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冷却機の殺菌方法
説明

冷却機の殺菌方法

【課題】冷風冷却機能を備えた冷却機において、冷却室内の冷却用熱交換器に対する殺菌機能を大幅に向上さる殺菌方法を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る複合冷却機1は、被冷却物を格納する冷却室5と、被冷却物を冷風冷却する冷風冷却部10と、被冷却物を真空冷却する真空冷却部20と、冷風冷却部10の冷却用熱交換器11を高温処理により殺菌するための温水を噴射する温水噴射部30と、複合冷却機1全体の制御を行う制御部50とを備えている。殺菌処理時には、まずポンプダウン運転を行った(S11)後に、温水噴射部30から温水を冷却用熱交換器11に噴射し(S12)、高温処理により殺菌処理を行う。温水噴射中も、冷却用熱交換器11内が所定の圧力以上にならないように監視し(S13)、所定の圧力以上になると、再度ポンプダウン運転を行う(S14)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷風冷却装置を備えた冷却機に関し、特に、冷却機の冷却室内に設置された冷風冷却用熱交換器を殺菌する殺菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
庫内の食品等に直接冷風を吹き付けて冷却する冷風冷却機が従来から広く提供されている。また、冷風冷却機能と共に、冷却庫内を真空ポンプで減圧することで、食品等の内部に含まれている水分を蒸発させ、その際の気化熱で冷却する真空冷却機能を備えた冷風真空複合冷却機も提供されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、被冷却物を冷風冷却と真空冷却とによって冷却可能な複合冷却装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−240137号公報
【0004】
ところで、冷風冷却に必要な庫内の冷却用熱交換器には汚れが付着するので、定期的な洗浄が不可欠である。上記特許文献1に開示された複合冷却装置では、洗浄時に冷却用熱交換器を露出させた状態にできるように構成し、洗浄ガンで洗浄液を直接冷却用熱交換器に吹き付けて洗浄を行っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、冷却用熱交換器には、糸状菌、細菌、ウイルスなどの微生物が付着することもあるため、衛生上、これらを除去したり死滅させたりする必要がある。ところが、従来は、冷却用熱交換器の殺菌等についてあまり考慮されておらず、人の手で通常の洗浄が行われていただけであった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、冷風冷却機能を備えた冷却機において、冷却室の冷却用熱交換器に対する殺菌機能を大幅に向上させた殺菌方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る冷却機の殺菌方法は、冷風冷却機能を有する冷却機の冷却室内に設置された冷却用熱交換器を殺菌する冷却機の殺菌方法において、前記冷却室内に設置された前記冷却用熱交換器の表面を加温する加温工程を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る冷却機は、冷却室内を冷風冷却機能により冷却する冷却機において、冷却室内に設置された冷却用熱交換器と、冷却室外に設置された凝縮装置と、前記冷却用熱交換器と前記凝縮装置とを接続する冷媒配管とを有する冷風冷却部と、前記冷却用熱交換器の表面を加温する加温装置と、前記冷風冷却部及び前記加温装置を制御する制御手段であって、前記冷却用熱交換器の表面を殺菌するために、前記加温装置を作動させるように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る冷却機の殺菌方法によれば、冷却室内に設置された冷却用熱交換器の殺菌機能を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る複合冷却機の構成を概略的に示す図である。本実施形態に係る複合冷却機1は、冷風冷却機能と真空冷却機能を備えた複合冷却機であり、図1に示すように、被冷却物を格納する冷却室5と、被冷却物を冷風冷却するための冷風冷却部10と、被冷却物を真空冷却するための真空冷却部20と、冷風冷却部10の冷却用熱交換器11を高温処理により殺菌するための温水を噴射する温水噴射部30と、冷却室5内を復圧する復圧部40と、複合冷却機1全体の制御を行う制御部50と、を備えている。
【0011】
冷却室5には、室内の温度を測定するための温度センサ6、室内の圧力を測定するための圧力センサ7が設置されており、これらの出力は、制御部50へと送られる。
【0012】
冷風冷却部10は、冷却用熱交換器11、ファン12、駆動モータ13、コンデンシングユニット(凝縮装置)15、圧力センサ16,17及び開閉弁18,19を備えており、冷却室5内に設置された冷却用熱交換器11と、室外に設置されたコンデンシングユニット15とは、冷媒配管14によって接続されている。ファン12は、冷却室5内の冷却用熱交換器11の近傍側壁に設置されており、室外に設置された駆動モータ13によって回転させられる。
【0013】
このような構成において、凝縮装置であるコンデンシングユニット15において圧縮冷却された冷媒が冷媒配管14を通って冷却用熱交換器11へと送られ、冷却用熱交換器11において圧力の下げられた冷媒の気化熱によって冷却が行われる。冷却用熱交換器11表面には、接触面積を広げるためのフィンが設置されると共に、ファン12の回転によって冷却用熱交換器11で発生した冷熱が冷却室5内で循環させられるので、効率よく冷却室5内を冷やすことが可能である。
【0014】
真空冷却部20は、真空ポンプ21、逆止弁22及び開閉弁23を備えており、減圧配管25によって冷却室5と接続されている。真空ポンプ21を作動させると、冷却室5内の圧力が低下するため、食品等の被冷却物に含まれている水分が蒸発し、その蒸発熱によって被冷却物が冷却される。
【0015】
温水噴射部30は、給水ライン及び蒸気ラインに接続された温水供給部31と、開閉弁32とを備えており、温水配管35によって冷却室5と接続されている。制御部50の制御により、温水供給部31は、給水ラインからの給水に蒸気ラインからの蒸気を混合させることで、温水を生成し、温水配管35の先端の噴射口から冷却用熱交換器11へと温水を噴射させる。
【0016】
温水配管35の噴射口は、冷却用熱交換器11の側面上部に向けて設置されており、噴射口から温水が噴射されると、温水は、まず冷却用熱交換器11の側面上部に到達し、その後、側面を伝わって下方へと落下していく。加えて、冷却用熱交換器11の側面は、熱伝導率の高い金属で形成されているので、噴射口から噴射された温水によって、冷却用熱交換器11の熱交換面全体を温めることができる。
【0017】
復圧部40は、エアフィルタ41及び開閉弁42を備え、復圧配管45によって冷却室5と接続されている。真空ポンプ21の作動によって負圧になった冷却室5内を外気圧に戻す際に、制御部50の制御により開閉弁42が開かれ、エアフィルタ41を通過した外気が冷却室5内へと導入され、冷却室5内が復圧される。
【0018】
制御部50は、各種演算を行う演算部51と、各種情報を記憶しておく記憶部52と、時間を計測するためのタイマー部53とを備えており、図1に点線で示すように、計測値を受信したり、制御信号を送信したりするために、複合冷却機1を構成する各部材と通信可能に接続されている。
【0019】
以上、本実施形態に係る複合冷却機1の構成について詳細に説明したが、続いて、上記構成の複合冷却機1において、冷却用熱交換器11を殺菌する際の処理の流れを、図面を参照しながら説明する。図2は、冷却用熱交換器11を殺菌する際の処理の流れを示すフローチャートである。なお、下記の処理は、スイッチを押す等して操作者が殺菌処理を指令すると、制御部50の制御により自動的に行われる。
【0020】
殺菌処理が開始されると、まず、S11において、制御部50の制御により、コンデンシングユニット15や開閉弁18,19等を駆動して、ポンプダウン運転を行う。これにより、冷却用熱交換器11内から冷媒ガスであるフロン(R404a)が抜かれて、コンデンシングユニット15に集められる。このポンプダウン運転は、コンデンシングユニット15内の圧力センサ17によって計測される冷却用熱交換器11内の冷媒圧力が0MPaになるまで行われる。
【0021】
このように、温水を冷却用熱交換器11にかける前に冷媒を抜いておくのは、冷媒がそのまま冷却用熱交換器11内に残っていると、温水をかけたときに冷媒が暖められて圧力が上昇し、冷却用熱交換器11や冷媒配管14等が破損したり故障したりしてしまうのを防止するためである。
【0022】
続いて、S12において、温水噴射部30の噴射口から80℃の温水を冷却用熱交換器11の両側の側面上部に向けて噴射を開始する。具体的には、制御部50の制御により、開閉弁32を開き、温水供給部31から供給される80℃の温水を噴射口から噴射する。ここで、冷却室5内に発生する大部分の細菌等は、60℃以上になれば死滅する。そして、80℃の温水を噴射すれば、表面にフィンが設置され、奥まで温水が直接届かない冷却用熱交換器11表面であっても、熱伝導により表面全体が加温されるので、十分に殺菌機能を発揮することができる。
【0023】
次に、S13において、冷風冷却部10の冷媒配管14に設置された圧力センサ16により、冷媒圧力が0.5MPa以上に上昇していないかを監視する。これは、冷却用熱交換器11内に残存していた冷媒ガスが温められることによって、圧力が上昇してしまう可能性があるからである。
【0024】
S13において、冷媒圧力が0.5MPa以上になった場合には、S14に進み、再度ポンプダウン運転を行い、冷却用熱交換器11内から冷媒ガスを抜く処理を行う。このときにも、圧力センサ17によって計測される冷却用熱交換器11内の冷媒圧力が0MPaになるまでポンプダウン運転が行われる。このように、冷却室5内の圧力が、0〜0.5MPa内に収まるように制御することで、冷媒圧力の過度な上昇による破損等を確実に防止することができる。
【0025】
S13において、冷媒圧力が0.5MPa未満の場合、及びS14におけるポンプダウン運転が終了すると、S15に進み、タイマー部53の計時機能により、S12において温水の噴射が始まってから所定の時間が経過したか否かを監視する。本実施形態では、30分経過したか否かを監視している。30分としたのは、一般的に、60℃以上になれば、冷却室5内の冷却用熱交換器11に付着する細菌等をほぼ死滅させることができる。そして、80℃の温水を冷却用熱交換器11にかけた後、熱伝導により冷却用熱交換器11の表面全体が60℃まで暖められる時間として10分、その後殺菌を十分に行う時間として20分を確保するためである。
【0026】
もちろん、温水を噴射する時間は変更可能であり、温水噴射部30から噴射される温水の温度や量、冷却用熱交換器11の大きさ等にあわせて適宜変更される。
【0027】
S15において、所定時間経過したと判定された場合には、S16へと進み、経過していないと判定された場合には、S13へと戻り、引き続きS13以降の処理を繰り返す。
【0028】
S16に進むと、制御部50の制御により、開閉弁32が閉じられ、温水の噴射が停止される。続いて、S17へと進み、温水噴射部30から水を冷却用熱交換器11に噴射し、温められた冷却用熱交換器11の温度を下げる。具体的には温水供給部30において蒸気を混ぜないようにすると共に開閉弁32を開き、給水ラインからの給水をそのまま噴射口から冷却用熱交換器11へと噴射する。
【0029】
殺菌処理後に冷却用熱交換器11が温められたままであると、直ぐに複合冷却機1を再始動した場合に、冷却用熱交換器11内に送られてくる冷媒ガスが膨張して冷媒圧力が上がりすぎてしまい、不具合が生じてしまうおそれがあるが、本実施形態のように、殺菌処理において温められた冷却用熱交換器11を直ぐに冷やしておけば、殺菌後、複合冷却機1を直ぐに再始動することができる。
【0030】
なお、S17の冷却用熱交換器11を冷やす工程は、真空冷却機能により行っても良い。すなわち、温水制御部30から蒸気を混合していない給水を噴射する代わりに、真空冷却部20を運転させれば良い。真空冷却部20を運転させると、冷却室5内の圧力が低下し、冷却用熱交換器11の壁面に付着した水分が蒸発するため、この気化熱により冷却用熱交換器11を冷却することができる。
【0031】
以上、詳細に説明した殺菌処理は、冷却室5内の衛生を保つために、定期的に行われることが望ましく、できれば一日に一回行われることが望ましい。本実施形態によれば、冷却用熱交換器11の壁面を60℃以上に高温処理することによる殺菌機能を備えており、従来の冷却機と比較して格段に殺菌機能を向上させた衛生的な冷却機を提供することができる。
【0032】
また、本実施形態においては、温水によって冷却用熱交換器11が温められることで、冷媒圧力が過度に上昇しないように、殺菌処理前及び殺菌処理中にポンプダウン運転を行って冷媒ガスを抜くようにしているので、冷媒圧力の上昇による機器の破損等を防止することができる。
【0033】
以上、変形例も含めて本実施形態について詳細に説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態やその変形例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0034】
例えば、本実施形態においては、冷風冷却機能と真空冷却機能を備えた複合冷却機としたが、本発明は、冷風冷却機能において用いられる冷却用熱交換器を殺菌するための発明であるため、冷風冷却機能を備えた冷却機であれば本発明を適用可能である。例えば、冷風冷却式のブラストチラー等にも適用できる。
【0035】
また、本実施形態では、冷却用熱交換器を加温する熱媒体として、給水に蒸気を混合させた温水を用いたが、熱媒体としては、さらに高温殺菌が可能な蒸気を用いても良い。さらに、冷却用熱交換器を加温する手段として、温水や蒸気等の熱媒体を用いた加温装置だけでなく、適宜他の加温装置を用いることができる。例えば、電熱線等の加温手段を用いても良い。この場合には、冷却用熱交換器の表面に、熱線を配置する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本実施形態に係る複合冷却機の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る冷却用熱交換器を殺菌する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1 複合冷却機
5 冷却室
10 冷風冷却部
11 冷却用熱交換器
14 冷媒配管
15 コンデンシングユニット
16,17 圧力センサ
20 真空冷却部
21 真空ポンプ
30 温水噴射部
31 温水供給部
40 復圧部
50 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷風冷却機能を有する冷却機の冷却室内に設置された冷却用熱交換器を殺菌する冷却機の殺菌方法において、
前記冷却室内に設置された前記冷却用熱交換器の表面を加温する加温工程を備えることを特徴とする冷却機の殺菌方法。
【請求項2】
前記加温工程の前に、ポンプダウン運転を行って前記冷却用熱交換器内の冷媒を抜く加温前ポンプダウン工程をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の冷却機の殺菌方法。
【請求項3】
前記加温工程中に、前記冷却用熱交換器内の圧力が所定値以上になったときに、ポンプダウン運転を行って前記冷却用熱交換器内の冷媒を抜く加温中ポンプダウン工程をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の冷却機の殺菌方法。
【請求項4】
前記加温工程後に、前記冷却用熱交換器を冷やす冷却工程をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の冷却機の殺菌方法。
【請求項5】
冷却室内を冷風冷却機能により冷却する冷却機において、
冷却室内に設置された冷却用熱交換器と、冷却室外に設置された凝縮装置と、前記冷却用熱交換器と前記凝縮装置とを接続する冷媒配管とを有する冷風冷却部と、
前記冷却用熱交換器の表面を加温する加温装置と、
前記冷風冷却部及び前記加温装置を制御する制御手段であって、前記冷却用熱交換器の表面を殺菌するために、前記加温装置を作動させるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする冷却機。

【図1】
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【図2】
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