温度が所定温度T2以下である場合は、制御部30は、報知のみを行う。
制御部30は、停止操作を受け付けたと判定した場合(ステップS37:YES)、動作を終了する。
【0049】
次に、制御部50が実行する動作の手順を説明する。図5は、通信器5の制御部50が実行する動作の手順を示すフローチャートである。制御部50は、まず、受信部51が送信部36から報知信号を受信したか否かを判定する(ステップS51)。制御部50は、報知信号を受信していないと判定した場合(ステップS51:NO)、ステップS51の動作を繰り返す。
【0050】
制御部50は、報知信号を受信したと判定した場合(ステップS51:YES)、記憶部52から通信器5のIDを読み出し、読み出したIDと受信した報知信号に含まれるIDとを照合する(ステップS52)。
次に制御部50は、記憶部52に記憶されているIDと報知信号に含まれるIDとが一致するか否かを判定する(ステップS53)。
【0051】
制御部50は、IDが一致しないと判定した場合(ステップS53:NO)、ステップS51に戻り、受信部51が送信部36から報知信号を受信するまで待機する。
【0052】
制御部50は、IDが一致すると判定した場合(ステップS53:YES)、報知部53に車室内の状況を外部に報知させる(ステップS54)。これにより、車両6から離れている通信器5の所持者に車室内の状況を報知することができる。
【0053】
次に、制御部50は、操作部54が報知部53による報知を停止する停止操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS55)。制御部50は、停止操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS55:NO)、ステップS54に戻り、操作部54が停止操作を受け付けるまで報知部53による報知を繰り返す。
【0054】
制御部50は、停止操作を受け付けたと判定した場合(ステップS55:YES)、動作を終了する。
【0055】
なお、通信器5の数は1つに限定されず、2つ以上であってもよい。また、冷却装置2は、エアーコンディショナーに限定されない。冷却装置2は、車室内を冷却することが可能な装置であればよく、例えばファンであってもよい。
【0056】
また、撮像装置4は1つに限定されない。冷却制御システム1は、複数の箇所夫々に複数の撮像装置4,4,・・・が設けられてもよい。この場合、取得部31には撮像装置4,4,・・・夫々が接続される。
【0057】
また、撮像装置4は、赤外線カメラに限定されない。撮像装置4は、車室内おける人の在否を判定することが可能な装置であればよく、例えば可視光波長帯で画像を撮像する可視カメラであってもよい。この場合、冷却制御システム1は車室内の温度を検知するための温度センサを更に備え、検出部33は、温度センサの検知結果によって車室内の温度を検出する。
【0058】
また、冷却制御システム1は、通信器5を備えていなくてもよい。この場合、冷却制御装置3の制御部30は、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS33を実行しない。
更に、冷却制御装置3は、報知部35を有していなくても良い。この場合、冷却制御装置3は車室内の状況を報知しない。
【0059】
開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0060】
1 冷却制御システム
2 冷却装置
3 冷却制御装置
32 判定部
33 検出部
34 指示部
35 報知部(第2の報知部)
36 送信部
4 撮像装置
5 通信器
51 受信部
53 報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内を撮像する撮像装置と、前記車室内を冷却する冷却装置の動作を制御する冷却制御装置とを備える冷却制御システムにおいて、
前記冷却制御装置は、
前記撮像装置が撮像した画像に人が写っているか否かを解析することによって、前記車室内における人の在否を判定する判定部と、
前記車室内の温度を検出する検出部と、
前記判定部で人が存在すると判定し、かつ前記検出部で所定温度を超える温度を検出した場合に前記冷却装置に前記車室内の冷却を指示する指示部と
を有すること
を特徴とする冷却制御システム。
【請求項2】
前記撮像装置は赤外線カメラであり、
前記検出部は、前記撮像装置が撮像した画像に基づいて、前記車室内の温度を検出するように構成されていること
を特徴とする請求項1に記載の冷却制御システム。
【請求項3】
前記冷却装置はエアーコンディショナーであること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却制御システム。
【請求項4】
前記冷却制御装置は、
前記判定部で人が存在すると判定し、かつ前記検出部で所定温度を超える温度を検出した場合に、前記車室内の状況の報知を指示する報知信号を送信する送信部
を有し、
該送信部が送信した報知信号を受信する受信部と、
該受信部が報知信号を受信した場合に前記状況を外部に報知する報知部と
を有する通信器を備えること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の冷却制御システム。
【請求項5】
前記冷却制御装置は、
前記判定部で人が存在すると判定し、かつ前記検出部で所定温度を超える温度を検出した場合に、前記車室内の状況を外部に報知する第2の報知部
を有すること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の冷却制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−153232(P2012−153232A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13296(P2011−13296)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】