説明

冷却装置

【課題】 冷却装置において、処理槽から床への伝熱を防止すると共に、処理槽の結露を防止し、また装置の移動時の作業性を向上する。
【解決手段】 処理槽内底面を構成する底板11の下面に、この底板11を補強する下部補強材17が左右方向へ延出すると共に、左右方向外側へ突出して設けられる。下部補強材17は、下面が水平面に形成されるので、処理槽2をコロに載せて移動させることができる。下部補強材17の左右両端部は、床面に設置された足部材31の上面に、伝熱阻害材30を介して着脱可能に設置される。処理槽2の底部には、ケース23に収容された断熱材21が着脱可能に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱後の食材または食品に代表される各種の被冷却物の冷却を図るための冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記各特許文献に開示されるように、一つの処理槽で、食材の真空冷却と冷風冷却とを実行可能な冷却装置が提案されている。
【0003】
真空冷却とは、処理槽内の気体を外部へ吸引排出して、処理槽内を減圧することで、処理槽内の食材からの水分蒸発を促し、その気化潜熱により食材の冷却を図るものである。真空冷却は、食材の内部まで均一に冷却でき、しかも冷却速度も速いが、チルド域(3〜0℃前後)までの冷却を可能とするには、処理槽内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段の構成が大掛かりとなり、コスト高を招くものである。
【0004】
一方、冷風冷却とは、処理槽内にクーラーおよびファンを設けて、冷風により食材の冷却を図るものである。冷風冷却は、通常、チルド域まで冷却できるが、食材表面へ冷風を当てて冷却する構成のため、食材の中心部が冷えにくく、冷却に時間を要すると共に、温度ムラを生じ易い。しかも、冷風冷却は、冷却に時間を要するため、食材が雑菌繁殖温度域に晒される時間が比較的長く、衛生面で改善の余地があった。
【0005】
下記特許文献1に開示される冷却装置では、真空冷却と冷風冷却との内、いずれか一方が選択されて実行される。また、下記特許文献2に開示される冷却装置では、先に冷風冷却した後に、真空冷却が実行される。この場合、高温域で冷風冷却するため、冷却に時間を要すると共に、温度ムラも大きくなり易い。しかも、その後に真空冷却を行う構成では、低温までの冷却には減圧手段の構成が大掛かりなものとなる。
【0006】
そこで、出願人は先に、真空冷却と冷風冷却との短所を互いに補い長所を生かした装置として、真空冷却後に冷風冷却を実行する冷却装置を提案し、既に特許出願を済ませている(特願2006−10880)。この冷却装置によれば、食材の真空冷却を図った後、冷風冷却を図ることで、簡易な構成で、短時間でムラなく低温まで冷却することができる。しかも、食材が雑菌繁殖温度域に晒される時間が少ないので、衛生的な冷却を図ることができる。
【特許文献1】特開平4−198681号公報
【特許文献2】特開2002−318051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した各冷却装置のように、処理槽内にクーラーを備える冷却装置は、処理槽を床面に直接に設置すると、処理槽の底部から床面への伝熱により、冷風冷却の効率が低下したり、処理槽が結露したりするおそれがある。その一方、処理槽から床面への伝熱を阻害するために、処理槽の底部に断熱材を設置するのでは、冷却装置の移動に不都合を生じる。すなわち、特に真空冷却と冷風冷却とを可能に構成した冷却装置の場合、装置全体の重量が大きくなるため、食品工場などに冷却装置を搬入する際、処理槽の底面にコロを敷いて移動させたいが、処理槽の底面に断熱材を設けていると、断熱材が邪魔となるものであった。
【0008】
この発明が解決しようとする課題は、処理槽から床面への伝熱を防止すると共に、処理槽の結露を防止し、また装置の移動時の作業性を向上する冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、被冷却物が収容される密閉可能な処理槽と、この処理槽内に設けられ、前記処理槽内を冷却する冷却器と、床面に設置され、前記処理槽が載せられる足部材と、前記処理槽の底部から下方へ突出しない断熱材、および/または、前記処理槽の底部に着脱可能に設けられる断熱材とを備えることを特徴とする冷却装置である。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、処理槽の底部には、断熱材が下方へ突出しないか着脱可能に設けられる。従って、処理槽から床面への伝熱が防止され、冷風冷却の効率低下を防止すると共に、処理槽の結露を防止することができる。また、処理槽をコロに載せて移動させることができ、処理槽の搬入作業などを容易に行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記処理槽は、前面へ開口する略矩形の中空ボックス状の処理槽本体と、この処理槽本体の開口部を開閉する扉とから構成され、前記処理槽本体は、処理槽内底面を構成する底板の下面に、この底板を補強する下部補強材が左右方向へ延出すると共に、左右方向外側へ突出して設けられており、前記下部補強材は、下面が水平面に形成されると共に、左右両端部が前記足部材の上面に伝熱阻害材を介して着脱可能に設置されることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置である。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、処理槽本体の下部補強材は、処理槽本体の左右方向外側へ延出して設けられ、その延出部において足部材の上面に伝熱阻害材を介して設置される。従って、左右の足部材への処理槽本体の設置を容易に行うことができる。しかも、伝熱阻害材を介することで、処理槽から床面への伝熱が確実に防止され、冷風冷却の効率低下を防止すると共に、処理槽の結露を防止することができる。また、下部補強材の下面は水平面とされているので、冷却装置の移動時にコロへの当接面とすることができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載の発明は、上方へ開口した略矩形状のケース内に断熱材が収容されており、前記ケースは、手前側から前記処理槽本体の底部に出し入れされると共に、前後または左右から前記処理槽本体にねじ止めされることを特徴とする請求項2に記載の冷却装置である。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、処理槽本体の前後または左右から作業するので、処理槽本体への断熱材の着脱を一層容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明の冷却装置によれば、処理槽から床面への伝熱を防止すると共に、処理槽の結露を防止し、また装置の移動時の作業性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の冷却装置は、冷凍機の蒸発器などから構成される冷却器を処理槽内に備え、処理槽内に収容した被冷却物の冷却を図る装置である。この冷却装置にて冷却を図られる被冷却物は、その種類を特に問わないが、典型的には加熱調理後の食材または食品である。
【0017】
本実施形態の冷却装置は、前述したように冷却器を備えるから、通常は、被冷却物の冷風冷却を実行可能に構成される。そして、好ましくは、被冷却物の真空冷却と冷風冷却とを実行可能に構成される。この場合、真空冷却後に冷風冷却するのがよいが、冷風冷却後に真空冷却したり、真空冷却のみまたは冷風冷却のみを実行したりできるように構成するのもよい。すなわち、真空冷却と冷風冷却とを自在に切り替えて、いずれか一方のみ、または双方を適宜組み合わせて実行可能とするのがよい。
【0018】
冷却装置は、前述したように、被冷却物が収容される密閉可能な処理槽と、この処理槽内に設けられ処理槽内を冷却する冷却器とを備える。そして、冷風冷却を実行可能に構成する場合には、処理槽内で風を起こし、冷却器を介した冷風を被冷却物へ吹き付けるファンをさらに備える。また、真空冷却と冷風冷却とを実行可能に構成する場合には、前記ファンに加えて、処理槽内の気体を外部へ吸引排出して処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧された処理槽内へ外気を導入して処理槽内を復圧する復圧手段とをさらに備える。
【0019】
処理槽は、被冷却物を収容可能に中空構造に形成される。たとえば、略矩形の中空ボックス状に形成された金属製の缶体とされる。処理槽は、被冷却物が収容される処理槽本体と、この処理槽本体の開口部を開閉する扉とから構成される。たとえば、前面へ開口する略矩形の中空ボックス状の処理槽本体と、この処理槽本体の開口部を開閉する略矩形板状の扉とから構成される。扉が閉じられた状態では、処理槽本体と扉との隙間は、パッキンにて封止される。
【0020】
処理槽には、適宜の補強材が設けられる。たとえば、処理槽本体は、前面へ開口する略矩形の中空ボックス状とされる場合、上下左右および後面を構成する板の外面に、それぞれ一または複数の補強材が設けられる。この補強材は、たとえば断面略コ字形状の形材などから構成され、前記板の外面に溶接などで固定される。
【0021】
さらに、処理槽には、適宜の断熱材が設けられる。この際、処理槽の底部に設けられる断熱材は、処理槽の底部から下方へ突出しないか、および/または、処理槽の底部に着脱可能に設けられる。これにより、処理槽をコロに載せて移動させる際に、処理槽の底部の断熱材が邪魔になるおそれはない。
【0022】
処理槽の底部に断熱材を着脱可能に設ける場合、上方へ開口した略矩形状の浅いケース内に断熱材を収容し、このケースを処理槽本体の手前側下部から、処理槽本体の底部に対し着脱可能とするのがよい。この場合、ケースおよび断熱材は、処理槽本体の底部を覆う大きさとされる。そして、断熱材が収容されたケースを、処理槽本体の底部に配置した状態で、処理槽本体の前後または左右から処理槽本体にねじ止めするのがよい。また、処理槽本体への取付状態において、処理槽本体の底部に断熱材が密着する構成とするのがよい。
【0023】
このような構成の処理槽は、床面に設けられた足部材に、処理槽本体が載せられて設置される。具体的には、処理槽本体は、処理槽内底面を構成する底板の下面に、この底板を補強する下部補強材が左右方向へ延出すると共に、左右方向外側へ突出して設けられている。そして、下部補強材は、下面が水平面に形成されると共に、左右両端部が足部材の上面に着脱可能に設置される。この際、下部補強材は、足部材の上面に、伝熱阻害材(断熱材)を介して載せられるのが好ましい。
【0024】
これにより、処理槽から床面への伝熱が防止され、冷風冷却の効率低下を防止すると共に、処理槽の結露を防止することができる。また、下部補強材の下面を水平にし、断熱材を下部補強材から下方へ突出しないか着脱可能に設けることで、下部補強材の下面をコロへの当接面として、冷却装置の移動を容易になすことができる。
【0025】
このような構成の処理槽には、前述したように、冷却器およびファンの他、所望により減圧手段および復圧手段が設けられる。
【0026】
冷却器は、処理槽内を冷却する熱交換器である。冷却器は、被冷却物を冷風冷却によりチルド域まで冷却可能な低温(たとえば−10℃以下)とすることができる熱交換器とするのがよい。冷却器は、典型的には、冷凍機の蒸発器から構成される。本実施形態では、冷凍機のコンデンシングユニットから供給される液化冷媒を蒸発させて、処理槽内の気体を冷却する蒸発器から構成される。但し、冷却器は、冷水製造装置(チラー)から供給される冷水、またはブラインチラーから供給されるブラインを冷媒とする熱交換器としてもよい。
【0027】
減圧手段は、処理槽内の気体を外部へ吸引排出して、処理槽内を減圧する手段である。減圧手段は、真空ポンプ、またはそれに代えてもしくはそれに加えて、蒸気エゼクタまたは水エゼクタなどを備える。減圧手段は、排気路を介して、処理槽に接続される。ところで、排気路には真空弁を開閉可能に設けておくのが好ましい。この場合、真空弁を閉じることで、処理槽内を密閉することができる。
【0028】
減圧手段は、さらに熱交換器を排気路に備えてもよい。この熱交換器は、減圧手段として真空ポンプを備える場合には、真空ポンプより上流側に設けられ、減圧手段として蒸気エゼクタを備える場合には、蒸気エゼクタより下流側に設けられる。熱交換器は、排気路内の蒸気を、冷却し凝縮させるものである。この冷却および凝縮作用をなすために、熱交換器には冷却水が供給され、排気路の冷却が図られる。排気路内の蒸気を予め熱交換器で凝縮させておくことで、その後の真空ポンプの負荷を軽減して、減圧能力を高めることができる。
【0029】
但し、減圧手段は、真空弁を備える排気路を介して、単に真空ポンプのみを処理槽に接続して構成するのが簡易である。蒸気エゼクタまたは水エゼクタ、および熱交換器を備えなくても、後述するように、真空ポンプによる第一真空冷却工程、冷却器とファンとを用いた第二真空冷却工程、および冷却器とファンとを用いた冷風冷却工程により、チルド域までの冷却も可能とされる。
【0030】
復圧手段は、減圧手段により減圧された処理槽内へ外気を導入して、処理槽内を復圧する手段である。この復圧手段により、処理槽内へ外気を導入することで、処理槽内を大気圧まで復圧することができる。処理槽内への外気の導入は、衛生面を考慮して、フィルターを介して行うのが望ましい。フィルターを介した清浄空気は、給気路を介して処理槽内へ供給される。給気路の中途に設けた真空解除弁を開閉することで、処理槽内への外気導入の有無が切り替えられる。
【0031】
被冷却物の真空冷却を図るには、処理槽内を密閉した状態で、減圧手段を用いて、処理槽内の気体を外部へ吸引排出すればよい。処理槽内を減圧することにより、被冷却物からの水分蒸発が促され、その気化潜熱により、被冷却物の冷却を図ることができる(第一真空冷却工程)。減圧手段の能力限界程度まで処理槽内を減圧後、減圧手段の作動を停止して処理槽内を密閉した状態で、冷却器を機能させつつファンを回転させて、処理槽内のさらなる減圧を図ってもよい(第二真空冷却工程)。この場合、第一真空冷却工程の後半に、処理槽内に蒸気および/または温水を供給して、処理槽内を蒸気で満たしておくのがよい。いずれにしても、真空冷却工程後には、復圧手段を用いて、処理槽内を大気圧まで復圧すればよい。
【0032】
一方、被冷却物の冷風冷却を図るには、冷却器を機能させた状態でファンを回転させればよい。これにより、ファンへの吸込空気またはファンからの吐出空気は、冷却器を介して冷風として被冷却物へ吹き付けられ、被冷却物の冷風冷却を図ることができる。
【実施例】
【0033】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の冷却装置1の一実施例を示す概略斜視図であり、処理槽2の扉3を半分程開いた状態を示している。本実施例の処理槽2は、略矩形の中空ボックス状に形成された金属製の缶体である。処理槽2は、前面へ開口して中空部を有する処理槽本体4と、この処理槽本体4の開口部を開閉する扉3とから構成される。
【0034】
処理槽本体4は、略矩形の中空部が前面へ開口して形成されると共に、その略矩形の開口部の外周に沿って連続的にパッキン5が設けられる。処理槽本体4の前方上部には、左右方向へ延出すると共に処理槽本体4の右側へ延出して、レール6が設けられる。このレール6には、それに沿って左右へスライド可能に、扉3が吊り下げられる。具体的には、略矩形板状の扉3の上部には、左右二箇所にそれぞれローラ7,7(図5)が設けられており、このローラ7がレール6に保持される。従って、レール6に沿ってローラ7が回転しつつ、処理槽本体4に対し扉3が左右にスライド可能とされる。
【0035】
扉3は、処理槽本体4の開口部と対面する位置が全閉位置とされ、処理槽本体4の開口部を完全に露出させる位置が全開位置とされる。全閉位置においては、扉3の左右に設けた留め具8に、処理槽本体4の左右に設けた掛け具9を係合することで、扉3を処理槽本体4へ引き付けて固定することができる。これにより、処理槽本体4と扉3との隙間が、パッキン5にて確実に封止される。
【0036】
図2は、本実施例の処理槽本体4を示す概略斜視図であり、一部を切り欠いて示すと共に、一部を分解して示している。本実施例の処理槽本体4は、前述したように、前面へ開口する略矩形の中空ボックス状とされている。
【0037】
具体的には、天板10、底板11、左右の側板12,12、および背板13とから構成され、それぞれ略矩形板状とされている。天板10および底板11は、同一の形状および大きさとされ、上下に離隔して平行に、対面して配置される。左右の側板12,12は、同一の形状および大きさとされ、天板10および底板11の左端辺同士および右端辺同士を接続するように、左右に離隔して平行に、対面して配置される。この際、各板同士の接続部は、丸みを付けられて、処理槽本体4の内外の気密性を確保できるように一体化される。このようにして、前後方向へ軸線を配置した略矩形筒14が形成されるが、その後方開口部を閉塞するように略矩形板状の背板13が設けられる。背板13の外周部は、略矩形筒14の外周部よりも外方へ延出して配置される。
【0038】
略矩形筒14の外面には、適宜の補強材15〜19が設けられる。具体的には、略矩形筒14の前後方向中央部には、外方へツバ状に突出してフラットバー15が固定されている。フラットバー15の外形は、略矩形筒14よりも一回り大きな略矩形状とされている。そして、このフラットバー15から前後へ所定距離だけ離隔して、フラットバー15と同様に、略矩形枠を形成するように、その他の補強材16〜19が設けられる。
【0039】
具体的には、天板10の上面には、二つの上部補強材16,16が、フラットバー15を挟んだ前後位置に設けられる。上部補強材16,16は、互いに平行に、左右方向へ沿って配置される。この際、各上部補強材16の左右両端部は、略矩形筒14の左右側板12,12よりも外方へ僅かに延出して配置される。各上部補強材16は、断面略コ字形状の形材から構成され、その溝を下方へ向けて配置され、天板10の上面に溶接にて固定される。
【0040】
一方、底板11の下面には、二つの下部補強材17,17が、フラットバー15を挟んだ前後位置に設けられる。下部補強材17,17は、互いに平行に、左右方向へ沿って配置される。この際、下部補強材17は、上部補強材16と上下に対応した位置に配置される。また、下部補強材17は、上部補強材16よりも左右方向外側へ延出して配置される。各下部補強材17は、断面略コ字形状の形材から構成され、その溝を上方へ向けて配置され、底板11の下面に溶接にて固定される。
【0041】
また、左右の各側板12の外面には、それぞれ二つの側部補強材18,18が、フラットバー15を挟んだ前後位置に設けられる。各側板12の側部補強材18,18は、互いに平行に、上下方向へ沿って配置される。この際、各側部補強材18は、上部補強材16と下部補強材17とを架け渡すように配置される。各側部補強材18は、断面略コ字形状の形材から構成され、その溝を左右方向内側へ向けて配置され、各側板12の外面に溶接にて固定される。
【0042】
さらに、背板13の後面には、複数(図示例では五つ)の後部補強材19,19,…が、上下に等間隔に設けられる。後部補強材19,19,…は、互いに平行に、左右方向へ沿って配置される。この際、各後部補強材19の左右両端部は、背板13の左右両端部と対応して配置される。各後部補強材19は、断面略コ字形状の形材から構成され、その溝を手前側へ向けて配置され、背板13の後面に溶接にて固定される。
【0043】
図3は、本実施例の処理槽本体4の手前側右下部を示す概略斜視図である。また、図4は、本実施例の処理槽本体4の下部構造を示す側面視の概略縦断面図である。図2から図4に示すように、略矩形筒14の外面には、前方開口部に近接した位置に、フラットバー15と同様に、矩形枠状に外方へ延出して、ツバ部20が設けられる。そして、このような構成の処理槽本体4の外面には、適宜の断熱材21,21,…が設けられる。
【0044】
具体的には、処理槽本体4の上部には、ツバ部20と上部補強材16との隙間、各上部補強材16とフラットバー15との隙間、および背板13と上部補強材16との隙間に、それぞれ断熱材21が設けられると共に、これらを覆い隠すように断熱材21が設けられる。
【0045】
また、処理槽本体4の左右側部には、ツバ部20と側部補強材18との隙間、各側部補強材18とフラットバー15との隙間、および背板13と側部補強材18との隙間に、それぞれ断熱材21が設けられると共に、これらを覆い隠すように断熱材21が設けられる。
【0046】
また、処理槽本体4の後部には、後部補強材19同士の隙間の他、最上部の後部補強材19の上部、および最下部の後部補強材19の下部に、それぞれ断熱材21が設けられると共に、これらを覆い隠すように断熱材21が設けられる。さらに、これらを覆い隠すように、背面ケーシング22が設けられる(図4)。
【0047】
さらに、図4に示すように、処理槽本体4の下部には、ツバ部20と下部補強材17との隙間、各下部補強材17とフラットバー15との隙間、および背板13と下部補強材17との隙間に、それぞれ断熱材21が設けられると共に、これらを覆い隠すように、ケース23に収容された断熱材21が着脱可能に設けられる。
【0048】
図2から図4に示すように、ケース23は、上方へ開口した略矩形の浅いボックス状に形成されており、断熱材21が収容される。この際、断熱材21は、ケース23の上端縁よりも上方へ突出して収容される。断熱材21が収容されたケース23は、処理槽本体4の手前側から、処理槽本体4の底部に対し出し入れ可能とされる。
【0049】
処理槽本体4には、後部に背面ケーシング22が設けられる一方、前方下部にケース保持材24が着脱可能に設けられる。本実施例のケース保持材24は、断面略L字形状の形材から構成され、一片25を上方へ延出させると共に、他片26を後方へ延出させて配置される。処理槽本体4に対するケース保持材24の着脱は、処理槽本体4の横方向から行うことができる。
【0050】
ケース保持材24は、その一片25を、処理槽本体4のツバ部20の下端辺部に重ね合わせて設けられる。そして、ツバ部20の左右下部から左右方向外側へ延出する舌片27に、ケース保持材24の一片25を重ね合わせて第一ネジ28にて固定される。この際、予め処理槽本体4の底部にケース23を配置しておき、ケース23の手前側下部をケース保持材24の他片26で保持する。
【0051】
その後、さらに、ケース保持材24の一片25とケース23の前壁とを、第二ネジ29(図3,図4)にて固定するのがよい。また、これと同様に、ケース23の後部は、背面ケーシング22の下部に重ね合わされて、第二ネジ29にて固定されるのがよい。このようにして、断熱材21が収容されたケース23は、処理槽本体4の底部に着脱可能に設けられる。処理槽本体4へのケース23の取付状態では、下部補強材17の下面に、ケース23の断熱材21が密着して配置される。
【0052】
図3に示すように、各下部補強材17は、ケース23よりも左右方向外側へ延出して設けられる。そして、その延出部(下部補強材17の左右両端部)が伝熱阻害材30を介して、床面に設置された足部材31に載せられる。
【0053】
具体的には、足部材31は、処理槽本体4の左右両端部において、それぞれ前後方向へ沿って床面に水平に固定される。そして、この足部材31の上面に、伝熱阻害材30を介して、下部補強材17が載せられることで、処理槽本体4が設置される。伝熱阻害材30は、処理槽本体4やその下部補強材17から、足部材31や床への伝熱を阻害するための断熱材であり、本実施例ではプラスチックの板材から構成される。
【0054】
処理槽本体4は以上のような構成であるから、足部材31および伝熱阻害材30の他、断熱材付きケース23を取り外した状態とすることで、処理槽本体4の底部には、下部補強材17の水平面が最下部にて露出されることになる。従って、この水平面をコロに載せることで、処理槽本体4の移動を容易になすことができる。具体的には、各コロはその軸線を前後方向へ沿って配置されることで、処理槽本体4を主として左右方向へ移動させることができる。そして、所望箇所において、足部材31に伝熱阻害材30を介して下部補強材17を載せた後、処理槽本体4の底部に、断熱材付きケース23を取り付ければよい。この断熱材付きケース23は、処理槽本体4を持ち上げなくても着脱可能である。
【0055】
本実施例の構成によれば、処理槽本体4は断熱材21で取り囲まれると共に、伝熱阻害材30を介して左右の足部材31,31に載せられて設置される。従って、処理槽2から床への伝熱が防止され、冷風冷却の効率低下を防止すると共に、処理槽2の結露を防止することができる。
【0056】
図5は、前記処理槽2の使用状態を示す概略正面図であり、一部を省略して示すと共に、一部を断面にして示している。ここでは、真空冷却と冷風冷却との両機能を備え、自在に切り替えて運転することにより、真空冷却と冷風冷却との内、いずれか一方が実行されるかまたは双方が順次に実行されて、被冷却物32の冷却を図る冷却装置1とした例を示している。
【0057】
この図に示すように、処理槽2には、処理槽2内に風を起こすファン33と、処理槽2内を冷却し特にファン33による風を冷却する冷却器34と、処理槽2内の流体を外部へ吸引排出する減圧手段35と、減圧手段35により減圧された処理槽2内を復圧する復圧手段36と、処理槽2内へ蒸気および/または温水を供給する給蒸手段37と、これらを制御する制御手段(図示省略)とが備えられる。さらに、処理槽2には、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ(図示省略)と、処理槽2内の温度を検出する温度センサ(図示省略)と、被冷却物32の温度を検出する品温センサ(図示省略)とが備えられる。
【0058】
さらに、処理槽本体4のツバ部20には、扉3の開閉を検知するためのドアセンサ38が設けられる。図示例では、ドアセンサ38は、処理槽本体4の左上方のツバ部20の前面に固定されている。扉3の全閉位置において、扉3の戸先側を検知することで、扉3の開閉を確実に検知することができる。また、処理槽本体4の上部にて検知することで、作業者などが通過することによる誤検知を防止することができる。
【0059】
本実施例のドアセンサ38は、薄板状に形成されており、ツバ部20に重ね合わされてネジ(図示省略)で固定される。ツバ部20への取付状態において、ドアセンサ38は、処理槽本体4の前端縁よりも突出しない大きさである。従って、扉3は、戸先側端部がドアセンサ38に重ね合わされるよう閉鎖される。ドアセンサ38は、扉3の有無により磁界の変化や光反射の有無などを用いて、扉3が全閉位置か否かを検知する。
【0060】
被冷却物32は、特に問わないが、典型的には加熱調理後の食材または食品である。被冷却物32は、台車39を介して処理槽2に出し入れすることができる。本実施例では、上下に複数の棚枠を有した台車39が使用され、被冷却物32を収容した容器(たとえば、ホテルパン)40が各棚枠に保持される。
【0061】
処理槽2の右側壁には、一または複数のファン33が設けられる。本実施例では、三つのファン33が上下に等間隔に離隔して設けられる。各ファン33は、処理槽2外に配置されたモータ41により回転される構成である。
【0062】
処理槽2内には、左右方向中央部よりやや右側に、直方体状の冷却器34が設けられる。冷却器34は、水平な台座42に載せられて、処理槽2内の底面から浮いた状態で設置される。冷却器34は、周知の構成の冷凍機43の蒸発器から構成される。具体的には、冷却器34は、冷媒路44を介してコンデンシングユニット45と接続されている。コンデンシングユニット45からの液化冷媒は、液電磁弁46および膨張弁47を介して蒸発器(冷却器34)へ供給され、この蒸発器にて完全に蒸発される。この際、蒸発器において冷媒は周囲から吸熱するので、蒸発器は冷却器34として機能する。
【0063】
冷凍機43を運転した状態でファン33を作動させると、ファン33への吸込空気は、冷却器34にて冷却された後、冷却器34の前後における処理槽2との隙間を介して、被冷却物32の収容空間へ供給され、再び冷却器34を介してファン33へ吸い込まれる。このようにして、処理槽2内において、冷風の循環流を形成することができる。また、本実施例における冷却器34の上部は、図5に示すように、ファン33の風を冷却器34の上方へ流さないように、バッフル板48を設ける構成としたが、これに限られるものではなく、ファン33の風を冷却器34の上方から流す場合はバッフル板48を設けなくてもよい。
【0064】
処理槽2には、処理槽2内の流体を外部へ吸引排出する減圧手段35が接続される。本実施例では、減圧手段35は、水封式の真空ポンプ49から構成される。水封式の真空ポンプ49は、周知のとおり封水と呼ばれる水が供給されて作動する。従って、真空ポンプ49には、封水路50を介して水が供給可能とされる。封水路50の中途には封水弁51が設けられており、この封水弁51は真空ポンプ49の作動時に開かれる。
【0065】
真空ポンプ49は、排気路52および排水路53を介して、処理槽2と接続される。排気路52と排水路53とは、真空ポンプ49の側において共通路54とされており、この共通路54には逆止弁55が設けられる。排気路52は、処理槽2の右側部に接続される一方、排水路53は、処理槽2の底部に接続される。排気路52の中途には真空弁56が設けられ、排水路53の中途には排水弁57が設けられる。これにより、処理槽2内の気体は、真空弁56および逆止弁55を介して、真空ポンプ49へ吸引可能とされる。また、処理槽2内の底部に溜まった水は、排水弁57および逆止弁55を介して、真空ポンプ49へ吸引可能とされる。真空ポンプ49の排気口には、排気セパレータ58が接続される。これにより、真空ポンプ49からの流体は、排気セパレータ58にて気水分離された後、排気および排水される。
【0066】
さらに、処理槽2には、減圧手段35にて減圧された後、復圧するための復圧手段36が接続される。本実施例の復圧手段36は、処理槽2に接続された給気路59が、エアフィルタ60を介して外気と連通可能に設けられている。給気路59を処理槽2の上部に接続する場合、復圧時に処理槽2内へ流入する空気が被冷却物32へ直接に当らないように、給気路59は、ファン33や冷却器34が設置された側の上部において、処理槽2に接続するのが好ましい。給気路59の中途には、真空解除弁61が設けられる。この真空解除弁61は、処理槽2内への外気導入の有無を切り替える弁である。真空解除弁61の開放により、処理槽2内は大気圧に開放可能とされる。
【0067】
処理槽2には、処理槽2内へ蒸気および/または温水を供給する給蒸手段37が接続されている。この給蒸手段37は、ボイラから構成してもよいが、温水タンク62により構成するのが簡易である。この温水タンク62には、給水路63を介して水が供給可能とされる。給水路63の中途には、給水弁64が設けられる。この給水弁64は、温水タンク62への給水の有無を切り替える弁である。温水タンク62内には設定量の水が貯留され、ヒータ65により、温水タンク62内の水は設定温度(たとえば80℃)に保持される。
【0068】
このような構成の温水タンク62は、給蒸路66を介して処理槽2に接続される。本実施例では、給蒸路66は、処理槽2の上部に接続される。この際、温水タンク62からの蒸気や温水が、被冷却物32に直接に当らないように、ファン33や冷却器34が設置された側の上部に接続される。給蒸路66の中途には、給蒸弁67が設けられている。この給蒸弁67は、処理槽2内への蒸気や温水の供給の有無を切り替える弁である。
【0069】
処理槽2内の減圧状態で給蒸弁67を開くことで、差圧により、温水タンク62内の蒸気は温水を伴って処理槽2内へ自然に供給される。温水をも処理槽2内へ供給することで、水の濃縮を防止することができる。処理槽2内に供給された温水は、減圧下で一層蒸発を促されて、処理槽2内に蒸気を充満させる。従って、減圧手段35を作動させておくことで、排気路52を介して処理槽2内からの空気排除を効果的に行うことができる。
【0070】
ファン33、冷却器34、減圧手段35、復圧手段36、給蒸手段37は、制御手段(図示省略)により制御される。この制御手段は、それが把握する経過時間や前記各センサからの検出信号などに基づいて、前記各構成を制御する制御器である。具体的には、ファン33のモータ41、冷凍機43のコンデンシングユニット45と液電磁弁46、真空ポンプ49と封水弁51、真空弁56、排水弁57、真空解除弁61、温水タンク62のヒータ65と給水弁64、給蒸弁67の他、圧力センサ、温度センサおよび品温センサなどは、制御器に接続される。そして、制御器は、所定の手順(プログラム)に従い、処理槽2内の被冷却物32の冷却処理を行う。
【0071】
図6は、本実施例の冷却装置1による冷却処理の典型例を示すフローチャートである。基本的には、被冷却物32の真空冷却を図った後、冷風冷却を図る構成である。しかしながら、被冷却物32の温度が比較的高温の場合には、まず粗熱取り工程S1を行うのが好ましい。この粗熱取り工程S1は、被冷却物32を冷風冷却または送風冷却する工程である。
【0072】
冷風冷却のためには、処理槽2内を密閉した状態で、冷凍機43およびファン33を作動させて、被冷却物32に冷風を吹き付けて冷却を図ればよい。一方、送風冷却のためには、真空解除弁61および真空弁56を開いた状態で、真空ポンプ49を作動させればよい。また、被冷却物32に対して風を当てるために、ファン33を作動させてもよい。これにより、処理槽2内へ外気を導入しつつ排出することで、被冷却物32の冷却が図られる。送風冷却時には、冷凍機43は停止すると共に、給蒸弁67は閉じた状態、排水弁57は閉じた状態または開いた状態とされる。
【0073】
このようにして、被冷却物32の温度がたとえば90℃から70℃になると、次工程の真空冷却工程へ移行する。本実施例では、真空冷却工程は第一真空冷却工程S2と第二真空冷却工程S3とに分けて実行される。
【0074】
第一真空冷却工程S2では、処理槽2を密閉した状態で、真空弁56および封水弁51を開いて真空ポンプ49を作動させ、処理槽2内の空気を外部へ吸引排出して、処理槽2内を減圧する。これにより、被冷却物32からの水分蒸発が促され、その気化潜熱により被冷却物32の冷却が図られる。
【0075】
第一真空冷却工程S2の後半には、減圧手段35を作動させた状態のまま、給蒸弁67を一時的に開いて処理槽2内へ温水を伴って蒸気を供給する。これにより、処理槽2内に蒸気を充満させ、その蒸気と空気を置換することで、処理槽2内からの空気排除を一層確実に行うことができる。このようにして、真空ポンプ49の能力限界程度にまで処理槽2内を減圧する。この第一真空冷却工程S2により、被冷却物32の温度は、たとえば40℃程度にまで速やかに冷却される。
【0076】
その後の第二真空冷却工程S3では、真空弁56および封水弁51を閉じて真空ポンプ49を停止させる。そして、処理槽2内を密閉した状態で、ファン33および冷凍機43を運転する。これにより、冷却器34により処理槽2内の蒸気を凝縮させて、ファン33の作動により処理槽2内の気体を撹拌することで蒸気の凝縮を促進させ、処理槽2内をさらに減圧して被冷却物32を真空冷却することができる。このようにして、被冷却物32の温度は、たとえば10℃にまで冷却される。第二真空冷却工程S3が終了すると、冷凍機43の運転を停止する。
【0077】
その後の復圧工程S4では、真空解除弁61を開いて、処理槽2内を大気圧まで復圧する。すなわち、復圧工程S4では、真空弁56を閉じた状態で、真空解除弁61を開くことで、処理槽2内へ外気を導入して、処理槽2内の復圧が図られる。この復圧工程S4中または復圧工程S4直後には、真空ポンプ49を作動させた状態で排水弁57を開いて、処理槽2内の底部からの排水が図られる。
【0078】
その後の冷風冷却工程S5では、再び処理槽2内を密閉した状態で、冷凍機43およびファン33を作動させる。この冷風冷却工程S5により、被冷却物32は、たとえば3℃まで冷却される。但し、場合により冷凍する領域まで冷却してもよい。
【0079】
ところで、真空冷却工程は、必ずしも第一真空冷却工程S2と第二真空冷却工程S3とに分けて実行する必要はなく、場合によっては第一真空冷却工程S2のみとすることもできる。第二真空冷却工程S3を実行しない場合、第一真空冷却工程S2の後半に、処理槽2内へ蒸気および/または温水を供給する必要はない。
【0080】
また、本実施例の冷却装置1は、真空冷却後に冷風冷却する構成に加えて、真空冷却または冷風冷却のいずれかのみ機能させて運転可能とするのがよい。さらに、真空冷却後に冷風冷却する構成に加えて、冷風冷却後に真空冷却するよう構成することもできる。これらの場合における真空冷却工程や冷風冷却工程は、上述した各工程と同様の工程である。但し、真空冷却工程は、第一真空冷却工程S2とその後の第二真空冷却工程S3との内、少なくとも第一真空冷却工程S2をいう。
【0081】
本発明の冷却装置1は、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。特に、前記各補強材15〜19の本数や形状などは、適宜変更可能である。また、前記実施例では、断熱材21を収容されたケース23は、ケース保持材24と背面ケーシング22とにそれぞれ第二ネジ29で固定される構成としたが、所望により第二ネジ29での固定は省略可能である。その場合、断熱材21を収容されたケース23は、後端部が背面ケーシング22に引っ掛けられて保持され、前端部がケース保持材24に保持される。処理槽本体4へのケース保持材24の着脱は、前記実施例と同様になされる。
【0082】
また、前記実施例では、断熱材21を収容されたケース23は、処理槽本体4の前後から処理槽本体4のケース保持材24に第二ネジ29で固定される構成としたが、処理槽本体4の左右から第二ネジ29で固定される構成としてもよい。
【0083】
また、前記実施例では、処理槽本体4のツバ部20に扉3の開閉を検知するためのドアセンサ38が設けられる構成としたが、扉3の左右に設けた留め具8と処理槽本体4の左右に設けた掛け具9とを係止することで扉3の開閉を検知する構成としてもよい。具体的には、ドアセンサ(図示省略)が処理槽本体4に設けられ、このドアセンサ(図示省略)により左右のいずれかまたは両方の留め具8と掛け具9との係止状態を検知することで、扉3の開閉を検知する。
【0084】
さらに、前記実施例では、真空冷却と冷風冷却とを実行可能に構成したが、本発明は、少なくとも冷風冷却が実行可能であれば足りる。その場合、前記実施例において、減圧手段35および復圧手段36の設置を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の冷却装置の一実施例を示す概略斜視図であり、処理槽の扉を半分程開いた状態を示している。
【図2】図1の冷却装置の処理槽本体を示す概略斜視図であり、一部を切り欠いて示すと共に、一部を分解して示している。
【図3】図2の処理槽本体の手前側右下部を示す概略斜視図である。
【図4】図2の処理槽本体の下部構造を示す側面視の概略縦断面図である。
【図5】図1の冷却装置の具体的構成を示す概略正面図であり、一部を省略して示すと共に、一部を断面にして示している。
【図6】図5の冷却装置による冷却処理の典型例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1 冷却装置
2 処理槽
3 扉
4 処理槽本体
11 底板
17 下部補強材
21 断熱材
23 ケース
30 伝熱阻害材
31 足部材
32 被冷却物
34 冷却器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被冷却物が収容される密閉可能な処理槽と、
この処理槽内に設けられ、前記処理槽内を冷却する冷却器と、
床面に設置され、前記処理槽が載せられる足部材と、
前記処理槽の底部から下方へ突出しない断熱材、および/または、前記処理槽の底部に着脱可能に設けられる断熱材と
を備えることを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記処理槽は、前面へ開口する略矩形の中空ボックス状の処理槽本体と、この処理槽本体の開口部を開閉する扉とから構成され、
前記処理槽本体は、処理槽内底面を構成する底板の下面に、この底板を補強する下部補強材が左右方向へ延出すると共に、左右方向外側へ突出して設けられており、
前記下部補強材は、下面が水平面に形成されると共に、左右両端部が前記足部材の上面に伝熱阻害材を介して着脱可能に設置される
ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
上方へ開口した略矩形状のケース内に断熱材が収容されており、
前記ケースは、手前側から前記処理槽本体の底部に出し入れされると共に、前後または左右から前記処理槽本体にねじ止めされる
ことを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−63255(P2009−63255A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232458(P2007−232458)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】