説明

冷却装置及び冷媒の漏洩検出方法

【課題】冷媒の漏洩を検出可能な冷却装置及び冷媒の漏洩検出方法を提供する。
【解決手段】冷却装置1の冷却水中には着色料として浸透探傷液が含まれている。熱交換器10内のドレン水を排出する集中ドレンライン18には、光の透過率を計測可能な分光光度計50が設けられている。通常、熱交換器10で生じたドレン水は無色透明である。しかしながら、浸透探傷液を含む冷却水が漏洩している場合、熱交換器10で生じたドレン水は赤色に着色された状態となる。このときの色の変化を分光光度計50にて検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気口から吸い込まれた吸入空気内に冷媒を流して吸入空気を冷却する冷却装置及びその冷媒の漏洩検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ガスタービンは、圧縮機に吸い込まれる吸入空気の温度によって影響を受けて出力が変動する。具体的には、吸入空気の温度が高くなるほど出力が低下する。このような出力低下を抑止するため、特許文献1には、圧縮機への空気供給ラインに吸入空気を冷却する冷却装置を設ける方法が開示されている。この冷却装置は、吸入空気の通路内に伝熱管を設け、この伝熱管内に冷凍機から供給された冷媒の冷却水を流すことによって、吸入空気を冷却するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−259737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の冷却装置では、伝熱管等の伝熱部が熱交換器内で破損して熱交換器内に冷却水が漏洩すると、この冷却水が吸入空気の流れによってガスタービンの圧縮機内に流入し、圧縮機の動翼や静翼等に衝突する。冷却水が動翼や静翼等に衝突するとエロージョンが生じ、耐久性に悪影響を及ぼしてしまう。また、冷却装置は冷却水を循環させる閉回路を形成しており、漏水によって水量が低下すると冷却水を熱交換器に供給する送水ポンプ内に水が無い状態になり、この状態のまま送水ポンプを駆動させると故障するため、直ちに冷却装置を停止する必要がある。そのためには、熱交換器内で冷却水の漏洩が生じた場合には、それを直ちに検出することが望ましいが、冷却水の漏洩を検出するための手段が無いという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題を解決するものであって、冷媒の漏洩を検出可能な冷却装置及び冷媒の漏洩検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明に係る冷却装置は、吸気口から吸い込まれて吸気通路内を吸気流れ方向に流れる吸入空気を冷却する冷却装置であって、
前記吸気通路内に設けられ、内部を流れる冷媒との熱交換によって前記吸入空気を冷却する伝熱部と、
前記吸入空気の湿分が前記伝熱部の表面に結露して生じる凝縮水をドレン水として排出するドレンラインと、
前記ドレンラインにおける前記ドレン水の物理的性質を検出するセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて、前記伝熱部からの前記冷媒の漏洩の有無を判定する漏洩判定部とを備え、
前記冷媒は、前記凝縮水とは異なる前記物理的性質を有することを特徴とする。
【0007】
このように、センサ及び漏洩判定部を備えているので、冷媒が漏洩したことによってドレン水に含まれることとなる当該冷媒の物理的性質を検出し、この検出結果に基づいて冷媒の有無を判定するため、冷媒の漏洩を検出することができる。
【0008】
また、前記物理的性質は、色、比重、成分、臭気及び粘度の少なくとも一つであることとしてもよい。このように、色、比重、成分、臭気及び粘度の少なくとも一つの物理的性質を検出するため、冷媒の漏洩を精度良く検出することができる。特に、色の物理的性質を検出する場合においては、冷却装置を停止した後、ドレン水に含まれる凝縮水の水分が蒸発して乾燥しても漏洩箇所には色素が残ることとなる。このため、冷却装置を停止して修理する際に、漏洩箇所を容易に特定することができる。着色されていない従来の冷媒は、乾燥すると漏えい個所を示すものがないので、通水試験を行うことで漏えい個所を確認しなければならないが、色の物理的性質を検出する場合には、この作業を省略することができる。これによって、修理時間を大幅に短縮することができる。
【0009】
また、前記冷媒は、浸透探傷検査液を着色料として含ませることにより、前記センサは、前記物理的性質として前記ドレン水の色を検出することとしてもよい。
【0010】
このように、着色料として浸透探傷液を用いているため、冷媒が漏洩して下流側に配置された圧縮機内に流入した場合、動翼や静翼等に付着するため、動翼や静翼等に浸透探傷液を塗布した状態となる。これによって、圧縮機の補修時に動翼や静翼等に浸透探傷液を塗布する作業を省くことができる。一般的に、水が圧縮機内に流入して動翼や静翼等に衝突するとエロージョンが生じるおそれがあるため、圧縮機の補修時には浸透探傷試験を行う必要がある。この浸透探傷試験では、最初に、浸透探傷液を動翼や静翼等の全体に塗布するが、着色料として浸透探傷液を用いることで、この浸透探傷液を塗布する作業を省くことができる。
【0011】
また、前記伝熱部に前記冷媒を供給する冷凍機と、
前記冷凍機と前記伝熱部との間を前記冷媒が循環するように形成された閉回路の冷媒流路と、
前記冷媒流路に前記冷媒を補充する冷媒補充部とをさらに備え、
前記漏洩判定部によって前記冷媒の漏洩が発生したと判定された場合、前記冷媒補充部から前記冷媒を前記冷媒流路に補充して所定期間運転を継続してもよい。
【0012】
このように、冷媒補充部を備えているため、冷媒が漏洩しても冷媒補充部から冷媒を補充することで、所定期間、冷却装置の運転を続けることができる。
【0013】
また、前記所定期間の終期は、漏洩した前記冷媒によって前記吸気通路の下流側に配置された圧縮機の翼にエロージョンが発生する時点よりも前に設定されていてもよい。
【0014】
このように、冷媒が漏洩しても直ちに冷却装置を停止せずに、圧縮機の翼にエロージョンが発生する時点よりも前まで冷却装置を運転し続けるため、圧縮機を有するタービン等の出力効率の低下を防止することができる。
【0015】
また、前記伝熱部は、複数のモジュールからなっており、
前記センサは、各モジュールから生じるドレン水の物理的性質を検出するように前記複数のモジュールごとに設けられており、
前記漏洩判定部は、前記複数のモジュールごとに設けられた前記センサの計測結果に基づいて、前記冷媒が漏洩しているモジュールを特定することとしてもよい。
【0016】
このように、伝熱部は、複数のモジュールからなっており、当該複数のモジュールごとにセンサが設けられているため、各モジュールに生じるドレン水の物理的性質を検出し、当該各モジュールごとの検出結果に基づいて冷媒の有無を判定することで、冷媒が漏洩しているモジュールを特定することができる。また、漏洩が生じても、モジュールごと交換することができるため修理作業を短時間、且つ容易に実施できるため、冷却装置を迅速に復旧させることができる。
【0017】
また、前記伝熱部の複数のモジュールごとに設けられたバルブを備え、
前記漏洩判定部によって特定された前記モジュールに対応するバルブを閉めて、該モジュールへの冷媒の供給を遮断することとしてもよい。
【0018】
このように、複数のモジュールごとにバルブを備えているため、漏洩が生じているモジュールに接続されているバルブを閉止することで、冷媒の供給を停止することができる。したがって、冷媒の漏洩が生じても、この漏洩しているモジュールへの冷媒の供給を停止し、漏洩していないモジュールへの冷媒の供給を続けることで、吸入空気を冷却し続けることができる。
【0019】
そして、本発明に係る冷媒の漏洩検知方法は、吸気口から吸い込まれた吸入空気が吸気流れ方向に流れる吸気通路内において、前記吸入空気を熱交換器内の伝熱部の内部を流れる冷媒と熱交換させて冷却し、前記吸入空気の湿分が前記伝熱部の表面に結露して生じる凝縮水をドレン水としてドレンラインによって排出する冷却装置の前記伝熱部からの冷媒の漏洩を検知する方法であって、
前記ドレンラインにおける前記ドレン水の物理的性質を検出する検出ステップと、
前記ドレン水の物理的性質の検出結果に基づいて、前記伝熱部からの前記冷媒の漏洩の有無を判定する漏洩判定ステップとを備え、
前記前記冷媒は、前記凝縮水とは異なる前記物理的性質を有することを特徴とする。
【0020】
このように、冷媒が漏洩したことによってドレン水に含まれることとなる当該冷媒の物理的性質を検出し、この検出結果に基づいて冷媒の有無を判定するため、冷媒の漏洩を検出することができる。
【0021】
また、前記物理的性質は、色、比重、成分、臭気及び粘度の少なくとも一つであることとしてもよい。このように、物理的性質を検出するため、冷媒の漏洩を精度良く検出することができる。
特に、色の物理的性質を検出する場合においては、冷却装置を停止した後、ドレン水に含まれる凝縮水の水分が蒸発して乾燥しても漏洩箇所には色素が残ることとなる。このため、冷却装置を停止して修理する際に、漏洩箇所を容易に特定することができる。着色されていない従来の冷媒は、乾燥すると漏えい個所を示すものがないので、通水試験を行うことで漏えい個所を確認しなければならないが、色の物理的性質を検出する場合には、この作業を省略することができる。これによって、修理時間を大幅に短縮することができる。
【0022】
また、前記冷媒は、浸透探傷検査液を着色料として含ませることにより、
前記センサは、前記物理的性質として前記ドレン水の色を検出することとしてもよい。
【0023】
このように、着色料として浸透探傷液を用いているため、冷媒が漏洩して下流側に配置された圧縮機内に流入した場合、動翼や静翼等に付着するため、動翼や静翼等に浸透探傷液を塗布した状態となる。これによって、圧縮機の補修時に動翼や静翼等に浸透探傷液を塗布する作業を省くことができる。一般的に、水が圧縮機内に流入して動翼や静翼等に衝突するとエロージョンが生じるおそれがあるため、圧縮機の補修時には浸透探傷試験を行う必要がある。この浸透探傷試験では、最初に、浸透探傷液を動翼や静翼等の全体に塗布するが、着色料として浸透探傷液を用いることで、この浸透探傷液を塗布する作業を省くことができる。
【0024】
前記伝熱部に前記冷媒を供給する冷凍機と、
前記冷凍機と前記伝熱部との間を前記冷媒が循環するように形成された閉回路の冷媒流路と、
前記冷媒流路に前記冷媒を補充する冷媒補充部とをさらに備え、
前記漏洩判定部によって前記冷媒の漏洩が発生したと判定された場合、前記冷媒補充部から前記冷媒を前記冷媒流路に補充して所定期間運転を継続することとしてもよい。
【0025】
このように、冷媒が漏洩しても冷媒を補充することで、所定期間、冷却装置の運転を続けることができる。
【0026】
前記所定期間の終期は、漏洩した前記冷媒によって前記吸気通路の下流側に配置された圧縮機の翼にエロージョンが発生する時点よりも前に設定されていてもよい。
【0027】
このように、冷媒が漏洩しても直ちに冷却装置を停止せずに、圧縮機の翼にエロージョンが発生する時点よりも前まで冷却装置を運転し続けるため、圧縮機を有するタービン等の出力効率の低下を防止することができる。
【0028】
前記伝熱部は、複数のモジュールからなっており、
前記漏洩判定ステップで前記冷媒の漏洩が発生したと判定された場合、前記伝熱部の各モジュールから生じるドレン水の前記物理的性質を検出し、モジュールごとのドレン水の前記物理的性質の検出結果に基づいて、前記冷媒が漏洩しているモジュールを特定する漏洩箇所特定ステップをさらに備えることとしてもよい。
【0029】
このように、各モジュールに生じるドレン水の物理的性質を検出し、各モジュールごとの検出結果に基づいて冷媒の漏洩の有無を判定することで、冷媒が漏洩しているモジュールを特定することができる。また、漏洩が生じても、モジュールごと交換することができるため修理作業を短時間、且つ容易に実施できるため、冷却装置を迅速に復旧させることができる。
【0030】
また、前記伝熱部は複数のモジュールからなっており、
前記漏洩判定ステップで前記冷媒の漏洩が発生したと判定された場合、各モジュールへの前記冷媒の供給の有無による前記ドレンラインを流れるドレン水の前記物理的性質の変化に基づいて、前記冷媒が漏洩しているモジュールを特定する漏洩箇所特定ステップをさらに備えることとしてもよい。
【0031】
このように、ドレン水の物理的性質を検出しながら、各モジュールごとに冷媒の供給を停止すると、冷媒が漏洩していないモジュールへの冷媒の供給を停止しても漏洩した冷媒が含まれているため、ドレン水の物理的性質は変化しないが、冷媒が漏洩しているモジュールへの冷媒の供給を停止すると、凝縮水のみの物理的性質を計測することとなるため、ドレン水の物理的性質が変化する。これによって、ドレン水の物理的性質が変化したときに、冷媒の供給を停止していたモジュールから漏洩していることを特定できる。
【0032】
また、前記漏洩箇所特定ステップにより特定された前記モジュールへの冷媒の供給を停止する供給停止ステップをさらに備えることとしてもよい。
【0033】
このように、漏洩が生じているモジュールへの冷媒の供給を停止し、漏洩していない他のモジュールへの冷媒の供給を続けることで、吸入空気を冷却し続けることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、冷却装置の冷媒の漏洩を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第一実施形態に係るガスタービン吸気の冷却装置の系統図である。
【図2】モジュールの斜視図である。
【図3】冷却水の漏洩検出手順を示すフロー図である。
【図4】冷却水の他の漏洩検出手順を示すフロー図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係るガスタービン吸気の冷却装置の系統図である。
【図6】本発明の第三実施形態に係るガスタービン吸気の冷却装置の系統図である。
【図7】本発明の第四実施形態に係るガスタービン吸気の冷却装置の系統図である。
【図8】本発明の第五実施形態に係るガスタービン吸気の冷却装置の系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る冷却装置について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、冷却装置をガスタービンの上流側に設けた場合について説明するが、これに限定されるものではなく、一般的な冷却装置にも適用することができる。また、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0037】
図1は、本発明の第一実施形態に係るガスタービン吸気の冷却装置の系統図である。
図1に示すように、冷却装置1は、ガスタービン2の圧縮機4の上流側に設けられた熱交換器10と、熱交換器10に送る水を冷却する冷凍機24とを備えている。熱交換器10の吸気口11から吸い込まれた吸入空気は、熱交換器10によって冷却されて冷却空気となり、ミストエリミネータ6を介して圧縮機4に流入する。圧縮機4に流入した冷却空気は圧縮空気となり、当該圧縮空気と燃料とが燃焼器8へ導入されて燃焼する。この燃焼によって燃焼器8で燃焼ガスが発生し、燃焼ガスによってタービン9が駆動される。
【0038】
熱交換器10と冷凍機24とは、冷凍機24から熱交換器10へ冷却水を送給する第1送給管30及び熱交換器10から冷凍機24へ冷却水を送給する第2送給管32で接続されており、冷却水が循環可能な閉回路を形成している。また、第1送給管30の冷凍機24側の端部に、冷凍機24で冷却された冷却水を熱交換器10に供給する循環用ポンプ26が接続されている。なお、冷媒として冷却水を用いたが、これに限定されるものではない。
【0039】
冷却水には着色料として浸透探傷液が含まれている。これによって、冷却水は赤い色を有している。なお、着色料は浸透探傷液に限定されるものではなく、冷却装置1の機器に悪影響を及ぼさないものであれば、一般的な着色料を用いてもよい。また、色も赤に限定されるものではない。
【0040】
第2送給管32の冷凍機24側の端部には、冷却水の温度変化による体積変動を吸収する密閉式の膨張タンク22が接続されている。
【0041】
そして、膨張タンク22と冷凍機24との間の第2送給管32には、冷却水補充部40が接続されている。冷却水補充部40は、冷却水を貯留するタンク42と、タンク42内の冷却水を供給する補充用ポンプ44とを備えている。
【0042】
熱交換器10内に冷却水を流す伝熱管13(伝熱部に相当)は、複数のモジュール12から構成されている。各モジュール12の伝熱管13には、複数の伝熱板14(伝熱部に相当)が接続されている。
各伝熱管13の一端は、複数系統に分割された第1送給管30の一端側枝部に接続されている。また、各伝熱管13の他端は、複数系統に分割された第2送給管32の一端側枝部に接続されている。冷凍機24から供給された冷却水は、第1送給管30を通過して各伝熱管13内にそれぞれ分配して供給される。そして、熱交換器10で温められた後、第2送給管32に集水されて、冷凍機24に戻る。
【0043】
図2は、モジュール12の斜視図である。
図2に示すように、複数の伝熱板14間を吸入空気が通過すると冷却されて、伝熱板14に凝縮水が付着する。伝熱板14に付着した凝縮水は重力で下方へ流下し、熱交換器10の下部に設けられたドレン板16に流れ落ちる。ドレン板16に流れ落ちた凝縮水は、一箇所に集められて、ドレン水として集中ドレンライン18にて排出される。
【0044】
また、図1に示すように、伝熱板14に付着した凝縮水のごく一部は霧状になって冷却空気とともに飛散し、ミストエリミネータ6に流入する。飛散した霧状の水分は、ミストエリミネータ6で捕集されて、集中ドレンライン18に送給される。
【0045】
浸透探傷液を含む冷却水が漏洩している場合、熱交換器10で生じた凝縮水と冷却水とを含むドレン水が集中ドレンライン18を流れる。このときのドレン水の色は赤色を示す。一方、冷却水が漏洩していない場合は、無色透明の凝縮水のみを含むドレン水が集中ドレンライン18を流れている。
集中ドレンライン18には、分光光度計50が設けられている。この分光光度計50によって、ドレン水の光の透過率を計測している。ドレン水の透過率は、例えば、ドレン水が無色透明の場合、100%に近い値を示すが、ドレン水が赤色の場合、大幅に低下する。
【0046】
冷却装置1は、分光光度計50で計測された光の透過率Lmに基づいて熱交換器10内で冷却水が漏洩しているか否かを判定する漏洩判定部34と、漏洩判定部34の判定結果に基づいて冷却水補充部40等を制御する制御部35とを備えている。漏洩判定部34及び制御部35は、熱交換器10から離れた位置に設置されている管理室のコントローラ33内に設けられている。
【0047】
漏洩判定部34は、分光光度計50から出力された光の透過率の計測値Lmと、予め設定された閾値Lthとを比較して、光の透過率の計測値Lmが閾値Lth以下の場合に、冷却水が漏洩していると判定する。
一方、光の透過率の計測値Lmが閾値Lthよりも大きい場合には、冷却水は漏洩していないと判定する。
本実施形態では、閾値Lthを95%としたが、この値に限定されるものではなく、分光光度計50の精度等に応じて、適宜、決定することができる。
【0048】
漏洩判定部34は、冷却水が漏洩していると判定すると、その旨を制御部35に出力する。その出力を受け付けた制御部35は、警報装置36の警報を鳴らすとともに、供給補充用ポンプ44を駆動して閉回路内に冷却水を供給する。そして、冷却水を閉回路内に供給し続けて、閉回路内の水量を一定に保つ。
【0049】
また、漏洩判定部34は、冷却水が漏洩していると判定すると、その旨をタイマー37にも出力する。その出力を受け付けたタイマー37は、冷却水が漏洩していると判定された時点からの経過時間tを計測する。そして、タイマー37は、その経過時間tが所定期間tthに達すると、制御部35にその所定期間tthに達した旨を出力する。この出力を受け付けた制御部35は、供給補充用ポンプ44を停止する。
所定期間tthは、圧縮機4の動翼や静翼等に水によるエロージョンが発生したり、コーティングが剥離したりするまでとする。なお、ガスタービン2の場合においては、日中運転して夜間停止するDSS(Daily Start and Stop)や平日運転して週末停止するWSS(Weekly Start and Stop)等の断続的な運転を行うときがある。係る場合には、所定期間tthを、例えば、朝から夕方までと設定したり、月曜日の朝から金曜日の夕方までと設定したりしてもよい。
【0050】
次に、冷却水の漏洩検出手順について説明する。
【0051】
図3は、冷却水の漏洩検出手順を示すフロー図である。
図3に示すように、まず、ドレン水の光の透過率を分光光度計50にて計測する(ステップS10)。ドレン水の光の透過率は、冷却装置1が稼働しているときは、常時、測定されている。
【0052】
次に、漏洩判定部34は、分光光度計50から出力された光の透過率の計測値Lmと、予め設定された閾値Lthとを比較して、冷却水の漏洩を判定する(ステップS20)。ここで、光の透過率の計測値Lmが95%以下の場合は、冷却水が漏洩していると判定する。
【0053】
冷却水が漏洩していると判定された場合、タイマー37が経過時間tの計測を開始する(ステップS30)。続いて、制御部35は、警報機36の警報を鳴らす(ステップS40)。
【0054】
また、制御部35は、補充用ポンプ44を駆動して冷却水を閉回路に供給する(ステップS50)。
【0055】
次に、タイマー37は、その経過時間tが所定期間tthに達するか否かを判定する(ステップS60)。ここで、その経過時間tが所定期間tth以上の場合、制御部35が補充用ポンプ44を停止して冷却水の供給を止める(ステップS70)。経過時間tが所定期間tth未満の場合は、経過時間tの計測を継続する。
【0056】
一方、ステップS20において、光の透過率の計測値Lmが95%よりも大きい場合には、ステップS10に戻ってドレン水の光の透過率を計測する。
【0057】
上述したように、本実施形態の冷却装置1は、ドレン水の光の透過率を計測し、透過率の計測値Lmと閾値Lthとを比較して、透過率の計測値Lmが閾値Lth以下の場合に、熱交換器10内で冷却水が漏洩していると判定することで、冷却水の漏洩を検出することができる。このとき、分光光度計50で計測された光の透過率の計測値Lmに基づいて判定するため、冷却水の漏洩を精度良く検出することができる。また、漏水を判定する際は、ドレン水の光の透過率Lmが閾値Lth以下か否かで判定するため、漏洩の判定を速やかに行うことができる。そして、分光光度計50は、一般的なものを用いることができるので、冷却装置1を安価に構築することができる。
また、冷却水補充部40を備えているため、冷却水が漏洩しても水を補充することで、所定期間tth、冷却装置1の運転を続けることができる。さらに、冷却水が漏洩しても直ちに冷却装置1を停止せずに、圧縮機4の回転翼にエロージョンが発生する前まで冷却装置1を運転し続けるため、ガスタービン2の出力効率の低下を防止することができる。
さらに、冷却水は着色されていることで、冷却装置1を停止した後、漏洩した冷却水の水分が蒸発して乾燥しても漏洩箇所には色素が残っているため、熱交換器10や圧縮機4を修理する際に、漏洩箇所を容易に特定することができる。従来の冷却水は無色透明なので、乾燥すると漏洩個所を示すものがなくなるため、通水試験を行うことで漏洩個所を確認しなければならないが、着色された冷却水を用いることで、この作業を省略することができる。これによって、修理時間を大幅に短縮することができる。
一般的に、漏洩した冷却水が圧縮機4内に流入して動翼や静翼等に衝突するとエロージョンが生じるおそれがある。そのため、圧縮機4の点検時には、浸透探傷試験を行う必要がある。この浸透探傷試験では、最初に、浸透探傷液を動翼や静翼等の全体に塗布している。ところが、本発明に係る冷却装置1を用いた場合においては、冷却水が漏洩して、浸透探傷液を含む冷却水が圧縮機4内に流入すると動翼や静翼等に付着するため、動翼や静翼等に浸透探傷液を塗布した状態となる。これによって、圧縮機4の点検時に動翼や静翼等に浸透探傷液を塗布する作業を省くことができる。なお、着色料として浸透探傷液を用いたことによって、動翼や静翼等に浸透探傷液を塗布する作業を省くことができるが、一般的な着色料を用いた場合においては、上述したように、漏洩箇所には色素が残っているため、冷却水が衝突した個所を中心として浸透探傷液を塗布する範囲を特定することができる。これによって、浸透探傷液を効率良く塗布することができるため、塗布する時間を大幅に短縮することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、冷却水の漏洩を判定する方法として、光の透過率の計測値Lmと閾値Lthとを比較する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、光の透過率の変化率Hmと、予め設定された変化率の閾値Hthとを比較して、冷却水が漏洩しているか否かを判定してもよい。以下に、光の透過率の変化率Hmを算出し、当該変化率Hmと、予め設定された閾値Hthとを比較する場合の判定方法について説明する。以下の説明において、上記の実施例に対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
【0059】
図4は、冷却水の他の漏洩検出手順を示すフロー図である。
図4に示すように、まず、時刻t、時刻t+1におけるドレン水の光の透過率を分光光度計50にて計測する(ステップS100)。ドレン水の光の透過率は、冷却装置1が稼働しているときは、常時、測定されている。
次に、漏洩判定部34は、分光光度計50から出力された時刻t、時刻t+1における計測値Lmt、Lmt+1に基づいて、光の透過率の変化率Hmを算出する(ステップS110)。
続いて、漏洩判定部34は、光の透過率の変化率Hmと予め設定された閾値Hthとを比較して、光の透過率の変化率Hmが閾値Hth以上の場合に、冷却水が漏洩していると判定する(ステップS120)。一方、光の透過率の変化率Hmが閾値Hthよりも小さい場合には、冷却水は漏洩していないと判定する。
次に、冷却水が漏洩していると判定された場合は、上述したステップS30〜S70を実施する。一方、冷却水が漏洩していないと判定された場合は、ステップS110に戻って光の透過率の変化率Hmを算出する。
【0060】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
本発明の第二実施形態に係る冷却装置51は、第一実施形態の第1送給管30の一端側枝部に複数のバルブを新たに設けたものである
【0061】
図5は、本発明の第二実施形態に係るガスタービン吸気の冷却装置51の系統図である。
図5に示すように、本実施形態に係る冷却装置51は、第1送給管30の各一端側枝部に接続されたモジュール12の入口側のバルブ62と、第2送給管32の各一端側枝部に接続されたモジュール12の出口側のバルブ64とを備えている。このバルブ62、64は、モジュール12と同じ数だけ複数設けられている。各バルブ62、64は、制御部35から出力された信号によって開閉可能である。
漏洩判定部34によって冷却水が漏洩していると判定され、かつ、漏洩しているモジュール12が特定されている場合において、制御部35は、冷却水が漏れているモジュール12のバルブ62、64を閉じる。バルブ62を閉じることで、冷却水が漏れているモジュール12への冷却水の供給を停止する。また、バルブ64を閉じることで、バルブ62を閉じた際に、モジュール12の出口側からモジュール12内へ冷却水が逆流することを防止する。
一方、冷却水が漏洩していると判定されても、漏洩しているモジュール12が特定されていない場合は、漏洩箇所を特定するステップを実施する(図示しない)。当該ステップでは、分光光度計50でドレン水の光の透過率を計測しながら、各モジュール単位でバルブ62、64を閉じることで当該バルブ62、64の間に位置するモジュール12への冷却水の供給を停止する。冷却水の供給を停止する作業は各モジュール単位で交互に行う。このとき、漏洩していないモジュール12への冷却水の供給を停止してもドレン水の光の透過率は増加しないが、漏洩しているモジュール12への冷却水の供給を停止すると、ドレン水の光の透過率が増加する。これによって、ドレン水の光の透過率が増加したときに、冷却水の供給を停止していたモジュール12から漏水していることを特定できる。漏水しているモジュール12が特定できたら、冷却水が漏れているモジュール12のバルブ62、64を閉じる。
【0062】
上述したように、本実施形態における冷却装置51によれば、第一実施形態の効果に加えて、各モジュール12への冷却水の供給を停止可能なバルブ62、64が設けられているとともに、分光光度計50が複数の各モジュール12で生じるドレン水をまとめて排出する集中ドレンライン18に設けられているため、分光光度計50でドレン水の光の透過率を計測しながら、各モジュール12単位で交互に停止することで、冷却水が漏洩しているモジュール12を特定できる。また、冷却水が漏洩しているモジュール12のバルブ62、64を閉止することで、冷却水の漏洩を止めることができる。そして、冷却水が漏洩していないモジュール12には冷却水を供給することで、冷却装置51を稼働し続けることができる。
また、漏洩が生じても、モジュール12ごと交換することができるため修理作業を短時間、且つ容易に実施できる。これによって、冷却装置51を迅速に復旧させることができる。さらに、1台の分光光度計50でドレン水の光の透過率を計測するため、冷却装置51を小型化でき、製作が容易となる。
なお、本実施形態では、漏洩しているモジュール12を特定する方法として、バルブ62、64を各モジュール単位で交互に閉じる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0063】
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
本発明の第三実施形態に係る冷却装置61は、第二実施形態の熱交換器10に撮像部52及び表示部54を新たに設けたものである。
【0064】
図6は、本発明の第三実施形態に係るガスタービン吸気ガスタービン吸気の冷却装置61の系統図である。
図6に示すように、本実施形態に係る冷却装置61は、熱交換器10内を撮像する撮像部52と、撮像部52によって撮像された画像や映像を表示する表示部54とを備えている。
撮像部52は、熱交換器10内に設けられており、すべてのモジュール12を撮像することができる。なお、撮像部52を熱交換器10外に設けて、熱交換器10に設けられている窓から熱交換器10内を撮像することとしてもよい。撮像部52から出力された画像や映像を表示部54に表示することで、すべてのモジュール12の状態を目視することができる。冷却水が漏洩していない場合、熱交換器10内には無色透明の凝縮水がドレン板16に向かって流れ落ちている。一方、冷却水が漏洩している場合、漏洩しているモジュール12の周囲に赤色のドレン水が流れている。撮像部52によって撮像された画像や映像を目視することで漏洩しているモジュール12を特定できる。
漏洩判定部34によって冷却水が漏洩していると判定された場合、撮像部52で撮像された画像や映像を目視し、漏洩しているモジュール12を特定する。続いて、冷却水が漏洩しているモジュール12のバルブ62、64を閉じる。これによって、冷却水が漏れているモジュール12への冷却水の供給を停止する。
【0065】
上述したように、本実施形態における冷却装置61によれば、第二実施形態の効果に加えて、撮像部52及び表示部54が設けられているため、撮像部52で撮像された画像や映像を目視することで、漏洩しているモジュール12を容易に特定することができる。
【0066】
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
本発明の第四実施形態に係る冷却装置71は、分光光度計50を複数設けたものである。
【0067】
図7は、本発明の第四実施形態に係るガスタービン吸気の冷却装置71の系統図である。
図7に示すように、本実施形態に係る熱交換器10の下部に、各モジュール12に生じるドレン水を集水するためのドレン板16が設けられている。ドレン板16は、モジュール12と同じ数だけ複数設けられている。各ドレン板16で集水されたドレン水は、各ドレン板16に接続されたドレンライン72にてそれぞれ排出される。そして、各ドレンライン72に分光光度計50が接続されている。分光光度計50は、各ドレン板16と同じ数だけ、すなわち、モジュール12の数と同じだけ設けられている。これによって、各モジュール12で生じたドレン水の光の透過率をそれぞれ計測することができる。
【0068】
本実施形態に係る冷却装置71の漏洩判定部34で、冷却水の漏洩を判定する場合は、各ドレンライン72の光の透過率の計測値Lmと閾値Lthとを比較して、第一実施形態と同様に、透過率の計測値Lmが閾値Lth以下の場合に冷却水が漏水していると判定する。さらに、透過率の計測値Lmが閾値Lth以下となるドレン水を排出しているモジュール12を、冷却水が漏洩しているモジュール12として特定する。続いて、制御部35は漏洩しているモジュール12のバルブ62、64を閉じて、そのモジュール12への冷却水の供給を停止する。
【0069】
上述したように、本実施形態における冷却装置71によれば、各モジュール12に対してそれぞれ分光光度計50が設けられているため、各分光光度計50の各ドレンライン72の光の透過率Lmと閾値Lthとを比較することで、冷却水が漏洩しているモジュール12を特定できる。また、各モジュール12に対してそれぞれバルブ62、64が設けられているため、冷却水が漏洩しているモジュール12のバルブ62、64を閉止することで、漏洩を止めることができる。そして、冷却水が漏洩していないモジュール12には冷却水を供給することで、冷却装置71を稼働し続けることができる。
【0070】
次に、本発明の第五実施形態について説明する。
【0071】
図8は、本発明の第五実施形態に係るガスタービン吸気の冷却装置81の系統図である。
図8に示すように、本実施形態に係る冷却装置81は、第1送給管30の他端部に接続されたバルブ62を備えている。また、冷却装置81は、第四実施形態と同様に、各モジュール12と同じ数のドレン板16及び分光光度計50を備えている。
【0072】
本実施形態に係る冷却装置81の漏洩判定部34で、冷却水の漏洩を判定する場合は、第四実施形態と同様に、各ドレンライン72の光の透過率の計測値Lmと閾値Lthとを比較して、透過率の計測値Lmが閾値Lth以下の場合に冷却水が漏水していると判定する。続いて、制御部35はバルブ62を閉じて、循環用ポンプ26を停止して、熱交換器10への冷却水の供給を停止する。
【0073】
上述したように、本実施形態における冷却装置81によれば、各モジュール12に対してそれぞれ分光光度計50が設けられているため、各分光光度計50の各ドレンライン72の光の透過率Lmと閾値Lthとを比較することで、冷却水が漏洩しているモジュール12を特定できる。また、第1送給管30の循環用ポンプ26側の端部にバルブ62が設けられているため、冷却水の漏洩が生じても、このバルブ62を閉止することで、すべてのモジュール12への冷却水の供給を停止することができる。
【0074】
なお、上述した各実施形態においては、物理的性質として色を検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、比重や成分や臭気や粘度を検出することとしてもよい。
比重を検出する場合には、例えば、水よりも大きい比重を有する物質を冷却水に混合して冷媒として供給する。そして、ドレンライン18に接続された比重計にてドレン水の比重を計測し、予め設定された水の比重Wthよりも大きな値が検出された場合に、冷却水が漏洩していると判定してもよい。
また、成分を検出する場合には、例えば、水溶性の成分を冷却水に混合して冷媒として供給する。そして、ドレンライン18に接続された分光光度計50にてドレン水の成分の濃度を計測し、その成分の濃度が少しでも検出された場合に、冷却水が漏洩していると判定してもよい。
また、臭気を検出する場合には、例えば、塩素を冷却水に混合し、ドレンライン18に接続された臭気計にてドレン水の臭気を計測し、この臭気が検出された場合に、冷却水が漏洩していると判定してもよい。
また、粘度を検出する場合には、例えば、非可燃性油を冷却水として使用し、ドレンライン18に接続された粘度計にてドレン水の粘度を計測し、油の粘度が検出された場合に、冷却水が漏洩していると判定してもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 冷却装置
2 ガスタービン
4 圧縮機
6 ミストエリミネータ
8 燃焼器
9 タービン
10 熱交換器
11 吸気口
12 モジュール
13 伝熱管(伝熱部)
14 伝熱板(伝熱部)
16 ドレン板
18 集中ドレンライン
22 膨張タンク
24 冷凍機
26 循環用ポンプ
30 第1送給管
32 第2送給管
33 コントローラ
34 漏洩判定部
35 制御部
36 警報装置
37 タイマー
40 冷却水補充部
42 タンク
44 補充用ポンプ
50 分光光度計
51 第2実施形態の冷却装置
52 撮像部
54 表示部
61 第3実施形態の冷却装置
62、64 バルブ
71 第4実施形態の冷却装置
81 第5実施形態の冷却装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口から吸い込まれて吸気通路内を吸気流れ方向に流れる吸入空気を冷却する冷却装置であって、
前記吸気通路内に設けられ、内部を流れる冷媒との熱交換によって前記吸入空気を冷却する伝熱部と、
前記吸入空気の湿分が前記伝熱部の表面に結露して生じる凝縮水をドレン水として排出するドレンラインと、
前記ドレンラインにおける前記ドレン水の物理的性質を検出するセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて、前記伝熱部からの前記冷媒の漏洩の有無を判定する漏洩判定部とを備え、
前記冷媒は、前記凝縮水とは異なる前記物理的性質を有することを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記物理的性質は、色、比重、成分、臭気及び粘度の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記冷媒は、浸透探傷検査液を着色料として含んでおり、
前記センサは、前記物理的性質として前記ドレン水の色を検出することを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記伝熱部に前記冷媒を供給する冷凍機と、
前記冷凍機と前記伝熱部との間を前記冷媒が循環するように形成された閉回路の冷媒流路と、
前記冷媒流路に前記冷媒を補充する冷媒補充部とをさらに備え、
前記漏洩判定部によって前記冷媒の漏洩が発生したと判定された場合、前記冷媒補充部から前記冷媒を前記冷媒流路に補充して所定期間運転を継続することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記所定期間の終期は、漏洩した前記冷媒によって前記吸気通路の下流側に配置された圧縮機の翼にエロージョンが発生する時点よりも前に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記伝熱部は、複数のモジュールからなっており、
前記センサは、各モジュールから生じるドレン水の物理的性質を検出するように前記複数のモジュールごとに設けられており、
前記漏洩判定部は、前記複数のモジュールごとに設けられた前記センサの計測結果に基づいて、前記冷媒が漏洩しているモジュールを特定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記伝熱部の複数のモジュールごとに設けられたバルブを備え、
前記漏洩判定部によって特定された前記モジュールに対応するバルブを閉めて、該モジュールへの冷却水の供給を遮断することを特徴とする請求項6に記載の冷却装置。
【請求項8】
吸気口から吸い込まれた吸入空気が吸気流れ方向に流れる吸気通路内において、前記吸入空気を熱交換器内の伝熱部の内部を流れる冷媒と熱交換させて冷却し、前記吸入空気の湿分が前記伝熱部の表面に結露して生じる凝縮水をドレン水としてドレンラインによって排出する冷却装置の前記伝熱部からの冷媒の漏洩を検知する方法であって、
前記ドレンラインにおける前記ドレン水の物理的性質を検出する検出ステップと、
前記ドレン水の物理的性質の検出結果に基づいて、前記伝熱部からの前記冷媒の漏洩の有無を判定する漏洩判定ステップとを備え、
前記前記冷媒は、前記凝縮水とは異なる前記物理的性質を有することを特徴とする冷媒の漏洩検知方法。
【請求項9】
前記物理的性質は、色、比重、成分、臭気及び粘度の少なくとも一つであることを特徴とする請求項8に記載の冷媒の漏洩検知方法。
【請求項10】
前記冷媒は、浸透探傷検査液を着色料として含んでおり、
前記センサは、前記物理的性質として前記ドレン水の色を検出することを特徴とする請求項9に記載の冷媒の漏洩検知方法。
【請求項11】
前記伝熱部に前記冷媒を供給する冷凍機と、
前記冷凍機と前記伝熱部との間を前記冷媒が循環するように形成された閉回路の冷媒流路と、
前記冷媒流路に前記冷媒を補充する冷媒補充部とをさらに備え、
前記漏洩判定部によって前記冷媒の漏洩が発生したと判定された場合、前記冷媒補充部から前記冷媒を前記冷媒流路に補充して所定期間運転を継続することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の冷媒の漏洩検知方法。
【請求項12】
前記所定期間の終期は、漏洩した前記冷媒によって前記吸気通路の下流側に配置された圧縮機の翼にエロージョンが発生する時点よりも前に設定されていることを特徴とする請求項11のいずれか一項に記載の冷媒の漏洩検知方法。
【請求項13】
前記伝熱部は、複数のモジュールからなっており、
前記漏洩判定ステップで前記冷媒の漏洩が発生したと判定された場合、前記伝熱部の各モジュールから生じるドレン水の前記物理的性質を検出し、モジュールごとのドレン水の前記物理的性質の検出結果に基づいて、前記冷媒が漏洩しているモジュールを特定する漏洩箇所特定ステップをさらに備えることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の冷媒の漏洩検知方法。
【請求項14】
前記伝熱部は複数のモジュールからなっており、
前記漏洩判定ステップで前記冷媒の漏洩が発生したと判定された場合、各モジュールへの前記冷媒の供給の有無による前記ドレンラインを流れるドレン水の前記物理的性質の変化に基づいて、前記冷媒が漏洩しているモジュールを特定する漏洩箇所特定ステップをさらに備えることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の冷媒の漏洩検知方法。
【請求項15】
前記漏洩箇所特定ステップにより特定された前記モジュールへの冷媒の供給を停止する供給停止ステップをさらに備えることを特徴とする請求項13又は14に記載の冷媒の漏洩検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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