説明

冷却流体を吐出するスプレー装置

冷却流体を吐出するスプレー装置は、中に冷却流体が過剰圧力で液体の形態で貯蔵されているリザーバと、流体出口弁と、毛細管(30b)を有するスプレーヘッド(3b)とを備える。毛細管(30b)は、毛細管(30b)の入口端がリザーバの流体出口弁に接続され、流体出口弁が作動されると冷却流体が毛細管(30b)の中に入るように弁タペット(31b)内に配置されている。リザーバ内に別の毛細管があり、その入口端はリザーバ内に貯蔵されている冷却流体の中に延び、その出口端は流体出口弁に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1による冷却流体を吐出するスプレー装置、および請求項16または請求項19による皮膚疾患(skin defects)の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスプレー装置は既に周知であり、様々な分野で使用されている。例えば、それらは、EP−A−0 281 212またはEP−A−0 608 954に記載されているように、いぼなどの皮膚疾患を除去するのに使用される。これらの文献に記載されているスプレー装置では、液体の形態で容器内に貯蔵された冷却流体がまず管を通って容器から弁室の中に、そこから別の管を通って綿棒に、または出口端で管に取り付けられた連続気泡フォームの栓に移送されるように、流体出口弁を作動させる。0℃より低い、典型的には−50℃〜0℃の範囲の沸点を有する液体の冷却流体は、綿棒を湿らせるかまたは連続気泡フォームの栓の中に入って蒸発し、その結果、綿棒または連続気泡フォームの栓は過冷却される。次いで、この綿棒または連続気泡フォームの栓を治療されるいぼと接触させるが、綿棒または栓の幾何学的形状の性質によりこの処置を非常に正確に行うことができる。しかし、これらの装置には、1回の治療に比較的多量の冷却流体を必要とするという欠点がある。
【0003】
国際公開第03/051522A号パンフレットは、吐出される液体が容器内に貯蔵された後、噴射剤を補助として用いてエアゾールの形態で適用されるスプレー装置を提案する。しかし、噴射剤は環境に関する問題を引き起こすことが多い。噴射剤の必要量を減少させるとともに吐出される液体の量を同量に維持するため、国際公開第03/051522A号パンフレットは、従って、吐出される液体と噴射剤が中に別々にまたは一緒に導入される毛細管をスプレーヘッドに設けることを提案する。毛細管内で液体と噴射剤は、微細な液滴で構成され且つその後吐出され得るエアゾールを形成する。それに対応して好適なスプレーヘッドはEP−A−1 516 829に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、例えば、皮膚疾患(例えば、いぼ)などの標的の非常に効率的な冷却を確実にするために従来技術の改善を示し、できるだけ少量の冷却剤を吐出する冷却剤用スプレー装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、これは、独立請求項の特徴によって特徴付けられる、冷却流体を吐出するスプレー装置によって達成される。本発明によるスプレー装置の有利な展開は従属請求項の対象を形成する。
【0006】
この目的のため、詳細には、スプレーヘッドに毛細管が配置されているだけではなく、リザーバに別の毛細管も(吸い上げ管として)配置されている。リザーバに配置されているこの毛細管の入口端は、液体の形態でリザーバに貯蔵された冷却流体の中に延びる。毛細管の出口端は流体出口弁に接続されている。従って、弁が作動するとエアゾールが毛細管内で既に発生しており、このエアゾールはさらに蒸発した後、流体出口弁(容積が50mm未満の任意の量である非常に小さい弁室を有する)を通過してスプレーヘッド内の毛細管に入る。
【0007】
スプレーヘッドの毛細管の出口端で冷却流体は既に本質的に気体の形態であり、スプレーヘッドの毛細管から出てくる。次いで起こる膨張の際に、冷却流体は非常に急激に冷却し、そのため非常に効率的な冷却が起こり、それと同時にこの効率的な冷却のために比較的少量の冷却流体しか必要としない。
【0008】
毛細管の内径は原則的に最大2mmまでとすることができるが、詳細には最大1.2mmまでだけであり、非常に詳細には0.35mm〜1mmの範囲である。このようにして特に効率的な冷却が確実になり、それと同時に冷却流体の消費が少ない。
【0009】
流体を意図される標的に案内するアプリケータを受け入れるための受入開口部がスプレーヘッドに設けられることが有利となり得る。このようにして、例えば、皮膚疾患(例えば、いぼ)の治療では、健常な組織を巻き込むことをできるだけ回避するため、冷却流体をできるだけ正確に標的の方に向けることが望ましい。
【0010】
このようなアプリケータは、スプレーヘッドにしっかりと接続されるパイプセクションを有することができ、これは、例えば、スプレーヘッドへのスナップ嵌め接続によって可能になる。このような接続は確実であり、適宜、再び元に戻すこともできる。後述するように、冷却流体を標的の方に正確に吐出できるように、パイプセクション自体を特別な方法で設計することができるかまたはパイプセクションに別の手段を設けることができる。
【0011】
従って、本発明によるスプレー装置の例示的実施形態では、パイプセクションはその自由端にベル形の端部領域を有し、その内径は残りのパイプセクションの内径より大きい。スプレーヘッドの毛細管はパイプセクションを通して案内され、その出口端はパイプセクションのベル形の端部領域内に配置されている。パイプセクションのベル形の端部領域は標的上に配置され、この領域を環境から密閉する。冷却流体は毛細管を通して、パイプセクションのベル形の端部領域の中に案内され、そこで冷却流体は気体の形態で存在し、毛細管の出口端から出てくる。ベル形の領域で冷却流体が膨張する結果として、冷却流体は非常に急激に冷却され、そのため使用される流体に応じて、並びに他の周辺条件およびベル形の端部領域のパラメータに応じて、毛細管から出てくる流体は気体の状態のままであることも、液体または固体若しくはゲル状にもなることもでき、標的(例えば、いぼ)に当たった後、蒸発することができる。このプロセスでは、ベル形の端部領域の壁の開口部を通して圧力を逃がすことができる。
【0012】
本発明によるスプレー装置の別の例示的実施形態では、アプリケータは、スプレーヘッドの外側のパイプセクション上に着座する多孔質体または連続気泡発泡体を有する。多孔質体または連続気泡発泡体がパイプセクション上に着座する領域では、前記パイプセクションに貫通開口部が設けられ、それを介して冷却流体は多孔質体または連続気泡発泡体の中に入ることができる。そこで起こる膨張の結果、気体の冷却流体は非常に急激に冷却し、冷却流体の温度はその沸点より低温に低下することができ、そのため冷却流体は液体になるか、または、使用される冷却流体に応じて、固体若しくはゲル状の凝集体状態も取ることができる。液体凝集体状態の場合、冷却流体は多孔質体または連続気泡発泡体を「湿らせ」た後、蒸発する。このプロセスでは、多孔質体または連続気泡発泡体を非常に急激に冷却させた後、非常に正確に標的(例えば、いぼ)と接触させることができる。
【0013】
開放位置と閉鎖位置との間で回転させることができ、開放位置に固定(係止)することができる回転可能な保護キャップをスプレー装置に設けることができる。
【0014】
とりわけ、多孔質体または連続気泡発泡体を有する既に前述した本発明によるスプレー装置の例示的実施形態では、冷却流体が保護キャップによりアクセス不可能となった多孔質体または連続気泡発泡体の中に入ることができるように、保護キャップが閉鎖された状態でしか流体出口弁を作動させることができないように回転可能な保護キャップを設計することができる。これは、子供が、例えば不注意に流体出口弁を作動させ、多孔質連続気泡発泡体と接触するのを防止することが意図されている。これを行うため、それらは、実際、係止可能な保護キャップを解除し、回転させることができなければならない。このため、スプレー装置は、保護キャップが開放した状態では流体出口弁の作動が不可能であるように特別に設計されている。
【0015】
本発明によるスプレー装置の別の実施形態では、スプレー装置は毛細管の出口端に配置されたアダプタを備え、このアダプタは冷却流体を意図される標的に案内するアプリケータに接続されるように構成されている。詳細には、アダプタは本質的にパイプ状の形状を有してもよく、毛細管上を移動するのに好適であってもよい。また、アダプタは、中に毛細管が配置された弁タペットが取り付けられているフィンガーキーに接続されてもよい。さらにより具体的には、アダプタは、スナップ嵌め接続でフィンガーキーに接続されてもよい。これによって毛細管の出口端に対するアプリケータの確実な取り付けが可能になり、それを必要に応じて解除することができる。
【0016】
また、スプレー装置の前述の実施形態では、スプレーヘッドは、フィンガーキーが作動されることを通常防止する弾性安全要素を有するハウジングを備えてもよい。スプレーヘッドは、フィンガーキーの作動を可能にするように、スライダを移動させて前記安全要素を弾性変形させることができるように配置されたスライダを備えてもよい。この実施形態はチャイルドプルーフであり、装置が無意図的に作動されることを防止する。
【0017】
より具体的には、スプレー装置のこの実施形態では、フィンガーキーの作動を可能にするように、スライダを移動させて弾性安全要素を弾性変形させるため、アプリケータはスライダに押し当てられるように構成され、配置されてもよい。これは、大人は容易に操作できるが子供は無意図的に作動させることができないスプレー装置の実用的な実施形態である。
【0018】
本発明のさらに別の態様では、アプリケータは、スロットが入っている本質的に円筒状の部分を備えてもよく、ここでアプリケータは、標的の周囲の領域に冷却流体が当たることを防止するため、その出口開口部の周囲に環状シールドをさらに備える。この実施形態では、治療される皮膚病変にだけ冷却流体が正確に堆積する。治療される各皮膚病変に最適なアプリケータを使用者が選択できるように、直径の異なる出口開口部を有する異なるアプリケータがスプレー装置と共に提供されてもよい。環状シールドは、皮膚病変の周囲の領域に冷却流体が当たらないことを確実にする。円筒状の部分のスロットは、治療される皮膚病変上に堆積した冷却液の膜の迅速な蒸発を可能にし、このようにして細胞を効率的に冷却し、皮膚病変の治療の効率を向上させる。
【0019】
本発明の別の態様は皮膚疾患の治療方法に関し、この方法では、治療される皮膚疾患に、皮膚疾患の細胞を破壊するのに十分な時間、冷却流体を適用する。この方法では、毛細管の出口端で冷却流体を気体の形態で提供する装置を使用して、冷却流体を皮膚疾患上に噴霧する。冷却流体は、皮膚疾患上に薄膜を形成するように、毛細管の出口端から直接皮膚疾患上に噴霧される。次いで、この薄膜を蒸発させ、このようにして皮膚疾患の細胞を過冷却する。
【0020】
毛細管の出口端から噴霧される時、気体の冷却流体は膨張し、治療される皮膚疾患(例えば、いぼ)上に薄い(例えば、液体の)膜を形成する。蒸発中、膜はいぼから離れた表面(即ち、いぼと接触していない表面)で蒸発するため、皮膚疾患(例えば、いぼ)上の膜は薄膜であることが重要である。他方、皮膚疾患の細胞を効率的に破壊するため、皮膚疾患の細胞に低温が提供されなければならない。膜が厚いほど、皮膚疾患から離れた膜の表面と、皮膚疾患と接触している膜の表面との温度差が大きい。そのため、厚さ0.05mm〜0.5mmの薄膜が好ましい。これは、冷却流体を所定の少量、例えば、25μl〜250μlの量しか適用しないことによって達成することができる。これは、例えば、スプレー装置のフィンガーキーの作動制御により、または定量弁を補助として用いて達成することができる。このようにして、皮膚疾患の表面で約−50℃またはそれより低い温度も達成することが可能である。
【0021】
本方法の特に好ましい変形では、中に毛細管の出口端が配置されているアプリケータを有する装置を使用する。アプリケータが皮膚疾患を取り囲み、密閉するように、アプリケータを皮膚上に配置した後、毛細管の出口端から直接皮膚疾患上に冷却流体を噴霧する。アプリケータの好適な内径を選択することにより、本質的に皮膚疾患の細胞しか治療の影響を受けず、疾患を取り囲む組織は本質的に影響を受けないままであるため、これは皮膚疾患を治療する特に効率的な変形である。さらに、冷却流体は特に効率的に使用される。
【0022】
本方法の特定の変形では、治療される皮膚疾患の周囲の領域に、皮膚疾患上に噴霧される冷却流体が当たることを防止するように、環状シールドを有するアプリケータを有する装置を使用する。
【0023】
本発明の別の態様は、皮膚疾患を治療する別の方法に関し、この方法でもまた、治療される皮膚疾患に、皮膚疾患の細胞を破壊するのに十分な時間、冷却流体を適用する。この方法では、毛細管の出口端で冷却流体を気体の形態で提供し、冷却流体を毛細管の出口端から多孔質体または連続気泡発泡体の中に噴霧する装置を使用して、冷却流体を皮膚疾患に噴霧する。次いで、冷却流体を多孔質体または連続気泡発泡体から蒸発させ、このようにして多孔質体または連続気泡発泡体を過冷却する。次いで、過冷却された多孔質体または連続気泡発泡体を皮膚疾患上に押し付け、このようにして皮膚疾患の細胞を過冷却する。
【0024】
この方法は、また、非常に低い多孔質体または連続気泡発泡体温度を達成するのに必要な冷却流体の量が少なく、過冷却された多孔質体または連続気泡発泡体を治療される皮膚疾患上に押し付けることによって皮膚疾患を非常に正確に治療することができるという点で有利である。
【0025】
本発明の別の有利な態様は、本発明によるスプレー装置の、またはその部品の例示的実施形態の以下の説明から明らかになる。添付の図面に概略図および/または断面図を記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1に、慣用的な容器1が本発明によるスプレー装置の幾つかの重要な部品の全体図で概略的に示されている。概略的に示されている毛細管10(吸い上げ管)が容器1の内部に突出し、その入口端は、液体の形態で容器1内に存在する冷却流体(図示せず)の中に延びる。毛細管10の出口端11は流体出口弁2に接続されており、ここで毛細管の端部は流体出口弁2内に受け入れられている。流体出口弁2は弁室20を備え、その容積は非常に小さく、50mm未満の任意の量である。弁室20の内側に弁体21が配置されており、弁体はばね22の力に逆らって変位可能である。シール23は弁室20およびまた容器の内部も外側から密閉する。別のシール12が容器1の壁13と蓋14の間に設けられている。
【0027】
スプレーヘッド3内には、入口端300が弁タペット31内に配置されている別の毛細管30がある。弁タペット31は弁体21と係合している。図1には「雌」型の出口弁2が示されているが、「雄」型の出口弁も可能である。弁タペット31aを図9に示すように設計してもよいが、他の要素は変更されないままであってもよい。フィンガーキー32を作動させると、弁タペット31およびその結果、弁体21がばね22の力に逆らって下方に移動し、その結果、流体出口弁2が開放される。冷却流体は容器1から毛細管10を通って流出し、そこで冷却流体は既にエアゾールを形成し、さらに蒸発した後、弁室20に入り、弁室20を通ってスプレーヘッド3内の毛細管30の入口端300に入る。スプレーヘッドからの毛細管30の出口端301のところに前記スプレーヘッド3は開口部33を有し、その中にパイプセクションを挿入することができる(より詳細に後述する)。図1はまた、保護キャップ4も示す。この保護キャップが設計され得る方式およびその目的をより詳細に後述する。
【0028】
既に前述したように、スプレーヘッド3の開口部33の中にパイプセクションを挿入することができる。例えば、このようなパイプセクション5が設計され得る方式を例示的実施形態の形態で、図2に斜視断面図で、図3に拡大断面図で示す。パイプセクション5の一端の係止突起50をスプレーヘッド3の開口部33を通して案内することができ、係止突起50はスナップ嵌め接続方式で係合し、スプレーヘッド3に接合される(図4および図5も参照)。パイプセクション5に領域51に沿ってその壁に貫通開口部52が設けられることも分かる。
【0029】
パイプセクション5はアプリケータの一部であり、その中を冷却流体が意図される標的の方に、例えば、除去される皮膚疾患(例えば、いぼ)の方に案内される。この場合のアプリケータは、パイプセクション5に加えて、パイプセクション5上に、具体的には、少なくともパイプセクション5の壁に貫通開口部52が設けられている領域51に着座する多孔質体または連続気泡発泡体6(図4および図5に破線で示す)も備える。例えば、ポリプロピレン(PP)若しくはポリエチレン(PE)などの好適なプラスチックから、またはテフロン(登録商標)、ナイロン、またはPOM(ポリオキシメチレン)でパイプセクション5を製造することができる。
【0030】
ここで、図4は、スプレーヘッド3、および、アプリケータに接続されたパイプセクション5とパイプセクション5上に着座する多孔質体または連続気泡発泡体6(破線で示す)とを備えるアプリケータも示す。この物体6は、例えば、ポリウレタン(PU)、ポリプロピレン(PP)若しくはポリエチレン(PE)の連続気泡フォームから、または、セルロース若しくはガーゼで製造することができる。保護キャップ4を図4に開放位置で示しており、この開放位置に固定する(例えば、係止する)ことができる。図4はまた、スプレーヘッド3上の安全リング34も示す。特別に設計された保護キャップ4と一緒に、この安全リング34は、保護キャップ4が開放位置にあるとき、フィンガーキー32はアクセス可能ではなく、従って流体出口弁2を作動させることができないという効果(チャイルドプルーフ特徴)を有する。保護キャップ4を図5に示されている閉鎖位置に回転させる対応する機構は、図4および図5の破線領域内に既に示されているが、図6および図7を参照してそれをより詳細に後述する。
【0031】
保護キャップ4を回転させる機構を説明するため、図6は、保護キャップ4および安全リング34の概略図であり、保護キャップ4は開放位置で示されており、パイプセクション5も見ることができる(しかし、それには多孔質体または連続気泡発泡体が被嵌されていない)。図6の図はまた、パイプセクション5が右ではなく左を指していることから分かるように、縦軸を中心として180°回転されている。保護キャップ4は「始動領域」40を有し、「始動領域」40は、ある程度可撓性があり、それに対応して反対側(図6では見えない)にも存在することが分かるであろう。この始動領域40にスリット形の通路400が設けられており、その中に位置的に固定された係止要素35が突出する。係止要素35はスリット形の通路400内にいわば「係留」保持されるため、係止要素は追加の措置なしにこのようにして保護キャップ4がこの開放位置から回転することを防止し、代わりに保護キャップ4は開放位置に係止される。
【0032】
保護キャップ4を回転させるため、使用者は両側から(図6では前からと後から)同時に始動領域40を押し付け、それによって係止要素35がスリット400を完全に貫通し、保護キャップ4を回転させることができる。使用者は、保護キャップが図7に示されている閉鎖位置に到達するまで保護キャップを回転させる。回転中、係止要素35が閉鎖位置に到達するまで、係止要素35は対応する溝状の凹部401(通路ではない)内で摺動する(図4および図5を参照)。また、保護キャップ4を図7による閉鎖位置に係止することも可能にする、対応する別のスリット形の通路を設けることも十分考えられる。
【0033】
皮膚疾患(例えば、いぼ)を治療するため、図6および図7を参照して説明したように、使用者はまず保護キャップ4を開放位置から閉鎖位置に、即ち、図4による位置から図5による位置まで移動させる。図5による閉鎖位置では、使用者はこの時フィンガーキー32を押圧し、それによって流体出口弁2(図1)が開放され、冷却流体が毛細管10(吸い上げ管)を通過し、そこでエアゾール形成が既に起こり、その後さらに蒸発し、弁室20に入った後、毛細管30に入る。さらに移動して行くと、この時気体状になっている冷却流体はパイプセクション5を通過し、詳細にはパイプセクション5の貫通開口部52およびパイプセクション5の出口端を通過し、多孔質体または連続気泡発泡体6に入る。そこで起こる膨張の結果、冷却流体はその沸点より低温に冷却し、液体に(または、使用される冷却流体に応じて、および他の条件若しくはパラメータに応じて、固体若しくはゲル状にも)なり、多孔質体または連続気泡発泡体6を「湿らせる」ことができる。「湿った」物体6の冷却流体がその後蒸発する時、多孔質体または連続気泡発泡体6は非常に急激に(例えば、−50℃より低温に)冷却し、治療の目的のために、それを治療される皮膚疾患(例えば、いぼ)の正確な標的領域と接触させることができる。
【0034】
図8は、パイプセクション5aの別の例示的実施形態の出口端を示す。ここで、アプリケータは、その自由端にベル形の端部領域51aを有するパイプセクション5aだけを備える。毛細管30a(ここでは断面図で示されていない)は、多孔質体または連続気泡発泡体を有する前述の例示的実施形態よりもこの例示的実施形態の方が長く、ここでは毛細管30aの出口端301aはベル形の端部領域51aの中に突出する。ベル形の端部領域51aの壁に貫通開口部52a(例えば、それぞれ周囲で90°ずれている4つの貫通開口部52a、図8にそのうちの2つを見ることができる)が設けられており、それを通して圧力を逃がすことができる。
【0035】
パイプセクション5aは、特に、ポリプロピレン、ポリエチレン、金属、PON、テフロン(登録商標)、ガラス若しくはセラミックで、または他の任意の十分安定なプラスチックで製造することができる。
【0036】
作動モードは以下の通りである。スプレー装置は、前述の例示的実施形態と同様に作動されるが、保護キャップ4は、例えば、完全に取り外し可能(例えば、図1に示すように)であるように設計されてもよく、適宜、別の種類のチャイルドプルーフ安全特徴を設けることができる。パイプセクション5aのベル形の端部領域51aが治療される皮膚疾患(例えば、いぼ)を取り囲み、密閉するように、パイプセクション5aのベル形の端部領域51aを皮膚上に配置する。フィンガーキー32を作動させると、冷却流体は気体の状態で毛細管30aの出口端301aに運ばれる。ベル形の領域51aで起こる膨張の結果、冷却流体は非常に急激に、例えば、その沸点より低温に冷却し、そのため、冷却流体は皮膚疾患に気体の状態で、液体の形態で(または、使用される冷却流体に応じて、および他の条件若しくはパラメータに応じて)当たった後、蒸発する。皮膚疾患(例えば、いぼ)はかなり冷却され、このようにして皮膚疾患を破壊することができる。
【0037】
例えば、気体の冷却流体が毛細管30aの出口端301aから噴霧される時、図10に示されているように、それは薄い液膜LFとして皮膚疾患W(例えば、いぼ)上に堆積されるエアゾールを形成してもよい。特に効果的な冷却が得られるように、皮膚疾患W上に厚さ0.05mm〜0.5mmの薄い液膜LFを得ることがとりわけ有利である。この理由は、液膜LFが皮膚疾患Wから離れた表面で(即ち、皮膚疾患Wに接触しない表面で)蒸発するからである。その結果、液膜LFが厚いほど、蒸発面における液膜LFの温度と、皮膚疾患Wと接触する表面における液膜LFの温度との差は大きい。冷却流体25μl〜250μlの量を噴霧することによって、前述の範囲の膜厚を達成することができる。これは、例えば、スプレー装置のフィンガーキー32の作動制御(これは毛細管30aを通る低質量流量により可能である)によって、または噴射当たりの計量供給される冷却流体の量を設定する定量弁を補助として用いて達成することができる。このような定量弁は市販されている。このようにして、少量の冷却流体で皮膚疾患Wの表面で約−50℃またはそれより低い温度も達成することが可能である。
【0038】
本発明によるスプレー装置の前述の例示的実施形態を、皮膚疾患の治療の用途の分野について記載した。この場合の毛細管は一般に、最大2mmまで、好ましくは最大1.2mmまでの内径、とりわけ、例えば、いぼスプレーの用途では0.35mm〜1mmの範囲の内径を有する。冷却流体の必要量をさらに減少させるための別の減少ノズル(reduction nozzle)は、0.2mm未満の内径を有することもできる。使用できる冷却剤の例は、ジメチルエーテル、プロパン、イソブタン、n−ブタン、噴射剤ガス134A、157若しくは227、またはCOである。容器圧力は、例えば、50℃で12バールとすることができる。処置中に達成できる温度は、詳細には−25℃〜−55℃の範囲であり、従って、場合によっては、−25℃の沸点より僅かに低い他の通例の温度よりもかなり低い。
【0039】
しかし、本発明によるスプレー装置は、いぼまたは皮膚疾患の治療の用途の分野に限定されるのではなく、代わりにそれは一般に、正確に照準が合わせられ且つ非常に効率的な冷却が重要な用途に好適である。
【0040】
ここで、本発明によるスプレー装置のスプレーヘッドの別の実施形態を図11〜図34を補助として用いて説明するが、それらはスプレーヘッドとその構成要素を組み立てられた状態(図11〜図13)、並びに単一の構成要素しか示されていない分解された状態の両方で示す。
【0041】
図11は、組み立てられた状態のスプレーヘッド3bを側面図で示し、アプリケータ6bは、より詳細に後述するようにスプレーヘッド3bに取り付けられている。図12は、組み立てられたスプレーヘッド3bを背面図で示し、フィンガーキー32bをより詳細に見ることができる。最後に、図13は、組み立てられた状態のスプレーヘッド3bを通る縦断面図(図12の線XIII−XIIIを参照)を示す。
【0042】
図13から、毛細管30bを支持する弁タペット31bがスプレーヘッド3bに取り付けられていることが分かる。より詳細には、弁タペット31bは、より詳細に後述するようにフィンガーキー32bに取り付けられている。ハウジング36bに設けられた弾性安全要素34b(ロックばね)に作用するように、軸方向に(図13では右に)移動させることができるスライダ35bが設けられている。このようにして、弾性安全要素(ロックばね)を変形させる前にフィンガーキー32bを無意図的に押圧できないことが確実になる。その時にようやくフィンガーキー32bを押し下げることが可能となり、従ってスプレーヘッドは「子供にいたずらされにくい(child−resistant)」。出口開口部33bにパイプ状のアダプタ5bが設けられており、その上にアプリケータ6bが取り付けられている。図13に示されている組み立てられたスプレーヘッド3bを、スプレーヘッド3bのハウジング36bの内壁に設けられた突出リブ360bを補助として用いて、既に図1に拡大して示したのと同様に冷却流体を収容する容器に取り付けることができる。
【0043】
図14および図15は、フィンガーキー32bの斜視図を示し、図16はフィンガーキー32bを通る縦断面図を示し、図17はフィンガーキー32bの底面図を示し、図18〜図20は図17の各線に沿った各断面図を示す。図14および図15に示されているフィンガーキー32bの斜視図でフィンガーキー32bの全体形状を最もよく見ることができる。フィンガーキー32bは、比較的大きい作動ゾーン320bを備え、スプレー装置を作動させるために、使用者は作動ゾーン320bを押し下げなければならない。図14に示されているように、複数のラッチおよび案内要素がフィンガーキー32bの下側に設けられ、フィンガーキー32の下側から下方に突出している。これらのラッチおよび案内要素の機能をより詳細に後述する。
【0044】
第1組のラッチ321bは、図16に示されているようにフィンガーキー32bの中心付近に配置されている。毛細管30bを支持する弁タペット31bを「カチッと入れる(click−in)」ことができるように、ラッチ321bにはそれぞれ内向きに突出するリブ322b(図18参照)が設けられている。「カチッと入れる」間、またはその後、弁タペット31bが適切な向きに配置されるように、案内要素323bと324bの組がそれぞれ設けられている。
【0045】
図21には毛細管30bを支持する弁タペット31bが斜視図で示され、図22は弁タペット31bおよび毛細管30bを通る拡大縦断面図を示す。
【0046】
弁タペット31bとフィンガーキー32bを組み立てるため、毛細管30bをまず開口部33bを通して案内した後、弁タペット31bを下から「カチッと入れ」、弁タペット31が、落下しないようにラッチ321bで、軸方向に変位しないようにフィンガーキー32に設けられた対応する当接面に当接する当接面310bで所定の位置に確実に保持されるようにする(例えば、図17に見ることができるように)。
【0047】
毛細管30bを支持する弁タペット31bを「カチッと入れる」と、次の工程は、スライダ35bを前述の予め組み立てられたフィンガーキー/弁タペットアセンブリに付けて組み立てることである。
【0048】
図23にはスライダ35bが斜視図で示され、図24はスライダ35bの拡大底面図を示す。スライダ35bは、一般に、縦方向に延びる比較的大きい開口部350bを備える本質的に小さい平坦なプレート形の要素である。その後端に、スライダ35bは下方に突出するフィン351bを有し、フィンガーキー32bを押し下げることができるようにフィン351bは弾性安全要素34b(ロックばね)に対して作用することが意図されている。スライダ35bはその前端に下方に突出する当接要素352bを有し、フィンガーキー32bを押圧することができるように、スライダ35を軸方向に後方に移動させて弾性安全要素34bを変形させるようにアプリケータ6bで当接要素352bに作用させることができる。
【0049】
スライダ35bを予め組み立てられたフィンガーキー/弁タペットアセンブリに付けて組み立てるため、スライダ35bを下から「カチッと入れる」。スライダ35は、その開口部351bが弁タペット31bの周囲に延びるように組み立てられる。スライダ35bが「カチッと入る」ように、フィンガーキー32は、図17および図18〜図20に見ることができる2組のラッチ325bおよび326bをそれぞれ備える。スライダ35bを「カチッと入れる」ことができるように、ラッチ325bおよび326bにはそれぞれ内向きに突出するリブ327bまたは328bがそれぞれ設けられている。プリアセンブリはこの時、フィンガーキー32b、毛細管30bを支持する弁タペット31b、およびスライダ35bを備える。
【0050】
フィンガーキー32b、毛細管30bを支持する弁タペット31b、およびスライダ35bを備えるこのプリアセンブリは、この時、ハウジング36bの開口部361bを通して毛細管30bの可撓性出口部分を組み立てることができるように、下からハウジング36bの中に挿入される(図34参照)。
【0051】
次の工程は、図25に斜視図で示されているパイプ状のアダプタ5bを取り付けることであり、図26はアダプタ5bを通る縦断面図を示す。アダプタ5bを取り付けるため、それをハウジング36bおよびフィンガーキー32bの方に、ハウジング36bの開口部361bを通って突出する毛細管30bの出口端上を軸方向に移動させる。アダプタ5bは凹部50bおよびテーパ部51bを有する。フィンガーキー32bは、内向きに突出する縁330bを有する(図16を参照)。アダプタ5bを、それぞれハウジング36bまたはフィンガーキー32bの方に毛細管30bの出口端上を軸方向に移動させる時、テーパ部51bは縁330bを通り、縁330bはアダプタ5bの凹部50bの中にスナップ嵌めされ、このようにしてアダプタ5bはスナップ嵌め接続によりフィンガーキー32bに取り付けられる。
【0052】
図31および図32にはハウジング36bが斜視図で示され、図33はハウジング36bの正面図を示し、図34は図33の線XXXIV−XXXIVに沿った断面図を示す。図34では、弾性安全要素(ロックばね)34b、および、冷却流体を収容する容器にハウジングを(またはスプレーヘッドをそれぞれ)取り付けるためのリブ361bを最もよく見ることができる。
【0053】
前述のプリアセンブリがハウジング36bに取り付けられると、スプレーヘッド3bは完全である。しかし、冷却流体を皮膚に適用するため、この実施形態ではアプリケータ6bがスプレーヘッド3bに取り付けられる。
【0054】
図27および図28にはアプリケータ6bが斜視図で示され、図29はアプリケータ6bの上面図を示し、図30はアプリケータ6bを通る縦断面図を示す。アプリケータ6bは一端に延長部60bを有し、他端には開口部62bの周囲の環状シールド61bが設けられており、皮膚病変上に冷却流体の薄膜を形成するように、開口部62bを通して冷却流体が治療される皮膚病変に当てられる。さらに、アプリケータ6bは、皮膚病変上に堆積された流体の蒸発に役立つスロット630bが設けられている円筒状の部分63bを有する。
【0055】
延長部60bがスライダ35bの当接要素352bに接触するまで、アプリケータ6bをアダプタ5b上で軸方向に移動させる。アプリケータ6bの延長部60bの挿入を可能にするため、対応して形成される開口部362bがハウジング36bに設けられる(図33を参照)。
【0056】
アプリケータ6bが前述のようにアダプタ5b上に取り付けられると、スプレー装置は使用される準備が整っている(図13を参照し、図13に示されているアセンブリが、図1に示されているものと同様に容器に取り付けられていることを想像されたい)。皮膚病変、例えば、いぼの治療では、健常な皮膚に冷却流体が当たることを防止するため、環状シールドがいぼの周囲の部位を取り囲むようにアプリケータ6bの開口部62bがいぼの上に配置される。勿論、サイズの異なる皮膚病変を治療することができ、且つ治療される病変が位置する皮膚の領域にしか依然として接触しないように、開口部62bの直径が異なる多数の類似のアプリケータ6bを提供することが可能である。再び図13を参照すると、開口部62b(図30)が皮膚病変の周囲に位置決めされるようにアプリケータ6bを位置決めしたとき、スプレー装置を皮膚病変の方向に僅かに押圧する。その結果、延長部60b(図30)はスライド35bの当接要素352bに押し付けられ、このようにしてスライダ35bを後方に弾性安全要素34b(ロックばね)に当接して移動させる。既に前述したように、弾性安全要素34b(ロックばね)をある程度変形させた後、フィンガーキー32bを押し下げることが可能であり、このようにして弁を作動させ、冷却流体を皮膚病変上に直接且つ正確に噴霧することができる。噴霧プロセスを完了した後、フィンガーキー32はもはや使用者によって押されず、例えば子供がスプレー装置を無意図的に作動させることができないように、弾性安全要素34b(ロックばね)が再びフィンガーキー32bを係止するまで再び上方に移動する。
【0057】
最後に、図1には、閉鎖した弁体21を有する弁2しか示されておらず、倒立姿勢の時、毛細管10(吸い上げ管)の入口端は気相中にしか延びないため、倒立姿勢では容器1内に収容された冷却流体の気相しか毛細管10を通って流れないため、スプレー装置を倒立姿勢で使用する時、質量流量(冷却流体の流れの中に含有される液滴のパーセンテージ)は、装置が直立の姿勢で使用される場合より少ないことに言及すべきである。このような場合、純粋な気相冷却流体を容器1から吐出することを克服するため、容器1の内部空間と弁室20を接続する小さい貫通穴を弁体21に設けてもよい。従って、スプレー装置が直立の姿勢で使用されるか、または倒立姿勢で使用されるかに関わらず、冷却流体の液相と気相の混合物が容器1から吐出される。この結果、治療される皮膚病変上の膜は僅かに薄くなるが、膜が薄い方が治療プロセスの効率が向上する可能性もあり、その理由は、細胞の破壊を行うのは、皮膚病変と直接接触する膜の層だけだからである。その結果、皮膚病変上に堆積する冷却流体の膜が厚い方が、必ずしも皮膚病変の治療のプロセスが改善されるとは限らない(むしろ、冷却プロセスの効率は膜の全厚に依存する)。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明によるスプレー装置の例示的実施形態の流体出口弁とスプレーヘッドを有する容器の全体図である。
【図2】スプレーヘッドに接続されるパイプセクションの例示的実施形態の斜視断面図である。
【図3】図2のパイプセクションの拡大断面図である。
【図4】パイプセクションが接続され、パイプセクションに多孔質体または連続気泡発泡体が被嵌されている(保護キャップは開放されている)スプレーヘッドの図である。
【図5】保護キャップが閉鎖位置に回転されている図4のスプレーヘッドの図である。
【図6】開放位置にある(180°回転された)保護キャップの回転可能且つ係止可能な性質を説明する、開放位置にある保護キャップの図である。
【図7】作動後の閉鎖位置にある保護キャップの図である。
【図8】本発明によるスプレー装置の別の例示的実施形態における、スプレーヘッドに接続されたパイプセクションのベル形の端部の例示的実施形態の図である。
【図9】「雄型」出口弁用の弁タペットの代替の実施形態の図である。
【図10】治療される皮膚疾患を取り囲む、図8に示されているベル形の端部の実施形態の図である。
【図11】アプリケータがスプレーヘッドに取り付けられている、本発明によるスプレー装置のスプレーヘッドの別の実施形態の図である。
【図12】図11の実施形態の背面図である。
【図13】図12の線XIII−XIIIに沿った断面図である。
【図14】図13に示されているスプレーヘッドの実施形態のフィンガーキーの斜視図である。
【図15】図13に示されているスプレーヘッドの実施形態のフィンガーキーの斜視図である。
【図16】図14および図15に示されているフィンガーキーを通る縦断面図である。
【図17】図14および図15に示されているフィンガーキーの底面図である。
【図18】図17の線XIII−XIIIに沿った断面図である。
【図19】図17の線XIX−XIXに沿った断面図である。
【図20】図17の線XX−XXに沿った断面図である。
【図21】図13に示されているスプレーヘッドの実施形態の弁タペットの斜視図である。
【図22】図21に示されている弁タペットの拡大縦断面図である。
【図23】図13に示されているスプレーヘッドの実施形態のスライダの斜視図である。
【図24】図23に示されているスライダの拡大底面図である。
【図25】図13に示されているスプレーヘッドの実施形態のアダプタの斜視図である。
【図26】図25に示されているアダプタの縦断面図である。
【図27】図13に示されているスプレーヘッドに接続されるアプリケータの斜視図である。
【図28】図13に示されているスプレーヘッドに接続されるアプリケータの斜視図である。
【図29】図27および図28に示されているアプリケータの上面図である。
【図30】図27および図28に示されているアプリケータの縦断面図である。
【図31】図13に示されているスプレーヘッドの実施形態のハウジングの斜視図である。
【図32】図13に示されているスプレーヘッドの実施形態のハウジングの斜視図である。
【図33】図31および図32に示されているハウジングの正面図である。
【図34】図33の線XXXIV−XXXIVに沿った縦断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中に冷却流体が過剰圧力で液体の形態で貯蔵されているリザーバ(1)と、流体出口弁(2)と、スプレーヘッド(3、3b)とを有する、冷却流体を吐出するスプレー装置であって、前記スプレーヘッド(3、3b)は前記リザーバ(1)上に取り付けられており、毛細管(30、30a、30b)の入口端(300)が前記リザーバ(1)の前記流体出口弁(2)に接続されており、流体出口弁(2)が作動されると前記冷却流体が毛細管(30、30a、30b)の中に入るように弁タペット(31、31b)内に配置された毛細管(30、30b)を有し、前記リザーバ(1)は別の毛細管(10)を収容し、その入口端が前記リザーバ(1)内に液体の形態で貯蔵された前記冷却流体の中に延び、その出口端が前記流体出口弁(2)に接続されている、スプレー装置。
【請求項2】
前記毛細管(10、30、30a、30b)の内径が最大2mmまで、詳細には最大1.2mmまで、非常に詳細には0.35mm〜1mmの範囲である、請求項1に記載のスプレー装置。
【請求項3】
前記流体を意図される標的に案内するアプリケータ(5、6、5a、6b)を受け入れるための受入開口部(33、361b)が前記スプレーヘッド(3、3b)に設けられている、請求項1および2のいずれかに記載のスプレー装置。
【請求項4】
前記アプリケータが、前記スプレーヘッド(3)にしっかりと接続されるパイプセクション(5、5a)を有する、請求項3に記載のスプレー装置。
【請求項5】
前記パイプセクション(5、5a)がスナップ嵌め接続でスプレーヘッド(3)に接続される、請求項4に記載のスプレー装置。
【請求項6】
前記パイプセクション(5a)がその自由端にベル形の端部領域(51a)を有し、ベル形の端部領域(51a)の内径が残りのパイプセクション(5a)の内径より大きく、前記スプレーヘッド(3)の前記毛細管(30a)が前記パイプセクション(5a)を通して案内され、その出口端(301a)が前記パイプセクション(5a)の前記ベル形の端部領域(51a)内に配置されている、請求項4および5のいずれかに記載のスプレー装置。
【請求項7】
前記アプリケータが、前記スプレーヘッド(3)の外側の前記パイプセクション(5)上に着座する多孔質体または連続気泡発泡体(6)を有し、前記多孔質体または連続気泡発泡体(6)が前記パイプセクション(5)上に着座する領域(51)の前記パイプセクション(5)に貫通開口部(52)が設けられており、それを介して前記冷却流体が多孔質体または連続気泡発泡体(6)の中に入ることができる、請求項4および5のいずれかに記載のスプレー装置。
【請求項8】
開放位置と閉鎖位置との間で回転させることができ、開放位置に固定する(35、400)ことができる回転可能な保護キャップ(4)が設けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスプレー装置。
【請求項9】
前記回転可能な保護キャップ(4)は、前記保護キャップ(4)の閉鎖状態で、前記保護キャップ(4)によりアクセス不可能となった前記多孔質体または連続気泡発泡体(6)の中に前記冷却流体が入ることができるように前記流体出口弁(2)を作動させることができるように設計されている、請求項7および請求項8のいずれかに記載のスプレー装置。
【請求項10】
前記スプレー装置が、前記毛細管(30b)の出口端に配置されたアダプタ(5b)を備え、前記アダプタ(5b)が、前記冷却流体を意図される標的に案内するアプリケータ(6b)に接続されるように構成されている、請求項3に記載のスプレー装置。
【請求項11】
前記アダプタ(5b)が本質的にパイプ状の形状を有し、前記アダプタ(5b)は前記毛細管(30b)上を移動するのに、および、中に毛細管(30b)が配置された前記弁タペット(31b)が取り付けられているフィンガーキー(32b)に接続されるのに好適である、請求項10に記載のスプレー装置。
【請求項12】
前記アダプタ(5b)がスナップ嵌め接続(50b、330b)で前記フィンガーキー(32b)に接続される、請求項11に記載のスプレー装置。
【請求項13】
前記スプレーヘッド(3b)は、前記フィンガーキー(32b)が作動されることを通常防止する弾性安全要素(34b)を有するハウジング(36b)を備え、かつスライダ(35b)をさらに備え、前記スライダ(35b)は、前記フィンガーキー(32b)の作動を可能にするように、自身を移動させて前記安全要素(34b)を弾性変形させることができるように配置されている、請求項11または請求項12のいずれかに記載のスプレー装置。
【請求項14】
前記アプリケータ(6b)は、前記フィンガーキー(32b)の作動を可能にするように、前記スライダ(35b)を移動させて前記弾性安全要素(34b)を弾性変形させるため、前記スライダ(35b)に押し当てられるように構成され、配置されている、請求項13に記載のスプレー装置。
【請求項15】
前記アプリケータ(6b)が、その中にスロット(630b)を有する本質的に円筒状の部分(63b)を備え、前記アプリケータ(6b)は、前記標的の周囲の領域に前記冷却流体が当たることを防止するため、その出口開口部(62b)の周囲に環状シールド(61b)をさらに備える、請求項10〜14のいずれか一項に記載のスプレー装置。
【請求項16】
治療される皮膚疾患に皮膚疾患の細胞を破壊するのに十分な時間、冷却流体を適用する、皮膚疾患の治療方法であって、毛細管の出口端で前記冷却流体を気体の形態で提供する装置を使用して前記冷却流体を皮膚疾患上に噴霧し、皮膚疾患上に薄膜を形成するように前記毛細管の出口端から皮膚疾患上に直接前記冷却流体を噴霧し、その後前記薄膜を蒸発させ、このようにして皮膚疾患の細胞を過冷却する、方法。
【請求項17】
前記毛細管の出口端が配置されているアプリケータを有する装置を使用し、前記アプリケータが皮膚疾患を取り囲むように前記アプリケータを皮膚上に配置し、その後、前記冷却流体を前記毛細管の出口端から直接皮膚疾患上に噴霧する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
治療される皮膚疾患の周囲の領域に、皮膚疾患上に噴霧される前記冷却流体が当たることを防止するように、環状シールドを有するアプリケータを有する装置を使用する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
治療される皮膚疾患に皮膚疾患の細胞を破壊するのに十分な時間、冷却流体を適用する、皮膚疾患の治療方法であって、毛細管の出口端で前記冷却流体を気体の形態で提供する装置を使用し、前記毛細管の出口端から多孔質体または連続気泡発泡体の中に前記冷却流体を噴霧した後、前記冷却流体を前記多孔質体または連続気泡発泡体から蒸発させ、このようにして前記多孔質体または連続気泡発泡体を過冷却した後、前記過冷却された多孔質体または連続気泡発泡体を皮膚疾患に押し付け、このようにして皮膚疾患の細胞を過冷却する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2009−501620(P2009−501620A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521768(P2008−521768)
【出願日】平成18年7月17日(2006.7.17)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000372
【国際公開番号】WO2007/009282
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(508016941)エアロソル−サービス アーゲー (1)
【Fターム(参考)】