説明

冷却塔の薬剤注入装置

【課題】インバータ方式で水量を調整する開放循環冷却水系のように、負荷の減少に対応して循環水量が減少しても、循環水の検知水位を閾値高さ以上に保つ、若しくは一定方向の水流を形成して冷却塔の正確な運転条件を検知し、以て薬剤注入用ポンプを確実に制御できるようにする冷却塔の薬剤注入装置を提供する。
【解決手段】冷却塔の充填材上に設けられ、底部に開設された散水孔14から冷却すべき循環水を充填材の隙間に流下させる散水板15と、散水板15に供給される循環水を検知する検知器と、該検知器の検知信号により制御される薬剤注入用ポンプを備える冷却塔の薬剤注入装置において、前記検知器26は、散水板15上に供給される循環水の一部を受けて収容する受水槽27と、受水槽27内に収容された循環水の有無を検知して検知信号を出力する検知センサ28並びに該受水槽27に水抜き孔30を備える冷却塔の薬剤注入装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷却塔の薬剤注入装置に関するものであり、特に、冷却塔の循環水にスケール防止剤、防錆剤、スライムコントロール剤等の薬剤を注入する冷却塔の薬剤注入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、産業用や空調用等の開放循環冷却水系では、冷凍機等の熱交換器で熱交換により温度が上昇した水を冷却して循環使用する手段として、冷却塔が広く使用されている。
【0003】
該冷却塔を使用する開放循環冷却水系では、水を循環利用しているため、蒸発による水の濃縮が生じ、スケール障害、腐食障害、スライム障害が発生しやすい。これらの障害を防止するためにスケール防止剤、防錆剤、スライムコントロール剤等の水処理薬剤(以下、「薬剤」という)が冷却水系に添加される。この薬剤添加では、冷却塔の近傍に設置された専用の薬剤注入装置により、冷却塔の下部水槽に薬剤を注入する方式を採用するのが一般的である。
【0004】
これらの薬剤の添加では、常時一定濃度以上を維持しなければ薬剤として十分な効果を発揮しない。それ故、薬剤注入装置による薬剤の注入方法としては、定まった時刻に、もしくは一定の時間経過毎に、一定量の薬剤を注入するタイマ制御方式が採られる場合が多い。
【0005】
しかし、タイマ制御方式で薬剤を注入する場合に、冷却塔の運転状況と関係なくタイマ制御方式で薬剤を注入していると、冷却塔が運転を停止している時にも薬剤を注入する事態が発生し、その場合には、必要な薬剤濃度を超えて過剰に薬剤を注入することとなるが、薬剤の過剰注入は、経済的に無駄であると共に、かえって弊害をもたらすこともある。
【0006】
そのため、薬剤の注入運転としてタイマ制御方式を採用する場合には、薬剤注入用ポンプの運転を、冷却塔の冷却水用循環ポンプの運転状況と連動させるのが望ましい。具体的には、冷却塔の冷却水用循環ポンプが運転状態にある場合には、薬剤注入用ポンプについてタイマ制御方式による制御運転を行い、冷却塔の冷却水用循環ポンプが停止状態にある場合には薬剤注入用ポンプを運転させないというものである。
【0007】
これを実現のため、従来は、冷却塔の運転信号を冷却水用循環ポンプのオン−オフ信号から取り出し、該オン−オフ信号に連動させつつ薬剤注入用ポンプのタイマ制御方式による制御運転を行っていた。
【0008】
しかしながら、一般的に、冷却塔はビルや建家の屋上に設置され、その近傍に薬剤注入用ポンプを備えた薬剤注入装置が配置されている場合が多い。一方、冷却水(以下、「循環水」という)を循環輸送する冷却水用循環ポンプは、中央や地下の機械室に配置されている場合が多い。それ故、冷却水用循環ポンプのオン−オフ信号を薬剤注入用ポンプの制御盤まで送信しようとすると、階数の離れた中央や地下の機械室から屋上まで配線を引くことが必要となり、配線が長くなるとともに、配線途中に障害が現れる場合が多く、多大の費用と手間を要することとなる。
【0009】
このような観点から、従来には、冷却塔の散水板の底部にフロートセンサを取り付け、該フロートセンサによって循環水の水位を検知し、該検知信号により薬剤注入用ポンプの動作を制御する薬剤注入装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
特許文献1に記載される冷却塔の薬剤注入装置は、冷却水用循環ポンプが運転しているときは、散水板上に循環水が溜まりフロートが浮き、冷却水用循環ポンプが停止すると散水板上に循環水が無くなってフロートが落ちる動きをフロートセンサの信号として取り出すもので、冷却水用循環ポンプが運転しているときには薬剤注入用ポンプに所定の制御運転を行わせ、冷却水用循環ポンプが停止したときには薬剤注入用ポンプを運転させないように制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3675180号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来のフロートセンサを使用した薬剤注入装置では、冷却水用循環ポンプが運転しているとき、散水板上において循環水が周囲に水平方向に勢いよく散水されるので、散水板上で循環水は水平方向の速い水流となる。このため、センサのフロートが上下方向スライド自在に保持されているスライド部材に対して横(水平方向)から強く押し付けられて浮き上がらず、しばしば作動不良を発生するという問題点があった。
【0013】
加えて近年では冷却塔について、省資源、省エネルギーの観点から、効率的な運転を追求する傾向が強くなり、負荷に応じて循環水量をインバータ等で調整する方式が採用されることが多くなってきた。このインバータ方式で循環水量を調整する開放循環冷却水系では、負荷が減少してくると負荷の減少に対応して循環水量も減少するので、従来の通常運転時よりも散水板上の水位が低下することになる。
このため、従来のフロートセンサを用いた水位検知方法では、負荷の減少時には水位が閾値高さまで上昇しないので誤った運転状態を検知することとなり、しばしば動作不良を発生するという問題点があった。
【0014】
そこで、散水板上の水流が速くとも、また、インバータ方式で水量を調整する開放循環冷却水系のように、負荷の減少に対応して循環水量が減少しても、センサが動作不良を起こさず冷却塔の正確な運転状態を検知し、以て薬剤注入用ポンプを確実に制御できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、冷却塔の充填材上に設けられ、底部に開設された散水孔から冷却すべき循環水を前記充填材の隙間に流下させる散水板と、該散水板上に供給される前記循環水を検知する検知器と、該検知器の検知信号により制御される薬剤注入用ポンプを備える冷却塔の薬剤注入装置において、前記検知器は、前記散水板上に供給される循環水の一部を受けて収容する受水槽であって、その底部近傍に該受水槽内の水を排出する水抜き孔を有する受水槽と、該受水槽内に収容された前記循環水の有無を検知して前記検知信号を出力する検知センサを備える冷却塔の薬剤注入装置を提供する。
【0016】
この構成によれば、冷却水用循環ポンプが運転されて循環水が散水板上に供給されると、散水板上に供給される循環水の一部は検知器の受水槽に順次収容される。このように循環水の一部が受水槽に収容されるようにしておくと、散水板上では速い水流が発生していても、受水槽内では、横方向の強い水流の発生を防止することができ、フロートセンサの動作不良を防止することができる。また、インバータ方式で冷却水用循環ポンプを駆動しているような場合、負荷の減少に対応して散水板上に供給される循環水の量が減少したとしても、受水槽内に収容される循環水の水位を減らさずにそのまま上昇させて閾値高さ以上に保つことができる。
【0017】
一方、冷却水用循環ポンプの運転が停止すると、検知器の受水槽への循環水の供給が無くなり、受水槽に収容されていた循環水は、水抜き孔から排出されるのみとなり、やがて水位が低下して冷却塔の運転が停止状態にあることの検知が可能となる。したがって、インバータ方式で水量を調整する開放循環冷却水系にも使用することができる。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成において、上記受水槽は、上記水抜き孔の開度を調整する開度調整手段を有する冷却塔の薬剤注入装置を提供する。
【0019】
この構成によれば、例えばインバータ方式により冷却水用循環ポンプを駆動している場合において、冷却水用循環ポンプの負荷が最小の場合でも受水槽に循環水が溜まる様に、あらかじめ水抜き孔の開度を調整しておけば、負荷の減少に対応して循環水の供給量が減少しても、受水槽の水位を閾値高さ以上まで上昇させて必要な水位を保つことができる。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の構成において、上記受水槽は、水位が一定の高さを超えると、収容された上記循環水を該受水槽の特定箇所から外部に流出させて、該受水槽内に一定方向への水流を形成する水放出部を有することを特徴とする冷却塔の薬剤注入装置を提供する。
【0021】
この構成によれば、受水槽に収容された循環水の水位が一定の高さを超えると、受水槽内の循環水が水放出部を通して受水槽外に流れ出て、受水槽内に一定方向のゆるやかな水流を形成するので、水流を検知するセンサを用いても冷却塔の運転状況を検知することができる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の構成において、上記検知センサは、上記水槽内の水位と共に上下運動するフロートを備え、該フロートの動きを信号として取り出すフロートセンサである冷却塔の薬剤注入装置を提供する。
【0023】
この構成によれば、冷却水用循環ポンプが運転されて、水槽内に溜まる循環水が一定の水位になるとフロートセンサのフロートを浮上させ、例えばリードスイッチをオンからオフ(またはオフからオン)にしてフロートの動きを検知信号として取り出し、この検知信号をもって冷却塔の運転状態を判定することができる。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項1,2または3記載の構成において、上記検知センサは、上記水槽内の水位を電気抵抗値で測定する1対の電極を有し、該1対の電極で検出された測定値を信号として取り出す電極式センサである冷却塔の薬剤注入装置を提供する。
【0025】
この構成によれば、冷却水用循環ポンプが運転されて、水槽内に溜まる循環水が一定の水位になると電極式センサの1対の電極間が導通されて電気抵抗値が変化し、ここで得られた測定値を検知信号として取り出し、この検知信号をもって冷却塔の運転状態を判定することができる。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項3記載の構成において、上記検知センサは、オン・オフ切り換え可能なスイッチと、該スイッチのオン・オフ切り換えを制御するアクチュエータを備え、該アクチュエータの下端部を上記循環水の水流内に浸漬して水流方向回動自在に取り付けてなる冷却塔の薬剤注入装置を提供する。
【0027】
この構成によれば、冷却水用循環ポンプが運転されて、循環水のゆるやかな流れが受水槽内に形成されると、該循環水の流れによりアクチュエータが水流方向に回動されてスイッチをオンからオフ、または、オフからオンに切り換え、この検知信号をもって冷却塔の運転状態を判定することができる。
【0028】
請求項7記載の発明は、請求項3記載の構成において、上記検知センサは、前記循環水の水流内に先端部を順次浸漬させて回転する複数の羽根を有した水車と、該水車と一体に回転して電力を生成する発電機を備える冷却塔の薬剤注入装置を提供する。
【0029】
この構成によれば、冷却水用循環ポンプが運転されて、循環水のゆるやかな流れが受水槽内に形成されると、該循環水の流れにより水車が回転すると同時に発電機から電力が検知信号として生成される。したがって、この発電機から出力される検知信号(電力)をもって冷却塔の運転状態を判定することができる。
【発明の効果】
【0030】
請求項1記載の発明は、冷却水用循環ポンプが運転されて循環水が散水板上に供給されると、散水板上に供給される循環水の一部は検知器の受水槽に順次収容される。このように循環水の一部が受水槽に収容されるようにしておくと、散水板上では速い水流が発生していても、受水槽内では、横方向の強い水流の発生を防止することができ、フロートセンサの動作不良を防止することができる。また、インバータ方式で冷却水用循環ポンプを駆動しているような場合、負荷の減少に対応して散水板上に供給される循環水の量が減少したとしても、受水槽内に収容される循環水の水位を減らさずにそのまま上昇させて閾値高さ以上に保つことができる。
【0031】
一方、冷却水用循環ポンプの運転が停止すると、検知器の受水槽への循環水の供給が無くなり、受水槽に収容されていた循環水は、水抜き孔から排出されるのみとなり、やがて水位が低下して冷却塔の運転が停止状態にあることの検知が可能となる。したがって、インバータ方式で水量を調整する開放循環冷却水系にも使用することができる。
【0032】
請求項2記載の発明は、インバータ方式により冷却水用循環ポンプを駆動している場合において、冷却水用循環ポンプの負荷が最小の場合でも受水槽に循環水が溜まる様に、あらかじめ水抜き孔の開度を調整しておけば、負荷の減少に対応して循環水の供給量が減少しても、受水槽の水位を閾値高さ以上まで上昇させて必要な水位を保つことができるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、冷却塔のより正確な運転状態の判定と、薬剤注入用ポンプの駆動・停止をより確実に行うことができ、さらに信頼性が向上するという効果が期待できる。
【0033】
請求項3記載の発明は、一定方向への水流を形成する水放出部を有すると、受水槽内の循環水は特定の水放出部からのみ排水され、一定方向の水流を確実に形成することができるので、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、水流を検知するセンサを用いても冷却塔の運転状態を検知することができる。
【0034】
請求項3までに記載の発明により、受水槽内の循環水の有無を検知できる種々方式のセンサに対しても本発明の適用が可能となる。
【0035】
例えば、受水槽内の循環水の有無を検知できるセンサとして、請求項4〜7に記載の各種センサを挙げることができる。
【0036】
請求項4及び5に記載の水位を検知する方式のセンサは、請求項1及び2に記載の発明に用いるのが好適であり、請求項6及び7に記載の水流を検知する方式のセンサは、請求
項3に記載の発明に用いるのが好適である。
【0037】
これら請求項4〜7に記載したセンサを使用することで、より信頼性を高めて受水槽内の循環水の有無を検知することができ、冷却水用循環ポンプの運転状態をより正確に判定できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態として示す冷却塔の平面図。
【図2】同上冷却塔を図1のA−A線に沿って断面して示す概略全体構成図。
【図3】同上冷却塔における検知器の要部拡大断面図。
【図4】図3に示す同上検知器の斜視図。
【図5】同上冷却塔の検知器で使用する検知センサの別の実施例を示す斜視図。
【図6】同上冷却塔における検知器の別の実施例を示す斜視図。
【図7】同上冷却塔の検知器で使用する水流検知式検知センサの実施例を一部破断して示す斜視図。
【図8】図7のB−B線矢視断面図
【図9】同上冷却塔の検知器で使用する水流検知式検知センサの別の実施例を示す斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明は、冷却塔の充填材上に設けられ、底部に開設された散水孔から冷却すべき循環水を前記充填材の隙間に流下させる散水板と、該散水板上に供給された前記循環水を検知する検知器と、該検知器の検知信号により制御される薬剤注入用ポンプを備える冷却塔の薬剤注入装置において、前記検知器は、前記散水板上に供給された前循環水の一部を受けて収容する受水槽であって、その底部近傍に該受水槽内の水を排出する水抜き孔を有する受水槽と、該受水槽内に収容された前記循環水の水位若しくは水流を検知して前記検知信号を出力する検知センサを備えることにより実現した。
【実施例】
【0040】
以下、本発明の冷却塔の薬剤注入装置について、好適な実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、実施形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ番号を付している。
【0041】
図1及び図2において、冷却塔10は、左右の2方向から中央のエア室11に外気を吸い込む冷却塔であり、通常はビル等の建物の屋上に冷却水の循環供給用として設けられている。該エア室11は、上下方向に延び、上部には排気口12を設け、該排気口12に排風機13が取り付けられている。該排気口12の左右両側には、底部に多数の散水孔14,14…を有する皿状の散水板15,15が設けてあり、各散水板15,15の下側には、充填材16が配置してある。また、該充填材16の外側には外気の取入口としてルーバー17が設けてある。
【0042】
前記各散水板15,15は、ガラス繊維強化ポリエステル製であり、上部貯水槽を兼ね、前後中央部には冷却水用循環ポンプPで揚水される循環水を供給する循環ライン18の給水口18aが配設されている。該循環ライン18の給水口18aは上側を向いて開口されており、また、給水口18aの真上には、該給水口18aから噴き出る循環水を受けて下側に向ける概略皿状をした水受板25が、図2に示すように逆さで、かつ、水平状態にして配設されている。さらに、該水受板25の下側の散水板15,15上の位置には、該水受板25と一部が上下で重なるようにして後述する検知器26の受水槽27が配設されている。なお、検知器26は、各散水板15,15の何れか一方にだけ設けられる場合もある。
【0043】
そして、冷凍機19で加温された循環水は、冷却水用循環ポンプPで循環ライン18に送水され、循環ライン18に設けられている給水口18a,18aから水受板25,25に向かって噴き出されて、これが該水受板25,25に当たって水平方向に拡がり、一部は検知器26の受水槽27内に落下・収容されるとともに、残りは全て散水板15,15上に落下して水平方向に拡がる。
【0044】
該散水板15,15上で拡がった循環水は、該散水板15,15から散水孔14,14…を通って充填材16,16上に散水され、その後、該充填材16,16の隙間を流下して、冷却塔10の下部に設けた下部水槽20に集められる。
【0045】
一方、エア室11の上部の排気口12に設けてある排風機13を運転すると、外気はルーバー17から充填材16の隙間を横切ってエア室11に流入し、該エア室11を上昇して排気口12から排出される。
【0046】
このように冷却塔10では、充填材16の隙間を横切る外気と該充填材16の隙間を流下する循環水が直交状態で接触することによって、循環水の一部が蒸発しその気化熱により循環水が冷却されることになる。そして、冷却された循環水は下部水槽20に集まり、該下部水槽20から冷凍機19に供給されて冷却を行う。また、冷却を行うことにより加温された循環水は再び冷却塔10の散水板15,15に供給されて循環する。
【0047】
なお、冷却塔10の運転中、給水口18a,18aから水受板25,25に向かって噴き出て、該水受板25,25に当たって検知器26の受水槽27内に落下・収容された循環水は、後述するようにして検知器26に設けられている検知センサ28により検出される。
【0048】
一方、冷却塔10の運転が停止して循環水が循環しなくなると、給水口18aからの循環水の供給が停止し、散水板15,15上に溜っていた循環水は散水孔14,14…を通って充填材16に流れ落ちて水位が消滅する。
【0049】
ここで、通常の場合、冷却塔10を設置した建物の屋上には、該冷却塔10の傍に、薬剤タンク21と、該薬剤タンク21中の薬剤(スケール防止剤、防錆剤、スライムコントロール剤等)を下部水槽20内に注入する薬剤注入ポンプ22と、給液管23からなる薬剤注入装置24が設けてある。
【0050】
該薬剤注入装置24は、冷却塔10の運転中、薬剤注入ポンプ22の動作を制御するものであり、本実施例では給水口18a,18aから水受板25,25に向かって噴き出され、該水受板25,25に当たって検知器26の受水槽27内に落下・収容された循環水を利用して薬剤注入ポンプ22の駆動を制御するようにしている。
【0051】
図3及び図4は検知器26の一実施例をより詳細に示すもので、図3は検知器26の要部拡大断面図、図4は検知器26の斜視図である。図3及び図4において、検知器26は、前記受水槽27と該受水槽27内に落下・収容された循環水から冷却塔10の運転状態を判定する検知センサ28とにより構成されている。
【0052】
前記受水槽27は、上面が開口された概略長四角形の箱体であり、前側壁27aには、底壁27cと近い位置に水抜き孔30が設けられている。また、該水抜き孔30には、該水抜き孔30から排水される水量を調整可能な開度調整手段としてのボールバルブ32を途中に設けてなる排水管33が取り付けられている。このボールバルブ32は、冷却水用循環ポンプが停止した時に、受水槽27の中でフロートセンサ35が浮いたままになることを防止する為、受水槽27から循環水を排水するように常時「開」となっている。
【0053】
ただし、ボールバルブ32の開度は、インバータ方式により冷却水用循環ポンプPを駆動している場合において、冷却水用循環ポンプPの負荷が最小の場合でも受水槽27に循環水が溜まる様にあらかじめ調整されており、負荷の減少に対応して循環水の供給量が減少しても、受水槽27の水位を閾値高さ以上まで上昇させて必要な水位を保つことができる。
【0054】
そして、前記受水槽27は、後側壁27b側の一部が前記水受板25の真下に位置するようにして散水板15上に配置されており、冷却塔10の運転により、給水口18aから噴き出されて水受板25に当たって落下する循環水の一部を受けて収容することができるようになっている。
【0055】
前記検知センサ28は、フロート式の検知センサであり、センサ保持フレーム34とフロートセンサ35とより構成されている。センサ保持フレーム34は、断面略下向きコ字形に形成されており、受水槽27の上面に跨り、かつ、左右両側に設けられている取付片34a,34aが該受水槽27の上面に設けられている左右の取付片27d,27dにそれぞれボルト・ナット36を介して取り付けられている。また、センサ保持フレーム34の上面には筒体取付用長孔37が設けられている。
【0056】
前記フロートセンサ35は、筒体取付用長孔37を貫通して上部を上下2つの固定金具38a,38bでセンサ保持フレーム34に固定し、該センサ保持フレーム34に上面から真っ直ぐ下側に向かって垂れ下げられた状態にして取り付けられている筒体39と、該筒体39の外周に上下方向摺動自在に嵌合されたフロート40とを備えてなる。また、該筒体39の下端部には、フロート40の下方への移動を規制するストッパ41が取り付けられている。さらに、該筒体39にはリードスイッチが内蔵され、フロート40には永久磁石が内蔵されている。
【0057】
このように構成されたフロートセンサ35は、フロート40が受水槽27内の水中に浸漬する状態にしてセンサ保持フレーム34に取り付けられている。そして、受水槽27内の水位が上がるとフロート40が浮上し、閾値まで浮上すると筒体39内のリードスイッチがONとなり、水位が閾値以下まで減少してフロート40が下降するとリードスイッチがOFFとなるように構成されている。
【0058】
したがって、冷却塔10の運転が開始されると循環水は、循環ライン18の給水口18aから噴き出されて水受板25に当たって受水槽27内に落下し循環水は受水槽27内に溜まる。これによって受水槽27内の水位が増えるとフロート40が浮上を開始し、また閾値まで浮上すると筒体39内のリードスイッチがONとなる。逆に、冷却塔10の運転が停止されると、冷却水用循環ポンプPも運転を停止し、受水槽27への循環水の供給が止まると、受水槽27内からボールバルブ32を介して排水から循環水が排出されるのみとなり、やがて受水槽27内の循環水は無くなる。これにより、フロート40が下降してリードスイッチがOFFとなる。したがって、薬剤注入装置24では、このフロートセンサ35からの検知信号を使用して冷却塔10の運転状態を判定し、該薬剤注入装置24の薬剤注入ポンプ22の駆動を目的通りに制御することが可能となる。
【0059】
そして、この検知器26のように、循環水の一部を受水槽27に溜め、受水槽27内の水位から検知信号を得るようにしておくと、例えばインバータ方式により冷却水用循環ポンプPを駆動しているような場合、ボールバルブ32の開度が、冷却水用循環ポンプPの負荷が最小の場合でも受水槽27に循環水が溜まる様にあらかじめ調整されているので、負荷の減少に対応して散水板15上に供給される循環水の量が減少しても、受水槽27内に収容される循環水の水位は減らずにそのまま上昇させて閾値高さ以上に保つことができ
る。したがって、インバータ方式で水量を調整する開放循環冷却水系において顕著な効果が得られる。
【0060】
図5は、検知器26で使用される検知センサ28の他の実施例を示す。この検知センサ28は、電極式水位検知センサであり、一対の電極41,42を有するセンサ部43と、該センサ部43を固定する固定部44と、該固定部44に取り付けられ、かつ、前記センサ部43を内部スペース47に収納してなるカバー45とを備える。
【0061】
さらに詳述すると、前記センサ部43は、電気抵抗値測定用の第1電極41と第2電極42が互いに離間して設置されている。第1電極41は導線41aを介して、第2電極42は導線42aを介して、それぞれ図示していない制御装置内の回路に接続されている。なお、各導線41a,42aは、シール材46により被覆されて絶縁・防水されている。
【0062】
前記固定部44は、センサ部43を固定するとともに、導線41a,42とセンサ部43の接続部を内部に配置させて該接続部の防水を確保する。
【0063】
前記カバー45は、一端が開放した筒状で固定部44に取り付けられるとともに外部環境と連通する内部スペース47にセンサ部43を収納してなる。また、内部スペース47に連通する先端部の孔(内部スペース47の先端開口)の他に、カバー45の側壁に複数個の孔48,48…が穿設されている。なお、カバー45に穿設された複数の孔48,48…は確実に循環水の水位を感知し、カバー45内に残存して排出されなかった循環水による誤検知を低減する。
【0064】
このように構成してなる電極式水位検知センサとして形成された検知センサ28は、検知器26の受水槽27内の底面(底壁27d)に横たえられた状態にして配置される。そして、冷却塔10が停止して受水槽27内の循環水が無くなり、検知センサ28のセンサ部43が循環水に浸かっていないとき、第1、第2電極41,42間は通電することがないので電気抵抗値は無限大を示す。他方、冷却塔10が駆動されて受水槽27内に循環水が溜まって水位が発生・上昇すると、第1、第2電極41,42が循環水を介して通電し、電気抵抗値が無限大から循環水の電気抵抗値に変化し、該循環水の存在、すなわち冷却塔10の運転を検知できることとなる。したがって、検知センサ28での検知信号から冷却塔10の運転状態を判定し、薬剤注入装置24を制御する信号として使用することができる。
【0065】
図6〜図8は検知器26のさらに他の実施例を示すもので、図6は検知器26の別の実施例を示す斜視図である。図6において、検知器26は、前記受水槽27と該受水槽27内に落下・収容された循環水から冷却塔10の運転状態を判定する検知センサ28とにより構成されている。
【0066】
前記受水槽27は、上面が開口された概略長四角形の箱体であり、前後の側壁27a,27bのうち、前側壁27aには上端部から下端部に向かってV字状に切欠されてなる水放出部29と、底壁27cと近い位置に形成してなる水抜き孔30が設けられている。ただし、水放出部29を設ける方法としては、前側壁27aに上端部から下端部に向かってV字状に切欠く手段の他に、前側壁27aの高さを、他の側壁27b、27cよりも低くすることも可能である。
【0067】
また、該水抜き孔30には、該水抜き孔30から排水される水量を調整可能な開度調整手段としてのボールバルブ32を途中に設けてなる排水管33が取り付けられている。このボールバルブ32は、冷却水用循環ポンプが停止した時に受水槽27から循環水を排水するように常時「開」となっている。
【0068】
ただし、ボールバルブ32の開度は、インバータ方式により冷却水用循環ポンプPを駆動している場合において、冷却水用循環ポンプPの負荷が最小の場合でも受水槽27に循環水が溜まる様にあらかじめ調整されており、負荷の減少に対応して循環水の供給量が減少しても、受水槽27の水位を閾値高さ以上まで上昇させて必要な水位を保つことができる。
【0069】
そして、前記受水槽27は、後側壁27b側の一部が前記水受板25の真下に位置するようにして散水板15上に配置されており、冷却塔10の運転により、給水口18aから噴き出されて水受板25に当たって落下する循環水の一部を受けて収容することができるようになっている。また、受水槽27内の水位が水放出部29の位置まで上がると、それ以上の循環水は水放出部29を通して受水槽27の外側に流出され、この流出によって受水槽27内に一定方向の水流31が形成される。
【0070】
前記検知センサ28は、前記受水槽27内に形成される水流31を使用して冷却塔10の運転の有無を検知する水流検知式の検知センサであり、図6〜図8に示すようにセンサ保持フレーム50と該センサ保持フレーム50に取り付けられたリードスイッチ49と、中間部分が該リードスイッチ49に支持アーム53及び枢軸51を介して回動自在に取り付けられているアクチュエータ52等により構成されている。なお、該センサ保持フレーム50は、断面略下向きコ字形に形成されており、受水槽27の上面に跨り、かつ、左右両側に設けられている取付片34a,34aが該受水槽27の上面に設けられている左右の取付片27d,27dにそれぞれボルト・ナット36を介して取り付けられている。
【0071】
さらに詳述すると、前記検知センサ28の前記リードスイッチ49は、図6〜図8に示すように受水槽27の取付片27d上にボルト・ナット36で固定されたセンサ保持フレーム50に取り付けられている。なお、センサ保持フレーム50の前後面は開口している。一方、アクチュエータ52は、枢軸51を支点としてセンサ保持フレーム50の前後開口方向に回動可能に取り付けられており、上端部には永久磁石54が設けられ、下端部にはパドル板55が取り付けられている。なお、該アクチュエータ52は、枢軸51を境に上側部分より下側部分の方が重くなるようにして、重心を下側部分に設定しており、下側部分が常に下側となるようにして振り子状に回動する。
【0072】
このように構成された検知センサ28は、該アクチュエータ52の永久磁石54がリードスイッチ49と対応し、かつ、パドル板55が前記水流31とほぼ直角に交差するようにして、該パドル板55の一部を水中に浸漬した状態で受水槽27上に取り付けられている。
【0073】
そして、検知センサ28は、冷却塔10の運転が停止し、受水槽27内に循環水が供給されないで水流が発生していないとき、アクチュエータ52が図7及び図8に実線で示すようにリードスイッチ49とほぼ平行に垂下し、永久磁石54が該リードスイッチ49に接近した状態で保持されている。これにより、該リードスイッチ49は永久磁石54の磁気吸引力を受けてオン(図8に点線で示す状態)となりその状態が保持される。
【0074】
一方、冷却塔10の運転が開始されて、循環ライン18の給水口18aから循環水が供給され、水位が受水槽27の閾値を越えて外部に流出し、受水槽27内に水流31が作られると、パドル板55が該水流31の流力を連続して受ける。これにより、アクチュエータ52が図8に二点鎖線で示すように水流31方向に回転し、永久磁石54がリードスイッチ49から大きく離れる。また、このアクチュエータ52の回転によりリードスイッチ49に対する永久磁石54の磁気吸引力が弱まると、リードスイッチ片の弾性力により接点が復旧して回路が開き、該リードスイッチ49はオンからオフ(図8に二点鎖線で示す)の状態に切り換えられる。
【0075】
また、薬剤注入装置24では、リードスイッチ49がオンの時(冷却塔10の運転停止時)には、薬剤注入装置24の制御盤(図示せず)において薬剤注入ポンプ22が運転しないように電気的回路(例えばインターロック)を形成する。反対に、リードスイッチ49がオフの時(冷却塔10の運転時)には、薬剤注入装置24の制御盤(図示せず)において薬剤注入ポンプ22が所定のタイマ方式による制御運転を行うように電気的回路を形成する。
【0076】
なお、リードスイッチ49は、冷却塔10の運転停止時(永久磁石54がリードスイッチ49に接近した時)にオフ、冷却塔の運転時(永久磁石54がリードスイッチ49から離れた時)にオン、となるように切り換わるタイプのリードスイッチを使用する、あるいは永久磁石54とリードスイッチ49の位置関係を変更することも可能である。
【0077】
したがって、図6〜図8に示す水流検知式の検知センサ28を使用した薬剤注入装置24では、受水槽27内に生成される一定方向の水流31を検知センサ28が検知し、この検知信号により薬剤注入ポンプ22の駆動を目的通りに制御することが可能となる。
【0078】
図9は水流検知式の検知センサ28の他の実施例を示す概略構成斜視図である。ここでの検知センサ28も、図7及び図8に示した検知センサと同様に、前記受水槽27内に形成される前記水流31を使用して冷却塔10の運転の有無を検知するものである。該検知センサ28は、受水槽27の取付片27d上にボルト・ナット36で固定されている前後1対のセンサ保持フレーム56,56と、該1対のセンサ保持フレーム56,56により回転可能に支持されている回転軸57と、外周面に複数個(本実施例では8個)の羽根58a,58a…を等間隔に設けて該回転軸57上に一体回転可能に取り付けられている水車58と、該回転軸57と一体に回転する回転子(図示せず)を有してセンサ保持フレーム56,56に取り付けられている発電機59と、該発電機59で生成される電流の電圧を安定化するための電圧安定器60と、該電圧安定器60で安定化された後の電力を蓄える充電池61と、該発電機59から発生する電流を検知して水流31の有無の信号を出力する発電判別回路62を備えている。
【0079】
なお、ここでの検知センサ28は、水車58の羽根58aが前記水流31とほぼ直角に交差する状態にして、該羽根58aの一部を水中に浸漬した状態で受水槽27上に取り付けられている。
【0080】
そして、検知センサ28は、冷却塔10の運転が停止し、受水槽27内に循環水が供給されないで水流31が発生していないとき、水車58は回転軸57及び発電機59と共に停止し、発電機59からの電流発生も停止している。この電流停止状態は発電判別回路62より出力される検知信号から判定され、この信号が薬剤注入装置24に送られる。これにより、薬剤注入装置24では、電源と薬剤注入ポンプ22のモータの間の電気接続を断って該薬剤注入ポンプ22を停止する。
【0081】
一方、冷却塔10の運転が開始されて、循環ライン18の給水口18aから循環水が供給され、水位が受水槽27の閾値を越えて外部に流出し、この流出により受水槽27内に水流31が作られると、水車58の羽根58aが水流31の流力を連続して受け、該水車58と回転軸57と発電機59の回転子が一体に連続回転して発電機59から電流が発生する。この電流の発生は、発電判別回路62で検知され、この信号が薬剤注入装置24に送られる。これにより、薬剤注入装置24では、電源と薬剤注入ポンプ22のモータとの間の電気接続を図り、該薬剤注入ポンプ22を駆動する。
【0082】
したがって、図9に示す水流検知式の検知センサ28を使用した薬剤注入装置24でも、受水槽27内に生成される一定方向の水流31を検知センサ28が検知し、この検知信号により薬剤注入ポンプ22の駆動を目的通りに制御することが可能となる。
【0083】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明はビル等の建物の屋上に冷却水の循環供給用として設けられている冷却塔に適用した場合について説明したが、建物の屋上以外に設置される冷却塔の薬剤注入装置にも応用できる。
【符号の説明】
【0085】
10 冷却塔
14 散水孔
15 散水板
18 循環ライン
18a 給水口
19 冷凍機
24 薬剤注入装置
25 水受板
26 検知器
27 受水槽
28 検知センサ
29 水放出部
30 水抜き孔
31 水流
32 ボールバルブ(開度調整手段)
33 排水管
35 フロートセンサ
36 ボルト・ナット
37 筒体取付用長孔
38a,38b 固定金具
39 筒体
40 フロート
41 第1電極
42 第2電極
43 センサ部
49 リードスイッチ
52 アクチュエータ
54 永久磁石
55 パドル板
58 水車
58a 羽根
59 発電機
60 電圧安定器
61 充電池
62 発電判別回路
P 冷却水用循環ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却塔の充填材上に設けられ、底部に開設された散水孔から冷却すべき循環水を前記充填材の隙間に流下させる散水板と、該散水板上に供給される前記循環水を検知する検知器と、該検知器の検知信号により制御される薬剤注入用ポンプを備える冷却塔の薬剤注入装置において、
前記検知器は、前記散水板上に供給される前循環水の一部を受けて収容する受水槽であって、その底部近傍に該受水槽内の水を排出する水抜き孔を有する受水槽と、該受水槽内に収容された前記循環水の有無を検知して前記検知信号を出力する検知センサを備えることを特徴とする冷却塔の薬剤注入装置。
【請求項2】
上記受水槽は、上記水抜き孔の開度を調整する開度調整手段を有することを特徴とする請求項1記載の冷却塔の薬剤注入装置。
【請求項3】
上記受水槽は、水位が一定の高さを超えると、収容された上記循環水を該受水槽の特定箇所から外部に流出させて、該受水槽内に一定方向への水流を形成する水放出部を有することを特徴とする請求項1または2記載の冷却塔の薬剤注入装置。
【請求項4】
上記検知センサは、上記水槽内の水位と共に上下運動するフロートを備え、該フロートの動きを信号として取り出すフロートセンサであることを特徴とする請求項1,2または3記載の冷却塔の薬剤注入装置。
【請求項5】
上記検知センサは、上記水槽内の水位を電気抵抗値で測定する1対の電極を有し、該1対の電極で検出された測定値を信号として取り出す電極式センサであることを特徴とする請求項1,2または3記載の冷却塔の薬剤注入装置。
【請求項6】
上記検知センサは、オン・オフ切り換え可能なスイッチと、該スイッチのオン・オフ切り換えを制御するアクチュエータを備え、該アクチュエータの下端部を上記循環水の水流内に浸漬して水流方向回動自在に取り付けてなることを特徴とする請求項3記載の冷却塔の薬剤注入装置。
【請求項7】
上記検知センサは、前記循環水の水流内に先端部を順次浸漬させて回転する複数の羽根を有した水車と、該水車と一体に回転して電力を生成する発電機を備えることを特徴とする請求項3記載の冷却塔の薬剤注入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−202827(P2011−202827A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68525(P2010−68525)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000101042)アクアス株式会社 (66)